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  • 特許-座椅子用カバー及び座椅子 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】座椅子用カバー及び座椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 31/11 20060101AFI20220105BHJP
   A47C 3/16 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A47C31/11 Z
A47C3/16
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020123650
(22)【出願日】2020-07-20
(62)【分割の表示】P 2020037528の分割
【原出願日】2020-03-05
(65)【公開番号】P2021137537
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2020-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】510076948
【氏名又は名称】株式会社高木ミンク
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】高木 公義
【審査官】梶本 直樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0367491(US,A1)
【文献】実開昭48-088817(JP,U)
【文献】実開昭59-066474(JP,U)
【文献】特開2005-095295(JP,A)
【文献】登録実用新案第3099491(JP,U)
【文献】登録実用新案第3177626(JP,U)
【文献】特許第6758008(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 31/00-31/12
A47C 3/16
B60N 2/00- 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背もたれがリクライニングし、アームレストを有する座椅子に装着される座椅子用カバーにおいて、
それぞれ毛足の長さが1.5cm以上のムートン調の表面を有する背もたれ部、座部及びアームレスト部と、を備え、
前記背もたれ部と前記座部との間には、前記背もたれ部及び前記座部のそれぞれに縫製されており、それぞれの端部がムートン調の生地の表面と反対側に向くように重ね合わせて接合された厚さ2.0mm以下であってかつ幅が2.0cm以上の柔軟な第1シートと、
前記アームレスト部と前記座部の間には、前記アームレスト部と前記座部にそれぞれに縫製されており、それぞれの端部がムートン調の生地の表面と反対側に向くように重ね合わせて接合された厚さ2.0mm以下であってかつ幅が2.0cm以上の柔軟な第2シートと、
を備えていることを特徴とする座椅子用カバー。
【請求項2】
前記座部の前方端辺及び左右の前記アームレスト部の端辺と接合自在に形成されている第3シートを備えていることを特徴とする請求項1に記載の座椅子用カバー。
【請求項3】
前記第3シートは、前記背もたれ部の背面側において、長さを変更可能なように折り曲げ部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の座椅子用カバー。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の座椅子用カバーが被覆された座椅子。
【請求項5】
前記座椅子のフレームは、背もたれ部がリクライニング可能に形成されており、背もたれ部の左右端部とアームレスト部との間に3.0cm以上隙間が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の座椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座椅子用カバー及び座椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、座椅子用カバーは、座椅子を被覆する生地、シート等を同一の生地のみで作製されており、一般には、座面、背もたれをそれぞれ個別に被覆することによって作製されていた。これに対して、座面と背もたれを両方とも被覆する一体の座椅子用カバーが提案されている(特許文献1)。この座椅子用カバーは、側方に設けられた開口部を開け、座椅子が折られた(L字状の)状態で被せて装着するものであり、開口部にはチャック(ジッパー・ファスナー)や面ファスナー、ボタン、ホック、スナップ等のような閉塞具を設けて閉口可能としているものである。
【0003】
しかしながら、ムートンのように毛足の長さが1.5cmを超えるような生地を使用した場合には、L字に折られた部分が浮いてしまうという問題点があった。また、アームレストを有する座椅子の場合には、取り付けることが困難であるという問題点もあった。
【0004】
本発明者は、一体に作製された座椅子用カバーを使用して、アームレストを有し、かつ背もたれがリクライニングする座椅子に対して取付け可能な座椅子用カバーを作製するに際して、以下のような問題が発生することがわかった。まず、毛足の長いムートン調の生地を使用した場合、座椅子のL字状に折られた部分で浮かないように、背もたれ部と座部との間の隙間や座部とアームレスト部の隙間に押し込むようにしたいと考えたが、生地が厚すぎて隙間に入らないため、これらの隙間にムートン生地を挿入して取り付けることができないという問題点があった。
【0005】
また、背もたれ部がリクライニングするタイプの座椅子においては、背もたれ部とアームレスト部との隙間が小さいため、ムートン生地同士が干渉して背もたれ部を起こすことができないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3071346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、背もたれがリクライニングし、かつアームレスト部を有する座椅子において、毛足が1.5cmを超える生地であっても、椅子正面側に毛足を隙間なく取り付けることができ、かつ背もたれのリクライニング機構を妨げることのない一体型の座椅子用カバー及び座椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0009】
本発明にかかる座椅子用カバーは、
背もたれがリクライニングし、アームレスト部を有する座椅子に装着される座椅子用カバーにおいて、
それぞれ毛足の長さが1.5cm以上のムートン調の表面を有する背もたれ部、座部及びアームレスト部と、を備え、
前記背もたれ部と前記座部との間には、それぞれ前記背もたれ及び前記座部に接合された厚さ2.0mm以下であってかつ幅が2.0cm以上の柔軟な第1シートと、
前記アームレスト部と前記座部の間には、それぞれ接合された厚さ2.0mm以下であってかつ幅が2.0cm以上の柔軟な第2シートと、
を備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる座椅子用カバーは、背もたれ部と座部との間に薄くかつ柔軟な第1シートを有しているため、第1シートを座椅子の背もたれと座面との間(L字に折れ曲がった部分)に挿入することによって、毛足の長いムートン生地を背もたれと座面との間に挿入することなく、座椅子用カバーを背もたれ及び座面に被覆することができる。この際に一体の座椅子用カバーでありながら、背もたれと座面それぞれに個別に毛足の長いムートン生地で被覆しているように見せることができる。また、アームレスト部と座部との間にも薄い柔軟な第2シートを有しているため、この第2シートを座面とアームレストとの間に挿入することによって、毛足の長いムートン生地部を座面とアームレストとの間に挿入することなく、座椅子用カバーを座面とアームレストに被覆することができる。この際に、一体の座椅子用カバーでありながら、アームレストと座面とを個別に毛足の長いムートン生地で被覆しているかのように見せることができる。
【0011】
また、本発明にかかる座椅子用カバーにおいて、前記第1シート又は第2シートは、端部が内側に向くように重ね合わせて接合されていることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
かかる構成を採用することによって、背もたれと座面との間やアームレストと座面の間に第1シート又は第2シートを押し込んだ場合に、押し込まれた状態を維持するように端部が形成されているので、第1シート及び第2シートが背もたれと座面との間やアームレストと座面の間から容易に外れることを防止することができる。
【0013】
また、本発明にかかる座椅子用カバーにおいて、前記背もたれ部の背面側には、背もたれ部の上端辺、左端辺及び右端辺とで接合された厚さ2.0mm以下の柔軟な第3シートを備えていることを特徴とするものであってもよい。
【0014】
背もたれ部の背面側に薄くかつ柔軟な第3シートを備えることによって、背もたれ部が袋状に形成されるため、この袋状の部分に座椅子の背もたれを挿入することのみで容易に背もたれに座椅子用カバーを被覆することができる。
【0015】
さらに、本発明にかかる座椅子用カバーにおいて、前記第3シートは、前記座部の前方端辺及び左右の前記アームレスト部の端辺と接合自在に形成されていることを特徴とするものであってもよい。
【0016】
かかる構成を採用することによって、座椅子に座椅子用カバーを取り付けた後、座部の前方端辺及び左右の前記アームレスト部の端辺と接合することで、座椅子全体を被覆することができる。そのため、座椅子用カバーが座椅子から外れる可能性を低減することができる。
【0017】
さらに、本発明にかかる座椅子用カバーにおいて、前記第3シートは、前記背もたれ部の背面側において、長さを変更可能なように折り曲げ部を備えていることを特徴とするものであってもよい。
【0018】
かかる構成を採用することによって、座椅子のリクライニングする背もたれ部を起立させた場合には、背面側の第3シートが引っ張られて長さが足りなくなる可能性があるが、折り曲げ部が延びることによって足りなくなった長さを補完することができる。
【0019】
また、本発明は、上述した座椅子用カバーが被覆された座椅子を提供する。
【0020】
さらに、本発明にかかる座椅子において、前記座椅子のフレームは、背もたれがリクライニング可能に形成されており、背もたれの左右端部とアームレストとの間に3.0cm以上隙間が形成されていることを特徴とするものであってもよい。
【0021】
背もたれの左右端部とアームレストとの間に3.0cm以上隙間が空いていることによって、毛足の長いムートン調の生地であっても、背もたれ部とアームレスト部との毛足の干渉を最小限にすることができ、背もたれが起立する際に妨げられることを防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかる座椅子用カバー及び座椅子によれば、毛足が1.5cmを超える生地であっても、椅子正面側に隙間なく毛足を隙間なく取り付けることができ、かつ背もたれ部のリクライニング機構を妨げることのない座椅子用カバー及び座椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施形態にかかる座椅子用カバー100の表側を示す模式図である。
図2図2は、実施形態にかかる座椅子用カバー100の裏側を示す模式図である。
図3図3は、実施形態にかかる座椅子用カバー100が使用される座椅子の内部フレーム210を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態にかかる座椅子用カバー100の別実施形態の裏側を示す模式図である。
図5図5は、実施形態にかかる座椅子用カバー100のさらなる別実施形態の裏側を示す模式図である。
図6図6は、実施形態にかかる座椅子200の6面図である。
図7図7は、実施形態にかかる座椅子200の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明にかかる座椅子用カバー100及び座椅子用カバー100を被覆した座椅子200の実施形態について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0025】
第1実施形態にかかる座椅子用カバー100が図1に示されている。また、第1実施形態にかかる座椅子用カバー100を使用する座椅子200の内部フレーム210が図3に示されている。
【0026】
まず、はじめに、本実施形態にかかる座椅子用カバー100を使用する座椅子200の内部フレーム210の構成について図3を参照しつつ説明する。座椅子200の内部フレーム210は、図3に示すように、座面211と、背もたれ212と、アームレスト213と、を構成するウレタンフォームやスポンジ等のクッション性を有する緩衝部材を有している。これら緩衝部材の内部には形態を保持し、かつリクライング機能を有する金属製のフレーム(図示しない。)が内装されている。座面211と背もたれ212はそれぞれ緩衝部材が密接して配置されており、座面211とアームレスト213もそれぞれの緩衝部材が密接して配置されている。一方で、背もたれ212の側面212aとアームレスト213とは、少なくとも3.0cm以上の間隔を有するように設けられている。背もたれ212は、リクライニング可能なように、起立する方向に付勢する付勢部材(図示しない)が背もたれ212と座面211を構成する金属フレームの間に設けられていて、操作レバーを操作することによって、付勢力によって自動的に背もたれ212が起立するように作製されている。
【0027】
次に、実施形態にかかる座椅子用カバー100について説明する。第1実施形態にかかる座椅子用カバー100は、図1に示すように毛足の長さが1.5cm以上、より好ましくは2.0mm以上のムートン調の生地からなる背もたれ部10、座部20及びアームレスト部30と、これらを接合するシート40を備えている。なお、ムートン調の生地とは、羊の毛皮からなるムートンそのものに加え、1.5cm以上の毛足を密集して生地に起毛したような人工的にムートン調を模した生地も含む。
【0028】
背もたれ部10は、座椅子200の少なくとも背もたれ212の正面、側面及び上面を被覆するように作製されている。従って、座椅子の内部フレーム210の背もたれ212に被せるのみで正面側から見た場合には、背もたれ212全体がムートン調の生地で被覆されているようにすることができる。より好ましくは、図3に示すように、背面側もある程度被覆できるように延出部10aを設けることによって、全体的に袋状に形成され、背もたれ212に被せやすくなるとともに、多少座椅子用カバー100がずれた場合であっても背もたれの側面又は上面がムートン調の生地で被覆されていない状態となることを防止することができる。
【0029】
座部20は、少なくとも座面211の上面及び正面側を被覆することができるように作製されている。従って座椅子200の内部フレーム210の座面211に被せるのみで正面側から見た場合には、座面全体がムートン調の生地で覆われているように視認することができる。より好ましくは、図2に示すように、正面側から底面側に向かって延出部20aを設けることによって、多少、座椅子用カバー100がずれた場合であっても座面211の上面がムートン調の生地で被覆されていない状態となることを防止することができる。
【0030】
アームレスト部30は、図2に示すように、アームレスト213の少なくとも内側面、外側面、上面、正面及び背面を被覆することができるように袋状に形成されており、アームレスト213に被せるように被覆することで、正面側から見た場合には、アームレスト全体がムートン調の生地で覆われているように視認することができる。
【0031】
こうして作製された背もたれ部10、座部20及びアームレスト部30は以下のようにして縫製等によって接合される。背もたれ部10と座部20は、厚さ2.0mm以下であってかつ幅が2.0cm以上、より好ましくは3.0cm以上、さらに好ましくは5.0cm以上の織物、プラスチックシート等の柔軟な第1シート40aを介して接合される。座部20とアームレスト部30は、厚さ2.0mm以下であってかつ幅が2.0cm以上、より好ましくは3.0cm以上、さらに好ましくは5.0cm以上の織物、プラスチックシート等の柔軟な第2シート40bを介して接合される。こうして背もたれ部10、座部20及びアームレスト部30は、一体に形成され、それぞれ背もたれ部10と座部20との間及び座部20とアームレスト部30との間は、薄い柔軟なシート40が配置されることになる。さらに、柔軟な第1シート40a及び第2シート40bは、図2のC拡大図に示すように、分割して形成し、端部がムートン調の生地と反対側となるように重ね合わせて接合してもよい。このように作製することによって、座面211と背もたれ212との間や、座面211とアームレスト213の間に挿入する際に折り畳まれるのと同様の形態が既に形成されているので、押し込みやすく、かつ抜けづらくすることができる。
【0032】
さらに、背もたれ部10の背面側には、図4に示すように、背もたれ部10の上端辺10b、左端辺10c及び右端辺10dとで接合された厚さ2.0mm以下の柔軟な第3シート50(図4の斜線の部分)を設けても良い。このような第3シート50を設けることによって、背もたれ212に被せる部分を袋状に形成することができるため、背もたれ212に対して被せるだけで座椅子用カバー100を取り付けることができる。さらに、図5に示すように、第3シート50をさらに座面側まで延長して、座部20の前方端辺20b及び左右のアームレスト部30の端辺30aを線ファスナーや面ファスナーによって接合可能に設けても良い。かかる構成を採用することによって、座椅子200の内部フレーム210の背面及び底面を含む全体を覆うことができるようになり、座椅子用カバー100が不用意に外れる可能性を低減することができる。
【0033】
なお、第3シート50は、図5に示すように、背もたれ部10の背面側において、長さを変更可能なように折り曲げ部50aを設けても良い。
【0034】
かかる構成を採用することによって、座椅子200のリクライニングする背もたれ部を起立させた場合には、背面側の第3シート50が引っ張られて長さが足りなくなる可能性があるが、折り曲げ部が延びることによって足りなくなった長さを補完することができる。
【0035】
以上のようにして作製された座椅子用カバー100は、座面211、背もたれ212及びアームレスト213にそれぞれ背もたれ部10、座部20及びアームレスト部30を被覆するように被せる。そして、第1シート40aを座面211と背もたれ212の間に押し込む。これにより、背もたれ部10と座部20のムートン調の生地が座面211と背もたれ212の境界で重なり合い、第1シート40aは正面から見えなくなるとともに、背もたれ部10と座部20のムートンが連続しているように視認させることができるとともに、座面211と背もたれ212のそれぞれに個別にムートン生地を被覆しているかのように見せることができる。さらに、第2シート40bも座面211とアームレスト213の間に押し込む。これにより、座部20とアームレスト部30のムートン調の生地が座部20とアームレスト部30の境界で重なり合い、第2シート40bは正面から見えなくなるとともに、座部20とアームレスト部30のムートン生地が連続しているように視認させることができるとともに、座面211とアームレスト213のそれぞれに個別にムートン生地を被覆しているかのように見せることができる。なお、座面211と背もたれ212に押し込まれた第1シート40a及び座面211とアームレスト213に押し込まれた第2シート40bは、押し込まれた状態を保持することができるように、金属フレームに縫い合わせたり、座面211、背もたれ212又はアームレスト213に接着剤で接着したりしてもよい。
【0036】
そして、最後に、第3シート50を座部20の前方端辺及び左右のアームレスト部30の端辺を線ファスナーや面ファスナーによって接合することによって、座椅子全体を被覆する。
【0037】
こうして作製された座椅子200は、1.5cm以上という長い毛足を有する座椅子用カバー100であっても、座面211と背もたれ212及び座面211とアームレスト213との間に隙間を設けなくても一体の座椅子用カバー100を使用して取り付けることができるようになる。しかも、図6図7に示すように、座面211と背もたれ212及び座面211とアームレスト213との間は連続してムートン調の生地が連続し、取り付けた状態で正面から見た場合には、全体がムートンで覆われているように視認させることができる。また、背もたれ212とアームレスト213との間には、3.0cm以上の隙間が空いているので、ムートンの毛足による干渉を低減することができるので、付勢部材による背もたれの起立を妨げる摩擦を小さくすることができる。そのため、背もたれの起立をスムーズに行うことができるようになる。さらに、柔軟な第1シート40a及び第2シート40bは、図2Cに示すように、幅の略中心線において、端部がムートン調の生地と反対側となるように、重ね合わせて接合すれば、接合部が押し込まれた方向に癖付けされることになるので、押し込まれた第1シート40a及び第2シート40bが飛び出す可能性を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
上述した実施の形態で示すように、座椅子として利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10…背もたれ部、10a…延出部、10b…上端辺、10c…左端辺、10d…右端辺、20…座部、20a…延出部、20b…前方端辺、30…アームレスト部、30a…端辺、40…シート、40a…第1シート、40b…第2シート、50…第3シート、50a…折り曲げ部、100…座椅子用カバー、200…座椅子、210…内部フレーム、211…座面、212…背もたれ、212a…側面、213…アームレスト


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7