(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】エアコン室内機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0011 20190101AFI20220105BHJP
F24F 13/10 20060101ALI20220105BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20220105BHJP
F24F 11/79 20180101ALI20220105BHJP
【FI】
F24F1/0011
F24F13/10 A
F24F11/74
F24F11/79
(21)【出願番号】P 2020540667
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(86)【国際出願番号】 CN2018112706
(87)【国際公開番号】W WO2019114443
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-04-03
(31)【優先権主張番号】201711312898.6
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520119585
【氏名又は名称】▲蕪▼湖美智空▲調▼▲設▼▲備▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 行
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-065876(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104697061(CN,A)
【文献】特開2017-003195(JP,A)
【文献】特開2008-128578(JP,A)
【文献】特開2016-173198(JP,A)
【文献】特開2013-057452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0011
F24F 13/10
F24F 11/74
F24F 11/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース及びファンを含むエアコン室内機であって、前記ケースの風道の送風口には対向するように設置されている前壁面と後壁面があり、
前記エアコン室内機はさらに、
前記後壁面に近接して設置されている第一枢動軸で前記ケースに回動可能に設置されている第一導風板と、
前記第一枢動軸と前記前壁面との間に位置する第二枢動軸で前記ケースに回動可能に設置されている第二導風板であって、前記第二枢動軸に近い縁部は前記第一導風板の前記第一枢動軸から遠く離れた縁部と接するように適合する第二導風板と、
前記前壁面に近接して設置されている第三枢動軸でケースに回動可能に設置され、幾つかの風拡散孔が設けられている第三導風板と、
前記ケースに設置され、室内のターゲット熱源の放熱量を検出するために設置されている温度センサーと、
前記温度センサーにより検出された放熱量に基づいて、前記ファン、前記第一導風板、第二導風板及び第三導風板を共同制御して、送風の流量及び送風の方式を調整するコントローラーと、を含
み
前記エアコン室内機は無風感モードを含み、前記無風感モードは冷から暖までの複数の無風感段階を含み、
前記コントローラーは、
室内のターゲット熱源の放熱量を取得し、
前記放熱量をターゲット熱源の体感参考温度に変換して、前記体感参考温度を前記エアコン室内機の現在の設定温度と比較し、
前記体感参考温度と前記設定温度との温度差に基づいて無風感段階を調節するように、前記エアコン室内機を制御するように構成されている
エアコン室内機。
【請求項2】
前記第一枢動軸は前記第一導風板の長さ方向に沿って延びている
請求項1に記載のエアコン室内機。
【請求項3】
前記第一枢動軸は前記第一導風板の長さ方向の反対する両側に設けられている
請求項1に記載のエアコン室内機。
【請求項4】
前記温度センサーは熱電堆赤外温度測定センサーである
請求項1に記載のエアコン室内機。
【請求項5】
前記ケースはパネルを含み、前記パネルの内側には前記温度センサーを取り付けるための取付ボックスが設置され、前記パネルには前記温度センサーに対応するように検出窓が設けられている
請求項1に記載のエアコン室内機。
【請求項6】
前記温度センサーはネジ或いはバックルにより前記取付ボックス内に固定されている
請求項5に記載のエアコン室内機。
【請求項7】
前記取付ボックスはボックス本体及びハウジングを含み、前記ボックス本体には前記温度センサーを収容するための収容チャンバーが設けられ、前記ハウジングは前記収容チャンバーを閉じると共に前記検出窓に露出し、前記ハウジングには前記温度センサーの検出ヘッドを露出させるための検出穴が設けられている
請求項5に記載のエアコン室内機。
【請求項8】
前記ハウジングはバックルにより前記ボックス本体に接続されている
請求項7に記載のエアコン室内機。
【請求項9】
前記第二導風板は導風部、及び前記導風部の前記第二枢動軸に近い側に設置されている尾翼を含み、前記尾翼と前記導風部との間には凹みが階段状設置を呈して形成され、前記第一導風板の先端は前記凹み内に回動できる
請求項1に記載のエアコン室内機。
【請求項10】
前記第二導風板は導風部、及び前記導風部の前記第二枢動軸に近い側に設置されている尾翼を含み、前記尾翼と前記導風部との間には凹みが階段状設置を呈して形成され、前記第一導風板の先端は前記凹み内に回動できる
請求項5に記載のエアコン室内機。
【請求項11】
前記第二導風板は導風部、及び前記導風部の前記第二枢動軸に近い側に設置されている尾翼を含み、前記尾翼と前記導風部との間には凹みが階段状設置を呈して形成され、前記第一導風板の先端は前記凹み内に回動できる
請求項7に記載のエアコン室内機。
【請求項12】
前記導風部の前記第二枢動軸から遠く離れた側辺と前記導風部の前記第二枢動軸に近い側辺との間の幅をWとすると、W∈{100mm,300mm}になる
請求項9に記載のエアコン室内機。
【請求項13】
前記前壁面には収容溝が凹むように設置され、前記第三導風板は前記前壁面に回動的に接続されて、且つ前記収容溝内に収容できる
請求項1に記載のエアコン室内機。
【請求項14】
前記第一導風板と第二導風板の吸気側には保温層が設置されている
請求項1に記載のエアコン室内機。
【請求項15】
前記保温層は無機繊維材料或いは有機保温材料で作られている
請求項14に記載のエアコン室内機。
【請求項16】
エアコン室内機の制御方法であって、前記エアコン室内機はケース及びファンを含むエアコン室内機であって、前記ケースの風道の送風口には対向するように設置されている前壁面と後壁面があり、
前記エアコン室内機はさらに、
前記後壁面に近接して設置されている第一枢動軸で前記ケースに回動可能に設置されている第一導風板と、
前記第一枢動軸と前記前壁面との間に位置する第二枢動軸で前記ケースに回動可能に設置されている第二導風板であって、前記第二枢動軸に近い縁部は前記第一導風板の前記第一枢動軸から遠く離れた縁部と接するように適合する第二導風板と、
前記前壁面に近接して設置されている第三枢動軸でケースに回動可能に設置され、幾つかの風拡散孔が設けられている第三導風板と、
前記ケースに設置され、室内のターゲット熱源の放熱量を検出するために設置されている温度センサーと、
前記温度センサーにより検出された放熱量に基づいて、前記ファン、前記第一導風板、第二導風板及び第三導風板を共同制御して、送風の流量及び送風の方式を調整するコントローラーと、を含み、
前記エアコン室内機は無風感モードを含み、前記無風感モードは冷から暖までの複数の無風感段階を含み、
前記制御方法は、
S1:室内のターゲット熱源の放熱量を取得するステップと、
S2:ステップS1で取得された放熱量をターゲット熱源の体感参考温度に変換して、当該体感参考温度を前記エアコン室内機の現在の設定温度と比較するステップと、
分岐1、体感参考温度が現在の設定温度より大きく、且つ両者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい場合、暖の方向へ一つ或いは複数の無風感段階調節するように前記エアコン室内機を制御して、現在の設定温度を修正して且つステップS1に入り、第一既定値はゼロ以上の自然数であるステップと、
分岐2、体感参考温度が現在の設定温度より小さく、且つ両者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい場合、冷の方向へ一つ或いは複数の無風感段階調節するように前記エアコン室内機を制御して、現在の設定温度を修正して且つステップS1に入るステップとを含む
エアコン室内機の制御方法。
【請求項17】
冷から暖までの複数の無風感段階は冷級無風感段階と暖級無風感段階を含み、
冷級無風感段階において、気流が前記第二導風板の上下両側の二つの気流通路により流出するように、前記第一導風板及び前記第二導風板を回動させ、前記第二導風板の上下両側に二つの気流通路を形成し、
暖級無風感段階において、前記第一導風板を回動させて、前記第一導風板の先端を前記第二導風板の後端と密封するように嵌合し、前記第三導風板を送風の流通面まで回動し、気流が前記第三導風板の風拡散孔から吹き出されるようにし、
体感参考温度が現在の設定温度より大きく、且つ二者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい時、暖級無風感段階に入るように前記エアコン室内機を制御し、
体感参考温度が現在の設定温度より小さく、且つ二者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい時、冷級無風感段階に入るように前記エアコン室内機を制御する
請求項16に記載のエアコン室内機の制御方法。
【請求項18】
冷級無風感段階及び暖級無風感段階は何れも冷から暖まで次第に変化するように設定されている少なくとも三つの無風感サブ区間を含み、無風感サブ区間が冷から暖へ切り替わるのにつれて、前記ファンの回転数もそれ相当に大から小へと切り替わる
請求項17に記載のエアコン室内機の制御方法。
【請求項19】
冷から暖までの無風感段階はさらに快適級無風感段階を含み、快適級無風感段階において、前記第一導風板を回動させ、前記第一導風板の先端を前記第二導風板の後端と密封するように嵌合し、前記第三導風板を前記前壁面とくっ付くように回動させ、気流が前記第二導風板の上側の気流通路から流出するようにし、
体感参考温度と現在の設定温度との二者の温度差の絶対値が第一既定値以下である時、快適級無風感段階に入るように前記エアコン室内機を制御する
請求項17に記載のエアコン室内機の制御方法。
【請求項20】
快適級無風感段階は冷から暖まで次第に変化するように設定されている少なくとも三つの無風感サブ区間を含み、無風感サブ区間が冷から暖へ切り替わるのにつれて、前記ファンの回転数もそれ相当に大から小へと切り替わる
請求項19に記載のエアコン室内機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はエアコンの技術分野に関し、特にエアコン室内機及び当該エアコン室内機のための制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生活レベルの向上につれて、エアコンは既に多くの家庭にとって欠かせない家庭用電器の一つになりつつある。現在のエアコンの多くは、同時に冷房及び暖房機能を有し、室内環境の温度を快適な範囲に維持する。エアコンが長時間冷房或いは暖房モードにある場合、冷たい風或いは暖かい風が長時間人体に直接吹かれるので、使用者に不快感を起こす。上記の不足を克服するために、市場では、無風感機能を有するエアコンが現れたが、従来のエアコンの多くは、使用者の体の実際の感覚により対応する無風感状態を選択するのではなく、室内の温度或いは湿度を検出することで対応する無風感状態に入るようにエアコンを制御するので、実際の無風感効果が予想の効果から懸け離れ、且つ従来のエアコンでは無風感状態へ切り替える時の安定した遷移を実現するのは難しく、使用者が感じる風感の区別が大きすぎて、使用者の体験を悪くしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の主な目的は、エアコンの無風感状態への切り替え時の安定した遷移を実現して、使用者の体験の快適性を有効に向上させるためのエアコン室内機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本願で提案されるエアコン室内機はケース及びファンを含み、前記ケースの風道の送風口には対向するように設置されている前壁面と後壁面があり、前記エアコン室内機はさらに、前記後壁面に近接して設置されている第一枢動軸で前記ケースに回動可能に設置されている第一導風板と、前記第一枢動軸と前記前壁面との間に位置する第二枢動軸で前記ケースに回動可能に設置されている第二導風板であって、前記第二枢動軸に近い縁部は前記第一導風板の前記第一枢動軸から遠く離れた縁部と接するように適合する第二導風板と、前記前壁面に近接して設置されている第三枢動軸でケースに回動可能に設置され、幾つかの風拡散孔が設けられている第三導風板と、前記ケースに設置され、室内のターゲット熱源の放熱量を検出するために設置されている温度センサーと、前記温度センサーにより検出された放熱量に基づいて、前記ファン、前記第一導風板、第二導風板及び第三導風板を共同制御して、送風の流量及び送風の方式を調整するコントローラーと、を含む。
【0005】
好ましくは、前記ケースはパネルを含み、前記パネルの内側には前記温度センサーを取り付けるための取付ボックスが設置され、前記パネルには前記温度センサーに対応するように検出窓が設けられている。
【0006】
好ましくは、前記取付ボックスはボックス本体及びハウジングを含み、前記ボックス本体には前記温度センサーを収容するための収容チャンバーが設けられ、前記ハウジングは前記収容チャンバーを閉じると共に前記検出窓に露出し、前記ハウジングには前記温度センサーの検出ヘッドを露出させるための検出穴が設けられている。
【0007】
好ましくは、前記第二導風板は導風部、及び前記導風部の前記第二枢動軸に近い側に設置されている尾翼を含み、前記尾翼と前記導風部との間には凹みが階段状設置を呈して形成され、前記第一導風板の先端は前記凹み内に回動できる。
【0008】
好ましくは、前記前壁面には収容溝が凹むように設置され、前記第三導風板は前記前壁面に回動的に接続されて、且つ前記収容溝内に収容できる。
【0009】
本願ではさらにエアコン室内機の制御方法を提案する。前記エアコン室内機は本願の上記実施例によるエアコン室内機であり、前記エアコン室内機は無風感モードを含み、前記無風感モードは冷から暖までの複数の無風感段階を含み、前記制御方法は、
S1:室内のターゲット熱源の放熱量を取得するステップと、
S2:ステップS1で取得された放熱量をターゲット熱源の体感参考温度に変換して、当該体感参考温度を前記エアコン室内機の現在の設定温度と比較するステップと、
分岐1、体感参考温度が現在の設定温度より大きく、且つ両者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい場合、暖の方向へ一つ或いは複数の無風感段階調節するように前記エアコン室内機を制御して、現在の設定温度を修正して且つステップS1に入り、第一既定値はゼロ以上の自然数であるステップと、
分岐2、体感参考温度が現在の設定温度より小さく、且つ両者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい場合、冷の方向へ一つ或いは複数の無風感段階調節するように前記エアコン室内機を制御して、現在の設定温度を修正して且つステップS1に入るステップと、を含む。
【0010】
好ましくは、冷から暖までの複数の無風感段階は冷級無風感段階と暖級無風感段階を含み、冷級無風感段階において、気流が前記第二導風板の上下両側の二つの気流通路により流出するように、前記第一導風板及び前記第二導風板を回動させ、前記第二導風板の上下両側に二つの気流通路を形成し、暖級無風感段階において、前記第一導風板を回動させて、前記第一導風板の先端を前記第二導風板の後端と密封するように嵌合し、前記第三導風板を送風の流通面まで回動し、気流が前記第三導風板の風拡散孔から吹き出されるようにし、体感参考温度が現在の設定温度より大きく、且つ二者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい時、暖級無風感段階に入るように前記エアコン室内機を制御し、体感参考温度が現在の設定温度より小さく、且つ二者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい時、冷級無風感段階に入るように前記エアコン室内機を制御する。
【0011】
好ましくは、冷級無風感段階及び暖級無風感段階は何れも冷から暖まで次第に変化するように設定されている少なくとも三つの無風感サブ区間を含み、無風感サブ区間が冷から暖へ切り替わるのにつれて、前記ファンの回転数もそれ相当に大から小へと切り替わる。
【0012】
好ましくは、冷から暖までの無風感段階はさらに快適級無風感段階を含み、快適級無風感段階において、前記第一導風板を回動させ、前記第一導風板の先端を前記第二導風板の後端と密封するように嵌合し、前記第三導風板を前記前壁面とくっ付くように回動させ、気流が前記第二導風板の上側の気流通路から流出するようにし、体感参考温度と現在の設定温度との二者の温度差の絶対値が第一既定値以下である時、快適級無風感段階に入るように前記エアコン室内機を制御する。
【0013】
好ましくは、快適級無風感段階は冷から暖まで次第に変化するように設定されている少なくとも三つの無風感サブ区間を含み、無風感サブ区間が冷から暖へ切り替わるのにつれて、前記ファンの回転数もそれ相当に大から小へと切り替わる。
【0014】
本願の技術的手段では、エアコン室内機のケースに第一導風板、第二導風板及び第三導風板を設置すると共に、当該エアコン室内機にはさらに温度センサー及びコントローラーを設置する。温度センサーは室内のターゲット熱源の放熱量を検出して、コントローラーは温度センサーにより検出された放熱量に基づいて、ファン、第一導風板、第二導風板及び第三導風板を共同制御して、送風の流量及び送風の方式を調整することで、エアコンの無風感状態に切り替わる時の安定した遷移を実現する。
【0015】
具体的に、第一導風板、第二導風板及び第三導風板の協働により、無風感状態を冷から暖まで傾斜的に分布する複数の無風感段階に分けることが可能である。こうして、風感状態から無風感状態まで切り替える時、冷たい無風感状態から暖かい無風感段階への安定した遷移を実現でき、使用者に急速な風力減衰を感じさせることなく、使用者の体験を有効に改善する。また、温度センサーにより、使用者の体感温度の変化をリアルタイムにモニタリングできる。使用者の体感が比較的熱い場合、無風感段階を冷たい無風感段階に切り替えて、使用者に涼しく感じさせることができ、使用者の体感が比較的冷たい場合、無風感段階を暖かい無風感段階に切り替えて、使用者を冷え込ませないようにできる。
【0016】
まとめると、本願のエアコン室内機により、風感状態から無風感状態へ切り替わる時の安定した遷移を実現すると共に、使用者の実際の体感変化をリアルタイムにモニタリングして、使用者の実際の感覚に基づいてエアコン室内機の運転状態を制御して、使用者に最適な体験を与えて、使用者の体験の快適性を有効に向上できる。
【0017】
本願実施例及び従来技術の技術的手段をより明確に説明するため、以下では、実施例或いは従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単に紹介する。下記説明における添付図面は本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行わないことを前提に、これらの添付図面が示す構造により他の添付図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本願のエアコン室内機の一実施例の構造模式図である。
【
図2】
図1におけるパネルの分解構造模式図である。
【
図3】
図1におけるエアコン室内機の検出エリア模式図である。
【
図4】
図1におけるエアコン室内機の内部構造模式図である。
【
図5】
図4におけるエアコン室内機が冷級無風感段階にある場合の送風構造模式図である。
【
図6】
図4におけるエアコン室内機が快適級無風感段階にある場合の送風構造模式図である。
【
図7】
図4におけるエアコン室内機が暖級無風感段階にある場合の送風構造模式図である。
【
図8】本願のエアコン室内機の一実施例の制御フローチャートである。
【
図9】本願のエアコン室内機のもう一つの実施例の制御フローチャートである。
【0019】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本願実施例における添付図面と組み合わせ、本願実施例における技術的手段を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本願の全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られた全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属する。
【0021】
もし本願実施例で方向性指示(例えば上、下、左、右、前、後、等)に関わる場合、当該方向性指示はある特定の姿勢(添付図面に示す)における各部品間の相対的位置関係、運動状況等を説明するためだけに用いられ、もし当該特定の姿勢が変わる場合、当該方向性指示もそれ相当に変わることは説明すべきである。
【0022】
また、本願実施例において「第一」、「第二」等の説明に関わる場合、当該「第一」、「第二」等の説明は、説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定されている特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。また、各実施例の技術的手段はお互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることはその基礎である。技術的手段の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術的手段の組み合わせが存在しない、且つ本願が請求する保護範囲にないと理解すべきである。
【0023】
本願ではエアコン室内機を提案する。
【0024】
本願の実施例において、
図1から
図7に示すように、当該エアコン室内機はケース100及びファン(図示しない)を含み、ケース風道110の送風口には対向するように設置されている前壁面111と後壁面112がある。エアコン室内機はさらに第一導風板120、第二導風板130、第三導風板140、温度センサー160及びコントローラー(図示しない)を含む。第一導風板120は後壁面112に近接して設置されている第一枢動軸121でケース100に回動可能に設置されている。第二導風板130は第一枢動軸121と前壁面111との間に位置する第二枢動軸131でケース100に回動可能に設置され、第二導風板130の第二枢動軸131に近い縁部は第一導風板120の第一枢動軸121から遠く離れた縁部と接するように適合する。第三導風板140は前壁面111に近接して設置されている第三枢動軸141でケース100に回動可能に設置され、第三導風板140上には幾つかの風拡散孔142が設けられている。温度センサー160はケース100に設置され、室内のターゲット熱源の放熱量を検出するために設置されている。コントローラーは温度センサー160により検出された放熱量に基づいて、ファン、第一導風板120、第二導風板130及び第三導風板140を共同制御して、送風の流量及び送風の方式を調整する。
【0025】
本実施例において、ケース100はエアコン室内機の全体としての外観を形成するように用いられ、ケース100はベース、フレーム及びパネル150を含み、ケース100上には吸気口が設けられ、ケース100の内部には風道110が形成され、ケース100内にはさらに、熱交換器組立体及びファン等が設置され、外部の空気は吸気口からケース100に入り、熱交換器による熱交換を経てから、ファンにより、風道110の送風口から送り出される。具体的に、第一導風板120は第一枢動軸121を通してケース100上に回動的に取り付けられている。第一枢動軸121は第一導風板120の長さ方向に沿って延びる長軸でもよく、第一導風板120の長さ方向の反対する両側に設けられている短軸でもよく、或いは他の形式の回転軸でもよい。第一導風板120をケース100上に回動的に接続できればよいことは、説明しておく必要がある。同様に、第二枢動軸131、第三枢動軸141の具体的な構造については、第一枢動軸121を参照すればよく、ここでは具体的に限定しない。風拡散孔142の形状については、円形、長い且つ、真空引き装置142の横断面の形状は円形、ストリップ形、菱形或いは方形等、複数種類の形状とすることが可能である。
【0026】
温度センサー160は室内のターゲット熱源の放熱量を検出するために設置されている。ここでいうターゲット熱源とは、室内の移動熱源をさし、当該エアコンの実際のサービス対象に基づいてターゲット熱源を確定することが可能である。例えば、一般的な状況において、エアコンのターゲットとするサービス対象は人であり、この時のターゲット熱源は即ち人体である。勿論、一部の特別な状況において、例えば動物園の動物活動室内に取り付けられているエアコン室内機の場合、当該ターゲット熱源は即ち動物である。当該温度センサー160は主に、室内ターゲットの放熱量を検出して、そして検出結果に基づいてターゲット熱源の体感状況を確定するために設置されていることは、説明しておく必要がある。具体的に、上記温度センサー160は熱電堆赤外温度測定センサーでもよく、赤外放射による温度測定の原理で非接触式の温度測定を実現できる。コントローラーは、エアコン室内機のファン、第一導風板120、第二導風板130及び第三導風板140を制御するために、エアコン室内機のメイン制御電気回路基板上に設置されてもよい。
【0027】
具体的に、第一導風板120、第二導風板130及び第三導風板140の間で互いに協働することで、冷から暖までの複数の無風感段階を形成することが可能である。ここでの冷たいと暖かいとは、無風感の各段階において使用者に対して起こした相対的な感覚により分けられるものであり、本当の冷たい風或いは暖かい風ではないことは、説明しておく必要がある。
【0028】
例えば、電源オフ状態において、
図4に示すように、第三導風板140はケース100の風道110内に置かれて、第一導風板120の第一枢動軸121から遠く離れた縁部は第二導風板130の第二枢動軸131に近い縁部と接する。第一導風板120と第二導風板130の協働により送風口を閉じることで、一方ではホコリが送風口から侵入するのを防止することができ、他方ではエアコン室内機の全体としての美観を添えることができる。
【0029】
冷級無風感段階において、
図5に示すように、気流が第二導風板130の上下両側の二つの気流通路により水平に流出するように、第一導風板120及び第二導風板130は水平方向とは大体平行しており、第二導風板130の上下両側には二つの気流通路が形成されている。この段階において、気流が人体に直接吹かれるのを避けるとともに、気流が比較的大きい出力能力を有するのを保証することが可能で、各無風感段階では、使用者に比較的冷たく感じさせるのに相当する。
【0030】
快適級無風感段階において、
図6に示すように、第一導風板120の先端は第二導風板130の後端とは密封するように嵌合され、第三導風板140は前壁面111とくっ付くように回動し、気流が第二導風板130の上側の気流通路から流出するようにする。この段階において、冷級無風感段階に比べると、風力の出力をさらに低減させることで、使用者に比較的快適に感じさせる。
【0031】
暖級無風感段階において、
図7に示すように、第一導風板120の先端は第二導風板130の後端とは密封するように嵌合され、第三導風板140は送風の流通面まで回動し、気流が第三導風板140の風拡散孔142から吹き出されるようにする。この段階において、気流は風拡散孔142により拡散してから吹き出されるしかなく、即ち、風力の出力を最も低くする。この時、他の段階に比べて、この段階において、使用者に比較的暖かく感じさせる。
【0032】
それに、各無風感段階において、コントローラーを通してファンの回転数を制御することで、各無風感段階を冷から暖まで次第に変化する複数の無風感サブ区間に細分化することで、無風感段階制御をより細かくして、遷移をより安定させる。
【0033】
本願の技術的手段では、エアコン室内機のケース100に第一導風板120、第二導風板130及び第三導風板140を設置すると共に、当該エアコン室内機にはさらに温度センサー160及びコントローラーを設置する。温度センサー160は室内のターゲット熱源の放熱量を検出して、コントローラーは温度センサー160により検出された放熱量に基づいて、ファン、第一導風板120、第二導風板130及び第三導風板140を共同制御して、送風の流量及び送風の方式を調整することで、エアコンの無風感状態に切り替わる時の安定した遷移を実現する。具体的に、第一導風板120、第二導風板130及び第三導風板140の協働により、無風感状態を冷から暖まで傾斜的に分布する複数の無風感段階に分けることが可能である。こうして、風感状態から無風感状態まで切り替える時、冷たい無風感状態から暖かい無風感段階への安定した遷移を実現でき、使用者に急速な風力減衰を感じさせることなく、使用者の体験を有効に改善する。また、温度センサー160により、使用者の体感温度の変化をリアルタイムにモニタリングできる。使用者の体感が比較的熱い場合、無風感段階を冷たい無風感段階に切り替えて、使用者に涼しく感じさせることができ、使用者の体感が比較的冷たい場合、無風感段階を暖かい無風感段階に切り替えて、使用者を冷え込ませないようにできる。
【0034】
まとめると、本願のエアコン室内機により、風感状態から無風感状態へ切り替わる時の安定した遷移を実現すると共に、使用者の実際の体感変化をリアルタイムにモニタリングして、使用者の実際の感覚に基づいてエアコン室内機の運転状態を制御して、使用者に最適な体験を与えて、使用者の体験の快適性を有効に向上できる。
【0035】
さらに、
図2を参照すると、ケース100はパネル150を含み、パネル150の内側には温度センサー160を取り付けるための取付ボックスが設置され、パネル150には温度センサー160に対応するように検出窓151が設けられている。本実施例では、温度センサー160の取り付けを便利にするために取付ボックスを設置することで、温度センサー160はネジ止め、バックルによる固定等の方法で取付ボックス内に固定できる。具体的に、取付ボックスはボックス本体171及びハウジング172を含み、ボックス本体171には温度センサー160を収容するための収容チャンバーが設けられ、ハウジング172は収容チャンバーを閉じると共に検出窓151に露出し、ハウジング172には温度センサー160の検出ヘッドを露出させるための検出穴173が設けられている。ハウジング172は好ましく、バックルによりボックス本体172に接続されることで、温度センサー160の点検を便利にする。
【0036】
さらに、
図6を参照すると、第二導風板130は導風部132、及び導風部132の第二枢動軸131に近い側に設置されている尾翼133を含み、尾翼133と導風部132との間には凹みが階段状設置を呈して形成され、第一導風板120の先端は凹み内に回動できる。
【0037】
具体的に、本実施例において、第二導風板130を飛行機フレームに似た構造として設計している。こうして、快適級無風感段階において、第一導風板120の先端は凹み内に回動し、且つ第二導風板130の尾翼133と当接されることで、第一導風板120と第二導風板130との間で密封嵌合を実現して、気流が両者の間の隙間から漏れることで無風感効果に影響するのを避けることが可能となる。好ましくは、導風部132の第二枢動軸131から遠く離れた側辺と導風部132の第二枢動軸131に近い側辺との間の幅をWとすると、W∈{100mm,300mm}になる。第二導風板130を延長式設計とすることで、冷房モードにおいて、気流が第二導風板130を通過する時、気流のコアンダ効果により、より遠くまで吹き出されるようになる。暖房モードにおいて、気流がコアンダ効果によりより多く地面へ案内されることにより、冷房及び暖房の効果を有効に向上する。導風部132の幅は100mm、200mm、300mm等とすることができる。導風部132の幅が大きいほど、風道110を延長する効果が良くなるが、実際の応用では、生産コスト及びエアコン室内機の具体的な寸法を合わせて考慮した上で設定する必要がある。
【0038】
さらに、前壁面111には収容溝113が凹むように設置され、第三導風板140は前壁面111に回動的に接続されて、且つ収容溝113内に収容できる。本実施例では、収容溝113を設置することで、冷房モードにおいて、第三導風板140を収容溝113内に収容して、気流に対して抵抗を起こして送風に影響するのを避けることが可能となる。
【0039】
さらに、第一導風板120と第二導風板130の吸気側には保温層180が設置されており、これにより結露の形成を有効に避けることができる。保温層180は無機繊維材料、例えばミネラルウール、ロックウール、ガラスウール等としてもよく、有機保温材料、例えばポリエチレン(PE)フォーム、ポリスチレン(PS)フォーム、ポリウレタン(PU)等としてもよい。
【0040】
以下では、
図5から
図9を参照し、本願の実施例によるエアコン室内機の制御方法を詳しく説明する。エアコン室内機は本願の上記実施例によるエアコン室内機であり、エアコン室内機は無風感モード、冷房モード及び暖房モードを含み、無風感モードは冷から暖までの複数の無風感段階を含み、当該エアコン室内機の具体的な構造については、上記実施例を参照するので、少なくとも上記実施例の技術的手段によりもたらされた全ての技術的効果を有し、ここでは改めて説明しない。
【0041】
具体的に、エアコン室内機は冷房モード、暖房モード及び無風感モードを有する。エアコン室内機のパネル150或いはエアコンのリモコンには複数のボタンが設置され、異なるボタンで異なる送風モードを選択する。無風感モードは冷から暖までの複数の無風感段階を含み、以下では、エアコン室内機の無風感モードにおける制御方法を詳しく説明する。
図8と
図9に示すように、本願の実施例によるエアコン室内機の制御方法は以下のステップを含む。
【0042】
ステップS1は、室内温度センサー160を利用して室内のターゲット熱源の放熱量を取得する。例えば、人体温度センサー160を例にとると、人体温度センサー160は赤外放射を利用して人体体表の放熱量を検出して、人体の温度情報を取得する。
【0043】
ステップS2は、人体温度センサー160は取得した放熱量を自身の変換モジュールでターゲット熱源の体感参考温度に変換して、当該体感参考温度をエアコン室内機の現在の設定温度と比較して、コントローラーにより比較値に基づいて対応する無風感段階に入るようにエアコン室内機を制御できる。
【0044】
具体的に、体感参考温度が現在の設定温度より大きく、且つ両者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい場合、暖の方向へ一つ或いは複数の無風感段階調節するようにエアコン室内機を制御して、現在の設定温度を修正して且つステップS1に入る。第一既定値はゼロ以上の自然数である。それぞれの無風感段階は何れも異なる現在の既定温度に対応することは、指摘したい。説明を容易にするために、体感参考温度をTc、それぞれの段階のエアコン室内機の現在の既定温度をTs(n)、第一既定値をMとして定義する。
【0045】
例えば、エアコン室内機が無風感第一段階にある時、もし温度センサー160によりTcがTs(1)より大きく、且つTcとTs(1)との差の値がMより大きいと検出した場合、エアコンの現在の設定温度が人体に比べて比較的低く、且つ両者の温度差が比較的大きいと判定する。この時、コントローラーは第一導風板120、第二導風板130及び第三導風板140のスイング角度を操縦することで風力の出力を減少させ、エアコンを暖かい無風感段階にして、使用者に温度が相対的に上昇したように感じさせる。それ相当に、エアコン室内機の現在の運転温度もTS(n)に修正する。そして、上記ステップを繰り返すことで、人の体の感覚がいつでも最適状態にあるようにする。
【0046】
エアコン室内機が無風感第n段階にある時、もし温度センサー160によりTcがTs(n)より小さく、且つTs(n)とTcとの差の値がMより大きいと検出した場合、エアコンの設定温度が人体に比べて比較的高く、且つ両者の温度差が比較的大きいと判定する。この時、コントローラーは第一導風板120、第二導風板130及び第三導風板140のスイング角度を操縦することで風力の出力を増大させ、エアコンを冷たい無風感段階にして、使用者に温度が相対的に低減したように感じさせる。それ相当に、エアコン室内機の現在の運転温度もTS(n―1)に修正する。そして、上記ステップを繰り返すことで、人の体の感覚がいつでも最適状態にあるようにする。
【0047】
さらに、冷から暖までの複数の無風感段階は冷級無風感段階と暖級無風感段階を含む。冷級無風感段階において、
図5に示すように、気流が第二導風板130の上下両側の二つの気流通路により流出するように、第一導風板120及び第二導風板130を回動させ、第二導風板130の上下両側に二つの気流通路が形成している。この時、エアコン室内機の風力出力が最大になり、使用者に比較的冷たく感じさせる。暖級無風感段階において、
図7に示すように、第一導風板120の先端を第二導風板130の後端と密封するように嵌合するように第一同封いた120を回動させて、第三導風板140を送風の流通面まで回動させることで、気流が第三導風板140の風拡散孔142から吹き出されるようにする。この時、エアコン室内機の風力出力が最大になり、使用者に比較的冷たく感じさせる。
【0048】
体感参考温度が現在の設定温度より大きく、且つ両者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい場合、暖級無風感段階に入るようにエアコン室内機を制御し、体感参考温度が現在の設定温度より小さく、且つ両者の温度差の絶対値が第一既定値より大きい場合、冷級無風感段階に入るようにエアコン室内機を制御する。
【0049】
さらに、冷級無風感段階及び暖級無風感段階は何れも冷から暖まで次第に変化するように設定されている少なくとも三つの無風感サブ区間を含み、無風感サブ区間が冷から暖へ切り替わるのにつれて、ファンの回転数もそれ相当に大から小へと切り替わる。
【0050】
本実施例では、エアコン室内機の実際の運転温度及び風速に基づいて各無風感段階を複数の無風感サブ区間に分けることが可能である。各無風感サブ区間は冷から暖まで次第に変化し、それ相当に、各無風感サブ区間内のファン回転数も大から小へと切り替わる。具体的に、例えば、
図9に示すように、冷級無風感段階は三つの無風感サブ区間、それぞれ区間M1、区間M2及び区間M3を含む。区間M1から区間M3まで、エアコン室内機に出力される風力が次第に減少し、即ち、使用者に与える冷感度が次第に減少する。暖級無風感段階は三つの無風感サブ区間、それぞれ区間M7、区間M8及び区間M9を含む。区間M7から区間M9まで、エアコン室内機に出力される風力がさらに次第に減少し、即ち、使用者に与える暖感度が次第に増大する。こうして、各無風感段階をさらに複数の無風感サブ区間に細分化することで、無風感段階の冷から暖までの変化過程をより安定させる。同様に、温度センサー160は使用者の放熱量を検出して、そして対応する体感参考温度に変換し、体感参考温度をエアコン室内機の対応する無風感サブ区間内の現在の設定温度と比較して、コントローラーにより比較の結果に基づいて対応する無風感サブ区間に入るように選択することで、最適の体験にする。
【0051】
さらに、
図6に示すように、冷から暖までの無風感段階はさらに快適級無風感段階を含み、快適級無風感段階において、第一導風板120を回動させ、第一導風板120の先端を第二導風板130の後端と密封するように嵌合し、第三導風板140を後壁面112とくっ付くように回動させ、気流が第二導風板130の上側の気流通路から流出するようにする。体感参考温度と現在の設定温度との二者の温度差の絶対値が第一既定値以下である時、快適級無風感段階に入るようにエアコン室内機を制御する。
【0052】
本実施例では、快適級無風感段階を設置することで、無風感段階の仕分けをより細分化する。快適級無風感段階では、エアコン室内機の風力の出力は適度で、もし温度センサー160によりTcとTs(n)との温度差の絶対値∈{-M,M}と検出した場合、エアコンの設定温度が人体に比べて適切であると判定する。この時、コントローラーは第一導風板120、第二導風板130及び第三導風板140のスイング角度を操縦することでエアコンを快適級無風感段階とする。
【0053】
無風感段階の更なる微細制御を実現するために、快適級無風感段階は冷から暖まで次第に変化するように設定されている少なくとも三つの無風感サブ区間を含み、無風感サブ区間が冷から暖へ切り替わるのにつれて、ファンの回転数もそれ相当に大から小へと切り替わる。具体的に、
図9を参照すると、快適級無風感段階は三つの無風感サブ区間、それぞれ区間M4、区間M5及び区間M6を含む。区間M4から区間M6まで、エアコン室内機に出力される風力が次第に減少する。
【0054】
以下では、無風感モードが冷級無風感段階、快適級無風感段階及び暖級無風感段階の三つの段階を含み、且つ何れの段階も上記実施例により、それぞれ三つの無風感サブ区間に分けられている例で説明をする。本実施例では、当該エアコン室内機は具体的に、M1からM9までの9の区間に分けられ、そして、M1、M2から順にM9まで、エアコンの現在の運転温度が次第に高まり、ファンの回転数が次第に減少し、即ち、使用者の体感は寒いから快適へそして暑いまで変わる。温度センサー160は使用者の放熱量を検出して、そして体感参考温度に変換し、これにより、体感参考温度を通して人体の実際の感覚を寒いから快適そして暑いまでの複数の段階に分けられる。人体が寒く感じた時、コントローラーにより、エアコン室内機を比較的暖かい無風感サブ区間に切り替え、人体が暑く感じた時、コントローラーにより、エアコン室内機を比較的冷たい無風感サブ区間に切り替えることで、使用者が最適の無風感体験を得られるようにする。そして、エアコン室内機は既定時間おきに室内のターゲット熱源の放熱量を検出して、使用者の体感温度の変化に基づいて、対応する無風感サブ区間に入るように適時調整することで、使用者がいつでも最適の無風感体験を得られるようにできる。
【0055】
以上に述べたことは本願の好ましい実施例にすぎず、それによって本願の特許の範囲を制限するわけではない。本願の出願構想の下で、本願の明細書及び添付図面の内容を利用してなされた等価構造変換、或いは他の関連する技術分野への直接/間接的な応用は、何れも本願の特許の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
100 ケース
110 風道
111 前壁面
112 後壁面
113 収容溝
120 第一導風板
121 第一枢動軸
130 第二導風板
131 第二枢動軸
132 導風部
133 尾翼
140 第三導風板
141 第三枢動軸
142 風拡散孔
150 パネル
151 検出窓
160 温度センサー
171 ボックス本体
172 ハウジング
173 検出穴
180 保温層