(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】画素及びステージ回路並びにこれを有する有機電界発光表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20220105BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220105BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220105BHJP
G09G 3/3266 20160101ALI20220105BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G09G3/3233
H05B33/14 A
H01L27/32
G09G3/3266
G09G3/20 624B
G09G3/20 642C
G09G3/20 622E
(21)【出願番号】P 2017129588
(22)【出願日】2017-06-30
【審査請求日】2020-06-10
(31)【優先権主張番号】10-2016-0083492
(32)【優先日】2016-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】賈 智 鉉
(72)【発明者】
【氏名】▲裴▼ 漢 成
(72)【発明者】
【氏名】郭 源 奎
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0064411(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0243220(US,A1)
【文献】特開2015-225104(JP,A)
【文献】特開2013-101373(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1408809(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0271757(US,A1)
【文献】特開2014-032379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20-3/38
H01L 51/50
H01L 27/32
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光ダイオードと、
第1電極が第1ノードに接続され、第2電極が上記有機発光ダイオードのアノード電極に接続されるとともに、前記第1ノードに接続された第1駆動電源から前記有機発光ダイオードを経由して第2駆動電源に流れる電流の量を制御するための第1トランジスタと、
データ線と前記第1ノードの間に接続され、i(iは自然数)番目の第1走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲート電極と第2電極の間に接続され、i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第3トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲート電極と初期化電源の間に接続され、i番目の第3走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第4トランジスタと、
前記第1駆動電源と前記第1トランジスタのゲート電極との間に連結されたストレージキャパシタと、
前記初期化電源と前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続され、前記ストレージキャパシタと連結されず、前記i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第5トランジスタと、を備え、
前記第1トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定され、
前記第3トランジスタ、前記第4トランジスタ、及び前記第5トランジスタはN型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、
前記第2トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定されることを特徴とする画素。
【請求項2】
前記i番目の第1走査線と前記i番目の第2走査線は、同じ走査線であることを特徴とする請求項
1に記載の画素。
【請求項3】
前記第1トランジスタの第2電極と、前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続されるとともに、発光制御線に発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第6トランジスタと、
前記第1ノードと前記第1駆動電源の間に接続され、前記発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第7トランジスタをさらに備え、
前記第6トランジスタ及び前記第7トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定されることを特徴とする請求項1に記載の画素。
【請求項4】
有機発光ダイオードと、
第1ノードの電圧に応じて、第1電極に接続された第1駆動電源から前記有機発光ダイオードを経由して第2駆動電源に流れる電流の量を制御するための第1トランジスタと、
前記第1ノードと前記第1トランジスタの第2電極との間に接続され、i番目の第1走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第2トランジスタと、
前記第1ノードと第2ノードの間に接続されるストレージキャパシタと、
データ線と前記第2ノードの間に接続され、i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第3トランジスタと、
前記第2ノードと初期化電源の間に接続され、反転発光制御線に反転発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第4トランジスタと、
前記初期化電源と前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続される第5トランジスタと、を備え、
前記第1トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定され、
前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され
、
前記第5トランジスタは前記i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされ、
前記第5トランジスタはN型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定されることを特徴とする画素。
【請求項5】
前記第2トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定されることを特徴とする請求項
4に記載の画素。
【請求項6】
前記第2トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定されることを特徴とする請求項
4に記載の画素。
【請求項7】
前記i番目の第1走査線と前記i番目の第2走査線は、同じ走査線であることを特徴とする請求項
6に記載の画素。
【請求項8】
前記第1トランジスタの第2電極と前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続され、発光制御線に発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第6トランジスタをさらに備え、
前記第6トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定され、
前記発光制御信号と前記反転発光制御信号は、互いに反転された信号に設定されることを特徴とする請求項
4に記載の画素。
【請求項9】
走査線、発光制御線、及びデータ線と接続されるように位置する画素と、
前記走査線及び前記発光制御線を駆動するための走査駆動部と、
前記データ線を駆動するためのデータ駆動部と、を備え、
前記画素のうちi(iは自然数)番目の水平ラインに位置した少なくとも1つの画素は、
有機発光ダイオードと、
第1電極が第1ノードに接続され、第2電極が前記有機発光ダイオードのアノード電極に接続されるとともに、前記第1ノードに接続された第1駆動電源から前記有機発光ダイオードを経由して第2駆動電源に流れる電流の量を制御するための第1トランジスタと、
データ線と前記第1ノードの間に接続され、i番目の第1走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲート電極と第2電極の間に接続され、i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第3トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲート電極と初期化電源の間に接続され、i番目の第3走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第4トランジスタと、
前記第1駆動電源と前記第1トランジスタのゲート電極との間に連結されたストレージキャパシタと、
前記初期化電源と前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続され、前記ストレージキャパシタと連結されず、前記i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第5トランジスタと、を備え、
前記第1トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定され、
前記第3トランジスタ、前記第4トランジスタ、及び前記第5トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され
、
前記第2トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定されることを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項10】
前記画素は、
前記第1トランジスタの第2電極と前記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続され、i番目の発光制御線に発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第6トランジスタと、
前記第1ノードと前記第1駆動電源の間に接続され、前記発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第7トランジスタをさらに備え、
前記第6トランジスタ及び前記第7トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定されることを特徴とする請求項
9に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項11】
前記走査駆動部は、前記走査線及び前記発光制御線を駆動するためのステージ回路を備え、
前記ステージ回路のうち少なくとも1つは、
第1電源と前記第1電源より低い電圧に設定される第2電源との間に、直列に接続される第11トランジスタ、第12トランジスタ、第13トランジスタ、及び第14トランジスタと、
前記第1電源と前記第2電源の間に、直列に接続される第15トランジスタ、第16トランジスタ、第17トランジスタ、及び第18トランジスタと、
前記第1電源と前記第2電源の間に、直列に接続される第19トランジスタ及び第20トランジスタと、を備え、
前記第11トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に前段ステージの出力信号またはスタートパルスの供給を受け、
前記第12トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に第1クロック信号の供給を受け、
前記第13トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に前記第1クロック信号と同じ周期を有し、反転された位相を有する第2クロック信号の供給を受け、
前記第14トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に前記前段ステージの出力信号または前記スタートパルスの供給を受け、
前記第15トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が出力端子と接続され、
前記第16トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に前記第2クロック信号の供給を受け、
前記第17トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に第1クロック信号の供給を受け、
前記第18トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が前記出力端子と接続され、
前記第19トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が第1ノードと接続され、
前記第20トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が前記第1ノードと接続され、
前記第12トランジスタ及び前記第13トランジスタの共通ノード、及び、前記第16トランジスタ及び前記第17トランジスタの共通ノードは、前記第1ノードと電気的に接続されることを特徴とする請求項
9に記載の有機電界発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、画素及びステージ回路並びにこれを有する有機電界発光表示装置に関し、特には所望する輝度の映像を表示できるようにした画素、及びステージ回路、並びにこれを有する有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化技術が発達するにつれて、ユーザーと情報の間の連結媒体である表示装置の重要性が浮き彫りになっている。これに応じて、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device)及び有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Display Device)などの表示装置(Display Device)の使用が増えている。
【0003】
表示装置のうち有機電界発光表示装置は、電子と正孔の再結合により光を発生させる有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)を用いて映像を表示する。このような有機電界発光表示装置は、速い応答速度を有するとともに低い消費電力で駆動されるメリットがある。
【0004】
有機電界発光表示装置は、データ線及び走査線に接続される画素を備える。通常、画素は有機発光ダイオード、及び有機発光ダイオードに流れる電流の量を制御するための駆動トランジスタを含む。駆動トランジスタは、データ信号に応じて、第1駆動電源から有機発光ダイオードを経由して第2駆動電源に流れる電流の量を制御する。このとき、有機発光ダイオードは、駆動トランジスタからの電流の量に応じて所定輝度の光を生成する。
【0005】
最近では、第2駆動電源の電圧を低く設定して高輝度を実現する方法や、有機電界発光表示装置を低周波で駆動して消費電力を最小化する方法が用いられている。しかし、第2駆動電源を低く設定したり、有機電界発光表示装置が低周波で駆動されると、駆動トランジスタのゲート電極から所定のリーク電流が発生する。この場合、データ信号の電圧が一フレームの間保持されず、これにより、所望する輝度の映像が表示されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、リーク電流を最小化して所望する輝度の映像を表示できるようにした画素及びステージ回路並びにこれを有する有機電界発光表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例による画素は、有機発光ダイオードと、第1電極が第1ノードに接続されるとともに、第2電極が上記有機発光ダイオードのアノード電極に接続され、上記第1ノードに接続された第1駆動電源から上記有機発光ダイオードを経由して第2駆動電源に流れる電流の量を制御するための第1トランジスタと、データ線と上記第1ノードの間に接続され、i(iは自然数)番目の第1走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第2トランジスタと、上記第1トランジスタのゲート電極と第2電極の間に接続され、i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第3トランジスタと、上記第1トランジスタのゲート電極と初期化電源の間に接続され、i番目の第3走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第4トランジスタと、を備え、上記第1トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定され、上記第3トランジスタ及び上記第4トランジスタはN型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定される。
【0009】
また、上記第2トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定される。
【0010】
また、上記第2トランジスタはN型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定される。
【0011】
また、上記i番目の第1走査線と上記i番目の第2走査線は同じ走査線である。
【0012】
また、上記初期化電源と上記有機発光ダイオードのアノード電極の間に接続され、上記第i番目の第1走査線に走査信号が供給されるときターンオンされる第5トランジスタをさらに備え、上記第5トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定される。
【0013】
また、上記初期化電源と、上記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続され、上記第i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第5トランジスタをさらに備え、上記第5トランジスタはN型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定される。
【0014】
また、上記第1トランジスタの第2電極と、上記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続されるとともに、発光制御線に発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第6トランジスタと、上記第1ノードと上記第1駆動電源の間に接続され、上記発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第7トランジスタをさらに備え、上記第6トランジスタ及び上記第7トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定される。
【0015】
本発明による他の実施例による画素は、有機発光ダイオードと、第1ノードの電圧に応じて、第1電極に接続された第1駆動電源から上記有機発光ダイオードを経由して第2駆動電源に流れる電流の量を制御するための第1トランジスタと、上記第1ノードと上記第1トランジスタの第2電極との間に接続され、i番目の第1走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第2トランジスタと、上記第1ノードと第2ノードの間に接続されるストレージキャパシタと、データ線と上記第2ノードの間に接続され、i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第3トランジスタと、上記第2ノードと初期化電源の間に接続され、反転発光制御線に反転発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第4トランジスタと、を備え、上記第1トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定され、上記第3トランジスタ及び上記第4トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定される。
【0016】
また、上記第2トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定される。
【0017】
また、上記第2トランジスタはN型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定される。
【0018】
また、上記i番目の第1走査線と上記i番目の第2走査線は同じ走査線である。
【0019】
また、上記初期化電源と上記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続され、上記第i番目の第1走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第5トランジスタをさらに備え、上記第5トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定される。
【0020】
また、上記初期化電源と上記有機発光ダイオードのアノード電極の間に接続され、上記第i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときターンオンされる第5トランジスタをさらに備え、上記第5トランジスタはN型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定される。
【0021】
また、上記第1トランジスタの第2電極と上記有機発光ダイオードのアノード電極の間に接続され、発光制御線に発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第6トランジスタをさらに備え、上記第6トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定され、上記発光制御信号と上記反転発光制御信号は互いに反転された信号に設定される。
【0022】
本発明の実施例によるステージ回路は、第1電源と上記第1電源より低い電圧に設定される第2電源との間に、直列に接続される第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、及び第4トランジスタと、上記第1電源と上記第2電源の間に、直列に接続される第5トランジスタ、第6トランジスタ、第7トランジスタ、及び第8トランジスタと、上記第1電源と上記第2電源の間に、直列に接続される第9トランジスタ及び第10トランジスタと、を備え、上記第1トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に前段ステージの出力信号またはスタートパルスの供給を受け、上記第2トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に第1クロック信号の供給を受け、上記第3トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に上記第1クロック信号と同じ周期を有し、反転された位相を有する第2クロック信号の供給を受け、上記第4トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に上記前段ステージの出力信号または上記スタートパルスの供給を受け、上記第5トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が出力端子と接続され、上記第6トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に上記第2クロック信号の供給を受け、上記第7トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に第1クロック信号の供給を受け、上記第8トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が上記出力端子と接続され、上記第9トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が第1ノードと接続され、上記第10トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が上記第1ノードと接続され、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタの共通ノード、及び、上記第6トランジスタ及び上記第7トランジスタの共通ノードは、上記第1ノードと電気的に接続される。
【0023】
本発明の実施例による有機電界発光表示装置は、走査線、発光制御線、及びデータ線と接続されるように位置する画素と、上記走査線及び上記発光制御線を駆動するための走査駆動部と、上記データ線を駆動するためのデータ駆動部と、を備え、上記画素のうちi(iは自然数)番目の水平ラインに位置した少なくとも1つの画素は、有機発光ダイオードと、第1電極が第1ノードに接続され、第2電極が上記有機発光ダイオードのアノード電極に接続されるとともに、上記第1ノードに接続された第1駆動電源から上記有機発光ダイオードを経由して第2駆動電源に流れる電流の量を制御するための第1トランジスタと、データ線と上記第1ノードの間に接続され、i番目の第1走査線に走査信号が供給されるときターンオンされる第2トランジスタと、上記第1トランジスタのゲート電極と第2電極の間に接続され、i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第3トランジスタと、上記第1トランジスタのゲート電極と初期化電源の間に接続され、i番目の第3走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第4トランジスタと、を備え、上記第1トランジスタはP型LTPS薄膜トランジスタに設定され、上記第3トランジスタ及び上記第4トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定される。
【0024】
また、上記画素は、上記初期化電源と上記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続され、上記第i番目の第2走査線に走査信号が供給されるときにターンオンされる第5トランジスタをさらに備え、上記第5トランジスタはN型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定される。
【0025】
また、上記画素は、上記第1トランジスタの第2電極と上記有機発光ダイオードのアノード電極との間に接続され、i番目の発光制御線に発光制御信号が供給されるときターンオフされる第6トランジスタと、上記第1ノードと上記第1駆動電源の間に接続され、上記発光制御信号が供給されるときにターンオフされる第7トランジスタをさらに備え、上記第6トランジスタ及び上記第7トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定される。
【0026】
また、上記走査駆動部は、上記走査線、発光制御線を駆動するためのステージ回路を備え、上記ステージ回路のうち少なくとも1つは、第1電源と上記第1電源より低い電圧に設定される第2電源との間に、直列に接続される第11トランジスタ、第12トランジスタ、第13トランジスタ、及び第14トランジスタと、上記第1電源と上記第2電源の間に、直列に接続される第15トランジスタ、第16トランジスタ、第17トランジスタ、及び第18トランジスタと、上記第1電源と上記第2電源の間に、直列に接続される第19トランジスタ及び第20トランジスタと、を備え、上記第11トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に前段ステージの出力信号またはスタートパルスの供給を受け、上記第12トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に第1クロック信号の供給を受け、上記第13トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に上記第1クロック信号と同じ周期を有し、反転された位相を有する第2クロック信号の供給を受け、上記第14トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に上記前段ステージの出力信号または上記スタートパルスの供給を受け、上記第15トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が出力端子と接続され、上記第16トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に上記第2クロック信号の供給を受け、上記第17トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極に第1クロック信号の供給を受け、上記第18トランジスタは、N型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が上記出力端子と接続され、上記第19トランジスタは、P型LTPS薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が第1ノードと接続され、上記第20トランジスタはN型酸化物半導体薄膜トランジスタに設定され、ゲート電極が上記第1ノードと接続され、上記第12トランジスタ及び上記第13トランジスタの共通ノード、及び、上記第16トランジスタ及び上記第17トランジスタの共通ノードは、上記第1ノードと電気的に接続される。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例によれば、画素は、酸化物半導体薄膜トランジスタ及びLTPS薄膜トランジスタを含む。ここで、オフ特性の良い酸化物半導体薄膜トランジスタは、電流のリーク経路に位置することで、リーク電流を最小化して所望する輝度の映像を表示することができる。
【0028】
また、駆動特性の良いLTPS薄膜トランジスタは、有機発光ダイオードに電流を供給する電流供給経路に位置する。この場合、LTPS薄膜トランジスタの速い駆動特性によって安定的に有機発光ダイオードに電流を供給することができる。
【0029】
また、本発明の実施例によれば、ステージの回路は、酸化物半導体薄膜トランジスタ及びLTPS薄膜トランジスタを含む。この場合、ステージ回路はリーク電流が最小化するとともに速い駆動速度を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施例による有機電界発光表示装置を示す図である。
【
図3a】
図2に示された画素の駆動方法の実施例を示す波形図である。
【
図3b】
図2に示された画素の駆動方法の実施例を示す波形図である。
【
図4】本発明の他の実施例による画素を示す図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施例による画素を示す図である。
【
図6】
図5に示された画素の駆動方法の実施例を示す波形図である。
【
図7】本発明のさらに他の実施例による画素を示す図である。
【
図8】
図7に示された画素の駆動方法の実施例を示す波形図である。
【
図9】本発明のさらに他の実施例による画素を示す図である。
【
図10】
図9に示された画素の駆動方法の実施例を示す波形図である。
【
図11】本発明の実施例によるステージ回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施例及びその他に当業者が本発明の内容を容易に理解するために必要な事項について詳細に記載する。ただし、本発明は、請求の範囲に記載の範囲内で様々な異なる形態で実現されることができるため、以下に説明する実施例は、表現有無に関わらず、例示的なものに過ぎない。
【0032】
即ち、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で実現されてもよく、以下の説明において、ある部分が他の部分と接続されているというときは、直接接続されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで電気的に接続されている場合も含む。また、図面における同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に示されているとしても、できる限り同じ参照番号及び符号で示していることに留意すべきである。
【0033】
図1は、本発明の実施例による有機電界発光表示装置を示す図である。
【0034】
図1を参照すると、本発明の実施例による有機電界発光表示装置は、走査線S11~S1n、S21~S2n、S31~S3n、発光制御線E1~En、及びデータ線D1~Dmと接続されるように位置する画素140と、走査線S11~S1n、S21~S2n、S31~S3n及び発光制御線E1~Enを駆動するための走査駆動部110と、データ線D1~Dmを駆動するためのデータ駆動部120と、走査駆動部110及びデータ駆動部120を制御するためのタイミング制御部150と、を備える。
【0035】
タイミング制御部150は、外部から供給される同期信号に応じて、データ駆動制御信号DCS及び走査駆動制御信号SCSを生成する。タイミング制御部150で生成されたデータ駆動制御信号DCSはデータ駆動部120に供給され、走査駆動制御信号SCSは走査駆動部110に供給される。そして、タイミング制御部150は、外部から供給されるデータDataを、再整列してデータ駆動部120に供給する。
【0036】
走査駆動制御信号SCSにはスタートパルス及びクロック信号が含まれる。スタートパルスは、走査信号及び発光制御信号の最初のタイミングを制御する。クロック信号はスタートパルスをシフトさせるために使用される。
【0037】
データ駆動制御信号DCSには、ソーススタートパルス及びクロック信号が含まれる。ソーススタートパルスは、データのサンプリングの開始時点を制御する。クロック信号は、サンプリング動作を制御するために使用される。
【0038】
走査駆動部110は、タイミング制御部150から走査駆動制御信号SCSの供給を受ける。走査駆動制御信号SCSの供給を受けた走査駆動部110は、第1走査線S11~S1n、第2走査線S21~S2n、及び第3走査線S31~S3nに、走査信号を供給する。例えば、走査駆動部110は、第1走査線S11~S1nに第1走査信号を順に供給し、第2走査線S21~S2nに第2走査信号を順に供給し、第3走査線S31~S3nに第3走査信号を順に供給するのであってもよい。第1走査信号、第2走査信号及び第3走査信号が順に供給されると、画素140が、水平ライン単位で選択される。
【0039】
走査駆動部110は、第i(iは自然数)番目の第1走査線S1iに供給される第1走査信号と時間的に重なるように、第i番目の第2走査線S2iに、第2走査信号を供給する。ここで、第1走査信号及び第2走査信号は、互いに反対の極性の信号に設定されてもよい。例えば、第1走査信号はロー電圧に設定され、第2走査信号はハイ電圧に設定されることができる。また、走査駆動部110は、i番目の第2走査線S2iに供給される第2走査信号より先に、i番目の第3走査線S3iに第3走査信号を供給する。ここで、第3走査信号はハイ電圧に設定される。このようなi番目の第3走査線S3iは、i-1番目の第2走査線S2i-1で代替しうる。
【0040】
また、第1走査信号、第2走査信号、及び第3走査信号はゲートオン電圧に設定される。この場合、画素140に含まれ、第1走査信号の供給を受けるトランジスタは、第1走査信号が供給されるときに、ターンオン状態に設定される。同様に、画素140に含まれ、第2走査信号の供給を受けるトランジスタは、第2走査信号が供給されるときに、ターンオン状態に設定される。また、画素140に含まれ、第3走査信号の供給を受けるトランジスタは、第3走査信号が供給されるときに、ターンオン状態に設定される。
【0041】
走査駆動制御信号SCSの供給を受けた走査駆動部110は、発光制御線E1~Enに発光制御信号を供給する。例えば、走査駆動部110は、発光制御線E1~Enに、発光制御信号を順に供給することができる。このような発光制御信号は、画素140の発光時間を制御するために使用される。このため、発光制御信号のパルスは、走査信号のパルスより広い幅に設定されてもよい。例えば、走査駆動部110は、i番目の発光制御線Eiに供給される発光制御信号と時間的に重なるように、i-1番目の第1走査線S1i-1及びi番目の第1走査線S1iに走査信号を供給してもよい。特には、発光制御線信号のパルスの開始後に、i-1番目の第1走査線S1i-1に走査信号のパルスを供給し、さらにi番目の第1走査線S1iへの走査信号のパルスが終了した後に、発光制御線信号のパルスが終了するようにすることができる。
【0042】
走査駆動部110は薄膜成膜工程により基板に実装されてもよい。また、走査駆動部110は、画素部130を挟んで両側に位置してもよい。
【0043】
また、
図1には、走査駆動部110が走査信号及び発光制御信号を供給するものとして示されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、走査信号及び発光制御信号は、それぞれ相異なる駆動部によって供給されてもよい。
【0044】
また、発光制御信号は、画素140に含まれたトランジスタをターンオフできるゲートオフ電圧(例えば、ハイ電圧)に設定されてもよい。この場合、画素140に含まれており発光制御信号の供給を受けるトランジスタは、発光制御信号が供給されるときにターンオフされ、それ以外のときにはターンオン状態になるように設定される。
【0045】
データ駆動部120は、データ駆動制御信号DCSに応じて、データ線D1~Dmにデータ信号を供給する。データ線D1~Dmに供給されたデータ信号は、第1走査信号(または第2走査信号)によって選択された画素140に供給される。このため、データ駆動部120は、第1走査信号(または第2走査信号)と同期するようにしてデータ線D1~Dmにデータ信号を供給することができる。
【0046】
画素部130に備えられる画素140は、いずれも、走査線S11~S1n、S21~S2n、S31~S3n、発光制御線E1~En、及びデータ線D1~Dmと接続される。各画素140は、外部から、第1駆動電源ELVDD、第2駆動電源ELVSS、及び初期化電源Vintの供給を受ける。
【0047】
画素140のそれぞれは、
図1には示さない駆動トランジスタ及び有機発光ダイオードを備える。駆動トランジスタは、データ信号に応じて、第1駆動電源ELVDDから有機発光ダイオードを経由して第2駆動電源ELVSSに流れる電流の量を制御する。ここで、データ信号が供給される前に、駆動トランジスタのゲート電極は、初期化電源Vintの電圧によって初期化されてもよい。
【0048】
一方、
図1には、それぞれn個の走査線S11~S1n、S21~S2n、S31~S3n及びn個の発光制御線E1~Enが示されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、画素140の回路構造に応じて、現在の水平ライン(自段)に位置した画素は、これより前の水平ライン(前段またはさらに前の段)に位置した走査線と、さらに接続されてもよい。このため、画素部130には、不図示のダミー走査線及び/またはダミー発光制御線がさらに形成されてもよい。
【0049】
また、
図1には、第1走査線S11~S1n、第2走査線S21~S2n、及び第3走査線S31~S3nが示されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、画素140の回路構造に応じて、(i)第1走査線S11~S1n、(ii)第2走査線S21~S2n、及び(iii)第3走査線S31~S3nの3種のうちの、何れか一種のみ、または何れか2種のみが含まれてもよい。
【0050】
さらに、
図1には、発光制御線E1~Enが示されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、画素140の回路構造に応じて、不図示の反転発光制御線がさらに形成されてもよい。反転発光制御線は、発光制御信号を反転した反転発光制御信号の供給を受けることができる。
【0051】
図2は本発明の実施例による画素を示す図である。
図2では、説明の便宜のため、i番目の水平ラインに位置し、第mデータ線Dmと接続された画素を図示する。
【0052】
図2を参照すると、本発明の実施例による画素140は、酸化物半導体薄膜トランジスタ及びLTPS(低温ポリシリコン;Low Temperature Poly-Silicon)薄膜トランジスタを含む。
【0053】
酸化物半導体薄膜トランジスタはゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極を含む。酸化物半導体薄膜トランジスタは、酸化物半導体で形成されたアクティブ層を備える。ここで、酸化物半導体は、非晶質または結晶の酸化物の半導体であってもよい。酸化物半導体薄膜トランジスタはN型トランジスタからなっている。
【0054】
LTPS薄膜トランジスタは、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含む。LTPS薄膜トランジスタは、ポリシリコンで形成されたアクティブ層を備える。このようなLTPS薄膜トランジスタは、P型薄膜トランジスタまたはN型薄膜トランジスタからなってもよい。本発明の実施例では、LTPS薄膜トランジスタがP型トランジスタからなっていると仮定する。
【0055】
LTPS薄膜トランジスタは、高い電子移動度を有するため、速い駆動特性を有する。
【0056】
酸化物半導体薄膜トランジスタは低温工程が可能で、LTPS薄膜トランジスタに比べて低い電荷移動度を有する。このような酸化物半導体薄膜トランジスタは、オフ電流特性に優れる。
【0057】
本発明の実施例による画素140は、画素回路142及び有機発光ダイオードOLEDを備える。
【0058】
有機発光ダイオードOLEDは、アノード電極が画素回路142に接続され、カソード電極が第2駆動電源ELVSSに接続される。このような有機発光ダイオードOLEDは、画素回路142から供給される電流の量に応じて、所定輝度の光を生成する。
【0059】
画素回路142は、データ信号に応じて、第1駆動電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2駆動電源ELVSSに流れる電流の量を制御する。このため、画素回路142は、第1トランジスタ(駆動トランジスタ)M1(L)、第2トランジスタM2(L)、第3トランジスタM3(O)、第4トランジスタM4(O)、第5トランジスタM5(L)、第6トランジスタM6(L)、第7トランジスタM7(L)、及びストレージキャパシタCstを備える。
図2及びその他の回路図、及び本段落以降の説明において、薄膜トランジスタを示す参照符号に「(L)」または「(O)」が含まれている。これは、好ましい一典型例において、「(L)」を参照符号に含む薄膜トランジスタがLTPS薄膜トランジスタであること、及び、「(O)」参照符号に含む薄膜トランジスタがLTPS薄膜トランジスタであることを示す。但し、以下に説明するように、各画素における、少なくとも一つの薄膜トランジスタについて、種別を、典型例のものから変更可能である。
【0060】
第1トランジスタM1(L)は、第1電極が第1ノードN1に接続され、第2電極が第6トランジスタM6(L)の第1電極に接続される。また、第1トランジスタM1(L)のゲート電極は第2ノードN2に接続される。この第1トランジスタM1(L)は、ストレージキャパシタCstに保存された電圧に応じて、第1駆動電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2駆動電源ELVSSに供給される電流の量を制御する。速い駆動速度を確保するために、第1トランジスタM1(L)はLTPS薄膜トランジスタで形成される。第1トランジスタM1(L)はP型トランジスタで形成される。
【0061】
第2トランジスタM2(L)は、データ線Dmと第1ノードN1の間に接続される。また、第2トランジスタM2(L)のゲート電極は、i番目の第1走査線S1iに接続される。この第2トランジスタM2(L)は、i番目の第1走査線S1iに第1走査信号が供給されるときにターンオンされ、データ線Dmと第1ノードN1を電気的に接続させる。第2トランジスタM2(L)はLTPS薄膜トランジスタで形成されてもよい。第2トランジスタM2(L)はP型トランジスタで形成される。
【0062】
第3トランジスタM3(O)は、第1トランジスタM1(L)の第2電極と、第2ノードN2との間に接続される。また、第3トランジスタM3(O)のゲート電極は、i番目の第2走査線S2iに接続される。この第3トランジスタM3(O)は、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されるときにターンオンされて、第1トランジスタM1(L)をダイオードの形態に接続させる。
【0063】
第3トランジスタM3(O)は酸化物半導体薄膜トランジスタで形成される。また、このことと関連して、第1トランジスタM1(L)及び第2トランジスタM2(L)がP型トランジスタで形成される本実施形態において、第3トランジスタM3(O)はN型トランジスタで形成される。第3トランジスタM3(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されると、第2ノードN2から第1トランジスタM1(L)の第2電極の側に流れ出るリーク電流が最小化されるため、所望する輝度の映像を表示することができる。
【0064】
第4トランジスタM4(O)は、第2ノードN2と初期化電源Vintの間に接続される。また、第4トランジスタM4(O)のゲート電極は、i番目の第3走査線S3iに接続される。この第4トランジスタM4(O)は、i番目の第3走査線S3iに第3走査信号が供給されるときにターンオンされて、第2ノードN2に初期化電源Vintの電圧を供給する。
【0065】
第4トランジスタM4(O)は酸化物半導体薄膜トランジスタで形成される。また、このことと関連して、本実施形態において、第4トランジスタM4(O)はN型トランジスタで形成される。第4トランジスタM4(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されると、第2ノードN2から初期化電源Vintに流れるリーク電流が最小化されるため、所望する輝度の映像を表示することができる。
【0066】
第5トランジスタM5(L)は、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極と、初期化電源Vintとの間に接続される。また、第5トランジスタM5(L)のゲート電極はi番目の第1走査線S1iに接続される。この第5トランジスタM5(L)は、i番目の第1走査線S1iに第1走査信号が供給されるときにターンオンされて、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に、初期化電源Vintの電圧を供給する。第5トランジスタM5(L)はLTPS薄膜トランジスタで形成されてもよい。第5トランジスタM5(L)はP型トランジスタで形成される。
【0067】
一方、初期化電源Vintの電圧は、データ信号より低い電圧に設定されてもよい。初期化電源Vintの電圧が、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に供給されると、有機発光ダイオードOLEDの寄生キャパシタ(以下、「有機キャパシタColed」とする)が放電される。有機キャパシタColedが放電されると、画素140のブラック表現能力が向上する。
【0068】
詳しく説明すると、有機キャパシタColedは、現在のフレームより前のフレーム期間にて画素回路142から供給される電流に応じて、所定の電圧を保存する。有機キャパシタColedに所定の電圧が保存されると、有機発光ダイオードOLEDは、低い電流でも容易に発光しうる。
【0069】
一方、現在のフレーム期間にて、画素回路142にブラックデータ信号が供給されうる。ブラックデータ信号が供給されると、理想的には、画素回路142は有機発光ダイオードOLEDに電流を供給してはならない。しかし、ブラックデータ信号が供給されても、第1トランジスタM1(L)から所定のリーク電流が有機発光ダイオードOLEDに供給されることがある。このとき、有機キャパシタColedに電荷及び電圧が保存された状態であれば、有機発光ダイオードOLEDは微細に発光することがあり、これにより、ブラック表現能力が低下する。
【0070】
しかし、本発明のように、初期化電源Vintによって有機キャパシタColedが放電された状態であると、第1トランジスタM1(L)からリーク電流が供給されても、有機発光ダイオードOLEDは非発光状態に設定される。即ち、第1トランジスタM1(L)からのリーク電流は、有機キャパシタColedを先に充電するため、有機発光ダイオードOLEDは、非発光状態を保持することができる。
【0071】
第6トランジスタM6(L)は、第1トランジスタM1(L)の第2電極と、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極との間に接続される。また、第6トランジスタM6(L)のゲート電極は発光制御線Eiに接続される。この第6トランジスタM6(L)は、発光制御線Eiに発光制御信号が供給されるときにターンオフされ、発光制御信号が供給されないときにはターンオンされたままとなっている。第6トランジスタM6(L)は、LTPS薄膜トランジスタで形成されてもよい。第6トランジスタM6(L)はP型トランジスタで形成される。
【0072】
第7トランジスタM7(L)は、第1駆動電源ELVDDと第1ノードN1の間に接続される。また、第7トランジスタM7(L)のゲート電極は発光制御線Eiに接続される。この第7トランジスタM7(L)は、発光制御線Eiに発光制御信号が供給されるときにターンオフされ、発光制御信号が供給されないときにはターンオンされたままとなっている。第7トランジスタM7(L)はLTPS薄膜トランジスタで形成されてもよい。第7トランジスタM7(L)はP型トランジスタで形成される。
【0073】
ストレージキャパシタCstは、第1駆動電源ELVDDと第2ノードN2の間に接続される。このストレージキャパシタCstは、データ信号及び第1トランジスタM1(L)のしきい値電圧に対応する電圧を保存する。
【0074】
一方、上述した本発明の実施例では、第2ノードN2と接続された第3トランジスタM3(O)及び第4トランジスタM4(O)を酸化物半導体薄膜トランジスタで形成する。このように、第3トランジスタM3(O)及び第4トランジスタM4(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されると、第2ノードN2からのリーク電流が最小化されるため、所望する輝度の映像を表示することができる。
【0075】
また、上述した本発明の実施例では、有機発光ダイオードOLEDに電流を供給するための電流供給経路に位置したトランジスタM7(L)、M1(L)、M6(L)を、LTPS薄膜トランジスタで形成する。このように電流供給経路に位置したトランジスタM7(L)、M1(L)、M6(L)をLTPS薄膜トランジスタで形成すると、速い駆動特性によって、安定的に有機発光ダイオードOLEDに電流を供給することができる。
【0076】
図3aは、
図2に示された画素の駆動方法の実施例を示す波形図である。
【0077】
図3aを参照すると、まず、発光制御線Eiに発光制御信号(ハイ電圧)が供給され、これにより、P型で形成された第6トランジスタM6(L)及び第7トランジスタM7(L)がターンオフされる。第6トランジスタM6(L)がターンオフされると、第1トランジスタM1(L)と有機発光ダイオードOLEDの電気的接続が遮断される。第7トランジスタM7(L)がターンオフされると、第1駆動電源ELVDDと第1ノードN1の電気的接続が遮断される。したがって、発光制御信号が供給される期間中、画素140は非発光状態に設定される。
【0078】
その後、i番目の第3走査線S3iに、第3走査信号(ハイ電圧)が供給される。i番目の第3走査線S3iに第3走査信号が供給されると、N型で形成された第4トランジスタM4(O)がターンオンされる。第4トランジスタM4(O)がターンオンされると、初期化電源Vintの電圧が、第2ノードN2に供給される。
【0079】
第2ノードN2に初期化電源Vintの電圧が供給された後、i番目の第1走査線S1iに第1走査信号(ロー電圧)が供給され、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号(ハイ電圧)が供給される。
【0080】
i番目の第1走査線S1iに第1走査信号が供給されると、P型で形成された第2トランジスタM2(L)及び第5トランジスタM5(L)がターンオンされる。
【0081】
第5トランジスタM5(L)がターンオンされると、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に、初期化電源Vintの電圧が供給される。有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に初期化電源Vintの電圧が供給されると、有機キャパシタColedが放電される。
【0082】
第2トランジスタM2(L)がターンオンされると、データ線Dmと第1ノードN1が電気的に接続される。そうすると、データ線Dmからのデータ信号が第1ノードN1に供給される。
【0083】
i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されると、N型で形成された第3トランジスタM3(O)がターンオンされる。第3トランジスタM3(O)がターンオンされると、第1トランジスタM1(L)がダイオードの形態に接続される。すると、第2ノードN2が、データ信号より低い初期化電源Vintの電圧に初期化されていたため、第1トランジスタM1(L)がターンオンされる。
【0084】
第1トランジスタM1(L)がターンオンされると、第1ノードN1に供給されたデータ信号が、ダイオードの形態に接続された第1トランジスタM1(L)を経由して、第2ノードN2に供給される。このとき、第2ノードN2は、データ信号及び第1トランジスタM1(L)のしきい値電圧に対応する電圧に設定される。ストレージキャパシタCstは、第2ノードN2に印加された電圧を保存する。
【0085】
ストレージキャパシタCstに第2ノードN2の電圧が保存された後、発光制御線Eiへの発光制御信号の供給が中断される。発光制御線Eiへの発光制御信号の供給が中断されると、第6トランジスタM6(L)及び第7トランジスタM7(L)がターンオンされる。
【0086】
第6トランジスタM6(L)がターンオンされると、第1トランジスタM1(L)と有機発光ダイオードOLEDが電気的に接続される。第7トランジスタM7(L)がターンオンされると、第1駆動電源ELVDDと第1ノードN1が電気的に接続される。このように電気的に接続されたとき、第1トランジスタM1(L)は、第2ノードN2の電圧に応じて、第1駆動電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2駆動電源ELVSSに流れる電流の量を制御する。
【0087】
一方、第2ノードN2は、酸化物半導体薄膜トランジスタである第3トランジスタM3(O)及び第4トランジスタM4(O)と接続されるため、リーク電流が最小化される。したがって、第2ノードN2は、一フレーム期間中、所望する電圧を保持することができ、これにより、画素140は、一フレーム期間中、データ信号に応じて所望する輝度の光を生成することができる。
【0088】
一方、本発明の実施例では、i番目の第3走査線S3iは、i-1番目の第2走査線S2i-1で代替されてもよい。この場合、
図3bに示されたように、i-1番目の第2走査線S2i-1に供給される第2走査信号が、第4トランジスタM4(O)に供給される。この場合も、動作の過程は上述と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0089】
図4は本発明の他の実施例による画素を示す図である。
図4を説明するにおいて、
図2と同様の構成に対しては同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0090】
図4を参照すると、本発明の他の実施例による画素140は、画素回路142’及び有機発光ダイオードOLEDを備える。
【0091】
有機発光ダイオードOLEDは、そのアノード電極は画素回路142’に接続され、カソード電極が第2駆動電源ELVSSに接続される。このような有機発光ダイオードOLEDは、画素回路142’から供給される電流の量に応じて所定輝度の光を生成する。
【0092】
画素回路142’は、第1トランジスタM1(L)、第2トランジスタM2(L)、第3トランジスタM3(O)、第4トランジスタM4(O)、第5トランジスタM5(O)、第6トランジスタM6(L)、第7トランジスタM7(L)、及びストレージキャパシタCstを備える。
【0093】
このような本発明の他の実施例による画素回路142’の構成は、第5トランジスタM5(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成され、これに伴い、第5トランジスタM5(O)のゲート電極が、下記のように、i番目の第2走査線S2iに接続されることを除き、
図2の画素回路142の構成と同様である。
【0094】
第5トランジスタM5(O)は、
図2の画素回路142と同様に、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極と、初期化電源Vintとの間に接続される。しかし、第5トランジスタM5(O)のゲート電極は、i番目の第2走査線S2iに接続される。この第5トランジスタM5(O)は、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されるときにターンオンされて、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に、初期化電源Vintの電圧を供給する。このため、第5トランジスタM5(O)はN型トランジスタで形成される。
【0095】
一方、第5トランジスタM5(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されると、発光期間中、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極から初期化電源Vintに供給されるリーク電流を、最小化することができる。このように、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極から初期化電源Vintに供給されるリーク電流が、最小化されると、有機発光ダイオードOLEDにて、所望する輝度の光を生成することができる。
【0096】
なお、第5トランジスタM5(O)は、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されるときにターンオンされるということを除き、実質的な動作過程は、
図2と同様である。したがって、駆動方法に関する詳細な説明は省略する。
【0097】
図5は、本発明のさらに他の実施例による画素を示す図である。
図5を説明するにおいて、
図4と同様の構成に対しては同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0098】
図5を参照すると、本発明のさらに他の実施例による画素140は、画素回路142”及び有機発光ダイオードOLEDを備える。
【0099】
有機発光ダイオードOLEDは、そのアノード電極が画素回路142”に接続され、カソード電極が第2駆動電源ELVSSに接続される。このような有機発光ダイオードOLEDは、画素回路142”から供給される電流の量に応じて所定輝度の光を生成する。
【0100】
画素回路142”は、第1トランジスタM1(L)、第2トランジスタM2(O)、第3トランジスタM3(O)、第4トランジスタM4(O)、第5トランジスタM5(O)、第6トランジスタM6(L)、第7トランジスタM7(L)、及びストレージキャパシタCstを備える。
【0101】
このような、本発明のさらに他の実施例による画素回路142”の構成は、第2トランジスタM2(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されること、及びこれに伴い、下記のように、第2トランジスタM2(O)のゲート電極がi番目の第2走査線S2iに接続される点を除き、
図4の画素回路142’と同様である。
【0102】
第2トランジスタM2(O)は、
図4の画素回路142’並びに
図2の画素回路142と同様に、データ線Dmと第1ノードN1の間に接続される。しかし、第2トランジスタM2(O)のゲート電極はi番目の第2走査線S2iに接続される。この第2トランジスタM2(O)は、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されるときにターンオンされて、データ線Dmと第1ノードN1を電気的に接続させる。このため、第2トランジスタM2(O)はN型トランジスタで形成される。
【0103】
一方、第2トランジスタM2(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されると、第1ノードN1とデータ線Dmの間の、所望しない電流の流れが、最小化される。そのため、有機発光ダイオードOLEDにて、所望する輝度の光を生成することができる。
【0104】
また、第2トランジスタM2(O)がN型トランジスタで形成される場合、第1走査線S1を省略してもよい。
【0105】
図6は、
図5に示された画素の駆動方法の実施例を示す波形図である。
図6を説明する際、
図2と同様の駆動方法については簡単に説明する。
【0106】
図6を参照すると、まず、発光制御線Eiに発光制御信号が供給され、第6トランジスタM6(L)及び第7トランジスタM7(L)がターンオフされる。第6トランジスタM6(L)及び第7トランジスタM7(L)がターンオフされると、画素140は非発光状態に設定される。
【0107】
その後、i番目の第3走査線S3iに第3走査信号が供給される。i番目の第3走査線S3iに第3走査信号が供給されると、第4トランジスタM4(O)がターンオンされる。第4トランジスタM4(O)がターンオンされると、初期化電源Vintの電圧が第2ノードN2に供給される。
【0108】
第2ノードN2に初期化電源Vintの電圧が供給された後、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給される。
【0109】
i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されると、第2トランジスタM2(O)、第3トランジスタM3(O)、及び第5トランジスタM5(O)がターンオンされる。
【0110】
第5トランジスタM5(O)がターンオンされると、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に初期化電源Vintの電圧が供給される。
【0111】
第2トランジスタM2(O)がターンオンされると、データ線Dmと第1ノードN1が電気的に接続される。そうすると、データ線Dmからのデータ信号が第1ノードN1に供給される。
【0112】
第3トランジスタM3(O)がターンオンされると、第1トランジスタM1(L)がダイオードの形態に接続される。このとき、第2ノードN2が、データ信号より低い初期化電源Vintの電圧に初期化されていたため、第1トランジスタM1(L)がターンオンされる。
【0113】
第1トランジスタM1(L)がターンオンされると、第1ノードN1に供給されたデータ信号が、ダイオードの形態に接続された第1トランジスタM1(L)を経由して、第2ノードN2に供給される。すると、第2ノードN2は、データ信号及び第1トランジスタM1(L)のしきい値電圧に対応する電圧に設定される。ストレージキャパシタCstは第2ノードN2に印加された電圧を保存する。
【0114】
ストレージキャパシタCstに第2ノードN2の電圧が保存された後、発光制御線Eiへの発光制御信号の供給が中断される。発光制御線Eiへの発光制御信号の供給が中断されると、第6トランジスタM6(L)及び第7トランジスタM7(L)がターンオンされる。
【0115】
第6トランジスタM6(L)及び第7トランジスタM7(L)がターンオンされると、第1駆動電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2駆動電源ELVSSにまで繋がる、電流供給経路が形成される。このとき、第1トランジスタM1(L)は、第2ノードN2の電圧に応じて、第1駆動電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2駆動電源ELVSSに流れる電流の量を制御する。
【0116】
一方、上述した本発明の実施例では、有機発光ダイオードOLEDに電流を供給するための電流供給経路に位置したトランジスタM7(L)、M1(L)、M6(L)を、LTPS薄膜トランジスタで形成する。このように、電流供給経路に位置したトランジスタM7(L)、M1(L)、M6(L)をLTPS薄膜トランジスタで形成すると、速い駆動特性によって安定的に有機発光ダイオードOLEDに電流を供給することができる。
【0117】
また、本発明の実施例では、電流供給経路に位置しないトランジスタM2(O)、M3(O)、M4(O)、M5(O)を、いずれも、酸化物半導体薄膜トランジスタで形成する。このように、電流供給経路に位置しないトランジスタM2(O)、M3(O)、M4(O)、M5(O)を、いずれも酸化物半導体薄膜トランジスタで形成すると、リーク電流が最小化されるため、所望する輝度の映像を表示することができる。
【0118】
図7は、本発明のさらに他の実施例による画素を示す図である。
図7では、説明の便宜上、i番目の水平ラインに位置し、第mデータ線Dmと接続された画素を図示する。
【0119】
図7を参照すると、本発明のさらに他の実施例による画素140は、有機発光ダイオードOLED及び画素回路144を備える。
【0120】
有機発光ダイオードOLEDのアノード電極は画素回路144に接続され、カソード電極は第2駆動電源ELVSSに接続される。このような有機発光ダイオードOLEDは、画素回路144から供給される電流量に応じて所定輝度の光を生成する。
【0121】
画素回路144は、データ信号に応じて、第1駆動電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2駆動電源ELVSSに流れる電流の量を制御する。このため、画素回路144は、第1トランジスタM11(L)、第2トランジスタM12(L)、第3トランジスタM13(O)、第4トランジスタM14(O)、第5トランジスタM15(L)、第6トランジスタM16(L)、及びストレージキャパシタCstを備える。
【0122】
第1トランジスタM11(L)は、その第1電極が第1駆動電源ELVDDに接続され、第2電極が第6トランジスタM16(L)の第1電極に接続される。また、第1トランジスタM11(L)のゲート電極は、第1ノードN1に接続される。この第1トランジスタM11(L)は、第1ノードN1の電圧に応じて、第1駆動電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2駆動電源ELVSSに供給される電流の量を制御する。速い駆動速度を確保するために、第1トランジスタM11(L)はP型LTPS薄膜トランジスタで形成される。
【0123】
第2トランジスタM12(L)は、第1ノードN1と、第1トランジスタM11(L)の第2電極との間に接続される。また、第2トランジスタM12(L)のゲート電極は、i番目の第1走査線S1iに接続される。この第2トランジスタM12(L)は、i番目の第1走査線S1iに第1走査信号が供給されるときにターンオンされる。第2トランジスタM12(L)がターンオンされると、第1トランジスタM11(L)がダイオードの形態に接続される。第2トランジスタM12(L)はP型LTPS薄膜トランジスタで形成される。
【0124】
第3トランジスタM13(O)は、データ線Dmと第2ノードN2の間に接続される。また、第3トランジスタM13(O)のゲート電極はi番目の第2走査線S2iに接続される。この第3トランジスタM13(O)は、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されるときにターンオンされる。第3トランジスタM13(O)がターンオンされると、データ線Dmと第2ノードN2が電気的に接続される。
【0125】
第3トランジスタM13(O)は酸化物半導体薄膜トランジスタで形成される。このような実施形態において、第3トランジスタM13(O)はN型トランジスタで形成される。第3トランジスタM13(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されると、第2ノードN2とデータ線Dmの間のリーク電流が最小化されるため、所望する輝度の映像を表示することができる。
【0126】
第4トランジスタM14(O)は、第2ノードN2と初期化電源Vintの間に接続される。また、第4トランジスタM14(O)のゲート電極は、反転発光制御線/Eiに接続される。この第4トランジスタM14(O)は、反転発光制御線/Eiに反転発光制御信号が供給されるときにターンオフされ、反転発光制御信号が供給されないときにはターンオンされたままとなっている。反転発光制御信号の供給が中段・停止されることで第4トランジスタM14(O)がターンオンされると、第2ノードN2に初期化電源Vintの電圧が供給される。
【0127】
第4トランジスタM14(O)は酸化物半導体薄膜トランジスタで形成される。このような実施形態において、第4トランジスタM14(O)はN型トランジスタで形成される。第4トランジスタM14(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されると、第2ノードN2と初期化電源Vintの間のリーク電流が最小化されるため、所望する輝度の映像を表示することができる。
【0128】
また、反転発光制御線/Eiに供給される反転発光制御信号は、発光制御線Eiに供給される発光制御信号を反転した信号に設定される。例えば、発光制御信号がハイ電圧に設定されている場合、反転発光制御信号はロー電圧に設定されることができる。
【0129】
第5トランジスタM15(L)は、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極と、初期化電源Vintとの間に接続される。また、第5トランジスタM15(L)のゲート電極は、i番目の第1走査線S1iに接続される。この第5トランジスタM15(L)は、i番目の第1走査線S1iに第1走査信号が供給されるときにターンオンされる。第5トランジスタM15(L)がターンオンされると、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に、初期化電源Vintの電圧が供給される。このような第5トランジスタM15(L)はP型LTPS薄膜トランジスタで形成される。
【0130】
第6トランジスタM16(L)は、第1トランジスタM11(L)の第2電極と、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極との間に接続される。また、第6トランジスタM16(L)のゲート電極は、発光制御線Eiに接続される。この第6トランジスタM16(L)は、発光制御線Eiに発光制御信号が供給されるときにターンオフされ、発光制御信号が供給されないときにはターンオンされたままとなっている。第6トランジスタM16(L)はP型LTPS薄膜トランジスタで形成される。
【0131】
ストレージキャパシタCstは、第1ノードN1と第2ノードN2の間に接続される。このストレージキャパシタCstは、データ信号及び第1トランジスタM11(L)のしきい値電圧に対応する電圧を保存する。
【0132】
一方、上述した本発明の実施例では、いずれも第2ノードN2に接続されている第3トランジスタM13(O)及び第4トランジスタM14(O)を、酸化物半導体薄膜トランジスタで形成する。このように、第3トランジスタM13(O)及び第4トランジスタM14(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されると、リーク電流による第2ノードN2の電圧変動が最小化されるため、所望する輝度の映像を表示することができる。
【0133】
また、上述した本発明の実施例では、有機発光ダイオードOLEDに電流を供給するための電流供給経路に位置したトランジスタM11(L)、M16(L)を、LTPS薄膜トランジスタで形成する。このように、電流供給経路に位置したトランジスタM11(L)、M16(L)を、LTPS薄膜トランジスタで形成すると、速い駆動特性によって、安定的に有機発光ダイオードOLEDに電流を供給することができる。
【0134】
図8は、
図7に示された画素の駆動方法の実施例を示す波形図である。
【0135】
図8を参照すると、まず、i番目の第1走査線S1iに第1走査信号が供給され、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給される。
【0136】
i番目の第1走査線S1iに第1走査信号が供給されると、第2トランジスタM12(L)及び第5トランジスタM15(L)がターンオンされる。
【0137】
第5トランジスタM15(L)がターンオンされると、初期化電源Vintの電圧が、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に供給される。有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に初期化電源Vintの電圧が供給されると、有機キャパシタColedが放電される。
【0138】
第2トランジスタM12(L)がターンオンされると、第1トランジスタM11(L)がダイオードの形態に接続される。このとき、第1ノードN1は、第6トランジスタM16(L)及び第5トランジスタM15(L)を経由して、初期化電源Vintと電気的に接続される。これにより、第1ノードN1は初期化電源Vintの電圧に初期化される。
【0139】
i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されると、第3トランジスタM13(O)がターンオンされる。第3トランジスタM13(O)がターンオンされると、データ線Dmと第2ノードN2が電気的に接続される。
【0140】
第1走査信号及び第2走査信号の供給の開始後、第1走査信号及び第2走査信号の供給期間と少なくとも一部が重なる期間中、発光制御線Eiに発光制御信号が供給され、反転発光制御線/Eiに反転発光制御信号が供給される。
図8に示す一具体例によると、第1走査信号及び第2走査信号、並びに、発光制御線信号及び反転発光制御信号は、いずれもパルス幅が同一である。
【0141】
発光制御線Eiに発光制御信号が供給されると、第6トランジスタM16(L)がターンオフされる。第6トランジスタM16(L)がターンオフされると、ダイオードの形態に接続された第1トランジスタM11(L)によって、第1ノードN1には、第1駆動電源ELVDDから第1トランジスタM11(L)のしきい値電圧の絶対値を引いた電圧が印加される。
【0142】
反転発光制御線/Eiに反転発光制御信号が供給されると、第4トランジスタM14(O)がターンオフされる。第4トランジスタM14(O)がターンオフされると、第2ノードN2と初期化電源Vintとの間の電気的接続が遮断される。このとき、第3トランジスタM13(O)がターンオン状態を保持するため、第2ノードN2にはデータ信号の電圧が印加される。
【0143】
このとき、ストレージキャパシタCstには、第2ノードN2と第1ノードN1との差電圧に対応する電圧が充電される。即ち、ストレージキャパシタCstには、データ信号及び第1トランジスタM11(L)のしきい値電圧に対応する電圧が保存される。
【0144】
ストレージキャパシタCstに所定の電圧が充電された後、i番目の第1走査線S1iへの第1走査信号の供給が中断されるとともに、i番目の第2走査線S2iへの第2走査信号の供給が中断される。第1走査信号の供給が中断される。すると、第2トランジスタM12(L)及び第5トランジスタM15(L)がターンオフされる。第2走査信号の供給が中断されると、第3トランジスタM13(O)がターンオフされる。
【0145】
その後、発光制御線Eiへの発光制御信号の供給が中断され、反転発光制御線/Eiへの反転発光制御信号の供給が中断される。発光制御線Eiへの発光制御信号の供給が中断されると、第6トランジスタM16(L)がターンオンされる。第6トランジスタM16(L)がターンオンされると、第1トランジスタM11(L)と有機発光ダイオードOLEDが電気的に接続される。
【0146】
反転発光制御線/Eiへの反転発光制御信号の供給が中断されると、初期化電源Vintの電圧が第2ノードN2に供給される。ここで、初期化電源Vintの電圧は、データ信号の電圧範囲内の特定の電圧に設定されてもよい。
【0147】
例えば、初期化電源Vintは、ブラックデータ信号と同一であるか、または、これより高く、その他の階調を有するデータ信号より低い電圧に設定されるのであってもよい。
【0148】
第2ノードN2にブラックデータ信号が印加されていた場合、初期化電源Vintの電圧が供給されると、第2ノードN2の電圧は、同一の電圧のままに保持されるか、または、所定の電圧だけ上昇するのでありうる。このとき、第1ノードN1の電圧は、第2ノードN2の電圧の変更に応じて所定の電圧だけ上昇するか、これより前の期間の電圧のままに保持される。例えば、第1ノードN1は、第1駆動電源ELVSSから第1トランジスタM11(L)のしきい値電圧の絶対値を引いた電圧に保持されてもよい。この場合、第1トランジスタM11(L)はターンオフ状態を保持する。
【0149】
第2ノードN2に、ブラックを除いた他の階調に対応するデータ信号が印加されていた場合、初期化電源Vintの電圧が供給されると、第2ノードN2の電圧は所定の電圧だけ下降する。このとき、第1ノードN1の電圧は、第2ノードN2の電圧変更に応じて所定の電圧だけ下降する。第1ノードN1の電圧が下降すると、第1トランジスタM11(L)がターンオンされる。このとき、第1トランジスタM11(L)は、第1ノードN1に対応する電流を、有機発光ダイオードOLEDに供給する。
【0150】
一方、第2ノードN2の電圧の下降幅は、データ信号によって決まる。即ち、第1ノードN1の電圧の下降幅はデータ信号によって決まるため、第1トランジスタM11(L)は、データ信号に応じて電流の量を制御することができる。
【0151】
図9は本発明のさらに他の実施例による画素を示す図である。
図9を説明するにおいて、
図7と同じ構成に対しては同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0152】
図9を参照すると、本発明のさらに他の実施例による画素140は、画素回路144’及び有機発光ダイオードOLEDを備える。
【0153】
有機発光ダイオードOLEDは、そのアノード電極は画素回路144’に接続され、カソード電極が第2駆動電源ELVSSに接続される。このような有機発光ダイオードOLEDは、画素回路144’から供給される電流の量に応じて所定輝度の光を生成する。
【0154】
画素回路144’は、第1トランジスタM11(L)、第2トランジスタM12(O)、第3トランジスタM13(O)、第4トランジスタM14(O)、第5トランジスタM15(O)、第6トランジスタM16(L)、及びストレージキャパシタCstを備える。
【0155】
このような本発明のさらに他の実施例による画素回路144’は、第2トランジスタM12(O)及び第5トランジスタM15(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成され、これに伴い、第2トランジスタM12(O)のゲート電極、及び第5トランジスタM5(O)のゲート電極が、下記のように、i番目の第2走査線S2iに接続されることを除き、
図7の画素回路144の構成と同様である。
【0156】
第2トランジスタM12(O)は、第1ノードN1と、第1トランジスタM11(L)の第2電極との間に接続される。また、第2トランジスタM12(O)のゲート電極はi番目の第2走査線S2iに接続される。この第2トランジスタM12(O)は、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されるときにターンオンされる。第2トランジスタM12(O)がターンオンされると、第1トランジスタM11(L)がダイオードの形態に接続される。この第2トランジスタM12(O)はN型酸化物半導体薄膜トランジスタで形成される。
【0157】
第2トランジスタM12(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されると、第1ノードN1から第1トランジスタM11(L)の第2電極に流れるリーク電流が最小化できるため、有機発光ダイオードOLEDで所望する輝度の光を生成することができる。
【0158】
第5トランジスタM15(O)は、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極と初期化電源Vintの間に接続される。また、第5トランジスタM15(O)のゲート電極はi番目の第2走査線S2iに接続される。この第5トランジスタM15(O)は、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されるときにターンオンされる。第5トランジスタM15(O)がターンオンされると、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に初期化電源Vintの電圧が供給される。この第5トランジスタM15(O)はN型酸化物半導体薄膜トランジスタで形成される。
【0159】
第5トランジスタM15(O)が酸化物半導体薄膜トランジスタで形成されると、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極から初期化電源Vintに流れるリーク電流を最小化できるため、有機発光ダイオードOLEDで所望する輝度の光を生成することができる。
【0160】
また、第2トランジスタM12(O)及び第5トランジスタM15(O)がN型トランジスタで形成されると、第1走査線S1は省略してもよい。この場合、画素140は、発光制御線Ei及び反転発光制御線/Eiの他は、第2走査線S2のみによって駆動することができる。
【0161】
図10は、
図9に示された画素の駆動方法の実施例を示す波形図である。
図10を説明するにおいて、
図7と同じ駆動方法については簡単に説明する。
【0162】
図10を参照すると、まず、i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給される。i番目の第2走査線S2iに第2走査信号が供給されると、第2トランジスタM12(O)、第3トランジスタM13(O)、及び第5トランジスタM15(O)がターンオンされる。
【0163】
第5トランジスタM15(O)がターンオンされると、初期化電源Vintの電圧が有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に供給される。有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に初期化電源Vintの電圧が供給されると、有機キャパシタColedが放電される。
【0164】
第2トランジスタM12(O)がターンオンされると、第1トランジスタM11(L)がダイオード形態に接続される。このとき、第1ノードN1は、第6トランジスタM16(L)及び第5トランジスタM15(O)を経由して初期化電源Vintと電気的に接続される。これにより、第1ノードN1は初期化電源Vintの電圧に初期化される。
【0165】
第3トランジスタM13(O)がターンオンされると、データ線Dmと第2ノードN2が電気的に接続される。
【0166】
第2走査信号の供給の開始後、第2走査信号の供給期間と少なくとも一部の期間が重なる期間中、発光制御線Eiに発光制御信号が供給され、反転発光制御線/Eiに反転発光制御信号が供給される。
図10に示す一具体例によると、第2走査信号、並びに、発光制御線Ei及び反転発光制御信号/Eiは、いずれもパルス幅が同一である。
【0167】
発光制御線Eiに発光制御信号が供給されると、第6トランジスタM16(L)がターンオフされる。第6トランジスタM16(L)がターンオフされると、ダイオードの形態に接続された第1トランジスタM11(L)によって、第1ノードN1には、第1駆動電源ELVDDから第1トランジスタM11(L)のしきい値電圧の絶対値を引いた電圧が印加される。
【0168】
反転発光制御線/Eiに反転発光制御信号が供給されると、第4トランジスタM14(O)がターンオフされる。第4トランジスタM14(O)がターンオフされると、第2ノードN2と初期化電源Vintの電気的接続が遮断される。このとき、第3トランジスタM13(O)がターンオン状態を保持するため、第2ノードN2にはデータ信号の電圧が印加される。
【0169】
このとき、ストレージキャパシタCstには、第2ノードN2と第1ノードN1との差電圧に対応する電圧が充電される。即ち、ストレージキャパシタCstには、データ信号及び第1トランジスタM11(L)のしきい値電圧に対応する電圧が保存される。
【0170】
ストレージキャパシタCstに所定の電圧が充電された後、i番目の第2走査線S2iへの第2走査信号の供給が中断される。i番目の第2走査線S2iへの第2走査信号の供給が中断されると、第2トランジスタM12(O)、第3トランジスタM13(O)、及び第5トランジスタM15(O)がターンオフされる。
【0171】
その後、発光制御線Eiへの発光制御信号の供給が中断され、反転発光制御線/Eiへの反転発光制御信号の供給が中断される。発光制御線Eiへの発光制御信号の供給が中断されると、第6トランジスタM16(L)がターンオンされる。第6トランジスタM16(L)がターンオンされると、第1トランジスタM11(L)と有機発光ダイオードOLEDが電気的に接続される。反転発光制御線/Eiへの反転発光制御信号の供給が中断されると、初期化電源Vintの電圧が第2ノードN2に供給される。
【0172】
このとき、第2ノードN2の電圧変化に応じて、第1ノードN1の電圧が変更される。第1トランジスタM11(L)は、第1ノードN1の電圧に応じて、第1駆動電源ELVDDから有機発光ダイオードOLEDを経由して第2駆動電源ELVSSに流れる電流の量を制御する。
【0173】
一方、本発明の走査駆動部110は、第1走査信号、第2走査信号、及び発光制御信号のうちの少なくとも1つを生成するために複数のステージ回路を備える。
【0174】
図11は、本発明の実施例によるステージ回路を示す図である。
【0175】
図11を参照すると、本発明の実施例によるステージ回路は、酸化物半導体薄膜トランジスタ及びLTPS(Low Temperature Poly-Silicon)薄膜トランジスタを含む。
【0176】
例えば、本発明の実施例によるステージ回路は、LTPS薄膜トランジスタで形成される第1トランジスタT1(L)、第2トランジスタT2(L)、第5トランジスタT5(L)、第6トランジスタT6(L)、及び第9トランジスタT9(L)を備える。また、本発明の実施例によるステージ回路は、酸化物半導体薄膜トランジスタで形成される第3トランジスタT3(O)、第4トランジスタT4(O)、第7トランジスタT7(O)、第8トランジスタT8(O)、及び第10トランジスタT10(O)を備える。
【0177】
第1トランジスタT1(L)、第2トランジスタT2(L)、第3トランジスタT3(O)、及び第4トランジスタT4(O)は、第1電源VDDから第2電源VSSの間に直列に、この順に接続される。ここで、第1電源VDDはハイ電圧に設定され、第2電源VSSはロー電圧に設定されてもよい。
【0178】
第1トランジスタT1(L)のゲート電極は、スタートパルスFLMまたは前段ステージの出力信号の供給を受ける。この第1トランジスタT1(L)は、P型トランジスタで形成され、スタートパルスFLMまたは前段ステージの出力信号(ハイ電圧)が供給されないときにはターンオンされる。
【0179】
第2トランジスタT2(L)のゲート電極は、第1クロック信号CLK1の供給を受ける。この第2トランジスタT2(L)はP型トランジスタで形成され、第1クロック信号CLK1がロー電圧に設定されるときにターンオンされる。
【0180】
第3トランジスタT3(O)のゲート電極は、第2クロック信号CLK2の供給を受ける。この第3トランジスタT3(O)は、N型トランジスタで形成され、第2クロック信号CLK2がハイ電圧に設定されるときにターンオンされる。
【0181】
ここで、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2は同じ周期を有し、位相が反転された信号に設定されてもよい。
【0182】
第4トランジスタT4(O)のゲート電極は、スタートパルスFLMまたは前段ステージの出力信号の供給を受ける。この第4トランジスタT4(O)は、N型トランジスタで形成され、スタートパルスFLMまたは前段ステージの出力信号(ハイ電圧)が供給されるときにターンオンされる。
【0183】
また、第2トランジスタT2(L)及び第3トランジスタT3(O)の間の共通ノードは、第1ノードN1と電気的に接続される。
【0184】
第5トランジスタT5(L)、第6トランジスタT6(L)、第7トランジスタT7(O)、及び第8トランジスタT8(O)は、第1電源VDDから第2電源VSSの間に直列に、この順で接続される。
【0185】
第5トランジスタT5(L)のゲート電極は、出力端子と電気的に接続される。この第5トランジスタT5(L)は、P型トランジスタで形成され、出力端子の電圧に応じてターンオンまたはターンオフされる。
【0186】
第6トランジスタT6(L)のゲート電極は、第2クロック信号CLK2の供給を受ける。この第6トランジスタT6(L)はP型トランジスタで形成され、第2クロック信号CLK2がロー電圧に設定されるときターンオンされる。
【0187】
第7トランジスタT7(O)のゲート電極は、第1クロック信号CLK1の供給を受ける。この第7トランジスタT7(O)は、N型トランジスタで形成され、第1クロック信号CLK1がハイ電圧に設定されるときターンオンされる。
【0188】
第8トランジスタT8(O)のゲート電極は、出力端子と電気的に接続される。この第8トランジスタT8(O)は、N型トランジスタで形成され、出力端子の電圧に応じてターンオンまたはターンオフされる。
【0189】
また、第6トランジスタT6(L)及び第7トランジスタT7(O)の共通ノードは、第1ノードN1と電気的に接続される。
【0190】
第9トランジスタT9(L)及び第10トランジスタT10(O)は、第1電源VDDと第2電源VSSの間に直列接続される。
【0191】
第9トランジスタT9(L)のゲート電極は、第1ノードN1に接続される。この第9トランジスタT9(L)は、P型トランジスタで形成され、第1ノードN1の電圧に応じてターンオンまたはターンオフされる。
【0192】
第10トランジスタT10(O)のゲート電極は、第1ノードN1に接続される。この第10トランジスタT10(O)は、N型トランジスタで形成され、第1ノードN1の電圧に応じてターンオンまたはターンオフされる。
【0193】
また、第9トランジスタT9(L)及び第10トランジスタT10(O)の共通ノードは、出力端子と電気的に接続される。
【0194】
このようなステージ回路はP型トランジスタ及びN型トランジスタを含むもので、公知であって使用されている回路である。したがって、動作過程に対する詳細な説明は省略する。
【0195】
ただし、本願発明のステージ回路は、P型トランジスタをLTPS薄膜トランジスタで形成し、N型トランジスタを酸化物半導体薄膜トランジスタで形成することを特徴とする。このようにLTPS薄膜トランジスタ及び酸化物半導体薄膜トランジスタを用いてステージ回路を実現すると、リーク電流を最小化するとともに、速い駆動速度を確保することができる。
【0196】
本発明の技術思想は上記好ましい実施例を参照して具体的に述べたが、上記した実施例はその説明のためのものであり、制限するためのものではないことに注意すべきである。また、本発明の技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の技術思想の範囲内で多様な変形例が可能であることが理解できるだろう。
【0197】
上述した発明の権利範囲は添付の特許請求の範囲により定められるものであって、明細書の本文の記載に拘束されず、請求の範囲の均等な範囲に属する変形や変更はすべて本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0198】
110 走査駆動部
120 データ駆動部
130 画素部
140 画素
150 タイミング制御部
142、144 画素回路