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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20220105BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B66B1/14 L
B66B3/00 K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020043232
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021143055
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2020-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-045176(JP,A)
【文献】特許第5714366(JP,B2)
【文献】特許第6306133(JP,B1)
【文献】特開2019-189399(JP,A)
【文献】特開2012-236661(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0991478(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-1/52;
3/00-3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかご内に設置され、無線信号を発信する無線信号装置を含み、
前記無線信号装置が発信した無線信号により、前記かご内の利用者が所持している携帯端末に予めインストールされた特定のアプリケーションにおいて、前記携帯端末と異なる装置の制御を実行可能とし、
前記異なる装置の制御は、前記かごの行先階に設けられた特定の装置の制御であり、
前記携帯端末から受信した前記特定の装置を制御するための制御信号を、前記特定の装置へ送信する中継装置をさらに含み、
前記特定の装置は、立体駐車場の制御装置であり、
前記特定の装置の制御は、前記利用者の車両を前記立体駐車場から出庫可能とすることであり、
前記立体駐車場に設けられた駐車場側無線信号装置と、
前記エレベータを制御するエレベータ制御装置と、をさらに含み、
前記駐車場側無線信号装置が発信した無線信号により、前記特定のアプリケーションにおいて、前記エレベータ制御装置に対する、前記立体駐車場が設けられた階床への呼びの登録を実行可能とし、
前記中継装置は、前記携帯端末から受信した前記呼びの登録のための登録信号を、前記エレベータ制御装置へ送信する、エレベータシステム。
【請求項2】
前記駐車場側無線信号装置は、前記立体駐車場の操作盤の電源を入れたとき、無線信号を発信する、請求項に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記中継装置は、
前記携帯端末から、前記登録信号とともに当該携帯端末を識別する第1の識別情報を受信し、
前記無線信号装置から発信された無線信号への応答として前記携帯端末が送信した、当該携帯端末を識別する第2の識別情報を受信し、
前記第2の識別情報が、前記第1の識別情報と一致するまで、前記登録信号を前記エレベータ制御装置へ送信し続ける、請求項1または2に記載のエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの利用者の携帯端末を制御するエレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エレベータの緊急停止時に、かご内に設置された無線信号装置が無線信号を発信する技術が開示されている。当該技術では、この無線信号により、エレベータの利用者の携帯端末にインストールされているアプリケーションを起動し、監視センターに通報する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6306133号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベータに乗車したときに、利用者の携帯端末を用いてエレベータを動作させたり、降車後に利用者が操作する装置を前もって動作させたりすることへのニーズがある。しかしながら、特許文献1の技術では、携帯端末と異なる装置を制御することはできない。
【0005】
本発明の一態様は、エレベータの利用者の携帯端末において、携帯端末と異なる装置の制御を適切なタイミングで行うエレベータシステムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明の態様1に係るエレベータシステムは、エレベータのかご内に設置され、無線信号を発信する無線信号装置を含み、
前記無線信号装置が発信した無線信号により、前記かご内の利用者が所持している携帯端末に予めインストールされた特定のアプリケーションにおいて、前記携帯端末と異なる装置の制御を実行可能とする。
【0007】
前記の構成によれば、携帯端末のユーザは、携帯端末と異なる装置の制御を、利用者としてかごに乗ったときに行うことができる。つまり、当該異なる装置の制御を、適切なタイミングで行うことができる。なお、「携帯端末と異なる装置の制御」とは、例えば、立体駐車場における車両の出庫のための立体駐車場の制御装置の制御や、エレベータのかごの移動のためのエレベータの制御装置の制御などが挙げられる。
【0008】
また、本発明の態様2に係るエレベータシステムは、前記態様1において、前記異なる装置の制御は、前記かごの行先階に設けられた特定の装置の制御であり、前記携帯端末から受信した前記特定の装置を制御するための制御信号を、前記特定の装置へ送信する中継装置をさらに含んでもよい。
【0009】
前記の構成によれば、かごの行先階に設けられた特定の装置の制御を、適切なタイミングで行うことができる。なお、「かごの行先階に設けられた特定の装置」とは、例えば、立体駐車場における車両の出庫のための立体駐車場の制御装置である。
【0010】
また、本発明の態様3に係るエレベータシステムは、前記態様2において、前記特定の装置は、立体駐車場の制御装置であり、前記特定の装置の制御は、前記利用者の車両を前記立体駐車場から出庫可能とすることであってもよい。
【0011】
前記の構成によれば、利用者は、エレベータのかごに乗車してから自身の車両を立体駐車場から出庫可能とするので、適切なタイミングで車両を出庫可能とすることができる。また、立体駐車場の操作盤を操作せずとも車両を出庫可能とすることができるので、車両の出庫にかかる時間を短縮することができる。
【0012】
また、本発明の態様4に係るエレベータシステムは、前記態様3において、前記立体駐車場に設けられた駐車場側無線信号装置と、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置と、をさらに含み、前記駐車場側無線信号装置が発信した無線信号により、前記特定のアプリケーションにおいて、前記エレベータ制御装置に対する、前記立体駐車場が設けられた階床への呼びの登録を実行可能とし、前記中継装置は、前記携帯端末から受信した前記呼びの登録のための登録信号を、前記エレベータ制御装置へ送信してもよい。
【0013】
前記の構成によれば、車両を立体駐車場へ入庫する際に、エレベータのかごを立体駐車場が設けられた階床へ呼ぶことができる。結果として、当該階床のエレベータ乗場での、かごの到着の待ち時間を短縮することができる。
【0014】
また、本発明の態様5に係るエレベータシステムは、前記態様4において、前記駐車場側無線信号装置は、前記立体駐車場の操作盤の電源を入れたとき、無線信号を発信してもよい。
【0015】
前記の構成によれば、車両の入庫の際に操作盤の電源を入れたときに、エレベータのかごを立体駐車場が設けられた階床に呼ぶことができるようになるので、不必要なタイミングでの無線信号の発信を低減することができる。
【0016】
また、本発明の態様6に係るエレベータシステムは、前記態様4または5において、前記中継装置は、前記携帯端末から、前記登録信号とともに当該携帯端末を識別する第1の識別情報を受信し、前記無線信号装置から発信された無線信号への応答として前記携帯端末が送信した、当該携帯端末を識別する第2の識別情報を受信し、前記第2の識別情報が、前記第1の識別情報と一致するまで、前記登録信号を前記エレベータ制御装置へ送信し続けてもよい。
【0017】
前記の構成によれば、立体駐車場からエレベータ乗場まで移動する間に、別の利用者がかごに乗車して別の階床へ移動してしまった場合でも、立体駐車場が設けられた階床へ、再度かごを移動させることができる。結果として、エレベータ乗場での待ち時間が発生する可能性を低減させることができる。
【0018】
本発明の各態様に係るエレベータシステムに含まれる各装置(特に、中継装置およびエレベータ制御装置)は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを各装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより各装置をコンピュータにて実現させる各装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、エレベータの利用者の携帯端末において、携帯端末と異なる装置の制御を適切なタイミングで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るエレベータシステムの概要図である。
図2図1に示すエレベータシステムに含まれるエレベータ制御装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
図3図1に示すエレベータシステムに含まれる中継装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
図4図1に示すエレベータシステムにより制御される立体駐車場制御装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
図5図1に示すエレベータシステムにより制御される携帯端末の要部構成の一例を示すブロック図である。
図6】エレベータシステムが実行する出庫処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7】携帯端末の画面表示の一具体例を示す図である。
図8】携帯端末の画面表示の一具体例を示す図である。
図9】携帯端末の画面表示の一具体例を示す図である。
図10】エレベータシステムが実行するかご呼び処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図11】携帯端末の画面表示の一具体例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態の変形例に係るかご呼び処理において、中継装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<エレベータシステム1>
図1は、本実施形態に係るエレベータシステム1の概要図である。図1に示すように、エレベータシステム1は、エレベータ制御装置2(検出装置)、中継装置3、エレベータ側ビーコン6Aおよび6B(無線信号装置)、立体駐車場側ビーコン7(駐車場側無線信号装置)並びにエレベータ8Aおよび8Bを少なくとも含む。なお、エレベータ側ビーコン6Aおよび6Bを区別しないときには、単に「エレベータ側ビーコン6」と表記する。また、エレベータ8Aおよび8Bを区別しないときには、単に「エレベータ8」と表記する。
【0022】
なお、図1には、立体駐車場制御装置4(特定の装置、立体駐車場の制御装置)、携帯端末5および立体駐車場9が記載されているが、エレベータシステム1は、これらを含まないものであってもよい。
【0023】
エレベータシステム1は、エレベータ8に乗車した利用者の携帯端末5を制御し、携帯端末5にインストールされた特定のアプリケーションにおいて、特定の機能を実行可能とするシステムである。本実施形態に係る特定の機能は、利用者の車両を立体駐車場9から出庫可能とすることを含む。ただし、特定の機能はこの例に限定されない。なお、本実施形態では、立体駐車場9が設けられた階床は、1階であるものとして説明するが、当該階床はこの例に限定されない。また、以降、特定のアプリケーションを単に「アプリケーション」と表記する。
【0024】
また、エレベータシステム1は、立体駐車場9において車両を入庫する操作を行った上記利用者の携帯端末5を制御し、アプリケーションにおいて、エレベータ8のかごを、立体駐車場9が設けられた階床へ移動させる呼びを登録可能とする。すなわち、上記特定の機能は、エレベータ8のかごを、立体駐車場9が設けられた階床へ移動させる呼びを登録可能とすることを含む。
【0025】
アプリケーションは、一例として、エレベータシステム1を管理する管理者により開発され、各種アプリケーションを配信する配信サーバ(不図示)により、ネットワークを介して利用者の携帯端末5に配信される。なお、配信サーバは、上記管理者に帰属していてもよい。
【0026】
(エレベータ制御装置2)
エレベータ制御装置2はエレベータ8を制御する。図2は、エレベータ制御装置2の要部構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、本発明に関連性の高い部材のみを示した図であり、エレベータ制御装置2が備える部材のうち、本発明に関連性の低い部材については記載を省略している。また、本発明に関連性の低い部材については、本明細書での説明を省略する。
【0027】
エレベータ制御装置2は、通信部21、操作信号取得部22および制御部23を含む。通信部21は、エレベータ制御装置2と他の装置との情報の送受信を行う。他の装置は、例えば中継装置3であるが、この例に限定されない。
【0028】
操作信号取得部22は、エレベータ8に設けられた操作入力部(不図示)に対して入力された操作に基づく操作信号を取得する。操作入力部は、例えば、エレベータ8のかご内に設けられた行先階登録ボタン、エレベータ8の乗場に設けられた乗場ボタンなどであるが、この例に限定されない。行先階登録ボタンは、一例として、建物の各階床に対応する数字が記載された物理ボタンであり、当該行先階登録ボタンのいずれかを乗客が押下することで、押下されたボタンに対応する階床が、行先階としてエレベータ制御装置2に登録される。ここで、或る階床が行先階として登録されるとは、エレベータ制御装置2が、当該階床を行先階とする呼びを取得し、当該呼びを自装置に登録することである。
【0029】
なお、行先階登録ボタンは、かご内に設けられたタッチパネルに表示されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)として実現されてもよい。また、操作信号取得部22は、取得した操作信号を制御部23へ出力する。
【0030】
制御部23は、エレベータ8の各種制御を行う。一例として、制御部23は、行先階登録ボタンのいずれかが押下されたことを示す操作信号を取得した場合、押下されたボタンに対応する階床を行先階として登録し、エレベータ8のかごを移動させる。また、制御部23は、当該行先階が、立体駐車場9が設けられた1階である場合、登録が完了したことを示す呼び登録完了信号を通信部21へ出力する。通信部21は、取得した呼び登録完了信号を中継装置3へ送信する。
【0031】
また、制御部23は、かごを1階に移動させて停止させると、かごが1階に到着したことを示す到着信号を通信部21へ出力する。通信部21は、取得した到着信号を中継装置3へ送信する。
【0032】
また、制御部23は、中継装置3から送信された呼び登録依頼信号を、通信部21を介して受信すると、1階を行先階として登録し、かごを1階へ向けて移動させる。当該呼び登録依頼信号は、携帯端末5から中継装置3を介して送信された信号である。呼び登録依頼信号の詳細については後述する。
【0033】
(中継装置3)
中継装置3は、エレベータシステム1に含まれる各装置間の情報の送受信を中継する。図3は、中継装置3の要部構成の一例を示すブロック図である。中継装置3は、通信部31およびビーコン制御部32を含む。通信部31は、中継装置3と他の装置との情報の送受信を行う。他の装置は、例えば、エレベータ制御装置2、立体駐車場制御装置4、携帯端末5、エレベータ側ビーコン6および立体駐車場側ビーコン7であるがこの例に限定されない。
【0034】
ビーコン制御部32は、エレベータ側ビーコン6および立体駐車場側ビーコン7を制御する。一例として、ビーコン制御部32は、エレベータ制御装置2から送信された呼び登録完了信号を、通信部31を介して受信する。ビーコン制御部32は、当該信号の受信に基づき、ビーコンに無線信号を発信させるための信号発信指令を生成し、通信部31を介してエレベータ側ビーコン6へ送信する。また、別の例として、ビーコン制御部32は、エレベータ制御装置2から送信された到着信号を、通信部31を介して受信する。ビーコン制御部32は、当該信号の受信に基づき、ビーコンに無線信号を停止させるための信号停止指令を生成し、通信部31を介してエレベータ側ビーコン6へ送信する。
【0035】
また、別の例として、ビーコン制御部32は、立体駐車場制御装置4から送信された、立体駐車場9の操作盤(不図示)の電源がONになったことを示す電源ON信号を、通信部31を介して受信する。ビーコン制御部32は、当該信号の受信に基づき、信号発信指令を生成し、通信部31を介して立体駐車場側ビーコン7へ送信する。また、別の例として、ビーコン制御部32は、立体駐車場制御装置4から送信された、立体駐車場9の操作盤の電源がOFFになったことを示す電源OFF信号を、通信部31を介して受信する。ビーコン制御部32は、当該信号の受信に基づき、信号停止指令を生成し、通信部31を介して立体駐車場側ビーコン7へ送信する。
【0036】
(エレベータ側ビーコン6)
エレベータ側ビーコン6は、エレベータ8のかご内に設けられたビーコンであり、中継装置3からの指令に従い、無線信号の発信および停止を行う。エレベータ側ビーコン6は、中継装置3から信号発信指令を受信すると、無線信号を発信する。また、エレベータ側ビーコン6は、中継装置3から信号停止指令を受信すると、無線信号の発信を終了する。
【0037】
(立体駐車場側ビーコン7)
立体駐車場側ビーコン7は、立体駐車場9の操作盤に設けられたビーコンであり、中継装置3からの指令に従い、無線信号の発信および停止を行う。立体駐車場側ビーコン7は、中継装置3から信号発信指令を受信すると、無線信号を発信する。また、立体駐車場側ビーコン7は、中継装置3から信号停止指令を受信すると、無線信号の発信を終了する。
【0038】
(立体駐車場制御装置4)
立体駐車場制御装置4は立体駐車場を制御する。本実施形態では、立体駐車場制御装置4は、操作盤と一体となっているものとして説明する。図4は、立体駐車場制御装置4の要部構成の一例を示すブロック図である。なお、図4は、本発明に関連性の高い部材のみを示した図であり、立体駐車場制御装置4が備える部材のうち、本発明に関連性の低い部材については記載を省略している。また、本発明に関連性の低い部材については、本明細書での説明を省略する。
【0039】
立体駐車場制御装置4は、通信部41、操作信号取得部42および制御部43を含む。通信部41は、立体駐車場制御装置4と他の装置との情報の送受信を行う。他の装置は、例えば中継装置3であるが、この例に限定されない。
【0040】
操作信号取得部42は、立体駐車場9に設けられた操作盤に対して入力された操作に基づく操作信号を取得し、制御部43へ出力する。当該操作は、例えば、パレットを選択するためのテンキーの押下と、当該押下に続いて入力される、立体駐車場9を動作させるための実行キーの押下である。当該操作に基づく操作信号は、テンキーの押下により入力された、パレットを示す数値と、立体駐車場の動作命令とを含む。
【0041】
また、操作盤は、操作盤の電源のON/OFFを切り替える電源スイッチを含む。操作信号取得部42は、電源スイッチへの操作により、操作盤の電源がONとなったことを示す操作信号を取得した場合、電源ON信号を通信部41へ出力する。通信部41は、取得した電源ON信号を中継装置3へ送信する。また、操作信号取得部42は、電源スイッチへの操作により、操作盤の電源がOFFとなったことを示す操作信号を取得した場合、電源OFF信号を通信部41へ出力する。通信部41は、取得した電源OFF信号を中継装置3へ送信する。
【0042】
制御部43は、立体駐車場制御装置4の各種制御を行う。一例として、制御部43は、上記数値および動作命令を含む操作信号を取得すると、当該数値が示すパレットに駐車された車両が出庫可能となるように、立体駐車場9の各部を動作させる。
【0043】
また、制御部43は、中継装置3から送信された出庫依頼信号を、通信部41を介して受信すると、当該出庫依頼信号が示すパレットに駐車された車両が出庫可能となるように、立体駐車場9の各部を動作させる。当該出庫依頼信号は、携帯端末5から中継装置3を介して送信された信号である。出庫依頼信号の詳細については後述する。
【0044】
(携帯端末5)
図5は、携帯端末5の要部構成の一例を示すブロック図である。なお、図5は、本発明に関連性の高い部材のみを示した図であり、携帯端末5が備える部材のうち、本発明に関連性の低い部材については記載を省略している。また、本発明に関連性の低い部材については、本明細書での説明を省略する。
【0045】
携帯端末5は、通信部51、アプリケーション制御部52およびタッチパネル53を含む。通信部51は、携帯端末5と他の装置との情報の送受信を行う。他の装置は、例えば中継装置3であるが、この例に限定されない。また、通信部51は、エレベータ側ビーコン6または立体駐車場側ビーコン7から発信される無線信号を受信する。通信部51は、当該無線信号を受信すると、その旨をアプリケーション制御部52へ通知する。
【0046】
アプリケーション制御部52は、アプリケーションを制御する。アプリケーション制御部52は、一例として、通信部51から、エレベータ側ビーコン6または立体駐車場側ビーコン7から発信される無線信号を受信したことを通知されると、アプリケーションを起動する。また、アプリケーション制御部52は、タッチパネル53から取得した、各種操作の操作信号に応じた信号を生成し、通信部51を介して中継装置3へ送信する。
【0047】
タッチパネル53は、利用者の操作の入力を受け付け、当該操作を示す操作信号をアプリケーション制御部52へ出力する。また、タッチパネル53は、アプリケーション制御部52により制御され、各種画像を表示する。
【0048】
なお、本実施形態では携帯端末5がスマートフォンである例を説明するが、携帯端末5はスマートフォンに限定されず、フィーチャーフォンやタブレット端末などであってもよい。また、携帯端末5は、タッチパネル53に代えて、互いに別体の表示部および操作部を備える構成であってもよい。
【0049】
<出庫処理の流れ>
続いて、エレベータシステム1が実行する出庫処理の流れについて、その一例を説明する。図6は、当該出庫処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0050】
エレベータ制御装置2の操作信号取得部22は、行先階登録ボタンのうち、1階を行先階とするボタンが押下されたことを示す操作信号を待機している(ステップS1、以下、「ステップ」の記載を省略)。なお、以下では、「1階を行先階とするボタン」を「1階登録ボタン」と表記する。利用者がエレベータ8に乗車し、1階登録ボタンが押下されると(S1でYES)、操作信号取得部22は、当該ボタンが押下されたことを示す操作信号を取得する。操作信号取得部22は、取得した操作信号を制御部23へ出力する。
【0051】
制御部23は、取得した操作信号に基づき、1階を行先階として登録し、エレベータ8のかごを1階へ向かって移動させる。また、制御部23は、呼び登録完了信号を通信部21へ出力する。通信部21は、取得した呼び登録完了信号を中継装置3へ送信する(図6のd1、以下、「図6の」の記載を省略する)。
【0052】
中継装置3の通信部31は、呼び登録完了信号を受信すると、当該信号をビーコン制御部32へ出力する。ビーコン制御部32は、呼び登録完了信号を取得したことに基づき、信号発信指令を生成し、通信部31へ出力する。通信部31は、取得した信号発信指令をエレベータ側ビーコン6へ送信する(d11)。
【0053】
エレベータ側ビーコン6は、信号発信指令を受信すると、無線信号を発信する(S21)。この無線信号の発信は、信号停止指令を受信するまで継続して行われる。
【0054】
携帯端末5の通信部51は、エレベータ側ビーコン6から発信された無線信号を受信すると(S31でYES)、その旨をアプリケーション制御部52へ通知する。アプリケーション制御部52は、当該通知に基づきアプリケーションを起動する(S32)。アプリケーション制御部52は、アプリケーションを起動したことに基づき、タッチパネル53への画面表示を行う。
【0055】
図7は、携帯端末5の画面表示の一具体例を示す図である。具体的には、図7は、S32においてアプリケーションが自動で起動された後の画面表示例である。図7の例では、携帯端末5のタッチパネル53に、画像531、532および533が表示されている。画像531は、「車を出庫しますか?」とのテキストを含み、利用者に車両の出庫を行うか否かを判断させる。画像532は「YES」とのテキストを含む。画像533は「NO」とのテキストを含む。画像532および533はGUIであり、利用者は、車両の出庫を行う場合は画像532へのタッチ操作を入力する。一方、車両の出庫を行わない場合、利用者は画像533へのタッチ操作を入力する。なお、図7の例では、利用者は、画像532へのタッチ操作を入力している。
【0056】
また、不必要な立体駐車場9の制御を防ぐため、図7に示す画面は、エレベータ側ビーコン6から発信された無線信号を受信したときのみ表示される構成であることが好ましい。
【0057】
再び図6を参照して、出庫処理の流れの説明に戻る。アプリケーション制御部52は、出庫操作、すなわち、画像532へのタッチ操作を受け付けたか否かを判定する(S33)。出庫操作を受け付けた場合(S33)、アプリケーション制御部52は、立体駐車場9から利用者の車両を出庫するための出庫依頼信号を生成し、通信部51へ出力する。通信部51は、取得した出庫依頼信号を中継装置3へ送信する(d31)。なお、出庫依頼信号には、利用者の車両が駐車されているパレットを識別する情報(以下、駐車位置識別情報)が含まれている。駐車位置識別情報は、例えば、利用者の車両が駐車されているパレットの番号であってもよい。また、駐車位置識別情報は、例えば、アプリケーションの初回起動時に、利用者が入力し、携帯端末5の記憶部(不図示)に記憶される。
【0058】
中継装置3の通信部31は、受信した出庫依頼信号を立体駐車場制御装置4へ送信する(d12)。
【0059】
立体駐車場制御装置4の通信部41は、出庫依頼信号を受信すると、当該出庫依頼信号を制御部43へ出力する。制御部43は、立体駐車場9が使用中であるか否かを判定する(S41)。ここで、立体駐車場9が使用中であるとは、例えば、別の立体駐車場9の利用者が、車両を出庫または入庫中であるなどの状況であるが、この例に限定されない。
【0060】
立体駐車場9が使用中でない場合(S41でNO)、制御部43は、取得した出庫依頼信号が示す車両を出庫可能な状態とする(S42)。具体的には、制御部43は、出庫依頼信号に含まれる駐車位置識別情報から、出庫依頼の対象である車両が駐車されたパレットを特定する。そして、例えば、当該パレットが出庫位置に来るように、立体駐車場9を制御する。これにより、エレベータ8のかごに乗車している利用者は、かごからの降車後、立体駐車場9の操作盤を操作して車両を出庫する必要が無くなるので、出庫にかかる時間を短縮することができる。なお、出庫位置とは、立体駐車場9における、車両を出庫させることが可能な位置である。一方、立体駐車場9が使用中である場合(S41でYES)、制御部43はS42の処理を実行しない。また、制御部43は、立体駐車場9が使用中であるか否かの判定結果を、通信部41へ出力する。通信部41は、取得した判定結果を中継装置3へ送信する(d41)。
【0061】
中継装置3の通信部31は、受信した、立体駐車場9が使用中であるか否かの判定結果を携帯端末5へ送信する(d13)。
【0062】
通信部51は、受信した判定結果をアプリケーション制御部52へ出力する。アプリケーション制御部52は、取得した判定結果に応じた画像を表示する(S34)。これにより、携帯端末5は、出庫依頼が受け付けられたか否かを利用者に通知することができる。
【0063】
図8は、携帯端末5の画面表示の一具体例を示す図である。具体的には、図8は、立体駐車場9が使用中でないとの判定結果を受信した場合の画面表示例である。図8の例では、タッチパネル53に、画像534が表示されている。画像534は「出庫を受け付けました」とのテキストを含む。これにより、携帯端末5は、出庫依頼が受け付けられたことを利用者に通知することができる。
【0064】
図9は、携帯端末5の画面表示の一具体例を示す図である。具体的には、図9は、立体駐車場9が使用中であるとの判定結果を受信した場合の画面表示例である。図9の例では、タッチパネル53に、画像535が表示されている。画像535は「他の利用者が出庫中のため受け付けできません」とのテキストを含む。これにより、携帯端末5は、出庫依頼が受け付けられなかったことを利用者に通知することができる。
【0065】
再び図6を参照して、出庫処理の流れの説明に戻る。立体駐車場制御装置4の通信部41は、出庫依頼信号を受信すると、当該出庫依頼信号を制御部43へ出力する。制御部43は、取得した出庫依頼信号が示す車両を出庫可能な状態とする(S41)。具体的には、制御部43は、出庫依頼信号に含まれる駐車位置識別情報から、出庫依頼の対象である車両が駐車されたパレットを特定する。そして、例えば、当該パレットが出庫位置に来るように、立体駐車場9を制御する。これにより、エレベータ8のかごに乗車している利用者は、かごからの降車後、立体駐車場9の操作盤を操作して車両を出庫する必要が無くなるので、出庫にかかる時間を短縮することができる。なお、出庫位置とは、立体駐車場9における、車両を出庫させることが可能な位置である。
【0066】
エレベータ制御装置2の制御部23は、エレベータ8のかごが1階に到着すると(S2でYES)、到着信号を通信部21へ出力する。通信部21は、取得した到着信号を中継装置3へ送信する(d2)。
【0067】
中継装置3の通信部31は、到着信号を受信すると、当該信号をビーコン制御部32へ出力する。ビーコン制御部32は、到着信号を取得したことに基づき、信号停止指令を生成し、通信部31へ出力する。通信部31は、取得した信号停止指令をエレベータ側ビーコン6へ送信する(d14)。
【0068】
エレベータ側ビーコン6は、信号停止指令を受信すると、継続して発信していた無線信号を停止させる(S22)。
【0069】
<かご呼び処理の流れ>
続いて、エレベータシステム1が実行するかご呼び処理について、その一例を説明する。図10は、かご呼び処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0070】
立体駐車場制御装置4の操作信号取得部42は、立体駐車場9の操作盤の電源がONとなったことを示す操作信号を待機している(S51)。操作盤の電源がONになると(S51でYES)、操作信号取得部42は、電源がONになったことを示す操作信号を取得する。操作信号取得部42は、取得した操作信号に基づき、電源ON信号を生成し、通信部41へ出力する。通信部41は、取得した電源ON信号を中継装置3へ送信する(d51)。
【0071】
中継装置3の通信部31は、電源ON信号を受信すると、当該信号をビーコン制御部32へ出力する。ビーコン制御部32は、電源ON信号を取得したことに基づき、信号発信指令を生成し、通信部31へ出力する。通信部31は、取得した信号発信指令を立体駐車場側ビーコン7へ送信する(d61)。
【0072】
立体駐車場側ビーコン7は、信号発信指令を受信すると、無線信号を発信する(S71)。この無線信号の発信は、信号停止指令を受信するまで継続して行われる。
【0073】
携帯端末5の通信部51は、立体駐車場側ビーコン7から発信された無線信号を受信すると(S81でYES)、その旨をアプリケーション制御部52へ通知する。アプリケーション制御部52は、当該通知に基づきアプリケーションを起動する(S82)。アプリケーション制御部52は、アプリケーションを起動したことに基づき、タッチパネル53への画面表示を行う。
【0074】
図11は、携帯端末5の画面表示の一具体例を示す図である。具体的には、図11は、S82においてアプリケーションを起動した後の画面表示例である。図11の例では、携帯端末5のタッチパネル53に、画像536、537および538が表示されている。画像536は、「エレベータ呼び登録しますか?」とのテキストを含み、1階を行先階としてエレベータ制御装置2へ登録するか否かを利用者に判断させる。画像537は「YES」とのテキストを含む。画像538は「NO」とのテキストを含む。画像537および538はGUIであり、利用者は、登録を行う場合は画像537へのタッチ操作を入力する。一方、登録を行わない場合、利用者は画像538へのタッチ操作を入力する。なお、図11の例では、利用者は、画像537へのタッチ操作を入力している。
【0075】
また、不必要な行先階の登録を防ぐため、図11に示す画面は、立体駐車場側ビーコン7から発信された無線信号を受信したときのみ表示される構成であることが好ましい。
【0076】
再び図10を参照して、かご呼び処理の流れの説明に戻る。アプリケーション制御部52は、呼び登録操作、すなわち、画像537へのタッチ操作を受け付けたか否かを判定する(S83)。呼び登録操作を受け付けた場合(S83)、アプリケーション制御部52は、1階を行先階としてエレベータ制御装置2へ登録するための呼び登録依頼信号(登録信号)を生成し、通信部51へ出力する。通信部51は、取得した呼び登録依頼信号を中継装置3へ送信する(d81)。
【0077】
中継装置3の通信部31は、受信した呼び登録依頼信号を、エレベータ制御装置2へ転送する(d62)。
【0078】
エレベータ制御装置2の通信部21は、受信した呼び登録依頼信号を制御部23へ出力する。制御部23は、呼び登録依頼信号に基づき、1階を行先階として登録し(S91)、エレベータ8のかごを1階へ向かって移動させる。これにより、車両の立体駐車場9への入庫を行なっている利用者は、入庫後、エレベータ8の1階の乗場にてかご呼び操作(例えば、乗場ボタンの押下)を行う必要が無くなるので、エレベータ8の待ち時間を短縮することができる。
【0079】
立体駐車場制御装置4の操作信号取得部42は、電源ON信号の送信後、操作盤の電源がOFFになったことを示す操作信号を待機している(S52)。操作盤の電源がOFFになると(S52でYES)、操作信号取得部42は、電源がOFFになったことを示す操作信号を取得する。操作信号取得部42は、取得した操作信号に基づき、電源OFF信号を生成し、通信部41へ出力する。通信部41は、取得した電源OFF信号を中継装置3へ送信する(d52)。
【0080】
中継装置3の通信部31は、電源OFF信号を受信すると、当該信号をビーコン制御部32へ出力する。ビーコン制御部32は、電源OFF信号を取得したことに基づき、信号停止指令を生成し、通信部31へ出力する。通信部31は、取得した信号停止指令を立体駐車場側ビーコン7へ送信する(d52)。
【0081】
立体駐車場側ビーコン7は、信号停止指令を受信すると、継続して発信していた無線信号を停止させる(S72)。
【0082】
<効果>
以上のとおり、本実施形態に係るエレベータシステム1は、エレベータ8のかごに利用者が乗車したことを検出するエレベータ制御装置2を含む。また、エレベータシステム1は、かご内に設置され、エレベータ制御装置2がかごに利用者が乗車したことを検出したことをトリガとして、無線信号を発信するエレベータ側ビーコン6を含む。また、エレベータシステム1は、エレベータ側ビーコン6が発信した無線信号により、利用者が所持している携帯端末5に予めインストールされたアプリケーションにおいて、特定の機能を実行可能とする。
【0083】
この構成によれば、エレベータ側ビーコン6は、かごに利用者が乗ったことを検出したときに無線信号を発信するので、かごに利用者が乗っていないという、無線信号が不要であることが明らかな状況において無線信号を発信しない。結果として、エレベータシステム1は、適切な状況において無線信号を発信し、携帯端末5において特定の機能を実行可能とすることができる。また、エレベータ側ビーコン6が電池を電源としている場合、当該電池の長寿命化を図ることができる。
【0084】
また、エレベータ制御装置2は、かご内に設置された行先階登録ボタンのいずれかが押下された場合、エレベータ8のかごに利用者が乗車したことを検出する。この構成によれば、かごに利用者が乗ったことを精度よく検出することができる。結果として、かごに利用者が乗っていないにもかかわらず、エレベータ側ビーコン6が無線信号を発信してしまうという誤作動を大幅に低減することができる。
【0085】
また、特定の機能は、かごの行先階に設けられた特定の装置の制御である。エレベータシステム1は、携帯端末5から受信した特定の装置の制御信号を、当該特定の装置へ送信する中継装置3をさらに含む。エレベータ制御装置2は、行先階登録ボタンのうち、特定の装置が設けられた階床に対応付けられたボタンが押下された場合、エレベータ8のかごに利用者が乗ったことを検出する。
【0086】
この構成によれば、利用者が、制御対象の装置がある階床に行くことが決定した場合に、エレベータ側ビーコン6が無線信号を発信するので、特定の装置の制御を必要とする利用者がかごに乗車している場合のみ無線信号を発信することができる。また、利用者は、かごの移動先にある特定の装置の制御を、かごに乗車したときに行うことができる。つまり、かごの移動先にある特定の装置の制御を、適切なタイミングで行うことができる。
【0087】
また、エレベータ側ビーコン6は、特定の装置が設けられた階床にかごが到着するまで、無線信号を発信し続ける。この構成によれば、特定の装置が設けられた階床にかごが到着する前に、かごが途中の階床で停止して利用者が乗車した場合において、当該利用者の携帯端末5も、無線信号を受信することができる。よって、当該利用者は、特定の装置が設けられた階床に対応付けられた行先階登録ボタンを押下しなくても、特定の装置の制御を行うことができる。
【0088】
また、特定の装置は、立体駐車場制御装置4であり、特定の装置の制御は、利用者の車両を立体駐車場9から出庫可能とすることである。この構成によれば、利用者は、エレベータ8のかごに乗車してから、自身の車両を立体駐車場9から出庫可能な状態とするので、適切なタイミングで車両を出庫可能とすることができる。また、立体駐車場9の操作盤を操作せずとも車両を出庫可能とすることができるので、車両の出庫にかかる時間を短縮することができる。
【0089】
また、エレベータシステム1は、立体駐車場9に設けられた立体駐車場側ビーコン7をさらに含む。また、エレベータシステム1は、立体駐車場側ビーコン7が発信した無線信号により、アプリケーションにおいて、エレベータ制御装置2に対する、立体駐車場9が設けられた階床への呼びの登録を実行可能とする。また、中継装置3は、携帯端末5から受信した呼び登録依頼信号をエレベータ制御装置2へ送信する。
【0090】
この構成によれば、車両を立体駐車場9へ入庫する際に、エレベータ8のかごを立体駐車場9が設けられた階床へ呼ぶことができる。結果として、当該階床のエレベータ乗場での、かごの到着の待ち時間を短縮することができる。
【0091】
また、立体駐車場側ビーコン7は、立体駐車場9の操作盤の電源をONにしたことをトリガとして、無線信号を発信する。この構成によれば、車両の入庫の際に操作盤の電源をONにしたときに、エレベータ8のかごを立体駐車場9が設けられた階床に呼ぶことができるようになるので、不必要なタイミングでの無線信号の発信を低減することができる。
【0092】
〔変形例〕
携帯端末5の通信部51は、エレベータ側ビーコン6または立体駐車場側ビーコン7が発信する無線信号を受信した場合、無線信号に対する応答としての、当該無線信号を受信した旨を示す受信通知信号を、無線信号を発信したビーコンへ送信してもよい。エレベータ側ビーコン6または立体駐車場側ビーコン7は、受信した受信通知信号を中継装置3へ転送する。また、通信部51は、当該受信通知信号を含む各種信号を送信する場合、当該信号に、携帯端末5を識別する端末識別情報を含めてもよい。端末識別情報は、携帯端末5の各々において固有の情報である。
【0093】
図12は、本変形例に係るかご呼び処理の一部の流れについて、一例を示すフローチャートである。具体的には、かご呼び処理において、信号発信指令を送信した後の中継装置3の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0094】
通信部31は、携帯端末5からの呼び登録依頼信号を待機する状態となっている(S101)。呼び登録依頼信号を受信すると(S101でYES)、通信部31は、呼び登録依頼信号に含まれる端末識別情報(第1の識別情報)を記憶部(不図示)に記憶する(S102)。そして、通信部31は、呼び登録依頼信号をビーコン制御部32へ出力する。
【0095】
ビーコン制御部32は、呼び登録依頼信号を取得したことに基づき、信号発信指令を生成し、通信部31へ出力する。通信部31は、取得した信号発信指令をエレベータ側ビーコン6へ送信する(S103)。これにより、エレベータ側ビーコン6は、無線信号を発信し続ける。かごに利用者が乗車すると、携帯端末5が当該無線信号を受信し、受信通知信号をエレベータ側ビーコン6へ送信する。エレベータ側ビーコン6は、受信した受信通知信号を中継装置3へ送信する。なお、図1に示すように、エレベータ側ビーコン6が複数ある場合、中継装置3は、すべてのエレベータ側ビーコン6に信号発信指令を送信する。
【0096】
また、通信部31は、受信した呼び登録依頼信号をエレベータ制御装置2へ送信する(S104)。これにより、エレベータ制御装置2は、1階を行先階として登録し、エレベータ8のかごを1階へ向かわせる。
【0097】
S104の処理を実行した後、通信部31は、受信通知信号の受信を待機する状態となる(S105)。通信部31は、受信通知信号を受信するまで(S105でNO)、呼び登録依頼信号をエレベータ制御装置2へ送信し続ける。
【0098】
受信通知信号を受信すると(S105でYES)、通信部31は、当該受信通知信号に含まれる端末識別情報(第2の識別情報)と、記憶部に記憶している端末識別情報とが一致するか否かを判定する(S106)。一致しない場合(S106でNO)、通信部31は、呼び登録依頼信号のエレベータ制御装置2への送信を再開する。
【0099】
2つの端末識別情報が一致する場合(S106でYES)、通信部31は、呼び登録依頼信号の送信を終了し、エレベータ側ビーコン6へ信号停止指令を送信する(S107)。これにより、エレベータ側ビーコン6は、無線信号の発信を終了する。
【0100】
以上のように、中継装置3は、携帯端末5から、呼び登録依頼信号とともに端末識別情報を受信する。また、中継装置3は、受信通知信号とともに端末識別情報を受信する。そして、中継装置3は、2つの端末識別情報が一致するまで、呼び登録依頼信号をエレベータ制御装置2へ送信し続ける。
【0101】
エレベータシステム1において、利用者が立体駐車場9からエレベータ乗場まで移動する間に、エレベータ8を利用しようとする別の利用者が、立体駐車場9が設けられた階床からかごに乗車して別の階床へ移動することが想定される。この問題に対して、上記の構成によれば、呼び登録依頼信号がエレベータ制御装置2へ送信し続けられるので、別の階床へ移動したかごを立体駐車場9が設けられた階床へ再度移動させることができる。結果として、立体駐車場9にてかごを自身がいる階床へ移動させた利用者が、エレベータ乗場に到着したときに、かごが別の階床にあることによりエレベータ乗場にて待たなければならないという状況が発生する可能性を低減させることができる。
【0102】
なお、通信部51は、受信通知信号を、ビーコンを介さず中継装置3へ送信してもよい。また、中継装置3が呼び登録依頼信号をエレベータ制御装置2へ送信し続ける構成に代えて、エレベータ制御装置2が、かごが1階から移動する度に1階を行先階とする呼びを登録する構成であってもよい。この例の場合、制御部23は、呼び登録依頼信号に基づき、かごを1階へ移動させた後に、別の階が行先階として登録する度に、1階を行先階として再登録する。中継装置3は、受信通知信号に含まれる端末識別情報と、記憶部に記憶している端末識別情報とが一致した場合、エレベータ制御装置2へ、1階を行先階として登録する処理を終了させるための呼び登録停止信号を送信する。この構成によれば、1階にかごがあるにもかかわらず、呼び登録依頼信号が中継装置3からエレベータ制御装置2へ送信されることを防ぐことができる。
【0103】
また、立体駐車場9が設けられる階床は1階に限定されない。1階とは異なる階床に立体駐車場9が設けられる場合、エレベータシステム1は、当該階床に対応付けられた行先階登録ボタンが押下されたことをトリガとして、エレベータ側ビーコン6に無線信号を発信させればよい。
【0104】
また、エレベータ制御装置2が、かごに利用者が乗車したことを検出する方法は、行先階登録ボタンが押下されたことを検出することに限定されない。例えば、エレベータ制御装置2は、かごに所定値以上の荷重がかかったことを検出したとき、かごに利用者が乗車したことを検出してもよい。また、例えば、エレベータ制御装置2は、かご内に設けられたカメラが撮影した画像に基づき、かごに利用者が乗車したことを検出してもよい。
【0105】
これらの変形例では、かごが行先階(例えば1階)に到着するまでエレベータ側ビーコン6が無線信号を発信し続ける構成でなくてもよい。具体的には、これらの変形例では、かごに新たな利用者が乗車する度に、エレベータ側ビーコン6が無線信号を発信する構成であってもよい。つまり、エレベータ制御装置2は、新たな利用者の乗車を検出する度に、その旨を示す信号を中継装置3に送信し、中継装置3からエレベータ側ビーコン6へ、信号発信指令を送信させる。
【0106】
また、エレベータ側ビーコン6および立体駐車場側ビーコン7は、常に無線信号を発信する構成であってもよい。
【0107】
また、アプリケーションにより実行可能となる特定の機能により制御される特定の装置は、立体駐車場制御装置4および立体駐車場9に限定されない。換言すれば、特定の機能により制御される、かごの行先階に設けられた装置は、立体駐車場制御装置4および立体駐車場9に限定されない。
【0108】
また、エレベータ側ビーコン6から発信された無線信号を携帯端末5が受信したことをトリガとして、アプリケーションにおいてエレベータ制御装置2が制御可能となってもよい。当該制御は例えば、行先階の登録であってもよい。
【0109】
当該行先階の登録は例えば、行先階登録ボタンに対応付けられていない階床を行先階とする呼びを登録することであってもよい。これにより、アプリケーションを携帯端末5にインストールしていないエレベータ8の利用者は、当該階床へ行くことができないので、当該階床のセキュリティを強化することができる。また、当該行先階の登録は例えば、かご内に行先階登録ボタンが設置されていないエレベータにおいて、行先階の登録を行うことであってもよい。これにより、アプリケーションを携帯端末5にインストールしていない人はそのエレベータを利用することができないので、建物全体のセキュリティを強化することができる。
【0110】
また、アプリケーションにより実行可能となる特定の機能は、携帯端末5を制御する機能であってもよい。例えば、百貨店において、エレベータ側ビーコン6から発信された無線信号を携帯端末5が受信したことをトリガとして、携帯端末5において各階床のマップまたはエレベータのかご呼びに応答して停止した階床のマップを表示可能とする構成であってもよい。
【0111】
また、上述した実施形態では、ビーコンからの無線信号を受信した携帯端末5が、アプリケーションを起動し、図7図11に示す画面を表示する構成であったが、当該無線信号を受信した携帯端末5が実行する処理はこの例に限定されない。例えば、携帯端末5は、所定の操作によりアプリケーションを起動し、図7図11に示す画面を表示させることができてもよい。ただし、この例の場合、不必要な立体駐車場9の制御や、不必要なかごの呼びを防ぐため、携帯端末5は、ビーコンからの無線信号を受信するまで、図7に示す画像532や、図11に示す画像537へのタッチ操作を受け付けない構成であることが好ましい。ここで、「タッチ操作を受け付けない」とは、画像532や画像537へのタッチ操作を示す操作信号が携帯端末5の制御部(不図示)へ出力されない構成であってもよいし、当該操作信号が制御部へ出力されるが、制御部が当該操作信号に基づく処理を実行しない構成であってもよい。
【0112】
なお、エレベータシステム1は、立体駐車場側ビーコン7を含まない構成であってもよい。つまり、この例に係るエレベータシステム1は、上述したかご呼び処理を実行しない。
【0113】
また、エレベータ8のかごに利用者が乗車したことを検出する検出装置とエレベータ制御装置2とは別体であってもよい。この例の場合、中継装置3は、エレベータ8のかごに利用者が乗車したことを示す情報を、当該検出装置から受信したことをトリガとして、エレベータ側ビーコン6に信号発信指令を送信してもよい。
【0114】
〔ソフトウェアによる実現例〕
エレベータ制御装置2および中継装置3の各部は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0115】
後者の場合、エレベータ制御装置2および中継装置3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0116】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0117】
〔付記事項〕
本開示に係る発明は、以下のように表現することもできる。
本発明の態様Aに係るプログラム(特定のアプリケーション)は、エレベータ(エレベータ8)の利用者の携帯端末(携帯端末5)において実行されるプログラムであって、前記かご内に設置された無線信号装置(エレベータ側ビーコン6)から、前記エレベータのかごに前記利用者が乗車したことをトリガとして発信された無線信号を受信するステップ(S31)と、前記受信した無線信号により、特定の機能を実行可能とするステップ(S32)と、を前記携帯端末に実行させる、プログラム。
【0118】
また、本発明の態様Bに係るプログラムは、前記態様Aにおいて、前記受信するステップでは、前記かご内に設置され、建物の各階床に対応付けられた行先階登録ボタンのいずれかが押下されたことをトリガとして発信された前記無線信号を受信してもよい。
【0119】
また、本発明の態様Cに係るプログラムは、前記態様Bにおいて、前記実行可能とするステップでは、前記特定の機能として、前記かごの行先階に設けられた特定の装置(立体駐車場制御装置4)の制御を実行可能とし、前記特定の装置を制御するための制御信号を、中継装置(中継装置3)を介して前記特定の装置へ送信するステップ(d31)をさらに前記携帯端末に実行させ、前記受信するステップでは、前記行先階登録ボタンのうち、前記特定の装置が設けられた階床に対応付けられたボタンが押下されたことをトリガとして発信された前記無線信号を受信してもよい。
【0120】
また、本発明の態様Dに係るプログラムは、前記態様Cにおいて、前記無線信号は、前記特定の装置が設けられた階床に前記かごが到着するまで発信され続けてもよい。
【0121】
また、本発明の態様Eに係るプログラムは、前記態様CまたはDにおいて、前記特定の装置は、立体駐車場(立体駐車場9)の制御装置(立体駐車場制御装置4)であり、前記実行可能とするステップでは、前記利用者の車両を前記立体駐車場から出庫可能としてもよい。
【0122】
また、本発明の態様Fに係るプログラムは、前記態様Eにおいて、前記立体駐車場に設けられた駐車場側無線信号装置(立体駐車場側ビーコン7)から発信された無線信号を受信するステップ(S81)と、当該受信した無線信号により、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置(エレベータ制御装置2)に対する、前記立体駐車場が設けられた階床への呼びの登録を実行可能とするステップ(S82)と、前記呼びの登録のための登録信号を、前記中継装置を介して前記エレベータ制御装置へ送信するステップ(d81)と、をさらに前記携帯端末に実行させてもよい。
【0123】
また、本発明の態様Gに係るプログラムは、前記態様Fにおいて、前記駐車場側無線信号装置から発信される前記無線信号は、前記立体駐車場の操作盤の電源を入れたことをトリガとして発信されてもよい。
【0124】
また、本発明の態様Hに係るプログラムは、前記態様FまたはGにおいて、前記登録信号とともに、前記携帯端末を識別する第1の識別信号を前記中継装置へ送信するステップ(S101)と、前記無線信号から発信された無線信号への応答として前記携帯端末を識別する第2の識別信号を前記中継装置へ送信するステップ(S105)と、をさらに前記携帯端末に実行させ、前記登録信号は、前記第2の識別情報が、前記第1の識別情報と一致するまで、前記エレベータ制御装置へ送信され続けてもよい。
【0125】
また、本開示に係る発明は、以下のように表現することもできる。
【0126】
本発明の態様Iに係るプログラムは、(特定のアプリケーション)は、エレベータ(エレベータ8)の利用者の携帯端末(携帯端末5)において実行されるプログラムであって、前記かご内に設置された無線信号装置(エレベータ側ビーコン6)から発信された無線信号を受信するステップ(S31)と、前記受信した無線信号により、前記携帯端末と異なる装置(立体駐車場制御装置4)の制御を実行可能とするステップ(S32)と、を前記携帯端末に実行させる、プログラム。
【0127】
また、本発明の態様Jに係るプログラムは、前記態様Iにおいて、前記実行可能とするステップでは、前記かごの行先階に設けられた特定の装置(立体駐車場制御装置4)の制御を実行可能とし、前記特定の装置を制御するための制御信号を、中継装置(中継装置3)を介して前記特定の装置へ送信するステップ(d31)をさらに前記携帯端末に実行させてもよい。
【0128】
また、本発明の態様Kに係るプログラムは、前記態様Jにおいて、前記特定の装置は、立体駐車場(立体駐車場9)の制御装置(立体駐車場制御装置4)であり、前記実行可能とするステップでは、前記利用者の車両を前記立体駐車場から出庫可能としてもよい。
【0129】
また、本発明の態様Lに係るプログラムは、前記態様Kにおいて、前記立体駐車場に設けられた駐車場側無線信号装置(立体駐車場側ビーコン7)から発信された無線信号を受信するステップ(S81)と、当該受信した無線信号により、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置(エレベータ制御装置2)に対する、前記立体駐車場が設けられた階床への呼びの登録を実行可能とするステップ(S82)と、前記呼びの登録のための登録信号を、前記中継装置を介して前記エレベータ制御装置へ送信するステップ(d81)と、をさらに前記携帯端末に実行させてもよい。
【0130】
また、本発明の態様Mに係るプログラムは、前記態様Lにおいて、前記駐車場側無線信号装置から発信される前記無線信号は、前記立体駐車場の操作盤の電源を入れたことをトリガとして発信されてもよい。
【0131】
また、本発明の態様Nに係るプログラムは、前記態様LまたはMにおいて、前記登録信号とともに、前記携帯端末を識別する第1の識別信号を前記中継装置へ送信するステップ(S101)と、前記無線信号から発信された無線信号への応答として前記携帯端末を識別する第2の識別信号を前記中継装置へ送信するステップ(S105)と、をさらに前記携帯端末に実行させ、前記登録信号は、前記第2の識別情報が、前記第1の識別情報と一致するまで、前記エレベータ制御装置へ送信され続けてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 エレベータシステム
2 エレベータ制御装置(検出装置)
3 中継装置
4 立体駐車場制御装置(特定の装置、立体駐車場の制御装置)
5 携帯端末
6、6A、6B エレベータ側ビーコン(無線信号装置)
7 立体駐車場側ビーコン(駐車場側無線信号装置)
8、8A、8B エレベータ
9 立体駐車場
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12