(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】エレベーターの利用者の体重を管理する体重管理装置およびエレベーターシステム
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B66B3/00 L
(21)【出願番号】P 2020545393
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(86)【国際出願番号】 JP2020000624
(87)【国際公開番号】W WO2021140637
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】大森 陽太
(72)【発明者】
【氏名】宮野 一輝
(72)【発明者】
【氏名】村上 博行
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 智史
(72)【発明者】
【氏名】中谷 彰宏
(72)【発明者】
【氏名】上西 一輝
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105967025(CN,A)
【文献】特開2019-172396(JP,A)
【文献】国際公開第2017/195261(WO,A1)
【文献】特開2018-150123(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0185292(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-5/28;11/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を受信する受信部と、
情報を送信する送信部と、
前記受信部がエレベーターのかごの内部にいる利用者に所持された携帯端末から当該利用者に対応した識別情報と前記エレベーターに対応した識別情報とを受信した際に、前記エレベーターに向けて体重取得要求情報を前記送信部に送信させ、前記エレベーターが当該体重取得要求情報に基づいて前記かごにかかる荷重の情報を送信し、前記受信部が前記かごにかかる荷重の情報を受信した際に、当該利用者の携帯端末に向けて前記かごにかかる荷重の情報を体重情報として前記送信部に送信させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記かごの内部において一人の利用者が存在していると判定した際に前記利用者の携帯端末に向けて前記かごにかかる荷重の情報を体重情報として前記送信部に送信させ
るエレベーターの体重管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記受信部が前記かごの内部にいる利用者に所持された携帯端末から当該利用者に対応した識別情報と前記エレベーターに対応した識別情報とを受信した際に、前記エレベーターの戸開中における前記かごにかかる荷重の時間的変化に基づいて、前記かごの内部において一人の利用者が存在しているか否かを判定する請求項
1に記載のエレベーターの体重管理装置。
【請求項3】
当該利用者に対応した識別情報と体重情報と対応付けて蓄積する蓄積部、
を備え、
前記制御部は、前記受信部が前記かごの内部にいる利用者に所持された携帯端末から当該利用者に対応した識別情報と前記エレベーターに対応した識別情報とを受信した際に、前記蓄積部において当該識別情報に対応付けられた前回の体重情報の値と今回との体重情報の値との差が予め設定された範囲内である場合に、前記かごの内部において一人の利用者が存在しているか否かを判定する請求項
1に記載のエレベーターの体重管理装置。
【請求項4】
情報を受信する受信部と、
情報を送信する送信部と、
前記受信部がエレベーターのかごの内部にいる利用者に所持された携帯端末から当該利用者に対応した識別情報と前記エレベーターに対応した識別情報とを受信した際に、前記エレベーターに向けて体重取得要求情報を前記送信部に送信させ、前記エレベーターが当該体重取得要求情報に基づいて前記かごにかかる荷重の情報を送信し、前記受信部が前記かごにかかる荷重の情報を受信した際に、当該利用者の携帯端末に向けて前記かごにかかる荷重の情報を体重情報として前記送信部に送信させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記かごの内部において一人の利用者が存在していると判定した際に、当該利用者に対応した前回の体重情報の値と今回の体重情報の値との差が予め設定された変化許容値を超えた場合に、前記かごにかかる荷重の測定において異常が発生していると判定す
るエレベーターの体重管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記かごの内部において一人の利用者が存在していると判定した際に当該利用者に対応した前回の体重情報の値と今回の体重情報の値との差が予め設定された変化許容値を超えることが複数回連続して発生した場合に、前記かごにかかる荷重の測定において異常が発生していると判定する請求項
4に記載のエレベーターの体重管理装置。
【請求項6】
エレベーターのかごにかかる荷重を測定する秤装置と、
請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載の体重管理装置から体重取得要求情報を受信した際に、前記秤装置により測定された荷重の情報を前記体重管理装置に向けて送信する通信装置と、
を備えたエレベーターシステム。
【請求項7】
エレベーターの乗場またはかごに設けられ、前記エレベーターに対応した識別情報を含む電波を送信するビーコン装置、
を備え、
前記通信装置は、利用者に所持された携帯端末が前記ビーコン装置からの電波を受信し、前記携帯端末が当該利用者に対応した識別情報と当該電波に含まれた識別情報とを送信し、前記体重管理装置が当該利用者に対応した識別情報と当該電波に含まれた識別情報とを受信し、前記体重管理装置が当該電波に含まれた識別情報に対応したエレベーターに向けて体重取得要求情報を送信した際に、当該体重取得要求情報を受信し、前記秤装置により測定された荷重の情報を前記体重管理装置に向けて送信する請求項
6に記載のエレベーターシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターの利用者の体重を管理する体重管理装置およびエレベーターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの体重管理装置を開示する。当該体重管理装置によれば、利用者に対して、体重情報を提供し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の体重管理装置においては、利用者の体重情報は、かごの内部の表示器に表示される。このため、当該利用者以外の利用者に対しても、当該利用者の体重情報が報知される。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、利用者に対して体重情報を適切に提供することができるエレベーターの体重管理装置およびエレベーターシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターの体重管理装置は、情報を受信する受信部と、情報を送信する送信部と、前記受信部がエレベーターのかごの内部にいる利用者に所持された携帯端末から当該利用者に対応した識別情報と前記エレベーターに対応した識別情報とを受信した際に、前記エレベーターに向けて体重取得要求情報を前記送信部に送信させ、前記エレベーターが当該体重取得要求情報に基づいて前記かごにかかる荷重の情報を送信し、前記受信部が前記かごにかかる荷重の情報を受信した際に、当該利用者の携帯端末に向けて前記かごにかかる荷重の情報を体重情報として前記送信部に送信させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記かごの内部において一人の利用者が存在していると判定した際に前記利用者の携帯端末に向けて前記かごにかかる荷重の情報を体重情報として前記送信部に送信させる。
本開示に係るエレベーターの体重管理装置は、情報を受信する受信部と、情報を送信する送信部と、前記受信部がエレベーターのかごの内部にいる利用者に所持された携帯端末から当該利用者に対応した識別情報と前記エレベーターに対応した識別情報とを受信した際に、前記エレベーターに向けて体重取得要求情報を前記送信部に送信させ、前記エレベーターが当該体重取得要求情報に基づいて前記かごにかかる荷重の情報を送信し、前記受信部が前記かごにかかる荷重の情報を受信した際に、当該利用者の携帯端末に向けて前記かごにかかる荷重の情報を体重情報として前記送信部に送信させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記かごの内部において一人の利用者が存在していると判定した際に、当該利用者に対応した前回の体重情報の値と今回の体重情報の値との差が予め設定された変化許容値を超えた場合に、前記かごにかかる荷重の測定において異常が発生していると判定する。
【0007】
本開示に係るエレベーターシステムは、エレベーターのかごにかかる荷重を測定する秤装置と、前記体重管理装置から体重取得要求情報を受信した際に、前記秤装置により測定された荷重の情報を前記体重管理装置に向けて送信する通信装置と、を備えた。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、利用者に対して体重情報を適切に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1におけるエレベーターシステムの構成図である。
【
図2】実施の形態1におけるエレベーターシステムの体重管理装置のブロック図である。
【
図3】実施の形態1におけるエレベーターシステムの秤装置の測定の変化を示す図である。
【
図4】実施の形態1におけるエレベーターシステムの体重管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図5】実施の形態1におけるエレベーターの体重管理装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0012】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターシステムの構成図である。
【0013】
図1のエレベーターシステムにおいて、昇降路1は、図示されない建築物の各階を貫く。機械室2は、昇降路1の直上に設けられる。複数の乗場3の各々は、建築物の各階に設けられる。複数の乗場3の各々は、昇降路1に対向する。
【0014】
巻上機4は、機械室2に設けられる。主ロープ5は、巻上機4に巻き掛けられる。
【0015】
かご6は、昇降路1の内部に設けられる。かご6は、主ロープ5の一側に吊るされる。釣合おもり7は、昇降路1の内部に設けられる。釣合おもり7は、主ロープ5の他側に吊るされる。
【0016】
例えば、秤装置8は、かご6の上部に設けられる。秤装置8は、かご6の床部の下方に設けられることもある。例えば、通信装置9は、かご6の上部に設けられる。
【0017】
複数の乗場側ビーコン装置10の各々は、複数の乗場3の各々に設けられる。乗場側ビーコン装置10は、予め設定された複数の乗場3に設けられてもよい。乗場側ビーコン装置10は、予め設定された乗場3のみに設けられてもよい。かご側ビーコン装置11は、かご6の内部に設けられる。
【0018】
制御装置12は、機械室2に設けられる。制御装置12は、エレベーターを全体的に制御し得るように設けられる。
【0019】
監視装置13は、機械室2に設けられる。監視装置13は、制御装置12からの情報に基づいてエレベーターの状態を監視し得るように設けられる。
【0020】
情報センター装置14は、エレベーターが設けられた建築物から離れた場所に設けられる。例えば、情報センター装置14は、エレベーターの保守会社に設けられる。情報センター装置14は、監視装置13からの情報に基づいてエレベーターの状態を把握し得るように設けられる。
【0021】
体重管理装置15は、エレベーターが設けられた建築物から離れた場所に設けられる。例えば、体重管理装置15は、エレベーターの保守会社に設けられる。体重管理装置15は、エレベーターの利用者の体重を管理し得るように設けられる。
【0022】
エレベーターの利用者は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末16を所持する。当該利用者が複数のうちのいずれかの乗場3に近づくと、当該利用者の携帯端末16は、乗場側ビーコン装置10からの電波を受信する。この際、当該利用者の携帯端末16において、体重管理用のアプリケーションソフトが自動で起動する。
【0023】
当該利用者の携帯端末16は、当該アプリケーションソフトの動作により当該電波を受信した際に当該利用者に対応した識別情報と当該電波に含まれたエレベーターの識別情報とを自動で体重管理装置15に向けて送信する。例えば、当該利用者の携帯端末16は、携帯電話網を介して当該利用者に対応した識別情報と当該電波に含まれたエレベーターの識別情報とを自動で体重管理装置15に向けて送信する。
【0024】
体重管理装置15は、当該利用者の携帯端末16から当該利用者に対応した識別情報と当該エレベーターの識別情報とを受信する。この際、体重管理装置15は、当該識別情報に対応したエレベーターの通信装置9に向けて体重取得要求情報を送信する。
【0025】
当該通信装置9は、体重管理装置15からの体重取得要求を受信する。この際、当該通信装置9は、当該エレベーターの秤装置8により測定された荷重の情報を体重管理装置15に向けて送信する。
【0026】
体重管理装置15は、当該通信装置9からの荷重の情報を受信する。この際、体重管理装置15は、当該利用者の携帯端末16に向けて当該荷重の情報を体重情報として送信する。
【0027】
当該利用者の携帯端末16は、体重管理装置15からの体重情報を受信する。この際、当該利用者の携帯端末16は、当該体重情報を表示する。
【0028】
次に、
図2を用いて、体重管理装置15を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターシステムの体重管理装置のブロック図である。
【0029】
図2に示されるように、体重管理装置15は、受信部15aと送信部15bと蓄積部15cと制御部15dとを備える。
【0030】
受信部15aは、情報を受信し得るように設けられる。例えば、受信部15aは、通信装置9からの情報を受信する。例えば、受信部15aは、携帯端末16からの情報を受信する。
【0031】
送信部15bは、情報を送信し得るように設けられる。例えば、送信部15bは、通信装置9に向けて情報を送信する。例えば、携帯端末16に向けて情報を送信する。
【0032】
蓄積部15cは、情報を蓄積し得るように設けられる。例えば、蓄積部15cは、受信部15aにより受信された情報を蓄積する。
【0033】
制御部15dは、受信部15aと送信部15bと蓄積部15cとを制御し得るように設けられる。例えば、制御部15dは、携帯端末16から当該利用者に対応した識別情報と当該エレベーターに対応した識別情報とを受信した際に、当該エレベーターの通信装置9に向けて体重取得要求情報を送信部15bに送信させる。
【0034】
例えば、制御部15dは、当該エレベーターの通信装置9が当該体重取得要求情報に基づいて秤装置8に測定された荷重の情報を送信し、受信部15aが秤装置8に測定された荷重の情報を受信した際に、当該利用者の携帯端末16に向けて秤装置8に測定された荷重の情報を体重情報として送信部15bに送信させる。
【0035】
例えば、制御部15dは、受信部15aがかご6の内部にいる利用者に所持された携帯端末16から当該利用者に対応した識別情報とエレベーターに対応した識別情報とを受信した際に、エレベーターの停止中かつ戸開中におけるかご6にかかる荷重の時間的変化に基づいて、かご6の内部において一人の利用者が存在している否かを判定する。
【0036】
例えば、制御部15dは、かご6の内部において一人の利用者が存在していると判定した際に利用者の携帯端末16に向けてかご6にかかる荷重の情報を体重情報として送信部15bに送信させる。
【0037】
例えば、制御部15dは、当該利用者に対応した識別情報と体重情報と対応付けて蓄積部15cに蓄積させる。
【0038】
例えば、制御部15dは、蓄積部15cにおいて当該識別情報に対応付けられた体重情報の値と今回との体重情報の値との差が予め設定された範囲内である場合に、かご6の内部において一人の利用者が存在している否かを判定する。
【0039】
例えば、制御部15dは、かご6の内部において一人の利用者が存在していると判定した際に、当該利用者に対応した前回の体重情報の値と今回の体重情報の値との差が予め設定された変化許容値を超えた場合に、かご6にかかる荷重の測定において異常が発生していると判定する。
【0040】
次に、
図3を用いて、かご6の内部において一人の利用者が存在しているか否かの判定方法を説明する。
図3は実施の形態1におけるエレベーターシステムの秤装置の測定の変化を示す図である。
【0041】
図3に示されるように、体重管理装置15は、エレベーターの停止中かつ戸開中におけるかご6にかかる荷重の時間的変化を把握する。体重管理装置15は、当該果汁の時間的変化に基づいてかご6の内部に存在する利用者の数を判定する。
【0042】
例えば、体重管理装置15は、エレベーターが戸開してから時刻Aまでの間はかご6の内部において一人の利用者が存在すると判定する。例えば、体重管理装置15は、時刻Aから時刻Bまでの間は一人の利用者が存在すると判定する。例えば、体重管理装置15は、時刻B以降は一人の利用者が存在すると判定する。
【0043】
この場合、エレベーターが戸開してから時刻Aまでの間において、体重管理装置15は、当該利用者の携帯端末16に向けて秤装置8に測定された荷重の情報を体重情報として送信する。時刻A以降において、体重管理装置15は、当該利用者の携帯端末16に向けて秤装置8に測定された荷重の情報を体重情報として送信しない。
【0044】
次に、
図4を用いて、体重管理装置15の動作の概要を説明する。
図4は実施の形態1におけるエレベーターシステムの体重管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0045】
ステップS1では、体重管理装置15は、携帯端末16から当該利用者に対応した識別情報とエレベーターに対応した識別情報とが受信されたか否かを判定する。携帯端末16から当該利用者に対応した識別情報とエレベーターに対応した識別情報とが受信されていない場合、体重管理装置15は、ステップS1の動作を行う。携帯端末16から当該利用者に対応した識別情報とエレベーターに対応した識別情報とが受信された場合、体重管理装置15は、ステップS2の動作を行う。
【0046】
ステップS2では、体重管理装置15は、当該エレベーターの通信装置9に向けて体重取得要求情報を送信する。その後、体重管理装置15は、ステップS3の動作を行う。ステップS3では、体重管理装置15は、当該エレベーターの通信装置9から秤装置8に測定された荷重の情報を受信する。
【0047】
その後、体重管理装置15は、ステップS4の動作を行う。ステップS4では、体重管理装置15は、かご6の内部において一人の利用者が存在しているか否かを判定する。ステップS4でかご6の内部において利用者が存在していない場合または二人以上の利用者が存在している場合、体重管理装置15は、ステップS4の動作を行う。ステップS4でかご6の内部において一人の利用者が存在している場合、体重管理装置15は、ステップS5の動作を行う。
【0048】
ステップS5では、体重管理装置15は、当該利用者に対応した前回の体重情報の値と今回の体重情報の値との差が予め設定された変化許容値を超えることが複数回連続して発生したか否かを判定する。
【0049】
ステップS5で当該利用者に対応した前回の体重情報の値と今回の体重情報の値との差が予め設定された変化許容値を超えることが複数回連続して発生していない場合、体重管理装置15は、ステップS6の動作を行う。ステップS6では、体重管理装置15は、当該利用者の携帯端末16に向けて秤装置8に測定かれた荷重の情報を体重情報として送信する。その後、体重管理装置15は、ステップS1の動作を行う。
【0050】
ステップS5で当該利用者に対応した前回の体重情報の値と今回の体重情報の値との差が予め設定された変化許容値を超えることが複数回連続して発生した場合、体重管理装置15は、ステップS7の動作を行う。ステップS7では、体重管理装置15は、かご6にかかる荷重の測定において異常が発生していると判定する。この場合、体重管理装置15は、情報センター装置14に向けて秤装置8の異常を示す情報を送信する。その後、体重管理装置15は、ステップS1の動作を行う。
【0051】
以上で説明した実施の形態1によれば、体重管理装置15は、利用者の携帯端末16に向けてかご6にかかる荷重の情報を体重情報として送信する。このため、利用者に対して体重情報を適切に提供することができる。
【0052】
また、体重管理装置15は、かご6の内部において一人の利用者が存在していると判定した際に利用者の携帯端末16に向けてかご6にかかる荷重の情報を体重情報として送信する。このため、利用者に対して体重情報をより適切に提供することができる。
【0053】
また、体重管理装置15は、エレベーターの戸閉中におけるかご6にかかる荷重の時間的変化に基づいて、かご6の内部において一人の利用者が存在している否かを判定する。このため、利用者に対して体重情報をより正確に提供することができる。
【0054】
また、体重管理装置15は、当該識別情報に対応付けられた前回の体重情報の値と今回との体重情報の値との差が予め設定された範囲内である場合に、かご6の内部において一人の利用者が存在している否かを判定する。このため、利用者に対して体重情報をより正確に提供することができる。
【0055】
また、体重管理装置15は、かご6の内部において一人の利用者が存在していると判定した際に、当該利用者に対応した前回の体重情報の値と今回の体重情報の値との差が予め設定された変化許容値を超えた場合に、かご6にかかる荷重の測定において異常が発生していると判定する。このため、秤装置8の異常を早期に検出することができる。
【0056】
また、体重管理装置15は、かご6の内部において一人の利用者が存在していると判定した際に当該利用者に対応した前回の体重情報の値と今回の体重情報の値との差が予め設定された変化許容値を超えることが複数回連続して発生した場合に、かご6にかかる荷重の測定において異常が発生していると判定する。このため、当該利用者が重い荷物を持ってかご6に乗っただけでは、秤装置8の異常は検出されない。その結果、秤装置8の異常をより正確に検出することができる。
【0057】
また、利用者の携帯端末16は、乗場側ビーコン装置10からの電波を受信した際に当該利用者に対応した識別情報と当該電波に含まれた識別情報とを送信する。体重管理装置15は、当該利用者に対応した識別情報と当該電波に含まれた識別情報とを受信した際に当該電波に含まれた識別情報に対応したエレベーターの通信装置9に向けて体重取得要求情報を送信する。通信装置9は、当該体重取得要求情報を受信した際に秤装置8により測定かれた荷重の情報を体重管理装置15に向けて送信する。このため、利用者による特別な操作を要することなく、利用者に対して体重情報を適切に提供することができる。
【0058】
なお、乗場側ビーコン装置10がなくてもよい。この場合、利用者の携帯端末16は、かご側ビーコン装置11からの電波を受信した際に当該利用者に対応した識別情報と当該電波に含まれた識別情報とを送信する。体重管理装置15は、当該利用者に対応した識別情報と当該電波に含まれた識別情報とを受信した際に当該電波に含まれた識別情報に対応したエレベーターの通信装置9に向けて体重取得要求情報を送信する。通信装置9は、当該体重取得要求情報を受信した際に秤装置8により測定された荷重の情報を体重管理装置15に向けて送信する。このため、利用者による特別な操作を要することなく、利用者に対して体重情報を適切に提供することができる。
【0059】
また、かご側ビーコン装置11がなくてもよい。この場合、利用者の携帯端末16は、乗場側ビーコン装置10からの電波を受信した際に当該利用者に対応した識別情報と当該電波に含まれた識別情報とを送信する。体重管理装置15は、当該利用者に対応した識別情報と当該電波に含まれた識別情報とを受信した際に当該電波に含まれた識別情報に対応したエレベーターの通信装置9に向けて体重取得要求情報を送信する。通信装置9は、当該体重取得要求情報を受信した際に秤装置8により測定された荷重の情報を体重管理装置15に向けて送信する。このため、利用者による特別な操作を要することなく、利用者に対して体重情報を適切に提供することができる。
【0060】
また、機械室2がなくて昇降路1の上部または下部に巻上機4、制御装置12、監視装置13が設けられるエレベーターにおいて、実施の形態1または実施の形態2の体重管理装置15を適用してよい。
【0061】
また、実施の形態1の体重管理装置15としての機能の一部または全部を他の装置に持たせてもよい。例えば、実施の形態1の体重管理装置15としての機能の一部または全部を情報センター装置14に持たせてもよい。
【0062】
次に、
図5を用いて、体重管理装置15の例を説明する。
図5は実施の形態1におけるエレベーターの体重管理装置のハードウェア構成図である。
【0063】
体重管理装置15の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0064】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、体重管理装置15の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、体重管理装置15の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0065】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、体重管理装置15の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、体重管理装置15の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0066】
体重管理装置15の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、制御部15dの機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、制御部15dの機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0067】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで体重管理装置15の各機能を実現する。
【0068】
図示されないが、制御装置12の各機能も、体重管理装置15の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。監視装置13の各機能も、体重管理装置15の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。情報センター装置14の各機能も、体重管理装置15の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上のように、本開示に係るエレベーターの体重管理装置およびエレベーターシステムは、利用者の体重を管理するシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0070】
1 昇降路、 2 機械室、 3 乗場、 4 巻上機、 5 主ロープ、 6 かご、 7 釣合おもり、 8 秤装置、 9 通信装置、 10 乗場側ビーコン装置、 11 かご側ビーコン装置、 12 制御装置、 13 監視装置、 14 情報センター装置、 15 体重管理装置、 15a 受信部、 15b 送信部、 15c 蓄積部、 15d 制御部、 16 携帯端末、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア