IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 加賀電子株式会社の特許一覧

特許6993111売上管理システム、売上管理装置、売上管理方法、売上管理システムのプログラム
<>
  • 特許-売上管理システム、売上管理装置、売上管理方法、売上管理システムのプログラム 図1
  • 特許-売上管理システム、売上管理装置、売上管理方法、売上管理システムのプログラム 図2
  • 特許-売上管理システム、売上管理装置、売上管理方法、売上管理システムのプログラム 図3
  • 特許-売上管理システム、売上管理装置、売上管理方法、売上管理システムのプログラム 図4
  • 特許-売上管理システム、売上管理装置、売上管理方法、売上管理システムのプログラム 図5
  • 特許-売上管理システム、売上管理装置、売上管理方法、売上管理システムのプログラム 図6
  • 特許-売上管理システム、売上管理装置、売上管理方法、売上管理システムのプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】売上管理システム、売上管理装置、売上管理方法、売上管理システムのプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2017113534
(22)【出願日】2017-06-08
(65)【公開番号】P2018202041
(43)【公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】504204926
【氏名又は名称】加賀電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】奥山 泰介
(72)【発明者】
【氏名】新家 秀幸
【審査官】進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-198559(JP,A)
【文献】特開2002-074479(JP,A)
【文献】特開2007-058707(JP,A)
【文献】特開2009-070044(JP,A)
【文献】特開2005-192815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
A63F 9/24
G06Q 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器が配置された施設において、作業者が前記機器に投入されたコインを回収する際に用いられる売上管理システムであって、
それぞれの前記機器に設けられ、関連づけられた前記機器を制御するコインメックから、投入された前記コインの枚数に関する情報を受信して前記機器の現金売上額である現金売上情報を算出する情報収集部と、
前記情報収集部から、前記機器の識別番号と前記現金売上情報を少なくとも受信し、所定の期間における前記機器の現金による売上額である売上情報を前記識別番号毎に算出する情報受信部と、
前記情報受信部から取得した前記識別番号と前記売上情報を関連づけて少なくとも記憶する記憶部と、
前記作業者が選定した前記機器を前記コインの回収が行われる対象機器として選定する選定部と、
前記対象機器と関連づけられた前記コインメックに投入された前記コインが貯留されるコイン保管部に貯留されている前記コインの枚数に関する情報である貯留コイン情報を取得するコイン情報取得部と、
前記貯留コイン情報に基づいて、前記コイン保管部に貯留されている前記コインの総額である貯留金額情報を算出し、前記対象機器の前記識別番号と関連づけて記憶されている前記売上情報との差分を算出する情報管理部を備え、
前記情報管理部は、前記差分が第1の所定の範囲内の場合には、前記貯留金額情報を前記対象機器の前記識別番号と関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とする売上管理システム。
【請求項2】
前記情報管理部は、前記差分が前記第1の所定の範囲を超える場合に、前記差分を許容するか否かの問い合わせを行い、
前記差分が許容された場合には、前記貯留金額情報を前記対象機器の前記識別番号と関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項1に記載の売上管理システム。
【請求項3】
前記情報管理部は、前記差分が許容された場合に、前記差分が前記第1の所定の範囲を超えるものであることを示す差異情報を前記対象機器の前記識別番号と関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項2に記載の売上管理システム。
【請求項4】
前記情報管理部は、前記差分が前記第1の所定の範囲を超える場合に、前記差分を許容するか否かの問い合わせを行い、
前記差分が許容されない場合には、再度前記貯留コイン情報を取得する、あるいは他の前記機器を前記対象機器として選定することを特徴とする請求項1に記載の売上管理システム。
【請求項5】
複数の前記機器の配置関係を示す配置図を少なくとも表示する表示部を更に備え、
前記選定部は、
前記表示部に表示された前記配置図から選択された前記機器を前記対象機器として選定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の売上管理システム。
【請求項6】
前記コイン情報取得部は、前記貯留コイン情報として前記コイン保管部に貯留されている前記コインの総重量を取得するものであり、
前記情報管理部は、前記コイン情報取得部が取得した前記コインの総重量に基づいて前記貯留金額情報を算出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の売上管理システム。
【請求項7】
前記コイン情報取得部は、
前記コイン保管部に貯留されている前記コインの枚数を計数するコイン計数機であり、
前記情報管理部は、前記コイン情報取得部が取得した前記コインの総枚数に基づいて前記貯留金額情報を算出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の売上管理システム。
【請求項8】
前記情報受信部は、
電子マネー媒体による支払を受け付け、前記機器の利用料の電子マネーによる支払処理を行う電子マネー決済部から、
前記支払処理を行った金額に関する情報である電子マネー売上情報と、前記電子マネー決済部に関連づけられた前記機器の前記識別番号を取得し、所定の期間に前記電子マネー決済部が前記支払処理を行った前記電子マネーの総額である電子マネー売上額情報を算出し、
前記情報管理部は、
前記電子マネー売上額情報と、
前記電子マネー決済部からの情報に基づいて前記電子マネー媒体による支払の決済処理を行う電子マネー決済判定部が、前記所定の期間に前記電子マネーの決済処理を行った総額である決済明細情報を、
それぞれ関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の売上管理システム。
【請求項9】
前記情報管理部は、前記電子マネー売上額情報と前記決済明細情報の前記識別番号毎の差分である電子マネー差分を算出し、前記電子マネー差分が、第2の所定の範囲内の場合には、前記電子マネー売上額情報と前記決済明細情報を前記識別番号と関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項8に記載の売上管理システム。
【請求項10】
前記情報管理部は、前記電子マネー売上額情報と前記決済明細情報の前記識別番号毎の差分である電子マネー差分を算出し、前記電子マネー差分が、第2の所定の範囲を超える場合に、前記電子マネー差分を許容するか否かの問い合わせを行い、
前記電子マネー差分が許容された場合には、前記電子マネー売上額情報と前記決済明細情報を前記識別番号と関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項8に記載の売上管理システム。
【請求項11】
前記情報管理部は、前記電子マネー差分が許容された場合に、前記電子マネー差分が前記第2の所定の範囲を超えるものであることを示す電子マネー差異情報を前記対象機器の前記識別番号と関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項10に記載の売上管理システム。
【請求項12】
複数の機器が配置された施設において、作業者が前記機器に投入されたコインを回収する際に用いられる売上管理装置であって、
それぞれの前記機器に設けられ、関連づけられた前記機器を制御するコインメックに、所定の期間に投入された前記コインの枚数に基づいて算出された前記所定の期間における前記機器の現金の売上金額である売上情報を、前記機器の識別番号と関連づけて記憶する記憶部と、
前記作業者が選定した前記機器を前記コインの回収が行われる対象機器として選定する選定部と、
前記対象機器と関連づけられた前記コインメックに投入された前記コインが貯留されるコイン保管部に貯留されている前記コインの枚数に関する情報である貯留コイン情報を取得するコイン情報取得部と、
前記貯留コイン情報に基づいて、前記コイン保管部に貯留されている前記コインの総額である貯留金額情報を算出し、前記対象機器の前記識別番号と関連づけて記憶されている前記売上情報との差分を算出する情報管理部を備え、
前記情報管理部は、前記差分が所定の範囲内の場合には、前記貯留金額情報と前記対象機器の前記識別番号を関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とする売上管理装置。
【請求項13】
複数の機器が配置された施設において、作業者が前記機器に投入されたコインを回収する際に用いられる売上管理システムであって、
それぞれの前記機器に設けられ、関連づけられた前記機器を制御するコインメックから、投入された前記コインの枚数に関する情報を受信して前記機器の現金売上額である現金売上情報を算出する情報収集端末と、
前記情報収集端末から、前記機器の識別番号と前記現金売上情報を少なくとも受信し、所定の期間における前記機器の現金による売上額である売上情報を前記識別番号毎に算出する情報受信サーバと、
前記コインメックに投入された前記コインが貯留されるコイン保管部に貯留されている前記コインの枚数に関する情報である貯留コイン情報を取得するコイン情報取得装置と、
前記情報受信サーバ及び前記コイン情報取得装置と通信可能に接続される端末装置とを少なくとも備え、
前記端末装置は、
複数の前記機器の配置関係を示すレイアウト図を少なくとも表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記レイアウト図から選択された前記機器を前記コインの回収が行われる対象機器として選定する選定部を少なくとも備え、
前記情報受信サーバは、
前記識別番号と前記売上情報を関連づけて記憶する記憶部と、
前記コイン情報取得装置が取得した前記貯留コイン情報に基づいて、前記コイン保管部に貯留されている前記コインの総額である貯留金額情報を算出するとともに、前記対象機器の前記識別番号と関連づけて記憶されている前記売上情報との差分を算出し、前記差分が所定の範囲内の場合に、前記貯留金額情報を前記対象機器の前記識別番号と関連づけて前記記憶部に記憶する情報管理部を少なくとも備えることを特徴とする
売上管理システム。
【請求項14】
複数の機器が配置された施設において、作業者が前記機器に投入されたコインを回収するコンピュータシステムを用いた売上げ管理方法であって、
それぞれの前記機器に設けられ、関連づけられた前記機器を制御するコインメックに、所定の期間に投入された前記コインの枚数に基づいて、前記所定の期間における前記機器の現金の売上額である売上情報を前記機器の識別番号毎に算出する売上情報算出ステップと、
前記作業者が選定した前記機器を前記コインの回収が行われる対象機器として選定する機器選定ステップと、
前記対象機器と関連づけられた前記コインメックに投入された前記コインが貯留されるコイン保管部に貯留されている前記コインの枚数に関する情報である貯留コイン情報を取得する貯留コイン情報取得ステップと、
前記貯留コイン情報に基づいて前記コイン保管部に貯留されている前記コインの総額である貯留金額情報を算出する貯留金額情報算出ステップと、
前記対象機器の前記識別番号と関連づけられて記憶されている前記売上情報と、前記貯留金額情報の差分を算出し、前記差分が所定の範囲内である場合には、前記貯留金額情報を前記対象機器の前記識別番号と関連づけて記憶する記憶ステップとからなることを特徴とする売上管理方法。
【請求項15】
複数の機器が配置された施設において、作業者が前記機器に投入されたコインを回収する際に用いられる売上管理システムのプログラムであって、
電子計算機器に、
それぞれの前記機器に設けられ、関連づけられた前記機器を制御するコインメックに、所定の期間に投入された前記コインの枚数に基づいて算出された前記所定の期間の前記機器の現金の売上金額である売上情報を、前記機器の識別番号と関連づけて記憶する記憶機能と、
前記作業者が選定した前記機器を前記コインの回収が行われる対象機器として選定する選定機能と、
前記対象機器に関連づけられた前記コインメックに投入された前記コインが貯留されるコイン保管部に貯留されている前記コインの枚数に関する情報である貯留コイン情報に基づいて、前記コイン保管部に貯留されていた前記コインの総額である貯留金額情報を算出する貯留金額情報算出機能と、
前記対象機器の前記識別番号と関連づけて記憶されている前記売上情報と、前記貯留金額情報の差分を算出し、前記差分が所定の範囲内の場合には、前記貯留金額情報と前記対象機器の前記識別番号を関連づけて記憶する貯留金額情報記憶機能を実現する売上管理システムのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機などの機器の売上げ管理に用いて好適な売上管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンター等の遊戯施設において、ゲーム機に投入されたコインを回収する際に、実際に遊技機が作動した回数(実際にゲームが行われた回数)から算出される金額と、実際に回収したコインの金額を比較して、正確で効率的なコインの収集管理を行う遊技機の売上管理システムが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5205648号公報
【文献】特許第4168355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に記載された技術では、コインの回収作業を行う作業者が、遊技機の識別番号やそれぞれのゲーム機に備えられたカウンターの表示値などを読み取って、装置に入力する必要がある。このため手間が掛かると共に、入力間違いが生じる畏れがあるという問題があった。一方、特許文献2に記載された技術では、各遊技機に備えられた遊技機の固有の識別番号を示すバーコードを、バーコードリーダーにて読み取り、コインを収集するゲーム機を識別するため、識別番号などの入力間違いが生じる畏れはない。しかしながら、遊戯施設に複数の遊技機が設置されている場合には、作業者は、自身がコインを回収している遊技機が、遊戯場のどの位置に配置されているものであるかを把握することが難しい場合がある。このような場合には、例えば次にどの遊技機のコインを収集すればよいか判断するのに時間が掛かってしまったり、回収済みの遊技機と未回収の遊技機の区別をするのに時間が掛かってしまったりして効率的な回収作業を行うことが難しい場合があるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、効率的且つ正確に遊技機のコインを収集することが可能で、その売上げの管理をすることができる売上管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の売上管理システムは、投入されたコインの枚数に基づいて、関連づけられた機器を制御するコインメックから、投入されたコインの枚数に関する情報を受信して前記機器の現金売上額である現金売上情報を算出する情報収集部と、前記情報収集部から、前記機器の識別番号と前記現金売上情報を少なくとも受信し、所定の期間における前記機器の現金による売上額である売上情報を前記識別番号毎に算出する情報受信部と、前記情報受信部から取得した前記識別情報と前記売上情報を関連づけて少なくとも記憶する記憶部と、特定の前記機器を対象機器として選定する選定部と、前記対象機器と関連づけられた前記コインメックに投入されたコインが貯留されるコイン保管部に貯留されているコインの枚数に関する情報である貯留コイン情報を取得するコイン情報取得部と、前記貯留コイン情報に基づいて、前記コイン保管部に貯留されているコインの総額である貯留金額情報を算出し、前記対象機器の識別番号と関連づけて記憶されている前記売上情報との差分を算出する情報管理部を備え、前記情報管理部は、前記差分が第1の所定の範囲内の場合には、前記貯留金額情報を前記対象機器の識別番号と関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とすることを特徴とする。
【0007】
上記発明においては、前記情報管理部は、前記差分が前記第1の所定の範囲を超える場合に、前記差分を許容するか否かの問い合わせを行い、前記差分が許容された場合には、前記貯留金額情報を前記対象機器の識別番号と関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とすることが好ましい。
【0008】
上記発明においては、前記情報管理部は、前記差分が許容された場合に、前記差分が前記第1の所定の範囲を超えるものであることを示す差異情報を前記対象機器の識別番号と関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とすることが好ましい。
【0009】
上記発明においては、前記情報管理部は、前記差分が前記第1の所定の範囲を超える場合に、前記差分を許容するか否かの問い合わせを行い、前記差分が許容されない場合には、再度前記貯留コイン情報を取得する、あるいは他の前記機器を前記対象機器として選定することを特徴とすることが好ましい。
【0010】
上記発明においては、複数の前記機器の配置関係を示す配置図を少なくとも表示する表示部を更に備え、前記選定部は、前記表示部に表示された前記配置図から選択された機器を前記対象機器として選定することを特徴とすることが好ましい。
【0011】
上記発明においては、前記コイン情報取得部は、前記貯留コイン情報として前記コイン保管部に貯留されているコインの総重量を取得するものであり、前記情報管理部は、前記コイン情報取得部が取得した前記コインの総重量に基づいて前記貯留金額情報を算出することを特徴とすることが好ましい。
【0012】
上記発明においては、前記コイン情報取得部は、前記コイン保管部に貯留されているコインの枚数を計数するコイン計数機であり、前記情報管理部は、前記コイン情報取得部が取得した前記コインの総枚数に基づいて前記貯留金額情報を算出することを特徴とすることが好ましい。
【0013】
上記発明においては、前記情報受信部は、電子マネー媒体による支払を受け付け、前記機器の利用料の電子マネーによる支払処理を行う電子マネー決済部から、前記支払処理を行った金額に関する情報である電子マネー売上情報と、前記電子マネー決済部に関連づけられた前記機器の識別情報を取得し、所定の期間に前記電子マネー決済部が前記支払処理を行った前記電子マネーの総額である電子マネー売上額情報を算出し、前記情報管理部は、前記電子マネー売上額情報と、前記電子マネー決済部からの情報に基づいて、前記電子マネー媒体による支払の決済処理を行う電子マネー決済判定部が前記所定の期間に前記電子マネーの決済処理を行った総額である決済明細情報を、それぞれ関連づけて前記記憶部に記憶することを特徴とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の売上管理システムによれば、コイン保管部に貯留されているコインの総額である貯留金額情報と、所定の期間における機器の現金による売上額である売上情報の差分が所定の範囲内の場合に、算出された貯留金額情報が機器の識別番号に関連づけて記憶されるため、正確な貯留金額情報を取得して記憶部に記憶し、その売上げの管理をすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による売上管理システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2図2(a)は、本発明による売上管理システムの一実施形態における情報受信サーバに記憶される情報の一例を示す図である。図2(b)は、本発明による売上管理システムの情報端末に記憶される情報の一例を示す図である。図2(c)は、本発明による売上管理システムの情報端末に記憶される情報の一例を示す図である。図2(d)は、本発明による売上管理システムの情報端末に記憶される情報の一例を示す図である。
図3図3(a)は、本発明による売上管理システムの一実施形態における情報端末に表示される遊技機の配置図の一例を示す図である。図3(b)は、本発明による売上管理システムの一実施形態における情報端末に表示される遊技機の配置図の他の一例を示す図である。
図4】本発明による売上管理システムの一実施形態における動作を示すフロー図である。
図5】本発明による売上管理システムの一実施形態の変形例を示すブロック図である。
図6】本発明による売上管理システムの他の実施形態を示すブロック図である。
図7図7(a)は、本発明による売上管理システムの他の実施形態における対応テーブルの例を示す図である。図7(b)は、本発明による売上管理システムの他の実施形態における情報受信サーバに記憶される情報の一例を示す図である。図7(c)は、本発明による売上管理システムの他の実施形態における情報端末に記憶される情報の一例を示す図である。図7(d)は、本発明による売上管理システムの他の実施形態における情報端末に記憶される情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る売上管理システムついて、主に図1から図4を参照しながら説明する。
【0017】
<構成の説明>
本実施形態にかかる売上管理システム1は、情報収集端末20a~20f、情報受信サーバ21、及び集金ワゴン30から主に構成されている。
本実施形態では、図1に示す様に複数の遊技機10A~10Fが配置されている遊戯施設(ゲームセンター等)にて、各遊技機に貯留されている硬貨や遊技用のメダルなどのコインの回収に売上管理システム1が使用される例に適用して以降の説明を行う。なお、売上管理システム1は、遊技機の他、メダル貸し機やマネーチャージ機、両替機、及びガチャ(カプセル入りの小型の玩具販売機(「ガチャ」は登録商標))やカード販売機などの各種自動販売機などの機器に貯留されているコインや現金の回収にも使用可能である。ここで図1において、その構成が同一であることから遊技機10C~10E、及びそれに付随する構成は記載を省略している。また、売上管理システムが使用できる遊技機の台数は、本実施形態に記載の台数に限定される訳ではなく、異なる複数の台数の遊技機に対して使用することが可能である。
【0018】
遊技機10A~10F(以降において総称して「遊技機10」とも記載する。)には、投入されたコインの枚数に従って、遊技機10を使用可能状態(遊戯可能な状態)にするパルス信号を発生するコインメック11a~11f(以降において総称して「コインメック11」とも記載する。)がそれぞれ接続されている。また、各コインメック11a~11fには、投入されたコインが貯留される金庫ボックス12a~12f(以降において総称して「金庫ボックス12」とも記載する。)がそれぞれ備えられている。
【0019】
情報収集端末20a~20f(以降において、総称して「情報収集端末20」とも記載する。)は、CPUやメモリ、その他の公知の電子部品から構成される電子機器で、遊技機10A~10Fに対応してそれぞれ設けられている。なお、情報収集端末20の後述する各機能は、メモリなどに記憶されたプログラムと、CPUやその他の電子部品が協働することにより発揮される。
【0020】
情報収集端末20は、対応する遊技機10に備えられているコインメック11と、詳細は後述する情報受信サーバ21とそれぞれ通信可能に接続されている。また、情報収集端末20は、対応する遊技機10の識別番号を図示されていないメモリなどの記憶媒体に記憶している。ここで遊技機10A~10Fが識別番号として「00a」~「00f」を有している例に適用して具体的に説明すると、遊技機10Aの識別番号である「00a」を、遊技機10Aと対応する情報収集端末20aが記憶している。また、遊技機10Bの識別番号「00b」を、遊技機10Bと対応する情報収集端末20bが記憶している。そして同様に、情報収集端末20c~20fが、それぞれ対応する遊技機10の識別番号「00c」~「00f」をそれぞれ記憶している。なお、情報収集端末20が記憶する遊技機10の識別番号は、使用者等によって任意に設定可能である。
【0021】
更に、情報収集端末20は、コインメック11から受信した信号に従って、投入されたコインの投入金額に関する情報(以降において「現金売上情報」とも記載する。)を算出し、対応する遊技機10の識別番号、及びコインメック11から当該信号を受信した時間情報を情報受信サーバ21に送信する機能を有している。
なお、本実施形態における遊技機10が、特許請求の範囲における機器とされている。また、情報収集端末20が、特許請求の範囲における情報収集部とされている。
【0022】
情報受信サーバ21は、情報収集端末20からの情報を収集するサーバ装置である。情報受信サーバ21は、CPUやインターフェースなどの電子基板、及びROM、RAM、及びハードディスクなどの記憶媒体等のハードウェアから構成される公知のPCやサーバ装置であり、記憶媒体に記憶されたプログラムとCPUなどのハードウェアが協働することによって後述する各部の機能を発揮している。なお、情報受信サーバ21は、専用線やLANなどの公知の通信手段によって情報収集端末20、及び詳細は後述する集金ワゴン30に備えられた情報端末32と通信可能に接続されている。
【0023】
情報受信サーバ21は、情報収集端末20から受信した情報を、識別番号00a~00fにそれぞれ関連づけて記憶するサーバ記憶部22を有している。また、情報受信サーバ21は、所定の期間に情報収集端末20から受信したコインメック11に投入されたコインの枚数に関する情報から、識別番号毎の当該期間の遊技機10の売上金額を売上情報として算出し、情報端末32に送信する機能も有している。また、情報受信サーバ21は、サーバ記憶部22に記憶された当該遊戯施設における遊技機10のレイアウトの様子を示す配置図を、情報端末32からの要求に従って送信する機能も有している。なお本実施形態における情報受信サーバ21が、特許請求の範囲における情報受信部とされている。
【0024】
集金ワゴン30は、遊戯施設の従業者等が、金庫ボックス12a~12fに貯留されているコインを回収する際に用いるワゴンである。集金ワゴン30には、精密ばかり31及び情報端末32が主に備えられている。
【0025】
精密ばかり31は、金庫ボックス12に貯留されているコインの総重量を計測する電子ばかりであり、測定値を表示する図示されていない測定値表示部や、情報端末32に測定値を送信する図示されていない通信部などを有している。なお、本実施形態における集金ワゴン30が、特許請求の範囲における売上管理装置とされている。また、金庫ボックス12が特許請求の範囲におけるコイン保管部と、本実施形態における精密ばかり31が、特許請求の範囲におけるコイン情報取得部あるいはコイン情報取得装置とされている。
【0026】
情報端末32は、CPUやメモリなどの電子部品からなる公知の情報端末装置である。なお情報端末32は、メモリなどに記憶されたプログラムと、CPUなどのハードウェアが協働することにより後述する各機能を実現している。本実施形態では、情報端末32が携帯用のタブレット端末である例に適用して以降の説明を行う。
【0027】
情報端末32は、情報受信サーバ21や精密ばかり31などから取得した情報の処理を行う情報管理部40と、情報の表示を行う表示/操作部41と、情報受信サーバ21などから取得し情報管理部40が処理をおこなった情報等を記憶する金額情報記憶部42と、情報受信サーバ21などと通信を行うインターフェース部43を主に備えている。
【0028】
表示/操作部41は、タッチパネル機能付きの表示デバイスであり、情報の表示を行う表示機能と、使用者による入力操作を受け付ける機能を主に有している。表示/操作部41は、詳細は後述する情報管理部40からの指示に従って所定の表示を行う他、遊技機10の配置図(図3(a)参照。)を表示して、コインの回収作業を行う作業者(以降において「作業者」とも記載する。)にコインの回収を行う遊技機10(以降において「対象機器」とも記載する。)の選択を受け付け、対象遊技機を設定する機能も有している。具体的には、作業者が、表示/操作部41に表示された配置図の、これからコインの回収を行う遊技機10に該当する部分に触れることで、選択された遊技機10が対象機器として設定される。なお表示/操作部41は、情報の表示を行うディスプレイデバイスと、キーボードなどの情報の入力を行う入力デバイスが分かれた構成であってもよい。
【0029】
情報管理部40は、精密ばかり31から受信した、金庫ボックス12に貯留されていたコインの総重量の測定値に基づいて、コインの総額(以降において「貯留金額情報」とも記載する。)を算出する機能を有している。具体的には、コインの単位枚数あたりの重量に基づいて、精密ばかり31が測定したコインの総枚数を算出し、貯留金額情報を算出する。なお情報管理部40は、例えば重量と金額が関連づけられたテーブルなどを参照して、コインの総重量から直接、貯留金額情報を算出してもよい。なお、本実施形態におけるコインの総重量、あるいはコインの総枚数が、特許請求の範囲における貯留コイン情報とされている。
【0030】
なお情報管理部40は、例えば使用者が測定値表示部に表示された測定値を読み取り、その値を表示/操作部41を操作して入力することでコインの総重量を取得してもよい。あるいは情報端末32が、図示されていない画像取得部によって取得した精密ばかり31の測定値表示部の画像を、公知の映像解析技術によって解析することによって測定値を読み取り、コインの総重量を取得したりしてもよい。
【0031】
情報管理部40は、情報受信サーバ21から受信した対象機器の売上情報と、貯留金額情報を比較し、その差分が予め定められた所定の範囲内であるか否かの判定を行う機能を有している。そして、その差分が所定の範囲内であった場合には、算出した貯留金額情報と売上情報を対象機器の識別番号と関連づけて金額情報記憶部42に記憶する機能も有している。なお、この際に情報管理部40は、当該貯留金額情報と売上情報が一致していることを示す情報や、当該貯留金額情報と売上情報の差分が所定の範囲内であることを示す情報を付加して記憶する機能、及び当該情報を表示/操作部41等に表示する機能も有する。また、作業者が表示/操作部41を操作して入力した、差分に関するコメント情報などを記憶する機能を有してもよい。
【0032】
情報管理部40は、売上情報と貯留金額情報の差分が、予め定められた所定の範囲を超える場合には、当該差分が許容可能なものであるか否かの選択を求める表示を表示/操作部41に表示し、作業者が許容可能であることを選択した場合に、売上情報及び貯留金額情報を対象機器の識別番号に関連づけて金額情報記憶部42に記憶する機能も有している。また、その場合に、貯留金額情報が予め定められた所定の範囲を超える差分のある情報である事を示す情報(差異情報)を付加して記憶する機能も有している。更には、使用者が当該差分を許容できないことを選択した場合には、表示/操作部41に再度のコインの計測や、コインの収集を行う遊技機10の再選択を促す表示を行う機能も有している。
【0033】
金額情報記憶部42は、入力された情報を記憶するメモリなどの記憶媒体であり、売上情報や貯留金額情報、及び遊技機10の配置図などの情報を記憶する部分である。
インターフェース部43は、情報受信サーバ21や精密ばかり31などの外部の機器との通信を行う外部インターフェースである。本実施形態では、情報受信サーバ21と情報端末32との間は、遊戯施設に設けられているLANによって通信可能に接続され、精密ばかり31と情報端末32との間は専用線によって接続されている例に適用して以降の説明を行うが、その他の公知の通信手段によってそれぞれが接続されていても構わない。なお、本実施形態における情報管理部40が、特許請求の範囲における情報管理部と、本実施形態における表示/操作部41が、特許請求の範囲における選定部と、金額情報記憶部42が特許請求の範囲における記憶部とされている。
【0034】
<動作の説明>
次に、上記の構成からなる売上管理システム1における作用について、実際の使用時における動作に即して説明する。
<コインメックからの売上情報の収集>
はじめに情報収集端末20が、コインメック11からの信号に基づいて、遊技機10の使用者(以降において「プレーヤー」とも記載する。)が、投入したコインに関する情報を取得する。
【0035】
プレーヤーが、遊技機10Aを使用する場合を例に適用して説明すると、プレーヤーが遊技機10Aを使用するために必要なコインを、図示されていないコイン投入口に投入すると、コインメック11aが投入されたコインを検知し、遊技機10Aにパルス信号を送信すると共に、情報収集端末20aにコインが投入されたことを示す信号を送信する。なお、投入されたコインは、金庫ボックス12aに貯留され、パルス信号を受信した遊技機10Aは使用状態(遊戯可能な状態)となる。
【0036】
情報収集端末20aは、コインメック11aから信号を受信すると、受信した信号に基づいて投入されたコインの投入金額に関する情報(現金売上情報)を算出する。即ち、予め設定されている遊技機10Aの利用単価と、コインメック11aから受信した投入されたコインに関する情報から、現金売上情報を算出する。そして情報収集端末20aは、算出した現金売上情報を、遊技機10Aの識別番号である「00a」と、コインメック11aから信号を受信した時間に関する情報(時間情報)と共に情報受信サーバ21に送信する。なお情報収集端末20aは、現金売上情報と遊技機10Aの識別番号のみを送信してもよい。
【0037】
情報受信サーバ21は、情報収集端末20aから受信した情報を、時間情報と関連づけてサーバ記憶部22に記憶する(図2(a)参照。)。なお情報受信サーバ21は、受信した情報を、情報収集端末20aから信号を受信した時間(受信時間情報)や、情報収集端末20aから受信した他の時間情報、あるいはコインの投入に関連するその他の時間情報と関連づけて、サーバ記憶部22に記憶してもよい。また、情報受信サーバ21は、情報収集端末20aからコインメック11aから信号を受信したことを示す信号と識別番号のみを受信して現金売上情報を算出し、サーバ記憶部22に記憶する構成としてもよい。
情報受信サーバ21は、情報収集端末20b~20fからも同様に情報を受信し、それらをサーバ記憶部22に記憶する(図2(a)参照。)。
【0038】
<コインの回収>
以下、主に図4を参照してコインの回収を行う際の動作について説明を行う。
はじめに、作業者の操作に従って、情報端末32に記憶されているプログラムが起動する(S10)。プログラムが起動すると情報端末32は、作業者の操作に従って、あるいはプログラムによって自動的に、情報受信サーバ21と通信を行って遊技機の配置図を取得する(S15)。更に情報端末32は、遊技機10の識別番号毎の売上情報を情報受信サーバ21から取得する(S15)。具体的には、情報端末32は、作業者が入力した前回のコインの回収を行った日時に関する情報を情報受信サーバ21に送信し、前回のコインの回収を行った日時から現在までの売上金額(売上情報)を、遊技機10の識別番号毎に算出させる。なお、情報端末32あるいは情報受信サーバ21が、前回のコインの回収を行った日時に関する情報を記憶しており、情報受信サーバ21が自動的に当該期間の売上金額(売上情報)を算出する構成としてもよい。情報受信サーバ21は、識別番号毎に売上情報を算出すると(図2(b)参照。)、これを情報端末32に送信する。
【0039】
情報端末32は、取得した遊技機の配置図を表示/操作部41に表示し、作業者による遊技機10の選択を受け付ける。この配置図には、遊技機10A~10Fの配置の様子がレイアウト図として表示されており、図中の遊技機10A~10Fに相当する部分は、選択可能になっている(図3(a)参照。)。
【0040】
ここで、はじめに作業者が遊技機10Aのコインを回収する場合を例に適用して、以降の説明を行うと、作業者が表示/操作部41を指などで触れることによって、配置図の遊技機10Aに相当する部分を選択状態にする。すると、表示/操作部41は、遊技機10Aが選択されたことを示す信号を情報管理部40に送信する。当該信号を受信すると情報管理部40は、遊技機10Aを対象機器として設定する(S20)。
【0041】
作業者が集金ボックス30を遊技機10Aの近くに搬送し、金庫ボックス12aを取り出して精密ばかり31を用いてコインの総重量を計測する。精密ばかり31は、計測した総重量の計測値を情報端末32に送信する。情報管理部40は、インターフェース部43を介して当該計測値を受信し、コインの単位枚数あたりの重量に基づいて、コインの総枚数を算出して貯留金額情報を算出する(S21)。
【0042】
情報管理部40は、情報受信サーバ21から受信した遊技機10Aの売上情報と、算出した貯留金額情報を比較し(S22)、差分がある場合には、その差分が予め定められた所定の範囲内であるか否かの判定を行う(S30)。本実施形態では、当該所定の範囲として-500円~+500円が作業者によって予め設定されている例に適用して以降の説明を行う。なお、本実施形態における所定の範囲が、特許請求の範囲における第1の所定の範囲とされている。
【0043】
いま、遊技機10Aの売上情報が100,000円であり、金庫ボックス12aの貯留金額情報が100,000円である例に適用して更に説明を行うと、売上情報と貯留金額情報の差分は0円であり-500円~+500円の範囲内であるため(S30にてYes)、情報管理部40は、貯留金額情報を遊技機10Aの識別番号「00a」を関連づけて金額情報記憶部42に記憶する(S45)(図2(c)参照。)。
【0044】
情報管理部40は、全ての遊技機10のコインの回収が終わっていない場合には(S60にてYes)、再びS20に戻り、作業者に対して対象機器の選択を求める(S20)。ここで、作業者が続いて遊技機10Bを対象機器として選択する例に適用して説明を行うと、作業者が表示/操作部41に表示された配置図から遊技機10Bを選択すると、情報管理部40が、遊技機10Bを対象機器として設定する(S20)。
【0045】
作業者が金庫ボックス12bを取り出して、精密ばかり31を用いてコインの総重量を計測すると、情報管理部40は、受信した総重量の計測値に基づいて、コインの総枚数を算出し、貯留金額情報を算出する(S21)。情報管理部40は、情報受信サーバ21から受信した遊技機10Bの売上情報と、算出した貯留金額情報を比較し(S22)、差分がある場合には、その差分が予め定められた所定の範囲内であるか否かの判定を行う(S30)。
【0046】
ここで、遊技機10Bの売上情報が151,000円であり、金庫ボックス12bの貯留金額情報が150,000円である例に適用して更に説明を行うと、売上情報と貯留金額情報の差分は-100円であり-500円~+500円の範囲内であるため(S30にてYes)、情報管理部40は、貯留金額情報を遊技機10Bの識別番号「00b」と関連づけて金額情報記憶部42に記憶する(S45)。なおこの際、情報管理部40は、売上情報と貯留金額情報は一致しなかったもののその差分が所定の範囲内であったことを示す情報として、”1”を差異情報として記憶する(図2(c)参照。)。
【0047】
なお情報管理部40は、売上情報と貯留金額情報の差分が、所定の範囲を超える場合には、当該差分を許容するか否かの問い合わせを作業者に対して行う。具体的には、当該差分を許容するか否かの問い合わせに関する表示を表示/操作部41に表示する。
【0048】
ここで、遊技機10Cの売上情報が70,000円であり、金庫ボックス12cの貯留金額情報が68,500円である例に適用して説明を行うと、その差分は1,500円であって-500円~+500円の範囲外であるため(S30にてNo)、情報管理部40は、当該差分を許容するか否かの問い合わせを作業者に対して行う(S40)。
【0049】
S40にて作業者が当該差分を許容する場合には(S40にてYes)、情報管理部40は、貯留金額情報を遊技機10Cの識別番号「00c」と関連づけて金額情報記憶部42に記憶する(S45)。なおこの際、情報管理部40は、売上情報と貯留金額情報の差分が所定の範囲を超えるものであり、当該差分が作業者によって許容されたことを示す情報として”2”を差異情報として併せて記憶する(図2(c)参照。)。
【0050】
なお、S40にて作業者が当該差分を許容しない場合には(S40にてNo)、情報管理部40は、作業者に対して、コインの再計測や、対象機器の再選択を促す表示を行う(S50)。情報管理部40はこの際、金額情報記憶部42を参照するなどして、既にコインが回収された遊技機10に関する情報や、配置図から得られる遊技機10の配置に関する情報に基づいて、対象機器として候補となる遊技機10を作業者に提示してもよい。
【0051】
例えば、図2(b)及び図3(a)を参照し、金庫ボックス12cの貯留金額情報として算出された情報が68,500円である例に適用して説明を行うと、情報管理部40は、金額情報記憶部42を参照し、コインが回収されていない遊技機10の中で、売上情報の値が最も近い、識別番号00fの遊技機10Fを候補として表示する。あるいは、情報管理部40は、配置図(図3(a)参照。)に基づき、作業者が対象機器として選定した遊技機10Cの隣に配置されている遊技機10Bあるいは遊技機10Fを、候補として表示してもよい。あるいは、売上情報及び配置図の両方、あるいはその他の情報にもとづいて、候補となる遊技機を表示する機能を有していてもよい。
【0052】
作業者が再計測を行うことにより、あるいは対象機器の再選択を行うことにより、情報管理部40は同様の処理を繰り返す(S20~S60)。全ての遊技機10のコインの回収が終了し、コインを回収すべき遊技機10がなくなったことにより(S60にてNo)、あるいは作業者の操作により、情報管理部40はその処理を終了する(S70)。
【0053】
上記の構成からなる売上管理システム1によれば、貯留金額情報と売上情報の差分が所定の範囲内の場合に、貯留金額情報が遊技機の識別番号に関連づけて記憶される。このため、正確な貯留金額情報を取得して記憶部に記憶しその売上げの管理をすることができる。
【0054】
さらに売上管理システム1は、貯留金額情報と売上情報の差分が所定の範囲を超える場合には、当該差分を許容するか否かの問い合わせを行う機能を有する。このため、作業者に再度の確認を促し、より正確な貯留金額情報ができる様になることが期待できる。
【0055】
また、売上管理システム1は、作業者が前述の差分を許容する場合には貯留金額情報を記憶する機能を有する。このため、例えば何かのトラブルによって一部の遊技機10の貯留金額情報と売上情報に大きな差分が生じてしまった場合などでも、柔軟な対応をとることが可能となる。また売上管理システム1は、作業者が前述の差分を許容した場合には、そのことを示す情報を併せて記憶する。従って、例えばそのような差分が生じた原因を後から調査するなどの管理を行うことが可能となり、適切かつ正確な売上げの管理を行える様になることが期待できる。
【0056】
売上管理システム1は、当該差分を許容するか否かの問い合わせを行い、作業者によってそれが許容されなかった場合には、改めて貯留金額情報を取得したり、他の遊技機を対象機器として選定しなおしたりすることを促す機能を有する。このため、例えば作業者が対象機器として設定した遊技機とは異なる遊技機の金庫ボックスのコインを計数した場合などには、作業者に正しい遊技機の金庫ボックスのコインを計測することを促したり、あるいは正しい遊技機を対象機器として選定することを促したりすることによって、正確な貯留金額情報を取得することが可能となる。
【0057】
売上管理システム1では、作業者は表示/操作部41に表示された配置図から、対象機器の選定を行うことができる。このため、コインを回収する対象機器が遊戯施設のどの位置に配置されたものであるか、あるいは、対象機器と他の遊技機の位置関係を把握しながらコインの回収作業を行うことができるため、効率的な作業を行えることが期待できる。
【0058】
また、売上管理システム1は、精密ばかり31を用いて測定したコインの総重量の計測値から貯留金額情報を取得する。このため、安価なシステムで正確な貯留金額情報を算出することが可能となる。
【0059】
〔第1の実施形態の変形例〕
続いて、本発明の第1の実施形態の変形例について、主に図5を参照しながら説明する。本変形例にかかる売上管理システムの基本構成は、第1の実施形態の売上管理システムと同じであるが、第1の実施形態の情報端末に備えられていた情報管理部及び記憶部が、情報受信サーバに備えられている点が相違する。従って本変形例では、情報受信サーバ及び情報端末について説明を行い、その他の部分の説明を省略する。
【0060】
本変形例にかかる売上管理システム100の情報受信サーバ121には、売上情報算出部122、情報管理部123、サーバ記憶部124及び金額情報記憶部125が主に備えられている。
【0061】
売上情報算出部122は、所定の期間に情報収集端末20から受信した情報に基づいて、識別番号毎の当該期間の遊技機10の売上金額を売上情報として算出する機能を有する部分である。
【0062】
情報管理部123は、第1の実施形態における情報管理部40と同等の機能を有する部分であり、精密ばかり31から受信した金庫ボックス12に貯留されていたコインの総重量の測定値に基づいて、コインの総額(貯留金額情報)を算出する機能を有している。具体的には、情報管理部123は、精密ばかり31が計測したコインの総重量の測定値を情報端末132のインターフェース部142を介して受信し、コインの単位枚数あたりの重量に基づいて貯留金額情報を算出する。
【0063】
また、情報管理部123は、売上情報算出部122が算出した対象機器の売上情報と、貯留金額情報を比較し、その差分が所定の範囲内であった場合には、算出した貯留金額情報と売上情報を対象機器の識別番号と関連づけて、金額情報記憶部125に記憶する機能も有している。また、情報管理部123は、売上情報と貯留金額情報の差分が、予め定められた所定の範囲を超える場合には、当該差分が許容可能なものであるか否かの選択を求める表示を表示/操作部141に表示し、使用者が許容可能であることを選択した場合には、売上情報及び貯留金額情報を対象機器の識別番号に関連づけて金額情報記憶部125に記憶する機能を有している。なおこの場合には、情報管理部123は、貯留金額情報が予め定められた所定の範囲を超える差分のある事を示す情報(差異情報)を付加して記憶する機能も有している。更には、使用者が当該差分を許容できないことを選択した場合には、表示/操作部141に再度のコインの計測や、コインの収集を行う遊技機10の再選択を促す表示を行う機能も有している。
【0064】
サーバ記憶部124は、情報収集端末20から受信した情報を記憶する公知の記憶媒体であり、遊技機10の配置図も記憶する。また金額情報記憶部125は、対象機器の売上情報、及び貯留金額情報などを記憶する公知の記憶媒体である。なお、サーバ記憶部124と金額情報記憶部125が同一の記憶部から構成されていてもよい。本実施形態における金額情報記憶部125が、特許請求の範囲における記憶部とされている。
【0065】
情報端末132は、公知のタブレットなどの情報端末装置であり、表示/操作部141及びインターフェース部142を備えている。表示/操作部41は、情報の表示を行う表示機能と、使用者による入力操作を受け付ける機能を有したタッチパネル機能付きのディスプレイデバイスであり、インターフェース部142は、精密ばかり31や情報受信サーバ121などの外部装置との通信を行うインターフェースである。
【0066】
この様に構成された売上管理システム100では、作業者による操作、及び売上情報や貯留金額情報の表示などは、情報端末132の表示/操作部141によって行われる。一方、売上情報と貯留金額情報の差分に基づく判定処理や、貯留金額情報記憶といった処理は、情報受信サーバ121によって行われる。このため、処理能力の低いタブレットなどの情報端末装置を情報端末132に用いることが可能となり、安価な売上管理システムを構築する事が可能となる。また、情報受信サーバ121が情報の処理を一括して行うため、例えば複数の集金ワゴン30を用いて同時にコインの回収作業を行い、情報受信サーバ121が、その情報を一括して管理することもできる。従ってより効率的なコインの回収作業を行える様になることが期待できる。
【0067】
なお本変形例では、情報受信サーバ121に情報管理部123及び金額情報記憶部125が備えられている例について説明を行ったが、情報管理部123及び金額情報記憶部125が、情報受信サーバ121及び情報端末132と通信可能に接続された図示されていない別のサーバ装置などに備えられていてもよい。また、情報管理部123が、集金業務を行った作業者の氏名など、作業者に関する情報の入力を受け付ける機能を有してもよい。情報管理部123がこの様な機能を有すれば、作業者を管理することも可能となり、より効率的な作業が行えることが期待できる他、集金業務上での人為的不正防止効果の向上を図ることも期待できる。
【0068】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本実施形態における精密ばかり31に代えて、コインの枚数を計数するコイン計数機を備えた構成とし、情報管理部40が、そのコインの枚数に基づいて貯留金額情報を算出してもよい。精密ばかり31を用いた場合には、ゴミや異物などが金庫ボックス12に混入していた際に、その異物の重量が貯留金額情報の誤差となってしまう畏れがあるが、物理的にコインの枚数を計数するコイン計数機を用いれば、その様な畏れはなく、正確な貯留金額情報を算出することが可能となる。また、コイン計数機は、コインセレクタなどのコインの種類を判別できる機能を有し、コインの種類に関する情報を取得できるものであってもよい。更には、コイン計数機は、計数したコインの枚数から貯留金額情報を算出できる機能を有したものであってもよい。また、本実施形態における精密ばかり31が、作業者等によって入力されたコイン一枚あたりの金額に関する情報、及びコインの単位数量あたりの重さに関する情報から貯留金額情報を算出できる機能を有したものであってもよい。
【0069】
また、集金ワゴン30が公知のバーコードリーダーなどを備え、機器に予め備えられている当該機器の識別番号等が表されたバーコードを読み取ることで、当該機器の識別番号を取得し、対象機器として設定する構成としてもよい。
【0070】
また上記実施形態では、情報受信サーバ21が、情報収集端末20から受信した情報に基づいて所定期間の売上金額(売上情報)を算出する例に適用して説明をしたが、情報受信サーバ21が、売上情報として所定期間のコインの総枚数を算出する構成としてもよい。その際、情報受信サーバ21は、情報収集端末20等からコインの種類に関する情報を取得して、コインの種類に関連づけてコインの枚数を算出する様にしてもよい。また上記実施形態では、情報管理部40がコインの総額である貯留金額情報を算出する例について説明を行ったが、情報管理部40が、貯留金額情報としてコイン保管部に貯留されているコインの総枚数を算出する様にしてもよい。またこの際、情報管理部40が、コインの種類に関する情報と関連づけられてコインの枚数に関する情報を算出する様にしてもよい。更には、情報管理部40が、情報受信サーバ21が算出したコインの総枚数と、情報管理部40が算出したコイン保管部に貯留されているコインの総枚数に関する情報を比較する様にしてもよく、あるいは、コインの種類毎のコインの枚数に関する情報を比較する様な処理をおこなう様にしてもよい。
【0071】
上記実施形態では、遊技機10に対してそれぞれコインメック11が設けられている例に適用して説明を行ったが、売上管理システム1は、例えばクレーンゲームやUFOキャッチャー(「UFOキャッチャー」は登録商標)の様に、1台の遊技機10に複数のコインメック11が備えられていている場合にも用いることができる。この場合、売上管理システム1は、1つのコインメックが制御する(パルス信号を送信して使用可能な状態にすする)遊技機10の部分(ブース)毎にその売上げの管理を行う。この場合、情報受信サーバ21は遊技機10のブースの位置関係も含めた配置図を記憶し、表示/操作部41に、各ブースが選択可能な状態で配置図が表示される(図3(b)参照。)。なお、図3(b)では、ブース10AA~10CCを備えた遊技機10Gと、ブース10DD~ブース10FFを備えた遊技機10Hの配置図が示されている。この場合には、ブース10AA~10FFが、特許請求の範囲における機器に相当する。
【0072】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図5から図7を参照しながら説明する。
本実施形態の売上管理システム200の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、電子マネー決済部を有している点が異なっている。よって、本実施形態においては、図5および図6を用いて相違点を中心に説明を行い、他の同一の箇所についての説明は省略する。なお図5において、構成が同一であることから遊技機10C~遊技機10Eと、それらに付帯する構成は図中の記載を省略している。
【0073】
売上管理システム200は、電子マネー決済端末210a~210f、情報収集端末220a~220f、情報受信サーバ221、及び集金ワゴン30から主に構成されている。
【0074】
電子マネー決済端末210は、遊技機10A~10Fに対応してそれぞれ設けられた、電子マネーによる遊技機10の利用単価の支払を受け付ける端末であり、それぞれ固有の識別番号を有している。本実施形態では、電子マネー決済端末210a~210fが、識別番号(以降において「端末識別番号」とも記載する。)としてそれぞれ「AA」~「FF」を有している例に適用して以降の説明を行う。電子マネー決済端末210は、公知の電子マネーカードなどの電子マネー媒体と通信を行い、電子マネー媒体に記憶されている残高金額情報や電子マネーの種類に関する情報を取得すると共に、詳細は後述する電子マネー決済サーバ300による判定結果に基づいて、電子マネー媒体の残高金額情報から遊技機10の利用単価を減額して記憶させる処理(以降において「支払処理」とも記載する。)を行う機能を有している。
【0075】
また、電子マネー決済端末210は、対応する情報収集端末220a~220f(以降において総称して「情報収集端末220」とも記載する。)に、それぞれ通信可能に接続されており、支払処理が完了すると、その旨を通知する信号及び支払処理を行った金額に関する情報(以降において「電子マネー売上情報」とも記載する。)を送信する機能も有する。
【0076】
なお、電子マネー決済端末210は、電子マネー決済サーバ300と通信可能に接続されており、支払処理を行う際に、取得した電子マネー媒体の情報(残高金額情報や電子マネーの種類に関する情報など)、及び支払処理を行う金額情報(利用単価)を電子マネー決済サーバ300に送信し、支払処理の可否の問合せを行う機能を有している。そして、電子マネー決済端末210は、その問合せに対する電子マネー決済サーバ300の判定結果が、支払処理を認めるものであった場合に、支払処理を行う。なお、電子マネー決済端末210は、支払処理の可否の問合せを行う際に、自身の端末識別番号を送信する機能を送信する機能や問い合わせを行う時間情報を送信する機能を有していてもよい。あるいは、電子マネー決済端末210は、支払処理後に実際に支払処理を行った金額に関する情報を送信する機能を有してもよく、当該支払処理を行った時間情報を併せて送信する機能を有してもよい。
【0077】
以降では、電子マネー決済端末210が、支払処理の可否の問合せを行う際に、取得した電子マネー媒体の情報、支払処理を行う金額情報、及び自身の端末識別番号を電子マネー決済サーバ300に送信する例に適用して説明を行う。
【0078】
電子マネー決済サーバ300は、遊技機10A~10Fが設置される遊戯施設(ゲームセンター)における電子マネーによる支払に関する情報を収集管理するものであり、電子マネー決済端末210から支払処理の可否に関する問合せを受け、支払処理を許可(決済処理)した支払処理の金額情報を、その時間情報と紐づけて記憶する。なお、時間情報としては、電子マネー決済サーバ300が許可の判定を行った時間や、電子マネー決済端末210から問合せを受けた時間、その他、支払処理や支払処理の許可に関する所定の時間でも構わない。また、電子マネー決済サーバ300は、支払処理後に、電子マネー決済端末210が、実際に支払処理を行った金額に関する情報を送信する場合には、受信した実際に支払処理を行った金額に関する情報を、時間情報と関連づけて記憶しても構わない。なお以降において、電子マネー決済サーバ300が記憶する支払処理を許可した支払処理の金額情報、あるいは電子マネー決済端末210が払処理を実際に行った金額に関する情報を、「電子マネー売上情報」と記載する。
【0079】
電子マネー決済サーバ300は、当該電子マネーを運営する事業者(以降において「電子マネー事業者」とも記載する。)の決済センターサーバ400にインターネットなどの公知の通信回線を介して通信可能に接続されており、予め定められた所定のタイミングや時間間隔で、所定期間に行われた電子マネーによる支払処理に関する情報を集計して当該情報を決済センターサーバ400に受け渡す処理を行う。
【0080】
本実施形態では、所定期間に行われた電子マネーによる支払処理に関する情報が、電子マネー決済端末210の識別番号毎に集計される例に適用して説明をすると、電子マネー決済サーバ300が、複数の決済センターサーバ400と情報の受渡を行い、予め定められた期間(例えば1ヶ月毎)に、当該遊戯施設にて支払処理が行われた電子マネーによる支払金額の精算処理(決済処理)を行う。なお、この電子マネーによる支払処理に関する情報の集計は、例えば、電子マネー決済端末210が端末識別番号を有していない場合や、端末識別番号を送信する機能を有していない場合、あるいは集計を行う目的によっては、支払処理が行われた時間などの時間情報や、支払に用いられた電子マネーの種類に関する情報など、その他の情報に基づいて集計されてもよい。
【0081】
電子マネー決済サーバ300は、当該期間における電子マネーによる支払金額の総額に関する情報(以降において「決済明細金額」あるいは「決済明細金額情報」とも記載する。)を当該遊戯施設や当該遊戯施設を管理する部門に対して通知する。なお、電子マネー決済サーバ300は、遊技機10の識別番号と電子マネー決済端末210の端末識別番号が紐づけられた対応テーブル(図7(a)参照。)を有し、遊技機10の識別番号ごとの電子マネーによる支払処理に関する情報(決済明細金額情)を集計する機能も有しており、当該情報も通知する。
【0082】
本実施形態では、当該遊戯施設を管理する部門の担当者が、当該遊戯施設を管理する部門の通信サーバ230を介して電子マネー決済サーバ300から前述の決済明細金額情報を取得し、情報端末32がその決済明細金額情報を通信サーバ230から取得する例に適用して以降の説明を行う。なお図6では、例示として1つの決済センターサーバ400を記載しているが、遊戯施設が複数の電子マネー事業者の電子マネーを使用可能としている場合には、電子マネー決済サーバ300は、複数の決済センターサーバ400と情報の受渡を行う。また、電子マネー決済サーバ300と決済センターサーバ400の間の情報の受渡は、他の公知の通信回路によって行われていてもよく、あるいは両者間のデータの受渡は、他の情報交換手段によって行われ、交換された情報が管理者等によって決済センターサーバ400に入力されたり、他の公知の手段によって入力されたりしてもよい。
【0083】
なお本実施形態では、電子マネー決済端末210は、非接触型ICカードの電子マネーの支払処理を行う端末であるとするが、他の通信形式等を用いたその他の公知の電子マネー媒体による電子マネーの支払いを受け付けるものであっても構わない。
【0084】
情報収集端末220a~220fは、遊技機10A~10Fに対応して設けられ、コインメック11、電子マネー決済端末210a~210f及び詳細は後述する情報受信サーバ221と通信可能に接続された装置である。情報収集端末220は、前述の第1の実施形態における情報収集端末20と同じく、対応する遊技機10の識別番号を記憶する機能、コインメック11から受信した信号に従って現金売上情報を算出する機能、及び対応する遊技機10の識別番号、及びコインメック11から信号を受信した時間情報を情報受信サーバ221に送信する機能を有している。更に情報収集端末220は、電子マネー決済端末210から受信した、支払処理が行われた金額に関する情報(電子マネー売上情報)を、対応する遊技機10の識別番号と共に情報受信サーバ221に送信する機能も有している。なお情報収集端末220は、電子マネー決済端末210が支払処理を行った時間に関する情報を送信する場合には、当該時間情報を支払処理が行われた金額に関する情報とともに情報受信サーバ221に送信してもよい。
【0085】
情報受信サーバ221は、上記の第1の実施形態における情報受信サーバ21と同じく、情報収集端末220から受信した現金売上情報を時間情報と関連づけてサーバ記憶部22に記憶する機能、所定の期間に受信した現金売上情報に基づいて、識別番号毎の当該期間の遊技機10の売上情報を算出し、情報端末32に送信する機能を有している。更に、情報受信サーバ221は、情報収集端末220から受信した電子マネー売上情報を、遊技機10の識別番号、及び電子マネー決済端末210から当該情報を受信した時間情報と共にサーバ記憶部22に記憶する機能を有する。また、受信した電子マネー売上情報に基づいて、所定の期間における電子マネーによる支払金額の総額に関する情報(以降において「電子マネー売上額情報」とも記載する。)を遊技機10の識別番号毎に算出し情報端末32に送信する機能を有している。
【0086】
なお、電子マネー決済端末210及び情報収集端末220は、CPUやメモリ、その他の公知の電子部品から構成される電子機器で、上述の各機能は、メモリなどに記憶されたプログラムと、CPUなどの電子部品が協働することにより発揮される。
本実施形態における電子マネー決済端末210が、特許請求の範囲における電子マネー決済部とされている。また、本実施形態における電子マネー決済サーバ300が、特許請求の範囲における電子マネー決済判定部とされている。
【0087】
次に主に図6図7を参照し、売上管理システム200の作用について、実際の使用時における動作に即して説明する。なお、電子マネーによる支払処理以外については、上述の実施形態と同一であるため、その記載を省略する。
【0088】
<電子マネー売上情報の収集>
はじめに情報収集端末220が、プレーヤーが遊技機10を使用するために電子マネーによる支払を行った金額(電子マネー売上情報)を取得する。プレーヤーが、遊技機10Aを使用する場合を例に適用して説明すると、プレーヤーが電子マネーカードなどの電子マネー媒体を、電子マネー決済端末210aの図示されていないセンサー部に近接させ、支払処理が開始される。
【0089】
電子マネー媒体がセンサー部に近接されると、電子マネー決済端末210aは、電子マネー媒体と通信を行い、残高金額情報や電子マネーの種類に関する情報などを取得する。さらに、電子マネー媒体の残高金額情報から、予め設定されている遊技機10Aの利用単価を減額して記憶させる処理(支払処理)を行う。具体的には、電子マネー決済端末210aは、取得した電子マネー媒体の情報、支払処理を行う金額情報(利用単価)及び、自身の端末識別番号「AA」を電子マネー決済サーバ300に送信し、支払処理の可否を問い合わせる。電子マネー決済端末210aは、電子マネー決済サーバ300からの判定結果が支払処理を許可するもので有った場合に、その支払処理を行う。なお、残高金額情報が不足する場合にはその支払処理は電子マネー決済サーバ300によって許可されず、電子マネー決済端末210aは、その旨を表示する処理を行い、支払処理を行わない。
【0090】
電子マネー決済サーバ300は、電子マネー決済端末210aからの問い合わせの際に受信した、支払処理を行う金額情報(利用単価)を端末識別番号、及び受信時間ともに記憶する。そして電子マネー決済サーバ300は、予め定められた間隔で、収集した電子マネー売上情報を決済センターサーバ400に送信するなどの方法で情報の受渡を行う。なお、収集された電子マネー売上情報他の公知の手段によって決済センターサーバ400に受け渡されて、情報が入力されてもよい。
【0091】
なお、電子マネー決済端末210aは、支払処理を行うと、支払処理を行った金額に関する情報(電子マネー売上情報)を情報収集端末220aに送信する。
情報収集端末220aは、電子マネー売上情報を受信すると遊技機10Aを使用可能な状態にするための信号を出力すると共に、電子マネー売上情報と遊技機10Aの識別番号「00a」を情報受信サーバ221に送信する。
なお、情報収集端末220b~220fも同様に、電子マネー決済端末210b~210fから電子マネー売上情報を受信し、情報受信サーバ221に送信する。情報受信サーバ221は、受信した情報を、当該情報を受信した時間情報に関連づけてサーバ記憶部22に記憶する(図7(b)参照。)。情報受信サーバ221は、当該情報を受信した時間情報に代えて、情報収集端末220が送信した時間情報(当該情報を送信した時間情報)や電子マネー決済端末210が支払処理を行った時間等と関連づけて記憶してもよい。
【0092】
<電子マネー売上額情報の取得>
情報受信サーバ221は、情報端末32からの求めに応じ、電子マネー売上額情報を遊技機10の識別番号毎に算出する。具体的には、サーバ記憶部22に記憶されている情報を遊技機10の識別番号毎に基づいて参照し、所定期間の電子マネー売上額情報を識別番号毎に算出する(図7(c)参照。)。なお、この所定期間は任意の期間が設定可能であるが、本実施形態では、当該期間は電子マネー決済サーバ300が決済明細金額情報を算出する期間と同じ期間である例に適用して以降の説明を行う。
情報受信サーバ221は、算出した電子マネー売上額情報を情報端末32に送信する。情報端末32は、受信した当該情報を金額情報記憶部42に記憶する。
【0093】
<決済明細金額情報の受信>
情報端末32が、電子マネー決済サーバ300から決済明細金額情報を取得する。具体的には、情報管理部40が、電子マネー決済サーバ300にアクセスして決済明細金額情報を取得する。あるいは、通信サーバ230が電子マネー決済サーバ300にアクセスして取得した決済明細金額情報を、情報管理部40が通信サーバ230にアクセスして取得する。又は、通信サーバ230が取得した決済明細金額情報を、情報管理部40に送信してもよい。なおこの情報は、電子マネー決済サーバ300が、電子マネー決済端末210から端末識別番号共に受信した電子マネー売上情報を、対応テーブル(図7(a)参照。)に基づいて遊技機10の識別番号毎に集計したものである。
【0094】
情報管理部40は、取得した決済明細金額情報と電子マネー売上額情報を遊技機10の識別番号に基づき比較し、その差分(以降において「電子マネー差分」とも記載する。)が予め定められた所定の範囲内である場合に、取得した決済明細金額情報を識別番号に関連づけて金額情報記憶部42に記憶する。この際、情報管理部40は、決済明細金額情報と電子マネー売上額情報が一致していることを示す情報や、電子マネー差分が所定の範囲内あるいは範囲外であることを示す情報(以降において「電子マネー差異情報」とも記載する。)を付加して記憶したり、及び当該情報を表示したりしてもよい。
【0095】
また情報管理部40は、電子マネー差分が所定の範囲外である場合に、当該電子マネー差分が許容可能なものであるか否かの選択を求める表示を表示/操作部41に表示し、作業者が許容可能であることを選択した場合に、決済明細金額情報を識別番号に関連づけて金額情報記憶部42に記憶する。また、情報管理部40は、その場合に電子マネー差分が予め定められた所定の範囲を超える差分のある情報である事を示す電子マネー差異情報を付加して記憶する。
【0096】
ここで、予め定められた所定の範囲が-600円~+600円である例に適用して具体的に説明をすると、電子マネー売上額情報が45,300円であり、決済明細金額情報が45,100円である場合には、その電子マネー差分は200円であり、所定の範囲内であるため、情報管理部40は、電子マネー差分が所定の範囲内であることを示す電子マネー差異情報を識別番号と紐づけて記憶する(図7(d)参照。)。(なお、図7(d)では、電子マネー差分が所定の範囲内であることを示す情報として、差異の欄に「1」が記載されている。)また、電子マネー売上額情報が80,500円であり、決済明細金額情報が78,000円である場合には、その電子マネー差分は700円であり所定の範囲を超えるため、作業者に対して当該電子マネー差分を許容するか否かの問い合わせを行う。作業者によって当該差分が許容された場合には、情報管理部40は、決済明細金額情報を識別番号と関連づけて金額情報記憶部42に記憶する。なおこの際、情報管理部40は、電子マネー差分が所定の範囲を超える値であることを示す電子マネー差異情報を関連づけて記憶する(図7(d)参照。)。(なお、図7(d)では、電子マネー差分が所定の範囲内であることを示す情報として、差異の欄に「2」が記載されている。)作業者によって当該差分が許容されなかった場合には、情報管理部40は、取得した決済明細金額情報や、その他の情報が正しいものであるか見直しを促す等の表示を行うなどして、正確な情報を取得する事を促す処理を行う。
なお、本実施形態における所定の範囲が、特許請求の範囲における第2の所定の範囲とされている。
【0097】
上記実施形態では、情報管理部40が、電子マネー売上額情報と決済明細金額情報を遊技機10の識別番号に基づき比較して差分を算出する例に適用して説明を行ったが、情報管理部40が、支払処理等に関する他の情報に基づいて集計された電子マネー売上額情報と決済明細金額情報を比較する構成としてもよい。例えば、電子マネー決済端末210が自身の識別番号を送信する機能を有していない場合や、売上管理システム200を用いる目的に応じ、機能情報管理部40が、支払に用いられた電子マネーの種類に基づいて集計された電子マネー売上額情報と決済明細金額情報を比較し、電子マネーの種類毎の差分を算出したり、支払処理が行われた時間情報に基づいて集計された電子マネー売上額情報と決済明細金額情報を比較し、その差分を算出したりする処理を行う構成としてもよい。あるいは、支払いに用いられた電子マネー媒体のカード識別番号情報に基づいて集計された電子マネー売上情報と決済明細情報を比較してカード識別番号毎の差分を算出する処理を行う構成としてもよい。
【0098】
上記の構成からなる売上管理システム200によれば、投入されたコインに関する情報の他、電子マネーによる支払に関する情報も遊技機の識別番号毎に収集されるため、遊戯上における全体的な売上げの管理を行うことが可能となる。また、電子マネー事業者からの決済明細金額情報も関連づけて記憶されるため、更に包括的な売上げの管理を行うことが可能となる。
【0099】
また売上管理システム200は、電子マネー売上額情報と決済明細情報の識別番号毎の差分である電子マネー差分が所定の範囲内の場合に電子マネー売上額情報と決済明細情報を識別番号に関連づけて記憶する。このため、正確な電子マネーの支払いに関する情報を記憶して管理することが可能となる。
【0100】
また、売上管理システム200は、電子マネー差分が所定の範囲を超える場合であって、作業者が当該電子マネー差分を許容する場合に、電子マネー売上額情報と決済明細情報を識別番号に関連づけて記憶する。このため、例えば何かのトラブル等によって所定の範囲を超える電子マネー差分が生じた場合でも柔軟な対応をとることが可能となる。また売上管理システム200は、作業者が所定の範囲を超える電子マネー差を許容した場合に、そのことを示す情報を記憶する機能を有する。このため、例えばそのような差分が生じた原因を後から調査するなどの管理を行うことが可能となる。
【0101】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、売上管理システムを遊技機の他、メダル貸し機やマネーチャージ機、両替機、及びガチャ(カプセル入りの小型の玩具販売機(「ガチャ」は登録商標))やカード販売機などの各種自動販売機に貯留されているコインなどを収集する目的で使用してもよい。この場合には、情報収集端末は、メダル貸し機やマネーチャージ機に備えられているコインメックや紙幣識別器からの情報を受信してメダル貸し機の現金売上情報やマネーチャージ機のチャージ金額情報を算出する。また集金ワゴンが、紙幣の枚数を計数する紙幣計算機を備える構成としてもよい。この様にすれば、紙幣の収集もできるため、遊戯施設全体の売上げの管理を行うことも可能となる。また売上管理システムを、メダルゲームに用いられる遊技機専用のメダルの回収作業に用いることも可能である。
【符号の説明】
【0102】
1・・・売上管理システム 10A~10H・・・遊技機
11a~11f・・・コインメック 12a~12f・・・金庫ボックス
20a~20f・・・情報収集端末 21・・・情報受信サーバ
22・・・サーバ記憶部 30・・・集金ワゴン 31・・・精密ばかり
32・・・情報端末 40・・・情報管理部 41・・・表示/操作部
42・・・金額情報記憶部 43・・・インターフェース部
100・・・売上管理システム 121・・・情報受信サーバ
122・・・売上情報算出部 123・・・情報管理部
124・・・サーバ記憶部 125・・・金額情報記憶部
132・・・情報端末 141・・・表示/操作部
142・・・インターフェース部
200・・・売上管理システム 210a~210f・・・電子マネー決済端末
220a~220f・・・情報収集端末 221・・・情報受信サーバ
230・・・通信サーバ 300・・・電子マネー決済サーバ
400・・・決済センターサーバ 00a~00f・・・識別番号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7