(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】真空遮断器の操作機構
(51)【国際特許分類】
H01H 33/666 20060101AFI20220105BHJP
H01H 33/42 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H01H33/666 L
H01H33/42 K
(21)【出願番号】P 2018055913
(22)【出願日】2018-03-23
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】山縣 秀人
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-298050(JP,A)
【文献】特開平09-237556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/666
H01H 33/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空バルブの可動接触子に連結して前記真空バルブの投入動作・遮断動作を行うバルブ駆動部と、
前記バルブ駆動部に投入・遮断動作を伝達する開閉軸と、
カム軸に固定されたカムと、
前記開閉軸に固定されて前記カム側に突出している駆動レバーと、
前記カムの回動動作を前記駆動レバーに伝達するカム・駆動レバー連動部と、
前記カムに投入力を伝達することで前記カム・駆動レバー連動部を介して前記開閉軸を投入動作の方向に回転させる投入ばねと、
前記開閉軸に遮断力を伝達することで前記開閉軸を前記遮断動作の方向に回転させる遮断ばねと、を備え、
前記カム・駆動レバー連動部は、
揺動軸回りに揺動する中継レバーと、前記カム及び前記駆動レバーの一部に接触する中継ローラーと、を備え、
前記カムの回動動作が、前記中継ローラーを介して前記中継レバーの揺動により前記駆動レバーの回転動作として伝達されることを特徴とする真空遮断器の操作機構。
【請求項2】
前記中継ローラーは、前記カムのカム面に接触するカム側ローラーと、前記駆動レバーの一部に接触する駆動レバー側ローラーと、を備えていることを特徴とする請求項1記載の真空遮断器の操作機構。
【請求項3】
前記中継レバーにスイッチ連動板が連結され、前記中継レバーが揺動した投入位置、或いは遮断位置を前記スイッチ連動板に伝達することで前記真空バルブの投入動作・遮断動作に対応したON・OFFの切替え動作を行う補助スイッチ装置を備えているとともに、
前記中継レバーは、前記カム、或いは前記駆動レバーから回動動作の外力が作用していないときには、位置決め部材により前記投入位置に位置決めされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空遮断器の操作機構。
【請求項4】
前記位置決め部材は、前記中継レバーの前記揺動軸回りに配置され、前記中継レバーを前記投入位置まで揺動させるばね力を作用するばね部材であることを特徴とする請求項3記載の真空遮断器の操作機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空遮断器の操作機構に関する。
【背景技術】
【0002】
真空遮断器の操作機構は、投入、遮断指令によって真空バルブの可動接触子を閉極位置、開極位置に駆動する装置である。
この真空遮断器の操作機構として、例えば特許文献1の装置が知られている。
特許文献1は、真空バルブの可動接触子に連結して真空バルブの投入動作(主接点を閉じた状態とする)・遮断動作(主接点を開いた状態とする)を行うバルブ駆動部と、バルブ駆動部と開閉レバーを介して連結し、回転によりバルブ駆動部に投入・遮断動作を伝達する開閉軸と、カム軸に固定されているカムと、開閉軸に固定されてカム側に突出している駆動レバーと、カムの回動動作を駆動レバーに伝達するカム・駆動レバー連動部と、カム軸を介してカムに投入方向の回転力(投入力)を伝達する投入ばねと、を備えている。
【0003】
ここで、カム・駆動レバー連動部の具体的な構造として、例えば、カムの回動を中継レバーで受け、この中継レバーの動きを、駆動レバーを介して開閉軸に回転運動として伝達する構造が知られている。この場合、中継レバーは、カム及び駆動レバーにロッドで連結するのが一般的な構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したカム・駆動レバー連動部として、中継レバーをカム及び駆動レバーにロッドで連結する構造は、ロッドをカムと中継レバーに連結する工程や、他のロッドを中継レバーと駆動レバーに連結する工程など、組立て工数が多くなるので、装置コストの面で問題がある。
そこで、本発明は、カム、駆動レバーなどとロッドを連結する組立てが不要で簡便なカム・駆動レバー連動部の構造とすることで、装置コストの低減化を図ることができる真空遮断器の操作機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る真空遮断器の操作機構は、真空バルブの可動接触子に連結して真空バルブの投入動作・遮断動作を行うバルブ駆動部と、バルブ駆動部に投入・遮断動作を伝達する開閉軸と、カム軸に固定されたカムと、開閉軸に固定されてカム側に突出している駆動レバーと、カムの回動動作を駆動レバーに伝達するカム・駆動レバー連動部と、カムに投入力を伝達することでカム・駆動レバー連動部を介して開閉軸を投入動作の方向に回転させる投入ばねと、開閉軸に遮断力を伝達することで開閉軸を遮断動作の方向に回転させる遮断ばねと、を備え、カム・駆動レバー連動部は、揺動軸回りに揺動する中継レバーと、カム及び駆動レバーの一部に接触する中継ローラーと、を備え、カムの回動動作が、中継ローラーを介して中継レバーの揺動により駆動レバーの回転動作として伝達されるようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る真空遮断器の操作機構によれば、カム、駆動レバーなどとロッドを連結する組立てが不要で簡便なカム・開閉レバー連動部の構造とすることで、装置コストの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の真空遮断器を、正面カバーを外した状態で示した正面図である。
【
図2】第1実施形態の真空遮断器の操作機構の遮断動作を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の真空遮断器の操作機構の投入動作を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態の操作機構を構成する開閉軸の遮断時及び投入時の回転方向を示す図である。
【
図5】第1実施形態の操作機構の中継レバーに連動する補助スイッチ装置を示す図である。
【
図6】第1実施形態の操作機構の中継レバーが位置決め部材により投入位置に位置決めされている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0010】
[真空遮断器の構成]
図1から
図6を参照して本発明に係る第1実施形態の真空遮断器について説明する。
図1は装置ケース1内に支持フレーム11a~11cが配置されている。
図2及び
図3は、構成部品の構造を詳細に示すため、支持フレーム11a~11cのうち支持フレーム11cを省略している。
図1は、本発明に係る第1実施形態の真空遮断器の正面カバー(不図示)を外した状態を示しており、装置ケース1の内部に操作機構2が配置されている。
【0011】
また、
図2及び
図3に示すように、操作機構2の背面側には、水平方向に並んで複数の真空バルブVA,VB、VCが配置されており、各真空バルブは固定電極Vd及び可動電極Veを備えている。
図2は、真空バルブVA,VB,VCの遮断状態(固定接触子Saと可動接触子Sbとが開いている状態)を示し、
図3は、真空バルブVA,VB,VCの投入状態(固定接触子Saと可動接触子Sbとが閉じている状態)を示している。なお、符号11dは、装置ケース1内に配置した指示フレームの一部である。
図1及び
図2に示すように、操作機構2は、バルブ駆動部3と、開閉レバー4と、開閉軸5と、投入部6と、駆動レバー7と、中継レバー8と、遮断ばね9と、を備えているとともに、装置ケース1内には、投入部6に連動する補助スイッチ装置10が配置されている。
【0012】
補助スイッチ装置10は、外部装置に接続してON・OFFの切替え動作を行う装置であり、真空バルブVA,VB、VCが遮断状態のときにはOFF動作を行い、真空バルブVA,VB、VCが投入状態のときにはON動作を行う装置である。
バルブ駆動部3は、
図2に示すように、真空バルブVA,VB、VCの各々の可動接触子側に連結して設けられて真空バルブVA,VB,VCの投入動作・遮断動作を行う装置であり、各真空バルブの可動接触子Sbに連結した絶縁ロッド15、接圧ばね16、可動接触子Sbを開閉位置に移動させる可動接触子駆動部17、を備えている。
開閉軸5は、真空バルブVA,VB、VCが並んで配置されている方向に延在しており、この開閉軸5の外周に、軸方向に所定間隔をあけて複数の開閉レバー4が固定されている。これら開閉レバー4は、バルブ駆動部3の可動接触子駆動部17に係合している。
【0013】
ここで、
図4で示す開閉軸5の時計回りの回転は、真空バルブVA,VB、VCの固定接触子Sa及び可動接触子Sbを開いた状態とする遮断方向の回転であり、
図4で示す開閉軸5の反時計回りの回転は、真空バルブVA,VB、VCの固定接触子Sa及び可動接触子Sbを閉じた状態とする投入方向の回転である。
投入部6は、モーター20(
図1参照)と、モーター20の回転駆動力が複数のギヤ21a(
図1参照)を介して伝達される回転軸(不図示)と、
図2に示すように、回転軸に固定されているカム22と、回転軸にクランクレバー23を介して一端が連結され、他端が装置ケース1に連結されている投入ばね24と、を備えている。
【0014】
また、カム22の側面にはカムフォロア25が突出しており、このカムフォロア25に、支持フレーム11bに回転自在に配置された投入ラッチ26が係合している。そして、投入ラッチ26の近くの支持フレーム11bに遮断ラッチ27が回転自在に配置されている。
駆動レバー7は、
図2に示すように、開閉軸5に固定されて支持フレーム11b,11cの間のカム22の下方位置まで延在している。
そして、カム22と駆動レバー7の間には、支持フレーム11b,11cに揺動軸8aが連結した状態で中継レバー8が揺動自在に配置されている。
【0015】
この中継レバー8の側面には、カム22のカム面に係合する第1ローラー8bと、駆動レバー7の先端側上面に係合する第2ローラー8cと、遮断ラッチ27に係合する第3ローラー8dが連結されている。
この投入部6は、モーター20が複数のギヤ21aを介して回転軸に回転駆動力を伝達することでクランクレバー23を回動させていく。そして、クランクレバー23が回動することで、投入ばね24が圧縮状態でばね力(投入力)を蓄積していく。
そして、真空バルブVA,VB,VCの投入動作時に、投入ばね24に蓄積された投入力で回転軸を介してカム22が回転する。
【0016】
また、
図1に示すように、遮断ばね9は、一端が開閉レバー4を介して開閉軸5に固定され、他端が装置ケース1の内壁に固定されている。この遮断ばね9は、真空バルブVA,VB,VCの投入動作時には、ばね長が長くなりながら引張り状態でばね力(遮断力)を蓄積していく。そして、真空バルブVA,VB,VCの遮断動作時に、遮断ばね9に蓄積されたばね遮断力で開閉軸5を遮断方向に回転させる。
装置ケース1内に配置されている補助スイッチ装置10は、
図5に示すように、スイッチ本体30と、スイッチ本体30から突出しているスイッチ駆動軸31と、スイッチ駆動軸31に固定された連結部材32に上端が回動自在に連結し、下端が中継レバー8の第1ローラー8bの回転軸に回動自在に連結しているスイッチ連動板33と、を備えている。
【0017】
ここで、
図6に示すように、中継レバー8の揺動軸8a近くには、支持フレーム11cから突出するばね係合部材35が設けられているとともに、揺動軸8a近くの中継レバー8には、ばね係合穴36が形成されている。
揺動軸8aには捩りばね37が巻き付いており、この捩りばね37のばね一端37aがばね係合部材35に係合し、ばね他端37bがばね係合穴36に装入されている。
この捩りばね37は、中継レバー8の第2ローラー8cが駆動レバー7の先端側上面に常に接触するように、中継レバー8を揺動軸8a回りに回動(
図6の時計回りの回動)させるばね力Fnを作用する。
なお、本発明に記載されているカム側ローラーが第1ローラー8bに対応しており、本発明に記載されている駆動レバー側ローラーが第2ローラー8cに対応しており、本発明に記載されている位置決め部材が戻りばね37に対応している。
【0018】
[真空遮断器の操作機構の動作について]
次に、真空バルブVA,VB,VCを遮断状態から投入状態とするときの操作機構2の動作と、補助スイッチ装置10の動作について説明する。
図2の遮断状態において、カム22のカムフォロア25に対する投入ラッチ26の係合状態を解除することで、投入ばね24に蓄積されている投入力でカム22を反時計方向に回転させる。これにより、
図3に示すように、カム22のカム面が中継レバー8の第1ローラー8bを押し下げるので、中継レバー8が揺動軸8a回りに反時計方向に揺動する。この中継レバー8の反時計方向の揺動によって、中継レバー8の第2ローラー8cに先端側上面が接触している駆動レバー7が押し下げられ、
図4に示すように、開閉軸5が投入方向に回転する。ここで、開閉軸5が投入方向に回転すると、遮断ばね9は、引張り状態で遮断力が蓄積されていく。
【0019】
このように、開閉軸5が投入方向に回転することで、真空バルブVA,VB、VCの各々の可動接触子Sbが、バルブ駆動部3の駆動により固定接触子Saに接触する位置まで移動し、真空バルブVA,VB、VCが投入状態となる。
そして、
図3に示すように、第2ローラー8cで駆動レバー7を押し下げた中継レバー8は、第3ローラー8dが遮断ラッチ27に係合することで、投入位置が保持される。
一方、中継レバー8の投入状態の揺動動作が、補助スイッチ装置10のスイッチ連動板33及び連結部材32の上下方向運動、スイッチ駆動軸31の回転運動としてスイッチ本体30に伝達される。そして、補助スイッチ装置10は、真空バルブVA,VB、VCの投入状態に対応したON動作を行う。
【0020】
また、真空バルブVA,VB,VCを投入状態から遮断状態とするときの操作機構2の動作と、補助スイッチ装置10の動作について説明する。
図3の投入状態において、中継レバー8の第3ローラー8dに対する遮断ラッチ27の係合状態を解除すると、遮断ばね9に蓄積された遮断力で、開閉軸5が遮断方向に回転する。
遮断ばね9の遮断力で開閉軸5が遮断方向に回転すると、
図2に示すように、真空バルブVA,VB、VCの各々の可動接触子Sbが、バルブ駆動部3の駆動により固定接触子Saから離間する位置まで移動し、真空バルブVA,VB、VCが遮断状態となる。
【0021】
また、開閉軸5の遮断方向の回転と同時に駆動レバー7が回動するので、駆動レバー7に第2ローラー8cが接触している中継レバー8は、
図2において、揺動軸8a回りに時計方向に揺動して遮断位置となる。
そして、中継レバー8の遮断状態の揺動動作は、補助スイッチ装置10のスイッチ連動板33及び連結部材32の上方向運動、スイッチ駆動軸31の第2の回転運動(前述した第1の回転運動に対する逆方向)を介してスイッチ本体30に伝達される。そして、補助スイッチ装置10は、真空バルブVA,VB、VCの遮断状態に対応したOFF動作を行う。
【0022】
ところで、真空バルブVA,VB、VCの遮断状態において、操作機構2の遮断ばね9が何らかの原因で遮断した場合には、真空バルブVA,VB、VCの固定接触子Sa及び可動接触子Sbが閉じているのに補助スイッチ装置10がOFF動作となるおそれがある。
すなわち、開閉軸5に遮断ばね9の遮断力が伝達されないと、真空状態の真空バルブVA,VB、VCでは可動接触子Sbが固定接触子Saに移動する方向に移動する自閉力が作用して、固定接触子Sa及び可動接触子Sbが閉じてしまう。
【0023】
ここで、中継レバー8が遮断位置に位置していると、補助スイッチ装置10は真空バルブVA,VB、VCが遮断状態であるOFF動作を行ってしまう。
そこで、第1実施形態では、中継レバー8の揺動軸8aに巻き付いている捩りばね37が、中継レバー8にばね力Fnを作用し、中継レバー8を投入位置まで回動させる。
これにより、中継レバー8が投入位置に位置しているので、補助スイッチ装置10は真空バルブVA,VB、VCが投入状態であるON動作を行う。
したがって、真空バルブVA,VB、VCの遮断状態において、操作機構2の遮断ばね9が遮断して真空バルブVA,VB、VCの固定接触子Sa及び可動接触子Sbが閉じたときには(投入状態としたときには)、補助スイッチ装置10がON動作となる。
【0024】
次に、第1実施形態の真空遮断器の操作機構の作用効果について説明する。
真空バルブVA,VB、VCが投入状態になるときには、カム22のカム面が中継レバー8の第1ローラー8bを押し下げ、中継レバー8の第2ローラー8cに先端側上面が接触している駆動レバー7が押し下げられて、開閉軸5が投入方向に回転する。
また、真空バルブVA,VB、VCが遮断状態になるときには、開閉軸5の遮断方向の回転と同時に回動する駆動レバー7が、第2ローラー8cを介して中継レバー8を揺動軸8a回りに時計方向に揺動して遮断位置とする。
【0025】
このように、第1実施形態は、中継レバー8及び駆動レバー7の間の連動構造を、中継レバーに、第1ローラー8b及び第2ローラー8cを設け、これら第1ローラー8b,第2ローラー8cにカム22のカム面、駆動レバー7の上面の一部が接触する構造としている。このような第1実施形態の中継レバー8を介してカム22及び駆動レバー7との間を連動する連動構造は、従来のカムと駆動レバーとをロッドで連結する構造と比較して組立て工数を大幅に短縮することができるので、装置コストの低減化を図ることができる。
また、真空バルブVA,VB,VCの遮断状態において、操作機構2の遮断ばね9が何らかの原因で遮断した場合、真空状態の真空バルブVA,VB、VCの自閉力が働いて投入状態となる。ここで、操作機構2の中継レバー8が遮断位置に位置していると、中継レバー8に連動する補助スイッチ装置10がOFF動作を行ってしまい、真空バルブVA,VB、VCの投入状態とは異なる信号を、補助スイッチ装置10が外部装置に送信してしまうおそれがある。
【0026】
ところが、中継レバー8には、揺動軸8aに巻き付いている捩りばね37が、中継レバー8にばね力Fnを作用し、中継レバー8を投入位置まで回動させるので、真空状態の真空バルブVA,VB、VCの自閉力が働いて投入状態となっているときには、補助スイッチ装置10がON動作となる。
したがって、遮断ばね9が遮断した場合に真空バルブVA,VB、VCが投入状態となっても、補助スイッチ装置10を正常なON動作に連動させ、補助スイッチ装置10が、真空バルブVA,VB、VCの投入状態とは異なる信号を外部装置に送信するおそれがない。
【符号の説明】
【0027】
1 装置ケース
2 操作機構
3 バルブ駆動部
4 開閉レバー
5開閉軸
6 投入部
7 駆動レバー
8 中継レバー
8a 揺動軸
8b 第1ローラー
8c 第2ローラー
8d 第3ローラー
9 遮断ばね
10 補助スイッチ装置
11a~11c 支持フレーム
15 絶縁ロッド
16 接圧ばね
17 可動接触子駆動部
20 モーター
21a,21b ギヤ
22 カム
23 クランクレバー
24 投入ばね
25 カムフォロア
26 投入ラッチ
27 遮断ラッチ
30 スイッチ本体
31 スイッチ駆動軸
32 連結部材
33 スイッチ連動板
35 ばね係合部材
36 ばね係合穴
37 捩りばね
Fn 捩りばねのばね力
Sa 固定接触子
Sb 可動接触子
VA,VB,VC 真空バルブ
Vd 固定電極
Ve 可動電極