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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A63F5/04 650
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017183626
(22)【出願日】2017-09-25
(65)【公開番号】P2019058248
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人
(74)【代理人】
【識別番号】100174964
【弁理士】
【氏名又は名称】井伊 正幸
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】平田 征也
【審査官】松谷 洋平
(56)【参考文献】
【文献】「マジハロ4(設定6)part45(ボーナスカット版)」,Youtube[online][video],2016年06月21日,URL,https://www.youtube.com/watch?v=PxnnG4BShTQ,主に01:40~01:44, 07:10~07:15を参照。,[2021年5月20日検索]
【文献】「マジカルハロウィン4」,パチスロ攻略マガジンドラゴン2014年2月号,株式会社プラントピア,2013年12月21日,p.55-61
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行う遊技機において、
第1確率で付与される所定遊技価値と、前記第1確率よりも低い第2確率で付与される特定遊技価値とを含む遊技価値を付与するか否かを決定する決定手段を備え、
前記特定遊技価値が付与されることにもとづく有利度合いは前記所定遊技価値が付与されることにもとづく有利度合いよりも有利であり、
前記所定遊技価値が付与されることを示唆する所定示唆演出を実行可能な所定示唆演出実行手段と、
前記特定遊技価値が付与されることを示唆する特定示唆演出を実行可能な特定示唆演出実行手段と、をさらに備え、
前記所定示唆演出実行手段は、前記所定示唆演出として、前記所定遊技価値に関する第1所定関連情報を示唆した後に前記所定遊技価値に関する第2所定関連情報を示唆する演出を実行可能であり、
前記特定示唆演出実行手段は、前記特定示唆演出として、前記特定遊技価値に関する第1特定関連情報を示唆した後に前記特定遊技価値に関する第2特定関連情報を示唆する演出を実行可能であり、
前記第1所定関連情報は、第1の第1所定関連情報と、該第1の第1所定関連情報とは異なる情報である第2の第1所定関連情報と、を含み、
前記第2所定関連情報は、第1の第2所定関連情報と、該第1の第2所定関連情報とは異なる情報である第2の第2所定関連情報と、を含み、
前記所定示唆演出実行手段は、前記所定示唆演出として、前記第1の第1所定関連情報を示唆した後に前記第1の第2所定関連情報を示唆する演出と、前記第2の第1所定関連情報を示唆した後に前記第2の第2所定関連情報を示唆する演出と、を実行可能であり、
前記特定示唆演出実行手段は、前記特定示唆演出として、前記第1の第1所定関連情報と同一の情報を前記第1特定関連情報として示唆した後に前記第1の第2所定関連情報とは異なる情報を前記第2特定関連情報として示唆する演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの始動入賞領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機や、所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたときに、複数種類の識別情報(例えば、図柄)の可変表示が行われるスロットマシンなどがある。このように識別情報の可変表示を実行可能に構成された遊技機では、可変表示部において識別情報の可変表示の表示結果が所定の表示結果となった場合に、所定の遊技価値(例えば、大当たり状態への移行など)を遊技者に与えるように構成されたものがある。
【0003】
このような遊技機として、停止操作タイミングに関わらず入賞ライン上に引き込み停止させることができる「ブドウ」図柄からなるブドウが当選していること(換言すると、遊技価値が付与されていること)を条件として「ブドウ」図柄を示唆するブドウ示唆演出を実行する遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-240214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の遊技機では、遊技価値が付与されていることを示唆する演出によって遊技者の期待感を持続させることについて改良の余地があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、遊技価値が付与されていることを示唆する演出によって遊技者の期待感を好適に持続させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば、遊技機1)において、
第1確率で付与される所定遊技価値(例えば、第2遊技価値、第3遊技価値、第4遊技価値または第6遊技価値、第7遊技価値、第8遊技価値)と、前記第1確率よりも低い第2確率で付与される特定遊技価値(例えば、第1遊技価値または第5遊技価値)とを含む遊技価値を付与するか否かを決定する決定手段を備え、
前記特定遊技価値が付与されることにもとづく有利度合いは前記所定遊技価値が付与されることにもとづく有利度合いよりも有利であり、
前記所定遊技価値が付与されることを示唆する所定示唆演出を実行可能な所定示唆演出実行手段(例えば、液晶表示器51)と、
前記特定遊技価値が付与されることを示唆する特定示唆演出を実行可能な特定示唆演出実行手段(例えば、液晶表示器51)と、をさらに備え、
前記所定示唆演出実行手段は、前記所定示唆演出として、前記所定遊技価値に関する第1所定関連情報(例えば、「8192」および「95536」、「中段に」および「右下がりに」)を示唆した後に前記所定遊技価値に関する第2所定関連情報(例えば、「16」および「256」および「6553」、「128」および「2048」および「6552」、「第4図柄停止」および「第8図柄停止」)を示唆する演出を実行可能であり、
前記特定示唆演出実行手段は、前記特定示唆演出として、前記特定遊技価値に関する第1特定関連情報(例えば、「8192」および「95536」、「中段に」および「右下がりに」)を示唆した後に前記特定遊技価値に関する第2特定関連情報(例えば、「1」、「第1図柄停止」および「第5図柄停止」)を示唆する演出を実行可能であり、
前記第1所定関連情報は、第1の第1所定関連情報と、該第1の第1所定関連情報とは異なる情報である第2の第1所定関連情報と、を含み、
前記第2所定関連情報は、第1の第2所定関連情報と、該第1の第2所定関連情報とは異なる情報である第2の第2所定関連情報と、を含み、
前記所定示唆演出実行手段は、前記所定示唆演出として、前記第1の第1所定関連情報を示唆した後に前記第1の第2所定関連情報を示唆する演出と、前記第2の第1所定関連情報を示唆した後に前記第2の第2所定関連情報を示唆する演出と、を実行可能であり、
前記特定示唆演出実行手段は、前記特定示唆演出として、前記第1の第1所定関連情報と同一の情報を前記第1特定関連情報として示唆した後に前記第1の第2所定関連情報とは異なる情報を前記第2特定関連情報として示唆する演出を実行可能である(例えば、図3に示す部分、図4に示す部分)。
この構成によれば、遊技価値が付与されることを示唆する演出によって遊技者の期待感を好適に持続させることができる。
【0008】
所定示唆演出実行手段は、所定示唆演出として、複数の第1所定関連情報(例えば、「8192」および「95536」、「中段に」および「右下がりに」)のうちのいずれかを示唆した後に前記第1所定関連情報として示唆された情報に対応する第2所定関連情報(例えば、「16」および「256」および「6553」、「128」および「2048」および「6552」、「第4図柄停止」および「第8図柄停止」)を示唆する演出を実行可能である(例えば、図3に示す部分、図4に示す部分)。
この構成によれば、示唆の態様が多様になるので遊技の興趣を高めることができる。
【0009】
所定示唆演出実行手段は、所定示唆演出として、第2所定関連情報を示唆するときに第1所定関連情報の示唆を継続する演出を実行可能であり、
特定示唆演出実行手段は、特定示唆演出として、第2特定関連情報を示唆するときに第1特定関連情報の示唆を継続する演出を実行可能である(例えば、図3に示す部分、図4に示す部分)。
この構成によれば、所定関連情報と特定関連情報との双方で示唆内容を特定することができる。
【0010】
特定示唆演出実行手段は、特定示唆演出として、複数の第1特定関連情報(例えば、「8192」および「95536」、「中段に」および「右下がりに」)のうちのいずれかを示唆した後に前記第1特定関連情報として示唆された情報に対応する第2特定関連情報(例えば、「1」、「第1図柄停止」および「第5図柄停止」)を示唆する演出を実行可能であり、
複数の前記第1特定関連情報は複数の第1所定関連情報(例えば、「8192」および「95536」、「中段に」および「右下がりに」)と共通の情報である(例えば、図3に示す部分、図4に示す部分)。
この構成によれば、所定遊技価値や特定遊技価値が付与されることに対する期待感を好適の持続させることができる。
【0011】
第1所定関連情報とは第1確率(例えば、16/8192および256/8192および6553/8192、128/65536および2048/65536および6552/65536)の分母(例えば、「8192」および「65536」)を示唆する情報であるとともに第1特定関連情報は第2確率(例えば、1/8192および1/65536)の分母(例えば、「8192」および「65536」)を示唆する情報であり、
第2所定関連情報とは第1確率の分子(例えば、「16」および「256」および「6553」、「128」および「2048」および「6552」)を示唆する情報であるとともに第2特定関連情報は第2確率の分子(例えば、「1」)を示唆する情報である。
この構成によれば、いずれの確率が示唆されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態に係る遊技機を示す図である。
図2】所定示唆演出および特定示唆演出と遊技価値の対応関係を示す説明図である。
図3】所定示唆演出および特定示唆演出の具体例を示す説明図である。
図4】所定示唆演出および特定示唆演出の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[遊技機の構成]
図1は、本実施の形態に係る遊技機1を示す図である。図1に示すように、本実施の形態に係る遊技機1は、画像を表示する液晶表示器51と、音声を出力するスピーカ53,54とを備える。遊技機1は遊技が行われているときに演出を実行する。演出は、液晶表示器51からの演出画像の表示により実行される。遊技機1は、演出として、遊技価値が付与されることを示唆する示唆演出を実行可能である。
【0014】
[所定示唆演出および特定示唆演出と遊技価値の対応関係について]
本実施形態では、遊技において複数種類の遊技価値うちのいずれかを決定する。複数種類の遊技価値として、「第1遊技価値」、「第2遊技価値」、「第3遊技価値」、「第4遊技価値」、「第5遊技価値」、「第6遊技価値」、「第7遊技価値」、「第8遊技価値」が設定されている。
【0015】
そして、「第1遊技価値」、「第2遊技価値」、「第3遊技価値」、「第4遊技価値」、「第5遊技価値」、「第6遊技価値」、「第7遊技価値」、「第8遊技価値」のいずれに決定された場合でも、決定された遊技価値に応じた確率により、遊技者にとって有利になる有利状態に制御するか否かを決定する。
【0016】
遊技機1は、示唆演出を実行することにより、決定された遊技価値を示唆する。具体的には、遊技価値の決定確率を液晶表示器51から分数で表示することにより、決定された遊技価値を示唆する。
【0017】
遊技機1は、示唆演出として、「第1遊技価値」、「第2遊技価値」、「第3遊技価値」、「第4遊技価値」のいずれかが決定されたことを示唆する第1示唆演出と、「第5遊技価値」、「第6遊技価値」、「第7遊技価値」、「第8遊技価値」のいずれかが決定されたことを示唆する第2示唆演出とを実行する。
【0018】
第1示唆演出の対象となる遊技価値の決定確率を比較すると、第1遊技価値は、第2遊技価値、第3遊技価値、第4遊技価値よりも決定確率が低い。しかし、4つの遊技価値のうち、第1遊技価値が決定されたときに有利状態に制御される確率が最も高くなる。すなわち、第1遊技価値が決定されたことにもとづく有利度合いは、第2遊技価値、第3遊技価値、第4遊技価値が決定されたことにもとづく有利度合いよりも有利になる。
【0019】
第2示唆演出の対象となる遊技価値の決定確率を比較すると、第5遊技価値は、第6遊技価値、第7遊技価値、第8遊技価値よりも決定確率が低い。しかし、4つの遊技価値のうち、第5遊技価値が決定されたときに有利状態に制御される確率が最も高くなる。すなわち、第5遊技価値が決定されたことにもとづく有利度合いは、第6遊技価値、第7遊技価値、第8遊技価値が決定されたことにもとづく有利度合いよりも有利になる。
【0020】
図2(a)に示すように、第1示唆演出では、決定された遊技価値が、第1遊技価値、第2遊技価値、第3遊技価値、第4遊技価値のいずれであっても、共通の分母の数字「8192」が分子の数字に先行して液晶表示器51から表示される。その後、分子の数字「1」が表示されたとき、すなわち、1/8192の確率が表示されたときは、第1遊技価値が決定されたことを示唆している。また、分母の数字「8192」が液晶表示器51から表示された後、分子の数字「16」が表示されたとき、すなわち、16/8192の確率が表示されたときは、第2遊技価値が決定されたことを示唆している。また、分母の数字「8192」が液晶表示器51から表示された後、分子の数字「256」が表示されたとき、すなわち、256/8192の確率が表示されたときは、第3遊技価値が決定されたことを示唆している。また、分母の数字「8192」が液晶表示器51から表示された後、分子の数字「6553」が表示されたとき、すなわち、6553/8192の確率が表示されたときは、第4遊技価値が決定されたことを示唆している。
【0021】
すなわち、本実施形態の第1示唆演出では、第2遊技価値、第3遊技価値、第4遊技価値が所定遊技価値であり、第1遊技価値が特定遊技価値である。そして、16/8192、256/8192、6553/8192の各確率の表示が、所定遊技価値が付与されることを示唆する所定示唆演出であり、1/8192の確率の表示が、特定遊技価値が付与されることを示唆する特定示唆演出である。また、分母の数字「8192」は所定遊技価値に関する第1所定関連情報であり、分子の数字「16」、「256」、「6553」は所定遊技価値に関する第2所定関連情報である。さらに、分母の数字「8192」は特定遊技価値に関する第1特定関連情報であり、分子の数字「1」は特定遊技価値に関する第2特定関連情報である。よって、所定示唆演出における第1所定関連情報と特定示唆演出における第1特定関連情報は共通の情報である分母の数字「8192」を示唆するものである。
【0022】
図2(b)に示すように、第2示唆演出では、決定された遊技価値が、第5遊技価値、第6遊技価値、第7遊技価値、第8遊技価値のいずれであっても、共通の分母の数字「65536」が分子の数字に先行して液晶表示器51から表示される。その後、分子の数字「1」が表示されたとき、すなわち、1/65536の確率が表示されたときは、第2遊技価値が決定されたことを示唆している。また、分母の数字「65536」が液晶表示器51から表示された後、分子の数字「128」が表示されたとき、すなわち、128/65536の確率が表示されたときは、第6遊技価値が決定されたことを示唆している。また、分母の数字「65536」が液晶表示器51から表示された後、分子の数字「2048」が表示されたとき、すなわち、2048/65536の確率が表示されたときは、第7遊技価値が決定されたことを示唆している。また、分母の数字「65536」が液晶表示器51から表示された後、分子の数字「6552」が表示されたとき、すなわち、6552/65536の確率が表示されたときは、第8遊技価値が決定されたことを示唆している。
【0023】
すなわち、本実施形態の第2示唆演出では、第6遊技価値、第7遊技価値、第8遊技価値が所定遊技価値であり、第5遊技価値が特定遊技価値である。そして、128/65536、2048/65536、6552/65536の各確率の表示が、所定遊技価値が決定されることを示唆する所定示唆演出であり、1/65536の確率の表示が、特定遊技価値が決定されることを示唆する特定示唆演出である。また、分母の数字「65536」は所定遊技価値に関する第1所定関連情報であり、分子の数字「128」、「2048」、「6552」は所定遊技価値に関する第2所定関連情報である。さらに、分母の数字「65536」は特定遊技価値に関する第1特定関連情報であり、分子の数字「1」は特定遊技価値に関する第2特定関連情報である。よって、所定示唆演出における第1所定関連情報と特定示唆演出における第1特定関連情報は共通の情報である分母の数字「65536」を示唆するものである。
【0024】
なお、図2(a)における第1示唆演出と、図2(b)における第2示唆演出とを比較すると、第1示唆演出においては、特定遊技価値である第1遊技価値を示唆する確率が1/8192であり、所定遊技価値である第2遊技価値、第3遊技価値、第4遊技価値を示唆する確率が8191/8192である。一方、第2示唆演出においては、特定遊技価値である第5遊技価値を示唆する確率が1/65536であり、所定遊技価値である第6遊技価値、第7遊技価値、第8遊技価値を示唆する確率が65535/65536である。よって、第1示唆演出のほうが第2示唆演出よりも特定遊技価値が決定されることを示唆する確率が高い。このため、第1示唆演出において分母の数字である「8192」が表示されたときのほうが、第2示唆演出において分母の数字である「65536」が表示されたときよりも、第1特定関連情報を示唆している割合が高い。一方、第2示唆演出において分母の数字である「65536」が表示されたときのほうが第1示唆演出において分母の数字である「8192」が表示されたときよりも第1所定関連情報を示唆している割合が高い。すなわち、第1所定関連情報や第1特定関連情報として、第1示唆演出において分母の数字である「8192」が表示されたときと第2示唆演出において分母の数字である「65536」が表示されたときとで、第1所定関連情報の示唆であるかまたは第1特定関連情報の示唆であるかの割合が異なる。
【0025】
また、本実施形態では、所定示唆演出や特定示唆演出において、分数を通分することなく確率を表示しているが、通分した分母を第1所定関連情報や第1特定関連情報として用い、いずれの分母が表示されるかにより、複数の遊技価値のうちいずれが示唆されているかの割合が異なるように構成することも可能である。
【0026】
[所定示唆演出および特定示唆演出の具体例について]
次に、第1示唆演出の具体例を図3(a)に示し、第2示唆演出の具体例を図3(b)に示して説明する。
【0027】
図3(a)に示すように、例えば、第1示唆演出を実行することに決定した場合には、まず、第1所定関連情報または第1特定関連情報のいずれを示唆する場合でも、共通の分母の数字「8192」を液晶表示器51から表示する。なお、このとき、分子の数字は表示前であり、その数字が不明であるため「????」の記号が表示される。その後、分子の数字を表示するが、例えば、第1遊技価値が決定されたときは、第2特定関連情報の示唆として分子の数字「1」を表示し、1/8192の確率を表示することにより第1遊技価値が決定されたことを示唆する。また、例えば、第4遊技価値が決定されたときは、第2所定関連情報の示唆として分子の数字「6553」を表示し、6553/8192の確率を表示することにより第4遊技価値が決定されたことを示唆する。
【0028】
このように、第1所定関連情報または第1特定関連情報のいずれを示唆する場合でも共通の分母の数字「8192」を表示し、その後に、第2所定関連情報または第2特定関連情報として分子の数字を表示することにより、特定遊技価値である第1遊技価値が決定されたか、あるいは、所定遊技価値である第2遊技価値、第3遊技価値、第4遊技価値のいずれかが決定されたかを示唆するので、特定遊技価値や所定遊技価値が決定されたことに対する期待感を好適に持続することができる。
【0029】
また、図3(b)に示すように、例えば、第2示唆演出を実行することに決定した場合には、まず、第1所定関連情報または第1特定関連情報のいずれを示唆する場合でも、共通の分母の数字「65536」を液晶表示器51から表示する。なお、このとき、分子の数字は表示前であり、その数字が不明であるため「????」の記号が表示される。その後、分子の数字を表示するが、例えば、第5遊技価値が決定されたときは、第2特定関連情報の示唆として分子の数字「1」を表示し、1/65536の確率を表示することにより第5遊技価値が決定されたことを示唆する。また、例えば、第8遊技価値が決定されたときは、第2所定関連情報の示唆として分子の数字「6552」を表示し、6552/65536の確率を表示することにより第8遊技価値が決定されたことを示唆する。
【0030】
このように、第1所定関連情報または第1特定関連情報のいずれを示唆する場合でも共通の分母の数字「65536」を表示し、その後に、第2所定関連情報または第2特定関連情報として分子の数字を表示することにより、特定遊技価値である第5遊技価値が決定されたか、あるいは、所定遊技価値である第6遊技価値、第7遊技価値、第8遊技価値のいずれかが決定されたかを示唆するので、特定遊技価値や所定遊技価値が決定されたことに対する期待感を好適に持続することができる。
【0031】
また、図3に示す例では、第1所定関連情報として複数の分母の数字である「8912」および「65536」を表示し、第2所定関連情報として各分母に対応する分子の数字を表示するので、示唆の態様が多様となり遊技の興趣を高めることができる。
【0032】
また、図3に示す例では、第2所定関連情報を表示するときに、第1所定関連情報である「8912」および「65536」の表示を継続し、第2特定関連情報を表示するときに、第1特定関連情報である「8912」および「65536」の表示を継続するので、第1所定関連情報および第2所定関連情報と第1特定関連情報および第2特定関連情報との双方で示唆内容を特定することができる。
【0033】
また、図3に示す例では、第1特定関連情報として複数の分母の数字である「8912」および「65536」を表示するとともに第2特定関連情報として各分母に対応する分子の数字を表示し、第1特定関連情報として表示する分母の数字「8912」および「65536」は第1所定関連情報として表示する分母の数字「8912」および「65536」と共通の数字である。よって、所定遊技価値や特定遊技価値に対する期待感を好適に持続することができる。
【0034】
また、図3に示す例では、第1所定関連情報および第1特定関連情報は、所定遊技価値や特定遊技価値が決定される確率における分母であり、第2所定関連情報および第2特定関連情報は所定遊技価値や特定遊技価値が決定される確率における分子であるので、所定遊技価値および特定遊技価値のいずれの決定確率が示唆されるかに遊技者の注目を集めることができる。
【0035】
[所定示唆演出および特定示唆演出の変形例について]
次に、所定示唆演出および特定示唆演出において、所定示唆演出および特定示唆演出の態様が上記実施形態と異なる変形例について図4を用いて説明する。図4の変形例に示す遊技機は、外周に複数種類の図柄が配列された可変表示部が水平方向に3つ並設されており、可変表示部に配列された図柄のうち連続する3つの図柄がそれぞれ見えるようになっている。そして、遊技価値が決定されたときに図柄の変動表示を開始し、変動表示した図柄が停止したときに入賞ライン上に揃った図柄の組合せに応じて入賞が発生可能なように構成されている。入賞ラインとは、図柄の組合せが入賞発生となる組合せであるかを判定するために設定されるラインである。なお、入賞ライン上に停止することが可能になる図柄の組合せは事前に決定した遊技価値に応じて決定される。よって、入賞ライン上に揃った図柄の組合せにより、付与された遊技価値を識別することが可能になる。入賞ラインは、上段、中段、下段のうち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された1本の入賞ラインと、斜めに並んだ図柄に跨って設定された2本の入賞ラインとが設定されている。
【0036】
そして、図4に示す変形例では、第1所定関連情報または第1特定関連情報において、決定された遊技価値に対応する図柄の組合せが停止可能な入賞ラインを示唆し、第2所定関連情報または第2特定関連情報において、示唆した入賞ラインに停止する図柄の組合せを示唆することにより事前に決定された遊技価値を示唆する。具体的には、第1所定関連情報または第1特定関連情報のいずれを示唆する場合でも共通の入賞ラインを示唆し、第2所定関連情報または第2特定関連情報において、決定された遊技価値に対応する図柄の組合せを示唆する。これにより、決定された遊技価値を示唆することが可能になる。なお、本変形例では、所定遊技価値および特定遊技価値の構成は上記実施形態と同様の遊技価値(図2参照)であるものとして説明する。
【0037】
図4に示す変形例では、第1示唆演出の対象役である第1遊技価値、第2遊技価値、第3遊技価値、第4遊技価値に関しては、遊技価値に対応する図柄の組合せが中段の入賞ラインに停止することが可能になっている。また、第2示唆演出の対象役である第5遊技価値、第6遊技価値、第7遊技価値、第8遊技価値に関しては、遊技価値に対応する図柄の組合せが2本の斜めの入賞ラインのうち右下がりの入賞ラインに停止することが可能になっている。
【0038】
図4(a)に示すように、例えば、第1示唆演出を実行することに決定した場合には、まず、決定された遊技価値に対応する図柄の組合せが停止可能な入賞ラインを示す「中段に」という文字を液晶表示器51から表示する。その後、入賞ラインに停止可能な図柄の組合せの種類を表示する。例えば、第1遊技価値が決定されたときには、「第1図柄停止」という文字を表示し、第1遊技価値が決定されたときに停止可能となる第1図柄の組合せが中段の入賞ライン上に停止可能になっていることを表示することにより、第1遊技価値が付与されることを示唆する。また、例えば、第4遊技価値が決定されたときには、「第4図柄停止」という文字を表示し、第4遊技価値が決定されたときに停止可能となる第4図柄の組合せが中段の入賞ライン上に停止可能になっていることを表示することにより、第4遊技価値が付与されることを示唆する。
【0039】
このように、第1所定関連情報または第1特定関連情報のいずれを示唆する場合でも共通の入賞ラインを示す「中段に」という文字を表示し、その後に、第2所定関連情報または第2特定関連情報として停止可能な図柄の組合せの種類を表示するので、特定遊技価値や所定遊技価値が決定されたことに対する期待感を好適に持続することができる。
【0040】
また、図4(b)に示すように、例えば、第2示唆演出を実行することに決定した場合には、まず、決定された遊技価値に対応する図柄の組合せが停止可能な入賞ラインを示す「右下がりに」という文字を液晶表示器51から表示する。その後、入賞ラインに停止可能な図柄の組合せの種類を表示する。例えば、第5遊技価値が決定されたときには、「第5図柄停止」という文字を表示し、第5遊技価値が決定されたときに停止可能となる第5図柄の組合せが右下がりの斜めの入賞ライン上に停止可能になっていることを表示することにより、第5遊技価値が付与されることを示唆する。また、例えば、第8遊技価値が決定されたときには、「第8図柄停止」という文字を表示し、第8遊技価値が決定されたときに停止可能となる第8図柄の組合せが右下がりの斜めの入賞ライン上に停止可能になっていることを表示することにより、第8遊技価値が付与されることを示唆する。
【0041】
このように、第1所定関連情報または第1特定関連情報のいずれを示唆する場合でも共通の入賞ラインを示す「右下がりに」という文字を表示し、その後に、第2所定関連情報または第2特定関連情報として停止可能な図柄の組合せの種類を表示するので、特定遊技価値や所定遊技価値が決定されたことに対する期待感を好適に持続することができる。
【0042】
[本実施形態の効果]
本実施形態においては、特定遊技価値(本例では、第1遊技価値または第5遊技価値)は、所定遊技価値(本例では、第2遊技価値、第3遊技価値、第4遊技価値または第6遊技価値、第7遊技価値、第8遊技価値)よりも決定確率が低い。また、特定遊技価値が決定されたことにもとづく有利度合いは、所定遊技価値が決定されたことにもとづく有利度合いよりも有利になる。そして、所定遊技価値が決定されたことを示唆する所定示唆演出は所定遊技価値に関する第1所定関連情報(本例では、「8192」および「95536」、「中段に」および「右下がりに」)を示唆した後に第2所定関連情報(本例では、「16」および「256」および「6553」、「128」および「2048」および「6552」、「第4図柄停止」および「第8図柄停止」)を示唆し、特定遊技価値が決定されたことを示唆する特定示唆演出は特定遊技価値に関する第1特定関連情報(本例では、「8192」および「95536」、「中段に」および「右下がりに」)を示唆した後に第2特定関連情報(本例では、「1」、「第1図柄停止」および「第5図柄停止」)を示唆する。そして、第1所定関連情報と第1特定関連情報は共通の情報である分母の数字を含む(本例では、図3に示す部分、図4に示す部分)
よって、遊技価値が付与されることを示唆する演出によって遊技者の期待感を好適に持続させることができる。
【0043】
本実施形態においては、所定示唆演出において、複数の第1所定関連情報(本例では、「8192」および「95536」、「中段に」および「右下がりに」)のうちのいずれかを示唆した後に第1所定関連情報として示唆された情報に対応する第2所定関連情報(本例では、「16」および「256」および「6553」、「128」および「2048」および「6552」、「第4図柄停止」および「第8図柄停止」)を示唆する(本例では、図3に示す部分、図4に示す部分)。
よって、示唆の態様が多様になるので遊技の興趣を高めることができる。
【0044】
本実施形態においては、所定示唆演出として、第2所定関連情報を示唆するときに第1所定関連情報の示唆を継続する演出を実行可能であり、特定示唆演出として、第2特定関連情報を示唆するときに第1特定関連情報の示唆を継続する演出を実行可能である(本例では、図3に示す部分、図4に示す部分)。
よって、所定関連情報と特定関連情報との双方で示唆内容を特定することができる。
【0045】
本実施形態においては、特定示唆演出として、複数の第1特定関連情報(本例では、「8192」および「95536」、「中段に」および「右下がりに」)のうちのいずれかを示唆した後に第1特定関連情報として示唆された情報に対応する第2特定関連情報(本例では、「1」、「第1図柄停止」および「第5図柄停止」)を示唆し、複数の第1特定関連情報は複数の第1所定関連情報(本例では、「8192」および「95536」、「中段に」および「右下がりに」)と共通の情報である(本例では、図3に示す部分、図4に示す部分)。
よって、所定遊技価値や特定遊技価値が付与されることに対する期待感を好適の持続させることができる。
【0046】
本実施形態においては、第1所定関連情報とは第1確率(本例では、16/8192および256/8192および6553/8192、128/65536および2048/65536および6552/65536)の分母(本例では、「8192」および「65536」)を示唆する情報であるとともに第1特定関連情報は第2確率(本例では、1/8192および1/65536)の分母(本例では、「8192」および「65536」)を示唆する情報であり、第2所定関連情報とは第1確率の分子(本例では、「16」および「256」および「6553」、「128」および「2048」および「6552」)を示唆する情報であるとともに第2特定関連情報は第2確率の分子(本例では、「1」)を示唆する情報である
よって、いずれの確率が示唆されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。
【0047】
[その他、変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0048】
[遊技機について]
上述した遊技機1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンであってもよい。上述した遊技機1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示の結果に応じて、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機であってもよい。
【0049】
[第1所定関連情報や第1特定関連情報について]
上記実施形態では、第1所定関連情報や第1特定関連情報として複数の分母の数字のいずれかを示唆し、その後に第2所定関連情報や第2特定関連情報として対応する分子の数字を示唆する、あるいは、第1所定関連情報や第1特定関連情報として複数の入賞ラインのいずれかを示唆し、その後に第2所定関連情報や第2特定関連情報として対応する停止図柄を示唆する例を挙げたが、第1所定関連情報や第1特定関連情報として示唆する複数の情報同士を同一処理に関する情報(換言すると、同一態様の情報)にしなくてもよい。
【0050】
すなわち、第1所定関連情報や第1特定関連情報として示唆する複数の情報として、第1処理(例えば、決定処理)に関する情報と、第2処理(例えば、停止制御)に関する情報のいずれかを共通の情報として示唆し、その後に第2所定関連情報や第2特定関連情報として対応する情報を示唆することが可能である。例えば、第1所定関連情報や第1特定関連情報として、決定確率の分母の数字または図柄が停止する入賞ラインを示唆し、その後に、第2所定関連情報や第2特定関連情報として対応する分子の数字や停止図柄を示唆する例を挙げることができる。このような構成とすることにより、示唆の態様を多様にすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0051】
[遊技価値の付与について]
上記実施形態では、遊技価値の付与として遊技価値が決定される例を挙げたが、遊技価値の決定に限らず、上記実施形態と態様の異なる遊技価値を上記実施形態と異なる方法により遊技価値を付与してもよい。
【0052】
例えば、パチンコ遊技機において、複数の入賞口を設け、遊技球が入賞した入賞口の組合せによって所定役(すなわち、所定遊技価値)または特定役(すなわち、特定遊技価値)のいずれかが発生する例を挙げることができる。当該例では、抽選に当選した場合にのみ特定の入賞口への入賞を可能にして所定役と特定役の発生確率(すなわち、付与確率)を変化させる方法などの方法により、特定役を所定役よりも発生確率の低い役にする。そして、特定役が発生したとは所定役が発生したときよりも賞球の数を多くし、特定役が発生したときの有利度合いを所定役の発生したときの有利度合いよりも有利にする。このように、構成したうえで、上記実施形態と同様に特定役や所定役の発生確率を示唆することにより、所定示唆演出や特定示唆演出を実行し、第1所定関連情報と第1特定関連情報を共通の情報を含む情報とすることにより、本発明の効果を得ることが可能である。
【0053】
[所定示唆演出および特定示唆演出について]
上記実施形態では、所定示唆演出および特定示唆演出の実行により、所定遊技価値や特定遊技価値が付与されることを示唆したが、所定示唆演出および特定示唆演出と異なる特別示唆演出を実行することにより、所定遊技価値や特定遊技価値よりも有利度合いが有利な特別遊技価値が付与されることを示唆してもよい。例えば、上記実施形態のように分数の表示により遊技価値が付与されることを示唆する例では、特定の分母の数字(例えば、777)や分子(例えば、777)が表示されたときは特別遊技価値(例えば、有利状態への制御)が付与されたことが確定するように構成することが可能である。
【0054】
上記実施形態では、所定示唆演出および特定示唆演出を液晶表示器51によって実行する例を挙げたが、これに限らず、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、ランプやLEDなど、上記実施形態と異なる手段で演出を行ってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 遊技機、51 液晶表示器、53,54 スピーカ
図1
図2
図3
図4