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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】成形ドラム用前後進駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/26 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B29D30/26
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020116217
(22)【出願日】2020-07-06
(65)【公開番号】P2021183415
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0060093
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520246869
【氏名又は名称】ドンバン エンジニアリング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DONGBANG ENGINEERING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】245, Sonjae-ro, Gwangsan-gu, Gwangju 62209, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ジョン クムソン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジス
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-212919(JP,A)
【文献】特開2005-053232(JP,A)
【文献】特開2011-230424(JP,A)
【文献】特開2018-012333(JP,A)
【文献】特開2018-016076(JP,A)
【文献】国際公開第2004/012928(WO,A1)
【文献】実開昭51-116981(JP,U)
【文献】米国特許第06585022(US,B1)
【文献】国際公開第2020/055237(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0037195(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1936320(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第106042429(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00-30/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ半製品が巻き取られる一対の成形ドラム本体部と、
前記一対の成形ドラム本体部の間の中央部に設置され、ショルダーサポートにリンク連結されて前記ショルダーサポートが前記一対の成形ドラム本体部の軸方向に沿って前後進すると、リンクの作動によって前記一対の成形ドラム本体部の径方向に収縮または拡張する一対のショルダー部と、
前記一対の成形ドラム本体部に設置されつつ、前記一対のショルダー部の両側に設置され、ビードロックピストンの軸方向の前後進に応じて前記一対の成形ドラム本体部の径方向に垂直運動する一対のビードロック部と、
前記一対の成形ドラム本体部に設置されつつ、前記一対のビードロック部の両側に設置され、圧縮空気の供給によってビードを包みながらタイヤ半製品の両側部をターンアップする一対のターンアップブレーダー部と、
前記一対の成形ドラム本体部の両側に設置され、前記一対の成形ドラム本体部を前記ショルダー部に向かって軸方向に沿って前後進させる一対の駆動部とを含み、
前記ショルダーサポートは、前記一対のショルダー部の両側に設置され、前記ショルダー部に向かって前後進しながら、前記ショルダー部を前記一対の成形ドラム本体部の径方向に収縮または拡張するように機能し、
前記駆動部は、
前記一対の成形ドラム本体部の中心軸から長さ方向に沿って延設されるシリンダー部と、前記シリンダー部の内部に設置され、前記一対の成形ドラム本体部の一側に連結されてピストン運動によって前記一対の成形ドラム本体部を前後進させるピストン部とを含み、
前記シリンダー部の一側に延設される回転カム駆動部をさらに含み、
前記回転カム駆動部の内部に設置される回転カムの回転運動から前記ピストン部を加圧して前記一対の成形ドラム本体部を前進させ、
前記回転カム駆動部の一側に延設されるレバー駆動部をさらに含み、
前記レバー駆動部の内部に設置されるシャフトの往復運動によって、前記シャフトと前記回転カムとを互いに連結するカムレバーが移動しながら、前記回転カムを回転させることを特徴とする、成形ドラム用前後進駆動装置。
【請求項2】
前記ショルダー部が垂直方向に拡張する動きを感知して、前記一対の成形ドラム本体部が前記ショルダー部に向かって前進するように前記駆動部に信号を伝達し、前記タイヤ半製品の両側部がターンアップされると、前記一対の成形ドラム本体部が両側に向かって後進するように前記駆動部に信号を伝達する制御部をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の成形ドラム用前後進駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形ドラム用ビードロック前後進駆動装置に係り、より詳細には、グリーンタイヤを成形するための成形ドラムのビードロックを前後進させるための駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で別に表示されない限り、このセクションで説明される内容はこの出願の請求項に対する従来技術ではなく、このセクションに含まれるとして従来技術であると認められるのではない。
【0003】
タイヤは、大きく精錬、半製品、成形、加硫などの4つの製造工程を経て完成する。まず、ミキサーで各種ゴムと薬品などを混合して配合ゴムを生産する精錬工程が行われ、定められたゴムをもってタイヤの規格に基づいて一定の幅、厚さでトレッドとサイドウォールを射出する工程である押出工程が行われる。次に、鋼線にゴムをコーティングし、所定の回数で巻いた後、規格に合わせて射出されたビードフィラーを付着させるビード工程が行われ、トレッドやサイドウォール、ビード、ベルト、カーカスなどのすべての半製品を順次組み立ててグリーンタイヤ(通常、「グリーンケース」と呼ぶ)を作る成形工程を経てグリーンタイヤが製造される。その後、前記グリーンタイヤは、モールドに投入し、定められた温度と圧力を一定時間加えて完成タイヤが製造される加硫工程を経て仕上げられる。
【0004】
本発明では、前述したタイヤ製造工程中の成形工程に用いられる成形ドラムを開示しようとするが、前記成形ドラムは、タイヤに使用されるすべての材料を順次組み付けて円筒状のグリーンタイヤを作る装置であって、駆動モータに連結されたプーリーにタイミングベルトなどの伝動ベルトで連結されて回転が行われることにより、成形ドラムの径方向に収縮または膨張するように構成される成形ドラムが存在する。より詳細には、前記成形ドラム駆動装置においてタイヤに適用される半製品(カーカスプライとインナーライナー)を成形ドラムに巻き取らせた状態でビードを結合し、成形ドラムの側面に位置するブレーダーに圧縮空気が供給されてブレーダーを膨張させると、半製品がビードを包みながらターンアップされる。
【0005】
前記ビードは、ホイールの一部であるリムに直接接触する部分であって、鋼線で結ばれたワイヤが繊維とゴムで包まれているリング状に構成されている。前記ビードは、空気圧が一定に維持されるタイヤを空気が抜けないようにリムに圧着させる役割を果たし、タイヤの空気圧が急激に減少しても、リムからタイヤが外されないように保持する役割も果たす。
【0006】
ここで、前記ターンアップ過程は、まず、半製品が成形ドラムに巻き取られた状態で成形ドラム駆動装置の上部に半製品を挟んでビードが結合され、ビードロックピストンが前進しながら前記ビードロックを上方に押し、ショルダーサポートにリンク連結されたショルダーが上方に移動してビードの側面を支持した状態でブレーダーに圧縮空気が供給されることにより、半製品がビードを包みながらターンアップされることにより行われる。
【0007】
しかし、前記ショルダーが上方に移動してビードの側面を支持する工程でビードがショルダーと完全に密着しないため、ビードと半製品との間に空気が流入して半製品がビードと空気を一緒に包みながらターンアップされてビードが半製品上に完全圧着されないため製品の性能が低下したり不良品が発生したりするという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国特許第10-1127258号公報(2012年3月29日公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ブレーダーが膨張してタイヤ半製品がビードを包みながらターンアップされる前に、ビードロックをショルダー方向に前進させて、ビードがタイヤ半製品にさらに密着した状態でターンアップされるようにすることにより、ビードとタイヤ半製品との間に空気が流入しないように防止するための成形ドラム用ビードロック前後進駆動装置を提供することにある。
【0010】
また、上述した技術的課題に限定されず、以下の説明から別の技術的課題が導き出されることも可能なのは自明である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態に係る成形ドラム用前後進駆動装置は、タイヤ半製品が巻き取られる成形ドラム本体部と、前記成形ドラム本体部の中央部に設置され、ショルダーサポートにリンク連結されて前記成形ドラム本体部の径方向に収縮または拡張するショルダー部と、前記ショルダー部の両側に設置され、ビードロックピストンの前後進に応じて成形ドラム本体部の径方向に垂直運動するビードロック部と、前記ビードロック部の両側に設置され、圧縮空気の供給によってビードを包みながらタイヤ半製品の両側部をターンアップするターンアップブレーダー部と、前記成形ドラム本体部の両側に設置され、前記成形ドラム本体部をショルダー部に向かって前後進させる駆動部とを含む。
【0012】
本発明の好適な特徴によれば、前記駆動部は、前記成形ドラム本体部の中心軸から長さ方向に沿って延設されるシリンダー部と、前記シリンダー部の内部に設置され、前記成形ドラム本体部の一側に連結されてピストン運動によって前記成形ドラム本体部を前後進させるピストン部とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の好適な特徴によれば、前記シリンダー部の一側に延設される回転カム駆動部をさらに含み、前記回転カム駆動部の内部に設置される回転カムの回転運動から前記ピストン部を加圧して成形ドラム本体部を前進させることを特徴とする。
【0014】
本発明の好適な特徴によれば、前記回転カム駆動部の一側に延設されるレバー駆動部をさらに含み、前記レバー駆動部の内部に設置されるシャフトの往復運動によって、前記シャフトと回転カムとを互いに連結するカムレバーが移動しながら、前記回転カムを回転させることを特徴とする。
【0015】
本発明の好適な特徴によれば、前記ショルダー部が垂直方向に拡張する動きを感知して、前記成形ドラム本体部がショルダー部に向かって前進するように駆動部に信号を伝達し、前記タイヤ半製品の両側部がターンアップされると、前記成形ドラム本体部が両側に向かって後進するように駆動部に信号を伝達する制御部をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の好適な特徴によれば、前記ショルダー部が垂直方向に拡張する動きを感知して、前記シャフト部がショルダー部に向かって前進するように駆動部に信号を伝達し、前記タイヤ半製品の両側部がターンアップされると、前記成形ドラム本体部が両側に向かって後進するように前記レバー駆動部に信号を伝達する制御部をさらに含むことを特徴とする
【0017】
本発明の一実施形態に係る成形ドラム用前後進駆動装置の作動方法は、タイヤ半製品を成形ドラム本体部に巻き取らせる第1ステップと、ビードをタイヤ半製品の上部に固定させる第2ステップと、ビードロックピストンが前進しながらビードロック部が前記成形ドラム本体部の径方向に上昇する第3ステップと、ショルダーサポートにリンク連結されるショルダー部が前記成形ドラム本体部の径方向に拡張する第4ステップと、前記成形ドラム本体部の両側に設置される駆動部がショルダー部に向かって成形ドラム本体部を前進させる第5ステップと、ターンアップブレーダー部に圧縮空気が供給されることにより、ビードを包みながらタイヤ半製品の両側部をターンアップする第6ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によれば、タイヤ半製品がショルダーとビードとの間に密着結合された状態でターンアップが行われるため、空気が満ちる現象が防止できるという利点がある。
【0019】
また、本発明の実施形態によれば、空気が流入しないように防止することにより、タイヤ製品の性能低下または不良品の発生率を最小限に抑えることができるという利点がある。
【0020】
また、本発明の実施形態によれば、成形ドラム装置部に簡単に前後進させることにより、ビードがタイヤ半製品にさらに容易に密着結合できるという利点がある。
【0021】
本発明の効果は上述した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】タイヤ成形ドラムによって成形されたタイヤを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るビードロック前後進駆動装置の断面図である。
図3a】本発明の一実施形態に係るビードロック前後進駆動装置の作動状態図である。
図3b】本発明の一実施形態に係るビードロック前後進駆動装置の作動状態図である。
図3c】本発明の一実施形態に係るビードロック前後進駆動装置の作動状態図である。
図3d】本発明の一実施形態に係るビードロック前後進駆動装置の作動状態図である。
図3e】本発明の一実施形態に係るビードロック前後進駆動装置の作動状態図である。
図4】本発明の一実施形態に係るビードロック前後進駆動装置においてビードロックが前進した状態の概念図である。
図5】本発明の一実施形態に係るビードロック前後進駆動装置において回転カム駆動部とレバー駆動部を含む状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、好適な実施形態によるビードロック前後進駆動装置の構成、動作及び作用効果について説明する。ちなみに、以下の図面において、各構成要素は、利便性及び明確性のために省略されているか或いは概略的に図示されており、各構成要素
の大きさは、実際の大きさを反映したものではない。また、明細書全体にわたって、同一の参照符号は同一の構成要素を指し、各図面において同一の構成に対する図面符号は省略する。
【0024】
図2は本発明の一実施形態に係るビードロック前後進駆動装置の断面図を示し、図3a乃至図3eは作動状態図を示す。
【0025】
本発明の一実施形態に係る成形ドラム用前後進駆動装置は、タイヤ半製品が巻き取られる成形ドラム本体部10と、前記成形ドラム本体部10の中央部に設置され、ショルダーサポート21にリンク連結されて前記成形ドラム本体部10の径方向に収縮または拡張するショルダー部20と、前記ショルダー部20の両側に設置され、ビードロックピストン31の前後進に応じて成形ドラム本体部10の径方向に垂直運動するビードロック部30と、前記ビードロック部30の両側に設置され、圧縮空気の供給によってビードを包みながらタイヤ半製品の両側部をターンアップするターンアップブレーダー部40と、前記成形ドラム本体部10の両側に設置され、前記成形ドラム本体部10をショルダー部20に向かって前後進させる駆動部50とを含む。
【0026】
まず、前記成形ドラム本体部10は、円筒状のドラム構造を持つことができ、回転軸を介して伝達された動力で回転しながら回転軸を中心に径方向に収縮または膨張する構造を持つことができる。前記成形ドラム本体部10上に、カーカスプライとインナーライナーを含むタイヤ半製品が巻き取られるが、前記インナーライナーは、タイヤの最も内側のゴム層からなり、タイヤの空気を維持させる構成であり、カーカスは、タイヤ内部の繊維やスチールなどからなるコード層を意味し、タイヤの骨格を形成する。前記タイヤ半製品が成形ドラム本体部10に巻き取られた状態でビードがタイヤ半製品上に結合される。前記ビードは、コードの端部分を包みながらタイヤをリムに装着させる構成であって、巻き取られたタイヤ半製品の側面から一定間隔離隔して両側に固定でき、その後、ターンアップブレーダーによってターンアップされながらビードが包まれて図1のような構造をなす。
【0027】
次に、前記ショルダー部20は、成形ドラム本体部10の中央に設置され、ショルダーサポート21にリンク連結されてリンクの作動によって中心軸から径方向に沿って収縮または拡張可能に構成される。ここで、前記ショルダーサポート21の作動によってショルダー部20が拡張しながら、グリーンタイヤの初期形状が作られる。
【0028】
また、前記ショルダー部20の両側に設置され、ビードロックピストン31の前後進に応じて成形ドラム本体部10の径方向に垂直運動するビードロック部30をさらに含む。前記ビードロック部30は、ショルダー部20から成形ドラム本体部10の両側に沿って所定距離離隔して設置でき、その後、ビードがタイヤ半製品を挟んでビードロック部30に対応する位置に結合されることによりビードを固定させる。前記ビードロック部30は、成形ドラム本体部10の内部に構成されるビードロックピストン31の前後進運動によって中心軸から径方向に沿って垂直移動が可能となる。
【0029】
また、前記ビードロック部30の両側に設置され、圧縮空気の供給によってビードを包みながらタイヤ半製品の両側部をターンアップするターンアップブレーダー部40をさらに含む。前記ターンアップブレーダー部40は、ビードロック部30の両側に設置され、圧縮空気が供給されることにより膨張するように革や合成樹脂などの弾性材を使用することができる。前記ターンアップブレーダー部40に空気が注入され、タイヤ半製品の両側部がビードを包みながらターンアップされる。
【0030】
最後に、前記成形ドラム本体部10の両側に設置され、前記成形ドラム本体部10をショルダー部20に向かって前後進させる駆動部50を含むことができる。前記駆動部50
は、成形ドラム本体部10を、すなわちボディハウジング自体をドラムの外側から中央に向かって前後進させるための構成であって、成形ドラム本体部10の両側に設置されて加圧可能な形で構成できる。
【0031】
本発明の好適な特徴によれば、前記駆動部50は、前記成形ドラム本体部10の中心軸から長さ方向に沿って延設されるシリンダー部51と、前記シリンダー部51の内部に設置され、前記成形ドラム本体部10の一側に連結されてピストン運動によって前記成形ドラム本体部10を前後進させるピストン部53とを含むことを特徴とする。
【0032】
前記成形ドラム本体部10を加圧するための一実施形態として、ピストンシリンダー構造を持つことができる。より詳細には、前記駆動部50は、成形ドラム本体部10の中心軸から長さ方向に沿って延設され、内部にピストン運動の可能な空間が形成されるシリンダー部51を含むことができる。前記シリンダー部51の内部に設置され、軸方向に沿って往復運動するピストン部53によって前記成形ドラム本体部10を前後進駆動させることができる。
【0033】
本発明の好適な特徴によれば、前記シリンダー部51の一側に延設される回転カム駆動部55をさらに含み、前記回転カム駆動部55の内部に設置される回転カム56の回転運動から前記ピストン部53を加圧して成形ドラム本体部10を前進させることを特徴とする。
【0034】
前記駆動部50がピストン運動によって前後進駆動する作動をより容易にするための構成として、前記シリンダー部51の外側に延設され、カムが回転できる所定の空間が内部に形成される回転カム駆動部55を含むことができる。前記回転カム駆動部55の内部には、軸を中心に回転運動する回転カム56が設置でき、前記回転カムは、好ましくは楕円状をしており、回転によって前記ピストン部53の一側を加圧しながらピストン部53が前進する。
【0035】
本発明の好適な特徴によれば、前記回転カム駆動部55の一側に延設されるレバー駆動部57をさらに含み、前記レバー駆動部57の内部に設置されるシャフト58の往復運動によって、前記シャフト58と回転カム56とを互いに連結するカムレバー59が移動しながら、前記回転カム56を回転させることを特徴とする。
【0036】
ここで、前記回転カム56を回転させる駆動を容易にするための構成として、前記回転カム駆動部55の一側に延設されるレバー駆動部57を含むことができる。前記レバー駆動部57は、内部に直線往復運動をするシャフト58が存在し、シャフトの直線運動によって、前記回転カム56とシャフト58とを互いに連結するカムレバー59が駆動しながら回転カム56を回転させ、これによりピストン部53を加圧して成形ドラム本体部10を前進させることができる。
【0037】
本発明の好適な特徴によれば、前記ショルダー部20が垂直方向に拡張する動きを感知して、前記成形ドラム本体部10がショルダー部20に向かって前進するように駆動部50に信号を伝達し、前記タイヤ半製品の両側部がターンアップされると、前記成形ドラム本体部10が両側に向かって後進するように駆動部50に信号を伝達する制御部をさらに含むことを特徴とする。
【0038】
本発明の好適な特徴によれば、前記ショルダー部20が垂直方向に拡張する動きを感知して、前記シャフト58がショルダー部20に向かって前進するように駆動部50に信号を伝達し、前記タイヤ半製品の両側部がターンアップされると、前記成形ドラム本体部10が両側に向かって後進するように前記レバー駆動部57に信号を伝達する制御部をさら
に含むことを特徴とする。
【0039】
前記制御部は、成形ドラム本体部10がタイヤ半製品をもってグリーンタイヤを成形する過程で特定の工程に対する信号を受信した後、成形ドラム本体部10がショルダー部20に向かって前進するように駆動部50に作動信号を伝達する役割を果たす。より詳細には、前記ビードロック部30が径方向に上昇し、前記ショルダー部20が拡張しながらビードの側面と下部が支持された状態で前記制御部が駆動部50に作動信号を伝達して成形ドラム本体部10がショルダー部20に向かって前進するようにすることができ、前記駆動部50に延設されるレバー駆動部57に信号を伝達してシャフト58が前進移動するようにすることができる。それにより、前記ビードがタイヤ半製品とショルダーにさらに密着しながらエアが外部に放出され、その後、ターンアップブレーダー部40によってビードを包みながらターンアップされると、内部に空気が満ちていない状態でグリーンタイヤが製造されることにより、製品の性能を向上させ且つ不良率の発生を最小限に抑えることができる。
【0040】
本発明の一実施形態に係る成形ドラム用前後進駆動装置の作動方法は、タイヤ半製品を成形ドラム本体部10に巻き取らせる第1ステップ(s10)と、ビードをタイヤ半製品の上部に固定させる第2ステップ(s20)と、ビードロックピストン31が前進しながらビードロック部30が前記成形ドラム本体部10の径方向に上昇する第3ステップ(s30)と、ショルダーサポート21にリンク連結されるショルダー部20が前記成形ドラム本体部10の径方向に拡張する第4ステップ(s40)と、前記成形ドラム本体部10の両側に設置される駆動部50がショルダー部20に向かって成形ドラム本体部10を前進させる第5ステップ(s50)と、ターンアップブレーダー部40に圧縮空気が供給されることにより、ビードを包みながらタイヤ半製品の両側部をターンアップする第6ステップ(s60)とを含むことを特徴とする。
【0041】
次に、前述した成形ドラム用前後進駆動装置による作動方式を説明する。まず、インナーライナーとカーカスプライを含むタイヤ半製品を成形ドラム本体部10に巻き取らせる第1ステップ(s10)と、ビードをタイヤ半製品の上部に固定させる第2ステップ(s20)とを経る。ここで、前記ビードは、成形ドラム本体部10に形成されるビードロック部30に対応する位置でタイヤ半製品を挟んで固定され、その後、ビードロックピストン31がショルダー部20に向かって前進しながらビードロック部30が径方向に上昇してビードを上方に押す第3ステップ(s30)を経る。次に、ショルダーサポート21にリンク連結されるショルダー部20が成形ドラム本体部10の径方向に拡張しながら(第4ステップ(s40))ビードの側面を支持するが、ここで、ショルダー部20とビードとの間に所定の空間が形成されて内部に空気が満ちるという問題が発生することがある。これを防止するために、前記成形ドラム本体部10の両側に設置される駆動部50がショルダー部20に向かって成形ドラム本体部10を前進させる第5ステップ(s50)を経て、ビードがショルダー部20に密着結合され、その後、ターンアップブレーダー部40に空気を供給して、半製品の両側部がビードを包みながらターンアップされる第6ステップ(s60)に進む。その後、ターンアップブレーダー部40が元の位置に戻り、前記駆動部50が後進しながらショルダー部20とビードを包み込むタイヤ半製品を所定距離離隔させ、ショルダー部20及びビードロック部30を順次下降させることにより、最終的にグリーンタイヤを製造する。
【0042】
以上、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明したが、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる様々な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。したがって、以上で記述した実施形態は、あらゆる面で例示的なもので、限定的なものではないと理解され
るべきであり、本発明の範囲は、詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって定められ、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導き出されるすべての変更または変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0043】
10 成形ドラム本体部
20 ショルダー部
21 ショルダーサポート
30 ビードロック部
31 ビードロックピストン
40 ターンアップブレーダー部
50 駆動部
51 シリンダー部
53 ピストン部
55 回転カム駆動部
56 回転カム
57 レバー駆動部
58 シャフト
59 カムレバー
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4
図5