(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】高度自動運転が可能な車両用の制御機器のためのデータストリームの分配のための分配装置および方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/46 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
H04L12/46 100Z
(21)【出願番号】P 2020537848
(86)(22)【出願日】2018-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2018074289
(87)【国際公開番号】W WO2019063273
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-05-20
(31)【優先権主張番号】102017217016.6
(32)【優先日】2017-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161908
【氏名又は名称】藤木 依子
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】トップ,ヤロスロウ
(72)【発明者】
【氏名】シッテンヘルム,ライナー
(72)【発明者】
【氏名】コルンハース,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ケルスケン,ウルリヒ
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0105637(US,A1)
【文献】特開2017-074887(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0033986(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0086363(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/28,12/44-12/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高度自動運転が可能な車両(115)用の制御機器(110)のためのデータストリーム(105、107)の分配のための分配装置(100)であって、前記分配装置(100)が、少なくとも以下の特徴、すなわち
センサデータストリーム(105、107)を処理するために形成された少なくとも1つの第1の計算機ユニット(120、122)および少なくとも1つのさらなる計算機ユニット(125、127)と、
少なくとも1つの第1のセンサ(135、137)の第1のセンサデータストリーム(105)および少なくとも1つのさらなるセンサ(140、142)の少なくとも1つのさらなるセンサデータストリーム(107)を読み込み、かつ選択的に少なくとも1つの第1の計算機ユニット(120、122)または少なくとも1つのさらなる計算機ユニット(125、127)へと
、当該少なくとも1つの第1の計算機ユニット(120、122)および当該少なくとも1つのさらなる計算機ユニット(125、127)のそれぞれの混雑度に応じて分配するために形成された分配機構(130)と
を有する分配装置(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1のセンサ(135、137)のセンサ生データストリーム(150)を前記第1のセンサデータストリーム(105)へとチャネリングするために形成された第1のチャネリング機構(145)と、前記少なくとも1つのさらなるセンサ(140、142)のさらなるセンサ生データストリーム(160)を前記さらなるセンサデータストリーム(107)へとチャネリングするために形成されたさらなるチャネリング機構(155)とを備えた、請求項1に記載の分配装置(100)。
【請求項3】
前記第1の計算機ユニット(120、122)および/または前記さらなる計算機ユニット(125、127)を少なくとも1つの車両機構(170)および/または少なくとも1つの後続処理装置(175)と接続するために形成された少なくとも1つの接続機構(165)を備えた、請求項1または2に記載の分配装置(100)。
【請求項4】
前記車両機構(170)および/または前記後続処理装置(175)を備えた、請求項3に記載の分配装置(100)。
【請求項5】
前記車両機構(170)が対人保護システムのための作動機構を含んでいる、請求項3または4に記載の分配装置(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1のセンサ(135、137)および前記少なくとも1つのさらなるセンサ(140、142)を備えた、請求項1から5のいずれか一項に記載の分配装置(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1のセンサ(135、137)が周辺環境捕捉機構であり、かつ前記少なくとも1つのさらなるセンサ(140、142)が加速度センサである、請求項6に記載の分配装置(100)。
【請求項8】
高度自動運転が可能な車両(115)用の制御機器(110)のためのデータストリーム(105、107)の分配のための方法(300)であって、前記方法(300)が、少なくとも以下のステップ、すなわち
少なくとも1つの第1のセンサ(135、137)の少なくとも1つの第1のセンサデータストリーム(105)および少なくとも1つのさらなるセンサ(140、142)の少なくとも1つのさらなるセンサデータストリーム(107)を読み込み、かつ選択的に少なくとも1つの第1の計算機ユニット(120、122)またはさらなる計算機ユニット(125、127)へと
、当該少なくとも1つの第1の計算機ユニット(120、122)および当該さらなる計算機ユニット(125、127)のそれぞれの混雑度に応じて分配するステップ(305)と、
前記センサデータストリーム(105、107)を処理するステップ(310)と
を含む方法(300)。
【請求項9】
請求項8に
記載の前記方法(300)を実行するために適応されているコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項9に
記載の前記コンピュータプログラムが記憶されている機械可読の記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本アプローチは、独立請求項の属概念に基づく装置または方法を出発点とする。コンピュータプログラムも本アプローチの対象である。
【背景技術】
【0002】
車両用の、セーフティクリティカルな適用のための現下の中央制御機器(英語「Driver Assistance」とも言う)では、1つのマイクロコントローラおよび1つのマイクロプロセッサの組合せが用いられる。ここではまだ、各ユニットが専用タスクおよび専用インターフェイスを有するので、データストリームの分配のための特別な安全対策は必要ない。複数のプロセッサの場合でさえ、システム内でのタスクの固定的な分配が存在している。
【発明の概要】
【0003】
これを踏まえて、ここで紹介するアプローチにより、主請求項に基づく、高度自動運転が可能な車両用の制御機器のためのデータストリームの分配のための分配装置、さらに高度自動運転が可能な車両用の制御機器のためのデータストリームの分配のための方法、および最後に相応のコンピュータプログラムが紹介される。従属請求項に挙げた措置により、独立請求項に提示した分配装置の有利な変形および改善が可能である。
【0004】
紹介するアプローチによって達成可能な利点は、ここで紹介する分配装置により、非常に大きなデータストリームも高速かつ効率的に混雑なく分配および処理され得ることにある。これは、とりわけ車両の運転支援システムにおけるセーフティクリティカルな適用のための制御機器にとって、車両の運転乗員の安全性を保障するまたは向上させるために重要である。
【0005】
高度自動運転が可能な車両用の制御機器のためのデータストリームの分配のための分配装置は、センサデータストリームを処理するために形成された少なくとも1つの第1の計算機ユニットおよび少なくとも1つのさらなる計算機ユニットを有する。これに加えて分配装置は、少なくとも1つの第1のセンサの第1のセンサデータストリームおよび少なくとも1つのさらなるセンサの少なくとも1つのさらなるセンサデータストリームを読み込み、かつ選択的に少なくとも1つの第1の計算機ユニットまたは少なくとも1つのさらなる計算機ユニットへと分配するために形成された分配機構を有する。
【0006】
第1の計算機ユニットおよび/またはさらなる計算機ユニットは、それぞれプロセッサであり得る。分配機構は、いわゆるスイッチ、例えばレイテンシの低いPCIeスイッチ(PCI=Peripheral Component Interconnect)として構成することができ、このスイッチは、第1のセンサデータストリームを選択的に第1の計算機ユニットまたはさらなる計算機ユニットへと、およびさらなるセンサデータストリームを選択的に第1の計算機ユニットまたはさらなる計算機ユニットへと分配するために形成されている。分配機構および計算機ユニットは、例えばPCIバスを介して相互に接続され得る。選択的な分配とは、センサデータストリームが、分配装置のその時々の状態に応じて、第1の計算機ユニットかまたはさらなる計算機ユニットに割り振られ得ることと理解され得る。例えば、センサデータストリームが、個々の計算機ユニットのその時々の混雑度に応じて、その時々に計算機の空き容量を有する計算機ユニットに割り振られ得る。このような分配機構のおかげで、センサデータストリームを複数の計算機ユニットへと分配でき、これにより混雑が発生しないことが有利である。
【0007】
この分配装置は、少なくとも第1のセンサのセンサ生データストリームを第1のセンサデータストリームへとチャネリングするために形成された第1のチャネリング機構をさらに有することができ、かつ少なくともさらなるセンサのさらなるセンサ生データストリームをさらなるセンサデータストリームへとチャネリングするために形成されたさらなるチャネリング機構を有することができる。チャネリング機構は、それぞれPCIにより分配機構と結合でき、例えば、多数のデータストリームをチャネリングできるように、プログラム可能なFPGAとして構成され得る。チャネリング機構により、分配機構のインターフェイスが少なく保たれ得る。
【0008】
この分配装置が、第1の計算機ユニットおよび/またはさらなる計算機ユニットを少なくとも1つの車両機構および/または少なくとも1つの後続処理装置と接続するために形成された少なくとも1つの接続機構をさらに有する場合、これは、処理されたデータストリームにより、車両内で何かしらを引き起こすかもしくは制御することを可能にし、かつ/または例えば処理されたデータストリームのカスケード式の後続処理が、後続処理装置内で行われ得る。したがって処理されたデータストリームは、例えば車両のアクチュエータのための制御信号を含み得る。非常に多くの処理されたデータストリームを高速に伝送するために、接続機構は少なくとも1つのイーサネットインターフェイスおよび/またはイーサネットケーブルを含み得る。
【0009】
ここで紹介するアプローチの有利な一実施形態によれば、分配装置が車両機構および/または後続処理装置も有し得る。車両機構はアクチュエータであり得る。後続処理装置は、第1の計算機ユニットまたは少なくとも1つのさらなる計算機ユニットによって処理されたデータストリームを読み込み、もう一度処理し、かつ車両機構またはさらなる車両機構のために提供するために形成され得る追加的な計算機ユニットであり得る。車両機構および/またはさらなる車両機構は、例えば対人保護システムのための作動機構を含み得る。この作動機構は、ここで紹介する分配装置により、対人保護手段、例えばエアバッグの特に高速な作動を引き起こし得る。
【0010】
分配装置が第1のセンサおよびさらなるセンサを有することもできる。第1のセンサは、例えば周辺環境捕捉機構であることができ、かつさらなるセンサは加速度センサであり得る。
【0011】
高度自動運転が可能な車両用の制御機器のためのデータストリームの分配のための方法は、少なくとも以下のステップ、すなわち
少なくとも1つの第1のセンサの少なくとも1つの第1のセンサデータストリームおよび少なくとも1つのさらなるセンサの少なくとも1つのさらなるセンサデータストリームを読み込み、かつ選択的に少なくとも1つの第1の計算機ユニットまたはさらなる計算機ユニットへと分配するステップと、
センサデータストリームを処理するステップとを含む。
【0012】
この方法は、例えばソフトウェアもしくはハードウェア内でまたはソフトウェアおよびハードウェアから成る混合形態内で、例えば制御機器、例えば上で紹介した分配装置内で実装され得る。このような方法によっても、本アプローチの基礎になっている課題が高速かつ効率的に解決され得る。
【0013】
機械可読の媒体または記憶媒体、例えば半導体メモリ、ハードディスクメモリ、または光学メモリ上で記憶でき、かつ前述の実施形態の1つに基づく方法のステップの実施、実行、および/または制御に使用されるプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムも、とりわけこのプログラム製品またはプログラムがコンピュータまたは装置上で実行される場合には有利である。
【0014】
ここで紹介するアプローチの例示的実施形態を図面に示しており、かつ以下の説明においてより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】1つの例示的実施形態に基づく高度自動運転が可能な車両用の制御機器のためのデータストリームの分配のための分配装置のブロック図である。
【
図2】1つの例示的実施形態に基づく後続処理装置を備えた分配装置のブロック図である。
【
図3】1つの例示的実施形態に基づく高度自動運転が可能な車両用の制御機器のためのデータストリームの分配のための方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本アプローチの好適な例示的実施形態の以下の説明において、様々な図に示されており、かつ類似に作用する要素には、同じまたは類似の符号が使用され、その際、これらの要素を繰り返し説明はしない。
【0017】
1つの例示的実施形態が、第1の特徴と第2の特徴の間の「および/または」結合を含む場合、これは、この例示的実施形態が、一実施形態によれば第1の特徴も第2の特徴も有し、かつさらなる一実施形態によれば第1の特徴だけかまたは第2の特徴だけを有すると読み取るべきである。
【0018】
図1は、1つの例示的実施形態に基づく高度自動運転が可能な車両115用の制御機器110のためのデータストリーム105、107の分配のための分配装置100のブロック図を示している。
【0019】
分配装置100は、ここで示されている高度自動運転が可能な車両115の制御機器110内でデータストリーム105、107を分配するために形成されている。分配装置100は、この例示的実施形態によれば制御機器110内に収容されており、制御機器110のほうは車両115内に収容されている。データストリーム105、107を分配するため、分配装置100は、センサデータストリーム105、107を処理するために形成された少なくとも1つの第1の計算機ユニット120、122および少なくとも1つのさらなる計算機ユニット125、127を有する。これに加えて分配装置100は、少なくとも1つの第1のセンサ135、137の第1のセンサデータストリーム105および少なくとも1つのさらなるセンサ140、142の少なくとも1つのさらなるセンサデータストリーム107を読み込み、かつ選択的に少なくとも1つの第1の計算機ユニット120、122または少なくとも1つのさらなる計算機ユニット125、127へと分配するために形成された分配機構130を有する。この例示的実施形態によれば、第1のセンサデータストリーム105は第1の計算機ユニット120へ、およびさらなるセンサデータストリーム107はさらなる計算機ユニット125へと分配された。センサ135、137、140、142のすべてまたは幾つかは、例示的実施形態に応じて制御機器110の中または外に配置され得る。
【0020】
分配装置100の以下に説明する特徴は任意選択である。
分配装置100はこの例示的実施形態によれば、多数の、ここでは例示的に4つの計算機ユニット120、122、125、127を有する。そのうえ分配装置100はこの例示的実施形態によれば、分配機構130とセンサ135、137、140、142との間に接続された多数のチャネリング機構145、155を有する。例示的に、第1のチャネリング機構145は、第1のセンサ135、137のセンサ生データストリーム150を第1のセンサデータストリーム105へとチャネリングするために形成されている。さらなるチャネリング機構155は相応に、さらなるセンサ140、142のさらなるセンサ生データストリーム160をさらなるセンサデータストリーム107へとチャネリングするために形成されている。したがってチャネリング機構145、155の各々は、多数のセンサの多数のセンサ生データストリームを1つのセンサデータストリームへとチャネリングするために形成されている。
【0021】
そのうえ分配装置100はこの例示的実施形態によれば、第1の計算機ユニット120および/またはさらなる計算機ユニット125を少なくとも1つの車両機構170および/または少なくとも1つの後続処理装置175と接続するために形成された少なくとも1つの接続機構165、例えばインターフェイスを有する。
【0022】
この例示的実施形態によれば、後続処理装置175は分配装置100の一部である。後続処理装置175は
図2でより正確に説明する。車両機構170は、例えば車両115のアクチュエータであり、例示的に、対人保護システムのための少なくとも1つの作動機構を含む。
【0023】
第1のセンサ135は例示的に周辺環境捕捉機構として、およびさらなるセンサ140は例示的に加速度センサとして構成されている。
センサ135、137と第1のチャネリング機構145との間には、この例示的実施形態によれば、1つずつのメディアコンバータ185が接続されている。さらなるセンサ140、142とさらなるチャネリング機構155との間にも、それぞれ1つのメディアコンバータ185が配置されている。メディアコンバータ185とチャネリング機構145、155との間では、センサ生データストリーム150、160が信号190の形態で、この例示的実施形態によれば10Gイーサネットによって、または代替的な1つの例示的実施形態によればLVDS(Low Voltage Differential Signaling)によって伝送される。分配機構130は、1つの例示的実施形態によれば、さらに測定技術機構195と結合している。
【0024】
以下に、分配装置100の詳細をもう一度より正確に説明する。
ここで紹介する分配装置100は、制御機器110内、例えば自動運転のための中央制御機器内の効果的なネットワーク構造を表している。
【0025】
全自動運転または高度自動運転のための中央制御機器では、データスループットおよび計算能力への要求が、既知の中央制御機器の場合には様々なタスクに特化した計算機のクラスタを活用しなければならないほど大きい。そこで、フローおよび分配をできるだけ効率的に構築するため、ここで紹介する分配装置100により、データフローができるだけそのほかのプロセスに関係なく、交差なく、かつ異なる媒体に分配されて進行するネットワーク構造が発見されることが有利である。その際、システム内の1つのボトルネックだけでも構造および総合的性能を破壊し得るので、優れた構造のための目標は、ボトルネック、つまり混雑を防止することである。ここで紹介する分配装置100により、このような混雑が回避されることが有利である。したがって自動車分野において、必要なデータ量を処理できるようになることが有利である。
【0026】
生データを分配するために、および複数の結合された計算機ユニット120、125でのデータの並列処理も可能にするために、分配装置100により、中央制御機器内の効率的なデータ通信構造の確立が可能にされる。これに関して主要な特徴は、異なる程度で処理されるデータストリーム105、107の、異なるデータ経路/伝送媒体への分配である。
【0027】
つまり具体的には、ここでは左側および右側に見えるセンサ生データストリーム150およびさらなるセンサ生データストリーム160の形態でのセンサ生データが、分配装置100のシステム内に、それぞれチャネリング機構145、155の形態でのプログラム可能な部品、この場合にはそれぞれFPGAを介してチャネリングされ、かつ分配機構130の形態での中央のレイテンシの低いPCIeスイッチを介し、データを処理するために準備された計算機ユニット120、122、125、127へと任意に分配される。計算機ユニット120、122、125、127内での処理の後、この前処理されたデータは接続機構165を介し、ここではイーサネットにより、次のユニット、ここでは後続処理装置175へとさらに分配される。このシステムは、1つのボックスで使用することも、示された後続処理装置175をカスケード式に備えて使用することもでき、この例示的実施形態によれば、このために計算機ユニット120、125の形態での前処理ボックスのデータ出口が、後続処理が行われる後続処理装置175の形態でのさらなるボックスのセンサ入口と接続されている。これは
図2でもう一度より正確に示す。分配装置100の形態でのシステム全体を介し、こうして線形データフローが保証されている。
【0028】
この例示的実施形態によれば、データストリーム105、107は、PCIe180により計算機ユニット120、122、125、127へと分配される。代替的な1つの例示的実施形態によれば、そのほかの物理的インターフェイスと取り替えられており、これにより、データストリーム105、107はイーサネットおよび/またはAuroraおよび/またはLVDSによって複数の計算機へと分配される。代替的な1つの例示的実施形態によれば、生データストリーム150、160またはデータストリーム105、107を少なくとも部分的に、ここではMIPI-CSI接続197として構成されたポイントツーポイント接続により、専用の計算機構120、122、125、127へと送ることができ、データの複数の計算機への分配はまったくまたは非常に困難にしか可能でない。代替的な1つの例示的実施形態によれば、指向性のおよび別々のデータ経路が放棄され、データはすべて一元化された分配インスタンスを介して走らせる。
【0029】
分配装置100内のデータフローは、無指向性データフロー構造に比べて改善されており、それにより実行時間が減っていることが有利である。したがって、ここで紹介する分配装置100は、自動車分野での、とりわけ運転支援システムのための、上昇したデータスループット要求を満たす。
【0030】
図2は、1つの例示的実施形態に基づく後続処理装置175を備えた分配装置100のブロック図を示している。これは、
図1に基づいて説明した分配装置100であり得る。計算機ユニット120、125は、イーサネット200によって後続処理装置175と接続されている。代替的な1つの例示的実施形態によれば、計算機ユニット120、125および後続処理装置175の適用が、1つの同じボックス205に割り当てられている。
【0031】
図3は、1つの例示的実施形態に基づく高度自動運転が可能な車両用の制御機器のためのデータストリームの分配のための方法300のフロー図を示している。これは、前出の図の1つに基づいて説明した分配装置の1つによって実行可能な方法300であり得る。
【0032】
方法300は、少なくとも、読み込みおよび選択的な分配のステップ305と、処理のステップ310とを有する。
読み込みおよび選択的な分配のステップ305では、少なくとも1つの第1のセンサの少なくとも1つの第1のセンサデータストリームおよび少なくとも1つのさらなるセンサの少なくとも1つのさらなるセンサデータストリームが読み込まれ、かつ選択的に少なくとも1つの第1の計算機ユニットまたはさらなる計算機ユニットへと分配される。処理のステップ310では、センサデータストリームが処理される。
【0033】
ここで紹介しているプロセスステップは、反復でき、かつ説明したのとは違う順序で実行され得る。