(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】ビニールハウスにおけるシート押え紐の止め具
(51)【国際特許分類】
A01G 9/14 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A01G9/14 P
A01G9/14 N
(21)【出願番号】P 2017240849
(22)【出願日】2017-12-15
【審査請求日】2020-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000221568
【氏名又は名称】東都興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【氏名又は名称】石川 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100067367
【氏名又は名称】天野 泉
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直正
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-135340(JP,U)
【文献】実開昭56-153166(JP,U)
【文献】実開昭58-044507(JP,U)
【文献】実公平04-010763(JP,Y2)
【文献】特開平11-289881(JP,A)
【文献】実開昭62-97556(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/14 - 9/26
F16B 1/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蟻溝フレーム(D)内に係止線条(P1)を介して定着させた透光シート(C)上に架け渡した紐(B)を蟻溝フレーム(D)側に引掛けるシート押え紐の止め具(A)において、
それぞれ弾性線材を屈曲して成形した係止バネ(1)と、上記係止バネ(1)に連結した紐取付け部(3)と、上記紐取付け部(3)の基端側に形成した一対の引掛け部(2)、(4)とをからなり、
上記係止バネ(1)を平面視C字状又は台形状のバネ本体(1A)と、上記バネ本体(1A)の両端に設けた一対の係止片(1B)、(1C)とで構成させ、
上記紐取付け部(3)を上記係止バネ(1)に対向して水平に延ばした一対の腕部(3A)、(3C)と、上記各腕部(3A)、(3C)の各先端部から内側に屈曲して連結させた平面視二股状のフック部(3B)とで構成させ、
上記一方の引掛け部(2)を上記一方の係止片(1C)の端部から上方に起立して上記一方の腕部(3A)の基端部に連結した起立片(2A)で構成させ、
上記他方の引掛け部(4)を上記他方の腕部(3C)の基端部から下方に延ばした連結片(4A)とこの連結片(4A)の下端に連結した平面視水平な係止片(4B)とで構成させたことを特徴とするビニールハウスにおけるシート押え紐の止め具。
【請求項2】
上記フック部(3B)は湾曲した頭部(3B1)と、上記頭部(3B1)の両端からそれぞれ傾斜させながら上記腕部(3A)、(3C)の先端に連結した一対の脚部(3B2)、(3B3)とから構成され、上記各脚部(3B2)、(3B3)の収斂した外周と上記各腕部(3A)、(3C)の内周との間にそれぞれ傾斜した紐差込用の溝(6A)、(6B)を形成していることを特徴とする請求項1に記載のビニールハウスにおけるシート押え紐の止め具。
【請求項3】
上記各腕部(3A)、(3C)は各先端部が近づく方向に傾斜し、同じく上記各腕部(3A)、(3C)は各先端部が近づく方向に傾斜していることを特徴とする請求項2に記載のビニールハウスにおけるシート押え紐の止め具。
【請求項4】
上記バネ本体(1A)は水平片(1D)と、上記水平片(1D)の両端に連結した一対の傾斜片(1E)、(1E)とで構成され、上記水平片(1D)と上記一対の係止片(1B)、(1C)とを上記蟻溝フレーム(D)の内側面に弾性的に当接させ、上記一対の引掛け部(2)、(4)を上記蟻溝フレーム(D)の側壁上端に引掛けることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれか一項に記載のビニールハウスにおけるシート押え紐の止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニールハウスに展張された透光シートのばたつきを防止するシート押え紐の止め具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種従来のビニールハウスではアーチパイプからなる骨組にシートの定着装を利用して透明又は半透明な透光シートが展張され、この透光シートから太陽光線を透過させて植物を育成している。
【0003】
更に、従来のビニールハウスでは屋根面や側面に換気用の開口部を設け、この開口部を巻上げパイプに巻き付けた透光シートの巻上げ又は巻き戻しで開閉して換気を行っている。
【0004】
他方、展張された透光シートは風その他の外力が作用するとバタツキが発生し、シートの定着装置から外たり、破れたりする恐れがある。
【0005】
同様に、換気用の巻上げパイプも風圧等の外力で煽られて傾きあるいは振動して開閉操作に悪影響を与える恐れがある。
【0006】
この為、従来は透光シートの外面に一つ又は複数の紐を当接させて透光シートのバタツキを防止している。
【0007】
同じく、巻上げパイプに巻き付けたロール状の透光シート上にも紐を当接させて巻上げパイプの傾き、振動等を防止させている。
【0008】
そして、この紐を固定する為にシートの定着装置にシート押え紐の止め具を取付け、この止め具に紐の端部を接続している。
【0009】
このシート押え紐の止め具としては、例えば、実公平4-10763号公報に開示されているような弾性線材で屈曲成形した止め具が使用されている。
【0010】
この止め具はシートを定着用の蟻溝フレーム内に嵌合する平面視台形状の係止線条と、この係止線条の端部に導出部を介して連結した一つの棒状の腕部と、この腕部に連結して透光シート上に配置されているU字状のフック部とからなるもので、このフック部に透光シート上に架け渡された紐の端部を引掛けるようにしている。
【0011】
この止め具によれば、フック部が係止線条を介して蟻溝フレームに保持されているので、このフック部に引掛けた紐が外れずに透光シートの外周にしっかりと均一に当接し、その結果、透光シートのバタツキが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】実公平4-10763号公報(実用新案登録請求の範囲、
図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記従来のシート押え紐の止め具は、機能上の欠陥があるわけではないが、次のような不具合の改善が望まれている。
【0014】
すなわち、従来のビニールハウスでは、透光シートを介してビニールハウス内に太陽光線を照射させて植物の育成を図っているが、ビニールハウス内の温度や湿度が高くなり過ぎると逆に植物に悪影響を与える。
そこで、これを防止する為、上記のように巻上げパイプに巻き付けた透光シートの巻上げ、巻き戻しで換気を行い、或いは、透光シートの外面上に遮光シートを展張させて日光の照射を規制する場合がある。
【0015】
しかるに、上記従来のシート押え紐の止め具におけるフック部は透光シートより上方に起立しているので、フック部の尖った先端が遮光シートを展張する操作時にこのフック部先端が遮光シートの下面に当たり、或いは、遮光シートを展張した後でも、例えば、風圧等の外力で遮光シートが振動するとこのフック部の先端が遮光シートに突き刺さり、或いは亀裂を発生させ、遮光シートを破損させる恐れがある。
【0016】
更に、上記従来の止め具は蟻溝フレームに引掛ける腕部が一本であるから安定性に劣り換気用の巻上げパイプが風で煽られて傾き、あるいは振動した時その衝撃でシート押え紐の止め具が振動して外れたり、破損する恐れもある。
【0017】
そこで、本発明の目的は、透光シート上に遮光シートを展張する時、又は展張後この遮光シートを破損させないようにし、また、換気用の巻上げパイプが振動しても蟻溝フレームから外れたり、破損するのを防止できるシート押え紐の止め具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、蟻溝フレーム内に係止線条を介して定着させた透光シート上に架け渡した紐を引掛けるシート押え紐の止め具において、
それぞれ弾性線材を屈曲して成形した係止バネと、上記係止バネに連結した紐取付け部と、上記紐取付け部の基端側に形成した一対の引掛け部とからなり、
上記係止バネを平面視C字状又は台形状のバネ本体と、上記バネ本体の両端に設けた一対の係止片で構成させ、
上記紐取付け部を上記係止バネに対向して水平に延ばした一対の腕部と、上記各腕部の各先端部から内側に屈曲して連結させた平面視二股状のフック部とで構成させ、
上記一方の引掛け部を上記一方の係止片の端部から上方に起立して上記一方の腕部の基端部に連結した起立片で構成させ、
上記他方の引掛け部を上記他方の腕部の基端部から下方に延ばした連結片とこの連結片の下端に連結した平面視水平な係止片とで構成させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、次の効果を達成できる。
【0020】
A)一方と他方の一対の引掛け部のうち、他方の引掛け部における連結片は下方に延びているからこの連結片の下部に連結した係止片を蟻溝フレームに対向させることができる。
従って、使用時に引掛け部を蟻溝フレームに引掛けた時係止片の先端エッジは蟻溝フレームの側壁内に納めることができる。
その結果、このエッジは透光シートより上方に飛び出さないので透光シート上に展張した遮光シートと干渉せず、この遮光シートを破断させるのを防止できる。
【0021】
B)一対の引掛け部が紐取付け部の基端側に形成されているのでこの引掛け部を介して紐取付け部の基端両側が均一に蟻溝フレームの側壁に安定して引掛けることができ、その結果紐取付け部に引掛けられた紐が透光シート上で捩れることなく均一に架け渡される。
【0022】
同様に紐を換気用の巻上げパイプ上に架け渡した時巻上げパイプが風圧等で振動しても安定して蟻溝フレームに保持されており、外れたり、破損するのが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るシート押え紐の止め具に紐を取付けた状態を示すビニールハウスの一部拡大斜視図である。
【
図4】(A)は
図1に示すシート押え紐の止め具の平面図、(B)は同左側面図、(C)は同右側面図である。
【
図5】本発明の一実施の形態に係るシート押え紐の止め具の斜視図である。
【
図6】本発明の一実施の形態に係るシート押え紐の止め具と遮光シートを取付けた状態のビニールハウスの一部切欠き斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下本発明の一実施の形態に係るシート押え紐の止め具を
図1~
図9に基づいて説明する。
【0025】
本発明は、ビニールハウスに展張された透光シートのばたつきを防止するシート押え紐の止め具に関するものである。
【0026】
ビニールハウスHは
図9に示すように、地上に起立した多数のアーチパイプFと、アーチパイプF、F間に架設した骨組を兼ねた多数の開口部巾狭の蟻溝フレームDと、蟻溝フレームD内に定着されながらアーチパイプF上に展張した透光シートCとを備え、透光シートCからビニールハウスH内に太陽光線を照射させて植物を育成している。
【0027】
上記ビニールハウスHでは側面部に換気用の巻上げパイプを設け、この巻上げパイプに透光シートを巻き付け、又は巻き戻して換気を行っているが、この巻上げパイプに巻き付けたロール上に紐Bを架け渡して巻き付けパイプの振動や傾きの発生を防止させている。
【0028】
さらに、図示していないが、透光シートCに風圧その他の外力が作用するとこれがばたつくので、この透光シートC上にシート押え紐Bを架け渡し、このシート押え紐Bの端部はシート押え紐の止め具を介して蟻溝フレームDに取付けている。
【0029】
また、夏季等においては、ビニールハウスH内の温度や湿度が高くなりすぎる場合は、
図6で後述するように透光シートC上に遮光シートGを展張し、この遮光シートGも蟻溝フレームDに定着させている。
【0030】
以下詳細に説明する。
【0031】
本発明のシート押え紐の止め具Aは、
図1に示すように、開口部が幅狭の蟻溝フレームD内に弾性な係止線条P1を介して定着させた透光シートC上に架け渡した紐Bを蟻溝フレームD側に引掛けるものである。
【0032】
蟻溝フレームDは公知のように底部aと、底部aの両側から起立する一対の側壁bと、各側壁bの上端に設けたカール部cとからなり、係止線条P1は弾性線材を台形状に屈曲して連続させたバネからなり、係止線条P1で透光シートCを蟻溝フレームDの両側壁bの内周に圧接して定着させている。
【0033】
そして、透光シートCは蟻溝フレームDに引掛けたシート押え紐の止め具Aに引掛けたシート押え紐Bで押え込まれてバタツキの発生が防止されるようになっている。
【0034】
なお、紐Bは透光シートCの押えのみならず、換気用の巻上げパイプ上に架け渡してこの巻上げパイプの傾きや振動の発生も防止できるようになっている。
【0035】
シート押え紐の止め具Aは
図1~
図5に示すように、それぞれ弾性線材を屈曲して成形した係止バネ1と、係止バネ1に連結した紐取付け部3と、紐取付け部3の基端部に形成した一対の引掛け部2、4とを備えている。
【0036】
係止バネ1は平面視台形状のバネ本体1Aと、バネ本体1Aの両端に設けた一対の係止片1B、1Cとで構成させている。
【0037】
この場合、バネ本体1Aは水平片1Dと、水平片1Dの両端に連結した一対の傾斜片1E、1Eとで台形状に構成され、各傾斜片1E、1Eの端部にC字状に湾曲させた係止片1B、1Cを連結している。
【0038】
但し、バネ本体1Aは平面視C字状に成形し、直接両端に係止片1B、1Cを設けても良い。
【0039】
紐取付け部3は
図4(A)に示すように、係止バネ1に対向して水平に、即ち、図において右側に向けて延ばした一対の腕部3A、3Cと、各腕部3A、3Cの右側各先端部から内側に屈曲して連結させた平面視二股状のフック部3Bとで構成させている。
【0040】
このフック部3Bは湾曲した頭部3B1と、頭部3B1の両端からそれぞれ傾斜させながら上記腕部3A、3Cの右側先端に連結した一対の脚部3B2、3B3とから構成されて平面視Ω字状に成形されている。
【0041】
特に、各脚部3B2,3B3は各先端部が近づく方向に傾斜しており、同じく上記各腕部3A、3Cも各先端部が近づく方向に傾斜させている。
【0042】
これにより、各脚部3B2、3B3の収斂した外周と上記各腕部3A、3Cの内周との間にそれぞれ傾斜した一対の紐差込用の溝6A、6Bが形成されている。
【0043】
フック部3Bは図示のように平面視Ω字状に形成されているが、U字状、コ字状、又は逆V字状に成形しても使用可能である。
次に、上記一方の引掛け部2は係止バネ1における一方の係止片1Cとこの係止片1Cの端部から上方に起立して上記一方の腕部3Aの左側基端部に連結した起立片2Aで構成させ、他方の引掛け部4は上記他方の腕部3Cの左側基端部から下方に延ばした連結片4Aと、この連結片4Aの下端に連結した平面視水平な係止片4Bとで構成させている。
この場合、上記他方の連結片4Aを下方に延ばして係止片4Bに連結させたことは、逆に言えば係止片4Bから立ち上がっていることになる。
この連結片4Aは図示のようにC字状に湾曲させているが、コ字状に成形しても良い。
係止バネ1は、これを蟻溝フレームD内に嵌合した時バネ本体1Aにおける水平片1Dと一対の係止片1B、1Cとは上記蟻溝フレームDの内側面に弾性的に当接させるようになっている。
また、各起立片2Aと連結片4Aの縦方向の長さ分紐取付け部3は蟻溝フレームDの上方に飛び出し、透光シートCに接触しないようになっている。
【0044】
更に、上記一対の引掛け部2、4を上記蟻溝フレームDの側壁bに引掛けるようになっている。
【0045】
次に、シート押え紐の止め具Aとこれに引掛ける紐Bの取付け工程を
図1に基づいて説明する。
【0046】
図1に示すように、透光シートCは上記したように、係止線条P1を介して蟻溝フレームDに定着されながら、
図9に示すように予めビニールハウスの側面や屋根面に展張される。
【0047】
次にシート押え紐Bは予め蟻溝フレームDに取付けられているシート押え紐の止め具Aに引掛けられながら透光シートC上に架け渡され、これによりこのシート押え紐Bのテンションで透光シートCが押え込まれ、風圧、振動等の外力が透光シートに作用してもこれがバタつくのを防止されるようになっている。
【0048】
シート押え紐の止め具Aは
図1~
図3に示すように、まず蟻溝フレームD内にバネ本体1Aを係止線条P1上に重ねて嵌合させ、次いで水平片1Dと各係止片1B、1Cの側面をそれぞれ蟻溝フレームDの側壁bの内周にバネ力で圧接させる。
【0049】
この状態では
図2に示すように一方の引掛け部2の起立片2Aは側壁bの内周に圧接した係止片1Cを介して側壁bに引掛けられながら蟻溝フレームDの上方に導出される。
また、同時に、他方の引掛け部4の連結片4Aは
図3に示すように側壁bの内周に圧接した係止片4Bを介してこの側壁bに引掛けられながら蟻溝フレームDの上方に導出される。
この場合、他方の連結片4Aは
図3に示すように側壁bの上端カール部cに係合させて引掛けても良い。
【0050】
この取付け工程により、紐取付け部3は基端側が蟻溝フレームDの側壁bに引掛けられて固定された状態で水平に延びて保持される。
【0051】
この場合、
図2に示すように、各腕部3A、3Cは起立片2A、連結片4Aの長さ分透光シートCより上方に配置される。
言い換えれば紐取付け部3の全体が透光シートCより上方に位置し、透光シートCに接触しないようにしている。
この時、
図2、
図3に示すように、係止片4Bと係止バネ1との間には隙間W1が形成される。
【0052】
次に、この状態で、
図1に示すように、フック部3Bに紐Bを引掛けながら溝6A、6B内に嵌合させて引張込むと紐Bはフック部3Bから抜けなくなる。
【0053】
この場合、フック部3Bにおける各脚部3B2、3B3の外周は収斂していて各腕部3A、3Cの内周との間の紐差込用の溝6A、6Bはそれぞれ傾斜しているので風圧等の自然な外力が作用しても嵌合した紐Bはフック部3Bから抜けないようになっている。
【0054】
特に、上記の係止片4Bと引掛け部2の係止片1Cとは蟻溝フレームDの一方の側壁b内に引掛けられながら収まっていて蟻溝フレームDより上方に飛び出さないようになっており、結果的に紐取付け部3が曲げ戻されたり、疲労で破断するのが防止されるようになっている。
【0055】
次に、
図1の状態から、更に透光シートC上に遮光シートGを展張する工程を
図6に基づいて説明する。
【0056】
即ち、
図1に示すように予め透光シートCを展張した状態で遮光シートGはこの透光シートCの定着と同じように他の弾性な係止線条P2を介して蟻溝フレームD内に定着させながら透光シートC上に開閉自在に展張させる。
【0057】
上記遮光シートGの定着用係止線条P2は上記した透光シートCの定着用の係止線条P1と構造は同じである。
この係止線条P2は
図7、
図8に示すようにシート紐押え紐の止め具Aにおける係止バネ1の上に重ねて蟻溝フレームD内に嵌合され、この状態で遮光シートGを蟻溝フレームD内に定着させるようになっている。
この際、
図2、
図3で説明したように、係止バネ1と係止片4Bとの間に隙間W1が形成されているので、
図7、
図8に示すように係止線条P2を係止バネ1上に重ねたとしてもこの係止線条P2はこの隙間W1の範囲内に挿入できるようになっており、スムースに蟻溝フレームD内に嵌合できる。
【0058】
上記のように遮光シートGを透光シートC状に展張したとき、シート押え紐の止め具A側の端部エッジたる係止片4Bは蟻溝フレームDの一方の側壁b内に収まっているので遮光シートGとは干渉しない。
【0059】
従って、遮光シートGを展張する操作時や、展張後外力で遮光シートが振動した時でもこの遮光シートGに孔をあけ、或いは、破断ささせるのが防止される。
【0060】
すなわち、本発明によれば、一方と他方の一対の引掛け部2、4のうち、他方の引掛け部4における連結片4Aは下方に延びているからこの連結片4Aに連結した係止片4Bは蟻溝フレームDの側壁bに対向させることができる。
従って、使用時に引掛け部4を蟻溝フレームDに引掛けた時連結片4Aの先端エッジは蟻溝フレームDの側壁b内に納めることができる。
その結果、このエッジは透光シートCより上方に飛び出さないので透光シートC上に展張した遮光シートGと干渉せず、この遮光シートGを破断させるのを防止できる。
更に、一対の引掛け部2、4が紐取付け部3の基端側に形成されているのでこれらの紐取付け部3の基端両側が均一に蟻溝フレームDに安定して引掛けることができ、その結果紐取付け部3に引掛けられた紐Bが透光シートC上で捩れることなく均一に架け渡される。
【符号の説明】
【0061】
A シート押え紐の止め具
B 紐
C 透光シート
D 蟻溝フレーム
G 遮光シート
P1、P2 係止線条
1 係止バネ
1A バネ本体
1B、1C 係止片
1D 水平片
1E 傾斜片
2 引掛け部
2A 起立片
3 紐取付け部
3A、3C 腕部
3B フック部
3B1 頭部
3B2、3B3 脚部
4 引掛け部
4A 連結片
4B 係止片
6A、6B 溝