(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】撮影アセンブリおよびそのパッケージング方法、レンズモジュール、電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20220105BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20220105BHJP
G03B 11/00 20210101ALI20220105BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20220105BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220105BHJP
H04N 5/335 20110101ALI20220105BHJP
【FI】
H01L27/146 D
G02B7/02 Z
G03B11/00
H01L23/12 501P
H04N5/225 700
H04N5/335
(21)【出願番号】P 2019568295
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2018119986
(87)【国際公開番号】W WO2020103213
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2019-12-06
(31)【優先権主張番号】201811385606.6
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519437928
【氏名又は名称】中芯集成電路(寧波)有限公司上海分公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO SEMICONDUCTOR INTERNATIONAL CORPORATION(SHANGHAI BRANCH)
【住所又は居所原語表記】Room 309, Area C, F3, Building 1,No.95, Lane 85, Cailun Road, China(Shanghai) Pilot Free Trade Zone, Shanghai 201210 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 達
(72)【発明者】
【氏名】劉 孟彬
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103456754(CN,A)
【文献】特開2007-123351(JP,A)
【文献】特表2013-528318(JP,A)
【文献】特開2006-005612(JP,A)
【文献】特開2007-141957(JP,A)
【文献】特開2016-100573(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106206485(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103700634(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107958881(CN,A)
【文献】中国実用新案第203895459(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105244359(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0038813(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
G02B 7/02
G03B 11/00
H01L 23/12
H04N 5/225
H04N 5/335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像アセンブリのパッケージング方法であって、
ボンディングパッドを有する感光性チップを提供し、
前記感光性チップにフィルタを貼り付け、
キャリア基板を提供し、前記キャリア基板にボンディングパッドを有する機能素子と前記感光性チップを仮ボンディングし、且つ、前記感光性チップのボンディングパッドが前記キャリア基板
の反対側に
向き、前記機能素子のボンディングパッドが前記キャリア基板を向き、
前記感光性チップのボンディングパッドが上面視にて前記フィルタの領域以外に位置し、
前記キャリア基板、前記感光性チップ及び前記機能素子を覆うとともに、前記フィルタを露出させる
封止層を形成し、
前記
封止層を形成した後、前記キャリア基板を取り除き、
前記キャリア基板を取り除いた後、前記
封止層の前記フィルタから離れた側に、前記感光性チップのボンディングパッドと前記機能素子のボンディングパッドを電気的に接続する再配線構造を形成する、
工程を有することを特徴とするパッケージング方法。
【請求項2】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記再配線構造を形成する工程が、
前記感光性チップ内に、前記感光性チップのボンディングパッドに電気的に接続する導電ピラーを形成し、
前記
封止層の前記フィルタから離れた面上に、前記
封止層、前記感光性チップ、前記機能素子及び前記導電ピラーを覆う媒介層を形成し、
前記媒介層をパターン化し、前記媒介層内に、前記機能素子のボンディングパッドと前記導電ピラーを露出させる相互接続トレンチを形成し、
前記相互接続トレンチ内に相互接続配線を形成し、前記相互接続配線と前記導電ピラーとにより前記再配線構造を構成し、
前記媒介層を取り除く、
工程を有することを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項3】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記再配線構造を形成する工程が、
前記感光性チップ内に、前記感光性チップのボンディングパッドに電気的に接続する導電ピラーを形成し、
前記
封止層の前記フィルタから離れた面上に、前記
封止層、前記感光性チップ、前記機能素子及び前記導電ピラーを覆う導電層を形成し、
前記導電層をエッチングし相互接続配線を形成し、前記相互接続配線が前記導電ピラーと前記機能素子のボンディングパッドを覆い、前記相互接続配線と前記導電ピラーとにより前記再配線構造を構成する、
工程を有することを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項4】
請求項2に記載のパッケージング方法であって、
メッキプロセスにより前記相互接続トレンチ内に前記相互接続配線を形成することを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項5】
請求項2または3に記載のパッケージング方法であって、
TSVプロセスにより前記感光性チップ内に前記導電ピラーを形成することを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項6】
請求項2に記載のパッケージング方法であって、
反応性イオンエッチングプロセスにより前記媒介層を取り除くことを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項7】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記
封止層を形成する工程が、
前記仮ボンディング工程と前記貼り付け工程の後、前記キャリア基板を上型と下型とを有する金型内に置き、
前記キャリア基板を前記上型と下型との間に置き、
型締め後、前記金型を前記キャリア基板とフィルタ上にプレスし、前記上型と下型の間においてキャビティを形成させ、
前記キャビティ内に封止材を注入して前記
封止層を形成し、
前記金型を取り除く
ことを含むことを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項8】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記
封止層を形成する工程において、前記
封止層が前記フィルタの側壁を覆うことを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項9】
請求項8に記載のパッケージング方法であって、
前記フィルタを前記感光性チップに貼り付ける前に、さらに、前記フィルタの側壁を覆う応力緩衝層を形成する工程、
または、前記フィルタを前記感光性チップに貼り付けた後、前記感光性チップを前記キャリア基板に
仮ボンディングする前に、さらに、前記フィルタの側壁を覆う応力緩衝層を形成する工程、
または、前記感光性チップを前記キャリア基板に仮ボンディングした後、前記
封止層を形成する前に、さらに、前記フィルタの側壁を覆う応力緩衝層を形成する工程、を有することを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項10】
請求項9に記載のパッケージング方法であって、
ディスペンシングプロセスにより前記応力緩衝層を形成することを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項11】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記感光性チップに前記フィルタを貼り付けた後、前記キャリア基板に前記感光性チップを仮ボンディングし、
または、キャリア基板に前記感光性チップを仮ボンディングした後、前記感光性チップに前記フィルタを貼り付けることを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項12】
請求項1に記載のパッケージング方法であって、
前記再配線構造を形成した後、さらに、前記再配線構造にFPC基板をボンディングする工程を含むことを特徴とする、パッケージング方法。
【請求項13】
撮像アセンブリであって、
封止層、前記
封止層に埋め込まれる感光
ユニットと機能素子を備え、
前記感光
ユニットが感光性チップと前記感光性チップに貼り付けられるフィルタを有し、前記
封止層の底面が前記感光性チップと前記機能素子を露出させ、前記
封止層の上面は前記感光性チップと前記機能素子より高く且つ前記フィルタを露出させ、前記感光性チップと前記機能素子はいずれもボンディングパッドを有し、前記感光性チップのボンディングパッドが前記
封止層の底面
の反対側に
向き、前記機能素子のボンディングパッドが前記
封止層の底面から露出し、
前記感光性チップのボンディングパッドが上面視にて前記フィルタの領域以外に位置し、
前記
封止層の底面の一方側に位置する再配線構造が、前記ボンディングパッドに電気的に接続する、ことを特徴とする
撮像アセンブリ。
【請求項14】
請求項13に記載の
撮像アセンブリであって、
前記再配線構造が、
前記感光性チップ内に位置し、前記感光性チップのボンディングパッドに電気的に接続する導電ピラーと、
前記機能素子のボンディングパッドと前記導電ピラーに位置し、且つ、前記機能素子のボンディングパッドと前記導電ピラーとを電気的に接続する相互接続配線と、
を有することを特徴とする、
撮像アセンブリ。
【請求項15】
請求項13に記載の
撮像アセンブリであって、
前記
封止層がさらに前記フィルタの側壁を覆うことを特徴とする、
撮像アセンブリ。
【請求項16】
請求項15に記載の
撮像アセンブリであって、
前記
撮像アセンブリがさらに、前記フィルタの側壁と前記
封止層の間に位置する応力緩衝層を有することを特徴とする、
撮像アセンブリ。
【請求項17】
請求項13に記載の
撮像アセンブリであって、
前記機能素子が周辺チップと受動部品のうちの少なくとも一方を有し、前記周辺チップがデジタルシグナルプロセッサチップとメモリチップのうちの一方または両方を有することを特徴とする、
撮像アセンブリ。
【請求項18】
請求項13に記載の
撮像アセンブリであって、
前記
撮像アセンブリが、さらに、前記再配線構造に位置するFPC基板を有することを特徴とする、
撮像アセンブリ。
【請求項19】
請求項13から18のいずれか一項に記載の
撮像アセンブリと、
前記
封止層の上面に貼り付けられ且つ前記感光
ユニットと前記機能素子を取り囲むホルダーを有し、前記感光性チップ及び機能素子に電気的に接続するレンズアセンブリとを、
有することを特徴とする、レンズモジュール。
【請求項20】
請求項19に記載のレンズモジュールを有することを特徴とする、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態がレンズモジュール分野に関し、特に、撮影アセンブリおよびそのパッケージング方法、レンズモジュール、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活水準が向上し続け、アマチュアの生活がより豊富になるにつれて、写真は旅行や様々な日常生活を記録するための一般的な手段となり、撮影機能を有する電子機器(例えば、携帯電話、タブレットPC、カメラなど)が人々の日常生活や仕事に多く適用され、撮影機能を備えた電子機器は今日の人々にとって不可欠なツールとなっている。
【0003】
撮影機能を有する電子機器は、一般に、レンズモジュールを有するものであり、レンズモジュールの設計レベルは、撮影品質を決定する重要な要素の一つである。レンズモジュールは、通常、感光性チップを有する撮影アセンブリと、前記撮影アセンブリの上方に固定され被写体の映像を形成するためのレンズアセンブリとを含む。
【0004】
そして、レンズモジュールの結像能力を高めるために、相応的に、より大きな結像面積を有する感光性チップが必要とされており、また、通常、前記レンズモジュールには抵抗、コンデンサなどの受動要素および周辺チップが配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、撮影アセンブリおよびそのパッケージング方法、レンズモジュール、電子機器を提供し、レンズモジュールの使用機能を向上させ、レンズモジュールの全体厚さを減少させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態は、撮影アセンブリのパッケージング方法を提供し、下記のような工程、即ち、ボンディングパッドを有する感光性チップを提供し、前記感光性チップにフィルタを貼り付け、キャリア基板を提供し、前記キャリア基板にボンディングパッドを有する機能素子と前記感光性チップを仮ボンディングし、且つ、前記感光性チップのボンディングパッドが前記キャリア基板に背向し、前記機能素子のボンディングパッドが前記キャリア基板を向き、前記キャリア基板、感光性チップ及び機能素子を覆うとともに、前記フィルタを露出させるパッケージング層を形成し、パッケージング層を形成した後、前記キャリア基板を取り除き、前記キャリア基板を取り除いた後、前記パッケージング層の前記フィルタから離れた側に、前記感光性チップのボンディングパッドと前記機能素子のボンディングパッドとを電気的に接続する再配線構造を形成する、工程を有する。
【0007】
相応的に、本発明の実施形態は、一種の撮影アセンブリを提供し、下記のような構成を有し、即ち、パッケージング層、前記パッケージング層に嵌め込まれる感光装置と機能素子を備え、前記感光装置が感光性チップと前記感光性チップに貼り付けられるフィルタを有し、前記パッケージング層の底面が前記感光性チップと機能素子を露出させ、前記パッケージング層の上面が前記感光性チップと機能素子より高く前記フィルタを露出させて、前記感光性チップと機能素子がいずれもボンディングパッドを有し、前記感光性チップのボンディングパッドが前記パッケージング層の底面に背向し、前記機能素子のボンディングパッドが前記パッケージング層の底面から露出し、前記パッケージング層の底面の一方側に位置する再配線構造が、前記ボンディングパッドに電気的に接続する。
【0008】
相応的に、本発明の実施形態は、一種のレンズモジュールを提供し、本発明の実施形態に記載の撮影アセンブリと、前記パッケージング層の上面に貼り付けられ且つ前記感光装置と機能素子を取り囲むホルダーを有し、前記感光性チップと及び機能素子に電気的に接続するレンズアセンブリとを、有する。
【0009】
相応的に、本発明の実施形態は、本発明の実施形態に記載のレンズモジュールを有する電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0010】
従来技術と比べ、本発明の実施形態の技術方案は下記のメリットがある:
本発明の実施形態は感光性チップと機能素子とをパッケージング層に集積し、再配線構造により電気的接続を実現でき、機能素子を周辺メインボードに貼り付ける方案と比べ、本発明の実施形態は感光性チップと機能素子の間の距離を短縮させたので、感光性チップと機能素子の間の電気的接続する距離の短縮に寄与でき、信号伝送速度を向上させ、レンズモジュールの使用機能(例えば、撮影速度と記憶速度の向上)を向上させるとともに、前記パッケージング層と再配線構造により、相応的に、回路基板(例えば、PCB)を省略でき、レンズモジュールの全体の厚さを減少させ、レンズモジュールの小型化、薄型化への要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図8】
図8は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図9】
図9は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図10】
図10は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図11】
図11は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図12】
図12は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【
図13】
図13は、本発明のレンズモジュールの一実施形態の構成模式図である。
【
図14】
図14は、本発明の電子機器の一実施形態の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
現在、レンズモジュールの使用性能の向上が望まれる一方、レンズモジュールがレンズモジュールの小型化、薄型化への要求を満たすことは困難である。その原因は下記のように挙げられる。
【0013】
従来のレンズモジュールは、主に、回路基板、感光性チップ、機能素子(例えば、周辺チップ)、レンズアセンブリにより組み立てられことにより構成されて、通常、周辺チップが周辺メインボードに貼り付けられ、感光性チップと機能素子とは離れている。また、回路基板が感光性チップ、機能素子およびレンズアセンブリを支持するとともに、回路基板により前記感光性チップと機能素子とレンズモジュールとの電気的接続を実現する。
【0014】
しかしながら、高画素および超薄型レンズモジュールへの要求に伴って、レンズモジュールの結像要求がますます高くなり、感光性チップの面積が増大し、機能素子もそれに応じて増加し、レンズモジュールのサイズがますます大きくなってしまうので、レンズモジュールの小型化および薄型化への要求を満たすことは困難である。また、感光性チップは通常レンズモジュール内のホルダーの内部に配置され、周辺チップは通常ホルダーの外部に配置されるので、周辺チップと感光性チップとの間にはある程度の距離があり、それによって信号伝送速度が低下する。周辺チップは、通常、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor,DSP)チップとメモリチップとを含むので、撮影速度および記憶速度に悪影響を及ぼしやすく、それによってレンズモジュールの使用性能を低下させる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態は感光性チップと機能素子とをパッケージング層に集積し、再配線構造により電気的接続を実現し、感光性チップと機能素子の間の距離を短縮させたので、感光性チップと機能素子の間の電気的な接続距離を短縮でき、信号伝送速度を向上させ、レンズモジュールの使用機能を向上させるとともに、パッケージング層と再配線構造により、回路基板を省略でき、レンズモジュールの全体の厚さを減少させ、レンズモジュールの小型化、薄型化への要求を満たすことができる。
【0016】
本発明の上記の目的、特徴、および利点をわかりやすくするために、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1~
図12は、本発明の撮影アセンブリのパッケージング方法の一実施形態における各工程に対応する構成模式図である。
【0018】
図1~
図2を参照すると、
図2は
図1の感光性チップの拡大図であり、ボンディングパッドを有する感光性チップ200が提供される。
【0019】
前記感光性チップ200がイメージセンサチップである。この実施形態では、感光性チップ200はCMOSイメージセンサ(CMOS image sensor,CIS)チップである。他の実施形態では、前記感光性チップはCCD(charge coupled device,電荷結合素子)イメージセンサチップでもよい。
【0020】
この実施形態では、前記感光性チップ200は光信号受信面201を有し、前記感光性チップ200は光信号受信面201を介して感知光放射信号を受信する。具体的には、前記感光性チップ200は、感光領域200a(
図2に示す)と、感光領域200aを囲む周辺領域200b(
図2に示す)とを含み、前記光信号受信面201が前記感光領域200aに位置している。
【0021】
前記感光性チップ200は複数の画素部を含むので、感光性チップ200は複数の半導体感光素子(図示せず)と、半導体感光素子に位置した複数のフィルタリングフィルム(図示せず)とを含み、フィルタリングフィルムが光信号受信面201で受信された光信号を選択的に吸収し通過させ、前記感光性チップ200はフィルタリングフィルムに位置したマイクロレンズ210をさらに含み、マイクロレンズ210は半導体感光素子と一対一に対応し、受信された光放射信号光は半導体感光素子に集束される。前記光信号受信面201が、相応的にマイクロレンズ210の上面に当たる。
【0022】
説明する必要があるが、前記感光性チップ200は一般的にシリコンベースのチップであり、集積回路製造技術によって製造され、他のチップまたは部品と電気的に接続するためのボンディングパッドを有する。本実施形態では、前記感光性チップ200は、周辺領域200bに形成された第1のチップボンディングパッド220を有し、前記光信号受信面201と同じ側の感光性チップ200の面が前記第1のチップボンディングパッド220を露出させる。
【0023】
図1および
図2を参照し、また
図3を参照すると、
図3は
図1に示される一つのフィルタの拡大図であり、前記感光性チップ200にフィルタ400が貼り付けられる(
図1を参照)。
【0024】
前記感光性チップ200にフィルタ400が貼り付けられたら、感光装置250が形成される(
図1を参照)。前記感光性チップ200に前記フィルタ400が貼り付けられたら、後のパッケージングプロセスが前記光信号受信面201への汚染を防ぐとともに、後続のレンズモジュールの全体の厚さを減少させ、レンズモジュールの小型化、薄型化への要求を満たすことができる。
【0025】
前記フィルタ400は、赤外フィルタリングガラスまたは完全透明ガラスである。本実施形態では、前記フィルタ400は赤外フィルタリングガラスであり、入射光のうちの赤外線の感光性チップ200の性能に与える影響を排除するためにも用いられており、結像効果の向上に有利である。
【0026】
具体的には、前記フィルタ400は赤外線カットフィルタ(infrared cut filter,IRCF)であり、前記赤外線カットフィルタは青色ガラス赤外線カットフィルタであってもよく、あるいは、ガラス及び前記ガラスの表面上に配置されたIRカットコーティング(IR cut coating)を含んでもよい。本実施形態では、前記フィルタ400は、ボンディング用面401を有する。前記ボンディング用面401が感光性チップ200との貼り付けを実現するための面であり、即ち、前記感光性チップ200を向くための面である。
【0027】
具体的には、フィルタ400が青色ガラス赤外線カットフィルタである場合に、青色ガラス赤外線カットフィルタの一表面にARフィルム又は反射防止フィルムがメッキされ、ARフィルム又は反射防止フィルムの表面とは反対側を向く面がボンディング用面401である。フィルタ400がガラス及びガラスの表面上に配置されたIRカットコーティングを含む場合に、IRカットコーティングとは反対側を向く表面がボンディング用面401である。他の実施形態では、フィルタが完全透明ガラスである場合、完全透明ガラスの任意の表面がボンディング用面である。
【0028】
図3に示すように、前記フィルタ400は、光透過領域400aと、光透過領域400aを囲むエッジ領域400bとを含む。前記光透過領域400aは外部入射光を透過するように構成され、感光性チップ200の光信号受信面201が光信号を受信してレンズモジュールの通常使用機能を実現するためであり、前記エッジ領域400bはフィルタ400と感光性チップ200との貼り付けを実現するように空間的位置を確保するためである。
【0029】
図1に示すように、本実施形態では、前記フィルタ400は、接着構造410を介して感光性チップ200に貼り付けられ、前記接着構造410は前記光信号受信面201を囲んでいる。
【0030】
前記接着構造410は、フィルタ400と感光性チップ200との物理的な接続を実現するために使用され、且つ、前記フィルタ400、接着構造410および感光性チップ200よりキャビティ(図示せず)が形成され、フィルタ400と感光性チップ200との直接接触を避けることにより、フィルタ400が感光性チップ200の性能に悪影響を及ぼすことを防止する。
【0031】
本実施形態では、前記接着構造410が前記光信号受信面201を取り囲むので、前記光信号受信面201の上方のフィルタ400が感光性チップ200の感光経路に位置するので、前記感光性チップ200の性能は保証されている。
【0032】
具体的には、前記接着構造410の材料はフォトリソグラフィ可能な材料であり、フォトリソグラフィ加工により接着構造410を形成することができるので、これは接着構造410の形態品質(morphology quality)および寸法精度を改善し、パッケージング効率と生産性を改善するのに役立つだけでなく、接着構造410の接合強度への影響を低減することもできる。
【0033】
本実施形態では、前記接着構造410の材料はフォトリソグラフィ可能なドライフィルム(dry film)である。他の実施形態では、前記接着構造の材料はフォトリソグラフィ可能なポリイミド(polyimide)、フォトリソグラフィ可能なポリベンゾオキサゾール(PBO)またはフォトリソグラフィ可能なベンゾシクロブテン(BCB)でもよい。
【0034】
本実施形態では、前記接着構造410を形成する際の加工上の困難さを軽減し、工程を簡略化し、前記接着構造410の形成工程が光信号受信面201に与える影響を低減するために、前記フィルタ400に前記接合構造410が形成される。
【0035】
具体的には、
図1に示すように、前記貼り付け工程は、第1のキャリア基板340を用意することと、フィルタ400がボンディング用面401とは反対側を向くようにフィルタ400を第1のキャリア基板340に仮ボンディングすることと、仮ボンディング工程の後、前記フィルタ400のエッジ領域400b(
図3に示す)に環状の接着構造410を形成することと、前記感光性チップ200の光信号受信面201が環状の接着構造410を向くように、前記感光性チップ200の周辺領域200b(
図2に示す)を環状の接着構造410に貼り付けて感光装置250を形成することとを含む。
【0036】
前記第1のキャリア基板340は、前記貼合工程にプロセスのプラットフォームを提供するために使用され、それによってプロセスの操作性を改善する。この実施形態では、第1のキャリア基板340はキャリアウェハ(carrier wafer)である。他の実施形態では、第1のキャリア基板は他のタイプの基板でもよい。
【0037】
具体的には、第1の仮ボンディング層345を介してフィルタ400を第1のキャリア基板340に仮ボンディングする。前記第1の仮ボンディング層345は後の剥離(de-bonding)を容易にするための剥離層として使用される。
【0038】
本実施形態では、前記第1の仮ボンディング層345は発泡フィルムである。発泡フィルムは、対向した微粘着面および発泡面を含み、発泡フィルムは常温では粘着性を有し且つ発泡面が第1のキャリア基板340に貼り付けられ、後で発泡フィルムを加熱して発泡面に粘性を失わせ、それにより剥離が達成される。他の実施形態では、前記第1の仮ボンディング層はダイアタッチフィルム(die attach film,DAF)としてもよい。
【0039】
図4を参照して説明すると、前記貼り付け工程の後、さらに、前記感光性チップ200を光信号受信面201の面とは反対側を向くようにUVフィルム310に貼り付けることと、前記貼り付け工程の後、前記第1のキャリア基板340を取り除くための第1の剥離処理を行う(
図1に示す)。
【0040】
前記貼り付け工程を経て、引き続き感光装置250を別のキャリア基板に仮ボンディングするために用意され、且つ、前記UVフィルム310は第1のキャリア基板340が取り除かれた後も感光装置250を支持および固定するために使用される。また、UVフィルム310は、紫外線の照射下で付着力が弱まり、その後、感光装置250をUVフィルム310から容易に取り外すことができる。
【0041】
具体的には、前記UVフィルム310は、フィルムアプリケータによって前記感光性チップ200の光信号受信面201とは反対側の面に密着されるとともに、大径のフレーム315の底部に貼り付けられている。前記フレーム315によってストレッチフィルムの作用が果たされ、前記感光装置250が別々にUVフィルム310に固定される。前記UVフィルム310およびフレーム315についての詳細説明、本実施形態では省略する。
【0042】
本実施形態では、前記第1の仮ボンディング層345(
図1に示す)は発泡フィルムであり、熱剥離プロセスを使用し前記第1の剥離処理を行う。具体的には、前記第1の仮ボンディング層345を加熱処理して発泡フィルムの発泡表面に粘着性を失わせ、第1のキャリア基板340を除去した後、前記第1の仮ボンディング層345を外して取り除く。
【0043】
図5を参照して、第2のキャリア基板320を提供し、前記第2のキャリア基板320にボンディングパッド(図示せず)を有する機能素子(図示せず)と前記感光性チップ200を仮ボンディングし、且つ、前記感光性チップ200のボンディングパッドが前記第2のキャリア基板320に背向し、前記機能素子のボンディングパッドが前記第2のキャリア基板320を向く。
【0044】
機能素子および感光性チップ200を第2のキャリア基板320に仮ボンディングすることによって、後の機能素子および感光性チップ200のパッケージ集積と電気学集積のためにプロセス準備が行われる。
【0045】
さらに、仮ボンディング(temporary bonding,TB)によって、後で感光性チップ200、機能素子および第2のキャリア基板320を別々に分離させることも便利になる。そのうち、前記第2のキャリア基板320はさらに、後続のパッケージ層を形成するためにプロセスプラットフォームとして提供される。
【0046】
この実施形態では、前記第2のキャリア基板320はキャリアウェハである。他の実施形態では、前記第2のキャリア基板は他のタイプの基板でもよい。
【0047】
具体的には、第2の仮ボンディング層325を介して機能素子と感光性チップ200を第2のキャリア基板320に仮ボンディングする。本実施形態では、前記第2の仮ボンディング層325は発泡フィルムである。前記第2の仮ボンディング層325についての詳細説明は、前記第1の仮ボンディング層345(
図1に示す)についての説明を参照できるので、ここで省略する。
【0048】
本実施形態では、感光性チップ200が第2のキャリア基板320に仮ボンディングされた後、前記感光性チップ200の第1のチップボンディングパッド220は前記第2のキャリア基板320に背向する。
【0049】
具体的には、個個の感光装置250(
図1に示すような)の位置にあるUVフィルム310(
図4に示すように)を紫外線照射し、紫外線照射を受けたUVフィルム310に粘着性を失わせるようにする。イジェクタピンにより一つの感光装置250をジャックアップし、続いて吸着装置により前記感光装置250を引き上げ、逐次に前記感光装置250をUVフィルム310から剥離させ前記第2のキャリア基板320上に放置する。また、逐次に前記感光装置250を前記第2のキャリア基板320上に放置する方式は、感光装置250の前記第2のキャリア基板320における位置精度の向上に有利である。
【0050】
この実施形態は、1つの感光装置250のみを示している。他の実施形態では、形成されたレンズモジュールがデュアルカメラまたはアレイモジュール製品に適用されるとき、感光装置の数は複数でもよい。
【0051】
本実施形態では、感光性チップ200およびフィルタ400の貼り付けが達成された後、感光性チップ200が第2のキャリア基板320に仮ボンディングされることに留意されたい。他の実施形態では、前記感光性チップおよびフィルタの貼り付けは、感光性チップが第2のキャリア基板に仮ボンディングされた後に実施されてもよい。
【0052】
前記機能素子は、撮像アセンブリにおける感光性チップ200以外の特定の機能を有する部品であり、周辺チップ230および受動部品240の少なくとも一方を含む。この実施形態では、前記機能素子は、周辺チップ230および受動部品240を含む。
【0053】
前記周辺チップ230は能動部品であり、後に感光性チップ200との電気的接続が実行されたら、前記感光性チップ200に、アナログ電源回路およびデジタル電源回路、電圧バッファ回路、シャッタ回路、シャッタ駆動回路などのような周辺回路を提供するために使用される。
【0054】
この実施形態では、前記周辺チップ230は、デジタルシグナルプロセッサチップおよびメモリチップの一方または両方を含む。他の実施形態では、前記周辺チップは他の機能タイプのチップも含み得る。図示の便宜上、
図5には1つの周辺チップ230しか示されていないが、前記周辺チップ230の数は1つに限定されない。
【0055】
前記周辺チップ230は一般的にシリコンベースのチップであり、集積回路製造技術によって製造され、他のチップまたは部品と電気的に接続するためのボンディングパッドを有する。この実施形態では、前記周辺チップ230は第2のチップボンディングパッド235を含む。
【0056】
この実施形態では、後続の電気接続プロセスの困難さを減らすために、前記周辺チップ230が第2のキャリア基板320に仮ボンディングされた後、前記第2のチップボンディングパッド235は第2のキャリア基板320を向く。
【0057】
前記受動部品240は、前記感光性チップ200の感光動作において特定の役割を果たすために使用される。前記受動部品240は、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、トランジスタ、ポテンショメータ、リレー、またはドライバなどの小型の電子部品を含むことができる。図示の便宜上、
図5には1つの受動部品240しか示されていないが、前記受動部品240の数は1つに限定されない。
【0058】
前記受動部品240も他のチップまたは部品と電気的に接続するためのボンディングパッドを有する。この実施形態では、前記受動部品240のボンディングパッドは電極245である。後続の電気接続プロセスの困難さを減らすために、前記受動部品240が第2のキャリア基板320に仮ボンディングされた後、前記電極245は第2のキャリア基板320を向く。
【0059】
各機能素子のボンディングパッドをいずれも第2のキャリア基板320を向かせることによって、その後に再配線構造を形成する工程の困難さが低減され、前記感光性チップ200と機能素子との間の厚さの差を制御することが避けられ、パッケージプロセスは簡単になる。
【0060】
図6を参照すると、前記第2のキャリア基板320、感光性チップ200、および機能素子(図示せず)を覆いながら前記フィルタ400を露出させるように形成されるパッケージング層350が形成される。
【0061】
前記パッケージ層350は、感光性チップ200と機能素子(例えば、周辺チップ230、受動素子240)に対して固定的な役割を果たし、感光性チップ200と機能素子との集積パッケージを実現する。
【0062】
そのうち、パッケージ層350は、レンズアセンブリ内のホルダーによって占められる空間を減らすことができ、また回路基板(例えばPCB)を省くことができ、それによって後に形成されるレンズモジュールの全体厚さを著しく減らすことができ、レンズモジュールの小型化と薄型化への要求を満たすことができる。また、機能素子を周辺メインボードに貼り付ける場合と比較して、パッケージ層350に感光性チップと機能素子とを集積化することにより、感光性チップ200と各機能素子との距離を短くすることができ、それに応じ、感光性チップと各機能素子との間の電気的接続距離を短くし、それによって信号伝送速度を上げ、レンズモジュールの使用性能を向上させる(例えば、撮影速度および記憶速度を向上させる)ことに有益である。
【0063】
前記パッケージ層350は、絶縁、密封および防湿としても機能することができ、レンズモジュールの信頼性を向上させるためにも有益である。この実施形態では、前記パッケージ層350の材料はエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂は、低収縮性、優れた接着性、優れた耐食性、優れた電気的性質および低コストという利点を有しているので、電子デバイスおよび集積回路用のパッケージ材料として広く使用されている。
【0064】
本実施形態では、前記パッケージング層350は射出成形(injection molding)プロセスを使用して形成される。射出成形プロセスは、生産速度が速く、効率が高く、操作が自動化されるという特徴を持ち、射出成形プロセスを採用することにより、生産量を増加させ、プロセスコストを削減することに有益である。
【0065】
具体的には、前記パッケージング層350を形成する工程は、機能素子(図示せず)と感光性チップ200とを第2のキャリア基板320上に仮ボンディングし、感光性チップ200とフィルタ400とを貼り付けた後、第2のキャリア基板320を金型内に配置し、前記金型は上型と下型とを含み、前記第2のキャリア基板320を前記上型と下型との間に配置し、型締め後、前記金型を前記第2のキャリア基板320とフィルタ400上にプレスし、前記上型と下型の間においてキャビティを形成させ、前記キャビティ内に封止材を注入して前記パッケージング層を形成し、前記金型を取り除く。
【0066】
他の実施形態では、前記パッケージング層は他の成形プロセスを使用し形成してもよい。例えば、フィルタを覆うパッケージ層を形成した後、前記パッケージ層をエッチング処理または研削(grinding)処理して、前記フィルタよりも高いパッケージ層を除去することにより、前記フィルタの上面を残ったパッケージ層から露出させるようにする。前記フィルタの上面は、即ち、前記フィルタの感光性チップとは反対側を向く面である。
【0067】
パッケージ層350が感光性チップ200と機能素子とを覆うので、感光性チップ200と機能素子との間の厚さの差がパッケージ層350の形成工程に影響を与えることが避けられ、それに応じ、感光性チップ200と機能素子との間の厚さの差を制御することが避けられ、プロセスは簡単になる。
【0068】
この実施形態では、前記パッケージ層350はフィルタ400の側壁も覆うので、感光装置250内のキャビティのシール性を改善し、前記キャビティ内への水蒸気、酸化性ガスの侵入などを低減し、それによって感光性チップ200の性能が保証される。さらに、前記フィルタ400が前記パッケージ層350から突き出ることを防止することができ、それによって、その後の前記パッケージング層350の別のキャリア基板へのボンディングが容易になる。
【0069】
なお、説明する必要があるが、前記パッケージング層350の作用により回路基板が省略され、レンズモジュールの厚さを薄くする効果が実現できるので、感光性チップ200および周辺チップ230を薄くする必要がなく、前記感光性チップ200および周辺チップ230の機械的強度および信頼性が向上する。他の実施形態では、前記感光性チップおよび周辺チップの厚さは、プロセス要件に従って適切に薄くすることができるが、機械的強度および信頼性が影響を受けない程度に薄くする量が少ない。
【0070】
なお、説明する必要があるが、本実施形態では、感光性チップ200を第2のキャリア基板320にボンディングした後、前記パッケージ層350を形成するが、パッケージに開口部を形成し感光性チップを前記開口部に配置する技術方案と比較すると、整列誤差の問題を回避することができ、パッケージプロセスの複雑さを軽減することができる。
【0071】
引き続き
図5を参照すると、この実施形態では、前記パッケージ層350(
図6に示す)が形成される前に、さらに、前記フィルタ400の側壁を覆う応力緩衝層420を形成することをさらに含む。
【0072】
前記応力緩衝層420は、前記パッケージング層350によって発生されたフィルタ400への応力を低減して、フィルタ400が破損する可能性を低減し、それによってパッケージングプロセスの信頼性および歩留まりを改善し、それに対応してレンズモジュールの信頼性を改善するのにも有益である。特に、前記フィルタ400は赤外線フィルタガラスシートまたは完全透明なガラスシートであり、ガラスシートは応力によるひびや割れが生じやすいが、前記応力緩衝層420により、前記フィルタ400が破損する確率を著しく引き下げることができる。
【0073】
前記応力緩衝層420は、フィルタ400への接着性を確実にするための粘着性を有する。この実施形態では、前記応力緩衝層420の材料はエポキシ系接着剤である。エポキシ系接着剤はエポキシ樹脂系接着剤(epoxy resin adhesive)であり、エポキシ系接着剤は多種多様で、組成を変えることで弾性率の異なる材料を得ることができ、実際の状況に応じて、前記フィルタ400の受けた応力を調整・制御できる。
【0074】
この実施形態では、前記感光装置250(
図1に示す)が前記第2のキャリア基板320に仮ボンディングされた後前記応力緩衝層420が形成されるので、前記第2のキャリア基板320が前記応力緩衝層420を形成するためにプロセスプラットフォームとして提供される。
【0075】
具体的には、前記応力緩衝層420はディスペンシングプロセスによって形成される。ディスペンシングプロセスを応用することによって、応力緩衝層420を形成する工程と現在のパッケージングプロセスとの適合性が改善され、プロセスは簡単になる。
【0076】
この実施形態では、前記応力緩衝層420は接着構造410の側壁も覆い、パッケージング層350によって発生された接着構造410への応力を低減して、パッケージングプロセスの信頼性および歩留まりをさらに向上させる。
【0077】
他の実施形態では、前記フィルタが前記感光性チップに貼り付けられる前に前記応力緩衝層を形成してもよいが、あるいは、前記フィルタを前記感光性チップに貼り付けた後、前記感光装置を前記第2のキャリア基板に仮ボンディングする前に、前記応力緩衝層を形成してもよい。
【0078】
図7を参照すると、前記パッケージング層350が形成された後、第2の剥離処理を行い、前記第2のキャリア基板320を除去する(
図6に示す)。
【0079】
第2のキャリア基板320を除去することによって、機能素子のボンディングパッドが露出され、それによって再配線構造を形成するプロセスのために用意される。この実施形態では、前記第2剥離処理は、第2キャリア基板320および第2仮ボンディング層325を順次除去することを含む(
図6に示す)。第2剥離処理についての詳細説明は、前記第1剥離処理についての説明を参照できるので、ここで省略する。
【0080】
パッケージング層350が形成された後前記第2剥離処理が行われる前に、さらに、パッケージング層350を、第1のキャリア基板330とは反対側の面を向くように第3キャリア基板330に仮ボンディングすることを含むことが留意されたい。
【0081】
前記第3キャリア基板330は、後で再配線構造を形成するためにプロセスプラットフォームとして提供される。この実施形態では、前記第3キャリア基板330はキャリアウェハである。他の実施形態では、前記第3キャリア基板は他のタイプの基板でもよい。
【0082】
具体的には、第3仮ボンディング層335を介して前記パッケージ層350を第3キャリア基板330に仮ボンディングする。前記第3仮ボンディング層335についての詳細説明は、第1の仮ボンディング層345(
図1に示す)についての説明を参照できるので、ここで省略する。
【0083】
図8から
図10を参照すると、第2のキャリア基板320が除去された後(
図6に示す)、前記パッケージング層350のフィルタ400から離れた側に再配線(redistribution layer,RDL)構造360(
図10に示す)が形成され、前記感光性チップ200のボンディングパッドと機能素子のボンディングパッドとを電気的に接続する。
【0084】
前記再配線構造360は、形成された撮影アセンブリの電気的集積を実施するために使用される。
【0085】
本実施形態では、前記パッケージング層350および再配線構造360により、感光性チップ200と機能素子との間の距離を短くし、それに応じて、電気的接続の距離を短くし、それによって信号伝送速度を改善し、レンズモジュールの使用性能を改善する。具体的には、前記周辺チップ230は、デジタルシグナルプロセッサチップおよびメモリチップの一方または両方を含み、それに応じて、撮影速度と記憶速度を向上させることに有利である。
【0086】
また、再配線構造360を応用することにより、前記感光性チップ200と機能素子との距離を縮めながら電気的接続工程の実行可能性を向上させることができ、ワイヤボンディング工程と比較して、再配線構造360は量産化でき、パッケージング効率を改善できる。また、前記パッケージング層350のフィルタ400から離れた側に前記再配線構造360が形成されるので、再配線構造体360を形成する工程がフィルタ400に与える影響が少ない。
【0087】
この実施形態では、前記再配線構造360は、前記第1のチップボンディングパッド220、第2のチップボンディングパッド235、および電極245を電気的に接続する。
具体的には、再配線構造360を形成する工程は以下を含む。
【0088】
図8を参照すると、前記感光性チップ200には導電ピラー280が形成され、前記導電ピラー280は前記感光性チップ200のボンディングパッドと電気的に接続する。
【0089】
前記導電ピラー280は、前記感光性チップ200の第1チップボンディングパッド220と電気的に接続され、前記感光性チップ200の外接電極として使用され、後続的に、前記感光性チップ200は前記導電ピラー280を通じて機能素子と電気的に接続することを実現する。
【0090】
また、前記導電ピラー280は、前記感光性チップ200内の金属相互接続構造と電気的に接続してもよく、前記感光性チップ200を貫通させ前記第1チップボンディングパッド220と直接に電気的接続してもよい。
【0091】
前記導電ピラー280の上面は前記パッケージング層350から露出し、前記導電ピラー280により、前記感光性チップ200の外接電極と機能素子のボンディングパッドをパッケージング層350の同じ側に位置させ、その後の再配線構造の形成が便利になる。また、前記導電ピラー280の上面とは、前記導電ピラー280の延在方向に沿って、前記導電ピラー280の前記フィルタ400の面から離れた面である。
【0092】
この実施形態では、前記導電ピラー280の材料は銅であり、それによって前記導電ピラー280の導電性能を改善し、前記導電ピラー280を形成するプロセスの困難性を低減する。他の実施形態では、前記導電ピラーの材料は、タングステンなどの適用可能な導電性材料でもよい。
【0093】
具体的には、前記導電ピラー280は、貫通シリコンビア(Through-Silicon Via,TSV)プロセスを使用して形成される。
【0094】
図9を参照すると、前記導電ピラー280が形成された後、前記パッケージング層350の前記フィルタ400側から離れた面に媒介層332が形成され、前記媒介層332は前記パッケージング層350、感光性チップ200、機能素子(図示せず)および導電ピラー280を覆う。前記媒介層332をパターン化し、前記媒介層332内に相互接続トレンチ338を形成し、前記相互接続トレンチ338が前記機能素子のボンディングパッドと前記導電ピラー280を露出させる。
【0095】
前記媒介層332内の相互接続トレンチ338は、後続の相互接続配線の形状、位置、およびサイズを画定するために使用される。この実施形態では、前記媒介層332の材料は感光性材料であり、それに応じて、前記相互接続トレンチ338はフォトリソグラフィプロセスによって形成することができ、前記相互接続トレンチ338を形成するプロセスの困難さを簡略化するのに有利である。
【0096】
具体的には、前記媒介層332の材料は、感光性ポリイミド、感光性ベンゾシクロブテンまたは感光性ポリベンゾオキサゾールである。
【0097】
図10を参照すると、相互接続配線361が前記相互接続トレンチ338(
図9に示す)内に形成され、前記媒介層332が除去される(
図9に示す)。
【0098】
前記相互接続配線361と前記導電ピラー280とにより前記再配線構造360が構成される。
【0099】
この実施形態では、電気メッキにより相互接続配線361を前記相互接続トレンチ338内に形成する。
【0100】
この実施形態では、前記相互接続配線361の材料は銅である。銅の抵抗率が低く、前記相互接続配線361の電気的接続の信頼性および導電性が向上し、また、銅の埋め込み性が良好で、前記相互接続配線361を形成する工程の難易度の低減及び品質の向上に有利となる。他の実施形態では、前記相互接続配線は、タングステンなどの適用可能な導電性材料でもよい。
【0101】
前記相互接続配線361を形成した後、前記媒介層332を除去して次の工程に用意される。本実施形態では、前記材料の媒介層332は耐食性が高いため、前記相互接続配線361を形成した後に、反応性イオンエッチングにより前記媒介層332を除去する。
【0102】
本実施形態では、前記パッケージング層350をプロセスプラットフォームとして前記再配線構造360を形成するので、前記再配線構造360を形成するプロセスの複雑さはそれに応じて低減される。
【0103】
他の実施形態では、前記相互接続配線はエッチングによって直接形成することもできる。具体的には、前記再配線構造を形成する工程が、下記のとおりとなる。前記感光性チップ内に、前記感光性チップのボンディングパッドに電気的に接続する導電ピラーを形成し、前記パッケージング層の前記フィルタから離れた面に、前記パッケージング層、感光性チップ、機能素子及び導電ピラーを覆う導電層を形成し、前記導電層をエッチングし相互接続配線を形成し、前記相互接続配線が前記導電ピラーと前記機能素子のボンディングパッドを覆い、前記相互接続配線と前記導電ピラーとにより前記再配線構造が構成される。
【0104】
この実施形態では、前記相互接続配線の材料は、エッチングプロセスによって容易にパターン化できるアルミニウムなどの導電材料とすることができる。
【0105】
図11を参照すると、前記再配線構造360が形成された後、第3の剥離処理を行い、前記第3のキャリア基板330を除去する(
図10に示す)。
【0106】
第3のキャリア基板330を除去することは、後続のレンズアセンブリを組み立てるためのプロセスに用意される。
【0107】
この実施形態では、前記第3剥離処理は、前記第3キャリア基板330および第3仮ボンディング層335を順次除去することを含む(
図10に示す)。前記第3剥離処理についての詳細説明は、前記第1剥離処理についての説明を参照できるので、ここで省略する。
【0108】
図12を参照すると、前記第3のキャリア基板330(
図10に示す)が除去された後、さらに、前記パッケージング層350に対してダイシング(dicing)処理を実施することを含む。
【0109】
ダイシング処理により、プロセス要件を満たすサイズの単一のカメラアセンブリ260が形成されて、後続のレンズアセンブリの組み立てのためのプロセスに用意される。本実施形態では、ダイシング処理はレーザー切断工程を用いて行われる。
【0110】
なお、本実施形態では、第3剥離処理が先に行われ、その後にダイシング処理が行われることに留意されたい。他の実施形態では、第3の剥離処理がダイシング処理の後に実行されてもよく、それに対応して、前記第3のキャリア基板はさらに前記ダイシング処理のためにプロセスプラットフォームとして提供されてもよい。
【0111】
続いて、
図12を参照すると、前記再配線構造360が形成された後、さらに、前記再配線構造360にFPC基板(flexible printed circuit board、フレキシブルプリント回路基板)510をボンディングすることを含む。
【0112】
前記FPC基板510は、回路基板が省略される場合に前記撮影アセンブリ260と後続のレンズアセンブリとの間の電気的接続、およびは形成されたレンズモジュールと他の構成要素との間の電気的接続を実現するように構成される。後続のレンズモジュールが形成されたら、前記レンズモジュールはまた、前記FPC基板510を介して電子機器内の他の構成要素に電気的に接続することができ、それによって電子機器の通常の撮影機能を実現する。
【0113】
この実施形態では、前記FPC基板は回路構造を有し、金属ボンディングプロセスによって前記FPC基板510を再配線構造360にボンディングし、それによって電気的接続が達成される。具体的には、前記FPC基板510を前記相互接続配線361にボンディングする。
【0114】
本実施形態では、プロセスの実現可能性を向上させるために、前記第3剥離処理およびダイシング処理の後に、前記FPC基板510を前記再配線構造360にボンディングする。
【0115】
なお、前記FPC基板510には、他の回路部品と電気的に接続するためのコネクタ(connector)520が形成されている。レンズモジュールが電子機器に適用されると、前記コネクタ520が前記電子機器のメインボードに電気的に接続され、それによって前記レンズモジュールと前記電子機器内の他の構成要素との間の情報伝達が実現される。前記レンズモジュールの画像情報が前記電子機器に送信される。具体的には、前記コネクタ520は金指コネクタ(Goldfinger connector)とすることができる。
【0116】
それに対応して、本発明の実施形態はさらに一種の撮影アセンブリを提供する。引き続き
図12を参照すると、本発明の撮影アセンブリの一実施形態の構成模式図が示されている。
【0117】
前記撮影アセンブリ260は、下記のような構成を有し、即ち、パッケージング層350、前記パッケージング層350に嵌め込まれる感光装置250(
図1に示す)と機能素子(図示せず)を備え、前記感光装置250が感光性チップ200と前記感光性チップ200に貼り付けられるフィルタ400を有し、前記パッケージング層350の底面が前記感光性チップ200と機能素子を露出させ、前記パッケージング層350の上面が前記感光性チップ200と機能素子より高く前記フィルタ400を露出させて、前記感光性チップ200と機能素子がいずれもボンディングパッド(図示せず)を有し、前記感光性チップ200のボンディングパッドが前記パッケージング層350の底面に背向し、前記機能素子のボンディングパッドが前記パッケージング層350の底面から露出し、前記パッケージング層350の底面の一方側に位置する再配線構造360が、前記ボンディングパッドに電気的に接続する。
【0118】
前記パッケージ層350は、感光性チップ200と機能素子に対して固定的な役割を果たし、感光性チップ200と機能素子との集積パッケージを実現する。そのうち、パッケージ層350は、レンズアセンブリ内のホルダーによって占められる空間を減らし、また回路基板を節約することができ、それによってレンズモジュールの厚さを著しく減らすことができ、レンズモジュールの小型化と薄型化への要求を満たすことができる。
【0119】
前記パッケージング層350の材料は封止材であり、前記パッケージ層350は、絶縁、密封および防湿としても機能することができ、レンズモジュールの信頼性を向上させるためにも有益である。実施形態では、前記パッケージ層350の材料はエポキシ樹脂である。
【0120】
この実施形態では、前記パッケージング層350は対向する上面および底面を含む。また、前記パッケージング層350の上面はレンズアセンブリを貼り付けるための面である。
【0121】
この実施形態では、撮影アセンブリ260のパッケージング過程において、通常、感光性チップ200および機能素子がキャリア基板に仮ボンディングされた後、前記キャリア基板上に前記パッケージ層350が形成される。よって、前記パッケージ層350の底面は、前記感光性チップ200および機能素子を露出させる。
【0122】
この実施形態では、前記パッケージ層350の上面が感光性チップ200と機能素子よりも高く、前記パッケージ層350はフィルタ400の側壁も覆うので、感光装置250内のキャビティのシール性を改善し、キャビティ内への水蒸気、酸化性ガスなどの侵入の確率を引き下げ、それによって感光性チップ200の性能が保証される。
【0123】
この実施形態では、前記感光性チップ200はCMOSイメージセンサチップである。他の実施形態では、前記感光性チップはCCDイメージセンサチップでもよい。前記感光性チップ200は、感光領域200a(
図2に示す)と、前記感光領域200aを囲む周辺領域200b(
図2に示す)とを含み、前記感光性チップ200はさらに前記感光領域200aに位置する光信号受信面201を有する。
【0124】
前記感光性チップ200は一般的にシリコンベースのチップであり、前記感光性チップ200のボンディングパッドは感光性チップ200と他のチップまたは部品と電気的に接続するために使用される。本実施形態では、前記感光性チップ200は、周辺領域200bに位置する第1のチップボンディングパッド220を有し、前記第1のチップボンディングパッド220はフィルタ400を向いて、即ち、前記第1のチップボンディングパッド220は前記パッケージング層350の底面に背向する。
【0125】
前記フィルタ400が感光性チップ200に貼り付けられ、パッケージングプロセスによる光信号受信面201への汚染を防ぐとともに、レンズモジュールの全体の厚さを減少させることができる。
【0126】
レンズモジュールの正常な機能を実現するために、前記フィルタ400は、赤外フィルタリングガラスまたは完全透明ガラスであってよい。本実施形態では、前記フィルタ400は赤外フィルタリングガラスであり、入射光のうちの赤外線が前記感光チップ200の性能に与える影響を排除するためにも用いられており、結像効果の向上に有利である。
【0127】
本実施形態では、前記フィルタ400は、接着構造410を介して前記感光性チップ200に貼り付けられ、前記接着構造410は前記感光性チップ200の光信号受信面201を囲んでいる。前記接着構造410はフィルタ400と感光性チップ200との物理的接続を実現するために用いられる。また、フィルタ400が感光性チップ200と直接接触することが防止されるので、感光性チップ200の光学性能に悪影響が及ぶことを回避することができる。
【0128】
本実施形態では、前記接着構造410の材料はフォトリソグラフィ可能なドライフィルムである。他の実施形態では、前記接着構造の材料はフォトリソグラフィ可能なポリイミド、フォトリソグラフィ可能なポリベンゾオキサゾールまたはフォトリソグラフィ可能なベンゾシクロブテンでもよい。
【0129】
本実施形態では、前記接着構造410が前記光信号受信面201を取り囲むので、前記光信号受信面201の上方のフィルタ400が前記感光性チップ200の感光経路に位置したので、前記感光性チップ200の光学的性能は保証されている。
【0130】
この実施形態は、1つの感光装置250のみを示していることに留意されたい。他の実施形態では、レンズモジュールがデュアルカメラまたはアレイモジュール製品に適用されるとき、感光装置の数は複数でもよい。
【0131】
パッケージング層350がフィルタ400の側壁を覆っているので、撮像アセンブリ260は、前記パッケージング層350とフィルタ400の側壁との間にある応力緩衝層420をさらに含むことに留意されたい。
【0132】
前記応力緩衝層420は、パッケージング層350によって発生されたフィルタ400への応力を低減して、フィルタ400が破損する確率を引き下げ、それによってレンズモジュールの信頼性を改善するのに有益である。この実施形態では、前記応力緩衝層420の材料はエポキシ系接着剤である。
【0133】
この実施形態では、前記応力緩衝層420は前記パッケージング層350と前記接着構造410の側壁の間に位置し、前記パッケージング層350によって発生された前記接着構造410への応力を低減して、前記撮影アセンブリ260の信頼性および歩留まりをさらに向上させることに有利である。
【0134】
前記機能素子は、撮像アセンブリにおける感光性チップ200以外の特定の機能を有する部品であり、周辺チップ230および受動部品240の少なくとも一方を含む。この実施形態では、前記機能素子のボンディングパッドはパッケージング層350の底面から露出しており、それによって相互接続構造360を形成する工程の複雑さを軽減している。
【0135】
この実施形態では、前記機能素子は、周辺チップ230および受動部品240を含む。前記周辺チップ230は能動部品であり、感光性チップ200に、アナログ電源回路およびデジタル電源回路、電圧バッファ回路、シャッタ回路、シャッタ駆動回路などのような周辺回路を提供するために使用される。
【0136】
この実施形態では、前記周辺チップ230は、デジタルシグナルプロセッサチップおよびメモリチップの一方または両方を含む。他の実施形態では、前記周辺チップは他の機能タイプのチップも含み得る。図示の便宜上、
図12には1つの周辺チップ230しか示されていないが、前記周辺チップ230の数は1つに限定されない。
【0137】
前記周辺チップ230は一般的にシリコンベースのチップであり、前記周辺チップ230のボンディングパッドは前記周辺チップ230と他のチップまたは部品と電気的に接続するために使用される。この実施形態では、前記周辺チップ230は前記パッケージ層350の底面を露出させる第2のチップボンディングパッド235を含む。
【0138】
前記受動部品240は、前記感光性チップ200の感光動作において特定の役割を果たすために使用される。前記受動部品240は、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、トランジスタ、ポテンショメータ、リレー、またはドライバなどの小型の電子部品を含むことができる。図示の便宜上、
図12には1つの受動部品240しか示されていないが、前記受動部品240の数は1つに限定されない。
【0139】
前記受動部品240のボンディングパッドは、前記受動部品240が他のチップまたは部品と電気的に接続するために使用される。この実施形態では、前記受動部品240のボンディングパッドは、前記パッケージ層350の底面を露出させる電極245である。
【0140】
前記再配線構造360は、撮影アセンブリ260の電気学集積を実施するために使用される。前記再配線構造360およびパッケージング層350により、レンズモジュールの使用性能が向上される(例えば、撮影速度および記憶速度が向上される)。さらに、再配線構造360により、電気接続プロセスの実行可能性およびパッケージ効率が改善される。
【0141】
この実施形態では、前記再配線構造360は、前記第1のチップボンディングパッド220、第2のチップボンディングパッド235、および電極245を電気的に接続する。
【0142】
前記機能素子のボンディングパッドがパッケージング層350の底面を露出させ、前記感光体チップ200のボンディングパッドがパッケージング層350の底面に背向するので、前記再配線構造360は、感光性チップ200内に配置され、感光性チップ200のボンディングパッドと電気的に接続する導電ピラー280と、前記機能素子のボンディングパッドと導電ピラー280に配置され、機能素子のボンディングパッドと導電ピラー280とを電気的に接続する相互接続配線361とを含む。
【0143】
前記導電ピラー280は、前記感光性チップ200の第1チップボンディングパッド220と電気的に接続され、前記感光性チップ200の外接電極として使用される。
【0144】
前記導電ピラー280が前記パッケージング層350の底面を露出させ、前記感光性チップ200の外接電極と前記第2チップボンディングパッド235並びに電極245とを前記パッケージング層350の同じ側に位置させるので、それによって前記感光性チップ200と周辺チップ230と受動部品240との間の電気的接続が容易に実現できる。また、前記導電ピラー280は、前記感光性チップ200内の金属相互接続構造と電気的に接続してもよく、前記感光性チップ200を貫通させ前記第1チップボンディングパッド220と直接に電気的接続してもよい。
【0145】
この実施形態では、前記導電ピラー280の材料は銅であり、それによって前記導電ピラー280の導電性能を改善し、前記導電ピラー280を形成するプロセスの困難性を低減する。他の実施形態では、前記導電ピラーの材料は、アルミなどの適用可能な導電性材料でもよい。
【0146】
この実施形態では、前記パッケージング層350の底面が前記導電ピラー280および機能素子のボンディングパッドを露出させるので、それに応じて、前記相互接続配線361を形成するプロセスの複雑さは軽減される。
【0147】
この実施形態では、前記相互接続配線361の材料は銅である。銅の抵抗率が低いので、前記再配線構造360の電気的接続の信頼性および導電性を向上させることに有利となる。他の実施形態では、前記相互接続配線361は、タングステンなどの適用可能な導電性材料でもよい。
【0148】
この実施形態では、前記撮影アセンブリ260は、前記再配線構造360上に配置されたFPC基板510をさらに含む。前記FPC基板510は、回路基板が省略される場合に前記撮影アセンブリ260とレンズアセンブリとの電気的接続、およびはレンズモジュールと他の構成要素との間の電気的接続を実現するように構成される。レンズモジュールはまた、FPC基板510を介して電子機器内の他の構成要素に電気的に接続することができ、それによって電子機器の通常の撮影機能を実現する。具体的には、前記FPC基板510は前記相互接続配線361にボンディングされ、FPC基板510と再配線構造360との電気的接続を実現するための回路構造を有する。
【0149】
なお、前記FPC基板510にはコネクタ520が設けられていることに留意されたい。レンズモジュールが電子機器に適用されると、前記コネクタ520が前記電子機器のメインボードに電気的に接続され、それによってレンズモジュールと電子機器内の他の構成要素との間の情報伝達が実現される。前記レンズモジュールの画像情報が前記電子機器に送信される。具体的には、前記コネクタ520は金指コネクタ(Goldfinger connector)とすることができる。
【0150】
本実施形態の前記撮影アセンブリは、上記実施形態に記載のパッケージ方法を用いて形成されてもよく、他のパッケージ方法により形成されてもよい。本実施形態の撮影アセンブリの詳細な説明については、前述の実施形態の対応する説明を参照することができ、ここでは省略する。
【0151】
それに対応して、本発明の実施形態はさらに一種のレンズモジュールを提供する。
図13を参照すると、本発明のレンズモジュールの一実施形態の構成模式図が示される。
【0152】
前記レンズモジュール600は、本発明の実施形態に記載の撮影アセンブリ(
図13で点線に囲まれる)と、前記パッケージング層(図示せず)の上面に貼り付けられ且つ前記感光装置(図示せず)と機能素子を取り囲むホルダー535を有し、前記感光性チップ及び機能素子に電気的に接続するレンズアセンブリと530とを、有する。
【0153】
前記レンズアセンブリ530は一般に、ホルダー535と、前記ホルダー535に取り付けられたモータ(図示せず)と、前記モーターに取り付けられたレンズ群(図示せず)とを有し、前記ホルダー535により前記レンズアセンブリ530の取り付けを容易に実現できるとともに、レンズ群が感光装置の感光経路上に位置するようにする。
【0154】
この実施形態では、前記撮影アセンブリの厚さが薄いことに加え、前記パッケージング層によって前記レンズアセンブリ530の厚さも減少し、それによって前記レンズモジュール600の全体の厚さが減少することとなる。また、前記感光装置と機能素子とがいずれも前記ホルダー535の内部に配置されるのは、機能素子(例えば周辺チップ)を周辺メインボードに貼り付ける方式に比べて、本実施形態では前記感光性チップと機能素子の間の距離が短縮され、それに応じて、レンズモジュール600のサイズも小さくされ、電気的接続の距離も短縮され、前記レンズモジュール600の信号伝送速度を著しく向上させ、それによってレンズモジュール600の使用性能を向上させる(例えば:撮影速度と記憶速度を向上させる)。さらに、前記感光装置および機能素子をパッケージ層に集積させるとともに、前記感光装置および機能素子を前記ホルダー535の内部に配置することによって、前記感光装置および機能素子が保護されるようになる。前記レンズモジュール600の信頼性および安定性が向上し、レンズモジュール600の結像品質も保証できる。
【0155】
この実施形態では、前記再配線構造にFPC基板(図示せず)がボンディングされ、前記レンズアセンブリ530内のモータは、前記FPC基板を介して前記撮影アセンブリ内の各チップおよび構成要素と電気的に接続することができる。
【0156】
本実施形態の撮影アセンブリの詳細な説明については、前述の実施形態の対応する説明を参照することができ、ここでは省略することに留意されたい。
【0157】
それに対応して、本発明の実施形態はさらに一種の電子機器を提供する。
図14を参照すると、本発明の電子機器の一実施形態の構成模式図が示される。
【0158】
本実施形態では、前記電子機器700が本発明の実施形態に記載の前記レンズモジュール600を含む。
【0159】
前記レンズモジュール600の信頼性と性能が高いことに応じ、前記電子機器700の撮影品質、撮影速度及び記憶速度が向上される。さらに、レンズモジュール600の全体厚さは薄いので、ユーザの使い心地をよくさせることに有利である。
【0160】
具体的には、前記電子機器700は、携帯電話、タブレットPC、カメラ又はビデオカメラなどの撮影機能を有する各種装置でもよい。
【0161】
以上、本発明を開示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の主旨および範囲から逸脱することない限り、あらゆる変更および修正を加えることができ、本発明に保護される範囲は、特許請求の範囲によって規定される範囲によって確定される。