(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】一体的に形成されたねじ付シャンクコネクタを備えた交換可能な正面フライスヘッド
(51)【国際特許分類】
B23C 5/10 20060101AFI20220105BHJP
B23C 5/20 20060101ALI20220105BHJP
B23C 5/28 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B23C5/10 D
B23C5/20
B23C5/28
(21)【出願番号】P 2018545190
(86)(22)【出願日】2017-03-27
(86)【国際出願番号】 IL2017050379
(87)【国際公開番号】W WO2017179037
(87)【国際公開日】2017-10-19
【審査請求日】2020-02-05
(32)【優先日】2016-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514105826
【氏名又は名称】イスカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブッダ,エリヤフ
(72)【発明者】
【氏名】ハーパズ,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】エルリッヒ,エリー
【審査官】村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-176486(JP,A)
【文献】国際公開第2011/006804(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2006/0072977(US,A1)
【文献】特表2015-524754(JP,A)
【文献】特開2011-056594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C 5/10
B23C 5/20
B23C 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対する軸方向の前方方向D
F及び後方方向D
R並びに相対する回転の先行方向D
P及び後続方向D
Sを規定する、中心回転軸A
Rを中心とした回転のために構成された交換可能な正面フライスヘッドであって、前記先行方向D
Pが切削方向であり、前記正面フライスヘッドが、
ヘッド後面と、ヘッド前面と、前記ヘッド後面から前記ヘッド前面へ延在するヘッド周面と、
雄ねじを備えて形成されるとともに、前記ヘッド後面から前方に延在するシャンクコネクタ部分と、
前記シャンクコネクタ部分を囲む後方を向く切削部環状面を含む切削部であって、前記切削部は、前記シャンクコネクタ部分と一体的に形成されるとともに、前記シャンクコネクタ部分から前記ヘッド前面へ前方に延在し、前記シャンクコネクタ部分及び前記ヘッド前面が交わる交差部が、前記シャンクコネクタ部分及び前記後方を向く切削部環状面が配置される前記中心回転軸A
Rに沿った軸方向位置に配置される、切削部と、
前記交差部から前記ヘッド前面へ前記中心回転軸A
Rに平行に測定可能な切削部長さL
Cと、
前記ヘッド前面で前記中心回転軸A
Rに垂直に延在する垂直平面P
Pと、を含み、
前記切削部が、
複数の一体的に形成された歯であって、前記歯の各々が前記ヘッド前面に主切れ刃を含む、複数の一体的に形成された歯と、
前記複数の歯と互い違いになっている複数の溝と、
切削部直径D
Eと、を含む
、正面フライスヘッドにおいて、
前記切削部直径D
Eで割った前記切削部長さL
Cとして定義される長さ-直径比LDRが、条件:0.3≦LDR≦1.00を満た
し、
前記複数の歯の各歯が、前記周面に沿って延在する逃げ縁と、前記逃げ縁に接続されるとともに、前記切削部の半径方向端点を含む凸湾曲した外側コーナと、前記外側コーナに接続されるとともに、前記外側コーナから前方内向き方向に延在する前記主切れ刃と、前記主切れ刃に接続された凸湾曲した内側コーナと、前記内側コーナに接続されるとともに、前記内側コーナから後方内部方向に延在する傾斜切れ刃と、を含む、交換可能な正面フライスヘッド。
【請求項2】
前記長さ-直径比LDRが、条件:LDR≦0.90を満たす、請求項1に記載の正面フライスヘッド。
【請求項3】
前記長さ-直径比LDRが、条件:LDR≧0.40を満たす、請求項1又は2に記載の正面フライスヘッド。
【請求項4】
前記長さ-直径比LDRが、条件:LDR=0.50±0.05を満たす、請求項1に記載の正面フライスヘッド。
【請求項5】
前記ヘッドの重心が前記切削部に位置する、請求項1~4のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項6】
前記複数の歯の各歯が、中心より前方に位置付けられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項7】
冷却剤穴が前記ヘッド前面の中心に開いている、請求項1~6のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項8】
前記中心回転軸A
Rに沿って後方に見ると、前記複数の歯の各歯が、少なくとも前記内側コーナから前記外側コーナへ凸湾曲する、請求項
1~7のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項9】
前記主切れ刃が凸湾曲しているとともに、切れ刃半径を有し、前記外側コーナが外側コーナ半径を有し、前記切れ刃半径が前記外側コーナ半径より大きい、請求項
1~8のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項10】
前記切れ刃半径が前記外側コーナ半径の少なくとも8倍である、請求項
9に記載の正面フライスヘッド。
【請求項11】
前記外側コーナ半径が2mm以下である、請求項
1~10のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項12】
前記逃げ縁が前記外側コーナから後方内部方向に延在する、請求項
1~11のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項13】
第1接点が、前記主切れ刃及び前記内側コーナが接続するところで規定され、第2接点が、前記主切れ刃及び前記外側コーナが接続するところで規定され、仮想直線が前記第1及び第2接点の間に規定され、前記垂直面と共に条件:10°≦α≦25°を満たす切削角度αをなす、請求項
1~12のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項14】
前記垂直平面P
P及び前記中心回転軸A
Rがなす食付き角Θが、条件:10°≦Θ≦30°を満たす、請求項
1~13のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項15】
締結構造が、前記正面フライスヘッドのヘッド周面に沿った前記切削部で形成され、前記長さ-直径比LDRが、条件:0.50≦LDR≦1.00を満たす、請求項1~
14のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項16】
前記複数の歯が5~7本の歯である、請求項1~
15のいずれか1項に記載の正面フライスヘッド。
【請求項17】
前記複数の歯が厳密に6本の歯である、請求項
16に記載の正面フライスヘッド。
【請求項18】
請求項1~
17のいずれか1項に記載の正面フライスヘッドと、シャンクと、を含む正面フライス組立体であって、前記シャンクが、シャンク後面と、シャンク前面と、前記シャンク後面から前記シャンク前面に延在するシャンク周面と、を含み、前記シャンク前面が前記シャンクコネクタ部分を受けるように構成された開口を備えて形成される、正面フライス組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本出願の主題は、交換可能なフライスヘッド、より詳細には、面削り作業のための少なくとも1つの軸方向切れ刃を備えて構成された交換可能なフライスヘッドに関する。そのような交換可能なフライスヘッドはまた、以下で、「正面フライスヘッド」、又は簡潔さのために、「フライスヘッド」又は「ヘッド」とも呼ばれ、これらの全ては、本願においては、少なくとも1つのそのような軸方向切れ刃を備えて構成されたフライスヘッドを具体的には指すことを意味する。そのような「軸方向切れ刃」はまた、以下で「ヘッド前面の主切れ刃」とも呼ばれる。
【背景技術】
【0002】
[002] エンドミルは、非軸方向にも機械加工できるという点でドリルと異なり、一般に、それらの機械加工の全てではないにしてもほとんどは、非軸方向である。
【0003】
[003] 一般的に言えば、エンドミルは、理論上は以下のカテゴリー、すなわち、インサートミル、ソリッドエンドミル、及び交換可能なフライスヘッドに分けられ得る。
【0004】
[004] インサートミルは、工具ホルダであって、ポケットと、ポケットに据え付けられるように構成された、典型的には割出し可能な交換可能なインサートと、を備えた工具ホルダを含むフライス工具である。インサートミルの利点は、比較的高価な硬い材料でできている交換可能なインサートが、フライス工具の比較的小さい部分を構成するという点である。工具ホルダは、フライス加工中にコレット又はチャックにより動かないように保持されたシャンクを含む。
【0005】
[005] 小さいインサートの交換のみを必要とするインサートミルと異なり、ソリッドエンドミルは一体的に形成された歯を含み、ソリッドエンドミル全体は摩耗した後で交換される。ソリッドエンドミルはまた、フライス加工中にコレット又はチャックにより動かないように保持された一体的に形成されたシャンクも含む。従って、ソリッドエンドミルは、インサートミルと比較するとはるかに高価な材料を用いる。比較的費用が高いにもかかわらず、インサートミルに対するソリッドエンドミルの少なくとも1つの利点は、ソリッドエンドミルの単一の一体的に形成された本体は比較的小さく製造することができ、比較的小さい位置でのフライス加工を可能にするという点である。
【0006】
[006] 交換可能なフライスヘッドは、一体的に形成された歯を有するという点で、ソリッドエンドミルと同様である。しかしながら、それらは、シャンクへの取付け及びシャンクからの除去のために構成されたシャンクコネクタ部分を有するという点で異なっている。一体的に形成されたシャンクを備えたソリッドエンドミルは、例えば、強度、振動及び単純化された製造に関して有利であり得るが、フライス加工中にコレット又はチャックにより保持される交換可能なフライスヘッドのシャンクは、ヘッドが摩耗した後で交換される必要はない。さらに、交換可能なフライスヘッドがインサートミルより高価な材料を使用するとしても、それらが使用するのはソリッドエンドミルより少ない。
【0007】
[007] 本出願の主題は、後者のカテゴリー、すなわち交換可能なフライスヘッドのみを対象とする。
【0008】
[008] より具体的には、本出願は、面削り作業のために構成された(すなわち、正面フライス作業、すなわち、ヘッドの正面で非軸方向に実施される作業のための少なくとも1つの軸方向切れ刃を備えて構成された)ヘッドを対象とする。好ましい実施形態はまた、面削り作業のためのみに構成された、すなわち、切削部の周辺部に沿った半径方向切れ刃を使用することの無いヘッドを対象とする。最も好ましい実施形態は、具体的には、早送り歯構成を有する、すなわち、軸方向切れ刃のみでの機械加工のためのヘッドを対象とする、(言い換えると、半径方向切れ刃と軸方向切れ刃との間に位置する均一なコーナ切れ刃を使用しない構成とされる)。
【0009】
[009] 新規で改良された交換可能な正面フライスヘッドを提供することが、本出願の目的である。
【発明の概要】
【0010】
[0010] 本出願の主題の第1態様によると、交換可能な正面フライスヘッドであって、ヘッド前面に少なくとも1つの主切れ刃を含むとともに、切削部直径DEで割った切削部長さLCとして定義される長さ-直径比LDRが条件:LDR≦1.00を満たすことを特徴とする交換可能な正面フライスヘッドが提供される。
【0011】
[0011] 明細書及びクレームの目的のために、別段の記載がない限り、所与の各値は±0.01の公差を有するよう意図されている。例えば、LDR=1.00という条件は、代替的に、LDR=1.00±0.01と書くことができる。
【0012】
[0012] 1.00以下の長さ-直径比LDRが、必要な材料が減少することから、既知の設計よりも有利であるが、非早送り歯形状、特に、比較的小さい機械加工力、及び対応して、そのシャンクコネクタ部分への低い熱伝達のみを受ける仕上げ又はコーナ機械加工作業のために構成された形状にとって依然として十分に長いという点で、LDR=1.00という特定の比には特別な利点がある。
【0013】
[0013] 追加的に、好ましくは、ヘッドであって、その軸方向切れ刃がフライス加工の大部分又は(早送り歯構成の場合のように)最も好ましくはフライス加工作業全体を実施するように構成されたヘッドについて、1.00未満のLDRの比であっても実施可能であるとともに、さらには有益であることが分かっている。
【0014】
[0014] 熱伝達に関して、ヘッドは、より安価な、典型的にはより耐熱性の低い材料(例えば、超硬合金よりむしろ鋼)が、添付のシャンクのために使用され得るように典型的には用いられる。比較的短い交換可能なフライスヘッドを作る際の欠点は、ヘッドの長さが減少するにつれ、例えば工作物から機械加工されたチップとの接触を介して、工作物からヘッドへ熱が伝達される量が増加し、このことは、ひいては、ヘッドのシャンクコネクタとシャンクコネクタを介してヘッドに固定されたシャンクとの接続領域を過剰に加熱し得るという点である。過熱は、シャンクからのヘッドの除去を遅らせるか場合により妨げる可能性があり、それにより、交換可能なヘッドを使用する主な利点を無効にし得る。なお別の欠点は、振動をさらに減らし得る「スイートスポット」(すなわち、安定的なフライス加工速度)を組み込む設計を備えた短いフライスヘッドを提供できないことである。
【0015】
[0015] 理論に拘束されるものではないが、工作物との正面フライスヘッドの主な接触領域はヘッドの前面においてであってその周辺部に沿ってではないことから、過剰な加熱が正面フライスヘッドでは生じることは分かっておらず、従って、ヘッドを保持するシャンクから熱を遠ざけるとともに、出願人に既知のものよりさらに比較的より短いヘッドを可能にする。
【0016】
[0016] さらに、長さ-直径比LDRの減少は、例えばスイートスポットの欠如も補償するさらなる安定性を提供することが考えられる。
【0017】
[0017] そのようなヘッド設計は、場合により、既知のフライスヘッドとインサートミルとの間の新規なハイブリッドエンドミルと見なされ得るが、その理由は、ヘッドのために使用される高価な材料(典型的には、限定するものではないが、超硬合金)の量が、予め既知のものより少なく、従って、インサートミルのインサートのために使用される量により近づくからである。
【0018】
[0018] 本出願の主題の第2態様によると、対向する軸方向前方及び後方方向DF、DR並びに対向する回転先行及び後続方向DP、DSを規定する中心回転軸ARを中心とした回転のために構成された交換可能な正面フライスヘッドが提供され、先行方向DPは切削方向であり、正面フライスヘッドが、ヘッド後面と、ヘッド前面と、ヘッド後面からヘッド前面へ延在するヘッド周面と、雄ねじを備えて形成されるとともに、ヘッド後面から前方に延在するシャンクコネクタ部分と、シャンクコネクタ部分と一体的に形成されるとともに、シャンクコネクタ部分からヘッド前面へ前方に延在する切削部と、中心回転軸ARに平行に測定可能な切削部長さLCと、ヘッド前面で中心回転軸ARに垂直に延在する垂直平面PPと、を含み、切削部が、複数の一体的に形成された歯であって、歯の各々がヘッド前面に主切れ刃を含む複数の一体的に形成された歯と、複数の歯と互い違いになっている複数の溝と、切削部直径DEと、を含み、切削部直径DEで割った切削部長さLCとして定義される長さ-直径比LDRが条件:0.3≦LDR≦1.00を満たすことを特徴とする。
【0019】
[0019] 本出願の主題の第3態様によると、切削部直径DEで割った切削部長さLCとして定義される長さ-直径比LDRが条件:LDR≦1.00を満たし、正面フライスヘッドの歯が早送り形状を備えて構成されることを特徴とする交換可能な正面フライスヘッドが提供される。
【0020】
[0020] いわゆる「早送り形状」が、比較的小さいチップにより除去される比較的少量の材料を増加させるために、比較的高い送り量で補正された比較的小さいチップを機械加工するように構成された特定の面削り形状である。そのような設計は、高い除去率(すなわち荒削り作業)について特に有益であり得る。荒削り作業は仕上げ作業よりも多くの熱伝達を生じるとしても、早送り形状及び/又は位置が、シャンクコネクタと接続されたシャンクとの接続領域の過熱を十分に防止することがこれまで分かっている。以下で説明される追加的な特徴、例えば冷却剤穴などもまたこの目的で役立つ。
【0021】
[0021] より正確には、早送り形状を有する各歯は、ヘッド周面に沿って延在する逃げ縁と、逃げ縁に接続されるとともに、切削部の半径方向端点を含む凸湾曲した外側コーナであって、前記主切れ刃が外側コーナに接続されるとともに、外側コーナから前方内部方向に延在する外側コーナと、主切れ刃に接続された凸湾曲した内側コーナと、内側コーナに接続されるとともに、内側コーナから後方内部方向に延在する傾斜切れ刃と、を含むとして定義され得る。
【0022】
[0022] 本出願の主題の第4態様によると、切削部直径DEで割った切削部長さLCとして定義される長さ-直径比LDRが以下のいずれかの条件:LDR=0.50±0.05(もしくはより好ましくは、LDR=0.50±0.01)又はLDR=1±0.01を満たすことを特徴とする交換可能な正面フライスヘッドが提供される。これらの厳密な長さ-直径比値の特別な利点は以下に記載される。
【0023】
[0023] 本出願の主題の第5態様によると、ヘッド前面の少なくとも1つの主切れ刃と、一体的に形成された切削部と、ねじ付シャンク部分と、を含む交換可能な正面フライスヘッドにおいて、ヘッドが締結構造を欠いており、切削部直径DEで割った切削部長さLCとして定義される長さ-直径比LDRが条件:LDR≦1.00を満たすことを特徴とする交換可能な正面フライスヘッドが提供される。
【0024】
[0024] 本出願の主題の第6態様によると、先の態様のいずれかによる正面フライスヘッドとシャンクとを含む正面フライス組立体であって、シャンクが、シャンク後面と、シャンク前面と、シャンク後面からシャンク前面に延在するシャンク周面と、を含み、シャンク前面が、ヘッドのシャンクコネクタ部分を受けるように構成された開口を備えて形成される、正面フライス組立体が提供される。
【0025】
[0025] 上記は概要であり、上記の態様のいずれも以下で説明される特徴のいずれかをさらに含むことができることが理解される。具体的には、以下の特徴は、単独で又は組み合わせてのいずれかで、上記態様のいずれかに当てはまり得る:
A.ヘッドが、ヘッド後面と、ヘッド前面と、ヘッド後面からヘッド前面へ延在するヘッド周面と、を含み得る。
B.ヘッドが、切削部とシャンクコネクタ部分と、を含み得る。切削部はシャンクコネクタ部分から前方へ延在し得る。切削部は、シャンクコネクタ部分と一体的に形成され得る。ヘッド全体は一体的に形成され得る、又は言い換えると、単一の一部片構造を有し得る。これは、機械加工中の安定性にとって好ましい。例えば、ヘッド全体は、単一の加圧成形及び焼結された本体として製造され得る。そのような本体は、望ましい最終的又は本質的に最終的な形状、すなわち歯及び溝を含む形状に加圧成形されてもよく、又は代替的に、例えば、後の製造プロセスにおいて研削される溝及び歯を有してもよい。
C.切削部及びシャンクコネクタ部分が、交差部で交わり得る。切削部は、シャンクコネクタを囲む後方を向く切削部環状面を含み得る。交差部は、シャンクコネクタ部分及び後方を向く切削部環状面が位置するところに中心回転軸に沿って軸方向位置に位置し得る。
D.切削部が、複数の一体的に形成された歯と、複数の歯と互い違いになっている複数の溝と、を含み得る。
E.切削部が、切削部直径DEを含み得る。より正確には、切削部直径DEは、切削部の最大直径として定義され得る。切削部直径DEは、ヘッド前面に位置し得るかヘッド前面に隣接し得る。
F.シャンクコネクタ部分がヘッド後面から前方に延在し得る。
G.シャンクコネクタ直径DSCが切削部直径DEより小さいことができる。好ましくは、シャンクコネクタ直径DSCは、切削部の最小外径DMより小さいことができる。好ましくは、切削部直径DEで割ったシャンクコネクタ直径DSCとして定義される直径比DDRが、条件:0.6≦DDR≦0.8を満たす。
H.シャンクコネクタ長さLSがヘッド後面から切削部へ測定可能であり得る。
I.シャンク-切削部長さ比SCRが、シャンクコネクタ長さLSで割った切削部長さLCとして定義されるとともに、条件:0.3≦SCR≦1.5を満たし得る。
J.シャンクコネクタ部分が、好ましくは、雄ねじを備えて形成され得る。好ましくは、各ねじ山の最外点は、仮想シリンダに沿って位置し得る。好ましくは、各ねじ山の最内点は、仮想シリンダに沿って位置し得る。
K.シャンクコネクタ部分が、雄ねじと切削部との間に位置する円すい台形セクションを含み得る。好ましくは、円すい台形セクションは、シャンク-コネクタ長さLSの3分の1未満、より好ましくは4分の1未満を構成する軸方向長さを有し得る。
L.ヘッドの全長LTがヘッド後面からヘッド前面に定義される。
M.切削部長さLCが、中心回転軸ARに平行に測定可能であり得る。より正確には、切削部長さLCは、シャンクコネクタ部分と切削部との交差部からヘッド前面へ延在するとして定義される。
N.垂直平面PPが、ヘッド前面に位置し得るとともに、中心回転軸ARに垂直に延在し得る。
O.長さ-直径比LDRが、切削部直径DEで割った切削部長さLCとして定義される。長さ-直径比LDRは、1.00以下(LDR≦1.00)である。長さ-直径比LDRは、好ましくは条件:0.3≦LDR≦1.00を満たし得る。一般的に言えば、より小さい比がより大きい比より好ましいことが理解される(すなわち、0.3により近い値が一般に好ましい)。しかしながら、優先的な比について考慮されるべき、本明細書において説明される検討事項はいくつかある。
P.より大きい比では追加的な高価な材料が用いられるとしても、長さ-直径比LDR≧0.3又は好ましくは0.4(LDR≧0.40)以上の軸方向縁を製造することが構造的により頑丈である。少量の余分な材料のみを使用すると同時に、異なる直径サイズでの製造の単純化を可能にする特別な比が、LDR=0.50±0.05である。より好ましくは、LDR=0.5±0.01。
Q.1.00以下の長さ-直径比LDRが、次第に小さくなる比、例えばLDR≦0.90の既知の設計より有利であるが、利点は、安定性の増加及び材料の減少を原因として、より大きい。それにもかかわらず、比がLDR=1.00未満に減少するにつれ比較的少ない高価な材料が求められるとしても、LDR=1.00の特別な比が依然として有益であると考えられる。
R.締結構造が通常、フライスヘッドをシャンクに固定するために使用されることが理解される。例えば、フライスヘッドが、そのヘッド周面に沿った切削部に締結構造が形成された状態で構成され得る。ヘッド周面に沿った典型的な構造が、スパナに係合するように構成されたヘッド周面の両側にある2つの平坦な凹部であり得る。そのような場合、好ましい比が0.50≦LDR≦1.00、好ましくは、0.6≦LDR≦0.90であり、これらの間の中間にあることの多い値が最も好ましい。それにもかかわらず、代替的選択肢は、フライスヘッドを回転させてシャンク上の据付位置へと固定するために、フライスヘッドに又はフライスヘッドの周りに配置されるように構成された特別なキーの使用であり、そのような場合、ヘッドは締結構造を欠いていることができる。そのようなキーは、典型的には各歯-溝構成のために特別に製造されることから、あまり典型的ではない。それにもかかわらず、本発明の主題によるフライスヘッドはいずれの締結構造も欠いていることができ、そのような場合、長さ-直径比LDRは特に少量の材料を使用することができ、例えば、LDR≦1.00、好ましくは0.3≦LDR≦0.7であることが考えられる。
S.ヘッドの重心は、切削部に位置し得る。そのような構成は、LDRを、歯の強度及び熱伝達の検討のために必要とされる最小値よりも高い値に増やすことを必要とし得るが、例えば、研削中に変則的なやり方で射出成形されるか又は保持されるのと逆に、標準的なやり方で切削部が研削される場合に有益であり得る。言い換えると、切削部は、その重量がシャンクコネクタ部分の重量より大きくなるような大きさにされ得る。
T.複数の歯の各歯が、中心回転軸に沿って前面に向かって見ると、その大部分が切削部の最小外径の内部へ延在可能である。
U.複数の歯の各歯は、中心より前方(front-of-center)に位置付けられ得る。そのような形状は、有利な切りくず放出効果を有することができ、それにより、切削部への熱伝達を減らす。これは、必要とされる製造ステップが減ることから、中央冷却剤穴との組合せにおいて特に有利であり得る。
V.ヘッドが冷却剤配置構成を含み得る。好ましくは、冷却剤穴が、前面の中心に開いていることができる。標準的な冷却剤効果に加えて、正面フライスのためのそのような位置には有利な切りくず放出効果があり得(この場合、流体よりもむしろ空気でさえ同様に用いられ得る)それにより、切削部への熱伝達を減らす。これは、必要とされる製造ステップが減ることから、中心より前方の歯に位置付けられた歯との組合せにおいて特に有利であり得る。最も好ましくは、冷却剤穴は、中心回転軸ARと同軸に延在し得る。
W.複数の歯の各歯が、ヘッド周面に沿って延在する逃げ縁と、逃げ縁に接続されるとともに、切削部の半径方向端点を含む凸湾曲した外側コーナと、外側コーナに接続されるとともに、外側コーナから前方内部方向に延在する主切れ刃と、主切れ刃に接続された凸湾曲した内側コーナと、内側コーナに接続されるとともに、内側コーナから後方内部方向に延在する傾斜切れ刃と、を含み得る。そのような歯の形状は、シャンクコネクタへの熱伝達が比較的小さい一方で、高い送り量での機械加工を可能にする点で有利であり得る。
X.中心回転軸ARに沿って後方に見ると、切削部の複数の歯の各歯が、少なくとも内側コーナから外側コーナへ凸湾曲し得る。好ましくは、各歯の全体が凸湾曲し得る。以下に記載の例において、各歯の全体はそのように見ると凸湾曲しているが、しかしながら、曲率が拡大せずには容易に見ることができないように、前面の中心に近い曲率半径は極めて大きいことに留意されたい。
Y.主切れ刃が、真っ直ぐであり得るか、好ましくは、切れ刃半径を有して凸湾曲し得る。切れ刃半径は外側コーナ半径より大きい可能性がある。切れ刃半径は、好ましくは、外側コーナ半径の少なくとも8倍である可能性がある。
Z.各歯の外側コーナが外側コーナ半径を有し得る。外側コーナ半径は、好ましくは、2mm以下であり得る。
AA.各歯の内側コーナが内側コーナ半径を有し得る。
BB.各歯の逃げ縁が、好ましくは、外側コーナから後方内部方向に延在し得る。そのような形状は、特に荒削り作業のために有益であり得る。
CC.第1接点が、主切れ刃及び内側コーナが接続するところで規定されることができ、第2接点が、主切れ刃及び外側コーナが接続するところで規定されることができ、仮想直線が第1及び第2接点の間に規定され、垂直面と共に、条件:10°≦α≦25°を満たす切削角度αをなし得る。この範囲の中間(すなわち、17.5°)に近づく切削角度αがより好ましく、その理由は、それに近いこの1つ又は複数の値は、これが切削部への熱伝達の増加をもたらし得るとしても、より小さい角度と比べると比較的大きいチップ/材料の除去を可能にするからである。
DD.垂直平面PP及び傾斜切れ刃がなす食付き角Θは条件:10°≦Θ≦30°を満たし得る。この範囲にある食付き角の値及び特に20°に近づく値が、急激な減少を、これが典型的には機械加工プロセス全体の極めて小さい部分であっても、可能にするために、最も好ましい。
EE.複数の歯が、好ましくは5~7本の歯を含み得る。歯の最も好ましい数は、厳密に6本の歯である。そのような比較的多い数の歯はまた、機械加工ヘッドへの熱伝達を減らすのに役立つ。
FF.複数の歯が、各々、ヘッド前面からヘッド周面にらせん状に延在し得る。
GG.正面フライス組立体が、シャンクとフライスヘッドと、を含み得る。
HH.シャンクが、シャンク後面と、シャンク前面と、シャンク後面からシャンク前面に延在するシャンク周面と、を含み得る。
II.シャンク前面が、シャンクコネクタ部分を受けるように構成された開口を備えて形成され得る。開口は、雌ねじを備えて形成され得る。シャンク前面は、前向きシャンク環状面を含み得る。
JJ.シャンクが、フライスヘッドの全長LTの少なくとも3倍であるシャンク長さLSHを有し得る。
KK.シャンクが、鋼より耐熱性があるように構成され得る。例えば、シャンクは、耐熱性コーティングでコーティングされ得る。シャンクは、超硬合金、又は鋼より大きい耐熱性を有する別の材料でできていることができる。
【0026】
[0026] 本出願の主題のより良好な理解のために、及び、それがどのように実際に実施され得るかを示すため、ここで比例3Dモデルから作成された添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本出願の主題によるフライスヘッド及びシャンクの分解側面図である。
【
図4】
図1~
図3のフライスヘッドの切削部の一部の側面図である。
【
図5】
図1及び
図3に示される向きに合致するように回転させられた、
図3の切削部の同じ部分の側面図である。
【
図6】
図5に示された最も下の歯のプロファイル図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0027]
図1を参照して、本出願が対象とするタイプの正面フライス組立体10の典型的な特徴が説明される。正面フライス組立体10は、シャンク12とヘッド14とを含む。
【0029】
[0028] シャンク12は、シャンク後面16と、シャンク前面18と、シャンク周面20と、を含む。
【0030】
[0029] シャンク前面18は、開口22を備えて形成され得る。開口22は中心に位置することができる。開口22は雌ねじ24を備えて形成され得る。
【0031】
[0030] シャンク前面18は、前向きシャンク環状面26をさらに含み得る。シャンク環状面26は開口22を囲み得る。
【0032】
[0031] シャンクは、シャンク軸Asであって、それに沿ってシャンク長さLSHが測定され得るシャンク軸ASを有し得る。シャンク長さLSHは、コレット(図示せず)により保持されるための標準的な長さを備えて構成され得る。
【0033】
[0032] ヘッド14は、ヘッド後面28と、ヘッド前面30と、ヘッド後面28からヘッド前面30へ延在するヘッド周面32と、を含み得る。
【0034】
[0033] ヘッド14は、シャンクコネクタ部分34と、切削部36と、をさらに含む。
【0035】
[0034] シャンクコネクタ部分34は、後面28から、シャンクコネクタ部分34と切削部36との交差部38へ延在し得る。
【0036】
[0035] シャンクコネクタ部分34は、雄ねじ40を備えて形成され得る。より正確には、シャンクコネクタ部分34は、下コネクタセクション42と上コネクタセクション44とを含み得る。上コネクタセクション44は、下コネクタセクション42と切削部36とを接続し得る。雄ねじ40は、下コネクタセクション42上に形成され得る。上コネクタセクション44は、好ましくは、円すい台形であり得る。
【0037】
[0036] 切削部36は、シャンクコネクタ34を囲む切削部環状面46を含み得る。より正確には、切削部環状面46は、交差部38でシャンクコネクタ34を囲む。
【0038】
[0037] ヘッド14は、雌ねじ及び雄ねじ24、40を介してシャンク12に固定されることができ、シャンク環状面26は切削部環状面46に当接する。
【0039】
[0038] ここで
図2及び3を参照すると、本出願の主題により具体的に関連する特徴が説明される。
【0040】
[0039] 中心回転軸ARがヘッド14の中心を通って長手方向に延在し、相対する軸方向前方及び後方方向DF、DR並びに相対する回転先行及び後続方向DP、DSを規定し、先行方向DPは切削方向である。例示的内向き方向DIが理解のために示されているが、「内向き方向」という用語は、中心回転軸ARに向かって概ね方向付けられていることを意味することが理解される。同様に、外向き方向DOも例示され、中心回転軸ARから離れるように概ね向けられるとして理解されるべきである。以降、組み合わされた方向、例えば、「前方内部方向」及び「後方内部方向」が使用され、これらは、言及された方向の両方の成分の組合せの結果としての単一の方向を定義するが、2つの言及された方向間の厳密な2等分線である必要はない。
【0041】
[0040] 垂直平面PPがヘッド前面30に位置し(すなわち、この場合内側コーナ60により構成された、その前の点を横切るところに延在し、第1前コーナは以下では説明のために60Aと示されている)、中心回転軸ARに垂直に延在する。
【0042】
[0041] 切削部長さLCは、中心回転軸ARに平行に測定可能である。より正確には、切削部長さLCは、交差部38からヘッド前面30に(又は、言い換えると、垂直平面PPに)延在するとして定義され得る。
【0043】
[0042] シャンクコネクタ長さLSは、中心回転軸ARに平行に測定可能である。より正確には、シャンクコネクタ長さLSは、後面28から交差部38に延在するとして定義され得る。
【0044】
[0043] シャンクコネクタ直径DSC(すなわち、最大シャンクコネクタ直径)は、中心回転軸ARに垂直に測定可能な切削部直径DEより小さい可能性がある。好ましくは、シャンクコネクタ直径DSCは、切削部36の最小外径DMより小さい可能性がある。
【0045】
[0044] 全長LTはヘッド後面28から垂直平面PPへと規定され得る。
【0046】
[0045] 切削部36は、複数の一体的に形成された歯50(例えば第1、第2、第3、第4、第5、及び第6歯50A、50B、50C、50D、50E、50F)と、複数の歯50と互い違いになっている複数の溝52(例えば第1、第2、第3、第4、第5、及び第6溝52A、52B、52C、52D、52E、52F)と、を含む。
【0047】
[0046] 同様に
図4~
図6を参照すると、歯50及び溝52は、図示のとおり同一であることができ、従って、任意の歯又は溝に関する以下の説明は、全てに関連すると見なされなければならない。
【0048】
[0047] 第1歯50Aは、逃げ縁54Aと、凸湾曲した外側コーナ56Aと、主切れ刃58Aと、凸湾曲した内側コーナ60Aと、傾斜切れ刃62Aと、を含み得る。
【0049】
[0048] 逃げ縁54Aは、周面32に沿って延在し得る。逃げ縁54Aは、外側コーナ56Aから後方内部方向DR、DIに延在し得る。
【0050】
[0049] 外側コーナ56Aは、逃げ縁54Aに接続され得るとともに、切削部36の半径方向端点57A(
図3)を含む。外側コーナ半径R
OCは、0.6mmの好ましいが例示的な値を有し得る。
【0051】
[0050] 主切れ刃58Aは、外側コーナ56Aに接続され得るとともに、外側コーナ56Aから前方内部方向DF、DIに延在し得る。切れ刃58Aが測定可能な程度まで曲げられる場合、その切れ刃半径RCEの好ましいが例示的な値は10mmであり得る。
【0052】
[0051] 内側コーナ60Aは、主切れ刃58Aに接続され得る。
【0053】
[0052] 傾斜切れ刃62Aは、内側コーナ60Aに接続され得るとともに、内側コーナ60Aから後方内部方向DF、DIに延在し得る。
【0054】
[0053] より正確には、第1接点64A(
図3)は、主切れ刃58A及び内側コーナ60Aが接続するところで規定されることができ、第2接点64Bは主切れ刃58A及び外側コーナ56Aが接続するところで規定され得る。
【0055】
[0054] 仮想直線LIは、第1及び第2接点64A、64Bの間に規定されることができ、垂直平面PPと共に、切削角度αをなし得る。この例において、切れ刃半径RCEは、主切れ刃58Aが仮想直線LIと本質的に重複するように大きい。
【0056】
[0055] 有効な切削長さLEが第2接点64Bから垂直平面PPへと規定され得る。
【0057】
[0056] 各歯50は、図示のとおり中心より前方に位置付けられ得る。詳細に述べると、
図2を参照すると、ヘッド14は、この場合第1歯50Aについて示されるとおり、半径方向ラインL
Rが主切れ刃58Aの交差点P
Iに交わるまで回転させられ得る。交差点P
Iは、意図された主切れ刃の始まり、すなわち、第2接点64Bと一致する。とりわけ、交差点P
Iより中心回転軸A
Rに近い主切れ刃58Aに沿った点で、主切れ刃58Aは、先行方向D
P(すなわち、切削方向)に半径方向ラインL
Rの前にある。従って、切りくず(図示せず)が主切れ刃58Aと接触すると、ヘッド14から離れるように放出され、基本的方向は、(内向き方向D
Iより外向き方向D
Oに向かって向けられている)66で示された矢印により概略的に示される。
【0058】
[0057]
図6において、食付き角Θが示されている。
【0059】
[0058] 冷却剤穴68が前面30に開口し得る。
【0060】
[0059] 第1溝52Aを例として使用すると、面削り適用中に、冷却剤穴68(図示せず)を出る冷却剤が、隣接する歯を通って(例えば矢印69により示される方向に)流れ、これは、矢印66により示される方向に既に排出された切りくず(図示せず)の放出をさらに支援し得る。
【0061】
[0060]
図4において、らせん角度Hが示されている。このタイプのヘッドのためのらせん角度値は限定されないが、優先的な範囲は条件10°≦H≦30°を満たす。20°により近い値がより好ましいと考えられる。
【0062】
[0061]
図3に戻ると、ヘッド14は、周面32に沿って締結構造70を備えて構成されることに留意されたい。例示的な締結構造70は、スパナ(図示せず)と係合するように構成された、2つの同一の平坦な凹部72をヘッド14の両側(その一方のみが示されている)に含む。
【0063】
[0062] ヘッド周面32に沿った締結構造70が切削部の長さのいくらかを必要とし得る(すなわち、図示の締結構造70は締結構造長さLFを必要とする)ため、ヘッド14は、厳密に言うと加熱又は機械加工目的のために必要とされるであろうよりも大きい切削部長さLCまで長くされ得る(すなわち、そのような伸長は、代わりに、シャンク12へのヘッド14の取付けを容易にするためである)。
【0064】
[0063] 図示の例において、切削部長さLC及び切削部直径DEは等しく、従ってLDR=1.00である。