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特許6993086接合構造体の製造方法、熱転写表面改質シート、および熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂
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  • 特許-接合構造体の製造方法、熱転写表面改質シート、および熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂 図1
  • 特許-接合構造体の製造方法、熱転写表面改質シート、および熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】接合構造体の製造方法、熱転写表面改質シート、および熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂
(51)【国際特許分類】
   C08J 7/043 20200101AFI20220105BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20220105BHJP
   C09J 201/02 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
C08J7/043 Z CER
C08J7/043 Z CEZ
B32B27/00 D
B32B27/00 M
C09J201/02
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2017004168
(22)【出願日】2017-01-13
(65)【公開番号】P2017128722
(43)【公開日】2017-07-27
【審査請求日】2019-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2016005006
(32)【優先日】2016-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100121636
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌靖
(72)【発明者】
【氏名】岡田 研一
(72)【発明者】
【氏名】下北 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 亜樹子
(72)【発明者】
【氏名】船津 絵里子
(72)【発明者】
【氏名】五味 明日香
(72)【発明者】
【氏名】島津 彰
【審査官】大村 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-096689(JP,A)
【文献】特開平02-001303(JP,A)
【文献】特開2010-234346(JP,A)
【文献】特開平11-020103(JP,A)
【文献】国際公開第2008/075461(WO,A1)
【文献】特開2015-223552(JP,A)
【文献】特開2005-319714(JP,A)
【文献】特開平07-097465(JP,A)
【文献】特開2004-213990(JP,A)
【文献】特開2005-297303(JP,A)
【文献】特開2006-292939(JP,A)
【文献】特開2000-223374(JP,A)
【文献】特開平02-080229(JP,A)
【文献】特開2010-195862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 7/04- 7/06
B32B 1/00-43/00
B29C 63/00-63/48
B29C 65/00-65/82
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
融点がT℃の熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂であり、
離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートの該易接着層側を、前記熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に載置することにより、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設け、(T-50)℃以上の温度で加熱溶着を行うことにより得られる表面改質熱可塑性樹脂(A)を、接着剤層を介して被着体に積層させた接合構造体の製造方法であって、
前記加熱溶着の後、離型シートが除去され、
表面改質熱可塑性樹脂(A)の易接着層側の面に接着剤層を設けて被着体に接合させる、
接合構造体の製造方法。
【請求項2】
前記加熱溶着が加熱プレスによって行われる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記加熱プレスによって前記熱可塑性樹脂の成型加工がなされる、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記易接着層がポリマー成分を含み、該ポリマー成分が非極性ユニットと極性基を備える極性ユニットとを有する、請求項1からまでのいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記ポリマー成分が、メトキシメチル基含有ポリマー、水酸基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、アミノ基含有ポリマーから選ばれる少なくとも1種である、請求項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記易接着層が、3級アミン含有化合物、強酸から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1からまでのいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
前記接着剤層の成分が極性基と反応する官能基を有する、請求項1からまでのいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
前記被着体が、
融点がT℃の熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂であって、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設け、(T-50)℃以上の温度で加熱溶着を行うことにより得られる表面改質熱可塑性樹脂(B)であり、該被着体である該表面改質熱可塑性樹脂(B)における易接着層側の面に接着剤層を積層させる、請求項1からまでのいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
前記表面改質熱可塑性樹脂(A)を構成する熱可塑性樹脂が、前記表面改質熱可塑性樹脂(B)を構成する熱可塑性樹脂と異なる、請求項に記載の製造方法。
【請求項10】
離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートであって、請求項1に記載の製造方法で用いられる、熱転写表面改質シート。
【請求項11】
前記易接着層がポリマー成分を含み、該ポリマー成分が非極性ユニットと極性基を備える極性ユニットを有する、請求項10に記載の熱転写表面改質シート。
【請求項12】
前記ポリマー成分が、メトキシメチル基含有ポリマー、水酸基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、アミノ基含有ポリマーから選ばれる少なくとも1種である、請求項11に記載の熱転写表面改質シート。
【請求項13】
前記易接着層が、3級アミン含有化合物、強酸から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項10から12までのいずれかに記載の熱転写表面改質シート。
【請求項14】
請求項10から13までのいずれかに記載の熱転写表面改質シートの易接着層側が熱可塑性樹脂の表面側になるように該熱転写表面改質シートが該熱可塑性樹脂の表面に載置された、熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面改質熱可塑性樹脂の製造方法、接合構造体の製造方法、接合構造体、熱転写表面改質シート、熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂、および、表面改質熱可塑性樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両、航空機、船舶、自動車などの輸送機器においては、従来、その構成材料として、鉄やアルミニウムなどの金属が一般に用いられている。鉄やアルミニウムなどの金属を構成材料として輸送機器を製造する場合、鉄やアルミニウムなどの金属を他の被着体に十分に接着させる必要がある。このような接着剤としては、従来、ゴムエポキシ系の硬化性樹脂組成物が汎用されている(例えば、特許文献1など)。
【0003】
近年、燃費向上等のため、このような輸送機器の軽量化が求められている。輸送機器の軽量化のためには、その構成材料の軽量化が重要な鍵となる。
【0004】
鉄やアルミニウムなどの金属に代わり得る軽量材料として、繊維強化プラスチック(FRP)が挙げられる。特に、輸送機器の構成材料としては、成形のし易さ等の要求から、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用いた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)が好ましい軽量材料として挙げられる。
【0005】
しかしながら、熱可塑性樹脂は接着剤となじみにくく、汎用の接着剤や接着シートを用いても十分な接着強度が得られない。このような接着強度を得るための常套手段として、熱可塑性樹脂の表面に適切なプライマー溶液を塗布する技術(例えば、特許文献2など)があるが、耐溶剤性の高い樹脂(例えば、PPS、PA、PPなど)の場合、十分な接着強度を発現できないという問題がある。
【0006】
また、プライマー溶液を塗布する技術の他にも、熱可塑性樹脂に十分な接着強度を付与するための手段として、サンドブラスト処理、コロナ処理、プラズマ処理などの各種表面処理方法が知られている。しかし、このような表面処理方法においては、表面処理工程および乾燥工程を設けなければならず、生産性が低下するという問題がある。
【0007】
さらに、熱可塑性樹脂を金型で成形加工する際には離型剤を用いることが必要であるが、この離型剤により熱可塑性樹脂の表面が汚染されるため、熱可塑性樹脂に十分な接着強度を付与することができない。このため、離型剤を除去するための洗浄処理工程や研磨処理工程が必要となる。その結果、これらの工程を行うための設備投資やランニング費用など、コスト上昇という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第3229467号公報
【文献】特開2000-226536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、熱可塑性樹脂に十分な接着強度が付与された表面改質熱可塑性樹脂の製造方法を提供することにある。また、本発明は、そのような製造方法で得られる表面改質熱可塑性樹脂を、接着剤層を介して被着体に積層させた、十分な接着強度を発現できる接合構造体の製造方法を提供することにある。また、本発明は、十分な接着強度を発現できる接合構造体を提供することにある。さらに、本発明は、表面改質熱可塑性樹脂の製造方法に好ましく採用し得る熱転写表面改質シートを提供することにある。さらに、本発明は、そのような熱転写表面改質シートを有する熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂を提供することにある。さらに、本発明は、熱可塑性樹脂に十分な接着強度が付与された表面改質熱可塑性樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法は、
融点がT℃の熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂の製造方法であって、
熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設け、(T-50)℃以上の温度で加熱溶着を行う。
【0011】
一つの実施形態としては、上記加熱溶着が加熱プレスによって行われる。
【0012】
一つの実施形態としては、上記加熱プレスによって前記熱可塑性樹脂の成型加工がなされる。
【0013】
一つの実施形態としては、離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートの該易接着層側を、上記熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に載置することにより易接着層を設ける。
【0014】
一つの実施形態としては、上記加熱溶着の後、離型シートが除去される。
【0015】
本発明の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法は、
熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂の製造方法であって、
熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部を溶融状態とした後、該熱可塑性樹脂の溶融状態の表面に易接着層を設ける。
【0016】
一つの実施形態としては、上記易接着層がポリマー成分を含み、該ポリマー成分が非極性ユニットと極性基を備える極性ユニットを有する。
【0017】
一つの実施形態としては、上記ポリマー成分が、メトキシメチル基含有ポリマー、水酸基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、アミノ基含有ポリマーから選ばれる少なくとも1種である。
【0018】
一つの実施形態としては、上記易接着層が、3級アミン含有化合物、強酸から選ばれる少なくとも1種を含む。
【0019】
本発明の接合構造体の製造方法は、
本発明の製造方法で得られる表面改質熱可塑性樹脂(A)を、接着剤層を介して被着体に積層させた接合構造体の製造方法であって、
表面改質熱可塑性樹脂(A)の易接着層側の面に接着剤層を設けて被着体に接合させる。
【0020】
一つの実施形態としては、上記接着剤層の成分が極性基と反応する官能基を有する。
【0021】
一つの実施形態としては、上記被着体が、本発明の製造方法で得られる表面改質熱可塑性樹脂(B)であり、該被着体である該表面改質熱可塑性樹脂(B)における易接着層側の面に接着剤層を積層させる。
【0022】
一つの実施形態としては、上記表面改質熱可塑性樹脂(A)を構成する熱可塑性樹脂が、上記表面改質熱可塑性樹脂(B)を構成する熱可塑性樹脂と異なる。
【0023】
本発明の接合構造体は、
熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂と、接着剤層と、熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂と、をこの順に有する接合構造体であって、
該2つの表面改質熱可塑性樹脂同士の25℃、引張速度5mm/minにおける引っ張りせん断接着力をP(Pa)とし、該表面改質熱可塑性樹脂を構成する熱可塑性樹脂と接着剤層と該表面改質熱可塑性樹脂を構成する熱可塑性樹脂とをこの順に有する接合構造体における該2つの熱可塑性樹脂同士の25℃、引張速度5mm/minにおける引っ張りせん断接着力をP0(Pa)としたときに、P/P0>2である。
【0024】
本発明の接合構造体は、
熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂と、接着剤層と、熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂と、をこの順に有する接合構造体であって、
該2つの表面改質熱可塑性樹脂同士を25℃、引張速度5mm/minにおいて引張り、接合構造体を破壊した際に、該接着剤層および該2つの表面改質熱可塑性樹脂の少なくとも1つで破壊が生じる。
【0025】
本発明の熱転写表面改質シートは、離型シートと易接着層の積層体である。
【0026】
一つの実施形態としては、本発明の熱転写表面改質シートは、本発明の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法で用いられる。
【0027】
一つの実施形態としては、上記易接着層がポリマー成分を含み、該ポリマー成分が非極性ユニットと極性基を備える極性ユニットを有する。
【0028】
一つの実施形態としては、上記ポリマー成分が、メトキシメチル基含有ポリマー、水酸基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、アミノ基含有ポリマーから選ばれる少なくとも1種である。
【0029】
一つの実施形態としては、上記易接着層が、3級アミン含有化合物、強酸から選ばれる少なくとも1種を含む。
【0030】
本発明の熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂は、本発明の熱転写表面改質シートの易接着層側が熱可塑性樹脂の表面側になるように該熱転写表面改質シートが該熱可塑性樹脂の表面に載置されたものである。
【0031】
本発明の表面改質熱可塑性樹脂は、
熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂であって、
熱可塑性樹脂と易接着層との間に、該熱可塑性樹脂と該易接着層とが混合した混合層を備え、
該混合層の厚さが1.5nm以上である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、熱可塑性樹脂に十分な接着強度が付与された表面改質熱可塑性樹脂の製造方法を提供することができる。また、本発明は、そのような製造方法で得られる表面改質熱可塑性樹脂を、接着剤層を介して被着体に積層させた、十分な接着強度を発現できる接合構造体の製造方法を提供することができる。また、本発明は、十分な接着強度を発現できる接合構造体を提供することができる。さらに、本発明は、表面改質熱可塑性樹脂の製造方法に好ましく採用し得る熱転写表面改質シートを提供することができる。さらに、本発明は、そのような熱転写表面改質シートを有する熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂を提供することができる。さらに、本発明は、熱可塑性樹脂に十分な接着強度が付与された表面改質熱可塑性樹脂を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】表面改質熱可塑性樹脂の一例を示す概略断面図である。
図2】熱転写表面改質シートの一例を示す概略断面図である。
図3】離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートの該易接着層側を該熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に載置する形態を示す概略断面図である。
図4】接合構造体の一つの実施形態を示す概略断面図である。
図5】熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂一つの実施形態を示す概略断面図である。
図6】実施例、比較例で作製する接合構造体の一つの実施形態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
≪本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法≫
本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法は、熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂の製造方法である。すなわち、本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法は、熱可塑性樹脂の表面を処理する方法(熱可塑性樹脂の表面処理方法)でもあり得る。
【0035】
本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、強い接着強度が得られるとともに、好ましくは、従来行われていたような表面処理工程を削減できる。また、本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法の一つの実施形態においては、成形加工と同時に表面処理を行うことにより、離型剤の使用が不要となり、離型剤除去工程(サンドブラスト処理、脱脂処理など)を削減できる。
【0036】
本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、熱可塑性樹脂の融点をT℃としたとき、該熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設け、(T-50)℃以上の温度で加熱溶着を行う。このような方法で熱可塑性樹脂の表面処理を行うことにより、熱可塑性樹脂に十分な接着強度を付与することができ、好ましくは、このような付与を高い生産性と低コストで行うことができる。
【0037】
本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設ける。
【0038】
「熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部」とは、熱可塑性樹脂が有する全ての表面の中の少なくとも一部を意味する。例えば、熱可塑性樹脂が板状やシート状やフィルム状の場合は、その少なくとも一方の表面の一部や、その少なくとも一方の表面の全部などを意味する。
【0039】
熱可塑性樹脂としては、本発明の効果を発現し得る範囲で、任意の適切な熱可塑性樹脂を採用し得る。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、POM(ポリアセタール)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PC(ポリカーボネート)などが挙げられる。これらの樹脂の中でも、本発明の効果を有利に発現し得る熱可塑性樹脂としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)が挙げられる。
【0040】
熱可塑性樹脂としては、繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)を採用し得る。
【0041】
繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)としては、例えば、炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂(GFRTP)などが挙げられる。
【0042】
炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)としては、任意の適切な炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)を採用し得る。このような炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)としては、例えば、PPS系炭素繊維強化熱可塑性樹脂、PA系炭素繊維強化熱可塑性樹脂、PP系炭素繊維強化熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0043】
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂(GFRTP)としては、任意の適切なガラス繊維強化熱可塑性樹脂(GFRTP)を採用し得る。このようなガラス繊維強化熱可塑性樹脂(GFRTP)としては、例えば、PPS系ガラス繊維強化熱可塑性樹脂、PA系ガラス繊維強化熱可塑性樹脂、PP系ガラス繊維強化熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0044】
熱可塑性樹脂の形状としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な形状を採用し得る。このような形状としては、例えば、平面を有する板状、曲面を有する板状、シート状、フィルム状などが挙げられる。
【0045】
熱可塑性樹脂の厚みは、目的に応じて、また、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、例えば、0.001mm~10mmである。
【0046】
本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法において、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設ける方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層の材料と溶剤を含む溶液を塗布する方法、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を溶融押出する方法、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部にシート形態の易接着層を積層する方法などが挙げられる。
【0047】
易接着層の材料と溶剤を含む溶液の塗布の方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、易接着層の材料と溶剤を含む溶液への熱可塑性樹脂のディッピング、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部への易接着層の材料と溶剤を含む溶液の刷毛塗り、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部への易接着層の材料と溶剤を含む溶液の各種コーターによる塗布、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部への易接着層の材料と溶剤を含む溶液のスプレー塗布などが挙げられる。
【0048】
易接着層の材料と溶剤を含む溶液としては、易接着層の材料を、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な溶剤に溶解した溶液が挙げられる。
【0049】
このような溶剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な溶剤を採用し得る。このような溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;メチルエチルケトンなどのケトン類;エステル;脂肪族、脂環族、並びに芳香族炭化水素;ハロゲン化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;などが挙げられる。溶剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0050】
易接着層の材料と溶剤を含む溶液における固形分濃度は、目的に応じて適宜設定し得る。取り扱い性の簡便さ等の観点から、このような固形分濃度は、重量割合として、好ましくは0.01重量%~20重量%であり、より好ましくは0.05重量%~10重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%~5重量%である。
【0051】
易接着層の材料と溶剤を含む溶液には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分が含まれていても良い。
【0052】
易接着層(易接着層の材料であってもよい)は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な構成成分を有する。このような構成成分は、好ましくは、ポリマー成分を含み、該ポリマー成分が非極性ユニットと極性基を備える極性ユニットを有する。易接着層中の上記ポリマー成分の含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは70重量%~100重量%であり、さらに好ましくは90重量%~100重量%であり、特に好ましくは92重量%~100重量%であり、最も好ましくは95重量%~100重量%である。
【0053】
ポリマー成分における非極性ユニットとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な、非極性のポリマーユニットを採用し得る。このような非極性ユニットとしては、例えば、ポリエチレンユニット、ポリプロピレンユニット、ポリスチレンユニットなどが挙げられる。非極性ユニットは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0054】
ポリマー成分における極性基を備える極性ユニットとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な、極性基を備えるポリマーユニットを採用し得る。このような極性基としては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、ニトリル基、アミド基、エステル基、水酸基、酸無水物、シラノール基などが挙げられる。このような極性基を有する極性ユニットとしては、例えば、グリシジルメタクリレートユニット、酢酸ビニルユニット、アクリロニトリルユニット、アミドユニット、(メタ)アクリル酸エステルユニット、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートユニット、無水マレイン酸ユニットなどが挙げられる。極性ユニットは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0055】
易接着層(易接着層の材料であってもよい)が含み得るポリマー成分は、メトキシメチル基含有ポリマー、水酸基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、アミノ基含有ポリマーから選ばれる少なくとも1種であってもよい。
【0056】
易接着層(易接着層の材料であってもよい)が含み得るこのようなポリマー成分は、好ましくは、付加型硬化剤であり、より好ましくは、エポキシ基と反応する付加型硬化剤である。
【0057】
メトキシメチル基含有ポリマーとしては、メトキシメチル基(-CH-OCH)を含有するポリマーであれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリマーを採用し得る。このようなメトキシメチル基含有ポリマーとしては、例えば、メトキシメチル化ポリアミド樹脂などが挙げられる。
【0058】
メトキシメチル基含有ポリマーとしては、市販品を採用してもよい。このような市販品としては、例えば、「Fine Resin」(登録商標)シリーズ(株式会社鉛市製)などが挙げられる。
【0059】
メトキシメチル基含有ポリマーは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
【0060】
メトキシメチル基含有ポリマーは、本発明の効果をより発現させ得る点で、その重量平均分子量(Mw)が、好ましくは1000~1000000であり、より好ましくは3000~500000であり、さらに好ましくは5000~100000であり、特に好ましくは7000~70000であり、最も好ましくは10000~50000である。重量平均分子量(Mw)の測定方法については後述する。
【0061】
水酸基含有ポリマーとしては、水酸基(-OH)を含有するポリマーであれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリマーを採用し得る。このような水酸基含有ポリマーとしては、例えば、水酸基含有アクリル系ポリマーなどが挙げられる。
【0062】
水酸基含有ポリマーとしては、市販品を採用してもよい。このような市販品としては、例えば、「ARUFON(登録商標) UH-2000シリーズ」(東亜合成株式会社製)などが挙げられる。
【0063】
水酸基含有ポリマーは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
【0064】
水酸基含有ポリマーは、本発明の効果をより発現させ得る点で、その重量平均分子量(Mw)が、好ましくは500~1000000であり、より好ましくは700~500000であり、さらに好ましくは1000~100000であり、特に好ましくは1500~70000であり、最も好ましくは2000~50000である。重量平均分子量(Mw)の測定方法については後述する。
【0065】
カルボキシル基含有ポリマーとしては、カルボキシル基(-COOH)を含有するポリマーであれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリマーを採用し得る。このようなカルボキシル基含有ポリマーとしては、例えば、カルボキシル基含有アクリル系ポリマーなどが挙げられる。
【0066】
カルボキシル基含有ポリマーとしては、市販品を採用してもよい。このような市販品としては、例えば、「ARUFON(登録商標) UC-3000シリーズ」(東亜合成株式会社製)などが挙げられる。
【0067】
カルボキシル基含有ポリマーは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
【0068】
カルボキシル基含有ポリマーは、本発明の効果をより発現させ得る点で、その重量平均分子量(Mw)が、好ましくは500~1000000であり、より好ましくは700~500000であり、さらに好ましくは1000~100000であり、特に好ましくは1500~70000であり、最も好ましくは2000~50000である。重量平均分子量(Mw)はGPC測定におけるポリスチレン換算分子量を用いた。
【0069】
アミノ基含有ポリマーとしては、アミノ基(-NH)を含有するポリマーであれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリマーを採用し得る。
【0070】
アミノ基含有ポリマーとしては、市販品を採用してもよい。
【0071】
アミノ基含有ポリマーは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
【0072】
易接着層(易接着層の材料であってもよい)は、3級アミン含有化合物、強酸から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0073】
易接着層(易接着層の材料であってもよい)が含み得るこのような3級アミン含有化合物や強酸は、好ましくは、触媒型硬化剤であり、より好ましくは、エポキシ基と反応する触媒型硬化剤である。
【0074】
3級アミン含有化合物としては、3級アミンを含有する化合物であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な化合物を採用し得る。このような3級アミン含有化合物としては、例えば、イミダゾール誘導体、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
【0075】
3級アミン含有化合物としては、市販品を採用してもよい。このような市販品としては、例えば、イミダゾール誘導体として、「キュアゾール」シリーズ(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤、四国化成工業株式会社製)などが挙げられ、ポリエチレンイミンとして、「エポミン」(登録商標)シリーズ(株式会社日本触媒製)などが挙げられる。
【0076】
3級アミン含有化合物は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
【0077】
強酸としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な強酸を採用し得る。このような強酸としては、例えば、トリフルオロボラン、イオン液体、ナフィオンなどが挙げられる。
【0078】
イオン液体としては、例えば、BF-CNH、HMI-PFなどが挙げられる。
【0079】
強酸としては、市販品を採用してもよい。
【0080】
強酸は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
【0081】
熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層の材料と溶剤を含む溶液を塗布した場合は、その後、溶剤の少なくとも一部を乾燥によって除去する。このような乾燥においては、溶剤の少なくとも一部が除去されればよいが、溶剤の50重量%以上が除去されることが好ましく、溶剤の80重量%以上が除去されることがより好ましく、溶剤の90重量%以上が除去されることがさらに好ましく、溶剤の95重量%以上が除去されることが特に好ましく、全ての溶剤が除去されることが最も好ましい。
【0082】
乾燥の方法としては、オーブン加熱、赤外線加熱、高周波加熱など、溶剤を除去させることができる方法であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。また、乾燥温度としては、用いる溶剤の沸点に応じて、任意の適切な温度を適宜設定し得る。
【0083】
易接着層を溶融押出する方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、易接着層の材料を、溶融押出機等によって、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に溶融押出する方法などが挙げられる。
【0084】
シート形態の易接着層を積層する方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に、<本発明の第三の表面処理方法>の項で詳述するような熱転写表面改質シート(離型シートと易接着層の積層体)の易接着層側を積層する方法などが挙げられる。
【0085】
本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、熱可塑性樹脂の融点をT℃としたとき、該熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設け、(T-50)℃以上の温度で加熱溶着を行う。この加熱溶着の温度は、好ましくは(T-50)℃~(T+150)℃であり、より好ましくは(T-25)℃~(T+100)℃であり、さらに好ましくは(T-10)℃~(T+75)℃であり、特に好ましくは(T)℃~(T+50)℃である。加熱溶着温度を上記範囲内として、上記のような方法で熱可塑性樹脂の表面処理を行うことにより、易接着層と熱可塑性樹脂の界面が溶融接触して溶着混合し、熱可塑性樹脂に十分な接着強度を付与することができ、好ましくは、このような付与を高い生産性と低コストで行うことができる。
【0086】
加熱溶着の方法としては、本発明の効果を発現し得る範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、オーブン加熱、赤外線加熱、高周波加熱、加熱プレスなどが挙げられ、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは加熱プレスである。
【0087】
加熱溶着の時間は、本発明の効果を発現し得る範囲で、任意の適切な時間を採用し得る。本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1秒~10分である。
【0088】
本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法により、図1に示すように、熱可塑性樹脂100の表面に易接着層10が設けられ、表面改質熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂と易接着層の積層部材と称することもある)が得られる。なお、図1においては、熱可塑性樹脂100の表面に易接着層10が積層されているが、好ましくは、熱可塑性樹脂100と易接着層10との間に、該熱可塑性樹脂と該易接着層とが混合した混合層(図示せず)を備える。この混合層の厚さは、好ましくは1.5nm以上であり、より好ましくは2.0nm以上である。
【0089】
易接着層の厚みは、目的に応じて、また、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは0.001μm~100μmであり、より好ましくは0.01μm~10μmであり、さらに好ましくは0.05μm~5μmであり、特に好ましくは0.1μm~3μmである。
【0090】
<本発明の第二の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>
本発明の第二の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法は、熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂の製造方法である。すなわち、本発明の第二の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法は、熱可塑性樹脂の表面を処理する方法(熱可塑性樹脂の表面処理方法)でもあり得る。
【0091】
本発明の第二の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部を溶融状態とした後、該熱可塑性樹脂の溶融状態の表面に易接着層を設ける。このような方法で熱可塑性樹脂の表面処理を行うことにより、熱可塑性樹脂に十分な接着強度を付与することができ、好ましくは、このような付与を高い生産性と低コストで行うことができる。
【0092】
本発明の第二の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部を溶融状態とする。
【0093】
「熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部」としては、<本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>の項における説明をそのまま援用し得る。
【0094】
熱可塑性樹脂としては、<本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>の項における説明をそのまま援用し得る。
【0095】
「溶融状態」とは、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部が溶融した状態であり、好ましくは、熱可塑性樹脂をその融点以上の温度にすることによって成し得る。
【0096】
本発明の第二の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部を溶融状態とした後、該熱可塑性樹脂の溶融状態の表面に易接着層を設ける。熱可塑性樹脂の溶融状態の表面に易接着層を設けることにより、熱可塑性樹脂の表面の熱によって易接着層が溶着混合し、熱可塑性樹脂に十分な接着強度を付与することができ、好ましくは、このような付与を高い生産性と低コストで行うことができる。
【0097】
易接着層としては、<本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>の項における説明をそのまま援用し得る。
【0098】
本発明の第二の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法において、熱可塑性樹脂の溶融状態の表面に易接着層を設ける方法としては、例えば、離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートの該易接着層側を熱可塑性樹脂の溶融状態の表面に載置する方法が挙げられる。このような方法により、熱可塑性樹脂により十分な接着強度を付与することができ、好ましくは、このような付与を高い生産性と低コストで行うことができる。離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートやその載置の仕方については<本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>の項において詳述する。
【0099】
<本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>
本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法は、熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂の製造方法である。すなわち、本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法は、熱可塑性樹脂の表面を処理する方法(熱可塑性樹脂の表面処理方法)でもあり得る。
【0100】
本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に、離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートの該易接着層側を載置し、加熱溶着を行う。このような方法で熱可塑性樹脂の表面処理を行うことにより、熱可塑性樹脂に十分な接着強度を付与することができ、好ましくは、このような付与を高い生産性と低コストで行うことができる。
【0101】
本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に、離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートの該易接着層側を載置する。
【0102】
「熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部」としては、<本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>の項における説明をそのまま援用し得る。
【0103】
熱可塑性樹脂としては、<本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>の項における説明をそのまま援用し得る。
【0104】
易接着層としては、<本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>の項における説明をそのまま援用し得る。
【0105】
離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートは、図2に示すように、離型シート20と易接着層10の積層体である熱転写表面改質シート200である。
【0106】
本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法において、離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートの該易接着層側を該熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に載置する形態は、図3に示すように、熱転写表面改質シート200を、該熱転写表面改質シート200の易接着層10側が熱可塑性樹脂100の表面側になるように該熱転写表面改質シート200を該熱可塑性樹脂100の表面に載置させた形態である。
【0107】
熱転写表面改質シートは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法によって製造し得る。このような方法としては、例えば、易接着層の材料と溶剤を含む溶液への離型シートのディッピングの後に必要に応じて乾燥する方法、離型シートの表面への易接着層の材料と溶剤を含む溶液の刷毛塗りの後に必要に応じて乾燥する方法、離型シートの表面への易接着層の材料と溶剤を含む溶液の各種コーターによる塗布の後に必要に応じて乾燥する方法、離型シートの表面への易接着層の材料と溶剤を含む溶液のスプレー塗布の後に必要に応じて乾燥する方法などが挙げられる。なお、「易接着層の材料と溶剤を含む溶液」については、<本発明の第一の表面処理方法>の項における説明をそのまま採用し得る。
【0108】
離型シートとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な離型シートを採用し得る。このような離型シートとしては、例えば、フッ素樹脂シートフィルム(日東電工製、ニトフロン)、ポリエステル樹脂シート、ポリメチルペンテン樹脂シート(三井化学東セロ製、オピュラン(登録商標))、ポリスチレン樹脂シート(クラボウ製、オイディス(登録商標))などが挙げられる。離型シートの厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1μm~1000μmであり、より好ましくは10μm~500μmであり、さらに好ましくは20μm~250μmであり、特に好ましくは50μm~200μmである。
【0109】
本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法において、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設ける際は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な装置を採用し得る。例えば、成形加工機(例えば、プレス機など)内において熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設けることが挙げられる。
【0110】
本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、該熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に、上記熱転写表面改質シートの易接着層側を載置し、加熱溶着を行う。このような加熱溶着は、熱転写表面改質シートの載置と同時に行ってもよいし、熱転写表面改質シートを載置した後に行ってもよい。
【0111】
本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法における加熱溶着の代表的な態様としては、例えば、成形加工機(例えば、プレス機など)内で、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に熱転写表面改質シートの易接着層側を載置し、加熱を伴う成形加工(例えば、加熱プレス)を行う態様である。このような態様によれば、熱可塑性樹脂の表面処理とともに、熱可塑性樹脂の成型加工も同時に行うことができるため、高い生産性と低コストを提供できる。
【0112】
本発明の第三の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法においては、加熱溶着は、熱可塑性樹脂の融点をT℃としたとき、好ましくは、(T-50)℃以上の温度で加熱溶着を行う。この加熱溶着の温度は、より好ましくは(T-50)℃~(T+150)℃であり、さらに好ましくは(T-25)℃~(T+100)℃であり、特に好ましくは(T-10)℃~(T+75)℃であり、最も好ましくは(T)℃~(T+50)℃である。加熱溶着温度を上記範囲内とすることにより、熱転写表面改質シートが有する易接着層と熱可塑性樹脂の界面が溶融接触して溶着混合し、熱可塑性樹脂により十分な接着強度を付与することができ、好ましくは、このような付与を高い生産性と低コストで行うことができる。
【0113】
加熱溶着の方法としては、本発明の効果を発現し得る範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、オーブン加熱、赤外線加熱、高周波加熱、加熱プレスなどが挙げられ、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは加熱プレスである。
【0114】
加熱溶着の時間は、本発明の効果を発現し得る範囲で、任意の適切な時間を採用し得る。本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1秒~10分である。
【0115】
離型シートと易接着層の積層体である熱転写表面改質シートの該易接着層側を熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に載置し、加熱溶着した後、好ましくは、離型シートが除去される。このように離型シートが除去されることにより、熱可塑性樹脂の表面に易接着層が転写され、表面改質熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂と易接着層の積層部材と称することもある)が得られる。なお、前述したように、好ましくは、熱可塑性樹脂と易接着層との間に、該熱可塑性樹脂と該易接着層とが混合した混合層を備える。この混合層の厚さは、好ましくは1.5nm以上であり、より好ましくは2.0nm以上である。
【0116】
≪熱可塑性樹脂の接合方法≫
本発明の熱可塑性樹脂の接合方法は、本発明の表面処理方法で得られる表面処理された熱可塑性樹脂の表面処理面に接着剤層を設けて被着体に接合させる。本発明の熱可塑性樹脂の接合方法においては、該熱可塑性樹脂が本発明の表面処理方法で表面処理されたものであるため、接着剤層とのなじみがよく、各種被着体と良好に接合することが可能となる。
【0117】
接着剤層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な接着剤層を採用し得る。本発明の効果をより発現させ得る点で、このような接着剤層は、好ましくは、該接着剤層の成分が極性基と反応する官能基を有する。このような接着剤層を採用すると、本発明の効果がより一層発現し得る。
【0118】
極性基と反応する官能基としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な官能基を採用し得る。このような官能基としては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、シラノール基、イソシアネート基などが挙げられる。このような官能基の中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、エポキシ基である。
【0119】
接着剤層の厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1μm~5000μmであり、より好ましくは10μm~2000μmであり、さらに好ましくは50μm~1000μmであり、特に好ましくは100μm~500μmである。
【0120】
≪表面改質熱可塑性樹脂≫
本発明の表面改質熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂であって、熱可塑性樹脂と易接着層との間に、該熱可塑性樹脂と該易接着層とが混合した混合層を備え、該混合層の厚さが1.5nm以上である。
【0121】
熱可塑性樹脂としては、<本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>の項における説明をそのまま援用し得る。
【0122】
易接着層としては、<本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>の項における説明をそのまま援用し得る。
【0123】
混合層は、熱可塑性樹脂と該易接着層とが混合した層であり、代表的には、熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設けて加熱溶着を行うことによって、易接着層と熱可塑性樹脂の界面が溶融接触して溶着混合し、それによって得られる溶着混合部分の層である。
【0124】
混合層の厚みは、加熱溶着の条件や、熱可塑性樹脂や易接着層の種類に応じて、適宜決定し得る。混合層の厚みは、好ましくは1.5nm以上であり、より好ましくは2.0nm以上である。
【0125】
本発明の表面改質熱可塑性樹脂において、熱可塑性樹脂の厚みは、目的に応じて、また、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、例えば、0.001mm~10mmである。
【0126】
本発明の表面改質熱可塑性樹脂において、易接着層の厚みは、目的に応じて、また、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは0.001μm~100μmであり、より好ましくは0.01μm~10μmであり、さらに好ましくは0.05μm~5μmであり、特に好ましくは0.1μm~3μmである。
【0127】
本発明の表面改質熱可塑性樹脂は、好ましくは、本発明の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法によって得られる。
【0128】
≪接合構造体の製造方法≫
本発明の接合構造体の製造方法は、本発明の製造方法で得られる表面改質熱可塑性樹脂(A)を、接着剤層を介して被着体に積層させた接合構造体の製造方法であって、表面改質熱可塑性樹脂(A)の易接着層側の面に接着剤層を設けて被着体に接合させる。
【0129】
接着剤層の成分は、好ましくは、極性基と反応する官能基を有する。このような接着剤層を採用すると、本発明の効果がより一層発現し得る。
【0130】
極性基と反応する官能基としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な官能基を採用し得る。このような官能基としては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、シラノール基、イソシアネート基などが挙げられる。このような官能基の中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、エポキシ基である。
【0131】
接着剤層の厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1μm~5000μmであり、より好ましくは10μm~2000μmであり、さらに好ましくは50μm~1000μmであり、特に好ましくは100μm~500μmである。
【0132】
本発明の接合構造体の製造方法においては、好ましくは、被着体が、本発明の製造方法で得られる表面改質熱可塑性樹脂(B)であり、該被着体である該表面改質熱可塑性樹脂(B)における易接着層側の面に接着剤層を積層させる。ここで、表面改質熱可塑性樹脂(B)は、前述の表面改質熱可塑性樹脂(A)とは別の表面改質熱可塑性樹脂を意味する。この場合、好ましくは、表面改質熱可塑性樹脂(A)を構成する熱可塑性樹脂が表面改質熱可塑性樹脂(B)を構成する熱可塑性樹脂と異なる。このような形態を採用すると、本発明の効果がより一層発現し得る。
【0133】
≪接合構造体≫
本発明の接合構造体は、熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂と、接着剤層と、熱可塑性樹脂に易接着層が積層された表面改質熱可塑性樹脂と、をこの順に有する接合構造体である。2つの表面改質熱可塑性樹脂それぞれの易接着層側が接着剤層に接合している。すなわち、一つの実施形態として、図4に示すように、本発明の接合構造体1000は、表面改質熱可塑性樹脂500と接着剤層300と表面改質熱可塑性樹脂500との積層体である。
【0134】
本発明の接合構造体が有する接着剤層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な接着剤層を採用し得る。本発明の効果をより発現させ得る点で、このような接着剤層は、好ましくは、易接着層が有する極性基と反応する官能基を有する。
【0135】
極性基と反応する官能基としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な官能基を採用し得る。このような官能基としては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、シラノール基、イソシアネート基などが挙げられる。このような官能基の中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、エポキシ基である。
【0136】
接着剤層の厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1μm~5000μmであり、より好ましくは10μm~2000μmであり、さらに好ましくは50μm~1000μmであり、特に好ましくは100μm~500μmである。
【0137】
本発明の接合構造体は、好ましくは、2つの表面改質熱可塑性樹脂同士の25℃、引張速度5mm/minにおける引っ張りせん断接着力をP(Pa)とし、該表面改質熱可塑性樹脂を構成する熱可塑性樹脂と接着剤層と該表面改質熱可塑性樹脂を構成する熱可塑性樹脂とをこの順に有する接合構造体における該2つの熱可塑性樹脂同士の25℃、引張速度5mm/minにおける引っ張りせん断接着力をP0(Pa)としたときに、P/P0>2であり、より好ましくはP/P0>2.5であり、さらに好ましくはP/P0>3.0であり、特に好ましくはP/P0>3.5であり、最も好ましくはP/P0>4.0である。上記P/P0が上記範囲にあることにより、本発明の接合構造体は、より十分な接着強度を発現できる。
【0138】
本発明の接合構造体は、好ましくは、2つの表面改質熱可塑性樹脂同士を25℃、引張速度5mm/minにおいて引張り、接合構造体を破壊した際に、接着剤層および2つの表面改質熱可塑性樹脂の少なくとも1つで破壊が生じる。このような特徴を有することにより、本発明の接合構造体は、より十分な接着強度を発現できる。
【0139】
≪熱転写表面改質シート≫
本発明の熱転写表面改質シートは、離型シートと易接着層の積層体である。具体的には、前述した図2に示すような、離型シート20と易接着層10の積層体である熱転写表面改質シート200である。
【0140】
本発明の熱転写表面改質シートは、好ましくは、その易接着層側を熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に載置し、加熱溶着した後に、前記離型シートを除去することにより、該熱可塑性樹脂の表面に該易接着層が転写され、表面改質熱可塑性樹脂が得られる。このように、本発明の熱転写表面改質シートを用いると、表面改質熱可塑性樹脂を容易に製造することが可能となり、熱可塑性樹脂に十分な接着強度を高い生産性と低コストで付与することができる。
【0141】
易接着層としては、<本発明の第一の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法>の項における説明をそのまま援用し得る。
【0142】
≪熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂≫
本発明の熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂は、本発明の熱転写表面改質シートの易接着層側が熱可塑性樹脂の表面側になるように該熱転写表面改質シートが該熱可塑性樹脂の表面に積層されたものである。すなわち、図5に示すように、本発明の熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂800は、離型シート20と易接着層10の積層体である熱転写表面改質シート200の易接着層10側が熱可塑性樹脂100の表面に積層されたものである。
【0143】
本発明の熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂は、そのまま、本発明の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法に用いることができる。すなわち、例えば、本発明の熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂における熱可塑性樹脂の融点をT℃としたとき、(T-50)℃以上の温度で加熱を行い、その後、好ましくは、離型シートが除去される。このように離型シートが除去されることにより、熱可塑性樹脂の表面に易接着層が設けられ、表面改質熱可塑性樹脂が得られる。このような方法で熱可塑性樹脂の表面処理を行うことにより、該熱可塑性樹脂に十分な接着強度を好ましくは高い生産性と低コストで付与することができる。
【0144】
≪その他≫
本発明の他の好ましい実施形態としては以下のようなものが挙げられる。
【0145】
一つの実施形態として、本発明の第一の表面処理方法は、熱可塑性樹脂の表面を処理する方法であって、該熱可塑性樹脂の融点をT℃としたとき、該熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部に易接着層を設け、(T-50)℃以上の温度で加熱溶着を行う。
【0146】
一つの実施形態として、本発明の第二の表面処理方法は、熱可塑性樹脂の表面を処理する方法であって、該熱可塑性樹脂の表面の少なくとも一部を溶融状態とした後、該熱可塑性樹脂の溶融状態の表面に易接着層を設ける。
【0147】
一つの実施形態としては、上記熱可塑性樹脂の溶融状態の表面に上記易接着層を設ける方法が、離型シートと該易接着層の積層体である熱転写表面改質シートの該易接着層側を該熱可塑性樹脂の溶融状態の表面に載置する方法である。
【0148】
一つの実施形態としては、上記載置の後、離型シートが除去される。
【0149】
一つの実施形態としては、上記易接着層がポリマー成分を含み、該ポリマー成分が非極性ユニットと極性基を備える極性ユニットを有する。
【0150】
一つの実施形態として、本発明の熱可塑性樹脂の接合方法は、本発明の表面処理方法で得られる表面処理された熱可塑性樹脂の表面処理面に接着剤層を設けて被着体に接合させる。
【0151】
一つの実施形態としては、上記接着剤層の成分が極性基と反応する官能基を有する。
【0152】
一つの実施形態として、本発明の積層部材は、本発明の表面処理方法で得られる、熱可塑性樹脂と易接着層の積層部材である。
【0153】
一つの実施形態として、本発明の接合構造体は、本発明の積層部材と接着剤層と本発明の積層部材とをこの順に有する接合構造体であって、該2つの積層部材それぞれの易接着層側が該接着剤層に接合している。
【0154】
一つの実施形態としては、上記接着剤層の成分が極性基と反応する官能基を有する。
【0155】
一つの実施形態としては、上記2つの積層部材同士の25℃、引張速度5mm/minにおける引っ張りせん断接着力をP(Pa)とし、該積層部材を構成する熱可塑性樹脂と接着剤層と該積層部材を構成する熱可塑性樹脂とをこの順に有する接合構造体における該2つの熱可塑性樹脂同士の25℃、引張速度5mm/minにおける引っ張りせん断接着力をP0(Pa)としたときに、P/P0>2である。
【0156】
一つの実施形態として、本発明の熱転写表面改質シートは、離型シートと易接着層の積層体である。
【0157】
一つの実施形態としては、上記易接着層側を表面の少なくとも一部が溶融状態にある熱可塑性樹脂の該溶融状態にある表面に載置させ、上記離型シートを除去することにより、該易接着層が該熱可塑性樹脂の表面に転写される。
【0158】
一つの実施形態としては、上記易接着層がポリマー成分を含み、該ポリマー成分が非極性ユニットと極性基を備える極性ユニットを有する。
【0159】
一つの実施形態として、本発明の熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂は、本発明の熱転写表面改質シートの易接着層側が熱可塑性樹脂の表面側になるように該熱転写表面改質シートが該熱可塑性樹脂の表面に積層されたものである。
【実施例
【0160】
≪熱可塑性樹脂の融点T(℃)の測定≫
DSC(示差走査熱量計)によって、-90℃から350℃までを2℃/分で昇温させながら、実施例・比較例で用いた熱可塑性樹脂の融点T(℃)を測定した。
ポリフェニレンサルファイド(PPS)の融点は284℃であった。
ポリプロピレン(PP)の融点は167℃であった。
6-ナイロン(PA6)の融点は221℃であった。
6,6-ナイロン(PA66)の融点は260℃であった。
【0161】
≪重量平均分子量(Mw)の測定≫
易接着層に含まれ得るポリマー成分の重量平均分子量(Mw)を測定する必要がある場合は、GPCにより測定し、ポリスチレン換算分子量とした。
【0162】
≪積層部材の接合方法≫
(接合方法1)
実施例、比較例で得られた積層部材の2つを、それぞれの易接着剤層側同士が接合するように、接着剤を用いて図6の形態で接合し、接合構造体とした。接着剤としては、エポキシ系接着剤(3M製、SW2214)を用い、接着剤層の厚みを0.2mmに調整するために、粘着テープ(日東電工製、ニトフロン、No.973UL)をスペーサーとして用いた。接着面積は25mm×10mmとした。接着剤の硬化条件は140℃×20分とした。
(接合方法2)
実施例、比較例で得られた積層部材の2つを、それぞれの易接着剤層側同士が接合するように、接着剤を用いて図6の形態で接合し、接合構造体とした。接着シートとしては、特開2012-197427号公報記載のゴム変性エポキシ接着シートを用いて接着した。接着面積は25mm×10mmとした。接着剤の硬化条件は150℃×20分とした。
(接合方法3)
実施例、比較例で得られた積層部材の2つを、それぞれの易接着剤層側同士が接合するように、接着剤を用いて図6の形態で接合し、接合構造体とした。接着剤としては、エポキシ系接着剤(ナガセケムテックス製、デナタイトXNR3503)を用い、接着剤層の厚みを0.2mmに調整するために、粘着テープ(日東電工製、ニトフロン、No.973UL)をスペーサーとして用いた。接着面積は25mm×10mmとした。接着剤の硬化条件は100℃×30分とした。
(接合方法4)
実施例、比較例で得られた積層部材の2つを、それぞれの易接着剤層側同士が接合するように、接着剤を用いて図6の形態で接合し、接合構造体とした。接着剤としては、アクリル系接着剤(セメダイン株式会社製、Y611black)を用い、接着面積は25mm×10mmとした。接着剤の硬化条件は室温×1日以上とした。
(接合方法5)
実施例、比較例で得られた積層部材の2つを、それぞれの易接着剤層側同士が接合するように、接着剤を用いて図6の形態で接合し、接合構造体とした。接着剤としては、アクリル系接着剤(デンカ株式会社製、C320K)を用い、接着面積は25mm×10mmとした。接着剤の硬化条件は室温×1日以上とした。
(接合方法6)
実施例、比較例で得られた積層部材の2つを、それぞれの易接着剤層側同士が接合するように、接着剤を用いて図6の形態で接合し、接合構造体とした。接着剤としては、ウレタン系接着剤(Henkel社製、U-10FL)を用い、接着面積は25mm×10mmとした。接着剤の硬化条件は室温×1日以上とした。
(接合方法7)
実施例、比較例で得られた積層部材の2つを、それぞれの易接着剤層側同士が接合するように、接着剤を用いて図6の形態で接合し、接合構造体とした。接着剤としては、エポキシ系接着剤(3M製、SW2214)を用い、接着面積は25mm×10mmとした。接着剤の硬化条件は120℃×40分以上とした。
【0163】
≪せん断接着力≫
接合構造体における2つの積層部材同士の引っ張りせん断接着力を、引張試験機(ミネベア製、型番:TG-100kN)にて測定した。測定は、25℃にて引張速度5mm/minで実施した。得られた測定値を単位面積あたりに換算し、せん断接着力とした。なお、測定によって被着体破壊が生じる場合は、せん断接着力が測定値として得られる限界を超えて大きいことを意味する。
【0164】
〔実施例A-1〕:熱転写表面改質シート(1)
樹脂(1)(住友化学(株)製、ボンドファースト7B(エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル共重合体))を熱トルエン(60℃)に溶解後、室温に冷却して、5重量%溶液を作製した。
離型シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL(厚み0.18mm))をその5重量%溶液にてディッピング処理、風乾した後、恒温乾燥器にて100℃×1分間さらに乾燥させ、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(1)を作製した。
【0165】
〔実施例A-2〕:熱転写表面改質シート(2)
樹脂(1)を樹脂(2)(住友化学(株)製、ボンドファーストCG5001(エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体))に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(2)を作製した。
【0166】
〔実施例A-3〕:熱転写表面改質シート(3)
樹脂(1)を樹脂(3)(SUNNY FC(株)製、Fine-Blend SAG-005(スチレン-アクリロニトリル-グリシジルメタクリレート共重合体))に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(3)を作製した。
【0167】
〔実施例A-4〕:熱転写表面改質シート(4)
樹脂(1)を樹脂(4)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-101(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/p-トルエンスルホン酸(PTS)(重量比99/1混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(4)を作製した。
【0168】
〔実施例A-5〕:熱転写表面改質シート(5)
樹脂(1)を樹脂(5)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-101(メトキシメチル化ポリアミド樹脂))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(5)を作製した。
【0169】
〔実施例A-6〕:熱転写表面改質シート(6)
樹脂(1)を樹脂(6)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(6)を作製した。
【0170】
〔実施例A-7〕:熱転写表面改質シート(7)
樹脂(1)を樹脂(7)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UH-2041(水酸基含有アクリル系ポリマー)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(7)を作製した。
【0171】
〔実施例A-8〕:熱転写表面改質シート(8)
樹脂(1)を樹脂(8)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UH-2170(水酸基含有アクリル系ポリマー)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(8)を作製した。
【0172】
〔実施例A-9〕:熱転写表面改質シート(9)
樹脂(1)を樹脂(9)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UC-3000(カルボキシル基含有アクリル系ポリマー)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(9)を作製した。
【0173】
〔実施例A-10〕:熱転写表面改質シート(10)
樹脂(1)を樹脂(10)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UC-3150(カルボキシル基含有アクリル系ポリマー)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(10)を作製した。
【0174】
〔実施例A-11〕:熱転写表面改質シート(11)
樹脂(1)を樹脂(11)(東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UH-2041(水酸基含有アクリル系ポリマー)/東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UH-2170(水酸基含有アクリル系ポリマー)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(11)を作製した。
【0175】
〔実施例A-12〕:熱転写表面改質シート(12)
樹脂(1)を樹脂(12)(東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UC-3000(カルボキシル基含有アクリル系ポリマー)/東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UC-3150(カルボキシル基含有アクリル系ポリマー)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(12)を作製した。
【0176】
〔実施例A-13〕:熱転写表面改質シート(13)
樹脂(1)を樹脂(13)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/株式会社日本触媒製、エポミン(登録商標) SP-200(ポリエチレンイミン)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(13)を作製した。
【0177】
〔実施例A-14〕:熱転写表面改質シート(14)
樹脂(1)を樹脂(14)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/四国化成工業株式会社製、キュアゾール 2P4MHZ-PW(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(14)を作製した。
【0178】
〔実施例A-15〕:熱転写表面改質シート(15)
樹脂(1)を樹脂(15)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/東京化成工業株式会社製、トリフルオロボラン(BF)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(15)を作製した。
【0179】
〔実施例A-16〕:熱転写表面改質シート(16)
樹脂(1)を樹脂(16)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/東洋合成工業株式会社製、HMI-PF(イオン液体)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(16)を作製した。
【0180】
〔実施例A-17〕:熱転写表面改質シート(17)
樹脂(1)を樹脂(17)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/和光純薬工業株式会社製、ナフィオン(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(17)を作製した。
【0181】
〔実施例A-18〕:熱転写表面改質シート(18)
樹脂(1)を樹脂(18)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/四国化成工業株式会社製、キュアゾール C11Z-CN(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤)(重量比40/60混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(18)を作製した。
【0182】
〔実施例A-19〕:熱転写表面改質シート(19)
樹脂(1)を樹脂(19)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/四国化成工業株式会社製、キュアゾール C11Z-CN(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤)(重量比50/50混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(19)を作製した。
【0183】
〔実施例A-20〕:熱転写表面改質シート(20)
樹脂(1)を樹脂(20)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/四国化成工業株式会社製、キュアゾール C11Z-CN(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤)(重量比60/40混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(20)を作製した。
【0184】
〔実施例A-21〕:熱転写表面改質シート(21)
樹脂(1)を樹脂(21)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/四国化成工業株式会社製、キュアゾール C11Z-CN(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤)(重量比70/30混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(21)を作製した。
【0185】
〔実施例A-22〕:熱転写表面改質シート(22)
樹脂(1)を樹脂(22)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/四国化成工業株式会社製、キュアゾール C11Z-CN(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤)(重量比80/20混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(22)を作製した。
【0186】
〔実施例A-23〕:熱転写表面改質シート(23)
樹脂(1)を樹脂(23)(株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/四国化成工業株式会社製、キュアゾール C11Z-CN(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤)(重量比90/10混合物))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、実施例A-1と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(23)を作製した。

【0187】
【表1】
【0188】
〔実施例B-1〕:積層部材(G-PPS-1)
ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド(日本テストパネル(株)製、G-PPS、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の上に、熱転写表面改質シート(1)を易接着層側が内側になるように載せ、加熱プレス(270℃×10分)し、ガラス繊維強化PPS表面に易接着層を熱溶着させ、離型シートを除去し、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-1)を製造した。
【0189】
〔実施例B-2〕:積層部材(G-PPS-2)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(2)に変更した以外は、実施例B-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-2)を製造した。
【0190】
〔実施例B-3〕:積層部材(G-PPS-3)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(3)に変更した以外は、実施例B-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-3)を製造した。
【0191】
〔実施例B-4〕:積層部材(G-PPS-4)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(4)に変更した以外は、実施例B-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-4)を製造した。
【0192】
〔実施例C-1〕:積層部材(C-PPS-1)
炭素繊維強化ポリフェニレンサルファイド(日本テストパネル(株)製、C-PPS、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の上に、熱転写表面改質シート(1)を易接着層側が内側になるように載せ、加熱プレス(270℃×10分)し、炭素繊維強化PPS表面に易接着層を熱溶着させ、離型シートを除去し、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-1)を製造した。
【0193】
〔実施例C-1´〕:積層部材(C-PPS-1´)
加熱プレスを250℃×10分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-1´)を製造した。
【0194】
〔実施例C-1´´〕:積層部材(C-PPS-1´´)
加熱プレスを300℃×10分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-1´´)を製造した。
【0195】
〔実施例C-2〕:積層部材(C-PPS-2)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(2)に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-2)を製造した。
【0196】
〔実施例C-3〕:積層部材(C-PPS-3)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(3)に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-3)を製造した。
【0197】
〔実施例C-4〕:積層部材(C-PPS-4)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(4)に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-4)を製造した。
【0198】
〔比較例B-1〕:積層部材(G-PPS-5)
樹脂(1)を熱トルエン(60℃)に溶解後、室温に冷却して、5重量%溶液を作製した。
ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド(日本テストパネル(株)製、G-PPS、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)をその5重量%溶液にてディッピング処理、風乾した後、恒温乾燥器にて100℃×1分間さらに乾燥させ、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-5)を製造した。
【0199】
〔比較例B-2〕:積層部材(G-PPS-6)
樹脂(1)を樹脂(2)に変更した以外は、比較例B-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-6)を製造した。
【0200】
〔比較例B-3〕:積層部材(G-PPS-7)
樹脂(1)を樹脂(3)に変更した以外は、比較例B-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-7)を製造した。
【0201】
〔比較例B-4〕:積層部材(G-PPS-8)
樹脂(1)を樹脂(4)に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、比較例B-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-8)を製造した。
【0202】
〔比較例C-1〕:積層部材(C-PPS-5)
樹脂(1)を熱トルエン(60℃)に溶解後、室温に冷却して、5重量%溶液を作製した。
炭素繊維強化ポリフェニレンサルファイド(日本テストパネル(株)製、C-PPS、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)をその5重量%溶液にてディッピング処理、風乾した後、恒温乾燥器にて100℃×1分間さらに乾燥させ、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-5)を製造した。
【0203】
〔比較例C-2〕:積層部材(C-PPS-6)
樹脂(1)を樹脂(2)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-6)を製造した。
【0204】
〔比較例C-3〕:積層部材(C-PPS-7)
樹脂(1)を樹脂(3)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-7)を製造した。
【0205】
〔比較例C-4〕:積層部材(C-PPS-8)
樹脂(1)を樹脂(4)に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-8)を製造した。
【0206】
〔実施例B-5〕:積層部材(G-PPS-9)
比較例B-1で製造した積層部材(G-PPS-5)を加熱プレス(270℃×10分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-9)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0207】
〔実施例B-6〕:積層部材(G-PPS-10)
比較例B-2で製造した積層部材(G-PPS-6)を加熱プレス(270℃×10分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-10)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0208】
〔実施例B-7〕:積層部材(G-PPS-11)
比較例B-3で製造した積層部材(G-PPS-7)を加熱プレス(270℃×10分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-11)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0209】
〔実施例B-8〕:積層部材(G-PPS-12)
比較例B-4で製造した積層部材(G-PPS-8)を加熱プレス(270℃×10分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(G-PPS-12)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0210】
〔実施例C-5〕:積層部材(C-PPS-9)
比較例C-1で製造した積層部材(C-PPS-5)を加熱プレス(270℃×10分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-9)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0211】
〔実施例C-5´〕:積層部材(C-PPS-9´)
加熱プレスを250℃×10分に変更した以外は、実施例C-5と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-9´)を製造した。
【0212】
〔実施例C-5´´〕:積層部材(C-PPS-9´´)
加熱プレスを300℃×10分に変更した以外は、実施例C-5と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-9´´)を製造した。
【0213】
〔実施例C-6〕:積層部材(C-PPS-10)
比較例C-2で製造した積層部材(C-PPS-6)を加熱プレス(270℃×10分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-10)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0214】
〔実施例C-7〕:積層部材(C-PPS-11)
比較例C-3で製造した積層部材(C-PPS-7)を加熱プレス(270℃×10分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-11)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0215】
〔実施例C-8〕:積層部材(C-PPS-12)
比較例C-4で製造した積層部材(C-PPS-8)を加熱プレス(270℃×10分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-12)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0216】
〔実施例C-9〕:積層部材(C-PPS-13)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(5)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-13)を製造した。
【0217】
〔実施例C-10〕:積層部材(C-PPS-14)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(6)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-14)を製造した。
【0218】
〔実施例C-11〕:積層部材(C-PPS-15)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(7)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-15)を製造した。
【0219】
〔実施例C-12〕:積層部材(C-PPS-16)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(8)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-16)を製造した。
【0220】
〔実施例C-13〕:積層部材(C-PPS-17)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(9)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-17)を製造した。
【0221】
〔実施例C-14〕:積層部材(C-PPS-18)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(10)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-18)を製造した。
【0222】
〔実施例C-15〕:積層部材(C-PPS-19)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(11)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-19)を製造した。
【0223】
〔実施例C-16〕:積層部材(C-PPS-20)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(12)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-20)を製造した。
【0224】
〔実施例C-17〕:積層部材(C-PPS-21)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(13)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-21)を製造した。
【0225】
〔実施例C-18〕:積層部材(C-PPS-22)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(14)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-22)を製造した。
【0226】
〔実施例C-19〕:積層部材(C-PPS-23)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(15)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-23)を製造した。
【0227】
〔実施例C-20〕:積層部材(C-PPS-24)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(16)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-24)を製造した。
【0228】
〔実施例C-21〕:積層部材(C-PPS-25)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(17)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-25)を製造した。
【0229】
〔実施例C-22〕:積層部材(C-PPS-26)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(18)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-26)を製造した。
【0230】
〔実施例C-23〕:積層部材(C-PPS-27)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(19)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-27)を製造した。
【0231】
〔実施例C-24〕:積層部材(C-PPS-28)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(20)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-28)を製造した。
【0232】
〔実施例C-25〕:積層部材(C-PPS-29)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(21)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-29)を製造した。
【0233】
〔実施例C-26〕:積層部材(C-PPS-30)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(22)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-30)を製造した。
【0234】
〔実施例C-27〕:積層部材(C-PPS-31)
熱転写表面改質シート(1)を熱転写表面改質シート(23)に変更し、加熱プレスを290℃×1分に変更した以外は、実施例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-31)を製造した。
【0235】
〔実施例C-28〕:積層部材(C-PPS-32)
樹脂(1)を樹脂(5)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-32)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0236】
〔実施例C-29〕:積層部材(C-PPS-33)
樹脂(1)を樹脂(6)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-33)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0237】
〔実施例C-30〕:積層部材(C-PPS-34)
樹脂(1)を樹脂(7)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-34)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0238】
〔実施例C-31〕:積層部材(C-PPS-35)
樹脂(1)を樹脂(8)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-35)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0239】
〔実施例C-32〕:積層部材(C-PPS-36)
樹脂(1)を樹脂(9)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-36)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0240】
〔実施例C-33〕:積層部材(C-PPS-37)
樹脂(1)を樹脂(10)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-37)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0241】
〔実施例C-34〕:積層部材(C-PPS-38)
樹脂(1)を樹脂(11)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-38)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0242】
〔実施例C-35〕:積層部材(C-PPS-39)
樹脂(1)を樹脂(12)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-39)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0243】
〔実施例C-36〕:積層部材(C-PPS-40)
樹脂(1)を樹脂(13)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-40)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0244】
〔実施例C-37〕:積層部材(C-PPS-41)
樹脂(1)を樹脂(14)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-41)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0245】
〔実施例C-38〕:積層部材(C-PPS-42)
樹脂(1)を樹脂(15)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-42)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0246】
〔実施例C-39〕:積層部材(C-PPS-43)
樹脂(1)を樹脂(16)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-43)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0247】
〔実施例C-40〕:積層部材(C-PPS-44)
樹脂(1)を樹脂(17)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-44)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0248】
〔実施例C-41〕:積層部材(C-PPS-45)
樹脂(1)を樹脂(19)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-45)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0249】
〔実施例C-42〕:積層部材(C-PPS-46)
樹脂(1)を樹脂(24)(東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UH-2041(水酸基含有アクリル系ポリマー))に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-46)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0250】
〔実施例C-43〕:積層部材(C-PPS-47)
樹脂(1)を樹脂(25)(東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UH-2170(水酸基含有アクリル系ポリマー))に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-47)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0251】
〔実施例C-44〕:積層部材(C-PPS-48)
樹脂(1)を樹脂(26)(東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UH-2190(水酸基含有アクリル系ポリマー))に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-48)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0252】
〔実施例C-45〕:積層部材(C-PPS-49)
樹脂(1)を樹脂(27)(東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UC-3000(カルボキシル基含有アクリル系ポリマー))に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-49)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0253】
〔実施例C-46〕:積層部材(C-PPS-50)
樹脂(1)を樹脂(28)(東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UC-3080(カルボキシル基含有アクリル系ポリマー))に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-50)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0254】
〔実施例C-47〕:積層部材(C-PPS-51)
樹脂(1)を樹脂(29)(東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UC-3150(カルボキシル基含有アクリル系ポリマー))に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-51)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0255】
〔実施例C-48〕:積層部材(C-PPS-52)
樹脂(1)を易接着層の材料(30)(株式会社日本触媒製、エポミン(登録商標) SP-200(ポリエチレンイミン))に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-52)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0256】
〔実施例C-49〕:積層部材(C-PPS-53)
樹脂(1)を易接着層の材料(31)(四国化成工業株式会社製、キュアゾール 2P4MHZ-PW(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤))に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-53)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0257】
〔実施例C-50〕:積層部材(C-PPS-54)
樹脂(1)を易接着層の材料(32)(和光純薬工業株式会社製、ナフィオン)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-54)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0258】
〔実施例C-51〕:積層部材(C-PPS-55)
樹脂(1)を易接着層の材料(32)(四国化成工業株式会社製、キュアゾール C11Z-CN(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤))に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行って製造された積層部材を加熱プレス(290℃×1分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-55)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0259】
〔実施例1〕:接合構造体(1)
実施例B-1で得られた積層部材(G-PPS-1)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(1)を製造した。結果を表2に示した。
【0260】
〔実施例2〕:接合構造体(2)
実施例B-2で得られた積層部材(G-PPS-2)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(2)を製造した。結果を表2に示した。
【0261】
〔実施例3〕:接合構造体(3)
実施例B-3で得られた積層部材(G-PPS-3)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(3)を製造した。結果を表2に示した。
【0262】
〔実施例4〕:接合構造体(4)
実施例B-4で得られた積層部材(G-PPS-4)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(4)を製造した。結果を表2に示した。
【0263】
〔実施例5〕:接合構造体(5)
実施例C-1で得られた積層部材(C-PPS-1)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(5)を製造した。結果を表2に示した。
【0264】
〔実施例6〕:接合構造体(6)
実施例C-1´で得られた積層部材(C-PPS-1´)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(6)を製造した。結果を表2に示した。
【0265】
〔実施例7〕:接合構造体(7)
実施例C-1´´で得られた積層部材(C-PPS-1´´)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(7)を製造した。結果を表2に示した。
【0266】
〔実施例8〕:接合構造体(8)
実施例C-2で得られた積層部材(C-PPS-2)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(8)を製造した。結果を表2に示した。
【0267】
〔実施例9〕:接合構造体(9)
実施例C-3で得られた積層部材(C-PPS-3)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(9)を製造した。結果を表2に示した。
【0268】
〔実施例10〕:接合構造体(10)
実施例C-4で得られた積層部材(C-PPS-4)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(10)を製造した。結果を表2に示した。
【0269】
〔実施例11〕:接合構造体(11)
実施例C-2で得られた積層部材(C-PPS-2)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(11)を製造した。結果を表2に示した。
【0270】
〔実施例12〕:接合構造体(12)
実施例B-5で得られた積層部材(G-PPS-9)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(12)を製造した。結果を表2に示した。
【0271】
〔実施例13〕:接合構造体(13)
実施例B-6で得られた積層部材(G-PPS-10)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(13)を製造した。結果を表2に示した。
【0272】
〔実施例14〕:接合構造体(14)
実施例B-7で得られた積層部材(G-PPS-11)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(14)を製造した。結果を表2に示した。
【0273】
〔実施例15〕:接合構造体(15)
実施例B-8で得られた積層部材(G-PPS-12)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(15)を製造した。結果を表2に示した。
【0274】
〔実施例16〕:接合構造体(16)
実施例C-5で得られた積層部材(C-PPS-9)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(16)を製造した。結果を表2に示した。
【0275】
〔実施例17〕:接合構造体(17)
実施例C-5´で得られた積層部材(C-PPS-9´)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(17)を製造した。結果を表2に示した。
【0276】
〔実施例18〕:接合構造体(18)
実施例C-5´´で得られた積層部材(C-PPS-9´´)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(18)を製造した。結果を表2に示した。
【0277】
〔実施例19〕:接合構造体(19)
実施例C-6で得られた積層部材(C-PPS-10)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(19)を製造した。結果を表2に示した。
【0278】
〔実施例20〕:接合構造体(20)
実施例C-7で得られた積層部材(C-PPS-11)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(20)を製造した。結果を表2に示した。
【0279】
〔実施例21〕:接合構造体(21)
実施例C-8で得られた積層部材(C-PPS-12)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(21)を製造した。結果を表2に示した。
【0280】
〔実施例22〕:接合構造体(22)
実施例C-6で得られた積層部材(C-PPS-10)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(22)を製造した。結果を表2に示した。
【0281】
〔比較例1〕:接合構造体(C1)
ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド(日本テストパネル(株)製、G-PPS、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(C1)を製造した。結果を表3に示した。
【0282】
〔比較例2〕:接合構造体(C2)
比較例B-1で得られた積層部材(G-PPS-5)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(C2)を製造した。結果を表3に示した。
【0283】
〔比較例3〕:接合構造体(C3)
比較例B-2で得られた積層部材(G-PPS-6)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(C3)を製造した。結果を表3に示した。
【0284】
〔比較例4〕:接合構造体(C4)
比較例B-3で得られた積層部材(G-PPS-7)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(C4)を製造した。結果を表3に示した。
【0285】
〔比較例5〕:接合構造体(C5)
比較例B-4で得られた積層部材(G-PPS-8)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(C5)を製造した。結果を表3に示した。
【0286】
〔比較例6〕:接合構造体(C6)
炭素繊維強化ポリフェニレンサルファイド(日本テストパネル(株)製、C-PPS、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(C6)を製造した。結果を表3に示した。
【0287】
〔比較例7〕:接合構造体(C7)
炭素繊維強化ポリフェニレンサルファイド(日本テストパネル(株)製、C-PPS、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C7)を製造した。結果を表3に示した。
【0288】
〔比較例8〕:接合構造体(C8)
比較例C-1で得られた積層部材(C-PPS-5)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(C8)を製造した。結果を表3に示した。
【0289】
〔比較例9〕:接合構造体(C9)
比較例C-2で得られた積層部材(C-PPS-6)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(C9)を製造した。結果を表3に示した。
【0290】
〔比較例10〕:接合構造体(C10)
比較例C-3で得られた積層部材(C-PPS-7)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(C10)を製造した。結果を表3に示した。
【0291】
〔比較例11〕:接合構造体(C11)
比較例C-4で得られた積層部材(C-PPS-8)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(C11)を製造した。結果を表3に示した。
【0292】
【表2】
【0293】
【表3】
【0294】
〔実施例23〕:接合構造体(23)
実施例C-9で得られた積層部材(C-PPS-13)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(23)を製造した。結果を表4に示した。
【0295】
〔実施例24〕:接合構造体(24)
実施例C-10で得られた積層部材(C-PPS-14)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(24)を製造した。結果を表4に示した。
【0296】
〔実施例25〕:接合構造体(25)
実施例C-11で得られた積層部材(C-PPS-15)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(25)を製造した。結果を表4に示した。
【0297】
〔実施例26〕:接合構造体(26)
実施例C-12で得られた積層部材(C-PPS-16)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(26)を製造した。結果を表4に示した。
【0298】
〔実施例27〕:接合構造体(27)
実施例C-13で得られた積層部材(C-PPS-17)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(27)を製造した。結果を表4に示した。
【0299】
〔実施例28〕:接合構造体(28)
実施例C-14で得られた積層部材(C-PPS-18)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(28)を製造した。結果を表4に示した。
【0300】
〔実施例29〕:接合構造体(29)
実施例C-15で得られた積層部材(C-PPS-19)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(29)を製造した。結果を表4に示した。
【0301】
〔実施例30〕:接合構造体(30)
実施例C-16で得られた積層部材(C-PPS-20)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(30)を製造した。結果を表4に示した。
【0302】
〔実施例31〕:接合構造体(31)
実施例C-17で得られた積層部材(C-PPS-21)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(31)を製造した。結果を表4に示した。
【0303】
〔実施例32〕:接合構造体(32)
実施例C-18で得られた積層部材(C-PPS-22)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(32)を製造した。結果を表4に示した。
【0304】
〔実施例33〕:接合構造体(33)
実施例C-19で得られた積層部材(C-PPS-23)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(33)を製造した。結果を表4に示した。
【0305】
〔実施例34〕:接合構造体(34)
実施例C-20で得られた積層部材(C-PPS-24)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(34)を製造した。結果を表4に示した。
【0306】
〔実施例35〕:接合構造体(35)
実施例C-21で得られた積層部材(C-PPS-25)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(35)を製造した。結果を表4に示した。
【0307】
〔実施例36〕:接合構造体(36)
実施例C-22で得られた積層部材(C-PPS-26)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(36)を製造した。結果を表4に示した。
【0308】
〔実施例37〕:接合構造体(37)
実施例C-23で得られた積層部材(C-PPS-27)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(37)を製造した。結果を表4に示した。
【0309】
〔実施例38〕:接合構造体(38)
実施例C-24で得られた積層部材(C-PPS-28)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(38)を製造した。結果を表4に示した。
【0310】
〔実施例39〕:接合構造体(39)
実施例C-25で得られた積層部材(C-PPS-29)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(39)を製造した。結果を表4に示した。
【0311】
〔実施例40〕:接合構造体(40)
実施例C-26で得られた積層部材(C-PPS-30)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(40)を製造した。結果を表4に示した。
【0312】
〔実施例41〕:接合構造体(41)
実施例C-27で得られた積層部材(C-PPS-31)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(41)を製造した。結果を表4に示した。
【0313】
〔実施例42〕:接合構造体(42)
実施例C-14で得られた積層部材(C-PPS-18)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(42)を製造した。結果を表4に示した。
【0314】
〔実施例43〕:接合構造体(43)
実施例C-14で得られた積層部材(C-PPS-18)の2つを(接合方法4)で接合し、接合構造体(43)を製造した。結果を表4に示した。
【0315】
〔実施例44〕:接合構造体(44)
実施例C-14で得られた積層部材(C-PPS-18)の2つを(接合方法5)で接合し、接合構造体(44)を製造した。結果を表4に示した。
【0316】
〔実施例45〕:接合構造体(45)
実施例C-14で得られた積層部材(C-PPS-18)の2つを(接合方法6)で接合し、接合構造体(45)を製造した。結果を表4に示した。
【0317】
〔実施例46〕:接合構造体(46)
実施例C-23で得られた積層部材(C-PPS-27)の2つを(接合方法1)で接合し、接合構造体(46)を製造した。結果を表4に示した。
【0318】
〔実施例47〕:接合構造体(47)
実施例C-23で得られた積層部材(C-PPS-27)の2つを(接合方法4)で接合し、接合構造体(47)を製造した。結果を表4に示した。
【0319】
〔実施例48〕:接合構造体(48)
実施例C-23で得られた積層部材(C-PPS-27)の2つを(接合方法5)で接合し、接合構造体(48)を製造した。結果を表4に示した。
【0320】
〔実施例49〕:接合構造体(49)
実施例C-14で得られた積層部材(C-PPS-27)の2つを(接合方法6)で接合し、接合構造体(49)を製造した。結果を表4に示した。
【0321】
【表4】
【0322】
〔実施例50〕:接合構造体(50)
実施例C-28で得られた積層部材(C-PPS-32)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(50)を製造した。結果を表5に示した。
【0323】
〔実施例51〕:接合構造体(51)
実施例C-29で得られた積層部材(C-PPS-33)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(51)を製造した。結果を表5に示した。
【0324】
〔実施例52〕:接合構造体(52)
実施例C-30で得られた積層部材(C-PPS-34)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(52)を製造した。結果を表5に示した。
【0325】
〔実施例53〕:接合構造体(53)
実施例C-31で得られた積層部材(C-PPS-35)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(53)を製造した。結果を表5に示した。
【0326】
〔実施例54〕:接合構造体(54)
実施例C-32で得られた積層部材(C-PPS-36)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(54)を製造した。結果を表5に示した。
【0327】
〔実施例55〕:接合構造体(55)
実施例C-33で得られた積層部材(C-PPS-37)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(55)を製造した。結果を表5に示した。
【0328】
〔実施例56〕:接合構造体(56)
実施例C-34で得られた積層部材(C-PPS-38)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(56)を製造した。結果を表5に示した。
【0329】
〔実施例57〕:接合構造体(57)
実施例C-35で得られた積層部材(C-PPS-39)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(57)を製造した。結果を表5に示した。
【0330】
〔実施例58〕:接合構造体(58)
実施例C-36で得られた積層部材(C-PPS-40)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(58)を製造した。結果を表5に示した。
【0331】
〔実施例59〕:接合構造体(59)
実施例C-37で得られた積層部材(C-PPS-41)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(59)を製造した。結果を表5に示した。
【0332】
〔実施例60〕:接合構造体(60)
実施例C-38で得られた積層部材(C-PPS-42)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(60)を製造した。結果を表5に示した。
【0333】
〔実施例61〕:接合構造体(61)
実施例C-39で得られた積層部材(C-PPS-43)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(61)を製造した。結果を表5に示した。
【0334】
〔実施例62〕:接合構造体(62)
実施例C-40で得られた積層部材(C-PPS-44)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(62)を製造した。結果を表5に示した。
【0335】
〔実施例63〕:接合構造体(63)
実施例C-41で得られた積層部材(C-PPS-45)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(63)を製造した。結果を表5に示した。
【0336】
〔実施例64〕:接合構造体(64)
実施例C-42で得られた積層部材(C-PPS-46)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(64)を製造した。結果を表5に示した。
【0337】
〔実施例65〕:接合構造体(65)
実施例C-43で得られた積層部材(C-PPS-47)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(65)を製造した。結果を表5に示した。
【0338】
〔実施例66〕:接合構造体(66)
実施例C-44で得られた積層部材(C-PPS-48)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(66)を製造した。結果を表5に示した。
【0339】
〔実施例67〕:接合構造体(67)
実施例C-45で得られた積層部材(C-PPS-49)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(67)を製造した。結果を表5に示した。
【0340】
〔実施例68〕:接合構造体(68)
実施例C-46で得られた積層部材(C-PPS-50)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(68)を製造した。結果を表5に示した。
【0341】
〔実施例69〕:接合構造体(69)
実施例C-47で得られた積層部材(C-PPS-51)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(69)を製造した。結果を表5に示した。
【0342】
〔実施例70〕:接合構造体(70)
実施例C-48で得られた積層部材(C-PPS-52)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(70)を製造した。結果を表5に示した。
【0343】
〔実施例71〕:接合構造体(71)
実施例C-49で得られた積層部材(C-PPS-53)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(71)を製造した。結果を表5に示した。
【0344】
〔実施例72〕:接合構造体(72)
実施例C-50で得られた積層部材(C-PPS-54)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(72)を製造した。結果を表5に示した。
【0345】
〔実施例73〕:接合構造体(73)
実施例C-51で得られた積層部材(C-PPS-55)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(73)を製造した。結果を表5に示した。
【0346】
【表5】
【0347】
〔比較例C-5〕:積層部材(C-PPS-56)
樹脂(1)を樹脂(6)に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-56)を製造した。
【0348】
〔比較例C-6〕:積層部材(C-PPS-57)
樹脂(1)を樹脂(19)に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-57)を製造した。
【0349】
〔比較例C-7〕:積層部材(C-PPS-58)
樹脂(1)を易接着層の材料(30)(株式会社日本触媒製、エポミン(登録商標) SP-200(ポリエチレンイミン))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-58)を製造した。
【0350】
〔比較例C-8〕:積層部材(C-PPS-59)
樹脂(1)を易接着層の材料(32)(和光純薬工業株式会社製、ナフィオン)に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-59)を製造した。
【0351】
〔比較例C-9〕:積層部材(C-PPS-60)
樹脂(1)を易接着層の材料(32)(四国化成工業株式会社製、キュアゾール C11Z-CN(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤))に変更し、熱トルエン(60℃)をメタノール(常温)に変更した以外は、比較例C-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PPS-60)を製造した。
【0352】
〔比較例12〕:接合構造体(C12)
炭素繊維強化ポリフェニレンサルファイド(日本テストパネル(株)製、C-PPS、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法4)で接合し、接合構造体(C12)を製造した。結果を表6に示した。
【0353】
〔比較例13〕:接合構造体(C13)
炭素繊維強化ポリフェニレンサルファイド(日本テストパネル(株)製、C-PPS、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法5)で接合し、接合構造体(C13)を製造した。結果を表6に示した。
【0354】
〔比較例14〕:接合構造体(C14)
炭素繊維強化ポリフェニレンサルファイド(日本テストパネル(株)製、C-PPS、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法6)で接合し、接合構造体(C14)を製造した。結果を表6に示した。
【0355】
〔比較例15〕:接合構造体(C15)
比較例C-5で得られた積層部材(C-PPS-56)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C15)を製造した。結果を表6に示した。
【0356】
〔比較例16〕:接合構造体(C16)
比較例C-6で得られた積層部材(C-PPS-57)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C16)を製造した。結果を表6に示した。
【0357】
〔比較例17〕:接合構造体(C17)
比較例C-7で得られた積層部材(C-PPS-58)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C17)を製造した。結果を表6に示した。
【0358】
〔比較例18〕:接合構造体(C18)
比較例C-8で得られた積層部材(C-PPS-59)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C18)を製造した。結果を表6に示した。
【0359】
〔比較例19〕:接合構造体(C19)
比較例C-9で得られた積層部材(C-PPS-60)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C19)を製造した。結果を表6に示した。
【0360】
【表6】
【0361】
〔実施例A-24〕:熱転写表面改質シート(24)
樹脂(33)(日油(株)製、モディパーA5400(エチレン/エチルアクリレート-グラフト-スチレン/アクリロニトリル共重合体)を熱トルエン(60℃)に溶解後、室温に冷却して、5重量%溶液を作製した。
離型シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL(厚み0.18mm))をその5重量%溶液にてディッピング処理、風乾した後、恒温乾燥器にて100℃×1分間さらに乾燥させ、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(24)を作製した。
【0362】
〔実施例A-25〕:熱転写表面改質シート(25)
樹脂(33)を樹脂(34)(日油(株)製、モディパーA6600(エチレン/酢酸ビニル--グラフト-変性メチルメタクリレート共重合体)に変更した以外は、実施例A-24と同様にして、易接着層を備えた離型シートである熱転写表面改質シート(25)を作製した。
【0363】
〔実施例D-1〕:積層部材(PP-1/転写)
PP板(寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の上に、熱転写表面改質シート(24)を易接着層側が内側になるように載せ、加熱プレス(120℃×10分)し、PP板表面に易接着層を熱溶着させ、離型シートを除去し、表面処理を行い、積層部材(PP-1/転写)を製造した。
【0364】
〔実施例D-2〕:積層部材(PP-2/転写)
熱転写表面改質シート(24)を熱転写表面改質シート(25)に変更した以外は、実施例D-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(PP-2/転写)を製造した。
【0365】
〔比較例D-1〕:積層部材(PP-1/塗布)
樹脂(33)を熱トルエン(60℃)に溶解後、室温に冷却して、5重量%溶液を作製した。
PP板(寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)をその5重量%溶液にてディッピング処理、風乾した後、恒温乾燥器にて100℃×1分間さらに乾燥させ、表面処理を行い、積層部材(PP-1/塗布)を製造した。
【0366】
〔比較例D-2〕:積層部材(PP-2/塗布)
樹脂(33)を樹脂(34)に変更した以外は、比較例D-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(PP-2/塗布)を製造した。
【0367】
〔実施例D-3〕:積層部材(PP-1/塗布加熱)
比較例D-1で製造した積層部材(PP-1/塗布)を加熱プレス(120℃×10分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(PP-1/塗布加熱)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0368】
〔実施例D-4〕:積層部材(PP-2/塗布加熱)
比較例D-2で製造した積層部材(PP-2/塗布)を加熱プレス(120℃×10分)し、加熱処理を行い、表面処理を行い、積層部材(PP-2/塗布加熱)を製造した。加熱プレスの際には、プレス板と被着体(繊維強化樹脂)の間に離形シート(日東電工(株)製、ニトフロンNo.900UL、厚み0.18mm)を挟んで行った。
【0369】
〔実施例74〕:接合構造体(74)
実施例D-1で得られた積層部材(PP-1/転写)の2つを(接合方法3)で接合し、接合構造体(74)を製造した。結果を表7に示した。
【0370】
〔実施例75〕:接合構造体(75)
実施例D-2で得られた積層部材(PP-2/転写)の2つを(接合方法3)で接合し、接合構造体(75)を製造した。結果を表7に示した。
【0371】
〔実施例76〕:接合構造体(76)
実施例D-3で得られた積層部材(PP-1/塗布加熱)の2つを(接合方法3)で接合し、接合構造体(76)を製造した。結果を表7に示した。
【0372】
〔実施例77〕:接合構造体(77)
実施例D-4で得られた積層部材(PP-2/塗布加熱)の2つを(接合方法3)で接合し、接合構造体(77)を製造した。結果を表7に示した。
【0373】
〔比較例20〕:接合構造体(C20)
PP板(寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法3)で接合し、接合構造体(C20)を製造した。結果を表7に示した。
【0374】
〔比較例21〕:接合構造体(C21)
比較例D-1で得られた積層部材(PP-1/塗布)の2つを(接合方法3)で接合し、接合構造体(C21)を製造した。結果を表7に示した。
【0375】
〔比較例22〕:接合構造体(C22)
比較例D-2で得られた積層部材(PP-2/塗布)の2つを(接合方法3)で接合し、接合構造体(C22)を製造した。結果を表7に示した。
【0376】
【表7】
【0377】
〔実施例D-5〕:積層部材(G-PP-1)
ガラス繊維強化ポリプロピレン(日本テストパネル(株)製、G-PP、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の上に、熱転写表面改質シート(6)を易接着層側が内側になるように載せ、加熱プレス(170℃×1分)し、ガラス繊維強化PP表面に易接着層を熱溶着させ、離型シートを除去し、表面処理を行い、積層部材(G-PP-1)を製造した。
【0378】
〔実施例D-6〕:積層部材(G-PP-2)
熱転写表面改質シート(6)を熱転写表面改質シート(19)に変更した以外は、実施例D-5と同様にして、表面処理を行い、積層部材(G-PP-2)を製造した。
【0379】
〔実施例D-7〕:積層部材(G-PP-3)
熱転写表面改質シート(6)を熱転写表面改質シート(10)に変更した以外は、実施例D-5と同様にして、表面処理を行い、積層部材(G-PP-3)を製造した。
【0380】
〔比較例D-3〕:積層部材(G-PP-4)
樹脂(6)を熱トルエン(60℃)に溶解後、室温に冷却して、5重量%溶液を作製した。
ガラス繊維強化ポリプロピレン(日本テストパネル(株)製、G-PP、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)をその5重量%溶液にてディッピング処理、風乾した後、恒温乾燥器にて100℃×1分間さらに乾燥させ、表面処理を行い、積層部材(G-PP-4)を製造した。
【0381】
〔比較例D-4〕:積層部材(G-PP-5)
樹脂(6)を樹脂(19)に変更した以外は、比較例D-3と同様にして、表面処理を行い、積層部材(G-PP-5)を製造した。
【0382】
〔実施例78〕:接合構造体(78)
実施例D-5で得られた積層部材(G-PP-1)の2つを(接合方法7)で接合し、接合構造体(78)を製造した。結果を表8に示した。
【0383】
〔実施例79〕:接合構造体(79)
実施例D-6で得られた積層部材(G-PP-2)の2つを(接合方法7)で接合し、接合構造体(79)を製造した。結果を表8に示した。
【0384】
〔実施例80〕:接合構造体(80)
実施例D-6で得られた積層部材(G-PP-2)の2つを(接合方法6)で接合し、接合構造体(80)を製造した。結果を表8に示した。
【0385】
〔実施例81〕:接合構造体(81)
実施例D-7で得られた積層部材(G-PP-3)の2つを(接合方法6)で接合し、接合構造体(81)を製造した。結果を表8に示した。
【0386】
〔比較例23〕:接合構造体(C23)
ガラス繊維強化ポリプロピレン(日本テストパネル(株)製、G-PP、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法7)で接合し、接合構造体(C23)を製造した。結果を表8に示した。
【0387】
〔比較例24〕:接合構造体(C24)
ガラス繊維強化ポリプロピレン(日本テストパネル(株)製、G-PP、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法6)で接合し、接合構造体(C24)を製造した。結果を表8に示した。
【0388】
〔比較例25〕:接合構造体(C25)
比較例D-3で得られた積層部材(G-PP-4)の2つを(接合方法7)で接合し、接合構造体(C25)を製造した。結果を表8に示した。
【0389】
〔比較例26〕:接合構造体(C26)
比較例D-4で得られた積層部材(G-PP-5)の2つを(接合方法7)で接合し、接合構造体(C26)を製造した。結果を表8に示した。
【0390】
【表8】
【0391】
〔実施例E-1〕:積層部材(C-PA6-1)
炭素繊維強化ナイロン6(サンワトレーディング(株)製、C-PA6、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の上に、熱転写表面改質シート(6)を易接着層側が内側になるように載せ、加熱プレス(225℃×1分)し、炭素繊維強化ナイロン6表面に易接着層を熱溶着させ、離型シートを除去し、表面処理を行い、積層部材(C-PA6-1)を製造した。
【0392】
〔実施例E-2〕:積層部材(C-PA66-1)
炭素繊維強化ナイロン66(サンワトレーディング(株)製、C-PA66、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の上に、熱転写表面改質シート(6)を易接着層側が内側になるように載せ、加熱プレス(265℃×1分)し、炭素繊維強化ナイロン66表面に易接着層を熱溶着させ、離型シートを除去し、表面処理を行い、積層部材(C-PA66-1)を製造した。
【0393】
〔実施例E-3〕:積層部材(C-PA6-2)
熱転写表面改質シート(6)を熱転写表面改質シート(19)に変更した以外は、実施例E-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PA6-2)を製造した。
【0394】
〔実施例E-4〕:積層部材(C-PA66-2)
熱転写表面改質シート(6)を熱転写表面改質シート(19)に変更した以外は、実施例E-2と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PA66-2)を製造した。
【0395】
〔比較例E-1〕:積層部材(C-PA6-3)
樹脂(6)を熱トルエン(60℃)に溶解後、室温に冷却して、5重量%溶液を作製した。
炭素繊維強化ナイロン6(サンワトレーディング(株)製、C-PA6、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)をその5重量%溶液にてディッピング処理、風乾した後、恒温乾燥器にて100℃×1分間さらに乾燥させ、表面処理を行い、積層部材(C-PA6-3)を製造した。
【0396】
〔比較例E-2〕:積層部材(C-PA66-3)
樹脂(6)を熱トルエン(60℃)に溶解後、室温に冷却して、5重量%溶液を作製した。
炭素繊維強化ナイロン66(サンワトレーディング(株)製、C-PA66、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)をその5重量%溶液にてディッピング処理、風乾した後、恒温乾燥器にて100℃×1分間さらに乾燥させ、表面処理を行い、積層部材(C-PA66-3)を製造した。
【0397】
〔比較例E-3〕:積層部材(C-PA6-4)
樹脂(6)を樹脂(19)に変更した以外は、比較例E-1と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PA6-4)を製造した。
【0398】
〔比較例E-4〕:積層部材(C-PA66-4)
樹脂(6)を樹脂(19)に変更した以外は、比較例E-2と同様にして、表面処理を行い、積層部材(C-PA66-4)を製造した。
【0399】
〔実施例82〕:接合構造体(82)
実施例E-1で得られた積層部材(C-PA6-1)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(82)を製造した。結果を表9に示した。
【0400】
〔実施例83〕:接合構造体(83)
実施例E-2で得られた積層部材(C-PA66-1)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(83)を製造した。結果を表9に示した。
【0401】
〔実施例84〕:接合構造体(84)
実施例E-3で得られた積層部材(C-PA6-2)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(84)を製造した。結果を表9に示した。
【0402】
〔実施例85〕:接合構造体(85)
実施例E-4で得られた積層部材(C-PA66-2)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(85)を製造した。結果を表9に示した。
【0403】
〔比較例27〕:接合構造体(C27)
炭素繊維強化ナイロン6(サンワトレーディング(株)製、C-PA6、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C27)を製造した。結果を表9に示した。
【0404】
〔比較例28〕:接合構造体(C28)
炭素繊維強化ナイロン66(サンワトレーディング(株)製、C-PA66、寸法:幅25mm×長さ100mm×厚み2mm)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C28)を製造した。結果を表9に示した。
【0405】
〔比較例29〕:接合構造体(C29)
比較例E-1で得られた積層部材(C-PA6-3)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C29)を製造した。結果を表9に示した。
【0406】
〔比較例30〕:接合構造体(C30)
比較例E-2で得られた積層部材(C-PA66-3)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C30)を製造した。結果を表9に示した。
【0407】
〔比較例31〕:接合構造体(C31)
比較例E-3で得られた積層部材(C-PA6-4)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C31)を製造した。結果を表9に示した。
【0408】
〔比較例32〕:接合構造体(C32)
比較例E-4で得られた積層部材(C-PA66-4)の2つを(接合方法2)で接合し、接合構造体(C32)を製造した。結果を表9に示した。
【0409】
【表9】
【0410】
≪シミュレーション≫
(方法)
ダッソーシステムバイオビア社のソフトウエア(Materials Studio2017)と分子動力学シミュレーター(LAMMPS)を使い、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体とポリフェニレンサルファイドが接触した界面におけるそれぞれの分子の相互拡散構造を下記の方法で解析した。なお、シミュレーションに使用したそれぞれのポリマーの原子数は5100~5150(PPSの分子量換算では約5万)とし、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体モデルはエチレンユニット81重量%、グリシジルメタクリレートユニット19重量%から成るランダム共重合体とした。
はじめに、ソフトウエア(Materials Studio2017)を使用し、それぞれのポリマーについて、COMPASS力場を使用したNVTアンサンブルの分子動力学計算を300℃で3ns実施し、凝集状態のポリマーモデルを作成した。これらポリマーモデルを直方体のユニットセル(セルパラメータ:a=b=4.9nm、c=16nm、α=β=γ=90°)にそれぞれが接触しないようにc軸方向に重ねて挿入し、COMPASS力場を使った分子力学法による構造最適化計算を行い、三次元境界条件でユニットセルを徐々に圧縮して密度0.5g/cmのモデルを得た。次に、このユニットセルモデルについて、分子動力学シミュレーター(LAMMPS)を使用し、25℃、1atm~100atm条件のNPTアンサンブルの分子動力学計算を10ns以上実施し、最終的にエチレン-グリシジルメタクリレート共重合体とポリフェニレンサルファイドが25℃、1atm条件下でまんべんなく接触したエネルギー的に安定な界面モデルを得た。次に、この界面モデルについてLAMMPSを使用し、300℃のNVTアンサンブルの分子動力学計算を90ns~100ns実施し、25℃から300℃加熱による界面構造の変化を解析した。なお、上述のLAMMPSによる計算では、分子力場にDreidingを使用した。
(結果1)
300℃で10ns加熱した場合、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体とポリフェニレンサルファイドの混合層の厚みは1.5nmであった。
(結果2)
300℃で100ns加熱した場合、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体とポリフェニレンサルファイドの混合層の厚みは2.0nmであった。
(結果3)
25℃で10ns加熱した場合、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体とポリフェニレンサルファイドの混合層の厚みは0.8nmであった。
(結果4)
25℃で100ns加熱した場合、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体とポリフェニレンサルファイドの混合層の厚みは0.9nmであった。
(考察)
結果1と結果2より、300℃の加熱においては、加熱時間を長くすると、混合層の厚みが有意に大きくなる(1.5nmから2.0nm)ことが判った。他方、結果3と結果4より、25℃の加熱においては、加熱時間を長くしても、混合層の厚みに有意差が観察されない(0.8nmから0.9nmという僅か0.1nmの差であり、熱の揺らぎの範囲であった)ことが判った。
【産業上の利用可能性】
【0411】
本発明の表面改質熱可塑性樹脂の製造方法、接合構造体の製造方法、接合構造体、熱転写表面改質シート、熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂、および、表面改質熱可塑性樹脂は、例えば、鉄道車両、航空機、船舶、自動車などの輸送機器の分野に好適に用い得る。
【符号の説明】
【0412】
10 易接着層
20 離型シート
100 熱可塑性樹脂
200 熱転写表面改質シート
300 接着剤層
500 表面改質熱可塑性樹脂
800 熱転写表面改質シート付熱可塑性樹脂
1000 接合構造体

図1
図2
図3
図4
図5
図6