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特許6993354プラスチック材料を洗浄し分離する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】プラスチック材料を洗浄し分離する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B29B 17/02 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B29B17/02 ZAB
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2018563846
(86)(22)【出願日】2017-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2017063621
(87)【国際公開番号】W WO2017211768
(87)【国際公開日】2017-12-14
【審査請求日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】UA2016A004127
(32)【優先日】2016-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512261322
【氏名又は名称】プレビエロ エンネ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】プレビエロ,フラビオ
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-189946(JP,A)
【文献】特開2001-300938(JP,A)
【文献】特開2009-285645(JP,A)
【文献】特開2010-142759(JP,A)
【文献】特開2003-126727(JP,A)
【文献】特開平07-075744(JP,A)
【文献】特開2014-223593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 17/00
B09B 1/00-5/00
B03B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック材料(P)からなる細片を洗浄し、汚染物質(C)から分離する方法であって、
a.洗浄容器(2)によって画定される単一の撹拌および洗浄室に、汚染物質(C)を含むプラスチック材料(P)からなる細片、および洗浄液(W)の流入流(Fin)を供給する段階と、
b.ブレード(32)を備え、および前記洗浄液(W)を含む洗浄容器(2)の空間全体に影響を与えるように、前記洗浄容器(2)内に垂直に配置された1つまたはそれ以上の撹拌器(5)を含む撹拌手段を提供すること、および前記洗浄液(W)中で、前記ブレード(32)によってプラスチック材料(P)に直接的な機械的作用と、プラスチック材料(P)ら汚染物質(C)脱離および分離を達成するように、乱流撹拌作用を発生させる段階と、
c.前記洗浄容器(2)の出口ポート(3)を通して、流出によって、前記洗浄液(W)の出口流(Fout)、および前記乱流撹拌作用を受けた一定量のプラスチック材料(P’)を排出する段階と、
d.前記洗浄容器(2)内に前記プラスチック材料(P)を保持し、前記洗浄液(W)の前記出口流(Fout)の進行とは無関係に、前記一定量のプラスチック材料(P’)を制御して前記出口ポート(3)に進めるように、出口ポート(3)の付近および上流に配置された制御搬送および保持手段(4)を駆動させる段階と、
e.前記出口ポート(3)の上流に配置された隔壁手段(6)を設けおよび自由表面(30)に対して深さ(D)まで前記洗浄液(W)中に入り込むように隔壁手段(6)を垂直に調節し、前記隔壁手段が、プラスチック材料からなる細片(P)であり、いったん前記洗浄容器(2)に供給されると、表面上を更に進むことによって、前記洗浄容器(2)の出口域に直接到達する傾向がある細片を前記出口ポート(3)から遠ざけるように配置され、プラスチックからなる細片(P)に前記乱流撹拌作用を受けさせて前記細片から付着している汚染物質(C)を分離し脱離させるように、前記プラスチックからなる細片(P)をガイドする段階
を含む方法。
【請求項2】
前記制御搬送および保持手段(4)が、前記出口ポート(3)付近に、ローラまたはドラム型の回転制御要素(4)を備え、前記段階d)が、前記プラスチック材料(P)の所望程度の純度および汚染除去を達成するのに十分な設定平均滞留時間(TP)、前記プラスチック材料(P)を前記洗浄容器(2)内に滞留させる回転速度(VR)において、前記回転制御要素(4)を回転させることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所望の「復元」度の洗浄液(W)を前記洗浄容器(2)内に加えるように、前記洗浄容器(2)から前記洗浄液(W)が流出入する入口および出口流量(Qin,out)を調節することと、要求平均滞留時間(TP)、および前記プラスチック材料(P)に望ましい程度の純度および汚染除去を確実に達成するように、流入プラスチック材料(P)の量または流量、および前記洗浄液(W)の前記入口および出口流量(Qin,out)に応じて、前記回転速度(VR)を調節することと、が提供される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記洗浄液(W)の変化度の大きな動作により、前記洗浄液(W)の入口および出口流量(Qin,out)が多く、オーバーフロー効果が大きな操作の場合には、前記制御搬送および保持手段(4)が、前記洗浄液(W)の出口流に対してプラスチックの出口流を遅くし、前記出口ポート(3)への流体力学的引き上げ作用を打ち消して、前記プラスチック材料(P)を前記出口ポートへ徐々に放出するように機能する請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
流出の制限および最小の引き上げ流体力学的効果を必然的に伴う、前記洗浄液(W)の入口および出口流量(Qin,out)が減少する場合には、前記制御搬送および保持手段(4)の駆動が、処理されたプラスチック材料(P)の前記出口ポート(3)への進行を促進する引き上げ効果を発揮するように調節される請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
満たそうとする汚染除去純度およびまたは特定の消費量節約必要性の特定の条件に基づいて、前記プラスチック材料(P)の前記滞留時間(TP)および前記洗浄容器(2)内の前記洗浄液(W)の変化度を調節するように、前記洗浄容器(2)内の前記洗浄液(W)の液位を制御することと、前記洗浄容器(2)への前記洗浄液(W)および前記プラスチック材料(P)の流量と、前記制御搬送および保持手段(4)の回転速度(VR)とを相互に関連づけて制御することと、が提供される請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
記乱流撹拌作用を実行して、前記プラスチック材料(P)を激しく摩擦させ、前記プラスチック材料から汚染物質(C)を機械的に脱離させ分離するように垂直に配置された1つまたはそれ以上の撹拌(5)の動作速度(VO)を調節することが提供される請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記プラスチック材料(P)から分離された汚染物質(C)が、前記洗浄液(W)の前記出口流(Fout)によって運ばれ、排出され、考えられる重い汚染物質が、底部(10)に堆積し、弁またはポンプ排出装置(11)によって定期的に除去される請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記プラスチック材料(P)が、プラスチックフィルム、容器、瓶由来の細片を含み、前記プラスチック片(P)の寸法が、ほぼ数mm程度の値からほぼ数十分の1cm程度の値であり、例えば最大寸法が約20~30cmである請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
プラスチック材料からなる細片(P)を洗浄し、汚染物質(C)から分離する装置において、
前記プラスチック材料からなる細片(P)および洗浄液(W)を収容するのに適した単一の撹拌および洗浄室を画定する洗浄容器(2)と、
前記洗浄容器(2)内に前記洗浄液(W)の流入流(Fin)を供給するのに適した第1の供給手段(7)と、
前記洗浄容器(2)内に前記プラスチック材料からなる細片(P)を供給するのに適した第2の供給手段(8)と、
ブレード(32)を備える1つまたはそれ以上の撹拌器(5)を含み、前記1つまたはそれ以上の撹拌器(5)は、前記洗浄容器(2)内に垂直に配置され、洗浄液(W)を含む洗浄容器の空間全体で乱流撹拌作用を発生させて、機械的作用により、前記プラスチック材料からなる細片(P)から汚染物質(C)を分離するのに適している撹拌器(5)と、
処理されたプラスチック材料(P’)、および汚染物質(C)を含む前記洗浄液(W)の出口流(Fout)を流出させることによって排出する出口ポート(3)と、
プラスチック材料(P)の制御搬送および保持手段(4)と、出口ポート(3)の付近および上流に配置され、および制御装置(UC)であり、前記制御搬送および保持手段(4)を駆動させて、前記洗浄容器(2)内に前記プラスチック材料(P)を保持し、前記洗浄液(W)の前記出口流(Fout)の進行とは無関係に、一定量の前記処理されたプラスチック材料(P’)を制御して前記出口ポート(3)に進めるように構成された制御装置と、
隔壁手段(6)であって、前記出口ポート(3)の上流に配置され、前記隔壁手段(6)は、垂直方向に延在し、前記洗浄液(W)の自由表面(30)に対する浸漬長さ(X)を変化させるために高さが調節可能であり、前記隔壁手段(6)は、内側境界表面から徐々に増加する距離で、第1の垂直方向縁領域(20)から、第2の垂直方向縁領域(22)まで延在し、障壁として機能するような形にされ、表面にまたは前記洗浄液(W)の自由表面(30)付近に配置されたプラスチック片(P)を前記1つまたはそれ以上の撹拌器(5)に回す隔壁手段
を備える装置。
【請求項11】
前記制御搬送および保持手段(4)が、前記出口ポート(3)の付近および上流に、可変速モータ手段(19)によって駆動する、連続式、ローラまたはドラム型の回転手段(4)を含む請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記モータ手段が、インバータ式の電動モータ(19)を備え、前記出口ポート(3)が、前記洗浄容器(2)の側壁(13)から横方向外側に突き出る排出チャネル(12)によって、境界が定められ、前記排出チャネル(12)が、前記プラスチック材料(P)および前記洗浄液(W)の供給域(23)とは正反対にある請求項11に記載の装置。
【請求項13】
連続式の前記回転手段(4)が、回転要素(4)であって、前記排出チャネル(12)の2つの側壁(15)の間に、前記チャネルの傾斜壁(16)の上に延びる水平方向回転軸(R)を有した回転要素を含む請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記回転要素(4)が、シャフト(17)と、ブレード(14)であって、前記シャフトから半径方向に突き出て、軸線方向面によって、前記プラスチック材料(P)と相互作用するのに適し、前記シャフト(17)を横断するように補強バッフル(18)が接続されたブレードと、を備え、前記回転要素(4)が、前記傾斜壁(16)に対して高さ方向に配置され、前記ブレード(14)が、前記自由表面(30)よりも下の前記洗浄液(W)をすくい取るかまたは前記洗浄液中に部分的に入り込み、前記プラスチック片(P)を捕らえる請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記制御装置(UC)が、前記プラスチック材料(P)の所望程度の純度および汚染除去を達成するのに十分な設定平均滞留時間(TP)、前記プラスチック材料(P)を前記洗浄容器(2)内に滞留させる回転速度(VR)において、前記制御搬送および保持手段(4)を回転させるように構成される請求項10から14の何れか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記隔壁手段(6)が垂直方向に延び、処理される材料(P)の特徴並びに幾何学的パラメータおよびまたは処理パラメータに応じて、前記洗浄液(W)中において前記自由表面(30)に対する要求深さ(D)まで浸漬長さ(X)を変化させるように高さ方向に調節可能であり、前記隔壁手段(6)が、前記洗浄容器(2)の内側境界面(21)に実質的に接するかまたは非常に接近して配置された、第1の垂直方向縁領域(20)と、前記内側境界面(21)から最大距離(dmax)において配置された、第2の垂直方向縁領域(22)と、を有する請求項10から15の何れか一項に記載の装置。
【請求項17】
第1の垂直方向縁領域(20)が、前記洗浄容器(2)内の前記洗浄液(W)の通常の回転方向(M)に関して、第2の垂直方向縁領域(22)よりも更に上流にあるように配置され、前記隔壁手段(6)が、前記内側境界面(21)から徐々に増加する距離において、前記第1の垂直方向縁領域(20)から前記第2の垂直方向縁領域(22)まで延び、前記洗浄容器(2)の内側に対して凹状の湾曲した形状を有する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記制御装置(UC)が、前記第1の供給手段(7)に動作可能に接続され、前記洗浄液(W)の入口および出口流量(Qin,out)を調節して、所望の「復元」度の洗浄液(W)を前記洗浄容器(2)内に加え、前記制御装置(UC)が、前記洗浄容器(2)内の前記プラスチック材料(P)の要求滞留時間(TP)に確実に達するように、前記洗浄液(W)によって及ぼされるオーバーフロー効果および流体力学的引き上げ作用、前記プラスチック材料(P)に対する前記手段(4)の制動または引き上げ作用に適応するようにプログラムされ、前記制御装置(UC)が、前記第2の供給手段(8)に動作可能に接続され、前記洗浄容器(2)に供給されるプラスチック材料(P)の量または流量を調節する請求項10から17の何れか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記制御装置(UC)が、相互に独立して、前記容器(2)において前記洗浄液(W)の復元度、および前記プラスチック材料(P)の滞留時間(TP)を定めるために、前記第1の供給手段(7)および前記第2の供給手段(8)、並びに前記制御搬送および保持手段(4)を選択的かつ相互に独立して駆動させることができるように構成される請求項10から18の何れか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記洗浄容器(2)内の前記洗浄液(W)の液位を測定するセンサ(25)を備え、前記制御装置(UC)が、前記センサ(25)の信号に基づいて前記第1の供給手段(7)および前記第2の供給手段(8)を制御し、そして前記1つまたはそれ以上の撹拌(5)の動作速度(VO)を制御するように機能する請求項10から19の何れか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記洗浄容器(2)の底部(10)に堆積した、考えられる重い汚染物質を定期的に除去する弁またはポンプ排出装置(11)を更に備える請求項10から20の何れか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、プラスチック材料を洗浄して種々の種類の汚染物質から分離する方法及び装置に関する。家庭ごみ及び/又は産業廃棄物由来のプラスチックは、いったん細片に粉砕されるか又は細片にされると、洗浄及び分離処理に供され、その後、このようなプラスチック材料が再生材料として利用可能になる。具体的には、処理されるプラスチック片は、例えば、プラスチックフィルム、容器、瓶及び他の物体由来であり得る。
【背景技術】
【0002】
先行技術
プラスチック材料を洗浄して汚染物質から分離するのに、今日では、種々の動作原理に従って作動する多数の機器が利用されている。
【0003】
ある機能原理によって作動する第1の種類の装置が存在し、その機能原理は、プラスチック材料を洗浄室内で撹拌して洗浄することに基づき、そして、それに続くデカンテーションであって、貯留槽の高さのかなりの部分に対して深さ方向に上方から下方へ延びる壁又はバッフルにより洗浄室から分離された静止室(quieting chamber)内の汚染物質のデカンテーションに基づくものである。このような種類の装置の例は、米国特許第4196019号明細書に開示されている。この装置は、細長い貯留槽であって、設定水位まで洗浄液を充填し、洗浄液の自由表面の直下において水平方向に延びるブレード撹拌器を収容する貯留槽を備えている。垂直方向バッフルであって、洗浄液中に深さ方向に延び、貯留槽を、前述のブレード撹拌器を覆う洗浄域と、静止域とに分割する垂直方向バッフルが設けられている。洗浄域内にあるプラスチック材料は、撹拌器の作用を受け、その後、下方に進み、バッフルの下縁部よりも下を通過し、そして、上方排出域に移動して、貯留槽から回転スクリーンドラムを介して一定の設定速度おいて排出する必要がある。
【0004】
残念なことに、この装置の前述した構造上の構成によって、洗浄域に供給されたプラスチック片は、すぐに静止域に移動し、撹拌器から逃れて、静止域によって適切に洗浄作用を受けることがない、ということが起こる場合がある。さらに、望ましくないことには、ここで開示されているものとは反対の現象、すなわち、所与のプラスチック材料が、排出される静止域に到達することができずに洗浄域にたまって残存するという現象が起こる場合があり、換言すると、バッフルは、処理された特定種類のプラスチック材料の障害物であって、流体の動的作用によって引き上げることができず、そして、洗浄域内の不確定で制御できない滞留時間により過度に残存する障害物として機能することもある。
【0005】
同様の欠点を有する同様の装置も、米国特許第4073661号明細書に開示されている。
【0006】
イタリア特許第1382426号明細書には、先の機械の改良であり、同様に静止域から分離された洗浄域と、排出域とを備え、材料の種々の浮遊度を活用する別の機械が開示されている。
【0007】
プラスチックを洗浄する別の機械は、ドイツ特許第2804729号明細書により知られている。
【0008】
上に示した種類の装置とともに、本発明に係る装置が帰属する別の種類の装置が存在する。このような種類の装置の既知の例は、イタリア特許第1375337号明細書(出願番号IT2006MI02083)に開示されており、この装置は、洗浄液用の容器であって、円筒形状の周壁と、円錐台状底部と、併せて洗浄室を画定する上部蓋と、を有する容器を備えている。
【0009】
洗浄液及び洗浄されるプラスチック材料の細片の入口開口部と、洗浄段階の終了時における洗浄液及びプラスチック材料の出口開口部と、がある。
【0010】
洗浄容器の内部には、撹拌器であって、プラスチック材料を撹拌作用させて、プラスチック材料から除去される汚染物質を分離するように配置された撹拌器が垂直方向に延びている。
【0011】
第1の種類と第2の種類両方の、上に示したすべての装置に共通する欠点は、これらの装置が、すべての流入プラスチック片に対して、同程度の洗浄作用及び処理均一性を統計的に保証することができず、プラスチック片が入口から出口へ直接通過することが可能となり、これによって、望ましくないことに、プラスチック片が洗浄作用から逃れることである。
【0012】
さらに、既知の装置の別の欠点は、この技術分野の現在の必要性に照らして、その汎用性がもはや十分であるとは考えられないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発明の目的
本発明の目的の一つは、細片にされるプラスチック材料が、容器、瓶又はプラスチックフィルム由来であるか否かにかかわらず、あらゆる種類のプラスチック材料の現在の洗浄及び分離システムを改良することである。
【0014】
別の目的は、処理されるプラスチック材料全体に対して均一な処理、すなわち同じ洗浄度を確保できる洗浄及び分離方法及び装置を提供することである。
【0015】
更なる目的は、処理に関連する消費と得られる材料の質との間の最良の妥協を決定することを可能にし、その状況における特定の必要性に基づいて考えられる多数の動作モードの中から選択を可能にすることである。
【0016】
本発明の更なる目的は、先行技術のより複雑でかつ高価な多くの他のプラントに対して構造上及び機能上単純化され、さらに、顕著な省エネルギーを実現させることも可能な装置により、効果的かつ効率的でそして迅速な洗浄作用を得ることを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
発明の簡単な説明
これらの目的と利点、及び更なる目的と利点は、請求項1に記載の方法、及び請求項10に記載のプラスチック材料を洗浄し分離する装置によって、達成することができる。
【0018】
本発明に係る方法及び装置のこれらの特徴及び更なる特徴は、図面を参照して、次に示す説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る装置の斜視図である。
図2】本発明に係る装置の上面図である。
図3】装置の内部が見える斜視図である。
図4】本発明による装置のユニットの側面図である。
図5図4の線V‐Vによる垂直断面図である。
図6図4の線VI‐VIによる垂直断面図である。
図6A】例として示した動作モードによる動作時の装置の拡大概略図である。
図6B】例として示した動作モードによる動作時の装置の拡大概略図である。
図7】プラスチック材料を洗浄し分離する、本発明に係る方法に関するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の詳細な説明
添付した図を参照すると、プラスチック材料からなる細片Pを洗浄し汚染物質Cから分離する装置1が示されている。
【0021】
処理可能なプラスチック材料Pは、例えば、プラスチックフィルム、容器、瓶及び他の物体に由来する細片を含んでいてもよい、種々の種類のものであり得る。このようなプラスチック材料Pは、特に限定的ではないが、主に、消費後のプラスチック廃棄物の粉砕から生じ、プラスチック廃棄物は、小さなサイズに、すなわち、ほぼ数mm程度の値からほぼ数cm程度の値に及ぶ寸法にされ、最大値を示すと、およそ20~30cmである。
【0022】
プラスチック材料Pは、装置1によって処理される前に、あらかじめ洗浄されていてもよいし、洗浄されていなくてもよい。
【0023】
処理されるプラスチック材料Pは、これに付着し、分離し除去する必要がある、種々の種類の汚染物質Cを有している。この目的により、以下に開示される、本発明に係る装置1及び方法が首尾よく介入する。
【0024】
装置1は、洗浄容器2であって、入口において(考えられる添加剤を含む水などの)洗浄液Wの流入流FIN、及び前述のプラスチック材料からなる細片Pを収容するのに適した洗浄容器を備え、この洗浄容器によって、除去される汚染物質Cが凝集する。
【0025】
具体的には、洗浄容器2は円筒形状であり、側壁13によって横方向に、そして底壁10によって下方に境界が定められている。
【0026】
洗浄容器2の内部には、撹拌手段5が設けられ、これにより、洗浄液W中に乱流撹拌作用が発生し、機械的作用を通じて、プラスチックP片に付着している汚染物質Cが分離する。
【0027】
撹拌手段は、1つ以上の撹拌器5を備え得る。具体的には、ブレード32を備え、シャフト33を有し、電動モータ34によって駆動し、そして容器2内において垂直方向に延びる種類の撹拌器5が設けられている。
【0028】
ブレード32がプラスチック片Pに対して直接及ぼす機械的作用と、回転シャフト38に取り付けられたブレード32によって発生する洗浄液の撹拌及び乱流作用は、プラスチック材料からなる細片Pを揺動させる作用を生じ、この揺動作用は、プラスチック材料からなる細片Pより汚染物質体Cの分離を効果的に促進する。撹拌器5のシャフト33は、容器2の中心長手方向軸線に対して偏心した位置にある。このような特定の位置決めには、撹拌器5の機械的乱流と摩擦効果を高めることが可能な、プラスチック材料からなる汚染細片Pの広範囲の撹拌及び再循環を自由にすることに加えて、洗浄液Wを回転させて引き上げる傾向を連続的に撹乱し停止するという効果、乱流Tを増加させるという効果、そして、プラスチック片Pからの汚染物質Cの機械的分離作用を強めるという効果がある。
【0029】
本発明に係る装置1を用いて実施された一部の実験的試験では、250~450rpmの回転動作速度VOにおいて撹拌器5を駆動させることにより、洗浄及び分離作用において優れた結果が得られた。
【0030】
洗浄容器2内に画定された空間全体(entire volume)は、他の既知のシステムであって、異なる動作原理に従って作動し、適切なバッフル及び垂直方向壁によって撹拌域と静止域とデカンテーション域とに分割された貯留槽を備えた、他の既知のシステムとは異なり、撹拌器3によって発揮される機械的乱流及び撹拌作用による影響を受ける。換言すると、洗浄容器2内では、分離壁又はバッフルのない単一室が画定され、さらに、これによって、装置1全体が構造上単純になる。
【0031】
本装置1の場合、実施しようとする主な作用が、機械的作用によってプラスチック片Pの表面から付着汚染物質Cを分離することと、排出洗浄液Wの流体力学的引き上げ作用を逃れた金属若しくは石又は同種のものといった非常に重い物体のみをデカンテーションによってプラスチック片から分離することであるため、動作原理は、機械的乱流の誘導と、容器の実質的に空間全体における撹拌とに基づいている。
【0032】
処理されたプラスチックP´からの汚染物質、具体的には軽量及び中程度の重量の汚染物質の分離は、装置1の更に下流に位置する考えられる更なる専用処理ユニットに委ねることができる。
【0033】
装置1は、第1の供給手段7であって、洗浄容器2内に洗浄液Wの流入流FINを供給するのに適した、第1の供給手段を備えている。洗浄液Wは、具体的には、考えられる添加剤を含んだ水を含む。
【0034】
装置1は、第2の供給手段8であって、洗浄容器2内にプラスチック材料からなる細片Pを供給するのに適した、第2の供給手段を備えている。
【0035】
第1の供給手段7及び第2の供給手段8は、洗浄容器2の側方の供給域23に配置され、具体的には、プラスチック片Pを供給するホッパ8と、前述の洗浄液Wの流入流FINを供給するように構成された水分配器7と、を備えている。
【0036】
流入流FINは、汚染されたプラスチック片Pを洗浄容器2内に引き込むとともに、洗浄容器2の水槽を連続的に復元させる(refreshing)のに適している。プラスチック材料からなる細片Pは、洗浄水とともに、ホッパに連続的に供給される。
【0037】
上に示した供給域23とは正反対の位置には、処理されたプラスチック材料P´を流出させることによって排出する出口ポート3と、プラスチック片Pから分離された汚染物質Cを運ぶ、洗浄液Wの出口流Foutと、が存在している。
【0038】
出口ポート3は、洗浄容器2の側壁13の横方向外側に突き出る排出チャネル12によって、境界が定められている。
【0039】
前述の供給域23とは正反対にある排出チャネル12は、2つの側壁15によって横方向に、そして、傾斜するように上方へ延び、容器2の側壁13から始まる第1の高さから第2の高さまで突き出た傾斜壁16によって下方に、境界が定められている。
【0040】
洗浄容器2内には、排出チャネル12が直接到達する、単一の撹拌及び洗浄室が画定されている。既に上述したように、容器2の空間が、静止域と撹拌及び乱流域とに分割されることはない。
【0041】
装置1は、プラスチック材料Pの制御搬送及び保持手段4と、制御装置UCであって、制御搬送及び保持手段4を駆動させて、洗浄容器2内にプラスチック材料Pを保持し、そして、洗浄液Wの出口流Foutの進行とは無関係に、一定量の処理されたプラスチック材料P´を制御して出口ポート3に進めるように構成された制御装置と、を備えている。
【0042】
制御搬送及び保持手段4は、連続式、ローラ又はドラム型の回転手段4、又は同等の搬送手段若しくは引き上げ手段を含む。
【0043】
連続式の回転手段4は、可変速モータ手段19によって駆動する。具体的には、制御搬送及び保持手段4は、インバータ式の電動モータ19によって駆動する。
【0044】
連続式の回転手段4、例えば、ローラ要素4又はドラム要素4は、出口ポート3の近くに及び上流に配置されている。
【0045】
ローラ又はドラム回転要素4は、水平方向回転軸R上にあり、排出チャネル12の2つの側壁15の間に、そして、チャネルの前述した傾斜壁16の上に延びている。
【0046】
回転要素4は、シャフト17と、シャフトから半径方向に突き出て、そして、軸線方向面によって、プラスチック材料Pと相互作用するのに適したブレード14と、を備えている。
【0047】
ブレード14には、シャフト17を横断する補強バッフル18が接続されている。
【0048】
回転要素4は、傾斜壁16に対して高さ方向に配置され、ブレード14は、自由表面30よりも下の洗浄液Wをすくい取るか又は洗浄液中に部分的に入り込み、プラスチック片Pを捕らえる。
【0049】
制御装置UCは、プラスチック材料Pの所望程度の純度及び汚染除去を達成するのに十分な設定平均滞留時間TP、プラスチック材料Pを洗浄容器2内に滞留させる回転速度VRにおいて、ローラ要素4を回転させるように構成されている。
【0050】
ローラ要素4の回転速度VRは、処理される材料Pの特性と、洗浄容器2の設定滞留時間TPが相当する、得られることが望ましい程度の純度及び汚染除去とに基づいて、適切に選択される。非限定的な例にすぎないが、回転速度VRは、10~30rpmの値を採用してもよい。
【0051】
制御装置UCは、第1の供給手段7に動作可能に接続され、洗浄液Wの入口及び出口流量QIN,OUTを調節して、所望の「復元」度の洗浄液Wを洗浄容器2内に加える。
【0052】
制御装置UCは、状況に応じて、洗浄液Wによって及ぼされるオーバーフロー効果及び流体力学的引き上げ作用、制動又は引き上げ作用に適応するようにプログラムされており、ローラ要素4は、プラスチック片Pに対して、洗浄容器2内のプラスチック材料Pの要求滞留時間TPに確実に達することを実行する必要がある。制御装置UCは、第2の供給手段8に動作可能に接続され、前述の洗浄容器2に供給されるプラスチック材料Pの量又は流量を調節する。
【0053】
例として、流体及び処理されるプラスチック材料Pの流量を近似表示するために、(所望の復元度による)洗浄液Wの流量は、30から50m3/時間の間において変化させることが可能な値、及び、清浄化されるプラスチック材料Pでは、400から600Kg/時間の間において変化させることが可能な値として示すことができる。
【0054】
制御装置UCは、相互に独立して、洗浄液Wの適切な復元度を設定し、容器2内のプラスチック材料Pの滞留時間TPに確実に達するために、第1の供給手段7及び第2の供給手段8、並びにローラ要素4を選択的かつ相互に独立して駆動させることができるように構成されている。
【0055】
洗浄容器2内の洗浄液Wの液位を測定するように、センサ25が設けられている。制御装置UCは、前述のセンサ25の信号に基づいて第1の供給手段7及び第2の供給手段8(水及びプラスチック材料P)を制御し、そして撹拌器5の動作速度VOを制御するように機能する。
【0056】
さらに、装置1は、隔壁手段6であって、出口ポート3の上流に配置され、障壁として機能するように成形され、表面に又は洗浄液Wの自由表面30に対して浅い深さに配置されたプラスチック片Pを撹拌器5に回しガイドする隔壁手段を備えている。
【0057】
具体的には、隔壁6は、垂直方向に延び、処理される材料Pの特徴並びに幾何学的パラメータ及び/又は処理パラメータに応じて、洗浄液W中において自由表面30に対する要求深さDまでその浸漬長さXを変化させるように高さ方向に調節可能に設けられている。隔壁6の浸漬深さDの値は、種々のパラメータに応じて可変であるが、ほぼ数cm程度の値を超えず、例えば5cmを超えない。図6A及び6Bは、例として、図6Aには、深さD´及び浸漬長さX´が大きな隔壁6、そして、図6Bには、深さD´´及び浸漬長さX´´が小さな隔壁6の、2つの異なる浸漬度を示している。
【0058】
図5を参照すると、隔壁6は、洗浄容器2の内側境界面21に実質的に接するか又は非常に接近して配置された、第1の垂直方向縁領域20と、前述の内側境界面21から最大距離dmaxにおいて配置された、第2の垂直方向縁領域22と、を有している。
【0059】
第1の縁領域20は、容器2内の洗浄液Wの通常の(prevalent)回転方向Mに関して、第2の縁領域22に対し更に上流にあるように配置されている。隔壁6は、内側面21から徐々に増加する距離において、第1の縁領域20から第2の縁領域22まで延びている。具体的には、隔壁6の形状は、洗浄容器2の内側の方に湾曲した凹状であり、容器2の壁に対して可変である空洞又は間隙Gを画定している。このような幾何形状及び位置を有する隔壁6は、投入されたばかりの材料Pが表面の優先経路をたどり、容器2の出口3にすぐに到達するのを防ぐ機能を有する。具体的には、隔壁6は、プラスチック材料からなる細片Pであって、容器2中に投入されるとすぐに、浮揚した状態で洗浄容器2の出口域に直接到達する傾向があり、撹拌器5の作用を逃れる細片を出口ポート3から遠ざけて迂回させる機能を有する。このため、隔壁6は、プラスチック材料からなる細片Pを撹拌器5にガイドし、プラスチック材料からなる細片Pに乱流撹拌作用を受けさせ、その結果、プラスチック材料からなる細片Pに付着している汚染物質Cが脱離し、分離する。
【0060】
このように、隔壁6は、ブレーキ及び迂回障壁として機能し、それ自体により材料Pの集合を形成し、この集合は、撹拌器5が誘導する渦運動によって徐々に引き込まれ、そして、機械的に撹拌され、これによって、汚染物質Cが脱離し、分離する。
【0061】
したがって、隔壁6は、ローラ要素4のものと相乗的に組み合わせることによって、洗浄容器2に入るプラスチック材料Pすべてを効果的に処理することができる、という作用を発揮する。
【0062】
装置は、更に、洗浄容器2の底部10に堆積した、考えられる重い汚染物質(前述の金属体、石など)を定期的に除去する弁又はポンプ排出装置11を備えている。
【0063】
ここで、開示されている装置1の操作、及び本発明に係る操作方法について簡単に示す。
【0064】
図7のブロック図により、本発明に係る洗浄及び分離方法が示されており、この方法は、ここで開示されている装置1によって実施される。
【0065】
プラスチック材料Pを処理する前に、所望の「復元」度に応じて、流出入洗浄液Wの流量値Qが設定され、撹拌器の動作速度VOが設定され、また、ローラ要素4の回転速度VRは、プラスチック材料Pについて得られることが望ましい、設定純度の対応滞留時間TPが割り当てられるように決定される(図7のブロックB1)。
【0066】
除去される汚染物質Cを含むプラスチック材料Pからなる細片は、洗浄液Wとともに洗浄容器2中に投入される(方法のブロックB2、段階a))。
【0067】
洗浄容器2内では、撹拌段階b)(ブロックB3)が行われ、プラスチック片P及び汚染物質Cが、強力な乱流及び撹拌作用を受け、汚染物質Cの分離が促進される。次いで、容器2内において、プラスチック片Pの表面から、汚染物質Cが機械的に分離される。
【0068】
洗浄時に、重力によって、非常に重い汚染物質体(石、金属など)が容器2の底部に沈み、この底部から、対応する弁システム11を駆動させることによって、汚染物質体を定期的に排出することができる(ブロックB4)。
【0069】
ブロックB5及びB6は、制御保持及び搬送段階d)(ブロックB5)、並びに流出段階c)による排出(ブロックB6)を表している。
【0070】
洗浄液Wは、プラスチック材料Pから分離された汚染物質Cを洗浄液自体とともに運び、既に処理されたプラスチック材料P´の流出に関係なく、出口ポート3を通って流出により排出され(段階c))、その排出は、他方では、ローラ要素4によって制御される(段階d))。
【0071】
段階d)時に、制御装置UCは、プラスチック材料Pの所望程度の純度及び汚染除去を達成するのに十分な平均滞留時間TP、プラスチック材料Pを洗浄容器2内に滞留させる回転速度VRにおいて、ローラ要素4の回転を制御する。
【0072】
このように、ローラ要素4は、プラスチック片Pの放出を制御する障壁として機能する。
【0073】
滞留時間TPは、数秒から数分(例えば、3~4分)の範囲にわたっていてもよく、滞留時間は、高純度を達成することが不要であると考えられる場合には短縮され、処理消費を節約し、莫大な量のプラスチック材料を限られた時間内に処理することが望ましい。
【0074】
一方、非常に清浄化され、そして商業的価値が更に高い、質的に更に優れた排出プラスチック材料Pを得ることが望ましい場合には、滞留時間は、洗浄液Wの高い「復元」度と組み合わせることが可能であり、更に長くなる。
【0075】
制御装置UCとローラ要素4とを備えた装置1の特定の構造上及び機能上の構成により、無数の異なる動作モードの中から、特定の必要性ごとに最も適した動作モードを選択して、質と消費との間の最良の妥協を決定することが可能である。
【0076】
上に示したように、洗浄液Wの変化度の高い操作、例えば、洗浄液Wの入口及び出口流量Qin,outが多く、オーバーフロー効果が大きな操作の場合には、ローラ要素4は、出口ポート3への流体力学的引き上げ作用を打ち消すことによって、洗浄液Wの出口流Foutを出るプラスチック材料の流れを遅くするように機能する。プラスチック材料からなる細片P´は、出口ポートへ徐々に放出される。隔壁6とローラ要素4両方によってもたらされる集合化と保持は、材料Pを、撹拌器5によって行われる機械的撹拌作用から逃さないようにする。
【0077】
流出の制限及び最小の引き上げ流体力学的効果によって、水の入口及び出口流量Qin,outを減少させて作動するように選択される場合、ローラ要素4の駆動は、処理されたプラスチック材料Pの出口ポート3への進行を促進する引き上げ作用を実行するように制御される。図6A及び6Bは、例として、得られた質の高い材料P及び質の低い材料Pそれぞれに対応するが、洗浄液(W)の消費量の減少及びより迅速な処理時間に対応する、2つの異なる動作条件を示している。前者の条件では、水の流量F´が多く、ローラ要素4の回転速度VRが遅い。
【0078】
一方、図6Bの後者の場合、流体の消費量が少なく(制限された流量F´´out)、そして、ローラ要素4の回転速度VRが速い。
【0079】
当然のことながら、種々の動作パラメータは、特定の必要性に応じて、異なるように組み合わせることができる。
【0080】
図面に開示され示されていることから、本発明に係る洗浄及び分離方法及び装置1が、設定された目的を首尾よく達成することは明らかである。
【0081】
上に示した方法及び装置によって、既知の撹拌システムと比べて短縮された処理時間により、高純度の回収プラスチック材料を得ることができるか、又は、得られる製品の質を過度に不利にすることなく、水の消費量を大幅に節約することができ、このようなことはすべて、速度が制御されたローラ要素4、及びローラ要素4の作用と相乗する、考えられる隔壁6の存在によって、洗浄容器2に供給されるすべてのプラスチック材料Pの均一な洗浄処理が確保されることによるものである。
【0082】
装置及び方法の洗浄作用の有効性の増加によって、先行技術のシステムに関して得られる同程度の純度の材料に必要な水、添加剤及び電気エネルギーの消費量を節約することが可能である。
【0083】
このため、機能上かつ構造上単純化されたものと同程度に有効な技術的解決策によって、顕著な経済的利点が得られる。
【0084】
本方法及び/又は装置1の改変及び変形は、特許請求の範囲から外れることなく行うことができる。
【0085】
具体的には、装置1の1つ以上の部品を構成する幾何学的構造、寸法、位置及び材料は、特定の必要性及び処理される材料に基づいて、適切に選択し及び/又は最適化することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6A
図6B
図7