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特許6992941車両用のバッテリー及びキャパシタアセンブリ、並びにその加熱及び冷却のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】車両用のバッテリー及びキャパシタアセンブリ、並びにその加熱及び冷却のための方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/613 20140101AFI20220105BHJP
   H01M 10/6572 20140101ALI20220105BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20220105BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20220105BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20220105BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20220105BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20220105BHJP
   H01G 11/08 20130101ALI20220105BHJP
   H01G 11/12 20130101ALI20220105BHJP
   H01G 11/18 20130101ALI20220105BHJP
   B60K 6/28 20071001ALI20220105BHJP
【FI】
H01M10/613
H01M10/6572 ZHV
H01M10/647
H01M10/625
H01M10/615
H01M10/633
H01M50/20
H01G11/08
H01G11/12
H01G11/18
B60K6/28
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018545209
(86)(22)【出願日】2017-03-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 US2017020228
(87)【国際公開番号】W WO2017151788
(87)【国際公開日】2017-09-08
【審査請求日】2020-02-05
(31)【優先権主張番号】62/302,386
(32)【優先日】2016-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/208,143
(32)【優先日】2016-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515024564
【氏名又は名称】ゲンサーム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チャッチオ、ミケーレ ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ムアヘッド、ブライアン
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-176487(JP,A)
【文献】特開2007-311290(JP,A)
【文献】特開2008-066246(JP,A)
【文献】特開2009-176587(JP,A)
【文献】特開2013-048063(JP,A)
【文献】特開2016-017339(JP,A)
【文献】国際公開第2014/128753(WO,A1)
【文献】特開2006-93155(JP,A)
【文献】国際公開第2013/042165(WO,A1)
【文献】特開2012-79553(JP,A)
【文献】特開2008-109841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/613-10/667
H01M 50/20
H01G 11/08
H01G 11/12
H01G 11/18
B60K 6/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の筐体内に配置された複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルの温度を制御するためのシステムであって、
前記複数のバッテリーセルの前記温度を測定するバッテリー温度センサと、
前記複数のキャパシタセルの前記温度を測定するキャパシタ温度センサと、
前記複数のバッテリーセルの前記温度に基づいて前記複数のバッテリーセルを加熱及び冷却し、また、前記複数のキャパシタセルの前記温度に基づいて、かつ、前記複数のバッテリーセルの加熱及び冷却とは独立して、前記複数のキャパシタセルを加熱及び冷却する複数の熱電デバイスに供給される、電流量、電圧量、及びパワーの量のうちの少なくとも1つを制御し、
前記複数のバッテリーセルの前記温度が第1温度未満である場合、前記複数のバッテリーセルを加熱し、
前記複数のバッテリーセルの前記温度が第2温度よりも高い場合、前記複数のバッテリーセルを冷却し、
前記複数のキャパシタセルの前記温度が第3温度未満である場合、前記複数のキャパシタセルを加熱し、
前記複数のキャパシタセルの前記温度が第4温度よりも高い場合、前記複数のキャパシタセルを冷却する、制御モジュールと
を備え、
前記第3温度は前記第1温度と異なること、及び
前記第4温度は前記第2温度と異なること、
のうちの少なくとも一方がなりたつ、システム。
【請求項2】
前記制御モジュールは、
前記複数のバッテリーセルの加熱及び冷却のうちの1つを実行する前記複数の熱電デバイスのうちの1番目の熱電デバイスに供給される、前記電流量、前記電圧量、及び前記パワーの量のうちの少なくとも1つを制御し、
前記複数のキャパシタセルの加熱及び冷却のうちの1つを実行する前記複数の熱電デバイスのうちの2番目の熱電デバイスに供給される、前記電流量、前記電圧量、及び前記パワーの量のうちの少なくとも1つを制御する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第3温度は前記第1温度未満であり、
前記第4温度は前記第2温度未満である、
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1温度、前記第2温度、前記第3温度、及び前記第4温度はそれぞれ予め定められている、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御モジュールは、
前記複数のバッテリーセルの目標抵抗、前記複数のバッテリーセルによって供給される目標パワー量、及び、前記複数のバッテリーセルの目標容量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1温度を決定し、
前記複数のキャパシタセルの目標抵抗、前記複数のキャパシタセルによって供給される目標パワー量、及び、前記複数のキャパシタセルの目標容量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第3温度を決定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御モジュールは、
前記複数のバッテリーセルが充電中の場合に前記複数のバッテリーセルの前記温度が前記第1温度未満であるとき、前記複数のバッテリーセルを加熱し、
前記複数のバッテリーセルが放電中の場合に前記複数のバッテリーセルの前記温度が前記第1温度未満であるとき、前記複数のバッテリーセルを加熱しない、
請求項1からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
共通の筐体内に配置された複数のバッテリーセルの温度及び複数のキャパシタセルの温度を制御するための方法であって、
前記複数のバッテリーセルの前記温度を測定する工程と、
前記複数のキャパシタセルの前記温度を測定する工程と、
前記複数のバッテリーセルの前記温度に基づいて前記複数のバッテリーセルを加熱及び冷却し、また、前記複数のキャパシタセルの前記温度に基づき、かつ、前記複数のバッテリーセルの加熱及び冷却とは独立して、前記複数のキャパシタセルを加熱及び冷却する複数の熱電デバイスに供給される、電流量、電圧量、及びパワーの量のうちの少なくとも1つを制御する工程と
前記複数のバッテリーセルの前記温度が第1温度未満である場合、前記複数のバッテリーセルを加熱する工程と、
前記複数のバッテリーセルの前記温度が第2温度よりも高い場合、前記複数のバッテリーセルを冷却する工程と、
前記複数のキャパシタセルの前記温度が第3温度未満である場合、前記複数のキャパシタセルを加熱する工程と、
前記複数のキャパシタセルの前記温度が第4温度よりも高い場合、前記複数のキャパシタセルを冷却する工程と
を備え
前記第3温度は前記第1温度と異なること、及び
前記第4温度は前記第2温度と異なること、
のうちの少なくとも一方がなりたつ、方法。
【請求項8】
前記複数のバッテリーセルの加熱及び冷却のうちの1つを実行する前記複数の熱電デバイスのうちの1番目の熱電デバイスに供給される、前記電流量、前記電圧量、及び前記パワーの量のうちの少なくとも1つを制御する工程と、
前記複数のキャパシタセルの加熱及び冷却のうちの1つを実行する前記複数の熱電デバイスのうちの2番目の熱電デバイスに供給される、前記電流量、前記電圧量、及び前記パワーの量のうちの少なくとも1つを制御する工程と
を更に備える、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第3温度は前記第1温度未満であり、
前記第4温度は前記第2温度未満である、
請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1温度、前記第2温度、前記第3温度、及び前記第4温度はそれぞれ予め定められている、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のバッテリーセルの目標抵抗、前記複数のバッテリーセルによって供給される目標パワー量、及び、前記複数のバッテリーセルの目標容量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1温度を決定する工程と、
前記複数のキャパシタセルの目標抵抗、前記複数のキャパシタセルによって供給される目標パワー量、及び、前記複数のキャパシタセルの目標容量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第3温度を決定する工程と
を更に備える、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のバッテリーセルが充電中の場合に前記複数のバッテリーセルの前記温度が第1温度未満であるとき、前記複数のバッテリーセルを加熱する工程と、
前記複数のバッテリーセルが放電中の場合に前記複数のバッテリーセルの前記温度が前記第1温度未満であるとき、前記複数のバッテリーセルを加熱しない工程と
を更に備える、請求項から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2016年7月12日に出願された米国実用特許出願第15/208,143号明細書、また2016年3月2日に出願された米国特許仮出願第62/302,386号明細書に基づく優先権を主張するものである。上記文献それぞれに開示される内容は、参照によって完全に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、2016年3月2日に出願された米国特許仮出願第62/302,372号明細書、及び2016年7月12日に出願された米国実用特許出願第15/208,112号明細書に関連する。上記文献それぞれに開示される内容は、参照によって完全に本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、車両のバッテリーシステム、特に、車両用のバッテリー及びキャパシタアセンブリ、並びにその加熱及び冷却のための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
本明細書に提供されている、背景技術についての記載は、開示の一般的な文脈を提示することを目的としている。この背景技術の項で説明される程度において、現在名を連ねている発明者らの研究は、及び、出願時における従来技術として認定されないであろう説明の複数の態様は、本開示に対する従来技術として明確にも暗示的にも認められるものではない。
【0005】
一般的に、ハイブリッド車両はパワートレインシステムを用いており、パワートレインシステムは、エンジン、スターター/ジェネレーターを含むスタート・ストップ又はマイルド・ハイブリッドシステム、及び/又は、車両を推進するための1又は複数の電動モーターを含む。動作している間、エンジンをスタートさせるため、車両パワー・バスに接続されている負荷を供給するため、エンジンをリスタートするため、車両を動かすために電動モーター又はスターター/ジェネレーターを駆動させるため、及び/又は、バッテリーを再充電するために、電流が供給され続ける必要がある。例えば、いくつかのマイルド・ハイブリッドにおいて、エンジンがクランキングさせ、スタートし、アイドリング又は他のエンジンスピードに到達(以下、eブーストと称する)する際のエンジンのもたつきをなくすため、リスタートする間の1~2秒程の僅かな時間、電動モーター又はスターター/ジェネレーターは車両を駆動する。結果として、増加する電流負荷に応えるべく、ハイブリッド車両のバッテリーシステムを改善するために多大な技術的労力が費やされてきた。
【0006】
自動車業界ではまた、24V、36V及び48V等のより高い電圧レベルで動作するバッテリーを用いること、及び/又は、スーパーキャパシタ又はウルトラキャパシタを搭載するシステムを用いることが提案されている。しかしながら、これらのシステムは、旧来の12Vの車両システム及び構成要素で動作する必要があるため、かなり複雑である。
【0007】
いくつかの車両のバッテリーシステムは、より高い電圧のバッテリー、スーパーキャパシタ、又はウルトラキャパシタに加えて、12Vバッテリー(100Ah等の大容量のもの)も含む。
【発明の概要】
【0008】
一例において、本開示では、複数のバッテリーセル、複数のキャパシタセル、冷却板、一対のエンドブラケット、及び筐体を含む、ハイブリッド車両用のバッテリー及びキャパシタアセンブリが説明される。複数のキャパシタセルは、複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルがセルスタックを形成するように、複数のバッテリーセルに隣接して配される。一対のエンドブラケットは、セルスタックの対向する両端部に配置され、冷却板に取り付けられている。一対のエンドブラケットは、複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルを圧縮する。筐体は、冷却板に取り付けられ、セルスタック及び一対のエンドブラケットを取り囲む。
【0009】
1つの態様において、複数のバッテリーセルのそれぞれ、及び複数のキャパシタセルのそれぞれは、パウチセルの構成を有する。他の態様において、複数のバッテリーセルのそれぞれはリチウムイオンセルであり、複数のキャパシタセルのそれぞれはスーパーキャパシタセル及び/又はウルトラキャパシタセルである。
【0010】
他の態様において、バッテリー及びキャパシタアセンブリは更に、セルスタックの対向する両側面に配置され、かつ、そのセルスタックの対向する両端部間に延伸する一対のサイドブラケットを含む。サイドブラケットは、エンドブラケットに取り付けられており、エンドブラケットと協働して、複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルを圧縮する。
【0011】
他の態様において、バッテリー及びキャパシタアセンブリは、セルスタックの対向する両端部に隣接する筐体の外側両端面の間を延伸する長さと、筐体の外側両側面の間を延伸する幅と、筐体の外側底面と冷却板の外側上面との間を延伸する高さとを有する。
【0012】
1つの態様において、幅、及び/又は長さは260ミリメートル以下とする。他の態様において、幅は200ミリメートル以下であり、高さは260ミリメートル以下である。他の態様において、長さは400ミリメートル以下である。
【0013】
他の態様において、冷却板は、冷却板から熱を吸収する冷却液を冷却板内に通すための、冷却液チャネルを画定する。
【0014】
他の態様において、バッテリー及びキャパシタアセンブリは更に複数のヒートシンク板を含み、複数のヒートシンク板は、複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルのうちの隣接するセル間に配置され、伝導を通じて冷却板と熱を伝達するよう配される。
【0015】
他の態様において、バッテリー及びキャパシタアセンブリは更に複数の熱電デバイスを含み、複数の熱電デバイスは、冷却板及びセルスタックの間に配置され、複数のバッテリーセルの温度を調整し、また、複数のバッテリーセルの温度の調整とは独立して、複数のキャパシタセルの温度を調整するよう構成される。
【0016】
他の態様において、複数の熱電デバイスのうちの少なくとも1つは、冷却板と複数のバッテリーセルとの間に配置され、複数の熱電デバイスのうちの少なくとも1つは、冷却板と複数のキャパシタセルとの間に配置される。
【0017】
他の態様において、バッテリー及びキャパシタアセンブリは更に、複数の熱電デバイス及びセルスタックの間に配置され、冷却板及び/又は複数の熱電デバイスと接する温度分配板を含む。複数の熱電デバイスは冷却板と接している。
【0018】
他の態様において、複数のヒートシンク板はそれぞれ、板状体及びフランジを含む。板状体は、複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルのうちの隣接するセルの間に配置される。フランジは、温度分配板、及び/又は、フランジ及び温度分配板の間に配置されたフィラー材料と直接接触し、伝導を通じて温度分配板と熱を伝達する。
【0019】
他の例において、本開示では、複数のバッテリーセル、複数のキャパシタセル、冷却板、及び複数の熱電デバイスを含むハイブリッド車両用のバッテリー及びキャパシタアセンブリが説明される。複数のキャパシタセルは、複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルがセルスタックを形成するように、複数のバッテリーセルに隣接して配される。複数の熱電デバイスは、冷却板及びセルスタックの間に配置される。更に、複数の熱電デバイスは、複数のバッテリーセルを加熱及び冷却し、また、複数のバッテリーセルの加熱及び冷却とは独立して、複数のキャパシタセルを加熱及び冷却するよう構成される。
【0020】
1つの態様において、複数の熱電デバイスのうちの少なくとも1つは、複数のキャパシタセルを加熱及び冷却するよう配され、複数の熱電デバイスのうちの少なくとも1つは、複数のバッテリーセルを加熱及び冷却するよう配される。
【0021】
他の態様において、複数の熱電デバイスのうちの1つの単一のデバイスは、複数のキャパシタセルを加熱及び冷却するよう配され、複数の熱電デバイスのうちの少なくとも2つのデバイスは、複数のバッテリーセルを加熱及び冷却するよう配される。
【0022】
他の態様において、複数の熱電デバイスのそれぞれは、加熱及び冷却するよう熱電デバイスが構成されている対象である、複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルのうちの1つと整合している。
【0023】
他の態様において、バッテリー及びキャパシタアセンブリは更に、複数の熱電デバイス及びセルスタックの間に配置され、冷却板及び/又は複数の熱電デバイスと接している温度分配板を含む。複数の熱電デバイスは、冷却板と接している。
【0024】
他の態様において、複数の熱電デバイスは冷却板内のポケットの中に配置され、温度分配板は複数の熱電デバイスをポケットの中に格納する。他の態様において、温度分配板は、部分的に冷却板に差し込まれる。
【0025】
他の態様において、バッテリー及びキャパシタアセンブリは更に、複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルのうちの隣接するセルの間に配置される複数のヒートシンク板を含む。複数のヒートシンク板は、伝導を通じて、温度分配板と熱を伝達するよう配される。
【0026】
他の態様において、複数のヒートシンク板はそれぞれ、板状体及びフランジを含む。板状体は、複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルのうちの隣接するセルの間に配置される。フランジは、温度分配板、及び/又は、フランジ及び温度分配板の間に配置されたフィラー材料と直接接触し、伝導を通じて温度分配板と熱を伝達する。
【0027】
他の例において、本開示では、共通の筐体内に配置された複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルの温度を制御するためのシステムが説明される。システムは、バッテリー温度センサ、キャパシタ温度センサ、及び制御モジュールを含む。バッテリー温度センサは、複数のバッテリーセルの温度を測定する。キャパシタ温度センサは、複数のキャパシタセルの温度を測定する。制御モジュールは、バッテリーセル温度に基づいて複数のバッテリーセルを加熱及び冷却する複数の熱電デバイスに供給される、電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を制御する。更に、制御モジュールは、キャパシタセル温度に基づき、また、複数のキャパシタセルの加熱及び冷却とは独立して、複数のキャパシタセルを加熱及び冷却する複数の熱電デバイスに供給される、電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を制御する。
【0028】
1つの態様において、制御モジュールは、複数のバッテリーセルの加熱及び冷却のうちの1つを実行する複数の熱電デバイスのうちの1番目の熱電デバイスに供給される、電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を制御し、また、複数のバッテリーセルの加熱及び冷却のうちの1つを実行する複数の熱電デバイスのうちの2番目の熱電デバイスに供給される、電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を制御する。
【0029】
他の態様において、制御モジュールは、バッテリーセル温度が第1温度未満である場合、複数のバッテリーセルを加熱し、バッテリーセル温度が第2温度よりも高い場合、複数のバッテリーセルを冷却する。他の態様において、制御モジュールは、キャパシタセル温度が第3温度未満である場合、複数のキャパシタセルを加熱し、キャパシタセル温度が第4温度よりも高い場合、複数のキャパシタセルを冷却する。
【0030】
他の態様において、第3温度は第1温度と異なり、第4温度は第2温度と異なる。他の態様において、第3温度は第1温度未満であり、第4温度は第2温度未満である。他の態様において、第1温度、第2温度、第3温度、及び第4温度はそれぞれ予め定められている。
【0031】
他の態様において、制御モジュールは、複数のバッテリーセルの目標抵抗、複数のバッテリーセルによって供給される目標パワー量、及び/又は、複数のバッテリーセルの目標容量に基づいて、第1温度を決定する。他の態様において、制御モジュールは、複数のキャパシタセルの目標抵抗、複数のキャパシタセルによって供給される目標パワー量、及び/又は、複数のキャパシタセルの目標容量に基づいて、第3温度を決定する。
【0032】
他の態様において、制御モジュールは、複数のバッテリーセルが充電中の場合にバッテリーセル温度が第1温度未満であるとき、複数のバッテリーセルを加熱し、また、制御モジュールは、複数のバッテリーセルが放電中の場合にバッテリーセル温度が第1温度未満であるとき、複数のバッテリーセルを加熱しない。
【0033】
他の例において、本開示では、共通の筐体内に配置された複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルの温度を制御するための方法が説明される。方法は、複数のバッテリーセルの温度を測定すること、複数のキャパシタセルの温度を測定すること、かつ、バッテリーセル温度に基づいて複数のバッテリーセルを加熱及び冷却する複数の熱電デバイスに供給される、電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を制御すること、を含む。方法は更に、キャパシタセル温度に基づき、また、複数のキャパシタセルの加熱及び冷却とは独立して、複数のキャパシタセルを加熱及び冷却する複数の熱電デバイスに供給される、電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を制御することを含む。
【0034】
他の態様において、方法は更に、複数のバッテリーセルの加熱及び冷却のうちの1つを実行する複数の熱電デバイスのうちの1番目の熱電デバイスに供給される、電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を制御すること、及び、複数のバッテリーセルの加熱及び冷却のうちの1つを実行する複数の熱電デバイスのうちの2番目の熱電デバイスに供給される、電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を制御することを含む。
【0035】
他の態様において、方法は更に、バッテリーセル温度が第1温度未満である場合、複数のバッテリーセルを加熱すること、及び、バッテリーセル温度が第2温度よりも高い場合、複数のバッテリーセルを冷却することを含む。他の態様において、方法は更に、キャパシタセル温度が第3温度未満である場合、複数のキャパシタセルを加熱すること、及び、キャパシタセル温度が第4温度よりも高い場合、複数のキャパシタセルを冷却することを含む。
【0036】
他の態様において、第3温度は第1温度と異なり、第4温度は第2温度と異なる。他の態様において、第3温度は第1温度未満であり、第4温度は第2温度未満である。他の態様において、第1、第2、第3、及び第4温度はそれぞれ、予め定められている。
【0037】
他の態様において、方法は更に、複数のバッテリーセルの目標抵抗、複数のバッテリーセルによって供給される目標パワー量、及び/又は、複数のバッテリーセルの目標容量に基づいて第1温度を決定することを含む。他の態様において、方法は更に、複数のキャパシタセルの目標抵抗、複数のキャパシタセルによって供給される目標パワー量、及び/又は、複数のキャパシタセルの目標容量に基づいて第3温度を決定することを含む。
【0038】
他の態様において、方法は更に、複数のバッテリーセルが充電中の場合にバッテリーセル温度が第1温度未満であるとき、複数のバッテリーセルを加熱すること、及び、複数のバッテリーセルが放電中の場合にバッテリーセル温度が第1温度未満であるとき、複数のバッテリーセルを加熱しないことを含む。
【0039】
本開示の更なる適用可能性は、詳細な説明、特許請求の範囲及び添付図面から明らかになるであろう。詳細な説明及び具体的な例は、例示のみを目的とすることが意図されており、本開示の範囲を限定することが意図されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面より、完全に理解できるであろう。
【0041】
図1A】本開示によるバッテリー及びキャパシタに関して、バッテリー及びキャパシタからのパワーを供給するため、並びに、バッテリー及びキャパシタを再充電するためのパワー管理システムの一例について機能ブロック図である。
【0042】
図1B図1Aのパワー管理モジュールの一例の、より詳細な機能ブロック図である。
【0043】
図1C】本開示による、加熱及び冷却機能付きの統合型バッテリー及びキャパシタアセンブリの断面図である。
【0044】
図1D図1Cの円1D内に示される、図1Cの統合型バッテリー及びキャパシタアセンブリの一部分の断面図である。
【0045】
図1E図1Cの統合型バッテリー及びキャパシタアセンブリの部分的な分解組立斜視図である。
【0046】
図1F】本開示によるバッテリーセル又はキャパシタセルの一例の分解組立正面図である。
【0047】
図2】本開示によるバッテリー及びキャパシタの温度を制御するための方法の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図3】キャパシタ用の温度の関数としてのDC等価直列抵抗(ESR)を示すグラフである。
【0049】
図4】バッテリー用のセル動作温度の関数としてのサイクル寿命を示すグラフである。
【0050】
図面において、参照番号は、同様及び/又は同一の要素を識別するのに再使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本開示によるハイブリッド車両におけるパワーを供給するためのシステム及び方法において、スタートイベント又はeブーストイベントの間に生じる高電流負荷は、スーパーキャパシタ又はウルトラキャパシタ等のキャパシタによって主に供給される。それらのイベントの間、電流はまた、制限かつ制御されたレートで、バッテリーによっても供給される。結果として、バッテリーの放電レート(又はCレート)を十分なレベルに保ちつつ、バッテリーの容量及び物理的サイズを実質的に減らすことができる。
【0052】
従来型のバッテリーシステムにおいて、「キー・オン」イベント後のクランキングは、バッテリーによってのみ支援される。結果として、バッテリーには十分な容量と放電レートが必要になる。放電レート又はCレートは、電流/容量の比として定義される。例えば、第1バッテリーは850Aを供給し、100Ahの容量を持ち得る(Cレート:850A/100Ah=8.5)。対照的に、第2バッテリーは850Aを供給し、17Ahの容量を持ち得る(Cレート:850A/17Ah=50)。双方のバッテリーは同じ電流量を供給しているが、同様の出願において、第2バッテリーは第1バッテリーよりバッテリー寿命が著しく短い。換言すれば、バッテリーのCレートはバッテリー寿命に直接的に影響し、高いCレートは短いバッテリー寿命に対応する。
【0053】
他のハイブリッドバッテリー・トポロジと異なり、本開示によるパワー管理システムに用いられるバッテリーは、キー・オン・エンジン・スタートを単独では支援しない。バッテリーの主要な機能は、ボードネット負荷等の車両負荷を直接的に支援することである。バッテリーはまた、キー・オン・エンジン・スタート、並びに、エンジン・リスタート及び/又は電気ブースト等のハイブリッド・ドライブ・サイクルイベントを間接的に支援する、制御かつ制限された電流の流れを供給する。バッテリーはまた、クランキング後のキャパシタの再充電にも用いられる。
【0054】
回生/エンジンブレーキの間に供給されるパワーは、バッテリーよりもむしろキャパシタを再充電するために用いられる。キャパシタからのパワーは、制限かつ制御された時間当たりレートでバッテリーに与えられ、これにより、バッテリーのピーク充電負荷が低下する。本明細書に記載のシステム及び方法において、バッテリー要件は、クランキングアンペアにおける電圧降下よりもむしろエネルギーによって牽引されているので、より小容量のバッテリーを用いることができる。
【0055】
本開示はまた、AC/DCコンバータ及び/又はスターター/ジェネレーター・コントローラを介して、キャパシタからの電流を選択的に供給することにより、電動ターボシステム又は電動アクティブサスペンションシステム等のパルス型の車両負荷を支援するよう構成され得る。キャパシタがパルス型の車両負荷を供給することにより、バッテリー寿命が向上し、バッテリーの要件、サイズ、及びコストが最小化される。
【0056】
バッテリーの仕様は、ハイブリッド・ドライブ・サイクル、及び本願において想定されているパルス型ボードネット負荷の過酷さに基づいて変化し得る。一般的に、当該バッテリーの要件、サイズ、及びコストは、バッテリーがハイブリッド・ドライブ・サイクルに直接的に又は実質的に貢献しているハイブリッド・トポロジと比べて、小さい。
【0057】
バッテリー及び配線のパッケージングコストは、バッテリーを統合型バッテリー及びキャパシタアセンブリに統合することで大幅に削減される。統合型バッテリー及びキャパシタアセンブリの更なるパッケージングの詳細は、2016年3月2日に出願された米国特許出願第62/302,372号明細書に見ることができ、その内容は参照によって完全に本明細書に組み込まれる。
【0058】
図1Aを参照すると、バッテリー108及びキャパシタ110からのパワーの供給を制御し、バッテリー108及びキャパシタ110を再充電するためのパワー管理システム100が示される。いくつかの例において、バッテリーは、バッテリーの正負端子に直列に及び/又は並列に接続された複数のバッテリーセルを含む12Vバッテリーを含む。いくつかの例において、バッテリーセルは、リン酸鉄リチウム(LiFePO)の化学作用を用いて製造される。他の例において、バッテリーセルは、チタン酸リチウム(LiTi12)(LTO)の化学作用、他のリチウムイオンの化学作用、又は他のバッテリーの化学作用を用いて製造される。いくつかの例において、バッテリー108は、4sNp構成に配されたパウチセルを含む。いくつかの例において、バッテリー108は公称12.8V(8.0~14.4V)を提供し、20Ah/256Whの容量を持つ。他の例において、バッテリーは、20Ah以下の容量、及び6以下のCレートを有する。
【0059】
いくつかの例において、キャパシタ110は、キャパシタの正負端子に直列に及び/又は並列に接続された複数のキャパシタセルを含む。いくつかの例において、キャパシタ110はスーパーキャパシタ又はウルトラキャパシタを含む。いくつかの例において、キャパシタ110は、公称電圧12V、24V、36V、又は48V(0~54V)を提供する。いくつかの例において、キャパシタ内のキャパシタセルに、パウチセル形式が用いられている。いくつかの例において、キャパシタは18sNp構成に接続され、0.6Ah(30Wh)の容量を持つ。
【0060】
パワー管理モジュール112は、バッテリー108及びキャパシタ110からのパワーの供給、並びに、バッテリー108及びキャパシタ110の再充電を制御する。パワー管理モジュール112は、他の車両コントローラ、及び/又はパワー管理システム100の構成要素と、車両データ・バス114を介して通信してよい。 パワー管理モジュール112は、バッテリー108及びキャパシタ110の充電状態(SOC)及び劣化状態(SOH)等のデータを、他の車両コントローラに伝送してよい。いくつかの例において、他のデータバス型が使用可能であるが、車両データ・バス114はCANバスを含む。いくつかの例において、パワー管理モジュール112は他の車両コントローラから、キー・オン・イベント、車速、駆動モードイベント、エンジンオイル温度、回生イベント、eブーストイベント、又は他の制御情報等の情報を受け取る。車速は、未来の回生イベントを示唆し得る。エンジンオイル温度は、クランキングの間のエンジン負荷を示唆し得る。パワー管理モジュール112は、これらの信号に基づいて、パワー管理システム100の動作を調整してよい。
【0061】
いくつかの動作モードにおいて、パワー管理モジュールはまた、車両パワー・バス102及びボードネット負荷等の車両負荷104への電流の供給を制御する。パワー管理モジュール112は、バッテリー動作パラメーターを、温度センサ130及び/又は電圧センサ132等の1又は複数のセンサから受け取る。いくつかの例において、温度センサ130及び電圧センサ132は、バッテリーセルレベルにおける温度及び電圧を監視する。パワー管理モジュール112はまた、キャパシタ動作パラメーターを、温度センサ136及び/又は電圧センサ138等の1又は複数のセンサから受け取る。いくつかの例において、温度センサ136及び電圧センサ138は、キャパシタセルレベルにおける温度及び電圧を監視する。
【0062】
バッテリー108及び/又はキャパシタ110の温度制御はそれぞれ、熱電デバイス(TED)140及び142のによってそれぞれ提供されてよい。TEDドライバ回路146は、TED140及び142を制御する。パワー管理モジュール112は、TED140及び142に供給される電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を調整し、それによりバッテリー108及びキャパシタ110の温度を制御する必要に応じて、TEDドライバ回路146を選択的に作動させる。いくつかの例において、TED140及び/又は142は、1又は複数のバッテリーセル又はキャパシタセルを個々に独立して温度制御することを可能にする、1又は複数の加熱/冷却ゾーンを含む。
【0063】
いくつかの場合において、TED140及び142がバッテリー108及び/又はキャパシタ110を冷却するよう制御する場合は、TED140及び142に供給される電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を増やすことで、TED140及び142によってもたらされる冷却量を増やしてよい。しかしながら、TED140及び142に供給される電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を増やすことはまた、TED140及び142によってもたらされる抵抗熱量を増やし得る。従って、いくつかの場合において、TED140及び142に供給される電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を増やすことは、TED140及び142の全体の冷却効果を減らし得る。従って、TED140及び142に供給される電流量、電圧量、及び/又はパワーの量は、TED140及び142によってもたらされる冷却量と、TED140及び142によってもたらされる抵抗熱量との間のバランスに基づいて、制御されてよい。
【0064】
パワー管理モジュール112は、TED140及び142に供給される電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を、TED140及び142にわたる最大温度差を得るための前述したバランスに基づいて、制御してよい。TED140及び142のそれぞれにわたる温度差は、それぞれの全体としての冷却効果を示唆するものである。いくつかの例において、パワー管理モジュール112は、(1)TED140及び142に供給される電流量、電圧量、及び/又はパワーの量と(2)TED140及び142のそれぞれにわたる温度差との間に予め定められた関係に基づいて、TED140及び142を開ループ方式で制御する。いくつかの条件において、パワー管理モジュール112は、バッテリー108及び/又はキャパシタ110の使用年数、及び/又は温度に基づいて、予め定められた関係を調整又は選択する。
【0065】
いくつかの例において、パワー管理モジュール112は、TED140及び142に供給される電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を、TED140及び142のそれぞれにわたる測定された温度差に基づいて、閉ループ方式で制御する。例えば、パワー管理モジュール112は、TED140及び142に供給される電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を調整し、測定される温度差を最大化し、それによって冷却効果を最大化してよい。
【0066】
対照的に、TED140及び142がバッテリー108及び/又はキャパシタ110を加熱するよう制御している場合、抵抗熱量による加熱により、TED140及び142の全体の加熱効果が減少するよりもむしろ増加する。 従って、いくつかの例において、パワー管理モジュール112は、常にTED140及び142に供給される電流量、電圧量、及び/又はパワーの量を増やし、TED140及び142によってもたらされる熱量を増やす。
【0067】
電流検出回路150は、バッテリーによって供給される電流、又は再充電の間にバッテリーに供給される電流を検出する。電流検出回路150は、バッテリー108の負の端子とシャーシグランド152との間に配されてよい。電流検出回路156は、キャパシタ110によって供給される電流、又は再充電の間キャパシタ110に供給される電流を検出する。電流検出回路156は、キャパシタ110の負の端子とシャーシグランド152の間に配されてよい。 電流検出回路150及び156はそれぞれ、感知したバッテリー電流値及び容量性電流値をそれぞれ、パワー管理モジュール112に提供する。
【0068】
過電圧保護回路160は、バッテリー108の正の端子と車両パワー・バス102等の負荷との間に配されてよい。 過電圧保護回路160は、バッテリーの電圧出力を監視し、電圧値をパワー管理モジュール112に提供する。 過電圧保護回路160は、1又は複数のセルがバッテリーセルの電圧制限値以上である場合、バッテリーを過充電から保護する。過電圧保護回路160の他の機能は、過電流からバッテリーを保護することである。過電圧条件が検出された場合、バッテリー108への接続を解除してもよく、又は、他の対策を取ってもよい。例えば、過電圧又は過電流は、外部充電器を用いて充電している間に生じ得る。
【0069】
いくつかの例において、パワー管理モジュール112は、測定されたバッテリーパラメーターに基づいて、セル電圧測定、セルバランシング、温度測定、電流制限計算、充電状態(SOC)推定、及び/又は、劣化状態(SOH)推定を含む、バッテリー管理を実施する。いくつかの例において、パワー管理モジュール112はまた、測定されたキャパシタパラメーターに基づいて、セル電圧測定、セルバランシング、温度測定、電流制限計算、SOC推定、及び/又は、SOH推定を含む、キャパシタ管理を実施する。
【0070】
、バッテリー108、キャパシタ110、及び/又は、スターター/ジェネレーター174間の電流の流れを制御するために、DC/DCコンバータ161が提供されてよい。いくつかの例において、DC/DCコンバータ161は、バッテリー108、キャパシタ110、及びスターター/ジェネレーター174の間に接続された、DC/DCブーストコンバータ162及びDC/DCバックコンバータ164を含む。いくつかの例において、DC/DCブーストコンバータ162は、8~16Vの電圧の入力範囲、及び0~100アンペアの電流の入力範囲を有する。いくつかの例において、DC/DCブーストコンバータ162は、24~54Vの出力範囲、及び0~67アンペアの電流出力範囲を有する。
【0071】
いくつかの例において、DC/DCバックコンバータ164は、24~54Vの入力範囲、及び0~53アンペアの電流入力範囲を有する。いくつかの例において、DC/DCバックコンバータ164は、8~16Vの出力範囲、及び0~80アンペアの電流出力範囲を有する。理解されるように、DC/DCブーストコンバータ162及びDC/DCバックコンバータ164の定格は、応用ごとに異なるであろう。
【0072】
スターター/ジェネレーター・コントローラ170は、DC/DCブーストコンバータ162、DC/DCバックコンバータ164、及びキャパシタ110に接続されている。スターター/ジェネレーター・コントローラ170はまた、スターター/ジェネレーター174に接続されているDC/ACコンバータ172に接続されている。 スターター/ジェネレーター174はエンジン(図示せず)に接続されている。いくつかの例において、車輪を駆動するための1又は複数の電動モーター175が提供されてよい。
【0073】
車両パワー・バス102はまた、バッテリー108の電圧で動作する、電動ターボ180及び/又はアクティブサスペンションシステム182に接続されていてよい。交代で、電動ターボ184及び/又はアクティブサスペンションシステム186は、24V、36V、48Vなど等のより高い電圧で動作する場合、スターター/ジェネレーター・コントローラ170、及び/又は、DC/ACコンバータ172に接続されていてよい。
【0074】
いくつかの例において、キー・オンスターター176は、スターター/ジェネレーター・コントローラ170に接続されていてよく、高い始動電流を要する大排気量のエンジンをスタートさせるために提供されてよい。キー・オンスターター176は、キャパシタ110からの電流によって供給され、上述されたように、バッテリー108によって供給される電流によって、制限かつ制御された方式で補助されてよい。
【0075】
図1Bを参照すると、パワー管理モジュール112の例が更に詳細に示される。パワー管理モジュール112は、バッテリー監視モジュール192、キャパシタ監視モジュール194、及び制御モジュール196を含む。バッテリー監視モジュール192は、図1Aにおいて上述されたように、セル電圧、バッテリー電流、セル温度、及び/又はストリング電圧を受け取る。バッテリー監視モジュール192は、セルバランシングを実施し、バッテリー108の充電状態(SOC)値及び/又は劣化状態(SOH)値を計算する。キャパシタ監視モジュール194はまた、図1Aで上述されたように、セル電圧、キャパシタ電流、セル温度、及び/又はストリング電圧を受け取る。キャパシタ監視モジュールは、セルバランシングを実施し、キャパシタ110のSOC及び/又はSOHを計算する。
【0076】
制御モジュール196は、バッテリー監視モジュール192及びキャパシタ監視モジュール194と通信する。制御モジュール196はまた、キー・オンイベント、車速、エンジンオイル温度、駆動モードイベント、回生イベント、eブーストイベント、又は他の制御情報等の情報を、車両データ・バス114を介して他の車両コントローラから受け取ってよい。制御モジュール196はまた、バッテリー108及びキャパシタ110のSOC値及びSOH値を、車両データ・バス114を介して他の車両コントローラと共有してよい。
【0077】
制御モジュール196は、DC/DCコンバータ161を有効及び無効にする。例えば、制御モジュールは、様々な駆動モード又は動作モードの間、必要に応じて、DC/DCバックコンバータ164、及びDC/DCブーストコンバータ162を有効及び無効にする。制御モジュール196はまた、過電圧保護回路160の動作を監視する。制御モジュール196はまた、TEDドライバ回路146と通信し、バッテリー108及びキャパシタ110に関連付けられたTED140及び142内のゾーンの加熱/冷却を制御する。
【0078】
図1C及び1Eを参照すると、バッテリー及びキャパシタアセンブリ200の例が示される。バッテリー及びキャパシタアセンブリ200は、バッテリー108、キャパシタ110、及び冷却板アセンブリ202を含む。バッテリー108及びキャパシタ110はそれぞれ、セルスタック208を形成するために互いに隣接して配されたセル204及び206をそれぞれ含む。セル204及び/又は206はそれぞれ、パウチ型セルであってよい。
【0079】
セル204及び206はそれぞれ、電流をセル204及び206と伝導するための端子又はタブ209及び210をそれぞれ有する。タブ209及び210はそれぞれ、セル204及び206の上面212及び214からそれぞれ延伸している。図1C及び1Eにおいて、タブ209及び210が、図1Eに示されるバッテリー及びキャパシタアセンブリ200の側面216に向かって延伸するように、セル204及び206はその側面を下向きにして配される。代替的に、タブ209及び210が、図1Cに示されるバッテリー及びキャパシタアセンブリ200の底端218に向かって延伸するように、セル204及び206はその底面が上向きに配されてよい。
【0080】
エンドブラケット220は、セル204及び206が両側エンドブラケット220の間に配されるように、セル204及び206の外側のセルの外向きの面に沿って、セルスタック208の対向する両側端部222及び224に置かれる。いくつかの例において、エンドブラケット220は、図1Cに示されるように、概して「L」字型の断面を有する。いくつかの例において、エンドブラケット220は、金属(例えば、板金)から作られている。図1Eに示されるように、エンドブラケット220はそれぞれ、板状体226、及び板状体226に対してある角度(例えば、90度)で板状体226の端から延伸しているフランジ228を含んでよい。エンドブラケット220は、例えば、エンドブラケット220のフランジ228を通して、冷却板アセンブリ202にファスナーを挿入することにより、冷却板アセンブリ202に取り付けられている。エンドブラケット220は、動作の間、その両側のエンドブラケットの間に配置されているパウチ型の容量性セル及びバッテリーセルに、圧縮力を提供する。更に、エンドブラケット220は、セルスタック208を冷却板アセンブリ202に固定する。
【0081】
サイドブラケット232は、セルスタック208の対向する両側面に置かれ、セルスタック208の端222及び224の間を延伸する。いくつかの例において、2つのサイドブラケットはセルスタック208のそれぞれの側に置かれ、従ってサイドブラケットは全部で4つとなってよい。いくつかの例において、サイドブラケット232は、図1Eに示されるように、概して「C」字型の断面を有する。いくつかの例において、サイドブラケット232の幅Wb(図1C)はそれぞれ、0.25~0.75インチ(6.35~19.05mm)の範囲内(例えば、0.5インチ(12.7mm))である。いくつかの例において、サイドブラケット232は金属(例えば、板金)から作られている。組立の間、エンドブラケット220はセルスタック208の端222及び224に置かれ、冷却板アセンブリ202に取り付けられてよい。エンドブラケット220は、圧縮治具を用いてセルスタック208に圧縮力を加える位置に保持されてよい。そうすると、サイドブラケット232はエンドブラケット220に嵌合して取り付けられ得て、圧縮治具は除去されてよい。従って、サイドブラケット232は、エンドブラケット220と協働して、セルスタック208内のセル204及び206を圧縮してよい。
【0082】
ヒートシンク板234は、セル204及び206の間に配置され、熱を放出する。いくつかの例において、ヒートシンク板234は、図1Cに示されるように、概して「L」字型の断面を有する。いくつかの例において、ヒートシンク板234は、金属(例えば、アルミニウム)から作られている。図1Eに示されるように、ヒートシンク板234はそれぞれ、板状体236と、板状体236から板状体236に対してある角度(例えば、90度)で延伸するフランジ238を含んでよい。
【0083】
ヒートシンク板234のフランジ238は、伝導を通じて温度分配板248と熱を伝達するために、冷却板アセンブリ202の温度分配板248の外側底面230と熱的接触をしている。例えば、ヒートシンク板234のフランジ238は、底面230と直接接触してよい。代替的に、図1Dを簡単に参照すると、フランジ238と底面230の間に、ヒートシンク板234の垂直運動を可能にする隙間240があってよく、フィラー材料242が隙間240内に配置されてよい。フィラー材料242は、グリース、エポキシ、泡、及び/又は、伝導を介してヒートシンク板234及び冷却板アセンブリ202の間の熱を伝達する他の適切な種類の材料を含んでよい。
【0084】
図1C及び1Eを再び参照すると、冷却板アセンブリ202は、冷却板244、TED140及び142、及び、温度分配板248を含む。いくつかの例において、冷却板244は金属(例えば、アルミニウム)から形成される(例えば、鋳造、又は機械加工)。いくつかの例において、TED140及び142は冷却板244に埋め込まれており、温度分配板248は冷却板244内にTED140及び142を格納している。いくつかの例において、冷却板244はポケット又は隆起した実装エリアを画定し、TED140及び142はポケット内又は隆起した実装エリア上に置かれ、温度分配板248は、ポケット内又は隆起した実装エリア内にTED140及び142を格納する、冷却板244に取り付けられている。更に、温度分配板248は冷却板244に部分的に差し込まれ、図1Cに示されるように、その底面252から張り出していてよい。代替的に、温度分配板248は、冷却板244上の隆起した実装エリア上で冷却板244に完全にくっついていてよい。
【0085】
温度分配板248は、その面に沿って、ホットスポット又はコールドスポットを分散又は拡散し、温度変化を均一化する。いくつかの例において、温度分配板248はまた、熱分離が間にある複数のゾーンに分割されてもよく、その結果、バッテリー108及びキャパシタ110が異なる温度で維持され得る。例えば、温度分配板248は、バッテリー108のセル204に隣接して置かれる第1板、及び、キャパシタ110のセル206に隣接して置かれ、第1板から断熱されている第2板を含んでよい。いくつかの例において、温度分配板248は金属(例えば、アルミニウム)から形成(例えば、プレス加工)される。
【0086】
TED140及び142は、1又は複数の加熱/冷却ゾーンに配され、ゾーンの温度、及び/又はゾーンに配置されているセルの温度を、独立して制御する。ゾーンは、例えばゾーンの間に配置される空隙を用いて、互いから断熱されていてよい。示された例において、TED140は、バッテリー108のゾーン108-1に配された単一のTEDから成り、TED142は、キャパシタ110のゾーン110-1、110-2、110-3及び110-4のそれぞれに対応して配された、TED142-1、142-2、142-3及び142-4をそれぞれ含む。 TED140は、バッテリー108のセル204の温度、及び/又は、セル204が中に配置されているゾーンの温度を制御するよう配されている。例えば、TED140は、セル204の上方に、セル204に隣接して、及び/又は、図1Cに示されたバッテリー及びキャパシタアセンブリ200の長手方向軸254に沿ってセル204と整合して、配置されてよい。
【0087】
TED142-1から142-4は、キャパシタ110のセル206の温度、及び/又は、セル204が中に配置されているゾーンの温度を制御するよう配されている。例えば、TED142-1から142-4は、セル206の上方に、セル206に隣接して、及び/又は、長手方向軸254に沿ってセル206と整合して、配置されてよい。従って、TED140及び142はそれぞれ、セル204及び206の温度を独立して制御するためにそれぞれ用いられてよい。いくつかの例において、バッテリー108のセル204の温度を制御するよう、TED140の代わりに複数のTEDを用いてよい。いくつかの例において、キャパシタ110のセル206の温度を制御するよう、TED142-1から142-4の代わりに単一のTEDが用いられてよい。
【0088】
温度センサ130は、バッテリーセル204に隣接して配され、その温度を測定する。例えば、温度センサ130は、図1Eに示されるように、バッテリーセル204の上面212とバッテリー及びキャパシタアセンブリ200の側面216の内側の面との間に置かれてよい。他の例において、温度センサ130は、TED140の内部又は上に置かれてよく、又はバッテリーセル204のタブ209を互いに接続するバス・バー(図示せず)の上に置かれてよい。いくつかの例において、温度センサ130は、それぞれのバッテリーセル204に対する温度センサを含んでよい。いくつかの例において、単一の温度センサが、全てのバッテリーセル204の温度を測定するために用いられてよい。
【0089】
温度センサ136は、キャパシタセル206に隣接して配され、その温度を測定する。例えば、温度センサ136は、図1Eに示されるように、キャパシタセル206の上面214とバッテリー及びキャパシタアセンブリ200の側面216の内側の面との間に置かれてよい。他の例において、温度センサ130は、TED142-1から142-4のうちの1又は複数(例えば、全て)の内部又は上に置かれてよく、又はキャパシタセル206のタブ210を互いに接続するバス・バー(図示せず)の上に置かれてよい。いくつかの例において、温度センサ136は、それぞれのキャパシタセル206に対する温度センサを含んでよい。いくつかの例において、単一の温度センサが、全てのキャパシタセル206の温度を測定するために用いられてよい。
【0090】
いくつかの例において、温度センサ130は、バッテリーセル204がその中に配置されている1又は複数のゾーン内に、ゾーンの温度を測定するために配される。示された例において、温度センサ130は、バッテリー108のゾーン108-1内に置かれる。いくつかの例において、温度センサ136は、キャパシタセル206がその中に配置されている1又は複数のゾーン内に、ゾーンの温度を測定するために配される。示された例において、温度センサ136は、キャパシタ110のゾーン110-1、110-2、110-3及び110-4のそれぞれに配されている温度センサ136-1、136-2、136-3及び136-4をそれぞれ含む。更に、複数(例えば、5つ)のキャパシタセル206がそれぞれ、ゾーン110-1から110-4のそれぞれに配置されている。
【0091】
いくつかの例において、冷却板244は、1又は複数の冷却液チャネル256を画定し、その冷却液チャネル256を通って冷却液が流れる。冷却液チャネル256を流れる冷却液は、冷却板244から熱を吸収する。図1Cに示されるように、冷却液チャネル256は、入口256-1及び出口256-2を有する。冷却液は、入口256-1を通って冷却液チャネル256に入り、出口256-2を通って冷却液チャネル256から出る。
【0092】
示された例において、入口256-1及び出口256-2は、冷却板244の対向する両端部に配置されている。代替的に、入口256-1及び出口256-2は、冷却板244の同じ側に配置されてもよい。更に、冷却液チャネル256は、全体として、概して「U」字型の、入口256-1から出口256-2に延伸するチャネルを形成してよく、「U」字型のチャネル内に、冷却フィン(図示せず)が配置されてよい。冷却フィンは、冷却板244と冷却液チャネル256を流れる冷却液との間の熱伝達量を増やし、フィンの間に冷却液を流しつつ、冷却液チャネル256を分割してよい。
【0093】
いくつかの例において、DC/DCブーストコンバータ162及びDC/DCバックコンバータ164は、冷却板アセンブリ202の外側の上面258と熱的に接触している(又は、熱交換の関係にある)。同様に、DC/ACコンバータ172はまた、冷却板アセンブリ202の外側の面258と熱的に接触している(又は、熱交換の関係にある)。
【0094】
筐体260は、冷却板244と協働して、セルスタック208を完全に取り囲む。図1Eに示されるように、筐体260は、閉塞した底部262を持つ箱状容器で、開口した上側264、並びに、側面266、268、270及び272を有する。筐体260は、例えば、筐体260の側面266及び270から冷却板244にファスナーを挿入すること、又は、側面266、268、270及び272の上側に置かれているフランジ(図示せず)から冷却板244にファスナーを挿入することにより、冷却板アセンブリ202に取り付けられてよい。いくつかの例において、筐体260は金属及び/又はプラスチックから作られている。いくつかの例において、パワー管理モジュール112もまた、筐体260内に配置されている。
【0095】
バッテリー108及びキャパシタ110を単一筐体内に統合することは、従来型のハイブリッドバッテリーの物理的サイズと比較してバッテリー108の物理的サイズを小さくすることによって実現することができる。例えば、従来型のハイブリッドバッテリーは100Ahの容量に対応した物理的サイズを有し得るのに対して、バッテリー108は17Ahの容量に対応した物理的サイズを有し得る。より小さい物理的サイズのバッテリー108の実現は、主としてキャパシタ110を用いること、スタートイベント又はeブーストイベントの間に生じる高電流負荷を支援するバッテリー108を間接的にしか用いないこと、及び、バッテリー108の放電レート(又は、Cレート)を制限すること、によって可能となる。パワー管理に関する更なる詳細は、2016年3月2日に出願された米国特許出願第62/302,372号明細書に見ることができる。
【0096】
続けて図1Eを参照すると、バッテリー及びキャパシタアセンブリ200は、長さL、幅W、及び高さHを有する。長さLは、筐体260の側面266の外側の面から、筐体260の側面270の外側の面までである。幅Wは、筐体260の側面268の外側の面から、筐体260の側面272の外側の面までである。高さHは、筐体260の底部262の外側の面から、筐体260の上面274までであり、筐体260の開口した上側264あたりまでである。
【0097】
バッテリー及びキャパシタアセンブリ200の寸法は、従来型の鉛電池の寸法と同等であってよい。例えば、幅Wは200ミリメートル(mm)以下であってよく、高さHは260mm以下であってよく、長さLは400mm以下であってよい。いくつかの例において、幅Wは170~200mmの範囲内であってよく、高さHは200~260mmの範囲内であってよく、長さLは300~400mmの範囲内であってよい。
【0098】
前述の寸法は、図1C及び1Eに示されるように、セル204及び206が、その側面を下向きにして配される場合に適用され得る。従って、セル204及び206がその底面を下向きにして配される場合、幅W及び高さHの数値的な範囲は保持されてよい。例えば、幅Wは200~260mmの範囲内であってよく、高さHは170~200mmの範囲内であってよい。
【0099】
バッテリー及びキャパシタアセンブリ200の寸法は、バッテリー108及びキャパシタ110のそれぞれの、セル204及び206の寸法それぞれに対して定量化されてよい。例えば、バッテリー及びキャパシタアセンブリ200の幅W、高さH、及び長さLにそれぞれ整合して、セル204及び206は、D1、D2、及びD3の寸法をそれぞれ有してよい。寸法D1は120~140mmの範囲内(例えば、130mm)であってよく、寸法D2は145~165mmの範囲内(例えば、140mm)であってよく、全てのセル204及び206に対応する寸法D3の合計は、240~260mmの範囲内(例えば、250mm)であってよい。
【0100】
バッテリー及びキャパシタアセンブリ200の幅Wは、セル204及び206のそれぞれの寸法D1よりも、50~60パーセントの範囲内(例えば、54パーセント)の分だけ大きくてよい。幅Wが寸法D1よりも大きい分だけ、筐体260の厚さT、並びに、セル204及び206のそれぞれのタブ209及び210のそれぞれに対して、間隔に余裕が生じ得る。更に、パワー管理モジュール112は、(1)タブ209及び210、並びに(2)筐体260の間に置かれてよく、また、幅Wが寸法D1よりも大きい分だけ、パワー管理モジュール112に対して間隔に余裕が生じ得る。
【0101】
バッテリー及びキャパシタアセンブリ200の高さHは、セル204及び206のそれぞれの寸法D2よりも、10~20パーセントの範囲内(例えば、12パーセント)の分だけ大きくてよい。高さHが寸法D2よりも大きい分だけ、筐体260の厚さTに対して間隔に余裕が生じ得る。バッテリー及びキャパシタアセンブリ200の長さLは、セル204及び206のそれぞれの寸法D3の全ての合計よりも、15~25パーセントの範囲内(例えば、20パーセント)の分だけ大きくてよい。長さLが寸法D3よりも大きい分だけ、筐体260の厚さT、エンドブラケット220、並びに、セル204及び206の累積公差に対して、間隔に余裕が生じ得る。
【0102】
図1C及び1Eに示されるように、セル204及び206がその側面を下向きにして配される場合、セル204及び206の寸法D1は幅Wと整合してよく、寸法D2は高さHと整合してよい。対照的に、セル204及び206がその底面を下向きにして配される場合、セル204及び206の寸法D1は高さHと整合してよく、寸法D2は幅Wと整合してよい。この場合、寸法D1は145~165mmの範囲内(例えば、140mm)であってよく、寸法D2は120~140mmの範囲内(例えば、130mm)であってよい。更に、幅Wは、セル204及び206のそれぞれの寸法D2よりも、10~20パーセントの範囲内(例えば、12パーセント)の分だけ大きくてよい。更に、高さHは、セル204及び206のそれぞれの寸法D1よりも、50~60パーセントの範囲内(例えば、54パーセント)の分だけ大きくてよい。
【0103】
図1Fを参照すると、パウチ構成を有するセル300の例が示される。セル300は、バッテリー108のセル204のうちの1つ、及び/又はキャパシタ110のセル206のうちの1つを代表していてよい。セル300は、筐体302、第1電極(例えば、カソード)304、第2電極(例えば、アノード)306、及び、第1電極304及び第2電極306のうちの1つずつに隣接して配置されるセパレータ308、を含む。
【0104】
筐体302は、第1側面310及び第2側面312を含む。組立の間、電極304及び306並びにセパレータ308は、第1側面310及び第2側面312の間に置かれてよく、第1側面310及び第2側面312は、継ぎ目314に沿って接合されてよい。 順々に、電極304及び306並びにセパレータ308は、筐体302内に封入されてよい。いくつかの例において、筐体302はプラスチックから作られており、第1側面310及び第2側面312は、接着剤及び/又は熱溶着を用いて、継ぎ目314に沿って接合される。
【0105】
電極304はそれぞれ、板状体316、及び、板状体316の一端から延伸するタブ318を含む。同様に、電極306はそれぞれ、板状体320、及び、板状体320の一端から延伸するタブ322を含む。電極304のタブ318は協働して、セル204又は206のタブ209又は210のうちの1つを形成してよく、また、電極306のタブ322は協働して、セル204又は206のうちの同じ1つ上に、タブ209又は210のうちの他の1つを形成してよい。
【0106】
セル300がリチウムイオンバッテリーセルである場合、電極304及び306はリン酸鉄リチウム(LiFePO4)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)(LTO)、及び/又は、他のリチウムイオン化学作用又はバッテリー化学作用で被覆されていてよい。更に、セル300は、電気化学的にエネルギーを蓄積してよい。セル300がスーパーキャパシタ(又はウルトラキャパシタ)セルである場合、電極304及び306は、活性炭(AC)、炭素繊維織物(AFC)、カーバイド誘導炭素(CDC)、カーボンエアロゲル、グラファイト、グラフェン、グラファン、カーボンナノチューブ(CNT)、及び/又は、他のスーパーキャパシタの化学作用から作られていてよく、又はそれらで被覆されていてよい。更に、セル300は、エネルギーを電極304及び306の面に静電的に蓄積してよく、セル300のエネルギーストレージは化学反応を伴わなくてよい。
【0107】
セル300が放電する場合は、エネルギーを包含するイオンが、電極304又は306のうちの1つからセパレータ308のうちの1つを通過し、電極304又は306のうちの他の1つに移動する。イオンの運動によりエネルギーが解放され、そのエネルギーは外部回路により取り出されて良い。セル300を充電する場合は、リチウムイオンが出発した電極304又は306のうちの1つにイオンを戻すために、エネルギーが用いられる。セパレータ308は、電極304及び306を互いから電気的に絶縁するために、電気絶縁材料から形成されている。
【0108】
図2を参照すると、動作の間、バッテリー108及びキャパシタ110の温度を制御するための方法350が示される。方法350は、図1Bに示されるパワー管理モジュール112の実装例に含まれるモジュールとの関わりにおいて説明される。しかしながら、方法の段階を実施する特定のモジュールは後述のモジュールと異なってよく、及び/又は、方法は図1Bに記載のモジュールから離れて実装されてよい。
【0109】
360において、制御モジュール196は、キーがオンかを決定する。360が真の場合、制御モジュール196はバッテリーセル204の温度を個別に監視する、又は、バッテリーセル204が中に配置されている1又は複数のゾーンの温度を監視する。いくつかの例において、制御モジュール196は、温度センサ130を用いてバッテリーセル又はゾーン温度を監視する。368において、制御モジュール196は、バッテリーセル又はゾーン温度が第1温度T1未満かを決定する。368が真の場合、制御モジュール196は、TED140を用いて対応するバッテリーセル又はゾーンを加熱する。例えば、制御モジュール196は、温度センサ130によって測定された温度が第1温度T1未満であるとき、ゾーン108-1内に配置されたバッテリーセル204を加熱してよい。
【0110】
368が偽の場合、制御モジュール196は376に進み、バッテリーセル又はゾーン温度が第2温度T2よりも高いかを決定する。376が真の場合、制御モジュール196は、TED140を用いて対応するバッテリーセル又はゾーンを冷却する。例えば、制御モジュール196は、温度センサ130によって測定された温度が第2温度T2よりも高い場合、ゾーン108-1内に配置されたバッテリーセル204を冷却してよい。
【0111】
制御モジュール196は、372、376、又は378から進んで、キャパシタセル206の温度を個別に監視する、又は、キャパシタセル206が中に配置されている1又は複数のゾーンの温度を監視する。いくつかの例において、制御モジュール196は、温度センサ136を用いてキャパシタセル又はゾーン温度を監視する。384において、制御モジュール196は、キャパシタセル又はゾーン温度が第3温度T3未満かを決定する。384が真の場合、制御モジュール196は338に進み、TED142を用いて対応するキャパシタセル又はゾーンを加熱する。例えば、制御モジュール196は、温度センサ136-1によって測定された温度が第3温度T3未満である場合、ゾーン110-1内に配置されたキャパシタセル206を加熱してよい。同様に、制御モジュール196は、温度センサ136-2、136-3又は136-4のそれぞれによって測定された温度がそれぞれ第3温度T3未満である場合、ゾーン110-2、110-3又は110-4内に配置されたキャパシタセル206を加熱してよい。
【0112】
384が偽の場合、制御モジュール196は390に進み、キャパシタセル又はゾーン温度が第4温度T4よりも高いかを決定する。390が真の場合、396に進み、制御モジュール196は、TED142を用いて対応するバッテリーセル又はゾーンを冷却する。例えば、制御モジュール196は、温度センサ136-1によって測定された温度が第4温度T4よりも高いとき、ゾーン110-1内に配置されたキャパシタセル206を冷却してよい。同様に、制御モジュール196は、温度センサ136-2、136-3又は136-4によってそれぞれ測定された温度が第4温度T4よりも高いとき、対応するゾーン110-2、110-3又は110-4内にそれぞれ配置されたキャパシタセル206を加熱してよい。
【0113】
いくつかの例において、バッテリーセル温度が第1温度未満である場合、制御モジュール196は、バッテリー108が充電中又は放電中かに基づいて、対応するバッテリーセル又はゾーンを加熱するかを決定する。バッテリー108が充電中の場合にバッテリーセル温度が第1温度未満であるとき、制御モジュール196は対応するバッテリーセル又はゾーンを加熱する。バッテリー108が放電中の場合にバッテリーセル温度が第1温度未満であるとき、制御モジュール196は対応するバッテリーセル又はゾーンを加熱しない。
【0114】
図3を参照すると、キャパシタ110用の温度の関数として、DC等価直列抵抗(ESR)が450で示され、容量が454で示される。キャパシタ110を第3温度T3(456)より高い温度まで加熱し、低温におけるESRを下げ、ハイパワーかつ大容量を確保する。これは、コールドスタート及びeブースト等のハイパワー負荷に対して重要であり得る。キャパシタ110を、第4温度T4(458)より低い温度まで冷却し、キャパシタセル寿命を向上させる。
【0115】
図4を参照すると、バッテリー108用のセル動作温度の関数として、サイクル寿命が460で示される。バッテリー内のセルを、第1温度T1(466)より高い温度まで加熱し、低抵抗、ハイパワー、満容量、かつ長寿命を確保する。これは、コールドスタート等のハイパワー負荷に対して重要であり得る。バッテリーセルを第2温度T2(468)より低い温度まで冷却し、バッテリーセル寿命を向上させる。
【0116】
いくつかの例において、バッテリーセル用の第1温度T1は、キャパシタセル用の第3温度T3と異なり、及び/又は、バッテリーセル用の第2温度T2は、キャパシタセル用の第4温度T4と異なる。TEDはゾーンに配されているので、バッテリーセル及びキャパシタセルが上述された共通のアセンブリ内に配されているとしても、キャパシタセルとは異なる温度範囲がバッテリーセルの加熱及び冷却に用いられてよい。他の例において、バッテリーセル用の第1温度T1は、キャパシタセル用の第3温度T3と同一である、及び/又は、バッテリーセル用の第2温度T2は、キャパシタセル用の第4温度T4と同一である。
【0117】
他の温度が用いられてもよいが、例えば、第1温度T1は5~15℃の範囲内であってよく、第2温度は45~55℃の範囲内であってよく、第3温度T3は-5~5℃の範囲内であってよく、また、第4温度T4は35~45℃の範囲内であってよい。他の例において、第1温度T1は10℃であってよく、第2温度T2は50℃であってよく、第3温度T3は0℃であってよく、また、第4温度T4は40℃であってよい。
【0118】
いくつかの例において、第1温度T1、第2温度T2、第3温度T3、及び/又は第4温度T4は、予め定められている。いくつかの例において、制御モジュール196は、バッテリーセル204の目標抵抗、バッテリーセル204によって供給される目標パワー量、バッテリーセル204の目標容量、及び/又はバッテリーセル204の目標寿命に基づいて、第1温度T1及び/又は第2温度T2を決定する。いくつかの例において、制御モジュール196は、キャパシタセル206の目標抵抗、キャパシタセル206によって供給される目標パワー量、キャパシタセル206の目標容量、及び/又はキャパシタセル206の目標寿命に基づいて、第3温度T3及び/又は第4温度T4を決定する。
【0119】
一例において、20℃より低い温度では、バッテリーセル204の容量は減少し得、また、バッテリーセル204が-20℃より低い温度で充電されると、バッテリーセル204には不可逆的な損傷が生じ得る。従って、バッテリー満容量が所望される場合には、制御モジュール196は温度T1を20℃に設定してよい。そうでない場合には、制御モジュール196は温度T1を-20℃に設定してよい。
【0120】
一例において、制御モジュール196は、バッテリーセル204によって供給される目標パワー量とバッテリーセル204の目標寿命との間のバランスに基づいて、第2温度T2を決定してよい。例えば、通常、第1温度T1は、その温度よりも高いとバッテリーセル204の寿命が急速に低下する温度(例えば、50℃)であってよい。しかしながら、最大のバッテリーパワーが所望される場合には、制御モジュール196は一時的に、第1温度T1をより高い温度(例えば、60℃)に調整してよい。
【0121】
上記説明は本質的に例示にすぎず、いかなる場合であっても、本開示、その用途、又は使用法を限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実装され得る。従って、本開示は具体例を含むが、添付図面、明細書及び以下の特許請求の範囲を検討すると、他の修正形態が自明となるので、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきでない。方法の中の1つ又は複数の段階が、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(又は同時に)実行されてよいことを理解されたい。更に、実施形態の各々は、特定機能を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関連して記載されている機能のうち、任意の1つ又は複数は、他の実施形態のいずれかの機能の中に実装され得るか、及び/又は、明示的な組み合わせの記載が無い場合でも、それと組み合わせて実装され得る。換言すれば、記載されている実施形態は、相互排他的なものではなく、1つ又は複数の実施形態を互いに入れ替えたものは、本開示の範囲内に留まる。
【0122】
本明細書で使用されるA、B、及びCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理「又は(OR)」を使用して、論理(A又は(OR)B又は(OR)C)を意味するものと解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、及び、Cのうちの少なくとも1つ」を意味するものと解釈されるべきではない。要素間(例えば、モジュール、回路要素、半導体層等の間)における空間的及び機能的関係が、「接続された(connected)」、「隣接した(adjacent)」、「隣の(next to)」、「の上の(on top of)」、「内側(inner)」、「外側(outer)」、「真下(beneath)」、「下(below)」、「下側(lower)」、「上(above)」、「上側(upper)」、「底(bottom)」、「頂上(top)」、「側(side)」、及び「配置された(disposed)」等の様々な用語を用いて説明されている。上述の開示において第1要素及び第2要素間の関係が説明される場合、その関係は、第1要素及び第2要素の間に他の要素が介在しない直接的関係であり得るが、「直接的」であると明示的に説明されない限り、第1要素及び第2要素の間に1又は複数の要素が(空間的、又は機能的に)介在する間接的関係でもあり得る。
【0123】
本明細書において、更に、空間的な相対的用語(spatially relative term)が、図中に示されるように他の要素又は特徴に対する一要素又は特徴の関係の説明を容易にするために用いられ得る。空間的な相対的用語は、図に描かれた方向性に加え、使用する際又は実行する際のデバイスの異なる方向性を包含することを意図し得る。例えば、もし図中のデバイスがひっくり返された場合、他の要素又は特徴の"下"又は"真下"として記載された要素は、他の要素又は特徴の"上"に方向付けられるであろう。従って、例えば用語「下(below)」は、上及び下の双方の方向性を包含し得る。デバイスはこれ以外に方向付けられてよく(90度又は他の向きに回転)、及び、本明細書で使用される空間的に相対的な複数の記述はそれに応じて解釈されてよい。
【0124】
本願において、以下の定義を含み、用語「モジュール」又は用語「コントローラ」は、用語「回路」と置き換えられてよい。用語「モジュール」は、次のものを指してよく、又は次のものの一 部であってよく、又は次のものを含んでよい。すなわち、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ若しくは混成アナログ/デジタルのディスクリート回路、デジタル、アナログ若しくは混成アナログ/デジタルの集積回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、又はグループ)、プロセッサ回路によって実行されるコードを格納するメモリ回路(共有、専用、又はグループ)、上記の機能を提供する他の好適なハードウェアコンポーネント、又はシステムオンチップにおけるような上記のうちのいくつか又は全ての組み合わせである。
【0125】
モジュールは1又は複数のインタフェース回路を含んでよい。いくつかの例において、インタフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、若しくはこれらの組み合わせに接続される有線又は無線のインタフェースを含んでよい。本開示の任意の所与のモジュールの機能は、インタフェース回路を介して接続される複数のモジュールにわたり分散されてよい。例えば、複数のモジュールは負荷分散を許容してよい。更なる例において、サーバ(リモート又はクラウドとしても知られている)モジュールは、クライアントモジュールの代わりに何らかの機能を遂行してよい。
【0126】
用語コードは上記で使用されるように、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はマイクロコードを含んでよく、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、及び/又はオブジェクトを指してよい。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールのいくつか又は全てのコードを実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路との組み合わせにおいて、1又は複数のモジュールに属するいくつか又は全てのコードを実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路という言及は、別個のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一ダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、又は上記のものの組み合わせを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールに属するいくつか又は全てのコードを格納する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリとの組み合わせにおいて1又は複数のモジュールに属するいくつか又は全てのコードを格納するメモリ回路を包含する。
【0127】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、媒体(搬送波等)を介して伝播される一時的な電気又は電磁信号を包含しない。コンピュータ可読媒体という用語は従って、有形及び非一時的なものとみなされてよい。非一時的な有形のコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ回路、又はマスクリードオンリメモリ回路等)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路又はダイナミックランダムアクセスメモリ回路等)、磁気記憶媒体(アナログ若しくはデジタル磁気テープ又はハードディスクドライブ等)、及び光記憶媒体(CD、DVD、又はブルーレイディスク等)である。
【0128】
本願に記載の装置及び方法は、コンピュータプログラムで具現される1又は複数の特定の機能を実行するよう汎用コンピュータを構成することによって作成される特定用途のコンピュータによって部分的又は完全に実装されてよい。上述の機能ブロック、フローチャートコンポーネント、及び他の要素は、当業者又はプログラマの日常業務によってコンピュータプログラムに変換可能なソフトウェア仕様として機能する。
【0129】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的な有形のコンピュータ可読媒体上に格納されるプロセッサで実行可能な命令を含む。コンピュータプログラムはまた、格納されたデータを含んでよく、又は格納されたデータに依存してよい。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアとやり取りする基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスとやり取りするデバイスドライバ、1又は複数のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーション等を包含してよい。
【0130】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)又はXML(拡張マークアップ言語)等の解析されるべき記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによって実行されるソースコード、(v)JITコンパイラ等によってコンパイル及び実行されるソースコードを含んでよい。例示にすぎないが、ソースコードはC、C++、C#、Objective C、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5、Ada、ASP(active server pages),PHP、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、及びPython(登録商標)を含む言語の構文を使用して記述されてよい。
【0131】
本願の特許請求の範囲に記載されるどの要素も、「手段(means)」の表現を用いて、又は、方法クレームの場合は「~する操作(operation for)」又は「~する段階(step for)」の表現を用いて要素が明示的に記載されない限り、米国特許法第112条(f)の意味するミーンズ・プラス・ファンクション(means-plus-function)要素を意図しない。
[項目1]
複数のバッテリーセルと、
複数のキャパシタセルであって、上記複数のバッテリーセル及び上記複数のキャパシタセルがセルスタックを形成するように上記複数のバッテリーセルに隣接して配される複数のキャパシタセルと、
冷却板と、
上記セルスタックの対向する両端部に配置され、上記冷却板に取り付けられた一対のエンドブラケットであって、上記一対のエンドブラケットは、上記複数のバッテリーセル及び上記複数のキャパシタセルを圧縮する一対のエンドブラケットと、
上記冷却板に取り付けられ、上記セルスタック及び上記一対のエンドブラケットを取り囲む筐体と
を備える、ハイブリッド車両用のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目2]
上記複数のバッテリーセルのそれぞれ、及び上記複数のキャパシタセルのそれぞれは、パウチセルの構成を有する、項目1に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目3]
上記複数のバッテリーセルのそれぞれはリチウムイオン電池セルであり、上記複数のキャパシタセルのそれぞれはスーパーキャパシタセル及びウルトラキャパシタセルのうちの少なくとも一方である、項目2に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目4]
上記セルスタックの対向する両側面に配置され、上記セルスタックの対向する上記両端部間に延伸する一対のサイドブラケットを更に備え、上記サイドブラケットは、上記エンドブラケットに取り付けられており、上記エンドブラケットと協働して、上記複数のバッテリーセル及び上記複数のキャパシタセルを圧縮する、項目1に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目5]
上記バッテリー及びキャパシタアセンブリは、上記セルスタックの対向する上記両端部に隣接する上記筐体の外側両端面の間を延伸する長さと、上記筐体の外側両側面の間を延伸する幅と、上記筐体の外側底面と上記冷却板の外側上面との間を延伸する高さとを有し、
上記幅及び上記長さのうちの少なくとも一方は260ミリメートル以下である、
項目1に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目6]
上記幅は200ミリメートル以下であり、上記高さは260ミリメートル以下である、項目5に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目7]
上記長さは400ミリメートル以下である、項目6に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目8]
上記冷却板は、上記冷却板から熱を吸収する冷却液を上記冷却板内に通すための、冷却液チャネルを画定する、項目1に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目9]
上記複数のバッテリーセル及び上記複数のキャパシタセルのうちの隣接するセル間に配置され、伝導を通じて上記冷却板と熱を伝達するよう配される複数のヒートシンク板を更に備える、項目1に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目10]
上記冷却板及び上記セルスタックの間に配置され、上記複数のバッテリーセルの温度を調整し、また、上記複数のバッテリーセルの上記温度の調整とは独立して、上記複数のバッテリーセルの温度を調整するよう構成される複数の熱電デバイスを更に備える、項目9に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目11]
上記複数の熱電デバイスのうちの少なくとも1つは、上記冷却板と上記複数のバッテリーセルとの間に配置され、
上記複数の熱電デバイスのうちの少なくとも1つは、上記冷却板と上記複数のキャパシタセルとの間に配置される、
項目10に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目12]
上記複数の熱電デバイス及び上記セルスタックの間に配置され、上記冷却板及び上記複数の熱電デバイスのうちの少なくとも1つと接する温度分配板を更に備え、上記複数の熱電デバイスは上記冷却板と接している、項目10に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目13]
上記複数のヒートシンク板はそれぞれ、上記複数のバッテリーセル及び上記複数のキャパシタセルのうちの隣接するセルの間に配置された板状体と、フランジであって、
上記温度分配板との直接接触、及び
上記フランジ及び上記温度分配板の間に配置されたフィラー材料
のうちの少なくとも一方を用い、伝導を通じて上記温度分配板と熱を伝達するフランジとを含む、項目12に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目14]
複数のバッテリーセルと、
上記複数のバッテリーセル及び複数のキャパシタセルがセルスタックを形成するように、上記複数のバッテリーセルに隣接して配される上記複数のキャパシタセルと、
冷却板と、
上記冷却板及び上記セルスタックの間に配置され、上記複数のバッテリーセルを加熱及び冷却し、また、上記複数のバッテリーセルの加熱及び冷却とは独立して、上記複数のキャパシタセルを加熱及び冷却するよう構成される複数の熱電デバイスと
を備える、ハイブリッド車両用のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目15]
上記複数の熱電デバイスのうちの少なくとも1つは、上記複数のキャパシタセルを加熱及び冷却するよう配され、
上記複数の熱電デバイスのうちの少なくとも1つは、上記複数のバッテリーセルを加熱及び冷却するよう配される、
項目14に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目16]
上記複数の熱電デバイスのうちの1つの単一のデバイスは、上記複数のキャパシタセルを加熱及び冷却するよう配され、
上記複数の熱電デバイスのうちの少なくとも2つのデバイスは、上記複数のバッテリーセルを加熱及び冷却するよう配される、
項目15に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目17]
上記複数の熱電デバイスのそれぞれは、加熱及び冷却するよう上記熱電デバイスが構成されている対象である、上記複数のバッテリーセル及び上記複数のキャパシタセルのうちの1つと整合している、項目15に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目18]
上記複数の熱電デバイス及び上記セルスタックの間に配置され、上記冷却板及び上記複数の熱電デバイスのうちの少なくとも一方と接している温度分配板を更に備え、上記複数の熱電デバイスは上記冷却板と接している、項目14に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目19]
上記複数の熱電デバイスは上記冷却板内のポケットの中に配置され、上記温度分配板は上記複数の熱電デバイスを上記ポケットの中に格納する、項目18に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目20]
上記温度分配板は部分的に上記冷却板に差し込まれる、項目19に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目21]
上記複数のバッテリーセル及び上記複数のキャパシタセルのうちの隣接するセルの間に配置され、伝導を通じて、上記温度分配板と熱を伝達するよう配される、複数のヒートシンク板を更に備える、項目18に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
[項目22]
上記複数のヒートシンク板はそれぞれ、上記複数のバッテリーセル及び上記複数のキャパシタセルのうちの隣接するセルの間に配置された板状体と、フランジであって、
上記温度分配板との直接接触、及び
上記フランジ及び上記温度分配板の間に配置されたフィラー材料
のうちの少なくとも一方と直接接触し、伝導を通じて上記温度分配板と熱を伝達するフランジとを含む、項目21に記載のバッテリー及びキャパシタアセンブリ。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3
図4