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特許6993731特典付与システム、特典付与システムのコンピュータプログラム、及び特典付与システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】特典付与システム、特典付与システムのコンピュータプログラム、及び特典付与システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220105BHJP
   A63F 13/00 20140101ALI20220105BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
A63F13/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020043062
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021144500
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2020-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】小松 和登
(72)【発明者】
【氏名】西浦 秀智
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正仲
(72)【発明者】
【氏名】武内 陽子
(72)【発明者】
【氏名】吉永 雅宏
(72)【発明者】
【氏名】津山 令奈
(72)【発明者】
【氏名】大澤 直哉
(72)【発明者】
【氏名】東 義隆
(72)【発明者】
【氏名】尾山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】増田 裕一
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-150340(JP,A)
【文献】特開2015-026399(JP,A)
【文献】特開2005-168946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
訪問場所を訪問した複数のユーザを検知する検知手段による検知結果を記憶する記憶手段と、
前記検知結果に基づいて、特典を付与する対象ユーザを特定する特定手段と、
前記複数のユーザに共通して設定されている遅延情報に基づいて、前記対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを判断して、前記特定手段によって特定された前記対象ユーザが、前記特典付与タイミング以降に前記特典を取得することを許容する特典付与手段とを備える、特典付与システム。
【請求項2】
前記特典付与手段は、時期要件を満たさない場合に、前記対象ユーザによる前記特典の取得を許容しない、請求項1に記載の特典付与システム。
【請求項3】
前記特典付与手段は、前記訪問場所を特定する場所特定情報を取得し、前記場所特定情報に基づいて前記対象ユーザに前記特典を付与する付与装置を特定して、前記付与装置から前記特典を取得することを許容する、請求項1又は2に記載の特典付与システム。
【請求項4】
前記特典付与手段は、前記対象ユーザに前記特典を付与する付与装置の種類を示す情報を取得し、前記種類を示す情報に基づいて前記付与装置を特定して、前記付与装置から前記特典を取得することを許容する、請求項1又は2に記載の特典付与システム。
【請求項5】
前記特典付与手段は、他の複数のユーザに共通して設定されている他の遅延情報に基づいて前記特典付与タイミングを判断して、前記他の複数のユーザのうちの対象ユーザが、前記特典付与タイミング以降に前記特典を取得することを許容し、
前記複数のユーザに設定されている前記遅延情報は、前記他の遅延情報とは異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載の特典付与システム。
【請求項6】
前記検知手段は、前記検知結果として、物理的な記憶媒体から識別情報を読み取り、
前記特定手段は、前記識別情報に基づいて、前記対象ユーザを特定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の特典付与システム。
【請求項7】
前記特典付与手段は、特典識別情報を取得するとともに、前記特典識別情報に基づいて、取得を許容する前記特典の内容を特定する、請求項1から6のいずれか一項に記載の特典付与システム。
【請求項8】
訪問場所を訪問した複数のユーザを検知する検知手段による検知結果を記憶する記憶手段と、コンピュータとを備える特典付与システムのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記検知結果に基づいて、特典を付与する対象ユーザを特定する特定手段と、
前記複数のユーザに共通して設定されている遅延情報に基づいて、前記対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを判断して、前記特定手段によって特定された前記対象ユーザが、前記特典付与タイミング以降に前記特典を取得することを許容する特典付与手段として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項9】
特典付与システムの制御方法であって、
訪問場所を訪問した複数のユーザを検知する検知手段による検知結果を記憶し、
前記検知結果に基づいて、特典を付与する対象ユーザを特定し、
前記複数のユーザに共通して設定されている遅延情報に基づいて、前記対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを判断し、
特定された前記対象ユーザが、前記特典付与タイミング以降に前記特典を取得することを許容する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訪問場所を訪問したユーザに特典を付与する特典付与システム、特典付与システムのコンピュータプログラム、及び特典付与システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、店舗に来店することで得られる来店ポイントをチケットに変換して、当該チケットを特定のゲームのユーザに付与できるゲームシステムが開示されている。当該ゲームシステムにおいては、ユーザの来店があると、ゲーム端末が、ビーコン装置からブロードキャストされるビーコン信号を受信する。このビーコン信号に応答して、ゲーム端末は、メディアアプリによるチェックイン処理を実行する。そして、ゲーム端末は、この成果としての各種情報を成果判定サーバに送信する。
【0003】
成果判定サーバは、ゲーム端末から受信した各種情報に基づき、チェックイン処理により付与される成果の正当性を判定する成果判定処理を行い、付与される成果を来店ポイントに置き換えて成果情報を生成する。その後、成果判定サーバは、成果情報をメディアアプリサーバに送信する。そして、メディアアプリサーバは、成果情報を報酬サーバに送信する。報酬サーバは、成果情報を受信すると、ゲーム端末に提供される特定のゲーム専用のチケットに変換する。その後、報酬サーバは、ゲームサーバにチケットの付与を指示する。ゲームサーバは、報酬サーバの指示に沿って、ユーザにチケットを付与する。その後、チケットは、ユーザにより特定のゲームに使用されるアイテムと交換される。
【0004】
特許文献2には、ユーザの選択行動調査システムが開示されている。当該選択行動調査システムにおいては、調査対象期間に取得された全てのカードIDがID登録データに記録される。その後、適当な時期に、ID登録データをセンターサーバに登録されたカードID等と照合する処理が行われる。ここで、センターサーバのID登録データ処理部は、ID登録データに記録されているカードID及びデータIDが、ID管理データに存在するか否か、及びカードIDに関連付けられたユーザIDが存在するか否かをデータ照合処理として実行する。そして、データID及びユーザIDのいずれもが存在していた場合、ID登録データ処理部は、特典付与に必要な処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-74225号公報
【文献】特開2013-186839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ゲーム大会又は試遊会等のイベントを開催する際に、ユーザに訪問の動機を与えるために、イベントを訪問したユーザに特典を付与することがある。この場合に、イベントの開催日等のユーザが訪問したタイミングと、ユーザに特典が付与されるタイミングとの間に遅延期間を設けたいという要望がある。例えば、イベントに参加したユーザは、付与される特典の内容をSNS上で話題にすることがある。そのため、特典を付与するタイミングを遅らせることによって、話題とされる時間を長くしたいという要望がある。これにより、ゲームの内容を需要者に周知させ、宣伝効果を高めることができる。また、ユーザの期待感を煽るためにイベントの特典の内容が秘密とされている場合には、ユーザに特典の内容を予想させる等の盛り上がりを演出できる。
【0007】
特許文献1に記載のゲームシステムにおいては、ユーザがチケットをアイテムと交換するため、特典が付与されるタイミングをユーザが決定することになる。また、特許文献2に記載の選択行動調査システムにおいては、条件を満たしたユーザに特典が付与されるため、特典が付与されるタイミングをユーザが決定することになる。そのため、複数のユーザに対して、イベントの開催者の側で特典の付与タイミングを所望の期間だけ遅らせることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る特典付与システムは、訪問場所を訪問した複数のユーザを検知する検知手段による検知結果を記憶する記憶手段と、前記検知結果に基づいて、特典を付与する対象ユーザを特定する特定手段と、前記複数のユーザに共通して設定されている遅延情報に基づいて、前記対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを判断して、前記特定手段によって特定された前記対象ユーザが、前記特典付与タイミング以降に前記特典を取得することを許容する特典付与手段とを備える。
【0009】
また、本発明の一態様に係る特典付与システムのコンピュータプログラムは、訪問場所を訪問した複数のユーザを検知する検知手段による検知結果を記憶する記憶手段と、コンピュータとを備える特典付与システムのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記検知結果に基づいて、特典を付与する対象ユーザを特定する特定手段と、前記複数のユーザに共通して設定されている遅延情報に基づいて、前記対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを判断して、前記特定手段によって特定された前記対象ユーザが、前記特典付与タイミング以降に前記特典を取得することを許容する特典付与手段として機能させる。
【0010】
また、本発明の一態様に係る特典付与システムの制御方法においては、訪問場所を訪問した複数のユーザを検知する検知手段による検知結果を記憶し、前記検知結果に基づいて、前記特典を付与する対象ユーザを特定し、前記複数のユーザに共通して設定されている遅延情報に基づいて、前記対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを判断し、特定された前記対象ユーザが、前記特典付与タイミング以降に前記特典を取得することを許容する。
【0011】
これにより、設定された遅延情報に基づいて、イベントを訪問した複数のユーザに対して共通に、特典が付与されるまでの遅延期間を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】特典付与システムの全体構成を示す概略図。
図2】特典付与システムの処理の概要の説明図。
図3】特典付与システムの概略ブロック図。
図4】データの対応関係の一例を示す概略説明図。
図5】管理端末による処理のフローチャート。
図6】サーバによる処理のフローチャート。
図7】カードベンダによる処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
【0014】
図1に示すように、特典付与システム100は、特典付与サーバとしてのサーバ20を備えている。当該サーバ20は、サーバ装置として機能する。また、サーバ20は、複数のコンピュータとしてのサーバユニット21が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニット21によりサーバ20が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にサーバ20が構成されてもよい。
【0015】
また、特典付与システム100は、イベントが開催される訪問場所に設置された管理端末の一例である管理PC(Personal Computer)30と、訪問場所に設置された検出装置の一例であるカードリーダ31とを備えている。代替的に、管理端末は、携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置であってもよい。訪問場所は、例えば、ゲーム大会が開催される会場、又は試遊会が開催される店舗等である。以下では、訪問場所が店舗である例に付いて説明する。
【0016】
管理端末の一例である管理PC30は、訪問場所を訪問した複数のユーザを検知する検知手段の一例であるカードリーダ31に有線又は無線接続されている。また、管理PC30は、汎用コンピュータであり、ラックトップ型又は据置型のコンピュータである。例えば、このような管理PC30は、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、及び携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置を含む。図1の管理PC30は、ネットワーク接続が可能なコンピュータ装置であるが、ネットワーク接続ができないように構成されていてもよい。
【0017】
図1の例では、カードリーダ31と管理PC30とは、LAN52によって相互に通信可能に接続されている。また、カードリーダ31は、ユーザがICカード等のユーザカードをかざすことによって、ユーザカードのカードIDを検知結果として読み取る。そして、カードリーダ31は、カードIDを管理PC30へ送信する。また、管理PC30は、ネットワーク50を介してサーバ20へカードIDを送信する。代替的に、オペレータがユーザの代わりに一部操作を代行してもよい。例えば、カードIDは、可搬記憶媒体に記憶された状態で、オペレータ操作によってサーバ20のサーバメモリ23(図3)に記憶されてもよい。カードIDは、管理PC30の端末メモリ33又はカードリーダ31の記憶部から取得されて、オペレータ操作によって可搬記憶媒体に記憶させることができる。
【0018】
カードリーダ31は、不図示の読取部、制御部及び記憶部を有している。制御部は、CPUとその内部記憶装置等とを含んだコンピュータユニットの一種である。そして、読取部は、ユーザカードにアクセスしてカードIDを読み取る。制御部は、読取部が読み取ったカードIDを記憶部に記録する。また、制御部は、管理PC30からの要求に応じて、記憶部に記録されているカードIDを管理PC30に送信する。さらに、カードリーダ31には、カードリーダ31毎にユニークなリーダIDが設定されている。管理PC30はリーダIDを利用してカードリーダ31を特定できる。
【0019】
店舗には、対象ユーザに特典を付与する付与装置の一例としてのカードベンダ10が設置されている。カードベンダ10は、イベントが開催される店舗に設置されている場合の他、イベントが開催される会場、又はイベントが開催されない店舗等に設置されていてもよい。すなわち、イベントが開催される場所と、カードベンダ10が設置されている場所とが異なっていてもよい。カードベンダ10は、サーバ20に所定のネットワーク50を介して接続可能である。そして、カードベンダ10は、ユーザに付与される特典の一例として、物理的な遊戯媒体であるゲームカードを出力する。例えば、カードベンダ10は、所定の対価の支払いと引き換えに、ゲームカードに所定の印刷を施すとともに、筐体に形成された払出口からゲームカードを排出する。また、店舗を訪問した複数のユーザは、一台のカードベンダ10を共用できる。代替的に、付与装置が付与する特典は、遊戯媒体ではないカード、フィギュア、ぬいぐるみ、及びメダル等の有体物であってもよい。
【0020】
また、カードベンダ10は、ゲームカードを排出するとともに、所定の印刷が施されたシール等の貼付物を排出してもよい。この貼付物は、ユーザがゲームカードに貼り付けることができる。さらに、付与装置は、3Dプリントによって特典としての物品を形成する3Dプリンタであってもよい。また、付与装置は、予め準備された有体物を排出する装置であってもよい。代替的に、カードベンダ10は、予め印刷を施したゲームカードを払出口から排出するゲームカードの払出ユニットであってもよい。なお、以下では、カードベンダ10が予め準備されたカードに、ゲームキャラクタの画像等を印刷して、ゲームカードとして出力する場合を例に挙げて説明する。
【0021】
サーバ20は、カードベンダ10又はカードベンダ10のユーザに対して、カード印刷用の各種サービスを提供する。これらのサービスは、ネットワーク50を介してプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。そして、サーバ20は、この配信サービスを通じて、カードベンダ10に、サービスの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信する。また、サーバ20は、カードベンダ10からユーザ識別情報(例えばカードID)を受け取って、そのユーザを認証するサービスを提供してもよい。さらに、サーバ20は、ユーザから料金を徴収して決済するサービスを提供してもよい。
【0022】
ネットワーク50は、サーバ20に対してカードベンダ10及び管理PC30をそれぞれ接続できるように構成されている。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されている。具体的には、LAN52が、サーバ20、管理PC30及びカードベンダ10のそれぞれと、インターネット51とを接続している。そして、WANとしてのインターネット51とLAN52とが、ルータ53を介して接続されている。カードベンダ10も、インターネット51に接続されるように構成されている。代替的に、管理PC30及びカードベンダ10と、店舗のルータ53との間にローカルサーバが設置されていてもよい。管理PC30及びカードベンダ10は、当該ローカルサーバを介して、サーバ20と通信可能に接続できる。さらに、サーバ20のサーバユニット21は、LAN52に代えて又は加えてインターネット51により、相互に接続されていてもよい。
【0023】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る発明の概要を説明する。イベントの開催者は、特典又は特典の取得権の付与の告知を、イベント開始前又はイベント開催中に行う。そして、イベントの開催中に、店舗を訪問したユーザがユーザカードをカードリーダ31の読取部にかざすと、読取部は、ユーザカードにアクセスしてカードIDを読み取る。そして、カードリーダ31の制御部は、管理PC30からの要求に応じて、記憶部に記録されているカードIDを管理PC30に送信する。その後、カードIDは、任意のタイミングで、オペレータ操作によって管理PC30からサーバ20に送信される。
【0024】
代替的に、管理PC30は、カードIDを受信したときに、カードIDをサーバ20に送信してもよい。または、カードリーダ31が、カードIDをサーバ20に送信してもよい。さらに、カードリーダ31は、ゲーム機の筐体に設けられていてもよい。この場合、カードリーダ31が読み取ったカードIDを、ゲーム機がサーバ20へ送信してもよい。カードリーダ31又はゲーム機が送信する場合、管理PC30を省略できる。
【0025】
サーバ20は、特典付与タイミング前の任意のタイミングで、カードIDと、特典毎にユニークな特典識別情報(例えば特典ID)と、特典内容を示す情報とが関連付けられた特典データDP(図3)を作成する。例えば、サーバ20は、特典IDと、特典内容を示す情報としての遅延情報と、カードIDとを関連付けて特典データDPを作成する。代替的に、サーバ20は、カードIDに基づいて特定されたユーザIDと、特典IDと、特典内容を示す情報とが関連付けられた特典データDPを作成してもよい。なお、特典IDは、イベント毎に設定されたイベント識別情報(例えばイベントID)であってもよく、特典IDに基づいてイベントの開催場所、開催日時、及び開催内容等を特定できてもよい。また、特典IDは、カードIDと共に管理PCから取得されてもよく、サーバ20に記憶されている特典IDが取得されてもよい。
【0026】
遅延情報は、特典付与タイミングを判断する際に参照される。一例として、遅延情報は、宣伝に適した所望の遅延期間が設けられるように設定された特典付与日等である。代替的に、遅延情報は、遅延期間に対応する日数であってもよい。この場合、訪問タイミングである訪問日又はイベント開催日に、遅延期間を加算した特典付与日が特典付与タイミングとなる。特典付与タイミングは、少なくとも訪問タイミングよりも後であればよく、イベントの終了直後等の、訪問タイミングと特典付与タイミングが同日であるタイミングを含む。さらに、遅延情報は、特典の付与の許可又は不許可のフラグであってもよい。この場合、当該フラグは、遅延期間が経過した後にオペレータ操作に基づいて設定されてもよい。
【0027】
遅延期間が経過した後、例えば、特典付与の開始日に、ユーザは、カードベンダ10からログインをして、サーバ20からユーザ認証を受ける。例えば、ユーザは、カードベンダ10のベンダ読取部15(図3)にユーザカードをかざしてカードIDを読み取らせる。そして、カードベンダ10は、読み取ったカードIDをサーバ20に送信する。カードIDを受信すると、サーバ20は、特典を付与する対象ユーザであるか否かを判断して、対象ユーザを特定する。そして、サーバ20は、対象ユーザであると判断すると、特典を取得することを許容する特典付与処理を実行する。特典付与処理において、サーバ20は、特典付与タイミングが到来しているか否かを判断する。
【0028】
サーバ20は、特典付与タイミングが到来していると判断すると、取得したカードIDに関連付けられた特典IDに対応する媒体識別情報を特定する。当該媒体識別情報によって識別されるゲームカードは、イベントに関連することが望ましい。そして、サーバ20は、対象ユーザ特典を取得することを許容して、特典に対応する媒体情報を含む出力データをカードベンダ10に送信する。ここで、サーバ20は、特典の他にユーザが取得可能なゲームカードがある場合、当該ゲームカードに対応する媒体情報を、送信する出力データに含める。一例として、媒体情報は、各ゲームカードを識別する媒体識別情報、ゲームカードに対応するオブジェクト(例えば、キャラクタ又はアイテム)を定義する定義データ、及びゲームカードに印刷される画像データ等を含んでいる。出力データを受信すると、カードベンダ10は、ユーザが出力を望むゲームカードを選択させる画面を表示させる。
【0029】
そして、ユーザが、出力するゲームカードを選択すると、カードベンダ10は、ゲームカードに画像等を印刷する出力処理を実行してカードを印刷し、排出口から印刷したゲームカードを排出する。また、カードベンダ10は、出力結果として、出力されたゲームカードを識別する媒体識別情報をサーバ20に送信する。そして、サーバ20は、媒体識別情報をユーザIDと関連付けて記憶する。カードの印刷が終わると、カードベンダ10は、次の処理まで待機する。
【0030】
カードベンダ10は、出力データを受信したときに自動的にゲームカードを出力してもよく、又はユーザがカードを印刷するか否かの印刷選択画面を表示させてもよい。さらに、カードベンダ10は、料金の支払いを条件として、ゲームカードを出力してもよい。また、カードベンダ10は、カードを印刷する際に、特別な処理を実行してもよい。この場合、カードベンダ10は、印刷のタイプを選択する画面を表示させる。特別な処理は、例えば光沢感を付加する加工処理、ホログラム加工処理、及び高品質な印刷台紙の選択処理を含む。
【0031】
このように、遅延期間を設けることによって、ユーザがイベントを話題にする時間を長くして、ゲームの内容を周知させることができる。これによって、イベントに関連するゲームの宣伝効果を高めることができる。また、イベントの話題性、及び盛り上がりを所望の期間の間維持することによって、店舗を再訪問するモチベーションを維持させることができる。特に、イベントの開催日と、実際にゲーム機をプレイ可能となる日とが離れている場合には、モチベーションを維持させる必要性が高くなる。なお、遅延期間は、宣伝に必要な期間が確保できるように設定されていればよく、数日又は数時間等の短期間であってもよい。
【0032】
また、試遊会及びゲーム大会等のイベントを開催する場合には、ユーザにイベントが開催される店舗等の訪問場所を告知して、ユーザが訪問してくれるように誘導する。この場合、イベントの開催前は、訪問するユーザの数を予測することが困難である。そのため、店舗のキャパシティ、及び試遊機の数が足りなくなり、多くのユーザに対応できないケースがある。さらに、天候不順及び感染症の流行等の不測の事態の発生、又は事故防止等の理由によって、イベントが開催当日に中止となること、又はイベントの開催時間が短くなることがある。これらの理由により、イベントに参加を希望するユーザが、イベントに参加できない事態が生じる。
【0033】
このような事態が生じた場合、イベントに参加できなかったユーザに喪失感を与えることになる。そのため、イベントに関連するゲームをプレイする意欲が低下することが問題となる。特にアーケードゲームをプレイする場合、ユーザは、店舗を訪問したときにゲームをプレイできる。そのため、イベントに不測の事態が生じても、来店意欲が低下しないような対策を行う必要がある。この点、ユーザの訪問タイミングよりも後に特典が付与されることによって、イベントの開催時に訪問しているが、イベントに参加できなかったユーザに対しても、店舗を訪問する動機を与えることができる。
【0034】
すなわち、訪問したユーザを記録して、記録されたユーザに特典が付与される。これにより、訪問したもののイベントに参加できなかったユーザにも特典が付与される。さらに、特典付与タイミングを訪問タイミングから遅らせ、早くともイベントの終了後に特典が付与される。これにより、特典付与を遅らせた時間の間、ゲームに対するユーザの興味を維持させることができる。さらに、特典を獲得するという、ユーザに店舗を再訪問する動機を与えることができる。換言すると、イベントにおいては、イベントに参加できなくとも特典を獲得できるため、特典を目的とする多くのユーザが集まる。そして、集まったユーザは、特典を獲得するまでの間、話題を維持するとともに、特典を獲得するために店舗を訪問することになる。特に、アーケードゲーム機の分野では、イベントが他の種類のゲーム機と比較的多く開催されているため、より大きな効果が見込まれる。
【0035】
さらに、遅延期間を設けることによって、ユーザがイベントの開催場所から特典を取得できる場所まで移動する時間を確保できる。例えば、イベントが開催される会場と、特典を付与する付与装置が設置された場所とが異なる場合がある。これは、多数のユーザの訪問が予想される場合に、大きな会場を準備する一方、特典の付与は店舗に設置された付与装置を利用するようなケースである。このようなケースにおいて、遅延期間を設けない場合、特典の取得を希望するユーザは、会場を訪問した直後に店舗へ移動するように促される。その結果、ユーザがイベントを十分に楽しむことができず、かつ移動負担による疲労が生じるため、イベント又はゲームに対するユーザの印象の低下を招いてしまう可能性がある。そこで、このようなケースでも、遅延期間を設けることによって、余裕のある移動時間をユーザに与えて、ユーザの印象の低下を抑制することができる。
【0036】
[ゲームシステムの制御系]
次に、図3を参照して、特典付与システム100の制御系について説明する。図3に示すように、特典付与システム100は、カードベンダ10、サーバ20、及び管理PC30を有している。そして、カードベンダ10は、ベンダ制御部12と、ベンダメモリ13と、ベンダモニタ14と、ベンダ読取部15と、出力部16とを有している。また、サーバ20は、サーバ制御部22と、サーバメモリ23とを有している。さらに、管理PC30は、端末制御部32と、端末メモリ33とを有している。また、管理PC30はカードリーダ31に接続されている。
【0037】
ベンダ制御部12、サーバ制御部22、及び端末制御部32は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、プロセッサの動作に必要な内部メモリと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。また、ベンダメモリ13、サーバメモリ23、及び端末メモリ33は、ハードディスク及び半導体記憶装置等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体)を含んだ外部記憶装置である。一例として、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、ベンダメモリ13、サーバメモリ23、及び端末メモリ33のそれぞれに記憶されたプログラムに基づいて、各装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。
【0038】
また、ベンダ制御部12、サーバ制御部22、及び端末制御部32には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む操作部が、有線接続又は無線接続されている。また、ベンダ制御部12、サーバ制御部22、及び端末制御部32には、装置の入力状態、設定状態、及び計測結果等の各種情報を表示する表示部が、有線接続又は無線接続されている。操作部及び表示部は、タッチパネルであってもよい。例えば、ベンダモニタ14と管理PC30がタッチパネルを有する場合、操作部及び表示部としてタッチパネルを機能させることができる。さらに、ベンダ制御部12、サーバ制御部22、及び端末制御部32は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上の外部サーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
【0039】
ベンダメモリ13、サーバメモリ23、及び端末メモリ33は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。ベンダメモリ13、サーバメモリ23、及び端末メモリ33は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持してもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶してもよい。本実施形態では、CPUが、ROM又はHDDに記憶されたプログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行する。
【0040】
[カードベンダ]
ベンダメモリ13は、コンピュータプログラムであるベンダプログラムPG1を記憶している。また、ベンダ制御部12は、そのハードウェアとベンダプログラムPG1との組み合わせによって実現される論理的装置として、データ取得部112を有している。データ取得部112は、ゲームカードの出力に必要な出力データをサーバ20から取得する取得手段として機能する。そして、ベンダ制御部12は、データ取得部112が取得した出力データに基づいて、カードの印刷をするための出力処理を実行する。一例として、ベンダ制御部12は、出力データから特典に対応する媒体情報を取得する。そして、ベンダ制御部12は、ユーザにカードの出力を選択させるために、媒体情報に基づいて、ベンダモニタ14にホーム画面を表示させる。
【0041】
ユーザは、ホーム画面から、出力するゲームカードを選択する。ユーザゲームカードを選択すると、ベンダ制御部12は、ベンダモニタ14に印刷選択画面を表示させる。その後、ユーザがカードの印刷を選択しない場合、ベンダ制御部12は処理を終了する。なお、印刷選択画面を表示することに代えて、出力部16がカードの印刷を実行してもよい。ユーザがカードの印刷を選択した場合、ベンダ制御部12は、対価の支払いに必要な決済情報を取得してサーバ20に送信する。例えば、決済情報は、印刷枚数に応じた対価の額を含んでいる。サーバ20は、取得した決済情報に基づいて決済処理を実行する。代替的に、現金による決済の場合には、課金された料金がカードベンダ10において支払われたか否かを、ベンダ制御部12が判断してサーバ20に決済結果を送信する。そして、決済が完了すると、サーバ20の出力制御部28は、カードの印刷に必要な画像データ等を含む出力データを、カードベンダ10に送信する。
【0042】
ベンダモニタ14は、タッチパネル又は液晶ディスプレイ等の表示装置である。一例として、ベンダモニタ14は、ホーム画面及び印刷選択画面等の操作画面を表示する。また、ベンダモニタ14がタッチパネルである場合、ベンダモニタ14は、カードベンダ10に対するユーザの操作を受け入れる操作部としても機能する。代替的に、カードベンダ10は、ベンダモニタ14に代えて又は加えて、ボタン、キーボード、及びテンキー等の操作部を有していてもよい。
【0043】
ベンダ読取部15は、ユーザカードからカードIDを読み取る。さらに、カードIDが認証用媒体としても機能する場合、ベンダ読取部15は、ユーザカードからユーザ毎にユニークなユーザID等のユーザ認証情報を読み取ってもよい。ユーザカードは、一例として、集積回路、磁気ストライプ及びRFID等の記憶部を含んだカードである。代替的に、ベンダ読取部15は、モバイル端末装置等の物理的な記憶媒体に記憶されたカードIDを読み取ってもよい。
【0044】
出力部16は、特典の一例であるゲームカードを出力する出力手段として機能する。例えば、サーバ20は、ゲームカードの出力データをカードベンダ10に送信する。そして、出力部16は、サーバ20から受信した出力データを取得し、画像、文字及び二次元コード等をゲームカードに印刷する。代替的に、出力部16は、予めカードベンダ10に記憶されている媒体情報を出力データに基づいて読み出すことによって、ゲームカードを出力してもよい。
【0045】
カードベンダ10は、印刷に必要な対価を徴収する不図示の対価徴収装置をさらに備えている。この対価徴収装置は、現金、代替硬貨、メダル、又は電子通貨(仮想通貨及びポイントを含む)等を利用して、ユーザからゲームカードの印刷の対価の少なくとも一部を徴収する。対価徴収装置は、電子通貨の残量を記録するカード媒体を介して、対価を徴収してもよい。さらに、カードベンダ10は、スピーカ等の音声出力装置を備えていてもよい。
【0046】
[サーバ]
サーバ20は、訪問場所を訪問した複数のユーザを検知するカードリーダ31による検知結果を記憶する記憶手段の一例として、サーバメモリ23を備えている。そして、サーバメモリ23は、コンピュータプログラムであるサーバプログラムPG2と、特典データDPと、媒体データDMと、ユーザデータDUとを記憶している。また、サーバ制御部22は、そのハードウェアとサーバプログラムPG2との組み合わせによって実現される論理的装置として、特典付与手段として機能する特典付与部24と、特定手段として機能すると特定部25と、作成手段として機能する作成部26と、出力制御手段として機能する出力制御部28と、決済処理手段として機能する決済処理部29とを有している。
【0047】
図4は、媒体データDM、特典データDP、及びユーザデータDUの対応関係の一例を示す概略説明図である。図4に示すように、ユーザデータDUは、ユーザ毎にユニークなユーザIDと、ユーザIDに関連付けられたユーザの個人情報と、ユーザが所有するユーザカードのカードIDと、各ユーザのプレイデータとを含んでいる。例えば、プレイデータは、ユーザのプレイ履歴等と、ユーザが所有するゲームカードの媒体識別情報とを含んでいる。また、個人情報は、一例として、ユーザの氏名、住所、性別及び年齢層等の属性、並びにメールアドレス及び電話番号等の連絡先を含んでおり、ユーザIDと関連付けられている。
【0048】
媒体データDMは、ゲームカードに関連するデータである。図4では、媒体データDMが、ゲームカードを識別する媒体識別情報と、カードベンダ10において使用される画像データ等の媒体情報を含んでいる。媒体識別情報は、ゲームカード毎にユニークなゲームカードの識別情報である。さらに、媒体データDMは、遊戯媒体の印刷レイアウト、印刷フォーマット、及びテンプレートといった印刷時に参照される参照データを含んでいる。また、媒体データDMは、音声データ等の各種の情報をさらに含んでいてもよい。
【0049】
特典データDPは、特典の内容を識別する情報と、特典が付与される対象ユーザを特定する際に用いられる情報とを含んでいる。図4では、特典データDPが、特典IDと、カードIDとを含んでいる。作成部26は、カードID及び特典IDを管理PC30から取得すると、特典IDとカードIDとを関連付けて特典データDPを作成して、サーバメモリ23に記憶させる。特典IDは、特典毎にユニークな特典識別情報であって、特典毎に一対一に対応付けられている。また、特典IDは、カードIDと関連付けられているとともに、遅延情報、制限情報、及び媒体識別情報等の特典内容を示す情報に関連付けられている。これにより、カードIDに基づいて特典内容を特定できる。したがって、訪問したユーザのカードIDに基づいて特典IDを特定して、当該ユーザに付与される特典内容を特定できる。なお、特典内容を示す情報は、予め特典IDと関連付けられていてもよく、作成部26が特典データDPを作成した後に、オペレータ操作により特典IDと関連付けられてもよい。
【0050】
図4では、特典データDPが、遅延情報、制限情報、及び媒体識別情報をさらに含んでいる。遅延情報は、特典付与タイミングを導出可能な情報であり、個々のユーザ毎ではなく、複数のユーザに共通して設定されている。当該遅延情報は、特典付与の対象である対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを決定する際に参照される。そのために、遅延情報は、特典付与タイミングが少なくとも訪問タイミングよりも後になるように設定されている。一例として、遅延情報は、訪問タイミングからの遅延期間(例えば、遅延日数)、及び訪問タイミングよりも後の特典付与タイミング(例えば、付与日時)等の情報である。なお、遅延情報が遅延期間である場合、特典データDPは、訪問タイミング(例えば、訪問日時)を特定する情報をさらに含んでいる。
【0051】
代替的に、訪問場所を訪問した複数のユーザを、それぞれ複数のユーザを含む第1ユーザ群と第2ユーザ群とに分けてもよい。この場合、第1ユーザ群に設定されている遅延情報は、第2ユーザ群に設定されている遅延情報とは異なっていてもよい。一例として、第1ユーザ群の各ユーザのカードIDに関連付けられた遅延情報は、第2ユーザ群の各ユーザのカードIDに関連付けられた遅延情報よりも遅延期間が短い。そのため、第1ユーザ群の各ユーザは、第2ユーザ群の各ユーザよりも先に特典を取得することができる。
【0052】
第1ユーザ群と第2ユーザ群とは、訪問タイミング、性別又は年齢層等の属性、又はプレイ時間等のプレイデータ等に応じて分けることができる。例えば、所定の時間を基準時間として、基準時間よりも先に訪問したユーザが第1ユーザ群に含まれ、基準時間以降に訪問したユーザが第2ユーザ群に含まれる。これにより、先に訪問したユーザは、後に訪問したユーザよりも先に特典を取得することができる。そのため、ユーザが特典を取得するために店舗を訪問する時期をずらして、店舗の混雑を抑制することができる。
【0053】
制限情報は、複数のユーザに共通して設定されており、特典の付与を制限するための条件を示している。一例として、制限情報は、特典付与の終了タイミング(例えば、付与終了日時)、及び特典付与期間(例えば、付与日数)等の、特典付与の制限を開始するタイミングを導出可能な情報である。特典付与部24は、制限情報を参照して、特典付与の制限を開始するタイミングが到来していれば、特典の付与を制限する。また、制限情報は、特典付与の対象となる訪問タイミングの時間的な範囲を導出可能な情報であってもよい。この場合、特典付与部24は、制限情報としてのイベントの開催期間と、管理PCから取得した訪問タイミングの情報とを参照して、開催期間内にユーザが訪問しているか否かを判断する。そして、開催期間中に訪問していないと判断すると、特典付与部24は特典の付与を制限する。
【0054】
さらに、制限情報は、ユーザ毎の特典付与の上限回数を示していてもよい。特典付与部24は、制限情報を参照して、上限回数に到達しているか否かを判断する。また、制限情報は、イベント毎の特典付与の上限回数を示していてもよい。例えば、制限情報は、一回のイベントに対して複数のユーザに共通して設定された付与可能な特典の回数であってもよい。特典付与部24は、制限情報を参照して、複数のユーザに付与した特典の付与回数の合計が上限回数に到達していると判断すると、特典の付与を制限する。
【0055】
さらに、制限情報は、訪問場所を特定するための場所特定情報であってもよい。一例として、場所特定情報は、訪問場所を識別する店舗ID等の場所識別情報、又はGPSシステムから取得した位置情報である。例えば、場所特定情報は、作成部26が管理PC30からカードIDと共に取得する。作成部26は、場所特定情報を取得すると、特典IDと関連付けて特典データDPを作成して、サーバメモリ23に記憶させる。代替的に、作成部26は、サーバメモリ23に記憶された場所特定情報を取得してもよい。
【0056】
一例として、作成部26は、管理PC30から取得した店舗IDに基づいて、当該店舗IDに関連付けられたカードベンダ10の筐体IDをサーバメモリ23から取得する。そして、作成部26は、取得した筐体IDを場所特定情報として、特典データDPを作成する。この場合、筐体IDに基づいて、ユーザが訪問した店舗を特定することができる。特典付与部24は、カードベンダ10からユーザのカードIDを取得する際に、カードベンダ10の筐体IDを取得する。そして、特典付与部24は、取得した筐体IDを、特典データDPの筐体IDと比較して、特典の付与を許容する付与装置であるか否かを判断する。両筐体IDが一致する場合、特典付与部24は、カードベンダ10を介した特典の付与を許容する。代替的に、作成部26は、位置情報に基づいて、当該位置情報に関連付けられたカードベンダ10の筐体IDをサーバメモリ23から取得してもよい。さらに、作成部26は、付与装置の種類(例えばカードベンダ機種)示す情報を、制限情報に含めて、特典データDPを作成してもよい。付与装置の種類を示す情報は、例えば、特定のカードベンダ機種を示す機種コードである。
【0057】
場所特定情報は、ユーザ毎又はユーザ群毎に、異なる場所を特定するための情報であってもよい。一例として、作成部26が場所特定情報をサーバメモリ23から取得する場合、サーバメモリ23には、ユーザが設定したよく利用する店舗を示す店舗IDが場所特定情報として記憶されている。そして、作成部26は、当該店舗IDを取得すると共に、取得した店舗IDに基づいてカードベンダ10の筐体IDをサーバメモリ23から取得する。これにより、作成部26は、取得した筐体IDを場所特定情報として、特典データDPを作成できる。
【0058】
媒体識別情報は、特典として付与される媒体毎に一対一に対応付けられている。特典データDPが媒体識別情報を含んでいるため、カードIDに基づいて、特典として付与される媒体を特定できる。例えば、訪問したユーザのカードIDに基づいて媒体識別情報を特定して、当該ユーザに付与されるゲームカードを特定できる。また、媒体識別情報に基づいて媒体データDMを参照することにより、ゲームカードの内容を示す媒体情報を特定できる。これにより、出力制御部28は、カードベンダ10に送信する出力データを特定できる。
【0059】
なお、ユーザデータDU、媒体データDM、及び特典データDPに含まれる各データは、互いに関連付けられていてもよく、参照IDを媒介して関連付けられていてもよい。参照IDは、サーバ20において各種のデータを関連付ける媒介的IDとして設定されている。例えば、特典データDPが、参照IDを含んでいてもよい。この場合、特典データDPと共通する参照IDに関連付けられたカードIDを含む管理用データに基づいて、カードIDに対応する特典データDPを特定できる。例えば、作成部26は、カードIDを管理PC30から取得すると、参照IDとカードIDとを関連付けて管理用データを作成する。
【0060】
特典付与部24は、複数のユーザに共通して設定されている遅延情報に基づいて、特典を付与する対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを判断する。一例として、特典付与部24は、特典を付与する対象ユーザが特定されると、特典付与タイミングを判断する。そのために、特典付与部24は、特典データDPを参照して、対象ユーザのカードIDに関連付けられた遅延情報を特定する。そして、特定した遅延情報に基づいて、特典付与タイミングを判断する。例えば、遅延情報が付与日時を示している場合、特典付与部24は、当該付与日時が特典付与タイミングであると判断する。
【0061】
代替的に、遅延情報が遅延期間である日数を示している場合、特典付与部24は、対象ユーザのカードIDに関連付けられた訪問タイミングを取得して、訪問タイミングに遅延期間を加算する。そして、特典付与部24は、加算して算出された日を特典付与タイミングであると判断する。また、特典付与部24は、イベントの終了タイミングを取得して、終了タイミング遅延期間を加算することによって、特典付与タイミングを判断してもよい。
【0062】
特典付与部24は、特典付与タイミングを判断すると、特典付与タイミングが到来しているか否かをさらに判断する。そして、特典付与部24は、特典付与タイミング以降に、すなわち特典付与タイミングと同時又は特典付与タイミングより後に、対象ユーザが特典を取得することを許容する。これにより、特典付与部24は、特典付与タイミングと同時、又は特典付与タイミングより後に特典を付与する。
【0063】
また、特典付与部24は、特典識別情報を取得するとともに、特典識別情報に基づいてユーザによる取得を許容する特典の内容を特定する。例えば、特典付与部24は、カードIDに関連付けられている特典識別情報の一例として、特典IDを取得する。代替的に、特典付与部24は、カードIDに基づいて特定されるユーザ識別情報に関連付けられている特典IDを取得してもよい。さらに、特典付与部24は、特典IDに関連付けられている特典の内容として、例えば媒体識別情報を特定する。そして、特典付与部24は、特定した特典を対象ユーザが取得することを許容する。一例として、特典付与タイミングが到来している場合に、特典付与部24は、出力制御部28に、特典を出力するために必要なデータを含む出力データをカードベンダ10へ送信させる。なお、出力データは、サーバメモリ23に記憶されている媒体データDMに基づいて作成される。
【0064】
また、特典付与部24は、対象ユーザによる特典の取得を許容しないように制限してもよい。例えば、時期要件を満たさない場合、特典付与部24は、対象ユーザによる特典の取得を許容しない。この場合、特典付与部24は、特典データDPの制限情報を参照して、特典の付与が制限条件に該当するか否かを判断する。例えば、特典付与部24は、付与終了日等の特典付与の制限を開始するタイミングが到来していれば、制限条件に該当すると判断する。そして、特典付与部24は、特典の付与を制限するために、特典付与処理を終了する。これにより、出力制御部28が送信する出力データには、特典を出力するために必要なデータが含まれない。そのため、対象ユーザによる特典の取得が制限される。
【0065】
また、ユーザが利用する付与装置の設置場所が場所要件を満たさない場合、特典付与部24は、対象ユーザによる特典の取得を許容しない。例えば、特典付与部24は、制限情報として場所特定情報が含まれている場合、特典データDPから場所特定情報を取得する。そして、特典付与部24は、取得した場所特定情報に基づいて、対象ユーザに特典を付与する付与装置を特定する。特典付与部24は、特定された付与装置から対象ユーザが特典を取得することを許容することによって、それ以外の付与装置から特典を取得することを制限する。さらに、特典付与部24は、対象ユーザに特典を付与する付与装置の種類を示す情報を、制限情報として取得してもよい。この場合、特典付与部24は、種類を示す情報に基づいて付与装置を特定する。そして、特典付与部24は、特定された付与装置から対象ユーザが特典を取得することを許容することによって、それ以外の付与装置から特典を取得することを制限する。
【0066】
例えば、特典データDPに、場所特定情報として筐体IDが含まれている場合、特典付与部24は、カードベンダ10からユーザのカードIDを取得する際に、カードベンダ10の筐体IDを取得する。そして、特典付与部24は、カードベンダ10から取得した筐体IDが、特典データDPに含まれる筐体IDと一致するか否かを判断する。一致する場合、特典付与部24は、当該カードベンダ10を、特典の付与を許容する付与装置として特定して特典付与処理を続行する。一方、一致しない場合、特典付与部24は、特典の付与を制限するために特典付与処理を終了する。
【0067】
特定部25は、検知結果に基づいて、特典を付与する対象ユーザを特定する。例えば、特定部25は、カードリーダ31が読み取った識別情報に基づいて、対象ユーザを特定する。一例として、特定部25は、カードベンダ10を利用しようとするユーザが所有するユーザカードのカードIDを受信すると、特典データDPを参照して、当該カードIDが特典IDと関連付けられているか否かを判断する。そして、特定部25は、カードIDが関連付けられている場合には、当該ユーザを、特典を付与する対象ユーザとして特定する。さらに、特定部25は、特典を付与する対象ユーザを示す特定結果を作成する。そして、特典付与部24は、特定部25が作成した特定結果が示す対象ユーザに特典付与処理を実行する。
【0068】
作成部26は、特典IDとカードIDとを関連付けて特典データDPを作成して、サーバメモリ23に記憶させる。例えば、作成部26は、カードIDを管理PC30から取得すると、特典データDPを作成する。代替的に、作成部26は、特典付与タイミングより前の任意のタイミングで、特典データDPを作成してもよい。また、作成部26は、訪問場所を特定する場所特定情報を取得してもよい。場所特定情報を取得した場合、作成部26は、特典IDと関連付けて特典データDPを作成して、サーバメモリ23に記憶させる。一例として、作成部26は、管理PC30からカードIDと共に場所特定情報を取得する。
【0069】
出力制御部28は、特典を出力するために必要な出力データをカードベンダ10へ送信する。例えば、出力制御部28は、特典付与部24が特典を取得することを許容する場合、特典データDPの特典IDを特典付与部24から取得する。そして、特典データDPの媒体識別情報を特定して、特定した媒体識別情報に対応する出力データを媒体データDMに基づいて作成する。その後、出力制御部28は、出力データをカードベンダ10へ送信する。さらに、出力制御部28は、特典の他に、ユーザに対して出力可能なゲームカードの出力データをカードベンダ10へ送信してもよい。カードベンダ10は、受信した出力データを用いて、ゲームカードを印刷して出力する。
【0070】
決済処理部29は、カードベンダ10の求めに応じて、ユーザから料金を徴収するための決済処理を実行する。決済処理は、例えば電子通貨による決済、クレジットカードによる決済、及び金融機関が提供するオンライン決済等の各種の決済処理を含む。ただし、カードベンダ10においては、通貨を利用した現金決済が利用されてもよい。
【0071】
さらに、サーバ20は、論理的装置として不図示のユーザ認証部を備えている。当該ユーザ認証部は、ゲーム機又はカードベンダ10の求めに応じてユーザを認証する。
【0072】
[管理PC及びカードリーダ]
管理PC30の端末メモリ33は、端末プログラムPG3を記憶している。また、端末制御部32は、そのハードウェアと端末プログラムPG3との組み合わせによって実現される論理的装置として、データ管理手段として機能するデータ管理部34を有している。データ管理部34は、カードリーダ31からカードIDを取得すると、カードIDをサーバ20へ送信する。例えば、データ管理部34は、カードIDを訪問日時等の訪問タイミングを示す情報と関連付けてサーバ20へ送信する。代替的に、データ管理部34は、カードIDを訪問日時等の訪問タイミングを示す情報と関連付けて端末メモリ33に記憶させてもよい。
【0073】
また、データ管理部34は、カードリーダ31から場所特定情報を取得すると、カードIDを場所特定情報と関連付けてサーバ20へ送信する。代替的に、データ管理部34は、カードIDを場所特定情報と関連付けて、端末メモリ33に記憶させてもよい。さらに、データ管理部34は、場所特定情報を端末メモリ33から取得してもよい。
【0074】
カードリーダ31は、検知結果として、物理的な記憶媒体から識別情報を読み取って、管理PC30へ送信する。識別情報は、記憶媒体を識別するための、記憶媒体毎にユニークな情報である。例えば、カードリーダ31は、ユーザカードからカードIDを読み取って、管理PC30へ送信する。ユーザカードは、一例として、集積回路、磁気ストライプ及びRFID等の記憶部を含んだカード等である。代替的に、カードリーダ31は、物理的な記憶媒体であるモバイル端末装置に記憶されたカードIDを読み取ってもよい。
【0075】
[処理フロー]
次に、図5図6、及び図7を参照して特典付与システム100の特典付与処理の一例を説明する。図5は、管理PC30における処理を示している。そして、図6は、サーバ20における処理を示している。また、図7は、カードベンダ10における処理を示している。
【0076】
イベントが開催される訪問場所を訪問したユーザは、カードリーダ31にユーザカードをかざしてカードIDを読み取らせる。そして、カードリーダ31の制御部は、読み取られたカードIDを管理PC30に送信する。これにより、図5に示すように、管理PC30は、カードリーダ31が読み取ったカードIDを取得する(S501)。その後、管理PC30のデータ管理部34は、取得したカードIDを、訪問日時(例えば、カードIDの読取日時)及び特典IDと関連付けて、端末メモリ33に記憶させる(S502)。そして、データ管理部34は、任意のタイミングでカードID及び特典IDをサーバ20へ送信する(S503)。これにより、管理PC30における処理は終了する。なお、データ管理部34は、場所特定情報、及び訪問日時を示す情報を、カードIDと共にサーバ20へ送信してもよい。
【0077】
図6に示すように、サーバ20は、管理PC30からカードID及び特典IDを取得する(S601)。カードIDを取得すると、サーバ20の作成部26は、取得した特典IDとカードIDとを関連付けて特典データDPを作成して、サーバメモリ23に記憶させる(S602)。作成部26は、特典IDに代えて、特典IDに対応した特典を示す情報を、カードIDと関連付けて特典データDPを作成してもよい。その後、遅延期間が経過すると、ユーザは、特典を獲得するために、カードベンダ10のベンダ読取部15にユーザカードをかざしてカードIDを読み取らせる。そして、図7に示すように、カードベンダ10は、読み取ったカードIDをサーバ20へ送信して、ユーザ認証を受ける(S701)。同時に、カードベンダ10は、読み取ったカードIDをサーバ20へ送信する(S702)。なお、ユーザ認証とカードIDの送信とは、同時でなくともよく、順番が前後してもよい。また、ユーザカードとは別に、認証用媒体を利用する場合、ユーザは認証用媒体に記憶されたユーザIDを読み取らせてユーザ認証を受ける。
【0078】
図6に示すように、サーバ20のユーザ認証部は、カードベンダ10の求めに応じて、サーバメモリ23に記憶されたデータを参照してユーザ認証を行う(S603)。例えば、ユーザ認証部は、カードIDと関連付けられたユーザIDを参照してユーザ認証を行う。ユーザ認証が完了すると、サーバ20の特定部25は、カードベンダ10からカードIDを取得する(S604)。そして、特定部25は、特典データDPに含まれるカードIDに基づいて、特典を付与する対象ユーザを特定する。なお、ユーザ認証と対象ユーザの特定とは、同時でなくともよく、順番が前後してもよい。代替的に、ユーザ認証後にサーバ20において行われる各処理は、カードIDに代えてユーザIDに基づいて行われてもよい。
【0079】
具体的に、特定部25は、カードベンダ10を利用しようとするユーザが所有するユーザカードのカードIDを取得して、当該カードIDが特典IDと関連付けられているか否かを判断する。そして、カードIDが関連付けられていない場合(S605でNO)、特定部25は、ユーザを、特典を付与する対象ユーザとして特定しない。そして、サーバ20の出力制御部28は、ユーザに対して出力可能なゲームカードの出力データを媒体データDMに基づいて作成して、カードベンダ10へ送信する(S609)。当該出力データには、特典出力用のデータは含まれていない。一方、カードIDが特典データDPにおいて関連付けられている場合(S605でYES)、特定部25は、ユーザを、特典を付与する対象ユーザとして特定する。さらに、特定部25は、対象ユーザを示す特定結果を記録して、特典付与部24は特定結果を取得する。代替的に、特定部25は、カードIDに代えて、ユーザIDが特典IDと関連付けられているか否かを判断し、特典を付与する対象ユーザを特定してもよい。
【0080】
特定結果を取得すると、特典付与部24は、特典データDPの遅延情報を参照して、特典付与タイミングが到来しているか否かを判断する。そして、特典付与タイミングが到来していない場合(S606でNO)、特典付与部24は、特典付与処理を終了させる。そして、出力制御部28は、ユーザに対して出力可能なゲームカードの出力データを媒体データDMに基づいて作成して、カードベンダ10へ送信する(S609)。当該出力データには、特典出力用のデータは含まれていない。
【0081】
一方、特典付与タイミングが到来している場合(S606でYES)、特典付与部24は、特典データDPの制限情報を参照して、特典の付与が制限条件に該当するか否かを判断する。そして、制限条件に該当する場合(S607でYES)、特典付与部24は、特典付与処理を終了させる。例えば、特典付与部24は、付与終了タイミングが到来している場合、制限条件に該当すると判断して特典の付与を制限するために特典付与処理を終了させる。そして、出力制御部28は、ユーザに対して出力可能なゲームカードの出力データを媒体データDMに基づいて作成して、カードベンダ10へ送信する(S609)。当該出力データには、特典出力用のデータは含まれていない。
【0082】
一方、制限条件に該当しない場合(S607でNO)、特典付与部24は、対象ユーザが特典を取得することを許容する。例えば、特典付与部24は、出力制御部28に、特典を出力するために必要なデータを含む出力データをカードベンダ10へ送信させる(S609)。これにより、特典付与部24は、特典付与タイミングと同時、又は特典付与タイミングより後の特典の付与を許容する。なお、制限情報が無い場合、制限条件の判断は省略できる。
【0083】
図7に示すように、出力制御部28が出力データをカードベンダ10へ送信すると、カードベンダ10のデータ取得部112は、出力データをサーバ20から取得する(S703)。そして、データ取得部112は、取得した出力データをベンダメモリ13に記憶させる。その後、ユーザが出力するゲームカードを選択すると、ベンダ制御部12は、選択されたゲームカードの媒体識別情報を含む出力結果をサーバ20に送信する(S704)。続いて、図6に示すように、サーバ20の出力制御部28は、カードベンダ10から出力結果を取得する(S610)。そして、出力制御部28は、ユーザデータDUにおけるユーザが所有するゲームカードの媒体識別情報を更新し、サーバメモリ23に記憶させて処理を終了する。
【0084】
図7に示すように、ユーザがゲームカードを選択すると、カードベンダ10の出力部16は、記憶された出力データに基づいてゲームカードを印刷して排出する(S705)。代替的に、カードベンダ10は、出力制御部28から配信された媒体データDMを予め取得していてもよい。一例として、この場合には、出力データにユーザに対して提供可能なゲームカードの媒体識別情報が含まれている。データ取得部112は、媒体識別情報に基づいてベンダメモリ13から媒体情報を取得する。そして、出力部16は、当該媒体情報に基づいてゲームカードを印刷する。排出が完了すると、カードベンダ10は処理を終了する。
【0085】
ゲームカードの対価の徴収処理は、ゲームカードの出力前に実行される。例えば、徴収処理においては、ユーザがカードの印刷を選択した場合に、ベンダ制御部12が、対価の支払いに必要な決済情報を取得してサーバ20に送信する。決済情報は、印刷枚数に応じた対価の額を含んでおり、サーバ20の決済処理部29は、取得した決済情報に基づいて決済処理を実行する。代替的に、現金による決済の場合には、課金された料金がカードベンダ10において支払われたか否かを、ベンダ制御部12が判断して判断結果をサーバ20へ送信する。そして、決済が完了している場合、出力制御部28は、出力データを媒体データDMに基づいて作成して、カードベンダ10へ送信する。なお、特典の取得に対する対価がない場合には、徴収処理は省略できる。
【0086】
[変形形態]
特典として付与されるアイテムは、ゲームカードには限定されない。例えば、玩具などの物品、電子通貨、又は店舗において使用可能なデジタルアイテムであってもよい。デジタルアイテムは、特定のゲームにおいて使用可能なゲーム要素を含む。ゲーム要素は、ユーザがプレイデータを利用してゲームをプレイする際に利用可能なデータであって、一例としてキャラクタ又はアイテム等である。また、デジタルアイテムは、特典付与タイミングに各ユーザに付与されてもよく、特典付与タイミング以降にゲーム機を利用する際にユーザに付与されてもよい。
【0087】
一例として、特典がゲーム要素である場合、特典付与部24は、特典付与タイミングであると判断すると、特定部25に対象ユーザを特定させる。特定部25は、サーバメモリ23に記憶されている特典データDPに含まれるカードIDに基づいて、ユーザデータDUを参照する。そして、特定部25は、カードIDに対応するユーザIDに関連付けられたプレイデータであって、特典データDPに含まれるゲーム要素を使用可能なゲームのプレイデータが存在するか否かを照合する。そして、当該プレイデータが存在する場合、特定部25は、そのプレイデータに対応するユーザIDのユーザを対象ユーザとして特定して、プレイデータを特定する情報と関連付けた特定結果を記録する。
【0088】
そして、特典付与部24は、特定結果を取得して、特定部25が特定したプレイデータに、ゲームで利用可能な電子データとしてのゲーム要素を記録する。これにより、特典付与部24は、特典付与タイミング以降にユーザが特典を取得することを許容する。なお、特典が物品である場合、特定部25は、カードIDに対応するユーザIDのユーザを対象ユーザとして特定して特定結果を記録してもよい。そして、特典付与部24は、特定結果を取得して、特定部25が特定したユーザのユーザデータDUに記録されている住所に、物品を発送するように指示する。これにより、特典付与部24は、特典付与タイミング以降にユーザが特典を取得することを許容する。
【0089】
また、対象ユーザに特典としてゲームカードを付与する付与装置は、カードベンダ10に限られず、ゲームカードの出力装置を備えたゲーム機であってもよい。さらに、特典がデジタルアイテムである場合、特典を付与する付与装置は、モバイル端末装置等のユーザ端末、又はゲーム機であってもよい。なお、特典データDPに場所特定情報が設定されている場合、特典付与部24は、ユーザ端末からユーザのカードIDと共に位置情報を取得する。
【0090】
さらに、検出装置は、カードリーダ31に限られず、対象ユーザを特定する際に参照される識別情報として、ユーザの顔の画像データを取得する撮影装置であってもよい。この場合、カードベンダ10も、ユーザの顔の画像データを取得する撮影装置を備えている。一例として、撮影装置が取得した顔の画像データは、検出結果として、管理PCを介して又は撮影装置から直接サーバ20に送信される。そして、作成部26は、当該画像データを取得するとともに、特典IDと関連付けて特典データDPを作成して、サーバメモリ23に記憶させる。
【0091】
その後、ユーザがカードベンダ10を利用すると、特定部25は、カードベンダ10の撮影装置が取得した顔の画像データを取得する。そして、特定部25は、カードベンダ10から取得した画像データと、特典データDPに含まれる画像データとを比較する。特定部25は、両画像データが同一人物の顔を撮影したものであるかを判断する。そして、同一人物であると判断すると、特定部25は、当該ユーザを、特典を付与する対象ユーザとして特定する。なお、特典付与部24は、特典付与の終了タイミングが到来したと判断すると、画像データを自動的に削除する。
【0092】
また、検出装置は、ユーザ端末であってもよい。一例として、ユーザは、モバイル端末装置等のユーザ端末に予めインストールされているアプリケーションからログインをして、サーバ20からユーザ認証を受ける。サーバ20は、ユーザ認証情報と共に、検出結果としての位置情報等をユーザ端末から取得する。例えば、ユーザ端末は、GPSシステムから位置情報を取得できる。
【0093】
そして、特定部25は、ユーザ認証情報と位置情報とを取得する。特定部25は、取得した位置情報と、イベントが開催されている店舗の位置情報とを比較して、ユーザ端末が当該店舗に位置するか否か判断する。そして、ユーザ端末が店舗に位置すると判断すると、特定部25は、取得したユーザ認証情報に対応するユーザを、特典を付与する対象ユーザとして特定して特定結果を作成する。その後、作成部26は、ユーザ認証情報を取得するとともに、特典IDと関連付けて特典データDPを作成して、サーバメモリ23に記憶させる。特典付与部24は、特定部25が作成した特定結果が示す対象ユーザがカードベンダ10を利用したときに、特典付与処理を実行する。なお、特定部25は、ユーザがカードベンダ10を利用してユーザ認証を受けるときに、対象ユーザの特定を実行してもよい。
【0094】
また、検出装置がユーザ端末である場合、ユーザ端末は、店舗又はその周辺に設置された発信機からビーコン信号を取得することによって、位置情報を取得してもよい。一例として、ユーザ端末に予めインストールされているアプリケーションが、ビーコン信号に基づいて位置情報を取得する。例えば、ユーザ端末に予めインストールされているアプリケーションが、ビーコン信号に基づいて起動される。その後、ユーザ端末は、発信機から受信した店舗ID等の位置情報を、検出結果としてユーザ認証情報と共にサーバ20に送信する。さらに、ユーザ端末は、発信機から特典ID(例えばイベントID)を受信し、検出結果としてユーザ認証情報と共に特典IDをサーバ20に送信してもよい。サーバ20において、ユーザ認証情報と特典IDとが関連付けて記憶される。これによって、特定部25は、特典IDに関連付けられたユーザ認証情報によって示されるユーザを、特典を付与する対象ユーザとして特定できる。
【0095】
以上説明した実施形態及び変形形態によれば、設定された遅延情報に基づいて、イベントを訪問した複数のユーザに対して共通に、特典が付与されるまでの遅延期間を設けることができる。そのため、ユーザがイベントを話題にする時間を長くして、ゲームの内容を周知させることができる。これによって、イベントに関連するゲームの宣伝効果を高めることができる。また、イベントの話題性、及び盛り上がりを所望の期間の間維持することによって、店舗を再訪問するモチベーションを維持させることができる。
【0096】
さらに、特典がイベントの終了後に付与されるので、イベントの開催時に特典を準備しておく必要がない。そのため、イベントの開催時に準備した特典の数が足りなかった場合にも、イベントを訪問して特典を取得できなかったユーザに、後日特典を付与できる。
【0097】
また、特典の内容をイベントの終了後に決めることができるので、イベントの開催時に特典を準備しておく必要がない。そのため、イベントの開催前に特典準備の期間を設ける必要が無く、宣伝効果が望まれるタイミングで迅速にイベントを開催できる。例えば、イベントにおいて試遊対象となるゲーム機が急に変更された場合であっても、当該ゲーム機に対応する特典をイベントの終了後に準備してユーザに付与できる。
【0098】
以上、実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0099】
例えば、特典付与システム100において、各機能部は、カードベンダ10及びサーバ20のいずれか、これらを任意に組み合わせたユニット、又は外部のコンピュータに、適宜設けることができる。この場合、各装置又は各ユニットのプログラムが協働して、特典付与システム100のコンピュータプログラムとして機能する。例えば、カードベンダ10が特定部25を備えていてもよい。この場合、カードベンダ10は、サーバ20又は管理PCから検知結果を取得する。そして、ベンダメモリ13が、検知結果を記憶する記憶手段として機能する。例えば、カードベンダ10の特定部25は、ベンダ読取部15がカードIDを読み取ると、検知結果に含まれるカードIDと比較する。そして、カードベンダ10の特定部25は、カードIDが検知結果に含まれて記憶されている場合には、カードIDに対応するユーザを、特典を付与する対象ユーザとして特定する。
【0100】
さらに、作成部26は、管理PC30に設けられていてもよい。一例として、管理PC30の作成部26は、カードリーダ31から取得したカードIDを特典IDと関連付けて特典データDPを作成する。そして、管理PC30の作成部26は、作成した特典データDPをサーバ20に送信する。サーバ制御部22は、受信した特典データDPをサーバメモリ23に記憶させる。
【0101】
以下、上述した各実施形態及び各変形例から導き出される各種の態様を記載する。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
【0102】
特典付与システム100は、訪問場所を訪問した複数のユーザを検知する検知手段31による検知結果を記憶する記憶手段23と、前記検知結果に基づいて、特典を付与する対象ユーザを特定する特定手段25と、前記複数のユーザに共通して設定されている遅延情報に基づいて、前記対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを判断して、前記特定手段によって特定された前記対象ユーザが、前記特典付与タイミング以降に前記特典を取得することを許容する特典付与手段24とを備える。
【0103】
訪問場所を訪問した複数のユーザを検知する検知手段31による検知結果を記憶する記憶手段と、コンピュータ22とを備える特典付与システム100のコンピュータプログラムPG2は、前記コンピュータを、前記検知結果に基づいて、特典を付与する対象ユーザを特定する特定手段25と、前記複数のユーザに共通して設定されている遅延情報に基づいて、前記対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを判断して、前記特定手段によって特定された前記対象ユーザが、前記特典付与タイミング以降に前記特典を取得することを許容する特典付与手段24として機能させる。
【0104】
特典付与システム100の制御方法において、訪問場所を訪問した複数のユーザを検知する検知手段31による検知結果を記憶し、前記検知結果に基づいて、特典を付与する対象ユーザを特定し、前記複数のユーザに共通して設定されている遅延情報に基づいて、前記対象ユーザの訪問タイミングに対して遅延する特典付与タイミングを判断し、特定された前記対象ユーザが、前記特典付与タイミング以降に前記特典を取得することを許容する。
【0105】
これにより、設定された遅延情報に基づいて、イベントを訪問した複数のユーザに対して共通に、特典が付与されるまでの遅延期間を設けることができる。そのため、ユーザがイベントを話題にする時間を長くして、ゲームの内容を周知させることができる。これによって、イベントに関連するゲームの宣伝効果を高めることができる。また、イベントの話題性、及び盛り上がりを所望の期間維持することによって、店舗を再訪問するモチベーションを維持させることができる。
【0106】
前記特典付与手段24は、時期要件を満たさない場合に、前記対象ユーザによる前記特典の取得を許容しない。これにより、時期的な制限条件に該当する場合に、特典の付与を許容しないことによって、対象ユーザが特典を取得することを制限できる。
【0107】
前記特典付与手段24は、前記訪問場所を特定する場所特定情報を取得し、前記場所特定情報に基づいて前記対象ユーザに前記特典を付与する付与装置10を特定して、前記付与装置から前記特典を取得することを許容する。また、前記特典付与手段24は、前記対象ユーザに前記特典を付与する付与装置10の種類を示す情報を取得し、前記種類を示す情報に基づいて前記付与装置を特定して、前記付与装置から前記特典を取得することを許容する。これにより、訪問場所である店舗に設置してある付与装置10、又は店舗に設置してある特定の種類の付与装置10によって特典を取得できるため、ユーザに店舗を訪問する動機を与えることができる。そのため、店舗を訪問するようにユーザを誘導して、店舗の利用を促進できる。
【0108】
前記複数のユーザは、第1ユーザ群と第2ユーザ群とを含んでおり、前記第1ユーザ群に設定されている遅延情報は、前記第2ユーザ群とは異なる。これにより、対象ユーザの属性等に応じてユーザ群を形成して、ユーザ群ごとに異なる遅延期間を設けて、宣伝活動を多様化させることができる。さらに、ユーザが特典を取得するために店舗を訪問する時期をずらして、店舗の混雑を抑制できる。
【0109】
前記検知手段31は、前記検知結果として、物理的な記憶媒体から識別情報を読み取り、前記特定手段25は、前記識別情報に基づいて、前記対象ユーザを特定する。また、前記特典付与手段24は、特典識別情報を取得するとともに、前記特典識別情報に基づいて、取得を許容する前記特典の内容を特定する。これにより、ユーザは、記憶媒体を検知手段に31にかざすなどの簡単な動作によって、特典の付与を受ける権利を取得できる。また、イベントの開催時に、ユーザが識別情報を読み取らせる回数を制限することによって、対象ユーザが特典を複数回取得することを防止できる。さらに、特典付与手段24は、検知結果に基づいて、又は検知結果によって特定されるユーザ識別情報に基づいて、特典の内容を特定できる。
【符号の説明】
【0110】
10 :カードベンダ(付与装置)
22 :サーバ制御部(コンピュータ)
23 :サーバメモリ(記憶手段)
24 :特典付与部(特典付与手段)
25 :特定部(特定手段)
31 :カードリーダ(検知手段)
100 :特典付与システム
PG2 :サーバプログラム(コンピュータプログラム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7