(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】シガレットを加熱するヒータ組立体、及びそれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20220105BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20220105BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/51
(21)【出願番号】P 2020533571
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(86)【国際出願番号】 KR2019015072
(87)【国際公開番号】W WO2020116798
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0157474
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー・アンド・ジー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イ、スン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン キュ
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェ ミン
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108617042(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置に収容されるシガレットを加熱するヒータ組立体において、
前記シガレットの長手方向に沿って延長され、外部磁場によって発熱する強磁性体を含む発熱体と、
前記発熱体の温度を測定する温度センサと、を含み、
前記シガレットを収容するために、
前記ヒータ組立体が前記エアロゾル生成装置に具備される収容空間の内側端部に配置され
、
前記発熱体は、内部に中空をさらに含み、
前記温度センサは、 前記発熱体の前記強磁性体を除いた残り部分の内面と接境する、ヒータ組立体。
【請求項2】
前記強磁性体は、
前記エアロゾル生成装置に収容されるシガレットのタバコロッドに対応する位置に配置される、請求項1に記載のヒータ組立体。
【請求項3】
前記発熱体は、
前記収容空間の前記内側端部側に位置する下段部と、
前記収容空間の開口側に位置する上段部と、
前記下段部と前記上段部との間に位置する中段部と、を含み、
前記中段部は、
前記強磁性体を含む、請求項1に記載のヒータ組立体。
【請求項4】
前記下段部は、
弱磁性体及び非磁性体のうち少なくとも一つを含む、請求項
3に記載のヒータ組立体。
【請求項5】
前記上段部は、
強磁性体、弱磁性体及び非磁性体のうち少なくとも一つを含む、請求項
3に記載のヒータ組立体。
【請求項6】
前記上段部は、
前記開口側に向かう末端に行くほど断面が狭くなる形状を有する、請求項
3に記載のヒータ組立体。
【請求項7】
請求項1ないし
6のうちいずれか1項に記載のヒータ組立体と、
前記収容空間と、
前記発熱体に交番磁場を印加するコイルと、
前記コイルに電力を供給する電源部と、
前記コイルに供給される電力を制御する制御部と、を含むエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記コイルは、
前記収容空間の側面に沿って巻回され、前記長手方向に延長され、前記強磁性体に対応する位置に配置される、請求項
7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記電源部は、
前記エアロゾル生成装置に直流を供給するバッテリと、
前記バッテリから供給される直流を、前記コイルに印加される交流に変換する変換部と、を含む、請求項
7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記バッテリから供給される直流を増幅させることにより、前記コイルに印加される交流の振幅を制御する、請求項
9に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記バッテリから供給される直流に対するパルス幅変調を行うことにより、前記コイルに印加される交流の周波数を制御する、請求項
9に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記バッテリから供給される直流によるパルスの周波数、前記パルスのデューティサイクル、及び前記バッテリから供給される直流のオン・オフのうち少なくとも一つを制御することにより、前記パルス幅変調を遂行する、請求項
11に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シガレットを加熱するヒータ組立体、及びそれを含むエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、外部磁場によって発熱する強磁性体を含むヒータ組立体、及び該ヒータ組立体に交番磁場を印加するエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服するための代替方法への需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させ、エアロゾルを生成する方式ではなく、シガレット内のタバコ媒質を加熱し、エアロゾルを生成する方式への需要が増大している。それにより、加熱式シガレット及び加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
該エアロゾル生成装置に収容されるシガレットの内部または外部に、電気抵抗体によって形成されるヒータを配置し、該ヒータに電力を供給し、シガレットを加熱する方式を代替するための代案的な加熱方式が提案されている。特に、シガレット内部に、外部から磁場を印加されて発熱する磁性体を含め、エアロゾル生成装置に具備されるコイルに電流を供給し、シガレットに磁場を印加する方式でエアロゾルを生成する誘導加熱方式に対する研究が進められている。
【0004】
磁場によって発熱する磁性体がシガレット内部に含まれる場合、シガレットを加熱する磁性体の温度を直接測定し難く、それにより、磁性体の温度制御が困難になってしまう。また、シガレットが製造される過程において、シガレット内部に磁性体が均一に分布しない場合、シガレットからエアロゾルが不均一に生成されてしまう。
【0005】
エアロゾルが不均一に生成される心配を解消し、磁性体の温度をさらに精密に制御することにより、シガレットからエアロゾルが生成される品質を向上させるためには、誘導加熱方式でシガレットを加熱する磁性体の構造改善が要求されるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多様な実施形態は、シガレットを加熱するヒータ組立体、及びそれを含むエアロゾル生成装置を提供するためのものである。本開示がなすべき技術的課題は、前述のような技術的課題に限定されるものではなく、以下の実施形態から、他の技術的課題が類推されるのである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の技術的課題を解決するための手段として、本開示の一側面によるエアロゾル生成装置に収容されるシガレットを加熱するヒータ組立体は、前記シガレットの長手方向に沿って延長され、外部磁場によって発熱する強磁性体を含む発熱体と、前記発熱体の温度を測定する温度センサと、を含み、前記シガレットを収容するために、前記エアロゾル生成装置に具備される収容空間の内側端部にも配置される。
【0008】
本開示の他の側面によるヒータ組立体を含むエアロゾル生成装置は、前記ヒータ組立体と、前記収容空間と、前記発熱体に交番磁場を印加するコイルと、前記コイルに電力を供給する電源部と、前記コイルに供給される電力を制御する制御部と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によるヒータ組立体に含まれる温度センサがヒータ組立体に含められ、外部磁場によって発熱する発熱体の内面に直接接触する位置に配置されることにより、誘導加熱方式でシガレットを加熱するヒータ組立体の温度が直接測定され、エアロゾル生成装置にも提供され、それにより、シガレットを加熱するヒータ組立体の温度がさらに精密に制御されうる。
【0010】
外部磁場によって発熱する強磁性体を含む発熱体が、シガレット内部ではないエアロゾル生成装置に配置されることにより、磁性体がシガレット内部に含まれる場合に比べ、シガレット内部に磁性体が不均一に分布する問題が解消され、エアロゾルがさらに均一にも生成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一部実施形態によるヒータ組立体を含むエアロゾル生成装置を構成する要素を示す図である。
【
図2】一部実施形態によるヒータ組立体によって加熱されてエアロゾルを生成するシガレットについて説明するための図である。
【
図3】一部実施形態によるエアロゾル生成装置に収容されるシガレットを加熱するヒータ組立体について説明するための図である。
【
図4】一部実施形態によるヒータ組立体を構成する要素を示す図である。
【
図5】一部実施形態による、弱磁性体及び非磁性体のうち少なくとも一つをさらに含む発熱体について説明するための図である。
【
図6】一部実施形態による発熱体の内面に直接接触する位置に配置される温度センサについて説明するための図である。
【
図7】一部実施形態による支持体をさらに含むヒータ組立体、及び強磁性体に対応する位置に配置されるコイルについて説明するための図である。
【
図8】一部実施形態によるヒータ組立体の温度が制御される過程について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一側面によるエアロゾル生成装置に収容されるシガレットを加熱するヒータ組立体は、前記シガレットの長手方向に沿って延長され、外部磁場によって発熱する強磁性体を含む発熱体と、前記発熱体の温度を測定する温度センサと、を含み、前記シガレットを収容するために、前記エアロゾル生成装置に具備される収容空間の内側端部にも配置される。
【0013】
以下、添付された図面を参照しながら、ただ、例示のための実施形態について詳細に説明する。以下の説明は、本実施形態を具体化させるためのものであるのみ、発明の権利範囲を制限したり限定したりするものではないということは、言うまでもない。詳細な説明、及び実施形態から、当該技術分野の専門家が容易に類推することができるところは、権利範囲に属すると解釈される。
【0014】
本明細書で使用される「構成される」または「含む」というような用語は、明細書上に記載されたさまざまな構成要素、またはさまざまな段階を必ずしもいずれも含むものであると解釈されるものではなく、そのうちの一部構成要素または一部段階は、含まれず、またはさらなる構成要素または段階がさらに含まれてもよいと解釈されなければならない。
【0015】
本明細書で使用される「第1」または「第2」のような序数を含む用語は、多様な構成要素についての説明にも使用されるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するための目的のみに使用される。
【0016】
本明細書で使用される用語は、本発明での機能を考慮し、可能な限り現在汎用される一般的な用語が選択されたが、それは、当分野に携わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、その意味を詳細に記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0017】
本実施形態は、シガレットを加熱するヒータ組立体、及びそれを含むエアロゾル生成装置に係り、以下の実施形態が属する技術分野において当業者に広く知られている事項については、詳細な説明を省略する。
【0018】
図1は、一部実施形態によるヒータ組立体を含むエアロゾル生成装置を構成する要素を示す図面である。
【0019】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、ヒータ組立体110、収容空間120、コイル130、電源部140及び制御部150を含んでもよい。ただし、それらに限定されるものではなく、
図1に図示される要素以外に、他の汎用的な要素が装置100にさらに含まれてもよい。
【0020】
装置100は、誘導加熱(induction heating)方式で、装置100に収容されるシガレットを加熱することにより、エアロゾルを生成することができる。該誘導加熱方式は、外部磁場によって発熱する磁性体に、周期的に方向が変わる交番磁場(alternating magnetic field)を印加し、磁性体から熱を生成る方式を意味する。
【0021】
磁性体に交番磁場が印加される場合、磁性体には、渦流損(eddy current loss)及びヒステリシス損(hysteresis loss)によるエネルギー損失が発生し、損失されるエネルギーが熱エネルギーとして磁性体からも放出される。磁性体に印加される交番磁場の振幅または周波数が大きいほど、磁性体から多くの熱エネルギーが放出される。装置100は、磁性体に交番磁場を印加することにより、磁性体から熱エネルギーを放出させ、磁性体から放出される熱エネルギーをシガレットに伝達することができる。
【0022】
外部磁場によって発熱する磁性体は、サセプタ(susceptor)でもある。該サセプタは、切片、薄片またはストリップなどの形状でシガレット内部に含まれる代わりに、装置100にも配置される。例えば、該サセプタは、装置100内部に配置されるヒータ組立体110に含まれてもよい。
【0023】
該サセプタは、金属または炭素を含んでもよい。該サセプタは、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つを含んでもよい。また、該サセプタは、黒鉛、モリブデン、シリコンカーバイド、ニオブ)、ニッケル合金、金属フィルム、ジルコニアのようなセラミックス、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような準金属のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0024】
装置100は、シガレットを収容するための収容空間120を含んでもよい。収容空間120は、シガレットを装置100に収容するために、収容空間120の外側に開放される開口を含んでもよい。シガレットは、収容空間120の開口を介して、収容空間120の外側から、収容空間120の内側に向かう方向にも装置100に収容される。
【0025】
収容空間120の内側端部には、ヒータ組立体110が配置されうる。ヒータ組立体110は、収容空間120の内側端部に形成される底面に付着される。シガレットは、ヒータ組立体110の上段部からヒータ組立体110に挿入され、収容空間120の底面まで収容される。
【0026】
装置100は、ヒータ組立体110に交番磁場を印加するコイル130を含んでもよい。コイル130は、収容空間120の側面に沿っても巻回され、ヒータ組立体110に対応する位置にも配置される。コイル130は、電源部140から電力を供給される。
【0027】
コイル130に電力が供給される場合、コイル130内部に磁場が形成される。コイル130に、電源部140から交流電流が印加される場合、コイル130内部に形成される磁場は、周期的に方向が変わる。ヒータ組立体110がコイル130内部に形成され、周期的に方向が変わる交番磁場に露出される場合、ヒータ組立体110が発熱し、装置100に収容されるシガレットが加熱されるのである。
【0028】
コイル130によって形成される交番磁場の振幅または周波数が変わる場合、シガレットを加熱するヒータ組立体110の温度も変わる。制御部150は、コイル130に供給される電力を制御し、コイル130によって形成される交番磁場の振幅または周波数を調整することができるし、それにより、ヒータ組立体110の温度が制御されるのである。
【0029】
1つの例示として、コイル130は、ソレノイドによっても具現される。コイル130は、収容空間120の側面に沿って巻回されるソレノイドでもあり、ソレノイドの内部空間に、シガレット200が収容されるのである。ソレノイドを構成する導線の材質は、銅(Cu)でもある。ただし、それに限定されるものではなく、低い比抵抗値を有し、高電流が流れるようにする材質として、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)及びニッケル(Ni)のうちいずれか一つ、または少なくとも一つを含む合金がソレノイドを構成する導線の材質にもなる。
【0030】
本開示による装置100の場合、サセプタがシガレット内部に含まれる代わりに、装置100に具備されるヒータ組立体110に含まれてもよい。サセプタがシガレット内部ではない装置100に具備されることにより、該サセプタがシガレット内部に含まれる方式に対し、多様な利点がある。例えば、サセプタ物質がシガレット内部で均一に分布しない場合、エアロゾルと香味とが不均一に発生する問題点が解決されるのである。また、サセプタを含むヒータ組立体110が装置100に具備されるので、誘導加熱によって発熱するヒータ組立体110の温度が直接測定され、装置100にも提供され、それにより、ヒータ組立体110の温度に対する精巧な制御が行われるのである。
【0031】
図2は、一部実施形態によるヒータ組立体によって加熱されてエアロゾルを生成するシガレットについて説明するための図面である。
【0032】
図2を参照すれば、シガレット200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含んでもよい。
図2には、フィルタロッド220が単一領域として構成されるように図示されているが、それに限定されるものではなく、フィルタロッド220は、複数のセグメントによっても構成される。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント、及びエアロゾルに含まれる特定成分を濾過する第2セグメントを含んでもよい。また、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントがさらに含まれてもよい。
【0033】
シガレット200は、少なくとも1枚のラッパ240によっても包装される。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、あるいは内部空気が流出される少なくとも1つの孔が形成されてもよい。一例として、シガレット200は、1枚のラッパ240によっても包装される。他例として、シガレット200は、2枚以上のラッパ240によって重畳的にも包装される。具体的には、第1ラッパによってタバコロッド210が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド220が包装されてもよい。ラッパそれぞれによって包装されるタバコロッド210及びフィルタロッド220が結合され、第3ラッパにより、シガレット200全体がさらに包装される。
【0034】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含んでもよい。例えば、該エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸のような他の添加物質を含んでもよい。タバコロッド210には、メンソールまたは保湿剤などの加香液がタバコロッド210に噴射されても添加される。
【0035】
タバコロッド210は、多様な方式によっても作製される。例えば、タバコロッド210は、シートによっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。または、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。
【0036】
タバコロッド210は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、該熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されるものではない。タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を等しく分散させ、タバコロッド210に加えられる熱伝導率を向上させることができ、それにより、タバコロッド210から生成されるエアロゾルの風味が向上するのである。
【0037】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。フィルタロッド220は、多様な形状にも形成される。例えば、フィルタロッド220は、円筒状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもある。または、フィルタロッド220は、内部に空洞を含むリセス型ロッドでもある。フィルタロッド220が複数のセグメントによって構成される場合、複数のセグメントは、互いに異なる形状にも作製される。
【0038】
フィルタロッド220は、フィルタロッド220から香味が発生するようにも作製される。例えば、フィルタロッド220に加香液が噴射され、加香液が塗布される別途の纎維が、フィルタロッド220の内部にも挿入される。
【0039】
フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれてもよい。カプセル230は、香味を発生させることができ、エアロゾルを発生させることもできる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造にも形成される。カプセル230は、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに限定されるものではない。
【0040】
フィルタロッド220に、エアロゾルを冷却する冷却セグメントが含まれる場合、該冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、該冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸だけによっても作製される。または、該冷却セグメントは、複数の穿孔を含む酢酸セルロースフィルタによっても作製される。ただし、それらに限定されるものではなく、該冷却セグメントは、エアロゾルを冷却する構造及び物質によっても構成される。
【0041】
図3は、一部実施形態によるエアロゾル生成装置に収容されるシガレットを加熱するヒータ組立体について説明するための図面である。
【0042】
図3を参照すれば、装置100に収容されるシガレット200を加熱するヒータ組立体110が図示されている。ただし、
図3に図示される装置100、シガレット200及びヒータ組立体110は、例示に過ぎず、装置100及びヒータ組立体110は、シガレット200を加熱することができる他の構造によっても配置される。
【0043】
シガレット200は、シガレット200の長手方向に沿っても装置100に収容される。ヒータ組立体110は、装置100に収容されるシガレット200にも挿入される。ヒータ組立体110は、シガレット200に挿入されるように、長手方向に延長される構造を有することができる。
【0044】
ヒータ組立体110は、シガレット200の中心部に挿入されるように、収容空間120の中心部に位置することができる。
図3において、ヒータ組立体110は、単一個数であるように例示されているが、それに制限されるものではなく、ヒータ組立体110は、シガレット200に挿入されうるように、長手方向に沿って延長され、互いに平行に配置される複数個のヒータ組立体によってもなる。
【0045】
図4は、一部実施形態によるヒータ組立体を構成する要素を示す図面である。
【0046】
図4を参照すれば、ヒータ組立体110は、発熱体111及び温度センサ115を含んでもよい。ただし、それらに限定されるものではなく、ヒータ組立体110は、
図4に図示される要素以外に、他の汎用的な要素をさらに含んでもよい。例えば、ヒータ組立体110には、温度センサ115を装置100に連結する導線がさらに含まれてもよい。
【0047】
発熱体111は、シガレット200の長手方向に沿っても延長される。発熱体111は、長手方向に延長される細長型(elongated)構造にも形成される。発熱体111が長手方向に延長される長さは、シガレット200の全体長よりも短く、収容空間120の底面から収容空間120の開口までの長さよりも短い。または、発熱体111の長さは、シガレット200に含まれるタバコロッド210の長さよりも長くなるが、それに限定されるものではない。
【0048】
発熱体111は、内部に中空を含んでもよい。発熱体111が中空を含むので、発熱体111には、外面及び内面が形成されうる。発熱体111内部に形成される中空を大きく確保するために、発熱体111の外面と、発熱体111の内面との間に形成される発熱体111の側面が薄い厚みを有するようにも具現される。
【0049】
発熱体111を長手方向に直交する平面で切った断面は、多様な形状を有することができる。例えば、発熱体111の断面の形状は、円形でもある。発熱体111の断面、及びシガレット200の断面が円形である場合、発熱体111の断面径は、シガレット200の断面径よりも短い。ただし、発熱体111は、円形断面以外にも、シガレット200に挿入され、タバコロッド210に熱を伝達するのに適する他の形状の断面を有することができる。
【0050】
発熱体111は、外部磁場によって発熱する強磁性体を含んでもよい。該強磁性体は、外部磁場の方向に沿って磁化され、外部磁場が消えても磁気モーメント(magnetic moment)を維持する物質を意味する。該強磁性体が発熱体111に含まれることにより、ヒータ組立体110に外部磁場が印加される場合、ヒータ組立体110が発熱し、シガレット200が加熱される。例えば、該強磁性体は、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)及びコバルト(Co)のうちいずれか一つ、または少なくとも一つを含む合金でもあるが、それらに制限されるものではない。
【0051】
発熱体111は、全体が強磁性体にも形成されることができる。または、発熱体111の一部だけが強磁性体にも形成される。発熱体111が強磁性体が形成される比重は、シガレット200を加熱するのに適する範囲内において、適切に選択されうる。
【0052】
発熱体111の一部だけが強磁性体によって形成される場合、該強磁性体は、装置100に収容されるシガレット200のタバコロッド210に対応する位置にも配置される。強磁性体の少なくとも一部は、発熱体111がタバコロッド210に接触する部位にも配置される。それにより、タバコロッド210に熱が伝達される効率、及びタバコロッド210からエアロゾルが生成される効率が上昇する。
【0053】
発熱体111は、細部要素にも区分される。例えば、発熱体111は、上段部112、中段部113及び下段部114を含んでもよい。上段部112は、収容空間120の開口側に位置することができ、収容空間120の開口側に向かう発熱体111の末端から、上段部112と中段部113との境界までの部分を意味する。下段部114は、収容空間120の内側端部側に位置することができ、収容空間120の内側端部と接触する発熱体111の内側末端から、下段部114と中段部113との境界までの部分を意味する。中段部113は、上段部112及び下段部114の間に位置することができる。
【0054】
例えば、シガレット200が装置100に収容される場合、シガレット200は、発熱体111の中段部113までも収容される。従って、下段部114と中段部113との境界は、シガレット200の両末端のうち、装置100に収容される末端にも対応する。また、ヒータ組立体110は、下段部114に位置する支持体をさらに含み、シガレット200が下段部114と中段部113との境界まで収容されるようにすることもできる。
【0055】
中段部113は、発熱体111に含まれる強磁性体を含んでもよい。中段部113は、強磁性体に該当する物質によっても形成される。それにより、中段部113は、外部磁場によっても発熱する。例えば、中段部113は、発熱体111において、装置100に収容されるシガレット200に含まれるタバコロッド210に対応するように位置し、タバコロッド210に接触することができる。
【0056】
上段部112は、収容空間120の開口側に向かう末端に行くほど断面が狭くなる形状を有することができる。具体的には、上段部112は、開口側末端に行くほど幅が狭くなる円錐ないし多角錐の形状を有することができる。そのような上段部112の形状により、シガレット200にヒータ組立体110が挿入されることが容易にもなる。
【0057】
本開示による装置100に、強磁性体を含み、外部磁場によって発熱するヒータ組立体110が具備されることにより、シガレット200には、別途のサセプタ物質が含まれない。従って、サセプタ物質を含むシガレットを製造する別途の工程が要求されず、既存の加熱式エアロゾル生成装置に使用されるシガレットが、本開示による装置100にも使用され、装置100は、既存シガレットに対して高い互換性を有することができる。また、別途のサセプタ物質がシガレット200に含まれず、サセプタ物質がシガレット内部に不均一に分布する場合、エアロゾルが不均一に発生する問題が解消されるのである。
【0058】
前述のように、発熱体111が内部に中空を含む構造に形成されるという点で、発熱体111内部に中空が含まれていない場合に比べ、発熱体111の温度上昇速度が増大する。発熱体111内部が空いていない場合、表面より内部がまず発熱する傾向があり、表面発熱が遅延されるので、表面温度は、内部が空いている場合、さらに迅速に上昇することができる。シガレット200は、発熱体111の表面に接触して加熱されるので、発熱体111の内部に中空が形成される場合、シガレット200が加熱される速度が向上される。
【0059】
温度センサ115は、発熱体111の温度を測定することができる。ヒータ組立体110に、発熱体111及び温度センサ115が含まれてもよく、温度センサ115により、発熱体111の温度が測定されうるので、温度センサ115は、発熱体111の温度を直接測定することができる。それにより、発熱体111がシガレット200を加熱する温度が、温度センサ115によって測定される温度にも正確に反映される。
【0060】
発熱体111が内部に中空をさらに含む場合、温度センサ115は、発熱体111の内面と接境することができる。発熱体111の内面と接境する温度センサ115は、ヒータ組立体110に直接接触することができる。発熱体111は、内部に中空を含む形状を有することもできるので、発熱体111内部には、温度センサ115が配置されるのに十分な空間が形成され、それにより、温度センサ115は、発熱体111内部に形成される中空の表面上にも配置される。温度センサ115が、発熱体111の内面に直接接触する位置に配置されることにより、温度センサ115は、発熱体111の外面に接触して加熱されるタバコロッド210によって汚染されないのである。
【0061】
温度センサ115から測定される発熱体111の温度は、装置100ないし制御部150にも提供される。例えば、ヒータ組立体110は、温度センサ115と制御部150とを連結し、温度センサ115から測定される温度を伝達するための導線をさらに含んでもよい。
【0062】
温度センサ115は、発熱体111に含まれる強磁性体の内面と接境することができる。強磁性体は、タバコロッド210に対応する位置にも配置され、外部磁場によって発熱し、タバコロッド210を加熱するので、温度センサ115が強磁性体に対応する位置に配置される場合、タバコロッド210が加熱される温度がさらに正確に測定されうる。ただし、後述する
図6でのように、温度センサ115は、発熱体111の強磁性体を除いた残り部分の内面と接境することもできる。
【0063】
温度センサ115により、発熱体111の温度が直接測定されることにより、発熱体111の温度が精密に制御されうる。外部磁場によって発熱するサセプタ物質がシガレットに含まれる場合のように、サセプタ物質に直接接触する位置に、温度センサが配置されなければ、サセプタ物質により、シガレットが加熱される温度が正確に測定され難く、それにより、シガレットが加熱される温度に対する制御も、精密に行われ難い。本開示による発熱体111は、シガレット200内部ではなく、装置100のヒータ組立体110に直接具備され、温度センサ115を介して、発熱体111の温度が装置100に正確に提供されるので、そこから、発熱体111の温度が精密に制御されるのである。
【0064】
前述のように、温度センサ115は、強磁性体に対応する位置にも配置されるが、それに限定されるものではなく、温度センサ115は、発熱体111上の多様な位置にも配置される。例えば、温度センサ115は、発熱体111の下段部114に接する収容空間120上にも配置される。温度センサ115が収容空間120に配置される場合、温度センサ115は、発熱体111との接触なしに、発熱体111の温度を測定する赤外線センサによっても具現されるが、それに制限されるものではない。
【0065】
図5は、一部実施形態による、弱磁性体及び非磁性体のうち少なくとも一つをさらに含む発熱体について説明するための図面である。
【0066】
図5を参照すれば、発熱体111の上段部112、中段部113及び下段部114が形成される多様な組み合わせが図示されている。前述のように、発熱体111には、強磁性体が含まれてもよい。
【0067】
発熱体111は、弱磁性体及び非磁性体のうち少なくとも一つをさらに含んでもよい。該弱磁性体は、外部磁場によって発熱することができるが、強磁性体対比で発熱する程度が弱い物質を意味する。該非磁性体は、外部磁場によって発熱しない物質を意味する。
【0068】
該弱磁性体は、常磁性体(paramagnetic substance)及び反磁性体(diamagnetic substance)のうち少なくとも一つをさらに含んでもよい。該常磁性体は、外部磁場の方向に一部磁化するが、外部磁場の消滅時、磁気モーメントも共に消滅する物質を意味し、反磁性体は、外部磁場と反対方向に磁化される物質を意味する。発熱体111に外部磁場が印加される場合、当該の常磁性体及び反磁性体は、強磁性体に比べ、加熱される程度が低い。
【0069】
例えば、該常磁性体は、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、白金(Pt)及びイリジウム(Ir)のうち少なくとも一つを意味し、該反磁性体は、ビズマス(Bi)、鉛(Pb)、水銀(Hg)、銅(Cu)、黒鉛(C)、金(Au)及び銀(Ag)などの遷移金属ではない金属を意味する。
【0070】
発熱体111の中段部113は、強磁性体によっても形成される。発熱体111の下段部114は、弱磁性体または非磁性体によっても形成される。発熱体111の上段部112は、強磁性体、弱磁性体または非磁性体によっても形成される。
【0071】
該強磁性体は、シガレット200を加熱する主加熱部の役割を行うことができる。該常磁性体は、シガレット200を補助的に加熱する副加熱部の役割を行うことができる。該反磁性体は、シガレット200を加熱しないが、発熱体111を支持するか、あるいは発熱体111の長さを確保する役割を行うことができる。
【0072】
発熱体510及び発熱体520の場合、上段部512、中段部513及び中段部523が強磁性体によって形成され、主加熱部でもあり、下段部514、上段部522及び下段部524は、常磁性体によって形成され、副加熱部でもある。シガレット200が装置100に収容される場合、発熱体510及び発熱体520は、全体は、タバコロッド210に接触する大きさにも具現される。
【0073】
発熱体530の場合、中段部533が強磁性体によって形成され、主加熱部でもあり、下段部534が常磁性体によって形成され、副加熱部でもあり、上段部532は、反磁性体によっても形成される。シガレット200が装置100に収容される場合、中段部533及び下段部534がタバコロッド210に接触し、下段部534は、フィルタロッド220に位置するように、発熱体530の大きさが設定されうる。
【0074】
発熱体540、発熱体550及び発熱体560の場合、下段部544,554及び564が非磁性体によっても形成され、中段部543,553及び563が強磁性体によっても形成される。上段部542,552及び562は、それぞれ強磁性体、常磁性体及び非磁性体によっても形成される。強磁性体及び常磁性体によって形成される部分は、タバコロッド210に接触して発熱することができる。
【0075】
下段部544,554及び564は、タバコロッド210に接触しない。例えば、下段部544,554及び564の側面に、支持体が配置され、中段部543,553及び563及び上段部542,552がタバコロッド210に接触することができる。または、シガレット200に前端プラグがさらに含まれる場合、下段部544,554及び564は、前端プラグに接触し、中段部543,553及び563及び上段部542,552がタバコロッド210に接触することもできる。
【0076】
図6は、一部実施形態による発熱体の内面に直接接触する位置に配置される温度センサについて説明するための図面である。
【0077】
図6を参照すれば、発熱体111が内部に中空をさらに含む場合、中段部113の内面に直接接触する位置に配置される温度センサ115を含むヒータ組立体610、及び下段部114の内面に直接接触する位置に配置される温度センサ115を含むヒータ組立体620が図示されている。
【0078】
ヒータ組立体610の場合、中段部113は、強磁性体によっても形成され、温度センサ115が中段部113の内面と接境する位置にも配置され、温度センサ115から測定される温度が、シガレット200が加熱される温度を正確に反映することができる。
【0079】
ヒータ組立体620の場合、中段部113は、強磁性体によっても形成されるが、下段部114は、弱磁性体または非磁性体によっても形成され、温度センサ115は、下段部114の内面と接境する位置にも配置される。下段部114が弱磁性体または非磁性体によって形成される場合、下段部114の温度は、強磁性体によって形成される中段部113の温度よりも低い。ただし、下段部114の温度は、中段部113の温度と一定関係を維持することができる。従って、温度センサ115から測定される下段部114の温度、及び中段部113の温度との関係に基づいて、シガレット200が加熱される温度が導き出されもする。
【0080】
図7は、一部実施形態による支持体をさらに含むヒータ組立体、及び強磁性体に対応する位置に配置されるコイルについて説明するための図面である。
【0081】
図7を参照すれば、支持体116をさらに含むヒータ組立体110及びコイル130が装置100に配置され、装置100にシガレット200が収容される構造が図示されている。ヒータ組立体110は、発熱体111の外面に固定され、発熱体111の外面から、収容空間120の側面に向けて延長される支持体116をさらに含んでもよい。
【0082】
支持体116は、発熱体111の外面にも固定される。支持体116は、発熱体111の外面を取り囲む形状にも配置される。例えば、支持体116は、発熱体111の下段部114の外面を取り囲む形状を有することができる。ただし、それに限定されるものではなく、支持体116は、中段部113にも配置される。
【0083】
支持体116は、内部で接触する発熱体111を内蔵し、発熱体111の外面から外部に延長される環形状ないしドーナツ形状を有することができる。支持体116は、発熱体111の外面から、収容空間120の側面まで延長され、収容空間120にもフィッティング(fitting)される。それにより、支持体116及び発熱体111は、収容空間120内部で支持されて固定されうる。ただし、それに限定されるものではなく、支持体116は、内部に発熱体111を内蔵し、収容空間120に収容されうる他の形状を有することもできる。
【0084】
支持体116は、断熱性及び耐熱性を有する素材によっても形成される。支持体116は、発熱体111を内蔵するので、発熱体111から熱が伝達されて加熱されうる。従って、支持体116は、発熱体111から伝達される熱によって変形されるか、あるいは破損されないように耐熱性を有し、収容空間120及び装置100に熱を伝達させないように、断熱性を有することが要求されるのである。
【0085】
例えば、支持体116は、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド、スルホン系樹脂、フッ素系樹脂及びアミドのうち少なくとも1つの素材によっても形成される。該スルホン系樹脂は、ポリエチルスルホン、ポリフェニレンスルフィドのような樹脂を含んでもよく、フッ素系樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))を含んでもよい。
【0086】
支持体116は、シガレット200によるタバコ残余物が、収容空間120及び装置100の内部に流入することを防止することができる。また、支持体116は、シガレット200から生成されるエアロゾルがさらに液化され、収容空間120及び装置100に流入することを防止することができる。
【0087】
支持体116は、発熱体111を内蔵し、収容空間120に収容される単一構成にも作製されるが、支持体116は、発熱体111に接触するフランジ、及びフランジと収容空間120の側面との間に位置するモールド部を含む構造にも作製される。
【0088】
コイル130は、収容空間120の側面に沿って巻回され、長手方向にも延長される。長手方向に沿って延長されるコイル130は、収容空間120の側面にも配置される。コイル130は、ヒータ組立体110に対応する位置にも配置される。コイル130は、ヒータ組立体110に対応する長さに、長手方向に沿っても延長され、ヒータ組立体110に対応する位置にも配置される。
【0089】
コイル130は、発熱体111に含まれる強磁性体に対応する位置にも配置される。例えば、発熱体111の中段部113が強磁性体によって形成され、上段部112及び下段部114が反磁性体によって形成される場合、コイル130は、中段部113に対応する位置にも配置される。または、上段部112及び中段部113が強磁性体によって形成される場合、コイル130は、上段部112及び中段部113に対応する位置にも配置される。
【0090】
図7に図示される例示のように、支持体116が下段部114に配置され、中段部113が強磁性体によって形成される場合、中段部113、タバコロッド210及びコイル130は、互いに対応する位置にも配置される。中段部113は、タバコロッド210の長さに対応する長さにも形成され、コイル130は、中段部113の長さに対応する長さにも配置される。中段部113、タバコロッド210及びコイル130それぞれの長さが互いに対応する場合、コイル130によって中段部113が発熱し、中段部113によってタバコロッド210が加熱される過程において、エネルギー損失が最小化されるのである。それにより、装置100が、シガレット200からエアロゾルを生成するために要求される電力が低減させることができる。
【0091】
図8は、一部実施形態によるヒータ組立体の温度が制御される過程について説明するための図面である。
【0092】
図8を参照すれば、装置100は、ヒータ組立体110、収容空間120、コイル130、電源部140及び制御部150を含んでもよく、ヒータ組立体110は、発熱体111及び温度センサ115を含んでもよく、電源部140は、バッテリ141及び変換部142を含んでもよい。ただし、
図8に図示される構成要素以外に、他の汎用的な構成要素が、装置100、ヒータ組立体110または電源部140にさらに含まれてもよい。
【0093】
電源部140は、装置100に電力を供給することができる。電源部140は、コイル130に電力を供給することができる。電源部140は、装置100に直流を供給するバッテリ141、及びバッテリから供給される直流を、コイル130に供給される交流に変換する変換部142を含んでもよい。
【0094】
変換部142は、バッテリ141から供給される直流に対するフィルタリングを行い、コイル130に供給される交流を出力する低域通過フィルタ(low-pass filter)を含んでもよい。変換部142は、バッテリ141から供給される直流を増幅するための増幅器をさらに含んでもよい。例えば、変換部142は、低域通過フィルタを構成する負荷ネットワークを含み、増幅器をさらに含むD級増幅器でもある。変換部142がD級増幅器である場合、コイル130は、D級増幅器の負荷ネットワークに含まれるインダクタでもある。
【0095】
制御部150は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されるメモリとの組み合わせによっても具現される。また、制御部150は、複数個のプロセッシングエレメントによっても構成される。
【0096】
制御部150は、電源部140がコイル130に供給する電力を制御することができる。制御部150は、バッテリ141から供給される直流を制御し、直流パルスを生成することができる。例えば、制御部150は、バッテリ141に連結されるスイッチの開閉を制御し、直流パルスを生成することができる。
【0097】
変換部142は、バッテリ141から生成される直流パルスを交流に変換することができる。例えば、変換部142に含まれる低域通過フィルタは、直流パルスを入力され、直流パルスに含まれる複数の周波数のうち、遮断周波数を超える周波数を除去し、交流電流を出力することができる。
【0098】
交流電流が電源部140からコイル130に伝達されうる。コイル130に交流電流が印加される場合、コイル130は、交番磁場を生成することができる。コイル130から生成される交番磁場が、ヒータ組立体110に印加されれば、発熱体111が発熱し、温度センサ115は、発熱体111の温度を測定することができる。
【0099】
制御部150は、温度センサ115から測定される発熱体111の温度に基づいて、ヒータ組立体110の温度を制御することができる。例えば、制御部150は、発熱体111の温度に基づいて、バッテリ141から生成される直流パルスを変調することができる。一方、制御部150は、温度センサ115から測定される発熱体111の温度と、基準温度とを比較することができ、測定される発熱体111の温度と、基準温度との差値に基づいて、ヒータ組立体110の温度を制御することができる。
【0100】
制御部150は、発熱体111の温度に基づいて、バッテリ141から生成される直流パルスを変調することができる。1つの例示として、制御部150は、変換部142に含まれる増幅器を介して、直流パルスを増幅させることができる。直流パルスが増幅される場合、変換部142から出力される交流電流の振幅が増大することができる。コイル130に印加される交流電流の振幅が増大する場合、コイル130から生成される交番磁場の振幅が増大することができ、それにより、発熱体111から放出される熱エネルギーが増大することができる。または、制御部150は、直流パルスの強度を低下させ、発熱体111から放出される熱エネルギーを低減させることもできる。
【0101】
他例示として、制御部150は、直流パルスに対するパルス幅変調を行うことができる。パルス幅変調によって変調される直流パルスが変換部142に入力される場合、変換部142から出力される交流電流の周波数も、変更される。従って、コイル130に印加される交流電流の周波数が変更されるので、コイル130から生成される交番磁場の周波数も、変更され、それにより、発熱体111から放出される熱エネルギーが変更され、ヒータ組立体110の温度が制御されるのである。
【0102】
具体的には、制御部150は、直流パルスの周波数、及び直流パルスのデューティサイクルのうち少なくとも一つを変調することにより、バッテリ141から供給される直流に対するパルス幅変調を行うことができる。制御部150は、バッテリ141に連結されるスイッチを開閉する周期、またはスイッチを開放して閉鎖する比率を調整することにより、周波数またはデューティサイクルを変調することができる。ただし、それに制限されるものではなく、直流パルスの周波数及びデューティサイクルは、スイッチ以外の他の手段を介しても変調される。または、制御部150は、パルス幅変調を行う区間と、バッテリ141から供給される直流を遮断する区間とを分け、バッテリ141の直流をオン・オフにする方式でパルス幅変調を行うこともできる。
【0103】
制御部150は、温度センサ115から測定される発熱体111の温度と、基準温度とを比較することができ、測定される発熱体111の温度と、基準温度との差値に基づいて、ヒータ組立体110の温度を制御することができる。例えば、制御部150は、発熱体111の温度が基準温度より高い場合、バッテリ141から供給される直流パルスの周波数及びデューティサイクルのうち少なくとも一つを低減させるとか、あるいは直流パルスの強度を低減させることができる。
【0104】
また、制御部150は、測定される発熱体111の温度と、基準温度との差値を計算することができ、差値に比例する(proportional)成分、差値を積分した値に比例する(integral)成分、及び差値を微分した値に比例する(derivative)成分のうち少なくとも一つに基づいて、バッテリ141から供給される直流パルスを調整するPID方式でフィードバック制御を行うこともできる。
【0105】
本開示による装置100は、ヒータ組立体110の温度を直接測定することができるので、測定されるヒータ組立体110の温度に基づいて、シガレット200を加熱するヒータ組立体110の温度を制御することができる。従って、シガレット200を加熱するヒータ組立体110の温度が精巧に制御され、一定に維持され、シガレット200からエアロゾルが一定に生成され、ユーザにも提供される。
【0106】
以上、実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、それらに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者のさまざまな変形、及び改良形態も、本発明の権利範囲に属するものである。