(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】無線通信ノードのスキャニングおよびアソシエーション
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20220105BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20220105BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220105BHJP
H04W 36/08 20090101ALI20220105BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W48/18
H04W84/12
H04W36/08
(21)【出願番号】P 2020516523
(86)(22)【出願日】2017-09-22
(86)【国際出願番号】 CN2017102955
(87)【国際公開番号】W WO2019056307
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2020-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,ナン
(72)【発明者】
【氏名】ルブ,カイイン
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-042939(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0374019(US,A1)
【文献】国際公開第2016/160306(WO,A1)
【文献】Liwen Chu,WUR MAC Consideration,IEEE 802.11-16/1460r0,米国,IEEE mentor,2016年11月08日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信のための方法であって、
受信者通信ノードによって、第1ソース通信ノードに関連付けられた第1チャネルを介して、複数の
ウェイクアップパラメータセットを含む少なくとも1つの第1メッセージを受信するステップであって、
各前記
ウェイクアップパラメータセットは、前記受信者通信ノードと通信するように構成された複数のソース通信ノードのうち1つと対応付けられており、
各前記
ウェイクアップパラメータセットは、前記複数のソース通信ノードのうち1つと対応付けられた
ウェイクアップチャネルを識別す
るパラメータを含み、
前記複数のソース通信ノードは、前記第1ソース通信ノードまたは第2ソース通信ノードを含む、
ステップ、
1以上のウェイクアップチャネル上でスキャンを実施するステップであって、前記受信者通信ノードが前記1以上のウェイクアップチャネル上に留まる持続時間は、前記第1ソース通信ノードによって決定される、ステップ、
前記第1チャネルを介して受信された前記少なくとも1つの第1メッセージに基づいて、
前記スキャンに基づいてかつ少なくとも第2チャネルを介して
、前記第2ソース通信ノードとの通信を開始するステップであって、
前記第2チャネルは、前記少なくとも1つの第1メッセージのなかの
前記第2ソース通信ノードについての
ウェイクアップパラメータセットにおいて通知される、
ステップ、
を有する方法。
【請求項2】
前記方法はさらに、前記第2チャネルを介して、前記第2ソース通信ノードから送信された少なくとも1つの第2メッセージを受信するステップを含み、
前記少なくとも1つの第2メッセージは、前記第2ソース通信ノードを識別する少なくとも1つの識別子を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
無線通信のための方法であって、
第1ソース通信ノードによって、第1チャネルを介して、複数の
ウェイクアップパラメータセットを含む少なくとも1つのメッセージを送信するステップであって、
各前記
ウェイクアップパラメータセットは、受信者通信ノードと通信するように構成された複数のソース通信ノードのうち1つと対応付けられており、
各前記
ウェイクアップパラメータセットは、前記複数のソース通信ノードのうち1つと対応付けられた
ウェイクアップチャネルを識別するパラメータ
を含み、
前記複数のソース通信ノードは、前記第1ソース通信ノードまたは第2ソース通信ノードを含み、
第2チャネルは、前記少なくとも1つ
のメッセージのなかの
前記第2ソース通信ノードについての
ウェイクアップパラメータセットにおいて通知され
、
前記第1ソース通信ノードは、前記受信者通信ノードが1以上のウェイクアップチャネル上に留まる持続時間を決定する、
ステップ、
を有する方法。
【請求項4】
前記第1チャネルは、前記第1ソース通信ノードに対応付けられたプライマリチャネルに対応する、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
各前記
ウェイクアップパラメータセットにおいて、
別のパラメータは、前記複数のソース通信ノードのうち1つのベーシックサービスセットID(BSSID)を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1メッセージは、前記受信者通信ノードが受信したビーコンフレームまたはプローブ応答フレームのなかに含まれている、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記第1チャネルは、前記第1ソース通信ノードに対応付けられたプライマリチャネルに対応する、
請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの識別子は、圧縮したサービスセットID(SSID)を含む、
請求項2記載の方法。
【請求項9】
各前記
ウェイクアップパラメータセットにおいて、
別のパラメータは、前記複数のソース通信ノードのうち1つのベーシックサービスセットID(BSSID)を含む、
請求項3記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つ
のメッセージは、前記第1ソース通信ノードが送信したビーコンフレームまたはプローブ応答フレームのなかに含まれている、
請求項3記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項記載の方法を実行するように構成されたプロセッサを有するコンピューティングデバイス。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項記載の方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、無線通信のためのシステム、デバイス、および技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)のような無線通信ネットワークは、種々の無線通信ノード間の無線通信を容易にする。無線通信ノード(例えば、無線ルータ、無線アダプタ、無線リピータ、移動局、IoT(Internet of Things)デバイスなど)は、アクセスポイント(AP)または非AP局(STA)とすることができる。いくつかの実施形態では、無線通信ネットワークおよび無線通信ノードは、ある無線通信ノード(たとえば、STA)が省電力モード(たとえば、「アイドル」または「スリープ」モード)に入ることを可能にするように設計される。省電力モードにおいては、無線通信ノードにおける電力を節約するために、無線通信ノードの主無線がオフにされ、無線通信ノードの低電力ウェイクアップ無線が、あるウェイクアップチャネルを監視するためにオンにされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本文書は、特に、無線通信ネットワーク内の1つ以上のチャネルを使用して無線通信ノードをスキャンし、関連付けるための技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、無線通信のための方法が提供される。本方法は、第1ソース通信ノードに関連付けられた第1チャネルを介して、少なくとも1つの第1メッセージを受信するステップであって、前記第1メッセージは、少なくとも第2チャネルを介して受信者通信ノードと通信するように構成された第1の複数のソース通信ノードを識別する1つ以上の識別子を含む、ステップを有する。前記第1の複数のソース通信ノードは、第1ソース通信ノードを含む。前記方法は、少なくとも部分的に、前記第1チャネルを介して受信された前記少なくとも1つの第1メッセージに基づいて、少なくとも第3チャネルを介して、第2ソース通信ノードとの通信を開始することを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの第1メッセージは、前記第1ソース通信ノードが前記受信者通信ノードに対して少なくとも1つの第2メッセージを送信するように構成されている第4チャネルを示す。いくつかの実施形態では、前記第4チャネルは、前記第1チャネルの帯域幅内に位置する。いくつかの実施形態では、前記第1チャネルは、前記第1ソース通信ノードのプライマリチャネルであり、前記第4チャネルは、前記第1ソース通信ノードのセカンダリチャネルの帯域幅内に位置する。いくつかの実施形態では、前記方法はさらに、前記第4チャネルを介して、少なくとも1つの第2メッセージを受信するステップを含み、前記少なくとも1つの第2メッセージは、少なくとも前記第3チャネルを介して前記受信者通信ノードと通信するように構成された第2の複数のソース通信ノードを識別する1つ以上の識別子を含む。いくつかの実施形態では、前記第2ソース通信ノードは、前記第1の複数のソース通信ノード内または前記第2の複数のソース通信ノード内に含まれる。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの第1メッセージが前記受信者通信ノードの第1無線コンポーネントによって受信され、前記少なくとも1つの第2メッセージが前記受信者通信ノードの第2無線コンポーネントによって受信される。いくつかの実施形態では、前記第2無線コンポーネントは、前記第1無線コンポーネントよりも消費電力が少ない。いくつかの実施形態では、前記第1無線コンポーネントは、前記第2無線コンポーネントが前記少なくとも1つの第2メッセージを受信するときにオフにされる。いくつかの実施形態では、前記第2ソース通信ノードとの通信を開始するステップは、前記第1無線コンポーネントを使用して少なくとも前記第3チャネルをスキャンするステップを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記方法はさらに、前記第4チャネルを介して、第3ソース通信ノードから送信された少なくとも1つの第3メッセージを受信するステップを含む。いくつかの実施形態では、前記方法はさらに、前記少なくとも1つの第1メッセージまたは前記少なくとも1つの第2メッセージに少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの第3メッセージをフィルタリングするステップを含む。いくつかの実施形態では、前記第3ソース通信ノードは、前記第1の複数のソース通信ノード内に含まれる。いくつかの実施形態では、前記第3ソース通信ノードおよび前記第2ソース通信ノードは、同じソース通信ノードに対応する。いくつかの実施形態では、前記第2チャネルおよび前記第3チャネルは、同じチャネルに対応する。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記方法はさらに、前記第3チャネルを介して、前記第2ソース通信ノードから送信された少なくとも1つの第3メッセージを受信するステップを含み、前記少なくとも1つの第3メッセージは、前記第2ソース通信ノードを識別する1つまたは複数の識別子を含む。いくつかの実施形態では、前記第2ソース通信ノードとの通信を開始するステップは、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの第3メッセージに基づく。
【0009】
いくつかの実施形態では、無線通信のための別の方法が提供される。本方法は、第1ソース通信ノードに関連付けられた第1チャネルを介して、受信者通信ノードに対して、少なくとも1つのメッセージを送信するステップであって、前記少なくとも1つのメッセージは、少なくとも第2チャネルを介して前記受信者通信ノードと通信するように構成された複数のソース通信ノードを識別する1つ以上の識別子を含む、ステップを有し、前記複数のソース通信ノードは、前記第1ソース通信ノードを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記第1チャネルおよび前記第2チャネルは、同じチャネルに対応する。いくつかの実施形態では、前記第1チャネルは、前記第1ソース通信ノードに関連するウェイクアップチャネル、プライマリチャネル、またはセカンダリチャネルに対応する。いくつかの実施形態では、前記第2チャネルは、前記第2ソース通信ノードに関連付けられたプライマリチャネルに対応する。いくつかの実施形態では、前記1つ以上の識別子は、基本サービスセット(BSS)カラー、アソシエーションID (AID)、拡張サービスセット識別子(ESSID)、サービスセット識別子(SSID)、圧縮ESSID、圧縮SSID、または拡張サービスセット(ESS)カラーのうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、上記方法のいずれか1つを実行するように構成される。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ読取り可能媒体は、上記方法のいずれかを実行するためのコンピュータ実行可能命令を記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】APと1つまたは複数のSTAとの間の例示的な関係を示す。
【0013】
【
図2】現在開示されている技術のいくつかの実施形態に基づく、例示STAの少なくとも一部のブロック図を示す。
【0014】
【
図3】典型的なウェイクアッププロセスの一例を示す。
【0015】
【
図4】典型的なビーコンおよびウェイクアップビーコン送信の例を示す。
【0016】
【
図5】本開示の技術のいくつかの実施形態に基づく、APのプライマリチャネルおよび/またはセカンダリチャネル内のウェイクアップチャネルの位置の例を示す。
【0017】
【
図6】本開示の技術のいくつかの実施形態に基づく、ユースケースの例を示す。
【0018】
【
図7】現在開示されている技術のいくつかの実施形態に基づく、省電力モードにあるSTAがウェイクアップするための強化されたプロセス700のフローチャートである。
【0019】
【
図8】本開示の技術のいくつかの実施形態に基づく、別のユースケース例を示す。
【
図9】本開示の技術のいくつかの実施形態に基づく、別のユースケース例を示す。
【0020】
種々の図面における同じ参照記号は、同じ要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本文書の技術と実装例は、節電モードで無線通信ノードをウェイクアップするためのプロセスのタイムレス性、効率、有効性を改善するために使用することができる。用語「例示的」は、「の例」を意味するために使用され、特に断らない限り、理想的または好ましい実施形態を意味しない。セクションの見出しは、理解を容易にするために使用され、記載された技術の範囲を対応するセクションに限定するものではない。
【0022】
電力消費は、無線装置の出現以来懸念されてきた。例えば、ワイヤレスデバイスの主無線コンポーネントによるバッテリ消費は、重大な課題であり、デバイスのユーザ体験に影響を及ぼし得る。近年、IoT(Internet of Things)デバイス(例えば、無線モジュールを備えたセンサ)が無線接続されるようになってきている。IoTデバイスは、インテリジェント輸送、環境保護、公共セキュリティ、スマートホーム、産業監視、個人の健康などのような多くの分野に適用することができる。多くの場合、IoTデバイスは、頻繁なメンテナンスが困難である可能性がある場所で、バッテリ駆動および/または設置される。したがって、バッテリ寿命を最大にすること、または他の方法で電力を節約することは、次世代システムおよび無線通信技術において、引き続き重要な側面である。
【0023】
上述のように、無線通信ノードは、何らかのウェイクアップチャネルを連続的に監視し、(例えば、着信通信を受信するために)要求に応じてノードの主無線をアクティブにするための低電力ウェイクアップ無線を備えることができる。ウェイクアップ無線よりもかなり多くの電力を消費する主無線は、ウェイクアップ無線がオンであるとき、電力節約の目的のためにオフにされる。この動作は、無線通信ノードの省電力モードに対応することができる。ノードは、データを送信する必要がある場合、ウェイクアップし、自律的に主無線をオンにすることができる。データ送信後、ノードは省電力モードに再び入ることができる。
【0024】
典型的には、(例えば、主無線がオフにされた)省電力モードにあるノードが、その関連するAPのカバレージの外に移動する場合、ノードは、自律的にウェイクアップするときにその関連するAPを見つけることができない。ノードは、当業者に知られている走査手順に従って、その主無線を使用してネットワーク走査を実行する。
【0025】
さらに、場合によっては(たとえば、その現在関連付けられているAP (たとえば、サービス提供AP)の受信信号強度(RSS)が閾値未満に低下する)、ノードがそれ自体を別のAPに関連付けることが望ましいか、または必要である場合がある。典型的には、別のAPと関連付けるために、ノードは、その主無線をオンにし、当業者に知られている走査手順に従ってネットワーク走査を実行する。
【0026】
典型的には、STAは、2つのタイプのスキャニング手順、すなわち、パッシブスキャニングおよびアクティブスキャニングを使用することができる。パッシブスキャニングの場合、STAは、ある期間、アクセス可能な各チャネルおよびすべてのチャネルをリッスンする。アクティブスキャンの場合、STAはプローブリクエストフレームを送信し、アクセス可能なすべてのチャネルで受信したプローブレスポンスフレームを処理する。全てのアクセス可能なチャネルをスキャンした後、STAは、将来の通信を実行するために関連するAPを決定する。両タイプのスキャン手順は、非効率的であり、時間がかかり、および/または電力がかかる可能性がある。
【0027】
無線通信ノードをスキャンし、関連付けるための本開示の技術は、上述の欠点に対処し、とりわけ、省電力モードで無線通信ノードをウェイクアップするためのプロセスのタイムレス性、効率、および有用性を改善するために使用することができる。
【0028】
この特許文献において、記載された実施例における詳細は、開示された技術の範囲または特許請求されるものに対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の開示された技術の特定の実施形態に特有であってもなくてもよい特徴の説明として解釈されるべきである。本文書において説明されている特定の特徴は、別の実施形態の文脈では、単一の実施形態においても組み合わせて実施することができる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される特徴は、複数の実施形態において別々に、または任意の適切な組み合わせで実装されてもよい。さらに、特徴は、特定の組み合わせで動作するものとして上記で説明される場合があり、そのようなものとして最初に特許請求される場合があるが、特許請求される組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組み合わせから削除されてもよく、特許請求される組み合わせは、サブ組み合わせまたはサブ組み合わせの変形としてもよい。
【0029】
同様に、動作は、特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示された特定の順序で、または連続的な順序で実行されること、または示されたすべての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。さらに、本開示に記載される実施形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではない。
【0030】
典型的な通信ネットワーク環境の概要
【0031】
上述したように、無線通信ネットワークは、APおよびSTAノードを含むことができる。いくつかの実施形態では、ノードは、APとSTAの両方とすることができる。
図1は、APと1つまたは複数のSTAとの間の例示的な関係を示す。図示されるように、AP102は、無線ローカルエリアネットワーク内の基本装置に対応することができ、STA104は、所定のアソシエーションまたは登録手続きを介してAP102と無線通信を確立し、その後、データ送信のためにAP102と通信することができる。AP102は、すべての関連付けられたSTAとともに、基本サービスセット(BSS)を確立する。ある種のネットワーク(例えば、アドホックネットワーク)では、APがネットワークに存在しない場合があり、STAは相互に直接通信することができる。これらのタイプのネットワークでは、通信可能に相互接続されたSTAのグループは、独立したBSS (IBSS)を確立する。
【0032】
図2は、現在開示されている技術の幾つかの実施形態に基づく、例示STAの少なくとも一部のブロック図を示す。図示されるように、例示的なSTA (例えば、IoTデバイス)は、メイン無線モジュール(以下、一般に主無線機202と呼ばれる)を含む。主無線機202は、1つまたは複数のプロセッサ204、メモリ206、送受信機208、タイミングモジュール210、電力モジュール212、および/または他の要素を含むことができる。
【0033】
本例のSTAは、少なくとも1つ以上のAPからのウェイクアップ信号を監視するためのウェイクアップ無線機222を含む、補助無線モジュール220を有する。ウェイクアップ無線機222は、信号受信および復号、情報処理、および/または関連する機能トリガを実行するように構成することができる。補助無線モジュール220は、特定の制御および管理機能の適用において主無線機202を支援するように構成することができる。いくつかの実施形態では、例示的なSTAは、1つまたは複数のセンサ230、1つまたは複数のアンテナ240、および/または他の構成要素をさらに含むことができる。
【0034】
図3は、AP202およびSTA204を含む典型的なウェイクアッププロセスの例を示す。事前定義された条件が満たされると(例えば、STA204のトラフィックが一定期間存在しなかった場合)、STA204は、省電力モードパラメータをその関連するAP202とネゴシエートするための手順(
図3には示されていない)を開始し、その後、STA204は、主無線機をオフにし、ウェイクアップ無線機をオンにすることによって、省電力モードに入る。STA204は、任意のデータ通信が必要とされる場合、AP202によって送信されるウェイクアップ信号206によってウェイクアップすることができる。AP (
図3には図示せず)にも同様のセットアップおよび構成を適用することができる。たとえば、ウェイクアップ無線機を少なくとも含むアシスタント無線モジュールをAP に追加することができる。所定の条件が満たされると、APは省電力モードに入ることができる。関連するSTAが送信されるべきデータを有する場合、関連するSTAは、APをウェイクアップするためのウェイクアップ信号を最初に送信することができる。
【0035】
図4は、典型的なビーコンおよびウェイクアップビーコン送信の例を示す。
図4に示されるように、典型的なBSSの実施態様においては、APは、APとこれに関連するSTAとの間の任意の時間調整された機能のためのタイミングマスタとして機能する。APは、ビーコンフレーム402を周期的に送信する。各ビーコンフレーム402は、BSS内のSTAのタイマを同期させるための現在のタイムスタンプの値を含む。いずれかのSTAが省電力モードに入り、事前定義されたチャネル上でウェイクアップ信号を監視する場合、APは、この事前定義されたチャネル上でタイミング情報を搬送する別タイプのフレーム(たとえば、ウェイクアップビーコン404)を送信して、STAが省電力モードで同期するのを助けることができる。
【0036】
本明細書で開示される技術の様々な態様は、WLAN環境のコンテキストにおいて本明細書で説明されるが、本技術は、複数のノード(そのうちの少なくとも1つは、メインワイヤレスモジュールおよびアシスタントワイヤレスモジュールを含む)が互いに通信することができる任意の通信環境において実施できることが分かる。
【0037】
APの例示的なアクション
【0038】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるような拡張ウェイクアッププロセスをサポートするAPは、サービス提供APの候補セットを識別するかまたはスキャンすることを容易にする情報を、関連付けられた、または関連付けられていないSTAに対して送信することができる。例として、この情報は、1つ以上のウェイクアップパラメータセットを含むことができる。APは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、および/またはあるウェイクアップフレーム(例えば、ウェイクアップビーコン)を使用して、ウェイクアップパラメータセット(複数可)を搬送し、1つまたは複数のSTAに対して送信することができる。いくつかの実施形態では、APは、前に送信されたウェイクアップパラメータセットに含まれる任意の情報(例えば、サービス提供AP候補の識別子)を追加、削除、変更、またはその他の方法で更新するために、これらのフレームの1つ以上を介してウェイクアップパラメータ更新セットを送信することができる。
【0039】
例示的に、ウェイクアップパラメータセットは、送信APのウェイクアップパラメータセットを含むことができる。いくつかの実施形態では、ウェイクアップパラメータセットは、推奨AP、隣接AP、および/または同じ仮想BSSグループ内のAPなどの他のAPのウェイクアップパラメータセットを含むこともできる。特定のAPのウェイクアップパラメータセットは、以下のパラメータを含むことができる:特定のAPのウェイクアップチャネルのロケーション、特定のAPのプライマリチャネルのロケーション、特定のAPのウェイクアップフレームの送信機を識別する識別子(例えば、特定のAPを識別するために使用される別個のBSSカラー値、または特定のAPを識別するために使用される特定のアソシエーションID (AID)値)、および/または特定のAPが属する仮想BSSグループを識別する識別子。
【0040】
いくつかの実施形態では、ウェイクアップチャネルは、ウェイクアップフレームを送信するためにAPによって使用されるチャネルである。AP は、1つ以上のウェイクアップチャネルを使用することを決定するか、またはその割り当てを受けることができる。例えば、ウェイクアップチャネルは、無線通信システム内にあらかじめ定義され、APによって決定および通知され、または無線通信システムによって提供されることができる。
図5は、本開示の技術のいくつかの実施形態による、APのプライマリチャネルおよび/またはセカンダリチャネル内のウェイクアップチャネルの位置の例を示す。図示されるように、APの個々のウェイクアップチャネル502は、APの対応するプライマリチャネル504またはセカンダリチャネル506内に位置し、ウェイクアップチャネル502の帯域幅は、APの対応するプライマリチャネル504またはセカンダリチャネル506の帯域幅よりも狭い(または小さい)。いくつかの実施形態では、ウェイクアップチャネルの位置は、APのプライマリチャネルおよびセカンダリチャネルの帯域幅の外側にある。たとえば、APのプライマリチャネルとセカンダリチャネルはすべて2.4GHz帯域を使用できるが、APの少なくとも1つのウェイクアップチャネルは5GHz帯域を使用する。別実施形態では、APのプライマリチャネルまたはセカンダリチャネルの帯域幅は、APの少なくとも1つのウェイクアップチャネルの帯域幅と部分的にオーバーラップすることができる。APは、異なるタイプのフレームを送信するために異なるチャネルを使用することができる。例えば、APは、プライマリチャネルまたはセカンダリチャネルを介してビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、および/またはアソシエーション応答フレームを送信し、ウェイクアップチャネルを介してウェイクアップフレーム(例えば、ウェイクアップビーコン)を送信することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、仮想BSSグループは、例えば1つまたは複数のSTAに論理的または物理的連続カバレッジ領域を提供することができる、1つまたは複数のBSSのセットに対応する。仮想BSSグループは、STAがグループの任意のBSSによってウェイクアップできるページンググループであってもよい。したがって、仮想BSSグループIDはページグループIDであってもよい。仮想BSSグループは、相互接続されたBSSのうちの1つに関連する任意のSTAにおける論理リンク制御(LLC)層に対して単一のBSSとして現れる、相互接続されたBSSを含むことができる。たとえば、仮想BSSグループは拡張サービスセット(ESS)に対応することができる。1つのESS内のすべてのBSSを共通のサービスセット識別子(SSID) に関連付けることができる。ESSは、STA管理を容易にするために、例えば、様々なオフィス、プラント、倉庫、および/または他の適用可能なシナリオに配備される仮想プライベートネットワークに適用することができる。したがって、仮想BSSグループ識別子は、ESSID、SSID、圧縮されたESSID、圧縮されたSSID、または他のESSと特定のESSを区別するために使用されるESSカラーなどのESS識別子にすることができる。
【0042】
STAの例示的なアクション
【0043】
図7は、現在開示されている技術のいくつかの実施形態による、省電力モードにあるSTAがウェイクアップするための拡張プロセス700のフローチャートである。
【0044】
ブロック702において、省電力モードにあるSTAは、その関連するAPから送信されたウェイクアップフレームについて、その関連するAPによって指定されたウェイクアップチャネルを監視する。ウェイクアップフレームは、特にSTAにアドレス指定され、STAがメンバであるグループにアドレス指定され、またはブロードキャストウェイクアップフレームにアドレス指定することができる。ウェイクアップフレームは、STAをウェイクアップするためのウェイクアップ信号、ネットワーク選択情報を搬送するウェイクアップ信号、またはウェイクアップビーコンの形態をとることができる。
【0045】
ウェイクアップフレームによって搬送される情報は、ウェイクアップフレームを送信した送信機の識別子、仮想BSSグループ識別子、ウェイクアップパラメータセット、および/またはウェイクアップパラメータ更新セットを含むことができる。フレームが受信STAに適用できない場合、またはフレームの受信が意図されていない場合において、情報の少なくとも一部は、受信STAがフレームを効率的にフィルタリングすることができるように、フレームの外側、正面、または容易にアクセス可能な部分(例えば、物理層)に配置することができる。
【0046】
ブロック704において、STAは、1つまたは複数のウェイクアップチャネル上でスキャンを実行し始める。いくつかの実施形態では、STAは、1つまたは複数の事前定義された条件が満たされる場合、スキャンを実行し始める。例えば、STAは、その関連するAPの送信機アドレスまたは他の識別子を含む2つの連続するウェイクアップフレーム間の時間間隔を計算するために、タイマを維持する。STA が、その関連付けられたAPの特定の識別子を持つウェイクアップフレームを閾値期間受信していない場合、STAは1つ以上のウェイクアップチャネルでスキャンを開始する。別の例では、現在関連付けられているAPのRSSが閾値を下回ると、STA は1つ以上のウェイクアップチャネルでスキャンを開始する。いくつかの実施形態では、ある所定の条件が満たされると、ウェイクアップチャネルのスキャンの代わりに、またはそれと並行して、STAは、当業者に知られているスキャン手順に従ってネットワークスキャンを実行するために、その主無線機をオンにする。
【0047】
いくつかの実施形態では、STAは、そのウェイクアップ無線機がオンにされたことに応答して、1つまたは複数のウェイクアップチャネル上でスキャンを実行する。例示的に、STAは、アクセス可能なウェイクアップチャネルを、例えば、最低中心周波数から最高中心周波数まで(またはその逆)連続的にスキャンすることができる。STAが特定のウェイクアップチャネル上に留まるタイミングおよび持続時間は、関連するAPまたはSTAによって決定するか、または2つの間でネゴシエートすることができる。したがって、APは、STAが、STAに指定されたあるウェイクアップチャネル上であるウェイクアップフレームをいつ受信することができるかを決定するための十分な情報を有し、要求に応じて、またはスケジュールに従って、そのようなウェイクアップフレームを送信することができる。
【0048】
スキャンのための1つまたは複数のウェイクアップチャネルは、STAによって受信された1つまたは複数のタイプのフレームに含まれるウェイクアップパラメータセット(1つまたは複数)および/またはウェイクアップパラメータ更新セット(1つまたは複数)から決定することができる。そのようなフレームは、関連付けられたAPまたは任意の関連付けられていないAPから送信することができる。いくつかの実施形態では、STAは、その関連するAPのプライマリチャネルおよび/またはセカンダリチャネル内に位置するウェイクアップチャネルをスキャンする。いくつかの実施形態では、STAは、すべてのアクセス可能なプライマリチャネルおよび/またはセカンダリチャネルにおいてウェイクアップチャネルをスキャンする。いくつかの実施形態では、STAは、STAに対して割り当てられたウェイクアップチャネルのみをスキャンする。いくつかの実施形態では、STAは、STAに対して割り当てられたプライマリチャネルおよびセカンダリチャネルの外側に位置するウェイクアップチャネルをスキャンする。
【0049】
例示的に、STAは、少なくともSTAのウェイクアップ無線を使用してウェイクアップフレームを受信し復号することによって、ウェイクアップチャネルをスキャンする。1つまたは複数のウェイクアップチャネルのスキャンに基づいて、STAは、1つまたは複数のウェイクアップチャネルを介して受信されるウェイクアップフレームによって搬送される情報を取得する。
【0050】
ブロック706において、STAは、アソシエーションおよびデータ通信を開始するための候補APを決定する。例示的に、STAは、(1)受信されたウェイクアップフレームの送信機の識別子、および/または、(2)受信されたウェイクアップフレーム内の仮想BSSグループ識別子を取得することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、ウェイクアップ無線機によって受信されたウェイクアップフレーム(および/またはSTAが省電力モードに入る前にメイン無線機によって以前受信されたウェイクアップフレーム)が、STAの同じ仮想BSSグループ内の推奨AP、隣接AP、または現在関連付けられていないAP(複数可)に関する識別情報を全く提供しない場合(たとえば、ウェイクアップフレームが、1つまたは複数の対応するウェイクアップパラメータセットを搬送しない場合)、STAは、STAに現在関連付けられているAPとは異なる1つまたは複数のAPを識別するかまたは示す、(1)および/または(2)内の識別子のサブセットを少なくとも決定することができる。STAは、サブセットを候補APとしてラベル付けすることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、ウェイクアップ無線機によって受信されたウェイクアップフレーム(および/またはSTAが省電力モードに入る前にメイン無線機によって以前に受信されたフレーム)が、STAの同じ仮想BSSグループ内の推奨AP、隣接AP、または現在関連付けられていないAPに関する識別情報を提供する場合(たとえば、ウェイクアップフレームが、1つまたは複数の対応するウェイクアップパラメータセットを搬送する場合)、STAは、STAの同じ仮想BSSグループ内の推奨AP(1つまたは複数)、隣接AP(1つまたは複数)、または現在関連付けられていないAP(1つまたは複数)に対応する(1)および/または(2)内の識別子のサブセットを少なくとも決定することができる。STAは、サブセットを候補APとしてラベル付けすることができる。これらの実施形態では、STAはまた、最近の期間中に受信されたウェイクアップフレーム(例えば、ウェイクアップビーコン)の送信機として識別された任意の他のAPを含むことができる。
【0053】
もし仮想BSSグループ識別子がウェイクアップフレームで運ばれるなら、STAは、現在関連付けられているAPの同じ仮想BSSグループ内の候補APを選ぶことが好ましい場合がある。例えば、倉庫システムのプライベートネットワークでは、多くの貨物会社が同じ倉庫を使用することができる。個々の会社の複数のAPは、管理を容易にするために別個のESSを形成することができる。STAは、便宜および効率のために、その現在関連付けられているAPの同じESS内の候補APを選択することが好ましい場合がある(たとえば、ESSは、STAのための高速BSS遷移をサポートすることができる)。
【0054】
ブロック708において、STAは、さらなるスキャンのために、その主無線機をオンにする。上述した通り、当業者によって理解されるように、主無線スキャンは、受動的または能動的であってもよい。STAの主無線を使用してスキャンされるチャネルは、候補APの主チャネル、その帯域幅が候補APのウェイクアップチャネルを包含するかまたは収容する通信チャネル、および/またはその隣接チャネルを含むことができる。
【0055】
STAは、主無線を用いてスキャンを実施することにより、各スキャンされたチャネル上で、ビーコン、プローブ応答、および/または他のフレームを受信する。STAは、フレームによって搬送されるAP識別情報(例えば、ウェイクアップパラメータセット)を取得するために、受信されたフレームを復号することができる。
【0056】
ブロック710において、STAは、主無線スキャンを通じて取得された1つ以上のAP識別子が候補APの識別子と一致するか否かを判定する。例えば、いくつかの実施形態では、APによって送信されるウェイクアップフレーム内の送信機の識別子は、ビーコン、プローブ応答、および/または同じAPによって送信される他のフレームによって搬送されるウェイクアップパラメータセットにも含まれる。したがって、STAが、メイン無線スキャンを介して受信されたフレーム(例えば、ビーコンまたはプローブ応答)内の送信機の識別子を復号するかまたは取得すると、STAは、取得された送信機の識別子を、ウェイクアップチャネルスキャン中にウェイクアップフレームから取得された候補APの識別子のうちの1つまたは複数と比較することができる。
【0057】
STAが比較に基づいて1つ以上の一致を見つけた場合、ブロック712において、STAは、一致したAPからターゲットAPを選択し、選択されたターゲットAPとのアソシエーション(例えば、認証、パラメータ交換、および/または、他のアクション)を開始する。例示的に、STAは、ビーコン、プローブ応答、またはターゲットAPによって送信された他のフレームでデコードまたは取得されたMACアドレスを使用して、これを達成することができる。いくつかの実施形態では、STAは、他の一致したAP(複数可)と比較して、APの容量、能力、構成、および/またはRSSに少なくとも部分的に基づいて、ターゲットAPを選択する。アソシエーションが完了すると、STAは、メイン無線を介してターゲットAPとのデータ通信を開始することができる。
【0058】
STAが、主無線スキャニングを通して取得されたAP識別子と任意の候補APのAP識別子との間の一致を見つけることができない場合、ブロック714において、STAは、1つまたは複数のバックアップ動作を実行する。例えば、STAは、別の期間の間、そのウェイクアップ無線機を使用してウェイクアップチャネルスキャニングを実行することができる。代替として、または追加として、STAは、当業者に知られている現在のスキャン手順に基づいて、その主無線を使用して、すべてのアクセス可能なチャネル上で典型的な完全走査を実行することができる。
【0059】
ユースケースの例
【0060】
図6は、本開示の技術のいくつかの実施形態による、ユースケースの例を示す。
図6に示すように、4つのAP(すなわち、AP1、AP2、AP3、およびAP4)はそれぞれ、個々のBSSをセットアップする。4つのBSS は、2つの仮想BSSグループにグループ化される。第1仮想BSSグループは、AP1及びAP4を含む。第2仮想BSSグループは、AP2及びAP3を含む。各仮想BSSグループ内で、異なるBSSカラーを使用して、異なるメンバAPを識別することができる。
【0061】
図示されるように、AP4は、プライマリチャネルおよびセカンダリチャネルを有し、それぞれがプライマリチャネルまたはセカンダリチャネルに位置する3つのウェイクアップチャネルを有する。STAは、AP4に関連付けられ、省電力モードに入る。AP4は、1つ以上のビーコンフレームにおいて、AP4自身について設定されたウェイクアップパラメータをブロードキャストする。AP4は、ウェイクアップチャネル1をSTAに割り当て、その結果、STAは、ウェイクアップチャネル1上で、ウェイクアップ信号、ウェイクアップビーコン、またはネットワーク選択情報を搬送するウェイクアップ信号を含むウェイクアップフレームを監視することができる。
【0062】
STAが、閾値回数のウェイクアップビーコン間隔の間、AP4からウェイクアップビーコンを受信していない場合、またはSTAが省電力モードに入ると、STAは、ウェイクアップチャネル上でのスキャンを開始する。いくつかの実施形態では、STAは、ウェイクアップチャネル1をスキャンし、AP1の識別子(例えば、AP1の別個のBSSカラーまたは他のBSS識別子)およびAP1の仮想BSSグループID(例えば、第1仮想BSSグループを識別する別個のESS ID)を含むAP1のウェイクアップビーコン610を受信することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、STAは、STAの現在指定されているウェイクアップチャネル(すなわち、ウェイクアップチャネル1)が位置するプライマリチャネル内のすべてのウェイクアップチャネルをスキャンすることができる。
図6の例では、これらのウェイクアップチャネルは、AP4の主チャネルに位置するウェイクアップチャネル1および2に対応する。これらのウェイクアップチャネルをスキャンすることによって、STAは、AP1のウェイクアップビーコン610と、AP2によって送信されたウェイクアップ信号620とを受信することができる。ウェイクアップ信号620は、AP2の識別子および/またはAP2の仮想BSSグループIDを含むことができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、STAは、その関連するAP (すなわち、AP4)のすべてのウェイクアップチャネルをスキャンすることができる。
図6の例では、STAは、ウェイクアップチャネル1、2、および3をスキャンし、AP1のウェイクアップビーコン610、AP2のウェイクアップ信号620、およびAP3のウェイクアップビーコン630を受信することができる。ウェイクアップビーコン630は、AP3の識別子および/またはAP3の仮想BSSグループIDを含むことができる。
【0065】
STAがウェイクアップチャネル1およびウェイクアップチャネル2のみをスキャンすると仮定すると、STAは、AP4の同じ仮想BSSグループ内のAP1を候補APとして選択することができる。次いで、STAは、主無線をオンにして、AP4の主チャネルおよび/または副チャネル上でスキャンを実行し、AP1のビーコンまたはプローブ応答フレームを取得する。AP1の主チャネルの位置がAP1のウェイクアップビーコン610に示されている場合、STAは、AP1の主チャネル上でスキャンを実行して、AP1のビーコンまたはプローブ応答フレームを取得する。
【0066】
いくつかの実施形態では、APによって送信されるウェイクアップフレームにおいて使用される送信機の識別子は、同じAPから送信される非ウェイクアップフレーム(例えば、プライマリチャネルを介して送信されるフレーム)において使用されるものとは異なる場合がある。ただし、AP1は、ビーコンまたはプローブ応答フレームでBSS識別子と仮想BSS グループ識別子を伝送する。例えば、ビーコンまたはプローブ応答フレームのウェイクアップ要素は、そのウェイクアップフレームにおいてAP1によって使用されるBSS識別子(例えば、BSSカラー)および/または仮想BSSグループ識別子(例えば、ESS ID)を含むウェイクアップパラメータセットを収容するために使用される。
【0067】
STAが、AP1のウェイクアップフレームと同一のBSS識別子および/または仮想BSSグループ識別子を含むビーコンまたはプローブ応答フレームを受信すると、STAは、受信したビーコンまたはプローブ応答フレームの送信機アドレスフィールドに含まれるMACアドレスを復号するか、または取得する。次に、STAは、たとえば、認証要求をレシーバアドレスフィールドのMACアドレスとともに送信することによって、MACアドレスを使用してAP1とのアソシエーションを開始する。アソシエーションが成功すると、STAはAP1とのデータ通信を開始する。
【0068】
図8および
図9は、本開示の技術のいくつかの実施形態による、別のユースケース例を示す。
図8に示すように、4つのAP(すなわち、AP1、AP2、AP3、およびAP4)はそれぞれ、個々のBSS810をセットアップする。4つのBSS は、2つの仮想BSSグループにグループ化される。第1仮想BSSグループ820aは、AP1及びAP2を含む。第2仮想BSSグループ820bは、AP3及びAP4を含む。各仮想BSSグループ内で、異なるBSSカラーを使用して、異なるメンバAPを識別することができる。
【0069】
AP1は、そのビーコンフレームに設定されたウェイクアップパラメータをブロードキャストする。AP1のウェイクアップパラメータセットに加えて、AP2およびAP3のウェイクアップパラメータセットも、AP1のビーコンフレームによって搬送される。この場合、AP2がAP1の同じ仮想BSSグループ内にあり、AP3がAP1に関連するSTAに推奨される隣接APであるので、AP2のウェイクアップパラメータセットが含まれる。特に、AP1のウェイクアップパラメータは以下を含む:AP1によって使用されるウェイクアップチャネルの位置、AP1のウェイクアップフレームにおいてAP1によって使用されるBSSカラーまたは他のBSS識別子、AP1の仮想BSSグループ識別子。AP2 のウェイクアップパラメータには、AP2 によって使用されるウェイクアップチャネルの場所、AP2 のウェイクアップフレームでAP2によって使用されるBSSカラーまたはその他のBSS 識別子、AP2の仮想BSS グループ識別子、およびAP2のプライマリチャネルの場所が含まれる。AP1から送信されたビーコンを受信することによって、AP1に関連付けられたSTAは、それぞれAP1、AP2、およびAP3のウェイクアップパラメータセットに含まれる情報を取得することができる。
【0070】
AP1は、そのメインチャネル910に配置されたウェイクアップチャネル915を有する。省電力モードに入る関連するSTAは、ウェイクアップフレームについてウェイクアップチャネル915を監視する。いくつかの実施形態では、AP1は、そのウェイクアップフレームにおいてウェイクアップパラメータセット(複数可)を送信することができる。例えば、AP1は、AP2および/またはAP3のウェイクアップパラメータセットを搬送するウェイクアップビーコン921を送信することができる。別の例として、AP1は、AP1、AP2、および/またはAP3の(1つまたは複数の)ウェイクアップパラメータセットを搬送するネットワーク選択情報とともにウェイクアップ信号を送信することができる。したがって、関連付けられたSTAは、ウェイクアップチャネル915上で受信されたウェイクアップフレームから、対応するウェイクアップパラメータを取得することができる。
【0071】
STAは、そのウェイクアップ無線機を使用してウェイクアップチャネルスキャニングを実行する。STAは、AP2のウェイクアップチャネル915上でAP2のウェイクアップビーコン922を受信することができる。また、AP3のウェイクアップチャネル935に切り替え、AP3のウェイクアップビーコン943およびAP4のウェイクアップビーコン944を受信することもできる。(a)以前に受信されたウェイクアップパラメータセット(1つまたは複数)を介して取得されたAP2およびAP3のBSSカラー(または他の適用可能なBSS識別子)を、(b)ウェイクアップチャネルスキャン中に受信されたウェイクアップフレームの送信機の識別子(1つまたは複数)と比較することによって、STAは、AP2およびAP3のウェイクアップビーコンフレームを識別し、処理することができる。フレーム識別プロセスは、例えば、他のAP(複数可)によって送信されたウェイクアップフレーム(例えば、AP4のウェイクアップビーコン944)をフィルタリングすることを含むことができる。STAは、AP2およびAP3を候補APとしてラベル付けすることができる。
【0072】
次いで、STAは、その主無線機をオンにして、AP2の主チャネル910およびAP3の主チャネル930上でその主無線機を使用してスキャンを実行する。STAは、スキャン中に、これらのプライマリチャネル上で複数のビーコンフレームを受信することができる。STA は、受信したビーコンフレームのウェイクアップパラメータセットに含まれるBSSカラー(または別の適用可能なBSS識別子)を、候補APのウェイクアップフレームで使用される1つ以上の候補APのBSSカラー(または別の適用可能なBSS識別子)と比較できる。比較に基づいて一致が見つかると、STAは、一致したビーコンを処理し、その能力、容量、構成、および/または信号強度に基づいてターゲットAP(たとえば、AP2またはAP3)を選択する。次いで、STAは、ターゲットAPとの関連付けおよびデータ通信を開始する。
【0073】
代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、STAは、ウェイクアップ無線スキャンに基づいてターゲットAPを選択することができる。例示的に、STAによって受信されたAP2およびAP3のウェイクアップビーコンフレームは、信号強度を示すことができ、ターゲットAPを選択するためにSTAによって処理されることができる送信APの能力、容量、および/または構成に関する情報を含むことができる。STAが、ターゲットAPとしてAP2を選択すると仮定すると、STAは、その主無線をオンにし、AP2の主チャネル上でスキャンを実行することができる。STAは、スキャン中に1次チャネル上で複数のビーコンを受信することができ、(a)受信されたビーコンのウェイクアップパラメータセットに含まれるBSSカラー(または別の適用可能なBSS識別子)を、(2)AP2のウェイクアップフレームで使用されるAP2のBSSカラー(または別の適用可能なBSS識別子)と比較することができる。比較に基づいて一致が見つかると、STAは、一致したビーコンを処理し、それに基づいてAP2との関連付けおよびデータ通信を開始する。
【0074】
以上のことから、ここに開示された技術の特定の実施形態は、例示の目的で本明細書に記載されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることが理解されるであろう。したがって、本開示の技術は、添付の特許請求の範囲による場合を除き、限定されない。
【0075】
本文書で説明されている開示された実施形態および他の実施形態、モジュールおよび機能操作は、本文書で開示された構造およびそれらの構造的同等物、または1つ以上の組み合わせで、デジタル電子回路内、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェアまたはハードウェア内で実施することができる。開示された実施形態および他の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号に影響を及ぼす物質の組成物、またはそれらの1つまたは複数の組合せとすることができる。用語「データ処理装置」は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイス、および機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムの実行環境、例えば、プロセッサファームウェアを構成するコード、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの1つまたは複数の組合せを作成するコードを含むことができる。伝搬信号は、人工的に生成された信号、例えば、機械によって生成された電気信号、光学信号、または電磁信号であり、これは、適切な受信装置に送信するための情報を符号化するために生成される。
【0076】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、アプリケーション、スクリプト、またはコードとも呼ばれる)は、コンパイルされた言語または解釈された言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロン・プログラムとして、またはコンピューティング環境での使用に適したモジュール、コンポーネント、サブルーチン、または他のユニットとして、任意の形式で配置することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応しているとは限らない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部、問題のプログラム専用の1つのファイル、または複数の協調ファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上、または1つのサイトに配置された複数のコンピュータ上、または複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように配置することができる。
【0077】
本書に記載されるプロセスおよびロジックフローは、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実行され、入力データ上で動作し、出力を生成することによって機能を実行することができる。プロセスおよび論理フローはまた、特殊目的論理回路、例えばFPGA (フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することもでき、装置を特殊目的論理回路として実装することもできる。
【0078】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、一例として、汎用マイクロプロセッサと特殊目的マイクロプロセッサの両方、および任意の種類のデジタル・コンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリ、あるいはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを保管するための1つ以上のメモリ装置である。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶装置、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスクを含むか、またはそれらからデータを受信するか、またはそれらにデータを転送するか、またはそれらの両方を行うように動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータは、このような装置を有する必要はない。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ読取可能媒体は、例えばEPROM、EEPROMおよびフラッシュ・メモリ・デバイスのような半導体メモリデバイス、磁気ディスク、例えば内部ハード・ディスクまたはリムーバブル・ディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは、特殊目的論理回路によって補足され得るか、または特殊目的論理回路に組み込まれ得る。
【0079】
この文書は多くの詳細を含むが、これらは、特許請求される発明の範囲または特許請求され得る発明の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で本文書に記載されている特定の特徴は、単一の実施形態においても組み合わせて実施することができる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態で別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで動作するものとして上記で説明されてもよく、そのようなものとして最初に特許請求されてもよいが、特許請求される組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組み合わせから削除されてもよく、特許請求される組み合わせは、下位組み合わせまたは下位組み合わせの変形に向けられてもよい。同様に、動作は、特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示された特定の順序で、または連続的な順序で実行されること、または示されたすべての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。
【0080】
いくつかの例および実装のみが開示される。説明された例および実装、ならびに他の実装に対する変形、修正、および強化は、開示されたものに基づいて行われ得る。