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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】複数の血液バッグシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/02 20060101AFI20220105BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20220105BHJP
   B03B 5/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A61M1/02 140
A61J1/05 313N
B03B5/00 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018557828
(86)(22)【出願日】2017-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2017060718
(87)【国際公開番号】W WO2017191289
(87)【国際公開日】2017-11-09
【審査請求日】2020-02-26
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2016/060090
(32)【優先日】2016-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517387546
【氏名又は名称】アエニティス テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント,エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ボヘック,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ガチェリン,ジェレミエ
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0181828(US,A1)
【文献】特開昭63-200767(JP,A)
【文献】特開2008-173569(JP,A)
【文献】特表2004-535912(JP,A)
【文献】特表2015-514516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0110763(US,A1)
【文献】特表2012-503776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/02
A61J 1/05
B01D 21/28
A61J 1/05
B03B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸血に使用するための血液製剤のハイスループット調製のための方法であって、前記方法が、以下の:
密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムを準備するステップであって、前記システムが、
個体から得た全血を含む、少なくとも1つの出口を含む体液回収バッグ(B.00)と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第1および第2のサンプリングバッグ(B.10、B.12)と、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第2のバッファーバッグ(B.11)と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第3および第4のサンプリングバッグ(B.20、B.22)と、
体液回収バッグ(B.00)からサンプリングバッグ(B.10、B.12)まで体液を移すための第1の手段(AS0)、および第1のサンプリングバッグ(B.10)から第3および第4のサンプリングバッグ(B.20、B.22)まで体液を移すための第2の手段(AS1)であって、前記体液を移すための第1および第2の手段(AS0、AS1)が、それぞれ、
長軸に沿って延在するチャネルであって、前記チャネルが、第1の横軸に沿って測定した幅、および前記第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、前記幅が前記厚さ以上であり、前記チャネルが、前記第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
前記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
前記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、前記第1の出口が、第2の横軸(z)上で前記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と
を含む、第1の手段および第2の手段と
を含み、
前記体液回収バッグ(B.00)の少なくとも1つの出口が、前記体液を移すための第1の手段(AS0)の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、前記体液を移すための第1の手段(AS0)の少なくとも第1および第2の出口が、前記第1および第2のサンプリングバッグ(B.12、B.10)のそれぞれの少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、前記第1のサンプリングバッグ(B.10)の少なくとも1つの出口が、前記体液を移すための第2の手段(AS1)の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、前記体液を移すための第2の手段(AS1)の少なくとも第1および第2の出口が、前記第3および第4のサンプリングバッグ(B.20、B.22)のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、前記第2のバッファーバッグ(B.11)の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第2の手段(AS1)の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している、
前記システムを準備するステップと、
音波発生器の手段により体液を移すための第1の手段(AS0)のチャネルの中に音場を適用するステップと、
前記体液を移すための第1の手段(AS0)において、前記体液回収バッグ(B.00)の内容物を移すステップと、
前記第1のサンプリングバッグ(B.10)中に血液細胞を回収し、前記第2のサンプリングバッグ(B.12)中に血漿を回収するステップと、
前記音波発生器の手段により前記体液を移すための第2の手段(AS1)のチャネルの中に音場を適用するステップと、
前記体液を移すための第2の手段(AS1)において、前記第1のサンプリングバッグ(B.10)および前記第2のバッファーバッグ(B.11)の内容物を移すステップと、
前記第3のサンプリングバッグ(B.20)中に赤血球濃縮物を回収し、前記第4のサンプリングバッグ(B.22)中に血小板濃縮物を回収するステップと
を含み、
前記体液を移すための第1および第2の手段(AS0、AS1)のチャネルの中に作製された音場が、容積測定用の音の定常波を含む、方法。
【請求項2】
前記密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムが、バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第1のバッファーバッグであって、前記少なくとも1つの出口が、前記体液を移すための第1の手段(AS0)の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している、第1のバッファーバッグをさらに含む、請求項1に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項3】
前記密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムが、さらに、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第3のバッファーバッグ(B.21)と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第5および第6のサンプリングバッグ(B.30、B.31)と、
前記第3のサンプリングバッグ(B.20)から前記第5および第6のサンプリングバッグ(B.30、B.31)まで体液を移すための第3の手段(AS2)であって、前記体液を移すための第3の手段(AS2)が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、前記チャネルが、第1の横軸に沿って測定した幅および前記第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、前記幅が前記厚さ以上であり、前記チャネルが、前記第2の横軸(z)に沿った第1および第2の壁を有する、チャネルと、
前記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
前記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、前記第1の出口が、前記第2の横軸(z)上で前記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と
を含む、第3の手段と
を含み、
前記第3のサンプリングバッグ(B.20)の少なくとも1つの出口が、前記体液を移すための第3の手段(AS2)の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、前記体液を移すための第3の手段(AS2)の少なくとも第1および第2の出口が、第5および第6のサンプリングバッグ(B.30、B.31)のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、前記第3のバッファーバッグの出口が、前記体液を移すための第3の手段(AS2)の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、
前記方法が、さらに、以下の:
音波発生器の手段により前記体液を移すための第3の手段(AS2)のチャネルの中に音場を適用するステップと、
前記体液を移すための第3の手段(AS2)において、前記第3のサンプリングバッグ(B.20)および前記第3のバッファーバッグ(B.21)の内容物を移すステップと、
前記第5のサンプリングバッグ(B.30)中に赤血球濃縮物を回収し、前記第6のサンプリングバッグ(B.31)中に白血球濃縮物を回収するステップと
を含む、
請求項1または2に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項4】
前記密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムが、さらに、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第4のバッファーバッグ(B.23)と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第7および第8のサンプリングバッグ(B.32、B.33)と、
前記第4のサンプリングバッグ(B.22)から前記第7および第8のサンプリングバッグ(B.32、B.33)まで体液を移すための第4の手段(AS3)であって、前記体液を移すための第4の手段(AS3)が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、前記チャネルが、第1の横軸に沿って測定した幅および前記第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、前記幅が前記厚さ以上であり、前記チャネルが、前記第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
前記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
前記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、前記第1の出口が、前記第2の横軸(z)上で、前記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
を含む、第4の手段と
を含み、
前記第4のサンプリングバッグ(B.22)の少なくとも1つの出口が、前記体液を移すための第4の手段(AS3)の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、前記体液を移すための第4の手段(AS3)の少なくとも第1および第2の出口が、前記第7および第8のサンプリングバッグ(B.32、B.33)のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、前記第4のバッファーバッグ(B.23)の出口が、前記体液を移すための第4の手段(AS3)の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、
前記方法が、さらに以下の:
前記音波発生器の手段により前記体液を移すための第4の手段(AS3)のチャネルの中に音場を適用するステップと、
前記体液を移すための第4の手段(AS3)において、前記第4のサンプリングバッグ(B.22)および前記第4のバッファーバッグ(B.23)の内容物を移すステップと、
前記第7のサンプリングバッグ(B.32)中に血小板濃縮物を回収するステップと
を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項5】
体液を移すための手段が、さらに、前記チャネルの中に波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器を含み、前記体液を移すための手段のチャネルの厚さが、λ/2に等しく、またはλ/2の倍数に等しい、請求項1~4のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項6】
前記体液を移すための第3または第4の手段(AS2、又はAS3)のチャネルの中に作製された音場が、容積測定用の音の定常波を含む、請求項3~5のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項7】
前記スループットが、0.5mL/分~100mL/分の範囲にある、請求項1~6のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項8】
前記スループットが、0.5mL/分~20mL/分の範囲にある、請求項7に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項9】
前記チャネルの幅/厚さの比が、2超であり、前記チャネルの長さ/幅の比が10超である、請求項1~8のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項10】
前記チャネルの厚さが、300マイクロメートル超である、請求項1~9のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項11】
前記チャネルの厚さが、375マイクロメートル~750マイクロメートルの範囲にある、請求項10に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項12】
前記チャネルの幅が、10ミリメートル超である、請求項1~11のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項13】
前記長軸に沿ったチャネルの長さが、10センチメートル超である、請求項1~12のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項14】
前記体液回収バッグ(B.00)が、静脈用穿刺針と無菌的に体液を流すように接続している入口を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項15】
前記チャネルの中に音場を適用するステップが、前記チャネルの第1の壁に音場発生器を連結するステップを含み、前記第1の壁の音響コンダクタンスが、0.5~1の範囲にある、請求項1~14のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【請求項16】
前記チャネルの第2の壁が、反射体であり、前記第2の壁の音響反射係数が、0.5~1の範囲にある、請求項1~15のいずれか1項に記載の血液製剤のハイスループット調製のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液の回収および分画の分野に関する。特に本発明は、全血を各成分に分画するための音響ソーターを含む複数の血液バッグシステムに関する。また本発明は、複数の血液バッグシステムを使用した、あらゆる種類の血液製剤を調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような、血液を分画するための血液バッグシステムは、通常、全血を回収するために使用される第1の回収バッグと、血液を分離した血液製剤に分画するために使用される1つまたは複数のサブバッグとからなる。プラスチックチューブを上記バッグと連結して、まとめて、いわゆる密閉式の複数の血液バッグシステムが形成される。典型的なシステムは、全血がこのシステムに導入されると、全血またはその成分が外部のバルブ操作などによって1つのバッグから別のバッグへと移動することにより不純物混入を回避し得るように流体連通する4個または5個の血液バッグを含む。構成に応じて、血液バッグシステムはまた、全血用バッグの下流に白血球除去フィルターを含んでもよい。
【0003】
典型的な複数の血液バッグシステムの使用においては、全血は、通常空であり、遠心分離機に配置されている第1のバッグおよび全ての接続した血液バッグの中へと回収される。次にこのバッグの内容物が遠心分離され、全血を各成分に分離する(図1A参照)。次に、概してフランジ型バルブ(frangible valve)である、本システムの中のバルブを操作することにより、全血の血液製剤を、可能な場合はさらなる処理のために他の血液バッグのうちの1つに移すことができる。上記血液製剤は、赤血球濃縮物(本明細書中以下ではRBCと呼ぶ)、血小板濃縮物(本明細書中以下ではPCと呼ぶ)、カテゴリー1およびカテゴリー2の血漿を含む血漿(本明細書中以下ではBPと呼ぶ)などであり得る。
【0004】
典型的な血液処理における全血の遠心分離では、いくつかの問題が持ち上がっている。高速の回転速度は、全血の層形成を可能にしているが(図1B参照)、細胞に強力な剪断を誘導することにより、PCを活性化させている。全血の遠心分離により、回収した血小板の20~40%が、実際に活性化し得る。これは、患者に注射する際のPCの効率に強く影響を与えており、また、この保存期間をわずか5日間に低下させている。RBCなどの他の血液製剤もまた、高速の回転速度の影響を受けている場合がある。さらに、遠心分離による全血の分画は、最大7時間続き、いくつかのマニュアルステップおよび少なくとも2回の遠心分離を必要とする。
【0005】
本発明は、あらゆる血液製剤を調製するための方法、および、単一のシステムの中で全ての血液製剤の生産を可能にし、手動操作を限定し、またいずれかの遠心分離ステップを回避する、簡便な、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムを提供することにより、従来技術の欠点を克服することを目的とする。
【0006】
定義
本発明では、以下の用語は以下の意味を有する。
【0007】
数字に先行する「約」は、上記数字の値±10%を意味する。
【0008】
「血液製剤」は、ドナーから回収した全血から得た特定の成分を表し、上記特定の成分は、赤血球濃縮物、白血球濃縮物、血漿、または血小板濃縮物であり得る。
【0009】
「密閉式のシステム」は、物質がそれを通り移動することを許容しない境界により周囲から隔離されているシステムを表す。
【0010】
「使い捨て可能なシステム」は。1回使用した後に廃棄されるように構成されたシステムを表す。
【0011】
「無菌性システム」は、生存している病原菌または微生物を含まない無菌性のシステムを表す。
【0012】
「血小板の活性化」は、血小板を、形状の変化、接着性、凝集、および放出反応により損傷に対して反応させる一連のカスケード反応を表す。血漿は、血小板の活性化を増大させる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、図面と組み合わせて読むと良好に理解されるものである。
【0014】
本発明は、血液製剤のハイスループット調製のための方法に関する。
【0015】
特に本発明は、輸血に使用するための血液製剤のハイスループット調製のための方法であって、以下の:
密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムを準備するステップであって、前記システムが、
個体から得た全血を含む、少なくとも1つの出口を含む体液回収バッグB.00と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第1および第2のサンプリングバッグB.10、B.12と、
第1の回収バッグB.00からサンプリングバッグB.10、B.12まで体液を移すための第1の手段AS0であって、上記体液を移すための第1の手段AS0が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、前記チャネルが、第1の横軸に沿って測定した幅、および前記第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、前記幅が前記厚さ以上であり、前記チャネルが、前記第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
前記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
前記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、前記第1の出口が、第2の横軸(z)上で前記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
チャネルの中に波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器とを含む、第1の手段と
を含み、
チャネルの厚さが、λ/2に等しく、前記体液回収バッグB.00の少なくとも1つの出口が、前記体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、前記体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも第1および第2の出口が、前記第1および第2のサンプリングバッグB.12、B.10のそれぞれの少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している、
上記システムを準備するステップと、
音波発生器の手段により体液を移すための手段AS0のチャネルの中に音場を適用するステップと、
前記体液を移すための第1の手段AS0において前記体液回収バッグB.00の内容物を移すステップと、
前記第1のサンプリングバッグB.10中の血液細胞および前記第2のサンプリングバッグB.12中の血漿を回収するステップと
を含む、方法に関する。
【0016】
一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第1のバッファーバッグであって、上記少なくとも1つの出口が、体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している、第1のバッファーバッグをさらに含む。上記実施形態では、本方法は、体液を移すための第1の手段AS0において体液回収バッグB.00および第1のバッファーバッグの内容物を移すステップを含む。
【0017】
さらなる実施形態では、本方法は、血液細胞を血小板濃縮物および赤血球濃縮物へと分画することをさらに含む。上記実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、さらに、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第2のバッファーバッグB.11と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第3および第4のサンプリングバッグB.20、B.22と、
第1のサンプリングバッグB.10から第3および第4のサンプリングバッグB.20、B.22まで体液を移すための第2の手段AS1であって、体液を移すための第2の手段AS1が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、上記チャネルが、第1の横軸に沿って測定した幅および第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、上記幅が上記厚さ以上であり、上記チャネルが、第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
上記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、上記第1の出口が、上記第2の横軸(z)上で上記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
チャネルの中に波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む、第2の手段と
を含み、
上記チャネルの厚さが、λ/2に等しく、第1のサンプリングバッグB.10の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも第1および第2の出口が、第3および第4のサンプリングバッグB.20、B.22のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第2のバッファーバッグB.11の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0018】
上記実施形態では、本方法は、さらに以下の:
音波発生器の手段により体液を移すための第2の手段AS1のチャネルの中に音場を適用するステップと、
体液を移すための第2の手段AS1において、第1のサンプリングバッグB.10および第2のバッファーバッグB.11の内容物を移すステップと、
第3のサンプリングバッグB.20中の赤血球濃縮物および第4の回収バッグB.22中の血小板濃縮物を回収するステップと
を含む。
【0019】
一実施形態では、体液を移すための第2の手段AS1の第1の出口と、第3のサンプリングバッグB.20の少なくとも1つの入口との間に位置している白血球除去フィルターを使用して、白血球を除去する。
【0020】
また本発明は、輸血に使用するための血液製剤のハイスループット調製のための方法であって、以下の:
密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムを準備するステップであって、上記システムが、
個体から得た全血を含む、少なくとも1つの出口を含む体液回収バッグB.00と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第1および第2のサンプリングバッグB.10、B.12と、
第1の体液回収バッグB.00からサンプリングバッグB.10、B.12まで体液を移すための第1の手段AS0であって、体液を移すための第1の手段AS0が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、第1の横軸に沿って測定した幅、および第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、上記幅が上記厚さ以上であり、上記チャネルが、第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
上記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、上記第1の出口が、第2の横軸(z)上で上記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
任意に、上記チャネルの中で波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む、第1の手段と
を含み、
上記体液回収バッグB.00の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも第1および第2の出口が、第1および第2のサンプリングバッグB.12、B.10のそれぞれの少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している、
上記システムを準備するステップと、
音波発生器の手段により、体液を移すための第1の手段AS0のチャネルの中に音場を適用するステップと、
体液を移すための第1の手段AS0において、体液回収バッグB.00の内容物を移すステップと、
第1のサンプリングバッグB.10中の血液細胞および第2のサンプリングバッグB.12中の血漿を回収するステップと
を含む、方法に関する。
【0021】
また本発明は、輸血に使用するための血液製剤のハイスループット調製のための方法であって、上記方法が、以下の:
密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムを準備するステップであって、上記システムが、
個体から得た全血を含む、少なくとも1つの出口を含む体液回収バッグB.00と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第1および第2のサンプリングバッグ(B.10、B.12)と、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第2のバッファーバッグB.11と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第3および第4のサンプリングバッグ(B.20、B.22)と、
第1の回収バッグB.00からサンプリングバッグ(B.10、B.12)まで体液を移すための第1の手段AS0と、第1のサンプリングバッグB.10から第3および第4のサンプリングバッグ(B.20、B.22)まで体液を移すための第2の手段AS1であって、上記体液を移すための第1および第2の手段(AS0、AS1)が、それぞれ、
長軸に沿って延在するチャネルであって、第1の横軸に沿って測定した幅、および第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、上記幅が上記厚さ以上であり、上記チャネルが、第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
上記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、上記第1の出口が、第2の横軸(z)上で上記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と
を含む第1の手段および第2の手段と
を含み、
上記体液回収バッグB.00の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも第1および第2の出口が、第1および第2のサンプリングバッグ(B.12、B.10)のそれぞれの少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第1のサンプリングバッグB.10の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも第1および第2の出口が、第3および第4のサンプリングバッグ(B.20、B.22)のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第2のバッファーバッグB.11の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している、
上記システムを準備するステップと、
音波発生器の手段により、体液を移すための手段AS0のチャネルの中に音場を適用するステップと、
体液を移すための第1の手段AS0において、体液回収バッグB.00の内容物を移すステップと、
第1のサンプリングバッグB.10中の血液細胞および第2のサンプリングバッグB.12中の血漿を回収するステップと、
音波発生器の手段により体液を移すための第2の手段AS1のチャネルの中に音場を適用するステップと、
体液を移すための第2の手段AS1において、第1のサンプリングバッグB.10および第2のバッファーバッグB.11の内容物を移すステップと、
第3のサンプリングバッグB.20中の赤血球濃縮物および第4のサンプリングバッグB.22中の血小板濃縮物を回収するステップと
を含む、方法に関する。
【0022】
一実施形態では、体液を移すための手段AS0およびAS1は、それぞれ、チャネルの中に、波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器を含む。上記実施形態では、体液を移すための手段のそれぞれのチャネルの厚さは、λ/2に等しい、またはλ/2の倍数に等しい。代替的な実施形態では、音波発生器は、チャネルの中に、波長λを有する音波を発生させるために、体液を移すための手段AS0およびAS1のチャネルの近くに提供されている。上記実施形態では、音波発生器は、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムの一部ではない。
【0023】
一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、第1の回収バッグB.00からサンプリングバッグ(B.10、B.12)まで体液を移すための少なくとも2つの第1の手段AS0と、第1のサンプリングバッグB.10から第3および第4のサンプリングバッグ(B.20、B.22)まで体液を移すための少なくとも2つの第2の手段AS1とを含む。
【0024】
一実施形態では、本方法は、輸血に使用するための血液製剤のハイスループット調製のための方法であって、以下の:
密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムを準備するステップであって、上記システムが、
個体から得た全血を含む、少なくとも1つの出口を含む体液回収バッグB.00と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第1および第2のサンプリングバッグ(B.10、B.12)と、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第2のバッファーバッグB.11と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第3および第4のサンプリングバッグ(B.20、B.22)と、
第1の回収バッグB.00からサンプリングバッグ(B.10、B.12)まで体液を移すための第1の手段AS0、および第1のサンプリングバッグB.10から第3および第4のサンプリングバッグ(B.20、B.22)まで体液を移すための第2の手段AS1であって、体液を移すための第1および第2の手段(AS0、AS1)が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、前記チャネルが、第1の横軸に沿って測定した幅、および前記第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、前記幅が前記厚さ以上であり、前記チャネルが、前記第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
前記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
前記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、前記第1の出口が、第2の横軸(z)上で前記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
上記チャネルの中で波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む、第1の手段および第2の手段と
を含み、
チャネルの厚さが、λ/2に等しく、またはλ/2の倍数に等しく、前記体液回収バッグB.00の少なくとも1つの出口が、前記体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、前記体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも第1および第2の出口が、前記第1および第2のサンプリングバッグ(B.12、B.10)のそれぞれの少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第1のサンプリングバッグB.10の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも第1および第2の出口が、第3および第4のサンプリングバッグ(B.20、B.22)のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第2のバッファーバッグB.11の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続されている、
上記システムを準備するステップと、
音波発生器の手段により、体液を移すための手段AS0のチャネルの中に音場を適用するステップと、
体液を移すための第1の手段AS0において、体液回収バッグB.00の内容物を移すステップと、
第1のサンプリングバッグB.10中の血液細胞および第2のサンプリングバッグB.12中の血漿を回収するステップと、
音波発生器の手段により、体液を移すための第2の手段AS1のチャネルの中に音場を適用するステップと、
体液を移すための第2の手段AS1において、第1のサンプリングバッグB.10および第2のバッファーバッグB.11の内容物を移すステップと、
第3のサンプリングバッグB.20中の赤血球濃縮物および第4の回収バッグB.22中の血小板濃縮物を回収するステップと
を含む、方法である。
【0025】
白血球除去フィルターを実施しない一実施形態では、第3のサンプリングバッグB.20は、赤血球濃縮物および白血球濃縮物を含む。上記実施形態では、第3のサンプリングバッグの内容物は、赤血球濃縮物および白血球濃縮物に分画されてもよい。上記実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、さらに、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第3のバッファーバッグB.21と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第5および第6のサンプリングバッグB.30、B.31と、
第3のサンプリングバッグB.20から第5および第6のサンプリングバッグB.30、B.31まで体液を移すための第3の手段AS2であって、体液を移すための第3の手段AS2が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、前記チャネルが、第1の横軸に沿って測定した幅、および前記第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、前記幅が前記厚さ以上であり、前記チャネルが、前記第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
前記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
前記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、前記第1の出口が、第2の横軸(z)上で前記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
上記チャネルの中で波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む、第3の手段と
を含み、
チャネルの厚さが、λ/2に等しく、第3のサンプリングバッグB.20の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第3の手段AS2の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第3の手段AS2の少なくとも第1および第2の出口が、第5および第6のサンプリングバッグB.30、B.31のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第3のバッファーバッグの出口が、体液を移すための第3の手段AS2の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0026】
上記実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、さらに、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第3のバッファーバッグB.21と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第5および第6のサンプリングバッグB.30、B.31と、
第3のサンプリングバッグB.20から第5および第6のサンプリングバッグB.30、B.31まで体液を移すための第3の手段AS2であって、体液を移すための第3の手段AS2が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、前記チャネルが、第1の横軸に沿って測定した幅、および前記第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、前記幅が前記厚さ以上であり、前記チャネルが、前記第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
前記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
前記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、前記第1の出口が、第2の横軸(z)上で前記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
上記チャネルの中で波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む、第3の手段と
を含み、
第3のサンプリングバッグB.20の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第3の手段AS2の少なくとも1つの入口と、無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第3の手段AS2の少なくとも第1および第2の出口が、第5および第6のサンプリングバッグB.30、B.31のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第3のバッファーバッグの出口が、体液を移すための第3の手段AS2の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0027】
上記実施形態では、本方法は、さらに以下の:
音波発生器の手段により、体液を移すための第3の手段AS2のチャネルの中に音場を適用するステップと、
体液を移すための第3の手段AS2において、第3のサンプリングバッグB.20および第3のバッファーバッグB.21の内容物を移すステップと、
第5のサンプリングバッグB.30中の赤血球濃縮物および第6の回収バッグB.31中の白血球濃縮物を回収するステップと
を含む。
【0028】
一実施形態では、第4のサンプリングバッグB.22中の血小板濃縮物は、さらに濃縮されてもよい。上記実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、さらに、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第4のバッファーバッグB.23と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第7および第8のサンプリングバッグB.32、B.33と、
第4のサンプリングバッグB.22から第7および第8のサンプリングバッグB.32、B.33まで体液を移すための第4の手段AS3であって、体液を移すための第4の手段AS3が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、前記チャネルが、第1の横軸に沿って測定した幅、および前記第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、前記幅が前記厚さ以上であり、前記チャネルが、前記第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
前記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
前記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、前記第1の出口が、第2の横軸(z)上で前記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
上記チャネルの中で波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む、第4の手段と
を含み、
チャネルの厚さが、λ/2に等しく、第4のサンプリングバッグB.22の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第4の手段AS3の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第4の手段AS3の少なくとも第1および第2の出口が、第7および第8のサンプリングバッグB.32、B.33のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第4のバッファーバッグB.23の出口が、体液を移すための第4の手段AS3の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0029】
一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、さらに、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第4のバッファーバッグB.23と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第7および第8のサンプリングバッグB.32、B.33と、
第4のサンプリングバッグB.22から第7および第8のサンプリングバッグB.32、B.33まで体液を移すための第4の手段AS3であって、体液を移すための手段AS3が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、前記チャネルが、第1の横軸に沿って測定した幅、および前記第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、前記幅が前記厚さ以上であり、前記チャネルが、前記第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
前記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
前記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、前記第1の出口が、第2の横軸(z)上で前記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
上記チャネルの中で波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む、第4の手段と
を含み、
第4のサンプリングバッグB.22の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第4の手段AS3の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第4の手段AS3の少なくとも第1および第2の出口が、第7および第8のサンプリングバッグB.32、B.33のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第4のバッファーバッグB.23の出口が、体液を移すための第4の手段AS3の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0030】
上記実施形態では、本方法は、さらに、以下の:
音波発生器の手段により、体液を移すための第4の手段AS3のチャネルの中に音場を適用するステップと、
体液を移すための第4の手段AS3において、第4のサンプリングバッグB.22および第4のバッファーバッグB.23の内容物を移すステップと、
第7のサンプリングバッグB.32中の血小板濃縮物を回収するステップと
を含む。
【0031】
一実施形態では、上記血小板濃縮のステップは、必要に応じて、好ましくは1~10回繰り返されてもよい。
【0032】
一実施形態では、血液製剤調製のスループット(すなわち体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3の中の流速)は、0.5mL/分~100mL/分、0.5~20mL/分、または約20mL/分の範囲である。
【0033】
一実施形態では、血液製剤を調製するための方法は、アフェレーシスではない。
【0034】
一実施形態では、体液を移すための手段においてバッグ(複数可)の内容物を移すことは、任意の適切な手段、たとえば、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムの外側または表面に位置した重力流システムまたは能動的なフローシステム(active flow system)(たとえばポンプ)で、行われる。
【0035】
また本発明は、生物学的な体液をその成分に分画するための複数のバッグシステムに関する。本発明は、特に、図2に表された、血液を分画するための密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムに関する。
【0036】
上記血液を分画するための密閉式の使い捨て可能な複数の無菌性の血液バッグシステムは、
少なくとも1つの出口を含む体液回収バッグB.00と、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第1および第2のサンプリングバッグB.10、B.12と、
体液回収バッグB.00から第1および第2のサンプリングバッグB.10、B.12まで体液を移すための第1の手段AS0であって、
体液を移すための第1の手段AS0が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、第1の横軸に沿って測定した幅、および第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、上記幅が上記厚さ以上であり、上記チャネルが、第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
上記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、上記第1の出口が、第2の横軸(z)上で上記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
上記チャネルの中で波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む、第1の手段と
を含み、
チャネルの厚さが、λ/2に等しく、体液回収バッグB.00の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも第1および第2の出口が、第1および第2のサンプリングバッグB.10、B.12のそれぞれの少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0037】
一実施形態では、血液を分画するための密閉式の使い捨て可能な複数の無菌性血液バッグシステムは、さらに、バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第1のバッファーバッグを含み、第1のバッファーバッグの少なくとも1つの出口が、体液を移すための第1の手段AS0の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0038】
一実施形態では、体液回収バッグB.00は、静脈用穿刺針と無菌的に体液を流すように接続している入口を含む。
【0039】
一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、さらに、静脈用穿刺針と無菌的に体液を流すように接続している入口と、体液回収バッグB.00と無菌的に体液を流すように接続している出口とを含む、最初のサンプリングバッグを含む。
【0040】
一実施形態では、図3に表されているように、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、さらに、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第3および第4のサンプリングバッグB.20、B.22と、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第2のバッファーバッグB.11と、
第1のサンプリングバッグB.10から第3および第4のサンプリングバッグB.20、B.22まで体液を移すための第2の手段AS1であって、
体液を移すための第2の手段AS1が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、第1の横軸に沿って測定した幅、および第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、上記幅が上記厚さ以上であり、上記チャネルが、第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
上記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、上記第1の出口が、第2の横軸(z)上で上記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
上記チャネルの中で波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む、第2の手段と
を含み、
チャネルの厚さが、λ/2に等しく、第1のサンプリングバッグB.10の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも第1および第2の出口が、第3および第4のサンプリングバッグB.20、B.22のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第2のバッファーバッグB.11の出口が、体液を移すための第2の手段AS1の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0041】
一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、さらに、
それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む第5および第6のサンプリングバッグB.30、B.31と、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第3のバッファーバッグB.21と、
第3のサンプリングバッグB.20から第5および第6のサンプリングバッグB.30、B.31まで体液を移すための第3の手段AS2であって、
体液を移すための第3の手段AS2が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、第1の横軸に沿って測定した幅、および第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、上記幅が上記厚さ以上であり、上記チャネルが、第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
上記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、上記第1の出口が、第2の横軸(z)上で上記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
上記チャネルの中で波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む第3の手段と
を含み、
チャネルの厚さが、λ/2に等しく、第3のサンプリングバッグB.20の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第3の手段AS2の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第3の手段AS2の少なくとも第1および第2の出口が、第5および第6のサンプリングバッグB.30、B.31のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第3のバッファーバッグB.21の出口が、体液を移すための第3の手段AS2の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0042】
図4に表されるような一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、さらに、
それぞれが、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第7および第8のサンプリングバッグB.32、B.33と、
バッファー媒体を含む、少なくとも1つの出口を含む第4のバッファーバッグB.23と、
第4のサンプリングバッグB.22から第7および第8のサンプリングバッグB.32、B.33まで体液を移すための第4の手段AS3であって、
体液を移すための第4の手段AS3が、
長軸に沿って延在するチャネルであって、第1の横軸に沿って測定した幅、および第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、上記幅が上記厚さ以上であり、上記チャネルが、第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
上記チャネルと流体連通する少なくとも1つの入口と、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、上記第1の出口が、第2の横軸(z)上で上記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と、
上記チャネルの中で波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器と
を含む、第3の手段と
を含み、
チャネルの厚さが、λ/2に等しく、第4のサンプリングバッグB.22の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第4の手段AS3の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第4の手段AS3の少なくとも第1および第2の出口が、第7および第8のサンプリングバッグB.32、B.33のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、第4のバッファーバッグB.23の出口が、体液を移すための第4の手段AS3の少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0043】
一実施形態では、体液回収バッグB.00は、250mL~1L、好ましくは350~530mLの範囲の容量を有する。
【0044】
一実施形態では、第2のサンプリングバッグB.12は、200mL~750mL、好ましくは約280mLの範囲の容量を有する。
【0045】
一実施形態では、最初のサンプリングバッグは、約30mLの容量を有する。
【0046】
一実施形態では、第7のサンプリングバッグB.32は、20mL~100mL、好ましくは約50mLの容量を有する。
【0047】
一実施形態では、第3および/または第5のサンプリングバッグB.20、B.30は、200mL~750mL、好ましくは約280mLの容量を有する。
【0048】
一実施形態では、バッファー媒体は、保存および/または抗凝血のための添加剤溶液である。1つの例示的な実施形態では、保存のための添加剤溶液は、SAG-マンニトール(SAGM)、PSA IIIm、またはSSP+から選択される。1つの例示的な実施形態では、抗凝血のための添加剤溶液は、クエン酸リン酸デキストロース溶液(CPD)である。
【0049】
一実施形態では、図9に表されているように、本システムは、体液回収バッグB’.10と、それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む少なくとも第1および第2のサンプリングバッグB’.20、B’.22と、回収バッグB’.10からサンプリングバッグB’.20、B’.22まで体液を移すための手段AS’1と、少なくとも1つの出口を含むバッファー媒体を含む第1のバッグB’.11とを含む。
【0050】
音響ソーターとも呼ばれている、上記体液を移すための手段AS’1は、
長軸に沿って延在するチャネルであって、第1の横軸に沿って測定した幅、および第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、上記幅が上記厚さ以上であり、上記チャネルが、第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の入口であって、上記第1の入口が、第2の横軸(z)上で上記第2の入口と分離している(すなわち離間しており、異なっている)、少なくとも第1および第2の入口と、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、上記第1の出口が、第2の横軸(z)上で上記第2の出口と分離している(すなわち離間しており、異なっている)、少なくとも第1および第2の出口と
を含む。
【0051】
一実施形態では、体液を移すための手段AS’1は、チャネルと流体連通する単一の入口を含む。
【0052】
一実施形態では、体液を移すための手段AS’1は、チャネルの中に、波長λを有する音波を発生させるための少なくとも1つの音波発生器をさらに含む。上記実施形態では、チャネルの厚さは、λ/2に等しい。
【0053】
音波発生器の手段により、チャネルの厚さおよび幅にわたり音響力場(acoustic force field)を適用することにより、チャネルのいずれかの領域の大きさに応じて一連の粒子を移動させることが可能であり、よって、生物学的な体液を選別および分画することが可能であり得る。
【0054】
図9に表されているように、回収バッグB’.10の少なくとも1つの出口は、体液を移すための手段AS’1の入口のうちの少なくとも1つと無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための手段AS’1の少なくとも第1および第2の出口は、第1および第2のサンプリングバッグB’.20、B’.22のそれぞれの少なくとも1つの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、バッファー媒体を含む第1のバッグB’.11の少なくとも1つの出口が、体液を移すための手段AS’1の入口のうちの少なくとも1つと無菌的に体液を流すように接続している。
【0055】
一実施形態では、回収バッグB’.10の少なくとも1つの出口は、体液を移すための手段AS’1の単一の入口の上流の、バッファー媒体を含む第1のバッグB’.11の少なくとも1つの出口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0056】
一実施形態では、移す手段とバッグとの間の体液連結は、可撓性のマニフォールドまたはチューブおよびクランプまたはバルブなどの、当業者に知られている何等かの手段を含む。
【0057】
一実施形態では、生物学的な体液は全血であり、複数のバッグシステムは、RBC、WBC、PC、およびたとえばPPPまたはPRPといった血漿などの血液製剤の分画を、遠心分離を用いることなく可能にする。
【0058】
一実施形態では、体液回収バッグB’.10は、全血を回収するための血液回収バッグであり、第1のサンプリングバッグB’.20は、赤血球、白血球、およびバッファーの保存バッグであり、第2のサンプリングバッグB’.22は、血小板を多く含む血漿の保存バッグなどの、血漿の保存バッグである。一実施形態では、体液回収バッグB’.10は、500mL~1L、好ましくは約700mLの範囲の容量を有する。
【0059】
別の実施形態では、本発明の複数のバッグシステムは、血液細胞から血漿を分離するため(プラスマフェレーシス)に使用する。上記実施形態では、体液回収バッグB’.10は、全血を回収するための血液回収バッグであり、第1のサンプリングバッグB’.20は、血液細胞保存バッグであり、第2のサンプリングバッグB’.22は、血漿保存バッグである。
【0060】
一実施形態では、全血は、全血の派生物とすることができる。一実施形態では、全血の派生物は、血小板を多く含む血漿(血小板から血漿を分離するためまたは血小板を濃縮するため)、バフィーコート(赤血球および白血球から(form)血小板を単離するため)、または血漿(血漿の洗浄を行うため)とすることができる。
【0061】
一実施形態では、血液回収バッグB’.10の入口は、静脈用穿刺針と無菌的に体液を流すように接続している。
【0062】
一実施形態では、複数のバッグシステムは、それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第3および第4のサンプリングバッグB’.30、B’.31と、第1のサンプリングバッグB’.20から第3および第4のサンプリングバッグB’.30、B’.31まで体液を移すための第2の手段AS’2と、少なくとも1つの出口を含む、バッファー媒体を含む第2のバッグB’.21とをさらに含む。上記広範なシステムの中で、第1のサンプリングバッグB’.20の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第2の手段AS’2の入口のうちの少なくとも1つと無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第2の手段AS’2の少なくとも第1および第2の出口は、第3および第4のサンプリングバッグB’.30、B’.31のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、バッファー媒体を含む第2のバッグB’.21の出口が、体液を移すための第2の手段AS’2の入口のうちの少なくとも1つと無菌的に体液を流すように接続している。
【0063】
一実施形態では、第1のサンプリングバッグB’.20の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第2の手段AS’2の単一の入口の上流で、バッファー媒体を含む第2のバッグB’.21の少なくとも1つの出口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0064】
一実施形態では、複数のバッグシステムは、それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む第5および第6のサンプリングバッグB’.32、B’.33と、第2のサンプリングバッグB’.22から第5および第6のサンプリングバッグB’.32、B’.33まで体液を移すための第3の手段AS’3と、少なくとも1つの出口を含む、バッファー媒体を含む第3のバッグB’.23とをさらに含む。上記広範なシステムの中で、第2のサンプリングバッグB’.22の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第3の手段AS’3の入口のうちの少なくとも1つと無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第3の手段AS’3の少なくとも第1および第2の出口が、第5および第6のサンプリングバッグB’.32、B’.33のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、バッファー媒体を含む第3のバッグB’.23の出口が、体液を移すための第3の手段AS’3の入口のうちの少なくとも1つと無菌的に体液を流すように接続している。
【0065】
一実施形態では、第1のサンプリングバッグB’.22の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第3の手段AS’3の単一の入口の上流で、バッファー媒体を含む第3のバッグB’.23の少なくとも1つの出口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0066】
一実施形態では、図10に表されているように、複数のバッグシステムは、さらに、それぞれが少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む、第3、第4、第5、および第6のサンプリングバッグB’.30、B’.31、B’.32、B’.33と、第1のサンプリングバッグB’.20から第3および第4のサンプリングバッグB’.30、B’.31まで体液を移すための第2の手段AS’2と、第2のサンプリングバッグB’.22から第5および第6のサンプリングバッグB’.32、B’.33まで体液を移すための第3の手段AS’3と、それぞれが少なくとも1つの出口を含む、バッファー媒体を含む第2および第3のバッグB’.21,B’.23とを含む。上記広範なシステムの中で、第1のサンプリングバッグB’.20の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第2の手段AS’2の入口のうちの少なくとも1つと無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第2の手段AS’2の少なくとも第1および第2の出口は、第3および第4のサンプリングバッグB’.30、B’.31のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、バッファー媒体を含む第2のバッグB’.21の出口は、体液を移すための第2の手段AS’2の入口のうちの少なくとも1つと無菌的に体液を流すように接続しており、第2のサンプリングバッグB’.22の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第3の手段AS’3の入口のうちの少なくとも1つと無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第3の手段AS’3の少なくとも第1および第2の出口は、第5および第6のサンプリングバッグB’.32、B’.33のそれぞれの入口と無菌的に体液を流すように接続しており、バッファー媒体を含む第3のバッグB’.23の出口は、体液を移すための第3の手段AS’3の入口のうちの少なくとも1つと無菌的に体液を流すように接続している。
【0067】
図11に表されている一実施形態では、体液を移すための手段AS’1は、チャネルと流体連通する単一の入口を含み、回収バッグB’.10の少なくとも1つの出口は、体液を移すための手段AS’1の単一の入口の上流で、バッファー媒体を含む第1のバッグB’.11の少なくとも1つの出口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0068】
一実施形態では、第3のサンプリングバッグB’.30は、赤血球保存バッグであり、第4のサンプリングバッグB’.31は、白血球保存バッグである。一実施形態では、第5のサンプリングバッグB’.32は、血漿保存バッグであり、第6のサンプリングバッグB’.33は、血小板濃縮物保存バッグである。
【0069】
一実施形態では、バッファー媒体を含む第1、第2、および第3のバッグB’.11、B’.21、B’.23は、当業者に知られているいずれかのバッファー媒体を含む。特に、B’.11およびB’.21は、たとえばクエン酸リン酸デキストロース溶液(CPD)などの抗凝固剤および/またはSAG-マンニトール(SAGM)、PSA IIIm、またはSSP+などの保存用の添加剤溶液を含んでもよく;B’.23は、たとえばSAG-マンニトール(SAGM)、PSA IIIm、またはSSP+PAS IIImなどの保存媒体を含んでもよい。
【0070】
一実施形態では、体液を移すための第2および第3の手段AS’2、AS’3は、
長軸に沿って延在するチャネルであって、第1の横軸に沿って測定した幅、および第1の横軸と直交する第2の横軸(z)に沿って測定した厚さを有する断面を有し、上記幅が上記厚さ以上であり、上記チャネルが、第2の横軸(z)に沿って第1および第2の壁を有する、チャネルと、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の入口であって、上記第1の入口が、第2の横軸(z)上で上記第2の入口と分離している、少なくとも第1および第2の入口と、
上記チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の出口であって、上記第1の出口が、第2の横軸(z)上で上記第2の出口と分離している、少なくとも第1および第2の出口と
を含む。
【0071】
一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3(音響ソーターとも呼ばれている)は、同一である。一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3は、同一ではない。
【0072】
一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3は、チャネルと流体連通する少なくとも第1および第2の入口を含み、第1の入口は、第2の横軸(z)上で第2の入口と分離している。
【0073】
一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3のうちの1つまたは複数は、さらに、第1および第2の入口を分離する、少なくとも第1の横断分離壁を含む。
【0074】
一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3の入口のうちの少なくとも1つは、チャネルの幅に等しい幅を有する。一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3のうちの1つまたは複数は、チャネルと流体連通する少なくとも第3の入口をさらに含み、第2の入口は、第2の横軸(z)上で第1の入口と第3の入口との間に配置されている。
【0075】
一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3のうちの1つまたは複数は、チャネルと流体連通する少なくとも第3の出口をさらに含み、第2の出口は、第2の横軸(z)上で第1の出口と第3の出口との間に配置されている。
【0076】
体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3が少なくとも3つの入口を含む一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3のうちの1つまたは複数は、第1の入口と第2の入口、および第2の入口と第3の入口をそれぞれ分離する第1および第2の横断分離壁をさらに含み、第1および第2の分離壁は、第2の入口が、第2の横軸(z)に沿って測定された0ではない距離で、底部および上部のそれぞれと離間しているように配置されている。図5に表されている上記実施形態は、第1および第3の入口と第2の入口の分断を可能にしている。
【0077】
一実施形態では、図6および7に表されているように、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3のうちの1つまたは複数の第1、第2、および第3の入口i1、i2、i3は、長軸と直交するチャネルの第1または第2の壁で開口する。一実施形態では、図6および図7に表されるように、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3のうちの1つまたは複数の第1および第3の入口i1、i3は、長軸と直交し、互いに向き合って、チャネルの上部または底部でそれぞれ開口する。
【0078】
一実施形態では、図5に表されているように、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3のうちの1つまたは複数の第1、第2、および第3の入口i1、i2、i3は、長軸と平行にチャネルで開口する。
【0079】
一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3の入り口および出口は、対称的である。
【0080】
一実施形態では、各入口は、チャネルで自身の体液層を作製しており、体液層は、音波が適用されない限り混合しない。対象を操作するための音響力場の使用は、たとえば米国特許公開公報第2014/0230912号に記載されている。厚さおよび幅にわたり音響力場を適用することにより、チャネルのいずれかの領域において一連の粒子をこれらの大きさに応じて移動させ、よって、生物学的な体液を選別および分画することが可能であり得る。一実施形態では、図5~7に表されているように、チャネルの中の上側および下側の体液層h1、h3は、0.05mm~0.3mmの範囲の高さを有し、中央の体液層h2は、0.1mm~0.8mmの範囲の高さを有する。
【0081】
体液を移すための第1の手段AS0が少なくとも3つの入口i1、i2、i3を含む一実施形態では、体液回収バッグB.00の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第1の手段AS0の第1および第3の入口i1、i3と無菌的に体液を流すように接続しており、バッファー媒体を含む第1のバッファーバッグの少なくとも1つの出口は、体液を移すための第1の手段AS0の第2の入口i2と無菌的に体液を流すように接続している。
【0082】
体液を移すための第1の手段AS0が少なくとも3つの出口o1、o2、o3を含む一実施形態では、体液を移すための第1の手段AS0の第2の出口o2は、第1のサンプリングバッグB.10の入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第1の手段AS0の第1および第3の出口o1、o3は、第2のサンプリングバッグB.12の入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0083】
体液を移すための第2の手段AS1が少なくとも3つの入口i1、i2、i3を含む一実施形態では、第1のサンプリングバッグB.10の少なくとも1つの出口が、体液を移すための第2の手段AS1の第1および第3の入口i1、i3と流体連通しており、バッファー媒体を含む第2のバッファーバッグB.11の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第2の手段AS1の第2の入口i2と流体連通している。
【0084】
体液を移すための第2の手段AS1が少なくとも3つの出口o1、o2、o3を含む一実施形態では、体液を移すための第2の手段AS1の第2の出口o2は、第4のサンプリングバッグB.22の入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第2の手段AS1の第1および第3の出口o1、o3は、第3のサンプリングバッグB.20の入口と流体連通している。
【0085】
体液を移すための第3の手段AS2が少なくとも3つの入口i1、i2、i3を含む一実施形態では、第3のサンプリングバッグB.20の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第3の手段AS2の第1および第3の入口i1、i3と無菌的に体液を流すように接続しており、バッファー媒体を含む第3のバッファーバッグB.21の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第3の手段AS2の第2の入口i2と無菌的に体液を流すように接続している。
【0086】
体液を移すための第3の手段AS2が少なくとも3つの出口o1、o2、o3を含む一実施形態では、体液を移すための第3の手段AS2の第2の出口o2は、第6のサンプリングバッグB.31の入口と無菌的に体液を流すように接続しており、体液を移すための第3の手段AS2の第1および第3の出口o1、o3は、第5のサンプリングバッグB.30の入口と無菌的に体液を流すように接続している。
【0087】
体液を移すための第4の手段AS3が少なくとも3つの入口i1、i2、i3を含む一実施形態では、第4のサンプリングバッグB.22の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第4の手段AS3の第1および第3の入口i1、i3と無菌的に体液を流すように接続しており、バッファー媒体を含む第4のバッファーバッグB.23の少なくとも1つの出口は、体液を移すための第4の手段AS3の第2の入口i2と無菌的に体液を流すように接続している。
【0088】
体液を移すための第4の手段AS3が少なくとも3つの出口o1、o2、o3を含む一実施形態では、体液を移すための第4の手段AS0の第2の出口o2が、第1のサンプリングバッグB.10の入口と流体連通しており、体液を移すための第4の手段AS3の第1および第3の出口o1、o3が、第2のサンプリングバッグB.12の入口と流体連通している。
【0089】
一実施形態では、図7に表されているように、第2の横軸(z)に沿ったチャネルの第1および第2の壁は、伝達物質層または担体層、および反射体層である。
【0090】
一実施形態では、反射体層は、金属、好ましくはチタンまたはステンレス鋼から作製されている。
【0091】
一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3、特に第1および第2の壁は、無機ガラスまたは有機ガラス、石英、PMMAまたはポリカーボネートなどの熱可塑性物質、および金属のうちから選択される物質から作製される。
【0092】
一実施形態では、チャネルは、0.2mm~2mmの範囲、好ましくは約0.750mmの厚さ、約2mm~20mmの範囲の幅、および10mm~200mmの範囲の長さを有する。一実施形態では、チャネルは、300マイクロメートル超、好ましくは375マイクロメートル~750マイクロメートルの範囲の厚さを有する。
【0093】
一実施形態では、チャネルは、3mm~20cm、好ましくは3mm~10cm、より好ましくは10mm~70mmの範囲の長軸に沿って測定された長さを有する。一実施形態では、チャネルは、10センチメートル超の長軸に沿って測定された長さを有する。
【0094】
一実施形態では、チャネルは、10ミリメートル超の幅を有する。
【0095】
一実施形態では、チャネルは、その長さの少なくとも一部に沿って実質的に長方形の断面を有する。一実施形態では、チャネルの幅/厚さの比は、2超である。一実施形態では、チャネルの長さ/厚さの比は、10超である。
【0096】
一実施形態では、チャネルの厚さおよび幅は、長軸に沿って一定である。一実施形態では、チャネルの厚さおよび幅は、長軸に沿って可変性である。
【0097】
一実施形態では、担体層は、0.2mm~2mmの範囲、好ましくは約1mmの厚さを有する。
【0098】
一実施形態では、反射体層は、0.2mm~2mmの範囲、好ましくは約0.5mmの厚さを有する。
【0099】
音響泳動法(acoustophoresis)の分野の当業者によく知られているように、反射体層の厚さは、担体層の半分の厚さであってもよく、または反射体層の厚さは、担体層の厚さと等しくてもよい。
【0100】
一実施形態では、図7および8に示されているように、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3のうちの1つまたは複数は、壁の少なくとも1つからチャネルにおいて音波を発生する少なくとも1つの音波発生器をさらに含む。一実施形態では、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3のうちの1つまたは複数は、チャネルに沿った複数の音波発生器の配置を含み、上記複数の音波発生器は、好ましくは、チャネルの同一側に配置されている。一実施形態では、音波は、0.5MHz~10MHzの範囲、好ましくは約1MHzの周波数で発生している。
【0101】
一実施形態では、少なくとも1つの音波発生器は、チャネルの中で波長λを有する音波を発生するように構成されている。上記実施形態では、チャネルの厚さは、λ/2に等しく、またはチャネルの厚さは、λ/2の倍数に等しい。「チャネルの厚さがλ/2の倍数に等しい」は、「チャネルの厚さがn※λ/2m(式中nおよびmは整数である)に等しい」と理解すべきである。一実施形態では、体液を移すための手段(AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3)のチャネルの厚さは、λ/2、λ/3、λ/4、λ/5、λ/6、λ/8、またはλ/10に等しい。
【0102】
一実施形態では、音波発生器は、容積測定用の音の定常波を発生するように構成されている。一実施形態では、音波発生器は、表面音波を発生するように構成されていない。
【0103】
一実施形態では、図8に表されているように、音波発生器またはトランスデューサーは、体液を移すための手段AS0、AS1、AS2、AS3、AS’1、AS’2、AS’3の壁のうちの1つに押圧されている。上記実施形態では、たとえば超音波ゲルなどの適切な媒体が、音波の良好な伝達を確保するためにトランスデューサーと壁との間に配置されている。
【0104】
1つの代替的な実施形態では、図7に表されているように、音波発生器またはトランスデューサーは、たとえば接着または当業者に知られている他の手段などにより、壁のうちの1つの中に一体化している。
【0105】
一実施形態では、少なくとも1つの音波発生器は、乾式音響連結(dry acoustic coupling)により第1の壁と連結している。上記実施形態では、第1の壁は、伝達物質層または担体層であり、第2の壁は、反射体層である。
【0106】
一実施形態では、少なくとも1つの音波発生器は、連結層で第1の壁(すなわち伝達物質層または担体層)と連結している。
【0107】
一実施形態では、上記連結層は、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタンまたはシリコーンから作製されている。一実施形態では、上記連結層は、5~50ショアAの範囲の硬度を有する。一実施形態では、連結層の中の減衰は、0~1dB/mmの範囲である。一実施形態では、乾燥した接触面での減衰は、8dB未満(ゲル式音響連結(dry acoustic coupling)での減衰と比較して)である。一実施形態では、乾燥した接触面での接触圧力は、12~60kPaの範囲である。
【0108】
1つの例示的な実施形態では、連結層は、OLYMPUSにより商業化されているAqualene(登録商標)から作製されている。一実施形態では、上記連結層は、油または油を含む混合物から作製されている。
【0109】
一実施形態では、第1の壁(すなわち伝達物質層または担体層)の音響コンダクタンス係数は、0.5~1、好ましくは0.75~1、より好ましくは0.9~1の範囲である。一実施形態では、第1の壁(すなわち伝達物質層または担体層)は、0.5~1、好ましくは0.75~1、より好ましくは0.9~1の範囲の音響コンダクタンス係数を呈する物質から作製されている。
【0110】
一実施形態では、第2の壁(すなわち反射体層)の音響反射係数は、0.5~1、好ましくは0.75~1、より好ましくは0.9~1の範囲である。一実施形態では、第2の壁(すなわち反射体層)は、0.5~1、好ましくは0.75~1、より好ましくは0.9~1の範囲の音響反射係数を呈する物質から作製されている。
【0111】
一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、さらに、添加剤溶液を伴う少なくとも1つのバッグを含む。
【0112】
一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、ポンプまたは流量制限器などの能動的なフローシステムを含まない。
【0113】
一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、電気的な接続を含まない。
【0114】
一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、圧電基板を含まない。
【0115】
一実施形態では、密閉式の使い捨て可能な無菌性の複数の血液バッグシステムは、洗浄システムではない。
【0116】
一実施形態では、体液を移すための手段のチャネルは、音響共振器である。一実施形態では、体液を移すための手段のチャネルは、四分の一波長の分離チャンバーではない。
【図面の簡単な説明】
【0117】
図1A】従来技術に係る遠心分離を使用した、様々な血液製剤の生成の原則を示す。
図1B】従来技術に係る全血の遠心分離後の様々な血液製剤の層形成を例示する。
図2】本発明の様々な実施形態に係る複数の血液バッグシステムを表す。
図3】本発明の様々な実施形態に係る複数の血液バッグシステムを表す。
図4】本発明の様々な実施形態に係る複数の血液バッグシステムを表す。
図5】本発明の様々な実施形態に係る音響ソーターの側面図を例示する。
図6】本発明の様々な実施形態に係る音響ソーターの側面図を例示する。
図7】一体化したトランスデューサーをさらに含む、本発明に係る実施形態の音響ソーターの側面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る音響ソーターの複数の層を表す。
図9】本発明の様々な実施形態に係る複数の血液バッグシステムを例示する。
図10】本発明の様々な実施形態に係る複数の血液バッグシステムを例示する。
図11】本発明の様々な実施形態に係る複数の血液バッグシステムを例示する。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11