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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】自動閉鎖蓋付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/24 20060101AFI20220106BHJP
   A47G 19/22 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
B65D47/24 120
A47G19/22 D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019545901
(86)(22)【出願日】2017-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 US2017060678
(87)【国際公開番号】W WO2018089525
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2019-07-08
(31)【優先権主張番号】62/419,173
(32)【優先日】2016-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/460,388
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519164161
【氏名又は名称】エーエフジェイ インダストリーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】AFJ INDUSTRIES LLC
【住所又は居所原語表記】665 MARTIN STREET RAHWAY, New Jersey 07065 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】アル スモルドン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ガット
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス スモルドン
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0170184(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0318669(US,A1)
【文献】特表2010-535139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44-35/54
B65D 39/00-55/16
A47G 19/00-19/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器部分と、
前記容器部分に対して閉位置と開位置との間で移動可能であり、スリーブ磁石を含むスリーブと、
閉構成から開構成に変わることが可能であり、蓋磁石を含んでおり、前記スリーブの前記閉位置は前記閉構成に対応していて前記容器部分の内部へのアクセス経路を封止し、前記スリーブの前記開位置は前記開構成に対応していて前記容器部分の内部への前記アクセス経路を開く蓋と、
を備え、
前記スリーブが前記閉位置にあると、付勢力により前記蓋が前記閉構成に維持され、
前記スリーブが前記開位置にあると、前記スリーブ磁石と前記蓋磁石の磁力が前記付勢力よりも大きくなり、前記蓋が前記開構成となることを特徴とする飲料容器。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料容器であって、
前記スリーブは、当該スリーブを前記閉位置に移動させるための更なる付勢力を発生させるスリーブバネを備えることを特徴とする飲料容器。
【請求項3】
請求項2に記載の飲料容器であって、
前記スリーブは、前記スリーブバネによる更なる付勢力よりも大きい外力により、開位置に移動可能であることを特徴とする飲料容器。
【請求項4】
請求項2に記載の飲料容器であって、
前記スリーブ磁石は、前記スリーブが前記開位置にある場合及び前記閉位置にある場合において、前記蓋磁石の下方に位置し続けることを特徴とする飲料容器。
【請求項5】
請求項1に記載の飲料容器であって、
前記蓋は、前記付勢力を発生させるシールバネを備えることを特徴とする飲料容器。
【請求項6】
請求項5に記載の飲料容器であって、
前記付勢力が前記蓋の蓋下部を押圧しており、当該付勢力により前記蓋下部は前記蓋の蓋上部に向けて押圧されることを特徴とする飲料容器。
【請求項7】
請求項5に記載の飲料容器であって、
解放位置から押圧位置まで手動で押し下げられるように構成されたボタンを更に備え、前記ボタンが前記押圧位置にあることで、前記蓋が前記開構成になり、前記容器部分の内部から圧力が解放されることを特徴とする飲料容器。
【請求項8】
請求項7に記載の飲料容器であって、
前記シールバネは、前記解放位置に向けて前記ボタンを付勢することを特徴とする飲料容器。
【請求項9】
請求項7に記載の飲料容器であって、
前記蓋が前記開構成にあるか前記閉構成にあるかを識別表示する視覚インジケータを更に備えることを特徴とする飲料容器。
【請求項10】
請求項9に記載の飲料容器であって、
前記ボタンは不透明であり、
前記視覚インジケータはインジケータリングであり、前記ボタンが前記解放位置にある間は前記インジケータリングが隠れており、前記ボタンが押圧されたときは前記インジケータリングが見えることを特徴とする飲料容器。
【請求項11】
請求項9に記載の飲料容器であって、
前記ボタンは透明であり、
前記視覚インジケータはインジケータ面であり、前記ボタンが前記解放位置にある間は前記インジケータ面が隠れており、前記ボタンが押圧されたときは前記インジケータ面が見えることを特徴とする飲料容器。
【請求項12】
請求項1に記載の飲料容器であって、
前記蓋は、ヒンジ式レバーを備え、
前記付勢力により、前記ヒンジ式レバーが第1角度位置に保持されることを特徴とする飲料容器。
【請求項13】
請求項12に記載の飲料容器であって、
前記蓋は、更なる付勢力を前記ヒンジ式レバーに掛けるレバーバネを備えることを特徴とする飲料容器。
【請求項14】
請求項13に記載の飲料容器であって、
前記磁力が前記付勢力に打ち勝つことで、前記ヒンジ式レバーが第2角度位置まで旋回することを特徴とする飲料容器。
【請求項15】
請求項14に記載の飲料容器であって、
前記第2角度位置にある前記ヒンジ式レバーは、前記アクセス経路の一部を開放するか、前記蓋の蓋上部を通る通気経路を開放することを特徴とする飲料容器。
【請求項16】
請求項1に記載の飲料容器であって、
前記蓋は、蓋上部磁石と蓋下部磁石を更に備え、
前記蓋上部磁石及び前記蓋下部磁石は更なる磁力を発生させ、当該更なる磁力が前記付勢力であることを特徴とする飲料容器。
【請求項17】
請求項16に記載の飲料容器であって、
前記付勢力は、前記蓋の蓋下部を押圧しており、当該付勢力により前記蓋下部は前記蓋の蓋上部に向けて押圧されることを特徴とする飲料容器。
【請求項18】
請求項1に記載の飲料容器であって、
前記スリーブを前記閉位置又は前記開位置に保持するように構成される手動式のロックを更に備えることを特徴とする飲料容器。
【請求項19】
容器部分と、
前記容器部分に対して閉位置と開位置との間で移動可能であり、スリーブ磁石を含むスリーブと、
閉構成から開構成に変わることが可能であり、蓋磁石を含む蓋と、
を備え、
前記スリーブの前記閉位置は前記蓋の前記閉構成に対応していて前記容器部分の内部へのアクセス経路を封止し、前記スリーブの開位置は前記蓋の前記開構成に対応していて前記容器部分の内部への前記アクセス経路を開き、
前記蓋は蓋上部と蓋下部を備え、
前記開構成において前記蓋下部は前記蓋上部から離れており、前記閉構成において前記蓋下部は前記蓋上部に対して保持されており、
前記スリーブが前記閉位置にあると、バネの付勢力により前記蓋が前記閉構成に維持され、
前記スリーブが前記開位置にあると、前記スリーブ磁石と前記蓋磁石の磁力が前記付勢力よりも大きくなり、前記蓋が前記開構成となることを特徴とする飲料容器。
【請求項20】
容器部分と、
前記容器部分に対して閉位置と開位置との間で移動可能であり、スリーブ磁石を含むスリーブと、
閉構成から開構成に変わることが可能であり、蓋磁石と、レバーの第1自由端に配置されるレバー磁石と、を含む蓋と、
を備え、
前記レバーの第2ヒンジ端は前記蓋に連結されており、
前記スリーブの前記閉位置は前記蓋の前記閉構成に対応していて前記容器部分の内部へのアクセス経路を封止し、前記スリーブの前記開位置は前記蓋の前記開構成に対応していて前記容器部分の内部への前記アクセス経路を開き、
前記スリーブが前記閉位置にある間は、前記レバーが前記閉構成の前記蓋に保持され、前記スリーブが前記開位置にある間は、前記レバーの前記第1自由端が旋回して前記蓋から離れ、
前記スリーブが前記閉位置にあると、付勢力により前記蓋が前記閉構成に維持され、
前記スリーブが前記開位置にあると、前記スリーブ磁石と前記蓋磁石の磁力が前記付勢力よりも大きくなり、前記蓋が前記開構成となることを特徴とする飲料容器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[優先権主張]本出願は、発明者としてのアル スモルドン、ジェームス スモルドン、及びダニエル ガットによる「自動閉鎖蓋付き容器」と題する2016年11月8日出願の米国仮特許出願第62/419,173号の優先権と、発明者としてのアル スモルドン、ジェームス スモルドン、及びダニエル ガットによる「自動閉鎖蓋付き容器」と題する2016年11月8日出願の米国仮特許出願第62/460,388号の優先権と、を主張する。
【0002】
飲料容器は、ユーザが飲料を入れることができる容器となることができる。様々な異なるタイプの利用可能な飲料容器が存在する。例えば、セラミック製のマグカップは、飲むための飲料を入れておくことができる。しかし、マグカップは比較的壊れ易く、外出中には適していない。別の例では、ステンレス鋼のマグカップに、飲むための飲料を入れることができる。このマグカップはより耐久性があるが、飲料がこぼれ易かったり、飲料容器から飲料が不注意に落下する原因となる他の行動の影響を受け易かったりする。従って、飲料容器は、より確実な方法で飲料を容器内に維持することを可能にする更なる特徴を含むことができる。例えば、飲料容器は、様々な連結機構(例えば、摩擦嵌合、ネジ構造等)の何れかを使用して固定される蓋を有することがある。
【0003】
飲料を飲むためには、蓋を飲料容器から取り外す必要がある。しかし、このタイプの蓋は手間となり、飲料を飲むことを面倒にすることがある。そのため、蓋は、飲料容器に付いていてもユーザが飲料容器から飲料を飲むことができるという特徴を有することがある。例えば、蓋は、飲料へのアクセスを提供したり抑制したりするための封止機能を含むことができる。ある例では、蓋は、注ぎ口の上に配置されるヒンジ式カバーを含むことがある。従って、蓋を開封するためにカバーが注ぎ口から取り外されると、飲料にアクセスすることができる。別の例では、蓋は、手動式トリガ又は重力付勢式トリガを含むことができる。これらのトリガを作動させることで、飲料へアクセスすることができる。密封機能を有するこれらの蓋は、こぼれ防止の効果を大きくすることができるが、これらの蓋は、特に密封構造が適切に使用されない場合、又は、密封構造による密閉が適切に機能しないように飲料容器が配置/配向されてしまった場合に、依然として意図しないこぼれが発生し易い。たとえ蓋を密封状態に保つロック機能が追加されたとしても、ユーザは、しばしばこの機能を見落とし、それを積極的に使用しないことがある。更に、これらの蓋は、飲料へのアクセスの提供と抑制をスムーズに切り替える機構が無ければ、扱いにくい場合がある。即ち、従来の蓋は、自動開放と自動開閉の両方を備えていない。
【発明の概要】
【0004】
例示的な実施形態は、容器部分と、前記容器部分に対して閉位置と開位置との間で移動可能であり、スリーブ磁石を含むスリーブと、閉構成から開構成に変わることが可能であり、蓋磁石を含んでおり、前記スリーブの前記閉位置は前記閉構成に対応していて前記容器部分の内部へのアクセス経路を封止し、前記スリーブの開位置は前記開構成に対応していて前記容器部分の内部への前記アクセス経路を開く蓋と、備え、前記スリーブが前記閉位置にあると、付勢力により前記蓋が前記閉構成に維持され、前記スリーブが前記開位置にあると、前記スリーブ磁石と前記蓋磁石の磁力が前記付勢力よりも大きくなり、前記蓋が前記開構成となる飲料容器に関する。
【0005】
例示的な実施形態は、容器部分と、前記容器部分に対して閉位置と開位置との間で移動可能であり、スリーブ磁石を含むスリーブと、閉構成から開構成に変わることが可能であり、蓋磁石とを含む蓋と、を備え、前記スリーブの前記閉位置は前記蓋の前記閉構成に対応していて前記容器部分の内部へのアクセス経路を封止し、前記スリーブの開位置は前記蓋の前記開構成に対応していて前記容器部分の内部への前記アクセス経路を開き、前記蓋は蓋上部と蓋下部を備え、前記開構成において前記蓋下部は前記蓋上部から離れており、前記閉構成において前記蓋下部は前記蓋上部に対して保持されており、前記スリーブが前記閉位置にあると、バネの付勢力により前記蓋が前記閉構成に維持され、前記スリーブが前記開位置にあると、前記スリーブ磁石と前記蓋磁石の磁力が前記付勢力よりも大きくなり、前記蓋が前記開構成となる飲料容器に関する。
【0006】
例示的な実施形態は、容器部分と、前記容器部分に対して閉位置と開位置との間で移動可能であり、スリーブ磁石を含むスリーブと、閉構成から開構成に変わることが可能であり、蓋磁石と、レバーの第1自由端に配置されるレバー磁石と、を含む蓋と、を備え、前記レバーの第2自由端は前記蓋に連結されており、前記スリーブの前記閉位置は前記閉構成に対応していて前記容器部分の内部へのアクセス経路を封止し、前記スリーブの開位置は前記開構成に対応していて前記容器部分の内部への前記アクセス経路を開き、前記スリーブが前記閉位置にある間は、前記レバーが前記閉構成の前記蓋に保持され、前記スリーブが前記開位置にある間は、前記レバーの前記第1自由端が旋回して前記蓋から離れ、前記スリーブが前記閉位置にあると、付勢力により前記蓋が前記閉構成に維持され、前記スリーブが前記開位置にあると、前記スリーブ磁石と前記蓋磁石の磁力が前記付勢力よりも大きくなり、前記蓋が前記開構成となる飲料容器に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、例示的な実施形態による例示的な第1容器の斜視図を示す。
【0008】
図2図2は、例示的な実施形態による、図1の例示的な第1容器の側面図を示す。
【0009】
図3図3は、例示的な実施形態による、図1の例示的な第1容器の上面図を示す。
【0010】
図4図4は、例示的な実施形態による、図1の例示的な第1容器の第1断面図を示す。
【0011】
図5図5は、例示的な実施形態による、図1の例示的な第1容器の第2断面図を示す。
【0012】
図6図6は、例示的な実施形態による、図1の例示的な第1容器の第3断面図を示す。
【0013】
図7図7は、例示的な実施形態による、図1の例示的な第1容器の分解図を示す。
【0014】
図8図8は、例示的な実施形態による例示的な第2容器の第1断面図を示す。
【0015】
図9図9は、例示的な実施形態による、図2の例示的な第2容器の第2断面図を示す。
【0016】
図10図10は、例示的な実施形態による例示的な第3容器の分解図を示す。
【0017】
図11図11は、例示的な実施形態による例示的な第4容器の側面図を示す。
【0018】
図12図12は、例示的な実施形態による、図11の例示的な第4容器の第1断面図を示す。
【0019】
図13図13は、例示的な実施形態による、図11の例示的な第4容器の第2断面図を示す。
【0020】
図14図14は、例示的な実施形態による、第1、第2、第3、及び第4容器とともに使用される例示的な第1インジケータを示す。
【0021】
図15図15は、例示的な実施形態による、第1、第2、第3、及び第4容器とともに使用される例示的な第2インジケータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
例示的な実施形態は、以下の説明及び関連する添付の図面を参照して更に理解することができる。また、同様の構成要素には同じ参照符号が付与される。例示的な実施形態では、飲料容器内に入れられている液体にスムーズにアクセスできる蓋を有する飲料容器を説明する。以下で詳細に説明するように、蓋は、自動的に開閉する機構を有するように構成することができる。具体的には、ユーザが飲料容器を持ち上げると、蓋は自動的に開かれる一方で、ユーザが飲料容器を面に置くと、蓋は自動的に閉じられる。例示的な実施形態の機構では、磁気を利用して蓋を開くことで、飲料容器の内部へアクセスすることができる。例示的な実施形態は、更に、飲料容器の内部の圧力を解放するための通気機能と、蓋と協働して蓋の開閉状態を示すインジケータ機能と、を備えていてもよい。
【0023】
例示的な実施形態は、飲料容器及びその中に保持されている飲料又は液体に関して説明されているものである。しかし、液体のために使用される容器は単に例示的なものであり、飲料容器は、物が容器内に入れられ、この物の少なくとも一部を取り出すことがユーザによって決定されるまで容器内に入れられ続ける任意の容器を示すものである。例えば、容器には、固体(例えば、食品)、気体、それらの組み合わせ等が入れられてもよい。
【0024】
例示的な実施形態は、ユーザが手動で開くことができ、それ以外の時間では閉じたままである飲料容器を提供する。飲料容器を持ち上げることに起因して、開放機構は、飲料容器内に入れられている液体をユーザが飲むためのアクセス経路を自動的に開くことができる。飲料容器は、ユーザによって保持されていない場合は、開放機構の付勢機能によって自動的に閉じることができる。例示的な実施形態による飲料容器は、飲料容器を開放及び/又は閉鎖するための構成要素の位置を変えるための磁気機能を含むことができる。具体的には、磁気機能は、飲料容器の蓋の構成要素を付勢力に抗して引っ張って解放位置から押圧位置に移動させることで、飲料容器が開いてアクセス経路(例えば、注ぎ口)を介して飲料にアクセスすることができる。第1の例示的な実施形態によれば、第1容器は、磁気機能とバネ機能とを用いることができる。第2の例示的な実施形態によれば、第2蓋は、磁気機能とレバー機能とを用いることができる。第3例示的な実施形態によれば、第3蓋は、磁気機能と別の磁気機能とを用いることができる。
【0025】
図1~7は、例示的な実施形態による例示的な第1容器100についての様々な視点での図を示す。具体的には、図1は組立済みの斜視図を示し、図2は組立済みの側面図を示し、図3は組立済みの上面図を示し、図4は第1側面断面図を示し、図5は第2側面拡大断面図を示し、図6は第3側面拡大断面図を示し、図7は例示的な第1容器100の分解図を示す。
【0026】
第1容器100は、複数の構成要素及び副構成要素を含むことができる。第1容器100は、概して、容器部分120と、長手方向の一部に沿って容器部分120の周囲に配置されたスリーブ130と、容器部分120の上端に配置された蓋140と、を含むことができる。初めに、図1に示されるような円筒形状を示す第1容器100は、単なる例示であることとする。第1容器100は、例示的な実施形態の範囲から逸脱しない範囲で、長手方向及び/又は横方向に任意の形状を有することができる。例えば、飲料容器100は、任意の長形状(例えば、円錐状、テーパ上、多角形状等)であってもよく、及び/又は、任意の断面形状(例えば、円形や多角形等)であってもよい。
【0027】
上述したように、図1には、容器部分120、スリーブ130、及び蓋140が示されている。図1には、更に、第1容器100がボタン180及びロック185を含むことができることが示されている。以下で詳細に説明するように、ボタン180及びロック185は、手動で操作されることで対応する効果が発揮される構造とすることができる。ボタン180は、更に、開放機構、磁気機能、及びインジケータに関連付けられてもよい。図2は、別の視点で見たロック185を示す。図示するように、ロック185は、ユーザがスリーブ130を容器部分120の長手方向に沿った位置にロックすることを可能にすることができる。以下で詳細に説明するように、スリーブ130が可動長さの第1端部にあるときは、第1容器100を閉鎖することができる。反対に、スリーブ130が可動長さの第2端部にあるときは、第1容器100を開放させることができる。ロック185は、(例えば、ロック設定位置又はロック解除設定位置にスライドさせることによって)第1容器100を開構成又は閉構成で維持するために使用されてもよい。従って、スリーブ130が第1端部にある間にロック185がロック設定位置にある場合、ロック185は第1容器100を閉構成に保ち、液体が第1容器100からこぼれることを防止することができる。スリーブ130が第1端部にある間に、ロック185がロック解除設定位置に移動されてロックが解除される場合、スリーブ130は、第2端部に移動でき、第1容器100を開構成とすることができる。スリーブ130が第2端部にある間にロック185がロック設定位置にある場合、ロック185は第1容器100を開構成に維持し、液体が第1容器100から流れ出すことを可能にすることができる。スリーブ130が第2端部にある間にロック185がロック解除設定位置に移動されてロックが解除される場合、スリーブ130は、第1端部に移動でき、第1容器100を閉構成とすることができる。ロック185は、様々な理由で使用することができる。例えば、第1容器100が(例えば、バッグ内で)運ばれている間、第1容器100が意図せず開放されることがある。しかし、ロック185が閉位置を維持するように作動される場合、第1容器100は、ロック185が解除されて開放機構が作動されるまで、閉鎖されたままとすることができる。
【0028】
図3は、蓋140及びボタン180を有する第1容器100の上部を別の視点で見た図を示す。この場合も、円形の断面形状及び構成要素の同心状の構造は例示に過ぎない。図3には、第1容器100の断面を図示するためのベースとなる線A-Aも示されている。第1容器100の上面図は、蓋140のアクセス経路の第1の例示的な実施形態を示す。第1の例示的な実施形態では、アクセス経路を円形注ぎ口190とすることができる。具体的には、円形注ぎ口190は、ボタン180と蓋140の上部の凹面との間に位置する経路とすることができる。円形注ぎ口190があることで、ユーザは、360°にわたるアプローチを行うことができる。従って、ユーザは第1容器100が開構成である間は、飲料を飲むための適切な取扱いが第1容器100にされているかを気にすることなく、第1容器100を任意の半径方向の角度で持ち上げることができる。以下で更に詳細に説明するように、円形注ぎ口190は、第1容器100が閉構成にあるときに閉じることができ、円形注ぎ口190は、第1容器100が開構成にあるときに開くことができる。第2の例示的な実施形態では、アクセス経路は、他のタイプのアクセスとすることもでき、例えば、アクセス経路は直線状の注ぎ口であってもよいし、チューブ状又はストロー状の注ぎ口であってもよい。第1容器100は、当該第1容器100の構成に応じて、アクセスを遮断又は開放するように構成されてもよい。
【0029】
図4-6は、第1容器100の様々な断面図を示す。図6の断面図のアングルでは更なる構成要素が示されているので、以下はここで描写されているものに関して説明する。図6には、容器部分120、スリーブ130、蓋140、ボタン180、及びロック185が再び示されている。この斜視図は、これらの構成要素の相対的な向き及び位置も示している。例えば、上述したように、スリーブ130は、容器部分120の外側に、容器部分120の長手方向の一部の周囲に沿うように配置する構成とすることができる。スリーブ130はまた、容器部分120の長手方向に沿って移動するような構成とすることができる。図示されているように、第1容器100は、可動長さの第1端部にスリーブ130がある状態において、閉構成となることができる。スリーブ130は、可動長さの第2端部まで移動することができる。例えば、スリーブ130は、容器部分120の長手方向に沿って上方に移動することができる。具体的には、スリーブ130が距離d(例えば、5.5mm)だけ移動して第1容器100を開構成にするための隙間があってもよい。蓋140が、容器部分120の上部を受ける底部も備えることが示されている。蓋140を容器部分120と一緒に保持するために、連結機構を使用することができる。ボタン180の相対位置も示されている。例えば、ボタン180は第1容器100の上面に露出面を有し、残りの部分が蓋140の内部に延びることができる。この斜視図には、第1容器100のロック185も示されている。ロック185は、ユーザが作動させる要素を移動させてロック片を移動させることで、スリーブ130が特定の方向に移動することを防止する(例えば、上方位置にロックされたときに下方に移動することを防止する、又はその逆)ための物理的なロックとすることができる。
【0030】
第1容器100では、シールバネ160は、第1容器100が閉構成になるように付勢することができる。具体的には、蓋140は、蓋下部143及び蓋上部147を含む複数部品として構成することができる。蓋下部143の上面が蓋上部147の底面に対して保持されると、第1容器100の内部から外部へのアクセス経路を閉鎖することができる。蓋下部143が蓋上部147から離されると、アクセス経路が開かれて、第1容器100を開構成にすることができる。シールバネ160の上部は、実際の位置が図示されておらず、説明を目的とするものであるが、蓋140の中央部分の上方にあるように図示されている。シールバネ160の全体は、図1から図3の組立済みの図に示されたように、将来的には蓋140の内側に位置するだろう。具体的には、シールバネ160は、ボタン180の上部の底面と蓋上部147の上面との間に保持させることができる。
【0031】
開放機構に関して、蓋140は、一組の蓋磁石150を含むことができる。例えば、蓋磁石150は、中心が中空となる1つの円形となるように構成・配置される複数の磁石を含むことができる。ある実施形態では、蓋磁石150の長手方向が第1容器100の断面の中心に向かうように、かつ、第1容器100の長手方向に垂直になるように配置された8つの個別の蓋磁石150を設けることができる。しかし、蓋磁石150のタイプ、数、及び向きは、ただの例示であるものとする。別の例示的な実施形態では、蓋磁石150は、第1容器100の断面の内部の周部分に対応する周部分を有する単一の円形磁石であってもよい。
【0032】
蓋磁石150は、一組のスリーブ磁石135とともに動作するように構成することができる。スリーブ磁石135は、タイプ、数、及び向きにおいて蓋磁石150と実質的に同様であってもよく、また、長手方向の線に沿って整列されてもよい。しかし、スリーブ磁石135は、以下に説明するような引力が達成可能である限り、任意のタイプ、数、及び配向とすることができる。スリーブ磁石135が移動して、スリーブ磁石135の磁界が蓋磁石150の磁界を引き付ける位置に到達すると、第1容器100は、閉構成から開構成に変化する。具体的には、(例えば、ユーザが第1容器100を持ち上げることにより)スリーブ130が上方向にスライドすると、スリーブ磁石135は蓋磁石150に近づくように移動させられることになる。更に言えば、スリーブ磁石135は距離dだけ移動することができる。この位置に移動すると、スリーブ磁石135と蓋磁石150との間の引力はシールバネ160の付勢力に打ち勝ち、蓋下部143が下方向に移動し、それによって蓋下部143が蓋上部147から離れ、蓋140が開放されて、ユーザは第1容器100から飲料を飲むことができるようになる。距離dは、スリーブ磁石135が最も高い位置にあっても蓋磁石150の下に留まるように決めることができるものとする。このように、蓋磁石150がスリーブ磁石135に向かって移動しようとするときに、この引力によって蓋下部143を下方に移動させることができる。上述したように、シールバネ160は、蓋下部143を付勢して蓋上部147に対して保持させることができる。例えば、ボタン180は、蓋下部143に結合されている一方で、蓋上部147の開口内にスライド可能に延びている構成とすることができる。
【0033】
上述したように、シールバネ160は、ボタン180の上部と蓋上部147との間に保持される構成とすることができる。つまり、シールバネ160は、ボタン180と同時に蓋下部143を上方に押圧する延長構成に向けて付勢されるとともに、蓋上部147に向けて付勢される構成とすることができる。シールバネ160に加えて、第1容器100は、スリーブバネ170を含むこともできる。スリーブバネ170は、スリーブ磁石135と蓋磁石150との間の引力に打ち勝つように付勢される構成とすることができる。例えば、(ユーザがスリーブを上方に押すことによって)スリーブバネ170の付勢力よりも大きい力が、当該付勢力に抗してスリーブ130をスライドさせるために加えられる場合は、スリーブバネ170は、スリーブ130を下方に移動させることはできないし、更にスリーブ磁石135を蓋磁石150から分離することもできない(それらの間の引力を減少させることはできる)。しかしながら、スリーブバネ170の付勢力が最大となる場合、スリーブ130が下方に移動し、それによってスリーブ磁石135も下方に移動し、スリーブ磁石135と蓋磁石150との間の引力がシールバネ160のバネ力に打ち勝つことができない結果、スリーブ130を自動的に下方に戻すことができる。従って、第1容器100を自動的に閉位置に戻されるようにすることができる。
【0034】
なお、スリーブバネ170は不要とすることができる。例えば、スリーブ130を十分な質量とすることで、スリーブ130が直立位置であって、(例えば、ユーザからの)外力が加えられていないときに、重力によってスリーブ130が下方に引き戻されるようにすることができる。しかし、スリーブバネ170を含むことにより、第1容器100が直立位置にない場合であっても、付勢されない下方位置にスリーブ130が戻ることを確実にすることができる。実際、第1容器100は上下逆にすることができ、スリーブバネ170は、重力による引張り力に十分対抗できるものである。
【0035】
シールバネ160及びスリーブバネ170を開放機構とともに動作させる観点から、シールバネ160及びスリーブバネ170は、開放機構が意図通りに使用されることを可能にするための特性を有するように選択されてもよい。例えば、シールバネ160は、関与する全ての力(例えば、蓋下部143を重力で引張る力、スリーブ磁石135と蓋磁石150が最近接でないときの引力等)で蓋下部143が蓋上部147から分離しないように、そして、これらの構成要素が互いに静止し続けるように(即ち閉構成)、十分なバネ付勢力を提供することができる。別の例では、スリーブバネ170は、スリーブ130を下方に引き戻すのに十分な最大の付勢力を提供することができるが、第1容器100が空であってもスリーブ130を上方に移動させることができる。ある実施形態では、空の状態の第1容器100及び蓋140の重量が約350グラムであることに基づいて、シールバネ160及びスリーブバネ170を選択することができる。
【0036】
ボタン180は、開放機構に対するその寄与に関しては既に上述されている。ボタン180は、追加の機能を発揮することもできる。例えば、ボタン180は、閉鎖されたときに第1容器100内に存在する蒸気又は圧力を通気するための通気機能を発揮させるために、手動で使用することができる。例えば、蓋140が閉鎖されると、第1容器100内の高温液体からの蒸気が第1容器100内に蓄積することがある。追加の気体を保持するために同じ体積が使用されているので、この蓄積された蒸気は、飲料容器100内に高い圧力をもたらし得る(例えば、ボイルの法則)。スリーブ130が上方に移動する場合、この高い圧力により、第1容器100が開構成に変わることが抑制され得る(例えば、蓋下部143が開位置に移動することが抑制される)。なぜなら、この高い圧力は、スリーブ磁石135と蓋磁石150との引力に対抗する更なる力となり得るからである。従って、ユーザは、蓋140上のボタン180を押して、蒸気を通気させ、飲料容器100内の圧力を低下させたり、平衡状態に到達させ、それによって蓋140を意図したように動作させることができる。以下で更に詳細に説明するように、ボタン180を介した手動通気機構は単に例示的なものであり、他のタイプの通気機構を第1容器100に組み込むことができる。
【0037】
なお、上述したような開放機構、並びに移動及びスライドの向き/構成/方向は、例示であるものとする。例示的な実施形態においては、開放機構が第1容器100を閉構成から開構成に変えるために上述の磁気機能の原理を利用することを変更することができる。実際、閉構成側に付勢されることは、単なる例示であり、第1容器100は代わりに、開構成側に付勢されてもよい。別の例ではスリーブ130が第1容器100を開構成にするために上方にスライドするが、これは例示に過ぎない。スリーブ130の第1方向への移動によりスリーブ磁石135が第2反対方向に移動するという直接的でない関係をスリーブ130及びスリーブ磁石135が有する場合、スライド運動も、第1容器を開構成に配置するために反対であってもよい。
【0038】
ここでも、スリーブ磁石135及び蓋磁石150は、それぞれスリーブ130及び蓋140の周囲に配置される任意の数の分離した磁石を含んでもよいものとする。ある変形例では、スリーブ磁石135及び/又は蓋磁石150が単一の磁石であってもよい。例えば、単一の磁石は、対応するスリーブ130又は蓋140の周囲に形成された溝に設けることができる。同様に、シールバネ160は単一のバネとして示されているが、スリーブバネ170は、スリーブ130の対向する側に2つの別個のものが設けられるように構成することができる。しかしながら、シールバネ160及びスリーブバネ170の数、配置、及び種類は、例示的なものに過ぎず、例示的な実施形態は適切なバネ付勢を達成するために、任意の種類、数、及び配向を利用してもよい。
【0039】
図7の分解図は、第1容器100を作成するために組み立てられる例示的な構成要素の組合せを示す。しかし、本明細書に記載された構成要素は例示に過ぎず、当業者であれば、様々な異なるタイプの使用可能な構成要素があることを理解し、更に、第1容器100を閉構成から開構成に変更する磁気機能を達成するために使用可能な様々な異なる構成があることを理解するであろう。以下は、この構成要素のために選択され得る例示的な材料及びサイズについて記載されている。しかし、構成要素自体と同様に、材料/サイズも単なる例示であり、例示的な実施形態は磁気機能に基づいて開口機構を示す際に適切な異なる材料/サイズのものを利用することができる。
【0040】
図示するように、構成要素は、容器部分120、スリーブ130、蓋140、スリーブバネ170、及びボタン180の副構成要素として記載されている。ボタン180は、ボタン本体180-1、ボタンキャップ180-2、及びボタンピン130-3を含むことができる。ボタン本体180-1はポリカーボネート(PC)で作成され、ボタンキャップ180-2はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)で作成され、ボタンピン130-3はステンレス鋼(SS)で作成される。ボタン本体180-1は上述したボタン180の上部に相当することができる。従って、ボタン本体180-1は、実質的にU字形の断面形状を有しており、そこにシールバネ160の第1端部を保持することができる。シールバネ160は、直径0.6mmの熱処理されたSSのバネであってもよい。ボタンピン180-3は、蓋下部143と結合するために、蓋下部143の構成要素に向かって延びるような構成とすることができる。ボタンキャップ180-2は、ボタン本体180-1から外側に延びるような表面とすることができる。図示されるように、ボタンピン180-3はまた、インジケータ400/450と関連付けられてもよい。インジケータ400/450については、図14及び15を参照して、以下で更に詳細に説明される。
【0041】
蓋140は、蓋本体140-1と、蓋フィラー140-2と、蓋ネジ部140-3と、シールプレートポスト140-4と、シールプレート140-5と、シールプレートオーバーモールド140-6と、ガスケット140-7と、別のガスケット140-8と、ガスケットリテーナ140-9とを含むことができる。蓋本体140-1、蓋フィラー140-2、蓋ネジ部140-3、シールプレートポスト140-4、シールプレート140-5、シールプレートオーバーモールド140-6、及びガスケットリテーナ140-9は、全てABSで作成することができる。ガスケット140-7は20デュロメータのシリコーンゴムで作成されてもよく、ガスケット140-8はシリコーンゴムで作成されてもよい。蓋本体140-1には、蓋140から飲むための要素を形成することができ、ユーザが第1容器100に直接接触して飲むのを容易にするために、上端部に丸み又は曲線の縁部を含むことができる。蓋フィラー140-2は、機械的な組立てを目的として設けられる追加の構成要素とすることができる。蓋ネジ部140-3は、蓋140が容器部分120、具体的には容器部分120の構成要素に結合されることを可能にする蓋140の底部分とすることができる。蓋140はまた、蓋磁石150を含むことができる。蓋磁石は、ネオジム磁石N52、耐高温磁石であってもよい。蓋磁石150の例示的な向き、構成、及び数が図7に示されている。
【0042】
蓋140の残りのアセンブリは、シールプレート140-5に(例えば、ネジを介して)結合するシールプレートポスト140-4と、シールプレートオーバーモールド140-6に(例えば、ネジを介して)結合するシールプレート140-5と、を含むことができる。シールプレートポスト140-4は、ボタンピン180-3に(例えば、ネジを介して)結合する構成要素であって、かつ、上述した蓋下部143の一部としての構成要素であってもよい。シールプレート140-5は、蓋下部143の一部であり、蓋上部147の一部である蓋本体140-1に対して押圧される。蓋本体140-1が蓋上部147であり、シールプレート140-5が蓋下部143である場合、閉構成は、ガスケット140-8をガスケット140-9(両方ともシリコーンゴムで作られる)に押し付けることによって達成することができる。従って、ガスケット140-7はシールプレート140-5に(例えば、上面で)連結されてもよく、ガスケット149-8はガスケットリテーナ140-9を用いて蓋本体140-1に(例えば、底面で)連結されてもよい。
【0043】
容器120は、SS内側部120-1、SS外側部120-2、SS外側パッド120-3、カラー外側部120-4、カラー内側部120-5、及びカラーシール120-6を含むことができる。SS内側部120-1及びSS外側部120-2は、SSで作成することができる。具体的にはSS内部部120-1のSSをAISI304とすることができ、SS外部部120-2のSSはSSが熱処理された201とすることができる。更に、SS内側部120-2をSS外側部120-2に組み付ける際に、それらの間の空間は、容器部分120に断熱機能を提供するために、真空引きにより得られる真空とすることができる。SS外側パッド120-3は、熱可塑性エラストマー(TPE)で作成され、第1容器100の底面を滑りにくい面とすることができる。カラー外側部120-4及びカラー内側部120-5はABSで作成することができ、カラーシール120-6は、シリコーンゴムで作ることができる。カラー外側部120-4及びカラー内側部120-6はカラーシール120-6とともに、容器部分120の上部リップを形成することができる。カラー内側部120-5はまた、蓋140を容器部分120に結合するための蓋ネジ部140-3に対向するネジ山を含むことができる。
【0044】
スリーブ130は、スリーブロック側部130-1、スリーブ中実側部130-2、バネシャトル130-3、スリーブ磁石リテーナ130-4、スリーブ磁石リテーナプラグ130-5、及びスリーブピン130-6を含むことができる。スリーブロック側部130-1、スリーブソリッド側部130-2、スリーブ磁石リテーナ130-4、及びスリーブ磁石リテーナプラグ130-5は、ABSで構成することができる。スプリングシャトル130-3はデルリンで作成することができ、一方、スリーブピン130-6は、SSで作成することができる。垂直に組み立てられる上述の他の構成要素の組立てとは対照的に、スリーブ130の構成要素は、水平に組み立てられてもよい。具体的には、スリーブロック側部130-1がスリーブピン130-6を用いて、容器部分120の長手方向の周囲の断面にわたってスリーブ固体側部130-2に結合することができる。スリーブロック側部130-1及びスリーブ中実側部130-2の内部では、スリーブバネリテーナ170-1を使用して、スリーブバネ170とともにバネシャトル130-3を位置決めして、スリーブバネ170の付勢力をスリーブ130の垂直移動に対して付与することを容易にすることができる。スリーブバネ170は、直径33mmの熱処理されたSSバネであってもよい。スリーブ130はまた、スリーブ磁石リテーナ130-4及びスリーブ磁石リテーナプラグ130-5を使用するスリーブ磁石135を含むことができる。スリーブ磁石135は、ネオジム磁石N52とすることができる。更に、ロック185は、スリーブロック側部130-1に対して適切に位置することができる。
【0045】
スリーブ磁石135及び蓋磁石150を円形にしたり円形に分布させることにより、開構成及び閉構成に対応した適切な距離をより確実に達成することができる。蓋140を容器部分120に結合するためにネジが使用されるので、磁石135、150が整合しない位置に配置される可能性がある。しかし、円形に分布させることにより、この不整合を確実に避けることができる。蓋140と容器部分120との結合を制御する場合、この制御により磁石135、150の位置が整合することが保証されるので、1つのスリーブ磁石135及び1つの蓋磁石150のみを利用することができる。別の方法では、蓋140を容器部分120に結合するためのネジ機構又は結合機構は、最大量のネジ締め量のみを可能にするか、又は、意図された位置に到達したことを示すための停止部又は戻り止め部を含み得る。従って、停止部/戻り止め部は、蓋140が容器部分120に意図された位置までネジが締められたという力覚の示唆(例えば、認識可能なクリック)及び/又は聴覚の示唆(例えば、可聴クリック)を実行することもできる。ネジ締めによって意図された位置まで到達したこと及び停止部/戻り止め部により、更に、磁石135、150を適切に整列させることができる。
【0046】
上記では、第1容器100と、2つのバネ機能と組み合わせた磁気機能と、について説明した。従って、第1容器100は、シールバネ160及びスリーブバネ170によって、閉構成となるように付勢される。十分な力がスリーブ130に加えられると、スリーブバネ170の付勢力に打ち勝って、スリーブ130を押圧方向(例えば、容器部分120の長手方向に沿って上方)に移動させることができる。スリーブ130に加える必要がある力は、ユーザがスリーブ130を保持しながら第1容器100を持ち上げることによって達成することができるものとする。例えば、第1容器の重量、容器内の液体の重量(既に液体が入れられている場合)、及び重力により、スリーブ130を移動させ、スリーブバネ170の付勢力に打ち勝つのに必要な力を得ることができる。スリーブ130が十分な量(例えば、最大クリアランス距離d)移動すると、スリーブ磁石135は静止している蓋磁石150に十分に近接し、その結果、それらの間で発生する引力は、シールバネ160の付勢力に打ち勝つのに十分な強さとなることができる。このようにして、第1容器100は、蓋下部143が蓋上部147から離れて付勢されない開構成に変更され、容器部分120内の液体にアクセス可能となる。例えば、第1容器100を傾けることにより、蓋構成要素143、147が離れることで形成されるアクセス経路を通って、液体を流すことができる。その後、スリーブ130に加えられた力が解放されると、スリーブバネ170の付勢力が優先されて、スリーブ130が解放位置に移動する。このスリーブ130の移動により、スリーブ磁石135と蓋磁石150との間の距離が大きくなり、それによって引力が弱くなる。そして、シールバネ160の付勢力が優先され、蓋下部143が移動して蓋上部147を押し戻し、第1容器100が閉構成になるようにする。例えば、ユーザは第1容器100を平坦な表面上に戻し、スリーブ上の保持を解除することができる。従って、第1容器の重量及び液体の重量を、この力から取り除くことができる。加えて、スリーブ130が解放されて、重力によってスリーブ130が下方に引っ張られるときに、反対の効果が発揮される。従って、閉構成に自動的に戻るために必要とされ得る力は(例えば、第1容器100を下に配置するために)スリーブ130を解放するユーザから提供されてもよい。
【0047】
図8及び図9は、例示的な実施形態による例示的な第2容器200の異なる斜視図を示す。具体的には図8が閉構成における第2容器200の第1断面図を示し、図9は開構成における第2容器200の第2断面図を示す。第2容器200は、第1通気機構の特徴を含むことができる。例示を目的とするものであるが、第2容器200は、この第1通気特徴を含むことを除いて、第1容器100と実質的に同様であってもよい。
【0048】
第2容器200は、複数の構成要素及び副構成要素を含むことができる。第2容器200は、概して、容器部分220、スリーブ230、スリーブ磁石235、蓋下部243、及び蓋上部247を含む蓋240、蓋磁石(図示せず)、シールバネ260、及びボタン280を含む構成要素の大部分について、第1容器100と実質的に同様であり得る。従って、上述の材料、構成、数、向き、及び変形例は、第2容器200にも適用することができる。ボタン180の手動操作によって達成される第1容器100の通気機能とは対照的に、第2容器200は容器部分220の内部の自動通気を更に提供するために、磁気機能を利用する。具体的には、第2容器200は、レバー275と、レバーバネ270と、レバー磁石250とを利用する。以下に説明するように、第1通気機構の自動作動は、開放機構と同じタイミングで行われてもよい。例えば、ユーザが第2容器200を持ち上げると、第1通気機構及び磁気機構を使用して、第2容器200を開構成にすることができる。
【0049】
第2容器200の例示的な実施形態によれば、レバー275は、第1自由端から第2ヒンジ端まで延びることができる。レバー275は、蓋下部243の可動構成要素であってもよい。第1容器100とほぼ同様に、第2容器200が閉構成にある間、蓋下部243及び蓋上部247は互いに密封となることができ、第2容器200が開構成にある間、蓋下部243は蓋上部247から離れることができる。レバー275は、蓋下部243又は蓋上部247に対してヒンジ端で結合されてもよい。従って、第2容器200が開構成であり、レバー275が蓋上部247に結合されている場合は、レバー275は、蓋下部243のみが移動する間、位置が変化しない構成とすることができる。第2容器200が開構成であり、レバー275が蓋下部243に結合されている場合は、レバー275も蓋下部243とともに移動することができる。レバー275の第1自由端は、レバー磁石250を含むことができる。レバー275の第2ヒンジ端は、レバーバネ270を含むことができる。図8に示すように、レバー275は、容器部分220の内部の直径を横切るように延びることができる。このレバー275の長さにより、(旋回点及びレバーの機構に基づき)レバー275を旋回させるための力を比較的弱くすることができる。従って、レバー磁石250は、レバー275を旋回させるための力に基づいて選択することができる。しかし、このような構成は単なる例示であり、レバー275は、容器部分200の内部で上記とは異なる距離だけ延びることができるものとする。
【0050】
スリーブ230及びスリーブ磁石235は、スリーブ130及びスリーブ磁石135と実質的に同じように使用することができる。具体的には、スリーブ230は、容器部分220の長手方向の一部に沿ってスライド可能であってもよい。図8は、スリーブ230に如何なる外力も加えられていない、閉構成にある第2容器200を示す。図9は、スリーブ230に外力が加えられた開構成の第2容器200を示す。図示のように、スリーブ230及びスリーブ磁石235を特定の距離だけ移動させることによって、レバー磁石250とスリーブ磁石235の間の引力は、レバー275を水平位置(又は蓋下部243と同一平面位置)に付勢するレバーバネ270の付勢力に打ち勝つことができる。従って、レバー275は、動くかヒンジ端に対して旋回することで、蓋下部243又は蓋上部247に対して所定の角度になり、アクセス経路の一部を開くことができる。アクセス経路の開放された部分により、容器部分220の内部と外部環境との間で圧力を均等化することが可能になる。圧力を均等化することで、閉構成への付勢に打ち勝って第2容器200を閉構成から開構成に変更するために必要とされ得る開放機構の負荷を減少させることが可能になる。例えば、容器部分220の内部に十分な圧力が蓄積されると、スリーブ磁石235と蓋磁石との間に作用する引力は、蓋下部243を蓋上部247から分離するのに十分でない場合がある。しかし、この圧力をある程度開放することで、この引力が閉構成への付勢に打ち勝つことが可能となる。
【0051】
レバー275を含めることは、例示に過ぎないものとする。実質的に同様の通気機能を達成するための代替の旋回機構では、蓋下部243(例えばレバー275によって占有される部分に限られない)が旋回するように第2容器200が構成されてもよい。このような実施形態では、蓋下部243の1~3個の磁石は、スリーブ230の1~3個の磁石又は第2容器200の本体の他の部分と引き合う力であって、スリーブ230の移動時に蓋下部243を旋回させる力を生成する。従って、蓋下部243は通気機能のために第1量だけ旋回されてもよく、更に(例えば、旋回運動又は更なる旋回運動によって)アクセス経路を形成してもよい。
【0052】
第2容器200は、スリーブバネ170と実質的に同様の方法で、閉構成に対応する位置にスリーブ230を付勢するスリーブバネ(図示せず)を含むことができる。従って、外力が解放されると(例えば、スリーブバネ170及び/又は重力によって)、スリーブ230は、蓋磁石250とスリーブ磁石235との間の距離が長くなる解放位置に戻ることができ、距離が長くなることで、レバーバネ270に対する引力が弱くなることで、当該引力に打ち勝って、レバー275が閉構成に対応する解放位置に戻る。
【0053】
第2容器200についてのボタン280の手動機能は、レバー275の用途を考慮して変更されてもよいものとする。上述のように、ボタン180は、容器部分120内で高まった圧力を解放するために手動で使用されてもよい。具体的には、ボタン180が蓋下部143を蓋上部147から分離して、第1容器100を開構成にする。これと実質的に同様に、ボタン280は、容器部分220内に生じ得る圧力を軽減するために手動で使用される冗長の通気機構を提供することができる。しかし、第2容器200は、自動通気機能を組み込んでいるので、ボタン280の手動操作もまた、設計から取り外すことができる。
【0054】
上記では、第2容器200と、2つのバネ機能及びレバーと組み合わせた磁気機能と、について説明した。従って、第2容器200は、レバーバネ270及びスリーブバネを介して閉構成に向かって付勢される。十分な力がスリーブ230に加えられると、スリーブバネの付勢力に打ち勝って、スリーブ230を押圧方向に(例えば、容器部分220の長手方向に沿って上方に)移動させることができる。スリーブ230が十分な量(例えば、最大クリアランス距離d)だけ移動すると、スリーブ磁石235は、レバー275の自由端に収容されたレバー磁石250に十分に近接する。その結果、それらの間に生成される引力を、レバーバネ270の付勢力に打ち勝つほど十分に強くすることができる。このように、第2容器200について、液体のアクセス経路の一部を開放することによって通気することができる。第2容器200内から過剰な圧力を解放することで、蓋下部243と蓋上部247を離すことができるので、容器部分220内の液体にアクセス可能である、付勢されていない開構成に第2容器200を変更させることができる。例えば、第2容器200を傾斜させることにより、蓋下部243が蓋上部247から離れることにより形成されるアクセス経路を通って液体が流れるようにすることができる。その後、スリーブ230に加えられた力が解放されると、スリーブバネの付勢力が優先されて、スリーブ230が解放位置に移動する。このスリーブ230の移動により、スリーブ磁石235と蓋磁石との間の距離が大きくなり、それによって引力が弱くなる。そして、レバーバネ270及びシールバネ260の付勢力が優先され、蓋下部243が蓋上部247に対して保持されるようになって第2容器200が閉構成になる。
【0055】
図10は、例示的な実施形態による例示的な第3容器300の分解図を示す。具体的には、第3容器300は第2通気機能を有することができる。第3容器300は、第2通気機能の機構を含むことができる。例示を目的とするものであるが、第3容器300は、この第2通気特徴を含むことを除いて、第1容器200と実質的に同様であってもよい。従って、第3容器300は、容器部分、スリーブ、スリーブ磁石、蓋下部及び蓋上部を含む蓋、蓋磁石351、シールバネ、及びボタンを含むこともできる。図10の分解図は、第3容器300を作成するために組み立てられ得る例示的な構成要素のセットを示す。しかし、本明細書に記載された構成要素は例示に過ぎず、当業者であれば、様々な異なるタイプの使用可能な構成要素があることを理解し、更に、第3容器300を閉構成から開構成に変更させ、第2通気機能を実現するための磁気機能を実現するために使用可能な様々な異なる構成があることを理解するであろう。
【0056】
ボタン180の手動操作によって達成される第1容器100の通気機能と、アクセス経路の一部を使用して達成される第2容器200の第2通気機能に対して、第3容器300は、通気経路を使用して容器部分220の内部の自動通気を更に行うために、磁気機能を利用する。具体的には、第3容器300は、レバー375と、レバーバネ370と、レバー磁石350と、いくつかの構成要素を介して提供される通気経路と、を利用する。以下に説明するように、第2通気機構の自動作動は、開放機構と同じタイミングで行われてもよい。例えば、ユーザが第3容器300を持ち上げると、第2通気機構及び磁気機構を使用して、第3容器300を開構成にすることができる。
【0057】
図示のように、この構成要素は、蓋340の副構成要素として説明される。具体的には、蓋340は、ガスケット340-8と、ガスケット340-7と、シールプレート340-5と、蓋磁石350と、シールプレートオーバーモールド340-6と、を含むことができる。これらの材料、実質的な形状、及び機能は、ガスケット140-7、シールプレート140-5、蓋磁石150、及び第1容器100のシールプレートオーバーモールド140-6と、僅かな違いがあるだけで実質的に同じとすることができる。従って、シールプレート340-5がシールプレートオーバーモールド340-6に結合される場合、垂直方向に組み付けることができる。第1容器100とは対照的に、第3容器300は、シールプレート空間340-5-1を含むシールプレート340-5を利用する。シールプレートオーバーモールド340-6はまた、シールプレートオーバーモールド空間340-6-1を含み得る。明らかなように、空間340-5-1及び340-6-1には、レバー375を収容することができる。シールプレートオーバーモールド空間340-6-1により、レバー375をシールプレートオーバーモールド340-6と同一平面にすることが可能になる一方で、依然として旋回運動を可能にするために、シールプレートオーバーモールド空間340-6-1には、延長された空間を含めることができる。更に、ガスケット340-8は穴340-8-1を含むことができ、ガスケット340-7は穴340-7-1を含むことができ、シールプレート340-5は、穴340-5-2を含むことができる。組み立てられると、穴340-8-1、340-7-1、及び340-5-2は、容器部分の内部から外部環境への通気経路を形成するように整列され得る。
【0058】
レバー375は、レバーバネ370と、レバー本体375-1と、レバー磁石容器375-2と、レバーヒンジ375-3と、レバーピン375-4とを含むものとして示されている。レバー375は、第2容器200のレバー275と機能が実質的に同様であってもよい。従って、上述のように、レバー375はレバーヒンジ375-3を介して、シールプレート340-5(例えば、蓋上部)及び/又はシールプレートオーバーモールド340-6(例えば、蓋下部)に連結されてもよい。レバーバネ370は、レバー375を、第3容器300の閉構成に対応する同一平面の水平位置に引っ張るように位置させることができる。レバー磁石容器375-2は、レバー磁石350の1つを収容するレバー本体375-1の自由端とすることができる。レバー375がレバーバネ370の付勢力から解放位置にあるとき、レバーピン375-4は、穴340-8-1、340-7-1、及び340-5-2によって形成される通気経路を遮断することができる。この場合、通気経路は、容器部分に対して開口しなくなる。しかし、スリーブ磁石とレバー磁石350との間の引力によってレバー375が旋回を始めると、レバー375は、第2容器200のレバー275に関して上述したのと実質的に同様の方法で下方まで旋回することができる。この旋回運動によって、レバーピン375-4が通気経路の外に移動させることで、容器部分の内部と外部環境との間の通気経路が開き、それによって、過剰な圧力を容器部分の内部から解放することができる。その後、スリーブ磁石と蓋磁石351との間の引力によって、蓋下部と蓋上部が離れるため、第3容器を開構成にすることができる。
【0059】
蓋磁石351を円形にしたり円形に分布させることにより、開構成及び閉構成に対応した、スリーブ磁石335に対する適切な距離をより確実に達成できる。蓋340を容器部分320に結合するためにネジが使用されるので、磁石335、351が整合しない位置に配置される可能性がある。しかし、円形に分布させることにより、この不整合を確実に避けることができる。蓋340と容器部分320の結合を制御する場合、この制御により磁石335、351の位置が整合することが保証されるので、第3容器300は、1つの蓋磁石351のみを利用することができる。
【0060】
上記では、第3容器300と、2つのバネ構造及びレバーと組み合わせた磁気構造と、について説明した。従って、第3容器300は、レバーバネ370及びスリーブバネによって、閉構成となるように付勢される。十分な力がスリーブに加えられると、スリーブバネの付勢力に打ち勝って、スリーブを押圧方向に(例えば、容器部分の長手方向に沿って上方に)移動させることができる。スリーブが十分な量(例えば、最大クリアランス距離d)移動すると、スリーブ磁石はレバー375の自由端に収容されたレバー磁石350に十分に近接し、その結果、それらの間で発生する引力は、レバーバネ370の付勢力に打ち勝つのに十分な強さとなることができる。このようにして、第3容器300について、液体のアクセス経路とは別個の通気経路を介して通気させることができる。第3容器300内から過剰な圧力を解放することで、蓋下部と蓋上部を離すことができるので、容器部分内の液体にアクセス可能である、付勢されていない開構成に第3容器300を変更させることができる。例えば、第3容器300を傾斜させることにより、蓋下部が蓋上部から離れることにより形成されるアクセス経路を通って液体が流れるようにすることができる。その後、スリーブに加えられた力が解放されると、スリーブバネの付勢力が優先されて、スリーブが解放位置に移動する。このスリーブの移動により、スリーブ磁石と蓋磁石351との間、及び、スリーブ磁石235とレバー磁石350との間の距離が大きくなり、それによって各組合せの引力が弱くなる。そして、レバーバネ及びシールバネの付勢力が優先され、蓋下部が蓋上部に対して保持されるようになって第3容器が閉構成になる。
【0061】
図11~13は、例示的な実施形態による例示的な第4容器400の異なる斜視図を示す。具体的には図11は組み立てられた側面図を示し、図12は第1断面図を示し、図13は例示的な第4容器400の第2断面図を示す。
【0062】
第4容器400は、複数の構成要素及び副構成要素を含むことができる。一般に、容器部分420、スリーブ430、蓋下部455及び蓋上部450を含む蓋440、及びボタン480を含む構成要素の大部分に関して、第4容器400は、第1容器100と実質的に同様とすることができる。従って、上述の材料、構成、数、向き、及び変形例は、第4容器400にも適用することができる。第1容器100の開放機構とは対照的に、第4容器400は、異なる方法で磁気特徴を利用する。具体的には、第4容器400は、シールバネに代替する更なる磁気機能を用いる。しかし、上述のような手動のボタン480も使用される場合、第4容器400の磁気機能を使用して開放機構を有効にするために、シールバネを第4容器400に含めることもできるが、異なる向きで含めることができる。
【0063】
第4容器400の例示的な実施形態によれば、スリーブは、スリーブ磁石435を含む。蓋は、3組の異なる磁石を含むことができる。第1組の磁石は、スリーブ磁石435とともに作動する蓋外側磁石470とすることができる。第2組の磁石は、蓋下部455に配置された蓋下部磁石465とすることができ、第3組の磁石、蓋上部450に配置された蓋上部磁石460とすることができる。蓋下部磁石465及び蓋上部磁石460は、互いに作用を及ぼすことができ、蓋外側磁石470に対してより中央に配置することができる。蓋下部磁石465及び蓋上部磁石460は、蓋外側磁石470から十分に分離されて、それらの間の如何なる引力も蓋外側磁石470とスリーブ磁石435との間の引力に影響を及ぼさないようにすることができる。スリーブ430及びスリーブ磁石435は、第1容器100のスリーブ130及びスリーブ磁石135と実質的に同様に動作することができる。具体的には、スリーブ430は、容器部分420の長手方向の一部に沿ってスライド可能であってもよい。
【0064】
第4容器400は、閉構成に向かって付勢されてもよい。具体的には、スリーブ430は、閉構成に対応する位置に向けてスリーブ430を付勢するスリーブバネ(図示せず)を含むことができる。このようにして、蓋外側磁石470とスリーブ磁石435との間の距離を最大にすることができ、その結果、それらの間に生じる引力を弱めることができる。この引力は、蓋上部磁石460と蓋下部磁石465との間の引力よりも弱くすることができる。従って、閉構成では、蓋上部磁石460及び蓋下部磁石465の引力が、蓋外側磁石470及びスリーブ磁石435の引力を上回る可能性がある。
【0065】
外力がスリーブ430に加えられ、スリーブバネの付勢力に打ち勝つ場合、スリーブ磁石435は、蓋外側磁石470に近づくように移動することができる。スリーブ磁石435と蓋外側磁石470とが近づくことにより、それらの間の引力を増大させることができる。実際、この引力は、蓋上部磁石460と蓋下部磁石465との間の引力に打ち勝つことができる。
【0066】
蓋外側磁石470及びスリーブ磁石435の引力が優先することで、蓋下部455が蓋上部450から離れて、容器部分420内の液体へのアクセス経路が生じる開構成に第4容器400を変更することができる。外力が解放されると、スリーブバネは、スリーブ430を付勢して解放位置に戻すことができる。スリーブ430が動くことにより、更に、スリーブ磁石435と蓋外側磁石470との間の距離を増大させて、それらの間の引力が弱まることになる。蓋上部磁石460及び蓋下部磁石465には、再び、優先される引力が生じる可能性がある。従って、蓋下部455は解放位置に移動し、再び蓋上部450を押圧して、第4容器400を開構成から、アクセス経路が密封される、付勢された閉構成に戻すことができる。
【0067】
上述の通気機構の1つを第4容器400に組み込むこともできるものとする。具体的には、ボタン180による手動通気機構、レバー275及びアクセス経路の一部を使用する第1自動通気機構、又はレバー375及び通気経路を使用する第2自動通気機構を、第4容器400に組み込むことができる。
【0068】
上記では、第4容器400と、2つの磁気特徴を組み合わせたものと、について説明した。従って、第4容器400は、蓋上部磁石460及び蓋下部磁石465、並びにスリーブバネによって、閉構成となるように付勢されることがある。十分な力がスリーブ430に加えられると、スリーブバネの付勢力に打ち勝って、スリーブ430を押圧方向に(例えば、容器部分420の長手方向に沿って上方に)移動させることができる。スリーブ430が十分な量(例えば、最大クリアランス距離d)移動すると、スリーブ磁石435は蓋外側磁石470に十分に近接し、その結果、それらの間で発生する引力は、蓋上部磁石460と蓋下部磁石465との間で発生する引力に打ち勝つのに十分な強さとなることができる。このようにして、蓋下部455が蓋上部450から離れ、容器部分420内の液体にアクセス可能で、付勢されていない開構成に第4容器400を変更することができる。例えば、第4容器400を傾斜させることにより、蓋下部455が蓋上部450から離れることにより形成されるアクセス経路を通って液体が流れるようにすることができる。その後、スリーブ430に加えられた力が解放されると、スリーブバネの付勢力が優先されてスリーブ430が解放位置に移動する。このスリーブ430の移動により、スリーブ磁石435と蓋外側磁石470との間の距離が大きくなり、それによって引力が弱まり、蓋上部磁石460及び蓋下部磁石465の間の引力よりも高くなって優先される。そして、蓋下部455の位置が戻って蓋上部450を押圧し、第3容器400が閉構成になる。
【0069】
図14は、例示的な実施形態による、第1容器100、第2容器200、第3容器300、及び第4容器400とともに使用される例示的な第1インジケータ500を示す。図15は、例示的な実施形態による、第1容器100、第2容器200、第3容器300、及び第4容器400とともに使用される例示的な第2インジケータ550を示す。インジケータ500、550は、容器が開構成にあるか閉構成にあるかに関する視覚的表示をユーザに提供するために使用することができる。例示を目的とするものであるが、インジケータ500、550は、第1容器100に関して説明される。従って、インジケータ500、550は、容器部分120、スリーブ130、蓋140、及びシールバネ160について示されている。しかし、インジケータ500、550は、特にボタンがあることを考慮して、第2容器200、第3容器300、及び第4容器400とともに使用することもできることを当業者は理解するであろう。
【0070】
第1インジケータ500では、ボタン180を不透明ボタン505に変更することができる。不透明ボタン505は、インジケータリング510への視覚的なアクセスを阻止するように構成することができる。インジケータリング510は、不透明ボタン505とボタンキャップとの間に配置されることができる。しかし、不透明ボタン505を蓋140に押し込むと、インジケータリング510が現れる。インジケータリング510は、第1容器100が開構成にあることを識別する明確な色(例えば、緑色)等の視覚的表示を含むことができる。この視覚的表示がない場合は、第1容器100が閉構成にあると識別することができる。つまり、蓋下部143が蓋上部147から離れると、蓋下部143は下方に移動し、言い換えれば(例えば、蓋下部143に対応するシールプレート140-5に結合されたシールプレートポスト140-4に結合されたボタンピン180-3に結合されたボタン本体180-1を介して)ボタン505が下方へ移動する。不透明ボタン505が押されると、インジケータリング510が現れ、視覚的表示が見える。
【0071】
第2インジケータ550では、ボタン180を透明ボタン555に変更することができる。透明ボタン555は、ボタンの底面にテクスチャを有することができる。透明ボタン555は、第1容器100が閉構成にある間、インジケータ面565が見えない距離となるように、透明ボタン555の下にあるインジケータ面565から十分に離されている。第2インジケータ550はまた、インジケータリング510と実質的に同様の位置にインジケータリング560を含むことができる。しかし、インジケータリング560は、中性色を有してもよく、又はインジケータ面565の視覚的表示を強調表示してもよい。透明ボタン555を蓋140内に押し込むと、インジケータ面565が現れる。インジケータ面565は、第1容器100が開構成にあることを識別する明確な色(例えば、緑色)等の視覚的表示を含むことができる。視覚的表示がない場合、第1容器100が閉構成にあることを識別することができる。従って、蓋下部143が蓋上部147から離れると、蓋下部143は下方に移動し、言い換えれば(例えば、蓋下部143に対応するシールプレート140-5に結合されたシールプレートポスト140-4に結合されたボタンピン180-3に結合されたボタン本体180-1を介して)ボタン555が下方へ移動する。透明ボタン555は、押されることによって、視覚的表示が見えるように、インジケータ面565の近くに移動する。透明ボタン555の底面のテクスチャは、インジケータ面565の色を拡散するように構成することができ、つまり、この色が透明ボタン555の内側で反射し、それによって透明ボタン555がこの色で満たされるようにすることができる。
【0072】
インジケータ500、550はまた、第1容器100が閉構成にあるときの視覚的表示を示すために使用されてもよい。例えば、閉構成にある間、インジケータ500、550は第1容器100が閉鎖されているという視覚的表示又は色(例えば、赤色)を表示することができる。第1容器100が開構成にあるとき、視覚的表示は隠されてもよい。別の例では、インジケータ500、550は開構成(例えば、緑色)及び閉構成(例えば、赤色)の両方について対応する視覚的指示を示すことができる。
【0073】
例示的な実施形態は、自動蓋閉鎖機構を実現する飲料容器を提供する。飲料容器を特定の位置に保持することによって、飲料容器は自動的に開くことができ、飲料容器を離すことによって、飲料容器は自動的に閉じることができる。これは、例示的な実施形態によって必要とされる任意の外力の範囲であってもよい。また、閉鎖機構は、磁気的な特徴を用いた開放機構に相当する。第1の例示的な実施形態では、スリーブに掛かる外力によって磁気機構内に引力が生じ、この引力がバネの付勢力を超えることで、蓋構成要素を分離し、付勢された閉構成から押圧された開構成に容器を変更させる。第2及び第3の例示的な実施形態では、容器の外部に露出するレバーが第1及び第2通気機構にそれぞれ組み込まれており、このレバーにより高まった圧力を外部に移動させて、圧力を解放させることができる。第1通気機構において、圧力は、容器のアクセス経路の一部を介して解放されてもよい。第2通気特徴において、圧力は、通気経路を介して解放されてもよい。圧力の解放によって、磁気機構内の引力がバネの付勢力を超過するか、又はより容易に過剰に付勢して、蓋構成要素を分離し、付勢された閉構成から応力を掛けられた開構成に容器を変更することができる。第4の例示的な実施形態では、スリーブに掛けられた外力によって、ある磁気機構の引力が他の磁気機構の引力を超えることで、蓋構成要素が分離されて、付勢された閉構成から応力を掛けられた開構成に容器を変更することができる。例示的な実施形態はまた、容器の状態を示すためのインジケータ機能が組み込まれている。開構成では可視可能な示唆があり、閉構成ではこの示唆がない(あるいは逆であってもよい)。
【0074】
当業者が、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更を加えることができることは明らかであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入ることを条件として、本発明の修正及び変形を包含することが意図されている。
図1
図2
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