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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】X線位相イメージング装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/041 20180101AFI20220105BHJP
【FI】
G01N23/041
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020538172
(86)(22)【出願日】2019-05-07
(86)【国際出願番号】 JP2019018282
(87)【国際公開番号】W WO2020039660
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2020-10-21
(31)【優先権主張番号】P 2018157787
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】白井 太郎
(72)【発明者】
【氏名】木村 健士
(72)【発明者】
【氏名】土岐 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】森本 直樹
【審査官】佐藤 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-118074(JP,A)
【文献】特開2017-205138(JP,A)
【文献】特表2017-524139(JP,A)
【文献】国際公開第2016/207423(WO,A1)
【文献】M. Bech et al.,Quantitative x-ray dark-field computed tomography,Physics in Medicine and Biology,55(2010),2010年,Pages 5529-5539, DOI: 10.1088/0031-9155/55/18/017
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC
A61B 6/00-A61B 6/14,
G01N 23/00-G01N 23/2276
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源と、
前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
前記X線源と前記検出器との間に配置され、前記X線源から前記X線が照射される第1格子と、前記第1格子と前記検出器との間に配置され、前記第1の格子からのX線が照射される第2格子と、を含む複数の格子と、
被写体と、前記X線源と前記検出器と前記複数の格子とによって構成される撮像系とを相対的に回転させる回転機構と、
前記回転機構により回転された場合における複数の回転角度の各々において、前記検出器により検出されたX線の強度分布に基づいて、X線の散乱に起因する暗視野像を生成する画像処理部とを備え、
前記画像処理部は、前記複数の回転角度の各々に対応する複数の前記暗視野像を再構成する場合に、各々の前記暗視野像におけるX線の散乱の度合いを揃える制御を行うように構成されている、X線位相イメージング装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、前記複数の回転角度の各々に対応する前記複数の暗視野像を再構成する場合に、前記複数の暗視野像の各々において各画素におけるX線の散乱係数の合計値を、前記複数の回転角度に対応する前記複数の暗視野像間で略均一にする制御を行うように構成されている、請求項1に記載のX線位相イメージング装置。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記被写体が設けられている場合の鮮明度を前記被写体が設けられていない場合の鮮明度で除算した値の各画素における対数値としての前記X線の散乱係数の合計値を、前記複数の回転角度に対応する前記複数の暗視野像間で略均一にする制御を行うように構成されている、請求項2に記載のX線位相イメージング装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、前記対数値の合計値を、前記複数の回転角度に対応する前記複数の暗視野像間で略均一にするように補正を行うように構成されている、請求項3に記載のX線位相イメージング装置。
【請求項5】
前記画像処理部は、補正前の各画素における前記対数値を、補正前の各画素における前記対数値の合計値により除算するとともに所定の正規化係数で乗算することにより補正を行うように構成されている、請求項4に記載のX線位相イメージング装置。
【請求項6】
前記正規化係数は、前記複数の回転角度に対応する前記複数の暗視野像の各々における前記対数値の合計値の平均値である、請求項5に記載のX線位相イメージング装置。
【請求項7】
前記正規化係数は、予め設定されている固定値である、請求項5に記載のX線位相イメージング装置。
【請求項8】
前記画像処理部は、補正後の各画素における前記対数値を指数値に変換し、変換された各画素における前記指数値に基づいて、前記複数の回転角度に対応する前記複数の暗視野像を生成するように構成されている、請求項4に記載のX線位相イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線位相イメージング装置に関し、特に、暗視野像を生成する画像処理部を備えるX線位相イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、暗視野像を生成する画像処理部を備えるX線位相イメージング装置が知られている。このようなX線位相イメージング装置は、たとえば、M Bech, et al., “Quantitative x-ray dark-field computed tomography” PHYSICS IN MEDICINE AND BIOLOGY 55(2010) P.5529-P.5539に開示されている。
【0003】
上記M Bech, et al., “Quantitative x-ray dark-field computed tomography” PHYSICS IN MEDICINE AND BIOLOGY 55(2010) P.5529-P.5539のX線イメージング装置は、位相格子と、検出器と、画像処理装置とを備えている。X線源からのX線は、被写体により散乱され、位相格子を通過して検出器に照射される。検出器により検出されるX線の干渉強度に基づいて、画像処理装置により暗視野像が生成される。また、被写体が360度回転された場合における各々の回転角度において生成された暗視野像を用いて画像の再構成が行われる。
【0004】
上記M Bech, et al., “Quantitative x-ray dark-field computed tomography” PHYSICS IN MEDICINE AND BIOLOGY 55(2010) P.5529-P.5539に記載されているような従来のX線イメージング装置では、X線の散乱が十分微小である場合、X線の干渉強度は散乱体の透過長に対して指数関数的に減衰すると近似することが可能である。この場合、一般的な再構成法(たとえば、FBP(Filtered Back Projection))により再構成を適切に行うことが可能である。なお、FBPとは、投影データを補正して逆投影する方法である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】M Bech, et al., “Quantitative x-ray dark-field computed tomography” PHYSICS IN MEDICINE AND BIOLOGY 55(2010) P.5529-P.5539
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記M Bech, et al., “Quantitative x-ray dark-field computed tomography” PHYSICS IN MEDICINE AND BIOLOGY 55(2010) P.5529-P.5539には明記されていないが、上記M Bech, et al., “Quantitative x-ray dark-field computed tomography” PHYSICS IN MEDICINE AND BIOLOGY 55(2010) P.5529-P.5539に記載されているような従来のX線イメージング装置では、被写体の向きとX線の向きとの関係が回転角度によって変化するために、各回転角度間で暗視野像における散乱度合いが不均一になる場合がある。また、散乱度合いが不均一な複数の暗視野像を用いて暗視野像の再構成を行う場合、再構成後の暗視野像においてアーチファクト(ノイズ)等が発生する場合があるという不都合がある。この場合、再構成された被写体の像が不鮮明になるという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、散乱度合いが不均一な複数の暗視野像を用いて暗視野像の再構成を行うことに起因して、再構成された被写体の像が不鮮明になるのを抑制することが可能なX線位相イメージング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるX線位相イメージング装置は、X線源と、X線源から照射されたX線を検出する検出器と、X線源と検出器との間に配置され、X線源からX線が照射される第1格子と、第1格子と検出器との間に配置され、第1の格子からのX線が照射される第2格子と、を含む複数の格子と、被写体と、X線源と検出器と複数の格子とによって構成される撮像系とを相対的に回転させる回転機構と、回転機構により回転された場合における複数の回転角度の各々において、検出器により検出されたX線の強度分布に基づいて、X線の散乱に起因する暗視野像を生成する画像処理部とを備え、画像処理部は、複数の回転角度の各々に対応する複数の暗視野像を再構成する場合に、各々の暗視野像におけるX線の散乱の度合いを揃える制御を行うように構成されている。
【0009】
ここで、散乱度合いが不均一な複数の暗視野像を再構成する場合、再構成後の暗視野像においてアーチファクト(ノイズ)等が発生する場合があるということが一般的に知られている。したがって、この発明の一の局面におけるX線位相イメージング装置では、上記のように、各々の暗視野像におけるX線の散乱の度合いが揃えられることによって、再構成後の暗視野像においてアーチファクト(ノイズ)等が発生するのを抑制することができる。その結果、散乱度合いが不均一な複数の暗視野像を用いて暗視野像の再構成を行うことに起因して、再構成された被写体の像が不鮮明になるのを抑制することができる。
【0010】
上記一の局面におけるX線位相イメージング装置において、好ましくは、画像処理部は、複数の回転角度の各々に対応する複数の暗視野像を再構成する場合に、複数の暗視野像の各々において各画素におけるX線の散乱係数の合計値を、複数の回転角度に対応する複数の暗視野像間で略均一にする制御を行うように構成されている。ここで、暗視野像の散乱度合いは、各画素における散乱係数の合計値に依存するので、各画素におけるX線の散乱係数の合計値を、複数の回転角度に対応する複数の暗視野像間で略均一にすることによって、各々の暗視野像におけるX線の散乱の度合いを容易に揃えることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、画像処理部は、被写体が設けられている場合の鮮明度を被写体が設けられていない場合の鮮明度で除算した値の各画素における対数値としてのX線の散乱係数の合計値を、複数の回転角度に対応する複数の暗視野像間で略均一にする制御を行うように構成されている。このように構成すれば、各画素における上記対数値を算出することによって、各画素におけるX線の散乱係数の合計値を複数の暗視野像間で容易に略均一にすることができる。
【0012】
上記対数値の合計値を複数の暗視野像間で略均一にするX線位相イメージング装置において、好ましくは、画像処理部は、対数値の合計値を、複数の回転角度に対応する複数の暗視野像間で略均一にするように補正を行うように構成されている。このように構成すれば、暗視野像の取得後に補正を行うだけで、対数値の合計値を複数の暗視野像間で略均一にする制御を行うことができる。その結果、暗視野像の取得前に撮像条件等を調整して対数値の合計値の均一化を行う場合に比べて、対数値の合計値を複数の暗視野像間で比較的容易に略均一にすることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、画像処理部は、補正前の各画素における対数値を、補正前の各画素における対数値の合計値により除算するとともに所定の正規化係数で乗算することにより補正を行うように構成されている。このように構成すれば、補正後の各画素における対数値を合計した値は、所定の正規化係数の値になる。したがって、補正後の複数の暗視野像間において、各画素における対数値の合計値がばらつくのを防止することができる。
【0014】
上記正規化係数を用いて補正を行うX線位相イメージング装置において、好ましくは、正規化係数は、複数の回転角度に対応する複数の暗視野像の各々における対数値の合計値の平均値である。このように構成すれば、複数の暗視野像の各々における対数値の合計値の補正量が過度に大きくなるのを抑制しながら、対数値の合計値を複数の暗視野像間で略均一にすることができる。その結果、対数値の合計値を複数の暗視野像間で略均一にする制御において、複数の暗視野像の各々におけるX線の散乱の度合い(散乱係数)が不適切な値(補正前の値とかけ離れた値)になるのを抑制することができる。これにより、互いに異なる被写体の、暗視野像におけるX線の散乱の度合い(散乱係数)を比較する場合に、適切な比較を行うことができる。
【0015】
上記正規化係数を用いて補正を行うX線位相イメージング装置において、好ましくは、正規化係数は、予め設定されている固定値である。このように構成すれば、正規化係数を演算により算出する場合に比べて、画像処理部の制御負荷を軽減することができる。
【0016】
上記対数値の合計値を複数の暗視野像間で略均一にするように補正を行うX線位相イメージング装置において、好ましくは、画像処理部は、補正後の各画素における対数値を指数値に変換し、変換された各画素における指数値に基づいて、複数の回転角度に対応する複数の暗視野像を生成するように構成されている。このように構成すれば、補正のために暗視野像を対数値に変換していた状態から、各画素の補正された対数値を指数値に変換することによって暗視野像の状態に戻すことができる。その結果、補正された暗視野像を生成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、散乱度合いが不均一な複数の暗視野像を用いて暗視野像の再構成を行うことに起因して、再構成された被写体の像が不鮮明になるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態によるX線位相イメージング装置の構成を示した図である。
図2】一実施形態によるX線位相イメージング装置により撮影される被写体を示した図である。
図3】一実施形態によるX線位相イメージング装置において被写体をX線源側から見た図である。
図4】画像処理部により生成された暗視野像を示した図である。(図4(A)は、画像処理部による補正が行われていない場合の比較例の暗視野像の図である。図4(B)は、画像処理部による補正が行われている場合の本実施形態の暗視野像の図である。)
図5】一実施形態によるX線位相イメージング装置の画像処理部における制御を示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[本実施形態]
図1図5を参照して、本実施形態によるX線位相イメージング装置100の構成について説明する。
【0021】
(X線イメージング装置の構成)
図1に示すように、X線位相イメージング装置100は、被写体Tを通過したX線の拡散(散乱)を利用して、被写体Tの暗視野像を生成する。具体的には、X線位相イメージング装置100は、タルボ(Talbot)効果を利用して、被写体Tの暗視野像を生成する。X線位相イメージング装置100は、たとえば、非破壊検査用途では、物体の内部の画像化に用いることが可能である。
【0022】
被写体Tは、内部に繊維束10(図2参照)を含む。被写体Tは、たとえば、繊維束10として炭素繊維が用いられ、母材として樹脂11(図2参照)が用いられる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)である。なお、繊維束とは、繊維が多数集まって束状になったものである。本実施形態では、繊維束10は、多数の繊維によって板状に形成されたものである。
【0023】
図1は、X線位相イメージング装置100をX方向から見た図である。図1に示すように、X線位相イメージング装置100は、X線源1と、第1格子2と、第2格子3と、第3格子4と、検出器5と、画像処理部6と、制御部7と、回転機構8と、格子移動機構9とを備えている。なお、本明細書において、X線源1から第1格子2に向かう方向をZ2方向、その逆向きの方向をZ1方向とする。また、Z方向と直交する面内の左右方向をX方向とし、紙面の奥に向かう方向をX2方向、紙面の手前側に向かう方向をX1方向とする。また、Z方向と直交する面内の上下方向をY方向とし、上方向をY1方向、下方向をY2方向とする。
【0024】
X線源1は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させるとともに、発生されたX線をZ2方向に向けて照射するように構成されている。
【0025】
第1格子2は、Y方向に所定の周期(ピッチ)d1で配列される複数のスリット2a、および、X線位相変化部2bを有している。各スリット2aおよびX線位相変化部2bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各スリット2aおよびX線位相変化部2bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第1格子2は、いわゆる位相格子である。
【0026】
第1格子2は、X線源1と、第2格子3との間に配置されており、X線源1からX線が照射される。第1格子2は、タルボ効果により、第1格子2の自己像(図示せず)を形成するために設けられている。なお、可干渉性を有するX線が、スリットが形成された格子を通過すると、格子から所定の距離(タルボ距離)離れた位置に、格子の像(自己像)が形成される。これをタルボ効果という。
【0027】
第2格子3は、Y方向に所定の周期(ピッチ)d2で配列される複数のX線透過部3aおよびX線吸収部3bを有する。X線吸収部3bは、X線位相変化部2bが延びる方向に沿って延びている。各X線透過部3aおよびX線吸収部3bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各X線透過部3aおよびX線吸収部3bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第2格子3は、いわゆる、吸収格子である。第1格子2、第2格子3はそれぞれ異なる役割を持つ格子であるが、スリット2aおよびX線透過部3aはそれぞれX線を透過させる。また、X線吸収部3bはX線を遮蔽する役割を担っており、X線位相変化部2bはスリット2aとの屈折率の違いによってX線の位相を変化させる。
【0028】
第2格子3は、第1格子2と検出器5との間に配置されており、第1格子2を通過したX線が照射される。また、第2格子3は、第1格子2からタルボ距離離れた位置に配置される。第2格子3は、第1格子2の自己像と干渉して、検出器5の検出表面上にモアレ縞(図示せず)を形成する。
【0029】
第3格子4は、Y方向に所定の周期(ピッチ)d3で配列される複数のX線透過部4aおよびX線吸収部4bを有する。各X線透過部4aおよびX線吸収部4bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各X線透過部4aおよびX線吸収部4bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第3格子4は、いわゆる、マルチスリットである。
【0030】
第3格子4は、X線源1と第1格子2との間に配置されている。第3格子4は、各X線透過部4aを通過したX線を線光源とすることにより、X線源1からのX線を多点光源化するように構成されている。3枚の格子(第1格子2、第2格子3、および、第3格子4)のピッチと格子間の距離とが一定の条件を満たすことにより、X線源1から照射されるX線の可干渉性を高めることが可能である。これにより、X線源1の管球の焦点サイズが大きくても干渉強度を保持できる。
【0031】
検出器5は、X線を検出するとともに、検出されたX線を電気信号に変換し、変換された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。検出器5は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器5は、複数の変換素子(図示せず)と複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、X方向およびY方向にアレイ状に配列されている。また、検出器5は、取得した画像信号を、画像処理部6に出力するように構成されている。
【0032】
画像処理部6は、検出器5から出力された画像信号に基づいて、吸収像(図示せず)を生成するように構成されている。また、画像処理部6は、検出器5により検出されたX線の強度分布に基づいて、X線の散乱に起因する暗視野像(図4参照)を生成するように構成されている。ここで、吸収像とは、被写体TによるX線の吸収の差によって生じるコントラストを画像化したものである。すなわち、吸収像とは、X線吸収による透過率を画像化したものである。また、暗視野像とは、被写体Tの内部にある微細構造によるX線の屈折(散乱)によって生じるコントラストを画像化したものである。言い換えると、暗視野像は、検出器5におけるビジビリティの低下を画像化したものであり、ビジビリティの低下は被写体Tの散乱の程度に依存する。すなわち、暗視野像は、被写体のX線散乱を画像化したものである。
【0033】
また、画像処理部6は、回転機構8を回転させながら(複数の回転角度の各々において)撮像された複数の吸収像および複数の暗視野像をそれぞれ再構成することにより、3次元吸収像(図示せず)および3次元暗視野像(図示せず)を生成する。また、画像処理部6は、たとえば、GPU(Graphics Processing Unit)や画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサを含む。
【0034】
制御部7は、回転機構8により、被写体Tと、X線源1、検出器5、および、複数の格子(第1格子2、第2格子3、および、第3格子4)によって構成される撮像系200とを相対的に回転させるように構成されている。また、制御部7は、格子移動機構9により、第1格子2を格子面内において格子方向と直交する方向にステップ移動させるように構成されている。X線位相イメージング装置100では、第1格子2を一定周期間隔に走査することにより得られた複数のモアレ縞(画像)から再構成画像を取得する手法(縞走査法)が用いられている。また、制御部7は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。
【0035】
回転機構8は、制御部7からの信号に基づいて、被写体Tと撮像系200とを相対的に回転させるように構成されている。具体的には、回転機構8は、被写体Tを軸線AR周りに回転させることにより、撮像系200に対して被写体Tを相対的に回転させるように構成されている。図1では、軸線ARが延びる方向(図1ではY方向)と、複数の格子の格子方向(図1ではX方向)とが直交している状態を図示しているが、複数の格子の格子方向は所定の方向(たとえばY方向)に変化させることが可能である。なお、格子方向とは、格子の格子パターンが延びる方向である。また、格子パターンとは、各格子のスリット2a、X線位相変化部2b、X線透過部3a、および、X線吸収部3bなどのことである。また、回転機構8は、たとえば、モータなどによって駆動される回転ステージ8aを含む。
【0036】
格子移動機構9は、制御部7からの信号に基づいて、第1格子2を格子面内(XY面内)において格子方向と直交する方向(図1ではY方向)にステップ移動させるように構成されている。具体的には、格子移動機構9は、第1格子2の周期d1をn分割し、d1/nずつ第1格子2をステップ移動させる。格子移動機構9は、少なくとも第1格子2の1周期d1分、第1格子2をステップ移動させるように構成されている。なお、nは正の整数であり、たとえば、9などである。また、格子移動機構9は、たとえば、ステッピングモータやピエゾアクチュエータなどを含む。
【0037】
ここで、画像処理部6による暗視野像の生成の方法について説明する。まず、画像処理部6は、被写体Tが設けられていない状態で撮影を行う。この際取得されたビジビリティマップをVb(x,y)とする。次に、画像処理部6は、被写体Tが設けられている状態で撮影を行う。この際取得されたビジビリティマップをV(x,y,θ)とする。なお、ビジビリティマップとは、座標(x,y)の画素におけるビジビリティ(鮮明度)を意味する。また、θは、回転機構8により制御される被写体Tと撮像系200との間の相対的な回転角度(以下、CT回転角度とする)である。この場合、CT回転角度θにおける暗視野像の投影像は、V(x,y,θ)/Vb(x,y)となる。
【0038】
また、被写体T内の散乱体が繊維状であると、被写体Tに照射されたX線は異方的に散乱する。また、CT回転角度θが変化することによって、格子面に投影される繊維配向角度が変化する。このため、格子の向きに対するX線の散乱の向きが、CT回転角度θによって異なることになる。このような場合、CT回転角度θによって、暗視野像のX線の散乱の度合いが互いに異なることになる。
【0039】
ここで、本実施形態では、画像処理部6は、複数のCT回転角度θの各々に対応する複数の暗視野像を再構成する場合に、各々の暗視野像におけるX線の散乱の度合いを揃える制御を行うように構成されている。具体的には、画像処理部6は、FBP(Filtered Back Projection)により複数の暗視野像の再構成を行う。画像処理部6は、各々の暗視野像におけるX線の散乱の度合いを揃えた状態で、FBPによる再構成を行うように構成されている。
【0040】
詳細には、画像処理部6は、複数のCT回転角度θの各々に対応する複数の暗視野像を再構成する場合に、複数の暗視野像の各々において各画素におけるX線の散乱係数の合計値を、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像間で略均一にする制御を行うように構成されている。具体的には、画像処理部6は、暗視野像のうち、回転ステージ8aの像を含まない部分の各画素におけるX線の散乱係数の合計値を算出している。すなわち、画像処理部6は、回転ステージ8aよりもY1方向側(被写体T側)の部分(図3の破線よりもY1方向側の部分)に対応する暗視野像の各画素におけるX線の散乱係数の合計値を算出する。なお、画像処理部6が合計値を算出するのに選択される画素は、上記に限られない。たとえば、画像処理部6は、暗視野像の全ての画素におけるX線の散乱係数の合計値を算出してもよい。なお、以下では、単に暗視野像の各画素と表現する。
【0041】
ここで、暗視野像の各画素におけるX線の散乱係数の値は、-log[V(x,y,θ)/Vb(x,y)](すなわちV(x,y,θ)/Vb(x,y)の対数値)となる。すなわち、本実施形態では、画像処理部6は、各画素における対数値(-log[V(x,y,θ)/Vb(x,y)])の合計値を、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像間で略均一にする制御を行うように構成されている。言い換えると、画像処理部6は、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像において、各画素における対数値(-log[V(x,y,θ)/Vb(x,y)])の合計値が互いに略等しくなるように制御を行う。
【0042】
なお、吸収像においては、各画素における対数値(log[T(x,y,θ)/Tb(x,y)])の合計値は、CT回転角度θに依らず一定である。T(x,y,θ)は、被写体Tが設けられている場合のCT回転角度θにおける各画素の透過画像である。また、Tb(x,y)は、被写体Tが設けられていない場合の各画素における透過画像である。
【0043】
また、本実施形態では、画像処理部6は、対数値(-log[V(x,y,θ)/Vb(x,y)])の合計値を、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像間で略均一にするように補正を行うように構成されている。具体的には、画像処理部6は、複数の暗視野像が生成された後に、生成された各々の暗視野像を元に補正を行うように構成されている。
【0044】
詳細には、画像処理部6は、補正前の各画素における対数値(-log[V(x,y,θ)/Vb(x,y)])を、補正前の各画素における対数値(-log[V(x,y,θ)/Vb(x,y)])の合計値により除算するとともに所定の正規化係数で乗算することにより補正を行うように構成されている。なお、以下に記載する補正後の対数値とは、各画素の補正前の対数値を上記合計値により除算するとともに所定の正規化係数で乗算した値を意味する。すなわち、CT回転角度をθ1、正規化係数をA、補正前の各画素における対数値(-log[V(x,y,θ1)/Vb(x,y)])の合計値をA1とすると、各画素における補正後の対数値は、-log[V(x,y,θ1)/Vb(x,y)]×A/A1となる。この場合、各画素における補正後の対数値の合計値は、Aとなる。すなわち、CT回転角度θによらず、各画素における補正後の対数値の合計値はAで等しくなる。
【0045】
また、本実施形態では、正規化係数は、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像の各々における対数値(-log[V(x,y,θ)/Vb(x,y)])の合計値の平均値である。具体的には、CT回転角度がθ1、θ2、θ3、・・・θnである場合における対数値の合計値が、それぞれ、A1、A2、A3、・・・Anであるとすると、正規化係数は、(A1+A2+A3+・・・An)/nとなる。なお、画像処理部6は、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像を全て生成した後に、全ての暗視野像に基づいて正規化係数を算出するとともに、算出された正規化係数を用いて補正を行う。
【0046】
また、画像処理部6は、各画素における補正後の対数値を指数値に変換し、変換された各画素における指数値に基づいて、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像を生成するように構成されている。具体的には、画像処理部6は、各画素における補正後の対数値に-1をかけた値を指数値に変換する。すなわち、CT回転角度をθ1、正規化係数をA、補正前の各画素における対数値(-log[V(x,y,θ1)/Vb(x,y)])の合計値をA1とすると、補正後の各画素における指数値は、exp{log[V(x,y,θ1)/Vb(x,y)]×A/A1}となる。
【0047】
ここで、図4を参照して、本実施形態における補正を行った場合に生成された暗視野像と、補正を行っていない場合に生成された暗視野像(比較例)とを比較する。図4(A)の比較例に示すように、補正を行っていない場合の暗視野像には、放射状のストリークアーチファクト(放射状の線)が多く見られるとともに、被写体Tの像(中央の矩形形状の像)が大きく膨らんでいることが確認された。また、図4(A)には表われていないが、背景部が極端に黒くなる箇所があることが確認された。一方、図4(B)の本実施形態の例に示すように、補正を行っている場合の暗視野像には、図4(A)の場合に比べて、放射状のストリークアーチファクトが減少しているとともに、被写体Tの像の膨らみが小さくなっていることが確認された。
【0048】
次に、図5を参照して、画像処理部6による暗視野像の再構成の制御フローを説明する。
【0049】
まず、ステップS1において、被写体Tが設けられていない状態で撮影を行う。この際、ビジビリティマップVb(x,y)が取得される。次に、ステップS2において、複数のCT回転角度θの各々において、被写体Tが設けられている状態で撮影(CT撮影)を行う。この際、各CT回転角度θにおいてビジビリティマップV(x,y,θ)が取得される。
【0050】
次に、ステップS3では、各CT回転角度θにおいて、暗視野像の投影像であるV(x,y,θ)/Vb(x,y)を算出するとともに、暗視野像の各画素における対数値-log[V(x,y,θ)/Vb(x,y)]を算出する。次に、ステップS4において、各画素における対数値-log[V(x,y,θ)/Vb(x,y)]の合計値が、複数の暗視野像間で略均一になるように補正を行う。
【0051】
次に、補正後の対数値に-1をかけた値を指数値に変換して、各画素における指数値に基づいて、各CT回転角度θにおける暗視野像の投影像を復元させる。そして、ステップS6では、ステップS5において復元された複数の暗視野像を再構成する。
【0052】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0053】
本実施形態では、上記のように、画像処理部6が、複数のCT回転角度θの各々に対応する複数の暗視野像を再構成する場合に、各々の暗視野像におけるX線の散乱の度合いを揃える制御を行うように、X線位相イメージング装置100を構成する。ここで、散乱度合いが不均一な複数の暗視野像を再構成する場合、再構成後の暗視野像においてアーチファクト(ノイズ)等が発生する場合があるということが一般的に知られている。したがって、各々の暗視野像におけるX線の散乱の度合いが揃えられることによって、再構成後の暗視野像においてアーチファクト(ノイズ)等が発生するのを抑制することができる。その結果、散乱度合いが不均一な複数の暗視野像を用いて暗視野像の再構成を行うことに起因して、再構成された被写体Tの像が不鮮明になるのを抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部6が、複数のCT回転角度θの各々に対応する複数の暗視野像を再構成する場合に、複数の暗視野像の各々において各画素におけるX線の散乱係数の合計値を、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像間で略均一にする制御を行うように、X線位相イメージング装置100を構成する。ここで、暗視野像の散乱度合いは、各画素における散乱係数の合計値に依存するので、各画素におけるX線の散乱係数の合計値を、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像間で略均一にすることによって、各々の暗視野像におけるX線の散乱の度合いを容易に揃えることができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部6が、被写体Tが設けられている場合のビジビリティ(鮮明度)を被写体Tが設けられていない場合のビジビリティ(鮮明度)で除算した値の各画素における対数値としてのX線の散乱係数の合計値を、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像間で略均一にする制御を行うように、X線位相イメージング装置100を構成する。これにより、各画素における上記対数値を算出することによって、各画素におけるX線の散乱係数の合計値を複数の暗視野像間で容易に略均一にすることができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部6が、対数値の合計値を、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像間で略均一にするように補正を行うように、X線位相イメージング装置100を構成する。これにより、暗視野像の取得後に補正を行うだけで、対数値の合計値を複数の暗視野像間で略均一にする制御を行うことができる。その結果、暗視野像の取得前に撮像条件等を調整して対数値の合計値の均一化を行う場合に比べて、対数値の合計値を複数の暗視野像間で比較的容易に略均一にすることができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部6が、補正前の各画素における対数値を、補正前の各画素における対数値の合計値により除算するとともに所定の正規化係数で乗算することにより補正を行うように、X線位相イメージング装置100を構成する。これにより、補正後の各画素における対数値を合計した値は、所定の正規化係数の値になる。したがって、補正後の複数の暗視野像間において、各画素における対数値の合計値がばらつくのを防止することができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、正規化係数が、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像の各々における対数値の合計値の平均値であるように、X線位相イメージング装置100を構成する。これにより、複数の暗視野像の各々における対数値の合計値の補正量が過度に大きくなるのを抑制しながら、対数値の合計値を複数の暗視野像間で略均一にすることができる。その結果、対数値の合計値を複数の暗視野像間で略均一にする制御において、複数の暗視野像の各々におけるX線の散乱の度合い(散乱係数)が不適切な値(補正前の値とかけ離れた値)になるのを抑制することができる。これにより、互いに異なる被写体Tの、暗視野像におけるX線の散乱の度合い(散乱係数)を比較する場合に、適切な比較を行うことができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部6が、補正後の各画素における対数値を指数値に変換し、変換された各画素における指数値に基づいて、複数のCT回転角度θに対応する複数の暗視野像を生成するように、X線位相イメージング装置100を構成する。これにより、補正のために暗視野像を対数値に変換していた状態から、各画素の補正された対数値を指数値に変換することによって暗視野像の状態に戻すことができる。その結果、補正された暗視野像を生成することができる。
【0060】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0061】
たとえば、上記実施形態では、各画素におけるX線の散乱係数(対数値)の合計値を、複数の回転角度に対応する複数の暗視野像間で略均一にすることによって、各々の暗視野像におけるX線の散乱の度合いを揃える例を示したが、本発明はこれに限られない。X線の散乱係数(対数値)以外の数値を均一化することによって、各々の暗視野像におけるX線の散乱の度合いを揃えてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、正規化係数は、複数の暗視野像の各々における対数値の合計値の平均値である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、正規化係数は、予め設定されている固定値であってもよい。この場合、正規化係数を演算により算出する場合に比べて、画像処理部6の制御負荷を軽減することができる。
【0063】
また、正規化係数は、複数のCT回転角度θの各々における対数値の合計値から、最小2乗法に基づいて算出された値であってもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、補正後の対数値を指数値に変換して再構成を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、補正後の対数値をそのまま用いて再構成を行ってもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、被写体Tを回転機構8により回転させてCT撮影を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、撮像系200を回転させてCT撮影を行ってもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、第3格子4が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。第3格子4が設けられていなくてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、縞走査法によって暗視野像を生成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1格子2、第2格子3、または、第3格子4のうちのいずれかを、X線の光軸方向に直交する平面上において回転させる手法(いわゆる、モアレ1枚撮り手法)によって、暗視野像を生成してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、第1格子2が位相格子である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1格子2は吸収格子であってもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、第1格子2を格子面内においてステップ移動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。複数の格子のうち、いずれの格子をステップ移動させてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、被写体Tとして、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を撮像する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)などを被写体として用いてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、画像処理部6の処理を「フロー駆動型」のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。画像処理部6の処理をイベント単位で実行する「イベント駆動型」により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 X線源
2 第1格子
3 第2格子
5 検出器
6 画像処理部
8 回転機構
100 X線位相イメージング装置
200 撮像系
T 被写体
θ CT回転角度(回転角度)
図1
図2
図3
図4
図5