(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】流体クロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
G01N 30/02 20060101AFI20220105BHJP
G01N 30/32 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G01N30/02 Z
G01N30/32 C
(21)【出願番号】P 2020518962
(86)(22)【出願日】2019-01-17
(86)【国際出願番号】 JP2019001351
(87)【国際公開番号】W WO2019220685
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2018094850
(32)【優先日】2018-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018110593
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018110594
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】平岡 友基
(72)【発明者】
【氏名】佐野 利樹
【審査官】小澤 理
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-103954(JP,A)
【文献】特開2002-333438(JP,A)
【文献】株式会社島津製作所,高速液体クロマトグラフLC-6A シリーズ,分析機器・科学機器遺産認定2016,認定No.76,一般社団法人 日本分析機器工業会,2016年,インターネット: <URL: https://www.jaima.or.jp/ resource/jp/heritage/pdf/2016_No76-77.pdf>,[online], [2019.03.25検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/02
G01N 30/32
G01N 30/88
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Scopus
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の流体関連機器と、
前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器と、
前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管と、
を備える流体クロマトグラフであって、
前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含み、
前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含み、
前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含み、
前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、
前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有し、
前記第1の外面には第1の配管孔が形成され、
前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され、
前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ、
前記第1の収容容器は、
開口を有する筐体と、
前記開口を閉塞および開放する扉と、
前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、
前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、
前記第1の配管孔は、前記取付部材に形成された、流体クロマトグラフ。
【請求項2】
前記第1の収容容器は、前記第1の外面と反対側の第3の外面を有し、
前記第2の収容容器は、前記第2の外面と反対側の第4の外面を有し、
前記第3の外面において前記第1の配管孔と対応する位置に第3の配管孔が形成され、
前記第4の外面において前記第2の配管孔と対応する位置に第4の配管孔が形成された、請求項1記載の流体クロマトグラフ。
【請求項3】
前記第1および第2の収容容器は、水平方向に互いに隣り合うように配置された、請求項1または2記載の流体クロマトグラフ。
【請求項4】
前記第1および第2の収容容器は、上下方向に互いに隣り合うように積層された、請求項1または2記載の流体クロマトグラフ。
【請求項5】
前記複数の収容容器は、前記第1の収容容器に上下方向に積層されるように設けられた第3の収容容器をさらに備え、
前記複数の流体関連機器は、前記第3の収容容器に収容される第3の流体関連機器を含み、
前記少なくとも1つの配管は、前記第3の流体関連機器を前記第2の流体関連機器に接続する第2の配管を含み、
前記第1の収容容器および前記第3の収容容器は、水平方向において前記第2の収容容器に隣り合うように配置され、
前記第3の収容容器は、少なくとも部分的に前記第2の外面に対向する第5の外面を有し、
前記第5の外面には第5の配管孔が形成され、
前記第2の外面には、前記第5の配管孔に少なくとも部分的に対向する第6の配管孔が形成され、
前記第2の配管は、前記第5および第6の配管孔を通過するように設けられた、請求項3記載の流体クロマトグラフ。
【請求項6】
前記第1の配管孔を閉塞するように前記第1の外面に取り付け可能かつ前記第1の配管孔を開放するように前記第1の外面から取り外し可能に構成された第1の蓋部材と、
前記第2の配管孔を閉塞するように前記第2の外面に取り付け可能かつ前記第2の配管孔を開放するように前記第2の外面から取り外し可能に構成された第2の蓋部材とをさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の流体クロマトグラフ。
【請求項7】
前記第1の収容容器および前記第1の流体関連機器は、移動相供給装置、オートサンプラまたは検出器を構成し、
前記第2の収容容器および前記第2の流体関連機器は、カラムオーブンを構成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の流体クロマトグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の流体関連機器を有する流体クロマトグラフに関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフおよび超臨界流体クロマトグラフ等の流体クロマトグラフにおいては、複数の流体関連機器が用いられる。このような流体関連機器として、例えばポンプ、カラム、オートサンプラおよび検出器等がある。これらの複数の流体関連機器をそれぞれ独立して取り扱うことができれば、複数の流体関連機器のレイアウトを容易に変更することができるとともに、新たな流体関連機器の追加も容易になる。
【0003】
例えば特許文献1には、液体クロマトグラフに用いられる単体の送液装置が記載されている。その送液装置は、筐体および2つのプランジャポンプを含む。2つのプランジャポンプの各々は、ポンプヘッドおよびポンプボディを有し、ポンプヘッドが筐体の前面側を向くように筐体内に収容されている。筐体の前部には、筐体内部のポンプヘッド収容部を開閉することができるように、開閉カバーが開閉可能または着脱可能に設けられている。それにより、使用者は、開閉カバーが開かれた状態または開閉カバーが取り外された状態で、筐体の外部から各プランジャポンプのポンプヘッドにアクセスし、部品交換等のメンテナンスを行うことができる。
【文献】国際公開2017/122259号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の送液装置において、各プランジャポンプのポンプヘッドには、当該送液装置の外部に設けられる他の流体関連機器との間で移動相等の流体を流通させる配管が接続される。
【0005】
従来、開閉カバーが閉じられた状態で筐体と開閉カバーとの間に隙間が形成されるように構成された送液装置が用いられてきた。この送液装置においては、ポンプヘッドに接続された配管が筐体の内部から当該隙間を通して筐体の外部に引き出され、他の流体関連機器に接続される。
【0006】
しかしながら、このような構成では、送液装置のポンプヘッドと他の流体関連機器とを接続する配管の大部分が筐体の外部に露出する。この場合、筐体の外部に露出する配管により、当該送液装置を含む流体クロマトグラフのデザイン性が損なわれる。
【0007】
本発明の目的は、配管によるデザイン性の低下が抑制された流体クロマトグラフを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一局面に従う流体クロマトグラフは、複数の流体関連機器と、複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器と、複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管と、を備える流体クロマトグラフであって、複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含み、複数の流体関連機器は、第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含み、少なくとも1つの配管は、第1の流体関連機器と第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含み、第1の収容容器は、第1の外面を有し、第2の収容容器は、第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有し、第1の外面には第1の配管孔が形成され、第2の外面には、第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され、第1の配管は、第1および第2の配管孔を通過するように設けられ、第1の収容容器は、開口を有する筐体と、開口を閉塞および開放する扉と、扉を筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、取付部材は、第1の外面の一部を構成し、第1の配管孔は、取付部材に形成された。
【0009】
その流体クロマトグラフにおいては、第1の配管孔と第2の配管孔とが少なくとも部分的に対向する。この場合、第1の配管は、第1および第2の配管孔を通過することにより第1および第2の外面を迂回しない。それにより、第1の収容容器と第2の収容容器との間で第1の配管の大部分が露出することが抑制される。したがって、第1の配管による流体クロマトグラフのデザイン性の低下が抑制される。また、上記の構成によれば、第1の配管孔が扉の近傍に位置するので、使用者は、扉を開くことにより、第1の配管の交換等を容易に行うことができる。それにより、第1の流体関連機器のメンテナンスの作業性が向上する。
【0010】
(2)第1の収容容器は、第1の外面と反対側の第3の外面を有し、第2の収容容器は、第2の外面と反対側の第4の外面を有し、第3の外面において第1の配管孔と対応する位置に第3の配管孔が形成され、第4の外面において第2の配管孔と対応する位置に第4の配管孔が形成されてもよい。
【0011】
上記の構成によれば、第1の収容容器の位置と第2の収容容器の位置とが入れ替えられた場合にも、互いに対向する第3および第4の配管孔を通過するように第1の配管を設けることができる。それにより、短い第1の配管を用いて第1および第2の流体関連機器を接続することができる。
【0012】
(3)第1および第2の収容容器は、水平方向に互いに隣り合うように配置されてもよい。
【0013】
この場合、水平方向に互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器内の第1および第2の流体関連機器を、短い第1の配管を用いて接続することができる。
【0014】
(4)第1および第2の収容容器は、上下方向に互いに隣り合うように積層されてもよい。
【0015】
この場合、上下方向に互いに隣り合うように積層された第1および第2の収容容器内の第1および第2の流体関連機器を、短い第1の配管を用いて接続することができる。
【0016】
(5)複数の収容容器は、第1の収容容器に上下方向に積層されるように設けられた第3の収容容器をさらに備え、複数の流体関連機器は、第3の収容容器に収容される第3の流体関連機器を含み、少なくとも1つの配管は、第3の流体関連機器を第2の流体関連機器に接続する第2の配管を含み、第1の収容容器および第3の収容容器は、水平方向において第2の収容容器に隣り合うように配置され、第3の収容容器は、少なくとも部分的に第2の外面に対向する第5の外面を有し、第5の外面には第5の配管孔が形成され、第2の外面には、第5の配管孔に少なくとも部分的に対向する第6の配管孔が形成され、第2の配管は、第5および第6の配管孔を通過するように設けられてもよい。
【0017】
上記の構成においては、互いに積層された第1および第3の収容容器に対して水平方向に隣り合うように第2の収容容器が配置された状態で、第5の貫通孔と第6の貫通孔とが少なくとも部分的に対向する。この場合、第2の配管は、第5および第6の貫通孔を通過することにより第5および第2の外面を迂回しない。それにより、第2の収容容器と第3の収容容器との間で第2の配管の大部分が露出することが抑制される。したがって、第2の配管による流体クロマトグラフのデザイン性の低下が抑制される。
【0020】
また、上記の構成においては、取付部材は、筐体に対して固定的に設けられ、扉の開閉時に動作しない。この場合、第1の配管孔は取付部材に形成されているので、扉の開閉時に第1の配管孔を通過する第1の配管が扉と干渉することが抑制される。したがって、第1の配管による扉の操作性の低下が抑制される。
【0021】
(6)流体クロマトグラフは、第1の配管孔を閉塞するように第1の外面に取り付け可能かつ第1の配管孔を開放するように第1の外面から取り外し可能に構成された第1の蓋部材と、第2の配管孔を閉塞するように第2の外面に取り付け可能かつ第2の配管孔を開放するように第2の外面から取り外し可能に構成された第2の蓋部材とをさらに備えてもよい。
【0022】
この場合、第1および第2の配管孔に配管を通す必要がない場合に、第1および第2の配管孔をそれぞれ第1および第2の蓋部材により塞ぐことができる。
【0023】
(7)第1の収容容器および第1の流体関連機器は、移動相供給装置、オートサンプラまたは検出器を構成し、第2の収容容器および第2の流体関連機器は、カラムオーブンを構成してもよい。
【0024】
この場合、移動相供給装置、オートサンプラまたは検出器とカラムオーブンとを接続する第1の配管の大部分が第1および第2の収容容器の外部に露出することが防止される。また、第1の配管を短くすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、流体クロマトグラフにおいて配管によるデザイン性の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は本発明の一実施の形態に係る液体クロマトグラフの一例を示す模式的外観図である。
【
図2】
図2は
図1の制御ユニット、送液ユニットおよび検出ユニットに用いられる収容容器の構成の概略を説明するための模式的斜視図である。
【
図3】
図3は
図1のオートサンプラユニットに用いられる収容容器の構成の概略を説明するための模式的斜視図である。
【
図4】
図4は
図1のカラムオーブンユニットに用いられる収容容器の構成の概略を説明するための模式的斜視図である。
【
図5】
図5は
図1の液体クロマトグラフにおける配管の接続例を示す模式図である。
【
図7】
図7は
図6の扉取付具およびその周辺部材を示す斜視図である。
【
図8】
図8は
図6の収容容器に設けられる配管保持部の一例を示す図である。
【
図9】
図9は
図1の液体クロマトグラフに追加の送液ユニットが設けられた例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[1]液体クロマトグラフの概略構成
本発明の一実施の形態に係る流体クロマトグラフとして、液体クロマトグラフを説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る液体クロマトグラフの一例を示す模式的外観図である。
図1に示すように、液体クロマトグラフ1は、制御ユニット2、送液ユニット3、オートサンプラユニット4、検出ユニット5およびカラムオーブンユニット6を含む。送液ユニット3は、移動相容器T1に貯留された移動相をカラムオーブンユニット6内に設けられるカラムに供給する。オートサンプラユニット4は、送液ユニット3からカラムに供給される移動相中に液体試料を注入する。カラムオーブンユニット6は、カラムを含み、当該カラムおよびその周辺の空間を略一定の温度に保持する。検出ユニット5は、カラムにより分離された液体試料の各成分を検出する。検出ユニット5を通過した移動相は、廃液容器T2に送られる。制御ユニット2は、例えばCPUおよびメモリを含み、液体クロマトグラフ1を構成する各部の動作を制御する。
【0028】
上記の各ユニットは、収容容器内に当該ユニットに対応する機器が収容された構成を有し、他の少なくとも1つのユニットに隣り合うように配置される。本実施の形態においては、2つのユニットが互いに隣り合うように配置されるとは、2つのユニットが互いに接触するかまたは2つのユニット間の距離が数cm(例えば5cm)以下となるように配置されることを意味する。
【0029】
図1の例では、検出ユニット5、オートサンプラユニット4、送液ユニット3および制御ユニット2は、この順で下から上に向かって積層配置されている。この場合、検出ユニット5およびオートサンプラユニット4は上下方向に隣り合い、オートサンプラユニット4および送液ユニット3は上下方向に隣り合い、送液ユニット3および制御ユニット2は上下方向に隣り合う。また、積層された検出ユニット5、オートサンプラユニット4、送液ユニット3および制御ユニット2に対して水平方向に隣り合うように、カラムオーブンユニット6が配置されている。
【0030】
[2]収容容器
本実施の形態に係る液体クロマトグラフ1においては、制御ユニット2、送液ユニット3および検出ユニット5に共通の収容容器が用いられる。
図2は、
図1の制御ユニット2、送液ユニット3および検出ユニット5に用いられる収容容器の構成の概略を説明するための模式的斜視図である。
図2の収容容器10は、略直方体形状を有し、一側面11、他側面12、上面13、下面14、一端面15および他端面16を有する。
【0031】
上面13および下面14は上下方向において互いに対向する。一側面11および他側面12は、上面13および下面14の一側部および他側部をそれぞれ接続するとともに互いに対向する。一端面15は、上面13、下面14、一側面11および他側面12に直交するとともに、上面13、下面14、一側面11および他側面12の一端部を接続する。他端面16は、上面13、下面14、一側面11および他側面12に直交するとともに、上面13、下面14、一側面11および他側面12の他端部を接続する。
【0032】
以下の説明では、一端面15およびその周辺部分を収容容器10の前部とし、他端面16およびその周辺部分を収容容器10の後部とする。また、収容容器10の内部から収容容器10の前部を向く方向を収容容器10の前方とし、収容容器10の内部から収容容器10の後部を向く方向を収容容器10の後方とする。
【0033】
収容容器10においては、その内部に収容される流体関連機器に接続される配管を収容容器10の外部に引き出すための複数(本例では4つ)の配管孔11h,12h,13h,14hが形成されている。流体関連機器に接続される配管としては、例えばフレキシブル性を有する樹脂配管が用いられる。
【0034】
一側面11の前端部近傍に一の配管孔11hが形成され、一側面11と反対側の他側面12の前端部近傍に一の配管孔12hが形成されている。配管孔11h,12hは同じ形状を有する。収容容器10を一側面11または他側面12に対向する位置から見た場合、すなわち収容容器10の側面視で、配管孔11h,12hは互いに重なり合うように形成されている。このように、一側面11における配管孔11hの位置と、他側面12における配管孔12hの位置とは互いに対応する。
【0035】
この場合、一の収容容器10の一側面11と他の収容容器10の他側面12とが対向するように、2つの収容容器10が水平方向に隣り合って配置されると、一の収容容器10の配管孔11hと他の収容容器10の配管孔12hとは、少なくとも一部が互いに対向する。それにより、互いに対向する配管孔11h,12hを通過するように配管を設けることができる。
【0036】
上面13の前端部近傍に一の配管孔13hが形成され、上面13と反対側の下面14の前端部近傍に一の配管孔14hが形成されている。配管孔13h,14hは同じ形状を有する。収容容器10を上面13または下面14に対向する位置から見た場合、すなわち収容容器10の平面視で、配管孔13h,14hは互いに重なり合うように形成されている。このように、上面13における配管孔13hの位置と、下面14における配管孔14hの位置とは互いに対応する。
【0037】
この場合、一の収容容器10の下面14と他の収容容器10の上面13とが対向するように、2つの収容容器10が積層配置されると、一の収容容器10の配管孔14hと他の収容容器10の配管孔13hとは、少なくとも一部が互いに対向する。それにより、互いに対向する配管孔13h,14hを通過するように配管を設けることができる。
【0038】
図3は、
図1のオートサンプラユニット4に用いられる収容容器の構成の概略を説明するための模式的斜視図である。
図3の収容容器40は、上下方向の長さ(高さ)が異なる点、ならびに当該収容容器40に形成される配管孔の数および位置が異なる点を除いて、基本的に収容容器10と同じ構成を有する。
【0039】
具体的には、収容容器40は、略直方体形状を有し、一側面41、他側面42、上面43、下面44、一端面45および他端面46を有する。以下の説明では、
図2の収容容器10の例と同様に、一端面45およびその周辺部分を収容容器40の前部とし、他端面46およびその周辺部分を収容容器40の後部とする。また、収容容器40の内部から収容容器40の前部を向く方向を収容容器40の前方とし、収容容器40の内部から収容容器40の後部を向く方向を収容容器40の後方とする。
【0040】
収容容器40においては、その内部に収容される流体関連機器に接続される配管を収容容器40の外部に引き出すための複数(本例では3個)の配管孔41h,43h,45hが形成されている。
【0041】
一側面41の前端部近傍に一の配管孔41hが形成され、上面43の前端部近傍に一の配管孔43hが形成されている。また、一端面45の一側部近傍に一の配管孔45hが形成されている。
【0042】
図2および
図3に示すように、収容容器10の幅w1および長さd1と収容容器40の幅w2および長さd2とはそれぞれ等しいかまたはほぼ等しい。この場合、収容容器10の上面13上に収容容器40を安定して積層することができる。あるいは、収容容器40の上面43上に収容容器10を安定して積層することができる。収容容器40の高さh2は、第1の収容容器10の高さh1の2倍である。
【0043】
ここで、収容容器40の上面43において、配管孔43hは、収容容器40上に収容容器10が積層された場合に、収容容器10の配管孔14hに対向する位置に形成されている。それにより、互いに対向する配管孔14h,43hを通過するように配管を設けることができる。
【0044】
また、収容容器40の一側面41において、配管孔41hは、収容容器40の一側方に収容容器10が隣り合うように配置される場合に、収容容器10の配管孔12hに対向するように形成されている。それにより、互いに対向する配管孔12h,41hを通過するように配管を設けることができる。
【0045】
また、配管孔41hは、収容容器40の一側方に後述する
図4の収容容器20が隣り合うように配置される場合に、収容容器20の複数の配管孔22h(
図4)のいずれかに対向するように形成されている。それにより、互いに対向する配管孔22h,41hを通過するように配管を設けることができる。
【0046】
図4は
図1のカラムオーブンユニット6に用いられる収容容器の構成の概略を説明するための模式的斜視図である。収容容器20は、上下方向の長さ(高さ)が異なる点、ならびに当該収容容器20に形成される配管孔の数および位置が異なる点を除いて、基本的に収容容器10と同じ構成を有する。
【0047】
具体的には、収容容器20は、略直方体形状を有し、一側面21、他側面22、上面23、下面24、一端面25および他端面26を有する。以下の説明では、
図2の収容容器10の例と同様に、一端面25およびその周辺部分を収容容器20の前部とし、他端面26およびその周辺部分を収容容器20の後部とする。また、収容容器20の内部から収容容器20の前部を向く方向を収容容器20の前方とし、収容容器20の内部から収容容器20の後部を向く方向を収容容器20の後方とする。
【0048】
収容容器20においては、その内部に収容される流体関連機器に接続される配管を収容容器20の外部に引き出すための複数(本例では5個)の配管孔22hが形成されている。他側面22の前端部近傍で上下方向に並ぶように5つの配管孔22hが形成されている。配管孔22hは、収容容器10の配管孔11hと同じ形状を有する。
【0049】
ここで、
図2および
図3に示すように、収容容器10の長さd1と収容容器20の長さd3とは等しいかまたはほぼ等しい。一方、本実施の形態においては、収容容器10の幅w1と収容容器20の幅w3とは、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0050】
さらに、本実施の形態においては、収容容器20の高さh3は収容容器10の高さh1のn(nは2以上の自然数)倍である。
図4の例では、収容容器20の高さh3は収容容器10の高さh1の5倍である。
【0051】
収容容器20の他側面22においては、収容容器10の高さh1毎に一の配管孔22hが形成されている。
図4に一点鎖線で示すように、他側面22を上下方向にn個(
図4の例では5個)に分割した場合、他側面22の各部分における配管孔22hの位置は、収容容器10の一側面11に形成された配管孔11hの位置に対応する。
【0052】
この場合、複数の収容容器10の一側面11と収容容器20の他側面22とが対向するように、積層されたn個の収容容器10と収容容器20とが水平方向に隣り合って配置されると、n個の収容容器10の各配管孔11hと収容容器20の各配管孔22hとは、少なくとも一部が互いに対向する。それにより、互いに対向する配管孔11h,22hを通過するように配管を設けることができる。
【0053】
図1の液体クロマトグラフ1では、カラムオーブンユニット6は、他のユニットの一側方に配置されるが、他のユニットの他側方には配置されない。そのため、
図4の収容容器20においては、他のユニットに対向することになる他側面22にのみ複数の配管孔22hが形成されている。この場合、収容容器20の内部では、一側面21に近接して上下方向に延びるように後述する加熱装置6B(
図5)を設けることができる。また、収容容器20の一側面21、上面23および下面24に不要な配管孔が形成されないことにより、収容容器20における断熱性能の低下が抑制される。
【0054】
このように、比較的大きい複数の外面を有する収容容器においては、各外面について、予め定められた配置および当該収容容器が収容する機器に応じて配管孔の位置および数が適宜設定されることが好ましい。
【0055】
[3]配管の接続
図5は、
図1の液体クロマトグラフ1における配管の接続例を示す模式図である。
図5では、配管の接続例の理解を容易にするために、複数のユニットが互いに離間された状態で示される。また、
図1の液体クロマトグラフ1においては、制御ユニット2は流体関連機器を含まない。制御ユニット2は、収容容器10内にCPUおよびメモリが実装された基板ならびに電源回路等が収容された構成を有する。そのため、制御ユニット2に配管は接続されない。そこで、
図5では、
図1の液体クロマトグラフ1のうち制御ユニット2の図示を省略している。
【0056】
送液ユニット3においては、移動相容器T1に貯留された移動相をカラムに供給するためのポンプ装置3Bが流体関連機器として収容容器10内に収容される。オートサンプラユニット4においては、液体試料を移動相に注入するための注入装置4Bが流体関連機器として収容容器40内に収容される。検出ユニット5においては、液体試料の各成分を検出する検出装置5Bが流体関連機器として収容容器10内に収容される。カラムオーブンユニット6においては、カラムを含みかつ当該カラム周辺の温度を調整する加熱装置6Bが流体関連機器として収容容器20内に収容される。
【0057】
図5に示すように、送液ユニット3のポンプ装置3Bには、2つの配管pa,pbが接続される。配管paは、
図1の移動相容器T1から移動相を吸引するために用いられる。配管paは、カラムオーブンユニット6とは反対側の送液ユニット3の側方から配管孔12hを通して送液ユニット3の収容容器10内に引き込まれる。配管pbは、移動相容器T1から吸引した移動相をオートサンプラユニット4に供給するために用いられる。配管pbは、送液ユニット3の収容容器10内から配管孔14hを通して送液ユニット3の下方に引き出される。
【0058】
オートサンプラユニット4の注入装置4Bには、2つの配管pb,pcが接続される。配管pbは、配管孔43hを通して送液ユニット3からオートサンプラユニット4の収容容器40内に引き込まれる。配管pcは、注入装置4Bにより液体試料が注入された移動相をカラムオーブンユニット6に供給するために用いられる。配管pcは、オートサンプラユニット4の収容容器40内から配管孔41hを通してカラムオーブンユニット6に向くオートサンプラユニット4の側方に引き出される。
【0059】
カラムオーブンユニット6の加熱装置6Bに設けられるカラムには、2つの配管pc,pdが接続される。配管pcは、下から2番目の配管孔22hを通してオートサンプラユニット4からカラムオーブンユニット6の収容容器20内に引き込まれる。配管pdは、カラムにおいて分離された各成分を検出ユニット5に供給するために用いられる。配管pdは、カラムオーブンユニット6の収容容器20内から最下部に位置する配管孔22hを通して検出ユニット5に向くカラムオーブンユニット6の側方に引き出される。
【0060】
検出ユニット5の検出装置5Bには、2つの配管pd,peが接続される。配管pdは、配管孔11hを通してカラムオーブンユニット6から検出ユニット5の収容容器10内に引き込まれる。配管peは、不要な移動相を廃液容器T2に廃棄するために用いられる。配管peは、検出ユニット5の収容容器10内から配管孔12hを通してカラムオーブンユニット6とは反対側の検出ユニット5の側方に引き出される。
【0061】
図5では、複数のユニットが互いに大きく離間された状態で示されているが、実際には各ユニット間の距離は極めて小さい。そのため、複数のユニット間に設けられる配管pb,pc,pdは、実際には収容容器10,20,40からほとんど露出しない。
【0062】
[4]収容容器10の具体的な構成
収容容器10の具体的な構成の一例を説明する。
図6は、
図1の送液ユニット3の外観斜視図である。
図6に示すように、送液ユニット3は、収容容器10の内部に複数(本例では2つ)のポンプ装置3Bおよび図示しない電源回路等が収容された構成を有する。
【0063】
2つのポンプ装置3Bの各々は、1つのポンプボディPBに、図示しない1つの駆動モータと2つのポンプヘッドPHとが組付けられた構成を有する。各ポンプ装置3Bにおいて、2つのポンプヘッドPH内には図示しない2つのプランジャがそれぞれ設けられている。駆動モータは、図示しない電源回路から電力を受けることにより2つのポンプヘッドPH内の2つのプランジャを駆動する(ダブルプランジャ方式)。それにより各プランジャがポンプヘッドPH内を往復動する。
【0064】
本例の収容容器10は、筐体110および両開き扉120を含む。筐体110は、一方側壁部111、他方側壁部112、上壁部113、下壁部114、および端面壁部116を含む。上壁部113および下壁部114は上下方向において互いに対向する。一方側壁部111および他方側壁部112は水平方向において互いに対向する。端面壁部116は、一方側壁部111、他方側壁部112、上壁部113、下壁部114に直交するとともに一方側壁部111、他方側壁部112、上壁部113、下壁部114を接続する。端面壁部116は、
図2の他端面16を構成する。
【0065】
筐体110は、端面壁部116に対向する部分に開口OPを有する。両開き扉120は、扉120A,120Bを含む。扉120Aは、開口OPのうち一方側壁部111から開口OPの略中央部までの領域を閉塞および開放するように、扉取付具90Aにより一方側壁部111に設けられる。扉120Bは、開口OPのうち他方側壁部112から開口OPの略中央部までの領域を閉塞および開放するように、扉取付具90Bにより他方側壁部112に設けられる。
【0066】
扉120A,120Bは、それぞれ蓋部310A,310B、上壁部320A,320Bおよび下壁部330A,330Bを有する。蓋部310A,310Bは、両開き扉120の閉塞時に筐体110の開口OPを覆うようにかつ端面壁部116に対向するように形成される。蓋部310A,310Bは、
図2の一端面15を構成する。
【0067】
上壁部320A,320Bは、両開き扉120の閉塞時に筐体110の上壁部113を水平方向に延長するように形成される。筐体110の上壁部113および両開き扉120の上壁部320A,320Bは、
図2の上面13を構成する。
【0068】
下壁部330A,330Bは、両開き扉120の閉塞時に筐体110の下壁部114を水平方向に延長するように形成される。筐体110の下壁部114および両開き扉120の下壁部330A,330Bは、
図2の下面14を構成する。
【0069】
扉取付具90Aは、筐体110の一方側壁部111を水平方向に延長するように設けられる固定部材である。筐体110の一方側壁部111および扉取付具90Aは、
図2の一側面11を構成する。扉取付具90Bは、筐体110の他方側壁部112を水平方向に延長するように設けられる固定部材である。筐体110の他方側壁部112および扉取付具90Bは、
図2の他側面12を構成する。
【0070】
ポンプ装置3Bは、収容容器10の内部で2つのポンプヘッドPHが収容容器10の前部に位置し、ポンプボディPBが2つのポンプヘッドPHよりも収容容器10の後部に位置するように配置される。それにより、両開き扉120の閉塞時に、各ポンプヘッドPHは両開き扉120の内面に近接する。
【0071】
図6の収容容器10においては、扉取付具90A,90Bに配管孔11h,12hがそれぞれ形成されている。また、扉120Aの上壁部320Aおよび下壁部330Aに配管孔13h,14hがそれぞれ形成されている。
【0072】
図7は、
図6の扉取付具90Aおよびその周辺部材を示す斜視図である。
図7に示すように、筐体110の一方側壁部111の前端部に略長板形状を有する扉取付具90Aが固定されている。本例では、扉取付具90Aは、金属製の単一部材であるが、樹脂製の単一部材であってもよい。
【0073】
扉取付具90Aの上端部近傍および下端部近傍には、それぞれヒンジ取付部93が設けられている。各ヒンジ取付部93は開口OPの前方の空間に延びるように形成されている。上下のヒンジ取付部93に、上下方向に延びる回動軸線LAの周りで回動可能となるように、図示しないヒンジを介して扉120Aが取り付けられている。扉取付具90Aにおいて、配管孔11hは、上下方向における当該扉取付具90Aの中央部よりもやや下方の位置に形成されている。
【0074】
図6の扉取付具90Bは、収容容器10の中心を通って前後方向に延びる仮想鉛直面を基準として
図7の扉取付具90Aに対称な構造を有する。扉取付具90Bにおいて、配管孔12hは、上下方向における当該扉取付具90Bの中央部よりもやや下方の位置に形成されている。
【0075】
図7に太い点線で示すように、収容容器10には、配管孔11h,12hを閉塞するように扉取付具90A,90Bに取り付け可能かつ配管孔11h,12hを開放するように扉取付具90A,90Bから取り外し可能に構成された蓋部材LMが設けられてもよい。この場合、例えば配管孔11h,12hに配管を通す必要がない場合に、当該配管孔11h,12hを蓋部材LMにより塞ぐことができる。
【0076】
なお、蓋部材LMは、
図3の収容容器40の配管孔41hおよび
図4の収容容器20の配管孔22hを閉塞するように収容容器40の一側面41および収容容器20の他側面22に取り付け可能かつ配管孔41h,22hを開放するように一側面41および他側面22から取り外し可能にさらに構成されてもよい。
【0077】
扉120Aの上壁部320Aおよび下壁部330Aの各々には、回動軸線LAの近傍に位置するように切り欠き329が形成されている。扉120Aが閉塞されることにより、扉120Aの上壁部320Aの切り欠き329と上壁部113の前縁とで
図6の配管孔13hが形成される。また、扉120Aが閉塞されることにより、扉120Aの下壁部330Aの切り欠き329と下壁部114の前縁とで
図6の配管孔14hが形成される。
【0078】
上記の構成によれば、使用者は、両開き扉120を開くことによりポンプ装置3Bのメンテナンスを行うことができる。また、両開き扉120の近傍に配管孔11h,12h,13h,14hが設けられるので、使用者は、両開き扉120を開くことにより配管孔11h,12h,13h,14hを通過する配管の交換等を容易に行うことができる。
【0079】
また、上記の構成においては、扉取付具90Aは、筐体110に対して固定的に設けられ、扉120Aの開閉時に動作しない。この場合、配管孔11hは扉取付具90Aに形成されているので、扉120Aの開閉時に配管孔11hを通過する配管が扉120Aと干渉することが抑制される。したがって、配管による扉120Aの操作性の低下が抑制される。
【0080】
[5]配管保持部
図6の収容容器10には、配管保持部が設けられてもよい。
図8は、
図6の収容容器10に設けられる配管保持部の一例を示す図である。
図8では両開き扉120の開放時の
図6の送液ユニット3の正面図が示される。
図8に示すように、本例の配管保持部140は、上壁部113の前縁に設けられ、1または複数の配管ptを保持可能かつ解放可能に構成される。
【0081】
配管保持部140は、扉120Aの閉塞時に形成される
図6の配管孔13hの近傍に配置されることが好ましい。また、配管保持部140は、収容容器10の外部から配管孔13hを見た場合に、当該配管孔13hに重なるように配置されることがより好ましい。この場合、扉120Aの開放時においても、収容容器10内の配管ptが扉120Aの閉塞時に形成される配管孔13hの位置に保持される。それにより、扉120Aの閉塞時に、配管ptが扉120Aと上壁部113との間で挟み込まれることが防止される。
【0082】
図8の例においては、扉120Aの閉塞時に配管孔14hの近傍に位置するように、下壁部114の前縁にさらに別の配管保持部140が設けられてもよい。
【0083】
[6]液体クロマトグラフ1のレイアウト変更およびユニットの追加
上記のように、本実施の形態に係る液体クロマトグラフ1を構成する複数のユニットの各々には、少なくとも1つの外面に少なくとも1つの配管孔が形成された収容容器が用いられる。この場合、各ユニットに用いられる収容容器によっては、液体クロマトグラフ1の複数のユニットのレイアウトを変更する際に、レイアウトの変更の前後で、互いに隣り合う各2つのユニット間で配管を通すための互いに対向する2つの配管孔を確保することができる。
【0084】
また、各ユニットに用いられる収容容器によっては、液体クロマトグラフ1の複数のユニットのレイアウトを変更する際に、レイアウトの変更の前後で、互いに隣り合う2つのユニット間で配管を通すための互いに対向する2つの配管孔を確保することができる。
【0085】
また、各ユニットに用いられる収容容器によっては、液体クロマトグラフ1に追加のユニットを設ける際に、当該ユニットの追加の前後で、互いに隣り合う2つのユニット間で配管を通すための互いに対向する2つの配管孔を確保することができる。
【0086】
図9は、
図1の液体クロマトグラフ1に追加の送液ユニットが設けられた例を示す図である。
図9の例では、
図1の液体クロマトグラフ1に送液ユニット7が追加されている。送液ユニット7は、検出ユニット5の下方に位置する。
【0087】
この場合、互いに隣り合う検出ユニット5と送液ユニット7との間で、検出ユニット5の配管孔14h(
図2)と送液ユニット7の配管孔13h(
図2)とが対向する。それにより、検出ユニット5と送液ユニット7との間で、互いに対向する配管孔13h,14hを通過するように配管を設けることができる。
【0088】
また、互いに隣り合う送液ユニット7とカラムオーブンユニット6との間で、送液ユニット7の配管孔11h(
図2)とカラムオーブンユニット6の最下部の配管孔22h(
図4)とが対向する。それにより、送液ユニット7とカラムオーブンユニット6との間で、互いに対向する配管孔11h,22hを通過するように配管を設けることができる。
【0089】
[7]効果
上記のように、互いに隣り合う2つのユニットに設けられる2つの流体関連機器の間に接続される配管は、2つのユニットに用いられる2つの収容容器の互いに対向する配管孔を通過するように設けられる。この場合、隣り合う2つのユニットの間で配管の大部分が露出することが防止される。また、互いに隣り合う2つのユニットの間に設けられる配管は、当該2つのユニットの互いに対向する外面を迂回しない。したがって、互いに隣り合う2つのユニット間に設けられる配管の長さを短くすることができるので、配管において発生する圧力損失を低減することができる。
【0090】
[8]他の実施の形態
(a)上記実施の形態においては、流体クロマトグラフの一例として液体クロマトグラフを説明したが、本発明はこれに限定されない。収容容器10または収容容器20を備える各ユニットの構成は、液体クロマトグラフに限らず、超臨界流体クロマトグラフの各種ユニットの構成にも適用することができる。この場合においても、上記実施の形態の例と同様の効果を得ることができる。
【0091】
(b)上記実施の形態においては、
図3の収容容器40の他側面42には配管孔が形成されていないが、他側面42において一側面42の配管孔41hに対応する位置に配管孔が形成されていてもよい。また、収容容器40の下面44にも配管孔が形成されていないが、下面44において上面43の配管孔43hに対応する位置に配管孔が形成されていてもよい。
【0092】
さらに、上記実施の形態においては、
図4の収容容器20の一側面22には配管孔が形成されていないが、一側面22において他側面22の複数の配管孔22hに対応する位置に複数の配管孔が形成されていてもよい。
【0093】
(c)
図2の収容容器10においては、一側面11、他側面12、上面13および下面14にそれぞれ1の配管孔11h,12h,13h,14hが形成されているが、一側面11、他側面12、上面13および下面14の各々には2以上の複数の配管孔が形成されてもよい。
図3の収容容器40においては、一側面41、上面43および一端面45にそれぞれ1の配管孔41h,43h,45hが形成されているが、一側面41、上面43および一端面45の各々には2以上の複数の配管孔が形成されてもよい。
【0094】
(d)
図6の例では、扉取付具90A,90Bに配管孔11h,12hが形成されているが、配管孔11h,12hは筐体110の一方側壁部111および他方側壁部112にそれぞれ形成されてもよい。
【0095】
また、
図6の例では、扉120Aの上壁部320Aと筐体110の上壁部113とで配管孔13hが形成されているが、配管孔13hは筐体110の上壁部113に形成されてもよい。さらに、
図6の例では、扉120Aの下壁部330Aと筐体110の下壁部114とで配管孔14hが形成されているが、配管孔14hは筐体110の下壁部114に形成されてもよい。
【0096】
(e)
図2の例では、収容容器20の高さh2は、収容容器10の高さh1のn倍であるが本発明はこれに限定されない。収容容器20の高さh2は、収容容器10の高さh1の整数倍でなくてもよい。
【0097】
(f)上記実施の形態に係る送液ユニット3は、収容容器10内に2つのポンプ装置3Bが収容された構成を有するが、送液ユニット3の構成は上記の例に限定されない。例えば、送液ユニット3は、収容容器10内に1つのポンプ装置3Bのみが収容された構成を有してもよい。この場合、収容容器10内に1つのポンプ装置3Bのみが収容された送液ユニット3が、
図1および
図9の液体クロマトグラフ1に用いられてもよい。あるいは、収容容器10内に上記のポンプ装置3Bとは異なる構成を有する液供給装置が収容された送液装置が、
図1および
図9の液体クロマトグラフ1に用いられてもよい。この場合、液供給装置は、例えばギアポンプ、ベーンポンプまたはダイヤフラムポンプ等のプランジャポンプとは異なる形式のポンプを含んでもよい。
【0098】
[9]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
(a)以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、下記の例の他、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【0099】
(b)上記実施の形態においては、ポンプ装置3B、注入装置4B、検出装置5Bおよび加熱装置6Bが複数の流体関連機器の例であり、収容容器10,20,40が複数の収容容器の例であり、配管pb,pc,pdが少なくとも1つの配管の例であり、両開き扉120が扉の例であり、扉取付具90A,90Bが取付部材の例であり、蓋部材LMが第1および第2の蓋部材の例である。
【0100】
(c)ポンプ装置3Bおよび注入装置4Bは、例えば第1および第2の流体関連機器にそれぞれ対応する。
【0101】
この場合、送液ユニット3の収容容器10が第1の収容容器の例であり、オートサンプラユニット4の収容容器40が第2の収容容器の例であり、配管pbが第1の配管の例である。また、送液ユニット3の下面14が第1の外面の例であり、オートサンプラユニット4の上面43が第2の外面の例であり、送液ユニット3の配管孔14hが第1の配管孔の例であり、オートサンプラユニット4の配管孔43hが第2の配管孔の例である。さらに、送液ユニット3の上面13が第3の外面の例であり、オートサンプラユニット4の下面44が第4の外面の例である。
【0102】
(d)注入装置4B、加熱装置6Bおよび検出装置5Bは、例えば第1、第2および第3の流体関連機器にそれぞれ対応する。
【0103】
この場合、オートサンプラユニット4の収容容器40が第1の収容容器の例であり、カラムオーブンユニット6の収容容器20が第2の収容容器の例であり、配管pcが第1の配管の例である。
【0104】
また、オートサンプラユニット4の一側面41が第1の外面の例であり、カラムオーブンユニット6の他側面22が第2の外面の例であり、オートサンプラユニット4の配管孔41hが第1の配管孔の例であり、カラムオーブンユニット6の下から2番目の配管孔22hが第2の配管孔の例である。さらに、オートサンプラユニット4の他側面42が第3の外面の例であり、カラムオーブンユニット6の一側面21が第4の外面の例である。
【0105】
さらに、検出ユニット5の収容容器10が第3の収容容器の例であり、配管pdが第2の配管の例であり、検出ユニット5の一側面11が第5の外面の例であり、検出ユニット5の配管孔11hが第5の配管孔の例であり、カラムオーブンユニット6の最下部の配管孔22hが第6の配管孔の例である。
【0106】
(e)検出装置5B、加熱装置6Bおよび注入装置4Bは、例えば第1、第2および第3の流体関連機器にそれぞれ対応する。
【0107】
この場合、検出ユニット5の収容容器10が第1の収容容器の例であり、カラムオーブンユニット6の収容容器20が第2の収容容器の例であり、配管pdが第1の配管の例である。
【0108】
また、検出ユニット5の一側面11が第1の外面の例であり、カラムオーブンユニット6の他側面22が第2の外面の例であり、検出ユニット5の配管孔11hが第1の配管孔の例であり、カラムオーブンユニット6の最下部の配管孔22hが第2の配管孔の例である。さらに、検出ユニット5の他側面12が第3の外面の例であり、カラムオーブンユニット6の一側面21が第4の外面の例である。
【0109】
さらに、オートサンプラユニット4の収容容器40が第3の収容容器の例であり、配管pcが第2の配管の例であり、オートサンプラユニット4の一側面41が第5の外面の例であり、オートサンプラユニット4の配管孔41hが第5の配管孔の例であり、カラムオーブンユニット6の下から2番目の配管孔22hが第6の配管孔の例である。