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特許6992749被監視者監視システムの中央処理装置、中央処理方法およびプログラムならびに被監視者監視システム
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  • 特許-被監視者監視システムの中央処理装置、中央処理方法およびプログラムならびに被監視者監視システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】被監視者監視システムの中央処理装置、中央処理方法およびプログラムならびに被監視者監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20220105BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20220105BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20220105BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
A61G12/00 E
A61B5/00 102B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018523883
(86)(22)【出願日】2017-06-12
(86)【国際出願番号】 JP2017021565
(87)【国際公開番号】W WO2017221752
(87)【国際公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-05-21
(31)【優先権主張番号】P 2016126041
(32)【優先日】2016-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】西角 雅史
(72)【発明者】
【氏名】上坂 武史
(72)【発明者】
【氏名】古後 将司
(72)【発明者】
【氏名】榊原 悟
【審査官】西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-042248(JP,A)
【文献】特表2016-507256(JP,A)
【文献】特開2016-103237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00-5/01
5/06-5/22
A61G7/00-15/12
99/00
G06F19/00
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G08B19/00-31/00
H04M9/00-9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムの前記中央処理装置であって、
記憶部と、
履歴情報抽出処理部と、
監視処理部とを備え、
前記記憶部は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて監視情報として記憶し、
前記監視情報は、前記イベントの検知時刻または受信時刻、および、前記イベントの種類を含み、
前記履歴情報抽出処理部は、前記記憶部に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応するイベントの種類を抽出し、
前記監視処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させ、
前記記憶部は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを所定の端末装置へ通知するか否かを前記イベントの種類ごとに表す返信許否情報を、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて通知許否情報としてさらに記憶し
前記監視処理部は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを前記所定の端末装置へ通知する通知処理を前記記憶部に記憶された通知許否情報に基づいて実行し、前記通知処理による通知の有無を前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信した前記イベントに対応付けて前記監視情報の一つとして前記記憶部にさらに記憶し
前記監視処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる際に、さらに、前記通知の有無を前記所定の表示装置に表示させる
中央処理装置。
【請求項2】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムの前記中央処理装置であって
記憶部と
履歴情報抽出処理部と
監視処理部とを備え
前記記憶部は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて監視情報として記憶し
前記監視情報は、前記イベントの検知時刻または受信時刻、および、前記イベントの種類を含み
前記履歴情報抽出処理部は、前記記憶部に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応するイベントの種類を抽出し
前記監視処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させ
分析処理部をさらに備え、
前記分析処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、入床から離床までの時間を臥床時間として求め、前記求めた臥床時間の中から、所定の第1時刻以降の最初の入床から翌日の所定の第2時刻以降の最初の離床までの時間を睡眠時間とする分析処理を実行し、
前記監視処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる際に、さらに、前記分析処理の実行で求められた睡眠時間と前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間とを互いに異なる表示態様で前記所定の表示装置に表示させる、
央処理装置。
【請求項3】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムの前記中央処理装置であって
記憶部と
履歴情報抽出処理部と
監視処理部と
分析処理部とを備え
前記記憶部は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて監視情報として記憶し
前記監視情報は、前記イベントの検知時刻または受信時刻、および、前記イベントの種類を含み
前記履歴情報抽出処理部は、前記記憶部に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応するイベントの種類を抽出し
前記監視処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させ
前記分析処理部は、記記憶部に記憶された監視情報から、分析対象である所定の第2期間内における、所定の被監視者に対応するイベントを種類別に計数することで第1計数結果を求め、前記第2期間よりも以前の所定の第3期間内における、前記所定の被監視者に対応するイベントを種類別に計数して前記第2期間長に応じた平均値で第2計数結果を求め、前記第1計数結果と前記第2計数結果とを種類別に比較し、所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を求める第2分析処理を実行し、
前記監視処理部は、前記第2分析処理の実行で求めた所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を前記所定の表示装置に表示させる、
央処理装置。
【請求項4】
前記監視処理部は、前記被監視者に対応して設けられ前記所定の期間に応じた時間軸上に、前記イベントの種類を表した所定のマークを、前記イベントの検知時刻または受信時刻で、表示することで、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、前記所定の表示装置に表示させる、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の中央処理装置。
【請求項5】
前記第2期間は、複数のサブ期間を備え、
前記分析処理部は、1人の被監視者に対して複数のサブ期間それぞれについて、当該サブ期間を前記第2期間とする前記第2分析処理を実行する、
請求項に記載の中央処理装置。
【請求項6】
前記分析処理部は、複数の被監視者それぞれについて、前記第2分析処理を実行する、
請求項に記載の中央処理装置。
【請求項7】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムの中央処理方法であって、
記憶工程と、
履歴情報抽出工程と、
監視処理工程とを備え、
前記記憶工程は、前記センサ装置で検知され前記センサ装置から受信したイベントを、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて監視情報として記憶部に記憶し、
前記監視情報は、前記イベントの検知時刻または受信時刻、および、前記イベントの種類を含み、
前記履歴情報抽出工程は、前記記憶部に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応する検知結果の種類を抽出し、
前記監視処理工程は、前記履歴情報抽出工程の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させ、
前記記憶工程は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを所定の端末装置へ通知するか否かを前記イベントの種類ごとに表す返信許否情報を、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて通知許否情報としてさらに記憶し
前記監視処理工程は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを前記所定の端末装置へ通知する通知処理を前記記憶部に記憶された通知許否情報に基づいて実行し、前記通知処理による通知の有無を前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信した前記イベントに対応付けて前記監視情報の一つとして前記記憶部にさらに記憶し
前記監視処理工程は、前記履歴情報抽出処理工程の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる際に、さらに、前記通知の有無を前記所定の表示装置に表示させる
中央処理方法。
【請求項8】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムの中央処理方法であって
記憶工程と
履歴情報抽出工程と
監視処理工程と
分析処理工程とを備え
前記記憶工程は、前記センサ装置で検知され前記センサ装置から受信したイベントを、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて監視情報として記憶部に記憶し
前記監視情報は、前記イベントの検知時刻または受信時刻、および、前記イベントの種類を含み
前記履歴情報抽出工程は、前記記憶部に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応する検知結果の種類を抽出し
前記監視処理工程は、前記履歴情報抽出工程の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させ
前記分析処理工程は、前記履歴情報抽出処理工程の抽出結果に基づいて、入床から離床までの時間を臥床時間として求め、前記求めた臥床時間の中から、所定の第1時刻以降の最初の入床から翌日の所定の第2時刻以降の最初の離床までの時間を睡眠時間とする分析処理を実行し
前記監視処理工程は、前記履歴情報抽出処理工程の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる際に、さらに、前記分析処理の実行で求められた睡眠時間と前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間とを互いに異なる表示態様で前記所定の表示装置に表示させる
中央処理方法
【請求項9】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムの中央処理方法であって
記憶工程と
履歴情報抽出工程と
監視処理工程と
分析処理工程とを備え
前記記憶工程は、前記センサ装置で検知され前記センサ装置から受信したイベントを、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて監視情報として記憶部に記憶し
前記監視情報は、前記イベントの検知時刻または受信時刻、および、前記イベントの種類を含み
前記履歴情報抽出工程は、前記記憶部に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応する検知結果の種類を抽出し
前記監視処理工程は、前記履歴情報抽出工程の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させ
前記分析処理工程は、前記記憶部に記憶された監視情報から、分析対象である所定の第2期間内における、所定の被監視者に対応するイベントを種類別に計数することで第1計数結果を求め、前記第2期間よりも以前の所定の第3期間内における、前記所定の被監視者に対応するイベントを種類別に計数して前記第2期間長に応じた平均値で第2計数結果を求め、前記第1計数結果と前記第2計数結果とを種類別に比較し、所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を求める第2分析処理を実行し
前記監視処理工程は、前記第2分析処理の実行で求めた所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を前記所定の表示装置に表示させる
中央処理方法
【請求項10】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムであって、
前記中央処理装置は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の中央処理装置である、
被監視者監視システム。
【請求項11】
センサ装置から受信した被監視者に関わる所定のイベントを管理する中央処理装置のコンピュータに
前記イベントの検知時刻または受信時刻、および、前記イベントの種類を、監視情報として記憶する記憶工程と
前記イベントを所定の端末へ通知したか否かの通知の有無情報を前記イベントに対応付けて記憶する通知有無情報記憶工程と
前記監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応するイベントの種類を抽出する抽出工程と
前記抽出工程により抽出された前記所定の期間内おけるイベントを、所定の被監視者に対応付けて種類別に表示させる表示工程と
前記抽出工程により抽出された前記所定の期間内おけるイベントを、前記通知の有無情報に対応付けて表示させる表示工程とを実行させるプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視すべき監視対象である被監視者を複数の機器を用いて監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国(日本)は、戦後の高度経済成長に伴う生活水準の向上、衛生環境の改善および医療水準の向上等によって、高齢化社会、より詳しくは、総人口に対する65歳以上の人口の割合である高齢化率が21%を超える超高齢化社会になっている。2013年9月の統計では、高齢者人口は、約3186万人であり、その高齢化率は、25.0%であり、4人に1人が高齢者になっている。2035年には、高齢者人口が約3741万人となり、3人に1人が高齢者になるという予測もある(日本国総務省統計局)。このような高齢化社会では、病気や怪我や高齢等による看護や介護を必要とする要看護者や要介護者(要看介護者)は、高齢化社会ではない通常の社会で生じる要看介護者よりもその増加が見込まれる。そして、我が国は、例えば2013年の合計特殊出生率が1.43という少子化社会でもある。そのため、高齢な要看介護者を高齢の家族(配偶者、子、兄弟)が介護する老老介護も起きて来ている。
【0003】
要看介護者は、病院や、老人福祉施設(日本の法令では老人短期入所施設、養護老人ホームおよび特別養護老人ホーム等)等の施設に入所し、その看護や介護を受ける。このような施設では、要看介護者が、例えばベッドからの転落や歩行中の転倒等によって怪我を負ったり、ベッドから抜け出して徘徊したりするなどの事態が生じ得る。このような事態に対し、可及的速やかに対応する必要がある。また、このような事態を放置しておくとさらに重大な事態に発展してしまう可能性もある。このため、前記施設では、看護師や介護士(看介護者)は、定期的に巡視することによってその安否や様子を確認している。
【0004】
しかしながら、要看介護者の増加数に対し看介護者の増加数が追い付かずに、看護業界や介護業界では、慢性的に人手不足になっている。さらに、日勤の時間帯に較べ、準夜勤や夜勤の時間帯では、看介護者の人数が減るため、一人当たりの業務負荷が増大するので、前記業務負荷の軽減が要請される。また、前記老老介護の事態は、前記施設でも例外ではなく、高齢の要看介護者を高齢の看介護者がケアすることもしばしば見られる。一般に高齢になると体力が衰えるため、健康であっても若いケア者に比しケアの負担が重くなり、また、その動きや判断も遅くなる。
【0005】
このような人手不足や看介護者の負担を軽減するため、看護業務や介護業務を補完する技術が求められている。このため、近年では、要看介護者の、監視すべき監視対象である被監視者を監視(モニタ)する被監視者監視技術が研究、開発されている。
【0006】
このような技術の一つとして、例えば特許文献1に開示されたナースコールシステムがある。この特許文献1に開示されたナースコールシステムは、ベッドに設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機と、ナースステーションに設置されて前記ナースコール子機による呼び出しに応答するためのナースコール親機とを有するナースコールシステムであって、ベッド上の患者をベッド上方から撮像するカメラと、前記カメラの撮像映像から、患者が上半身を起こした状態及び患者がベッド上から離れた状態のうち少なくとも一方の発生を判断して注意状態発生信号を出力する状態判断手段とを有し、前記ナースコール親機は、前記注意状態発生信号を受けて通知動作する通知手段を有する。そして、このナースコールシステムは、前記ナースコール子機からの呼び出しに応答するために看護師が携行する携帯端末と、前記注意状態発生信号を受けて、前記カメラの撮像映像を前記携帯端末に送信する通信制御手段とを有する。
【0007】
一方、安否確認の点では、一人暮らしの独居者も前記要看護者等と同様であり、被監視対象者となる。
【0008】
ところで、身体能力の衰え具合、怪我の程度や箇所、マヒの程度や箇所、これまでの生活リズム(生活習慣)、および、ナースコールの使い方等は、要看介護者の被監視者個々人によって様々である。このため、例えば前記注意状態発生信号の通知のされ方やナースコールの通知のされ方も、被監視者個々人によって様々である。このような通知(通知)のされ方に被監視者個々人ごとに所定の傾向が見られれば、前記所定の傾向に応じた、より適切な看護や介護が可能となる。
【0009】
前記特許文献1に開示されたナースコールシステムは、前記注意状態発生信号の通知やナースコールの通知を実行できるが、前記通知を実行するだけであり、前記特許文献1には、その通知のされ方の傾向に関する記載は、開示も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2014-90913号公報
【発明の概要】
【0011】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、被監視者の、通知(報知)のされ方に関し、その傾向の発見を支援できる被監視者監視システムの中央処理装置および中央処理方法ならびに前記被監視者監視システムを提供することである。
【0012】
本発明にかかる中央処理装置および中央処理方法は、被監視者に対応して設けられたセンサ装置で検知されたイベントを管理し、イベントを所定の端末装置へ通知するものである。前記中央処理装置および中央処理方法は、センサ装置から受信したイベントを、センサ装置に対応する被監視者に対応付けて監視情報として記憶する。前記監視情報は、イベントの検知時刻または受信時刻、および、イベントの種類を含む。前記中央処理装置および中央処理方法は、その記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応するイベントの種類を抽出し、その抽出結果に基づいて、所定の期間内におけるイベントを、被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる。そして、本発明の被監視者監視システムは、この中央処理装置を含む。
【0013】
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載と添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態における被監視者監視システムの構成を示す図である。
図2】前記被監視者監視システムにおけるセンサ装置の構成を示す図である。
図3】正常呼吸および異常呼吸それぞれにおける代表的な各波形パターンを示す図である。
図4】前記被監視者監視システムにおける管理サーバ装置の構成を示す図である。
図5】前記管理サーバ装置に記憶される監視情報テーブルの構成を示す図である。
図6】前記管理サーバ装置に記憶される装置間情報テーブルの構成を示す図である。
図7】前記管理サーバ装置に記憶されるセンサ情報テーブルの構成を示す図である。
図8】前記被監視者監視システムにおける前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
図9】前記被監視者監視システムにおける前記管理サーバ装置の動作を示すフローチャートである。
図10図9に示すフローチャートにおける監視情報の処理を示すフローチャートである。
図11】前記被監視者監視システムにおける携帯端末装置に表示される監視情報画面の一例を示す図である。
図12図9に示すフローチャートにおける個人履歴表示の処理を示すフローチャートである。
図13】前記被監視者監視システムにおける固定端末装置に表示されるタイムチャートでの個人履歴表示画面の一例を示す図である。
図14】前記被監視者監視システムにおける固定端末装置に表示されるグラフでの個人履歴表示画面の一例を示す図である。
図15図9に示すフローチャートにおける個人分析表示の処理を示すフローチャートである。
図16】前記被監視者監視システムにおける固定端末装置に表示される個人分析表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0016】
実施形態における被監視者監視システムは、監視すべき(見守るべき)監視対象(見守り対象)である被監視者(見守り対象者)Obを監視するものであり、被監視者Obに対応して設けられ、被監視者に関わる、予め設定された所定のイベントを検知するセンサ装置と、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置と、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置とを備える。前記中央処理装置は、記憶部と、履歴情報抽出処理部と、監視処理部とを備える。前記記憶部は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて監視情報として記憶する。前記監視情報は、前記イベントの検知時刻または受信時刻、および、前記イベントの種類を含む。前記履歴情報抽出処理部は、前記記憶部に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応するイベントの種類を抽出する。前記監視処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる。前記端末装置は、1種類の装置であって良いが、本実施形態態では、前記端末装置は、固定端末装置と携帯端末装置との2種類の装置である。これら固定端末装置と携帯端末装置との主な相違は、固定端末装置が固定的に運用される一方、携帯端末装置が例えば看護師や介護士等の監視者(ユーザ)に携行されて運用される点であり、これら固定端末装置と携帯端末装置とは、略同様である。
【0017】
図1は、実施形態における被監視者監視システムの構成を示す図である。図2は、実施形態の被監視者監視システムにおけるセンサ装置の構成を示す図である。図3は、正常呼吸および異常呼吸それぞれにおける代表的な各波形パターンを示す図である。図3Aは、正常呼吸における代表的な波形パターンを示し、図3Bは、呼吸停止における代表的な波形パターンを示し、図3Cは、睡眠時無呼吸における代表的な波形パターンを示し、図3Dは、除呼吸における代表的な波形パターンを示し、図3Eは、頻呼吸における代表的な波形パターンを示し、図3Fは、低呼吸における代表的な波形パターンを示し、図3Gは、過呼吸における代表的な波形パターンを示し、図3Hは、Kussmaulの大呼吸における代表的な波形パターンを示し、そして、図3Iは、Cheyne-Stokes呼吸における代表的な波形パターンを示す。図4は、実施形態の被監視者監視システムにおける管理サーバ装置の構成を示す図である。図5は、図4に示す前記管理サーバ装置に記憶される監視情報テーブルの構成を示す図である。図6は、図4に示す前記管理サーバ装置に記憶される装置間情報テーブルの構成を示す図である。図6Aは、装置間情報テーブルのうちの通知先対応関係情報テーブルの構成を示し、図6Bは、装置間情報テーブルのうちの通信アドレス対応関係情報テーブルの構成を示す。図7は、図4に示す前記管理サーバ装置に記憶されるセンサ情報テーブルの構成を示す図である。
【0018】
より具体的には、被監視者監視システムMSは、例えば、図1に示すように、1または複数のセンサ装置SU(SU-1~SU-4)と、管理サーバ装置SVと、固定端末装置SPと、1または複数の携帯端末装置TA(TA-1、TA-2)と、構内交換機(PBX、Private branch exchange)CXとを備え、これらは、有線や無線で、LAN(Local Area Network)等の網(ネットワーク、通信回線)NWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、通信信号を中継する例えばリピーター、ブリッジおよびルーター等の中継機が備えられても良い。図1に示す例では、これら複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SP、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2および構内交換機CXは、L2スイッチの集線装置(ハブ、HUB)LSおよびアクセスポイントAPを含む有線および無線の混在したLAN(例えばIEEE802.11規格に従ったLAN等)NWによって互いに通信可能に接続されている。より詳しくは、複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SPおよび構内交換機CXは、集線装置LSに接続され、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2は、アクセスポイントAPを介して集線装置LSに接続されている。そして、ネットワークNWは、TCP(Transmission control protocol)およびIP(Internet protocol)等のインターネットプロトコル群が用いられることによっていわゆるイントラネットを構成する。
【0019】
構内交換機(回線切換機)CXは、ネットワークNWに接続され、携帯端末装置TA同士における発信、着信および通話等の内線電話の制御を行って前記携帯端末装置TA同士の内線電話を実施し、そして、例えば固定電話網や携帯電話網等の公衆電話網PNを介して例えば固定電話機や携帯電話機等の外線電話機TLに接続され、外線電話機TLと携帯端末装置TAとの間における発信、着信および通話等の外線電話の制御を行って外線電話機TLと携帯端末装置TAとの間における外線電話を実施するものである。構内交換機CXは、例えば、デジタル交換機や、IP-PBX(Internet Protocol Private Branch eXchange)等である。
【0020】
被監視者監視システムMSは、被監視者Obに応じて適宜な場所に配設される。被監視者(見守り対象者)Obは、例えば、病気や怪我等によって看護を必要とする者や、身体能力の低下等によって介護を必要とする者や、一人暮らしの独居者等である。特に、早期発見と早期対処とを可能にする観点から、被監視者Obは、例えば異常状態等の所定の不都合な事象がその者に生じた場合にその発見を必要としている者であることが好ましい。このため、被監視者監視システムMSは、被監視者Obの種類に応じて、病院、老人福祉施設および住戸等の建物に好適に配設される。図1に示す例では、被監視者監視システムMSは、複数の被監視者Obが入居する複数の居室RMや、ナースステーション等の複数の部屋を備える介護施設の建物に配設されている。
【0021】
センサ装置SUは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAと通信する通信機能等を備え、被監視者Obに関わる所定のイベントを検知してこの検知した前記イベントを管理サーバ装置SVへ通知し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、そして、動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAへ動画を配信する装置である。センサ装置SUは、各被監視者Obそれぞれに対応付けて配設されている。前記所定のイベント(事象)は、好ましくは、対処(対応)が必要なイベントを含む。本実施形態では、前記所定のイベントは、被監視者Obにおける、予め設定された所定の行動を含み、呼吸異常を含み、そして、ナースコールを含む。このようなセンサ装置SUは、例えば、図2に示すように、センサ部11と、音入出力部12と、ナースコール受付操作部13と、センサ側制御処理部(SU制御処理部)14と、センサ側通信インターフェース部(SU通信IF部)15と、センサ側記憶部(SU記憶部)16とを備える。
【0022】
センサ部11は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、被監視者Obにおける予め設定された所定の諸量を検出する装置である。前記所定の諸量は、被監視者Obに対する監視項目に応じて適宜に決定される。本実施形態では、前記監視項目は、予め設定された前記所定の行動および呼吸異常であり、前記所定の行動は、例えば、被監視者Obが寝具に入った入床、被監視者Obが起きた起床、被監視者Obが寝具から離れた離床、および、被監視者Obが倒れた転倒の4つの行動である。なお、前記転倒には、被監視者Obが寝具から落ちた転落が含まれて良く、あるいは、前記転倒とは別途に、前記所定の行動には、被監視者Obが寝具から落ちた転落が含まれて良い。前記所定の行動を検知するために、センサ部11は、例えば、撮像部111を備え、そして、前記呼吸異常を検知するために、呼吸測定部112を備える。
【0023】
撮像部111は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、画像(画像データ)を生成する装置である。前記画像には、静止画(静止画データ)および動画(動画データ)が含まれる。撮像部111は、被監視者Obが所在を予定している空間(所在空間、図1に示す例では配設場所の居室RM)を監視可能に配置され、前記所在空間を撮像対象としてその上方から撮像し、前記撮像対象を俯瞰した画像(画像データ)を生成し、前記撮像対象の画像(対象画像)をSU制御処理部14へ出力する。好ましくは、被監視者Ob全体を撮像できる蓋然性が高いことから、撮像部111は、被監視者Obが横臥する寝具(例えばベッド等)における、被監視者Obの頭部が位置すると予定されている予め設定された頭部予定位置(通常、枕の配設位置)の直上から撮像対象を撮像できるように配設される。センサ装置SUは、この撮像部111によって、被監視者Obを、被監視者Obの上方から撮像した画像、好ましくは前記頭部予定位置の直上から撮像した画像を取得する。センサ装置SUは、前記生成した被監視者Obの画像(対象画像)をSU制御処理部14へ出力する。
【0024】
このような撮像部111は、可視光の画像を生成する装置であって良いが、比較的暗がりでも被監視者Obを監視できるように、本実施形態では、赤外線の画像を生成する装置である。このような撮像部111は、例えば、本実施形態では、撮像対象における赤外の光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記撮像対象における赤外の光学像を電気的な信号に変換するイメージセンサ、および、イメージセンサの出力を画像処理することで前記撮像対象における赤外の画像を表すデータである画像データを生成する画像処理部等を備えるデジタル赤外線カメラである。撮像部111の前記結像光学系は、本実施形態では、その配設された居室RM全体を撮像できる画角を持つ広角な光学系(いわゆる広角レンズ(魚眼レンズを含む))であることが好ましい。
【0025】
呼吸測定部112は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、被監視者Obの呼吸を測定する装置である。前記呼吸の測定は、本実施形態では、前記呼吸に伴う胸部の体表の動きを測定することによって非接触で間接的に実施されており、例えば、呼吸測定部112は、ドップラセンサを備えて構成される。このドップラセンサは、送信波を送信し、物体で反射した前記送信波の反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とに基づいてドップラ周波数成分のドップラ信号を出力する体動センサである。前記物体が動いている場合、いわゆるドップラ効果により前記物体の動いている速度に比例して反射波の周波数がシフトするため、送信波の周波数と反射波の周波数とに差(ドップラ周波数成分)が生じる。前記ドップラセンサは、このドップラ周波数成分の信号をドップラ信号(呼吸測定部112の測定結果)として生成し、SU制御処理部14へ出力する。前記送信波は、超音波やマイクロ波等であって良いが、本実施形態では、マイクロ波である。マイクロ波は、着衣を透過して被監視者Obの体表で反射できるため、被監視者Obが衣服を着ていても前記呼吸に伴う胸部の体表の動きを検知でき、好ましい。
【0026】
音入出力部12は、SU制御処理部14に接続され、外部の音を取得してセンサ装置SUに入力するための回路であって、SU制御処理部14の制御に従って音を表す電気信号に応じた音を生成して出力するための回路である。音入出力部12は、例えば、音の音響振動を電気信号に変換するマイクロホン等と、音の電気信号を音の音響振動に変換するスピーカ等とを備えて構成される。音入出力部12は、外部の音を表す電気信号をSU制御処理部14へ出力し、また、SU制御処理部14から入力された電気信号を音の音響振動に変換して出力する。
【0027】
ナースコール受付操作部13は、SU制御処理部14に接続され、ナースコールを当該センサ装置SUに入力するための例えば押しボタン式スイッチ等のスイッチ回路である。なお、ナースコール受付操作部13は、有線でSU制御処理部14に接続されて良く、また、例えばBluetooth(登録商標)規格等の近距離無線通信でSU制御処理部14に接続されて良い。
【0028】
SU通信IF部15は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って通信を行うための通信回路である。SU通信IF部15は、SU制御処理部14から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この被監視者監視システムMSのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号をネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAへ送信する。SU通信IF部15は、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータをSU制御処理部14が処理可能な形式のデータに変換してSU制御処理部14へ出力する。SU通信IF部15は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0029】
SU記憶部16は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、センサ装置SUの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSU制御プログラムや、センサ部11における撮像部111の対象画像に基づいて被監視者Obにおける所定の行動を検知して管理サーバ装置SVへ通知する行動検知処理プログラムや、センサ部11における呼吸測定部112の測定結果に基づいて前記被監視者の呼吸が異常であるか否かを判定して呼吸異常を管理サーバ装置SVへ通知する呼吸異常判定プログラムや、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた場合にその旨を管理サーバ装置SVへ通知し、音入出力部12等を用いることで端末装置SP、TAとの間で音声通話を行うナースコール処理プログラムや、撮像部111で生成した動画を、その動画を要求した端末装置SP、TAへストリーミングで配信するストリーミング処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、自機の、センサ装置SUを特定し識別するための識別子であるセンサ装置識別子(センサID)、および、管理サーバ装置SVの通信アドレス等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。SU記憶部16は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。SU記憶部16は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆるSU制御処理部14のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。
【0030】
SU制御処理部14は、センサ装置SUの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、被監視者Obに関わる所定のイベントを検知してこの検知した前記イベントを管理サーバ装置SVへ通知し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、そして、動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAへ動画を配信するための回路である。SU制御処理部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。SU制御処理部14は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、センサ側制御部(SU制御部)141、行動検知処理部142、呼吸異常判定部143、ナースコール処理部144およびストリーミング処理部145を機能的に備える。
【0031】
SU制御部141は、センサ装置SUの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUの全体制御を司るものである。
【0032】
行動検知処理部142は、センサ部11における撮像部111で生成された対象画像に基づいて、被監視者Obにおける、予め設定された所定の行動を検知して管理サーバ装置SVへ通知するものである。より具体的には、本実施形態では、前記所定の行動は、上述したように、入床、起床、離床および転倒の4つの行動である。そして、行動検知処理部142は、例えば、撮像部111で撮像した対象画像に基づいて被監視者Obの頭部を検出し、この検出した被監視者Obの頭部における大きさの時間変化に基づいて被監視者Obの起床および転倒を検知し、撮像部111で撮像した対象画像に基づいて被監視者Obを検出し、この検出した被監視者Obと寝具との重なり具合に基づいて被監視者Obの離床および入床を検知する。より詳しくは、まず、寝具BDの所在領域、第1閾値Th1および第2閾値Th2が前記各種の所定のデータの1つとして予めSU記憶部16に記憶される。前記第1閾値Th1は、寝具BDの所在領域内における横臥姿勢の頭部の大きさと座位姿勢の頭部の大きさとを識別するための値である。前記第1閾値Th1は、寝具BDの所在領域を除く居室RM内における横臥姿勢の頭部の大きさであるか否かを識別するための値である。行動検知処理部142は、対象画像から例えば背景差分法やフレーム差分法によって被監視者Obの人物の領域として動体領域を抽出する。次に、行動検知処理部142は、この抽出した動体領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、また例えば予め用意された頭部のモデルを用いたパターンマッチングによって、また例えば頭部検出用に学習したニューラルネットワークによって、被監視者Obの頭部領域を抽出する。そして、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置および大きさから起床および転倒を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置が寝具BDの所在領域内であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第1閾値Th1を用いることによって横臥姿勢の大きさから座位姿勢の大きさへ時間変化した場合には、起床と判定し、前記起床を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置が寝具BDの所在領域を除く居室RM内であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第2閾値Th2を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへ時間変化した場合には、転倒と判定し、前記転倒を検知する。そして、行動検知処理部142は、対象画像から上述のように抽出した動体領域と寝具BDの所在領域とが重なった重なり領域を検出し、この重なり領域の時間変化から離床および入床を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この検出した重なり領域が存在する状態から、前記重なり領域が存在しなくなった状態へ時間変化した場合には、離床と判定し、前記離床を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この検出した重なり領域が存在しない状態から、前記重なり領域の存在の検出を介して、前記重なり領域全体が寝具BDの所在領域内で重なった状態(すなわち、前記動体領域が前記寝具BDの所在領域内に完全に包含された状態)へ時間変化した場合には、入床と判定し、前記入床を検知する。
【0033】
このように前記所定の行動を検知すると、行動検知処理部142は、被監視者Obに関わる所定のイベント(事象)の内容を表すイベント情報(事象情報)を収容した、前記イベントを通知するための第1イベント通知通信信号をSU通信IF部15で管理サーバ装置SVへ通知する。より詳しくは、行動検知処理部142は、自機のセンサID、前記イベントの内容を表すイベント情報、前記イベントに関わる対象画像を収容した通信信号(第1イベント通知通信信号)を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。前記イベント情報は、本実施形態では、入床、起床、離床、転倒、呼吸異常およびナースコール(NC)のうちの1または複数であり、ここでは、行動検知処理部142は、検知した入床、起床、離床および転倒のうちの1または複数を前記イベント情報として第1イベント通知通信信号に収容する。前記イベントに関わる対象画像は、ここでは、例えば、前記所定の行動の検知に用いられた画像である。前記対象画像は、静止画および動画のうちの少なくとも一方であって良く、本実施形態では、まず、静止画が通知され、ユーザの要求に応じて動画が配信される。なお、まず、動画が配信されても良く、また、静止画および動画が送信され、画面分割で静止画および動画が端末装置SP、TAに表示されても良い。
【0034】
呼吸異常判定部143は、センサ部11における呼吸測定部112の測定結果に基づいて前記被監視者の呼吸が異常であるか否かを判定して呼吸異常を管理サーバ装置SVへ通知するものである。前記呼吸異常は、図3Aに示す波形パターンの正常呼吸に対し異常な波形パターンを示す呼吸であり、例えば、本実施形態では、呼吸停止(図3B)、睡眠時無呼吸(図3C)、徐呼吸(図3D)、頻呼吸(図3E)、低呼吸(図3F)、過呼吸(図3G)、Kussmaulの大呼吸(図3H)およびCheyne-Stokes呼吸(図3I)が含まれる。前記呼吸停止は、30秒間呼吸が停止した場合である。前記睡眠時無呼吸は、10秒以上の呼吸停止が睡眠中の1時間あたり5回以上観察される場合である。前記徐呼吸は、1分あたりの呼吸数が12回以下の場合である。前記頻呼吸は、1分あたりの呼吸数が24回以上の場合である。前記低呼吸は、呼吸が浅くなった状態で、体動の振幅量が通常より小さい(例えば過去1ヶ月の平均値より40%の低下で検出される)場合である。前記過呼吸は、呼吸が深くなった状態で、体動の振幅量が通常より大きい(例えば過去1ヶ月の平均値より40%の上昇で検出される)場合である。前記Kussmaulの大呼吸は、1分あたりの呼吸数が12回以下でかつ、体動の振幅量が通常より大きい(例えば過去1ヶ月の平均値より40%以上大きいで検出される)場合である。前記Cheyne-Stokes呼吸は、体動の振幅量が1回毎に増大(例えば最大値が1.5倍)した後に縮小し、その後、無呼吸状態が所定時間(例えば20秒~1分)続く状態が繰り返される場合である。これら呼吸停止、睡眠時無呼吸、徐呼吸、頻呼吸、低呼吸、過呼吸、Kussmaulの大呼吸およびCheyne-Stokes呼吸それぞれは、呼吸測定部112の測定結果(本実施形態ではドップラセンサのドップラ信号)に基づいて、公知の常套手法によって検出される。
【0035】
このように呼吸異常を検知すると、呼吸異常判定部143は、その旨を前記所定のイベントの他の一例として収容した第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ通知する。より具体的には、呼吸異常判定部143は、自機のセンサID、前記イベント情報として呼吸異常、および、前記イベントに関わる対象画像を収容した第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。前記イベントに関わる対象画像は、ここでは、例えば、呼吸異常を検知した際に、センサ部11の撮像部111によって生成された画像である。
【0036】
ナースコール処理部144は、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた場合にその旨を前記所定のイベントの他の一例として収容した第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ通知し、音入出力部12等を用いることで端末装置SP、TAとの間で音声通話を行うものである。より具体的には、ナースコール処理部144は、ナースコール受付操作部13が入力操作されると、自機のセンサIDおよび前記イベント情報としてナースコールを収容した第1イベント通知通信信号をSU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。なお、このナースコールをイベント情報として収容する第1イベント通知通信信号には、さらに、前記イベントに関わる対象画像として、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた際に、センサ部11の撮像部111によって生成された画像が収容されても良い。そして、ナースコール処理部144は、音入出力部12等を用い、端末装置SP、TAとの間で例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)によって音声通話を行う。
【0037】
ストリーミング処理部145は、通信IF部3を介して固定端末装置SPまたは携帯端末装置TAから動画の配信の要求があった場合に、この要求のあった固定端末装置SPまたは携帯端末装置TAへ、撮像部111で生成した動画(例えばライブの動画)をストリーミング再生でSU通信IF部15を介して配信するものである。
【0038】
図1には、一例として、4個の第1ないし第4センサ装置SU-1~SU-4が示されており、第1センサ装置SU-1は、被監視者Obの一人であるAさんOb-1の居室RM-1(不図示)に配設され、第2センサ装置SU-2は、被監視者Obの一人であるBさんOb-2の居室RM-2(不図示)に配設され、第3センサ装置SU-3は、被監視者Obの一人であるCさんOb-3の居室RM-3(不図示)に配設され、そして、第4センサ装置SU-4は、被監視者Obの一人であるDさんOb-4の居室RM-4(不図示)に配設されている。
【0039】
管理サーバ装置SVは、ネットワークNWを介して他の装置SU、TA、SPと通信する通信機能を備え、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者Obに対する監視に関する情報(監視情報(本実施形態では例えば前記所定のイベント(センサ装置SUで検知した所定の行動および呼吸異常や、センサ装置SUで受け付けたナースコール)、被監視者Obの画像(静止画および動画)、および、前記通知を受けた時刻等))を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、クライアント(本実施形態では端末装置SP、TA等)の要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視システムMS全体を管理する装置である。そして、本実施形態では、管理サーバ装置SVは、前記監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者Obに対応するイベントの種類を抽出し、この抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者Obに対応付けて種類別に、例えば固定端末装置SPに表示させる。このような管理サーバ装置SVは、例えば、図4に示すように、サーバ側通信インターフェース部(SV通信IF部)21と、サーバ側制御処理部(SV制御処理部)22と、サーバ側記憶部(SV記憶部)23とを備える。
【0040】
SV通信IF部21は、SU通信IF部15と同様に、SV制御処理部22に接続され、SV制御処理部22の制御に従って通信を行うための通信回路である。SV通信IF部21は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0041】
SV記憶部23は、SV制御処理部22に接続され、SV制御処理部22の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSV制御プログラムや、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するSV監視処理プログラムや、SV記憶部23に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者Obに対応するイベントの種類を抽出する履歴情報抽出処理プログラムや、SV記憶部23に記憶された監視情報に対し、所定の分析処理を実行する分析処理プログラムや、計時を行う時計プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、自機の、管理サーバ装置SVを特定し管理サーバ装置SVを識別するための識別子であるサーバ識別子(サーバID)や、被監視者Obの前記監視情報や、前記所定のイベントの通知先等の装置SU、SP、TA間の情報を表す装置間情報や、センサ装置SUに関するセンサ情報等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。これら監視情報、装置間情報およびセンサ情報それぞれを記憶するために、SV記憶部23は、監視情報記憶部231、装置間情報記憶部232およびセンサ情報記憶部233を機能的に備える。
【0042】
監視情報記憶部231は、各装置SU、SP、TAそれぞれとの間で送受信した被監視者Obの監視情報を記憶するものである。より具体的には、監視情報記憶部231には、本実施形態では、前記監視情報として、第1イベント通知通信信号等の通信信号に収容された各情報に基づいて、センサID、イベント情報(本実施形態では入床、起床、離床、転倒、呼吸異常およびナースコール)、受信時刻、対象画像(静止画および動画)、通知の有無および対応の有無が互いに対応付けて記憶される。
【0043】
この監視情報は、本実施形態では、テーブル形式で監視情報記憶部321に記憶されている。この監視情報を登録する監視情報テーブルMTは、例えば、図5に示すように、各装置SU、SP、TAから受信した通信信号に収容されたセンサIDを登録するセンサIDフィールド2311と、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報を登録するイベントフィールド(イベントフィールド)2312と、前記受信した通信信号の受信時刻を登録する受信時刻フィールド2313と、前記受信した通信信号に収容された前記静止画を登録する静止画フィールド2314と、ライブ動画の取得先として、前記受信した通信信号に収容されたセンサIDに対応するセンサ装置SUの通信アドレス(例えばIPアドレス等)を登録する動画フィールド2315と、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報に対する所定の端末装置SP、TAへの通知の有無を登録する通知フィールド2316と、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報に対する対応の受付の有無を登録する対応フィールド2317とを備え、前記受信した通信信号ごと(各イベントごと)にレコードを備える。静止画フィールド2314には、例えば、静止画の画像データが登録されて良く、また例えば、静止画の画像データのファイル名が登録されて良い。通知フィールド2316には、後述するように、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報を所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知)したか否かを表すフラグ(通知フラグ)が登録される。例えば、本実施形態では、通知フィールド2316には、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報を所定の端末装置SP、TAへ通知したこと(通知済み)を意味する通知フラグ「1」、あるいは、前記受信した通信信号に収容された前記イベント情報を前記所定の端末装置SP、TAへ通知していないこと(未通知)を意味する通知フラグ「0」が登録される。なお、デフォルトでは、通知フィールド2316には、未通知を意味する通知フラグ「0」が登録される。対応フィールド2317には、後述するように、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報に対し例えば救命、看護、介護および介助等の所定の対応(対処、処置、措置)する意思が端末装置を扱う監視者(ユーザ)にある旨を前記端末装置SP、TAで受け付けたか否かを表すフラグ(対応フラグ)が登録される。例えば、本実施形態では、対応フィールド2317には、前記受信した通信信号にイベント情報として収容された前記所定の行動の種類、呼吸異常およびナースコール(イベントフィールド2312に登録されたイベント情報)に対処する意思がある旨を端末装置SP、TAで受け付けたこと(受付済み)を意味する対応フラグ「1」、あるいは、前記受信した通信信号に収容された前記イベント情報に対処する意思がある旨を端末装置SP、TAで受け付けていないこと(未受付)を意味する対応フラグ「0」が登録される。なお、デフォルトでは、対応フィールド2317には、未受付を意味する対応フラグ「0」が登録される。
【0044】
なお、第1イベント通知通信信号に、前記所定の行動を検知した検知時刻、前記呼吸異常を検知した検知時刻、または、前記ナースコールを受け付けて検知した検知時刻が収容されている場合には、受信時刻に代え、前記検知時刻が登録されても良い。
【0045】
装置間情報記憶部232は、前記装置間情報として、本実施形態では、通知先対応関係および通信アドレス対応関係等を記憶するものである。前記通知先対応関係は、センサ装置SUから送信された第1イベント通知通信信号等に対し、通知元(送信元)であるセンサIDと、イベントの種類ごとのその通知の許否と、通知先(送信先)である端末IDとの対応関係である。前記通信アドレス対応関係は、各装置SU、SP、TAのID(センサID、端末識別子(端末ID))とその通信アドレスとの対応関係である。前記端末IDは、端末装置SP、TAを特定し端末装置SP、TAを識別するための識別子である。
【0046】
これら通知先対応関係および通信アドレス対応関係は、それぞれ、本実施形態では、テーブル形式で装置間情報記憶部232に記憶されている。この通知先対応関係を登録する通知先対応関係情報テーブルATは、例えば、図6Aに示すように、通知元(送信元)のセンサ装置SUのセンサIDを登録するセンサIDフィールド2321と、センサIDフィールド2321に登録されたセンサIDに対応するセンサ装置SUから通知されたイベントを通知する通知先(送信先)となる端末装置SP、TAの端末IDを登録する通知先フィールド2323と、センサIDフィールド2321に登録されたセンサIDに対応するセンサ装置SUから通知されたイベントを、通知先フィールド2323に登録された端末IDに対応する端末装置SP、TAへ通知(送信)するか否かを表す通知の許否を登録する通知許否フィールド2322とを備え、センサID(センサ装置SU)ごとにレコードを備える。前記通知の許否は、本実施形態では、イベントの種類ごとに設定できるように構成されている。このため、これに応じて、通知許否フィールド2322は、イベントの種類ごとに通知の許否を登録する複数のサブフィールドを備える。より具体的には、通知許否フィールド2322は、センサIDフィールド2321に登録されたセンサIDに対応するセンサ装置SUから通知されたイベントの種類が入床である場合に、前記イベントの通知(送信)の許否を登録する入床サブフィールド23221と、前記通知されたイベントの種類が起床である場合に、前記イベントの通知の許否を登録する起床サブフィールド23222と、前記通知されたイベントの種類が離床である場合に、前記イベントの通知の許否を登録する離床サブフィールド23223と、前記通知されたイベントの種類が転倒である場合に、前記イベントの通知の許否を登録する転倒サブフィールド23224と、前記通知されたイベントの種類が呼吸異常である場合に、前記イベントの通知の許否を登録する呼吸異常サブフィールド23225と、前記通知されたイベントの種類がナースコールである場合に、前記イベントの通知の許否を登録するナースコールサブフィールド(NCサブフィールド)23226とを備える。通知許否フィールド2322(23221~23226)には、前記イベントを通知するか否かを表すフラグ(通知許否フラグ)が登録される。例えば、本実施形態では、通知許否フィールド2322(23221~23226)には、前記イベントの通知を許可すること(通知実行)を意味する通知許否フラグ「1」、あるいは、前記イベントの通知を許可しないこと(通知不実行)を意味する通知許否フラグ「0」が登録される。なお、デフォルトでは、通知許否フィールド2322(23221~23226)には、通知の許可を意味する通知許否フラグ「1」が登録される。なお、この通知先対応関係情報テーブルATは、センサ装置SUで検知されてセンサ装置SUから受信したイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知するか否かをそのイベントの種類ごとに表す通知許否情報の一例に相当する。
【0047】
前記通信アドレス対応関係を登録する通信アドレス対応関係情報テーブルDTは、例えば、図6Bに示すように、各装置SU、SP、TAのIDを登録するIDフィールド2325と、IDフィールド2325に登録されたIDに対応する各装置SU、SP、TAの通信アドレスを登録する通信アドレスフィールド2326とを備え、ID(各装置SU、SP、TA)ごとにレコードを備える。
【0048】
なお、センサID、サーバIDおよび端末IDそれぞれは、例えば所定の記号列から成るシリアル番号等であって良く、また例えば通信アドレスであって良い(この場合通信アドレス対応関係は省略できる)。
【0049】
センサ情報記憶部233は、前記センサ情報を記憶するものである。本実施形態では、前記センサ情報は、センサ装置SUに関する情報であり、センサ装置SUのセンサIDと被監視者Obの被監視者名とを互いに対応付けた情報である。
【0050】
このようなセンサ情報は、本実施形態では、テーブル形式でセンサ情報記憶部233に記憶される。より具体的には、センサ情報を登録するセンサ情報テーブルSTは、例えば、図7に示すように、センサIDを登録するセンサIDフィールド2331と、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SUの配設場所を登録する配設場所フィールド2332と、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SUによって監視される被監視者Ob(すなわち、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SUの配設場所に居る被監視者Ob)の被監視者名を登録する被監視者名フィールド2333と、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SU、その配設場所およびその被監視者Obに関する備考を登録する備考フィールド2334とを備え、センサID(すなわち、センサ装置SU、さらに言い換えれば、被監視者Ob)ごとにレコードを持つ。
【0051】
上述のように、本実施形態では、前記監視情報は、センサIDを用いたリレーショナルで、センサ装置SUで検知されて前記センサ装置SUから受信したイベントを、前記センサ装置SUに対応する被監視者Ob(被監視者名)に対応付けてSV記憶部23に記憶されている。
【0052】
SV制御処理部22は、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、クライアントの要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視システムMS全体を管理するための回路である。本実施形態では、SV制御処理部22は、前記監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者Obに対応するイベントの種類を抽出し、この抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者Obに対応付けて種類別に、例えば固定端末装置SPに表示させる。SV制御処理部22は、例えば、CPUおよびその周辺回路を備えて構成される。SV制御処理部22は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、サーバ側制御部(SV制御部)221、監視処理部222、履歴情報抽出処理部223、分析処理部224および時計部225を機能的に備える。
【0053】
SV制御部221は、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、管理サーバ装置SVの全体制御を司るものである。
【0054】
監視処理部222は、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受信すると被監視者Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記受信したイベントの種類に対応する通知の許否に基づいて前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知するものである。より具体的には、監視処理部222は、センサ装置SUから前記第1イベント通知通信信号を受信すると、この受信した第1イベント通知通信信号に収容された、被監視者Obに対する監視に関する監視情報を監視情報記憶部231に記憶(記録)する。そして、監視処理部222は、この受信した第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応し、かつ、前記受信した第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報の表すイベントの種類に対応する通知の許否を装置間情報記憶部232に記憶された前記通知先対応関係から検索し、この検索の結果、通知の不許可である場合には、監視処理部222は、第2イベント通知通信信号を送信せずに、前記第2イベント通知通信信号を送信(通知)しなかったことを監視情報記憶部231に記憶(記録)し、一方、前記検索の結果、通知の許可である場合には、さらに、監視処理部222は、前記受信した第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応する通知先(再通知先、転送先、送信先)を装置間情報記憶部232に記憶された前記通知先対応関係から選定(検索)し、この選定した端末装置SP、TAへ第2イベント通知通信信号を送信し、前記第2イベント通知通信信号を送信(通知)したことを監視情報記憶部231に記憶(記録)する。この選定(検索処理)は、前記受信した第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応するセンサIDに基づいて実施される。前記第2イベント通知通信信号には、前記第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報が前記所定の行動(入床、起床、離床および転倒のうちの1または複数)および呼吸異常のうちのいずれかである場合には、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報および対象画像、ならびに、動画のダウンロード先として、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUに対応する通信アドレスが収容される。この通信アドレスは、前記受信した第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応するセンサIDに基づいて通信アドレス対応関係から選定(検索)される。前記第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報が呼吸異常である場合には、前記第2イベント通知通信信号には、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報(呼吸異常)および対象画像が収容される。前記第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報がナースコールである場合には、前記第2イベント通知通信信号には、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報(ナースコール)が収容される。
【0055】
履歴情報抽出処理部223は、SV記憶部23の監視情報記憶部231に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者Obに対応するイベントの種類を抽出するものである。そして、監視処理部222は、さらに、この履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、被監視者Obに対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる。監視処理部222は、前記所定の表示装置に表示させる際に、さらに、前記イベントの通知の有無を前記所定の表示装置に表示させる。
【0056】
履歴情報抽出処理部223で用いられる前記所定の期間および前記所定の被監視者Obは、外部から入力され、指定される。例えば、前記所定の表示装置がさらに入力部を備え、前記所定の期間および前記所定の被監視者Obは、この入力部から入力され、指定される。前記所定の表示装置は、例えば、当該管理サーバ装置SVが図4に破線で示すように後述のサーバ側入力部(SV入力部)24およびサーバ側出力部(SV出力部)25を備える場合には、このSV出力部25であって良く、前記所定の期間および前記所定の被監視者Obは、このSV入力部24から入力され、指定される。本実施形態では、例えば、前記所定の表示装置は、当該管理サーバ装置SVに通信可能に接続される表示装置、例えば端末装置SP、TAであり、ここでは、固定端末装置SPである。前記所定の期間および前記所定の被監視者Obは、監視者(ユーザ)によって固定端末装置SPから入力され、固定端末装置SPは、前記入力されて指定された前記所定の被監視者Obの被監視者名(または前記所定の被監視者Obを監視するセンサ装置SUのセンサID)、および、前記入力されて指定された前記所定の期間等を収容する通信信号(例えば、後述の個人履歴要求通信信号や個人分析要求通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する。履歴情報抽出処理部223は、SV記憶部23の監視情報記憶部231に記憶された監視情報から、この個人履歴要求通信信号に収容された所定の期間内における、所定の被監視者Obに対応するイベントの種類を抽出する。そして、監視処理部222は、履歴情報抽出処理部223で前記所定の期間内で抽出された、イベントの種類および被監視者Obの被監視者名を収容する通信信号(例えば、後述の履歴情報通知通信信号や分析情報通知通信信号)を、前記所定の表示装置(ここでは固定端末装置SP)へ送信し、前記所定の期間内におけるイベントを、前記所定の被監視者Obに対応付けて種類別に、前記所定の表示装置(ここでは固定端末装置SP)に表示させる。前記所定の期間は、適宜に指定され、例えば、1日、1週間、1カ月および3カ月等に指定される。
【0057】
分析処理部224は、SV記憶部23の監視情報記憶部231に記憶された監視情報に対し、所定の分析処理を実行するものである。より具体的には、例えば、分析処理部224は、上述の履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、入床から離床までの時間を臥床時間として求め、この求めた臥床時間の中から、所定の第1時刻以降の最初の入床から翌日の所定の第2時刻以降の最初の離床までの時間を睡眠時間とする第1分析処理を実行する。前記所定の第1および第2時刻それぞれは、夜間の睡眠時間を探索するための時刻であり、適宜に設定される。前記所定の第1時刻は、例えば、20時や21時や22時等に設定され、前記所定の第2時刻は、5時や6時や7時等に設定される。本実施形態では、例えば、前記所定の第1時刻は、20時に設定され、前記所定の第2時刻は、5時に設定されている。
【0058】
そして、監視処理部222は、上述の履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、被監視者Obに対応付けて種類別に、前記所定の表示装置(ここでは固定端末装置SP)に表示させる際に、さらに、分析処理部224で求められた睡眠時間(夜間睡眠時間)と前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間(日中睡眠時間)とを互いに異なる表示態様で前記所定の表示装置(ここでは固定端末装置SP)に表示させる。例えば、前記睡眠時間と、前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間とは、互いに異なる表示色で前記所定の表示装置に表示される。一例では、前記睡眠時間は、青色で表示され、前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間は、黄色で表示される。また例えば、前記睡眠時間と、前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間とは、互いに異なる点灯状態で前記所定の表示装置に表示される。一例では、前記睡眠時間は、常時点灯で表示され、前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間は、点滅で表示される。
【0059】
分析処理部224は、さらに、監視情報記憶部231に記憶された監視情報から、分析対象である所定の第2期間内における、所定の被監視者Obに対応するイベントを種類別に計数することで第1計数結果を求め、前記所定の第2期間よりも以前の所定の第3期間内における、前記所定の被監視者Obに対応するイベントを種類別に計数して前記第2期間長に応じた平均値で第2計数結果を求め、前記第1計数結果と前記第2計数結果とを種類別に比較し、所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を求める第2分析処理を実行する。本実施形態では、例えば、前記所定の第2期間は、複数のサブ期間を備え、分析処理部224は、1人の被監視者Obに対して複数のサブ期間それぞれについて、当該サブ期間を前記第2期間とする前記第2分析処理を実行する。また例えば、分析処理部224は、複数の被監視者Obそれぞれについて、前記第2分析処理を実行する。監視処理部222は、さらに、前記第2分析処理の実行で求めた所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を前記所定の表示装置に表示させる。例えば、監視処理部222は、前記第2分析処理の実行で求めた所定の閾値以上変化している種類別の比較結果と、前記第2分析処理の実行で求めた所定の閾値以上変化していない種類別の比較結果とを互いに異なる表示態様で前記所定の表示装置に表示させる。例えば、上述同様に、各比較結果は、互いに異なる表示色や点灯状態等で表示される。
【0060】
この第2分析処理で用いられる前記所定の第2期間および前記所定の被監視者Obは、外部から入力され、指定される。例えば、上述と同様に、これら前記所定の第2期間および前記所定の被監視者Obは、例えばSV入力部24から入力されて良く、また例えば固定端末装置SPから入力されて良く、また例えば携帯端末装置TAから入力されて良い。前記所定の第2期間は、適宜に指定され、例えば、1日、1週間、1カ月および3カ月等に指定される。前記サブ期間は、前記所定の第2期間に応じて適宜に指定され、例えば、1日、1週間、1カ月および3カ月等に指定される((第2期間長)≧(サブ期間長))。例えば、前記第2期間が1週間である場合に、前記サブ期間は、1日である。また例えば、前記第2期間が1カ月である場合に、前記サブ期間は、1週間である、あるいは、1日である。本実施形態では、前記サブ期間は、デフォルト値として1日が設定されている。前記所定の第3期間は、適宜に予め設定され、1日、1週間、1カ月および3カ月等に設定される。好ましくは、前記所定の第3期間は、前記所定の第2期間に応じて変更される。また好ましくは、前記所定の第2期間と前記所定の第3期間とは、同じ期間長である。例えば、前記所定の第2期間が1日である場合に、前記所定の第3期間は、1週間である、あるいは、1日である。また例えば、前記所定の第2期間が1週間である場合に、前記所定の第3期間は、1カ月である、あるいは、1週間である。なお、本実施形態では、前記所定の第3期間は、デフォルト値として例えば1週間が設定されている。また、前記所定の第3期間も外部から入力され、指定されても良い。前記所定の閾値は、イベントの種類別に、適宜に予め設定され、例えば、第2計数結果に対する第1計数結果の比((第1計数結果)/(第2計数結果))で1.4、1.5、1.6等に設定される。
【0061】
より具体的には、本実施形態では、所定の期間内におけるイベントを、被監視者Obに対応付けて種類別に、前記所定の表示装置に表示する態様(表示モード)は、センサ装置SUで検知されたイベントの検知履歴を個人ごとに個別に表示する個人履歴表示モードと、センサ装置SUで検知されたイベントを個人別、かつ、イベントの種類別に集計して複数の被監視者Obについて表示する個人分析表示モードとを備える。前記個人履歴表示モードは、さらに、センサ装置SUで検知されたイベントの検知履歴を日別にタイムチャートで表示するタイムチャート表示モードと、センサ装置SUで検知されたイベントを集計期間別、かつ、イベントの種類別に集計して表示するグラフ表示モードとを備える。
【0062】
前記個人履歴表示モードでは、個人履歴要求通信信号が用いられる。この個人履歴要求通信信号には、センサ装置SUで検知されたイベントの個人履歴を要求する指示(第1指示、第1命令、第1コマンド)、前記入力されて指定された前記所定の被監視者Obの被監視者名(または前記所定の被監視者Obを監視するセンサ装置SUのセンサID)、前記入力されて指定された前記所定の期間、および、表示モード等が収容され、端末装置SP、TAから管理サーバ装置SVへ送信される。この個人履歴要求通信信号には、前記表示モードとして、前記タイムチャート表示モードまたは前記グラフ表示モードが収容される。
【0063】
前記タイムチャート表示モードでは、監視処理部222は、被監視者Obに対応して設けられ、前記所定の期間に応じた時間軸上に、前記イベントの種類を表した所定のマークを、前記イベントの検知時刻または受信時刻で、表示し、前記所定のマークを前記イベントの通知の有無に応じて互いに異なる表示態様で表示し、そして、夜間睡眠時間と日中睡眠時間とを互いに異なる表示態様で表示することで、履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者Obに対応付けて種類別に、前記所定の表示装置に表示させる。より詳しくは、監視処理部222は、被監視者Obに対応して設けられ、前記所定の期間に応じた時間軸上に、前記イベントの種類を表した所定のマークを、前記イベントの受信時刻で、表示し、前記所定のマークを前記イベントの通知の有無に応じて互いに異なる表示態様で表示し、そして、夜間睡眠時間と日中睡眠時間とを互いに異なる表示態様のバーで表示する、所定のマークアップ言語で記述した画面データ(電子ファイル、タイムチャート個人履歴表示画面の電子ファイル)を通信信号(タイムチャート表示の履歴情報通知通信信号)に収容して前記所定の表示装置へ送信する。前記所定のマーク(印、記号、符号、アイコン)は、例えば円形や多角形等の図形マークであり、例えば、前記イベントの通知の有りでは、その輪郭線が実線で表示され、前記イベントの通知の無しでは、その輪郭線が破線で表示される。また例えば、前記イベントの通知の有無に応じて前記輪郭線の表示色が異なっても良い。
【0064】
前記グラフ表示モードでは、監視処理部222は、被監視者Obに対応して設けられ、前記所定の期間に応じて集計期間ごとに設けられた各欄(各行または各列)に、前記所定の期間内における前記被監視者Obに対応するイベントを前記集計期間ごとに種類別に計数した種類別の各計数結果を、イベントの種類順に並べた各棒グラフ(イベント別の各列または各行に各棒グラフ)で表示することで、履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者Obに対応付けて種類別に、前記所定の表示装置に表示させる。より詳しくは、監視処理部222は、被監視者Obに対応して設けられ、前記所定の期間に応じて集計期間ごとに設けられた各欄に、前記所定の期間内における前記被監視者Obに対応するイベントを前記集計期間ごとに種類別に計数した種類別の各計数結果を、イベントの種類順に並べた各棒グラフで表示する、所定のマークアップ言語で記述した画面データ(電子ファイル、グラフ個人履歴表示画面の電子ファイル)を通信信号(グラフ表示の履歴情報通知通信信号)に収容して前記所定の表示装置へ送信する。このグラフ表示モードでは、分析処理部224は、前記集計期間を前記サブ期間として前記第2分析処理を実行し、監視処理部222は、前記第2分析処理の実行で求めた所定の閾値以上変化している種類別の比較結果と、前記第2分析処理の実行で求めた所定の閾値以上変化していない種類別の比較結果とを互いに異なる表示態様で前記所定の表示装置に表示させて良い。この場合、個人履歴要求通信信号に収容された前記所定の期間は、分析処理部224で用いられる前記所定の第2期間として扱われる。
【0065】
前記個人分析表示モードでは、個人分析要求通信信号が用いられる。この個人分析要求通信信号には、センサ装置SUで検知されたイベントの個人分析を要求する指示(第2指示、第2命令、第2コマンド)、前記入力されて指定された複数の被監視者Obの各被監視者名(または前記複数の被監視者Obそれぞれを監視する各センサ装置SUの各センサID)、前記入力されて指定された前記所定の期間等が収容され、端末装置SP、TAから管理サーバ装置SVへ送信される。この個人分析要求通信信号に収容される前記所定の被監視者Obの被監視者名は、複数であり、被監視者Ob全員を一括で指定されても良い。この場合、個人分析要求通信信号には、前記複数の被監視者名として、被監視者Ob全員を一括で指定したことを表す情報(全員一括指定情報)が収容される。
【0066】
前記個人分析表示モードでは、監視処理部222は、被監視者Obごとに設けられた各欄(各行または各列)に、前記所定の期間内(前記所定の第2期間)における当該被監視者Obに対応するイベントを種類別に計数した種類別の各計数結果(各第1計数結果)を、イベントの種類順に並べた各棒グラフ(イベント別の各列または各行に各棒グラフ)で表示することで、履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者Obに対応付けて種類別に、前記所定の表示装置に表示させる。より詳しくは、監視処理部222は、被監視者Obごとに設けられた各欄に、前記所定の期間内における前記被監視者Obに対応するイベントを種類別に計数した種類別の各計数結果を、イベントの種類順に並べた各棒グラフで表示する、所定のマークアップ言語で記述した画面データ(電子ファイル、個人分析表示画面の電子ファイル)を通信信号(分析情報通知通信信号)に収容して前記所定の表示装置へ送信する。この個人分析表示モードでは、分析処理部224は、複数の被監視者Obそれぞれについて、前記第2分析処理を実行し、監視処理部222は、前記第2分析処理の実行で求めた所定の閾値以上変化している種類別の比較結果と、前記第2分析処理の実行で求めた所定の閾値以上変化していない種類別の比較結果とを互いに異なる表示態様で前記所定の表示装置に表示させる。
【0067】
時計部225は、年月日時分を計時するものである。
【0068】
なお、管理サーバ装置SVは、図4に破線で示すように、必要に応じて、さらに、SV制御処理部22に接続され例えば各種コマンドや各種データ等を入力するサーバ側入力部(SV入力部)24、SV入力部24で入力された各種コマンドや各種データおよび被監視者Obに対する監視に関する監視情報等を出力するサーバ側出力部(SV出力部)25、および、外部機器との間でデータの入出力を行うサーバ側インターフェース部(SVIF部)26等を備えても良い。
【0069】
このような管理サーバ装置SVは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0070】
固定端末装置SPは、ネットワークNWを介して他の装置SU、SV、TAと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、および、所定の指示やデータを入力する入力機能等を備え、管理サーバ装置SVや携帯端末装置TAに与える所定の指示やデータを入力したり、センサ装置SUで得られた監視情報を表示したり等することによって、被監視者監視システムMSのユーザインターフェース(UI)として機能する機器である。固定端末装置SPは、例えば、通信を行う通信インターフェース部、各種コマンドや各種データ等を入力する入力部、前記入力部で入力された各種コマンドや各種データおよび被監視者Obに対する監視に関する監視情報等を出力する出力部、外部機器との間でデータの入出力を行うインターフェース部、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する記憶部、ならびに、これら通信インターフェース部、入力部、出力部、インターフェース部および記憶部それぞれを当該機能に応じて制御する制御処理部等を備える。このような固定端末装置SPは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0071】
例えば監視者等のユーザは、例えば被監視者Obの入所時や被監視者Obにおける介護レベルの変化時等の適宜なタイミングで、前記被監視者Obに対する、イベントの通知の許否をイベントの種類別に固定端末装置SPに入力する。この入力操作を受け付けると、固定端末装置SPは、前記被監視者Obに対する、前記イベントの種類別に応じた前記イベントの通知の許否を管理サーバ装置SVへ送信し、管理サーバ装置SVに記憶させる。これによって被監視者Obに対する、センサ装置SUで検知されたイベントの通知の許否が管理サーバ装置SVに設定される。
【0072】
また例えば、ユーザは、被監視者Obに対する、センサ装置SUで検知されたイベントの個人履歴を所望する場合、前記ユーザは、センサ装置SUで検知されたイベントの個人履歴を要求する第1指示、前記要求する個人履歴の対象者の被監視者名、前記要求する個人履歴の対象期間(前記所定の期間)、および、前記要求する個人履歴の表示モード等を固定端末装置SPに入力する。この入力操作を受け付けると、固定端末装置SPは、これらを収容した個人履歴要求通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し、その返信を受けると、その返信された情報を表示する。
【0073】
また例えば、ユーザは、被監視者Obに対する、センサ装置SUで検知されたイベントの個人分析を所望する場合、前記ユーザは、センサ装置SUで検知されたイベントの個人分析を要求する第2指示、前記要求する個人分析の対象者の複数の被監視者名、および、前記要求する個人分析の対象期間(前記所定の期間)等を固定端末装置SPに入力する。この入力操作を受け付けると、固定端末装置SPは、これらを収容した個人分析要求通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し、その返信を受けると、その返信された情報を表示する。
【0074】
携帯端末装置TAは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、SUと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、所定の指示やデータを入力する入力機能、および、音声通話を行う通話機能等を備え、管理サーバ装置SVやセンサ装置SUに与える所定の指示やデータを入力したり、管理サーバ装置SVからの通知によってセンサ装置SUで得られた監視情報(動画を含む)を表示したり、センサ装置SUとの間で音声通話によってナースコールの応答や声かけしたり等するための機器である。このような携帯端末装置TAは、例えば、いわゆるタブレット型コンピュータやスマートフォンや携帯電話機等の、持ち運び可能な通信端末装置によって構成可能である。
【0075】
次に、本実施形態の動作について説明する。図8は、図2に示す前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。図9は、図4に示す前記管理サーバ装置の動作を示すフローチャートである。図10は、図9に示すフローチャートにおける監視情報の処理を示すフローチャートである。図11は、図1に示す携帯端末装置に表示される監視情報画面の一例を示す図である。図12は、図9に示すフローチャートにおける個人履歴表示の処理を示すフローチャートである。図13は、図1に示す固定端末装置に表示されるタイムチャートでの個人履歴表示画面の一例を示す図である。図14は、図1に示す固定端末装置に表示されるグラフでの個人履歴表示画面の一例を示す図である。図15は、図9に示すフローチャートにおける個人分析表示の処理を示すフローチャートである。図16は、図1に示す固定端末装置に表示される個人分析表示画面の一例を示す図である。
【0076】
上記構成の被監視者監視システムMSでは、各装置SU、SV、SP、TAは、電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。センサ装置SUでは、その制御処理プログラムの実行によって、SU制御処理部14には、SU制御部141、行動検知処理部142、呼吸異常判定部143、ナースコール処理部144およびストリーミング処理部145が機能的に構成される。管理サーバ装置SVでは、その制御処理プログラムの実行によって、SV制御処理部21には、SV制御部211、監視処理部222、履歴情報抽出処理部223、分析処理部224および時計部225が機能的に構成される。
【0077】
まず、センサ装置SUの動作について説明する。センサ装置SUは、所定のサンプリング間隔で、例えば各フレームごとに、あるいは、数フレームおきに、次のように動作することで、被監視者Obにおける所定の動作を検知し、呼吸異常を検知し、ナースコールの受付の有無を判定している。
【0078】
図8において、まず、センサ装置SUは、SU制御処理部14のSU制御部141によって、センサ部11の撮像部111から1フレーム分の画像(画像データ)を前記対象画像として取得する(S10)。
【0079】
次に、センサ装置SUは、SU制御処理部14の行動検知処理部142によって、被監視者Obにおける所定の行動を検知する行動検知処理を前記処理S10で取得した対象画像に基づいて実行する(S11)。より具体的には、行動検知処理部142は、入床の正否を判定し、起床の成否を判定し、離床の成否を判定し、そして、転倒の成否を判定する。
【0080】
次に、センサ装置SUは、行動検知処理部142によって、前記行動検知処理S11で被監視者Obにおける所定の行動が検知されたか否かを判定する。この判定の結果、前記所定の行動が検知されていない場合(No)には、センサ装置SUは、次に、処理S14を実行し、一方、前記所定の行動が検知されている場合(Yes)には、センサ装置SUは、次の処理S13を実行した後に、処理S14を実行する。
【0081】
この処理S13では、処理S11および処理S12で検知した所定の行動を管理サーバ装置SVを介して所定の端末装置SP、TAへ通知するために、センサ装置SUは、行動検知処理部142によって、前記所定のイベントとして前記所定の行動の検知に関する第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。より具体的には、行動検知処理部142は、自機のセンサID、前記所定のイベント情報(ここでは、入床、起床、離床および転倒のうちの1または複数)および前記イベントに関わる対象画像を収容した第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。
【0082】
前記処理S14では、センサ装置SUは、SU制御処理部14のSU制御部141によって、センサ部11の呼吸測定部112からその測定結果を取得し、SU記憶部16に記憶する。SU記憶部16には、被監視者Obの呼吸異常の検知に必要な、呼吸測定部112の測定結果が少なくとも記憶される。
【0083】
次に、センサ装置SUは、SU制御処理部14の呼吸異常判定部143によって、被呼吸測定部112の測定結果に基づいて被監視者Obの呼吸異常を検知する呼吸異常検知処理を前記処理S14で取得した呼吸測定部112の測定結果に基づいて実行する(S15)。より具体的には、呼吸異常判定部143は、呼吸停止の成否を判定し、睡眠時無呼吸の成否を判定し、徐呼吸の成否を判定し、頻呼吸の成否を判定し、低呼吸の成否を判定し、過呼吸の成否を判定し、Kussmaulの大呼吸の成否を判定し、そして、Cheyne-Stokes呼吸の成否を判定する。
【0084】
次に、センサ装置SUは、呼吸異常判定部143によって、前記呼吸異常検知処理S15で被監視者Obの呼吸異常が検知されたか否かを判定する。この判定の結果、前記呼吸異常が検知されていない場合(No)には、センサ装置SUは、次に、処理S18を実行し、一方、前記呼吸異常が検知されている場合(Yes)には、センサ装置SUは、次の処理S17を実行した後に、処理S18を実行する。
【0085】
この処理S17では、処理S14および処理S15で検知した呼吸異常を管理サーバ装置SVを介して所定の端末装置SP、TAへ通知するために、センサ装置SUは、呼吸異常判定部143によって、前記所定のイベントとして前記呼吸異常の検知に関する第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。より具体的には、呼吸異常判定部143は、自機のセンサID、前記所定のイベント情報(ここでは呼吸異常)および前記イベントに関わる対象画像を収容した第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。
【0086】
前記処理S18では、センサ装置SUは、ナースコール処理部144によって、ナースコールを受け付けているか否かを判定する。すなわち、図8に示す処理S10ないし処理S19は、前記所定のサンプリング間隔で繰り返し実行されるが、前回における処理S18の実行から今般における処理S18の実行までの間に、ナースコール受付操作部13が操作されたか否かが判定される。この判定の結果、ナースコール受付操作部13が操作されず、ナースコールを受け付けていない場合(No)には、センサ装置SUは、今回の本処理を終了し、一方、ナースコール受付操作部13が操作され、ナースコールを受け付けている場合(Yes)には、センサ装置SUは、次の処理S19を実行した後に、今回の本処理を終了する。
【0087】
この処理S19では、処理S18でその受付が判明したナースコールを管理サーバ装置SVを介して所定の端末装置SP、TAへ通知するために、センサ装置SUは、ナースコール処理部144によって、ナースコールに関する第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。より具体的には、ナースコール処理部144は、自機のセンサIDおよび前記所定のイベント情報(ここではナースコール)を収容した第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。
【0088】
被監視者Obにおける所定の行動の検知、呼吸異常の検知およびナースコールの受付の検知それぞれに関し、センサ装置SUは、以上のように動作している。
【0089】
次に、管理サーバ装置SVの動作について説明する。一方、図9において、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22のSV制御部221によって、SV通信IF部21で通信信号を受信したか否かを判定する(S21)。この判定の結果、通信信号を受信していない場合(No)には、管理サーバ装置SVは、処理をS21に戻し、前記判定の結果、通信信号を受信している場合(Yes)には、管理サーバ装置SVは、次の処理S22を実行する。すなわち、管理サーバ装置SVは、通信信号の受信を待ち受けている。
【0090】
処理S22では、管理サーバ装置SVは、SV制御部221によって、この受信した通信信号の種類を判定する。この判定の結果、管理サーバ装置SVは、前記受信した通信信号が第1イベント通知通信信号である場合(第1イベント通知)には、処理S23を実行した後に処理S27を実行し、前記受信した通信信号が個人履歴要求通信信号である場合(個人履歴要求)には、処理S24を実行した後に処理S27を実行し、前記受信した通信信号が個人分析要求通信信号である場合(個人分析要求)には、処理S25を実行した後に処理S27を実行し、そして、前記受信した通信信号がこの第1イベント通知通信信号、個人履歴要求通信信号および個人分析要求通信信号のいずれでもではない場合(その他)には、処理S26を実行した後に処理S27を実行する。
【0091】
処理S23では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22の監視処理部222によって、処理S21でセンサ装置SUから受信した第1イベント通知通信信号を処理する。
【0092】
より具体的には、図10において、まず、監視処理部222は、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号に収容された、被監視者Obに対する監視に関する監視情報を監視情報記憶部231に記憶(記録)する(S231)。より具体的には、監視処理部222は、監視情報記憶部231に記憶されている監視情報テーブルMTに新たなレコードを作成し、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報それぞれを、この新たなレコードにおけるセンサIDフィールド2311およびイベントフィールド2312それぞれに登録し、時計部225から年月日時分を取得し、この取得した年月日時分を、この新たなレコードの受信時刻フィールド2313に登録し、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号に対象画像が収容されている場合には、この対象画像(ここでは対象画像のファイル名)を、この新たなレコードの静止画フィールド2314に登録し、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDに対応する通信アドレスを、装置間情報記憶部232に記憶されている通信アドレス対応関係情報テーブルDTから検索し、この検索した通信アドレスを、この新たなレコードの動画フィールド2315に登録し、デフォルト値の通知フラグ「0」および対応フラグ「0」それぞれを、この新たなレコードにおける通知フィールド2316および対応フィールド2317それぞれに登録する。
【0093】
次に、監視処理部222は、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号を、所定の端末装置SP、TAへ第2イベント通知通信信号によって通知するか否かを判定する。より具体的には、監視処理部222は、装置間情報記憶部232に記憶されている通知先対応関係情報テーブルATから、センサIDフィールド2321に、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDを登録するレコードを選定(検索)し、この選定したレコードであって、通知許否フィールド2322における、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報に対応するサブフィールド23221~23226に登録されている通知許否フラグを取得する。例えば、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号が、センサIDとして「SU-1」を収容し、イベント情報として「離床」を収容している場合では、図6Aに示す通知先対応関係情報テーブルATから、通知許否フラグ「1」が取得される。この取得した通知許否フラグが「0」である場合には、監視処理部222は、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号を、所定の端末装置SP、TAへ第2イベント通知通信信号によって通知しない場合(No)と判定し、次に、処理S233を実行した後に、本処理S23を終了する。前記取得した通知許否フラグが「1」である場合には、監視処理部222は、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号を、所定の端末装置SP、TAへ第2イベント通知通信信号によって通知する場合(Yes)と判定し、次に、処理S234、処理S235および処理S236を順次に実行した後に、本処理S23を終了する。
【0094】
この処理S233では、監視処理部222は、前記処理S231で監視情報テーブルMTに新たに生成したレコードにおける通知フィールド2316に、通知無しを意味する通知フラグ「0」を登録し、本処理S23を終了する。なお、上述したように、通知フィールド2316には、デフォルト値として通知フラグ「0」が登録されるので、この処理S233は、省略されても良いが、この処理S233を実行することで、第1イベント通知通信信号に起因する第2イベント通知通信信号が通知されなかった事実が、確実に監視情報記憶部231に記録(記憶)される。
【0095】
前記処理S234では、監視処理部222は、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応する通知先(再通知先、転送先、送信先)を装置間情報記憶部232に記憶された前記通知先対応関係から選定し取得する。より具体的には、監視処理部222は、装置間情報記憶部232に記憶されている通知先対応関係情報テーブルATから、センサIDフィールド2321に、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDを登録するレコードを選定(検索)し、この選定したレコードにおける通知先フィールド2323に登録されている端末IDを取得する。そして、監視処理部222は、装置間情報記憶部232に記憶されている通信アドレス対応関係情報テーブルDTから、IDフィールド2325に、前記取得した端末IDを登録するレコードを選定(検索)し、この選定したレコードにおける通信アドレスフィールド2326に登録されている通信アドレスを取得する。
【0096】
この処理S234の次に、処理S235では、監視処理部222は、前記処理S234で取得した通知先宛に、前記処理S21で受信した第1イベント通知通信信号に対応する第2イベント通知通信信号を生成し、この生成した第2イベント通知通信信号を送信する。
【0097】
そして、この処理S235の次に、処理S236では、監視処理部222は、前記処理S231で監視情報テーブルMTに新たに生成したレコードにおける通知フィールド2316に、通知有りを意味する通知フラグ「1」を登録し、本処理S23を終了する。
【0098】
このように処理S21でセンサ装置SUから受信した第1イベント通知通信信号が処理される。
【0099】
ここで、上述の処理S235で送信された第2イベント通知通信信号を受信した端末装置SP、TAは、この受信した第2イベント通知通信信号に収容された各情報に応じた画面を表示する。例えば、前記所定の行動に関する第2イベント通知通信信号が受信された場合には、端末装置SP、TAは、前記所定の行動に関する各情報を表示するための監視情報画面52を表示する。
【0100】
この監視情報画面52は、例えば、図11に示すように、メニューバーを表示するメニューバー領域511と、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUの配設場所および前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって監視される被監視者Obの名前を表示する被監視者名領域521と、前記受信した第2イベント通知通信信号の受信時刻(または前記所定の行動の検知時刻)からの経過時間、および、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容された前記イベント情報(前記所定の行動の検知結果)を表示する検知情報表示領域522と、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容された画像(すなわち、前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって撮像された対象画像)(ここでは静止画)を表示する画像領域523と、「対応する」ボタン524と、「話す」ボタン525と、「LIVEを見る」ボタン526とを備える。
【0101】
被監視者名領域521に、センサ装置SUの配設場所および被監視者Obの名前を表示するために、端末装置SP、TAには、センサID、前記センサIDを持つセンサ装置SUの配設場所および前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって監視される被監視者Obの名前が互いに対応付けられて予め記憶される。検知情報表示領域522には、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容された前記検知結果(本実施形態では、入床、起床、離床、転倒、および、呼吸異常の各名称)がそのまま表示されても良いが、本実施形態では、前記検知結果を象徴的に表すアイコンで表示されている。このアイコンで表示するために、端末装置SP、TAには、各行動およびその行動を象徴的に表すアイコンが互いに対応付けられて予め記憶される。図11に示す例では、検知情報表示領域522には、起床を象徴的に表す起床アイコンが表示されている。「対応する」ボタン524は、監視情報画面52では、この監視情報画面52に表示された検知結果に対し例えば救命、看護、介護および介助等の所定の対応(対処、処置、措置)を実施する意思が当該端末装置SP、TAのユーザにある旨を表す実施意思情報を、当該端末装置SP、TAに入力するためのボタンである。「話す」ボタン525は、音声通話を要求するためのボタンであって、前記センサIDの前記センサ装置SUと当該端末装置SP、TAとをネットワークNWを介して通話可能に接続する指示を入力するためのボタンである。「LIVEを見る」ボタン526は、ライブでの動画を要求するためのボタンであって、前記センサIDの前記センサ装置SUによって撮像される動画を表示させる指示を入力するためのボタンである。
【0102】
図9に戻って、処理S24では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、処理S21で端末装置SP、TAから受信した個人履歴要求通信信号を処理する。
【0103】
より具体的には、図12において、まず、SV制御処理部22は、履歴情報抽出処理部223によって、前記処理21で受信した個人履歴要求通信信号で指定された被監視者Obについて、前記個人履歴要求通信信号で指定された前記所定の期間内の監視情報を、監視情報記憶部321から収集する(S241)。より詳しくは、履歴情報抽出処理部223は、センサ情報記憶部233に記憶されているセンサ情報から、前記処理S21で受信した個人履歴要求通信信号に収容されている被監視者Obの被監視者名に対応するセンサIDを検索する。なお、前記個人履歴要求通信信号に、被監視者Obの被監視者名に代え、あるいは、追加してセンサIDが収容されている場合には、この処理は、省略できる。そして、履歴情報抽出処理部223は、監視情報記憶部231に記憶されている監視情報から、前記個人履歴要求通信信号に収容されている前記所定の期間内であって、前記検索したセンサIDに対応するイベント(検知結果)、その受信時刻および通知の有無を検索し、抽出する。そして、履歴情報抽出処理部223は、前記個人履歴要求通信信号に収容されている被監視者Obの被監視者名および前記所定の期間、ならびに、これら抽出した1組または複数組のイベント(検知結果)、その受信時刻および通知の有無を監視処理部222へ出力する。
【0104】
次に、SV制御処理部22は、監視処理部222によって、前記処理S21で受信した個人履歴要求通信信号に収容されている表示モードを判定する(S242)。この判定の結果、表示モードがタイムチャート表示モードである場合(タイムチャート表示(生活リズム))には、監視処理部222は、次に、処理S243、処理S244、処理S245および処理S246の各処理を順次に実行した後に、本処理S24を終了する。一方、前記判定の結果、表示モードがグラフ表示モードである場合(グラフ表示)には、監視処理部222は、次に、処理S247、処理S248および処理S249の各処理を順次に実行した後に、本処理S24を終了する。
【0105】
この処理S243では、SV制御処理部22は、分析処理部224によって、処理S241での履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、入床から離床までの時間を臥床時間として求める。より具体的には、分析処理部224は、処理S241で収集された監視情報から、受信時刻を参照することによって時系列に互いに順次に隣接して並ぶ入床および離床の組を全て取り出し、各組それぞれについて、離床の受信時刻から入床の受信時間を減算することで各組の各臥床時間を求める((臥床時間)=(離床の受信時刻)-(入床の受信時刻))。
【0106】
前記処理S243の次に、処理S244では、SV制御処理部22は、分析処理部224によって、処理S243で求めた時系列に並ぶ各組の臥床時間の中から、所定の第1時刻(例えば20時)以降の最初の入床から翌日の所定の第2時刻(例えば5時)以降の最初の離床までの時間を睡眠時間(夜間睡眠時間)として求め、この求めた睡眠時間を除いた残余の臥床時間を日中睡眠時間として求める。なお、前記所定の第1時刻以降の最初の入床から翌日の所定の第2時刻以降の最初の離床までの間に、さらに、1または複数の離床および入床が検知されている場合には、前記所定の第1時刻以降の最初の入床から翌日の所定の第2時刻以降の最初の離床までの間における各臥床時間が合算され、前記睡眠時間(夜間睡眠時間)とされる。
【0107】
前記処理S244の次に、処理S245では、SV制御処理部22は、監視処理部222によって、前記処理S241による履歴情報抽出処理部223の抽出結果、および、前記処理S243と前記処理S244とによる分析処理部224の分析結果に基づいて、タイムチャート個人履歴表示画面の画面データ(電子ファイル)を生成する。より具体的には、SV制御処理部22は、前記抽出結果および前記分析結果に基づいて、被監視者Obに対応して設けられ、前記所定の期間に応じた時間軸上に、前記イベントの種類を表した所定のマークを、前記イベントの受信時刻で、表示し、前記所定のマークを前記イベントの通知の有無に応じて互いに異なる表示態様で表示し、そして、夜間睡眠時間と日中睡眠時間とを互いに異なる表示態様のバーで表示する、所定のマークアップ言語で記述したタイムチャート個人履歴表示画面の画面データ(電子ファイル)を生成する。
【0108】
より詳しくは、このタイムチャート個人履歴表示画面61は、例えば、端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)に表示された場合に、図13に示すように、メニュー領域611と、被監視者メニュー領域612aと、被監視者名表示領域612bと、モードメニュー領域613と、期間入力領域614と、期間長メニュー領域615と、個別履歴分析メニュー領域616と、凡例表示領域617と、タイムチャート個人履歴表示領域618と、「送信」ボタン610とを備える。
【0109】
メニュー領域611は、選択可能な1または複数のメニューボタンを表示する領域であり、前記1または複数のメニューボタンには、「個人履歴」ボタン6111が含まれる。「個人履歴」ボタン6111は、所定期間内におけるイベントを、被監視者Obに対応付けて種類別に表示する指示を入力するためのボタンである。「個人履歴」ボタン6111の入力操作を受け付けると、端末装置SP、TAは、前回表示した表示モードの画面、本実施形態では図13に示すタイムチャート個人履歴表示画面61、または、後述の図14に示すグラフ個人履歴表示画面62、または、後述の図16に示す個人分析表示画面63を表示する。
【0110】
被監視者メニュー領域612aは、選択可能な1または複数の被監視者Obを一覧で表示する領域である。図13に示す例では、被監視者メニュー領域612aには、被監視者Obの入居する部屋名(例えば部屋番号等、また言い換えれば、前記被監視者Obに対応して設けられたセンサ装置SUの配設場所)と被監視者名とのセット(組)が、上から下へ順に所定の基準でソートされて一覧で表示される。ソートの基準は、任意であり、例えば、被監視者名の50音順(アルファベット順)や、部屋番号順等である。図13に示す例では、被監視者名および部屋名の各セットは、部屋番号順でソートされている。そして、この被監視者名および部屋名の各セットを表示する個々の領域は、監視者(ユーザ)によって選択された被監視者Obを、当該端末装置SP、TAに入力するためのボタン(被監視者選択ボタン)でもある。さらに、本実施形態では、被監視者メニュー領域612aは、選択可能な1または複数の被監視者Ob全員を一括で選択し、この選択された被監視者Ob全員を、当該端末装置SP、TAに入力するための「全員一括」ボタンを含む。
【0111】
被監視者名表示領域612bは、前記被監視者メニュー領域612aで選択され、当該画面61、62、63に表示される情報に対応する被監視者Obの氏名(全員一括を含む)を表示する領域である。
【0112】
モードメニュー領域613は、選択可能な複数のモードボタンを表示する領域であり、図13に示す例では、グラフ表示モードを指定する指示を入力するための「グラフ」ボタン6131と、タイムチャート表示モードを指定する指示を入力するための「生活リズム」ボタン6132とを備える。
【0113】
期間入力領域614は、前記所定の期間を入力するための領域であり、図13に示す例では、前記所定の期間を年月日で直接的に入力するための年月日入力領域6141と、年月日入力領域6141に表示された年月日を1日ごとに時間的に後退させる年月日後退ボタン6142と、年月日入力領域6141に表示された年月日を1日ごとに時間的に前進させる年月日前進ボタン6143とを備える。
【0114】
期間長メニュー領域615は、期間入力領域614で入力される前記所定の期間における期間長を入力するための領域であり、図13に示す例では、前記期間長を1日に設定して入力するための「1日」ボタン6151と、前記期間長を1週間に設定して入力するための「1週間」ボタン6152と、前記期間長を1ケ月に設定して入力するための「1ケ月」ボタン6153と、前記期間長を3ケ月週間に設定して入力するための「3ケ月」ボタン6154とを備える。
【0115】
個別履歴分析メニュー領域616は、選択可能な複数の表示モードボタンを表示する領域であり、図13に示す例では、個人履歴表示モードを指定する指示を入力するための「個人履歴」ボタン6161と、個人分析表示モードを指定する指示を入力するための「個人分析」ボタン6162とを備える。
【0116】
凡例表示領域617は、タイムチャート個人履歴表示領域618に表示される、イベントの種類を表した所定のマークの凡例を表示する領域である。前記所定のマークは、図13に示す例では、センサ装置SUによって検知され通知された入床を表す第1マークと、センサ装置SUによって検知され通知された起床および離床を表す第2マークと、センサ装置SUによって検知され通知された転倒を表す第3マークと、センサ装置SUによって検知され通知された呼吸異常を表す第4マークと、センサ装置SUによって検知され通知されたナースコールを表す第5マークとを備える。
【0117】
タイムチャート個人履歴表示領域618は、前記所定の期間内におけるイベントを、被監視者Obに対応付けて種類別に表示する領域であって、タイムチャート個人履歴表示画面61では、センサ装置SUで検知されたイベントの検知履歴を日別にタイムチャートで表示する領域である。より具体的には、イベントの種類を表した前記所定のマーク(図13に示す例では第1ないし第5マーク)が、前記所定の期間に応じた時間軸上に、前記イベントの受信時刻で、表示され、前記所定のマークが、前記イベントの通知の有無に応じて互いに異なる表示態様で表示され、そして、夜間睡眠時間と日中睡眠時間とが、互いに異なる表示態様で表示される。図13に示す例では、1週間分の個人履歴をタイムチャートで表示するために、タイムチャート個人履歴表示領域618は、上から下へ順に並ぶ各行に、第1ないし第7日目の各時間軸を表示する7個の第1ないし第7時間軸領域6181~6187を備える。これら第1ないし第7時間軸領域6181~6187の各時間軸上には、センサ装置SUで検知されたイベントに応じた所定のマークが、その受信時刻で表示される。例えば、第1時間軸領域6181の時間軸上には、0時から24時に至る間に、順に、1個の呼吸異常の第4マーク、4個の起床および離床の第2マーク、4個のナースコールの第5マーク、2個の起床および離床の第2マーク、3個のナースコールの第5マーク、1個の入床の第1マーク、および、1個の呼吸異常の第4マークが表示されている。これら16の各マークは、そのイベントの通知有りを表す実線の輪郭線で表示されている。なお、イベントの通知無しは、破線の輪郭線で表示される。そして、夜間睡眠時間と日中睡眠時間とは、これら第1ないし第7時間軸領域6181~6187の各時間軸上に、バー(矩形)で表示され、夜間睡眠時間は、左上から右下へ向かう複数の左斜線でハッチングされたバー6191で表示され、日中睡眠時間は、右上から左下へ向かう複数の右斜線でハッチングされたバー6192で表示されている。なお、表示すべき日数がタイムチャート個人履歴表示領域618に表示可能な日数を超える場合には、タイムチャート個人履歴表示領域618は、上下にスクロールできるようになっている。
【0118】
「送信」ボタン610は、タイムチャート個人履歴表示画面61で入力された各入力内容を端末装置SP、TAから管理サーバ装置SVへ送信し、これに応じて管理サーバ装置SVから返信された内容でタイムチャート個人履歴表示画面61を更新する指示を入力するためのボタンである。「送信」ボタン610の入力操作を受け付けると、端末装置SP、TAは、「個人履歴」ボタン6161が入力され、そして、「生活リズム」ボタン6132が入力されている場合、センサ装置SUで検知されたイベントの個人履歴を要求する前記第1指示、被監視者メニュー領域612aで入力され指定された被監視者Obの被監視者名(図13に示す例では「K山M太」)、期間入力領域614および期間長メニュー領域615で入力され指定された期間(前記所定の期間)(図13に示す例では2015年11月1日~7日の7日)、および、タイムチャート表示モード等を収容する個人履歴要求通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。
【0119】
この個人履歴要求通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、上述の処理S21、処理S22および処理S24を順次に実行し、この処理S24では、上述の処理S241、処理S242、処理S243、処理S244および処理S245を実行する。そして、この処理S245では、監視処理部222は、前記処理S241による履歴情報抽出処理部223の抽出結果、および、前記処理S243と前記処理S244とによる分析処理部224の分析結果に基づいて、上述した図13に示すタイムチャート個人履歴表示画面61の電子ファイルを所定のマークアップ言語を用いて生成する。
【0120】
そして、図12に戻って、処理S245の次に、処理S246では、制御処理部22は、監視処理部222によって、この処理S245で生成したタイムチャート個人履歴表示画面61の電子ファイルを収容したタイムチャート表示モードの履歴情報通知通信信号を端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)へ返信し、本処理S24を終了する。このタイムチャート表示モードの履歴情報通知通信信号を受信すると、端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)は、この受信したタイムチャート表示モードの履歴情報通知通信信号に収容されたタイムチャート個人履歴表示画面61の電子ファイルを用いてタイムチャート個人履歴表示画面61を表示(更新)する。
【0121】
一方、前記処理S247では、制御処理部22は、分析処理部224によって、前記処理S241による履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、分析対象である所定の第2期間内における、所定の被監視者Obに対応するイベントを種類別に計数することで第1計数結果を求め、前記第2期間よりも以前の所定の第3期間内における、前記所定の被監視者Obに対応するイベントを種類別に計数して前記第2期間長に応じた平均値で第2計数結果を求め、前記第1計数結果と前記第2計数結果とを種類別に比較し、所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を求める第2分析処理を実行する。より具体的には、分析処理部224は、前記処理S241による履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、前記処理S21で受信した個人履歴要求通信信号に収容された前記所定の期間を前記所定の第2期間とし、前記所定の第2期間における複数のサブ期間、ここではデフォルト値の1日ごとに、イベントを種類別に計数することによって、前記複数のサブ期間ごと(日ごと)の各第1計数結果を求める。次に、分析処理部224は、前記所定の第2期間よりも以前の前記所定の第3期間、ここではデフォルト値の1週間分における、前記所定の被監視者Obに対応するイベントを種類別に計数した計数結果から、1日当たりの平均値を求めることによって第2計数結果を求める。そして、分析処理部224は、前記所定の第2期間における複数のサブ期間、ここではデフォルト値の1日ごとに、前記第1計数結果と前記第2計数結果とを種類別に比較し、所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を求める。
【0122】
前記処理S247の次に、処理S248では、SV制御処理部22は、監視処理部222によって、前記処理S241による履歴情報抽出処理部223の抽出結果、および、前記処理S247による分析処理部224のその分析結果に基づいて、グラフ個人履歴表示画面の画面データ(電子ファイル)を生成する。より具体的には、SV制御処理部22は、前記抽出結果および前記分析結果に基づいて、被監視者Obに対応して設けられ、前記所定の第2期間に応じてサブ期間ごとに設けられた各欄に、前記所定の第2期間内における前記被監視者Obに対応するイベントを前記サブ期間ごとに種類別に計数した種類別の各第2計数結果を、イベントの種類順に並べた各棒グラフで表示し、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化している種類別の比較結果と、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化していない種類別の比較結果とを互いに異なる表示態様で表示する、所定のマークアップ言語で記述したグラフ個人履歴表示画面の画面データ(電子ファイル)を生成する。
【0123】
より詳しくは、このグラフ個人履歴表示画面62は、例えば、端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)に表示された場合に、図14に示すように、メニュー領域611と、被監視者メニュー領域612aと、被監視者名表示領域612bと、モードメニュー領域613と、期間入力領域614と、期間長メニュー領域615と、個別履歴分析メニュー領域616と、グラフ個人履歴表示領域621(621a、621b)と、「送信」ボタン610とを備える。これらグラフ個人履歴表示画面62におけるメニュー領域611、被監視者メニュー領域612a、被監視者名表示領域612b、モードメニュー領域613、期間入力領域614、期間長メニュー領域615、個別履歴分析メニュー領域616、および、「送信」ボタン610は、それぞれ、タイムチャート個人履歴表示画面61におけるメニュー領域611、被監視者メニュー領域612a、被監視者名表示領域612b、モードメニュー領域613、期間入力領域614、期間長メニュー領域615、個別履歴分析メニュー領域616、および、「送信」ボタン610と同様であるので、その説明を省略する。
【0124】
グラフ個人履歴表示領域621(621a、621b)は、前記所定の第2期間内におけるイベントを、被監視者Obに対応付けて種類別に表示する領域であって、グラフ個人履歴表示画面62では、センサ装置SUで検知されたイベントを集計期間のサブ期間別、かつ、イベントの種類別に集計して表示する領域である。より具体的には、前記所定の第2期間内における前記被監視者Obに対応するイベントを前記サブ期間ごとに種類別に計数した種類別の各第2計数結果が、前記所定の第2期間に応じてサブ期間ごとに設けられた各欄に、イベントの種類順に並べた各棒グラフで表示され、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化している種類別の比較結果と、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化していない種類別の比較結果とが、互いに異なる表示態様で表示される。図14に示す例では、1週間分の日ごとの各計数結果を表示するために、グラフ個人履歴表示領域621は、上から下へ順に並ぶ各行に、第1ないし第7日目の第1ないし第7グラフ表示領域621a1~621a7を備える。そして、1日分の種類別の各計数結果を棒グラフで表示するために、これら第1ないし第7グラフ表示領域621a1~621a7は、それぞれ、さらに、イベントの種類数に応じたサブグラフ領域621bを備える。本実施形態では、サブグラフ領域621bは、1日分の入床の計数結果を棒グラフで表示する入床サブグラフ領域621b1と、1日分の起床の計数結果を棒グラフで表示する起床サブグラフ領域621b2と、1日分の離床の計数結果を棒グラフで表示する離床サブグラフ領域621b3と、1日分の転倒の計数結果を棒グラフで表示する転倒サブグラフ領域621b4と、1日分の呼吸異常の計数結果を棒グラフで表示する呼吸異常サブグラフ領域621b5と、1日分のナースコールの計数結果を棒グラフで表示するナースコールサブグラフ領域621b6とを備える。例えば、第1日目の第1グラフ表示領域621a1における、入床サブグラフ領域621b1、起床サブグラフ領域621b2、離床サブグラフ領域621b3、転倒サブグラフ領域621b4、呼吸異常サブグラフ領域621b5、およびナースコールサブグラフ領域621b6それぞれには、1回を表す棒グラフ、5回を表す棒グラフ、3回を表す棒グラフ、2回を表す棒グラフ、3回を表す棒グラフ、および、3回を表す棒グラフそれぞれが表示されている。そして、グラフ個人履歴表示領域621に表示される棒グラフは、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化している種類別の比較結果と、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化していない種類別の比較結果とで互いに異なる表示態様で表示される。例えば、前記種類別の比較結果が前記所定の閾値以上変化している場合には、前記棒グラフは、複数の点のハッチングで表示され、前記種類別の比較結果が前記所定の閾値以上変化していない場合には、前記棒グラフは、白抜きで表示される。図14に示す例では、第6日目の第6グラフ表示領域621a6における起床サブグラフ領域621b2および離床サブグラフ領域621b3それぞれに表示される各棒グラフと、第7日目の第7グラフ表示領域621a7における起床サブグラフ領域621b2および離床サブグラフ領域621b3それぞれに表示される各棒グラフとが、複数の点でハッチングされており、これにより、前記種類別の比較結果が前記所定の閾値以上変化していることが表示されている。なお、表示すべき日数がグラフ個人履歴表示領域621(621a、621b)に表示可能な日数を超える場合には、グラフ個人履歴表示領域621(621a、621b)は、上下にスクロールできるようになっている。
【0125】
例えば、図13に示すタイムチャート個人履歴表示画面61において、あるいは、図14に示すグラフ個人履歴表示画面62において、監視者(ユーザ)が、「個人履歴」ボタン6161を入力操作し、「グラフ」ボタン6131を入力操作し、被監視者メニュー領域612aを入力操作し、期間入力領域614および期間長メニュー領域615それぞれを入力操作し、そして、「送信」ボタン610を入力操作すると、端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)は、センサ装置SUで検知されたイベントの個人履歴を要求する前記第1指示、被監視者メニュー領域612aで入力され指定された被監視者Obの被監視者名(図14に示す例では「K山M太」)、期間入力領域614および期間長メニュー領域615で入力され指定された期間(前記所定の期間、言い換えれば、ここでは前記所定の第2期間)(図14に示す例では2015年11月1日~7日の7日)、および、グラフ表示モード等を収容する個人履歴要求通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。
【0126】
この個人履歴要求通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、上述の処理S21、処理S22および処理S24を順次に実行し、この処理S24では、上述の処理S241、処理S242、処理S247および処理S248を実行する。そして、この処理S248では、監視処理部222は、前記処理S241による履歴情報抽出処理部223の抽出結果、および、前記処理S247による分析処理部224のその分析結果に基づいて、上述した図14に示すグラフ個人履歴表示画面62の電子ファイルを所定のマークアップ言語を用いて生成する。
【0127】
そして、図12に戻って、処理S248の次に、処理S249では、制御処理部22は、監視処理部222によって、この処理S248で生成したグラフ個人履歴表示画面62の電子ファイルを収容したグラフ表示モードの履歴情報通知通信信号を端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)へ返信し、本処理S24を終了する。このグラフ表示モードの履歴情報通知通信信号を受信すると、端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)は、この受信したグラフ表示モードの履歴情報通知通信信号に収容されたグラフ個人履歴表示画面62の電子ファイルを用いてグラフ個人履歴表示画面62を表示(更新)する。
【0128】
処理S24において、処理S21で端末装置SP、TAから受信された個人履歴要求通信信号が管理サーバ装置SVによって処理される。
【0129】
図9に戻って、処理S25では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、処理S21で端末装置SP、TAから受信した個人分析要求通信信号を処理する。
【0130】
より具体的には、図15において、まず、SV制御処理部22は、履歴情報抽出処理部223によって、前記処理21で受信した個人分析要求通信信号で指定された複数の被監視者Obについて、個人分析要求通信信号で指定された所定の期間内の監視情報を、監視情報記憶部321から収集する(S251)。より詳しくは、履歴情報抽出処理部223は、センサ情報記憶部233に記憶されているセンサ情報から、前記処理S21で受信した個人分析通信信号に収容されている複数の被監視者Obそれぞれの各被監視者名それぞれに対応する各センサIDを検索する。なお、前記個人分析要求通信信号に、被監視者Obの被監視者名に代え、あるいは、追加してセンサIDが収容されている場合には、この処理は、省略できる。また、被監視者Ob全員を一括で指定されている場合も、この処理は、省略できる。そして、履歴情報抽出処理部223は、前記検索した各センサIDそれぞれについて、監視情報記憶部231に記憶されている監視情報から、前記個人分析要求通信信号に収容されている前記所定の期間内に対応するイベント(検知結果)を検索し、抽出する。そして、履歴情報抽出処理部223は、前記個人分析要求通信信号に収容されている複数の被監視者Obそれぞれの各被監視者名および前記所定の期間、ならびに、これら抽出した、前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数のイベント(検知結果)を監視処理部222へ出力する。
【0131】
次に、制御処理部22は、分析処理部224によって、前記個人分析要求通信信号に収容されている複数の被監視者Obそれぞれについて、前記処理S251による履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、前記第2分析処理を実行する(S252)。より具体的には、分析処理部224は、前記個人分析要求通信信号に収容されている前記所定の期間を前記所定の第2期間とし、前記個人分析要求通信信号に収容されている複数の被監視者Obそれぞれについて、前記処理S241による履歴情報抽出処理部223の抽出結果に基づいて、前記第2期間におけるイベントを種類別に計数することによって、第1計数結果を求める。次に、分析処理部224は、前記個人分析要求通信信号に収容されている複数の被監視者Obそれぞれについて、前記第2期間よりも以前の前記所定の第3期間、ここではデフォルト値の1週間分における、当該被監視者Obに対応するイベントを種類別に計数した計数結果から、第2期間当たりの平均値を求めることによって第2計数結果を求める。そして、分析処理部224は、前記個人分析要求通信信号に収容されている複数の被監視者Obそれぞれについて、前記第1計数結果と前記第2計数結果とを種類別に比較し、所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を求める。
【0132】
次に、SV制御処理部22は、監視処理部222によって、前記処理S251による履歴情報抽出処理部223の抽出結果、および、前記処理S252による分析処理部224のその分析結果に基づいて、個人分析表示画面の画面データ(電子ファイル)を生成する。より具体的には、SV制御処理部22は、前記抽出結果および前記分析結果に基づいて、被監視者Obごとに設けられた各欄(各行または各列)に、前記所定の期間内(前記所定の第2期間)における当該被監視者Obに対応するイベントを種類別に計数した種類別の各計数結果(各第1計数結果)を、イベントの種類順に並べた各棒グラフ(イベント別の各列または各行に各棒グラフ)で表示し、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化している種類別の比較結果と、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化していない種類別の比較結果とを互いに異なる表示態様で表示する、所定のマークアップ言語で記述した個人分析表示画面の画面データ(電子ファイル)を生成する。
【0133】
より詳しくは、この個人分析表示画面63は、例えば、端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)に表示された場合に、図16に示すように、メニュー領域611と、被監視者メニュー領域612aと、被監視者名表示領域612bと、モードメニュー領域613と、期間入力領域614と、期間長メニュー領域615と、個別履歴分析メニュー領域616と、個人分析表示領域631(631a、631b)と、「送信」ボタン610とを備える。これら個人分析表示画面63におけるメニュー領域611、被監視者メニュー領域612a、被監視者名表示領域612b、モードメニュー領域613、期間入力領域614、期間長メニュー領域615、個別履歴分析メニュー領域616、および、「送信」ボタン610は、それぞれ、タイムチャート個人履歴表示画面61におけるメニュー領域611、被監視者メニュー領域612a、被監視者名表示領域612b、モードメニュー領域613、期間入力領域614、期間長メニュー領域615、個別履歴分析メニュー領域616、および、「送信」ボタン610と同様であるので、その説明を省略する。
【0134】
個人分析表示領域631(631a、631b)は、前記所定の期間内におけるイベントを、被監視者Obに対応付けて種類別に表示する領域であって、個人分析表示画面63では、センサ装置SUで検知されたイベントを個人別、かつ、イベントの種類別に集計して複数の被監視者Obについて表示する領域である。より具体的には、被監視者Obごとに設けられた各欄(各行または各列)に、前記所定の期間内における当該被監視者Obに対応するイベントを種類別に計数した種類別の各計数結果(各第1計数結果)が、イベントの種類順に並べた各棒グラフ(イベント別の各列または各行に各棒グラフ)で表示され、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化している種類別の比較結果と、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化していない種類別の比較結果とが、互いに異なる表示態様で表示される。図16に示す例では、複数の被監視者Obの各計数結果を表示するために、個人分析表示領域631は、上から下へ順に並ぶ各行に、7人分の第1ないし第7グラフ表示領域631a1~631a7を備える。そして、1人分の種類別の各計数結果を棒グラフで表示するために、これら第1ないし第7グラフ表示領域631a1~631a7は、それぞれ、さらに、イベントの種類数に応じたサブグラフ領域631bを備える。本実施形態では、サブグラフ領域631bは、1人分の入床の計数結果を棒グラフで表示する入床サブグラフ領域631b1と、1人分の起床の計数結果を棒グラフで表示する起床サブグラフ領域631b2と、1人分の離床の計数結果を棒グラフで表示する離床サブグラフ領域631b3と、1人分の転倒の計数結果を棒グラフで表示する転倒サブグラフ領域631b4と、1人分の呼吸異常の計数結果を棒グラフで表示する呼吸異常サブグラフ領域631b5と、1人分のナースコールの計数結果を棒グラフで表示するナースコールサブグラフ領域631b6とを備える。例えば、上から第1番目の第1グラフ表示領域631a1における、入床サブグラフ領域631b1、起床サブグラフ領域631b2、離床サブグラフ領域631b3、転倒サブグラフ領域631b4、呼吸異常サブグラフ領域631b5、およびナースコールサブグラフ領域631b6それぞれには、1回を表す棒グラフ、5回を表す棒グラフ、3回を表す棒グラフ、2回を表す棒グラフ、3回を表す棒グラフ、および、3回を表す棒グラフそれぞれが表示されている。そして、個人分析表示領域631に表示される棒グラフは、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化している種類別の比較結果と、前記分析結果に基づく所定の閾値以上変化していない種類別の比較結果とで互いに異なる表示態様で表示される。例えば、前記種類別の比較結果が前記所定の閾値以上変化している場合には、前記棒グラフは、複数の点のハッチングで表示され、前記種類別の比較結果が前記所定の閾値以上変化していない場合には、前記棒グラフは、白抜きで表示される。図16に示す例では、上から第6番目の第6グラフ表示領域631a6におけるナースコールサブグラフ領域631b2に表示される棒グラフが、複数の点でハッチングされており、これにより、前記種類別の比較結果が前記所定の閾値以上変化していることが表示されている。なお、表示すべき人数が個人分析表示領域631(631a、631b)に表示可能な人数を超える場合には、個人分析表示領域631(631a、631b)は、上下にスクロールできるようになっている。
【0135】
例えば、図13に示すタイムチャート個人履歴表示画面61において、あるいは、図14に示すグラフ個人履歴表示画面62において、あるいは、図16に示す個人分析表示画面63において、監視者(ユーザ)が、「個人分析」ボタン6162を入力操作し、「グラフ」ボタン6131を入力操作し、被監視者メニュー領域612aを入力操作し、期間入力領域614および期間長メニュー領域615それぞれを入力操作し、そして、「送信」ボタン610を入力操作すると、端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)は、センサ装置SUで検知されたイベントの個人分析を要求する前記第2指示、被監視者メニュー領域612aで入力され指定された複数の被監視者Obの被監視者名(図16に示す例では全員一括指定情報)、期間入力領域614および期間長メニュー領域615で入力され指定された期間(図16に示す例では2016/05/14の1日)全員一括指定情報)、および、グラフ表示モードを収容する個人分析要求通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。
【0136】
この個人分析要求通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、上述の処理S21、処理S22および処理S25を順次に実行し、この処理S25では、上述の処理S251、処理S252および処理S253を実行する。そして、この処理S253では、監視処理部222は、前記処理S251による履歴情報抽出処理部223の抽出結果、および、前記処理S252による分析処理部224のその分析結果に基づいて、上述した図16に示す個人分析表示画面63の電子ファイルを所定のマークアップ言語を用いて生成する。
【0137】
そして、図12に戻って、次に、制御処理部22は、監視処理部222によって、この処理S253で生成した個人分析表示画面63の電子ファイルを収容した分析情報通知通信信号を端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)へ返信し、本処理S25を終了する。この分析情報通知通信信号を受信すると、端末装置SP、TA(ここでは固定端末装置SP)は、この受信した分析情報通知通信信号に収容された個人分析表示画面63の電子ファイルを用いて個人分析表示画面63を表示(更新)する。
【0138】
処理S25において、処理S21で端末装置SP、TAから受信された個人分析要求通信信号が管理サーバ装置SVによって処理される。
【0139】
図9に戻って、処理S26では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、処理S21で受信した通信信号に応じた適宜な処理を実行し、次の処理S27を実行する。
【0140】
そして、これら処理S23ないし処理S26それぞれの後に実行される前記処理S27では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、その稼働が終了(停止)か否かを判定する。この判定の結果、稼働の終了(停止)である場合(Yes)には、管理サーバ装置SVは、本処理を終了し、一方、稼働の終了(停止)ではない場合(No)には、管理サーバ装置SVは、処理を処理S21に戻す。
【0141】
第1イベント通知通信信号、個人履歴要求通信信号および個人分析要求通信信号等に関し、管理サーバ装置SVは、以上のように動作している。
【0142】
以上説明したように、本実施形態における被監視者監視システムMS、中央処理装置の一例としての管理サーバ装置SV、ならびに、これに実装された中央処理方法は、所定の期間内におけるイベントを、被監視者Obに対応付けて種類別に、例えば端末装置SP、TA等の所定の表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、被監視者Obに対するイベントの検知結果を種類別に視覚で把握でき、種類別に傾向を見つけ易くなる。例えば、監視者は、むやみにナースコールを発報する被監視者Ob等の個々人の特性を発見できる。したがって、上記被監視者監視システムMS、中央処理装置(管理サーバ装置SV)および中央処理方法は、被監視者Obの、通知(報知)のされ方に関し、その傾向の発見を支援できる。
【0143】
上記被監視者監視システムMS、中央処理装置(管理サーバ装置SV)および中央処理方法は、被監視者Obに対して検知されたイベントを種類別に、時間軸上にマークで例えば端末装置SP、TA等の前記表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、被監視者Obに対して検知されたイベントを、種類別に時間的な傾向を見つけ易くなる。
【0144】
上記被監視者監視システムMS、中央処理装置(管理サーバ装置SV)および中央処理方法は、前記通知の有無を例えば端末装置SP、TA等の前記表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、前記通知の有無を視認できる。
【0145】
上記被監視者監視システムMS、中央処理装置(管理サーバ装置SV)および中央処理方法は、前記睡眠時間と前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間とを互いに異なる表示態様で例えば端末装置SP、TA等の前記表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、いわゆる夜間の正規な睡眠時間(夜間睡眠時間)と、いわゆる日中の昼寝時間(日中睡眠時間)とを視認できる。
【0146】
上記被監視者監視システムMS、中央処理装置(管理サーバ装置SV)および中央処理方法は、前記所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を、例えば端末装置SP、TA等の前記表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、分析対象の第2期間と、それ以前の第3期間とで、検知数の傾向に変化があったイベントの種類を認識できる。
【0147】
上記被監視者監視システムMS、中央処理装置(管理サーバ装置SV)および中央処理方法は、個人履歴表示モードのグラフ表示モードでは、1人の被監視者Obについて、複数のサブ期間ごとに、検知数の傾向に変化があったイベントの種類を認識できる。
【0148】
上記被監視者監視システムMS、中央処理装置(管理サーバ装置SV)および中央処理方法は、個人分析表示モードでは、複数の被監視者Obそれぞれについて、検知数の傾向に変化があったイベントの種類を認識できる。
【0149】
なお、上述の実施形態において、前記睡眠時間(夜間睡眠時間)は、睡眠量の度合いを表す指標(睡眠量指標)として用いられても良い。例えば、前記睡眠量指標は、24時間の中の、予め設定された夜間時間で、前記睡眠時間を除した百分率である((睡眠量指標)={(前記睡眠時間)/(前記夜間時間)}×100[%])。そして、このような睡眠量指標は、例えば、タイムチャート個人履歴表示画面61に表示される。例えば、夜間睡眠時間を表すバー6191内に表記される。
【0150】
また、上述の実施形態において、前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間(日中睡眠時間)は、日中の活動量の度合いを表す指標(活動量指標)として用いられても良い。例えば、前記活動量指標は、24時間の中の、予め設定された日中時間で、前記日中時間から、前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間を減算した減算結果を除した百分率である((活動量指標)=[{(前記日中時間)-(前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間)}/(前記日中時間)]×100[%]、(前記夜間時間)+(前記日中時間)=24[時間])。そして、このような活動量指標は、例えば、タイムチャート個人履歴表示画面61に表示される。例えば、日中睡眠時間を表すバー6192内に表記される。なお、この場合では、日中睡眠時間が無い場合には、活動量指標は、100%であるので、その表示が省略される。
【0151】
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0152】
一態様にかかる中央処理装置は、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムの前記中央処理装置であって、記憶部と、履歴情報抽出処理部と、監視処理部とを備え、前記記憶部は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて監視情報として記憶し、前記監視情報は、前記イベントの検知時刻または受信時刻、および、前記イベントの種類を含み、前記履歴情報抽出処理部は、前記記憶部に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応するイベントの種類を抽出し、前記監視処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記所定のイベントは、例えば、入床、起床、離床、転倒および呼吸異常等の、予め設定された所定の行動を含む。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記所定のイベントは、ナースコールを含む。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記記憶部は、前記センサ装置を特定し識別するための識別子であるセンサIDと前記被監視者の被監視者名とを互いに対応付けてセンサ情報として記憶するセンサ情報記憶部と、前記センサIDと、前記イベントの種類名と、前記検知時刻または受信時刻とを互いに対応付けて前記監視情報として記憶する監視情報記憶部とを備え、前記センサIDを用いたリレーショナルで、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて監視情報として記憶する。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記所定の期間は、1日、1週間、1カ月および3カ月を含む。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記所定の表示装置は、当該中央処理装置にさらに備えられる表示装置である。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記所定の表示装置は、当該中央処理装置に通信可能に接続される表示装置(前記端末装置を含む)であり、前記監視処理部は、前記履歴情報抽出処理部で前記所定の期間内で抽出された、イベントの種類および前記被監視者の被監視者名を収容する通信信号を、前記所定の表示装置へ送信する。
【0153】
このような中央処理装置は、所定の期間内におけるイベントを、被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、被監視者に対するイベントの検知結果を種類別に視覚で把握でき、種類別に傾向を見つけ易くなる。したがって、上記中央処理装置は、被監視者の、通知(報知)のされ方に関し、その傾向の発見を支援できる。
【0154】
他の一態様では、上述の中央処理装置において、前記監視処理部は、前記被監視者に対応して設けられ前記所定の期間に応じた時間軸上に、前記イベントの種類を表した所定のマークを、前記イベントの検知時刻または受信時刻で、表示することで、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、前記所定の表示装置に表示させる。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記所定の表示装置は、当該中央処理装置に通信可能に接続される表示装置(前記端末装置を含む)であり、前記監視処理部は、前記被監視者に対応して設けられ前記所定の期間に応じた時間軸上に、前記イベントの種類を表した所定のマークを、前記イベントの検知時刻または受信時刻で、表示する、所定のマークアップ言語で記述した画面データ(電子ファイル)を通信信号に収容して前記所定の表示装置へ送信する。
【0155】
このような中央処理装置は、被監視者に対して検知されたイベントを種類別に、時間軸上にマークで前記所定の表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、被監視者に対して検知されたイベントを、種類別に時間的な傾向を見つけ易くなる。
【0156】
他の一態様では、上述の中央処理装置において、前記記憶部は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを所定の端末装置へ通知するか否かを前記イベントの種類ごとに表す返信許否情報を、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて通知許否情報としてさらに記憶し、前記監視処理部は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを前記所定の端末装置へ通知する通知処理を前記記憶部に記憶された通知許否情報に基づいて実行し、前記通知処理による通知の有無を前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信した前記イベントに対応付けて前記監視情報の一つとして前記記憶部にさらに記憶し、前記監視処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる際に、さらに、前記通知の有無を前記所定の表示装置に表示させる。
【0157】
このような中央処理装置は、さらに、前記通知の有無を前記所定の表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、前記通知の有無を視認できる。
【0158】
他の一態様では、これら上述の中央処理装置において、分析処理部をさらに備え、前記分析処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、入床から離床までの時間を臥床時間として求め、前記求めた臥床時間の中から、所定の第1時刻以降の最初の入床から翌日の所定の第2時刻以降の最初の離床までの時間を睡眠時間とする分析処理を実行し、前記監視処理部は、前記履歴情報抽出処理部の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる際に、さらに、前記分析処理の実行で求められた睡眠時間と前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間とを互いに異なる表示態様で前記所定の表示装置に表示させる。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記睡眠時間は、睡眠量の度合いを表す指標(睡眠量指標)として用いられる。例えば、前記睡眠量指標は、24時間の中の、予め設定された夜間時間で、前記睡眠時間を除した百分率である((睡眠量指標)={(前記睡眠時間)/(前記夜間時間)}×100[%])。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間は、日中の活動量の度合いを表す指標(活動量指標)として用いられる。例えば、前記活動量指標は、24時間の中の、予め設定された日中時間で、前記日中時間から、前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間を減算した減算結果を除した百分率である((活動量指標)=[{(前記日中時間)-(前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間)}/(前記日中時間)]×100[%]、(前記夜間時間)+(前記日中時間)=24[時間])。
【0159】
このような中央処理装置は、前記睡眠時間と前記睡眠時間を除いた残余の臥床時間とを互いに異なる表示態様で前記所定の表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、いわゆる夜間の正規な睡眠時間(夜間睡眠時間)と、いわゆる日中の昼寝時間(日中睡眠時間)とを視認できる。
【0160】
他の一態様では、これら上述の中央処理装置において、前記分析処理部は、さらに、前記記憶部に記憶された監視情報から、分析対象である所定の第2期間内における、所定の被監視者に対応するイベントを種類別に計数することで第1計数結果を求め、前記第2期間よりも以前の所定の第3期間内における、前記所定の被監視者に対応するイベントを種類別に計数して前記第2期間長に応じた平均値で第2計数結果を求め、前記第1計数結果と前記第2計数結果とを種類別に比較し、所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を求める第2分析処理を実行し、前記監視処理部は、前記第2分析処理の実行で求めた所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を前記所定の表示装置に表示させる。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記第2および第3期間は、それぞれ、1日、1週間、1カ月および3カ月を含む。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記第3期間は、前記第2期間に応じて変更される。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記第2期間と前記第3期間とは、同じ期間長である。
【0161】
このような中央処理装置は、前記所定の閾値以上変化している種類別の比較結果を、前記所定の表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、分析対象の第2期間と、それ以前の第3期間とで、検知数の傾向に変化があったイベントの種類を認識できる。
【0162】
他の一態様では、これら上述の中央処理装置において、前記第2期間は、複数のサブ期間を備え、前記分析処理部は、1人の被監視者に対して複数のサブ期間それぞれについて、当該サブ期間を前記第2期間とする前記第2分析処理を実行する。例えば、前記第2期間が1週間である場合に、前記サブ期間は、1日である。また例えば、前記第2期間が1カ月である場合に、前記サブ期間は、1週間である、あるいは、1日である。
【0163】
このような中央処理装置は、1人の被監視者について、複数のサブ期間ごとに、検知数の傾向に変化があったイベントの種類を認識できる。
【0164】
他の一態様では、これら上述の中央処理装置において、前記分析処理部は、複数の被監視者それぞれについて、前記第2分析処理を実行する。
【0165】
このような中央処理装置は、複数の被監視者それぞれについて、検知数の傾向に変化があったイベントの種類を認識できる。
【0166】
他の一態様にかかる中央処理方法は、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムの中央処理方法であって、記憶工程と、履歴情報抽出工程と、監視処理工程とを備え、前記記憶工程は、前記センサ装置で検知され前記センサ装置から受信したイベントを、前記センサ装置に対応する前記被監視者に対応付けて監視情報として記憶部に記憶し、前記監視情報は、前記イベントの検知時刻または受信時刻、および、前記イベントの種類を含み、前記履歴情報抽出工程は、前記記憶部に記憶された監視情報から、所定の期間内における、所定の被監視者に対応する検知結果の種類を抽出し、前記監視処理工程は、前記履歴情報抽出工程の抽出結果に基づいて、前記所定の期間内におけるイベントを、前記被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させる。
【0167】
このような中央処理方法は、所定の期間内におけるイベントを、被監視者に対応付けて種類別に、所定の表示装置に表示させるので、監視者は、この表示を参照することによって、被監視者に対するイベントの検知結果を種類別に視覚で把握でき、種類別に傾向を見つけ易くなる。したがって、上記中央処理方法は、被監視者の、通知(報知)のされ方に関し、その傾向の発見を支援できる。
【0168】
他の一態様にかかる被監視者監視システムは、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムであって、前記中央処理装置は、これらいずれかの中央処理装置である。
【0169】
このような被監視者監視システムは、これらいずれかの中央処理装置を用いるので、被監視者の、通知(報知)のされ方に関し、その傾向の発見を支援できる。
【0170】
この出願は、2016年6月24日に出願された日本国特許出願特願2016-126041を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0171】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明によれば、被監視者監視システムの中央処理装置および中央処理方法ならびに被監視者監視システムが提供できる。
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