(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】無線電力送信装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/40 20160101AFI20220106BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20220106BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220106BHJP
H02J 50/70 20160101ALI20220106BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/10
H02J7/00 301A
H02J50/70
H02J7/00 301D
H01F38/14
(21)【出願番号】P 2020515201
(86)(22)【出願日】2018-09-12
(86)【国際出願番号】 KR2018010682
(87)【国際公開番号】W WO2019054747
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】10-2017-0117739
(32)【優先日】2017-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504394744
【氏名又は名称】アモセンス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AMOSENSE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Cheonan the fourth Local Industrial Complex) 19-1 Block, 90, 4sandan 5-gil, jiksan-eup, Seobuk-gu Cheonan-si, Chungcheongnam-do 31040, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】スン・ジェ・ファン
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-155307(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1733579(KR,B1)
【文献】登録実用新案第3190075(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-1690500(KR,B1)
【文献】特開2010-245323(JP,A)
【文献】特開2012-235079(JP,A)
【文献】特開2003-037861(JP,A)
【文献】特表2012-517206(JP,A)
【文献】特開2017-092809(JP,A)
【文献】特表2018-530288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0072337(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0038278(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0132376(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/40
H02J 50/10
H02J 7/00
H02J 50/70
H01F 38/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁場遮蔽シートの一面に配置される少なくとも一つの無線電力送信用アンテナ;
前記無線電力送信用アンテナを収容するための少なくとも一つの収容溝が形成された支持プレート;および
前記支持プレートの側部に沿って配置される無線通信用アンテナ;を含
み、
前記支持プレートは前記無線通信用アンテナの両端部側が通過できるように貫通形成される二つの通過孔を含み、
前記二つの通過孔のうちいずれか一つは相対的に前記支持プレートの内側に位置するように形成される、無線電力送信装置。
【請求項2】
前記支持プレートは前記無線通信用アンテナを収容できるように側部に内側に引き込み形成される配置溝を含み、
前記無線通信用アンテナは前記配置溝に沿って所定のターン数で巻かれた導電性部材である、請求項
1に記載の無線電力送信装置。
【請求項3】
前記配置溝の幅は前記導電性部材の線径と同一の大きさである、請求項
2に記載の無線電力送信装置。
【請求項4】
前記無線電力送信装置は、前記磁場遮蔽シートの一面に配置される板状の放熱プレート;をさらに含む、請求項
1に記載の無線電力送信装置。
【請求項5】
前記放熱プレートは板状の銅プレート、アルミニウムプレートおよびグラファイトシートのうちいずれか一つである、請求項
4に記載の無線電力送信装置。
【請求項6】
前記無線電力送信装置は、
前記無線電力送信用アンテナおよび無線通信用アンテナと電気的に連結される回路基板を含み、
前記放熱プレートは一側に所定の面積で引き込み形成される切開部を含み、前記回路基板は前記切開部に配置される、請求項
4に記載の無線電力送信装置。
【請求項7】
前記無線電力送信装置は、前記回路基板の一面には実装される少なくとも一つの温度センサを含み、前記磁場遮蔽シートは前記温度センサと対応する領域に貫通形成される貫通孔を含む、請求項
6に記載の無線電力送信装置。
【請求項8】
前記支持プレートは互いに反対面である第1面と第2面にそれぞれ形成された複数個の収容溝を含み、
前記無線電力送信用アンテナは複数個の平板型コイルで構成され、
前記複数個の平板型コイルのうちいずれか一つは前記第1面に形成される第1収容溝に配置され、残りの平板型コイルは前記第2面に形成される第2収容溝に配置される、請求項
1に記載の無線電力送信装置。
【請求項9】
前記支持プレートは放熱性を有するプラスチック材質からなる、請求項
8に記載の無線電力送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線電力伝送技術に関し、より具体的にはデータ通信と無線充電が両方とも可能な無線電力送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近電子機器は無線充電とともに近距離無線通信(NFC)を通じてのデータの伝送のような多様な機能を含んでいる。NFCは電子タグであるRFIDの一つであり、13.56MHz周波数帯域を使う非接触式近距離無線通信技術であって、10cm以内の近い距離で端末間にデータを伝送することができる。
【0003】
このような近距離無線通信技術が車両に適用される場合、車両の多様な情報が携帯用電子機器側に伝送され得る。これを通じて、ユーザーは携帯用電子機器を介して車両の情報を簡便に確認することができる。
【0004】
これに伴い、車両に適用される車両用無線電力送信装置は携帯用電子機器のバッテリーを充電する本来の無線充電機能と共に、近距離無線通信機能が円滑に作動できるように具現される必要がある。
【0005】
その一環として、近距離無線通信のためのNFCアンテナがパターン形成された回路基板を無線電力伝送のための送信コイルの上部側に配置する方法が提示された。
【0006】
このような方式の車両用無線電力送信装置は、無線充電機能と近距離無線通信機能を両方とも遂行できる。しかし、送信コイルの上部にNFCアンテナが形成された回路基板が別途に積層されるため、回路基板の厚さだけ全体の厚さが増加せざるを得なくなる。これに伴い、携帯用電子機器のバッテリーを充電する場合、回路基板の厚さによって送信コイルと電子機器に内蔵された受信コイルの隔離距離が増加せざるを得ない限界がある。このため、前記送信コイルは充電効率が低下する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記のような問題点を勘案して案出されたものであって、無線充電効率が低下することを防止しながらもデータ通信機能と無線充電機能が両方とも円滑に作動できる無線電力送信装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような目的を達成するために、本発明は、磁場遮蔽シートの一面に配置される少なくとも一つの無線電力送信用アンテナ;回路基板が内蔵され、熱源から発生した熱を放出するための放熱ハウジング;前記無線電力送信用アンテナをカバーするように前記放熱ハウジングに結合されるカバー;および前記カバーに一体に形成される無線通信用アンテナ;を含む無線電力送信装置を提供する。
【0009】
また、前記無線通信用アンテナは前記カバーの内面に埋め立てられ得る。
【0010】
また、前記無線通信用アンテナは前記無線電力送信用アンテナと重ならないように配置され得る。
【0011】
また、前記無線通信用アンテナは前記カバーの一面に形成されるLDSアンテナであり得る。
【0012】
また、前記カバーは放熱性を有する放熱プラスチック材質からなり得る。
【0013】
また、前記無線電力送信装置は、前記磁場遮蔽シートの一面に配置される板状の放熱プレート;をさらに含むことができる。一例として、前記放熱プレートは板状の銅プレート、アルミニウムプレートおよびグラファイトシートのうちいずれか一つであり得る。
【0014】
また、前記無線電力送信装置は、少なくとも一つの収容溝が互いに反対面である第1面と第2面にそれぞれ形成される支持プレート;をさらに含むことができ、前記無線電力送信用アンテナは複数個の平板型コイルで構成され得る。このような場合、前記複数個の平板型コイルのうちいずれか一つは前記第1面に形成される第1収容溝に配置され得、残りの平板型コイルは前記第2面に形成される第2収容溝に配置され得る。
【0015】
また、前記支持プレートは放熱性を有するプラスチック材質からなり得る。
【0016】
一方、本発明は磁場遮蔽シートの一面に配置される少なくとも一つの無線電力送信用アンテナ;前記無線電力送信用アンテナを収容するための少なくとも一つの収容溝が形成された支持プレート;および前記支持プレートの側部に沿って配置される無線通信用アンテナ;を含む無線電力送信装置を提供する。
【0017】
また、前記支持プレートは前記無線通信用アンテナを収容できるように側部に内側に引き込み形成される配置溝を含むことができ、前記無線通信用アンテナは前記配置溝に沿って所定のターン数で巻かれた導電性部材であり得る。
【0018】
また、前記配置溝の幅は前記導電性部材の線径と同一の大きさであり得る。
【0019】
また、前記支持プレートは前記無線通信用アンテナの両端部側が通過できるように貫通形成される二つの通過孔を含むことができる。
【0020】
また、前記二つの通過孔のうちいずれか一つは、相対的に前記支持プレートの内側に位置するように形成され得る。この時、前記二つの通過孔は前記配置溝と連通する位置に形成され得る。
【0021】
また、前記無線電力送信装置は、前記磁場遮蔽シートの一面に配置される板状の放熱プレート;をさらに含むことができ、前記放熱プレートは一側に所定の面積で引き込まれる切開部が形成され得、前記切開部に前記無線電力送信用アンテナおよび無線通信用アンテナと電気的に連結される回路基板が配置され得る。
【0022】
また、前記無線電力送信装置は回路基板の一面に実装される少なくとも一つの温度センサを含むことができ、前記磁場遮蔽シートは前記温度センサと対応する領域に貫通形成される貫通孔を含むことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、無線通信用アンテナの配置位置を最適化することによって、無線充電効率が低下することを防止しながらもデータ通信および無線充電が両方とも円滑に遂行され得る。
【0024】
また、本発明は支持プレートを通じて複数個の平板型コイルを認証規格に合うように簡便に配置できるため、組立生産性を高めることができ、放熱プレートを通じて放熱性能の改善はもちろん、他の部品との組立性および締結性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例に係る無線電力送信装置を示した図面。
【
図3】
図1で無線通信用アンテナがカバーに埋め立てられた状態を示した図面。
【
図4】
図1に適用され得る支持プレートを示した図面。
【
図6】本発明の他の実施例に係る無線電力送信装置を示した図面。
【
図7】
図6でカバーが除去された状態を示した図面。
【
図9】
図6に適用された支持プレートの一部を切開した図面。
【
図11】
図6に適用された支持プレートで通過孔の形成位置を説明するための部分切開図。
【
図13】本発明に係る無線電力送信装置で支持プレートの収容溝に挿入される無線電力送信用アンテナの配置関係を説明するための概念図。
【
図14】
図13で無線電力送信用アンテナと収容溝の重畳部分を説明するための概念図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略したし、明細書の全体を通じて同一または類似する構成要素については同じ参照符号を付した。
【0027】
本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100、200は車両内に備えられるか設置され得る。このような無線電力送信装置100、200は、スマートフォンのような電子機器が上部側に配置される場合、無線電力送信用アンテナ111、112、113を通じて無線電力を送出することができる。これを通じて、前記電子機器は内蔵された無線電力受信モジュールを通じて無線電力を受信することによって、バッテリーを充電することができる。本発明で、前記電子機器は携帯電話、PDA、PMP、タブレット、マルチメディア機器などのような携帯用電子機器であり得る。
【0028】
この時、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100、200は、
図1および
図8に図示された通り、前記電子機器の近接時に前記電子機器とデータを送信したり受信するための無線通信用アンテナ114を含むことができる。
【0029】
これに伴い、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100、200は、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113を利用した無線電力伝送と共に前記無線通信用アンテナ114を利用したデータの送受信を遂行できる。
【0030】
一例として、前記電子機器が前記無線電力送信用アンテナ111、112、113と対応する位置に配置される場合、前記無線電力送信装置100、200は無線電力送信用アンテナ111、112、113を利用した無線充電と無線通信用アンテナ114を利用したデータ通信を個別的にまたは共に遂行できる。
【0031】
本発明で、前記無線通信用アンテナ114は無線通信を通じて車両の多様な情報を電子機器側に送出したり、前記電子機器に入力された制御信号を受信することができる。これを通じて、前記車両の多様な情報が電子機器を介して表示され得、電子機器から受信した制御信号を通じて車両は、始動のオン/オフ、ドアのロック/解除などのような機能が作動できる。
【0032】
この時、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100、200は、無線充電時前記無線電力送信用アンテナ111、112、113と前記電子機器に内蔵された無線電力受信用アンテナの間の隔離距離が増加することを防止することによって、隔離距離の増加による無線充電効率の低下を防止することができる。
【0033】
このために、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100は、
図1~
図5に図示された通り、無線電力送信用アンテナ111、112、113、ハウジング150、カバー160および無線通信用アンテナ114を含むことができ、前記無線通信用アンテナ114は前記カバー160に一体に形成され得る。
【0034】
前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は、電磁気誘導現象に基づいた誘導結合方式または磁気共振方式を通じて無線電力を無線電力受信モジュール側に送出することができる。
【0035】
一例として、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は100~350kHzの周波数帯域で磁気誘導方式で作動するQi規格またはPMA規格のアンテナでもよく、6.78MHzで磁気共振方式で作動するA4WP規格のアンテナでもよく、Qi規格、PMA規格およびA4WP規格のうち少なくとも二つ以上が互いに組み合わせられた形態でもよい。
【0036】
このような無線電力送信用アンテナ111、112、113は、一定の長さを有する導電性部材が時計回り方向または反時計回り方向に複数回巻線された円形、楕円形および四角形状のうちいずれか一つの形状を有する平板型コイルであり得る。
【0037】
この時、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は複数個で備えられ得、少なくとも一部が互いに重なるように積層され得る。具体的には、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は
図1および
図13に図示された通り、3個の平板型コイルで構成され得、三個の平板型コイルのうちいずれか一つの平板型コイル111が残りの二つの平板型コイル112、113の一面に積層されるものの、残りの二つの平板型コイル112、113の一部と互いに重なるように配置され得る。
【0038】
以下では説明の便宜上、同一面上に配置される二つの平板型コイルを第2コイル112および第3コイル113と命名し、前記第2コイル112および第3コイル113の一面に積層される平板型コイルを第1コイル111と命名することにする。
【0039】
しかし、本発明で平板型コイルの配置関係はこれに限定されず、第1コイル111、第2コイル112および第3コイル113の上下の配置関係および平板型コイルの全体の個数は多様に変更され得る。
【0040】
この時、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100は、前記無線電力伝送用アンテナ111、112、113が複数個の平板型コイルで構成され、少なくとも一つが他の平板型コイルに対して積層される場合、前記平板型コイル111、112、113の位置を固定するための支持プレート130をさらに含むことができる。
【0041】
すなわち、前記支持プレート130は前記複数個の平板型コイル111、112、113が一部が互いに重なるように配置される場合、コイル間に重なる部分が目的とする位置および面積で重畳されるようにガイドすることができる。
【0042】
このために、前記支持プレート130は
図4の(a)および(b)に図示された通り、互いに反対面である第1面130aと第2面130bを有する板状の部材であり得、前記支持プレート130は前記平板型コイルを収容するための複数個の収容溝131、132を含むことができる。
【0043】
一例として、前記収容溝131、132は前記複数個のコイルと対応する個数で形成され得、上部に配置される第1コイル111を収容するための第1収容溝131と同一面上に配置される第2コイル112および第3コイル113をそれぞれ収容するための二つの第2収容溝132を含むことができる。
【0044】
この時、前記第1収容溝131および第2収容溝132は互いに反対面である前記第1面130aおよび第2面130bにそれぞれ形成され得る。すなわち、前記第1収容溝131は支持プレート130の第1面130aに形成され得、前記第2収容溝132は支持プレート130の第2面130bに形成され得る。併せて、前記第1収容溝131および第2収容溝132は少なくとも一部の面積が互いに重なる重畳部分S1、S2を有するように前記第1面130aと第2面130bにそれぞれ形成され得る。
【0045】
これに伴い、
図14の(a)および(b)に図示された通り、作業者が前記第1収容溝131に第1コイル111を挿入し、前記第2収容溝132に第2コイル112および第3コイル113をそれぞれ挿入すると、前記重畳部分S1、S2のうち一部の面積S11、S12と対応する位置で前記第1コイル111は前記第2コイル112および第3コイル113とそれぞれ重なり得る。
【0046】
この時、前記重畳部分S1、S2のうち一部の面積は前記支持プレート130を貫通するように形成され得る。これによって、前記第1収容溝121に挿入された第1コイル111の一部は前記第2収容溝132に挿入された第2コイル112および第3コイル113の一部と互いに直接接触することができる。
【0047】
これによって、前記第1収容溝131および第2収容溝132を形成する過程で互いに重なる重畳面積を、要求される規定に合うように位置と面積を形成すれば特に整列作業を遂行する必要なく簡便にコイル間の整列を完了することができる。
【0048】
また、前記第1収容溝131および第2収容溝132は中央部にそれぞれの収容溝131、132から一定の高さ突出形成される隆起部133、134を含むことができ、前記隆起部133、134はコイル111、112、113の中央部の空き空間と対応する位置に形成され得る。
【0049】
一例として、前記隆起部は
図4の(a)および(b)に図示された通り、前記第1収容溝131の中央部に第1収容溝121の底面から一定の高さ突出する第1隆起部133と、前記第2収容溝132の中央部に第2収容溝132の底面から一定の高さ突出する第2隆起部134を含むことができる。
【0050】
このような隆起部133、134はコイルが挿入される場合、挿入されたコイル111、112、113の中央部の空き空間に位置することができ、前記コイル111、112、113の内側と接触することができる。これを通じて、それぞれの収容溝131、132に挿入されたコイルは内側が隆起部133、134を通じてそれぞれ支持され得、外側が収容溝131、132の内壁を通じて支持され得る。
【0051】
これによって、無線電力送信装置100の揺れ、一例として車両の走行中に揺れが発生しても、前記第1コイル111、第2コイル112および第3コイル113の位置はそれぞれの収容溝131、132を通じて固定され得る。これを通じて、前記第1コイル111、第2コイル112および第3コイル113は車両の揺れが発生しても流動が防止され得る。
【0052】
この時、前記隆起部133、134はコイルの中央部の空き空間と対応する面積を有することができる。これに伴い、前記隆起部133、134のうち一部は、第1収容溝131および第2収容溝132が互いに重なる重畳部分S1、S2に配置され得、残り部分は第1収容溝131および第2収容溝132が互いに重ならない領域に配置され得る。
【0053】
これによって、前記第1収容溝131に形成された第1隆起部133のうち前記重畳部分S1、S2に配置される一部は、前記第2収容溝132に挿入されたコイル112、113の一部を支持することができる。また、前記第2収容溝132に形成された第2隆起部134のうち前記重畳部分S1、S2に配置される一部は、前記第1収容溝131に挿入されたコイル111の一部を支持することができる。
【0054】
ここで、前記第1収容溝131および第2収容溝132は前記コイル111、112、113の厚さと同じ深さを有するように形成され得、前記支持プレート130の厚さは互いに積層された二つのコイル111、112,111、113の厚さを足した厚さと同じ厚さを有することができる。一例として、前記支持プレート130の最大厚さは前記第1コイル111の厚さと第2コイル112の厚さを足した厚さと同じ厚さであり得る。
【0055】
これに伴い、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100は、コイルの位置を整列するための支持プレート130を含んでも全体の厚さが増加しないことができ、前記支持プレート130を通じて複数個のコイル111、112、113の位置を簡便に整列することができる。
【0056】
併せて、前記収容溝131、132に収容されたコイル111、112、113は一面が前記支持プレート130の一面と水平面を形成することによって、磁場遮蔽シート120との接触面積を広げることができる。これに伴い、前記磁場遮蔽シート120が柔軟性を有するか脆性が強い材質であっても、前記磁場遮蔽シート120は前記支持プレート130を通じて縁側が支持され得る。これによって、前記磁場遮蔽シート120は前記支持プレート130を通じて外部衝撃による破損が防止され得、前記支持プレート130の一面に水平な状態で配置され得る。
【0057】
一方、前記支持プレート130は前記コイルを容易に整列した状態で配置し、コイルの位置を固定する役割だけでなく、前記コイルで発生する熱を迅速に分散させて熱的問題を解消できるように放熱機能を含むことができる。
【0058】
このような場合、前記収容溝131、132に挿入されたコイルは重畳部分A1、A2を除いた残り部分がすべて支持プレート130側に直接接するため、前記支持プレート130とコイル間の接触面積を最大に確保することができる。これを通じて、前記コイルで発生する熱は前記支持プレート130を通じて迅速に分散され得る。
【0059】
このために、前記支持プレート130は外部面に放熱性を有するコーティング層(図示されず)が形成されてもよく、前記支持プレート130自体が放熱性を有するプラスチック材質で形成されてもよい。併せて、前記支持プレート130は自らが放熱性を有するプラスチック材質からなって外部面に放熱性を有するコーティング層が形成されてもよい。
【0060】
非制限的な例として、前記コーティング層はカーボン系フィラーのような熱伝導性フィラーを含むことができ、グラフェンや炭素ナノチューブ、ボロンナイトライドなどが使われ得る。併せて、前記放熱性を有するプラスチックとしては板状の黒鉛が含まれた複合プラスチックなどが使われ得る。しかし、放熱のためのコーティング層および/または放熱プラスチックの材質はこれに限定されず、放熱のために使われる公知のコーティング材および放熱プラスチックをすべて使用できることを明らかにしておく。
【0061】
前記磁場遮蔽シート120は所定の面積を有する板状の部材からなり得る。このような磁場遮蔽シート120の一面には前記無線電力送信用アンテナ111、112、113が配置され得る。
【0062】
この時、前記磁場遮蔽シート120は無線信号によって発生する磁場を遮蔽すると共に所要の方向に磁場の収束度を高めることができる。
【0063】
このために、前記磁場遮蔽シート120は磁性を有する材質からなり得る。一例として、前記磁場遮蔽シート120は非晶質リボンシート、フェライトシートまたはポリマーシートなどが使われ得る。
【0064】
ここで、前記非晶質リボンシートは非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含むリボンシートであり得、前記非晶質合金はFe系またはCo系磁性合金が使われ得、前記フェライトシートはMn-ZnフェライトまたはNi-Znフェライトのような焼結フェライトシートであり得る。
【0065】
併せて、前記磁場遮蔽シート120は全体的な抵抗を高めて渦電流の発生を抑制したり柔軟性を高めることができるように、フレーク処理されて複数個の微細欠片に分離形成され得、前記複数個の微細欠片は非定型となり得る。
【0066】
また、前記磁場遮蔽シート120は複数個の磁性シートが接着層を媒介として多層に積層された多層シートであり得、前記複数個の磁性シートはフレーク処理されて複数個の微細欠片に分離されたシートであり得、互いに隣り合う微細欠片は全体的に絶縁されるか部分的に絶縁されてもよい。
【0067】
このような磁場遮蔽シート120は公知の構成であるため詳細な説明は省略し、遮蔽シートで使われる公知の材料をすべて使用できることを明らかにしておく。
【0068】
併せて、前記磁場遮蔽シート120は前記無線通信用アンテナ114の性能を高め得るように、前記無線通信用アンテナ114と対応する領域を含む適切な大きさを有することができる。これに伴い、前記無線電力送信装置100は一つの磁場遮蔽シート120を通じて無線電力送信用アンテナ111、112、113とともに無線通信用アンテナ114の性能を共に高めることができる。
【0069】
一方、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100はハウジング150と、前記ハウジング150に着脱可能に結合されるカバー160を含むことができる。
【0070】
具体的には、前記ハウジング150は上部が開放された収容空間を有する箱体状に備えられ得、少なくとも一つの駆動用回路基板170、171は前記収容空間に収容され得る。
【0071】
この時、前記少なくとも一つの駆動用回路基板170、171は前記無線電力送信用アンテナ111、112、113および無線通信用アンテナ114と電気的に連結され得、前記無線電力送信装置100の全般的な駆動を制御することができる。
【0072】
このために、前記駆動用回路基板170は無線電力送信装置の全般的な駆動を制御するための各種回路素子が実装され得、無線通信用アンテナ114および無線電力送信用アンテナ111、112、113を駆動するための駆動チップが実装され得る。併せて、前記回路素子は複数個で備えられてもよく、一つに統合された形態でもよい。
【0073】
このようなハウジング150は通常のプラスチック材質からなってもよいが、駆動時に熱源から発生する熱を外部に放出できるように放熱性を有することができる。
【0074】
一例として、前記ハウジング150は銅またはアルミニウムのような金属材質からなってもよく、放熱プラスチック材質からなってもよく、金属プレートと放熱プラスチックが一体化された形態でもよい。併せて、前記ハウジング150はさらに優秀な放熱性を実現できるように、表面に放熱コーティング層(図示されず)が形成されてもよい。
【0075】
これを通じて、熱源から発生する熱は前記ハウジング150を通じて放出され得る。これに伴い、充電対象である電子機器が置かれるカバー160は低い表面温度を有することができる。
【0076】
すなわち、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100は、熱源から発生した熱を通じてカバー160が加熱されても、前記ハウジング150を通じて熱源から発生した熱が外部に迅速に放出され得ることによって、前記カバー160の表面温度が高くなることを防止することができる。これに伴い、前記無線電力送信装置100の作動時、前記カバー160にユーザーの身体が接触してもユーザーは高温から誘発される不快感を感じないことができる。
【0077】
非制限的な例として、前記放熱コーティング層は公知の放熱性を有するコーティング層をすべて適用できるが、コーティング層の形成成分、カーボン系フィラーおよび放熱性と付着性の向上のための物性増進成分を含むことができる。また、前記放熱プラスチックはグラファイト複合体および高分子樹脂を含む放熱部材形成組成物で形成され得、インサート射出成形後硬化を通じて前記ハウジング150の形態で具現され得る。
【0078】
ここで、前記グラファイト複合体は板状のグラファイトの表面にナノ金属粒子が結合された複合体であり得、前記放熱部材形成組成物は前記グラファイト複合体が高分子樹脂に分散した形態であり得る。併せて、具体的に説明してはいないが、前記カバー160も前述したハウジング150と同じ材質が採用され得、前記カバー160が放熱性を有する場合、カバー160の表面温度をさらに効果的に下げることができる。
【0079】
前記無線通信用アンテナ114は前記電子機器の近接時に、前記電子機器とのデータ通信を通じて多様な情報を送受信することができる。このような前記無線通信用アンテナ114は13.56MHzの周波数を利用したNFCアンテナであり得る。
【0080】
この時、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100は
図1~
図3に図示された通り、前記無線通信用アンテナ114が前記カバー160に一体に形成され得る。
【0081】
これに伴い、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100は、電子機器が前記カバー160の一面に配置される場合、前記電子機器の位置を変更せずとも同じ位置でデータ通信と無線電力伝送をともに遂行することができる。
【0082】
すなわち、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100は、前記無線通信用アンテナ114が前記カバー160に一体に形成されることによって、前記電子機器がカバー160の一面に置かれても、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113と前記電子機器に内蔵された無線電力受信用アンテナ間の距離が長くならない。これによって、無線電力送信用アンテナと無線電力受信用アンテナ間の距離が増加して無線充電効率が低下することを防止することができる。
【0083】
換言すると、無線通信用アンテナが回路基板の一面にパターン形成されて、前記回路基板が無線電力送信用アンテナ111、112、113とカバー160間に配置される場合と比較する時、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100は前記無線通信用アンテナ114がカバー160に一体に形成されるので、無線通信用アンテナを構成するための回路基板の使用を省略することができる。
【0084】
これに伴い、前記無線電力送信装置100は全体の厚さを増加させることなく、データ通信機能と無線電力伝送機能をともに実現することができ、省略された回路基板の厚さだけ前記無線電力送信用アンテナ111、112、113とカバー160間の距離が相対的に近くなり得る。これを通じて、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113を利用した無線充電時に、距離の増加による充電効率の低下を防止することができる。
【0085】
このために、前記無線通信用アンテナ114は
図3に図示された通り、前記カバー160の一面に形成され得、外部への露出が防止され得るように前記カバー160の内面に形成され得る。
【0086】
具体的な一例として、前記無線通信用アンテナ114は前記カバー160の内面に埋め立てられ得、LDS工程を利用したLDSアンテナであり得る。しかし、前記無線通信用アンテナ114の形成方式はこれに限定されず、前記無線通信用アンテナ114は所定のパターンを有する銅箔や金属箔を前記カバー160の内面に付着する方式で形成されてもよく、銅箔や金属箔を前記カバー160の内面に付着した後エッチングを通じて形成してもよく、前記カバー160の内面に導電性インクを所定のパターンで印刷する方式で形成されてもよい。
【0087】
このような無線通信用アンテナ114は駆動チップが実装された駆動用回路基板170と電気的に連結され得、前記駆動チップを通じて駆動が制御され得る。
【0088】
この時、前記無線通信用アンテナ114は、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113と重ならないように、前記カバー160の内面に配置され得る。一例として、前記無線通信用アンテナ114は、前記カバー160の内面で前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の直上部を除いた残りの領域に位置するように形成され得る。
【0089】
これを通じて、前記無線電力送信装置100は前記無線通信用アンテナ114が無線電力送信用アンテナ111、112、113と重なる位置に形成される場合に発生し得る特性の低下を未然に防止することができる。しかし、前記無線通信用アンテナ114の形成位置はこれに限定されず、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の直上部領域に一部又は全部が位置するように形成されてもよい。
【0090】
一方、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100は放熱性能をより一層高めることができるように、放熱プレート140をさらに含むことができる。
【0091】
すなわち、前記放熱プレート140は前記磁場遮蔽シート120の一面に接するように配置され得、熱源から伝達された熱を分散させたり外部に放出させる役割を遂行することができる。
【0092】
このために、前記放熱プレート140は熱伝導性が優秀な材質からなり得る。一例として、前記放熱プレート140は銅や、アルミニウム、グラファイトのうちいずれか一つで形成され得、二つ以上が混合された形態で形成されてもよい。併せて、前記放熱プレート140は前述したものに限定されず、熱伝導度が200W/m・K以上である材質からなり得る。
【0093】
この時、前記放熱プレート140は熱源との接触面積を広げて、前記熱源から発生した熱を迅速に分散できるように所定の面積を有する板状の部材で備えられ得る。
【0094】
好ましくは、前記放熱プレート140は銅やアルミニウムのような板状の金属プレートであり得る。これを通じて、前記放熱プレート140は前記無線電力送信用アンテナ111、112、113のような熱源から発生する熱を分散させたり放出させる放熱機能と共に、磁場遮蔽シート120を支持する支持体としての役割を同時に遂行できる。
【0095】
すなわち、前記磁場遮蔽シート120がフェライトシートやポリマーシートのように強度が弱いかフレキシブルなシートで構成されても、前記磁場遮蔽シート120は所定の強度を有する金属材質からなる放熱プレート140を通じて支持され得る。これを通じて、ケースやハウジングなどのような他の部品との組立時に、組立性および締結性を高めることができる。
【0096】
このような放熱プレート140は、熱伝導性成分を含む接着層(図示されず)を媒介として前記磁場遮蔽シート120の一面に付着され得る。
【0097】
これに伴い、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113で発生した熱は、前記磁場遮蔽シート120を通じて放熱プレート140側に伝達された後に分散され得、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の上部側に存在する空気の温度は低くなり得る。
【0098】
一方、前記磁場遮蔽シート120および放熱プレート140は
図2に図示された通り、互いに対応する領域に貫通形成される少なくとも一つの貫通孔122、141を含むことができる。すなわち、前記磁場遮蔽シート120は貫通形成される少なくとも一つの第1貫通孔122を含むことができ、前記放熱プレート140は前記第1貫通孔122と対応する位置に貫通形成された第2貫通孔141を含むことができる。
【0099】
このような第1貫通孔122および第2貫通孔141は、前記放熱プレート140の底面に駆動用回路基板170が配置される場合、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の周囲の空気が前記駆動用回路基板170側に移動する通路役割を遂行することができる。
【0100】
ここで、前記駆動用回路基板170は前記第2貫通孔141と対応する位置に実装されたサーミスタのような温度センサ180を含むことができる。このような場合、前記第2貫通孔141は前記駆動用回路基板170から所定の高さに突出する温度センサ180の高さを収容する配置孔の役割を兼ねることができる。
【0101】
この時、前記第2貫通孔141は、前記温度センサの大きさより相対的に広い面積を有するように形成されることによって、前記温度センサが前記放熱プレート140と直接接触することを防止することができる。
【0102】
これを通じて、無線電力送信装置の作動時、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113で発生した熱と熱交換が行われた空気は、前記第1貫通孔122および第2貫通孔141を通じて前記温度センサ180側に流入し得、前記温度センサ180は流入した空気を利用して前記無線電力送信用アンテナ111、112、113で発生した熱の温度を感知することができる。
【0103】
これによって、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113で設定値以上の温度が発生する場合、全体的な動作を中止させることによって過熱による電子部品の破損などのような問題が発生することを未然に防止することができる。
【0104】
この時、前記第1貫通孔122は、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113を構成する平板型コイルの中空部と対応する領域に貫通形成され得る。すなわち、前記第1貫通孔122は前記平板型コイルのパターン部と重ならない位置に形成され得る。これを通じて、平板型コイルの周囲の空気は前記第1貫通孔122を通じて円滑に移動することができる。
【0105】
一方、本発明の他の実施例に係る無線電力送信装置200は
図6~
図12に図示された通り、無線電力送信用アンテナ111、112、113、支持プレート230および無線通信用アンテナ114を含むことができ、前記無線通信用アンテナ114は前記支持プレート230の側部に配置され得る。
【0106】
前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は電磁気誘導現象に基づいた誘導結合方式または磁気共振方式を通じて無線電力受信モジュール側に無線電力を送出することができる。このような無線電力送信用アンテナ111、112、113は磁場遮蔽シート120の一面に配置され得る。
【0107】
本実施例で、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113および磁場遮蔽シート120の役割、機能および材質などは前述した実施例と同じであるため詳細な説明は省略することにし、前述した実施例で言及した内容が全て同一に採用され得る。ただし、本実施例の場合、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は平板型コイルで構成され得、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は前記支持プレート230に形成された収容溝131、132側にそれぞれ挿入され得る。
【0108】
すなわち、前記支持プレート230は平板型コイルからなる無線電力送信用アンテナ111、112、113の位置を固定することができ、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113が複数個で備えられる場合、前記支持プレート230は前述した実施例の支持プレート130と同様に、複数個の収容溝131、132および隆起部133、134がそれぞれ形成されることによって、コイル間に重なる部分が目的とする位置および面積で重なり得る。
【0109】
これに伴い、本発明の他の実施例に係る無線電力送信装置200は、前述した実施例と同様に、コイルの位置を整列するための支持プレート230を使用しても厚さが増加せず、複数個の平板型コイルで構成された無線電力送信用アンテナ111、112、113を簡便に整列することができる。
【0110】
併せて、前記収容溝131、132に収容されたコイル111、112、113は一面が前記支持プレート230の一面と水平面を形成することによって、磁場遮蔽シート120との接触面積を広げることができる。これに伴い、前記磁場遮蔽シート120が柔軟性を有するか脆性が強い材質であっても、前記磁場遮蔽シート120は前記支持プレート230を通じて縁側が支持され得る。これによって、前記磁場遮蔽シート120は前記支持プレート230を通じて外部の衝撃による破損が防止され得、前記支持プレート230の一面に水平な状態で配置され得る。
【0111】
加えて、前記支持プレート230は前記コイルを容易に整列した状態で配置してコイルの位置を固定する役割だけでなく前記コイルで発生する熱を迅速に分散させて熱的問題を解消できるように放熱機能を含むことができる。
【0112】
加えて、前記支持プレート230は前記コイルの配置を容易に整列し位置を固定する役割とともに、前記コイルで発生する熱を迅速に分散させて熱的問題を解消できるように放熱機能を含むことができる。
【0113】
本実施例で、前記支持プレート230の放熱機能を実現するための方式は、前述した実施例で支持プレート130の放熱機能を実現する方式をそのまま採用することができ、具体的な内容は前述した内容と同じであるため省略することにする。
【0114】
前記無線通信用アンテナ114は所定の長さを有する導電性部材が一回以上巻線されたものであり得、前記電子機器の近接時に、前記電子機器とのデータ通信を通じて多様な情報を送受信することができる。このような前記無線通信用アンテナ114は13.56MHzの周波数を利用したNFCアンテナであり得る。
【0115】
この時、本発明の他の実施例に係る無線電力送信装置200は前述した通り、前記無線通信用アンテナ114が前記支持プレート230の側部に配置され得る。
【0116】
これに伴い、本発明の他の実施例に係る無線電力送信装置200は電子機器が前記カバー260の一面に配置される場合、前記電子機器の位置を変更せずとも同じ位置でデータ通信と無線電力伝送をともに遂行することができる。
【0117】
すなわち、本発明の他の実施例に係る無線電力送信装置200は、前記無線通信用アンテナ114が前記支持プレート230の側部に配置されることによって、前記電子機器がカバー160の一面に置かれても前記無線電力送信用アンテナ111、112、113と前記電子機器に内蔵された無線電力受信用アンテナ間の距離が長くならない。これによって、無線電力送信用アンテナと無線電力受信用アンテナ間の距離が増加して無線充電効率が低下することを防止することができる。
【0118】
換言すると、無線通信用アンテナが回路基板の一面にパターン形成されて、前記回路基板が無線電力送信用アンテナ111、112、113とカバー260の間に配置される場合と比較する時、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置100は前記無線通信用アンテナ114が支持プレート230の側部に配置されることによって、無線通信用アンテナを構成するための回路基板の使用を省略することができる。
【0119】
これに伴い、前記無線電力送信装置200は全体の厚さを増加させることなく、データ通信機能と無線電力伝送機能をともに実現することができ、省略された回路基板の厚さだけ前記無線電力送信用アンテナ111、112、113とカバー260間の距離が相対的に近くなり得る。これを通じて、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113を利用した無線充電時に、距離の増加による充電効率の低下を防止することができる。
【0120】
このために、前記支持プレート230は
図7および
図9に図示された通り、側部に内側に引き込み形成される配置溝136を含むことができ、前記無線通信用アンテナ114は前記配置溝136に収容され得る。
【0121】
すなわち、前記無線通信用アンテナ114を構成する導電性部材は前記支持プレート230の側部に形成された配置溝136に沿って一回以上巻線され得る。
【0122】
この時、前記配置溝136の幅は前記導電性部材の線径より相対的に大きい大きさを有してもよいが、前記導電性部材の線径と同一の大きさを有することができる。
【0123】
これに伴い、前記導電性部材が前記配置溝136に複数回巻線される場合、前記無線通信用アンテナ114を構成する導電性部材は、複数回巻線される過程で互いに重なったり互いに隣り合う導電性部材に対して傾斜するように巻かれることを未然に防止することができる。
【0124】
これを通じて、前記無線通信用アンテナ114を構成するために前記導電性部材を配置溝136に巻線する作業を円滑に遂行することができ、互いに隣り合う導電性部材が傾斜するように配置されたり重なった場合に発生し得る特性の変化や性能の低下を未然に防止することができる。
【0125】
一方、前記支持プレート230は
図9に図示された通り、少なくとも一面に形成されたガイド溝135を含むことができる。このようなガイド溝135は前記無線電力送信用アンテナ111、112、113に備えられる一対の連結端子111a、112a、113aを収容することができる。
【0126】
この時、前記ガイド溝135は前記収容溝131、132と連通し得る。これを通じて、前記ガイド溝135は前記収容溝131、132に挿入された無線電力送信用アンテナ111、112、113の連結端子を適切に配置することができ、前記収容溝131、132に挿入された連結端子は回路基板244と容易に連結され得る。
【0127】
また、前記支持プレート230は
図11に図示された通り、貫通形成される二つの通過孔137a、137bを含むことができる。このような二つの通過孔137a、137bは前記無線通信用アンテナ114を構成する導電性部材の両端部が通過することができる。これに伴い、
図7に図示された通り、前記導電性部材の両端部が前記二つの通過孔137a、137bをそれぞれ通過することによって、別途の接着剤を使わなくても前記導電性部材が前記配置溝136に巻線された状態を維持することができる。
【0128】
この時、前記二つの通過孔137a、137bは前記支持プレート230の長さ方向と平行な直線に対して互いに入れ違いに位置するように形成され得る。一例として、
図11に図示された通り、前記二つの通過孔137a、137bのうちいずれか一つ137bは相対的に前記支持プレート130、230の内側に位置するように形成され得、残りの一つ137aは相対的に前記支持プレート230の縁側に位置するように形成され得る。
【0129】
これに伴い、前記無線通信用アンテナ114を構成する導電性部材が前記配置溝136に沿って複数回巻線される場合、前記配置溝136の幅が前記導電性部材の線径と同一の大きさを有しても、前記導電性部材は両端部が円滑に前記二つの通過孔137a、137bをそれぞれ通過することができる。
【0130】
具体的には、前記無線通信用アンテナ114を構成する導電性部材は、一端部側が相対的に支持プレート230の内側に位置する通過孔137bを通過した後、配置溝136に沿って時計回り方向または反時計回り方向に巻線された後、相対的に支持プレート230の縁側に位置する通過孔137aを通過することができる。これに伴い、互いに隣り合う導電性部材の長さの中間は互いに重なることなく前記配置溝136の幅方向に沿って平行するように配列され得る。
【0131】
一方、本発明の他の実施例に係る無線電力送信装置200は放熱性能をさらに向上させるための放熱プレート240をさらに含むことができる。
【0132】
すなわち、前記放熱プレート240は前記磁場遮蔽シート120の一面と接するように配置され得、熱源から伝達された熱を分散させたり外部に放出させる役割を遂行することができる。
【0133】
このために、前記放熱プレート240は熱伝導性が優秀な材質からなり得る。一例として、前記放熱プレート240は銅や、アルミニウム、グラファイトのうちいずれか一つからなり得、二つ以上が混合された形態で形成されてもよい。併せて、前記放熱プレート240は前述したものに限定されず、熱伝導度が200W/m・K以上である材質からなり得る。
【0134】
この時、前記放熱プレート240は熱源との接触面積を広げて前記熱源から発生した熱を迅速に分散できるように、所定の面積を有する板状の部材であり得る。
【0135】
好ましくは、前記放熱プレート240は銅やアルミニウムのような板状の金属プレートであり得る。これを通じて、前記放熱プレート240は前記無線電力送信用アンテナ111、112、113のような熱源から発生する熱を分散させたり放出させる放熱機能と共に、磁場遮蔽シート120を支持する支持体としての役割を同時に遂行できる。
【0136】
すなわち、前記磁場遮蔽シート120がフェライトシートやポリマーシートのように強度が弱いかフレキシブルなシートで構成されても、前記磁場遮蔽シート120は所定の強度を有する金属材質からなる放熱プレート240を通じて支持され得る。これを通じて、ケースやハウジングなどのような他の部品と組立時に組立性および締結性を高めることができる。
【0137】
このような放熱プレート240は熱伝導性成分を含む接着層(図示されず)を媒介として前記磁場遮蔽シート120の一面に付着され得る。
【0138】
これに伴い、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113で発生した熱は前記磁場遮蔽シート120を通じて放熱プレート240側に伝達された後分散され得、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の上部側に存在する空気の温度は低くなり得る。
【0139】
この時、前記放熱プレート240は一側に所定の面積で引き込まれる切開部242が形成され得、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113および無線通信用アンテナ114と電気的に連結される回路基板244は前記切開部242に配置され得る。
【0140】
これに伴い、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の両端部に備えられた一対の連結端子111a、112a、113aは、前記支持プレート230に形成されたガイド溝135に挿入された後、前記連結端子111a、112a、113aの端部側が前記回路基板244に連結され得る。また、前記無線通信用アンテナ114を構成する導電性部材は、両端部側が前記二つの通過孔137a、137bを通過した後前記回路基板244に連結され得る。
【0141】
ここで、本実施例に係る無線電力送信装置200は
図9に図示された通り、前記回路基板244の一面にサーミスタのような温度センサ180が実装され得る。このような場合、前記磁場遮蔽シート120は前記温度センサ180と対応する領域に貫通形成された貫通孔122を含むことができる。これに伴い、前記貫通孔122は前記温度センサ180が前記回路基板244から所定の高さに突出しても前記回路基板244から突出する温度センサ180の高さを収容することができる。
【0142】
これを通じて、無線電力送信装置の作動時前記無線電力送信用アンテナ111、112、113で発生した熱と熱交換が行われた空気は、前記貫通孔222を通じて前記温度センサ180側に流入し得、前記温度センサ180は流入した空気を利用して前記無線電力送信用アンテナ111、112、113で発生した熱の温度を感知することができる。
【0143】
これによって、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113で設定値以上の温度が発生する場合、全体的な動作を中止させることによって過熱による電子部品の破損などのような問題が発生することを未然に防止することができる。
【0144】
一方、本発明の他の実施例に係る無線電力送信装置200はハウジング150と、前記ハウジング150に着脱可能に結合されるカバー260を含むことができる。
【0145】
具体的には、前記ハウジング150は上部が開放された収容空間を有する箱体状に備えられ得、少なくとも一つの駆動用回路基板170は前記収容空間に収容され得る。
【0146】
この時、前記少なくとも一つの駆動用回路基板170は、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113および無線通信用アンテナ114と電気的に連結され得、前記無線電力送信装置200の全般的な駆動を制御することができる。
【0147】
このために、前記駆動用回路基板170は無線電力送信装置の全般的な駆動を制御するための各種回路素子が実装され得、無線通信用アンテナ114および無線電力送信用アンテナ111、112、113を駆動するための駆動チップが実装され得る。併せて、前記回路素子は複数個で備えられてもよく、一つに統合された形態でもよい。
【0148】
このようなハウジング150は通常のプラスチック材質で形成されてもよいが、駆動時に熱源から発生する熱を外部に放出できるように放熱性を有することができる。
【0149】
一例として、前記ハウジング150は銅またはアルミニウムのような金属材質からなってもよく、放熱プラスチック材質からなってもよく、金属プレートと放熱プラスチックが一体化した形態でもよい。併せて、前記ハウジング150はさらに優秀な放熱性を実現できるように表面に放熱コーティング層(図示されず)が形成されてもよい。
【0150】
これを通じて、熱源から発生する熱は前記ハウジング150を通じて放出され得る。これに伴い、充電対象である電子機器が置かれるようになるカバー260は低い表面温度を有することができる。
【0151】
すなわち、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置200は、熱源から発生した熱を通じてカバー260が加熱されても、前記ハウジング150を通じて熱源から発生した熱が外部に迅速に放出され得ることによって、前記カバー260の表面温度が高くなることを防止することができる。これに伴い、前記無線電力送信装置200の作動時に前記カバー160にユーザーの身体が接触しても、ユーザーは高温から誘発される不快感を感じないことができる。
【0152】
非制限的な例として、前記放熱コーティング層は公知の放熱性を有するコーティング層をすべて適用できるが、コーティング層の形成成分、カーボン系フィラーおよび放熱性と付着性の向上のための物性増進成分を含むことができる。また、前記放熱プラスチックはグラファイト複合体および高分子樹脂を含む放熱部材形成組成物で形成され得、インサート射出成形後に硬化を通じて前記ハウジング150の形態で具現され得る。ここで、前記グラファイト複合体は板状のグラファイトの表面にナノ金属粒子が結合された複合体であり得、前記放熱部材形成組成物は前記グラファイト複合体が高分子樹脂に分散された形態であり得る。併せて、具体的に説明してはいないが、前記カバー260も前述したハウジング150と同じ材質が採用され得、前記カバー260が放熱性を有する場合、カバー260の表面温度をさらに効果的に下げることができる。
【0153】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同じ思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるであろうが、これも本発明の思想範囲内に入るものと言える。