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特許6993351カプセル、このようなカプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステム、及び、飲料調製装置におけるこのようなカプセルの使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】カプセル、このようなカプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステム、及び、飲料調製装置におけるこのようなカプセルの使用
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20220105BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20220105BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A47J31/06 323
A47J31/36 122
A47J31/40 107
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2018559804
(86)(22)【出願日】2017-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 NL2017050300
(87)【国際公開番号】W WO2017196177
(87)【国際公開日】2017-11-16
【審査請求日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】2016780
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】ディークストラ,ヒエルケ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ガースビーク,エリク ピエテル
(72)【発明者】
【氏名】カンマービーク,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】グルーソーンテ,アレンド ヘンドリク
(72)【発明者】
【氏名】オーテンショット,マルク ヘンリクス ヨセフ
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01892199(EP,A1)
【文献】国際公開第2014/184653(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/184652(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/136240(WO,A1)
【文献】特表2012-530530(JP,A)
【文献】国際公開第2014/001584(WO,A1)
【文献】特表2008-517838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/06
A47J 31/36
A47J 31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧下でカプセル内に流体を供給することにより物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための物質を収容しているカプセルであって、
前記カプセルは、カプセル本体中心軸線を有するアルミニウムカプセル本体を含み、
前記カプセルのカプセル円周方向は、前記カプセル本体中心軸線を中心として延び、
前記アルミニウムカプセル本体は、底部、側壁、及び外向きに延びるフランジを備え、
前記カプセルは、前記外向きに延びるフランジに取り付けられたアルミニウム蓋を更に含み、
前記蓋は、前記カプセルを密封して閉じ、
前記側壁、前記底部、及び前記蓋は、前記カプセル内部空間を囲み、
前記蓋は、前記内部空間から離れるように向いた外側蓋面を有し、
前記カプセルは、前記カプセルが前記飲料調製装置の前記囲み部材内に位置決めされ、前記囲み部材が前記飲料調製装置の抽出プレートなどの前記飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、前記カプセルの前記外向きに延びるフランジと、前記カプセルの封止部材の少なくとも一部分とが、前記飲料調製装置の前記囲み部材と実質的に封止係合するように、飲料調製装置の囲み部材との流体封止接触を提供するために、前記外向きに延びるフランジに前記封止部材を更に含み、
前記飲料調製装置の前記囲み部材は、環状要素中心軸線と自由接触端とを有する環状要素を含み、
前記環状要素の前記自由接触端は、任意選択的に、半径方向に延びる複数の開放溝を備える、カプセルにおいて、
前記カプセルは、弾性支持構造を更に含み、
前記弾性支持構造は、前記外側蓋面の支持構造取り付け領域において前記蓋の前記外側蓋面に取り付けられており、
前記カプセル本体中心軸線に沿った突起部として見られる前記支持構造取り付け領域は、前記カプセルが完全に真っ直ぐな基準面上に前記弾性支持構造によって自由に静止しているときに、前記弾性支持構造が前記外向きに延びるフランジと前記完全に真っ直ぐな基準面との間にある間隔を提供し、
前記間隔が、前記カプセルの円周方向の全周にわたって一定であるように、前記外向きに延びるフランジに沿って少なくとも部分的に、及びカプセルの円周方向において少なくとも部分的に延びている
ことを特徴とする、カプセル。
【請求項2】
前記カプセルが前記飲料調製装置の前記囲み部材内に位置決めされ、前記囲み部材が前記飲料調製装置の前記閉じ部材によって閉じられるときに、前記カプセルの円周方向の複数の部に沿った前記弾性支持構造が、前記弾性支持構造を少なくとも半径方向に通過し、前記カプセルの前記蓋の前記外側蓋面と前記飲料調製装置の前記閉じ部材との間に延びる飲料漏れ通路を画定する、
請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記支持構造取り付け領域は、前記カプセルの円周方向における全周の閉ループ形状に対して、少なくとも1つの中断部を有する形状を有し、前記蓋の前記外側蓋面上の前記カプセル本体中心軸線に沿った突起部に見られるように、前記飲料漏れ通路のうちの少なくとも1つの第1の飲料漏れ通路は、前記閉ループ形状に対して、それぞれ前記少なくとも1つの中断部に対応している、
請求項2に記載のカプセル。
【請求項4】
前記飲料漏れ通路のうちの少なくとも1つの第2の飲料漏れ通路は、前記カプセルが前記完全に真っ直ぐな基準面上に前記弾性支持構造によって自由に静止しているときに、前記弾性支持構造が、前記カプセル本体中心軸線に沿って測定される局所的に減少した高さを有し、前記局所的に減少した高さが、前記外向きに延びるフランジと前記完全に真っ直ぐな基準面との間の前記間隔よりも狭くなるように前記弾性支持構造によって画定されている、
請求項2又は3に記載のカプセル。
【請求項5】
前記外向きに延びるフランジと前記完全に真っ直ぐな基準面との間の前記間隔は、少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.2mm、より好ましくは少なくとも0.8mmである、
請求項1~4のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項6】
前記外向きに延びるフランジと前記完全に真っ直ぐな基準面との間の前記間隔は、最大3mm、好ましくは最大2mm、より好ましくは最大1.2mmである、
請求項1~5のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項7】
前記封止部材は、前記外向きに延びるフランジと一体であり、前記外向きに延びるフランジから突出する少なくとも1つの突起部を含み、前記少なくとも1つの突起部は、突起頂部を含み、前記少なくとも1つの突起部は、前記カプセルが前記飲料調製装置の前記囲み部材内に位置決めされ、前記囲み部材が前記飲料調製装置の前記閉じ部材によって閉じられるときに、前記突起頂部が前記環状要素の前記自由接触端に半径方向の力をかけるように構成されている、
請求項1~6のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項8】
前記封止部材は、前記外向きに延びるフランジから突出する更なる突起部、及び、前記2つの突起部の間の平坦部を含み、前記2つの突起部の間は、前記カプセルが前記囲み部材内に配置され、前記囲み部材が前記閉じ部材によって閉じられるときに、前記環状要素の前記自由接触端が、前記2つの突起部の間に囲まれるような距離になっている、
請求項7に記載のカプセル。
【請求項9】
前記2つの突起部のうちの第1の突起部は、前記2つの突起部のうちの第2の突起部よりも、前記外向きに延びるフランジの基部部分から前記蓋が取り付けられた基部部分まで、前記更に突出している、
請求項8に記載のカプセル。
【請求項10】
前記封止部材及び前記カプセル本体の残部は、同じプレート材料で作られている、
請求項1~9のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項11】
加圧下でカプセル内に供給された流体を使用して前記カプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステムであって、
前記カプセルを受けるための囲み部材を含む飲料調製装置であって、前記囲み部材は、前記加圧下でカプセル内に流体を供給する流体注入手段を含み、前記飲料調製装置は、前記飲料調製装置の前記囲み部材を閉じるための抽出プレートなどの閉じ部材を更に含み、前記飲料調製装置の前記囲み部材は、環状要素中心軸線と自由接触端とを有する環状要素を更に含み、前記環状要素の前記自由接触端は、任意選択的に、半径方向に延びる複数の開放溝を備える、飲料調製装置と、
前記飲料調製装置の前記流体注入手段によって前記加圧下でカプセル内に供給された流体により物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための物質を収容しているカプセルであって、
前記カプセルは、カプセル本体中心軸線を有するアルミニウムカプセル本体を含み、
前記カプセルのカプセル円周方向は、前記カプセル本体中心軸線を中心にして延び、
前記アルミニウムカプセル本体は、底部、側壁、及び外向きに延びるフランジを備え、
前記カプセルは、前記外向きに延びるフランジに取り付けられたアルミニウム蓋を更に含み、
前記蓋は、前記カプセルを密封して閉じ、
前記側壁、前記底部、及び前記蓋は、前記カプセル内部空間を囲み、
前記蓋は、前記内部空間から離れるように向いた外側蓋面を有し、
前記カプセルは、前記カプセルが前記飲料調製装置の前記囲み部材内に位置決めされ、前記囲み部材が前記飲料調製装置の前記閉じ部材の手段によって閉じられるときに、前記カプセルの前記外向きに延びるフランジと、前記カプセルの封止部材の少なくとも一部分とが、前記飲料調製装置の前記囲み部材と実質的に封止係合するように、前記飲料調製装置の前記囲み部材と流体封止接触を提供するために、前記外向きに延びるフランジに前記封止部材を更に含む、カプセルと、を含むシステムであって、
前記カプセルは、前記外側蓋面の支持構造取り付け領域において前記蓋の前記外側蓋面に取り付けられた弾性支持構造を更に含み、
前記カプセル本体中心軸線に沿った突起部として見られる前記支持構造取り付け領域は、前記カプセルが完全に真っ直ぐな基準面上に前記弾性支持構造によって自由に静止しているときに、前記弾性支持構造が、前記外向きに延びるフランジと前記完全に真っ直ぐな基準面との間に間隔を提供し、
前記間隔が、前記カプセルの円周方向の全周にわたって一定であるように、前記外向きに延びるフランジに沿って少なくとも部分的に、及びカプセルの円周方向において少なくとも部分的に延びている
ことを特徴とする、システム。
【請求項12】
前記カプセルが前記飲料調製装置の前記囲み部材内に位置決めされ、前記囲み部材が前記飲料調製装置の前記閉じ部材によって閉じられるときに、前記カプセルの円周方向の部に沿った前記弾性支持構造が、前記弾性支持構造を少なくとも半径方向に通過し、前記カプセルの前記蓋の前記外側蓋面と前記飲料調製装置の前記閉じ部材との間に延びる飲料漏れ通路を画定する、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記支持構造取り付け領域は、前記カプセルの円周方向の全周の閉ループ形状に対して少なくとも1つの中断部を有する形状を有し、前記カプセル本体中心軸線に沿った、前記蓋の前記外側蓋面上の、突起部として見られるような、前記飲料漏れ通路のうちの少なくとも1つの第1の飲料漏れ通路は、前記閉ループ形状に対して、それぞれ前記少なくとも1つの中断部に対応している、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記飲料漏れ通路のうちの少なくとも1つの第2の飲料漏れ通路は、前記カプセルが前記完全に真っ直ぐな基準面上に前記弾性支持構造によって自由に静止しているときに、前記弾性支持構造が、前記カプセル本体中心軸線に沿って測定される局所的に減少した高さを有し、前記局所的に減少した高さが、前記外向きに延びるフランジと前記完全に真っ直ぐな基準面との間の前記間隔よりも狭くなるように前記弾性支持構造によって画定されている、
請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
前記外向きに延びるフランジと前記完全に真っ直ぐな基準面との間の前記間隔は、少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.2mm、より好ましくは少なくとも0.8mmである、
請求項11~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記外向きに延びるフランジと前記完全に真っ直ぐな基準面との間の前記間隔は、最大3mm、好ましくは最大2mm、より好ましくは最大1.2mmである、
請求項11~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記封止部材は、前記外向きに延びるフランジと一体であり、前記外向きに延びるフランジから突出する少なくとも1つの突起部を含み、前記少なくとも1つの突起部は、突起頂部を含み、前記少なくとも1つの突起部は、前記カプセルが前記飲料調製装置の前記囲み部材内に位置決めされ、前記囲み部材が前記飲料調製装置の前記閉じ部材の手段によって閉じられるときに、前記突起頂部が前記環状要素の前記自由接触端に半径方向の力をかけるように構成されている、
請求項11~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記封止部材は、前記外向きに延びるフランジから突出する更なる突起部、及び、前記2つの突起部の間の平坦部を含み、前記2つの突起部の間は、前記カプセルが前記飲料調製装置の前記囲み部材内に位置決めされ、前記飲料調製装置の前記閉じ部材によって前記囲み部材が閉じられたときに、前記環状要素の前記自由接触端が前記2つの突起部の収束面間で絞られるような距離になっている、
請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記カプセルが前記囲み部材内に位置決めされ、前記囲み部材が前記閉じ部材によって閉じられるときに、前記環状要素の前記自由接触端が、最初に前記2つの突起部のうちの第1の突起部に接触し、その後、前記2つの突起部のうちの第2の突起部に接触するように、前記2つの突起部のうちの第1の突起部は、前記2つの突起部のうちの第2の突起部よりも、前記外向きに延びるフランジの基部部分から、前記蓋が取り付けられた基部部分まで更に突出している、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記2つの突起部のうちの前記第1の突起部は、前記2つの突起部のうちの内側の突起部であり、前記第1の周面部分は、前記第2の周面部分よりも半径方向において外側にある、
請求項18又は19に記載のシステム。
【請求項21】
カプセルを受けるための囲み部材を含む飲料調製装置の請求項1~10のいずれか一項に記載のカプセルの使用であって、
前記囲み部材は、前記加圧下でカプセル内に流体を供給する流体供注入手段を含み、前記飲料調製装置は、前記飲料調製装置の前記囲み部材を閉じるための抽出プレートなどの閉じ部材を更に含み、前記飲料調製装置の前記囲み部材は、環状要素中心軸線と自由接触端とを有する環状要素を更に含み、前記環状要素の前記自由接触端は、任意選択的に、半径方向の複数の溝を備え、
前記カプセルは、前記飲料調製装置の前記流体供給手段によって前記加圧下でカプセル内に供給された流体により物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための物質を収容しており、
前記カプセルは、カプセル本体中心軸線を有するアルミニウムカプセル本体を含み、
前記カプセルのカプセル円周方向は、前記カプセル本体中心軸線を中心として延び、
前記アルミニウムカプセル本体は、底部、側壁、及び外向きに延びるフランジを備え、
前記カプセルは、前記外向きに延びるフランジに取り付けられたアルミニウム蓋を更に含み、
前記蓋は、前記カプセルを密封して閉じ、
前記側壁、前記底部、及び前記蓋は、前記カプセル内部空間を囲み、
前記蓋は、前記内部空間から離れるように向いた外側蓋面を有し、
前記カプセルは、前記カプセルが前記飲料調製装置の前記囲み部材内に位置決めされ、前記囲み部材が前記飲料調製装置の前記閉じ部材によって閉じられるときに、前記カプセルの前記外向きに延びるフランジと、前記カプセルの封止部材の少なくとも一部分とが、前記飲料調製装置の前記囲み部材と実質的に封止係合するように、前記飲料調製装置の前記囲み部材との流体封止接触を提供するために、前記外向きに延びるフランジに前記封止部材を更に含み、
前記カプセルは、前記外側蓋面の支持構造取り付け領域において前記蓋の前記外側蓋面に取り付けられた弾性支持構造を更に含み、
前記カプセル本体中心軸線に沿った突起部として見られる前記支持構造取り付け領域は、前記カプセルが完全に真っ直ぐな基準面上に前記弾性支持構造によって自由に静止しているときに、前記弾性支持構造が前記外向きに延びるフランジと前記完全に真っ直ぐな基準面との間に間隔を提供し、
前記間隔が前記カプセルの円周方向の全周にわたって一定であるように、前記外向きに延びるフランジに沿って少なくとも部分的に、及びカプセルの円周方向において少なくとも部分的に延びている
カプセルの使用。
【請求項22】
前記カプセルが前記飲料調製装置の前記囲み部材内に位置決めされ、前記囲み部材が前記飲料調製装置の前記閉じ部材によって閉じられるときに、前記カプセルの円周方向の部に沿った前記弾性支持構造が、前記弾性支持構造を少なくとも半径方向に通過し、前記カプセルの前記蓋の前記外側蓋面と前記飲料調製装置の前記閉じ部材との間を延びる飲料漏れ通路を画定する、
請求項21に記載の使用。
【請求項23】
使用中、淹出時に、前記飲料調製装置の前記囲み部材の自由端は、前記カプセルの前記封止部材に力F2をかけて、前記カプセルの前記外向きに延びるフランジと前記飲料調製装置の前記囲み部材との間に流体封止接触をもたらし、前記カプセルの外の前記飲料調製装置の前記囲み部材内の流体圧P2が、6~20バール、好ましくは12~18バールの範囲内にあるときに、F2は、500~1500Nの範囲内にあり、好ましくは750~1250Nの範囲内にあり、前記流体封止接触が存在する、
請求項21~22のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
使用中、淹出する前又は淹出開始時に、前記飲料調製装置の前記囲み部材の自由端は、前記カプセルの前記封止部材に力F1をかけて、前記カプセルの前記外向きに延びるフランジと前記飲料調製装置の前記囲み部材との間に流体封止接触をもたらし、前記カプセルの外の前記飲料調製装置の前記囲み部材内の流体圧P1が、0.1~4バール、好ましくは0.1~1バールの範囲内にあるときに、F1は、30~150N、好ましくは40~150N、より好ましくは50~100Nの範囲内にあり、前記流体封止接触が存在する、
請求項21~23のいずれか一項に記載の使用。
【請求項25】
前記半径方向に延びる複数の開放溝は、前記飲料調製装置の前記環状要素の前記自由接触端の接線方向において互いに対して均一に間隔を空けて配置されている、
請求項21~24のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧下でカプセル内に流体を供給することにより物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための物質を収容しているカプセルに関し、カプセルは、カプセル本体中心軸線を有するアルミニウムカプセル本体を含み、カプセルのカプセル円周方向は、カプセル本体中心軸線を中心として延び、アルミニウムカプセル本体は、底部、側壁、及び外向きに延びるフランジを備え、カプセルは、外向きに延びるフランジに取り付けられたアルミニウム蓋を更に含み、蓋は、カプセルを密封して閉じ、側壁、底部、及び蓋は、カプセル内部空間を囲み、蓋は、内部空間から離れるように向いた外側蓋面を有し、カプセルは、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の抽出プレートなどの飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、カプセルの外向きに延びるフランジと、カプセルの封止部材の少なくとも一部分とが、飲料調製装置の囲み部材と実質的に封止係合するように、飲料調製装置の囲み部材との流体封止接触を提供するために、外向きに延びるフランジに封止部材を更に含み、飲料調製装置の囲み部材は、環状要素中心軸線と自由接触端とを有する環状要素を含み、環状要素の自由接触端は、任意選択的に、半径方向に延びる複数の開放溝を備える。
【0002】
本発明はまた、加圧下でカプセル内に供給された流体を使用して、カプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステムに関し、
カプセルを受けるための囲み部材を含む飲料調製装置であって、囲み部材は、加圧下でカプセル内に流体を供給する流体注入手段を含み、飲料調製装置は、飲料調製装置の囲み部材を閉じるための抽出プレートなどの閉じ部材を更に含み、飲料調製装置の囲み部材は、環状要素中心軸線と自由接触端とを有する環状要素を更に含み、環状要素の自由接触端は、任意選択的に、半径方向に延びる複数の開放溝を備える、飲料調製装置と、
飲料調製装置の流体注入手段で加圧下でカプセル内に供給された流体により物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための物質を収容しているカプセルであって、カプセルは、カプセル本体中心軸線を有するアルミニウムカプセル本体を含み、カプセルのカプセル円周方向は、カプセル本体中心軸線を中心として延び、アルミニウムカプセル本体は、底部、側壁、及び外向きに延びるフランジを備え、カプセルは、外向きに延びるフランジに取り付けられたアルミニウム蓋を更に含み、蓋は、カプセルを密封して閉じ、側壁、底部、及び蓋は、カプセル内部空間を囲み、蓋は、内部空間から離れるように向いた外側蓋面を有し、カプセルは、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、カプセルの外向きに延びるフランジと、カプセルの封止部材の少なくとも一部分とが、飲料調製装置の囲み部材と実質的に封止係合するように、飲料調製装置の囲み部材との流体封止接触を提供するために、外向きに延びるフランジに封止部材を更に含む、カプセルと、を含む。
【0003】
本発明は更に、カプセルを受けるための囲み部材を含む飲料調製装置におけるカプセルの使用に関し、囲み部材は、加圧下でカプセル内に流体を供給する流体注入手段を含み、飲料調製装置は、飲料調製装置の囲み部材を閉じるための抽出プレートなどの閉じ部材を更に含み、飲料調製装置の囲み部材は、環状要素中心軸線と自由接触端とを有する環状要素を更に含み、環状要素の自由接触端は、任意選択的に、半径方向に延びる複数の開放溝を備え、カプセルは、飲料調製装置の流体注入手段によって加圧下でカプセル内に供給された流体により物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための物質を収容しており、カプセルは、カプセル本体中心軸線を有するアルミニウムカプセル本体を含み、カプセルのカプセル円周方向は、カプセル本体中心軸線を中心として延び、アルミニウムカプセル本体は、底部、側壁、及び外向きに延びるフランジを備え、カプセルは、外向きに延びるフランジに取り付けられたアルミニウム蓋を更に含み、蓋は、カプセルを密封して閉じ、側壁、底部、及び蓋は、カプセル内部空間を囲み、蓋は、内部空間から離れるように向いた外側蓋面を有し、カプセルは、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、カプセルの外向きに延びるフランジと、カプセルの封止部材の少なくとも一部分とが、飲料調製装置の囲み部材と実質的に封止係合するように、飲料調製装置の囲み部材との流体封止接触を提供するために、外向きに延びるフランジに封止部材を更に含む。
【0004】
このようなカプセル、システム及び使用が、例えば欧州特許第1700548(B1)号から知られている。
【0005】
このような既知のシステムの使用中に、飲料調製装置の閉じ部材(例えば、抽出プレート)は、飲料調製装置の囲み部材に対して不必要に傾斜及び/又は変形し得る。これらのことは、通常、例えば飲料調製装置の部の汚れ及び/若しくは磨耗及び/若しくは損傷の結果として、並びに/又は例えば損傷したカプセルの使用の結果として生じる。また、使用中に生じる高い流体圧は、囲み部材に対する閉じ部材のこのような望ましくない傾斜及び/又は変形に寄与する。このような望ましくない傾斜及び/又は変形が起こるときに、カプセルの封止部材は、所望の通りに機能しないことが多く、封止部材の特定の部を通る実質的な流体漏れをもたらし、調製される飲料の品質が低下する。
【0006】
本発明の目的は、囲み部材に対する閉じ部材の望ましくない傾斜及び/又は変形の上述の好ましくない結果を低減する解決策を提供することである。
【0007】
そのために、本発明は、
本発明の第1の態様に従った、添付の独立請求項1に記載のカプセル、
本発明の第2の態様に従った、添付の独立請求項54に記載のシステム、及び、
本発明の第3の態様に従った、添付の独立請求項109に記載のカプセルの使用を提供する。
【0008】
本発明の好ましい実施形態は、添付の従属請求項2~53、55~108、及び110~114によって提供される。
【0009】
それゆえ、本発明の第1の態様に従った、本発明は、加圧下でカプセル内に流体を供給することにより物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための物質を収容しているカプセルを提供し、カプセルは、カプセル本体中心軸線を有するアルミニウムカプセル本体を含み、カプセルのカプセル円周方向は、カプセル本体中心軸線を中心にして延び、アルミニウムカプセル本体は、底部、側壁、及び外向きに延びるフランジを備え、カプセルは、外向きに延びるフランジに取り付けられたアルミニウム蓋を更に含み、蓋は、カプセルを密封して閉じ、側壁、底部、及び蓋は、カプセル内部空間を囲み、蓋は、内部空間から離れるように向いた外側蓋面を有し、カプセルは、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の抽出プレートなどの飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、カプセルの外向きに延びるフランジと、カプセルの封止部材の少なくとも一部分とが、飲料調製装置の囲み部材と実質的に封止係合するように、飲料調製装置の囲み部材との流体封止接触を提供するために、外向きに延びるフランジに封止部材を更に含み、飲料調製装置の囲み部材は、環状要素中心軸線と自由接触端とを有する環状要素を含み、環状要素の自由接触端は、任意選択的に、半径方向に延びる複数の開放溝を備えるカプセルにおいて、カプセルは、弾性支持構造を更に含み、
弾性支持構造は、外側蓋面の支持構造取り付け領域において蓋の外側蓋面に取り付けられており、カプセル本体中心軸線に沿った突起部として見られるような支持構造取り付け領域は、カプセルが完全に真っ直ぐな基準面上に弾性支持構造によって自由に静止しているときに、弾性支持構造が、外向きに延びるフランジと完全に真っ直ぐな基準面との間に間隔を提供し、間隔は、カプセルの円周方向の全周にわたって一定であるように、外向きに延びるフランジに沿って少なくとも部分的に、カプセルの円周方向に少なくとも部分的に延びていることを特徴とする。
【0010】
カプセルの蓋の外側蓋面における弾性支持構造の弾性のおかげで、弾性支持構造は、囲み部材に対する閉じ部材の上記の望ましくない傾斜及び/又は変形にある程度まで自動的に適応する。すなわち、使用中に、弾性支持構造の特定の部は、弾性支持構造の他の部よりも大きく変形する。これは、囲み部材に対する閉じ部材の望ましくない傾斜及び/又は変形にもかかわらず、カプセルの外向きに延びるフランジにおける封止部材が、飲料調製装置の囲み部材に対してより良好な流体封止接触を有することを意味する。したがって、これは、カプセルの外向きに延びるフランジにおける封止部材を通過する流体漏れを減少させる結果となる。
【0011】
弾性支持構造は、蓋の外側蓋面に取り外し可能に取り付けられ得るか、又は、例えば溶接又は接着剤によって蓋の外側蓋面に固定され得る。
【0012】
弾性支持構造が、蓋の外側蓋面に取り付けられた1つ又は複数の別個の部品によって形成される場合、弾性支持構造は、1つ又は複数の一体部品としてカプセルに取り付けることができる。あるいは、弾性支持構造は、流体又は粘性の形態で適用することができ、例えばシリコーンを塗布するときに、蓋の外側蓋面上に一旦、塗布されてから硬化(例えば、重合)してもよい。
【0013】
弾性支持構造の材料としては、ゴム弾性材を用いることが好ましい。「ゴム弾性」という用語は、エラストマー、シリコーン、プラスチック、ラテックス、バラタなどを含むが、これらに限定されないゴム弾性を有する任意の適切な材料を意味する。
【0014】
本発明の好ましい実施形態は、追加の特徴を含み、追加の特徴は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、カプセルの円周方向の部に沿った弾性支持構造が、少なくとも半径方向に弾性支持構造を通過し、カプセルの蓋の外側蓋面と飲料調製装置の閉じ部材との間を延びる飲料漏れ通路を画定することである。
【0015】
本明細書で使用される場合、上述のように囲み部材が閉じ部材によって閉じられている間にカプセルが囲み部材内に位置決めされる状態は、対応する閉じ力が500~8000N、好ましくは1000~4000Nの範囲である閉じ状態を指すことに注意されたい。
【0016】
飲料漏出通路が少なくとも半径方向に弾性支持構造を通過することにより、使用中に流体通路の下流端に圧力低下がもたらされる。流体経路の下流端における上記の圧力低下は、カプセルの外向きに延びるフランジの封止部材などの流体経路のより上流の位置における流体圧を自動的に緩和し、この状況下では、カプセルの外向きに延びるフランジの封止部材を通過する流体漏れを更に減少し得る。
【0017】
上述した本発明の第1の態様によるカプセルの「主な好ましいカプセル実施形態」において、封止部材は、外向きに延びるフランジと一体であり、外向きに延びるフランジから突出する少なくとも1つの突起部を含み、少なくとも1つの突起部は、突起頂部を含み、少なくとも1つの突起部は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、その突起頂部が環状要素の自由接触端に半径方向の力をかけるように構成される。
【0018】
上述した主な好ましいカプセル実施形態は以下のように説明される。
【0019】
欧州特許第1700548(B1)号から公知の上述のシステムにおいて、カプセルは、段差形状すなわちカプセルの側壁の直径の急な増加を有する封止部材を備え、この公知のシステムの囲み部材は、封止部材にたわみを与えるように封止部材に作用する封止表面を有し、この封止表面は、この封止部材のたわみが内側及び下側へ段状に変形するように傾けられている。公知のシステムにおいて更に、囲み部材は、カプセルホルダと、囲み部材及びカプセルホルダの相対移動のための手動操作機構又は自動機構と、を備える。手動操作機構又は自動機構は、囲み部材がカプセルホルダ上で閉じるときに、カプセルの封止部材に力を加える。この力は、囲み部材とカプセルとの間の流体密封を確実にするであろう。手動操作機構又は自動機構は、基部に相対的に移動するように配置されているため、システムの封止能力は、流体注入手段によって注入される流体の圧力に依存し得る。流体の圧力が増加すると、カプセルの封止部材と囲み部材の自由端との間の力も増大し、それによりカプセルの封止部材と囲み部材の自由端との間の力もまた増大する。カプセルの封止部材は、囲み部材内において最大流体圧に到達するときに、封止部材は囲み部材とカプセルとの間に流体封止接触をやはりもたらすべきであるように、配置されていなければならない。しかしながら、封止部材はまた、淹出する前又は淹出開始時の、カプセルの外の囲み部材内の流体の圧力が比較的低いときに、封止部材がまた、囲み部材とカプセルとの間に流体封止接触をもたらすように、配置されていなければならない。淹出開始時に、カプセルと囲み部材との間に流体封止接触が存在しない場合、漏れが生じるだろう。しかしながら、もし漏れが生じると、手動操作機構又は自動機構が囲み部材をカプセルホルダの方へ移動させるときに、囲み部材の自由端による封止部材への力を増加させるための、囲み部材内及びカプセルの外側の圧力が、十分に上昇しないことが現実に生じる。十分な初期封止があるときにのみ、囲み部材内の圧力は増加し、それによりカプセルの封止部材上で作用する囲み部材の自由端の力は増加した流体圧でもまた十分な流体封止接触をもたらすように増加する。更に、カプセルの外のこの増加した流体圧はまた、カプセル内部に流体圧の増加をもたらし、この圧力は、カプセルが飲料調製装置のカプセルホルダ(抽出プレートとも呼ばれる)のリリーフ部材上で、カプセル内の流体圧の影響下で裂開するように配置されている蓋を備えている場合には、必須である。
【0020】
上記のことから、封止部材が設計上極めて重要な部材であるということになる。囲み部材の自由端によって比較的小さな力しか封止部材に加えられないときには、比較的低い流体圧で囲み部材とカプセルとの間に流体封止接触をもたらすことができるべきである。しかし、囲み部材の自由端によってカプセルの封止部材により強い力が加えられるときには、カプセルの外の囲み部材内に遥かに高い流体圧で流体封止接触がもたらされるべきである。特に、一旦、囲み部材とカプセルホルダとの間の力が解放されると空気流入路として働き、それにより、使用者がより容易にカプセルを取り出せるようになる、半径方向に延びる開放溝を、囲み部材の自由接触端が、備える場合、封止部材はまた、効果的な封止をもたらすために半径方向に延びる開放溝を「閉じる」ことができなければならない。
【0021】
上述の主な好ましいカプセル実施形態の目的は、比較的製造が簡単で、使用後にカプセルを廃棄する場合に環境にやさしく、並びに/又は自由接触端が半径方向に延びる開放溝を備える囲み部材の場合であっても、囲み部材の自由端によって比較的小さな力しか封止部材に加えられない場合(多くの場合、初期封止とも呼ばれる)、比較的低い流体圧において及び、囲み部材の自由端によってカプセルの封止部材により強い力が加えられるとき(例えば、淹出時に)の遥かに高い流体圧において、の両方で十分な封止をもたらす、代替の封止部材を提供することである。
【0022】
その目的のため、上述したように、上述の主な好ましいカプセルの実施形態によるカプセルは、封止部材が、外向きに延びるフランジと一体であり、外向きに延びるフランジから突出する少なくとも1つの突起部を含み、少なくとも1つの突起部は、突起頂部を含み、少なくとも1つの突起部は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、その突起頂部が環状要素の自由接触端に半径方向の力をかけるように構成されることを特徴とする。
【0023】
封止部材は、外向きに延びるフランジと一体であり、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じるときに、頂部が環状要素の自由接触端に半径方向の力をかける少なくとも1つの突起部を含むので、良好な封止が得られる。このような封止部材は、製造が比較的容易である。更に、カプセルは、半径方向に延びる開放溝を備える自由接触端で良好な封止を提供することができる。加えて、封止は、飲料調製装置の内部でのカプセルの位置決めを容易にする。
【0024】
この用途において、流体封止接触の存在とは、自由接触端とカプセルの封止部材との間の漏れに起因して、飲料を調製するための囲み部材に供給される流体の総量の0~6%、好ましくは0~4%、より好ましくは0~2.5%が、漏れ出る場合があることを意味する。
【0025】
カプセルの一実施形態において、本発明は、カプセルが、飲用可能な飲料の調製のための物質として抽出可能製品を含み、この抽出可能製品が、好ましくは5~20グラム、好ましくは5~10グラム、より好ましくは5~7グラムの、焙煎され挽かれたコーヒーなどの抽出可能製品である場合に、特に有利である。
【0026】
本発明に従う、特に製造が簡単なカプセルの一実施形態では、カプセルの外向きに延びるフランジの外径は、カプセルの底部の直径よりも大きい。好ましくは、外向きに延びるフランジの外径は、約37.1mmであり、カプセルの底部の直径は、約23.3mmである。
【0027】
カプセルの一実施形態において、アルミニウムカプセル本体の厚さは、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、簡単に変形するようになっており、好ましくはアルミニウムカプセル本体の厚さは、20~200マイクロメートルであり、好ましくは100マイクロメートルである場合に、本発明は特に有利である。
【0028】
カプセルの一実施形態では、アルミニウム蓋の厚さが、15~65マイクロメートルであり、好ましくは30~45マイクロメートルであり、より好ましくは39マイクロメートルである場合に、本発明は特に有利である。
【0029】
本発明に従うカプセルの一実施形態では、アルミニウム蓋の壁厚は、アルミニウムカプセル本体の壁厚よりも薄い。
【0030】
本発明に従うカプセルの更なる実施形態では、アルミニウム蓋は、カプセル内の流体圧の影響下の飲料調製装置の抽出プレートなどの、飲料調製装置の閉じ部材上で裂開されるように配置される。
【0031】
本発明に従う、特に製造が簡単なカプセルの一実施形態では、アルミニウムカプセル本体の側壁は、底部とは反対側において自由端を有し、外向きに延びるフランジは、側壁の自由端からカプセル本体中心軸線を少なくとも実質的に横断する方向に延びる。好ましくは、外向きに延びるフランジは、丸められた外縁部を含み、これは半径方向に延びる開放溝を備える自由接触端で十分な封止を得るのに有益である。外向きに延びるフランジの丸められた外縁部の内縁部の、カプセル本体中心軸線を中心とした半径は、好ましくは、少なくとも32mmであるので、包囲部材の環状端面からの隙間が確保される。次に、封止部材が、アルミニウムカプセル本体の側壁の自由端と外向きに延びるフランジの丸められた外縁部の内縁部との間に位置決めされることが、より更に十分な封止を得るために好ましい。
【0032】
丸められた外縁部が、多種多様な、市販の及び将来の飲料調製装置の動作を妨害しないことを確実にするために、外向きに延びるフランジの丸められた外縁部は、約1.2ミリメートルの最大寸法を有する。
【0033】
本発明は、アルミニウムカプセル本体の側壁の自由端の内径が、約29.5mmであるカプセルに特に有益である。アルミニウムカプセル本体の側壁の自由端と外向きに延びるフランジの最外縁部との間の距離は、約3.8ミリメートルであってもよい。アルミニウムカプセル本体の好ましい高さは、約28.4mmである。
【0034】
使用後に使用者が飲料調製装置からより簡単に取り出せる本発明に従うカプセルの一実施形態では、アルミニウムカプセル本体は、切頭形であり、好ましくはアルミニウムカプセル本体の側壁は、カプセル本体中心軸線を横断する線に対して約97.5°の角度を有する。
【0035】
本発明のカプセルの有利な実施形態では、アルミニウムカプセル本体の底部は、約23.3mmの最大内径を有する。アルミニウムカプセル本体の底部は、切頭形であり、好ましくは約4.0mmの底部高さを有し、底部は更に、蓋の反対側に約8.3mmの直径を有する概ね平らな中心部分を有することが好ましい。
【0036】
本発明のカプセルの一実施形態における良好な封止を得ることができる実質的に全ての場合において、包囲部材が閉じたときに包囲部材の自由端に最初に接触する封止部材部分の高さは、少なくとも約0.1mm、より好ましくは少なくとも0.2mm、最も好ましくは少なくとも0.8mmで、最大3mm、より好ましくは最大2mm、最も好ましくは最大1.2mmである。
【0037】
本発明に従うカプセルの好ましい実施形態では、カプセルは、内面を含み、カプセルの少なくとも側壁の内面に、内側コーティングが施される。特に、カプセルが深絞りによって製造される場合、内側コーティングにより、深絞り成形法が容易になる。カプセルのアルミニウム蓋が、封止ラッカーによって外向きに延びるフランジに取り付けられている場合に、この内側コーティングが封止ラッカーと同一の材料で構成されていると、特に有利である。封止部材から内側コーティングが崩壊しないようにするために、使用する内側コーティングによって、封止部材に内側コーティングがないことが好ましい。
【0038】
本発明に従うカプセルの更なる実施形態では、カプセルは、外側表面を含み、カプセルの外側表面上に、カラーラッカーが施される。深絞りを容易にするために、カラーラッカーの外側表面上に外側コーティングを設けることが好ましい。封止部材からカラーラッカー/外側コーティングが崩壊しないようにするために、使用されるカラーラッカー及び外側コーティングによって、封止部材がカラーラッカー(及び結果として外側コーティング)を含まないことが好ましい。
【0039】
本発明のカプセルの更なる実施形態において、少なくとも1つの突起部は、アルミニウムカプセル本体の外向きに延びるフランジに対して傾斜した突起側壁を含み、突起側壁は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、容易に変形するように構成される。これにより、自由接触端に加わる力が改善され、しがたって、封止が改善される。突起部とアルミニウムカプセル本体の側壁との間の距離は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、環状要素の自由接触端が突起部及びアルミニウムカプセル本体の側壁に接触するようになっているのが好ましい。
【0040】
本発明のカプセルの有利な実施形態では、外方向に延びるフランジから突出する少なくとも1つの突起部に加えて、封止部材は、突起頂部とアルミニウムカプセル本体の側壁との間に平坦部を含む。支承部が、突起部、平坦部、及びアルミニウムカプセル本体の側壁により形成され、突起部と側壁との間の距離は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、環状要素の自由接触端が突起部及びアルミニウムカプセル本体の側壁によって囲まれるようになっている場合に、封止を提供するのが有利である。
【0041】
突起部、アルミニウムカプセル本体の側壁、及び平坦部は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、環状要素の自由接触端が平坦部に接触するように配置することができる。
【0042】
あるいは、封止部材は、外向きに延びるフランジから突出する2つの間隔を空けて配置された突起部、及び、2つの突起部の間の平坦部を含むことができ、2つの突起部の間の距離は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、飲料調製装置の閉じ部材によって囲み部材が閉じられたときに、環状要素の自由接触端が2つの突起部の収束面間で絞られるようになっている。2つの突起部の間は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、環状要素の自由接触端が2つの突起部に接触するような距離になっているのが好ましい。2つの間隔を空けた突起部及び平坦部が、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、環状要素の自由接触端が平坦部に接触するように配置される場合に、特に良好な封止を得ることができる。カプセルは、好ましくは、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、飲料調製装置の囲み部材のための支承部を含み、支承部は、環状要素の自由接触端の少なくとも一部分を囲み、支承部は、2つの突起部とそれらの間の平坦部とによって形成される。
【0043】
平坦部は、実質的に平らであってもよく、又は、湾曲部を含み得る。平坦部がV形状である本発明のカプセルの実施形態は、特に有利である。このようにして、環状部材の自由接触端は、2つの突起部の間で絞られる。
【0044】
本発明の実施形態の更なる目的は、特に、淹出システムの異なるモデル間、並びにカプセルの自由接触端及び/又はフランジの非円形性(例えば、楕円性)に発生する自由接触端の直径、厚さ及び形状の変動に対する感度がほとんどない囲み部材の自由接触端に対して、信頼できる低圧及び高圧の封止を達成することである。後者は、例えばショッピングバッグ又はトロリー内でのカプセルの圧縮から生じ得る。本発明の実施形態において、この目的は、2つの突起部のうちの第1の突起部が、2つの突起部のうちの第2の突起部よりも外向きに延びるフランジの基部部分から蓋が取り付けられた基部部分まで更に突出するように提供することによって達成される。
【0045】
囲い部材を閉じる際に、基部部分から最も突出している突起部のうちの1つの、自由接触端に沿って軸線方向に配置される部分極端に大きい場合、自由接触端が突起部のうち最も突出した突起部に沿って通過するように半径方向に付勢される。この半径方向の変位はまた、突起部の他の1つを自由接触端に対して半径方向に付勢するので、自由接触端と確実に封止係合するように正確に位置決めする。また、突起部のうちの最も突出している突起部は、比較的大きな距離にわたって径方向に変形可能であるため、比較的大きな偏差に対応することができる一方で、突起部のうちの他方が比較的剛性であることで、堅固な封止圧力を及ぼすのに有利である。
【0046】
突起部のうちの第1の突起部が2つの突起部のうちの内側の突起部である場合、カプセルは、Citiz、Lattisima、U、Maestria、Pixie、Inissia及びEssenzaのような市販の装置での使用に特に適しており、これらの装置では、環状要素の自由接触端に、半径方向に延びる複数の開放溝が設けられており、溝は、自由接触端の内面部分において外面部分においてよりも深くなっており、又は、溝は、自由接触端の外面部分に存在しない。このような装置では、突起部のうちの第2の突起部と自由接触端の比較的滑らかな外面部分との間において、信頼できる正確な位置決めがなされた封止が得られる。
【0047】
信頼できる封止を達成するために、2つの突起部のうちの第1の突起部が、カプセル軸線を中心とした直径31.9~32.4mmにおいて延びる先端頂部端を有し、2つの突起部のうちの第2の突起部が、カプセル軸線を中心とした直径29.2~29.8mmにおいて延びる先端頂部端を有することが有利である。したがって、Citiz、Lattisima、U、Maestria、Pixie、Inissia及びEssenzaのような市販のコーヒー製造装置で使用される場合、囲み部材の自由端の外縁部領域が第2の突起部にしっかりと押し付けられる。
【0048】
平坦部が蓋から軸線方向に間隔を空けて配置されている場合、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるにつれて、第1及び第2の突起部の間のこの領域は、蓋に向かって軸線方向に変位する。これにより、第1の突起部及び第2の突起部は、環状要素の自由接触端に向かって変形させられ、第1の突起部及び第2の突起部の傾斜及び「ロールオフ」に起因して、環状要素の自由接触端にかかる半径方向の接触圧力が増加させられ、このことが、良好な封止を達成するのに寄与する。
【0049】
本発明の上記の第2の態様によるシステムの「主な好ましいシステム実施形態」において、封止部材は、外向きに延びるフランジと一体であり、外向きに延びるフランジから突出する少なくとも1つの突起部を含み、少なくとも1つの突起部は、突起頂部を含み、少なくとも1つの突起部は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、その突起頂部が環状要素の自由接触端に半径方向の力をかけるように構成される。
【0050】
封止部材は、外向きに延びるフランジと一体であり、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、頂部が環状要素の自由接触端に半径方向の力をかける少なくとも1つの突起部を含むので、良好な封止が得られる。このような封止部材は、製造が比較的容易である。更に、カプセルは、半径方向に延びる開放溝を備える自由接触端により、良好な封止を提供することができる。
【0051】
突起部又は複数の突起部は、フランジの少なくとも1つの基部部分から、蓋が取り付けられた基部部分まで突出してもよい。突起部又は複数の突起部は、蓋から離れる方向に基部部分から軸線方向に突出してもよい。突起部頂部は、基部部分から軸線方向において最も遠位にある例えば突起部の半分、3分の1又は4分の1の部分を構成し得る。
【0052】
カプセルに関する従属請求項の特徴と同じ特徴に関する、従属請求項に記載されたようなシステムの好ましい実施形態に関しては、上記が参照される。
【0053】
本発明は、使用中に飲料調製装置の囲み部材内の最大流体圧が6~20バール、好ましくは12~18バールの範囲内にある、本発明に従うシステムに特に好適である。このような高圧であっても、カプセルと飲料調製装置との間に十分な封止が得られ得る。
【0054】
使用中、システムは好ましくは、淹出時に、カプセルの外向きに延びるフランジと飲料調製装置の囲み部材との間に流体封止接触をもたらすように、飲料調製装置の囲み部材の自由端がカプセルの封止部材に力F2をかけるように構成されており、カプセルの外の飲料調製装置の囲み部材内の流体圧P2が、6~20バール、好ましくは12~18バールの範囲内にあるときに、F2は、500~1500Nの範囲内にあり、好ましくは750~1250Nの範囲内にある。特に、使用中に、システムは、淹出する前又は淹出開始時に、カプセルの外向きに延びるフランジと飲料調製装置の囲み部材との間に流体封止接触をもたらすように、飲料調製装置の囲み部材の自由端がカプセルの封止部材に力F1をかけるように構成されており、カプセルの外の飲料調製装置の囲み部材内の流体圧P1が、0.1~4バール、好ましくは0.1~1バールの範囲内にあるときに、F1は、30~150N、好ましくは40~150N、より好ましくは50~100Nの範囲内にある。
【0055】
本発明に従うシステムの一実施形態において、カプセルと飲料調製装置との間の十分な封止を依然としてもたらし得ながら、使用者がより簡単にカプセルを取り出せるように、半径方向に延びる複数の開放溝は、飲料調製装置の環状要素の自由接触端の接線方向に、互いに対して均一に間隔を空けて配置される。
【0056】
本発明に従うシステムの有利な実施形態において、各溝の最大の接線方向の幅(頂部と頂部、すなわち溝と溝とのピッチに等しい)は、0.9~1.1mm、好ましくは0.95~1.05mm、より好ましくは0.98~1.02mmであり、飲料調製装置の囲み部材の軸線方向における各溝の最大高さは、0.01~0.09mm、好ましくは0.03~0.07mm、より好ましくは0.045~0.055mm、最も好ましくは0.05mmであり、溝の数は90~110本、好ましくは96本である。溝の位置における環状端面の半径方向の幅は、例えば0.05~0.9mm、好ましくは0.2~0.7mm、より好ましくは0.3~0.55mmであってもよい。本発明は、使用中に飲料調製装置の閉じ部材が飲料調製装置の囲み部材を閉じるときに、飲料調製装置の囲み部材の少なくとも自由接触端は、飲料調製装置の閉じ部分に向かう飲料調製装置の囲み部材内の流体の圧力の影響下で、カプセルのフランジと飲料調製装置の囲み部材の自由端との間に最大の力を加えるように、飲料調製装置の閉じ部分に対して移動することができる、本発明のシステムの実施形態に適用される場合に、特に適している。囲み部材は、第1部と第2部とを含んでもよく、第2部は、囲み部材の自由接触端を含み、第2部は、第1の位置と第2の位置との間で第1部に対して動くことができる。第2部は、囲み部材内の流体圧の影響下で閉じ部材の方向に第1の位置から第2の位置の方へ動くことができる。上述の力F1は、第2部が流体圧P1で第1の位置にあるときに達成され得る。上述の力F2は、第2部が囲み部材内の流体圧P2の影響下で第2の位置に向かって動かされるときに達成され得る。
【0057】
本発明の上述の第3の態様によるカプセルの使用の利点、及びカプセルの添付の従属請求項又はシステムの添付の従属請求項の特徴に対応する添付の従属請求項に記載の使用の好ましい実施態様の利点に関しては、上記を参照する。
【0058】
本発明は、図面を参照して非限定的な例によって、更に明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】本発明に従うシステムの一実施形態の概略図である。
図2】本発明に従うシステムの飲料調製装置の一実施形態の斜視図であり、半径方向に延びる複数の開放溝を備えた飲料調製装置の囲み部材の自由接触端を示す。
図3A】使用前の本発明に従うカプセルの一実施形態の断面図である。
図3B図3Aのカプセルの拡大詳細図であり、外向きに延びるフランジ及び封止部材を示す。
図3C】使用後の図3A及び図3Bにおけるカプセルの外向きに延びるフランジの拡大詳細図である。
図4A】本発明に従うカプセルの外向きに延びるフランジにおける封止部材の第1の実施形態を示す。
図4B】本発明に従うカプセルの外向きに延びるフランジにおける封止部材の第2の実施形態を示す。
図4C】本発明に従うカプセルの外向きに延びるフランジにおける封止部材の第3の実施形態を示す。
図4D】本発明に従うカプセルの外向きに延びるフランジにおける封止部材の第4の実施形態を示す。
図4E】本発明に従うカプセルの外向きに延びるフランジにおける封止部材の第5の実施形態を示す。
図4F】本発明に従うカプセルの外向きに延びるフランジにおける封止部材の第6の実施形態を示す。
図4G】本発明に従うカプセルの外向きに延びるフランジにおける封止部材の第7の実施形態を示す。
図5A】カプセルの弾性支持構造の第1の実施形態に基づく、本発明に従うカプセルの更なる例の側面図である。
図5B図5Aの例のカプセルの蓋の外側蓋面上を直交して示す図である。
図6A】カプセルの弾性支持構造の第2の実施形態に基づく、本発明に従うカプセルの更なる例の側面図である。
図6B図6Aの例のカプセルの蓋の外側蓋面上を直交して示す図である。
【0060】
図面及び以下の説明では、同様の参照番号は、同様の特徴を指す。
【0061】
図1は、加圧下でカプセル内に供給された流体を使用してカプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステム1の一実施形態の概略の断面図である。システム1は、カプセル2及び飲料調製装置4を含む。装置4は、カプセル2を保持するための囲み部材6を含む。装置4は、カプセル2を支持するための閉じ部材、例えば抽出プレート8を更に含む。
【0062】
図1では、明瞭にするために、カプセル2と囲み部材6と抽出プレート8との間に間隙が描かれている。使用中、カプセル2は、囲み部材6及び抽出プレート部材8と接触してもよいことが理解されよう。一般に、囲み部材6は、カプセル2の形状に補完的な形状を有する。飲料調製装置4は、6~20バール、好ましくは12~18バールの範囲内の圧力下で水などの、ある量の流体を交換可能なカプセル2へ供給するための流体注入手段10を更に含む。
【0063】
図1に示された例において、交換可能なカプセル2は、カプセル本体中心軸線12A及びアルミニウム蓋14を有するアルミニウムカプセル本体12を含む。本文脈において、「アルミニウム」の意味は、アルミニウム合金も含むと理解される。本例では、アルミニウムカプセル本体12は、側壁16、第1の端部で側壁16を閉じる底部18、及び底部18とは反対側の第2の端部で周囲壁16から外側に延びる外向きに延びるフランジ20を含む。側壁16、底部18、及び蓋14は、内部空間22を取り囲み、内部空間22は、抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための物質を含んでいる。好ましくは、物質は、飲用可能な飲料を調製するための抽出可能製品であり、抽出可能製品は、一杯の飲料の調製のための、好ましくは5~20グラム、好ましくは5~10グラム、より好ましくは5~7グラムの、焙煎され挽かれたコーヒーである。カプセルは、最初は封止されている、すなわち使用前は密封して閉じられている。
【0064】
図1のシステム1は、入口開口部25を介して流体を抽出可能製品に供給するために、底部18に少なくとも1つの入口開口部25を作るようにカプセル2の底部18を刺し通すための底部刺通手段24を含む。
【0065】
図1のシステム1は、カプセル2の蓋14を刺し通すために、蓋刺通手段26(ここでは閉じ部材8の突起部として具現化されている)を更に含む。蓋刺通手段26は、一旦、内部空間22内部の(流体)圧力が閾値圧を超え、蓋14を蓋刺通手段26に対して十分な力で押圧すると、蓋14が裂開するように配置され得る。こうして、アルミニウム蓋14は、カプセル内の流体圧の影響下で、飲料調製装置の閉じ部材8上で裂開するように配置される。
【0066】
カプセル2は、外向きに延びるフランジと一体の封止部材28を更に含み(図1図3A、及び図3Bでは一般的なボックスとして示されているが、図4を参照してより詳細に記載される)、この封止部材28は、カプセル2が囲み部材6内に位置決めされ、囲み部材6が抽出プレート8によって閉じられるときに、カプセル2の外向きに延びるフランジ20と、封止部材28の少なくとも一部分とが、囲み部材6と抽出プレート8との間に封止係合するように、囲み部材6との流体封止接触を提供するように配置される。これは、封止部材と自由接触端との間の流体封止接触が確立されることを意味する。
【0067】
カプセル2は、弾性支持構造29を更に含み、弾性支持構造29は、蓋14の外側蓋面に取り付けられ、外側蓋面は、内部空間22から離れる方向を向いている。図1、3A~3B、4A~4Gにおいて、この弾性支持構造29は、一般的なボックス29として示されているが、図5A~5B及び図6A~6Bにおいてより詳細に示されて説明されている。
【0068】
図2に示すように、飲料調製装置の囲み部材6は、環状要素中心軸線41Aと自由接触端30とを有する環状要素41を含む。環状要素41の自由接触端30は、半径方向に延びる複数の開放溝40を備える。半径方向に延びる複数の開放溝40は、環状要素41の自由接触端30の接線方向に、互いに対して均一に間隔を空けて配置されている。各溝40の最大の接線方向の幅は、0.9~1.1mm、好ましくは0.95~1.05mm、より好ましくは0.98~1.02mmであり、囲み部材6の軸線方向における各溝40の最大高さは、0.01~0.09mm、好ましくは0.03~0.07mm、より好ましくは0.045~0.055mm、最も好ましくは0.05mmである。溝40の数は、90~110の範囲、好ましくは96である。通常、溝の位置での自由端の半径方向の幅は、0.05~0.9mm、より具体的には0.2~0.7mm、より具体的には0.3~0.55mmである。
【0069】
本発明に従うカプセルの一実施形態が、図3A及び図3Bにより詳細に示されている。示された実施形態では、外向きに延びるフランジ20の外径ODFは、カプセル2の底部18の直径DBよりも大きい。示された実施形態では、外向きに延びるフランジ20の外径ODFは約37.1mmであり、底部18の直径DBは約23.3mmである。アルミニウムカプセル本体12の厚さは、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、かつ囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、容易に変形するように、好ましくはアルミニウムカプセル本体の厚さが100マイクロメートルであるが、他の実施形態では、厚さは20~200マイクロメートルであり得る。
【0070】
示された実施形態では、アルミニウム蓋14の壁厚は、39マイクロメートルである。好ましくは、アルミニウム蓋14の壁厚は、アルミニウムカプセル本体12の厚さよりも薄い。
【0071】
アルミニウムカプセル本体12の側壁16は、底部18とは反対側の自由端42を有する。アルミニウムカプセル本体12の側壁16の自由端42の内径IDFは約29.5mmである。外向きに延びるフランジ20は、自由端42からカプセル本体中心軸線12Aを少なくとも実質的に横断する方向に延びる。外向きに延びるフランジ20は、カプセルと囲み部材との間で封止を得るのに有益な丸められた外縁部43を含む。示された実施形態では、外向きに延びるフランジ20の丸められた外縁部43は、約1.2ミリメートルの最大寸法を有する。アルミニウムカプセル本体12の側壁16の自由端42と丸められた外縁部43の内縁部43Aとの間の距離DIFは、約2.7mmであるが、一方、アルミニウムカプセル本体12の側壁16の自由端42と外向きに延びるフランジ20の最外縁部43Bとの間の距離DOFは、約3.8ミリメートルである。丸められた外縁部43の内縁部43Aの、カプセル本体中心軸線を中心とした半径は、好ましくは少なくとも32mmである。
【0072】
図3A及び図3Bに示すように、封止部材28は、アルミニウムカプセル本体12の側壁16の自由端と外向きに延びるフランジの丸められた外縁部42の内縁部43Aとの間に位置決めされている。封止部材28は、一般的なボックスとして示されているが、以下でより詳細に説明される。封止部材28の実施形態にかかわらず、包囲部材が閉じたときに、正しい封止を提供するための包囲部材の自由端に最初に接触する封止部材部分の高さは、少なくとも約0.1mm、より好ましくは少なくとも0.2mm、最も好ましくは少なくとも0.8mmで、最大3mm、より好ましくは最大2mm、最も好ましくは最大1.2mmである。
【0073】
図3Aから分かるように、アルミニウムカプセル本体12は切頭形である。示された実施形態では、アルミニウムカプセル本体12の側壁16は、カプセル本体中心軸線12Aを横断する線に対して約97.5°の角度Aを形成している。アルミニウムカプセル本体12の底部18は、約23.3mmの最大内径DBを有する。アルミニウムカプセル本体12の底部18もまた切頭形であり、図示の実施形態では約4.0mmの底部高さBHを有する。底部18は、蓋14の反対側に概ね平らな中心部分18Aを更に有し、中心部分18Aは約8.3mmの直径DEEを有し、中心部分18Aには入口開口部25が形成され得る。入口開口部はまた、中心部分18Aと側壁16との間の切頭部分に作製されてもよい。カプセルのアルミニウムカプセル本体12の全高THは、約28.4mmである。
【0074】
図1に示されたシステム1は、一杯の飲用可能な飲料(本例においてはコーヒーであり、物質は焙煎され挽かれたコーヒーである)を調製するために、以下のように操作される。
【0075】
カプセル2を、囲み部材6内に置く。抽出プレート8を、カプセル2と接触させる。底部刺通手段24は、入口開口部25を作るようにカプセル2の底部18を刺し通す。流体(ここでは加圧下の熱湯)が、入口開口部25を介して内部空間22内の抽出可能製品に供給される。挽かれたコーヒーを湯で湿らせ、所望の物質を抽出してコーヒー飲料を形成する。
【0076】
内部空間22に加圧下で水を供給する間に、カプセル2内部の圧力は上昇する。圧力の上昇により、蓋14が変形し、抽出プレートの蓋刺通手段26に押し付けられる。一旦、圧力があるレベルに達すると、蓋14の引裂き強度を上回り、蓋14は、蓋刺通手段26とぶつかって破裂し、出口開口部を作る。調製されたコーヒーは、抽出プレート8の出口開口部及び出口32(図1を参照)を通してカプセル2から排出され、カップなどの容器(図示せず)に供給され得る。
【0077】
システム1は、淹出する前又は淹出開始時に、囲み部材6の自由端30が、カプセル2の外向きに延びるフランジ20と飲料調製装置の囲み部材6との間に流体封止接触をもたらすように、カプセル2の封止部材28上に力F1をかけるように構成されており、カプセルの外の飲料調製装置の囲み部材内の流体圧P1が、0.1~4バール、好ましくは0.1~1バールの範囲内にあるときに、F1は、30~150N、好ましくは40~150N、より好ましくは50~100Nの範囲内にある。淹出時に、カプセル2の外向きに延びるフランジ20と囲み部材6との間に流体封止接触をもたらすように、囲み部材6の自由端30が、カプセル2の封止部材28上に力F2をかけ、ここで、カプセル2の外の飲料調製装置の囲み部材6内の流体圧P2が、6~20バール、好ましくは12~18バールの範囲内にあるときに、F2は、500~1500Nの範囲内にあり、好ましくは750~1250Nの範囲内にある。示された実施形態では、囲み部材6の自由接触端は、外向きに延びるフランジ20と囲み部材6の自由端30との間に最大の力F2を加えるための、囲み部材6装置内の抽出プレート8の方への流体の圧力の影響下で、抽出プレート8に対して動くことができる。この移動は、使用中、すなわち特に淹出開始時及び淹出中に起こり得る。囲み部材6は、第1部6Aと第2部6Bとを有し、第2部は、自由接触端30を含む。第2部6Bは、第1の位置と第2の位置との間で第1部6Aに対して動くことができる。第2部6Bは、囲み部材6内の流体圧の影響下で閉じ部材8の方向において第1の位置から第2の位置へと動くことができる。上述の力F1は、第2部6Bが流体圧P1を伴なう第1の位置にあるときに達成し得る。上述の力F2は、第2部6Bが囲み部材6内の流体圧P2の影響下にある第2の位置向かってへ動かされるときに達成し得る。
【0078】
加えられた力の結果として、本発明に従うカプセルの封止部材28は、塑性変形を受け、自由接触端30の溝40に密接にコンフォーメーションし、これにより淹出開始時には比較的低い流体圧で囲み部材6とカプセル3との間に流体封止接触をもたらすが、淹出中はカプセルの外側の囲み部材内の遥かに高い流体圧でも流体封止接触をまたもたらす。囲み部材の溝40に対する密接なコンフォーメーションが、使用後の本発明のカプセル2を示す図3Cに示されており、本図は外向きに延びるフランジ20が、囲み部材の溝40にコンフォーメーションする変形部40’を含むことを明瞭に示している。
【0079】
ここで、本発明によるカプセル2の外向きに延びるフランジ20における封止部材28の例示的な実施形態は、図4に関して更に詳細に記載される。
【0080】
図4Aは、本発明によるカプセル2の外向きに延びるフランジ20における追加の支承部を形成する封止部材28の第1の実施形態を示している。封止部材とカプセル本体の残部は同じプレート材料で作られる。封止部材28は、基部部分まで突出する2つの間隔を空けた突起部50及び51を含み、突起部50及び51のそれぞれは、外向きに延びるフランジ20の基部部分から、蓋14が取り付けられた基部部分まで蓋14から離れる方向に軸線方向において突出している。2つの突起部50及び51の間に平坦部52が存在する。2つの突起部50及び51の間は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、環状要素6の自由接触端が2つの突起部50及び51の収束面間で絞られるような距離になっている。図4Aに示す実施形態では、平坦部は、封止部材28と丸められた縁部43との間の外向きに延びるフランジ20の部分の上方においてある距離で位置決めされており、実質的に平坦である。2つの突起部51及び50の間は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、環状要素の自由接触端が2つの突起部50及び51に接触するような距離に更になっている。更に、2つの間隔を空けた突起部50、51及び平坦部52は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、環状要素の自由接触端が平坦部に接触するように配置される。図4Aで分かるように、各突起部50、51は、アルミニウムカプセル本体の外向きに延びるフランジ20に対して傾斜した突起側壁を含む。突起側壁は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、容易に変形するように構成される。
【0081】
図4Bは、本発明によるカプセルの外向きに延びるフランジ20における封止部材28の第2の実施形態を示している。図4Aと比較して、以下のような相違がある。各突起部50、51は、アルミニウムカプセル本体の外向きに延びるフランジ20に対して横断する突起側壁を含む。更に、この第2の実施形態において、平坦部52は、湾曲して、環状要素6の自由接触端の形状にコンフォーメーションするのが好ましい。
【0082】
図4Cは、本発明によるカプセルの外向きに延びるフランジ20における封止部材28の第3の実施形態を示し、これは、アルミニウムカプセル本体の側壁16とともに囲み部材のための追加の支承部を形成する。示された封止部材28は、外向きに延びるフランジ20から突出する突起部53と、突起部53の丸みを帯びた最上端部とアルミニウムカプセル本体の側壁16との間に傾斜した実質的に平らな平坦部52とを含む。この実施形態では、突起部53、平坦部52、及びアルミニウムカプセル本体の側壁16により支承部が形成される。突起部53の頂部と側壁16との間は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、環状要素6の自由接触端が突起部53及びアルミニウムカプセル本体の側壁16によって囲まれるような距離になっている。特に、突起部53とアルミニウムカプセル本体の側壁16との間は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、環状要素6の自由接触端が突起部53及び側壁16に接触し、図示の実施形態ではアルミニウムカプセル本体の平坦部52にも接触するような距離になっている。
【0083】
図4Dは、本発明によるカプセルの外向きに延びるフランジ20における封止部材28の第4の実施形態を示し、これは、アルミニウムカプセル本体の側壁16とともに囲み部材のための追加の支承部を形成する。図4Cと比較して、以下のような相違がある。この第4の実施形態において、平坦部52は湾曲しており、湾曲部分と、突起部53と湾曲縁部43との間の外向きに延びるフランジ20の部分と同じ高さに位置する平坦部分も含む。湾曲部分は、環状要素6の自由接触端の形状にコンフォーメーションすることが好ましい。図4Eは、本発明によるカプセルの外向きに延びるフランジ20における封止部材28の第5の実施形態を示し、これは、アルミニウムカプセル本体の側壁16とともに囲み部材のための支承部を形成する。図4Dと比較して、以下のような相違がある。この第5の実施形態において、平坦部52の平らな部分は、突起部53と湾曲縁部43との間の外向きに延びるフランジ20の部分の上方においてある距離で位置する。突起部53の間は、好ましくは0.9~1.25mmであり、これにより、広く使用され市販されている飲料調製装置(Citiz、Lattisima、U、Maestria、Pixie、Inissia及びEssenzaなど)の閉じ部材の自由端が、側壁16が突起部53に近接した状態で、突起部53に対して確実に絞られることを可能にする距離である。
【0084】
図4C図4Eに示す実施形態において、突起部53は、突起部53と丸められた縁部43との間の外向きに延びるフランジの部分を横断する外側突起側壁54を含むが、他の実施形態では、この外側突起側壁54は、外向きに延びるフランジ20の部分に対して傾斜してもよい。
【0085】
図4A図4Eに示す全ての実施形態において、突起部のそれぞれは、蓋14が取り付けられるフランジ28の基部部分から軸線方向に最も遠位にある例えば半分、3分の1又は4分の1の突起部の部分を構成する突起頂部を含む。追加の支承部を形成する少なくとも1つの突起部、しかし好ましくは全ての突起部は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、その突起頂部が環状要素6の自由接触端に半径方向の力をかけるように構成される。
【0086】
図4Fは、本発明によるカプセルの外向きに延びるフランジ20における封止部材28の第6の実施形態を示している。例えば図4Bと比較して、以下のような相違がある。第6の実施形態において、平坦部52は、V形状であり、V形状の底部は、外側突起部51と丸められた縁部43との間の外向きに延びるフランジ20の基部部分と同じ高さにある。この場合、環状部材6の自由接触端のための支承部は形成されていないが、カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に位置決めされ、囲み部材が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、内側突起部50の突起頂部は、環状部材6の自由接触端に直接的に外向きに半径方向の力を加え、外側突起部51の突起頂部は、環状要素6の自由接触端に直接的に内向きに半径方向の力を加える。この場合、封止部材28によって自由接触端が絞られ、それによって十分な封止が提供される。
【0087】
図4A図4B及び図4Fに示す例のような、封止部材28が突起部50、51及び突起部50、51の間に平坦部又は貫通部52を有し、平坦部又は貫通部52の中心は、カプセルの中心軸線を中心とした円周方向に延びるカプセルでは、(Citiz、Lattisima、U、Maestria、Pixie、Inissia及びEssenzaのような)広く使用され商業的に入手可能な飲料調製装置の閉じ部材の自由端が、(放射状の断面で見て)突起部50、51の間に正確にセンタリングされるように着地し、絞り効果が内側及び外側突起部50、51にわたって均等に分配されるように、好ましくは29~33mm、より好ましくは30.0~31.4mm、最も好ましくは30.3~31.0mmの直径を有する。このような装置において効果的に絞りを行うために、突起部50、51間の距離は0.9~1.25mmであることが好ましい。
【0088】
図4Gは、本発明によるカプセルの外向きに延びるフランジ20における封止部材28の第7の実施形態を示している。図2にも示すように、飲料調製装置の囲み部材6は、そのいくつかが図4Gに示すような、半径方向に延びる複数の開放溝40を有する自由接触端30を有する環状要素41を有する。
【0089】
図4A、4B及び4Fに示す例のように、封止部材28は、2つの間隔を空けた突起部50、51を有し、突起部50、51はそれぞれ、外向きに延びるフランジ20の基部部分21、23から、蓋14が取り付けられた基部部分21、23まで蓋14から離れる方向に軸線方向で突出する。図4Fに示す例のように、2つの突起部50及び51の間に丸みを帯びた底部を有する平坦部52が配置される。
【0090】
図4A、4B及び4Fに示す例と比較した相違は、図4Gに示す例において、2つの突起部のうちの第1の突起部51が、2つの突起部のうちの第2の突起部50よりも外向きに延びるフランジ20の基部部分23から更に突出していることである。
【0091】
環状要素41の自由接触端30は、カプセルが飲料調製装置の囲み部材6内に位置決めされ、囲み部材6が飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられるときに、2つの突起部のうちの第1の突起部51に最初に接触し、その後、2つの突起部のうちの第2の突起部に接触する。
【0092】
囲い部材が閉じ部材により閉じられたときに、環状要素41の自由接触端30は、内側突起部51と接触する内周面部分71と、外側突起部50と接触する外周面部分70とを有する。半径方向に延びる開放溝40は、外面部分70よりも内面部分71の方が深く、又は、溝は外面部分70に存在しなくてもよい。したがって、小さく比較的剛性の外側突起部50は、自由接触端30の比較的平坦な外面部分70に対してしっかりと正確に押し付けられる。
【0093】
環状要素41の自由接触端30が2つの突起部51のうちの内側の突起部に接触すると、カプセルは囲み部材6に対してセンタリングされる。また、2つの突起部のうちの内側の突起部51が、例えば局所的に非円形性のために、又は比較的小さな直径を有する自由接触領域に概ね起因して、半径方向において外側まで遠すぎるときに、自由接触端は、2つの突起部のうちの内側の突起部71を径方向内側に付勢する。これにより、2つの突起部のうちの外側の突起部は内側に付勢されるので、外側突起部51の変形性は比較的小さいにもかかわらず、2つの突起部のうちの外側の突起部50に確実な強固な封止圧力がかけられるようになる。2つの突起部のうちの外側の突起部50の剛性により、変形に従って大きな接触力がかけられ、比較的高い逆圧は、高い耐圧性を有する特に信頼性の高い封止を提供する。
【0094】
2つの突起部50及び51の間は、閉じ部材によって囲み部材が完全に閉じられたときに、環状要素41の自由接触端30が2つの突起部50及び51の収束面間で最終的に絞られるような距離になっている。
【0095】
平坦部52は、蓋14から軸線方向に離れている。これにより、突起部50、51間の平坦部52は、囲み部材6が閉じたときに、環状要素41の自由端30の移動方向に変位することができ、囲み部材6が閉じられるにつれて、突起50、51を傾斜させ、環状要素41の自由端30に対して内側にロールオフするように付勢する。これは、(軸線方向の閉じ圧力に加えて)かけられる半径方向の封止圧力を増大させるので、満足できる封止を提供するための高い封止圧力が利用可能である。
【0096】
次に、本発明による図示されたカプセル2の弾性支持構造の上記の第1の実施形態を示す図5A~5Bを参照する。示された例において、弾性支持構造は、参照番号29で示される。カプセル2は、図5A図5Bにおいて、上述の丸められた外縁部43のような、丸められた外縁部を有さずに示されていることに留意されたい。これは明確にするためにのみ行われており、当然のことながら、図5A図5Bのカプセル2には、様々な種類のこのような丸められた外縁部を設けることができる。
【0097】
図5A図5Bは、弾性支持構造29が、外側蓋面の支持構造取り付け領域において蓋14の外側蓋面に取り付けられていることを示しており、カプセル本体中心軸線12Aに沿った突起部に見られるような支持構造取り付け領域は、外向きに延びるフランジ20に沿って少なくとも部分的に、カプセルの円周方向において少なくとも部分的に延びる。
【0098】
図5A図5Bは、カプセル2が完全に真っ直ぐな基準面上に弾性支持構造29によって自由に静止するであろうときに、弾性支持構造が、外向きに延びるフランジ20と完全に真っ直ぐな基準面との間に間隔77を提供し、間隔77はカプセルの円周方向の全周にわたって一定であろうことを更に示している。
【0099】
更に、図5A図5Bは、カプセル2が飲料調製装置の囲み部材6内に位置決めされ、囲み部材6が飲料調製装置の閉じ部材8によって閉じられるときに、カプセルの円周方向の部分に沿った弾性支持構造29が、少なくとも半径方向に弾性支持構造29を通過し、カプセル2の蓋14の外側蓋面と飲料調製装置の閉じ部材8との間を延びる飲料漏れ通路31を画定することを示している。ここで、図5Bに示す矢印34は、使用中に飲料漏れ通路31を通って発生する飲料漏れ流れを示している。
【0100】
図5A図5Bから、弾性支持構造29のこの第1の実施形態を含むカプセル2は、より特定の特徴を有することが更に理解され、特定の特徴は、支持構造取り付け領域が、カプセルの円周方向の全周の閉ループ形状に対して、少なくとも1つの中断部を有する形状を有し、蓋14の外側蓋面上のカプセル本体中心軸線12Aに沿った突起部に見られるように、飲料漏れ通路31のうちの少なくとも1つの第1の飲料漏れ通路31が、上記の閉ループ形状に対して、それぞれ上記の少なくとも1つの中断部に対応する。
【0101】
次に、本発明による図示されたカプセル102の弾性支持構造の上記の第2の実施形態を示す図6A~6Bを参照する。示された例において、弾性支持構造は、参照番号129A及び129Bで示される。カプセル102は、図6A図6Bにおいて、上述の丸められた外縁部43のような、丸められた外縁部を有さずに示されていることに留意されたい。これは明確にするためにのみ行われており、当然のことながら、図6A図6Bのカプセル102には、様々な種類のこのような丸められた外縁部を設けることができる。
【0102】
図6A図6Bは、弾性支持構造129A~129Bが、外側蓋面の支持構造取り付け領域において蓋14の外側蓋面に取り付けられていることを示しており、カプセル本体中心軸線12Aに沿った突起部に見られる支持構造取り付け領域は、外向きに延びるフランジ20に沿って少なくとも部分的に、カプセルの円周方向において少なくとも部分的(この場合、実際にはカプセルの円周方向の全周)に延びる。
【0103】
図6A図6Bは、カプセル102が完全に真っ直ぐな基準面上に弾性支持構造129A~129Bによって自由に静止しているときに、弾性支持構造が、外向きに延びるフランジ20と完全に真っ直ぐな基準面との間に間隔177を提供し、間隔177はカプセルの円周方向の全周にわたって一定であろうことを更に示している。
【0104】
更に、図6A図6Bは、カプセル102が飲料調製装置の囲み部材6内に位置決めされ、囲み部材6が飲料調製装置の閉じ部材8によって閉じられるときに、カプセルの円周方向の部分に沿った弾性支持構造129A~129Bが、弾性支持構造129A~129Bを少なくとも半径方向に通過し、カプセル102の蓋14の外側蓋面と飲料調製装置の閉じ部材8との間を延びる飲料漏れ通路131を画定するであろうことを示している。ここで、図6Bに示す矢印134は、使用中に、飲料漏れ通路131を通って発生する飲料漏れ流れを示している。
【0105】
図6A図6Bに示すように、弾性支持構造129A~129Bのこの第2の実施形態を含むカプセル102は、より特定の特徴を有することが更に理解され、特定の特徴とは、飲料漏れ通路131のうちの少なくとも1つの第2の飲料漏れ通路131は、カプセル102が上記の完全に真っ直ぐな基準面上に弾性支持構造によって自由に静止しているときに、弾性支持構造が、カプセル本体中心軸線12Aに沿って測定される局所的に減少した高さを有し、局所的に減少した高さは、外向きに延びるフランジ20と上記の完全に真っ直ぐな基準面との間の上記の間隔177よりも狭くなるように、弾性支持構造129A~129Bによって画定されていることである。
【0106】
ここまでの明細書では、本発明は、本発明の実施形態の具体例を参照して説明されてきた。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の広い趣旨及び範囲から逸脱することなしに、様々な修飾及び変更を行うことができることは明白であろう。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図6A
図6B