(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】搬送支援装置、搬送支援システム、搬送支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20220105BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20220105BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20220105BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20220105BHJP
B60K 28/06 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G08G1/16 F
G08G1/09 V
G08G1/0968 B
G01C21/34
B60K28/06
(21)【出願番号】P 2018051953
(22)【出願日】2018-03-20
【審査請求日】2020-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 大介
【審査官】田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-265760(JP,A)
【文献】特開2004-317290(JP,A)
【文献】特開2018-032436(JP,A)
【文献】特開平09-044800(JP,A)
【文献】特開2006-064534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
B60K 25/00 - 28/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置情報を取得する車両位置情報取得部と、
前記車両の乗員の状態を検知する検知部から検知データを取得する検知データ取得部と、
前記検知データ取得部が取得した前記検知データによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されるかを判断する判断部と、
前記判断部によって前記乗員の身体が異常状態であると推定されると判断されると、前記車両位置情報取得部が取得した前記現在位置情報と、前記検知データとを、救急搬送支援施設に送信する送信部と、
前記車両位置情報取得部が取得した前記現在位置情報と、前記検知データ取得部が取得した前記検知データ
および前記車両から病院までの距離に基づいて、
前記車両と救急移動体との合流地点を選定する合流地点選定部を有する前記救急搬送支援施設によって選定され、前記救急搬送支援施設から送信される
前記救急移動体と前記車両との合流地点の合流地点情報を受信する受信部と、
前記合流地点情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記合流地点までのルートを検索するルート検索部と、
を備え
、
前記受信する合流地点は、前記車両の前記現在位置情報と前記検知データおよび前記車両から前記病院までの距離に応じて合流地点を選定すると判定され、かつ、前記車両が動ける状態の場合に、前記病院の所在地と前記車両の現在位置との中間地点であり、前記車両の移動時間と前記救急移動体の移動時間との合計が最短となる地点が選定されることを特徴とする搬送支援装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記車両または前記救急移動体が前記合流地点に先に到着する場合、前記車両と前記救急移動体との新しい合流地点の前記合流地点情報を受信し、
前記ルート検索部は、新しい前記合流地点までのルートを検索する、
請求項1に記載の搬送支援装置。
【請求項3】
前記ルート検索部で検索した前記ルートに沿って前記合流地点まで自動走行する制御信号を出力する自動運転制御部、
を備える請求項1または2に記載の搬送支援装置。
【請求項4】
車両の現在位置情報を取得する車両位置情報取得部と、
前記車両の乗員の状態を検知する検知部から検知データを取得する検知データ取得部と、
前記検知データ取得部が取得した前記検知データによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されるかを判断する判断部と、
前記判断部によって前記乗員の身体が異常状態であると推定されると判断されると、前記車両位置情報取得部が取得した前記現在位置情報と、前記検知データとを、救急搬送支援施設に送信する第一送信部と、
前記車両と救急移動体との合流地点の合流地点情報を受信する第一受信部と、
前記合流地点情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記合流地点までのルートを検索するルート検索部と、
を有する搬送支援装置と、
前記第一送信部から、前記車両位置情報取得部が取得した前記現在位置情報と、前記検知データとを受信する第二受信部と、
前記第二受信部が受信した前記現在位置情報と前記検知データ
および前記車両から病院までの距離に基づいて
前記合流地点を選定するか否かを判定し、前記合流地点を選定する場合であって、かつ、前記車両が動ける状態の場合は、前記病院の所在地と前記車両の現在位置との中間地点であり、前記車両の移動時間と前記救急移動体の移動時間との合計が最短となる地点に前記救急移動体と前記車両との
前記合流地点を選定する合流地点選定部と、
前記合流地点選定部が選定した合流地点情報を送信する第二送信部と、
を有する合流地点選定装置と、
を備えることを特徴とする搬送支援システム。
【請求項5】
前記合流地点選定部は、前記車両または前記救急移動体が前記合流地点に先に到着すると、前記車両と前記救急移動体との新しい合流地点を選定し、
前記第二送信部は、前記合流地点選定部が前記新しい合流地点を選定すると、前記新しい合流地点の合流地点情報を送信し、
前記ルート検索部は、前記第一受信部が前記新しい合流地点の前記合流地点情報を受信すると、前記新しい合流地点までのルートを検索する、
請求項4に記載の搬送支援システム。
【請求項6】
前記搬送支援装置は、前記ルート検索部で検索した前記ルートに沿って前記合流地点まで自動走行する制御信号を出力する自動運転制御部、
を備える請求項4または5に記載の搬送支援システム。
【請求項7】
車両の現在位置情報を取得する車両位置情報取得ステップと、
前記車両の乗員の状態を検知する検知部から検知データを取得する検知データ取得ステップと、
前記検知データ取得ステップによって取得した前記検知データによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されるかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されると判断されると、前記
車両位置情報取得ステップによって取得した前記現在位置情報と、前記検知データとを、救急搬送支援施設に送信する送信ステップと、
前記
車両位置情報取得ステップによって取得した前記現在位置情報と、前記検知データ取得ステップによって取得した前記検知データ
および前記車両から病院までの距離に基づいて、
前記車両と救急移動体との合流地点を選定する合流地点選定ステップを実行する前記救急搬送支援施設によって選定され、前記救急搬送支援施設から送信される
前記救急移動体と前記車両との合流地点の合流地点情報を受信する受信ステップと、
前記合流地点情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記合流地点までのルートを検索するルート検索ステップと、
を含
み、
前記受信する合流地点は、前記車両の前記現在位置情報と前記検知データおよび前記車両から前記病院までの距離に応じて合流地点を選定すると判定され、かつ、前記車両が動ける状態の場合に、前記病院の所在地と前記車両の現在位置との中間地点であり、前記車両の移動時間と前記救急移動体の移動時間との合計が最短となる地点が選定される、
搬送支援方法。
【請求項8】
車両の現在位置情報を取得する車両位置情報取得ステップと、
前記車両の乗員の状態を検知する検知部から検知データを取得する検知データ取得ステップと、
前記検知データ取得ステップによって取得した前記検知データによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されるかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されると判断されると、前記
車両位置情報取得ステップによって取得した前記現在位置情報と、前記検知データとを、救急搬送支援施設に送信する送信ステップと、
前記
車両位置情報取得ステップによって取得した前記現在位置情報と、前記検知データ取得ステップによって取得した前記検知データ
および前記車両から病院までの距離に基づいて、
前記車両と救急移動体との合流地点を選定する合流地点選定ステップを実行する前記救急搬送支援施設によって選定され、前記救急搬送支援施設から送信される
前記救急移動体と前記車両との合流地点の合流地点情報を受信する受信ステップと、
前記合流地点情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記合流地点までのルートを検索するルート検索ステップと、
を含み、
前記受信する合流地点は、前記車両の前記現在位置情報と前記検知データおよび前記車両から前記病院までの距離に応じて合流地点を選定すると判定され、かつ、前記車両が動ける状態の場合に、前記病院の所在地と前記車両の現在位置との中間地点であり、前記車両の移動時間と前記救急移動体の移動時間との合計が最短となる地点が選定される、
ことを搬送支援装置として動作するコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送支援装置、搬送支援システム、搬送支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運転者の状態異常をセンサによって検知して、運転者に警告を発したり、状況に応じて、車両を自動的に停止したり、周囲に通知したり、救急センターに通報したりする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の運転者を含む乗員に異常があったとき、救急車の到着を待つ時間がロスになるおそれがある。例えば、自動運転が可能な車両であったり、異常があった乗員以外の同乗者が運転可能であったりすれば、救急車や救急救命用のヘリコプターなどの救急移動体との合流地点まで移動することで、時間的なロスを低減できる可能性がある。このように、乗員に異常があったときの、緊急対応性の向上には改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、緊急対応性を向上した搬送支援装置、搬送支援システム、搬送支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る搬送支援装置は、車両の現在位置情報を取得する車両位置情報取得部と、前記車両の乗員の状態を検知する検知部から検知データを取得する検知データ取得部と、前記検知データ取得部が取得した前記検知データによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されるかを判断する判断部と、前記判断部によって前記乗員の身体が異常状態であると推定されると判断されると、前記車両位置情報取得部が取得した前記現在位置情報と、前記検知データとを、救急搬送支援施設に送信する送信部と、前記車両位置情報取得部が取得した前記現在位置情報と、前記検知データ取得部が取得した前記検知データとに基づいて、前記救急搬送支援施設によって選定された、前記乗員を前記病院まで搬送する救急移動体と前記車両との合流地点の合流地点情報を受信する受信部と、前記合流地点情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記合流地点までのルートを検索するルート検索部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る搬送支援システムは、車両の現在位置情報を取得する車両位置情報取得部と、前記車両の乗員の状態を検知する検知部から検知データを取得する検知データ取得部と、前記検知データ取得部が取得した前記検知データによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されるかを判断する判断部と、前記判断部によって前記乗員の身体が異常状態であると推定されると判断されると、前記車両位置情報取得部が取得した前記現在位置情報と、前記検知データとを、救急搬送支援施設に送信する第一送信部と、前記車両と救急移動体との合流地点の合流地点情報を受信する第一受信部と、前記合流地点情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記合流地点までのルートを検索するルート検索部と、を有する搬送支援装置と、前記第一送信部から、前記車両位置情報取得部が取得した前記現在位置情報と、前記検知データとを受信する第二受信部と、前記第二受信部が受信した前記現在位置情報と前記検知データとに基づいて、前記病院まで搬送する前記救急移動体と前記車両との合流地点を選定する合流地点選定部と、前記合流地点選定部が選定した合流地点情報を送信する第二送信部と、を有する合流地点選定装置と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る搬送支援方法は、車両の現在位置情報を取得する車両位置情報取得ステップと、前記車両の乗員の状態を検知する検知部から検知データを取得する検知データ取得ステップと、前記検知データ取得ステップによって取得した前記検知データによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されるかを判断する判断ステップと、前記判断ステップによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されると判断されると、前記現在位置情報取得ステップによって取得した前記現在位置情報と、前記検知データとを、救急搬送支援施設に送信する送信ステップと、前記現在位置情報取得ステップによって取得した前記現在位置情報と、前記検知データ取得ステップによって取得した前記検知データとに基づいて、前記救急搬送支援施設によって選定された、前記乗員を前記病院まで搬送する救急移動体と前記車両との合流地点の合流地点情報を受信する受信ステップと、前記合流地点情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記合流地点までのルートを検索するルート検索ステップと、を含む。
【0009】
本発明に係るプログラムは、車両の現在位置情報を取得する車両位置情報取得ステップと、前記車両の乗員の状態を検知する検知部から検知データを取得する検知データ取得ステップと、前記検知データ取得ステップによって取得した前記検知データによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されるかを判断する判断ステップと、前記判断ステップによって前記乗員の身体が異常状態であると推定されると判断されると、前記現在位置情報取得ステップによって取得した前記現在位置情報と、前記検知データとを、救急搬送支援施設に送信する送信ステップと、前記現在位置情報取得ステップによって取得した前記現在位置情報と、前記検知データ取得ステップによって取得した前記検知データとに基づいて、前記救急搬送支援施設によって選定された、前記乗員を前記病院まで搬送する救急移動体と前記車両との合流地点の合流地点情報を受信する受信ステップと、前記合流地点情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記合流地点までのルートを検索するルート検索ステップと、を搬送支援装置として動作するコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、緊急対応性を向上した搬送支援装置、搬送支援システム、搬送支援方法およびプログラムを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る搬送支援システムの概略を示す概略図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係る搬送支援システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第一実施形態に係る搬送支援システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、第一実施形態に係る搬送支援装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第一実施形態に係る合流地点選定装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第一実施形態に係る搬送支援装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第一実施形態に係る合流地点選定装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第二実施形態に係る搬送支援システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る搬送支援システム1、搬送支援装置10、搬送支援方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る搬送支援システムの概略を示す概略図である。
図2は、第一実施形態に係る搬送支援システムの構成例を示すブロック図である。搬送支援システム1は、乗員の身体が異常状態になると、救急移動体と車両との合流地点までのルートを選定して、車両を救急移動体との合流地点まで走行させる。搬送支援システム1は、搬送支援装置10と、合流地点選定装置20と、検知部100とが、データを送受信可能に接続されている。本実施形態では、車両は自動運転が可能である。また、本実施形態では、車両の乗員のうち、運転者に異常が生じたものとして説明する。
【0014】
救急移動体とは、救急車と救急救命用のヘリコプターとを含む。本実施形態では、救急移動体は、救急車として説明する。
【0015】
検知部100は、車両の乗員の状態を検知する。例えば、検知部100は、乗員を撮影するカメラである。例えば、検知部100は、乗員の生体情報を検知するセンサである。センサは、例えば、ステアリングまたはダッシュボードを含む車両内に設置されているものでもよいし、乗員が身体に装着するウエアラブル端末であってもよい。
【0016】
検知部100は、乗員の生体情報として、瞳孔情報と、視線情報と、瞬き情報と、脈拍情報と、体温情報と、呼吸の有無を含む呼吸情報と、意識の有無を含む意識情報との少なくともいずれかを取得する。より詳しくは、例えば、瞳孔情報は、車内に配置されたカメラで撮影した乗員の眼部の映像データに画像処理を行って取得する。例えば、視線情報は、乗員の視線を検出する視線検出装置の検出結果から取得する。例えば、瞬き情報は、車内に配置されたカメラで撮影した乗員の眼部の映像データに画像処理を行って取得する。例えば、脈拍情報は、ステアリングに配置されたセンサが検知した検知データから取得する。例えば、体温情報は、車内に配置された赤外線カメラで撮影した乗員の顔部の赤外映像データから取得する。例えば、呼吸情報は、車内に配置されたカメラで撮影した乗員の顔部の映像データに画像処理を行って取得する。例えば、意識情報は、車内に配置されたカメラで撮影した乗員の顔部の映像データに画像処理を行って取得する。検知部100は、このようにして検知した生体情報を検知データとして、搬送支援装置10に出力する。
【0017】
さらに、検知部100は、乗員の生体情報として、身体がけいれんしていることを示すけいれん情報と、大量に出血していることを示す大量出血情報とを取得してもよい。検知部100は、けいれん情報と大量出血情報とを検知データに含めて、搬送支援装置10に出力してもよい。例えば、けいれん情報と大量出血情報とは、車内に配置されたカメラで撮影した乗員の映像データに画像処理を行って取得する。
【0018】
搬送支援装置10は、車両に搭載されている。搬送支援装置10は、車両用のナビゲーションシステムの機能の一つとして実装されていてもよい。本実施形態では、搬送支援装置10は、車両に搭載されたナビゲーションシステムの機能として実装されている。搬送支援装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。搬送支援装置10は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。搬送支援装置10は、乗員の異常を検知すると、合流地点選定装置20に対して異常情報と車両の現在位置情報とを送信する。搬送支援装置10は、合流地点選定装置20から合流地点情報を取得すると、合流地点までのルートを検索する。さらに、搬送支援装置10は、車両に対して、合流地点まで自動走行するように制御する。搬送支援装置10は、検知データ取得部11と、車両位置情報取得部12と、判断部13と、通信部14と、ルート探索部17と、自動運転制御部18と、記憶部19とを有する。
【0019】
検知データ取得部11は、検知部100から車両の乗員の生体情報である検知データを取得する。検知データ取得部11は、取得した検知データを判断部13に出力する。
【0020】
車両位置情報取得部12は、車両の現在位置の現在位置情報を取得する。本実施形態では、車両位置情報取得部12は、車両に搭載されたGPS(Global Positioning System)受信機によって取得した車両の現在位置情報を取得する。車両位置情報取得部12は、取得した現在位置情報を判断部13とルート探索部17と自動運転制御部18とに出力する。
【0021】
判断部13は、検知データ取得部11が取得した検知データによって乗員の身体が異常状態であると推定されるかを判断する。異常状態であるとは、乗員の状態が、救急搬送が必要とされる状態である。救急搬送が必要とされる状態とは、例えば、意識がないとき、呼吸が停止しているとき、脈がないとき、身体がけいれんしているとき、大量に出血しているとき、体温が低下しているときである。
【0022】
判断部13は、検知データに含まれる意識情報と瞳孔情報と視線情報と瞬き情報とから、意識の有無を判断する。判断部13は、検知データに含まれる呼吸情報から、呼吸が停止していると判断する。判断部13は、検知データに含まれる脈拍情報から、脈がないと判断する。判断部13は、検知データに含まれるけいれん情報から、身体がけいれんしていると判断する。判断部13は、検知データに含まれる大量出血情報から、大量に出血していると判断する。判断部13は、検知データに含まれる体温情報から、体温が低下していると判断する。
【0023】
判断部13は、意識がないと判断されるとき、呼吸が停止していると判断されるとき、脈がないと判断されるとき、身体がけいれんしていると判断されるとき、大量に出血していると判断されるとき、または、体温が低下していると判断されるとき、乗員の身体が異常状態であると推定されると判断する。判断部13は、判断結果を検知データである異常情報とともに通信部14に出力する。判断部13は、判断結果を自動運転制御部18に出力する。
【0024】
異常情報は、検知データに基づいて生成される。異常情報は、医師の診断に役立つ乗員の生体情報である。例えば、異常情報は、乗員を撮影した映像、センサなどが検知したデータである。
【0025】
通信部14は、送信部(第一送信部)15と受信部(第一受信部)16とを有する。
【0026】
送信部15は、判断部13が乗員の身体が異常状態であると推定されると判断すると、車両位置情報取得部12が取得した現在位置情報と、異常情報とを合流地点選定装置20に送信する。
【0027】
送信先の合流地点選定装置20は、乗員のかかりつけ病院が、あらかじめ記憶部19に記憶されている場合、または、乗員が携帯している携帯電子機器から取得可能である場合、かかりつけ病院に配置された合流地点選定装置20としてもよい。または、送信先の合流地点選定装置20は、車両の現在位置情報から最寄りの救急病院に設置された合流地点選定装置20としてもよい。
【0028】
受信部16は、合流地点選定装置20から、車両と救急車との合流地点の合流地点情報を受信する。受信部16は、受信した合流地点情報をルート探索部17に出力する。
【0029】
ルート探索部17は、合流地点選定装置20から受信した合流地点情報と現在位置情報とに基づいて、合流地点までのルートを検索する。ルートを検索する方法は、公知のルート検索方法を使用可能であり、限定されない。
【0030】
自動運転制御部18は、判断部13の判断結果が、乗員の身体が異常状態であると推定されるとの判断である場合、車両が走行中であれば、車両を安全な場所に停車させるように車両の図示しない運転制御部に制御信号を出力する。
【0031】
自動運転制御部18は、ルート探索部17が検索したルート情報に基づいて、合流地点まで車両を走行させるように、運転制御部に制御信号を出力する。
【0032】
記憶部19は、搬送支援装置10における各種処理に要するデータおよび各種処理結果を記憶する。記憶部19は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク、ネットワークを介した外部記憶装置などの記憶装置である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記憶装置であってもよい。
【0033】
合流地点選定装置20は、例えば、病院、消防署、または、救急搬送先を選定したり救急車に対する出動指令を発したりする権限を有する機関を含む救急搬送支援施設に設置されている。本実施形態では、合流地点選定装置20は、病院(救急搬送支援施設)に設置されているものとして説明する。合流地点選定装置20は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置である。合流地点選定装置20は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。合流地点選定装置20は、搬送支援装置10から受信した異常情報に応じて、車両と救急車との合流地点を選定して、搬送支援装置10に合流地点情報を送信する。合流地点選定装置20は、受信部(第二受信部)21と、合流地点選定部22と、送信部(第二送信部)23とを有する。
【0034】
受信部21は、搬送支援装置10から異常情報と車両の現在位置情報とを受信する。受信部21は、受信した異常情報を、医師に通知する。受信部21は、受信した車両の現在位置情報を合流地点選定部22に出力する。
【0035】
医師は、通知された異常情報を確認して、乗員の症状を診断することが可能である。医師は、乗員の症状を、救急車を出動させた方がよいか、言い換えると、緊急度が高いか否かを含めて診断する。医師による診断の結果である診断結果情報は、医師が診断に使用した診断装置などから搬送支援装置10に対して送信してもよいし、医師が合流地点選定部22の入力装置を介して診断結果情報を直接入力してもよい。
【0036】
合流地点選定部22は、受信部21が受信した車両の現在位置情報と異常情報とに基づいて、病院まで搬送する救急車と車両との合流地点を選定する。合流地点選定部22は、医師による乗員の診断結果情報が「緊急度が高い」とされた場合、乗員を病院に搬送する際の合流地点を選定する。
【0037】
合流地点は、例えば、病院の所在地と車両の現在位置との中間地点であって、例えば、公共施設などの駐車場、公園、駐停車可能な道路の路肩など、乗員を安全に救急車に移動可能な地点を選定することが好ましい。合流地点は、乗員が最も早く救急車と合流することが可能な地点であることが好ましい。言い換えると、合流地点は、車両が合流地点に到着するまでに要する時間と、救急車が合流地点に到着するまでに要する時間とが、等しくかつ最短となる地点が好ましい。合流地点は、乗員が救急車と合流するまでに要する時間と、合流地点から病院までに要する時間との合計の時間が最も短くなる地点であることが好ましい。ただし、車両が現在位置から動ける状態にない場合には、合流地点が車両の現在位置に選定されることもある。
【0038】
または、合流地点選定部22は、医師による乗員の診断結果情報が「緊急度が高い」場合とされていても、車両の現在位置情報が病院に近い場合、合流地点を選定せずに、病院まで車両で移動してもらうこととしてもよい。
【0039】
さらに、合流地点選定部22は、車両または救急車が合流地点に先に到着する場合、車両と救急車との新しい合流地点を再度、選定してもよい。先に到着する場合とは、車両または救急車が合流地点に先に到着した場合と、車両または救急車が合流地点に先に到着すると予測される場合とを含む。本実施形態では、車両または救急車が合流地点に先に到着した場合について説明する。合流地点選定部22は、例えば、救急車が合流地点に先に到着したとき、車両の現在位置から合流地点に向かうルート上の中間地点を新しい合流地点として選定してもよい。または、合流地点選定部22は、例えば、救急車が合流地点に先に到着したとき、車両の現在位置から病院へ直接向かうルート上の中間地点を新しい合流地点として選定してもよい。新しい合流地点は、乗員が救急車と合流するまでに要する時間と、新しい合流地点から病院までに要する時間との合計の時間が最も短くなる地点であることが好ましい。
【0040】
送信部23は、合流地点選定部22が選定した合流地点の情報を搬送支援装置10と救急車とに送信する。
【0041】
次に、
図3を用いて、搬送支援システム1における情報処理について説明する。
図3は、第一実施形態に係る搬送支援システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、病院は、車両の現在地の最寄りの救急病院とする。車両には、搬送支援装置10が搭載され、病院には、合流地点選定装置20が配置されている。
【0042】
搬送支援装置10において、車両が動作している期間中、車両位置情報取得部12は、GPS受信機から車両の現在位置情報を常時取得する(ステップS11)。
【0043】
搬送支援装置10において、車両が動作している期間中、検知データ取得部11は、検知部100から車両の乗員の生体情報である検知データを常時取得する(ステップS12)。
【0044】
搬送支援装置10において、判断部13は、検知データ取得部11が取得した検知データによって乗員の身体が異常状態であると推定されるかを常時、または、所定時間ごとに判断する(ステップS13)。
【0045】
図4を参照して、ステップS13について詳しく説明する。
図4は、第一実施形態に係る搬送支援装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0046】
搬送支援装置10は、判断部13によって、検知データ取得部11が取得した検知データによって乗員の身体が異常状態であると推定されるか否かを判断する(ステップS131)。そして、搬送支援装置10は、判断部13によって、乗員の身体が異常状態であると推定されると判断すると(ステップS131でYes)、ステップS132に進む。搬送支援装置10は、判断部13によって、乗員の身体が異常状態であると推定されないと判断すると(ステップS131でNo)、処理を終了する。乗員の身体が異常状態であるとき(ステップS131でYes)、搬送支援装置10は、自動運転制御部18によって、車両を安全な場所に停止する(ステップS132)。搬送支援装置10は、送信部15によって、判断結果を検知データである異常情報とともに、最寄りの救急病院の合流地点選定装置20に出力する(ステップS133)。
【0047】
図3に戻って、搬送支援装置10において、送信部15は、現在位置情報と異常情報とを合流地点選定装置20に送信する。
【0048】
合流地点選定装置20において、受信部21は、搬送支援装置10から異常情報を受信する。受信部21は、受信した異常情報を医師に通知する。
【0049】
医師は、通知された異常情報を確認して、乗員の症状を診断する。医師によって乗員の症状が緊急度が高いと診断されると、当該病院の担当者は、当該乗員の救急での受入可否を判断する。
【0050】
当該病院において受入不可と判断されると、合流地点選定装置20は、送信部23によって、受入不可である旨を車両に通知する。車両は、当該病院の合流地点選定装置20から受入不可との結果を受信すると、受入可能である旨の結果が得られる病院が見つかるまで、他の救急病院の合流地点選定装置20に対して同様の処理を実行する。
【0051】
当該病院の担当者によって受入可能と判断されると、合流地点選定装置20は、合流地点を選定する(ステップS21)。
【0052】
図5を参照して、ステップS21について詳しく説明する。
図5は、第一実施形態に係る合流地点選定装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、車両の現在位置情報を取得する(ステップS211)。そして、合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、医師によって緊急度が高いとされているか否かを判断する(ステップS212)。合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、医師によって緊急度が高いと判断されている場合(ステップS212でYes)、ステップS213に進む。合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、医師によって緊急度が高いと判断されていない場合(ステップS212でNo)、ステップS214に進む。緊急度が高い場合(ステップS212でYes)、合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、車両の現在位置情報から、車両が病院の所在地に近いか否かを判断する(ステップS213)。例えば、病院の所在地まで、30分以内で到着可能である場合を近いとする。合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、車両が病院の所在地に近いと判断する場合(ステップS213でYes)、ステップS214に進む。合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、車両が病院の所在地に近くないと判断する場合(ステップS213でNo)、ステップS215に進む。緊急度が低い場合(ステップS212でNo)、または、車両が病院の所在地に近い場合(ステップS213でYes)、合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、車両が病院まで自走するように、病院を目的地とする自走情報を搬送支援装置10に送信する(ステップS214)。車両が病院の所在地に近くない場合(ステップS213でNo)、合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、合流地点を選定する(ステップS215)。そして、合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、選定した合流地点の合流地点情報を搬送支援装置10に送信する(ステップS216)。
【0054】
図3に戻って、搬送支援装置10において、受信部16は、合流地点選定装置20から合流地点情報を受信する。
【0055】
搬送支援装置10において、ルート探索部17は、合流地点までのルートを検索して、自動走行を開始する(ステップS14)。
【0056】
図6を参照して、ステップS14について詳しく説明する。
図6は、第一実施形態に係る搬送支援装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0057】
搬送支援装置10は、ルート探索部17によって、合流地点情報を取得する(ステップS141)。そして、搬送支援装置10は、ルート探索部17によって、合流地点までのルートを検索する(ステップS142)。そして、搬送支援装置10は、自動運転制御部18によって、検索したルート情報に従って、目的地まで車両を自動走行させる制御信号を走行制御部に出力する(ステップS143)。搬送支援装置10は、現在位置情報を合流地点選定装置20に送信する。
【0058】
図3に戻って、車両が合流地点までの自動運転を開始すると、搬送支援装置10は、車両の現在位置情報を常時、または、所定時間ごとに合流地点選定装置20に送信する。また、合流地点選定装置20から、救急車の現在位置情報が常時、または、所定時間ごとに搬送支援装置10に送信される。
【0059】
合流地点選定装置20において、合流地点選定部22は、状況に応じて、合流地点を再選定する(ステップS22)。
【0060】
図7を参照して、ステップS22について詳しく説明する。
図7は、第一実施形態に係る合流地点選定装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、車両の現在位置情報を取得する(ステップS221)。合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、救急車の現在位置情報を取得する(ステップS222)。そして、合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、車両または救急車が合流地点に先に到着したか否かを判断する(ステップS223)。合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、車両または救急車が合流地点に先に到着したと判断されている場合(ステップS223でYes)、ステップS224に進む。合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、車両または救急車が合流地点に先に到着してないと判断された場合(ステップS223でNo)、処理を終了する。車両または救急車が合流地点に先に到着した場合(ステップS223でYes)、合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、遅れている方の救急車または車両の現在位置情報から合流地点までの到着予定時刻は、現在時刻から閾値以上先の時刻であるか否かを判断する(ステップS224)。例えば、閾値は10分程度とする。合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、合流地点への到着予定時刻は、現在時刻から閾値以上先の時刻であると判断する場合(ステップS224でYes)、ステップS225に進む。合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、合流地点への到着予定時刻は、現在時刻から閾値以上先の時刻ではないと判断する場合(ステップS224でNo)、処理を終了する。この場合は、現在の合流地点で、先に到着した救急車または車両は、遅れている車両または救急車の到着を待つ。遅れている方の合流地点への到着予定時刻が閾値以上先の時刻である場合(ステップS224でYes)、合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、合流地点を再選定する(ステップS225)。そして、合流地点選定装置20は、合流地点選定部22によって、再設定した合流地点の合流地点情報を搬送支援装置10に送信する(ステップS226)。
【0062】
図3に戻って、搬送支援装置10において、受信部16は、合流地点選定装置20から再設定された合流地点情報を受信する。
【0063】
搬送支援装置10において、ルート探索部17は、再設定された合流地点までのルートを検索して、自動走行を開始する(ステップS15)。
【0064】
このようにして、搬送支援システム1は、乗員の身体が異常状態になると、救急車と車両との合流地点までのルートを選定して、車両を救急車との合流地点まで走行させる。
【0065】
上述したように、本実施形態によれば、乗員の身体が異常状態になると、合流地点までのルートを選定して、車両を救急車との合流地点まで自動で走行させる。これにより、本実施形態は、車両の現在位置において救急車の到着を待つ場合に比べて、時間的なロスを低減することができる。このように、本実施形態によれば、緊急対応性を向上することができる。
【0066】
本実施形態は、車両または救急車が合流地点に先に到着すると、合流地点を再設定する。救急車は緊急走行が可能であるが、車両は緊急走行ができないため、救急車が合流地点に先に到着する可能性が高い。このような場合でも、本実施形態は、時間的なロスをより低減することができる。また、本実施形態は、緊急対応性をより向上することができる。
【0067】
[第二実施形態]
図8を参照しながら、本実施形態に係る搬送支援システム1について説明する。
図8は、第二実施形態に係る搬送支援システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。本実施形態に係る搬送支援システム1は、基本的な構成は第一実施形態の搬送支援システム1と同様である。以下の説明においては、搬送支援システム1と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態の搬送支援システム1は、合流地点選定装置20が消防署(救急搬送支援施設)に配置されている点が、第一実施形態の搬送支援システム1と異なる。
【0068】
次に、
図8を用いて、搬送支援システム1における情報処理について説明する。搬送支援装置10における処理は、第一実施形態と同様である。
【0069】
消防署に配置された合流地点選定装置20において、受信部21は、搬送支援装置10から異常情報を受信する。受信部21は、受信した異常情報を病院の医師に通知する。
【0070】
消防署において、担当者または救急救命士は、受信した異常情報に基づいて、緊急度、言い換えると、緊急搬送の要否を判断する。
【0071】
医師は、合流地点選定装置20から通知された異常情報を確認して、乗員の症状を診断する。医師によって乗員の症状が緊急度が高いと診断されると、当該病院の担当者は、当該乗員の救急での受入可否を判断する。病院は、消防署に対して、受入可否を回答(連絡)する。
【0072】
病院が受入可能であると、消防署の合流地点選定装置20において、合流地点選定部22は、合流地点を選定する(ステップS31)。消防署の合流地点選定装置20は、合流地点情報を、搬送支援装置10に送信する。
【0073】
上述したように、合流地点選定装置20は、救急搬送先を選定したり救急車に対する出動指令を発したりする権限を有する消防署などに配置することができる。これにより、本実施形態は、乗員の搬送先を消防署が選定することができるので、より緊急対応性を向上することができる。
【0074】
図示した搬送支援システム1の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0075】
搬送支援システム1の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0076】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0077】
上記では、救急移動体が救急車の場合について説明したが、救急救命用のヘリコプターであっても適用可能である。救急救命用のヘリコプターである場合、合流地点選定部22は、合流地点として最寄りのヘリポートを選定する。また、最寄りのヘリポートが離れた場所にある場合、まず、車両が救急車と合流した後、救急車でヘリポートまで搬送してもよい。この場合、合流地点は、例えば、ヘリポートの所在地と車両の現在位置との中間地点であって、例えば、公共施設などの駐車場、公園、駐停車可能な道路の路肩など、乗員を安全に救急車に移動可能な地点を選定することが好ましい。合流地点は、乗員が救急車と合流するまでに要する時間と、合流地点からヘリポートに到着するまでに要する時間との合計の時間が最も短くなる地点であることが好ましい。
【0078】
上記では、判断部13は、救急搬送が必要とされる状態を異常状態としたが、これに限定されない。例えば、乗員が持病を有する場合、持病に応じて、救急搬送が必要とされる、検知データの異常値を記憶しておく。判断部13は、検知データが記憶した閾値を超えたら、異常状態であると判断してもよい。これにより、乗員の持病に起因する異常状態の発生時に、より適切に緊急対応をすることができる。
【0079】
上記では、車両は自動運転が可能な車両であるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、運転者以外の乗員が異常状態になった場合や、運転者が異常状態になった場合でも運転者以外の乗員が運転可能である場合、乗員が、ルート探索部17が探索したルートに従って車両を走行させて合流地点まで移動してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 搬送支援システム
10 搬送支援装置
11 検知データ取得部
12 車両位置情報取得部
13 判断部
15 送信部(第一送信部)
16 受信部(第一受信部)
17 ルート探索部
18 自動運転制御部
20 合流地点選定装置
21 受信部(第二受信部)
22 合流地点選定部
23 送信部(第二送信部)
100 検知部