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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】調節計
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20220128BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20220128BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
G05B23/02 301J
G06F3/14 350C
H04Q9/00 361
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017174624
(22)【出願日】2017-09-12
(65)【公開番号】P2019049923
(43)【公開日】2019-03-28
【審査請求日】2020-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】谷 忠直
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-123677(JP,A)
【文献】特開2017-091123(JP,A)
【文献】特開平05-100707(JP,A)
【文献】特開2003-281102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G06F 3/14
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定したプロセス量に基づいて制御出力値を算出するように構成された制御演算部と、
情報表示のための第1、第2の表示部と、
前記第1、第2の表示部毎に設けられた第1、第2の操作部と、
前記第1の操作部に対するユーザの操作に応じた画面を前記第1の表示部に表示するように構成された第1の表示画面作成部と、
前記第2の操作部に対するユーザの操作に応じた画面を前記第2の表示部に表示するように構成された第2の表示画面作成部と、
動表示制御部とを備え、
前記第1、第2の表示画面作成部のうち対応する前記操作部がユーザの操作対象となった側の表示画面作成部は、対応する前記操作部に対するユーザの設定画面呼出操作に応じて対応する前記表示部に設定画面を表示し、対応する前記操作部に対するユーザのパラメータ設定変更操作に応じて対応する前記表示部にパラメータ設定変更後の設定画面を表示し、
前記連動表示制御部は、前記操作対象となった側の前記操作部に対するユーザの設定画面呼出操作に連動して、前記設定画面に表示されているパラメータの設定値を反映させた、前記プロセス量のグラフ画面を、対応する前記操作部が前記操作対象となっていない連動側の前記表示部に表示させ、さらにユーザのパラメータ設定変更操作に応じた前記設定画面の変更に連動して、前記パラメータ設定変更後の設定画面に表示されているパラメータの最新の設定値を反映させた前記グラフ画面を前記連動側の前記表示部に表示させるように、連動側の前記表示画面作成部を制御することを特徴とする調節計。
【請求項2】
請求項1記載の調節計において、
前記第1、第2の操作部のうちいずれか一方が前記操作対象として予め定められ、前記操作対象として定められていない側の操作部に対応する前記表示部と前記表示画面作成部とが前記連動側として予め定められていることを特徴とする調節計。
【請求項3】
請求項1記載の調節計において、
前記第1、第2の表示画面作成部は、初期状態において前記第1、第2の表示部に同一の初期画面を表示し、
前記連動表示制御部は、前記初期状態において前記第1、第2の操作部のうちいずれか一方が最初に前記操作対象となったときに、前記操作対象となっていない側の操作部に対応する前記表示部と前記表示画面作成部とを前記連動側として定めることを特徴とする調節計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス量を制御する調節計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
温度、圧力、流量といったプロセス量を使用者が指示した設定値に制御するための装置として調節計が知られている。
調節計は、1つの制御盤に表示部が外部から視認可能に取り付けられると共に、本体部が制御盤内に収容された状態で複数個設置されて使用される場合が多く、設置スペースの制約から表示部のスペースは非常に狭くなっている。図9の例では、調節計の本体部100と表示部101とがケーブル102を介して接続されている例を示している。
【0003】
一方、装置としての高機能化や表示部での表示の見易さが求められており、表示部をタッチパネル機能付き液晶表示部とし、タッチパネルに対するユーザの操作を受け付け、この操作に応じた画面に切り替えて表示することができる調節計が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
このような調節計では、小さい画面に一度に表示できる情報が限られるため、ユーザは上記のように画面切り替え操作を行い、必要な情報を得る。しかしながら、従来の調節計では、1つの画面で多数の情報を確認することができず、また画面切り替えの操作を覚える必要がある、といった操作性の問題点があった。
【0005】
例えば図10(A)に示すように表示部101に表示されたグラフ画面中の折線グラフ103の縦軸の下限値および上限値を設定するとき、データに基づいてプロットされた点を確認したいときがある。この場合、ユーザは、設定ボタン104に触れて、図10(B)に示す設定画面に切り替え、さらにグラフボタン105に触れて、図11(A)に示すグラフ設定画面に切り替える。このグラフ設定画面においては、折線グラフ103の縦軸の下限値が106の欄に表示され、縦軸の上限値が107の蘭に表示されており、ユーザがこれらの値を変更する操作を行うと、グラフ設定画面は図11(B)のようになる。図11(B)の例では、折線グラフ103の縦軸の下限値が-1000.0から200.00に変更され、縦軸の上限値が2000.0から800.00に変更されている。
【0006】
そして、ユーザがグラフ設定画面のクローズボタン108(×印のボタン)に触れると、図12(A)に示す設定画面に戻る。最後に、ユーザがグラフボタン105に触れると、図12(B)に示すグラフ画面に戻り、このグラフ画面に、縦軸の下限値および上限値が変更された後の折線グラフ103が表示される。
このように、従来の調節計では、例えばデータの折線グラフと、この折れ線グラフの軸の下限値および上限値を1つの画面で同時に確認することはできない。
【0007】
調節計の本体部に複数の表示部を接続して配置すれば、複数種類の情報を同時に確認することが可能となるが、複数の表示部の操作が煩雑になるという問題点がある。例えば図13の例では、本体部100に2台の表示部101a,101bを接続している。この例では、表示部101aにグラフ設定画面を表示させ、表示部101bにグラフ画面を表示させる、といった2つの操作が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2017-91123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、複数台の表示部を本体部に接続する構成において、簡単な操作で複数種類の情報を同時に確認することができる調節計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の調節計は、測定したプロセス量に基づいて制御出力値を算出するように構成された制御演算部と、情報表示のための第1、第2の表示部と、前記第1、第2の表示部毎に設けられた第1、第2の操作部と、前記第1の操作部に対するユーザの操作に応じた画面を前記第1の表示部に表示するように構成された第1の表示画面作成部と、前記第2の操作部に対するユーザの操作に応じた画面を前記第2の表示部に表示するように構成された第2の表示画面作成部と、動表示制御部とを備え、前記第1、第2の表示画面作成部のうち対応する前記操作部がユーザの操作対象となった側の表示画面作成部は、対応する前記操作部に対するユーザの設定画面呼出操作に応じて対応する前記表示部に設定画面を表示し、対応する前記操作部に対するユーザのパラメータ設定変更操作に応じて対応する前記表示部にパラメータ設定変更後の設定画面を表示し、前記連動表示制御部は、前記操作対象となった側の前記操作部に対するユーザの設定画面呼出操作に連動して、前記設定画面に表示されているパラメータの設定値を反映させた、前記プロセス量のグラフ画面を、対応する前記操作部が前記操作対象となっていない連動側の前記表示部に表示させ、さらにユーザのパラメータ設定変更操作に応じた前記設定画面の変更に連動して、前記パラメータ設定変更後の設定画面に表示されているパラメータの最新の設定値を反映させた前記グラフ画面を前記連動側の前記表示部に表示させるように、連動側の前記表示画面作成部を制御することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の調節計の1構成例は、前記第1、第2の操作部のうちいずれか一方が前記操作対象として予め定められ、前記操作対象として定められていない側の操作部に対応する前記表示部と前記表示画面作成部とが前記連動側として予め定められていることを特徴とするものである。
また、本発明の調節計の1構成例において、前記第1、第2の表示画面作成部は、初期状態において前記第1、第2の表示部に同一の初期画面を表示し、前記連動表示制御部は、前記初期状態において前記第1、第2の操作部のうちいずれか一方が最初に前記操作対象となったときに、前記操作対象となっていない側の操作部に対応する前記表示部と前記表示画面作成部とを前記連動側として定めることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、連動表示制御部が、設定画面に表示されているパラメータの最新の設定状況に対応する応答画面を連動側の表示部に表示させるように連動側の表示画面作成部を制御するので、オペレータは、設定画面に表示される情報と、応答画面に表示される情報という複数種類の情報を、簡単な操作で同時に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の第1の実施例に係る調節計の構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の第1の実施例に係る調節計の画面表示動作を説明するフローチャートである。
図3図3は、本発明の第1の実施例に係る調節計の初期画面を示す図である。
図4図4は、本発明の第1の実施例においてユーザの呼出操作に応じて表示された設定画面、および設定画面に連動して表示された応答画面を示す図である。
図5図5は、本発明の第1の実施例においてユーザの設定変更操作に応じて表示された設定画面、および設定画面に連動して表示された応答画面を示す図である。
図6図6は、本発明の第2の実施例に係る調節計の画面表示動作を説明するフローチャートである。
図7図7は、本発明の第2の実施例においてユーザが一方の端末部の操作部を操作した場合の画面切り替えを説明する図である。
図8図8は、本発明の第2の実施例においてユーザが他方の端末部の操作部を操作した場合の画面切り替えを説明する図である。
図9図9は、従来の調節計の例を示す外観図である。
図10図10は、従来の調節計における画面切り替えと設定値変更の操作を説明する図である。
図11図11は、従来の調節計における画面切り替えと設定値変更の操作を説明する図である。
図12図12は、従来の調節計における画面切り替えと設定値変更の操作を説明する図である。
図13図13は、調節計の本体部に複数の表示部を接続した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る調節計の構成を示すブロック図である。調節計は、本体部1と、本体部1に接続された端末部2a,2bとから構成される。
【0015】
本体部1は、センサー等からの温度、圧力、流量などのプロセス量の測定値(制御量PV)のアナログ入力処理を行うアナログ入力部10と、電流出力、電圧出力などの制御出力を行うアナログ出力部11と、調節計の機能設定のためのデジタル信号入力処理を行うデジタル入力部12と、状態情報出力や警報出力のためのデジタル信号出力処理を行うデジタル出力部13と、測定値(制御量PV)と設定値とが一致するように制御出力値を算出する制御演算処理、および調節計全体の制御を行う演算部14と、調節計のプログラムや情報を記憶するための記憶部15とを備えている。
【0016】
演算部14は、プロセス量の測定値と設定値とが一致するように制御出力値(操作量MV、電流値、電圧値等)を算出する制御演算部140と、端末部2aの操作部に対するユーザの操作に応じた画面を端末部2aの表示部に表示する表示画面作成部141と、端末部2bの操作部に対するユーザの操作に応じた画面を端末部2bの表示部に表示する表示画面作成部142と、端末部2a,2bの表示部に表示されている画面のうち対応する操作部がユーザの操作対象となった側における画面の切り替えに対して、対応する操作部が操作対象となっていない連動側の画面を切り替えるように連動側の表示画面作成部を制御する連動表示制御部143とを備えている。周知のとおり、制御演算部140の制御アルゴリズムとしては例えばPIDがある。
【0017】
端末部2a,2bは、それぞれ液晶パネル等の表示デバイスからなる表示部20a,20bと、タクトスイッチあるいは液晶パネルに設けられたタッチパネル等の入力デバイスからなる操作部21a,21bとを備えている。
【0018】
次に、本実施例の調節計の画面表示動作について説明する。図2は調節計の画面表示動作を説明するフローチャートである。
まず、調節計の電源が投入されると、表示画面作成部141,142は、それぞれ予め定められた初期画面を端末部2a,2bの表示部20a,20bに表示させる(図2ステップS100)。
【0019】
本実施例では、端末部2aの操作部21aが操作対象として予め定められ、操作対象として定められている側の表示画面作成部141は表示部20aに設定画面を表示させ、操作対象として定められていない側の操作部21bに対応する表示部20bと表示画面作成部142とが連動側として予め定められている。
【0020】
そして、図3(A)に示すように表示部20aの初期画面はメニュー画面であり、図3(B)に示すように表示部20bの初期画面はホーム画面である。なお、本実施例では、制御チャンネル数が4チャンネルの調節計の例を示しており、ホーム画面には、4チャンネル分の測定値(制御量PV)が数値表示されている。
【0021】
次に、表示画面作成部141は、調節計のユーザが端末部2aの操作部21aに対して所望の設定画面を呼び出す操作を行うと(図2ステップS101においてYES)、この操作に応じた設定画面を端末部2aの表示部20aに表示させる(図2ステップS102)。
【0022】
具体的には、例えばユーザが制御量PVのグラフの設定を変更するためのグラフ設定画面を呼び出す操作を行ったことにより、図4(A)に示すように表示部20aにグラフ設定画面が表示される。グラフ設定画面においては、グラフの縦軸の下限値が200の欄に表示され、縦軸の上限値が201の蘭に表示されている。
【0023】
一方、連動表示制御部143は、ユーザの操作に応じた表示部20aの設定画面への表示切り替えに連動して、この設定画面に表示されているパラメータの最新の設定状況に対応する応答画面を端末部2bの表示部20bに表示させるよう表示画面作成部142を制御する。この連動表示制御部143からの指示に応じて、表示画面作成部142は応答画面を表示部20bに表示させる(図2ステップS103)。
【0024】
ここでは、図4(A)に示したグラフ設定画面に表示されているパラメータ(制御量PVのグラフの縦軸の下限値および上限値)の最新の設定状況に対応する応答画面として、図4(B)に示すように制御量PVのグラフ202を含むグラフ画面が表示部20bに表示される。
【0025】
次に、表示画面作成部141は、ユーザが、設定画面に表示されているパラメータの設定を変更する操作を端末部2aの操作部21aに対して行うと(図2ステップS104においてYES)、設定変更後の設定画面を端末部2aの表示部20aに表示させる(図2ステップS105)。
【0026】
例えばユーザが制御量PVのグラフの縦軸の下限値および上限値を変更する操作を行ったことにより、グラフ設定画面は図5(A)のようになる。図5(A)の例では、制御量PVのグラフの縦軸の下限値が-1000.0から200.00に変更され、縦軸の上限値が2000.0から800.00に変更されている。なお、ステップS104のパラメータ設定変更に応じて、記憶部15に記憶されている当該パラメータが更新されることは言うまでもない。
【0027】
連動表示制御部143は、ユーザの操作に応じた表示部20aの設定画面の変更に連動して、この変更後の設定画面に表示されているパラメータの最新の設定状況に対応する応答画面を端末部2bの表示部20bに表示させるよう表示画面作成部142を制御する。この連動表示制御部143からの指示に応じて、表示画面作成部142は応答画面を表示部20bに表示させる(図2ステップS106)。
【0028】
ここでは、図5(A)に示したグラフ設定画面に表示されているパラメータ(制御量PVのグラフの縦軸の下限値および上限値)の最新の設定状況に対応する応答画面として、図5(B)に示すように、変更後のパラメータに対応する制御量PVのグラフ203を含むグラフ画面が表示部20bに表示される。
【0029】
ユーザによるリセット操作が行われるまで(図2ステップS107においてYES)、設定変更操作が行われる度に、ステップS105,S106の処理が実行される。
ユーザが端末部2aの操作部21aに対して所定のリセット操作を行うと、表示画面作成部141は、表示部20aの画面を図3(A)に示した初期画面に戻す。また、連動表示制御部143は、ユーザの操作に応じた表示部20aの初期画面への表示切り替えに連動して、端末部2bの表示部20bに初期画面を表示させるよう表示画面作成部142を制御する。この連動表示制御部143からの指示に応じて、表示画面作成部142は、図3(B)に示したような初期画面を表示部20bに表示させる。
【0030】
以上のように、本実施例では、連動表示制御部143が、設定画面に表示されているパラメータの最新の設定状況に対応する応答画面を連動側の表示部に表示させるように連動側の表示画面作成部を制御するので、オペレータは、設定画面に表示されるパラメータと、応答画面に表示される制御量PVのグラフという複数種類の情報を、簡単な操作で同時に確認することが可能となる。
【0031】
なお、制御対象の状況や周囲環境、制御動作中に制御演算部140から制御対象に対して出力される制御出力値などに応じて、制御量PVは変動する。したがって、表示画面作成部142は、ステップS103,S106の処理によって表示部20bに表示中の制御量PVのグラフを、例えば表示周期毎に最新の制御量PVに応じて更新することは言うまでもない。
【0032】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例においても、調節計の構成は第1の実施例と同様なので、図1の符号を用いて説明する。図6は本実施例の調節計の画面表示動作を説明するフローチャートである。
【0033】
まず、調節計の電源が投入されると、表示画面作成部141,142は、予め定められた同一の初期画面をそれぞれ端末部2a,2bの表示部20a,20bに表示させる(図6ステップS200)。本実施例では、連動表示制御部143は、初期状態において端末部2a,2bのうちいずれか一方が最初に操作対象となったときに、操作対象となっていない側の操作部に対応する表示部と表示画面作成部とを連動側として定めるようになっている。
【0034】
ここでは、ユーザが端末部2aの操作部21aに対して所望の設定画面を呼び出す操作を行った場合について説明する。図7はユーザが操作部21aを操作した場合の画面切り替えを説明する図である。図7の例では、ユーザが呼出操作を行う前の時刻t0において、表示部20a,20bには同一の初期画面I0が表示されている。
【0035】
表示画面作成部141は、ユーザが端末部2aの操作部21aに対して所望の設定画面を呼び出す操作を行うと、この操作に応じた設定画面を端末部2aの表示部20aに表示させる(図6ステップS203)。この設定画面への表示切り替えに連動した連動表示制御部143と表示画面作成部142の動作(図6ステップS204)は、ステップS103と同様なので、説明は省略する。
【0036】
図7の例では、ユーザが呼出操作を行った時刻t1において、表示部20aに設定画面S1が表示され、この設定画面S1に対応して、表示部20bに応答画面R1が表示される。
【0037】
次に、表示画面作成部141は、ユーザが、設定画面に表示されているパラメータの設定を変更する操作を端末部2aの操作部21aに対して行うと(図6ステップS205においてYES)、設定変更後の設定画面を端末部2aの表示部20aに表示させる(図6ステップS206)。この設定変更に連動した連動表示制御部143と表示画面作成部142の動作(図6ステップS207)は、ステップS106と同様なので、説明は省略する。
【0038】
図7の例では、ユーザがパラメータの設定変更操作を行った時刻t2において、表示部20aに設定画面S2が表示され、この設定画面S2に対応して、表示部20bに応答画面R2が表示される。
【0039】
ユーザによるリセット操作が行われるまで(図6ステップS208においてYES)、設定変更操作が行われる度に、ステップS206,S207の処理が実行される。
図7の例では、ユーザがパラメータの更なる設定変更操作を行った時刻t3において、表示部20aに変更後の設定画面S3が表示され(ステップS206)、この変更後の設定画面S3に表示されているパラメータの最新の設定状況に対応する応答画面R3が表示部20bに表示される(ステップS207)。
【0040】
次に、ユーザが端末部2bの操作部21bに対して所望の設定画面を呼び出す操作を行った場合について説明する。図8はユーザが操作部21bを操作した場合の画面切り替えを説明する図である。図8の例では、ユーザが呼出操作を行う前の時刻t0において、表示部20a,20bには同一の初期画面I0が表示されている。
【0041】
表示画面作成部142は、ユーザが端末部2bの操作部21bに対して所望の設定画面を呼び出す操作を行うと、この操作に応じた設定画面を端末部2bの表示部20bに表示させる(図6ステップS209)。
連動表示制御部143は、表示部20bの設定画面への表示切り替えに連動して、この設定画面に表示されているパラメータの最新の設定状況に対応する応答画面を端末部2aの表示部20aに表示させるよう表示画面作成部141を制御する。この連動表示制御部143からの指示に応じて、表示画面作成部141は応答画面を表示部20aに表示させる(図6ステップS210)。
【0042】
図8の例では、ユーザが呼出操作を行った時刻t1において、表示部20bに設定画面S1が表示され、この設定画面S1に対応して、表示部20aに応答画面R1が表示される。
【0043】
次に、表示画面作成部142は、ユーザが、設定画面に表示されているパラメータの設定を変更する操作を端末部2bの操作部21bに対して行うと(図6ステップS211においてYES)、設定変更後の設定画面を端末部2bの表示部20bに表示させる(図6ステップS212)。
連動表示制御部143は、表示部20bの設定画面の変更に連動して、この変更後の設定画面に表示されているパラメータの最新の設定状況に対応する応答画面を端末部2aの表示部20aに表示させるよう表示画面作成部141を制御する。この連動表示制御部143からの指示に応じて、表示画面作成部141は応答画面を表示部20aに表示させる(図6ステップS213)。
【0044】
図8の例では、ユーザがパラメータの設定変更操作を行った時刻t2において、表示部20bに設定画面S2が表示され、この設定画面S2に対応して、表示部20aに応答画面R2が表示される。
【0045】
ユーザによるリセット操作が行われるまで(図6ステップS214においてYES)、設定変更操作が行われる度に、ステップS212,S213の処理が実行される。
図8の例では、ユーザがパラメータの更なる設定変更操作を行った時刻t3において、表示部20bに変更後の設定画面S3が表示され(ステップS212)、この変更後の設定画面S3に表示されているパラメータの最新の設定状況に対応する応答画面R3が表示部20aに表示される(ステップS213)。
【0046】
ユーザが端末部2aの操作部21aに対して所定のリセット操作を行うと(図6ステップS208においてYES)、表示画面作成部141は、表示部20aの画面を初期画面I0に戻す。また、連動表示制御部143は、この初期画面I0への表示切り替えに連動して、端末部2bの表示部20bに初期画面を表示させるよう表示画面作成部142を制御する。この連動表示制御部143からの指示に応じて、表示画面作成部142は、初期画面I0を表示部20bに表示させる。
【0047】
また、ユーザが端末部2bの操作部21bに対して所定のリセット操作を行うと(図6ステップS214においてYES)、表示画面作成部142は、表示部20bの画面を初期画面I0に戻す。また、連動表示制御部143は、この初期画面I0への表示切り替えに連動して、端末部2aの表示部20aに初期画面を表示させるよう表示画面作成部141を制御する。この連動表示制御部143からの指示に応じて、表示画面作成部141は、初期画面I0を表示部20aに表示させる。
【0048】
こうして、本実施例では、操作対象となる側と連動側とを固定しない構成において、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0049】
第1、第2の実施例で説明した調節計は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施例で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、調節計の情報表示技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…本体部、2a,2b…端末部、10…アナログ入力部、11…アナログ出力部、12…デジタル入力部、13…デジタル出力部、14…演算部、15…記憶部、20a,20b…表示部、21a,21b…操作部、140…制御演算部、141,142…表示画面作成部、143…連動表示制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13