(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】充電池管理装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/42 20060101AFI20220105BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20220105BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H01M10/42 P
H01M10/48 P
H02J7/00 B
(21)【出願番号】P 2020215057
(22)【出願日】2020-12-24
(62)【分割の表示】P 2017059370の分割
【原出願日】2017-03-24
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】宮嵜 優樹
(72)【発明者】
【氏名】中西 達司
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-067047(JP,A)
【文献】特開2011-193656(JP,A)
【文献】特開2011-142704(JP,A)
【文献】特開2013-084198(JP,A)
【文献】国際公開第2016/143384(WO,A1)
【文献】特許第6821122(JP,B2)
【文献】特開2018-163759(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0045786(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザによって利用される複数の電子機器に搭載される、充電池を管理する充電
池管理装置であって、
充電池交換管理部は、前記複数のユーザの各々の消費電力量の予測値である予測消費電
力量を算出し、更に、前記複数のユーザの各々の前記予測消費電力量と、前記充電池の各
々の最大充電電力量と、に基づいて、交換を推奨する充電池を決定すること
を特徴とする充電池管理装置。
【請求項2】
ユーザID及び充電池情報に基づいて、各ユーザの各充電池における消費電力量を算出
する情報管理部を更に備えること
を特徴とする請求項1に記載の充電管理装置。
【請求項3】
前記予測消費電力量は、前記複数のユーザの各々の1回の利用期間での消費電力量の予
測値であること
を特徴とする請求項1または2に記載の充電池管理装置。
【請求項4】
前記予測消費電力量は、インシデントタイプの各々における、出動したユーザの消費電
力量に基づいて、前記インシデントタイプが消費電力量に与える影響を表す値である係数
を用いて算出すること
を特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の充電池管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザに利用される複数の電子機器に搭載される、複数の充電池を管
理する充電池管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子機器に、充電池が搭載されている。充電池は、充放電を繰り返すことにより
、充電可能最大電力量が減少する劣化現象が発生する。関連する技術として、下記の特許
文献1には、二次電池の再利用のためのグレード分けを行う電池情報管理システムが記載
されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の電子機器を、複数のユーザを含むグループで利用する場合がある。そして、各ユ
ーザが複数の電子機器の内のどの電子機器を利用するかが、固定されていない場合がある
。さらに、各ユーザは、グループ内での役割が異なる場合がある。
【0005】
ユーザ毎の役割が異なることにより、1回の利用期間(電子機器を充電器から取り外し
た時から、電子機器の利用後に電子機器を充電器に戻した時までの期間)に必要とされる
電力量が、ユーザ毎に異なる傾向がある。従って、複数の電子機器に夫々搭載されている
複数の充電池の劣化が進行すると、多くの電力量を必要とするヘビーユーザにとって電力
不足となる充電池が生じ、複数の充電池の管理が煩雑になる。
【0006】
本発明は、複数の充電池の管理を好適に行うことができる充電池管理装置を提供するこ
とを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のユーザによって利用される複数の電子機器に搭載される、充電池を管
理する充電池管理装置であって、充電池交換管理部は、複数のユーザの各々の消費電力量
の予測値である予測消費電力量を算出し、更に、複数のユーザの各々の予測消費電力量と
、充電池の各々の最大充電電力量と、に基づいて、交換を推奨する充電池を決定すること
を特徴とする充電池管理装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の充電池の管理を好適に行うことができる充電池管理装置が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る充電池管理システムの一例を模式的に示す図である。
【
図2】実施形態に係る管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】実施形態に係る充電池管理システムの機能ブロックを示す図である。
【
図4】実施形態に係る充電池管理システムのユーザ利用情報データベースに格納されるデータの例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る充電池管理システムのユーザ利用情報データベースに格納されるデータの例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る充電池管理システムのユーザ利用情報データベースに格納されるデータの例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る充電池管理システムの充電池情報データベースに格納されるデータの例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る充電池管理システムの第1動作例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態に係る充電池管理システムの第1動作例の予測消費電力量算出サブルーチンを示すフローチャートである。
【
図10】実施形態に係る充電池管理システムで管理される消費電力量の一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る充電池管理システムで管理される消費電力量の一例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る充電池管理システムで管理される消費電力量の一例を示す図である。
【
図13】実施形態に係る充電池管理システムで管理される消費電力量の一例を示す図である。
【
図14】実施形態に係る充電池管理システムの第1動作例の交換推奨充電池決定サブルーチンを示すフローチャートである。
【
図15】実施形態に係る充電池管理システムの第1動作例の具体例を説明する図である。
【
図16】実施形態に係る充電池管理システムの第1動作例の具体例を説明する図である。
【
図17】実施形態に係る充電池管理システムの第2動作例の交換推奨充電池決定サブルーチンを示すフローチャートである。
【
図18】実施形態に係る充電池管理システムの第2動作例の具体例を説明する図である。
【
図19】実施形態に係る充電池管理システムの第2動作例の具体例を説明する図である。
【
図20】実施形態に係る充電池管理システムの第3動作例の交換推奨充電池決定サブルーチンを示すフローチャートである。
【
図21】実施形態に係る充電池管理システムの第3動作例の第1具体例を説明する図である。
【
図22】実施形態に係る充電池管理システムの第3動作例の第2具体例を説明する図である。
【
図23】実施形態に係る充電池管理システムの第4動作例の交換推奨充電池決定サブルーチンを示すフローチャートである。
【
図24】実施形態に係る充電池管理システムの第4動作例の具体例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに
限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。
また、一部の構成要素を用いない場合もある。
<実施形態>
(充電池管理システムの構成)
図1は、実施形態に係る充電池管理システムの一例を模式的に示す図である。充電池管
理システム1は、複数の電子機器5-1、5-2、・・・、5-n(nは、自然数)に夫
々搭載されている複数の充電池の管理を行うシステムである。以降において、複数の電子
機器5-1、5-2、・・・、5-nを電子機器5と総称する場合がある。電子機器5は
、無線機、携帯電話機、スマートフォン又はタブレットが例示されるが、本開示はこれら
に限定されない。
【0011】
充電池管理システム1は、充電装置2と、管理装置3と、を含む。充電装置2と管理装
置3とは、通信路4を介して通信可能である。通信路4は、有線LAN(Local Area N
etwork)、無線LAN、インターネット又はUSB(Universal Serial Bus)が例示さ
れるが、本開示はこれらに限定されない。
【0012】
充電装置2は、複数の電子機器5-1、5-2、・・・、5-nが夫々載置される複数
の載置部11-1、11-2、・・・、11-nを備える。以降において、複数の載置部
11-1、11-2、・・・、11-nを載置部11と総称する場合がある。
【0013】
電子機器5が載置部11に載置されると、電子機器5に搭載されている充電池が充電さ
れる。なお、充電池の充電は、充電端子を使用する接触式充電であっても良いし、充電端
子を使用しない非接触式充電であっても良い。非接触式充電は、Qi(チー)が例示され
る。
【0014】
充電装置2は、電子機器5を利用するユーザのユーザID(識別情報)を取得するユー
ザID取得部21を備える。ユーザID取得部21は、RFID(Radio Frequency Id
entifier)リーダ、磁気リーダ、QRコード(登録商標)リーダ又はタッチパネルが例示
されるが、本開示はこれらに限定されない。
【0015】
ユーザは、電子機器5を載置部11から取り上げる前に、自身のユーザIDをユーザI
D取得部21に入力する。また、実施形態では、ユーザID取得部21及び複数の載置部
11-1、11-2、・・・、11-nを一体としたが、本開示はこれに限定されない。
ユーザID取得部21及び複数の載置部11-1、11-2、・・・、11-nの内の1
つ又は複数は、別体であっても良い。
【0016】
充電装置2の複数の載置部11-1、11-2、・・・、11-nの近傍には、複数の
表示器12-1、12-2、・・・、12-nが、夫々配置されている。以降において、
複数の表示器12-1、12-2、・・・、12-nを表示器12と総称する場合がある
。表示器12は、発光ダイオード、液晶表示パネル又は有機EL(Electro Luminescenc
e)パネルが例示されるが、本開示はこれらに限定されない。また、表示器12は、複数
個ではなく、1個の液晶表示パネル又は有機ELパネルであっても良い。
【0017】
ユーザが自身のユーザIDをユーザID取得部21に入力し、ユーザID取得部21が
ユーザIDを取得したら、1つ又は複数の表示器12が、ユーザに利用することが推奨さ
れる充電池を搭載している1つ又は複数の電子機器5をユーザに提示する。具体的には、
ユーザに利用することが推奨される充電池を搭載している1つ又は複数の電子機器5が配
置されている1つ又は複数の載置部11の近傍の1つ又は複数の表示器12が、ユーザに
利用することが推奨される充電池を搭載している1つ又は複数の電子機器5をユーザに提
示する。ユーザは、表示器12によって提示された1つ又は複数の電子機器5の内の1つ
を取り上げて利用すると好適である。
【0018】
例えば、「甲さん」というユーザが自身のユーザIDをユーザID取得部21に入力し
、電子機器5-1及び5-2が「甲さん」というユーザに利用することが推奨される充電
池を搭載している場合を想定する。この場合、表示器12-1及び12-2が発光して、
電子機器5-1及び5-2の利用が推奨されることを「甲さん」というユーザに提示する
。「甲さん」というユーザは、表示器12-1及び12-2によって推奨が提示された電
子機器5-1及び5-2の内の1つを取り上げて利用する。
【0019】
図2は、実施形態に係る管理装置のハードウェア構成を示す図である。管理装置3は、
コンピュータを利用して実現可能である。コンピュータは、CPU(Central Processin
g Unit)51と、RAM(Random Access Memory)52と、ROM(Read Only Mem
ory)53と、記憶部54と、入力部55と、表示部56と、通信インタフェース(I/
F)57と、を含む。CPU51、RAM52、ROM53、記憶部54、入力部55、
表示部56及び通信インタフェース57は、バスBを介して接続されている。
【0020】
CPU51は、RAM52を作業領域として使用しながら、ROM53及び記憶部54
に記憶されているプログラムを実行する。ROM53に記憶されているプログラムは、B
IOS(Basic Input/Output System)又はUEFI(Unified Extensible Firmwar
e Interface)が例示される。記憶部54に記憶されているプログラムは、オペレーティ
ングシステムプログラム及び充電池管理プログラムが例示される。記憶部54は、SSD
(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)が例示される。
【0021】
入力部55は、ユーザからの操作入力を受け付ける受信装置である。入力部55は、キ
ーボード又はマウスが例示される。表示部56は、文字及び画像を表示する出力装置であ
る。表示部56は、ディスプレイであり、液晶表示装置が例示される。なお、表示部56
は、入力部55を兼ねるタッチパネルディスプレイでも良い。通信インタフェース57は
、通信路4を介して、充電装置2と通信を行う。
【0022】
図3は、実施形態に係る充電池管理システムの機能ブロックを示す図である。充電装置
2は、ユーザID取得部21と、充電部22と、充電池情報取得部23と、充電制御部2
4と、を備える。管理装置3は、情報管理部31と、交換管理部41と、を備える。情報
管理部31は、ユーザ利用情報データベース(DB)32と、充電池情報データベース(
DB)33と、充電池情報管理制御部34と、を備える。交換管理部41は、充電池交換
管理部42と、交換充電池提示部43と、を備える。
【0023】
CPU51が記憶部54に記憶されたプログラムを実行することにより、充電池情報管
理制御部34、充電池交換管理部42及び交換充電池提示部43が実現される。ユーザ利
用情報DB32及び充電池情報DB33は、記憶部54に記憶される。
【0024】
電子機器5-1、5-2、・・・、5-nは、充電池6-1、6-2、・・・、6-n
を夫々搭載している。充電池6-1、6-2、・・・、6-nは、充電池情報提示部7-
1、7-2、・・・、7-nを夫々備える。以降において、充電池6-1、6-2、・・
・、6-nを充電池6と総称する場合がある。また、以降において、充電池情報提示部7
-1、7-2、・・・、7-nを充電池情報提示部7と総称する場合がある。充電池6は
、充放電を複数回行うことが可能な電池であり、ニッケル水素充電池、リチウムイオン充
電池又はリチウムポリマー充電池が例示されるが、本開示はこれらに限定されない。
【0025】
充電池6は、図示しない充電池コントローラを内蔵している。充電池コントローラは、
フラッシュメモリで例示される不揮発性記憶媒体を備える。不揮発性記憶媒体に記憶され
る情報は、充電池ID、現在の充電電力量及び最大充電電力量が例示されるが、本開示は
これらに限定されない。
【0026】
充電池ID(識別情報)は、充電池6を一意に特定可能な情報である。最大充電電力量
は、充電池6が充電可能な充電電力量の上限であり、充電池6の劣化と共に減少する。現
在の充電電力量は、最大充電電力量に対する比(例えば、10%、90%等)で表されて
も良い。以降において、不揮発性記憶媒体に記憶される情報を充電池情報と総称する場合
がある。充電池情報提示部7は、不揮発性記憶媒体に記憶されている充電池情報を、充電
池情報取得部23に送信する。
【0027】
充電部22は、電子機器5に搭載されている充電池6に電力を供給して、充電池6を充
電する。充電制御部24は、充電部22を制御して、充電部22から充電池6への電力供
給を管理する。
【0028】
充電池情報取得部23は、充電池情報を充電池6から取得して充電制御部24に送る。
充電制御部24は、ユーザID取得部21に入力されたユーザIDと、ユーザが載置部1
1から取り上げて利用を開始した電子機器5に搭載されている充電池6の充電池情報と、
を、充電池情報管理制御部34に送信する。
【0029】
充電制御部24は、ユーザが利用を終了して載置部11に載置した電子機器5に搭載さ
れている充電池6の充電池情報を、充電池情報管理制御部34に送信する。なお、この際
、充電制御部24は、充電池情報に加えて、利用が終了した電子機器5を充電装置2に載
置したユーザのユーザIDをも、充電池情報管理制御部34に送信しても良い。
【0030】
充電池情報管理制御部34は、充電制御部24から受信したユーザID及び充電池情報
に基づいて、充電池6の利用に関する情報をユーザ利用情報DB32に記録するとともに
、充電池6に関する情報を充電池情報DB33に記録する。
【0031】
充電池交換管理部42は、ユーザ利用情報DB32に記録されている情報に基づいて、
複数のユーザの各々の1回の利用期間での消費電力量の予測値である予測消費電力量を算
出する。そして、充電池交換管理部42は、複数のユーザの各々の予測消費電力量と、複
数の充電池6の各々の最大充電電力量と、に基づいて、交換を推奨する充電池を決定する
。1回の利用期間は、ユーザが電子機器5を載置部11から取り上げた時から、電子機器
5の利用後に電子機器5を載置部11に載置した時までの期間が例示されるが、本開示は
これに限定されない。
【0032】
交換充電池提示部43は、交換が推奨される充電池6を、充電池6の管理担当者(備品
管理者)に提示する。具体的には、交換充電池提示部43は、交換が推奨される充電池6
を特定する情報を、表示部56に表示する。充電池6の管理担当者は、交換充電池提示部
43によって提示された情報に基づいて、交換が推奨される充電池6を、別の充電池6と
交換する。別の充電池6は、新品であっても良いし、リサイクル済みの物であっても良い
。
(実施形態の運用例)
実施形態に係る充電池管理システム1の運用例について説明する。ここでは、充電池管
理システム1が消防署で運用される場合について説明するが、本開示はこれに限定されな
い。充電池管理システム1は、警察署、企業、その他の団体で運用されることが可能であ
る。充電池管理システム1が消防署で運用される場合は、電子機器5は、携帯型の無線機
、いわゆるトランシーバが例示される。この場合、どのユーザが複数の電子機器の内のど
の電子機器を利用するかが固定されておらず、各ユーザが複数の電子機器の内のどの電子
機器でも利用できる。
【0033】
消防署では、次のような運用が想定される。火災発生に応じて出動指令が発令されたら
、複数のユーザ(消防官)の各々は、電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げて
出動する。複数のユーザ(消防官)の各々は、任務が終了したら、消防署に帰署して、電
子機器5(無線機)を載置部11に載置する。以下、消防署での運用の工程について説明
する。本運用例では、ユーザとして消防官を例に説明し、以降は、ユーザを単に消防官と
称して説明を進める。
[第1の工程]
火災発生に応じて出動指令が発令されたら、消防官は、電子機器5(無線機)を載置部
11から取り上げる前に、ユーザIDをユーザID取得部21に入力する。例えば、消防
官が、RFIDタグが内蔵されているIDカードを、ユーザID取得部21にかざすこと
が例示される。その後、消防官は、電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げて出
動する。
【0034】
充電制御部24は、電子機器5(無線機)を取り上げた消防官のユーザIDである利用
者ユーザID、取り上げられた電子機器5(無線機)に搭載されている充電池6の充電池
IDである利用充電池ID、電子機器5(無線機)が取り上げられた日時である利用開始
日時、及び、電子機器5(無線機)が取り上げられて利用が開始された時点での充電池6
の充電電力量である利用開始時充電電力量を、充電池情報管理制御部34に送信する。
【0035】
充電池情報管理制御部34は、ユーザID情報及び充電池情報を充電制御部24から受
信し、受信した情報をユーザ利用情報DB32及び充電池情報DB33に記録する。
【0036】
図4から
図6までは、実施形態に係る充電池管理システムのユーザ利用情報データベー
スに格納されるデータの例を示す図である。
図7は、実施形態に係る充電池管理システム
の充電池情報データベースに格納されるデータの例を示す図である。
【0037】
図4は、ユーザ利用情報DB32に格納される複数のユーザデータ61-1、61-2
、・・・、61-i(iは、自然数)を示す図である。以降において、複数のユーザデー
タ61-1、61-2、・・・、61-iをユーザデータ61と総称する場合がある。ユ
ーザデータ61は、グループに所属する消防官毎に作成される。従って、ユーザデータ6
1の個数iは、グループに所属する消防官の人数と同数である。
【0038】
ユーザデータ61は、ユーザIDの項目と、氏名の項目と、年齢の項目と、役職の項目
と、を含む。役職は、消防士、消防副士長、消防士長等の階級が例示されるが、本開示は
これらに限定されない。
【0039】
実施形態では、ユーザデータ61がユーザ利用情報DB32に格納されていることとし
たが、本開示はこれに限定されない。ユーザデータ61は、消防署のサーバの人事データ
ベースに格納されていても良い。
【0040】
図5は、ユーザ利用情報DB32に格納される複数のインシデントデータ71-1、7
1-2、・・・、71-j(jは、自然数)を示す図である。以降において、複数のイン
シデントデータ71-1、71-2、・・・、71-jをインシデントデータ71と総称
する場合がある。インシデントデータ71は、インシデント毎に作成される。従って、イ
ンシデントデータ71の個数jは、インシデントの発生回数と同数である。インシデント
は、一般に事件や出来事の総称を意味するものであり、実施形態では火災が例示されるが
、本開示はこれに限定されない。
【0041】
インシデントデータ71は、インシデントを一意に特定する識別情報であるインシデン
トIDの項目と、インシデントのタイプを表すインシデントタイプの項目と、インシデン
トの発生場所の項目と、インシデントの発生日時の項目と、を含む。インシデントタイプ
は、家屋火災、工場火災、森林火災又は商業施設火災が例示されるが、本開示はこれらに
限定されない。インシデントデータ71は、消防本部の通信司令室のサーバから管理装置
3に送信されても良いし、管理装置3に入力されても良い。
【0042】
実施形態では、インシデントデータ71がユーザ利用情報DB32に格納されているこ
ととしたが、本開示はこれに限定されない。インシデントデータ71は、消防署のサーバ
のインシデントデータベースに格納されていても良い。そして、管理装置3は、消防署の
サーバのインシデントデータベースを参照するようにしても良い。
【0043】
図6は、ユーザ利用情報DB32に格納される複数の利用記録データ81-1、81-
2、・・・、81-k(kは、自然数)を示す図である。以降において、複数の利用記録
データ81-1、81-2、・・・、81-kを利用記録データ81と総称する場合があ
る。利用記録データ81は、電子機器5(無線機)の利用毎に作成される。従って、利用
記録データ81の個数kは、電子機器5(無線機)の延べ利用回数と同数である。
【0044】
利用記録データ81は、消防官が電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げて利
用を開始した時点での充電池6の充電電力量である利用開始時充電電力量の項目を含む。
利用開始時充電電力量は、消防官が電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げて利
用を開始した時点で、充電池情報管理制御部34によって記録される。
【0045】
利用記録データ81は、消防官が電子機器5(無線機)の利用を終了して電子機器5(
無線機)を載置部11に載置した時点での充電池6の充電電力量である利用終了時充電電
力量の項目を含む。利用終了時充電電力量は、消防官が電子機器5(無線機)を載置部1
1から取り上げて利用を開始した時点では空欄であり、消防官が電子機器5(無線機)の
利用を終了して電子機器5(無線機)を載置部11に載置した時点で、充電池情報管理制
御部34によって記録される。
【0046】
利用記録データ81は、利用開始時充電電力量から利用終了時充電電力量を差し引いた
消費電力量の項目を含む。消費電力量は、消防官が電子機器5(無線機)を載置部11か
ら取り上げて利用を開始した時点では空欄であり、消防官が電子機器5(無線機)の利用
を終了して電子機器5(無線機)を載置部11に載置した時点で、充電池情報管理制御部
34によって計算されて記録される。
【0047】
利用記録データ81は、消防官が電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げて利
用を開始した日時である利用開始日時の項目を含む。利用開始日時は、消防官が電子機器
5(無線機)を載置部11から取り上げて利用を開始した時点で、充電池情報管理制御部
34によって記録される。
【0048】
利用記録データ81は、消防官が電子機器5(無線機)の利用を終了して電子機器5(
無線機)を載置部11に載置した日時である利用終了日時の項目を含む。利用終了日時は
、消防官が電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げて利用を開始した時点では空
欄であり、消防官が電子機器5(無線機)の利用を終了して電子機器5(無線機)を載置
部11に載置した時点で、充電池情報管理制御部34によって記録される。
【0049】
利用記録データ81は、電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げた消防官のユ
ーザIDである利用者ユーザIDの項目を含む。利用者ユーザIDは、消防官が電子機器
5(無線機)を載置部11から取り上げて利用を開始した時点で、充電池情報管理制御部
34によって記録される。
【0050】
利用記録データ81は、電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げた消防官の役
割である利用時役割の項目を含む。利用時役割は、機関作業員、指令者、救護作業員又は
消火作業員が例示されるが、本開示はこれらに限定されない。利用時役割は、消防本部の
通信司令室のサーバから管理装置3に送信されても良いし、管理装置3に入力されても良
い。
【0051】
利用記録データ81は、電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げた消防官が出
動したインシデントのインシデントIDである出動インシデントIDの項目を含む。出動
インシデントIDは、消防官が電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げて利用を
開始した時点で、充電池情報管理制御部34によってインシデントデータ71が参照され
て記録される。
【0052】
利用記録データ81は、載置部11から取り上げられた電子機器5(無線機)に搭載さ
れている充電池6の充電池IDである利用充電池IDの項目を含む。利用充電池IDは、
消防官が電子機器5(無線機)を載置部11から取り上げて利用を開始した時点で、充電
池情報管理制御部34によって記録される。
【0053】
図7は、充電池情報DB33に格納される複数の充電池データ91-1、91-2、・
・・、91-l(lは、自然数)を示す図である。以降において、複数の充電池データ9
1-1、91-2、・・・、91-lを充電池データ91と総称する場合がある。充電池
データ91は、充電池6毎に作成される。従って、充電池データ91の個数lは、充電池
6の個数と同数である。
【0054】
充電池データ91は、充電池IDの項目と、充電池6が充電可能な充電量の上限である
最大充電電力量の項目と、を含む。最大充電電力量は、消防官が電子機器5(無線機)の
利用を終了して電子機器5(無線機)を載置部11に載置した時点で、充電池情報管理制
御部34によって更新記録される。
[第2の工程]
消防官は、消火活動が終了して消防署に帰署したら、電子機器5(無線機)を載置部1
1に載置する。
【0055】
充電制御部24は、載置部11に載置された電子機器5(無線機)に搭載されている充
電池6の充電池ID、及び、消防官が電子機器5(無線機)の利用を終了して電子機器5
(無線機)を載置部11に載置した日時である利用終了日時を、充電池情報管理制御部3
4に送信する。また、充電制御部24は、電子機器5(無線機)が載置部11に載置され
た時点での充電池6の充電電力量である利用終了時充電電力量、及び、載置された電子機
器5(無線機)に搭載されている充電池6が充電可能な充電量の上限である最大充電電力
量を、充電池情報管理制御部34に送信する。
【0056】
充電池情報管理制御部34は、充電制御部24から受信した充電池IDをキーとして、
利用終了時電力量の項目、利用終了日時の項目及び消費電力量の項目が空欄である利用記
録データ81を検索することで、利用記録データ81を一意に特定する。そして、充電池
情報管理制御部34は、充電制御部24から受信した利用終了日時を、一意に特定した利
用記録データ81の利用終了日時の項目に記録する。また、充電池情報管理制御部34は
、充電制御部24から受信した利用終了時充電電力量を、一意に特定した利用記録データ
81の利用終了時充電電力量の項目に記録する。
【0057】
充電池情報管理制御部34は、利用開始時充電電力量から利用終了時充電電力量を差し
引くことで、消費電力量を計算する。そして、充電池情報管理制御部34は、計算した消
費電力量を、一意に特定した利用記録データ81の消費電力量の項目に記録する。
【0058】
充電池情報管理制御部34は、充電制御部24から受信した充電池IDをキーとして充
電池データ91を検索することで、充電池データ91を一意に特定する。そして、充電池
情報管理制御部34は、充電制御部24から受信した最大充電電力量を、一意に特定した
充電池データ91の最大充電電力量の項目に記録する。
(実施形態の動作例)
充電池交換管理部42は、定められたタイミングで、以下の第1動作例から第4動作例
までの何れかの動作例で示される動作を実行する。定められたタイミングは、運用上定め
られるタイミングであり、毎日、毎週又は毎月で例示される定期的なタイミングであって
も良いし、充電池の管理者の操作が行われたタイミング又は他のシステムからリクエスト
されたタイミングであっても良いが、本開示はこれらに限定されない。
[実施形態の第1動作例]
図8は、実施形態に係る充電池管理システムの第1動作例を示すフローチャートである
。
【0059】
充電池交換管理部42は、ステップS100において、全ての充電池6の各々の最大充
電電力量を、充電池情報DB33内の充電池データ91から読み出す。
【0060】
充電池交換管理部42は、ステップS102において、全てのユーザの各々の1回の利
用期間での予測消費電力量を算出する予測消費電力量算出サブルーチンを実行する。
【0061】
図9は、実施形態に係る充電池管理システムの第1動作例の予測消費電力量算出サブル
ーチンを示すフローチャートである。
図9を参照すると、充電池交換管理部42は、ステ
ップS200において、インシデントタイプに基づく第1係数を算出する。インシデント
タイプに基づく第1係数は、インシデントタイプが消費電力量に与える影響を表す値であ
る。インシデントタイプに基づく第1係数は、過去に発生したインシデントをインシデン
トタイプで分類し、インシデントタイプの各々における、出動した消防官の消費電力量に
基づいて算出される。
【0062】
充電池交換管理部42は、過去に発生した全てのインシデントにおける平均消費電力量
を算出する。充電池交換管理部42は、全ての利用記録データ81の消費電力量を平均す
ることで、過去に発生した全てのインシデントにおける平均消費電力量を算出できる。
【0063】
図10は、実施形態に係る充電池管理システムで管理される消費電力量の一例を示す図
である。
図10において、横軸方向は、過去に発生した全てのインシデントにおける消防
官の消費電力量を表し、縦軸方向は、度数を表す。線101は、過去に発生した全てのイ
ンシデントにおける消防官の消費電力量の度数を結んだ線である。線102は、過去に発
生した全てのインシデントにおける平均消費電力量を表す線である。線103は、過去に
発生した全てのインシデントにおける消費電力量の標準偏差を表す線である。
【0064】
また、充電池交換管理部42は、インシデントタイプの各々における、平均消費電力量
と、標準偏差と、を算出する。利用記録データ81は、出動インシデントIDの項目を有
しており、インシデントデータ71は、インシデントIDの項目と、インシデントタイプ
の項目と、を有している。従って、充電池交換管理部42は、利用記録データ81を出動
インシデントIDの項目で分類することにより、利用記録データ81をインシデントタイ
プの各々毎に分類することができる。これにより、充電池交換管理部42は、インシデン
トタイプの各々における、平均消費電力量と、標準偏差と、を算出できる。
【0065】
図11は、実施形態に係る充電池管理システムで管理される消費電力量の一例を示す図
である。
図11において、横軸方向は、インシデントタイプ毎における消防官の消費電力
量を表し、縦軸方向は、度数を表す。線111は、家屋火災というインシデントタイプに
おける消防官の消費電力量の度数を結んだ線である。線112は、工場火災というインシ
デントタイプにおける消防官の消費電力量の度数を結んだ線である。線113は、森林火
災というインシデントタイプにおける消防官の消費電力量の度数を結んだ線である。線1
14は、商業施設火災というインシデントタイプにおける消防官の消費電力量の度数を結
んだ線である。
【0066】
例えば、過去に発生した全てのインシデントタイプにおける平均消費電力量が200m
Ahであり、商業施設火災というインシデントタイプにおける平均消費電力量が300m
Ahであるとする。この場合には、充電池交換管理部42は、商業施設火災というインシ
デントタイプが消費電力量に与える影響を表す基礎値を、
(商業施設火災というインシデントタイプが消費電力量に与える影響を表す基礎値)
=(商業施設火災というインシデントタイプにおける平均消費電力量)/(過去に発生
した全てのインシデントタイプにおける平均消費電力量)
=300/200
=1.5
と、算出する。
【0067】
なお、ミリアンペア時(mAh)は、電荷量の単位であって、電力量の単位ではない。
しかしながら、充電池の分野では、充電量をミリアンペア時(mAh)で表すことが一般
に行われている。充電池の出力電圧は、厳密には一定ではないものの、概ね一定であると
考えれば、ミリアンペア時(mAh)の値と電力量の値とは正比例する。従って、ミリア
ンペア時(mAh)の値を、電力量を指し示す値として使用できる。
【0068】
また、充電池交換管理部42は、インシデントタイプにおける、消費電力量の標準偏差
による影響を考慮する。実施形態では、インシデントタイプにおける、消費電力量の標準
偏差による影響を考慮するに当たり、安全係数が設定される。安全係数は、予測消費電力
量を算出する際に、どの程度の余裕(マージン)を持たせるかを表す値であり、運用者に
よって設定される固定値である。安全係数は、2.0が例示されるが、本開示はこれに限
定されない。
【0069】
商業施設火災というインシデントタイプにおける、消費電力量の標準偏差が300mA
hであるとする。先に、商業施設火災というインシデントタイプにおける平均消費電力量
は、300mAhであるとした。商業施設火災というインシデントタイプにおける、消費
電力量の標準偏差の、商業施設火災というインシデントタイプにおける平均消費電力量に
対する比は、1.0となる。従って、充電池交換管理部42は、商業施設火災というイン
シデントタイプにおける、消費電力量の標準偏差による影響値を、
(商業施設火災というインシデントタイプにおける、消費電力量の標準偏差による影響
値)
=(商業施設火災というインシデントタイプにおける、消費電力量の標準偏差の、商業
施設火災というインシデントタイプにおける平均消費電力量に対する比)+(安全係数)
×(商業施設火災というインシデントタイプにおける、消費電力量の標準偏差)/(商業
施設火災というインシデントタイプにおける平均消費電力量)
=1.0+2.0×300/300
=1.0+2.0
=3.0
と、算出する。
【0070】
これにより、充電池交換管理部42は、商業施設火災というインシデントタイプに基づ
く第1係数を、
(商業施設火災というインシデントタイプに基づく第1係数)
=(商業施設火災というインシデントタイプが平均消費電力量に与える影響を表す基礎
値)×(商業施設火災というインシデントタイプにおける、標準偏差による影響値)
=1.5×3.0
=4.5
と、算出する。
【0071】
充電池交換管理部42は、家屋火災、工場火災及び森林火災というインシデントタイプ
の各々についても、商業施設火災というインシデントタイプと同様に第1係数を算出し、
算出された複数の第1係数の中の最大値を採用しても良い。あるいは、充電池交換管理部
42は、家屋火災、工場火災、森林火災及び商業施設火災の内の管理者によって指定され
たインシデントタイプに基づく第1係数を採用しても良い。
【0072】
再び
図9を参照すると、充電池交換管理部42は、ステップS202において、インシ
デントの発生場所に基づく第2係数を算出する。インシデントの発生場所に基づく第2係
数は、インシデントの発生場所が消費電力量に与える影響を表す値である。インシデント
の発生場所に基づく第2係数は、過去に発生したインシデントを発生場所で分類し、イン
シデントの発生場所の各々における、出動した消防官の消費電力量の総和に基づいて算出
される。
【0073】
実施形態では、充電池交換管理部42は、インシデントの発生場所を、人口密度で分類
する。具体的には、充電池交換管理部42は、インシデントの発生場所を、人口密度の高
い順に、都心部、都市部、郊外及びその他の場所の4つに分類する。なお、充電池交換管
理部42は、人口密度の特定の複数の値を複数の境界値とし、複数の境界値でインシデン
トの発生場所を分類しても良い。
【0074】
充電池交換管理部42は、インシデントの発生場所の各々における、平均消費電力量と
、標準偏差と、を算出する。利用記録データ81は、出動インシデントIDの項目を有し
ており、インシデントデータ71は、インシデントIDの項目と、インシデントの発生場
所の項目と、を有している。従って、充電池交換管理部42は、利用記録データ81を、
出動インシデントIDの項目で分類することにより、利用記録データ81をインシデント
の発生場所の各々毎に分類することができる。これにより、充電池交換管理部42は、イ
ンシデントの発生場所の各々における、平均消費電力量と、標準偏差と、を算出できる。
【0075】
図12は、実施形態に係る充電池管理システムで管理される消費電力量の一例を示す図
である。
図12において、横軸方向は、インシデントの発生場所毎における消防官の消費
電力量の総和を表し、縦軸方向は、度数を表す。線121は、都市部という、インシデン
トの発生場所における消防官の消費電力量の度数を結んだ線である。線122は、都心部
という、インシデントの発生場所における消防官の消費電力量の度数を結んだ線である。
線123は、郊外という、インシデントの発生場所における消防官の消費電力量の度数を
結んだ線である。線124は、その他の場所という、インシデントの発生場所における消
防官の消費電力量の度数を結んだ線である。
【0076】
充電池交換管理部42は、インシデントの発生場所に基づく第2係数を、インシデント
タイプに基づく第1係数と同様に算出する。例えば、充電池交換管理部42は、都心部と
いう、インシデントの発生場所が消費電力量に与える影響を表す基礎値を、
(都心部という、インシデントの発生場所が消費電力量に与える影響を表す基礎値)
=(都心部という、インシデントの発生場所における平均消費電力量)/(過去に発生
した全てのインシデントの発生場所における平均消費電力量)
と、算出する。
【0077】
また、充電池交換管理部42は、都心部という、インシデントの発生場所における、消
費電力量の標準偏差による影響値を、
(都心部という、インシデントの発生場所における、消費電力量の標準偏差による影響
値)
=(都心部という、インシデントの発生場所における、消費電力量の標準偏差の、都心
部という、インシデントの発生場所における平均消費電力量に対する比)+(安全係数)
×(都心部という、インシデントの発生場所における、消費電力量の標準偏差)/(都心
部という、インシデントの発生場所における平均消費電力量)
と、算出する。
【0078】
これにより、充電池交換管理部42は、都心部という、インシデントの発生場所に基づ
く第2係数を、
(都心部という、インシデントの発生場所に基づく第2係数)
=(都心部という、インシデントの発生場所が平均消費電力量に与える影響を表す基礎
値)×(都心部という、インシデントの発生場所における、標準偏差による影響値)
と、算出する。
【0079】
充電池交換管理部42は、都市部、郊外及びその他の場所という、インシデントの発生
場所の各々についても、都心部という、インシデントの発生場所と同様に第2係数を算出
し、算出された複数の第2係数の中の最大値を採用しても良い。あるいは、充電池交換管
理部42は、都心部、都市部、郊外及びその他の場所の内の管理者によって指定されたイ
ンシデントの発生場所に基づく第2係数を採用しても良い。
【0080】
再び
図9を参照すると、充電池交換管理部42は、ステップS204において、消防官
の役割に基づく第3係数を算出する。消防官の役割に基づく第3係数は、消防官の役割が
消費電力量に与える影響を表す値である。消防官の役割に基づく第3係数は、過去に発生
したインシデントでの消防官の役割の各々における、出動した消防官の消費電力量に基づ
いて算出される。
【0081】
実施形態では、充電池交換管理部42は、消防官の役割を、機関作業員、指令者、救護
作業員及び消火作業員で分類する。なお、これらの役割は例示であって、本開示はこれら
に限定されない。
【0082】
充電池交換管理部42は、消防官の役割の各々における、平均消費電力量と、標準偏差
と、を算出する。利用記録データ81は、利用時役割の項目を有している。従って、充電
池交換管理部42は、利用記録データ81を、利用時役割の項目で分類することにより、
利用記録データ81を消防官の役割の各々毎に分類することができる。これにより、充電
池交換管理部42は、消防官の役割の各々における、平均消費電力量と、標準偏差と、を
算出できる。
【0083】
図13は、実施形態に係る充電池管理システムで管理される消費電力量の一例を示す図
である。
図13において、横軸方向は、消防官の役割毎における消防官の消費電力量を表
し、縦軸方向は、度数を表す。線131は、機関作業員という、消防官の役割における消
防官の消費電力量の度数を結んだ線である。線132は、指令者という、消防官の役割に
おける消防官の消費電力量の度数を結んだ線である。線133は、救護作業員という、消
防官の役割における消防官の消費電力量の度数を結んだ線である。線134は、消火作業
員という、消防官の役割における消防官の消費電力量の度数を結んだ線である。
【0084】
充電池交換管理部42は、消防官の役割に基づく第3係数を、インシデントタイプに基
づく第1係数、及び、インシデントの発生場所に基づく第2係数と同様に算出する。例え
ば、充電池交換管理部42は、機関作業員という、消防官の役割が消費電力量に与える影
響を表す基礎値を、
(機関作業員という、消防官の役割が消費電力量に与える影響を表す基礎値)
=(機関作業員という、消防官の役割における平均消費電力量)/(全ての役割におけ
る平均消費電力量)
と、算出する。
【0085】
また、充電池交換管理部42は、機関作業員という、消防官の役割における、消費電力
量の標準偏差による影響値を、
(機関作業員という、消防官の役割における、消費電力量の標準偏差による影響値)
=(機関作業員という、消防官の役割における、消費電力量の標準偏差の、機関作業員
という、消防官の役割における平均消費電力量に対する比)+(安全係数)×(機関作業
員という、消防官の役割における、消費電力量の標準偏差)/(機関作業員という、消防
官の役割における平均消費電力量)
と、算出する。
【0086】
これにより、充電池交換管理部42は、機関作業員という、ユーザ(消防官)の役割に
基づく第3係数を、
(機関作業員という、消防官の役割に基づく第3係数)
=(機関作業員という、消防官の役割が平均消費電力量に与える影響を表す基礎値)×
(機関作業員という、消防官の役割における、標準偏差による影響値)
と、算出する。
【0087】
充電池交換管理部42は、指令者、救護作業員及び消火作業員という、消防官の役割の
各々についても、機関作業員という、消防官の役割と同様に第3係数を算出し、算出され
た複数の第3係数の中の最大値を採用しても良い。あるいは、充電池交換管理部42は、
機関作業員、指令者、救護作業員及び消火作業員の内の管理者によって指定された消防官
の役割に基づく第3係数を採用しても良い。
【0088】
再び
図9を参照すると、充電池交換管理部42は、ステップS206において、複数の
消防官の各々の1回の利用期間での平均消費電力量を算出する。利用記録データ81は、
利用者ユーザIDの項目と、消費電力量の項目と、を有している。従って、充電池交換管
理部42は、利用記録データ81を利用者ユーザIDの項目で分類することにより、利用
記録データ81を複数の消防官の各々毎に分類することができる。これにより、充電池交
換管理部42は、複数の消防官の各々の1回の利用期間での平均消費電力量を算出できる
。
【0089】
充電池交換管理部42は、ステップS208において、複数の消防官の各々の平均消費
電力量に、第1係数、第2係数及び第3係数を乗じることにより、複数の消防官の各々の
予測消費電力量を算出する。
【0090】
なお、充電池交換管理部42は、(各消防官の最大消費電力量)×(安全係数(例えば
、1.5))、又は、(各消防官の平均消費電力量)×(安全係数(例えば、2.0))
のように、各消防官の過去の消費電力量に安全マージンを加味して、各消防官の予測消費
電力量を算出しても良い。また、充電池交換管理部42は、各消防官のシフトなどの要因
、天候又は気温を加味して、各消防官の予測消費電力量を算出しても良い。
【0091】
再び
図8を参照すると、充電池交換管理部42は、ステップS104において、交換を
推奨する充電池を決定する交換推奨充電池決定サブルーチンを実行する。
【0092】
図14は、実施形態に係る充電池管理システムの第1動作例の交換推奨充電池決定サブ
ルーチンを示すフローチャートである。
図14を参照すると、充電池交換管理部42は、
ステップS300において、複数の消防官の予測消費電力量の最小値を特定する。
【0093】
充電池交換管理部42は、ステップS302において、予測消費電力量の最小値よりも
小さい最大充電電力量の充電池があるか否かを判定する。充電池交換管理部42は、予測
消費電力量の最小値よりも小さい最大充電電力量の充電池があると判定したら(ステップ
S302でYes)、処理をステップS304に進める。充電池交換管理部42は、予測
消費電力量の最小値よりも小さい最大充電電力量の充電池がないと判定したら(ステップ
S302でNo)、処理を終了する。
【0094】
充電池交換管理部42は、ステップS304において、予測消費電力量の最小値よりも
小さい最大充電電力量に該当する充電池を、交換推奨充電池に決定する。
【0095】
交換充電池提示部43は、ステップS306において、交換推奨充電池を充電池の管理
者に提示する。交換充電池提示部43は、交換推奨充電池を表示部56に表示しても良い
。また、交換充電池提示部43は、交換推奨充電池を、充電池の管理者宛ての電子メール
で提示しても良い。また、交換充電池提示部43は、交換推奨充電池を表示器12に表示
しても良い。
[実施形態の第1動作例の具体例]
図15及び
図16は、実施形態に係る充電池管理システムの第1動作例の具体例を説明
する図である。
【0096】
図15において、横軸方向は、消防官を表し、縦軸方向は、予測消費電力量を表す。こ
こでは、「甲さん」、「乙さん」、「丙さん」、「丁さん」、「戊さん」、「己さん」、
「庚さん」、「辛さん」、及び、「壬さん」の9人の消防官が居るものとする。そして、
「甲さん」の予測消費電力量が、予測消費電力量の最小値Qminである。充電池交換管
理部42は、ステップS300において、「甲さん」の予測消費電力量を、予測消費電力
量の最小値Qminに特定する。
【0097】
図16において、横軸方向は、充電池を表し、縦軸方向は、最大充電電力量を表す。こ
こでは、「充電池A」、「充電池B」、「充電池C」、「充電池D」、「充電池E」、「
充電池F」、「充電池G」、「充電池H」、「充電池I」、「充電池J」、及び、「充電
池K」の11個の充電池が有るものとする。そして、「充電池A」の最大充電電力量が、
予測消費電力量の最小値Qminよりも小さい。この場合、「充電池A」は、「甲さん」
から「壬さん」までの9人の誰にも利用できない充電池ということになる。
【0098】
この場合、充電池交換管理部42は、ステップS302において、予測消費電力量の最
小値Qminよりも小さい最大充電電力量の充電池である「充電池A」があると判定する
。そして、充電池交換管理部42は、ステップS304において、「充電池A」を交換推
奨充電池に決定する。
【0099】
交換充電池提示部43は、ステップS306において、交換推奨充電池である「充電池
A」を充電池の管理者に提示する。充電池の管理者は、提示を受けたら、「充電池A」を
新品又はリサイクル処理済みの「充電池L」に交換する。交換後は、「甲さん」から「壬
さん」までには、「充電池B」から「充電池L」までが夫々利用推奨される。
【0100】
第1動作例によれば、充電池管理システム1は、インシデントタイプ、インシデントの
発生場所、及び、消防官の役割に基づいて、複数の消防官の各々の予測消費電力量を算出
できる。これにより、充電池管理システム1は、様々なインシデントタイプ、様々なイン
シデントの発生場所、及び、消防官の様々な役割に応じて、複数の消防官の各々の予測消
費電力量を好適に算出できる。
【0101】
また、充電池管理システム1は、複数のユーザの各々の予測消費電力量に基づいて、交
換を推奨する充電池を好適に決定できる。これにより、充電池管理システム1は、複数の
充電池の管理を好適に行うことができる。また、充電池管理システム1は、複数の充電池
の劣化状況と消防官の利用状況とに応じて、交換を推奨する充電池を効率的に決定するこ
とができ、経済性の高い運用を好適に行うことができる。また、充電池管理システム1は
、後述する第3動作例及び第4動作例と比較して、交換推奨充電池を少ない処理で決定で
きる。
[実施形態の第2動作例]
実施形態に係る充電池管理システム1の第2動作例の全体フローチャートは、
図8に示
した第1動作例の全体フローチャートと同じである。実施形態に係る充電池管理システム
1の第2動作例は、交換推奨充電池決定サブルーチン(ステップS104)の内容が、第
1動作例と異なる。
【0102】
図17は、実施形態に係る充電池管理システムの第2動作例の交換推奨充電池決定サブ
ルーチンを示すフローチャートである。
図17を参照すると、充電池交換管理部42は、
ステップS400において、複数の消防官の予測消費電力量の中央値を特定する。
【0103】
充電池交換管理部42は、ステップS402において、予測消費電力量の中央値よりも
小さい最大充電電力量の充電池があるか否かを判定する。充電池交換管理部42は、予測
消費電力量の中央値よりも小さい最大充電電力量の充電池があると判定したら(ステップ
S402でYes)、処理をステップS404に進める。充電池交換管理部42は、予測
消費電力量の中央値よりも小さい最大充電電力量の充電池がないと判定したら(ステップ
S402でNo)、処理を終了する。
【0104】
充電池交換管理部42は、ステップS404において、予測消費電力量の中央値よりも
小さい最大充電電力量に該当する充電池を、交換推奨充電池に決定する。
【0105】
交換充電池提示部43は、ステップS406において、交換推奨充電池を充電池の管理
者に提示する。
[実施形態の第2動作例の具体例]
図18及び
図19は、実施形態に係る充電池管理システムの第2動作例の具体例を説明
する図である。
【0106】
図18において、横軸方向は、消防官を表し、縦軸方向は、予測消費電力量を表す。こ
こでは、「甲さん」、「乙さん」、「丙さん」、「丁さん」、「戊さん」、「己さん」、
「庚さん」、「辛さん」、及び、「壬さん」の9人の消防官が居るものとする。そして、
「戊さん」の予測消費電力量が、予測消費電力量の中央値Qmedである。充電池交換管
理部42は、ステップS400において、「戊さん」の予測消費電力量を、予測消費電力
量の中央値Qmedに特定する。
【0107】
図19において、横軸方向は、充電池を表し、縦軸方向は、最大充電電力量を表す。こ
こでは、「充電池A」、「充電池B」、「充電池C」、「充電池D」、「充電池E」、「
充電池F」、「充電池G」、「充電池H」、「充電池I」、「充電池J」、及び、「充電
池K」の11個の充電池が有るものとする。そして、「充電池A」、「充電池B」、及び
、「充電池C」の最大充電電力量が、予測消費電力量の中央値Qmedよりも小さい。こ
の場合、「充電池A」、「充電池B」、及び、「充電池C」は、「甲さん」から「壬さん
」までの9人の内の凡そ半分の人(「甲さん」、「乙さん」、「丙さん」、及び、「丁さ
ん」の4人)に利用できない充電池ということになる。
【0108】
この場合、充電池交換管理部42は、ステップS402において、予測消費電力量の中
央値Qmedよりも小さい最大充電電力量の充電池である「充電池A」、「充電池B」、
及び、「充電池C」があると判定する。そして、充電池交換管理部42は、ステップS4
04において、「充電池A」、「充電池B」、及び、「充電池C」を交換推奨充電池に決
定する。
【0109】
交換充電池提示部43は、ステップS406において、交換推奨充電池である「充電池
A」、「充電池B」、及び、「充電池C」を充電池の管理者に提示する。充電池の管理者
は、提示を受けたら、「充電池A」、「充電池B」、及び、「充電池C」を新品又はリサ
イクル処理済みの「充電池L」、「充電池M」、及び、「充電池N」に交換する。交換後
は、「甲さん」から「壬さん」までには、「充電池D」から「充電池N」までが夫々利用
推奨される。
【0110】
第2動作例によれば、充電池管理システム1は、複数のユーザの各々の予測消費電力量
に基づいて、交換を推奨する充電池を好適に決定できる。これにより、充電池管理システ
ム1は、複数の充電池の管理を好適に行うことができる。また、充電池管理システム1は
、複数の充電池の劣化状況と消防官の利用状況とに応じて、交換を推奨する充電池を効率
的に決定することができ、経済性の高い運用を好適に行うことができる。また、充電池管
理システム1は、後述する第3動作例及び第4動作例と比較して、交換推奨充電池を少な
い処理で決定できる。
[実施形態の第3動作例]
実施形態に係る充電池管理システム1の第3動作例の全体フローチャートは、
図8に示
した第1動作例の全体フローチャートと同じである。実施形態に係る充電池管理システム
1の第3動作例は、交換推奨充電池決定サブルーチン(ステップS104)の内容が、第
1動作例及び第2動作例と異なる。
【0111】
図20は、実施形態に係る充電池管理システムの第3動作例の交換推奨充電池決定サブ
ルーチンを示すフローチャートである。
図20を参照すると、充電池交換管理部42は、
ステップS500において、予測消費電力量が最小である消防官を特定する。
【0112】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、特定した消防官に利用推奨充電
池を割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、最大充電電力量が
、特定した消防官の予測消費電力量以上且つ最小であり、未割り当てである充電池を、利
用推奨充電池として、特定した消防官に割り当てる。
【0113】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理(ステップS502)が全ての消防官に対して実行されたか否かを判定する。充電池交
換管理部42は、利用推奨充電池を割り当てる処理が全ての消防官に対して実行されたと
判定したら(ステップS504でYes)、処理をステップS508に進める。充電池交
換管理部42は、利用推奨充電池を割り当てる処理が全ての消防官に対して実行されてい
ないと判定したら(ステップS504でNo)、処理をステップS506に進める。
【0114】
充電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい消
防官を特定し、処理をステップS502に進める。充電池交換管理部42は、ステップS
502からステップS506までのループを繰り返すことにより、利用推奨充電池を割り
当てる処理を全ての消防官に対して実行する。
【0115】
充電池交換管理部42は、ステップS508において、利用推奨充電池が全ての消防官
に割り当てられたか否かを判定する。充電池交換管理部42は、利用推奨充電池が全ての
消防官に割り当てられたと判定したら(ステップS508でYes)、処理をステップS
510に進める。充電池交換管理部42は、利用推奨充電池が全ての消防官に割り当てら
れていないと判定したら(ステップS508でNo)、処理をステップS512に進める
。
【0116】
充電池交換管理部42は、ステップS510において、最小の予測消費電力量のユーザ
の利用推奨充電池を割り当てる処理で割り当てがスキップされた充電池を、交換推奨充電
池に決定する。充電池交換管理部42は、その後、処理をステップS514に進める。
【0117】
充電池交換管理部42は、ステップS512において、最大充電電力量の小さい充電池
から、利用推奨充電池が割り当てられなかった消防官の数と同数の充電池を、交換推奨充
電池に決定する。充電池交換管理部42は、その後、処理をステップS514に進める。
【0118】
交換充電池提示部43は、ステップS514において、交換推奨充電池を充電池の管理
者に提示する。
[実施形態の第3動作例の第1具体例]
図21は、実施形態に係る充電池管理システムの第3動作例の第1具体例を説明する図
である。
【0119】
図21に示すように、「充電池A」、「充電池B」、「充電池C」、「充電池D」、「
充電池E」、「充電池F」、「充電池G」、「充電池H」、「充電池I」、「充電池J」
、及び、「充電池K」の11個の充電池が有るものとする。また、「甲さん」、「乙さん
」、「丙さん」、「丁さん」、「戊さん」、「己さん」、「庚さん」、「辛さん」、及び
、「壬さん」の9人の消防官が居るものとする。
【0120】
「充電池A」の最大充電電力量は、「10mAh」である。「充電池B」の最大充電電
力量は、「45mAh」である。「充電池C」の最大充電電力量は、「48mAh」であ
る。「充電池D」の最大充電電力量は、「50mAh」である。「充電池E」の最大充電
電力量は、「80mAh」である。「充電池F」の最大充電電力量は、「90mAh」で
ある。「充電池G」から「充電池K」までの最大充電電力量は、「100mAh」である
。
【0121】
「甲さん」の予測消費電力量は、「20mAh」である。「乙さん」の予測消費電力量
は、「40mAh」である。「丙さん」及び「丁さん」の予測消費電力量は、「60mA
h」である。「戊さん」及び「己さん」の予測消費電力量は、「80mAh」である。「
庚さん」、「辛さん」、及び、「壬さん」の予測消費電力量は、「90mAh」である。
【0122】
充電池交換管理部42は、ステップS500において、予測消費電力量が最小である「
甲さん」を特定する。充電池交換管理部42は、ステップS502において、「甲さん」
に利用推奨充電池を割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢
印141で示すように、最大充電電力量が、「甲さん」の予測消費電力量「20mAh」
以上且つ最小であり、未割り当てである「充電池B」を、利用推奨充電池として、「甲さ
ん」に割り当てる。
【0123】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「乙さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0124】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「乙さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印142で示すよう
に、最大充電電力量が、「乙さん」の予測消費電力量「40mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池C」を、利用推奨充電池として、「乙さん」に割り当てる。
【0125】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「丙さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0126】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「丙さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印143で示すよう
に、最大充電電力量が、「丙さん」の予測消費電力量「60mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池E」を、利用推奨充電池として、「丙さん」に割り当てる。
【0127】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「丁さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0128】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「丁さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印144で示すよう
に、最大充電電力量が、「丁さん」の予測消費電力量「60mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池F」を、利用推奨充電池として、「丁さん」に割り当てる。
【0129】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「戊さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0130】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「戊さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印145で示すよう
に、最大充電電力量が、「戊さん」の予測消費電力量「80mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池G」を、利用推奨充電池として、「戊さん」に割り当てる。
【0131】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「己さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0132】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「己さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印146で示すよう
に、最大充電電力量が、「己さん」の予測消費電力量「80mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池H」を、利用推奨充電池として、「己さん」に割り当てる。
【0133】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「庚さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0134】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「庚さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印147で示すよう
に、最大充電電力量が、「庚さん」の予測消費電力量「90mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池I」を、利用推奨充電池として、「庚さん」に割り当てる。
【0135】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「辛さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0136】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「辛さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印148で示すよう
に、最大充電電力量が、「辛さん」の予測消費電力量「90mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池J」を、利用推奨充電池として、「辛さん」に割り当てる。
【0137】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「壬さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0138】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「壬さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印149で示すよう
に、最大充電電力量が、「壬さん」の予測消費電力量「90mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池K」を、利用推奨充電池として、「壬さん」に割り当てる。
【0139】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されたと判定し(ステップS504でYes)、処理をス
テップS508に進める。
【0140】
充電池交換管理部42は、ステップS508において、最小の予測消費電力量のユーザ
の利用推奨充電池が全ての消防官に割り当てられたと判定し(ステップS508でYes
)、処理をステップS510に進める。
【0141】
充電池交換管理部42は、ステップS510において、利用推奨充電池を割り当てる処
理で割り当てがスキップされた「充電池A」及び「充電池D」の内、最小の予測消費電力
量のユーザへの割り当ての際にスキップされた「充電池A」を、交換推奨充電池に決定し
、処理をステップS514に進める。
【0142】
交換充電池提示部43は、ステップS514において、交換推奨充電池である「充電池
A」を、充電池の管理者に提示する。充電池の管理者は、提示を受けたら、「充電池A」
を新品又はリサイクル処理済みの充電池に交換する。
[実施形態の第3動作例の第2具体例]
図22は、実施形態に係る充電池管理システムの第3動作例の第2具体例を説明する図
である。
【0143】
図22に示すように、「充電池A」、「充電池B」、「充電池C」、「充電池D」、「
充電池E」、「充電池F」、「充電池G」、「充電池H」、及び、「充電池I」の9個の
充電池が有るものとする。また、「甲さん」、「乙さん」、「丙さん」、「丁さん」、「
戊さん」、「己さん」、「庚さん」、「辛さん」、及び、「壬さん」の9人の消防官が居
るものとする。
【0144】
「充電池A」の最大充電電力量は、「10mAh」である。「充電池B」の最大充電電
力量は、「45mAh」である。「充電池C」の最大充電電力量は、「48mAh」であ
る。「充電池D」の最大充電電力量は、「50mAh」である。「充電池E」の最大充電
電力量は、「80mAh」である。「充電池F」の最大充電電力量は、「90mAh」で
ある。「充電池G」、「充電池H」、及び、「充電池I」の最大充電電力量は、「100
mAh」である。
【0145】
「甲さん」の予測消費電力量は、「20mAh」である。「乙さん」の予測消費電力量
は、「40mAh」である。「丙さん」及び「丁さん」の予測消費電力量は、「60mA
h」である。「戊さん」及び「己さん」の予測消費電力量は、「80mAh」である。「
庚さん」、「辛さん」、及び、「壬さん」の予測消費電力量は、「90mAh」である。
【0146】
充電池交換管理部42は、ステップS500において、予測消費電力量が最小である「
甲さん」を特定する。充電池交換管理部42は、ステップS502において、「甲さん」
に利用推奨充電池を割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢
印151で示すように、最大充電電力量が、「甲さん」の予測消費電力量「20mAh」
以上且つ最小であり、未割り当てである「充電池B」を、利用推奨充電池として、「甲さ
ん」に割り当てる。
【0147】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「乙さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0148】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「乙さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印152で示すよう
に、最大充電電力量が、「乙さん」の予測消費電力量「40mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池C」を、利用推奨充電池として、「乙さん」に割り当てる。
【0149】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「丙さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0150】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「丙さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印153で示すよう
に、最大充電電力量が、「丙さん」の予測消費電力量「60mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池E」を、利用推奨充電池として、「丙さん」に割り当てる。
【0151】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「丁さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0152】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「丁さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印154で示すよう
に、最大充電電力量が、「丁さん」の予測消費電力量「60mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池F」を、利用推奨充電池として、「丁さん」に割り当てる。
【0153】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「戊さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0154】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「戊さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印155で示すよう
に、最大充電電力量が、「戊さん」の予測消費電力量「80mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池G」を、利用推奨充電池として、「戊さん」に割り当てる。
【0155】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「己さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0156】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「己さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印156で示すよう
に、最大充電電力量が、「己さん」の予測消費電力量「80mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池H」を、利用推奨充電池として、「己さん」に割り当てる。
【0157】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「庚さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0158】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「庚さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印157で示すよう
に、最大充電電力量が、「庚さん」の予測消費電力量「90mAh」以上且つ最小であり
、未割り当てである「充電池I」を、利用推奨充電池として、「庚さん」に割り当てる。
【0159】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「辛さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0160】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「辛さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。しかしながら、最大充電電力量が、「辛さん」の予測消費電
力量「90mAh」以上且つ最小であり、未割り当てである充電池がない。従って、充電
池交換管理部42は、「辛さん」に利用推奨充電池を割り当てない。
【0161】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップS504でNo)。充
電池交換管理部42は、ステップS506において、予測消費電力量が次に小さい「壬さ
ん」を特定し、処理をステップS502に進める。
【0162】
充電池交換管理部42は、ステップS502において、「壬さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。しかしながら、最大充電電力量が、「壬さん」の予測消費電
力量「90mAh」以上且つ最小であり、未割り当てである充電池がない。従って、充電
池交換管理部42は、「壬さん」に利用推奨充電池を割り当てない。
【0163】
充電池交換管理部42は、ステップS504において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されたと判定し(ステップS504でYes)、処理をス
テップS508に進める。
【0164】
充電池交換管理部42は、ステップS508において、利用推奨充電池が全ての消防官
に割り当てられていないと判定し(ステップS508でNo)、処理をステップS512
に進める。
【0165】
充電池交換管理部42は、ステップS512において、最大充電電力量の小さい充電池
から、利用推奨充電池が割り当てられなかった消防官の数「2」と同数の充電池すなわち
「充電池A」及び「充電池B」を、交換推奨充電池に決定する。充電池交換管理部42は
、その後、処理をステップS514に進める。
【0166】
交換充電池提示部43は、ステップS514において、交換推奨充電池である「充電池
A」及び「充電池B」を、充電池の管理者に提示する。充電池の管理者は、提示を受けた
ら、「充電池A」及び「充電池B」を新品又はリサイクル処理済みの充電池に交換する。
充電池交換管理部42は、交換後の2個の充電池を、利用推奨充電池として「辛さん」及
び「壬さん」に割り当てることが可能である。
【0167】
第3動作例によれば、充電池管理システム1は、複数のユーザの各々の予測消費電力量
に基づいて、交換を推奨する充電池を好適に決定できる。これにより、充電池管理システ
ム1は、複数の充電池の管理を好適に行うことができる。また、充電池管理システム1は
、複数の充電池の劣化状況と消防官の利用状況とに応じて、交換を推奨する充電池を効率
的に決定することができ、経済性の高い運用を好適に行うことができる。
[実施形態の第4動作例]
実施形態に係る充電池管理システム1の第4動作例の全体フローチャートは、
図8に示
した第1動作例の全体フローチャートと同じである。実施形態に係る充電池管理システム
1の第4動作例は、交換推奨充電池決定サブルーチン(ステップS104)の内容が、第
1動作例、第2動作例、及び、第3動作例と異なる。
【0168】
図23は、実施形態に係る充電池管理システムの第4動作例の交換推奨充電池決定サブ
ルーチンを示すフローチャートである。
図23を参照すると、充電池交換管理部42は、
ステップS600において、予測消費電力量が最大である消防官を特定する。
【0169】
充電池交換管理部42は、ステップS602において、特定した消防官に利用推奨充電
池を割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、最大充電電力量が
、特定した消防官の予測消費電力量以上且つ最大であり、未割り当てである充電池を、利
用推奨充電池として、特定した消防官に割り当てる。
【0170】
充電池交換管理部42は、ステップS604において、利用推奨充電池を割り当てる処
理(ステップS602)が全ての消防官に対して実行されたか否かを判定する。充電池交
換管理部42は、利用推奨充電池を割り当てる処理が全ての消防官に対して実行されたと
判定したら(ステップS604でYes)、処理をステップS608に進める。充電池交
換管理部42は、利用推奨充電池を割り当てる処理が全ての消防官に対して実行されてい
ないと判定したら(ステップS604でNo)、処理をステップS606に進める。
【0171】
充電池交換管理部42は、ステップS606において、予測消費電力量が次に大きい消
防官を特定し、処理をステップS602に進める。充電池交換管理部42は、ステップS
602からステップS606までのループを繰り返すことにより、利用推奨充電池を割り
当てる処理を全ての消防官に対して実行する。
【0172】
充電池交換管理部42は、ステップS608において、利用推奨充電池が全ての消防官
に割り当てられたか否かを判定する。充電池交換管理部42は、利用推奨充電池が全ての
消防官に割り当てられたと判定したら(ステップS608でYes)、処理を終了する。
充電池交換管理部42は、利用推奨充電池が全ての消防官に割り当てられていないと判定
したら(ステップS608でNo)、処理をステップS610に進める。
【0173】
充電池交換管理部42は、ステップS610において、最大充電電力量の小さい充電池
から、利用推奨充電池が割り当てられなかった消防官の数と同数の充電池を、交換推奨充
電池に決定する。充電池交換管理部42は、その後、処理をステップS612に進める。
【0174】
交換充電池提示部43は、ステップS612において、交換推奨充電池を充電池の管理
者に提示する。
[実施形態の第4動作例の具体例]
図24は、実施形態に係る充電池管理システムの第4動作例の具体例を説明する図であ
る。第4動作例は、充電池の数と、消防官の数と、が同数であることを前提とする。
【0175】
図24に示すように、「充電池A」、「充電池B」、「充電池C」、「充電池D」、「
充電池E」、「充電池F」、「充電池G」、「充電池H」、及び、「充電池I」の9個の
充電池が有るものとする。また、「甲さん」、「乙さん」、「丙さん」、「丁さん」、「
戊さん」、「己さん」、「庚さん」、「辛さん」、及び、「壬さん」の9人の消防官が居
るものとする。
【0176】
「充電池A」の最大充電電力量は、「10mAh」である。「充電池B」の最大充電電
力量は、「45mAh」である。「充電池C」の最大充電電力量は、「48mAh」であ
る。「充電池D」の最大充電電力量は、「50mAh」である。「充電池E」の最大充電
電力量は、「80mAh」である。「充電池F」の最大充電電力量は、「90mAh」で
ある。「充電池G」、「充電池H」、及び、「充電池I」の最大充電電力量は、「100
mAh」である。
【0177】
「甲さん」の予測消費電力量は、「20mAh」である。「乙さん」の予測消費電力量
は、「40mAh」である。「丙さん」及び「丁さん」の予測消費電力量は、「60mA
h」である。「戊さん」及び「己さん」の予測消費電力量は、「80mAh」である。「
庚さん」、「辛さん」、及び、「壬さん」の予測消費電力量は、「90mAh」である。
【0178】
充電池交換管理部42は、ステップS600において、予測消費電力量が最大である「
壬さん」を特定する。充電池交換管理部42は、ステップS602において、「壬さん」
に利用推奨充電池を割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢
印161で示すように、最大充電電力量が、「壬さん」の予測消費電力量「90mAh」
以上且つ最大であり、未割り当てである「充電池I」を、利用推奨充電池として、「壬さ
ん」に割り当てる。
【0179】
充電池交換管理部42は、ステップS604において、利用推奨充電池を割り当てる処
理(ステップS602)が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップ
S604でNo)。充電池交換管理部42は、ステップS606において、予測消費電力
量が次に大きい「辛さん」を特定し、処理をステップS602に進める。
【0180】
充電池交換管理部42は、ステップS602において、「辛さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印162で示すよう
に、最大充電電力量が、「辛さん」の予測消費電力量「90mAh」以上且つ最大であり
、未割り当てである「充電池H」を、利用推奨充電池として、「辛さん」に割り当てる。
【0181】
充電池交換管理部42は、ステップS604において、利用推奨充電池を割り当てる処
理(ステップS602)が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップ
S604でNo)。充電池交換管理部42は、ステップS606において、予測消費電力
量が次に大きい「庚さん」を特定し、処理をステップS602に進める。
【0182】
充電池交換管理部42は、ステップS602において、「庚さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印163で示すよう
に、最大充電電力量が、「庚さん」の予測消費電力量「90mAh」以上且つ最大であり
、未割り当てである「充電池G」を、利用推奨充電池として、「庚さん」に割り当てる。
【0183】
充電池交換管理部42は、ステップS604において、利用推奨充電池を割り当てる処
理(ステップS602)が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップ
S604でNo)。充電池交換管理部42は、ステップS606において、予測消費電力
量が次に大きい「己さん」を特定し、処理をステップS602に進める。
【0184】
充電池交換管理部42は、ステップS602において、「己さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印164で示すよう
に、最大充電電力量が、「己さん」の予測消費電力量「80mAh」以上且つ最大であり
、未割り当てである「充電池F」を、利用推奨充電池として、「己さん」に割り当てる。
【0185】
充電池交換管理部42は、ステップS604において、利用推奨充電池を割り当てる処
理(ステップS602)が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップ
S604でNo)。充電池交換管理部42は、ステップS606において、予測消費電力
量が次に大きい「戊さん」を特定し、処理をステップS602に進める。
【0186】
充電池交換管理部42は、ステップS602において、「戊さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印165で示すよう
に、最大充電電力量が、「戊さん」の予測消費電力量「80mAh」以上且つ最大であり
、未割り当てである「充電池E」を、利用推奨充電池として、「戊さん」に割り当てる。
【0187】
充電池交換管理部42は、ステップS604において、利用推奨充電池を割り当てる処
理(ステップS602)が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップ
S604でNo)。充電池交換管理部42は、ステップS606において、予測消費電力
量が次に大きい「丁さん」を特定し、処理をステップS602に進める。
【0188】
充電池交換管理部42は、ステップS602において、「丁さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。しかしながら、最大充電電力量が、「丁さん」の予測消費電
力量「60mAh」以上且つ最大であり、未割り当てである充電池がない。従って、充電
池交換管理部42は、「丁さん」に利用推奨充電池を割り当てない。
【0189】
充電池交換管理部42は、ステップS604において、利用推奨充電池を割り当てる処
理(ステップS602)が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップ
S604でNo)。充電池交換管理部42は、ステップS606において、予測消費電力
量が次に大きい「丙さん」を特定し、処理をステップS602に進める。
【0190】
充電池交換管理部42は、ステップS602において、「丙さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。しかしながら、最大充電電力量が、「丙さん」の予測消費電
力量「60mAh」以上且つ最大であり、未割り当てである充電池がない。従って、充電
池交換管理部42は、「丙さん」に利用推奨充電池を割り当てない。
【0191】
充電池交換管理部42は、ステップS604において、利用推奨充電池を割り当てる処
理(ステップS602)が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップ
S604でNo)。充電池交換管理部42は、ステップS606において、予測消費電力
量が次に大きい「乙さん」を特定し、処理をステップS602に進める。
【0192】
充電池交換管理部42は、ステップS602において、「乙さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印166で示すよう
に、最大充電電力量が、「乙さん」の予測消費電力量「40mAh」以上且つ最大であり
、未割り当てである「充電池D」を、利用推奨充電池として、「乙さん」に割り当てる。
【0193】
充電池交換管理部42は、ステップS604において、利用推奨充電池を割り当てる処
理(ステップS602)が全ての消防官に対して実行されていないと判定する(ステップ
S604でNo)。充電池交換管理部42は、ステップS606において、予測消費電力
量が次に大きい「甲さん」を特定し、処理をステップS602に進める。
【0194】
充電池交換管理部42は、ステップS602において、「甲さん」に利用推奨充電池を
割り当てる処理を実行する。詳細には、充電池交換管理部42は、矢印167で示すよう
に、最大充電電力量が、「甲さん」の予測消費電力量「20mAh」以上且つ最大であり
、未割り当てである「充電池C」を、利用推奨充電池として、「甲さん」に割り当てる。
【0195】
充電池交換管理部42は、ステップS604において、利用推奨充電池を割り当てる処
理が全ての消防官に対して実行されたと判定し(ステップS604でYes)、処理をス
テップS608に進める。
【0196】
充電池交換管理部42は、ステップS608において、利用推奨充電池が全ての消防官
に割り当てられていないと判定し(ステップS608でNo)、処理をステップS610
に進める。
【0197】
充電池交換管理部42は、ステップS610において、最大充電電力量の小さい充電池
から、利用推奨充電池が割り当てられなかった消防官の数「2」と同数の充電池すなわち
「充電池A」及び「充電池B」を、交換推奨充電池に決定する。充電池交換管理部42は
、その後、処理をステップS612に進める。
【0198】
交換充電池提示部43は、ステップS612において、交換推奨充電池である「充電池
A」及び「充電池B」を、充電池の管理者に提示する。充電池の管理者は、提示を受けた
ら、「充電池A」及び「充電池B」を新品又はリサイクル処理済みの充電池に交換する。
充電池交換管理部42は、交換後の2個の充電池を、「丙さん」及び「丁さん」に割り当
てることが可能である。
【0199】
第4動作例によれば、充電池管理システム1は、複数のユーザの各々の予測消費電力量
に基づいて、交換を推奨する充電池を好適に決定できる。これにより、充電池管理システ
ム1は、複数の充電池の管理を好適に行うことができる。また、充電池管理システム1は
、複数の充電池の劣化状況と消防官の利用状況とに応じて、交換を推奨する充電池を効率
的に決定することができ、経済性の高い運用を好適に行うことができる。
【0200】
本実施形態に係る充電池管理システム1は、電子機器5に搭載されている充電池6を充
電するものとして記載されているが、充電池6単独で充電するような形態であっても良い
。また、本実施形態に係る充電池管理システム1は、充電装置2と管理装置3とを別体と
して記載したが、充電装置2内に管理装置3が内蔵される構成としても良い。
(効果)
以上説明したように、本実施形態に係る充電池管理システム1は、インシデントタイプ
、インシデントの発生場所、及び、ユーザの役割に基づいて、複数のユーザの各々の予測
消費電力量を算出できる。これにより、充電池管理システム1は、様々なインシデントタ
イプ、様々なインシデントの発生場所、及び、ユーザの様々な役割に応じて、複数のユー
ザの各々の予測消費電力量を好適に算出できる。また、充電池管理システム1は、複数の
ユーザの各々の予測消費電力量に基づいて、交換を推奨する充電池を好適に決定できる。
これにより、充電池管理システム1は、複数の充電池の管理を好適に行うことができる。
また、充電池管理システム1は、複数の充電池の劣化状況とユーザの利用状況とに応じて
、交換を推奨する充電池を効率的に決定することができ、経済性の高い運用を好適に行う
ことができる。特に、どのユーザが複数の電子機器の内のどの電子機器を利用するかが固
定されておらず、各ユーザが複数の電子機器の内のどの電子機器でも利用できる場合に、
充電池管理システム1は、複数の充電池の管理を好適に行うことができる。
【符号の説明】
【0201】
1 充電池管理システム、2 充電装置、3 管理装置、4 通信路、5 電子機器、
6 充電池、7 充電池情報提示部、11 載置部、12 表示器、21 ユーザID取
得部、22 充電部、23 充電池情報取得部、24 充電制御部、31 情報管理部、
32 ユーザ利用情報データベース、33 充電池情報データベース、41 交換管理部
、42 充電池交換管理部、43 交換充電池提示部、61 ユーザデータ、71 イン
シデントデータ、81 利用記録データ、91 充電池データ。