IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 岩谷産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-蛍石の製造方法 図1
  • 特許-蛍石の製造方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】蛍石の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01F 11/22 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
C01F11/22
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017190709
(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公開番号】P2019064851
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000158312
【氏名又は名称】岩谷産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(72)【発明者】
【氏名】中島 健太郎
【審査官】神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-521940(JP,A)
【文献】特開2002-293538(JP,A)
【文献】特開2015-157734(JP,A)
【文献】Shinji, YASUI et al.,Gas-Solid Reaction Properties of Fluorine Compounds and Solid Adsorbents for Off-Gas Treatment from Semiconductor Facility,International Journal of Chemical Engineering,Article ID 329419,2012年,pp.1-9,https://doi.org/10.1155/2012/329419
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01F 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルシウムの炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、水酸化物、および酸化物からなる群から選択される少なくとも一種を含むカルシウム化合物を、内壁の少なくとも一部が金属からなる反応器内に配置する工程と、
前記内壁を110℃以上の温度に維持しつつ、前記反応器内にフッ化水素を含む原料ガスを導入して前記カルシウム化合物と前記原料ガスとを反応させることにより蛍石を得る工程とを含み、
前記原料ガスを供給するガス供給装置と前記反応器との間を接続する第一の配管において、前記ガス供給装置と前記反応器との間に第一のバルブが設けられ、
前記ガス供給装置と前記第一のバルブとの間に第一の加熱部が設けられ、
前記第一のバルブと前記反応器との間に予備加熱部が設けられ、
前記予備加熱部において前記原料ガスが110℃以上に加熱される、
蛍石の製造方法。
【請求項2】
前記蛍石が得られた前記反応器内のガスを非腐食性ガスおよび空気の少なくともいずれか一つに置換する工程をさらに備える、請求項1に記載の蛍石の製造方法。
【請求項3】
前記反応器には、前記反応器内のガスを排出する排出部材が接続されており、
前記排出部材は、110℃以上の温度に維持されている、請求項に記載の蛍石の製造方法。
【請求項4】
前記置換する工程は、前記排出部材内のガスを非腐食性ガスおよび空気の少なくともいずれか一つに置換する工程を含む、請求項に記載の蛍石の製造方法。
【請求項5】
前記置換する工程は、前記第一の配管内のガスを非腐食性ガスおよび空気の少なくともいずれか一つに置換する工程を含む、請求項に記載の蛍石の製造方法。
【請求項6】
前記原料ガスは、排ガスを含む、請求項または請求項に記載の蛍石の製造方法。
【請求項7】
前記蛍石を得る工程は、前記原料ガスを前記反応器内に導入して前記原料ガスを流通させる工程と、前記原料ガスを流通させる工程の後に、前記原料ガスの導入を停止して前記原料ガスを前記反応器内に封入する工程とを含む、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の蛍石の製造方法。
【請求項8】
前記反応器の内壁の材質は、ステンレスである、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の蛍石の製造方法。
【請求項9】
前記カルシウム化合物は、粉体状である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の蛍石の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍石の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フッ化カルシウム(蛍石(CaF))は、その純度に応じて種々の用途がある。純度の高い蛍石は、低屈折率、および低分散性を有するため、主に蛍石レンズやガラス添加用といった光学原料向けとして高価格で取引されている。
【0003】
このような高純度の蛍石については、従来、鉱山から産出されるものを用いていた。しかし、品質の安定性や入手ルートの確実性等の観点から、高純度の蛍石を合成により製造することが求められている。
【0004】
ここで、フッ化カルシウム粉末の焼結体からなるフッ化カルシウム製るつぼの製造方法に関する技術が、特開2004-123417号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-123417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の技術では、カルシウム塩とフッ化水素酸とを水中にて反応させてフッ化カルシウムを合成し、得られたフッ化カルシウムを乾燥して粉末状にした後、フッ化カルシウム粉末をるつぼ状にプレス成形することとしている。ここで、カルシウム塩とフッ化水素酸とを反応させる際に、水にフッ化水素酸が溶解すれば、フッ酸が生じることとなる。このようなフッ酸は腐食性が極めて高いため、金属部分、例えば、反応器の内壁を腐食させることとなる。そうすると、得られた蛍石中に腐食した金属の不純物、すなわち、金属のコンタミネーションを多く発生させることとなる。その結果、得られた蛍石の純度が低くなってしまうこととなる。特に、上記した光学原料向けに用いられる蛍石の合成においては、このような金属の不純物をできるだけ含まない、高純度の蛍石を効率的に製造することが求められる。
【0007】
この発明の目的は、高純度の蛍石を効率的に製造することができる蛍石の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に従った蛍石の製造方法は、カルシウムの炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、水酸化物、および酸化物からなる群から選択される少なくとも一種を含むカルシウム化合物を、内壁の少なくとも一部が金属からなる反応器内に配置する工程と、内壁を110℃以上の温度に維持しつつ、反応器内にフッ化水素を含む原料ガスを導入してカルシウム化合物と原料ガスとを反応させることにより蛍石を得る工程とを含む。
【0009】
このような構成の蛍石の製造方法によれば、内壁の少なくとも一部が金属からなる反応器内にカルシウム化合物を配置させて、内壁を110℃以上の温度に維持しつつ、フッ化水素を含む原料ガスを導入してカルシウム化合物と原料ガスとを反応させ、蛍石を得ることとしている。ここで、反応生成物として水が生じた場合や反応系、例えば原料ガス中において水分が含まれていた場合においては、反応器の内壁が110℃以上に維持されているため、水が液体ではなく気体の状態で存在することとなる。そうすると、液状の水にフッ化水素が溶解してフッ酸が生成されるおそれを大きく低減することができる。したがって、反応器の内壁のフッ酸による腐食を抑制して、カルシウム化合物と原料ガスとの反応によって合成される蛍石に、内壁の腐食に起因した金属の不純物が含有されるおそれを大きく低減することができる。また、反応器の内壁の腐食が抑制されるため、反応器の長寿命化を図ることもできる。その結果、このような蛍石の製造方法によると、高純度の蛍石を効率的に製造することができる。
【0010】
なお、上記蛍石の製造方法により製造される高純度の蛍石とは、全体に占めるCaF(フッ化カルシウム)の割合が99.95質量%以上のものをいう。また、高純度の蛍石については、例えば、金属元素として含有されるFe(鉄)、Cr(クロム)、およびNi(ニッケル)といった各金属元素の含有割合がそれぞれ100質量ppm以下である。なお、フッ化水素を含む原料ガスについては、ハロゲン元素をできるだけ含まないものとすることが好ましい。また、上記蛍石の製造方法により製造される蛍石については、反応器の内壁の腐食に起因した金属の不純物の含有のおそれを大きく低減して高純度の蛍石を得るものである。したがって、蛍石の原料となるカルシウム化合物については、Fe、Cr、およびNiといった各金属元素の含有割合が最終的に得られる蛍石の含有割合の目標値以下のもの、具体的には、例えば、Fe、Cr、Niのそれぞれの含有割合が原料となるカルシウム化合物の50質量ppm以下、好ましくは20ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下のものを準備する必要がある。なお、原料ガスについても同様に、Fe、Cr、およびNiといった各金属元素の含有割合が小さいもの、もしくは全く含まれないものが用いられる。
【0011】
上記蛍石の製造方法は、蛍石が得られた反応器内のガスを非腐食性ガスおよび空気の少なくともいずれか一つに置換する工程をさらに含むこととしてもよい。こうすることにより、反応が終了して蛍石が得られた後に、反応に利用されずに残った原料ガス等により反応器の内壁が腐食され、反応器内に金属の腐食物が生じるおそれを低減することができる。したがって、例えば、繰り返し反応器を用いて蛍石を製造する際に、高純度の蛍石を効率的に製造することができる。
【0012】
ここで、本明細書中において「非腐食性ガスおよび空気の少なくともいずれか一つ」とは、非腐食性ガスの単体、空気の単体、そして非腐食性ガスおよび空気を所定の割合で混合した混合ガスを含む概念である。また、本明細書中において「非腐食性ガス」とは、110~200℃程度でSUS等の配管材料やカルシウム原料、蛍石と反応しないガスを指し、非腐食性ガスとして、具体的には、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、その他の不活性ガスを用いることができる。
【0013】
上記反応器には、反応器内に原料ガスを導入する前に原料ガスを110℃以上に加熱する予備加熱部が接続されている構成としてもよい。こうすることにより、反応器内に原料ガスを導入する前に予備加熱部により原料ガスの温度を110℃以上とすることができる。したがって、反応器に原料ガスが導入された直後から110℃以上の温度を確保することができるので、反応生成物として水が生じたとしても、予備加熱部による110℃以上の加熱により水を気体、すなわち、水蒸気とすることができ、フッ化水素が液状の水に溶解して生成されるフッ酸が生じるおそれを低減することができる。
【0014】
上記反応器には、反応器内のガスを排出する排出部材が接続されており、排出部材は、110℃以上の温度に維持されていてもよい。こうすることにより、反応器内のガスを排出する際にも、排出部材内においてフッ酸が生じるおそれを低減することができ、排出部材のフッ酸による腐食を抑制することができる。特に、排出部材に金属製の配管が含まれていた場合には、この金属製の配管の腐食を抑制することができ、設備装置の長寿命化を図ることができる。
【0015】
上記配置する工程は、排出部材内のガスを非腐食性ガスおよび空気の少なくともいずれか一つに置換する工程を含むこととしてもよい。こうすることにより、より確実に排出部材の腐食を抑制することができる。
【0016】
上記反応器には、予備加熱部を経由して反応器内へ原料ガスを導入する導入部材が接続されており、導入部材は、110℃以上の温度に維持されていることとしてもよい。こうすることにより、反応器内に原料ガスを導入する際に、原料ガスの温度を110℃以上に維持して、原料ガスを反応器内に導入することができる。この場合、原料ガス中に水が含まれていたとしても、導入部材が110℃以上の温度に維持されているため、原料ガス中の水は気体の状態で存在することとなる。そうすると、液体としての水にフッ化水素が溶解してフッ酸が生じるおそれを低減することができ、反応器の内壁等におけるフッ酸による腐食を抑制することができる。
【0017】
上記置換する工程は、導入部材内のガスを非腐食性ガスおよび空気の少なくともいずれか一つに置換する工程を含むこととしてもよい。こうすることにより、より確実に導入部材の腐食を抑制することができる。したがって、より高純度の蛍石を確実に得ることができる。
【0018】
上記原料ガスは、排ガスを含むこととしてもよい。このような排ガスは、例えば半導体製造装置において廃棄物として処理されるものであり、フッ素原料としては比較的安価である。したがって、こうすることにより、より安価に高純度の蛍石を効率的に製造することができる。この場合、導入部材は、110℃以上の温度に維持されているため、排ガス中に含まれる水については、液体ではなく気体の状態で存在することとなる。したがって、フッ酸が生成されるおそれを低減して、フッ酸による腐食の低減、および高純度の蛍石の効率的な製造を図ることができる。
【0019】
上記蛍石を得る工程は、原料ガスを反応器内に導入して原料ガスを流通させる工程と、原料ガスを流通させる工程の後に、原料ガスの導入を停止して原料ガスを反応器内に封入する工程とを含むこととしてもよい。こうすることにより、特に反応途中からは封入された原料ガスを有効に使用して反応を進めることができ、よりコストダウンを図ることができる。
【0020】
反応器の内壁の材質は、ステンレスであるようにしてもよい。このように、反応器の内壁の材質を、耐腐食性が良好な金属として、合成される蛍石に腐食物が含まれるおそれを低減することができる。したがって、より高純度の蛍石を製造することができる。
【0021】
カルシウム化合物は、粉体状であるよう構成してもよい。こうすることにより、いわゆる気-固反応における固体としてのカルシウム化合物と気体としての原料ガスとを効率的に接触させることができる。したがって、蛍石の合成を効率的に進めることができ、蛍石を効率的に製造することができる。
【発明の効果】
【0022】
このような構成の蛍石の製造方法によれば、高純度の蛍石を効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】この発明の一実施形態に係る蛍石の製造方法に用いられる製造装置の一例を概略的に示す図である。
図2】この発明の一実施形態に係る蛍石の製造方法における代表的な工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0025】
図1は、この発明の一実施形態に係る蛍石の製造方法に用いられる蛍石の製造装置の一例を概略的に示す図である。図1を参照して、この発明の一実施形態に係る蛍石の製造方法に用いられる蛍石の製造装置11は、原料ガスとしてフッ素を含むガスであるフッ化水素ガスを供給するHF(フッ化水素)ガス供給装置12と、パージ(排気)用の空気を供給するパージ用空気供給装置13と、カルシウム化合物としての炭酸カルシウムを供給する炭酸カルシウム供給部14と、炭酸カルシウムとフッ化水素ガスとを反応させる反応器15と、反応器15において炭酸カルシウムとフッ化水素ガスとの反応により得られた蛍石を取り出す蛍石取り出し部16と、反応により生成されたガスや反応に用いられなかった未反応のガスを処理する排ガス処理装置17とを含む。これらの構成部材は、配管等によって接続されている。HFガス供給装置12には、反応器15に供給するHFガスが格納されている。パージ用空気供給装置13には、反応器15に供給するパージ用の空気が格納されている。炭酸カルシウム供給部14には、反応器15に供給する炭酸カルシウムが格納されている。
【0026】
なお、上記した蛍石の製造装置11においては、原料ガスであるフッ化水素(HF)ガスと、カルシウム化合物であるカルシウムの炭酸塩の炭酸カルシウム(CaCO)とを反応させて蛍石(CaF)を得る。この反応は、いわゆる気-固反応である。この場合の主な反応式は以下となり、反応生成物として水(HO)が生じる。
【0027】
2HF+CaCO→CaF+HO+CO
【0028】
ここで、HFガス供給装置12においては、排ガスが用いられる。すなわち、HFガス供給装置12は、排ガスを、HFを含む原料ガスとして供給する。排ガスは、例えば半導体製造装置において廃棄物として処理されるものであり、フッ素原料としては比較的安価である。このような排ガスは、例えば、水分を予め含むものである。なお、以下においてはHFガス供給装置12において供給される排ガスを単に原料ガスやHFガスという。
【0029】
HFガス供給装置12と反応器15との間には、反応器15内へHFガスを導入する導入部材としての第一の配管21が接続されている。すなわち、HFガス供給装置12と反応器15は、第一の配管21により接続されている。第一の配管21は、いわゆる管状の部材であり、その内部をHFガスが通過することができる。第一の配管21は、SUS304等に代表されるステンレス製である。なお、第一の配管21の材質としては、他に例えば、鉄、銅、真鍮、ニッケル、さらには、耐腐食性の強いハステロイ(登録商標)やインコネル(登録商標)等が挙げられる。また、図1中において、第一の配管21については、単なる矢印で示している。
【0030】
第一の配管21の途中、すなわち、HFガス供給装置12から反応器15に至るHFガスの流路の途中には、反応器15内へ導入するHFガスの流入量等を調整するための弁としての第一のバルブ22が設けられている。
【0031】
第一の配管21において、HFガス供給装置12と第一のバルブ22との間には、HFガス供給装置12から供給されるHFガスを加熱する第一の加熱部23が設けられている。この第一の加熱部23により、HFガス供給装置12から供給されるHFガスは、110℃以上の温度に加熱される。この場合、具体的には、例えば、HFガスは120℃に加熱される。
【0032】
第一の配管21は、第一の加熱部23が設けられた位置から第一のバルブ22に至るまで、ヒーター24によって覆われている。そして、ヒーター24により、導入部材としての第一の配管21は、その温度が110℃以上の温度に維持されている。この場合、第一の配管21は、ヒーター24により120℃の温度に維持されている。したがって、第一の加熱部23により120℃の温度に加熱されたHFガスは、第一の配管21を通過する際に、基本的に120℃の温度を維持したまま、反応器15内へ導入される。なお、ヒーター24については、図1中において、太線で示している。
【0033】
第一の配管21において、第一のバルブ22と反応器15との間には、予備加熱部30が設けられている。すなわち、反応器15には、予備加熱部30を経由して反応器15内へ原料ガスを導入する導入部材としての第一の配管21が接続されている構成である。このような構成として、反応器15に原料ガスが導入された直後から110℃以上の温度を確保することができる。この場合、具体的には、原料ガスを120℃に加熱して第一の配管21から原料ガスを反応器15内に導入することができる。なお、第一の加熱部23により原料ガスが120℃に加熱され、ヒーター24により120℃の温度に維持された第一の配管21を通ってきた原料ガスについて、120℃よりも温度が下がる部分があったとしても、この予備加熱部30により、より確実に反応器15に導入する前に110℃以上として導入することができる。
【0034】
パージ用空気供給装置13は、第一の配管21に接続されている。具体的には、第一の配管21において、第一のバルブ22よりも上流側、すなわち、第一の配管21において第一のバルブ22よりもHFガス供給装置12が位置する側の途中において、第一の配管21を分岐するようにして接続されている。第一の配管21において、パージ用空気供給装置13と第一のバルブ22との間には、パージ用空気供給装置13から供給されるパージ用の空気を加熱する第二の加熱部25が設けられている。この第二の加熱部25により、パージ用空気供給装置13から供給されるパージ用の空気は、110℃以上の温度に加熱される。この場合、具体的には、例えば、パージ用の空気は120℃に加熱される。第一の配管21において、第二の加熱部25が設けられた位置から分岐26に至るまでもヒーター24によって覆われている。したがって、第二の加熱部25により120℃の温度に加熱されたパージ用の空気は、第一の配管21を通過する際に、120℃の温度を維持したまま、反応器15内へ導入される。
【0035】
炭酸カルシウム供給部14は、反応器15の上部に設けられている。炭酸カルシウム供給部14は、所定の形状の容器27と、容器27の下部に設けられた回転体28とから構成されている。容器27内には、反応に要する粉体状の炭酸カルシウム29が格納されている。容器27の下部には開口が設けられており、炭酸カルシウム供給部14は、回転体28を回転させることにより容器27内に格納された炭酸カルシウム29を所定量落下させ、反応器15内に炭酸カルシウム29を供給することができる。
【0036】
ここで、炭酸カルシウム供給部14により供給される原料物質としての炭酸カルシウム29について、高純度の蛍石を得る観点から、金属不純物の含有割合が小さいものが炭酸カルシウム供給部14に格納される。具体的には、例えば、原料となる炭酸カルシウム29に含まれるFe、Cr、Niはそれぞれ50質量ppm以下のものが採用される。後述する他のカルシウム化合物を用いる場合についても同様である。
【0037】
炭酸カルシウム供給部14のうち、容器27の一部、および回転体28は、ヒーター24によって覆われている。そして、これらの部分についても、ヒーター24により、120℃の温度に維持されている。すなわち、反応器15への供給前の段階において、炭酸カルシウム29はある程度ヒーター24により加熱される。
【0038】
反応器15は、円錐形であって、頂部を下側に位置するよう配置される。反応器15は、内壁31を含む全体が金属で構成されている。反応器15は、具体的には、SUS等のステンレス製である。反応器15の内部には、反応に使用される空洞32が設けられており、この空洞32の領域にカルシウム化合物である炭酸カルシウム29がまず供給され、配置される。反応器15は、密封可能な構成である。反応器15には、その内部に供給された炭酸カルシウム29を撹拌する撹拌棒33が設けられている。この撹拌棒33には、反応器15の上部側に位置する蓋部34の一部に取り付けられて撹拌棒33の回転運動を支持する支持部35が設けられており、支持部35を回転中心として反応器15の空洞32内を図1中の矢印36に示すように回転させることができる。撹拌棒33を所定の速度で回転させることにより、反応器15内に配置された炭酸カルシウム29を撹拌することができ、この撹拌棒33による撹拌により、反応を促進させることができる。
【0039】
反応器15は、その全体がヒーター24によって覆われている構成である。すなわち、反応器15全体を、ヒーター24により110℃以上の温度に維持することができる。この場合、反応器15全体が、ヒーター24により120℃の温度に維持されている。
【0040】
第一の配管21は、上記したように反応器15に接続されている。具体的には、第一の配管21は、反応器15の下部側であって、炭酸カルシウム29を反応器15内に配置させた際に炭酸カルシウム29が位置する領域に第一の配管21における原料ガスの開口が位置するように接続されている。このような位置に第一の配管21の開口を設けることにより、より効率的にHFガスと炭酸カルシウム29とを接触させて、反応を促進することができる。
【0041】
反応器15の底、すなわち、円錐形状の反応器15の頂部には、反応器15内において反応によって得られた蛍石を取り出す蛍石取り出し部16が設けられている。蛍石取り出し部16は、反応により得られた蛍石37を溜めておく容器38と、容器38の上部に設けられた回転体39とから構成されている。蛍石取り出し部16は、反応が終了した後に回転体39を回転させることにより反応器15の底に溜まった蛍石37を反応器15から排出させて容器38内に取り出すことができる。
【0042】
蛍石取り出し部16のうち、容器38の一部、および回転体39は、ヒーター24によって覆われている。そして、これらの部分についても、ヒーター24により、120℃の温度に維持されている。
【0043】
排ガス処理装置17は、炭酸カルシウム29とフッ化水素ガスとの反応により生成されたガス、この場合、主に二酸化炭素と水蒸気や反応に用いられなかった未反応のガスを処理することができる。具体的には、反応により生じた排ガス等の温度を調整しながら、無害化することができる。排ガス処理装置17により無害化されたガスが排出される。
【0044】
排ガス処理装置17は、排出部材としての第二の配管41によって反応器15と接続されている。第二の配管41についても、ステンレス製である。また、第二の配管41についても、第二の配管41の途中、すなわち、反応器15から排ガス処理装置17に至るガスの流路の途中には、排ガス処理装置17内へ流入させる排ガスの流入量等を調整するための弁としての第二のバルブ42が設けられている。
【0045】
第二の配管41は、反応器15が設けられた位置から第二のバルブ42に至るまで、ヒーター24によって覆われている。そして、ヒーター24により、排出部材としての第二の配管41は、その温度が110℃以上の温度に維持されている。この場合、第二の配管41は、ヒーター24により120℃の温度に維持されている。したがって、反応により生じた排ガスは、第二のバルブ42が設けられた位置に至るまで120℃の温度を維持したまま、第二の配管41内を通過する。
【0046】
すなわち、ヒーター24は、第一の配管21の一部、第一のバルブ22、第一の加熱部23、第二の加熱部25、炭酸カルシウム供給部14の一部、反応器15の全体、蛍石取り出し部16の一部、第二の配管41の一部、第二のバルブ42を覆う構成である。そして、ヒーター24により、上記した第一の配管21等が120℃に維持されている。
【0047】
ここで、上記した蛍石の製造装置11を用いて蛍石を製造する際の蛍石の製造方法について説明する。図2は、この発明の一実施形態に係る蛍石の製造方法における代表的な工程を示すフローチャートである。
【0048】
併せて図2を参照して、まず、反応器15内に炭酸カルシウム供給部14から炭酸カルシウムを所定量投入する(図2において、ステップS11、以下、「ステップ」を省略する。)。この場合、炭酸カルシウム供給部14に設けられた回転体28の回転を制御して炭酸カルシウム29の投入量を調整しながら投入する。このようにして、炭酸カルシウム29を反応器15内に配置させる。
【0049】
次に、投入された炭酸カルシウム29を加熱する(S12)。この場合、反応器15を覆うようにして設けられたヒーター24により反応器15ごと加熱を行い、炭酸カルシウム29を加熱する。ここでは、反応器15内の炭酸カルシウム29を120℃となるまで加熱する。
【0050】
120℃に炭酸カルシウム29を加熱した後、炭酸カルシウム29を120℃の温度に維持しつつ、原料ガスを反応器15内に導入する(S13)。この場合、第一の配管21から導入される原料ガスは、120℃の温度に維持されている。すなわち、この場合、炭酸カルシウム29および原料ガスの双方とも、120℃の温度に維持された状態で混合されることとなる。
【0051】
そして、反応器15内において撹拌棒33を回転させながら炭酸カルシウム29を撹拌し、上記した反応式に基づく反応を進める。すなわち、炭酸カルシウム29と原料ガスとにより、気-固反応で蛍石を合成する。
【0052】
ここで、導入する原料ガスについては、反応途中までは、反応器15内に原料ガスを流通させ、反応途中からは原料ガスを反応器15内に封入するようにする。すなわち、原料ガスを反応器15内に導入して原料ガスを流通させ、原料ガスを流通させた後に、原料ガスの導入を停止して原料ガスを反応器15内に封入する。具体的には、反応量の全体を100%とした場合に、始めから50%の反応量までは反応器15内に原料ガスを流通させながら反応を行い、50%の反応の経過後から終わりまでは原料ガスを反応器15内に封入させた状態で反応を行う。すなわち、始めから50%の反応量までは、第一のバルブ22をあけた状態として、HFガス供給装置12から反応器15内への原料ガスの供給を続ける。この場合、第二のバルブ42もあけた状態としておき、反応器15内を原料ガスによって流通させるようにする。そして、50%の反応量に達すれば、第一のバルブ22および第二のバルブ42を双方とも閉じた状態として反応器15を密封状態とし、原料ガスを反応器15内に封入して反応を進める。
【0053】
反応終了後、反応器15内にパージ用空気供給装置13から反応器15内にパージ用の空気を供給し、反応器15内のパージ(排気)を行う(S14)。すなわち、第一のバルブ22および第二のバルブ42を再びあけ、蛍石37が得られた反応器15内の残った原料ガスおよび反応により生成されたガスをパージ用の空気に置換する。
【0054】
その後、蛍石取り出し部16に設けられた回転体39を回転させ、反応器15の底に溜まった蛍石37を蛍石取り出し部16に設けられた容器38に取り出して、蛍石37を得る(S15)。なお、引き続き、蛍石37の製造を行う際には、蛍石取り出し部16によって製造された蛍石37を回収した後、また、S11に戻って作業を行う。このような作業は、いわゆるバッチ処理により行われる。
【0055】
このような蛍石37の製造方法によれば、内壁31が金属からなる反応器15内に炭酸カルシウム29を配置させて、内壁31を110℃以上の温度である120℃に維持しつつ、原料ガスとしてのHFガスを導入して炭酸カルシウム29とHFガスとを反応させ、蛍石37を得ることとしている。ここで、原料ガスとして水分が含まれる排ガスを用いており、反応生成物として水が生じることとなる。しかし、反応器15の内壁31が110℃以上である120℃に維持されているため、水が液体ではなく気体の状態で存在することとなる。そうすると、液状の水にフッ化水素が溶解してフッ酸が生成されるおそれを大きく低減することができる。したがって、反応器15の内壁31のフッ酸による腐食を抑制して、炭酸カルシウム29とHFガスとの反応によって合成される蛍石37に、内壁31の腐食に起因した金属の不純物が含有されるおそれを大きく低減することができる。また、反応器15の内壁31の腐食が抑制されるため、反応器15の長寿命化を図ることもできる。その結果、このような蛍石37の製造方法によると、高純度の蛍石37を効率的に製造することができる。
【0056】
上記の実施の形態においては、予備加熱部で原料ガスを加熱しているため、反応器15に原料ガスを供給する直前に原料ガスの温度を高い状態で供給して、確実にフッ酸の生成を抑制することができる。
【0057】
また、上記の形態においては、HFガス供給装置12は、排ガスを供給することとしているため、より安価に高純度の蛍石37を効率的に製造することができる。この場合、第一の加熱部23で排ガスを加熱すると共に、導入部材としての第一の配管21は、110℃以上の温度に維持されているため、排ガス中に含まれる水については、液体ではなく気体の状態で存在することとなる。したがって、フッ酸が生成されるおそれを低減して、フッ酸による腐食の低減、および高純度の蛍石37の効率的な製造を図ることができる。
【0058】
また、上記の実施の形態においては、反応途中までは、反応器15内に原料ガスを流通させ、反応途中からは原料ガスを反応器15内に封入するようにしているため、特に反応途中からは封入された原料ガスを有効に使用して反応を進めることができる。したがって、封入された原料ガスを効率的に利用して、よりコストダウンを図ることができる。
【0059】
なお、排出部材としての第二の配管41および第二のバルブ42についても、110℃以上の温度に維持されているため、反応器15内のガスを排出する際にも、フッ酸が生成されるおそれを低減することができ、第二の配管41および第二のバルブ42のフッ酸による腐食を抑制することができる。特に、第二の配管41が金属製であった場合には、この金属製の配管の腐食を抑制することができ、設備装置の長寿命化を図ることができる。
【0060】
ここで、上記の実施の形態においては、フッ素を含む原料ガスとしてHFガス供給装置によりフッ化水素ガスを供給することとしたが、これに限らず、フロンを破壊する装置であるフロン破壊装置を準備し、フロン破壊装置によりフロンを破壊したガスを、フッ化水素を含む原料ガスとして供給することにしてもよい。
【0061】
また、第二の配管41および第二のバルブ42について、空気に置換することとしてもよい。すなわち、置換する工程は、第二の配管41および第二のバルブ42内のガスを空気に置換するようにしてもよい。こうすることにより、より確実に第二の配管41および第二のバルブ42の腐食を抑制することができる。
【0062】
なお、上記の実施の形態において、カルシウム化合物としてカルシウムの炭酸塩である炭酸カルシウムを用いることとしたが、これに限らない。例えば、CaSOといったカルシウムの硫酸塩やCaCといったカルシウムの蓚酸塩、Ca(OH)といったカルシウムの水酸化物、CaOといったカルシウムの酸化物等を用いてもよく、カルシウム化合物は、カルシウムの炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、水酸化物、および酸化物からなる群から選択される少なくとも一種を含むよう構成してもよい。また、用いるカルシウム化合物の性状についても粉体状に限られず、例えば、ペレット状や粒状であっても構わない。
【0063】
また、上記の実施の形態においては、空気でパージ、すなわち、置換するガスとして空気を用いることとしたが、これに限らず、置換するガスとして上記した非腐食性ガスを用いることとしてもよく、非腐食性ガスと空気とを混合した混合ガスを置換するガスとして用いることとしてもよい。非腐食性ガスとしては、上記したように、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、その他の不活性ガスを用いることができる。
【0064】
なお、上記の実施の形態において、第一の加熱部23、第二の加熱部25、導入部材を覆うヒーター24、および予備加熱部を設けることとしたが、これに限らず、これらの一部もしくは全部を設けない構成としてもよい。例えば、第一の加熱部23および第二の加熱部25を省略した構成とする。こうすることにより、設備装置の簡略化を図ることができる。
【0065】
また、上記の実施の形態において、原料ガスとして排ガスを供給することとしたが、これに限らず、原料ガスとして高純度のフッ化水素ガスを用いることとしてもよい。この場合、例えば、フッ化水素ガス中の水分の含有量が極めて少ない場合には、反応前の水分を考慮する必要は低くなり、第一の配管21におけるヒーター24を小型のものに置換したり、ヒーター24自体を省略することもできる。
【0066】
なお、上記の実施の形態において、蛍石を得る工程は、原料ガスを反応器15内に導入して流通させる工程と、流通させる工程の後に、原料ガスの導入を停止して原料ガスを反応器15内に封入する工程とを含むこととしたが、これに限らず、反応が終了するまで原料ガスを反応器15内にずっと導入し続けることにしてもよいし、数サイクルに亘って原料ガスの流通および原料ガスの封入を行うこととしてもよい。
【0067】
また、蛍石37が得られた反応器15内のガスを置換する工程については、必要に応じて省略することとしてもよい。
【0068】
なお、上記の実施の形態においては、反応器15の内壁31は、金属からなることとしたが、これに限らず、反応器15の内壁31については、一部が金属であって、他の部分が金属以外で構成されていてもよい。すなわち、反応器15の内壁31の少なくとも一部が金属であればよい。この場合、金属として、ステンレス以外の材質のものを用いることとしてもよい。
【0069】
また、上記の実施の形態において、第一の配管21および第二の配管41は、ステンレス製とすることとしたが、これに限らず、他の金属から構成されていてもよい。また、金属以外の材質により第一の配管21および第二の配管41を構成することにしてもよい。
【0070】
なお、上記の実施の形態において、反応器15の内壁31等の温度について、110℃以上の温度として120℃を採用することとしたが、これに限らず、例えば150℃を採用してもよく、さらには110℃~200℃の間の温度、特に120℃~150℃の間の温度を採用してもよい。
【0071】
以下、実施例および比較例について説明する。本願発明の一実施形態に係る蛍石の製造方法を使用して、金属の含有割合を確認した。試験方法については、以下のように行った。炭酸カルシウム(CaCO)を約1g準備し、SUS304製の管状の反応器(内容積20ml)内にセットした。そして、恒温槽で所定の温度に反応器を加熱した状態で、100質量%のHFガスを流量100ccm(cc/minutes)で5分間流通させた。なお、HFガスを流量100ccmで5分間流す流通量は、炭酸カルシウム1gを全量CaFに反応させることができる量である。しかし、この条件では、50質量%程度が反応するのみであり、残りは排気される。
【0072】
そして、HFガスを流通した後、反応器の前後のバルブを閉じて、HFガスを封入した。封入したHFガスのほとんど全量を反応に寄与させるため、数時間この状態を維持した。この場合、反応器内には、HFガス、反応により生じた水、および炭酸ガスが封入されることとなる。
【0073】
封入後、反応により得られた蛍石(CaF)を取り出し、蛍石中に含まれているFe、Cr、Niといった各元素の成分の含有割合を分析した。具体的には、得られた蛍石の全量を酸で分解し、ICPにより分析を行った。このような実験について、恒温槽の温度を80℃、100℃、120℃、および150℃の状況下でそれぞれ行った。結果を表1に示す。比較例は80℃の場合、および100℃の場合であり、実施例は120℃の場合、および150℃の場合である。なお、処理前の含有割合、すなわち、原料段階における金属各元素の成分の含有割合も示している。
【0074】
【表1】
【0075】
表1を参照して、温度が80℃の場合は、Feの含有割合は、3930質量ppmであり、非常に多い含有割合となっている。また、Crの含有割合についても1417質量ppm、Niの含有割合についても807質量ppmであり、非常に多いものとなっている。そして、100℃の場合についても、基本的に各元素の含有割合について、ほぼ同程度となっている。すなわち、80℃の場合、および100℃の場合については、Fe、Cr、Niの含有割合は非常に多い。これに対し、120℃の場合は、Feの含有割合が45質量ppm、Crの含有割合が10質量ppm、Niの含有割合が8質量ppmとなっており、非常に少ないことが把握できる。さらに、150℃の場合は、Feの含有割合が14質量ppm、Crの含有割合、およびNiの含有割合が共に1質量ppmとなっており、極めて少ないことが把握できる。すなわち、反応器の内壁が110℃以上であれば、金属のコンタミネーションを非常に少ないものとし、高純度の蛍石を製造することができる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の蛍石の製造方法は、高純度の蛍石の効率的な製造が求められる場合に、特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0078】
11 蛍石の製造装置、12 HFガス供給装置、13 パージ用空気供給装置、14 炭酸カルシウム供給部、15 反応器、16 蛍石取り出し部、17 排ガス処理装置、21 第一の配管、22 第一のバルブ、23 第一の加熱部、24 ヒーター、25 第二の加熱部、26 分岐、27,38 容器、28,39 回転体、29 炭酸カルシウム、30 予備加熱部、31 内壁、32 空洞、33 撹拌棒、34 蓋部、35 支持部、36 矢印、37 蛍石、41 第二の配管、42 第二のバルブ。
図1
図2