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特許6992486系統不平衡低減装置、系統不平衡低減方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】系統不平衡低減装置、系統不平衡低減方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/26 20060101AFI20220105BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H02J3/26
H02J3/00 170
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017243661
(22)【出願日】2017-12-20
(65)【公開番号】P2019110719
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】八田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】柴丸 昇
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-005893(JP,A)
【文献】特開2011-101565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00 - 5/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷および太陽光発電設備が接続される電力系統において、
所定の晴れている日における、前記電力系統の第1電圧不平衡率が所定の値を示す第2時間を特定する時間特定部と、
晴れている日に前記太陽光発電設備が前記第1電圧不平衡率に与える影響を除去するための補正係数を算出するとともに、晴れていない日における前記電力系統の第2電圧不平衡率に前記補正係数を適用して、前記負荷が影響を及ぼす、晴れている日における前記電力系統の第3電圧不平衡率を算出する補正算出部と、
前記電力系統の第3接続相間に接続される複数の負荷がそれぞれ消費する電力の時間変化を示す複数の第3変化傾向のうち、前記第3電圧不平衡率の時間変化を示す第4変化傾向と近似する前記第3変化傾向を特定するとともに、特定された前記第3変化傾向に対応する第2負荷を特定する負荷特定部と、
前記第2時間において、前記第2負荷のうち、前記第3接続相間から前記第3接続相間とは異なる第4接続相間に切り替えるべき電力の第1移動電力と略等しい電力を消費する負荷を、選定する負荷選定部と、
を備えることを特徴とする系統不平衡低減装置。
【請求項2】
選定された前記第2負荷を、前記電力系統における前記第3接続相間から前記第4接続相間に切り替えた状況において、
前記時間特定部は、晴れている日における前記電力系統の第4電圧不平衡率が所定の値を示す第3時間を特定し、
前記電力系統の第5接続相間に接続される複数の前記太陽光発電設備のそれぞれの仕様に応じて定まる発電電力の時間変化を示す複数の第5変化傾向のうち、前記第4電圧不平衡率の時間変化を示す第6変化傾向と近似する前記第5変化傾向を特定するとともに、特定された前記第5変化傾向に対応する太陽光発電設備を特定する発電特定部と、
前記第3時間において、特定された前記太陽光発電設備のうち、前記第5接続相間から前記第5接続相間とは異なる第6接続相間に切り替えるべき電力の第2移動電力と略等しい電力を発電する前記太陽光発電設備を、選定する発電選定部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の系統不平衡低減装置。
【請求項3】
前記時間特定部は、前記所定の晴れている日において前記電力系統の電圧不平衡率が最も高い値を示す時間を前記第2時間として特定する
ことを特徴とする請求項2に記載の系統不平衡低減装置。
【請求項4】
前記第2時間における、前記電力系統の第3接続相間から前記第4接続相間に切り替えるべき、前記電力系統に接続される前記負荷の電力の前記第1移動電力を算出し、
前記第3時間における、前記電力系統の第5接続相間から前記第6接続相間に切り替えるべき、前記電力系統に接続される前記太陽光発電設備の電力の前記第2移動電力を算出する移動電力算出部
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の系統不平衡低減装置。
【請求項5】
負荷および太陽光発電設備が接続される電力系統において、
所定の晴れている日における、前記電力系統の第1電圧不平衡率が所定の値を示す第2時間を特定し、
晴れている日における前記太陽光発電設備が前記第1電圧不平衡率に与える影響を除去するための補正係数を算出するとともに、晴れていない日における前記電力系統の第2電圧不平衡率に前記補正係数を適用して、前記負荷のみが影響を及ぼす、晴れている日における前記電力系統の第3電圧不平衡率を算出し、
前記電力系統の第3接続相間に接続される複数の負荷がそれぞれ消費する電力の時間変化を示す複数の第3変化傾向のうち、前記第3電圧不平衡率の時間変化を示す第4変化傾向と近似する前記第3変化傾向を特定するとともに、特定された前記第3変化傾向に対応する第2負荷を特定し、
前記第2時間において、前記第2負荷のうち、前記第3接続相間から前記第3接続相間とは異なる第4接続相間に切り替えるべき電力の第1移動電力と略等しい電力を消費する前記第2負荷を、選定する、
ことを特徴とする系統不平衡低減方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、系統不平衡低減装置、系統不平衡低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1に開示されるように、配電線における接続相を決定する装置が知られている。特許文献1に開示された装置では、各相に接続される負荷や太陽光発電設備による電圧不平衡を解析することにより得られた特徴的な知見に基づき、不平衡最大時刻と、線間毎の電圧の高低特性の組み合わせと、に基づいて接続相を決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-5893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された装置では、線間毎の電圧の高低特性に基づいて負荷が軽い相に負荷を分担させるように柱上変圧器の接続相を選定しているが、時間に応じて変化する負荷の傾向を適切に反映していないため、適切に電圧不平衡を是正することができない虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決する主たる本発明は、負荷が接続される電力系統において、所定の日における、前記電力系統の電圧不平衡率が所定の値を示す第1時間を特定する時間特定部と、前記所定の日における、前記電力系統の第1接続相に接続される複数の負荷がそれぞれ消費する電力の時間変化を示す複数の第1変化傾向のうち、前記電力系統の電圧不平衡率の時間変化を示す第2変化傾向と近似する前記第1変化傾向を特定するとともに、特定された前記第1変化傾向に対応する第1負荷を特定する負荷特定部と、前記第1時間において、前記第1負荷のうち、前記第1接続相から前記第1接続相とは異なる第2接続相に切り替えるべき消費電力を示す移動電力と略等しい電力を消費する負荷を、選定する負荷選定部と、を備える。
本発明の他の特徴については、添付図面および本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電圧不平衡率の時間変化に近似する負荷の消費電力の時間変化を取り出すことにより、電力系統の電圧不平衡率を低減することができる負荷を容易に特定できるため、電圧管理業務が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る電力系統の一例を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る系統不平衡低減装置の一例を示す構成図である。
図3】線間電圧と電圧不平衡率を示す不平衡グラフである。
図4】負荷の移動電力の一例を示す負荷移動電力表である。
図5】発電の移動電力の一例を示す発電移動電力表である。
図6】補正係数で補正した後の電圧不平衡率の補正グラフである。
図7】不平衡率変化傾向と負荷変化傾向との比較グラフである。
図8】線間電圧と太陽光発電設備の電圧不平衡率を示す発電不平衡グラフである。
図9】太陽光発電設備の発電変化傾向を示す発電変化傾向グラフである。
図10】不平衡情報テーブルの一例を示す図である。
図11】送受電電力情報テーブルの一例を示す図である。
図12A】第1実施形態に係る系統不平衡低減装置の処理手順の一例を示す図である。
図12B】第1実施形態に係る系統不平衡低減装置の処理手順の一例を示す図である。
図13】第1実施形態に係る系統不平衡低減装置が電圧不平衡率を低減した状況の一例を示す不平衡グラフである。
図14】第2実施形態に係る電力系統の一例を示す概略図である。
図15】第2実施形態に係る系統不平衡低減装置の一例を示す構成図である。
図16】第2実施形態に係る系統不平衡低減装置の処理手順の一例を示す図である。
図17】負荷の移動電力の一例を示す負荷移動電力表である。
図18】第2実施形態に係る系統不平衡低減装置が電圧不平衡率を低減した状況の一例を示す不平衡グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。以下の説明において、同一符号を付した部分は同一の要素を表し、その基本的な構成および動作は同様であるものとする。
【0009】
===第1実施形態に係る系統不平衡低減装置10===
図1図13を参照しつつ、第1実施形態に係る系統不平衡低減装置10について、以下のとおり説明する。
【0010】
系統不平衡低減装置10は、図1で示すような負荷110および太陽光発電設備120が接続されている電力系統100の電圧不平衡を低減するために、該負荷110および該太陽光発電設備120が電力系統100に接続されている変圧器130の所定の2相(以下、「接続相」と称する。)のうち、何れの変圧器130の接続相を何れの相に切り替えるべきかを特定する装置である。
【0011】
より具体的に述べると、系統不平衡低減装置10は、電力系統100の電圧不平衡率の時間変化(以下、「不平衡率変化傾向」と称する。)と近似する、負荷110の消費電力の時間変化(以下、「負荷変化傾向」と称する。)を特定する。特定された負荷変化傾向を示す負荷110のうち、消費電力の移動電力に見合う一または複数の負荷110を選定する。作業員は、選定された負荷110に対応する接続相を他の相に切り替えることで、負荷110による電力系統100の電圧不平衡を低減できる。
【0012】
その後、系統不平衡低減装置10は、不平衡率変化傾向と近似する、太陽光発電設備120の発電電力の時間変化(以下、「発電変化傾向」と称する。)を特定する。特定された発電変化傾向を示す太陽光発電設備120のうち、発電電力の移動電力に見合う一または複数の太陽光発電設備120を選定する。作業員は、選定された太陽光発電設備120に対応する接続相を他の相に切り替えることで、太陽光発電設備120による電力系統100の電圧不平衡を低減できる。
【0013】
系統不平衡低減装置10は、上述したように、電力系統100の不平衡率変化傾向と同じような傾向を示す、負荷変化傾向に対応する負荷110や、発電変化傾向に対応する太陽光発電設備120の接続相を他の相に切り替えることで、電力系統100の電力不平衡率を低減できるという新たな知見に基づいて構成されている。
【0014】
系統不平衡低減装置10は、図2に示すように、演算処理部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、メモリ15と、を有している。演算処理部11、記憶部12、入力部13、出力部14およびメモリ15の夫々は、通信可能に接続されている。
【0015】
演算処理部11は、例えばCPUあるいはMPUなどで構成され、メモリ15に格納されているプログラムを読み込むことにより、各種機能を実現する。また、演算処理部11は、不平衡算出部11aと、時間特定部11bと、移動電力算出部11cと、補正算出部11dと、負荷特定部11eと、負荷選定部11fと、発電特定部11gと、発電選定部11hと、を有している。なお、演算処理部11の各構成要素については、詳細に後述する。
【0016】
記憶部12は、プログラムや各種情報を記憶する装置である。記憶部12は、例えば、ROM、RAMあるいはフラッシュメモリなどで構成されている。記憶部12に格納される各種テーブルについては、詳細に後述する。
【0017】
入力部13は、通信ネットワーク(不図示)を介して各種情報が入力されるネットワークインターフェイスである。出力部14は、通信ネットワーク(不図示)に各種情報が出力されるネットワークインターフェイスである。メモリ15は、演算処理部11が処理するためのプログラムを格納する装置である。メモリ15は、例えば、ハードディスクドライブ、SSDあるいは光学式記憶装置などで構成されている。
【0018】
系統不平衡低減装置10は、入力部13を介して、例えば、負荷110および太陽光発電設備120に設けられるスマートメータ―(不図示)から電圧などの電力に関する情報を取得する。
【0019】
==演算処理部11==
図2図9を参照しつつ、系統不平衡低減装置10の演算処理部11について、以下のとおり説明する。
【0020】
図2に示すように、演算処理部11は、記憶部12の各種テーブルを参照しつつ、不平衡算出部11aと、時間特定部11bと、移動電力算出部11cと、補正算出部11dと、負荷特定部11eと、負荷選定部11fと、発電特定部11gと、発電選定部11hと、の機能を発揮する。各構成要素について、以下説明する。
【0021】
<<不平衡算出部11a>>
不平衡算出部11aは、入力部13を介して取得する電力系統100の各相の線間電圧を示す線間電圧情報に基づいて電力系統100の電圧不平衡率を算出する機能を有する。電圧不平衡とは、三相交流における各相の線間電圧の大きさに差を生じたり、位相差が120度からズレを生じたりすることにより、各相の平衡状態が保たれていないことをいう。また、電圧不平衡率とは、電圧不平衡の程度を百分率で示したものであり、正相電圧に対する逆相電圧の比率をいう。3相の線間電圧(Vab、Vbc、Vca)の電圧不平衡率をグラフで示すと、図3の破線のようになる。不平衡算出部11aは、算出した電圧不平衡率を示す電圧不平衡率情報を記憶部12に出力する。なお、演算処理部11は、不平衡算出部11aを有していなくてもよく、この場合、例えば他装置(不図示)から電圧不平衡率情報を取得してもよい。
【0022】
<<時間特定部11b>>
時間特定部11bは、所定の日における電圧不平衡率が最も大きくなる時間を特定する機能を有する。例えば、図3において、時間特定部11bは、破線で示される電圧不平衡率が最も大きい“H1”を特定し、“H1”に対応する時間(以下、「最大時間」と称する。)を特定する。つまり、系統不平衡低減装置10は、最も電圧不平衡が過酷な状況を改善できるように構成されている。ただし、最大時間を特定することに限定されず、例えば、太陽光発電設備120が発電する日出から日没までのうち、所定の時間を特定してもよい。なお、時間とは、時刻および時間帯の何れの意味をも含んでいることとし、以下同様に扱う。
【0023】
<<移動電力算出部11c>>
移動電力算出部11cは、時間特定部11bで特定された最大時間において一の接続相を他の相に切り替えるべき電力の大きさ(以下、「移動電力」と称する。)を算出する機能を有する。移動電力を算出することで、電力系統100において所定の複数の時間断面にわたって、全区間の電圧不平衡率の最大値を最小化するために、所定の相から他の相に負荷110および太陽光発電設備120をどれだけ移設すべきかがわかる。
【0024】
移動電力算出部11cは、負荷110の相間別割合Xabi、Xbci、Xcaiを最適化したあとに、移動前の相間負荷容量からの差分を算出して、移動電力を算出する。具体的には、移動電力算出部11cは、数1~数12に基づいて、負荷110の相間別割合と太陽光発電設備120の相間別割合を算出し、数1~数12で算出された結果に基づいて、例えばエクセルの“ソルバー”などの機能を用いて移動電力を算出する。なお、ソルバーとは、一定の規則性に基づいて数値処理するものであり、このソルバーに代えて、人工知能(ニューラルネットワーク)や統計処理によって移動電力を算出してもよい。
【0025】
【数1】
【0026】
【数2】
【0027】
【数3】
【0028】
【数4】
【0029】
【数5】
【0030】
【数6】
【0031】
【数7】
【0032】
【数8】
【0033】
【数9】
【0034】
【数10】
【0035】
【数11】
【0036】
【数12】
【0037】
なお、数1~数12において、Sabi、Sbci、Scaiは、各線間(ab相、bc相、ca相)の単相容量を示す。また、数1~数12に示される“i”は区間の番号を示す。また、Pabi、Pbci、Pcaiは、区間iにおける線間の有効電力を示す。また、数5~数7は負荷110の場合における各線間の単相容量を示し、数9~数11は太陽光発電設備120の場合における線間の単相容量を示す。
【0038】
移動電力算出部11cで算出された移動電力は、図4で示されるようにまとめられる。図4において、“負荷移動電力”項目には一の接続相から他の相への移動先が示され、“区間i”項目には切り替えるべき電力の大きさが示されている。具体的には、例えば、“負荷移動電力”項目が“ab→bc”においては、ab相で接続されている状態をbc相に切り替えることを示し、それに対応する“区間3”項目が“21”となっている。つまり、電圧不平衡率を低減するためには、ab相からbc相に“21”の大きさの電力を切り替えるべきであることが示されている。なお、図5における“PV移動電力”項目と“区間i”項目との関係は、“負荷移動電力”項目と“区間i”項目との関係と同様であるため、その説明を省略する。
【0039】
ここで、演算処理部11は、移動電力算出部11cを有していなくてもよく、この場合、例えば他装置(不図示)から図4図5に示されるような消費電力の移動電力を取得してもよい。
【0040】
<<補正算出部11d>>
補正算出部11dは、晴れている日における電圧不平衡率(以下、「第1電圧不平衡率」と称する。)に、太陽光発電設備120が与える影響を除去するための補正係数を算出する機能を有する。この補正係数とは、例えば、晴れている日(以下、「発電日」と称する。)における非発電時間帯の平均電力を、晴れていない日(以下、「非発電日」と称する。)における非発電時間帯の平均電力で除した係数である。
【0041】
数13に示すように、算出された補正係数を、非発電日における電圧不平衡率(以下、「第2電圧不平衡率」と称する。)に適用することにより、図6の“補正値”として示すように、発電日において、太陽光発電設備120の発電による電圧不平衡への影響を除去することができる。言い換えると、発電日における太陽光発電設備120の発電を含まない、負荷110のみの電圧不平衡率(以下、「第3電圧不平衡率」と称する。)を算出できる。
【0042】
【数13】
(補正係数:(発電日の非発電時間帯の平均電力)÷(非発電日の非発電時間帯の平均電力))
なお、非発電時間帯とは、季節によって異なる時間帯であり、例えば日没後から日出前の時間帯をいう。
【0043】
このように、発電日において太陽光発電設備120が電圧不平衡に与える影響を除去することにより、負荷110のみによる接続相の切り替えを適切に行うことができるため、太陽光発電設備120が接続される電力系統100においても正確に電圧不平衡率を低減できる。
【0044】
なお、上記において、補正係数は、発電日における非発電時間帯の平均電力を、非発電日における非発電時間帯の平均電力で除した係数として説明したが、これに限定されない。例えば、季節や時間帯などに応じて予め定められた係数を採用してもよく、また、人工知能(ニューラルネットワークなど)により統計的に算出される係数を採用してもよい。
【0045】
<<負荷特定部11e>>
負荷特定部11eは、電力系統100に接続される負荷110の負荷変化傾向のうち、第3電圧不平衡率の不平衡率変化傾向と近似する負荷変化傾向を特定するとともに、特定された負荷変化傾向に対応する負荷110を特定する機能を有する。
【0046】
具体的には、図7に示すように、所定の日において、発電日の第3電圧不平衡率の不平衡率変化傾向(実線)と、複数の負荷変化傾向(破線)を比較する。なお、図7では、説明の便宜上、一つの負荷変化傾向(破線)のみを示している。比較した結果、所定の近似する条件を満足する一または複数の負荷変化傾向を特定する。なお、不平衡率変化傾向と負荷変化傾向とが近似する条件とは、例えば、所定の第1時刻における第3電圧不平衡率に対する、第1時刻よりも後の第2時刻における第3電圧不平衡率の第1割合と、第1時刻における負荷の消費電力に対する、第1時刻よりも後の第2時刻における負荷の消費電力の第2割合と、の差を所定の期間で平均した値が予め定められた所定の値以下の条件をいう。
【0047】
<<負荷選定部11f>>
負荷選定部11fは、負荷特定部11eで特定された負荷110のうち、現時点で該負荷110の接続相から他の相に切り替えるべき負荷110を選定する機能を有する。選定される負荷110は、例えば最大時間において対象区間の移動電力と略等しい電力を消費する一または複数の負荷110である。
【0048】
具体的には、図4に示される結果において、例えば、“負荷移動電力”項目が“ab→bc”で、それに対応する“区間3”項目が“21”のとき、区間3に接続される負荷110であって、負荷特定部11eで特定された負荷110のうちから、一または複数の負荷110の消費電力の合計が“21”となるように選定する。この選定作業を、図4に一例として示されている電力系統100の全区間に対して実行する。
【0049】
選定された負荷110の接続相を作業員が切り替えることにより、図8に示すように、発電日における負荷110が電圧不平衡に与える影響をほぼ除去した状態における電圧不平衡率を算出できる。
【0050】
<<発電特定部11g>>
発電特定部11gは、選定された負荷110の接続相を作業員が切り替えた後に、電力系統100に接続される太陽光発電設備120の仕様に応じて定まる発電変化傾向のうち、不平衡算出部11aで算出された電力系統100の電圧不平衡率(以下、「第4電圧不平衡率」と称する。)に近似する発電変化傾向を特定する機能を有する。さらに、発電特定部11gは、特定された発電変化傾向に対応する太陽光発電設備120を特定する。
【0051】
具体的には、図8に示すような、所定の日において、発電日の第4電圧不平衡率の不平衡率変化傾向(破線)と、図9に示すような複数の発電変化傾向を比較する。なお、図9では、説明の便宜上、一つの発電変化傾向(破線)のみを示している。比較した結果、所定の近似する条件を満足する一または複数の発電変化傾向を特定する。
【0052】
<<発電選定部11h>>
発電選定部11hは、発電特定部11gで特定された太陽光発電設備120のうち、現時点で該太陽発電設備の接続相から他の相に切り替えるべき太陽光発電設備120を選定する機能を有する。選定される太陽光発電設備120は、例えば最大時間において対象区間の移動電力と略等しい電力を発電する太陽光発電設備120である。
【0053】
具体的には、図5に示される結果において、例えば、“PV移動電力”項目が“ab→bc”で、それに対応する“区間3”項目が“-20”のとき、区間3に接続される太陽光発電設備120であって、発電特定部11gで特定された太陽光発電設備120のうちから、一または複数の太陽光発電設備120の発電電力の合計が“-20”となるように選定する。なお、“-”表示は発電していることを示している。この選定作業を、図5に一例として示されている電力系統100の全区間に対して実行する。
【0054】
==記憶部12==
図10図11を参照しつつ、記憶部12について以下のとおり説明する。
【0055】
記憶部12は、演算処理部11が処理を実行するための各種データを格納する機能を有する。記憶部12は、一例として、不平衡情報テーブル12aと、送受電電力情報テーブル12bと、を格納しているものとする。
【0056】
<<不平衡情報テーブル12a>>
不平衡情報テーブル12aは、電力系統100の電圧不平衡率を示す電圧不平衡率情報が格納されているテーブルである。図10に示すように、不平衡情報テーブル12aには、少なくとも、三相のa相とb相の間の線間電圧情報を示す“線間電圧Vab”項目と、三相のb相とc相の間の線間電圧情報を示す“線間電圧Vbc”項目と、三相のc相とa相の間の線間電圧情報を示す“線間電圧Vca”項目と、を対応付けて格納されている。
【0057】
<<送受電電力情報テーブル12b>>
送受電電力情報テーブル12bは、電力系統100において開閉器で区分けされる区間毎に、変圧器130に接続される負荷110の消費電力を示す消費電力情報が格納されているテーブルである。図11に示すように、送受電電力情報テーブル12bには、例えば、開閉器で区分けされる区間を示す“区間1~i”項目と、各区間で電力系統100に接続される変圧器130の送受電電力情報(消費電力情報または発電電力情報)を示す“Tmn”項目と、を対応付けて格納されている。
【0058】
なお、不平衡情報テーブル12aおよび送受電電力情報テーブル12bの格納形式は、一例を示すものであり、演算処理部11が参照可能なデータベース形式であればよい。また、不平衡情報テーブル12aおよび送受電電力情報テーブル12dに格納される項目は、限定されるものではなく、該項目には系統不平衡低減装置10が切り替えるべき負荷110および太陽光発電設備120を選定するために必要な項目が含まれていればよい。
【0059】
==処理手順==
図4図5図12A図12B図13を参照しつつ、第1実施形態に係る系統不平衡低減装置10の処理手順について、以下のとおり説明する。
【0060】
まず、時間特定部11bは、不平衡算出部11aで算出された電力系統100の第1電圧不平衡率において、例えば最も高い値を示す電圧不平衡率を特定し、該電圧不平衡率を示す最大時間を特定する(S100)。
【0061】
次に、移動電力算出部11cは、最大時間における最適な負荷110の移動電力を、図4に示すように算出する(S101)。算出方法については、上述したとおりである。これにより、負荷110について、何れの区間の、何れの接続相を、何れの相に、どの程度の消費電力を切り替えるべきかがわかる。
【0062】
次に、不平衡算出部11aは、非発電日の第2電圧不平衡率を算出する(S102)。第2電圧不平衡率は、不平衡情報テーブル12aに格納される。ただし、系統不平衡低減装置10が不平衡算出部11aを有していない場合は、他装置(不図示)から非発電日の第2電圧不平衡率を取得する。
【0063】
次に、補正算出部11dは、非発電日の第2電圧不平衡率に補正係数を掛けて発電日における負荷110のみの第3電圧不平衡率を算出する(S103)。
【0064】
次に、負荷特定部11eは、第3電圧不平衡率の不平衡率変化傾向と近似する負荷変化傾向を示す負荷110を特定する(S104)。S104は、不平衡率変化傾向と負荷変化傾向が近似している条件において、該負荷変化傾向を示す負荷110を移動電力算出部11cで算出された移動電力分だけ、その接続相を他の相に切り替えて、負荷110による電圧不平衡を低減するためのステップである。
【0065】
次に、負荷選定部11fは、特定された一または複数の負荷110のうち、図4で示す移動電力に等しい一または複数の負荷110を選定する(S105)。これにより、電力系統100の電圧不平衡率を改善するために必要な移動電力を、不平衡率変化傾向に近似する負荷変化傾向を示す負荷110の接続相を他の相に切り替えることで満足させることができる。
【0066】
次に、作業員は、選定された負荷110が接続される変圧器130の接続相を、図4に示すとおり他の相に切り替える(S106)。この状態において、不平衡算出部11aは、太陽光発電設備120の影響のみに近づけられた第4電圧不平衡率を算出できる(S107)。なお、図12Bにおいては太陽光発電設備120を“PV”として示している。
【0067】
次に、時間特定部11bは、電力系統100の第4電圧不平衡率において、例えば最も高い値を示す電圧不平衡率を特定し、該電圧不平衡率を示す最大時間を特定する(S108)。
【0068】
次に、移動電力算出部11cは、最大時間における最適な太陽光発電設備120の移動電力を、図5に示すように算出する(S109)。算出方法については、上述したとおりである。これにより、太陽光発電設備120について、何れの区間の、何れの接続相を、何れの相に、どの程度の発電電力を切り替えるべきかがわかる。
【0069】
次に、発電特定部11gは、第4電圧不平衡率の不平衡率変化傾向と近似する発電変化傾向を示す太陽光発電設備120を特定する(S110)。S110は、不平衡率変化傾向と発電変化傾向が近似している条件において、該発電変化傾向を示す太陽光発電設備120を移動電力算出部11cで算出された移動電力分だけ、その接続相を切り替えて、太陽光発電設備120による電圧不平衡を低減するためのステップである。
【0070】
次に、発電選定部11hは、特定された一または複数の太陽光発電設備120のうち、図5で示す移動電力に等しい一または複数の太陽光発電設備120を選定する(S111)。なお、図5において太陽光発電設備120を“PV”として示している。これにより、電力系統100の電圧不平衡率を改善するために必要な移動電力を、不平衡率変化傾向に近似する発電変化傾向を示す太陽光発電設備120の接続相を他の相に切り替えることで満足させることができる。
【0071】
次に、作業員は、選定された太陽光発電設備120が接続される変圧器130の接続相を、図5に示すとおり他の相に切り替える(S112)。この状態において、図13に示すように、電力系統100の電圧不平衡は、負荷110および太陽光発電設備120の影響を除去できた状態に近づけられる(S113)。
【0072】
===第2実施形態に係る系統不平衡低減装置20===
図14図18を参照しつつ、第2実施形態に係る系統不平衡低減装置20について、以下のとおり詳細に説明する。
【0073】
上述した第1実施形態に係る系統不平衡低減装置10では、電力系統100に負荷110および太陽光発電設備120が接続されている状態において、電圧不平衡を低減させるために負荷110および太陽光発電設備120の接続相を切り替えるための計算をしている。一方、第2実施形態に係る系統不平衡低減装置20では、図14に示すように、太陽光発電設備120が接続されていない(又は、太陽光発電設備120の影響を無視した)電力系統200において、電圧不平衡を低減させるために負荷210の接続相を切り替えるための計算をする。
【0074】
系統不平衡低減装置20は、図15に示すように、演算処理部21と、記憶部22と、入力部23と、出力部24と、メモリ25と、を有している。そして、演算処理部21は、不平衡算出部21aと、時間特定部21bと、移動電力算出部21cと、負荷特定部21dと、負荷選定部21eと、を有している。夫々の構成要素は、第1実施形態に係る系統不平衡低減装置10と同じ機能を有するため、その説明を省略する。以下において、系統不平衡低減装置20の処理手順を説明する。
【0075】
==処理手順==
図16図17図18を参照しつつ、第2実施形態に係る系統不平衡低減装置20の処理手順について、以下のとおり説明する。
【0076】
まず、時間特定部21bは、不平衡算出部21aで算出された電力系統200の電圧不平衡率において、例えば最も高い値を示す電圧不平衡率を特定し、該電圧不平衡率を示す最大時間を特定する(S200)。
【0077】
次に、移動電力算出部21cは、最大時間における最適な負荷210の移動電力を、図17に示すように算出する(S201)。算出方法については、上述した図4のとおりである。これにより、負荷210について、何れの区間の、何れの接続相を、何れの相に、どの程度の消費電力を切り替えるべきかがわかる。
【0078】
次に、負荷特定部21dは、電圧不平衡率の不平衡率変化傾向と近似する負荷変化傾向を示す負荷210を特定する(S202)。S202では、不平衡率変化傾向と負荷変化傾向が近似している条件において、該負荷変化傾向を示す負荷210を移動電力算出部21cで算出された移動電力分だけ、その接続相を切り替えて、負荷210による電圧不平衡を低減するためのステップである。
【0079】
次に、負荷選定部21eは、特定された一または複数の負荷210のうち、図17で示す移動電力に等しい一または複数の負荷210を選定する(S203)。これにより、電力系統200の電圧不平衡率を改善するために必要な移動電力を、不平衡率変化傾向に近似する負荷変化傾向を示す負荷210の接続相を他の相に切り替えることで満足させることができる。
【0080】
次に、作業員は、選定された負荷210が接続される変圧器220の接続相を、図17に示すとおり他の相に切り替える(S204)。この状態において、図18に示すように、電力系統200の負荷210による電圧不平衡を低減することができる(S205)。
【0081】
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る系統不平衡低減装置20は、負荷210が接続される電力系統200において、所定の日における、電力系統200の電圧不平衡率が所定の値を示す最大時間(第1時間)を特定する時間特定部21bと、所定の日における、電力系統200の接続相(第1接続相)に接続される複数の負荷210がそれぞれ消費する電力の時間変化を示す複数の負荷変化傾向(第1変化傾向)のうち、電力系統200の電圧不平衡率の時間変化を示す電圧不平衡率変化傾向(第2変化傾向)と近似する負荷変化傾向(第1変化傾向)を特定するとともに、特定された負荷変化傾向(第1変化傾向)に対応する負荷210(第1負荷)を特定する負荷特定部21dと、最大時間(第1時間)において、特定された負荷210(第1負荷)のうち、接続相(第1接続相)から該接続相とは異なる接続相(第2接続相)に切り替えるべき消費電力の移動電力と略等しい電力を消費する負荷210を、選定する負荷選定部21eと、を備える。本実施形態によれば、電圧不平衡率の時間変化に近似する負荷210の消費電力の時間変化を取り出すことにより、電力系統200の電圧不平衡率を低減することができる負荷210を容易に特定できるため、電圧管理業務が容易になる。
【0082】
また、本実施形態に係る系統不平衡低減装置20の時間特定部21bは、所定の日において電力系統200の電圧不平衡率が最も高い値を示す時間を最大時間(第1時間)として特定する。本実施形態によれば、電圧不平衡率が最も高い値を示す最大時間において接続相を切り替えるべき負荷210を選定することにより、電力系統200の不平衡を最も低減することができる。
【0083】
また、本実施形態に係る系統不平衡低減装置20は、最大時間(第1時間)における、電力系統200の接続相(第1接続相)間から、該接続相(第1接続相)間とは異なる接続相(第2接続相)間に切り替えるべき、電力系統200に接続される負荷210の電力の移動電力を算出する移動電力算出部21cをさらに備える。本実施形態によれば、移動電力を算出する作業を自動化することにより作業効率の向上が図れる。
【0084】
また、本実施形態に係る系統不平衡低減装置10は、負荷110および太陽光発電設備120が接続される電力系統100において、所定の晴れている日における、電力系統100の第1電圧不平衡率が所定の値を示す最大時間(第2時間)を特定する時間特定部11bと、晴れている日に太陽光発電設備120が第1電圧不平衡率に与える影響を除去するための補正係数を算出するとともに、晴れていない日における電力系統100の第2電圧不平衡率に補正係数を適用して、負荷110が影響を及ぼす、晴れている日における電力系統100の第3電圧不平衡率を算出する補正算出部11dと、電力系統100の接続相(第3接続相)間に接続される複数の負荷110がそれぞれ消費する電力の時間変化を示す複数の負荷変化傾向(第3変化傾向)のうち、第3電圧不平衡率の時間変化を示す不平衡率変化傾向(第4変化傾向)と近似する負荷変化傾向(第3変化傾向)を特定するとともに、特定された負荷変化傾向(第3変化傾向)に対応する負荷110(第2負荷)を特定する負荷特定部11eと、第2時間において、特定された負荷110(第2負荷)のうち、接続相(第3接続相)間から該接続相間とは異なる接続相(第4接続相)間に切り替えるべき電力の移動電力(第1移動電力)と略等しい電力を消費する負荷110を、選定する負荷選定部11fと、を備える。本実施形態によれば、太陽光発電設備120が発電している状況において、電圧不平衡率の時間変化に近似する負荷110の消費電力の時間変化を取り出すことができ、電力系統100の電圧不平衡率を低減することができる負荷110を容易に特定できるため、電圧管理業務が容易になる。
【0085】
また、本実施形態に係る系統不平衡低減装置10は、選定された負荷110(第2負荷)を、電力系統100における接続相(第3接続相)間から他の接続相(第4接続相)間に切り替えた状況において、時間特定部11bは、晴れている日における電力系統100の第4電圧不平衡率が所定の値を示す最大時間(第3時間)を特定し、電力系統100の接続相(第5接続相)間に接続される複数の太陽光発電設備120のそれぞれの仕様に応じて定まる発電電力の時間変化を示す複数の発電変化傾向(第5変化傾向)のうち、第4電圧不平衡率の時間変化を示す不平衡率変化傾向(第6変化傾向)と近似する発電変化傾向(第5変化傾向)を特定するとともに、特定された発電変化傾向(第5変化傾向)に対応する太陽光発電設備120を特定する発電特定部11gと、最大時間(第3時間)において、特定された太陽光発電設備120のうち、接続相(第5接続相)間から接続相間とは異なる接続相(第6接続相)間に切り替えるべき電力の移動電力(第2移動電力)と略等しい電力を発電する太陽光発電設備120を、選定する発電選定部11hと、をさらに備える。本実施形態によれば、電圧不平衡率の時間変化に近似する太陽光発電設備120の発電電力の時間変化を取り出すことにより、電力系統100の電圧不平衡率を低減することができる太陽光発電設備120を容易に特定できるため、電圧管理業務が容易になる。
【0086】
なお、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0087】
10,20 系統不平衡低減装置
11a,21a 不平衡算出部
11b,21b 時間特定部
11c,21c 移動電力算出部
11d 補正算出部
11e,21d 負荷特定部
11f,21e 負荷選定部
11g 発電特定部
11h 発電選定部
100,200 電力系統
110,210 負荷
120 太陽光発電設備
130,220 変圧器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
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図15
図16
図17
図18