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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/06 20060101AFI20220106BHJP
   F25D 11/02 20060101ALI20220106BHJP
   F25C 5/18 20180101ALI20220106BHJP
【FI】
F25D17/06 308
F25D11/02 C
F25C5/18 311
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017121363
(22)【出願日】2017-06-21
(65)【公開番号】P2019007646
(43)【公開日】2019-01-17
【審査請求日】2020-04-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川野 敬太
(72)【発明者】
【氏名】篠原 健太郎
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-098463(JP,A)
【文献】特開2008-075932(JP,A)
【文献】特開2001-255058(JP,A)
【文献】特開平4-190074(JP,A)
【文献】実開昭54-75467(JP,U)
【文献】特開2012-63122(JP,A)
【文献】特開2012-078078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/06
F25D 11/02
F25C 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷室と、
前記製氷室内に冷気を供給する冷気供給口と、
前記製氷室内に収容されるアイスボックスと、
前記アイスボックスにおいて氷以外の要素が収容される部分に設けられる非氷収容部と、
前記非氷収容部に設けられ、当該非氷収容部の最下部よりも高い位置において前記製氷室の後方奥側に向かって開口する開口部と、
を備える冷蔵庫。
【請求項2】
前記非氷収容部は、傾斜部を有し、
前記開口部は、前記傾斜部に設けられている請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記製氷室を開閉する製氷室扉と、
前記製氷室と当該製氷室の下の貯蔵室とを仕切る仕切り部と、をさらに備え、
前記開口部は、前記製氷室扉および前記仕切り部の双方に向かわない方向に向かって開口している請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記製氷室の底部を構成する底板をさらに備え、
前記開口部は、前記底板に向かって開口している請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記底板は、前記仕切り部よりも低い位置に設けられており、前記アイスボックスの底面との間に、冷気が流れる冷気流路を形成している請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記アイスボックスは、前記開口部よりも前記製氷室の奥側とは反対側の位置にリブをさらに備える請求項1から5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記アイスボックスは、前記冷気供給口から供給される冷気を前記開口部に向かって誘導する誘導部をさらに備える請求項1から6の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
氷以外の要素であるアイスシャベルを収容するアイスシャベル収容部を前記非氷収容部として備え、
前記アイスシャベル収容部において前記開口部が設けられている領域は、前記アイスシャベルの長さよりも長くなっている請求項1から7の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記アイスボックスにおいて、前記製氷室の奥側とは反対側の壁部は、閉塞されており、且つ、前記製氷室の奥側の壁部よりも高くなっている請求項1から8の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、製氷室を備える冷蔵庫には、製氷室内に設けられるアイスボックス、製氷室を開閉する製氷室扉、製氷室と当該製氷室の下の貯蔵室とを仕切る仕切り部などが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-078078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製氷室を備える冷蔵庫においては、冷気供給口から製氷室内に供給される冷気が製氷室扉や仕切り部などに直接的に当たってしまい、冷却された扉や仕切り部に結露が発生するおそれがある。
【0005】
本実施形態は、冷気供給口から製氷室内に供給される冷気が製氷室扉や仕切り部に直接的に当たってしまうことを回避することができ、製氷室扉や仕切り部に結露が発生してしまうことを防止することができる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る冷蔵庫は、製氷室、冷気供給口、アイスボックス、非氷収容部、開口部を備える。冷気供給口は、前記製氷室内に冷気を供給する。アイスボックスは、前記製氷室内に収容される。非氷収容部は、前記アイスボックスにおいて氷以外の要素が収容される部分に設けられている。開口部は、前記非氷収容部に設けられ、当該非氷収容部の最下部よりも高い位置において前記製氷室の後方奥側に向かって開口する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る冷蔵庫の構成例を概略的に示す正面図
図2】製氷室およびその周辺部分の構成例を概略的に示す縦断側面図
図3】傾斜部およびその周辺部分の構成例を概略的に示すアイスボックスの縦断正面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、冷蔵庫に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する冷蔵庫1は、断熱性を有するキャビネットにより構成されており、その内部に上から順に冷蔵室3、野菜室4が設けられており、野菜室4の下に製氷室5と上部冷凍室6が左右に並んで設けられ、最下部に下部冷凍室7が設けられている。このうち、冷蔵室3と野菜室4は冷蔵温度帯の貯蔵室であり、製氷室5、上部冷凍室6および下部冷凍室7は冷凍温度帯の貯蔵室である。冷蔵庫1は、図示しない周知の冷凍サイクルを備えており、この冷凍サイクルにより生成される冷気が、図示しないファンによる送風作用により各貯蔵室内に供給されるようになっている。
【0009】
これら冷蔵室3、野菜室4、製氷室5、上部冷凍室6および下部冷凍室7は、周知のように前面開口を有し、その前面開口が扉によって開閉される貯蔵室である。冷蔵室3は、左右に並んで設けられ、左端側を軸に回動し、ユーザがタッチ操作する操作パネル8が設けられている左扉3aと、右端側を軸に回動する右扉3bとによって前面開口が開閉される。また、野菜室4、製氷室5、上部冷凍室6および下部冷凍室7は、引き出し式の野菜室扉4a、製氷室扉5a、上部冷凍室扉6aおよび下部冷凍室扉7aによってそれぞれの前面開口が開閉される。
【0010】
図2に例示するように、製氷室5と下部冷凍室7との間は、仕切り部10および底板11により仕切られている。この場合、仕切り部10は、冷蔵庫1の左右方向に沿って延びており、製氷室5と下部冷凍室7との間の前部を仕切っている。底板11は、その仕切り部10の後方側に設けられている。底板11は、製氷室5と下部冷凍室7との間において、仕切り部10を除くほぼ全域の部分を仕切っている。また、底板11の板厚は、仕切り部10の上下方向の寸法よりも薄くなっている。また、底板11は、仕切り部10の上面よりも低い位置に取り付けられている。
【0011】
製氷室5内には、当該製氷室5内に冷気を供給する冷気供給口20が設けられている。冷気供給口20は、この場合、製氷室5の後壁部の上部に設けられている。また、冷気供給口20は、製氷室5の後壁部の上部から前方側つまり製氷室扉5a側に向かって開口している。よって、冷気供給口20から供給される冷気Fは、主として、冷気供給口20の先端部から前方側つまり製氷室扉5a側に向かって流れる。
【0012】
また、製氷室5の内部には、アイスボックス30が収容されている。アイスボックス30は、製氷室5を開閉する引き出し式の製氷室扉5aの裏面に着脱可能に取り付けられており、これにより、アイスボックス30は、製氷室扉5aの開閉に伴い製氷室5から出し入れされるようになっている。アイスボックス30は、製氷室5内の上部に設けられている図示しない製氷機が生成する氷を貯蔵する。
【0013】
次に、アイスボックス30の構成例について詳細に説明する。即ち、アイスボックス30は、氷が収容される氷収容部31、および、図3に例示するアイスシャベル100が収容されるアイスシャベル収容部32を備えている。氷収容部31は、アイスボックス30の殆どの部分を占めており、この場合、アイスボックス30の後方側つまり冷気供給口20が設けられている製氷室5の奥側に設けられている。
【0014】
アイスシャベル収容部32は、アイスボックス30のうち氷収容部31以外の部分を占めており、この場合、アイスボックス30の前方側つまり製氷室扉5a側に設けられている。アイスボックス30の内部には上下方向に延びる仕切り壁33が設けられており、この仕切り壁33により、アイスボックス30の内部は、氷収容部31とアイスシャベル収容部32とに区画されている。アイスシャベル収容部32は、非氷収容部の一例であり、この場合、図3に例示するアイスシャベル100が収容される部分に設けられている。アイスシャベル100は、氷以外の要素の一例である。
【0015】
氷収容部31の底部は、その全体が水平方向に延びる平坦な面となっている。これにより、氷収容部31内のスペースを大きく確保することができ、より多くの氷を貯蔵することができる。なお、氷収容部31の後部には、前方側つまり製氷室扉5a側に向かって膨出する膨出部31aが設けられている。
【0016】
これに対して、アイスシャベル収容部32の底部は、その全体が水平方向に延びる平坦な面とはなっておらず、傾斜部32aおよび膨出部32bを有した構成となっている。傾斜部32aは、アイスシャベル収容部32の底部の後方側つまり製氷室5の奥側に設けられており、その上端部が前方側から後方側に向かって製氷室5の奥側に向かって倒れるようにして傾斜している。また、傾斜部32aは、その基端部である下端部から先端部である上端部に向かって上昇するように傾斜している。また、傾斜部32aの法線方向は、製氷室扉5aや仕切り部10側に向かっておらず、仕切り部10の後方側、つまり、底板11に向かっている。
【0017】
傾斜部32aには、当該傾斜部32aを貫通する開口部32cが設けられている。この開口部32cは、アイスシャベル収容部32の底部の後方側に設けられる傾斜部32aに設けられていることから、前方側である製氷室扉5a側や下方側である仕切り部10側に向かうのではなく、後方側である製氷室5の奥側に向かって、より具体的には、仕切り部10よりも製氷室5の奥側に設けられている底板11に向かって開口する開口部となっている。また、開口部22aは、法線方向が底板11に向かう傾斜部32aに設けられていることから、仕切り部10よりも後方側に存在する底板11に向かって開口する開口部となっている。
【0018】
膨出部32bは、後方側つまり製氷室5の奥側に向かって膨出している。膨出部32bの上部は、前方側から後方側に向かって下降するように傾斜する傾斜面となっており、その傾斜面に沿う先に、傾斜部32aおよび開口部32cが存在する構成となっている。この膨出部32bは、詳しくは後述するように、冷気供給口20から供給される冷気Fを開口部32cに向かって誘導する誘導部として機能する。
【0019】
また、アイスボックス30は、リブ34を備えている。このリブ34は、アイスシャベル収容部32の底部から下方に突出している。また、リブ34は、開口部32cを有する傾斜部32aよりも前方側つまり冷気供給口20側とは反対側である製氷室扉5a側に設けられている。また、リブ34の先端部つまり下端部は、仕切り部10の上面に対し上方から所定の隙間を有して対向する。なお、この所定の隙間の大きさは、適宜変更して設定することができる。
【0020】
また、アイスボックス30は、前方側つまり製氷室扉5a側に前壁部31bを有し、後方側つまり冷気供給口20が設けられている製氷室5の奥側に後壁部31cを有する。前壁部31bは、その全体が閉塞されており、当該前壁部31bを貫通する開口部を有さない構成となっている。後壁部31cは、ほぼ全体が閉塞されているが、その一部に上下方向に延びるスリット31dを有した構成となっている。スリット31dは、図示しない製氷機の検氷レバーを通過させるためのスリットである。アイスボックス30の左右の両壁部は、前方側が高く、後方側が低くなる段差を有した形状となっており、その全体が閉塞された構成となっている。アイスボックス30において、前壁部31bの上下方向の寸法つまりアイスボックス30の底部から当該前壁部31bの上端部までの高さ寸法は、後壁部31cの上下方向の寸法つまりアイスボックス30の底部から当該後壁部31cの上端部までの高さ寸法よりも高くなっている。
【0021】
また、上述した通り、底板11は、仕切り部10の上面よりも低い位置に取り付けられている。そのため、製氷室5内にアイスボックス30が収容された状態では、アイスボックス30の底面と底板11との間に空間が形成される。詳しくは後述するように、この空間は、アイスボックス30の下方において冷気Fが流れる冷気流路40として機能する。
【0022】
図3に例示するように、アイスシャベル収容部32の傾斜部32aには、開口部形成領域Rが設定されており、本実施形態では、この開口部形成領域R内に複数の開口部32cが設けられている。この場合、複数の開口部32cは、冷蔵庫1の左右方向に沿って直線状に配列されている。開口部形成領域Rは、複数の開口部32cを全て含む領域であれば、その大きさを適宜変更して設定することができる。本実施形態では、左右方向の両端部の開口部32cから所定長さのオフセットRaをとった領域を開口部形成領域Rとして設定している。なお、オフセットRaの値は、適宜変更して設定することができる。また、開口部32cの数は、適宜変更して設定することができ、例えば、2つ以上の複数であってもよいし、1つであってもよい。また、開口部32cは、相互に等間隔で設けてもよいし、不等間隔で設けてもよい。また、開口部32cは、複数列、例えば、上下に2列や3列などの複数列で配列してもよい。また、開口部32cの開口形状は、適宜変更して設定することができ、例えば、円形状、楕円形状、スリット状、多角形状など種々の形状を採用することができる。
【0023】
そして、開口部32cが設けられている開口部形成領域Rの幅寸法D1つまり冷蔵庫1の左右方向に沿う寸法D1は、アイスシャベル100の長さD2よりも長くなっている。アイスシャベル100の長さD2は、当該アイスシャベル100の長手方向の長さであり、具体的には、ユーザが把持する把持部100aの基端部から、氷をすくうすくい部100bの先端部までの長さである。
【0024】
次に、冷蔵庫1による製氷室5内での冷気Fの流れについて説明する。即ち、図2に例示するように、冷気供給口20から吹き出される冷気Fは、製氷室5内を前方側つまり製氷室扉5a側に向かって流れる。そして、その冷気Fは、製氷室扉5aの裏面に到達する前にアイスボックス30の前壁部31bにより下方に向かってガイドされて、アイスシャベル収容部32内に向かう。そして、アイスシャベル収容部32内に案内された冷気Fは、アイスシャベル収容部32の底部の開口部32cからアイスボックス30の下方に流出する。このとき、アイスシャベル収容部32に案内された冷気Fの一部は、膨出部32bの傾斜にガイドされて開口部32cに向かう。即ち、膨出部32bは、冷気供給口20から供給される冷気Fを、アイスシャベル収容部32内において開口部32cに向かって誘導する。
【0025】
これにより、冷気供給口20から供給される冷気Fは、アイスシャベル収容部32を経由して開口部32cに向かって流れやすくなる。そして、開口部32cから流出した冷気Fは、アイスボックス30の下方の冷気流路40を流れて製氷室5の奥側に向かう。このとき、開口部32cから流出した冷気Fは、リブ34により遮られることにより当該開口部32cよりも前方側、具体的には、製氷室扉5a側や仕切り部10側には流れにくくなっている。
【0026】
本実施形態に係る冷蔵庫1によれば、製氷室5内に収容されるアイスボックス30は、アイスシャベル100が収容される部分に設けられるアイスシャベル収容部32に、製氷室5の奥側に向かって開口する開口部32cを備えている。この構成によれば、アイスボックス30に供給される冷気Fは、開口部32cから流出して製氷室5の奥側に向かって流れやすくなる。従って、冷気供給口20から製氷室5内に供給される冷気Fが製氷室扉5aや仕切り部10に直接的に当たってしまうことを回避することができ、製氷室扉5aや仕切り部10に結露が発生してしまうことを防止することができる。
【0027】
また、冷蔵庫1によれば、アイスシャベル収容部32は、法線方向が製氷室扉5a側や仕切り部10側に向かっていない傾斜部32aを有し、アイスボックス30に供給される冷気Fを流出させる開口部32cは、その傾斜部32aに設けられている。この構成によれば、開口部32cから流出する冷気Fが製氷室扉5a側や仕切り部10側に向かうことを一層回避することができ、製氷室扉5aや仕切り部10に結露が発生してしまうことを一層防止することができる。
【0028】
また、冷蔵庫1によれば、傾斜部32aの法線方向が製氷室扉5a側や仕切り部10側に向かっていないことから、この傾斜部32aに設けられる開口部32cの開口方向も製氷室扉5a側および仕切り部10側の双方に向かわない方向とすることができる。よって、開口部32cから流出する冷気Fが製氷室扉5a側や仕切り部10側に向かうことを一層回避することができ、製氷室扉5aや仕切り部10に結露が発生してしまうことを一層防止することができる。
【0029】
また、冷蔵庫1によれば、開口部32cは、アイスボックス30の下方の底板11に向かって開口している。この構成によれば、開口部32cから流出する冷気Fを、製氷室扉5a側や仕切り部10側ではなく、アイスボックス30の下方の底板11側に導くことができる。よって、開口部32cから流出する冷気Fが製氷室扉5a側や仕切り部10側に向かうことを一層回避することができ、製氷室扉5aや仕切り部10に結露が発生してしまうことを一層防止することができる。
【0030】
さらに、冷蔵庫1によれば、その底板11が仕切り部10よりも低い位置に設けられていることにより、アイスボックス30の底面と底板11の上面との間に冷気流路40が形成されている。この構成によれば、開口部32cから流出する冷気Fを、製氷室扉5a側や仕切り部10側ではなく、冷気流路40を通して製氷室5内の奥側に効率良く導くことができる。
【0031】
また、冷蔵庫1によれば、アイスボックス30は、開口部32cよりも前方側つまり製氷室5の奥側とは反対側の位置にリブ34を備えている。この構成によれば、開口部32cから流出する冷気Fを、前方側ではなく、後方側つまり製氷室扉5a側や仕切り部10側に向かわない側に導きやすくすることができ、製氷室扉5aや仕切り部10に結露が発生してしまうことを一層防止することができる。
【0032】
また、冷蔵庫1によれば、膨出部32bは、冷気供給口20から供給される冷気Fを、アイスシャベル収容部32内において開口部32cに向かって誘導する誘導部として機能する。この構成によれば、製氷室扉5aや仕切り部10の近傍に位置するアイスシャベル収容部32内において冷気Fが滞留してしまうことを回避することができ、アイスシャベル収容部32およびその周辺部分、換言すれば製氷室扉5aや仕切り部10の近傍が過剰に冷却されてしまうことを回避することができ、製氷室扉5aや仕切り部10に結露が発生してしまうことを一層防止することができる。
【0033】
また、冷蔵庫1によれば、アイスシャベル収容部32において開口部32cが設けられている開口部形成領域Rは、当該アイスシャベル収容部32内に収容されるアイスシャベル100の長さよりも長くなっている。この構成によれば、開口部形成領域R内の開口部32cの全体がアイスシャベル100によって塞がれてしまうことを回避することができ、開口部32cを通した冷気Fの流れを良好に維持することができる。
【0034】
また、冷蔵庫1によれば、アイスボックス30において、前壁部31bは、閉塞されており、且つ、後壁部31cよりも高くなっている。アイスボックス30の前壁部31bは、製氷室扉5aの裏側に対向する壁部であり、この前壁部31bが閉塞されていることにより、冷気供給口20から供給される冷気Fが製氷室扉5aの裏面に直接的に当たってしまうことを防止することができる。また、アイスボックス30の後壁部31cは、冷気供給口20が設けられている製氷室5の後壁部に対向する壁部であり、この後壁部31cが、少なくとも前壁部31bよりも低くなっていることにより、冷気供給口20が後壁部31cによって塞がれてしまうことを回避することができ、冷気供給口20から製氷室5内、ひいては、アイスボックス30内への冷気Fの流路を十分に確保することができる。
【0035】
なお、本実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように拡張または変形することができる。例えば、開口部32cは、アイスボックス30の側面に設けてもよい。この場合、アイスボックス30の側面のうち開口部32cを設ける部分を、法線方向が製氷室扉5aや仕切り部10に向かわない方向となるように傾斜する傾斜部とすることにより、製氷室扉5aや仕切り部10に結露が発生してしまうことを一層防止することができる。
【0036】
本実施形態に係る冷蔵庫は、アイスボックスにおいて氷以外の要素が収容される部分に設けられる非氷収容部に、製氷室の奥側に向かって開口する開口部を備えている。この構成によれば、冷気供給口から製氷室内に供給される冷気が製氷室扉や仕切り部に直接的に当たってしまうことを回避することができ、製氷室扉や仕切り部に結露が発生してしまうことを防止することができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
図面中、1は冷蔵庫、5は製氷室、5aは製氷室扉、10は仕切り部、11は底板、20は冷気供給口、30はアイスボックス、31bは前壁部(製氷室の奥側とは反対側の壁部)、31cは後壁部(製氷室の奥側の壁部)、32はアイスシャベル収容部(非氷収容部)、32aは傾斜部、32bは膨出部(誘導部)、32cは開口部、34はリブ、40は冷気流路、100はアイスシャベルを示す。
図1
図2
図3