(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】ネイル施術用デスク
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20220105BHJP
A45D 44/02 20060101ALI20220105BHJP
A45D 29/00 20060101ALI20220105BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20220105BHJP
A47B 13/08 20060101ALI20220105BHJP
A47B 37/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
A45D44/02 Z
A45D29/00
A47B13/02
A47B13/08 A
A47B37/00
(21)【出願番号】P 2019191610
(22)【出願日】2019-10-19
【審査請求日】2020-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】515345931
【氏名又は名称】株式会社 VILINX
(74)【代理人】
【識別番号】100185476
【氏名又は名称】宮下 桂輔
(72)【発明者】
【氏名】高橋 ななみ
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-136099(JP,A)
【文献】特開平08-038260(JP,A)
【文献】特開2017-144928(JP,A)
【文献】登録実用新案第3022607(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A45D 44/02
A45D 29/00
A47B 13/02
A47B 13/08
A47B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板(1)と、
前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、
前記天板(1)の下側、且つ前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側近傍に設けられた載置部(4)と、
前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、
を備え、
前記載置部(4)が設けられた側の前記天板左孔(5)又は前記天板右孔(6)が他方よりも大きく形成され、
前記載置部(4)が底板(9)を備え、
前記底板(9)が前方板部(24)と、前記前方板部(24)の後端部から下方に向かって設けられた垂直板部(25)と、前記垂直板部(25)の下端部から後方に向かって設けられた後方板部(26)から構成され、
前記
前方板部(24)に底板孔(10)が設けられていることを特徴とするネイル施術用デスク。
【請求項2】
天板(1)と、
前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、
前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側面に受板(11)を介して設けられた載置部(4)と、
前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、
前記受板(11)に設けられた受孔(12)と、
を備え
、
前記載置部(4)は、底板(9)と、前記底板(9)の左端部及び右端部に設けられた2枚の側板(22)から構成されていることを特徴とするネイル施術用デスク。
【請求項3】
天板(1)と、
前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、
前記天板(1)の下側、且つ前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側近傍に設けられた載置部(4)
、又は、前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側面に受板(11)を介して設けられた側板(22)及び幕板(21)と、
前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、
前記天板(1)に設けられた開口孔(13)と、
前記天板(1)の下方に設けられた棚板(14)と、
前記棚板(14)上を
左右方向に移動可能な可動板(17)と、
を備え
、
前記可動板(17)の表面に傾斜用溝(30)が形成されていることを特徴とするネイル施術用デスク。
【請求項4】
天板(1)と、
前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、
前記天板(1)の下側、且つ前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側近傍に設けられた載置部(4)と、
前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、
前記天板(1)に設けられた開口孔(13)と、
前記天板(1)の下方に設けられた棚板(14)と、
前記棚板(14)上を
左右方向に移動可能な可動板(17)と、を備え、
前記載置部(4)が設けられた側の前記天板左孔(5)又は前記天板右孔(6)が他方よりも大きく形成され、
前記載置部(4)が底板(9)を備え、
前記底板(9)が前方板部(24)と、前記前方板部(24)の後端部から下方に向かって設けられた垂直板部(25)と、前記垂直板部(25)の下端部から後方に向かって設けられた後方板部(26)から構成され、
前記
前方板部(24)に底板孔(10)が設けられ、
前記可動板(17)の表面に傾斜用溝(30)が形成されていることを特徴とするネイル施術用デスク。
【請求項5】
天板(1)と、
前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、
前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側面に受板(11)を介して設けられた側板(22)及び幕板(21)と、
前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、
前記受板(11)に設けられた受孔(12)と、
前記天板(1)に設けられた開口孔(13)と、
前記天板(1)の下方に設けられた棚板(14)と、
前記棚板(14)上を
左右方向に移動可能な可動板(17)と、を備え、
前記側板(22)が垂直方法に設けられ、
前記幕板(21)が前記側板(22)の下端部且つ前端部に垂直方向に設けられ、
前記可動板(17)の表面に傾斜用溝30が形成されていることを特徴とするネイル施術用デスク。
【請求項6】
前記左脚部(2)に左脚孔(7)が設けられ、
前記右脚部(3)に右脚孔(8)が設けられ、
前記棚板(14)に棚板左孔(15)と棚板右孔(16)が設けられ、
前記棚板左孔(15)の前後方向位置は前記左脚孔(7)の前後方向位置と略同じく、前記棚板左孔(15)の左右方向位置は前記天板左孔(5)の左右方向位置と同じであり、
前記棚板右孔(16)の前後方向位置は前記右脚孔(8)の前後方向位置と略同じく、前記棚板右孔(16)の左右方向位置は前記天板右孔(6)の左右方向位置と同じであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のネイル施術用デスク。
【請求項7】
前記左脚部(2)に左脚孔(7)が設けられ、
前記右脚部(3)に右脚孔(8)が設けられ、
前記天板左孔(5)及び前記天板右孔(6)が、前記左脚孔(7)及び前記右脚孔(8)よりも前方に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のネイル施術用デスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネイルアート施術用のデスク、具体的には、爪に化粧や装飾を施すために主としてネイルサロンにて用いられるネイル施術用デスクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、女性を中心に手足の爪に化粧や装飾を施す、ネイルアートが盛んに行われている。ネイルアートを自分自身で行うこともあり得るが、より美しいネイルアートを施すために、所謂、ネイルサロンにてプロのネイリストにネイルアートを施してもらうことも盛んに行われている。このようなネイルサロンでは、ネイルアートを除去し又は爪のケアを行うためのネイルマシンと呼ばれる機器、粘液状の樹脂を爪に塗って該樹脂を硬化することにより行うジェルネイルを施す際に用いられる樹脂硬化用ライト、ネイルマシンを用いてつけ爪、ジェルネイル、アクリルスカルプチュア等を削る際に発生するつけ爪等の粉末状の削りカスを集塵するための集塵機等の電動式の機器が用いられている。このように複数種類・複数個の電気機器を用いることから、それらの機器と同じ数の電源コードが存在するため、ネイルを施術するデスク上及びその周辺には電源コードが散乱し、ネイル施術の作業効率を低下させ、或いは、電源コードに躓いて転倒する危険がある。
【0003】
また、上述したネイル施術用の各種の機器は、ネイリストが効率的にネイル施術を行うためには、ネイリストにとって使い易い位置に載置又は収納されるべきであるが、そのようなネイル施術用機器を適切な位置に載置又は収納するためのデスクは存在しない。
【0004】
上述したネイルマシンは、主として、本体と本体に接続されたハンドピース(グラインダー)から構成される。本体は、ハンドピースの先端及び該先端に取り付けられたビットを回転駆動させるための機構を備え、ハンドピースは、ネイリストの手に把持されてネイルの施術が行われる。より具体的には、ハンドピースは、ネイル施術の際に常にネイリストにより把持される訳ではなく、ネイリストが手に持ったり、デスクの上に置いたりという作業が繰り返される。現状のデスクでは、ハンドピースは、単にデスク上に寝かせて載置されているが、この場合、ハンドピースをデスクから取り上げにくく作業効率を低下させるおそれがあり、また、ハンドピース及びネイルマシン本体をデスクから落下させてしまうおそれもある。
【0005】
特許文献1は、理美容室において用いられるサイドテーブル、具体的には、基台に平板状支柱を立設し、該支柱に腕桿を水平方向に突設し、該腕桿に嵌合片を有する理美容器具収納ケース、またはトレーを着脱自在に取付たことを特徴とするサイドテーブルを開示している。
【0006】
特許文献1に開示されるサイドテーブルは、単に、理美容施術器具を収納するケースを取り付けたり、顧客に提供する湯茶や雑誌を載置する板を取り付けたりすることができるものであり、各種の施術用機器や電源コードの配置を考慮したものではない。
なお、出願人が調べた限りでは、ネイル施術用のデスクに関する先行技術文献は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ネイルマシン等のネイル施術用機器を適切な位置に載置又は収納することができ、且つそれら機器の電源コードをデスク上及びその周辺に散乱させることなく配置することができ、ひいてはネイル施術の作業効率を向上させるネイル施術用のデスクを提供することを目的とする。また、本発明の望ましい態様においては、さらに集塵機を収納可能とし、且つ集塵機を容易に移動させることができる機構を備えたネイル施術用デスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様のネイル施術用デスクは、天板(1)と、前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、前記天板(1)の下側、且つ前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側近傍に設けられた載置部(4)と、前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、前記左脚部(2)に設けられた左脚孔(7)と、前記右脚部(3)に設けられた右脚孔(8)と、を備え、前記天板左孔(5)及び前記天板右孔(6)が、前記左脚孔(7)及び前記右脚孔(8)よりも前方に設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の態様のネイル施術用デスクは、天板(1)と、前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、前記天板(1)の下側、且つ前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側近傍に設けられた載置部(4)と、前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、前記左脚部(2)に設けられた左脚孔(7)と、前記右脚部(3)に設けられた右脚孔(8)と、を備え、前記載置部(4)が設けられた側の前記天板左孔(5)又は前記天板右孔(6)が他方よりも大きく形成され、前記載置部(4)が底板(9)を備え、前記底板(9)に底板孔(10)が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の態様のネイル施術用デスクは、天板(1)と、前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側面に受板(11)を介して設けられた載置部(4)と、前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、前記左脚部(2)に設けられた左脚孔(7)と、前記右脚部(3)に設けられた右脚孔(8)と、前記受板(11)に設けられた受孔(12)と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の態様のネイル施術用デスクは、天板(1)と、前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、前記天板(1)の下側、且つ前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側近傍に設けられた載置部(4)と、前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、前記左脚部(2)に設けられた左脚孔(7)と、前記右脚部(3)に設けられた右脚孔(8)と、前記天板(1)に設けられた開口孔(13)と、前記天板(1)の下方に設けられた棚板(14)と、前記棚板(14)上を移動可能な可動板(17)と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第5の態様のネイル施術用デスクは、天板(1)と、前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、前記天板(1)の下側、且つ前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側近傍に設けられた載置部(4)と、前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、前記左脚部(2)に設けられた左脚孔(7)と、前記右脚部(3)に設けられた右脚孔(8)と、前記天板(1)に設けられた開口孔(13)と、前記天板(1)の下方に設けられた棚板(14)と、前記棚板(14)上を移動可能な可動板(17)と、を備え、前記載置部(4)が設けられた側の前記天板左孔(5)又は前記天板右孔(6)が他方よりも大きく形成され、前記載置部(4)が底板(9)を備え、前記底板(9)に底板孔(10)が設けられ、前記天板左孔(5)及び前記天板右孔(6)が、前記左脚孔(7)及び前記右脚孔(8)よりも前方に設けられていること特徴とする。
【0014】
本発明の第6の態様のネイル施術用デスクは、天板(1)と、前記天板(1)の下面から下方に延出する左脚部(2)及び右脚部(3)と、前記左脚部(2)又は前記右脚部(3)の内側面に受板(11)を介して設けられた側板(22)及び幕板(21)と、前記天板(1)に設けられた天板左孔(5)及び天板右孔(6)と、前記左脚部(2)に設けられた左脚孔(7)と、前記右脚部(3)に設けられた右脚孔(8)と、前記受板(11)に設けられた受孔(12)と、前記天板(1)に設けられた開口孔(13)と、前記天板(1)の下方に設けられた棚板(14)と、前記棚板(14)上を移動可能な可動板(17)と、を備え、前記天板左孔(5)及び前記天板右孔(6)が、前記左脚孔(7)及び前記右脚孔(8)よりも前方に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1の態様によれば、天板の左右に2つの孔と、左脚部及び右脚部の各々に1つの孔、即ち、合計で4つの孔を設けたことから、ネイル施術に用いられる複数種類の複数個の電気機器の電源コードを、ネイル施術の作業効率を悪化させることなく、また躓く危険を防止するよう、まとまりよく適切な位置に配置することがより有効に可能となる。しかも、天板の左孔及び右孔を、左脚部の左脚孔及び右脚部の右脚孔よりも前方の位置に設けたことから、後述するように、ハンドピースを天板左孔5又は天板右孔6に挿入して立てて置いた場合でもハンドピースと電源コードが干渉し合うのを防止することができる。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、天板の左右に2つの孔と、左脚部及び右脚部の各々に1つの孔、即ち、合計で4つの孔を設けたことから、ネイル施術に用いられる複数種類の複数個の電気機器の電源コードを、ネイル施術の作業効率を悪化させることなく、また、まとまりよく適切な位置に配置することが可能となる。また、載置部が設けられた側の天板左孔又は天板右孔の孔を他方よりも大きく形成したことから、載置部が設けられた側の孔にネイルマシンの本体及びハンドピースを立てて置くことが可能となり、これにより、ネイル施術の作業効率を向上させることが可能となる。さらに、載置部が底板を備え、底板に底板孔を設けたことから、天板左孔又は天板右孔の孔に立て置いたハンドピースの先端又は該先端に取り付けたビットを底板孔に挿入することが可能となり、これにより、立て置いたハンドピースがぐらついてしまうのを防止し、より安定してハンドピースを立て置くことが可能となる。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、天板の左右に2つの孔と、左脚部及び右脚部の各々に1つの孔、即ち、合計で4つの孔を設けたことから、ネイル施術に用いられる複数種類の複数個の電気機器の電源コードを、ネイル施術の作業効率を悪化させることなく、また躓く危険を防止するよう、まとまりよく適切な位置に配置することが可能となる。また、載置部が左脚部又は右脚部から受板を介して設けられ、受板に受孔を設けたことから、天板の左又は右孔に立て置いたハンドピースの先端又は該先端に取り付けたビットを受孔に挿入することが可能となり、これにより、立て置いたハンドピースがぐらついてしまうのを防止し、より安定してハンドピースを立て置くことが可能となる。
【0018】
本発明の第4の態様によれば、天板に開口孔を設け、天板の下方に棚板を設けたことから、棚板上に集塵機を置いてネイル施術を行うことが可能となる。また、棚板上を移動可能な可動板を備えたことから、可動板上に集塵機を置き、集塵機を容易に移動することが可能となる。
【0019】
本発明の第5の態様によれば、天板の左右に2つの孔と、左脚部及び右脚部の各々に1つの孔、即ち、これらを合わせて4つの孔を設け、しかも、天板の左孔及び右孔を、左脚部の左脚孔及び右脚部の右脚孔よりも前方の位置に設けたことから、ネイル施術に用いられる複数種類の複数個の電気機器の電源コードを、ネイル施術の作業効率を悪化させることなく、また躓く危険を防止するよう、まとまりよく適切な位置に配置すること、及びハンドピースと電源コードが干渉し合うのを防止することがより有効に可能となる。また、載置部が設けられた側の天板左孔又は天板右孔の孔を他方よりも大きく形成したことから、載置部が設けられた側の孔にネイルマシンの本体及びハンドピースを立てて置くことが可能となり、これにより、ネイルの作業効率を向上させることが可能となる。さらに、載置部が底板を備え、底板に底板孔を設けたことから、天板の左又は右孔に立て置いたハンドピースの先端又は該先端に取り付けたビットを底板孔に挿入することが可能となり、これにより、立て置いたハンドピースがぐらついてしまうのを防止し、より安定してハンドピースを立て置くことが可能となる。さらに、天板に開口孔を設け、天板の下方に棚板を設けたことから、棚板上に集塵機を置いてネイル施術を行うことが可能となる。また、棚板上を移動可能な可動板を備えたことから、可動板上に集塵機を置き、集塵機を容易に移動することが可能となる。
【0020】
本発明の第6の態様によれば、天板の左右に2つの孔と、左脚部及び右脚部の各々に1つの孔、即ち、これらを合わせて4つの孔を設け、しかも、天板の左孔及び右孔を、左脚部の左脚孔及び右脚部の右脚孔よりも前方の位置に設けたことから、ネイル施術に用いられる複数種類の複数個の電気機器の電源コードを、ネイル施術の作業効率を悪化させることなく、また躓く危険を防止するよう、まとまりよく適切な位置に配置すること、及びハンドピースと電源コードが干渉し合うのを防止することがより有効に可能となる。また、載置部が左脚部又は右脚部の内側面に受板を介して設けられ、受板に受孔を設けたことから、天板の左又は右孔に立て置いたハンドピースの先端又は該先端に取り付けたビットを受孔に挿入することが可能となり、これにより、立て置いたハンドピースがぐらついてしまうのを防止し、より安定してハンドピースを立て置くことが可能となる。さらに、天板に開口孔を設け、天板の下方に棚板を設けたことから、棚板上に集塵機を置いてネイル施術を行うことが可能となる。また、棚板上を移動可能な可動板を備えたことから、可動板上に集塵機を置き、集塵機を容易に移動することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第一の態様のネイル施術用デスクの一例を示す平面図である。
【
図2】本発明の第一の態様のネイル施術用デスクの一例を示す左側面図である。
【
図3】本発明の第二の態様のネイル施術用デスクの一例を示す正面図である。
【
図4】本発明の第二の態様のネイル施術用デスクの一例を示す平面図である。
【
図5】本発明の第二の態様のネイル施術用デスクの一例を示す左側面図である。
【
図6A】本発明の第二の態様のネイル施術用デスクの載置部の一例を示す正面図である。
【
図6B】本発明の第二の態様のネイル施術用デスクの載置部の一例を示す平面図である。
【
図6C】本発明の第二の態様のネイル施術用デスクの載置部の一例を示す左側面図である。
【
図7】本発明の第三の態様のネイル施術用デスクの一例を示す正面図である。
【
図8】本発明の第三の態様のネイル施術用デスクの一例を示す平面図である。
【
図9】本発明の第三の態様のネイル施術用デスクの一例を示す左側面図である。
【
図10】本発明の第三の態様のネイル施術用デスクの載置部の一例を示す正面図である。
【
図11】本発明の第四及び第五の態様のネイル施術用デスクの一例を示す正面図である。
【
図12】本発明の第四及び第五の態様のネイル施術用デスクの一例を示す平面図である。
【
図13】本発明の第四、第五及び第六の態様のネイル施術用デスクの一例を示す左側面図である。
【
図14】本発明の第四及び第五の態様のネイル施術用デスクの一例を示す左側面図である。
【
図15】本発明の第四及び第六の態様のネイル施術用デスクの一例を示す正面図である。
【
図16】本発明の第四及び第六の態様のネイル施術用デスクの一例を示す平面図である。
【
図17】本発明の第四及び第六の態様のネイル施術用デスクの一例を示す左側面図である。
【
図18A】本発明の可動板の一例を示す平面図である。
【
図18B】本発明の可動板の一例を示す背面図である。
【
図18C】本発明の可動板の一例を示す側面図である。
【
図19A】本発明の第五の態様のネイル施術用デスクの載置部の一例を示す正面図である。
【
図19B】本発明の第五の態様のネイル施術用デスクの載置部の一例を示す平面図である。
【
図19C】本発明の第五の態様のネイル施術用デスクの載置部の一例を示す左側面図である。
【
図20A】本発明の第六の態様のネイル施術用デスクの受板、幕板及び側板の一例を示す平面図である。
【
図20B】本発明の第六の態様のネイル施術用デスクの受板、幕板及び側板の一例を示す正面図である。
【
図20C】本発明の第六の態様のネイル施術用デスクの受板、幕板及び側板の一例を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。
なお、本発明では、ネイルアートやネイルケアの施術を行うことを単にネイル施術と称する。
【0023】
本発明の第一の態様のネイル施術用デスクは、天板1と、天板1の下面から下方に延出する左脚部2及び右脚部3を備えている。
なお、本発明のネイル施術用デスクに用いられる各種の部材及び部材に設けられる各種の孔は、R面取り加工等の面取り加工を施してもよい。
図1に示すように、天板1は、長辺及び短辺を有する矩形状の板状の部材である。天板1の寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、長辺が800~1000ミリメートル、短辺が400~600ミリメートル、厚さが15~35ミリメートルとすることが望ましい。
天板1の材質は、特に限定されるものではなく、木、樹脂、金属等の素材を用いることができるが、天然木を用いることが望ましい。ネイル施術において溶剤を沢山使うため、デスクに汚れが付着したり、溶剤により溶けてしまったりする場合があるが、木にする事でそのような部分を削り落とす事が出来る為、長く使用可能になるからである。より具体的には、コスト、重量及び加工容易性等の観点から、例えば、赤松の集成材を用いることが望ましい。なお、木以外の素材であったとしても汚れをエタノール又はアセトン等の溶剤で拭く事で落とす事は可能だが、この場合は、変形、変色、又は溶けるおそれのないガラスや金属を用いることが望ましい
【0024】
図1に示すように、天板1の左前側には天板左孔5が設けられ、天板1の右前側には天板右孔6が設けられている。天板左孔5及び天板右孔6は、貫通孔であり、これらの孔の形状、寸法及び位置は、特に限定されるものではない。
図1では、天板左孔5及び天板右孔6は、天板1の前方及び後方の長辺の中心点を結ぶ線を中心として対称となる位置に設けられており、形状は円形の貫通孔である。
図1の点線で示されるのは、左脚部2及び右脚部3であり、天板左孔5及び天板右孔6は、それぞれ左脚部2及び右脚部3の内側近傍の位置に設けられている。天板左孔5及び天板右孔6の寸法は、例えば、直径30~40ミリメートルに形成することができる。
【0025】
図2は、本発明のネイル施術用デスクの左側面図である。右側面図は、左側面図と同様に表れるため図示を省略している。左脚部2及び右脚部3の形状、寸法及び材質は、特に限定されるものではない。左脚部2及び右脚部3の形状は、例えば、
図1及び
図2に示すように板状であり、下の辺の中心部をアーチ状に窪ませることも可能である。左脚部2及び右脚部3の寸法は、例えば、高さが500~800ミリメートル、奥行きが350~550ミリメートル、厚さが15~35ミリメートルとすることが可能である。また、高さを上下に調整できるように構成してもよい。左脚部2及び右脚部3の材質は、例えば、天板1と同様のものを用いるのが効率的であるため、赤松の集成材を用いることが望ましい。
【0026】
右側面図は左側面図と同様に表れるため図示を省略するが、
図2に示すように、左脚部2には左脚孔7が設けられ、右脚部3には右脚孔8が設けられている。左脚孔7及び右脚孔8は、貫通孔であり、これらの孔の形状、寸法及び位置は、特に限定されるものではない。
図2では、左脚孔7は、左脚部2の天板1の下側近傍で、僅かに前寄りの位置に設けられており、形状は円形の孔である。右脚孔8は、左脚孔7と対称となる右脚部3の位置に設けられ、左脚孔7と同様の形状及び寸法に形成されている。左脚孔7及び右脚孔8の寸法は、例えば、直径30~40ミリメートルに形成することができる。
【0027】
図2において点線で示されるのは、天板左孔5及び天板右孔6が形成される位置であるが、天板左孔5及び天板右孔6は、左脚孔7及び右脚孔8よりも前方に設けられている。後述するように、天板左孔5又は天板右孔6を利用してネイルマシンのハンドピースが立て置かれる。天板左孔5及び天板右孔6を左脚孔7及び右脚孔8よりも前方に設けている(即ち、左脚孔7及び右脚孔8を天板左孔5及び天板右孔6よりも後方に設けている)のは、ハンドピースを立て置く場合、その先端側を下方に向けて立て置かれるが、この際、該ハンドピースの先端側が、天板左孔5、天板右孔6、左脚孔7又は右脚孔8を経由する各種電気機器の電源コードと干渉してしまうのを防止するためである。
【0028】
ネイル施術においてジェルネイルが施される場合には、当該ジェルネイルを硬化させるための樹脂硬化用ライトが用いられる。左右両手の爪に施されたジェルネイルを同時に硬化させることが一般的であるため、通常、ネイルを施術するためのデスク上の左側及び右側には2つの樹脂硬化用ライトが据え置かれている。そのため、これら2つの樹脂硬化用ライトの電源コード2本とネイルマシンの電源コード1本、即ち、少なくとも3本の電源コードが用いられることがある。ネイル施術を行う現場において、電源用コンセントがデスクの左右両側に設けられていることもあり得るが、デスクの左右のどちらか一方にしか電源用コンセントがないケースもある。例えば、電源用コンセントがデスクの左側にしか存在しない場合、本発明のネイル施術用デスクでは、天板1の左側に置かれた樹脂硬化用ライトの電源コードは、天板1の上方から天板左孔5を通過して、天板1の下方において左脚部2の内方から左脚孔7を通過して左脚部2の外方に出て電源用コンセントに接続される。天板1の右側に置かれた樹脂硬化用ライトの電源コードは、天板右孔6から天板1の下方において左脚孔7に向かい、左脚孔7を通過して電源用コンセントに接続される。これにより、樹脂硬化用ライトの2本の電源コードをデスク上又はその周辺に散乱させることなく、左右のいずれか一方の電源用コンセントに接続させることが可能となり、またネイル施術の効率を悪化させたり、躓いてしまったりすることをより有効に防止することが可能となる。
【0029】
天板左孔5及び天板右孔6は、上述の電源コードを案内する機能に加えて、ネイルマシンのハンドピースを立てて置いておくための孔として機能させることも可能である。
【0030】
図1及び
図2では図示していないが、
図3及び
図7に示すように、本発明のネイル施術用デスクには、必要に応じて、天板1の下面及び左脚部2の内面、並びに天板1の下面及び右脚部3の内面にかけてL字状の補強部材18を設けることができる。
【0031】
図1及び
図2では図示していないが、天板1の下側且つ左脚部2又は右脚部3の内側近傍には載置部4が設けられている。載置部4は、左脚部2又は右脚部3の内側近傍に取り付けられるが、さらに天板1の下面に取り付けてもよい。載置部4は、少なくともネイルマシンの本体を載置する部材である。載置部4の形状、寸法、材質等は特に限定されるものではなく、天板1の下側で、左脚部2又は右脚部3の内側近傍に取り付けられ、ネイルマシン本体を載置できるものであればよい。通常、ネイリストが右利きの場合は、載置部4は右脚部3の内側近傍に設けられ、ネイリストが左利きの場合は左脚部2の内側近傍に設けられる。また、載置部4の左脚部2又は右脚部3への取付け、さらには天板1の下面への取付けは、着脱自在に取り付けることも可能である。こうすることにより、ネイリストの利き手に応じて載置部4を左右のいずれにも配置させることが可能となる。
なお、載置部4の好ましい態様については、本発明の第二及び第三の態様のネイル施術用デスクの説明において詳述する。
【0032】
図3は、本発明の第二の態様のネイル施術用デスクの一例を示す正面図であり、
図4は、その平面図であり、
図5は、その左側面図である。
ネイル施術に用いられるネイルマシンは、大別すると、ネイルマシン本体をデスクの上に据え置いて使用する“卓上タイプ”と、ネイルマシン本体をネイリストが携帯するバッグ等に入れておいて使用する“ポータブルタイプ”が存在する。本発明の第二の態様のネイル施術用デスクは、主として、ポータブルタイプのネイルマシンを使用するのに適したデスクである。
【0033】
本発明の第二の態様のネイル施術用デスクは、
図3乃至
図5に示すように、第一の態様のネイル施術用デスクと同様、天板1と、天板1の下面から下方に延出する左脚部2及び右脚部3を備え、天板1の下側、且つ左脚部2又は右脚部3の内側近傍に載置部4を備え、天板1は天板左孔5及び天板右孔6を備え、左脚部2は左脚孔7を、右脚部3は右脚孔8を備えている。第二の態様のネイル施術用デスクにおいても、デスク上に据え置かれる左右の樹脂硬化用ライトの電源コード及びネイルマシンの電源コードは、第一の態様の場合と同様の経路を辿って電源用コンセントに接続される。
【0034】
本発明の第二の態様のネイル施術用デスクでは、天板左孔5又は天板右孔6が、他方の孔よりも大きく形成されている。具体的には、載置部4は、上述の通り、左脚部2又は右脚部3の内側近傍に設けられるが、載置部4が設けられた側の天板左孔5又は天板右孔6が他方よりも大きな孔に形成される。即ち、載置部4が左脚部2の内側近傍に設けられる場合は、天板左孔5が天板右孔6よりも大きく形成され、載置部4が右脚部3の内側近傍に設けられる場合は、天板右孔6が天板左孔5よりも大きく形成される。
【0035】
図3乃至
図5では、載置部4は、右脚部3の内側近傍に設けられているため、天板右孔6が天板左孔5よりも大きく形成されている。
ここで、天板左孔5は、第一の態様の場合と同様の形状、寸法及び位置に設けることができる。天板左孔5は、主として、樹脂硬化用ライトの電源コードを案内するために使用される。
一方、天板右孔6は、限定されるものではないが、
図3乃至
図5に示すように、天板1の右脚部3の内側近傍の位置に矩形状の孔に形成されている。天板右孔6が天板左孔5よりも大きく形成されるのは、
図3及び
図5に示すように、天板右孔6がネイルマシンの本体20とハンドピース19を立てて置くために利用されるためである。
図3及び
図5では、ハンドピース19が前方に、ネイルマシン本体20が後方に置かれている。具体的には、貫通孔に形成された天板右孔6にネイルマシンの本体20及びハンドピース19を略垂直に挿入すると、本体20及びハンドピース19の底面又は先端が、載置部4、より具体的には載置部4の底板9の上面と接触することで、本体20及びハンドピース19を立てて置くことが可能になるのである。これにより、ネイルマシン本体20及びハンドピース19を決まった場所に安定して置くことが可能となり、ネイルマシンをデスク上から落としてしまったり、デスク上に散乱させることがなくなり、ネイル施術の効率を向上させることができる。
ここで、ネイルマシン本体20は、通常、電源コード側を下にして立てて置かれる。そのため、ネイルマシン本体20の電源コードは、天板右孔6の下方付近の天板1の下方から出発して、電源用コンセントがデスクの右側にある場合には、右脚孔8を通過して右脚部3の外方に出て電源用コンセントに接続される。一方、電源用コンセントがデスクの左側にある場合は、天板1の下方において左脚孔7に向かい、左脚孔7から外方に出て電源用コンセントに接続される。
【0036】
図6に示すように、第二の態様のネイル施術用デスクの載置部4は、例えば、底板9と側板22を備え、底板9は、底板孔10を備えている。底板9は、前方板部24、垂直板部25及び後方板部26から構成することができる。
図6Cに示すように、前方板部24は側板22の高さの略中間点の高さに位置するように設けられ、前方板部24の後端部から下方に向かって設けられた垂直板部25を介して側板22の下端部の高さに位置するように設けられた後方板部26を備えている。
図6Bに示すように、後方板部26の後方端部の中央部を窪ませることが望ましい。これにより、ネイルマシン本体20の電源コードをよりスムーズに左脚孔7又は右脚孔8に案内することが可能となる。底板孔10の形状、寸法及び位置は限定されるものではないが、例えば、底板孔10の形状は円形の貫通孔とすることができ、底板孔10の寸法は天板左孔5の直径よりも小さな直径とすることができ、例えば、直径を10~20ミリメートルとすることが望ましく、底板孔10の位置は底板9の前方板部24に形成することができる。底板孔10は、より具体的には、孔の上部内周縁がR面取り加工されていることが望ましい。このような加工を施すことにより、よりスムーズにハンドピース19又はビットを底板孔10に挿入させることが可能となる。底板9の前方板部24にはネイルマシンのハンドピース19が載置され、後方板部26にはネイルマシンの本体20が載置される。
ネイルマシンのハンドピース19が立てて置かれる場合は、通常、ハンドピース19の先端側が下に向けられる。ハンドピース19の先端又はハンドピース19の先端に取り付けられたビットの先端は細く形成されているため、これを下に向けて置くと安定せずぐらついてしまうことがある。ここで、底板9に底板孔10を設けて、ハンドピース19の先端又はビットの先端を比較的に小さく形成された底板孔10に挿入させることにより、立て置いたハンドピース19はぐらつくことなく、より安定して立て置くことが可能となる。
なお、底板9の前方板部24は、その上面が天板1の下面より30~60ミリメートル下の位置となるように設けることができる。底板9の前方板部24をこのような高さ位置に設けることにより、立て置いたハンドピースの持ち手側(取っ手側。先端側とは逆側。)が天板1上に30~60ミリメートル程突出するため、ネイリストが該持ち手を掴みやすくなりネイル施術の作業効率を向上させることができる。
【0037】
本発明の第三の態様のネイル施術用デスクは、主として、卓上タイプのネイルマシンを使用する場合に適しており、
図7乃至
図9に示すように、第一の態様のネイル施術用デスクと同様、天板1と、天板1の下面から下方に延出する左脚部2及び右脚部3を備え、天板1は天板左孔5及び天板右孔6を備え、左脚部2は左脚孔7を、右脚部3は右脚孔8を備えている。第三の態様のネイル施術用デスクは、左脚部2又は右脚部3の内側近傍に載置部4を備えている。第三の態様のネイル施術用デスクにおいても、デスク上に据え置かれる左右の樹脂硬化用ライトの電源コード及びネイルマシンの電源コードは、第一の態様の場合と同様の経路を辿って電源用コンセントに接続される。
【0038】
本発明の第三の態様のネイル施術用デスクでは、
図8に示すように、天板左孔5及び天板右孔6は、第一の態様と同様の形状、寸法及び位置に形成されている。
【0039】
本発明の第三の態様のネイル施術用デスクは、載置部4が、天板1の下側、且つ左脚部2又は右脚部3の内側近傍に、左脚部2又は右脚部3の内側面に受板11を介して設けられる。さらに、載置部4は、天板1の下面にも取り付けてよい。
図7乃至
図9では、載置部4が右側に設けられている。第三の態様においても載置部4は着脱自在に設けることができ、ネイリストの利き手に応じて、左右のいずれかに取り付けられるようにすることができる。
【0040】
図10は、第三の態様のネイル施術用デスクの載置部4を示している。載置部4は、少なくとも底板9と左右の側板22とで構成することができ、底板9上に卓上タイプのネイルマシン本体20’が載置される。載置部4は、
図10に示すように、上板23を設けて、四角柱状の筒に形成することができる。さらに載置部4は、前方の開口上部に幕板21を設けることも可能であり望ましい。底板9上に載置されたネイルマシン本体20’の前方への移動を幕板21が制止することにより、ネイルマシン本体20’が載置部4の前方開口部から落下してしまうのを防止することが可能となる。
【0041】
図7及び
図10に示すように、載置部4は、受板11を介して右脚部3の内側面に取り付けられている。受板11には受孔12が設けられている。受孔12の形状、寸法及び位置は限定されるものではないが、例えば、受孔12の形状は円形の貫通孔とすることができ、受孔12の寸法は天板左孔5及び天板右孔6の直径よりも小さな直径とすることができ、例えば、直径を10~20ミリメートルとすることが望ましい。また、天板右孔6及び受孔12を円形に設ける場合は、受孔12は、平面視において、天板右孔6と同心円となる位置に設けることが望ましい。
第三の態様では、ネイルマシン本体20’は、上述のように載置部4に載置されるが、ハンドピース19は
図7及び
図9に示すように天板右孔6を利用して立てて置かれる。このとき、下に向けられたハンドピース19の先端又はビットは、受孔12に挿入されるように立て置かれるので、ハンドピース19がぐらつくことなく安定する。受孔12は、より具体的には、孔の上部内周縁がR面取り加工されていることが望ましい。このような加工を施すことにより、よりスムーズにハンドピース19又はビットを受孔12に挿入させることが可能となる。なお、受板11は、例えば、板状部材であり、受板11の上面が天板1の下面より30~60ミリメートル下の位置となるように設けることができる。受板11をこのような高さ位置に設けることにより、立て置いたハンドピース19の持ち手側(先端側とは逆側)が天板1上に30~60ミリメートル程突出するため、ネイリストが該持ち手を掴みやすくなりネイル施術の作業効率を向上させることができる。
【0042】
以上のように、本発明の第三の態様のネイル施術用デスクでは、ネイルマシン本体20’を載置部4に据え置き、ハンドピース19を立てて置くことが可能になるため、ネイルマシン本体20’及びハンドピース19を決まった場所に安定して置くことが可能となり、ネイルマシンをデスク上から落としてしまったり、デスク上に散乱させてしまうことがなくなり、ネイル施術の効率を向上させることができる。
なお、ネイルマシン本体20’の電源コードは、載置部4の後方開口部から、左脚孔7又は右脚孔8を通過して左脚部2又は右脚部3の外方に出て電源用コンセントに接続される。
【0043】
本発明の第四乃至第六の態様のネイル施術用デスクは、概略的に述べれば、上述した第一乃至第三の態様の構成に、集塵機を収容する機構を備えたものである。したがって、第四乃至第六の態様のネイル施術用デスクにおける天板1、左脚部2、右脚部3、載置部4、天板左孔5、天板右孔6、左脚孔7及び右脚孔8の構成、作用及び効果は、第一乃至第三の態様のネイル施術用デスクのそれらと同一か又は略同一である。
【0044】
図11、
図12及び
図14は第四及び第五の態様のネイル施術用デスクを示し、
図13は第四乃至第六の態様のネイル施術用デスクを示し、
図15乃至
図17は第四及び第六の態様のネイル施術用デスクを示している。より具体的には、
図13は集塵機を収納する機構を主として示す一部透視的左側面図であり、
図14は第五の態様の載置部4を主として示す一部透視的左側面図であり、
図17は第六の態様の載置部4を主として示す一部透視的左側面図である。
【0045】
本発明の第四の態様のネイル施術用デスクは、
図11、
図12、
図13、
図15及び
図16に示すように、天板1に開口孔13が設けられている。開口孔13は、天板1の前寄り中央に設けられることが望ましい。開口孔13の形状及び寸法は限定されるものではないが、例えば、天板1の寸法を上述の好ましい範囲のものとする場合、開口孔13は、長辺を400~600ミリメートル、短辺を100~300ミリメートルの矩形状とすることが望ましい。
後述するように、集塵機29は、棚板14上、具体的には、棚板14上に設けられた可動板17に載置される。ネイル施術の内容により、集塵機29は、可動板17上に水平に載置されて使用されるが、ネイル施術の内容によっては、集塵機29は斜めに傾けて使用される場合があり、この場合、
図13において一点鎖線で示すように、傾けられた集塵機29の一部が開口孔13から天板1の上方に突出する。ここで、開口孔13の寸法を上述の望ましい範囲とすることにより、傾けられ天板1の上方に突出する集塵機29の部分が開口孔13に必要以上に干渉されるのを有効に防止することができるとともに、斜めに傾斜させた状態で集塵機29を左右に移動させることが可能となる。
さらに、好ましくは、長辺及び短辺が開口孔13のそれらよりもやや小さい矩形状の蓋部材27を設けることができる。上述の通り、第四乃至第六の態様のネイル施術用デスクは、集塵機29を収容し、開口孔13は、集塵機29を使用する際に用いられるが、集塵機29を使用しないネイル施術の際には、蓋部材27によって開口孔13は塞がれる。蓋部材27は、好ましくは、例えば、アクリル等の樹脂製で構成すると軽量であり、取り扱いが容易となる。また、蓋部材27には、人の指を挿入できる程度の着脱用孔28を設けることが望ましい。これにより、蓋部材27の開口孔13への装着及び取り外しが容易に行えるようになる。
蓋部材27を設ける場合は、開口孔13の内周面に係止片を設けて、蓋部材27を係止片に載置することで開口孔13を塞ぐようにすることができる。係止片は、例えば、複数個の木コマを用いることができる。複数の木コマは、開口孔13の短辺の内周面に設けることが望ましい。開口孔13の長辺の内周面に木コマを設けた場合、後述するように集塵機29を移動させる場合、木コマが集塵機29の移動の邪魔になってしまう場合があるが、木コマを開口孔13の短辺の内周面に設けることにより、このような弊害を有効に防止することができる。
【0046】
天板1の下方には棚板14が設けられている。棚板14は、例えば、左脚部2の内側から右脚部3の内側にかけて水平に設けられ、少なくとも開口孔13の下方に存在する位置に設けられる。したがって、棚板14は、天板1の後寄りまで延在している必要はない。具体的には、棚板14は、棚板14の下面が天板1の下面から100~130ミリメートル下方の位置で且つ棚板14の後方端部が天板1の後方端部から180~210ミリメートル前方の位置となるように設けることが望ましい。棚板14をこのような位置に設けることにより、デスクの前方側に座るネイリスト及びデスクの後方側に座るネイル被施術者の足が棚板14に当たるのを有効に防止することができる。
また、棚板14には、棚板左孔15と棚板右孔16を設けることができる。棚板左孔15及び棚板右孔16は、例えば、直径30~40ミリメートルの円形、又は長辺が70~80ミリメートル、短辺が30~40ミリメートルの矩形の貫通孔とすることができる。
図13、14及び17に示すように、例えば、棚板左孔15の前後方向位置は左脚孔7の前後方向位置と略同じく、また、
図12及び16に示すように、棚板左孔15の左右方向位置は天板左孔5の左右方向位置と同じくすることができ、同様に、棚板右孔16の前後方向位置は右脚孔8の前後方向位置と略同じく、棚板右孔16の左右方向位置は天板右孔6の左右方向位置と同じくすることができる。棚板左孔15及び棚板右孔16を設けることにより、棚板14を設ける本発明のネイル施術用デスクにおいても、各種電気機器の電源コードをまとまりよく、適切な位置に配置させることが有効に可能となる。
【0047】
本発明の第四の態様のネイル施術用デスクは、棚板14上を移動可能な可動板17が設けられている。可動板17は、つけ爪等の削りカスを集塵するための集塵機29を載置するための板状部材であり、その形状、寸法及び材質は特に限定されるものではないが、例えば、形状は、長辺及び短辺を有する矩形状とすることができ、長辺が250~300ミリメートル、短辺が220~280ミリメートルとすることができる。
可動板17の表面には、
図18に示すように、左右方向の3本の傾斜用溝30が形成されている。上述のように、集塵機29は、ネイル施術の内容により可動板17上に水平に載置されるか、又は傾けて使用されることがある。傾斜用溝30は、
図13において一点鎖線で示す集塵機29のように、集塵機29を傾けて使用する場合に利用される。即ち、傾けられて可動板17と接触する集塵機29の部分が、傾斜用溝30のいずれか1本によって係止されるため、集塵機29を安定して傾けることが有効に可能となる。なお、傾斜用溝30を複数個形成すれば、集塵機29の傾斜角度を調整することが可能であるため望ましい。
図18では傾斜用溝30は、3本形成されているが、特に3本に限定されるものではない。
【0048】
可動板17の棚板14上での移動方法は、特に限定されるものではないが、例えば、
図11、
図12、
図13、
図15及び
図16に示すように、棚板14の上面に左右方向に延在するように、相互に同寸法で平行な2本の凸条部31を設け、
図18に示すように、可動板17の裏面に凸条部31を略嵌合するような2本の凹条部32を設け、可動板17が凸条部31に沿って左右方向に摺動できるようにすることができる。また、凸条部31の両先端部にストッパー33を設けることができ、可動板17が凸条部31の先端を超えて移動してしまうのを有効に防止することが可能となる。
可動板17のその他の移動方法は、例えば、棚板14の上面に左右方向に延在するように2本のレールを設け、該レール上を滑走可能なキャスターを可動板17の下面側に設けることにより、可動板17を該レールに沿って棚板14上を移動させることも可能である。
【0049】
通常のデスクでは、集塵機はデスクの天板の上に載置され、ネイル施術は、さらにその集塵機の上方にて行わなければならず、施術が行いにくいというデメリットがあったが、本発明の第四乃至第六の態様のネイル施術用デスクでは、集塵機29を天板1の下方に収納でき、しかも、集塵機29が棚板14上を移動可能な可動板17に載置されているので、集塵機29を容易に移動させることができるためネイル施術の作業性を大幅に向上させることができる。
【0050】
第四の態様のネイル施術用デスクには、
図12、
図13、
図14、
図16及び
図17に示すように、棚板14の後方端部から上方に天板1の下面まで立ち上がる背板34を設けることができる。棚板14は、左脚部2及び右脚部3の内側面に取り付けられ支持されるが、背板34によって、さらに棚板14は支持されるため、棚板14の支持を強化することができる。また、集塵機29を誤って後方側に落下させてしまうのを防止することができる。
【0051】
本発明の第五の態様のネイル施術用デスクは、第四の態様と同様に、天板1、左脚部2、右脚部3、載置部4、天板左孔5、天板右孔6、左脚孔7、右脚孔8、開口孔13、棚板14及び可動板17を備えている。したがって、第五の態様のネイル施術用デスクにおいても集塵機29を収納し、移動させることが可能である。
なお、第五の態様のネイル施術用デスクの載置部4は、第二の態様のネイル施術用デスクのそれと略同様の形状であるが、第五の態様においては、
図19に示すように、載置部4は底板9及び底板孔10を備え、底板9は前方板部24、垂直板部25及び後方板部26を備えているが、側板22を備えていない点で異なる。第五の態様においては、棚板14が設けられており、載置部4は右脚部3の内側及び棚板14の上面に取り付けられるため、十分な取付強度を有していることから、側板22によって天板1の下面に取り付ける必要がないためである。
【0052】
図14に示すように、本発明の第五の態様のネイル施術用デスクは、第一の態様のデスクと同様に、天板左孔5及び天板右孔6が、左脚孔7及び右脚孔8よりも前方に設けられている。これにより、第五の態様のネイル施術用デスクにおいてもデスクの天板1に載置された樹脂硬化用ライト、及びネイルマシンの電源コードを散乱させずに且つハンドピース19と干渉し合うことなく適切に配置させることができる。
【0053】
また、
図12に示すように、本発明の第五の態様のネイル施術用デスクは、第二の態様のデスクと同様に、載置部4が設けられた側の天板左孔5又は天板右孔6が他方よりも大きく形成されているため、大きく形成されている方の天板の孔にネイルマシン本体20とハンドピース19を立てて置くことが可能である。さらに、
図19に示すように、載置部4が底板9を備え、底板9に底板孔10が設けられていることから、立て置かれたハンドピース19をより安定して置くことが可能である。
【0054】
図12、13及び14に示すように、第五の態様のネイル施術用デスクにおいては、特に、棚板左孔15及び棚板右孔16を長辺が70~80ミリメートル、短辺が30~40ミリメートルの矩形状の貫通孔とすることが望ましい。
図14に示すように、ネイルマシン本体20が立てて置かれる場合、ネイルマシン本体20の電源コード側を下にして立てて置かれるが、この場合、
図14では棚板右孔16を矩形状に形成しておけば、ネイルマシン本体20の電源コードを、棚板14に邪魔されることなく、スムーズに棚板右孔16を通して、棚板14の下方に案内できるようになる。
【0055】
本発明の第六の態様のネイル施術用デスクは、第四の態様と同様に、天板1、左脚部2、右脚部3、天板左孔5、天板右孔6、左脚孔7、右脚孔8、開口孔13、棚板14及び可動板17を備えている。したがって、第六の態様のネイル施術用デスクにおいても集塵機29を収納し、移動させることが可能である。
【0056】
図17に示すように、本発明の第六の態様のネイル施術用デスクは、第一の態様のデスクと同様に、天板左孔5及び天板右孔6が、左脚孔7及び右脚孔8よりも前方に設けられている。これにより、第六の態様のネイル施術用デスクにおいてもデスクの天板1に載置された樹脂硬化用ライトの電源コード及びネイルマシンの電源コードを散乱させずに且つハンドピース19と干渉し合うことなく適切に配置させることができる。
【0057】
また、
図15及び
図20に示すように、第六の態様のネイル施術用デスクには、左脚部2又は右脚部3の内側面に設けられた受板11を介して側板22及び幕板21が設けられ、受板11に受孔12が設けられていることから、立て置かれたハンドピース19をより安定して置くことが可能である。第六の態様のネイル施術用デスクには、上述の通り、棚板14が設けられているため、棚板14上にネイルマシン本体20’を載置することができ、棚板14が載置部と同様の機能を発揮するので載置部は設けられていない。そのため、第六の態様においては、左脚部2又は右脚部3の内側面に水平方向に設けられた受板11と、受板11に取り付けられ、垂直方向に設けられた側板22と、受板11と反対側の側板22の下端部且つ前端部に垂直方向に設けられた幕板21とが設けられており、底板は設けられていない。
【符号の説明】
【0058】
1 天板
2 左脚部
3 右脚部
4 載置部
5 天板左孔
6 天板右孔
7 左脚孔
8 右脚孔
9 底板
10 底板孔
11 受板
12 受孔
13 開口孔
14 棚板
15 棚板左孔
16 棚板右孔
17 可動板
18 補強部材
19 ハンドピース
20 ネイルマシン本体(ポータブルタイプ)
20’ネイルマシン本体(卓上タイプ)
21 幕板
22 側板
23 上板
24 前方板部
25 垂直板部
26 後方板部
27 蓋部材
28 着脱用孔
29 集塵機
30 傾斜用溝
31 凸条部
32 凹条部
33 ストッパー
34 背板