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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】仕分け支援方法および平台機械工具
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20220105BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20220105BHJP
   B23K 26/70 20140101ALI20220105BHJP
【FI】
B65G1/137 E
G06Q50/04
B23K26/70
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019521088
(86)(22)【出願日】2017-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2017076867
(87)【国際公開番号】W WO2018073419
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】102016120131.6
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502300646
【氏名又は名称】トルンプフ ヴェルクツォイクマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Werkzeugmaschinen GmbH + Co. KG
【住所又は居所原語表記】Johann-Maus-Strasse 2,D-71254 Ditzingen,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル キーファー
(72)【発明者】
【氏名】イェンス オットナード
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン シュヴァルツ
(72)【発明者】
【氏名】エーベルハルド ヴァール
(72)【発明者】
【氏名】コルビニアン ヴァイス
(72)【発明者】
【氏名】マティアス デネッケ
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィド シェーネ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン クラウゼ
(72)【発明者】
【氏名】ファルコ ケイメル
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ シュプリンガー
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01524063(EP,A1)
【文献】国際公開第2014/028959(WO,A1)
【文献】特開2011-073876(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0035045(US,A1)
【文献】特開2013-243273(JP,A)
【文献】欧州特許第01487616(EP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0121480(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
G06Q 50/04
B23K 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分け台上に配置され、平台機械工具、特にレーザ切断または型打ち平台機械工具を使用する処理計画によって製造されている加工片の仕分け工程を支援するための方法であって、
少なくとも1つの加工片の配置の基礎となっている前記処理計画の処理画像データセットを制御ユニットに提供するステップ(ステップ51)と、
複数の加工片が空間的に互いに隣接して配置されている前記仕分け台を、画像化に基づいて検出し、第1の仕分け画像データセットを生成するステップ(ステップ53)と、
前記空間的に互いに隣接して配置されている前記複数の加工片のうちの少なくとも1つの加工片が前記仕分け台から除去された後に、前記仕分け台を画像化に基づいて検出することを繰り返して第2の仕分け画像データセットを生成するステップ(ステップ55)と、
前記処理画像データセットを含む、前記第1の仕分け画像データセットおよび前記第2の仕分け画像データセットを比較するステップであって、前記少なくとも1つの除去された加工片のタイプ、位置、および/または形状を含む情報を含む仕分け信号が生成されるステップ(ステップ57)と、
を含む方法。
【請求項2】
オペレータが前記除去されている加工片を後続の処理ステップに割り当てるのを支援するために、特に、前記除去されている加工片を加工片回収点ユニットに配置するために、前記仕分け信号に応じて配置信号を出力するステップ(ステップ59)、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
オペレータによって実行される前記除去されている加工片の配置動作を監視するステップ(ステップ61)、
をさらに含む、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記配置動作を監視するステップは、
特定の加工片回収点ユニットの重量監視、および/または
前記除去されている加工片または移動を実行する物体の移動軌道または前記移動軌道の一部分の監視を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記配置動作が、前記仕分け信号と関連付けられる配置動作に対応する場合、仕分け動作完了信号を出力するステップ(ステップ63)と、
任意選択的に、加工片回収点特有の表示を、前記除去されている加工片の配置に関して更新するステップ(ステップ65)と、
をさらに含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
除去された複数の加工片が画像化によって検出される場合、前記仕分け信号は、各々が除去されている加工片と関連付けられる部分信号を含む、
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記配置動作が、前記仕分け信号と関連付けられる配置動作と異なる場合、エラー信号を出力するステップ(ステップ67)と、
任意選択的に、前記仕分け信号に割り当てられる前記配置動作に関する情報を表示するステップと、
をさらに含む、
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
廃棄物回収点における少なくとも1つの除去されている加工片のオペレータの配置動作を監視するステップ(ステップ69)と、
前記少なくとも1つの除去されている加工片を廃棄部品として割り当て、任意選択的に、誤った部品のリストに前記廃棄片を入れるステップ(ステップ71)と、
をさらに含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
製造制御システムに補完製造信号を出力するステップと、
前記除去されている加工片の製造パラメータを、後続の処理計画と比較するステップと、
前記製造パラメータが前記後続する処理計画と対応し、かつ、前記除去されている加工片が利用可能である場合、前記後続の処理計画を、前記廃棄加工片に対する差し替え加工片の製造のための製造段階によって補完するステップ(ステップ73)と、
をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の仕分け画像データセットおよび前記第2の仕分け画像データセットの前記比較は、
前記第1の仕分け画像データセットと前記第2の仕分け画像データセットとの間の変化の位置認識のための、前記第1の仕分け画像データセットおよび前記第2の仕分け画像データセットから生成される差分画像データセットに基づく画像処理、および/または
除去されている加工片の形状、前記仕分け台上の残りの空領域の形状、および/もしくは前記差分画像データセットに基づいて認識される前記変化の形状を認識するための画像処理、および/または
前記認識されている形状を、前記処理プログラム内に記憶されている形状(a、b、c)と比較するための画像処理、
を含み、
任意選択的に、前記処理計画による開始材料の処理の前または間に、前記仕分け台上の処理されている前記開始材料の実際の位置または前記処理計画による仮定される位置を適合させるために、例えば、ゼロ点移動または座標変換によって、前記開始材料の絶対位置の変化が追跡され、および/または
前記取得されている画像データセットに基づいて、例えば、オペレータの手動介入による配置の大域的変位に起因する、前記開始材料の外縁の移動の追跡が実施され、前記画像処理において考慮に入れられる、
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記仕分け台の画像取得(ステップ53、ステップ55)は、
可視および/もしくは赤外線波長範囲内の光学画像信号を光学的に検出し、ならびに/または、超音波画像信号を音波に基づいて検出することと、
前記検出されている光学画像信号および/または超音波信号を処理して前記第1の仕分け画像データセットまたは前記第2の仕分け画像データセットにすることと、
を含む、
請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
個々の前記ステップは、生成される前記仕分け信号が、前記加工片が除去された後、0.5秒未満内で、特に0.2秒未満内で、特に0.1秒未満内で生成されるような処理時間によって迅速に、特に部分的に並列に処理され、および/または
前記仕分け台上に配置されている前記加工片は耐屈曲性があり、および/もしくは、少なくとも部分的に光を透過し、および/もしくは、少なくとも部分的に光を反射する材料を含み、特に、板金、ガラス、半導体基板構造、プリント回路基板構造、および/もしくはプラスチックから形成され、および/または
前記信号は、オペレータのデータグラスおよび/もしくは制御システムの監視モニタに関する情報ならびに/または点滅信号として出力される、
請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
平台機械工具、特にレーザ切断または型打ち平台機械工具であって、
処理ユニット、特にレーザ切断処理ユニットまたは型打ち処理ユニットと、
処理画像データセットに従って空間的に互いに隣接して配置される加工片を生成するように前記処理ユニットを制御するための、処理計画が記憶されている制御ユニットと、
製造後に仕分けするために前記配置されている加工片を提供するための仕分け台と、
複数の加工片が空間的に互いに隣接して配置されている前記仕分け台を画像化し、第1の時点における少なくとも1つの第1の仕分け画像データセットおよび後続する第2の時点における第2の仕分け画像データセットを生成するための検出ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法を実施するように適合されている、
平台機械工具。
【請求項14】
前記検出ユニットは、可視および/もしくは赤外線波長範囲内の画像信号を光学的に検出し、ならびに/または、超音波画像信号を音波に基づいて検出するように適合されており、対応するセンサを含む、
請求項13に記載の平台機械工具。
【請求項15】
少なくとも1つの稼働加工片回収点ユニットと、
任意選択の廃棄物回収点と、
配置動作の監視であって、特に、
前記少なくとも1つの稼働加工片回収点ユニットの特定の1つの重量監視、および
除去されている加工片または移動を実行する物体の移動軌道または前記移動軌道の一部分の監視、
のためのシステムと、
をさらに備える、
請求項13または14に記載の平台機械工具。
【請求項16】
前記加工片回収点ユニットは、
処理計画内で前記機械工具によって製造されている加工片の配置領域と、
前記機械工具の前記制御ユニットから、前記配置されている加工片に関する情報を受信し、前記情報をオペレータに出力するように適合されている表示ユニットと、
を備える、
請求項13から15のいずれか1項に記載の平台機械工具。
【請求項17】
前記加工片回収点ユニットの前記表示ユニットは、前記配置されている加工片の数、後続の処理段階、および基礎となる注文に関する情報を受信および出力するようにさらに適合されている、
請求項16に記載の平台機械工具。
【請求項18】
前記加工片回収点ユニットの前記表示ユニットは、例えば電子インクディスプレイとして構成されており、前記配置領域に取り付けられている現実の表示ユニット、および/または、例えば、例としてタブレット上に表示されるユーザインターフェース内の制御手段の表現内でデジタルエミュレートされる表示ユニット、および/または、オペレータにフィードバック信号を出力するように適合されている1つもしくは複数のLED、アクティブLCDディスプレイもしくは音響信号源のような、信号出力装置を含む、
請求項16または17に記載の平台機械工具。
【請求項19】
製造実行システムを有するインテリジェント工場1を構築するために、少なくとも1つの平台機械工具、特にレーザ切断または型打ち平台機械工具を有する平台機械工具設備を改造するための方法であって、
部品を認識するための画像処理のために、前記平台機械工具の仕分け台に関する画像情報を前記平台機械工具の制御ユニットに出力するように適合されている1つまたは複数のカメラ平台機械工具に設置することと、
前記1つまたは複数のカメラを前記製造実行システムに組み込むことと、
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法に従って、前記仕分け台上に配置されており、処理計画を用いて前記平台機械工具によって製造されている加工片の仕分け動作を支援する方法を実行する方法を実行するように、前記制御システムおよび/または前記製造実行システムを適合させることと、
を含む方法。
【請求項20】
5つ以上の角および/または5つ以上の辺を有する加工片のための、請求項1から19のいずれか1項に記載の平台機械工具および/または方法の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平台機械工具によって製造される加工片の仕分け工程を支援するための方法に係り、特に仕分け工程を平台機械工具の制御に組み込むための方法に関する。本発明はさらに、対応する設計を有する平台機械工具および加工片回収点ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
機械工具において部品、特にレーザ切断された材料または型打ちされた加工片、特にシート金属部品を仕分けするとき、オペレータは通常、各個々の切断された部品を、それぞれの部品の注文書の図面と視覚的に比較する。そのようなほぼ紙ベースの仕分けには、対応するさらなる処理を開始することができるように、特別に仕上げられた部品を個々に探し出し、それを正確な注文に割り当てることを必要とする。処理工程の後、切断または抜打ちされたシート金属部品は多くの場合、グループ単位でそれぞれの下流の製造段階に利用可能にされる。特に、多くの異なる部品形態が切断される場合、視覚的な比較は時間がかかり、エラーを起こしやすくなる。例えば、部品を認識し、その後、例えば、注文特有の加工片回収点ユニットへと仕分けする間、多種多様な部品が問題を引き起こす可能性がある。部品が不正確に配置される場合、後続の工程が悪影響を受ける可能性がある。
【0003】
特許文献1は、シートが切断または型打ちされる加工片をマーキングする工程を開示している。プロジェクタが、種々の光学的マーキングを切断または型打ちされる加工片に投影する。この手順は、加工片を表示することによってオペレータの加工片の仕分けを単純化し、そのような切断または型打ちされる加工片のさらなる処理またはさらなる使用のための工程制御手順を提供するように意図されている。シート金属処理においてしばしばそうであるように、加工片が非常に小さい場合、マーキングを認識することが困難になる場合があり、それによって、オペレータもまた紙ベースで仕分けするようになってしまう。
【0004】
物流の分野において、作業者を支援するための様々な手順が知られている。例えば、特許文献2は、商品を操作するための設備において作業者を援助するためのカメラによって援助される手順を開示しており、特許文献3は、作業環境を検出することによる自動工程制御のための手順を開示しており、特許文献4および特許文献5は、手作業のピッキング動作を視覚的に支援するための手順を開示している。デジタル支援ピッキング工程の一例として、ピックバイライト実施態様も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許出願公開第1524063号明細書
【文献】国際公開第2014/028959号
【文献】欧州特許第1487616号明細書
【文献】欧州特許第2161219号明細書
【文献】独国特許出願公開第102014211353号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の1つの態様は、割り当てを容易にすること、割り当ての際にエラーを低減すること、および/または、後続の工程が効率的に実行されることを可能にすることという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的のうちの少なくとも1つは、請求項1に記載の仕分け動作を支援するための方法、請求項13に記載の平台機械工具、および請求項19に記載の改造方法によって解決される。さらなる実施形態が、従属請求項において示されている。
【0008】
一態様において、仕分け台上に配置され、平台機械工具、特にレーザ切断または型打ち平台機械工具を使用する処理計画によって製造されている加工片の仕分け工程を支援するための方法は、
処理計画の処理画像データセットであって、少なくとも1つの加工片が当該処理画像データセットに基づいて配置された、処理計画の処理画像データセットを提供するステップと、
複数の加工片が空間的に互いに隣接して配置されている仕分け台を、画像化に基づいて検出し、第1の仕分け画像データセットを生成するステップと、
空間的に互いに隣接して配置されている複数の加工片のうちの少なくとも1つの加工片が仕分け台から除去された後に、仕分け台を繰り返し画像化し、第2の仕分け画像データセットを生成するステップと、
処理画像データセットを含め、第1の仕分け画像データセットおよび第2の仕分け画像データセットを比較するステップであって、少なくとも1つの除去されている加工片のタイプ、位置、および/または形状を含む情報を含む仕分け信号が生成される、比較するステップと、
を含む。
【0009】
さらなる態様は、製造実行システム(5)を有するインテリジェント工場1を構築するために、少なくとも1つの平台機械工具、特にレーザ切断または型打ち平台機械工具(3)を有する平台機械工具設備を改造するための方法を含む。これは、部品を認識するための画像処理のために、平台機械工具の仕分け台に関する画像情報を平台機械工具の制御ユニットに出力するように適合されている1つまたは複数のカメラを組み込むことによって平台機械工具を改造することと、1つまたは複数のカメラを製造実行システムに組み込むことと、平台機械工具を使用した処理計画を用いて加工片がそれによって製造されている、仕分け台上に配置されている加工片の仕分け工程を支援するために、本明細書において開示されている方法を実行するように、制御システムおよび/または製造実行システムを適合させることと、を含む。
【0010】
さらなる態様において、平台機械工具、特にレーザ切断または型打ち平台機械工具は、処理ユニット、特にレーザ切断または型打ち処理ユニットと、処理画像データセットに従って、空間的に互いに隣接して配置されている加工片を製造するように処理ユニットを制御するための、処理計画が記憶されている制御ユニットとを含む。さらに、平台機械工具は、製造後に、特にオペレータによる仕分けのために、配置されている加工片を提供するための仕分け台と、空間的に互いに隣接して配置されている複数の加工片を有する仕分け台を画像化検出し、第1の時点における少なくとも1つの第1の仕分け画像データセットおよび後続する第2の時点における第2の仕分け画像データセットを生成するための検出ユニットとを備える。制御ユニットは、本明細書において開示されている方法を実施するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態において、仕分け工程を支援するための方法は、
オペレータが除去されている加工片を後続の処理ステップに割り当てるのを支援するために、特に、除去されている加工片を加工片回収点ユニットに配置するために、仕分け信号に応じて配置信号を出力するステップと、
オペレータによって実行される、除去されている加工片の配置動作を監視するステップであって、配置動作の監視は、例えば、特定の加工片回収点の重量監視、および/または、除去されている加工片もしくは移動を引き起こす物体の移動軌道もしくは移動軌道の一部分の監視を含む、監視するステップと、
配置動作が、仕分け信号と関連付けられる配置動作に対応するときに、仕分け動作完了信号を出力し、任意選択的に、除去されている加工片の配置に関連する加工片回収点に特有の表示を更新するステップと、
配置動作が、仕分け信号と関連付けられる配置動作と異なるときに、エラー信号を出力し、任意選択的に、仕分け信号に割り当てられる配置動作に関係する情報を表示するステップと、
廃棄物回収点において少なくとも1つの除去されている加工片のオペレータの配置動作を監視し、少なくとも1つの除去されている加工片を廃棄片として割り当て、任意選択的に、廃棄片を欠品リストに入れるステップと、
製造制御システムに補完製造信号を出力するステップと、
除去されている加工片の製造パラメータを、後続の処理計画と比較し、製造パラメータが後続の処理計画に対応し、かつ、除去されている加工片が利用可能である場合、廃棄加工片に対する差し替え加工片を生成する製造段階によって後続の処理計画を補完するステップと、
例えば、第1の仕分け画像データセットおよび第2の仕分け画像データセットを比較するステップの一部分として、第1の仕分け画像データセットと第2の仕分け画像データセットとの間の変化の位置認識のために、第1の仕分け画像データセットおよび第2の仕分け画像データセットから生成される差分画像データセットに基づいて画像処理し、除去されている加工片の形状、仕分け台上の空の残りの領域の形状、および/もしくは、差分画像データセットに基づいて認識される変化の形状を認識するために画像処理し、ならびに/または、認識されている形状を処理プログラム内に記憶されている形状と比較するために画像処理するステップと、
仕分け台上の加工されている開始材料の実際の位置または処理計画による仮定される位置を調整するために、例えば、ゼロオフセットまたは座標変換によって、処理計画による開始材料の処理の前または間の開始材料の絶対位置の変化を追跡するステップと、
取得されている画像データセットに基づいて、例えば、オペレータの手動介入による配置の大域的変位に起因する、開始材料の外縁の移動を追跡するステップと、
例えば、仕分け台の画像を取得するステップの一部分として、可視および/もしくは赤外線波長範囲において光学画像信号を光学的に検出し、ならびに/または、超音波画像信号を音波に基づいて検出し、第1の仕分け画像データセットおよび第2の仕分け画像データセットを形成するために、検出されている光学画像信号および/または超音波信号を処理するステップと
のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0012】
個々の方法ステップは、生成される仕分け信号が、加工片が除去された後、0.5秒未満内で、特に0.2秒未満内で、特に0.1秒未満内で生成されるような処理時間によって迅速に、特に部分的に並列に処理することができる。概して、仕分け信号は、例えば、いくつかの加工片が除去される場合に、各々が除去されている加工片に割り当てられる部分信号を含むことができる。加えて、信号は概して、オペレータのデータグラスおよび/もしくは制御システムの監視モニタ上の情報としてならびに/または点滅信号として出力することができる。
【0013】
平台機械工具のいくつかの実施形態において、差分画像内の変化の位置は、画像処理中に決定することができる。画像処理は、例えば、連続する仕分け画像データセットから差分画像を生成する。例えば、従来のパターンマッチングと比較して、差分画像ベースの分析は、表面の分散、光の入射、視点などによってあまり乱されないため、より高いシステム公差を達成することができる。それゆえ、概して、特に形状ベースのマッチングにおいてはわずかな逸脱でさえも構成要素の認識を困難にする可能性があるため、加工片の識別について従来のパターンマッチングなしで済ますことが有利である。特に、横方向の視点からシーンを観察するとき、そのような従来の画像処理手法は困難になる。そのため、そのような手法はおそらく、特に平台機械工具においてはまだ実施されていない。対照的に、本明細書において開示されている概念は、そのような問題を解決する。
【0014】
画像処理のいくつかの実施形態において、加えて、処理手順の前または間に発生している、シート幾何形状の絶対位置の変化を考慮に入れることができる。これは、例えば、例としてその後、作業領域内の初期材料の実際の位置を調整するための画像処理に組み込まれる、ゼロ点移動および/または座標変換に関する制御ユニット/MESによって提供される情報によって行うことができる。
【0015】
平台機械工具のいくつかの実施形態において、検出ユニットは、可視および/もしくは赤外線波長範囲内の画像信号を光学的に検出し、ならびに/または、超音波画像信号を音波に基づいて検出するように適合されており、対応するセンサを含む。
【0016】
さらに、平台機械工具は、可動加工片回収点ユニットを含むことができ、任意選択的に、廃棄物回収点を含むことができる。加えてまたは代替的に、平台機械工具は、配置動作を監視し、特に、特定の加工片回収点ユニットの重量を監視し、および/または、除去されている加工片もしくは移動を引き起こす物体の移動軌道もしくは移動軌道の一部分を監視するためのシステムを含むことができる。
【0017】
加工片回収点ユニットはまた、処理計画内で機械工具によって生成される加工片の配置領域と、配置されている加工片に関する、機械工具の制御ユニットからの情報を受信し、その情報をオペレータに出力するように適合されている表示ユニットとをも含むことができる。表示ユニットはまた、貯蔵されている加工片の数、後続の処理ステップ、および基礎となる注文に関する情報を受信および出力することもできる。例えば、表示ユニットは、電子インクディスプレイなど、配置領域に取り付けられている現実の表示ユニット、および/または、例えば、タブレット上に表示されるユーザインターフェースの一部分としてなど、制御ディスプレイの一部分としてデジタルエミュレートされる表示ユニットである。
【0018】
特に、本発明者らは、本明細書において開示されている概念および本明細書において記載されている装置におけるそれらの概念の適用が、反射性または部分的に透明な加工片に特に適しており、これを仕分けする際に利点をもたらすことができると認識するに至った。反射性または部分的に透明な加工片は、例えば、板金、ガラス、半導体基板構造、プリント回路基板構造およびプラスチック部品を含み、それによって、材料自体、特にそれらの表面特性が、光を透過するか、または、少なくとも部分的に反射することができる。特に、そのような加工片では、例えば、より大きい加工片についてでさえ、投影されるマーキングを十分に認識できないことが多く、それゆえ、オペレータもまた紙ベースで仕分けするようになってしまう可能性があることが認められていた。対照的に、本明細書において開示されている概念は、特にそのような加工片について、仕分けの効率を増大させることができる。
【0019】
さらに、本明細書において開示されている概念および本明細書において記載されている装置におけるそれらの概念の適用は、オペレータにとって、部品を仕分けする所定の制御手順に束縛されないという追加の利点を有し得ることが示されている。例えば、本明細書において開示されている概念を使用して、および、使用せずに、仕分けを行うときの異なるオペレータによる実験は、驚くべきことに、オペレータが仕分けの順序に関して自身の計画に従うことができ、かつ、外部の仕様に縛られない場合、仕分けは通常、より高速であり、より効率的であることが示されている。これは、とりわけ、平台機械工具を用いて製造される加工片を仕分けする特定の状況に起因し得る。このように製造される加工片は、例えば、残留格子の形態で形成される切り屑とともに、仕分け台に到来する。分離工程に起因して、加工片は多くの場合、残留接合部(いわゆるマイクロ接合部)によって切り屑(残留格子)に接続されたままである可能性がある。仕分けするとき、オペレータは最初に、加工片を残りの格子から分離し、その後、それらの加工片を加工片特有のトレーへと仕分けする。個々の加工片がもはや仕分け台上に堅固に配置されていないか、または、残りの格子に接続されたままであり、したがって残りの格子内ですでに傾いて懸垂されている場合、オペレータが最初にそれらを仕分けし出すことが有利であり得る。この手順は、特に、耐屈曲性加工片に当てはまり、それによって、本明細書において開示されている概念および本明細書において記載されている装置におけるそれらの概念の適用はまた、耐屈曲性加工片の仕分けにも特に適し得る。耐屈曲性加工片は、例えば、板金、ガラス、またはプラスチックから作成することができる。さらに、半導体基板またはプリント回路基板から切り出される(または抜打ちされる)部品は、耐屈曲性であることが多い。
【0020】
概して、平台機械工具は、レーザによってのみ切断するか、または、型打ちによってのみ切断するレーザ切断または型打ち平台機械工具であり得る。さらに、平台機械工具は、両方の分離工程を実施する組み合わせ機械であり得る。バリ取り、曲げ、折り曲げ、溶接、穿孔、ねじ切りなどのような、さらなる処理ステップも、平台機械工具上で実行され得る。
【0021】
概して、加工片は、板金、ガラス、半導体基板構造、プリント回路基板構造およびプラスチック部品から作成される。基礎となる材料は、それぞれの画像化技法による画像化が使用されることを可能にする特性を有する。光学的画像化に関して、加工片の材料特性、特にそれらの表面特性もまた、例えば、少なくとも部分的に、画像データ取得が大きく影響を及ぼされることなく、可視および/または赤外線波長範囲内の光を透過または少なくとも部分的に反射し得る。さらに、材料は通常、特に、音響および超音波反射性であり、特に、超音波に基づく画像データ取得を可能にする硬表面を有する。上述したレーザ切断または型打ち平台機械工具はまた、急速な手作業の仕分けの間に大きな変形をもたらさない曲げ強度(剛性)を有する固形材料から加工片を生成するために一般的に使用される。
【0022】
さらに、本明細書において開示されている概念および本明細書において記載されている装置におけるそれらの概念の適用は、可能な場合に支援情報をリアルタイムで提供するように適合される。その時間的系列がオペレータの手作業の手順の流れおよび速度によって決定される仕分け工程は(例えば、仕分け信号を待つことによって)減速されるべきではなく、または、少なくとも、実施された活動に関するフィードバック(例えば、回収点に対する関連付けが正確かまたは不正確か)は即時に与えられるべきであるため、適時の提供は不可欠である。したがって、例えば、リアルタイムでの様々な仕分け動作の予約の正確な実行は、インテリジェント工場内で本明細書において開示されている概念を実施するためには不可欠である。即時の検出のためだけに、システムは、合理的な示唆を作成することができ、それらの示唆をオペレータにとってアクセス可能にすることができる。提案されている仕分け支援は、画像化、比較、およびMESにおける入力のような重要なステップを自動的に、例えば、バックグラウンドで実行する。概して、構成要素およびシステム構造は、個々の方法ステップが短い処理時間で、特に部分的に並列に処理されるように構成される。好ましくは、仕分け信号は、例えば、加工片が除去された後、0.5秒未満内で、特に0.2秒未満内で、特に0.1秒未満内で生成される。
【0023】
いくつかの実施形態において、例えば、切断された部品をピックアップするとき、いずれのクレート(加工片回収点ユニットの一例として)内に部品が配置されることになるかがオペレータに表示される。特に、表示は光学的であり得る。しかしながら、例えば、音響表示または光学的表示に対する音響支援を有することも考えられる。それによって、配置が実施されると直ちに、部品の特定の所属が、より上位のシステムに自動的に入力され得る。例えば、廃棄または機械機能不全に起因して部品が欠けている場合、製造制御システム(製造実行システム:MES)へのインターフェースを介して追加の製造を直接的に開始することができる。製造制御システムは、少なくとも部分的に自動化された製造を監視および実施するための多層管理システムの一部分である。これはリアルタイムで、例えば、特に個々の製造段階の実行、制御、または製造の監視に組み込まれる。
【0024】
機械工具システムは、対象空間全体を取り込むことを可能にするために、本明細書において開示されている概念を実行するためのカメラ(または複数のカメラから成るカメラシステム)を備える。例えば、1つまたは複数のカメラは、機械ハウジング上に永続的に設置することができ、平台または型打ちレーザ切断機械の仕分け台の画像情報を提供することができる。カメラシステムのカメラが板金表面/仕分け台に対して較正された後、部品認識のための画像処理アルゴリズムを、本明細書において開示されている手順に使用することができる。したがって、仕分け工程を支援するための方法に組み込まれているカメラは、例えば、画像処理によって、例えば、その形状および/または仕分け台上の位置に基づいて、オペレータが把持する部品を識別することを可能にする。画像処理アルゴリズムは、特に、注文情報にアクセスすることができ、したがって、部品の識別が単純化される。
【0025】
さらに、例えば、QRコードまたは材料番号(material number)を、処理中にレーザまたはマーキングレーザを用いて刻印することができる。カメラを用いることによって、このコーディングを読み取り、その後、識別および仕分けの支援に使用することができる。代替形態として、または、補完形態として、オペレータは、部品認識のための補助画像情報を提供することができ、実際に知覚される環境の画像に加えて、QRコードまたは材料番号のようなさらなる情報を視野内に表示するデータグラスを使用することができる。
【0026】
画像取得および評価から得られる情報を注文情報と比較することによって、より上位の仕分けシステムは、加工片認識を支援し、例えば、意図されている配置を識別することができる。例えば、トレーがデータグラス上でオペレータに対して視覚的にマーキングされ、オペレータは、部品が正確に配置されているか否かのフィードバックを受け取る。
【0027】
カメラ、特に、取得されている画像情報と処理計画の(例えば、切断プログラムの)切断指示との比較によって、製造される加工片がカメラによって監視される作業領域から除去されていることを認識することができる。MESへのインターフェースを介して、次にいずれのステーションに部品が輸送されるべきかを決定することもできる。ユーロパレットまたは輸送クレートのような、荷物キャリアとしても参照される、加工片回収点ユニットにおける光学信号は、いずれのユニットに部品が配置されるべきかが示されるように制御することができる。光学信号は、特定の表示、特定のLEDの作動、または荷物キャリアへの情報の投影を含む。
【0028】
荷物キャリア上の画像監視および/もしくは位置特定システムならびに/またはセンサシステムが、正確な配置を検出およびチェックすることができる。MESへのフィードバックによって、例えば、廃棄物回収点に配置された廃棄部品に対して、補完的な事後製造を、次の可能な時点において自動的に開始することができる。
【0029】
概して、本明細書において開示されている概念は、工程信頼性の増大、スループットタイムの最適化、および、したがって、製造のコスト最適化を可能にすることができる。特に、本明細書において開示されている概念は、必要とされる数の部品の製造から後続の工程のために正確である配置までの、一定程度までの考慮可能な工程内の時間の節約をもたらし、関連付けにおけるエラーを回避し、例えば、加工片の自動予約によって、直感的なワークフローを可能にすることができる。複数の注文を、1つのシート(例えば、切断されることになる板金)内で確実に処理することができ、それぞれの後続の工程のために、切断された部品を複数の注文にまたがって分離することが可能になる。仕分けしながら1つのシート上で複数の注文の複雑さに対処することによって、すべてのオープンな注文を自動的(循環的)に、新たに共通した入れ子構造にすることが可能である。
【0030】
したがって、部品除去の柔軟な処理およびペーパーレス工程フロー(付随して作業準備の時間が節約される)、レーザ切断機または型打ち機の半自動製造工程への組み込みを、より効率的にすることができる。加えて、エラー防止および自動的で正確な予約が、板金製造のデータに基づくリアルタイムの制御のための基礎を構築することができる。したがって、小さいバッチサイズの製造に使用される機械も、インダストリー4.0の枠組みの中で、MESによって制御される板金製造に組み込むことができる。
【0031】
さらに、オペレータの邪魔になる、スキャナまたはタブレットのような携帯型手持ち式装置の使用を省略することができる。
【0032】
本明細書において、従来技術の諸態様を少なくとも部分的に改善することを可能にする概念が開示される。特に、追加の特徴およびそれらの有用性が、図面に基づく以下の実施形態の説明からもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】レーザ切断または型打ち平台機械工具を有するインテリジェント工場の一部分の概略空間図。
図2】仕分け画像データセットの画像化検出のための例示的な構成の概略空間図。
図3】処理計画の処理画像データセットおよび2つの検出されている仕分け画像データセットの例示的な概略図。
図4】除去されている加工片の配置手順の例示的な監視の概略空間図。
図5】例示的な加工片回収点ユニットの概略空間図。
図6】仕分け工程の支援における例示的な工程フローを例示するための流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書において記載されている態様は部分的に、レーザ切断または型打ち平台機械工具内で、製造されている切断材料が配置される仕分け台の画像化と組み合わされた精密な切断計画の存在を、仕分け工程を支援し、さらなる処理手順に適した情報を得るために使用することができるという認識に基づいている。
【0035】
本明細書において記載されている概念は、特に、いわゆるシート(所定の厚さおよび所定のサイズの開始シート)から後続の処理段階のための加工片を製造するために型打ちまたはレーザ切断を使用する平板金属設備に関する。特に、加工片は、レーザ技術を使用した非常に柔軟な板金処理を用いて、平台機械のための平坦な形状など、自由に選択可能な形状に変換することができる。その後、後続の曲げおよび溶接工程が、立体的な製品を生成する。そのようなレーザ切断または型打ち平台機械工具によって、処理計画(例えば、切断計画)は、機械制御における入力パラメータとして記憶され、処理計画は、製造されている加工片の正確な形状および互いに対する相対位置を含む。(切断)処理計画に加えて、(切断)処理計画を未加工シートの実際の位置に適合させるための座標変換のような、処理手順中に得られる追加の情報を使用することもできる。そのような情報は、例えば、(切断)処理計画にリンクされている制御ユニットに記憶され、必要に応じて、MESにも通信される。
【0036】
バッチサイズの縮小、すなわち、短い時間窓の中で、少量の、さらには個別化された製品を製造することが可能である必要性が、型打ちまたはレーザ切断の現在の課題であり、これらの課題は、板金製造企業における製造工程の自動化に特に影響を及ぼす。本明細書において記載されている概念は、特により小さいバッチサイズについて、IT支援工程を協調させ、統合し、これらを個々の機械に割り当て、製造計画の適合的な作成において一定の役割を果たすことができる。
【0037】
目標は、いわゆるインテリジェント工場(「スマート工場」)において多種多様な製品の高い需要を満たすことである。本発明者らは、製造工程のより効率的な設計が、間接工程、すなわち、分離工程の前後に行われるステップにあることを認識するに至った。例えば、廃棄加工片のより効率的でエラーのない仕分けおよび補償を可能にすることによって、すべての製造工程にわたる注文のスループットタイムを短縮することができ、インテリジェント工場のより効率的な利用を達成することができる。
【0038】
間接工程が相互にリンクされるトランスペアレントな製造計画は、製造工程の全体を見渡すことを可能にし、それらの最適化を可能にする。オペレータは、特にバッチサイズの小さい注文について、自身の監督によって材料の流れを制御する工程管理者になる。
【0039】
図1は、一例として示されているレーザ切断または型打ち平台機械3のような自己適合製造リソースと、関連付けられるMES5とを備える、インテリジェント工場1(「スマート工場」)の概観を示す。ネットワーク7において、仮想および物理製造要素および製造ステップ、特に加工片9に関する情報(必要な数、形状、材質、種類...)が、ともにMES5内に入来する。PC、コンピューティングノードまたは同様の適切なハードウェアのような制御ユニット8が、平台機械3およびそれに割り当てられる他の構成要素を制御するために使用される。制御ユニット8は特に、インテリジェント工場のリアルタイム運用中に仕分けを支援するように構成されている。基礎となるコンピューティングシステムは、例えば、データ入力および制御出力を有するマイクロプロセッサ回路を有するデジタルプロセッサシステムを含み、プロセッサシステムは、コンピュータ可読媒体上に記憶されているコンピュータ可読命令に従って操作される。一般的に、制御ユニット8は、リアルタイム支援のための高いコンピューティング能力、および、プログラム命令を記憶するための長期(不揮発性)メモリ、ならびに、画像データ取り込みおよび画像データ処理中に(またはその結果としてもたらされる)取り込まれたデータおよび評価結果を記憶するための非常に高速な短期(揮発性)メモリを含む。
【0040】
図1はまた、1つはキャリッジ39として示されており、1つは仕分け台21上で可動なブリッジ40として示されている、2つの仕分け装置38をも示す。仕分け装置38は各々、複数の加工片回収点ユニット13を含む。各加工片回収点ユニット13は、ディスプレイ19および信号出力装置47を有する表示ユニット43を有する。
【0041】
オペレータ11は、平台機械3によって出力されるシート17から取られる加工片9を、加工片回収点ユニット13へと仕分けする。加工片9が除去された後、対応する信号出力装置47が、いずれの加工片回収点ユニット13へとオペレータが加工片9を配置すべきかを、オペレータに指示する。ディスプレイ19が、例えば、記憶された加工片9の数、依然として欠けている数、または、エラーが検出されたか否かなどの、ステータス(一般的な加工片情報)を示す。さらに、図1は、大きい加工片に割り当てられる、ブリッジ40上の組み合わせ信号/表示ユニット44を示す。
【0042】
「権限強化オペレータ(augmented operator)」として包括的な情報をリアルタイムで与えられるオペレータ11が、製造を制御および監視する。熟練した意思決定者として、オペレータ11は、製造ネットワークのすべての関連する工程において、最終的な意思決定者の役割を保持する。したがって、オペレータは、本明細書において開示されている仕分け工程を支援するための方法および本明細書において開示されている加工片回収点ユニット13のような、ITベースの援助システムによって支援されて、局面的かつ文脈的に目標に影響を及ぼすことができる。
【0043】
製造計画に関して、平台機械3は、他の構成要素と接触して配置され、順序制御、特にMES5とインテリジェントに相互リンクされる「ソーシャル機械」である。したがって、例えば、平台機械は、独立して、および、状況に応じて、切断工程における可能性のある逸脱に反応され得る。
【0044】
従来の製造において、オペレータは繰り返し、注文に関係する書類を拾い上げ、手動で注文を開始し、部品を仕分けし、これらを作業進捗報告書に関連付け、計画を設定することになる。これは、機械が長期間にわたって静止したままになることが多いことを意味する。
【0045】
それとは対照的に、インテリジェント工場1における相互リンクされた製造は、その間接工程を最適化し、実行される製造工程の見通しを提供する。オペレータ11は、材料の流れを追跡および制御する工程管理者になる。
【0046】
概して、例えば、切断部品などの部品のピックアップおよび仕分けは時間がかかり、エラーが起こりやすく、この複雑な形態(1つのブランクからの複数の注文)における大きな問題である。本明細書において提案されている概念によって、例えば、バッチあたりの少ない量についての製造注文を、入れ子状の部品のために効率的に仕分けすることができる。
【0047】
下記により詳細に説明するように、例えば、支援のために提供される、オペレータ11の手の画像処理および自動位置特定を有する、例えば、カメラ15などの画像化システムを使用することによって、平台機械3によって出力されているシート17からいずれの加工片9が除去されたかを検出することを可能にする。インテリジェントな相互リンクされた加工片回収点ユニット13のうちの1つにおいて、その後、ディスプレイ19がサインを与え、オペレータ11に、例えば、MES5によって割り当てられる仕分け位置を示すことができる(例えば、図6のステップ63、65も参照されたい)。手を位置特定することによって、配置動作がMES5において予約されることも可能にすることができる。加えて、インテリジェントクレートとして設計されている加工片回収点ユニットは、例えば、MES5から受信される現在の注文情報を、例えば電子インクディスプレイ上に出力することができる。それらは、例えば、(空間的には粗い可能性がある)電気的位置特定を可能にし、例えば、点滅によって、オペレータの直感的な「細かい検索」を可能にすることができる。例えば、加工片回収点ユニット13は、それら自体のデータ供給システム14に接続されており、データ供給システム14は特に、データ交換のためにMES5および制御ユニット8に接続されている。
【0048】
複数の必要な加工片が加工片回収点ユニット13’に仕分けされた後、オペレータ11’(または自動ロボットシステム)は、例えば、加工片回収点ユニット13’を後続の処理段階に運ぶ。
【0049】
本明細書において提案されている解決策は、状況的情報を提供することによって情報側でオペレータ11を支援する電子アシスタントを介して実施することができる。これによって、オペレータ11が、仕分け工程において個々の嗜好(例えば、どこで開始するか、小型ハンドバッファ(small hand buffer)を作成するか否か...)を実施し続けることを可能にする。解決策は、以下の基本原理、すなわち、状況に必要な情報の観測、評価、および提供に従う。
【0050】
図2および図3は、例示的に、仕分け画像データセットが、画像化検出のためのカメラ15を含むカメラシステムによってどのように得られ、処理されるかを示す(図6のステップ53、55、57も参照されたい)。除去されている部品を検出するために、カメラ15は、平台機械3の仕分け台21、特に、仕分けされるべき処理済みシートの上方の作業空間23を検出する。仕分けはオペレータ11によって実行され、オペレータ11は、例示的な実施形態では人間の形態であり、すなわち、ロボットではない。パレット上での例えば、切断されたシートの位置を決定するために、カメラ15は、機械座標に対して較正されなければならない。カメラは、例えば、可視および/もしくは赤外線波長範囲ならびに/または音波、特に超音波において、仕分けされるべき部品を有する仕分け台21の画像を光学的に記録する画像化システムの一部分である。したがって、カメラは、波長範囲内の画像信号を記録するためのセンサシステムを含む。画像化システムは、画像信号から画像を生成するための画像処理ユニットを含む。
【0051】
カメラ15および平台機械3へのインターフェースを有する制御ユニット8上で、適切な画像処理方法(例えば、差分画像生成)が使用されて、加工片9が仕分け台21からいつ除去されるかが検出される。ソフトウェアは、平台機械3に対するインターフェースを使用して、処理プログラムから、例えば、切断されている加工片9のシート17上のレイアウトおよび輪郭を再構築する。
【0052】
図3は、仕分け台21上に少なくとも1つの加工片9を配置する基礎となった、処理画像データセット16’を有する処理計画16を概略的に示す(図6のステップ51も参照されたい)。模式的なシート17’上に3つのタイプa、b、cの例示的な計画されている成形部品が認められ、成形部品は3つの注文A、B、Cに割り当てられる。製造されている成形部品は、加工片回収点ユニットとしてのキャリッジ記号25’上でタイプa、b、cに従って3つのスタックに仕分けされるべきであることも分かる。
【0053】
図3はまた、成形部品がシート17から切り出されているシート17の第1のカメラ画像27も概略的に示しており、画像は、切断工程の直後の第1の時点、すなわち、成形部品の最初の除去の前に取り込まれている。別のカメラ画像29は、成形部品(図3の斜線領域31)の最初の除去の後、すなわち、第2の時点(第1の時点の後)におけるシート17を示す。
【0054】
例えば、実際のカメラ画像と参照画像との間の差分画像を連続的に生成することによって、除去されている加工片を示す変化を検出することができる。例えば、CNCプログラムまたはあるタイプの成形部品の処理画像データセットの仮想的な重ね合わせによる比較によって、その後、除去されている加工片を識別することができる。それによって、部品がいつ除去されたか、および、いずれの部品が除去されたかを明確に識別することができる。参照画像は、部品が除去されるたびに、その後の新たなシーンを用いて更新することができる。
【0055】
比較はまた、例えば、加工片が切り出されているシートの絶対位置を追跡することによって実行することもできる。これは、例えば、ブランクシートの外縁を付加的に検出することによって行うことができる。追跡は、構成の大域的な変位が、例えば、オペレータの手動介入によって補償されることを可能にする。
【0056】
さらに、平台機械3は、加工片特有のQRコードまたは材料番号を刻印するためのレーザシステム(例えば、追加のマーキングレーザまたは対応して調整可能な切断レーザ)を有することができる。加工片が処理中にQRコードまたは材料番号を与えられた場合、カメラシステムは、付加的に、このコーディングを認識し、読み取ることができる。これは、加工片が、例えば、処理計画において割り当てられており、生成されることになる加工片、および/または、MES5に記憶されているさらなる処理ステップにより迅速に割り当てられることを可能にすることができる。
【0057】
除去されている部品(典型的には、さらなる輸送のために加工片回収点ユニット13としてクレート内に配置される)について次に何が行われるかについてオペレータ11に通知することを可能にするために、制御ユニット8はMES5にアクセスする必要がある。次の位置(いずれのクレート内に部品が配置されなければならないか)だけでなく、材質、注文番号、顧客などのような他の情報も、その中に記憶されている。
【0058】
加工片回収点ユニット13はまた、制御ユニット8に対する通信インターフェースをも有し、例えば、ディスプレイ19としての電子インクディスプレイを介して、注文に関する情報を出力することができる。したがって、インターフェースを介して、加工片回収点ユニット13はまた、加工片9をピックアップしているオペレータ11に対して、いずれのクレート内に加工片を配置しなければならないかを示すための位置にある(図6のステップ59も参照されたい)。内蔵スケールまたは別の適切なセンサユニットを使用して、オペレータ11が加工片9を正確なクレート内に配置したか否かを判定することができる(図6のステップ61も参照されたい)。したがって、例えば、電子インクディスプレイ上のカウンタを介して、フィードバックを送ることができる。したがって、制御ユニット8において、すべての部品が正確に仕分けされた否か、または、注文の部品が欠けている否か、例えば、残りの格子を通じて落ちたか否かの比較を行うことができる。
【0059】
オペレータ11が仕分け中に欠陥のある部品を認識し、廃棄物のために設けられた回収点にこれを配置することも考えられる(図6のステップ69も参照されたい)。別の事例において、平台機械3が、欠陥のある切断、手動オペレータ介入、またはさらにはシート処理中の衝突を自動的に記録し、影響を受けた部品を廃棄物として、インターフェースを介して制御ユニット8に記録する。そのような事例について、特に上述したすべての事例において、識別された廃棄物の事後製造の注文を、MES5において自動的に作成し、計画することができる(図6のステップ73も参照されたい)。
【0060】
内部位置特定および制御ユニット8に対するインターフェースによってシステムを拡張することによって、加工片回収点ユニットの位置をさらに決定し、および/または、オペレータ11の手の動きを検出することができる。そのような位置特定は、例えば、4つ以上のいわゆる「アンカ」および1つまたは複数の「タグ」からなる超広帯域システムを介して行うことができる。アンカは、受信手段としての役割を果たし、作業領域23の周りに静止して位置決めすることができる。タグはすべての加工片回収点ユニットおよびオペレータ11の手に取り付けられ、それらの位置を決定するために使用される。さらなる内部位置特定システムは、例えば、Bluetooth、WiFi、赤外線およびRFIDを含む。
【0061】
図4に示すように、オペレータ11の手の追跡は、加工片9が正確なクレート内に配置されたか否かを決定することができる。一例として、加工片9を除去するときの手の移動軌道33が図4に示されている。さらに、追跡情報を使用して、除去された部品を検出するための手順を改善することができる。手(例えば、位置35)、その移動軌道または移動軌道の一部分を位置特定することによって、対象領域37(「関心領域」)が画像領域内に画定される。画像処理は、各計算ステップにおいて、変化について作業空間23全体を探索する必要はなく、オペレータ11の手の周りの関心領域のみを探索すればよい。仕分け工程中に複数人のオペレータ11が作業する場合、関心領域は、仕分け台21において各オペレータ11について同時に画定することができる。したがって、各オペレータ11に、加工片の正確な配置位置に関する個々の情報を与えることができる。
【0062】
中央コンピューティングノードで(制御ユニット)において論理およびコンピューティング能力を実行する、以前に明示的に言及した手法に加えて、他の既知のトポロジを、平台機械3、カメラ15(一般的には画像化システム)、加工片回収点を有するクレート、MES5、および位置特定システムをリンクするために使用することができる。
【0063】
加えて、記憶位置にあるデータを表示する機能および配置の制御は、データグラスによって実施することができる。そのような「拡張現実」グラスは、正確な配置位置だけでなく、その目標高さをも表示するために使用することができる。例えば、ホログラフィック3D物体を固定位置に表示するために、「ホロレンズ」データグラスを使用することができる。それによって、オペレータ11は、加工片のスタックが完了しているか否かを容易にチェックすることができる。
【0064】
データグラスを使用するさらなる実施形態において、残留する格子-部品グループにおける部品生成後に、部品がオペレータ11に対して利用可能になる。制御ユニット8およびMES5を介して、いずれの部品がこのグループ内のいずれの位置にあるか、および、これをどこに配置すべきかが分かる。データグラスを用いて、オペレータ11は、部品の検出に成功したか否か、および、再試行戦略に対する提案に関するフィードバックを受け取る。
【0065】
オペレータ11に、たとえオペレータが依然として自身が選択した戦略に従って仕分けすることができる場合であっても、データグラスの投影スクリーンを介して最適な仕分け戦略を示唆することもできる。多くの小さい部品について、例えば、オペレータに、複数の同一の部品を同時に除去することを示唆することができる。アルゴリズムを使用して、例えば、個々の部品のサイズおよび重量に応じて、一度に除去することができる部品の数をリアルタイムで計算および表示することが可能である。これはまた、オペレータに応じて個々に調整可能でもあり得る。さらに、オペレータ11がタイプaの成形部品をピックアップした場合、例えば、好ましい移動軌道に沿って、同じタイプの他の部品の位置をオペレータ11に表示することができる。これによって、例えば、不要な経路を回避することができる。
【0066】
除去されている部品を読み込むのに成功した後、制御ユニット8は、制御システムとして、例えば、データグラスの投影スクリーンを介して、オペレータ11に正確な配置位置を出力する。これは、例えば、番号を振られた保管区画であってもよい。保管区画がより離れた位置にある場合、データグラスの投影面を使用して、マップを介して保管領域を参照することができる。データグラスの支援カメラも、保管区画が視認可能な領域に入ると直ちに保管区画を認識し、これを投影面上でマークすることができる。
【0067】
制御システムはまた、配置手順中に部品が正確な区画に配置されたか否かを監視し、グラスの投影面を介してオペレータ11にフィードバックを提供する。したがって、理想的には、それ自体のGPS座標系を有するか、または、外部測位システムに結合することができる様々な市販のデータグラスを、本明細書において提示されている概念に組み込むことができる。
【0068】
図5は、キャリッジ39上の加工片回収点ユニット13を示す。加工片回収点ユニット13は、処理計画の一部分として機械工具によって生成される加工片9の配置領域41を備える。加工片回収点ユニット13はまた、例えば、機械工具の制御ユニット8から、加工片回収点ユニット13に配置されている加工片に関する情報45を受信し、この情報をオペレータに出力するように構成されている表示ユニット43をも有する。
【0069】
例えば、表示ユニット43は、例として、配置されている加工片9の数、欠けている加工片、後続の処理段階、基礎となる注文(顧客)、目標材料などに関する情報を受信および出力するように構成されている。
【0070】
表示ユニット43は、キャリッジ39に取り付けられている、例えば、電子インクディスプレイ(電子ペーパーディスプレイとしても知られている)などの、現実の表示ユニットであってもよい。代替的にまたは加えて、デジタルエミュレートされている表示ユニットを、例えば、例としてタブレット上に表示されるユーザインターフェースなどの、制御手段の表現内で使用することができる。
【0071】
以前に明示的に言及されている電子インクディスプレイの手法に加えて、配置されている部品が検出されるときに、1つまたは複数のLED、アクティブLCDディスプレイ、音響信号源のような、信号発信装置を作動させることによって、または、プロジェクタもしくはレーザスキャナを用いて投影することによって、表示データおよびクレートフィードバックを提供することもできる。加えて、スケールによる正確な配置の(補完的な)制御測定値、スタックの高さ測定値(レーザスキャナのような光学測定方法)、または画像ベースの制御手段(カメラカウントシステム)を使用することができる。振動センサ(例えば、加速度センサ)も(付加的に)使用することができる。一般的に、信号出力装置47は、オペレータにフィードバック信号を出力するように適合される。さらに、表示ユニット43および信号出力装置47は、組み合わせて1つのユニットにすることができる。
【0072】
要約すると、図6は、仕分け工程の支援における例示的な方法手順を例示するための流れ図を示す。処理計画に基づいて、平台機械工具、特に上述したようなレーザ切断または型打ち平台機械工具を用いて製造されている加工片が、仕分け台上に配置されていると仮定される。
【0073】
制御ユニット8において、生成されている加工片を配置する基礎となった処理計画の処理画像データセット(例えば、図3の処理画像データセット16’を参照されたい)が提供される(ステップ51)。さらに、第1の仕分け画像データセット(例えば、図3の第1のカメラ画像27を参照されたい)を生成するために、空間的に互いに隣接して配置されている複数の加工片を有する仕分け台が、例えば、可視または赤外線波長範囲内で光学的に、または、音波、特に超音波を用いて画像化される(ステップ53)。
【0074】
この後、仕分け台から少なくとも1つの加工片が除去され(ステップ54)、仕分け台の画像取得が繰り返され、これに基づいて、第2の仕分け画像データセットが生成される(ステップ55)。
【0075】
ここで、仕分け信号を静止するために、例えば、画像処理アルゴリズムを用いて、処理画像データセットを用いて第1の仕分け画像データセットおよび第2の仕分け画像データセットが比較される(ステップ57)。仕分け信号は、少なくとも1つの除去されている加工片のタイプ、位置、および/または形状に関する情報、ならびに、任意選択的に、位置特定情報を含む。少なくとも1つの除去されている加工片の処理を進めるか否か、および、どのように進めるかを示すこともできる。仕分け信号は、制御ユニット8および/またはMES5に送信することができ、下流の工程をトリガすることができる。
【0076】
第1の仕分け画像データセットおよび第2の仕分け画像データセットの比較は、除去されている加工片の形状または仕分け台上にブランクのまま残されている領域の形状を検出するための画像処理、および/または、検出されている形状を、処理プログラム内に記憶されている形状と比較するための画像処理を含むことができる。
【0077】
さらに、オペレータによる除去されている加工片の後続の処理段階への割り当てを支援するために、仕分け信号に応じて配置信号を出力することができる(ステップ59)。例えば、注文による除去されている加工片の配置は、注文に対応する加工片回収点において促される。これは、例えば、関連付けられるクレートを光らせること、クレートと関連付けられるディスプレイ上の特別な表示、および/または、関連付けられるクレートのマーキングを、データグラスの表示に融合することを含み得る。
【0078】
オペレータによって実行される除去されている加工片の配置工程(ステップ60)を監視することができる(ステップ61)配置動作を監視することは、例えば、特定の加工片回収点の重量を監視すること、および/または、除去されている加工片もしくは移動を引き起こす物体の移動軌道もしくは移動軌道の一部分を監視することを含む(例えば、図4を参照されたい)。
【0079】
配置動作が、仕分け信号と関連付けられる配置動作に対応する場合、例えば、ここでも点滅信号、例えば加工片回収点ユニットのディスプレイ上の特別な出力、および/または、データグラスの表示内のマーキングによって、仕分け完了信号を出力することができる(ステップ63)。例えば、加工片回収点特有の表示を、除去されている加工片の配置に関して更新することができる(ステップ65)。
【0080】
配置動作が、仕分け信号と関連付けられる配置動作から逸脱する場合、例えば、ここでも加工片回収点ユニットにおける点滅信号、加工片回収点ユニットにあるディスプレイ上の特別な出力、および/または、データグラスの表示内のマーキングによって、エラー信号を出力することができる(ステップ67)。仕分け信号に割り当てられている正確な配置動作に関する情報も、同時に繰り返し表示することができる。
【0081】
加えて、例えば、配置動作中に、少なくとも1つの除去されている加工片がオペレータによって廃棄物回収点に配置されたか否かを監視することができる(ステップ69)。除去されている加工片は、MES5によって廃棄部品として示され、例えば、任意選択的に、欠品のリストに入れられる(ステップ71)。
【0082】
検出されている廃棄部品に対する補完製造信号を、製造制御システムに出力することができる。ここで、例えば、除去されている加工片の製造パラメータが、後続の処理計画と比較される。製造パラメータが後続する処理計画と対応する場合、かつ、除去されている加工片の新たな製造が利用可能である場合、後続の処理計画は、廃棄部品に対する差し替え加工片の製造のための製造段階によって補完することができる(ステップ73)。差し替え加工片の生成はまた、後に後続する処理計画において可能にされ得る。
【0083】
図6の破線の経路によって示されるように、仕分け動作の連続的なリアルタイムの監視および支援を保証するために、方法の様々なステップは繰り返すことができる。
【0084】
開示されている加工片回収点ユニット13、平台機械工具3、通信システムおよび/または方法はまた、特に、5つ以上の角および/または5つ以上の辺を有する加工片9および/または成形部品a、b、cに使用することもできる。
【0085】
本明細書および/または特許請求の範囲に開示されているすべての特徴は、元の開示の目的のために、ならびに、実施形態および/または特許請求の範囲内の特徴の組成とは無関係に特許請求される発明を制限する目的のために、別個にかつ互いから独立して開示されるように意図されていることは明示的に述べておく。すべての値範囲またはエンティティのグループの指示は、特に値範囲の制限として、元の開示の目的のために、および、特許請求される発明を制限する目的のために、すべての可能な中間値または中間エンティティを開示することは明示的に述べておく。
図1
図2
図3
図4
図5
図6