(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
G01R31/00
(21)【出願番号】P 2021520442
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(86)【国際出願番号】 JP2020047853
【審査請求日】2021-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2020021949
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-130033(JP,A)
【文献】国際公開第2012/124112(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/067493(WO,A1)
【文献】特開2019-90744(JP,A)
【文献】特開2005-215996(JP,A)
【文献】特開2014-6603(JP,A)
【文献】特開2015-190666(JP,A)
【文献】特開2009-246799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/34
G01R 31/00
G01R 29/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、温度と振動と音と湿度と空気中の特定物質の少なくとも1つを検知するセンサーを含む検知装置を有する検知部と、通信部と、前記撮像部と前記検知部と前記通信部に電力を供給する電源部とを有する監視装置と、少なくとも監視対象領域の周囲に設けられた複数の発信部とを備える監視システムであって、
前記検知部は、前記監視対象領域の情報を取得し、
前記撮像部は、前記監視対象領域を撮影し、
前記通信部は、前記検知部で得られた第1情報と、前記撮像部で得られた第2情報と、前記複数の発信部から前記通信部に送信された第3情報に基づく監視結果情報を出力し、
前記複数の発信部は、第1発信部と第2発信部を有し、
前記第1発信部と前記第2発信部は、前記監視対象領域を挟む位置関係にあり、
前記第1発信部から前記通信部に送信される前記第3情報は、前記第1発信部が受信した前記第2発信部からの電波の信号波形に関する情報を含み、
前記監視結果情報は、前記通信部が受信した前記第1発信部からの電波の信号波形に関する情報と、前記第1発信部が受信した前記第2発信部からの電波の信号波形に関する情報に基づくものであり、
前記通信部が受信した前記第1発信部からの電波の信号波形が所定の範囲内でない場合は、前記第1発信部と前記通信部を含む領域に前記撮像部の撮像面が向くように制御することと、前記第1発信部と前記通信部を含む領域に前記監視装置を移動させることの少なくとも一方が行われ、
そして/若しくは、前記第1発信部が受信した前記第2発信部からの電波の信号波形が前記所定の範囲内でない場合は、前記第1発信部と前記第2発信部を含む領域に前記撮像面が向くように制御することと、前記第1発信部と前記第2発信部を含む領域に前記監視装置を移動させることの少なくとも一方が行われる、監視システム。
【請求項2】
前記第1発信部から前記通信部に送信される前記第3情報は、前記第1発信部が受信した前記第2発信部からの電波の電波強度と信号波形に関する情報を含み、
前記監視結果情報は、前記通信部が受信した前記第1発信部からの電波の電波強度と信号波形に関する情報と、前記第1発信部が受信した前記第2発信部からの電波の電波強度と信号波形に関する情報に基づくものである、請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
撮像部と、温度と振動と音と湿度と空気中の特定物質の少なくとも1つを検知するセンサーを含む検知装置を有する検知部と、通信部と、前記撮像部と前記検知部と前記通信部に電力を供給する電源部とを有する監視装置を備える監視システムであって、
前記検知部は、監視対象領域の情報を取得し、
前記撮像部は、前記監視対象領域を撮影し、
前記通信部は、前記検知部で得られた第1情報と、前記撮像部で得られた第2情報とに基づく監視結果情報を出力し、
少なくとも前記監視対象領域の周囲に設けられた、複数の発信部を更に備え、
前記監視結果情報は、前記第1情報と前記第2情報と前記複数の発信部から前記通信部に送信された第3情報に基づくものであり、
前記複数の発信部は、第1発信部と第2発信部を有し、
前記第1発信部から前記通信部に送信される前記第3情報は、前記第1発信部が受信した前記第2発信部からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方に関する情報を含み、
前記監視結果情報は、前記通信部が受信した前記第1発信部からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方に関する情報と、前記第1発信部が受信した前記第2発信部からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方に関する情報に基づくものであり、
前記監視装置は、前記撮像部の高さと前記撮像部と前記検知部の向きの少なくとも一方を調整する方向制御部と、前記監視装置を移動させる移動部の少なくとも一方を有し、
前記通信部が受信した前記第1発信部からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方が所定の範囲内でない場合は、前記第1発信部と前記通信部を含む領域に前記撮像部の撮像面が向くように前記方向制御部を制御することと、前記第1発信部と前記通信部を含む領域に前記監視装置を移動させることの少なくとも一方が行われ、
前記第1発信部が受信した前記第2発信部からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方が前記所定の範囲内でない場合は、前記第1発信部と前記第2発信部を含む領域に前記撮像面が向くように前記方向制御部を制御することと、前記第1発信部と前記第2発信部を含む領域に前記監視装置を移動させることの少なくとも一方が行われ、
前記方向制御部と前記移動部の少なくとも一方により、前記撮像部の高さと前記検知部と前記撮像部の向きの少なくとも一方が調整された後に、前記第1情報と前記第2情報が取得される、監視システム。
【請求項4】
電力供給装置と、
前記電力供給装置から電力供給を受ける電力被供給装置とを更に備え、
前記電力供給装置と前記電力被供給装置の少なくとも一方は、前記監視対象領域に設けられる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の監視システム。
【請求項5】
前記電力供給装置は、試験対象電源を含み、
前記電力被供給装置は、前記試験対象電源の負荷試験を行う負荷試験装置と、前記通信部からの前記監視結果情報を受信する電力被供給側通信部を含み、
前記監視結果情報を前記電力被供給側通信部が受信した後に、前記試験対象電源から、前記負荷試験装置の抵抗部への電力供給が遮断される、請求項4に記載の監視システム。
【請求項6】
前記負荷試験装置の前記抵抗部を冷却する冷却部は、前記試験対象電源からの電力供給に基づいて駆動するものであり、
前記電力供給装置は、前記通信部からの前記監視結果情報を受信する電力供給側通信部を有し、
前記試験対象電源から前記抵抗部への電力供給が遮断され、且つ前記監視結果情報を前記電力供給側通信部が受信した後に、前記電力供給装置から前記冷却部への電力供給が停止される、請求項
5に記載の監視システム。
【請求項7】
前記電力供給装置は、非常用発電機を含み、
前記電力被供給装置は、商用電源と前記非常用発電機の少なくとも一方からの電力供給を受ける負荷を含み、
前記監視結果情報に基づいて、前記電力供給装置から前記電力被供給装置への電力供給が可能な状態にされる、請求項4に記載の監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、各部の状態を検知して運転制御(オフ制御)を行う負荷試験装置などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、各部の状態を検知する検知装置を監視対象領域に設けられた装置に組み込む必要があった。
【0005】
したがって本発明の目的は、設置が容易な監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る監視システムは、撮像部と、温度と振動と音と湿度と空気中の特定物質の少なくとも1つを検知するセンサーを含む検知装置を有する検知部と、通信部と、撮像部と検知部と通信部に電力を供給する電源部とを有する監視装置を備える。検知部は、監視対象領域の情報を取得する。撮像部は、監視対象領域を撮影する。通信部は、検知部で得られた第1情報と、撮像部で得られた第2情報とに基づく監視結果情報を出力する。
【0007】
各部に電力供給を行う電源部を含む監視装置を、監視対象領域の近傍に設けることにより、容易に設置できる監視装置を使って、監視対象領域の監視を行うことが可能になる。
【0008】
好ましくは、監視システムは、少なくとも監視対象領域の周囲に設けられた、複数の発信部を更に備える。監視結果情報は、第1情報と第2情報と複数の発信部から通信部に送信された第3情報に基づくものである。
【0009】
少なくとも監視対象領域の周囲に複数の発信部を設けることにより、監視装置の検知部で得られた第1情報と撮像部で得られた第2情報と複数の発信部からの第3情報とに基づいて、監視結果情報を得ることが可能になる。
【0010】
さらに好ましくは、複数の発信部は、第1発信部と第2発信部を有する。第1発信部から通信部に送信される第3情報は、第1発信部が受信した第2発信部からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方に関する情報を含む。監視結果情報は、通信部が受信した第1発信部からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方に関する情報と、第1発信部が受信した第2発信部からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方に関する情報に基づくものである。
【0011】
監視対象領域に人などが侵入した場合、監視対象領域に設けられた装置(負荷試験装置など)に発煙などの動作不具合が発生した場合には、監視対象領域の周囲に設けられた発信部(第1発信部)と他の発信部(第2発信部)の間の通信の電波強度と信号波形に変化が生じる可能性が高い。
発信部と監視装置の通信部の間の通信の電波強度と信号波形の少なくとも一方だけでなく、発信部(第1発信部)と他の発信部(第2発信部)の間の通信の電波強度と信号波形の少なくとも一方に基づいて、監視対象領域の異常発生有無が判断される。
このため、電波強度と信号波形の少なくとも一方の変化に基づいて、監視対象領域の異常を検知することが可能になる。
【0012】
さらに好ましくは、監視装置は、撮像部の高さと撮像部と検知部の向きの少なくとも一方を調整する方向制御部と、監視装置を移動させる移動部の少なくとも一方を有する。通信部が受信した第1発信部からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方が所定の範囲内でない場合は、第1発信部と通信部を含む領域に撮像部の撮像面が向くように方向制御部を制御することと、第1発信部と通信部を含む領域に監視装置を移動させることの少なくとも一方が行われる。第1発信部が受信した第2発信部からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方が所定の範囲内でない場合は、第1発信部と第2発信部を含む領域に撮像面が向くように方向制御部を制御することと、第1発信部と第2発信部を含む領域に監視装置を移動させることの少なくとも一方が行われる。方向制御部と移動部の少なくとも一方により、撮像部の高さと検知部と撮像部の向きの少なくとも一方が調整された後に、第1情報と第2情報が取得される。
【0013】
方向制御部と移動部の少なくとも一方を動作させることにより、検知部及び撮像部の位置などが調整される。
このため、異常が発生した可能性が高い箇所の情報を正確に得ることが可能になる。
【0014】
さらに好ましくは、監視システムは、電力供給装置と、電力供給装置から電力供給を受ける電力被供給装置とを備える。電力供給装置と電力被供給装置の少なくとも一方は、監視対象領域に設けられる。
【0015】
さらに好ましくは、電力供給装置は、試験対象電源を含む。電力被供給装置は、試験対象電源の負荷試験を行う負荷試験装置と、通信部からの監視結果情報を受信する電力被供給側通信部を含む。監視結果情報を電力被供給側通信部が受信した後に、試験対象電源から、負荷試験装置の抵抗部への電力供給が遮断される。
【0016】
負荷試験装置を含む領域、或いは試験対象電源を含む領域を監視対象領域として、当該監視対象領域の近くに監視装置などが配置される。
これにより、負荷試験装置などの外部で得られる情報に基づいて、負荷試験装置などの異常を検知することが可能になる。
【0017】
さらに好ましくは、負荷試験装置の抵抗部を冷却する冷却部は、試験対象電源からの電力供給に基づいて駆動する。電力供給装置は、通信部からの監視結果情報を受信する電力供給側通信部を有する。試験対象電源から抵抗部への電力供給が遮断され、且つ監視結果情報を電力供給側通信部が受信した後に、電力供給装置から冷却部への電力供給が停止される。
【0018】
抵抗部は、電力供給が停止された後も、すぐには冷却されずに高い温度状態が維持される可能性がある。
負荷試験装置などに異常が発生した場合には、熱を発生する抵抗部への電力供給を遮断した後も、冷却部の動作が維持される。
これにより、抵抗部への電力供給遮断後、早期に抵抗部を冷却することが可能になる。
【0019】
また、好ましくは、電力供給装置は、非常用発電機を含む。電力被供給装置は、商用電源と非常用発電機の少なくとも一方からの電力供給を受ける負荷を含む。監視結果情報に基づいて、電力供給装置から電力被供給装置への電力供給が可能な状態にされる。
【0020】
商用電源からの電力供給が停止された後、短時間で非常用発電機から負荷62への電力供給が可能になる。
【0021】
本発明に係る監視システムは、撮像部と、温度と振動と音と湿度と空気中の特定物質の少なくとも1つを検知するセンサーを含む検知装置を有する検知部と、通信部と、撮像部と検知部と通信部に電力を供給する電源部とを有する監視装置と、複数の発信部とを備える。検知部は、監視対象領域の情報を取得する。撮像部は、監視対象領域を撮影する。複数の発信部は、少なくとも監視対象領域の周囲に設けられる。通信部は、検知部で得られた第1情報と、撮像部で得られた第2情報と、複数の発信部から通信部に送信された第3情報の少なくとも1つに基づく監視結果情報を出力する。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明によれば、設置が容易な監視システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態の監視システムの構成図である。
【
図2】第1実施形態の監視システムの通信部などの信号送受信を示す構成図である。
【
図3】第1実施形態の異常有無判断の手順を示すフローチャートである。
【
図4】第2実施形態の監視システムの構成図である。
【
図5】第2実施形態の異常有無判断の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、第1実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0025】
(監視システム1)
第1実施形態にかかる監視システム1は、発信部10、監視装置20、電力供給装置50、電力被供給装置60を備える(
図1参照)。
【0026】
(発信部10)
発信部10は、少なくとも監視対象領域100の周囲に複数設けられる。
例えば、電力供給装置50を含む領域が監視対象領域100に設定された場合には、複数の発信部10は、電力供給装置50の周囲に設けられる。
また、電力被供給装置60を含む領域が監視対象領域100に設定された場合には、複数の発信部10は、電力被供給装置60の周囲に設けられる。
発信部10は、電力供給装置50または電力被供給装置60に取り付けられてもよいし、電力供給装置50及び電力被供給装置60から離れた位置に設けられてもよい。
発信部10は、監視対象領域100の周囲だけでなく、監視対象領域100の内側に設けられてもよい。
また、電力供給装置50と電力被供給装置60を含まない領域が、監視対象領域100に設定されてもよい。
【0027】
発信部10は、他の発信部10に対して、第1信号を発信する(
図2の破線矢印参照)。
第1信号には、当該発信部10の識別情報が含まれる。
ここでいう当該発信部10は、特許請求の範囲に記載された第1発信部に相当し、他の発信部10は、特許請求の範囲に記載された第2発信部に相当する。
【0028】
発信部10は、監視装置20の通信部27に対して、第2信号を発信する(
図2の点線矢印参照)。
第2信号には、当該発信部10の識別情報、及び他の発信部10から発信された電波を受信した際の他の発信部10からの識別情報及び電波の電波強度に関する情報が含まれる。
すなわち、複数の発信部10のそれぞれが、所定の電波を発信し、他の発信部10からの当該所定の電波を受信し、電波強度に関する情報を監視装置20に送信する。
【0029】
発信部10と他の発信部10、発信部10と監視装置20、監視装置20と電力供給装置50、及び監視装置20と電力被供給装置60の間で行われる無線通信の無線通信手段は、RFタグの通信方式、当該無線通信手段をオン状態にしている間、外部に自身の識別情報を発信するもので、IEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))、IEEE802.11(無線LAN)などが考えられる。
【0030】
(監視装置20)
監視装置20は、検知部21、撮像部23、方向制御部25、通信部27、電源部31、移動部33、制御部35を有する(
図1参照)。
【0031】
(検知部21)
検知部21は、監視対象領域100の情報(周囲の温度情報、振動情報、音、湿度、気圧、匂い、空気中の酸素含有率、空気中の二酸化炭素含有率、空気中の特定の物質(例えば、煙、焦げた物質など)の少なくとも1つ)を検知する、すなわち第1情報を取得する環境センサーを含む。
【0032】
(撮像部23)
撮像部23は、監視対象領域100を撮影する、すなわち第2情報を取得する。
撮像部23は、可視光カメラ、及び/または、赤外線カメラを含む。
撮像部23が、可視光カメラと赤外線カメラの両方を含む場合は、昼間など監視対象領域100が明るい時間帯は可視光カメラで得られた画像が主に用いられ、夜間など監視対象領域100が暗い時間帯は赤外線カメラで得られた画像が主に用いられる。
【0033】
(方向制御部25)
方向制御部25は、検知部21の検知装置、及び撮像部23の撮像面が、監視対象領域100の所定の箇所を向くように、これらの方向、及び/または、これらの高さを調整する。
【0034】
(通信部27)
通信部27は、発信部10、電力供給側通信部50a、電力被供給側通信部60a、及び外部の装置90と通信する装置である。
【0035】
通信部27は、発信部10のそれぞれと通信し、第2信号を受信する(
図2の点線矢印参照)。
通信部27は、電力供給側通信部50aと通信し、第3信号(監視結果情報)を発信する(
図2の一点鎖線矢印参照)。
第3信号には、電力供給装置50の動作停止に関する情報が含まれる。
通信部27は、電力被供給側通信部60aと通信し、第4信号(監視結果情報)を発信する(
図2の実線矢印参照)。
第4信号には、電力被供給装置60の第1切替部65の動作制御に関する情報が含まれる。
通信部27は、外部の装置90に、監視対象領域100で異常が発生したことなどの情報(監視結果情報)を送信する(
図2の二点鎖線参照)。
【0036】
(電源部31)
電源部31は、蓄電装置と発電装置とを含み、監視装置20の各部の電力を供給する。
蓄電装置は、バッテリー、キャパシタなどで構成される。
発電装置は、太陽光発電、熱発電、振動発電、自動巻き発電などで構成される。
なお、電源部31が、発電装置を含まずに、蓄電装置が外部の電力装置からの電力供給を受ける形態であってもよい。
【0037】
(移動部33)
移動部33は、監視対象領域100の内部、及び/または監視対象領域100の近傍で、監視装置20を所望の位置に移動させるための装置である。
例えば、移動部33は、通常のものと異なる(通常の電波強度よりも弱い、若しくは通常の電波強度よりも強いなど)電波強度に関する情報を含む第2信号を発信した発信部10、及び当該電波強度の電波の発信源となる発信部10の近傍、及びこれらの発信部10の間の領域に監視装置20を移動させる。
移動部33は、例えば、歩行ロボットで用いられる歩行装置、車両で用いられる回転移動装置、ドローンで用いられる空中浮遊装置などが考えられる。
【0038】
(制御部35)
制御部35は、監視装置20の各部を制御する。
また、制御部35は、発信部10からの第2信号などに基づいて、監視対象領域100の異常有無の判断を行う。
制御部35が実行する監視対象領域100の異常有無判断の詳細は、後述する。
【0039】
(電力供給装置50)
電力供給装置50は、電力供給装置50に接続された外部の電気機器に対して電力を供給する。
電力供給装置50は、電力供給側通信部50aと、発電機などの試験対象電源51を含む。
第1実施形態では、試験対象電源51は、電力被供給装置60に接続され、電力被供給装置60に電力を供給する。
電力供給側通信部50aは、監視装置20の通信部27と通信する。
具体的には、電力供給側通信部50aは、通信部27からの第3信号を受信する。
第3信号を受信すると、電力供給側通信部50aは、試験対象電源51から電力被供給装置60など外部の電気機器への電力の供給を停止させる。
【0040】
(電力被供給装置60)
電力被供給装置60は、電力供給装置50から供給された電力に基づいて駆動する電気機器である。
電力被供給装置60は、電力被供給側通信部60aと、負荷試験装置(抵抗部61、冷却部63、第1切替部65、端子部67)を含む。
負荷試験装置は、電力供給装置50の試験対象電源51の負荷試験を行うために使用される。
【0041】
抵抗部61は、試験対象電源51から供給された電力に基づいて熱を発生させる。
冷却部63は、試験対象電源51から供給された電力に基づいて冷却風を抵抗部61に供給する。
【0042】
抵抗部61は、第1切替部65を介して、試験対象電源51と接続される。
冷却部63は、第1切替部65を介さずに、試験対象電源51と接続される。
ただし、冷却部63は、商用電源など、試験対象電源51と別の装置からの電力供給に基づいて動作する形態であってもよい。
【0043】
第1切替部65は、遮断器など、電力被供給装置60の抵抗部61への電力供給の状態を切り替えるために使用される。
具体的には、第1切替部65は、オン状態の時に、電力供給装置50から抵抗部61の電力供給を維持し、オフ状態の時に、電力供給装置50から抵抗部61への電力供給を遮断する。
電力被供給装置60は、端子部67を介して、電力供給装置50とケーブル接続される。
【0044】
電力被供給側通信部60aは、監視装置20の通信部27と通信する。
具体的には、電力被供給側通信部60aは、通信部27からの第4信号を受信する。
第4信号を受信すると、電力被供給側通信部60aは、第1切替部65をオフ状態にし、電力供給装置50から抵抗部61への電力供給を遮断させる。
【0045】
(第1実施形態の異常有無判断の動作手順)
次に、
図3のフローチャートを使って、制御部35が実行する監視対象領域100の異常有無判断の動作手順を説明する。
図3に示す移動有無判断は、第1時間t1(例えば、t1=1秒)ごとに行われる。
【0046】
ステップS11で、制御部35は、当該発信部10から発信された第2信号の電波の電波強度が所定の範囲内であるか否かを判断する。
また、制御部35は、第2信号に含まれる、他の発信部10から発信された第1信号の電波を受信した際の他の発信部10からの第1信号の電波の電波強度が所定の範囲内であるか否かを判断する。
【0047】
いずれかの電波強度が所定の範囲内でない場合には、監視対象領域100に異常が発生している可能性が高いと判断し、ステップS12に進められる。
いずれもの電波強度が所定の範囲内である場合には、監視対象領域100に異常が発生している可能性が低いと判断し、手順を終了する。
【0048】
ステップS12で、制御部35は、検知部21の検知装置、及び撮像部23の撮像面が、監視対象領域100の所定の箇所を向くように、方向制御部25を動作させる。また、制御部35は、移動部33を駆動して、監視装置20を所望の位置に移動させる。
【0049】
当該発信部10からの第2信号の電波の電波強度が所定の範囲内でない場合には、制御部35は、検知部21の検知装置、及び撮像部23の撮像面が、当該発信部10と監視装置20を含む領域に向くように、方向制御部25を動作させる。また、制御部35は、移動部33を駆動して、監視装置20を当該発信部10と監視装置20を含む領域の近くに移動させる。
【0050】
他の発信部10からの第1信号の電波の電波強度が所定の範囲内でない場合には、制御部35は、検知部21の検知装置、及び撮像部23の撮像面が、当該発信部10と他の発信部10を含む領域に向くように、方向制御部25を動作させる。また、制御部35は、移動部33を駆動して、監視装置20を当該発信部10と他の発信部10を含む領域の近くに移動させる。
【0051】
ステップS13で、制御部35は、検知部21で得られた第1情報、及び撮像部23で得られた第2情報の少なくとも1つに基づいて、監視対象領域100に異常有無の判断を行う。
すなわち、方向制御部25と移動部33の少なくとも一方により、撮像部23の高さと検知部21と撮像部23の向きの少なくとも一方が調整された後に、第1情報と第2情報が取得され、第1情報と第2情報の少なくとも1つに基づいて、監視対象領域100の異常有無の判断が行われる。
【0052】
例えば、検知部21で得られた温度情報(第1情報)から、監視対象領域100の方向制御部25によって検知装置が向けられた箇所の温度が所定の範囲内でない場合には、制御部35は、監視対象領域100に異常が発生していると判断する。
また、例えば、撮像部23で得られた画像情報(第2情報)から、監視対象領域100の方向制御部25によって撮像面が向けられた箇所の画像が通常のものと異なる(人物が画像に含まれているなど)場合には、制御部35は、監視対象領域100に異常が発生していると判断する。
【0053】
異常が発生していないと判断された場合には、手順を終了する。
異常が発生していると判断された場合には、ステップS14に進められる。
【0054】
ステップS14で、制御部35は、監視結果情報の出力として、通信部27に、電力被供給装置60の電力被供給側通信部60aへの第1切替部65の動作制御に関する第4信号の送信を行わせる。
これにより、第1切替部65がオフ状態にされて、電力供給装置50から端子部67を介した抵抗部61への電力供給が遮断される。
【0055】
すなわち、監視結果情報(第4信号)を電力被供給側通信部60aが受信した後に、電力被供給装置60の抵抗部61への電力供給が停止される。
【0056】
ただし、電力供給装置50から端子部67を介した冷却部63への電力供給は維持される。
【0057】
ステップS14の電力供給停止制御を行ってから第2時間t2(例えば、t2=5分)経過後に、ステップS15で、制御部35は、監視結果情報の出力として、通信部27に、電力供給装置50の電力供給側通信部50aへの動作停止に関する第3信号の送信を行わせる。
これにより、試験対象電源51がオフ状態にされて、電力供給装置50から電力被供給装置60への電力供給が停止され、冷却部53も停止する。
【0058】
なお、試験対象電源51とは別の装置からの電力供給に基づいて、冷却部63が動作する場合は、ステップS14の電力供給停止制御を行ってから第2時間t2経過後に、ステップS15で、制御部35は、監視結果情報の出力として、通信部27に、電力被供給側通信部60aへの、冷却部63の動作停止に関する第5信号の送信を行わせる。
【0059】
すなわち、試験対象電源51から抵抗部61への電力供給が遮断され、且つ監視結果情報(第3信号)を電力供給側通信部50aが受信した後に、冷却部63への電力供給が停止される。
【0060】
また、監視結果情報(第3信号、第4信号、第5信号)は、通信部27が受信した当該発信部10(第1発信部)からの電波の電波強度に関する情報(第3情報)と、当該発信部10(第1発信部)が受信した他の発信部10(第2発信部)からの電波の電波強度に関する情報(第3情報)と、検知部21で得られた第1情報と、撮像部23で得られた第2情報に基づくものである
【0061】
(外部の装置90への送信)
また、ステップS14の前後で、制御部35は、監視結果情報の出力として、外部の装置90に、監視対象領域100で異常が発生したこと、抵抗部61への電力供給を停止させること、及び試験対象電源51を停止させることなどの情報を送信してもよい。
【0062】
(監視装置20を設けることの効果)
各部に電力供給を行う電源部31を含む監視装置20を、監視対象領域100の近傍に設けることにより、容易に設置できる監視装置20を使って、監視対象領域100の監視を行うことが可能になる。
【0063】
(複数の発信部10を設けることの効果)
少なくとも監視対象領域100の周囲に複数の発信部10を設けることにより、監視装置20の検知部21で得られた第1情報と撮像部23で得られた第2情報と複数の発信部10からの第3情報とに基づいて、監視結果情報を得ることが可能になる。
【0064】
(発信部10と他の発信部10の間の通信を行うことの効果)
監視対象領域100に人などが侵入した場合、監視対象領域100に設けられた装置(負荷試験装置など)に発煙などの動作不具合が発生した場合には、監視対象領域100の周囲に設けられた発信部10(第1発信部)と他の発信部10(第2発信部)の間の通信の電波強度に変化が生じる可能性が高い。
第1実施形態では、発信部10と監視装置20の通信部27の間の通信の電波強度だけでなく、発信部10(第1発信部)と他の発信部10(第2発信部)の間の通信の電波強度に基づいて、監視対象領域100の異常発生有無が判断される。
このため、電波強度の変化に基づいて、監視対象領域100の異常を検知することが可能になる。
【0065】
(高さなどの調整を行うことの効果)
方向制御部25と移動部33の少なくとも一方を動作させることにより、検知部21及び撮像部23の位置などが調整される。
このため、異常が発生した可能性が高い箇所の情報を正確に得ることが可能になる。
【0066】
(試験対象電源と負荷試験装置に監視システムを応用することの効果)
負荷試験装置を含む領域、或いは試験対象電源51を含む領域を監視対象領域100として、当該監視対象領域100の近くに監視装置20などが配置される。
これにより、負荷試験装置などの外部で得られる情報に基づいて、負荷試験装置などの異常を検知することが可能になる。
【0067】
(抵抗部61への電力供給遮断の後に、試験対象電源51を停止させることの効果)
抵抗部61は、電力供給が停止された後も、すぐには冷却されずに高い温度状態が維持される可能性がある。
負荷試験装置などに異常が発生した場合には、熱を発生する抵抗部61への電力供給を遮断した後、第2時間t2が経過するまでの間は、冷却部53の動作が維持される。
これにより、抵抗部61への電力供給遮断後、早期に抵抗部61を冷却することが可能になる。
【0068】
(他の応用例)
第1実施形態では、負荷試験装置の監視のため、電力供給装置50が試験対象電源51を含み、電力被供給装置60が抵抗部61などを含む負荷試験装置である例を説明した。
しかしながら、電力供給装置50及び電力被供給装置60が他の装置を含む形態であってもよい。
例えば、電力供給装置50が非常用発電機52を含み、電力被供給装置60が負荷62と第2切替部66を含む形態が考えられる(第2実施形態、
図4参照)。
以下、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0069】
負荷62は、電灯、冷蔵庫など、飲食店などの設備で使用される電気機器で、停電時などでも継続的な駆動が必要なものである。
負荷62は、第2切替部66を介して、商用電源と非常用発電機52と接続される。
【0070】
第2切替部66は、負荷62への電力供給源を商用電源と非常用発電機52とで切替制御する。
商用電源からの電力供給が可能な場合は、第2切替部66は、負荷62と商用電源とを接続させ、商用電源からの電力供給が可能でない場合は、第2切替部66は、負荷62と非常用発電機52とを接続させる。
【0071】
発信部10及び監視装置20によって、負荷62を含む監視対象領域100で、異常が検知された場合には、制御部35は、監視結果情報の出力として、通信部27に、外部の装置90への監視対象領域100で異常が発生した旨などの情報の送信を行わせる。
また、発信部10及び監視装置20によって、負荷62を含む監視対象領域100で、停電が検知された場合、若しくは停電が予測される場合には、制御部35は、監視結果情報の出力として、通信部27に、電力供給側通信部50aへの動作開始に関する第6信号の送信を行わせる。
【0072】
(第2実施形態の異常有無判断の動作手順)
次に、
図5のフローチャートを使って、制御部35が実行する監視対象領域100の異常有無判断の動作手順を説明する。
図5に示す移動有無判断は、第1時間t1ごとに行われる。
【0073】
ステップS21で、制御部35は、当該発信部10から発信された第2信号の電波の電波強度が所定の範囲内であるか否かを判断する。
また、制御部35は、第2信号に含まれる、他の発信部10から発信された第1信号の電波を受信した際の他の発信部10からの第1信号の電波の電波強度が所定の範囲内であるか否かを判断する。
【0074】
いずれかの電波強度が所定の範囲内でない場合には、監視対象領域100に異常が発生している可能性が高いと判断し、ステップS22に進められる。
いずれもの電波強度が所定の範囲内である場合には、監視対象領域100に異常が発生している可能性が低いと判断し、手順を終了する。
【0075】
ステップS22で、制御部35は、検知部21の検知装置、及び撮像部23の撮像面が、監視対象領域100の所定の箇所を向くように、方向制御部25を動作させる。また、制御部35は、移動部33を駆動して、監視装置20を所望の位置に移動させる。
【0076】
当該発信部10からの第2信号の電波の電波強度が所定の範囲内でない場合には、制御部35は、検知部21の検知装置、及び撮像部23の撮像面が、当該発信部10と監視装置20を含む領域に向くように、方向制御部25を動作させる。また、制御部35は、移動部33を駆動して、監視装置20を当該発信部10と監視装置20を含む領域の近くに移動させる。
【0077】
他の発信部10からの第1信号の電波の電波強度が所定の範囲内でない場合には、制御部35は、検知部21の検知装置、及び撮像部23の撮像面が、当該発信部10と他の発信部10を含む領域に向くように、方向制御部25を動作させる。また、制御部35は、移動部33を駆動して、監視装置20を当該発信部10と他の発信部10を含む領域の近くに移動させる。
【0078】
ステップS23で、制御部35は、検知部21で得られた第1情報、及び撮像部23で得られた第2情報の少なくとも1つに基づいて、監視対象領域100に異常有無の判断を行う。
【0079】
例えば、検知部21で得られた温度情報(第1情報)から、監視対象領域100の方向制御部25によって検知装置が向けられた箇所の温度が所定の範囲内でない場合には、制御部35は、監視対象領域100に異常が発生していると判断する。
また、例えば、撮像部23で得られた画像情報(第2情報)から、監視対象領域100の方向制御部25によって撮像面が向けられた箇所の画像が通常のものと異なる(人物が画像に含まれているなど)場合には、制御部35は、監視対象領域100に異常が発生していると判断する。
【0080】
異常が発生していないと判断された場合には、手順を終了する。
異常が発生していると判断された場合には、ステップS24に進められる。
【0081】
ステップS24で、制御部35は、監視対象領域100の異常が、停電に関連するものであるか否かを判断する。
【0082】
電灯などが消灯し、撮像部23で得られた画像情報(第2情報)から、得られた画像の輝度が通常のものよりも低い場合には、既に停電が発生している可能性がある。
また、火災が発生し、検知部21で得られた特定物質に関する情報(第1情報)から、酸素含有率情報(第1情報)が通常のものよりも低い場合、二酸化炭素含有率が通常のものよりも高い場合、撮像部23で得られた画像情報(第2情報)から、得られた画像が通常のものと異なる(煙が画像に含まれている)場合には、今後停電が発生する可能性がある。
【0083】
既に停電が発生している可能性がある場合、または、今後停電が発生する可能性がある場合には、監視対象領域100の異常が、停電に関するものであると判断され、ステップS25に進められる。
そうでない場合は、監視対象領域100の異常が、停電に関するものでないと判断され、ステップS25を介さずに、ステップS26に進められる。
【0084】
ステップS25で、制御部35は、監視結果情報の出力として、通信部27に、電力供給側通信部50aへの動作開始に関する第6信号の送信を行わせる。
これにより、非常用発電機52がオン状態にされる。非常用発電機52が定常運転になった後は、第2切替部66を介して負荷62への電力供給が可能な状態にされる。
このため、商用電源からの電力供給が停止され、第2切替部66の切替制御が行われた後、短時間で非常用発電機52から負荷62への電力供給が可能になる。
【0085】
ステップS26で、制御部35は、監視結果情報の出力として、通信部27に、外部の装置90への監視対象領域100で異常が発生したことなどの情報の送信を行わせる。
これにより、外部の装置90の使用者に、監視対象領域100で異常が発生したことを知らせることが可能になる。
【0086】
(方向制御部25と移動部33の駆動)
なお、第1実施形態と第2実施形態では、方向制御部25の駆動と移動部33の駆動は、一方だけが行われてもよいし、両方が行われてもよい。
また、方向制御部25と移動部33を省略し、監視装置20が一箇所に固定されてもよい。
【0087】
(発信部10を省略した形態)
また、第1実施形態と第2実施形態では、発信部10からの第2信号に基づいて、方向制御部25の駆動と移動部33の駆動が開始される例を説明したが、これに限るものではない。
例えば、発信部10からの第2信号の内容に関係なく、方向制御部25と移動部33の駆動が行われ、定期的に、監視対象領域100の各部に撮像面を向けたり監視装置20を移動させたりする形態が考えられる。
この場合、発信部10からの第2信号の内容に関係なく、検知部21で得られた第1情報と撮像部23で得られた第2情報の少なくとも一方に基づいて、監視対象領域100の異常発生の有無が判断される。
また、一箇所に固定された監視装置20で、発信部10からの第2信号の内容に関係なく、検知部21で得られた第1情報と撮像部23で得られた第2情報の少なくとも一方に基づいて、監視対象領域100の異常発生の有無が判断されてもよい。
【0088】
(監視結果情報の応用例)
本実施形態では、監視結果情報(第3信号、第4信号、第5信号)は、通信部27が受信した当該発信部10(第1発信部)からの電波の電波強度に関する情報(第3情報)と、当該発信部10(第1発信部)が受信した他の発信部10(第2発信部)からの電波の電波強度に関する情報(第3情報)と、検知部21で得られた第1情報と、撮像部23で得られた第2情報に基づくものである例を説明した。
すなわち、受信した電波の電波強度が通常の(正常時の)電波強度と大きく異なるか否かに基づいて、異常が発生しているか否かが判断される。
しかしながら、監視結果情報は、電波強度に関する情報に加えて/若しくは代えて、当該電波の信号波形に基づくものであってもよい。
【0089】
この場合、受信した電波の信号波形が通常の(正常時の)信号波形と大きく異なるか否かに基づいて、異常が発生しているか否かが判断される。
すなわち、監視結果情報(第3信号、第4信号、第5信号)は、通信部27が受信した当該発信部10(第1発信部)からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方に関する情報(第3情報)と、当該発信部10(第1発信部)が受信した他の発信部10(第2発信部)からの電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方に関する情報(第3情報)と、検知部21で得られた第1情報と、撮像部23で得られた第2情報に基づくものである。
【0090】
当該発信部10からの第2信号の電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方が所定の範囲内でない場合には、制御部35は、検知部21の検知装置、及び撮像部23の撮像面が、当該発信部10と監視装置20を含む領域に向くように、方向制御部25を動作させる。また、制御部35は、移動部33を駆動して、監視装置20を当該発信部10と監視装置20を含む領域の近くに移動させる。
【0091】
他の発信部10からの第1信号の電波の電波強度と信号波形の少なくとも一方が所定の範囲内でない場合には、制御部35は、検知部21の検知装置、及び撮像部23の撮像面が、当該発信部10と他の発信部10を含む領域に向くように、方向制御部25を動作させる。また、制御部35は、移動部33を駆動して、監視装置20を当該発信部10と他の発信部10を含む領域の近くに移動させる。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0093】
1 監視システム
10 発信部
20 監視装置
21 検知部
23 撮像部
25 方向制御部
27 通信部
31 電源部
33 移動部
35 制御部
50 電力供給装置
50a 電力供給側通信部
51 試験対象電源
52 非常用発電機
60 電力被供給装置
60a 電力被供給側通信部
61 抵抗部
62 負荷
63 冷却部
65 第1切替部
66 第2切替部
67 端子部
90 外部の装置
100 監視対象領域
【要約】
設置が容易な監視システムを提供する。
監視システム1は、撮像部23と、温度と振動と音と湿度と空気中の特定物質の少なくとも1つを検知するセンサーを含む検知装置を有する検知部21と、通信部27と、撮像部23と検知部21と通信部27に電力を供給する電源部31とを有する監視装置20を備える。検知部21は、監視対象領域の情報を取得する。撮像部23は、監視対象領域を撮影する。通信部27は、検知部21で得られた第1情報と、撮像部23で得られた第2情報とに基づく監視結果情報を出力する。