(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】貼付材付着体および貼付材の貼り付け方法
(51)【国際特許分類】
B32B 7/06 20190101AFI20220105BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20220105BHJP
【FI】
B32B7/06
C09J7/38
(21)【出願番号】P 2019100685
(22)【出願日】2019-05-29
【審査請求日】2020-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】前谷 枝保
【審査官】小石 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-256407(JP,A)
【文献】特開2006-240302(JP,A)
【文献】特開2005-283738(JP,A)
【文献】特開2003-168170(JP,A)
【文献】特開2009-090991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C09J 7/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の一部に付着した付着材を有する被着体と、
前記付着材を覆うとともに、前記付着材
を前記被着体に付着させたまま再剥離可能に
、前記付着材に貼付されたマスキング貼付材と、
前記マスキング貼付材を覆うとともに、前記マスキング貼付材からはみ出して前記一部と異なる他の前記表面に貼付された外装貼付材と、を有し、
前記マスキング貼付材、および前記外装貼付材のうちの少なくとも一方が、前記付着材を隠蔽可能である、貼付材付着体。
【請求項2】
前記マスキング貼付材は、前記外装貼付材の剥離とともに剥離可能である、請求項1に記載の貼付材付着体。
【請求項3】
前記マスキング貼付材、および前記外装貼付材の両方が、前記付着材を隠蔽可能である、請求項1または請求項2に記載の貼付材付着体。
【請求項4】
被着体の表面の一部に付着した付着材に対し
、当該付着材を前記被着体に付着させたまま再剥離可能なマスキング貼付材、および前記マスキング貼付材を覆うことのできる外装貼付材を準備し、
前記マスキング貼付材によって前記付着材を覆うとともに、前記マスキング貼付材を前記付着材に貼付し、その後、
前記外装貼付材によって前記マスキング貼付材を覆うとともに、前記マスキング貼付材からはみ出した前記外装貼付材を、前記一部と異なる他の前記表面に貼付し、
前記マスキング貼付材、および前記外装貼付材のうちの少なくとも一方によって、前記付着材を隠蔽する、貼付材の貼り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼付材付着体および貼付材の貼り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告宣伝等のため、車両等に、色や文字・画像等が施されたラッピングフィルムを貼付することが行われている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、例えば、イベント等の開催される期間には、その広告宣伝等のため、既存のマーキングフィルムを隠しつつ、その上にラッピングフィルムやマーキングフィルムが貼付されることがあり、イベント等の終了後、それらは剥がして取り除かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、ラッピングフィルムやマーキングフィルム等の貼付材は、既存のマーキングフィルムに貼付されることがあるが、貼付対象範囲内にマーキングフィルム等がある箇所とそれ以外の箇所とが含まれていると、両者で表面状態が異なることから、それぞれで好適な貼付性および剥離性が発揮されることが好ましい。
【0006】
そこで、本発明は、貼付対象範囲内の異なる表面に応じて、好適な貼付性および剥離性を発揮させることができる、貼付材付着体および貼付材の貼り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の貼付材付着体は、表面の一部に付着した付着材を有する被着体と、前記付着材を覆うとともに、前記付着材に対して再剥離可能に貼付されたマスキング貼付材と、前記マスキング貼付材を覆うとともに、前記マスキング貼付材からはみ出して前記一部と異なる他の前記表面に貼付された外装貼付材と、を有し、前記マスキング貼付材、および前記外装貼付材のうちの少なくとも一方が、前記付着材を隠蔽可能である。
【0008】
上記目的を達成するための本発明の貼付材の貼り付け方法は、被着体の表面の一部に付着した付着材に対して再剥離可能なマスキング貼付材、および前記マスキング貼付材を覆うことのできる外装貼付材を準備し、前記マスキング貼付材によって前記付着材を覆うとともに、前記マスキング貼付材を前記付着材に貼付し、その後、前記外装貼付材によって前記マスキング貼付材を覆うとともに、前記マスキング貼付材からはみ出した前記外装貼付材を、前記一部と異なる他の前記表面に貼付し、前記マスキング貼付材、および前記外装貼付材のうちの少なくとも一方によって、前記付着材を隠蔽する。
【発明の効果】
【0009】
上記構成を有する発明では、貼付対象範囲内に付着材のある箇所とそれ以外の箇所とが含まれていても、複数の貼付材によって、それら異なる表面に対する貼付性および剥離性を補い合えるため、貼付対象範囲内の異なる表面に応じて、好適な貼付性および剥離性を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】被着体に貼り付け前の実施形態のマスキング貼付材および外装貼付材を示す図である。
【
図3】マスキング貼付材の貼り付けを示す図である。
【
図5】不要になったマスキング貼付材および外装貼付材の剥離を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。
【0012】
図1に示すように、実施形態の貼付材付着体100は、被着体110、マスキング貼付材120、および外装貼付材130を有する。
【0013】
被着体110は、例えば、バス、タクシー、トラック等の自動車、電車、汽車等であるが、これら車両に限定されず、例えば、航空機、船舶、建築物、広告、看板、交通標識、包装材料等であってもよい。被着体110は、表面の一部に付着したマーキングフィルム111(付着材)を有する。
【0014】
本実施形態では、被着体110に付着した付着材としてマーキングフィルム111を例に挙げているが、付着材は、それとは異なるフィルムまたはシートであってもよいし、あるいは、例えば硬化した塗料からなる塗膜であってもよい。
【0015】
マーキングフィルム111は、例えば広告宣伝や案内または加飾等のため、被着体110に元々貼付されており、例えば色や文字・画像等によって構成された情報表示や装飾を含む。また、マーキングフィルム111の形状は、特に限定されず、例えば、円や長方形等の単純な幾何学形状であってもよいし、切り文字のように文字の形状であってもよいし、マスコットキャラクターやアニメのキャラクター等をかたどった形状であってもよい。
【0016】
マーキングフィルム111は、例えば、基材層および粘着剤層が積層された構成を有し、基材層が塩化ビニル系樹脂によって形成されている。このようなマーキングフィルム111が、例えば、バス、タクシー、トラック等の自動車の車体表面に付けられている場合、被着体110である自動車の表面は、マーキングフィルム111のある箇所が、塩化ビニル系樹脂であり、それ以外の箇所が、例えば、車体を形成している金属あるいはそこに施されている塗装であり、マーキングフィルム111のある箇所とそれ以外の箇所とで、表面が異なる。
【0017】
ここで、マーキングフィルム111の基材層を形成する塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル;エチレン-塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル-塩化ビニル共重合体、塩化ビニル-ハロゲン化オレフィン共重合体等の塩化ビニルを主体とする共重合体;ポリ塩化ビニルまたは塩化ビニル共重合体を主体とする共重合体と、その他の樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコールなど)とのブレンド物などが挙げられる。
【0018】
マスキング貼付材120および外装貼付材130は、例えば、所定の期間に開催されるイベントやキャンペーン等の期間中に、それらに関する情報を、マーキングフィルム111を隠しつつ表示するのに用いられるが、これに限定されず、例えば、被着体110の装飾を一時的に変更するのに用いられてもよい。
【0019】
マスキング貼付材120は、フィルムまたはシートであり、基材層121および粘着剤層122が積層された構成を有する。マスキング貼付材120は、マーキングフィルム111に対し、粘着剤層122を介して貼付されており、また、再剥離可能である(マーキングフィルム111を破損させることなく被着体110に残しつつ、マスキング貼付材120を剥がして元の状態にすることができる)。
【0020】
マスキング貼付材120は、図示した例では、マーキングフィルム111よりも大きいが、マーキングフィルム111全体を覆うことができれば、マスキング貼付材120の大きさや形状は、特に限定されず、マスキング貼付材120は、マーキングフィルム111と同じ大きさであってもよい。
【0021】
マスキング貼付材120は、無色透明であっても、色を有していてもよい。後者の場合において、マスキング貼付材120がどのような色を有するかは、特に限定されない。マスキング貼付材120は、基材層121および粘着剤層122のうちの少なくとも一方に、例えば、アルミニウム等の金属小片、カーボンブラックや酸化チタン等の顔料を含ませることによって、色を付けることができる。
【0022】
基材層121は、どのような材料によって形成されるか特に限定されず、例えば、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム成分を含有するアクリルポリオール系樹脂とポリイソシアナート化合物との反応により得られるアクリルウレタン系樹脂等によって形成されてもよく、さらに、例えばポリプロピレン系合成紙等の合成紙によって形成されてもよい。
【0023】
また、基材層121は、必要に応じて、可塑剤、安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、加工助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難撚剤等を適宜に含有してもよい。
【0024】
粘着剤層122は、被着体110の表面に対し、マーキングフィルム111がある箇所とマーキングフィルム111がない箇所とのいずれにおいても粘着力を発揮し、特に前者に対しては良好な粘着力を発揮して貼付性に優れる。また剥離性も良好であり、粘着剤層122は、好ましくは、糊残りを生じさることなく全てマーキングフィルム111から剥がすことができる。
【0025】
前段で述べた性質を有するよう調整されるのであれば、粘着剤層122の形成材料は、特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、スチレン系熱可塑性エラストマー、ビニルエーテル共重合体、天然ゴム等であってもよい。
【0026】
外装貼付材130は、フィルムまたはシートであり、マスキング貼付材120を覆うとともに、マスキング貼付材120からはみ出して、被着体110の表面(マーキングフィルム111がない表面)に貼付されている。図示した例では、被着体110の表面は平らであるが、曲面であってもよい。
【0027】
外装貼付材130は、マスキング貼付材120を覆って被着体110の表面に貼付できれば、どのような大きさを有するかは特に限定されず、図示した例のように被着体110の表面の一部を覆う形態に限定されず、被着体110の表面全体を覆ってもよい。また、外装貼付材130がどのような形状を有するかも特に限定されず、例えば、円や長方形等の単純な幾何学形状であってもよいし、それ以外の他の形状であってもよい。
【0028】
外装貼付材130は、基材層131および粘着剤層132が積層された構成を有する。基材層131および粘着剤層132のうちの少なくとも一方には、色が付されており、有色の外装貼付材130は、マーキングフィルム111を視認できないように隠蔽する。基材層131および粘着剤層132のうちの少なくとも一方には、例えば、アルミニウム等の金属小片、カーボンブラックや酸化チタン等の顔料を含ませることによって、色を付けることができる。例えば基材層131だけに色を付けてもよいが、基材層131に加えて粘着剤層132にも色を付けることによって、より隠蔽性を高められる。
【0029】
基材層131は、例えば色や文字・画像等によって構成された情報表示や装飾を含んでいる。これらの情報表示や装飾は、特に限定されないが、基材層131に記される情報表示は、例えば、所定の期間に開催されるイベントやキャンペーン等の広告宣伝や案内等に関する。また、基材層131に記される情報表示は、例えば、文字や数字だけから構成されてもよいが、これに限定されず、例えば、文字や数字からなる情報表示に、図柄や模様等の装飾が組み合わされてもよい。
【0030】
基材層131に対し、どのようにして情報表示を記したり、装飾を施したりするかは特に限定されず、それらの実現方法として、例えば、印刷によって基材層131の面に印刷層を形成してもよいし、基材層131自体に色を付けてもよい。印刷方式としては、オンデマンド印刷が可能なこと、および大判印刷が可能なことから、インクジェット印刷が好ましい。
【0031】
基材層131は、どのような材料によって形成されるか特に限定されず、例えば、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム成分を含有するアクリルポリオール系樹脂とポリイソシアナート化合物との反応により得られるアクリルウレタン系樹脂等によって形成されてもよく、さらに、例えば、ポリエステル系合成紙、ポリプロピレン系合成紙等の合成紙によって形成されてもよい。
【0032】
また、基材層131は、必要に応じて、可塑剤、安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、加工助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難撚剤等を適宜に含有してもよい。
【0033】
粘着剤層132は、被着体110の表面に対し、外装貼付材130を保持する粘着力を有しており、特に、被着体110の表面のうちマーキングフィルム111がない箇所に対しては、マスキング貼付材120の粘着剤層122よりも、さらに大きな粘着力を発揮し貼付性に優れる。また、粘着剤層132は、被着体110の表面のうちマーキングフィルム111がない箇所に対し、好ましくは、良好な剥離性を有する。
【0034】
前段で述べた性質を有するよう調整されるのであれば、粘着剤層132の形成材料は、特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、スチレン系熱可塑性エラストマー、ビニルエーテル共重合体、天然ゴム等であってもよい。
【0035】
次に実施形態の貼付材の貼り付け方法について述べる。
【0036】
図2に示すように、実施形態の貼付材の貼り付け方法では、別々のマスキング貼付材120と外装貼付材130とが準備され、これらが被着体110に対し、順次貼付されていく。
【0037】
マスキング貼付材120は、使用前、粘着剤層122に積層された剥離ライナー123を有しており、これを剥がして使用される。剥離ライナー123は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム;上質紙、グラシン紙、クラフト紙などの紙によって形成されるが、どのような材料によって形成されるかは特に限定されない。剥離ライナー123のうち、粘着剤層122と接する面には、例えばシリコーンからなる剥離剤層が形成されていてもよい。
【0038】
マスキング貼付材120は、剥離ライナー123を剥がすことによって露出する粘着剤層122を介して、マーキングフィルム111に貼付される。
【0039】
図3に示すように、マスキング貼付材120がマーキングフィルム111に対しこれを覆うように貼付された後、外装貼付材130が使用される。
【0040】
外装貼付材130は、使用前、粘着剤層132に積層された剥離ライナー133を有しており、これを剥がして使用される。剥離ライナー133は、剥離ライナー123と同様の構成を有する。
【0041】
外装貼付材130は、剥離ライナー133を剥がすことによって露出する粘着剤層132を介して、マスキング貼付材120に貼付される。
【0042】
図4に示すように、外装貼付材130は、マスキング貼付材120に対しこれを覆うように貼付される。また、外装貼付材130のうち、マスキング貼付材120からはみ出した部分は、被着体110の表面(マーキングフィルム111がない表面)に貼付される。
【0043】
以上のような貼付材の貼り付け方法によって、貼付材付着体100ができる。貼付材付着体100は、例えばイベント等の開催に合わせて所定の期間使用され、その後、不要になったマスキング貼付材120および外装貼付材130を剥がして元の状態に戻される。
【0044】
図5に示すように、本実施形態では、外装貼付材130の剥離とともに、マスキング貼付材120も剥がされる。
【0045】
それらは、外装貼付材130、マスキング貼付材120の順で、1枚ずつ剥がされてもよいが、本実施形態では、外装貼付材130を剥がすと、それと一緒にマスキング貼付材120も剥がれる。
【0046】
次に本実施形態の作用効果を述べる。
【0047】
本実施形態において、被着体110は、
図2で示したように、表面の一部にマーキングフィルム111を有しており、マーキングフィルム111のある表面(表面の一部)と、マーキングフィルム111のない表面(前記一部と異なる他の表面)とで、表面の状態が異なる。
【0048】
それら異なる表面のそれぞれに対し、一種類の貼付材だけでも、良好な貼付性および剥離性を発揮させることは可能であるが、本実施形態では、マスキング貼付材120および外装貼付材130の二種類の貼付材が用いられ、異なる表面に対する貼付性および剥離性を補い合える。このため、貼付対象範囲内の異なる表面に応じて、より好適な貼付性および剥離性を発揮できる。
【0049】
本実施形態では、
図5で示したように、マスキング貼付材120は、外装貼付材130の剥離とともに剥離可能であり、これによって、不要になったマスキング貼付材120と外装貼付材130とは、一度に剥がされ、それらを一枚ずつ剥がす手間が省けるため、作業負担を軽減できる。
【0050】
マスキング貼付材120および外装貼付材130は、少なくとも一方が色を有してマーキングフィルム111を隠蔽可能であればよいが、それら両方が色を有してマーキングフィルム111を隠蔽可能であるようにすれば、マーキングフィルム111がより透け難くなるため、マーキングフィルム111の隠蔽性を高めることができる。
【0051】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変できる。
【0052】
例えば、マスキング貼付材および外装貼付材の構成として、上記実施形態では、基材層、粘着剤層、および剥離ライナーがこの順序で積層されてなる積層構造が開示されているが、それら以外の層が積層された構成も本発明の範囲に含まれる。
【0053】
また、上記実施形態では、外装貼付材130が色を有してマーキングフィルム111を隠蔽可能であるが、マスキング貼付材120および外装貼付材130は、それらのうちの少なくとも一方がマーキングフィルム111を隠蔽可能であればよく、外装貼付材130が無色透明である形態も、本発明の範囲に含まれる。この場合、マスキング貼付材120が色を有してマーキングフィルム111を隠蔽可能であり、また、基材層121に、例えば色や文字・画像等によって構成された情報表示や装飾を含む。マスキング貼付材120が有色の形態では、例えば基材層121だけに色が付けられていてもよいが、基材層121に加えて粘着剤層122にも色が付けられることによって、より隠蔽性を高められる。
【符号の説明】
【0054】
100 貼付材付着体、
110 被着体、
111 マーキングフィルム(付着材)、
120 マスキング貼付材、
121 基材層、
122 粘着剤層、
123 剥離ライナー、
130 外装貼付材、
131 基材層、
132 粘着剤層、
133 剥離ライナー。