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特許6993048磁気センサーを含むエアロゾル生成装置及びその作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】磁気センサーを含むエアロゾル生成装置及びその作動方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/51 20200101AFI20220105BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20220105BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20220105BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/57
A24F40/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020520104
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 KR2020001933
(87)【国際公開番号】W WO2020166950
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2020-04-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0016832
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー・アンド・ジー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ピョン ソン
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10136679(US,B1)
【文献】中国実用新案第206303213(CN,U)
【文献】中国実用新案第207544336(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110432549(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを発生させるエアロゾル生成装置において、
制御部、ヒータ、及び磁気センサー(magnetic sensor)を含む本体部と、
磁石を含み、前記本体部に沿って第1位置から第2位置に移動する摺動部材と、を含み、
前記磁気センサーは、前記磁石の移動を感知し、
前記制御部は、前記磁気センサーが、前記摺動部材が前記第1位置から前記第2位置に移動したことを感知すれば、前記エアロゾル生成装置を活性化させ
前記本体部は、前記磁気センサーと離隔して配置される第1磁力結合部材をさらに含み、
前記摺動部材は、前記磁石と離隔して配置される第2磁力結合部材をさらに含み、
前記摺動部材が前記第2位置に位置すれば、前記第2磁力結合部材は、前記第1磁力結合部材と磁力結合するように、前記第1磁力結合部材と隣接して配置される、ことを特徴とするエアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記磁気センサーが、前記摺動部材が前記第2位置から前記第1位置に移動したことを感知すれば、前記エアロゾル生成装置を非活性化させることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記摺動部材が前記第1位置から前記第2位置に移動を完了すれば、前記ヒータを予熱させることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記摺動部材が前記第2位置に位置すれば、前記磁石は、前記磁気センサーと隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記摺動部材が前記第1位置に位置すれば、前記磁石は、前記第1磁力結合部材と磁力結合するように、前記第1磁力結合部材と隣接して配置されることを特徴とする請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記第1磁力結合部材は、前記磁気センサーと、前記エアロゾル生成装置の長手方向に離隔して配置されることを特徴とする請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記第2磁力結合部材は、前記磁石と、前記エアロゾル生成装置の長手方向に離隔して配置されることを特徴とする請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記第1磁力結合部材及び前記第2磁力結合部材のうち少なくともいずれか1つは、磁性(magnetism)を有することを特徴とする請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記磁気センサーは、ホール効果センサー(hall effect sensor)、回転コイル(rotating coil)、磁気抵抗素子(magnetoresistor)、及びSQUID(superconducting quantum interference DEVICE)のうちいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記第1位置は、前記第2位置よりも前記本体部の端部に近いことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記摺動部材は、前記本体部の側面の少なくとも一部を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記摺動部材は、前記本体部の長手方向に移動することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒータを加熱してエアロゾルを生成する装置及びその作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレットまたは、液体保存部内のエアロゾル生成物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される方法に係わる需要が増大している。それにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置は、シガレットまたは、液体保存部のエアロゾル生成物質を加熱するためのヒータと吸入センサーとを含む。ヒータは、吸入センサーがユーザの吸入を感知すれば、加熱を開始する。ところで、ヒータ加熱開始時点がユーザ吸入開始時点とほぼ同一なので、ユーザに十分な霧化量が提供されない恐れがある。
【0004】
一方、エアロゾル生成装置は、任意のユーザを対象にする装置なので、ユーザが容易に操作可能なように直観的な作動方式を備えなければならない。
【0005】
これにより、ユーザに十分な霧化量を提供しつつも、直観的な作動方式を有するエアロゾル生成装置が要求される実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザに十分な霧化量を提供するエアロゾル生成装置を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする他の課題は、ユーザが直観的に作動方式を習得することができるエアロゾル生成装置を提供することである。
【0008】
本発明の技術的課題は、前述したところに限定されず、以下の例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施例によるエアロゾルを発生させるエアロゾル生成装置は、制御部、ヒータ、及び磁気センサー(magnetic sensor)を含む本体部と、磁石を含み、前記本体部に沿って第1位置から第2位置に移動する摺動部材を含み、前記磁気センサーは、前記磁石の移動を感知し、前記制御部は、前記磁気センサーが、前記摺動部材が前記第1位置から前記第2位置に移動したことを感知すれば、前記エアロゾル生成装置を活性化させる。
【0010】
前記制御部は、前記磁気センサーが、前記摺動部材が前記第2位置から前記第1位置に移動したことを感知すれば、前記エアロゾル生成装置を非活性化させる。
【0011】
前記制御部は、前記摺動部材が前記第1位置から前記第2位置に移動を完了すれば、前記ヒータを予熱させる。
【0012】
前記摺動部材が前記第2位置に位置すれば、前記磁石は、前記磁気センサーと隣接して配置される。
【0013】
前記本体部は、前記磁気センサーと離隔して配置される第1磁力結合部材をさらに含み、前記摺動部材が前記第1位置に位置すれば、前記磁石は、前記第1磁力結合部材と磁力結合するように、前記第1磁力結合部材と隣接して配置される。
【0014】
前記摺動部材は、前記磁石と離隔して配置される第2磁力結合部材をさらに含み、前記摺動部材が前記第2位置に位置すれば、前記第2磁力結合部材は、前記第1磁力結合部材と磁力結合するように、前記第1磁力結合部材と隣接して配置される。
【0015】
前記第1磁力結合部材は、前記磁気センサーと、前記エアロゾル生成装置の長手方向に離隔して配置される。
【0016】
前記第2磁力結合部材は、前記磁石と、前記エアロゾル生成装置の長手方向に離隔して配置される。
【0017】
前記第1磁力結合部材及び前記第2磁力結合部材のうち、少なくともいずれか1つは磁性(magnetism)を有する。
【0018】
前記磁気センサーは、ホール効果センサー(hall effect sensor)、回転コイル(rotating coil)、磁気抵抗素子(magnetoresistor)、及びSQUID(superconducting quantum interference device)のうちいずれか1つを含む。
【0019】
前記第1位置は、前記第2位置よりも前記本体部の端部に近い。
【0020】
前記摺動部材は、前記本体部の側面の少なくとも一部を取り囲む。
【0021】
前記摺動部材は、前記本体部との長手方向に移動する。
【0022】
一実施例による本体部及び前記本体部に沿って移動する摺動部材を含むエアロゾル生成装置の制御方法は、前記摺動部材に含まれる磁石の移動を感知する段階と、前記感知された移動が、前記摺動部材が第1位置から第2位置に移動したことを示せば、前記エアロゾル生成装置を活性化させる段階と、前記感知された移動が前記摺動部材が前記第2位置から前記第1位置に移動したことを示せば、前記エアロゾル生成装置を非活性化させる段階と、を含む。
【0023】
前記エアロゾル生成装置を活性化させる段階は、前記本体部に含まれたヒータを予熱させる段階を含む。
【0024】
本発明は、多様な異なる形態に具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】エアロゾル生成装置の例を示す図面である。
図2】エアロゾル生成装置の例を示す図面である。
図3】エアロゾル生成装置の例を示す図面である。
図4A】摺動部材が第1位置に位置したエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
図4B】摺動部材が第2位置に位置したエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
図5A】本体部の内部が図示された側面図の例を示す図面である。
図5B】本体部の内部が図示された側面図の例を示す図面である。
図6A】摺動部材の内部が図示された側面図の例を示す図面である。
図6B】摺動部材の内部が図示された側面図の例を示す図面である。
図7】摺動部材が第2位置に位置したエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
図8】摺動部材が第1位置に位置したエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
図9】エアロゾル生成装置を活性化及び非活性化させる方法の一例を示す順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しつつ、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによって異なりうる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0027】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「...部」、「...モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアまたはソフトウェアとして具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合で具現される。
【0028】
以下では、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態として具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0029】
以下では、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0030】
図1ないし図3は、エアロゾル生成装置の例を示す図面である。
【0031】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、制御部120、ヒータ130、及び液体保存部140を含む。
【0032】
図1には、バッテリ110、制御部120、ヒータ130、及び液体保存部140が一列に配置されたように図示されている。しかし、エアロゾル生成装置100の内部構造は、図1に図示されたものに限定されない。言い換えれば、エアロゾル生成装置100の設計によって、バッテリ110、制御部120、ヒータ130、及び液体保存部140の配置は変更される。
【0033】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ110は、ヒータ130が加熱されるように電力を供給し、制御部120の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0034】
制御部120は、エアロゾル生成装置100の動作を全般として制御する。具体的に、制御部120は、バッテリ110、ヒータ130、及び液体保存部140のみならず、エアロゾル生成装置100に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部120は、エアロゾル生成装置100の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0035】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせとしても具現される。また、他の形態のハードウェアとしても具現可能であることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0036】
液体保存部140は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、タバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部140は、ヒータ130から脱/付着されるように製作され、ヒータ130と一体として製作されもする。
【0037】
例えば、液状組成物は、水、ニコチン、ニコチン塩、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液相組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0038】
液体伝達手段(図示せず)は、液体保存部140の液状組成物をヒータ130に伝達される。例えば、液体伝達手段は、綿纎維、セラミック纎維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0039】
ヒータ130は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、ヒータ130は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されない。また、ヒータ130は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造に配置される。ヒータ130は、電流供給によって加熱され、ヒータ130と接触された液体組成物に熱を伝達して、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成される。
【0040】
例えば、ヒータ130、液体伝達手段、及び液体保存部140は、カトマイザー(cartomizer)または霧化器(atomizer)と指称されるが、その限りではない。
【0041】
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置200は、バッテリ210、制御部220、及びヒータ230を含む。また、エアロゾル生成装置200の内部空間には、シガレットが挿入される。
【0042】
バッテリ210は、エアロゾル生成装置200の動作に用いられる電力を供給する。制御部220は、エアロゾル生成装置200の動作を全般的に制御する。
【0043】
ヒータ230は、バッテリ210から供給された電力によって加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置200に挿入されれば、ヒータ230は、シガレットの外部に位置することができる。したがって、加熱されたヒータ230は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0044】
必要に応じて、シガレットがエアロゾル生成装置200に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置200は、ヒータ230を加熱することができる。
【0045】
ヒータ230は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ230には、電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ230が加熱される。しかし、ヒータ230は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当する。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置200に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されていてもよい。
【0046】
一方、他の例として、ヒータ230は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ230には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含むことができる。
【0047】
例えば、ヒータ230は、管状の加熱要素、板状の加熱要素、針状の加熱要素または棒状の加熱要素を含み、加熱要素の形態によってシガレットの内部または外部を加熱することができる。
【0048】
また、エアロゾル生成装置200には、ヒータ230が複数個配置される。この際、複数個のヒータ230は、シガレットの内部に挿入されるように配置されてもよく、シガレットの外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ230のうち、一部は、シガレットの内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレットの外部に配置される。
【0049】
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置300は、バッテリ310、制御部320、蒸気化器330、及び第1ヒータ340を含む。また、エアロゾル生成装置300の内部空間には、シガレットが挿入される。
【0050】
シガレットがエアロゾル生成装置300に挿入されれば、エアロゾル生成装置300は、第1ヒータ340及び/または、蒸気化器330を作動させ、エアロゾルを発生させることができる。第1ヒータ340及び/または、蒸気化器330によって発生したエアロゾルは、シガレットを通過してユーザに伝達される。
【0051】
必要に応じて、シガレットがエアロゾル生成装置300に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置300は、第1ヒータ340を加熱することができる。
【0052】
バッテリ310は、エアロゾル生成装置300の動作に用いられる電力を供給する。制御部320は、エアロゾル生成装置300の動作を全般的に制御する。
【0053】
蒸気化器330は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレットを通過してユーザに伝達される。すなわち、蒸気化器330によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置300の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器330によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成される。
【0054】
例えば、蒸気化器330は、液体保存部、液体伝達手段、及び第2ヒータを含むことができるが、その限りではない。例えば、液体保存部、液体伝達手段、及び第2ヒータは、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置300に含まれてもよい。
【0055】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器330から脱/付着されるように製作されもし、蒸気化器330と一体に製作されもする。
【0056】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を第2ヒータに伝達することができる。第2ヒータは、液体伝達手段によって伝達する液状組成物を加熱するための要素である。
【0057】
例えば、蒸気化器330は、カトマイザーまたは霧化器とも指称されるが、その限りではない。
【0058】
第1ヒータ340は、図2のヒータ230と同一であるか、類似したヒータでもある。また、第2ヒータは、図1のヒータ130と同一であるか、類似したヒータでもある。
【0059】
一方、図1ないし図3のエアロゾル生成装置100、200、300は、汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置100、200、300は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置100、200、300は、少なくとも1つのセンサー(パフ感知センサー、温度感知センサー、シガレット挿入感知センサーなど)を含んでもよい。
【0060】
図1ないし図3には図示されていないが、エアロゾル生成装置100、200、300は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置100、200、300のバッテリ110、210、310の充電に利用される。または、クレードルとエアロゾル生成装置100、200、300とが結合された状態でヒータ130、230、340が加熱されてもよい。
【0061】
図2及び図3のエアロゾル生成装置200、300に挿入されるシガレットは、一般的な燃焼型シガレットと類似している。例えば、シガレットは、エアロゾル生成物質及びフィルターを含んでもよい。
【0062】
以下では、図1のエアロゾル生成装置100を活性化及び非活性化させるためのエアロゾル生成装置100の構成要素及び作動方法について説明する。後述する構成要素及び作動方法は、図2及び図3のエアロゾル生成装置200、300にも適用される。
【0063】
図4Aは、摺動部材が第1位置に位置したエアロゾル生成装置の一例を示す。図4Bは、摺動部材が第2位置に位置したエアロゾル生成装置の一例を示す。
【0064】
図4A及び図4Bを参照すれば、エアロゾル生成装置100は、本体部150及び摺動部材160を含む。
【0065】
本体部150は、図1に図示されたバッテリ110、制御部120、ヒータ130、及び液体保存部140を含む。また、本体部150は、生成されたエアロゾルがユーザに提供されるように外部に流出される開口部151を含む。
【0066】
図4A及び図4Bには図示されていないが、本体部150は、エアロゾル生成装置100の作動状態をユーザに知らせるためのLEDまたはディスプレイパネル、ユーザがエアロゾル生成装置100を操作するためのボタンなどをさらに含んでもよい。
【0067】
本体部150は、ユーザがエアロゾル生成装置100を携帯するのに容易な大きさ及び形状でもある。本体部150は、図4A及び図4Bに図示された形状に制限されず、例えば、ユーザが手にするのに容易な曲面を有する形状でもある。
【0068】
摺動部材160は、本体部150に沿って移動自在に本体部150に装着される。例えば、本体部150は、摺動部材160の移動を案内するガイドレールを含む。または、ガイドレールは、摺動部材160に含まれる。
【0069】
摺動部材160は、本体部150に沿って移動する。一実施例において、摺動部材160は、本体部150に沿って本体部150の長手方向に移動する。摺動部材160の移動方向は、本体部150の長手方向に限定されるものではなく、本体部150の長手方向と垂直方向、斜め方向など他の方向にも移動する。
【0070】
摺動部材160は、本体部150に沿って第1位置から第2位置に、第2位置から第1位置に移動する。図4Aは、摺動部材160が第1位置に位置した状態を、図4Bは、摺動部材160が第2位置に位置した状態を示す。
【0071】
第1位置は、第2位置よりも本体部150の端部に近い位置である。例えば、第1位置は、本体部150において開口部151が位置した端部に近い位置である。
【0072】
摺動部材160は、本体部150の一部を取り囲む。すなわち、摺動部材160は、本体部150の一部を四方から取り囲む。または、摺動部材160は、本体部150の一部を取り囲む。すなわち、摺動部材160は、本体部150の一部を少なくとも一方向から取り囲む。
【0073】
図5A及び図5Bは、本体部の内部が図示された側面図の例を示す。
【0074】
図5Aは、図4Aに図示された本体部150をA方向から見た側面図であり、図5Bは、図4Aに図示された本体部150をB方向から見た側面図である。
【0075】
図5A及び図5Bを参照すれば、本体部150は、回路基板152に装着された磁気センサー153(magnetic sensor or magnetometer)及び第1磁力結合部材154を含む。
【0076】
磁気センサー153は、磁性材料(magnetic material)の磁化または磁場の方向、強度などの変化を感知する。例えば、磁気センサー153は、ホール効果センサー(hall effect sensor)、回転コイル(rotating coil)、磁気抵抗素子(magnetoresistor)、またはSQUID(superconducting quantum interference device)でもあるが、その限りではない。望ましくは、磁気センサー153は、ホール効果センサーでもある。
【0077】
磁気センサー153は、後述する摺動部材に含まれる磁石の移動を感知するのに適した位置に配置される。例えば、磁気センサー153は、後述する磁石と隣接するように本体部150の一側面に近く配置される。
【0078】
図5A及び図5Bには、1個の磁気センサー153が図示されているが、それと異なって本体部150は、複数の磁気センサーを含んでもよい。
【0079】
第1磁力結合部材154、154’は、磁力結合が可能な部材である。第1磁力結合部材154は、磁性(magnetism)を有する物体であるか、磁性を有する物体と磁力結合する部材でもある。例えば、第1磁力結合部材154、154’は、磁石であるか、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような磁性体でもある。
【0080】
第1磁力結合部材154、154’は、磁気センサー153と離隔して配置される。例えば、第1磁力結合部材154、154’は、磁気センサー153と、エアロゾル生成装置の長手方向に離隔して配置される。他の例として、第1磁力結合部材154、154’は、磁気センサー153と、エアロゾル生成装置の長手方向に離隔して配置されるが、磁気センサー153よりも開口部(図1の151)にさらに近く配置される。また他の例として、逆に、磁気センサー153が第1磁力結合部材154、154’よりも開口部(図1の151)にさらに近く配置される。
【0081】
図5A及び図5Bには、第1磁力結合部材154、154’が四角形の断面を有する形状に図示されているが、第1磁力結合部材154、154’は、それと異なる形状でもある。例えば、第1磁力結合部材154、154’は、断面が円形、楕円形、多角形などの形状でもある。
【0082】
図5A及び図5Bには、2つの第1磁力結合部材154、154’が図示されているが、それと異なって本体部150は、1個の第1磁力結合部材154のみ含んでもよい。または、本体部150は、3個以上の第1磁力結合部材を含んでもよい。
【0083】
図6A及び図6Bは、摺動部材の内部が図示された側面図の例を示す。
【0084】
図6Aは、図4Aに図示された摺動部材160をA方向から見た側面図であり、図6Bは、図4Aに図示された摺動部材160をB方向から見た側面図である。
【0085】
図6A及び図6Bを参照すれば、摺動部材160は、磁石161、161’及び第2磁力結合部材162、162’を含む。
【0086】
磁石161、161’は、ネオジム磁石、ゴム磁石、または電磁石のように磁場を生成する物体であって、その種類は制限されない。例えば、磁石161、161’は、サマリウム、スカンジウム、ネオジム、またはイットリウムなどを含む。
【0087】
図6A及び図6Bには、磁石161、161’が四角形の断面を有する形状に図示されているが、磁石161、161’は、それと異なる形状でもある。例えば、磁石161、161’は、断面が円形、楕円形、多角形などの形状でもある。
【0088】
図6A及び図6Bには、二つの磁石161、161’が図示されているが、それと異なって摺動部材160は、1個の磁石161のみ含む。または、摺動部材160は、3個以上の磁石を含んでもよい。
【0089】
第2磁力結合部材162、162’は、磁力結合が可能な部材である。第2磁力結合部材162、162’は、磁性(magnetism)を有する物体であるか、磁性を有する物体と磁力結合する部材でもある。例えば、第2磁力結合部材162、162’は、磁石であるか、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金などのような磁性体でもある。
【0090】
図6A及び図6Bには、2つの第2磁力結合部材162、162’が図示されているが、それと異なって摺動部材160は、1つの第2磁力結合部材162のみ含む。または、摺動部材160は、3つ以上の第2磁力結合部材を含む。
【0091】
第2磁力結合部材162、162’は、磁石161、161’と離隔して配置される。例えば、第2磁力結合部材162、162’は、磁石161、161’と、エアロゾル生成装置の長手方向に離隔して配置される。
【0092】
磁石161と第2磁力結合部材162との離隔距離は、図5Aにおいて磁気センサー153と第1磁力結合部材154との離隔距離と同一であるか、類似している。これは、摺動部材160が第2位置に位置した場合、磁石161と磁気センサー153とが隣接して配置され、第1磁力結合部材154が第2磁力結合部材162と隣接して配置されるようにするためである。
【0093】
図7は、摺動部材が第2位置に位置したエアロゾル生成装置の一例を示す。
【0094】
摺動部材160が第2位置に位置すれば、磁石161は、磁気センサー153と隣接して配置される。この際、磁気センサー153は、磁石161の磁場を感知し、磁石161の移動を感知する。例えば、磁気センサー153は、磁石161の磁場によって発生する電圧を感知し、磁石161の移動を感知する。
【0095】
また、第2磁気結合部材162、162’は、第1磁気結合部材154、154’と隣接して配置される。この際、第2磁気結合部材162、162’と第1磁気結合部材154、154’は、磁気結合する。そのために、第1磁気結合部材及び第2磁気結合部材のうち少なくともいずれか1つは、磁性を有する。例えば、第1磁気結合部材154、154’は、磁石であり、第2磁気結合部材162、162’は、鉄板である。他の例として、第1磁気結合部材154、154’は、鉄板であり、第2磁気結合部材162、162’は、磁石である。さらに他の例として、第1磁気結合部材154、154’及び第2磁気結合部材162、162’はいずれも磁石である。さらに他の例として、第1磁気結合部材154は、鉄板であり、第2磁気結合部材162は、磁石であり、第1磁気結合部材154’は、磁石であり、第2磁気結合部材162’は、鉄板である。
【0096】
第2磁気結合部材162、162’と第1磁気結合部材154、154’が磁気結合することにより、摺動部材160が第2位置に固定される。
【0097】
図8は、摺動部材が第1位置に位置したエアロゾル生成装置の一例を示す。
【0098】
摺動部材が第1位置に位置すれば、磁石161、161’は、第1磁気結合部材154、154’と隣接して配置される。この際、磁石161、161’は、第1磁気結合部材154、154’と磁気結合する。
【0099】
磁石161、161’と第1磁気結合部材154、154’が磁気結合することにより、摺動部材160が第1位置に固定される。
【0100】
図9は、エアロゾル生成装置を活性化及び非活性化させる方法の一例を示す順序図である。
【0101】
図7ないし図9を参照すれば、段階S1において、磁気センサー153は、摺動部材160の磁石161の移動を感知する。磁気センサー153は、磁石161が第1位置から第2位置に移動したことを感知し、第1信号を出力する。また、磁気センサー153は、磁石161が第2位置から第1位置に移動したことを感知し、第2信号を出力する。
【0102】
段階S2において、制御部(図1の120)は、磁気センサーの出力信号に基づいて、摺動部材160が移動したか否かを判断する。制御部は、磁気センサー153から第1信号を受信した場合、摺動部材が第1位置から第2位置に移動したと判断する。また、制御部は、磁気センサー153から第2信号を受信した場合、摺動部材が第2位置から第1位置に移動したと判断する。
【0103】
段階S3において、制御部は、磁気センサー153から第1信号を受信することにより、摺動部材が第1位置から第2位置に移動を完了したと判断されれば、エアロゾル生成装置を活性化する。また、制御部は、エアロゾル生成装置に含まれたヒータ(図1の130)が加熱を開始するように制御し、ヒータが予熱される。例えば、図2のエアロゾル生成装置の場合、ヒータ230、図3のエアロゾル生成装置の場合、第1ヒータ340、または蒸気化器330に含まれた第2ヒータの予熱を開始する。
【0104】
段階S4において、制御部は、磁気センサー153から第2信号を受信することにより、摺動部材が第2位置から第1位置に移動を完了したと判断されれば、エアロゾル生成装置を非活性化する。エアロゾル生成装置が非活性化されることにより、ヒータの加熱が終了される。
【0105】
以上の実施例において、ユーザは、摺動部材を摺動する単なる動作を通じて容易にエアロゾル生成装置を活性化または非活性化させうる。また、ユーザが摺動部材を摺動すれば、ヒータが予熱され始め、ユーザの吸入開始前にエアロゾル生成物質を加熱するので、ユーザに十分な霧化量を提供することができる。
【0106】
また、エアロゾル生成装置は、摺動部材の移動によって活性化されたり、非活性化されたりする直観的な作動方式で動作するので、ユーザが容易にエアロゾル生成装置を操作することができる。
【0107】
発明の効果は、以上で例示された内容によって限定されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【0108】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現される可能性があるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての違いは、本発明に含まれたものと解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9