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特許6993804マスク組立体、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法、及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】マスク組立体、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/10 20060101AFI20220106BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220106BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220106BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220106BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20220106BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220106BHJP
   C23C 14/04 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
H05B33/10
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
G09F9/00 338
C23C14/04 A
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2017148027
(22)【出願日】2017-07-31
(65)【公開番号】P2018026344
(43)【公開日】2018-02-15
【審査請求日】2020-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2016-0100880
(32)【優先日】2016-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】洪 宰 敏
(72)【発明者】
【氏名】權 ハヌル
(72)【発明者】
【氏名】金 柾 勳
(72)【発明者】
【氏名】兪 慈 京
(72)【発明者】
【氏名】李 守 珍
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-296436(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0165464(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0059225(KR,A)
【文献】特開2012-132096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/10
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/12
H05B 33/22
G09F 9/00
C23C 14/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクフレームと、
前記マスクフレームの一側からその対向側へと掛け渡されて、両端部が前記マスクフレームに取り付けられ、それぞれ、両端部を除き複数個の開口部が配列された少なくとも2つのマスクシートと、
前記マスクシートと交差するように前記マスクフレームの他の一側からその対向側へと掛け渡されるとともに、互いに離隔されるようにして、両端部が前記マスクフレームに取り付けられ、前記マスクシートの複数個の開口部のうちの一部を遮蔽する少なくとも2つの遮蔽薄板と、を含み、
前記各マスクシートには、前記複数個の開口部の配列領域が、前記遮蔽薄板との交差箇所により区切られて、複数の蒸着領域が形成されており、
前記マスクシート及び前記遮蔽薄板の少なくとも一方は、前記各蒸着領域について、長方形または正方形から、少なくとも隅角部が少なくとも部分的に省かれた形状となるようにする遮蔽部、を含み、
前記遮蔽部は、前記遮蔽薄板の一部として、前記蒸着領域の側へと突設される第1遮蔽部を含むマスク組立体。
【請求項2】
マスクフレームと、
前記マスクフレームの一側からその対向側へと掛け渡されて、両端部が前記マスクフレームに取り付けられ、それぞれ、両端部を除き複数個の開口部が配列された少なくとも2つのマスクシートと、
前記マスクシートと交差するように前記マスクフレームの他の一側からその対向側へと掛け渡されるとともに、互いに離隔されるようにして、両端部が前記マスクフレームに取り付けられ、前記マスクシートの複数個の開口部のうちの一部を遮蔽する少なくとも2つの遮蔽薄板と、を含み、
前記各マスクシートには、前記複数個の開口部の配列領域が、前記遮蔽薄板との交差箇所により区切られて、複数の蒸着領域が形成されており、
前記マスクシート及び前記遮蔽薄板の少なくとも一方は、前記各蒸着領域について、長方形または正方形から、少なくとも隅角部が少なくとも部分的に省かれた形状となるようにする遮蔽部、を含み、
前記遮蔽部は、前記遮蔽薄板の一部として、前記蒸着領域の側へと突設される第1遮蔽部と、前記開口部が省かれた領域、または、前記開口部に代えて非貫通孔が配置された領域として、前記マスクシートに具備された第2遮蔽部と、を含み、
前記第1遮蔽部と前記第2遮蔽部は、少なくとも一部分が互いに重なり合うように配置されマスク組立体。
【請求項5】
前記蒸着領域は、長方形または正方形から、少なくとも一部の隅角部にて、角を丸めるか、もしくは面取りして得られる形状であるか、長円形、楕円形もしくは円形であるか、または、六角形、八角形、台形、三角形もしくはその他の、長方形または正方形でない多角形であること、を特徴とする、請求項1~のいずれかに記載のマスク組立体。
【請求項6】
前記遮蔽部は、前記複数個の開口部のうち、前記蒸着領域の境界に配置された前記少なくとも1つの開口部について、その少なくとも一部分を遮蔽すること、を特徴とする、請求項1~のいずれかに記載のマスク組立体。
【請求項7】
前記マスクシートと前記遮蔽薄板は、互いに異なる材質から形成されること、を特徴とする、請求項1~のいずれかに記載のマスク組立体。
【請求項8】
マスクフレームと、
前記マスクフレームの一側からその対向側へと掛け渡されて、両端部が前記マスクフレームに取り付けられ、それぞれ、両端部を除き複数個の開口部が配列された少なくとも2つのマスクシートと、
前記マスクシートと交差するように前記マスクフレームの他の一側からその対向側へと掛け渡されるとともに、互いに離隔されるようにして、両端部が前記マスクフレームに取り付けられ、前記マスクシートの複数個の開口部のうちの一部を遮蔽する少なくとも2つの遮蔽薄板と、を含み、
前記各マスクシートには、前記複数個の開口部の配列領域が、前記遮蔽薄板との交差箇所により区切られて、複数の蒸着領域が形成されており、
前記マスクシート及び前記遮蔽薄板の少なくとも一方は、前記各蒸着領域について、長方形または正方形から、少なくとも隅角部が少なくとも部分的に省かれた形状となるようにする遮蔽部、を含み、
前記開口部は、直線状に延びる前記マスクシートの両端部及び両縁部を除き、前記マスクシートの全面にわたって配列されたマスク組立体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載のマスク組立体と、
前記マスク組立体と対向するように配置され、蒸着物質を供給するソース部と、
前記マスク組立体を基準に、前記ソース部と反対側に配置され、前記マスク組立体をディスプレイ基板に近接させる磁力部と、を含み、
前記マスク組立体は、
マスクフレームと、を含む表示装置の製造装置。
【請求項10】
ディスプレイ基板に対向するように請求項1~8のいずれかに記載のマスク組立体を配置するステップと、
磁力部で、前記マスク組立体を前記ディスプレイ基板の側に密着させるステップと、
ソース部から蒸着物質を噴射し、前記マスク組立体における前記蒸着領域を通過させ、前記ディスプレイ基板に蒸着するステップと、を含む表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記蒸着物質は、真空状態で、前記ディスプレイ基板に蒸着されること、を特徴とする請求項10に記載の表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記蒸着領域の境界に配置された前記開口部を介して蒸着される前記蒸着物質は、前記ディスプレイ基板の非発光領域に蒸着されること、を特徴とする、請求項10または11に記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
ディスプレイ基板に対向するように、請求項1~8のいずれかに記載のマスク組立体を配置するステップと、
磁力部で、前記マスク組立体を前記ディスプレイ基板の側に密着させるステップと、
ソース部から蒸着物質を噴射し、前記マスク組立体における前記蒸着領域を通過させ、前記ディスプレイ基板に、有機発光層を含む複数層の中間層を形成して前記蒸着領域に対応する表示領域を形成するとともに、前記ディスプレイ基板の画素定義膜上にダミー中間層を形成するステップと、を含むこと、を特徴とする、表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記中間層のパターンの面積と、前記ダミー中間層のパターンの面積とは、互いに異なること、を特徴とする、請求項13に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記ダミー中間層のパターンの面積は、前記中間層のパターンの面積より小さく形成されること、を特徴とする、請求項13または14に記載の表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記中間層と前記ダミー中間層は、同一材質であること、を特徴とする、請求項13~15のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記ダミー中間層のパターンは、非発光領域に配置されること、を特徴とする、請求項13~16のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記中間層のパターンと前記ダミー中間層のパターンは、それぞれ複数個具備され、
前記複数個のダミー中間層のパターンは、前記複数個の中間層のパターンが配列された領域の外郭に沿って、その外側に配列されること、を特徴とする、請求項1317のいずれかに記載の表示装置の製造方法
【請求項19】
前記複数個のダミー中間層のパターンは、前記遮蔽部により遮蔽される領域と、前記、前記複数個の中間層のパターンが配列された領域との間に配置される請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記遮蔽薄板は、直線状に延びる薄板であって、両端が、口の字状である前記マスクフレームの上面に載せ置かれるようにして取り付けられる請求項18または19に記載の表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記開口部は、直線状に延びる前記マスクシートの両端部及び両縁部を除き、全体にわたって前記マスクシートの全面にわたって配列される請求項18~20のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、マスク組立体、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動性に優れる電子機器が幅広く使用されている。移動型電子機器としては、モバイルフォンのような小型電子機器以外にも、近年では、タブレットPC(personalcomputer)などが広く使用されている。
【0003】
上記のような移動型電子機器は、多様な機能をサポートするために、また、イメージや映像のような視覚情報をユーザに提供するために、表示装置を含む。また、近年では、表示装置を駆動するための部品の小型化に伴い、移動型電子機器における表示装置の比重がだんだんと増大しており、平らな状態で所定の角度を有するように曲げることができる構造も開発されている。
【0004】
一方、既存のマスク組立体を利用する場合、表示装置の表示領域は、長方形または正方形に限定され、多様な製品への適用が困難であるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、多様な形態の表示装置を製作することが可能なマスク組立体、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法、及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、(1)マスクフレームと、(2)前記マスクフレームの一側からその対向側へと掛け渡されて、両端部が前記マスクフレームに取り付けられ、それぞれ、両端部を除き複数個の開口部が配列された少なくとも2つのマスクシートと、(3)前記マスクシートと交差するように前記マスクフレームの他の一側からその対向側へと掛け渡されるとともに、互いに離隔されるようにして、両端部が前記マスクフレームに取り付けられ、前記マスクシートの複数個の開口部のうちの一部を遮蔽する少なくとも2つの遮蔽薄板と、を含み、(4)前記各マスクシートには、前記複数個の開口部の配列領域が、前記遮蔽薄板との交差箇所により区切られて、複数の蒸着領域が形成されており、前記マスクシート及び前記遮蔽薄板の少なくとも一方は、前記各蒸着領域について、長方形または正方形から、少なくとも隅角部が少なくとも部分的に省かれた形状となるようにする遮蔽部、を含むマスク組立体が提供される。
【0007】
前記遮蔽部は、前記遮蔽薄板の一部として、前記蒸着領域側に突設される第1遮蔽部を含んでもよい。
【0008】
前記遮蔽部は、前記開口部が省かれた領域、または、前記開口部に代えて非貫通孔が配置された領域として、前記マスクシートに具備された第2遮蔽部を含んでもよい。
【0009】
前記遮蔽部は、前記遮蔽薄板の一部として、前記蒸着領域側に突設される第1遮蔽部と、前記開口部が省かれた領域、または、前記開口部に代えて非貫通孔が配置された領域として、前記マスクシートに具備された第2遮蔽部と、を含んでもよい。
【0010】
前記第1遮蔽部と前記第2遮蔽部は、少なくとも一部分が互いに重畳するように配置されてもよい。
【0011】
前記第2遮蔽部の少なくとも一部分の厚みは、前記マスクシートの厚みより薄くてもよい。
【0012】
前記遮蔽部は、前記複数個の開口部のうち、前記蒸着領域の境界に配置された前記少なくとも1つの開口部について、その少なくとも一部分を遮蔽してもよい。
【0013】
前記マスクシートと前記遮蔽薄板は、互いに異なる材質から形成されてもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記のとおりのマスク組立体と、前記マスク組立体と対向するように配置され、蒸着物質を供給するソース部と、前記マスク組立体を基準に、前記ソース部と反対側に配置され、前記マスク組立体をディスプレイ基板に近接させる磁力部と、を含む表示装置の製造装置が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ディスプレイ基板に対向するように上記のとおりのマスク組立体を配置するステップと、磁力部で、前記マスク組立体を前記ディスプレイ基板側に密着させるステップと、ソース部から蒸着物質を噴射し、前記マスク組立体を通過させ、前記ディスプレイ基板に蒸着するステップと、を含む表示装置の製造方法が提供される。
【0016】
前記蒸着物質は、真空状態で、前記ディスプレイ基板に蒸着されてもよい。
【0017】
前記蒸着領域の境界に配置された前記開口部を介して蒸着される前記蒸着物質は、前記ディスプレイ基板の非発光領域に蒸着されてもよい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ディスプレイ基板に対向するように上記のとおりのマスク組立体を配置するステップと、磁力部で、前記マスク組立体を前記ディスプレイ基板側に密着させるステップと、ソース部から蒸着物質を噴射し、前記マスク組立体を通過させ、前記ディスプレイ基板に複数層の中間層を形成して表示領域を形成しながら、前記ディスプレイ基板の画素定義膜上にダミー中間層を形成するステップと、を含み、前記表示領域は、長方形及び正方形以外の形状であること、を特徴とする、表示装置の製造方法が提供される。
【0019】
前記中間層のパターンの面積と、前記ダミー中間層のパターンの面積は、異なってもよい。
【0020】
前記ダミー中間層のパターンの面積は、前記中間層のパターンの面積より小さく形成されてもよい。
【0021】
前記中間層と前記ダミー中間層は、同一材質であってもよい。
【0022】
前記ダミー中間層のパターンは、非発光領域に配置されてもよい。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ディスプレイ基板と、前記ディスプレイ基板上に配置され、一部が開口した画素定義膜と、前記画素定義膜の開口した部分に配置される中間層と、前記画素定義膜上に配置されたダミー中間層と、を含む表示装置が提供される。
【0024】
前記中間層のパターンと、前記ダミー中間層のパターンの面積は、互いに異なってもよい。
【0025】
前記ダミー中間層のパターンの面積は、前記中間層のパターンの面積より小さく形成されてもよい。
【0026】
前記ダミー中間層のパターンは、非発光領域に配置されてもよい。
【0027】
前記中間層と前記ダミー中間層は、同一物質であってもよい。
【0028】
前記中間層のパターンと前記ダミー中間層のパターンは、それぞれ複数個具備され、前記複数個のダミー中間層のパターンは、前記複数層の中間層のパターンが配列された領域の外郭に沿って、その外側に配列されてもよい。
【0029】
前記中間層パターンは、複数個具備され、前記複数個の中間層パターンは、互いに離隔されるように配列され、長方形または正方形から、少なくとも隅角部が少なくとも部分的に省かれた形状の表示領域を形成してもよい。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように本発明によれば、多様な形態の表示装置を製作することが可能となる。また、本発明によれば、長方形または正方形ではない形態を蒸着することが可能となる。また、また、本発明によれば、ディスプレイ基板とマスクシートとの間隔を均一にさせることにより、蒸着効率及び蒸着精密性を向上させることができる。また、本発明によれば、蒸着時に発生する蒸着不良を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1の実施形態に係るマスク組立体を示す斜視図である。
図2図1に示されるマスクシート及び遮蔽薄板の平面図である。
図3図1に示されるマスク組立体を含む表示装置の製造装置に係る断面図である。
図4図3に示される表示装置の製造装置により製造された表示装置を示す平面図である。
図5図4に示されるV-V’線に沿って切り取った表示装置の断面図である。
図6図5に示される中間層とダミー中間層との配列を示す平面図である。
図7】本発明の第2の実施形態によるマスク組立体を示す斜視図である。
図8図7に示されるマスクシート及び遮蔽薄板の平面図である。
図9図8に示されるIX-IX’線に沿って切り取ったマスクシートの断面図である。
図10図7に示されるマスク組立体を含む表示装置の製造装置を示す断面図である。
図11図10に示される表示装置の製造装置により蒸着された、中間層とダミー中間層との配列を示す平面図である。
図12】本発明の第3の実施形態によるマスク組立体を示す斜視図である。
図13図12に示されるマスクシート及び遮蔽薄板の平面図である。
図14図12に示されるマスク組立体を含む表示装置の製造装置の断面図である。
図15図14に示される表示装置の製造装置により蒸着された、中間層及びダミー中間層の配列を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0033】
また、本発明は、多様に変形でき、さまざまな実施形態を有することができるが、以下の説明においては、特定の一実施形態を図面に例示し、詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照すれば明確となる。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態によっても具現され得る。
【0034】
また、以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用される。
【0035】
また、以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明確に異なった意味を持たない限り、複数の表現を含み得る。
【0036】
また、以下の実施形態において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。
【0037】
また、以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などの部分が、他の部分の上に、または上部にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0038】
また、図面では、説明の便宜のために、構成要素の大きさが誇張されていることもあり、縮小されていることもある。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されており、本発明は、必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
【0039】
また、以下の実施形態において、x軸、y軸及びz軸は、直交座標系上の3つの軸に限定されるものではなく、それを含む広い意味に解釈されてもよい。例えば、x軸、y軸及びz軸は、互いに直交することもあるが、互いに直交しない異なる方向を指してもよい。
【0040】
また、ある実施形態が変形のうえ具現可能な場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なって遂行されてもよい。例えば、連続して説明される2つの工程が、実質的に同時に遂行されてもよく、あるいは説明される順序と反対の順序に進められてもよい。
【0041】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマスク組立体を示す斜視図である。また、図2は、図1に示されるマスクシート及び遮蔽薄板の平面図である。また、図3は、図1に示されるマスク組立体を含む表示装置の製造装置に係る断面図である。
【0042】
図1ないし図3を参考すれば、マスク組立体150は、マスクフレーム151、マスクシート152、遮蔽薄板153及び支持フレーム154を含んでよい。
【0043】
マスク組立体150は、通常、内部に空間が形成されるように、複数個のフレームが互いに連結されて形成される。
【0044】
マスクシート152は、少なくとも2個以上具備され、少なくとも2個以上のマスクシート152は、互いに離隔されるように、マスクフレーム151に取り付けられる。図示の実施形態において、各マスクシート152は、長方形のマスクフレーム151における一方の長辺の部分から、これに対向する長辺の部分へと、図1のX軸方向に掛け渡され、両端部がこれら長辺部分に取り付けられる。この際、マスクシート152は、その直線状の両縁が、接するか、または、ほぼ接するようにして、第1方向(図示の実施形態では、図1のY軸方向)に配列されてもよい。
【0045】
また、マスクシート152には、その両端部を除き、長手方向の全領域にわたって、それぞれ貫通孔をなす複数個の開口部152-1が、マトリクス状に配列されるように形成されてもよい。この際、複数個の開口部152-1は、長手方向及び幅方向に、互いに一定間隔で離隔されるように配置され、マスクシート152の全面、または、その両端部を除く全面に形成されてもよい。
【0046】
複数個の開口部152-1は、蒸着領域S内部に配置される第1開口部152-1Aと、蒸着領域Sの縁に配列される第2開口部152-1Bと、を含んでもよい。
【0047】
遮蔽薄板153は、マスクシート152と交差するように、マスクフレーム151に取り付けられる。図示の実施形態において、各遮蔽薄板153は、長方形のマスクフレーム151における一方の短辺の部分から、これに対向する短辺の部分へと、図1のY軸方向に掛け渡され、両端部がこれら短辺部分に取り付けられる。遮蔽薄板153は、複数枚具備され、マスクフレーム151に、互いに離隔されるように取り付けられてもよい。また、各マスクシート152における、互いに離隔されるように配置された遮蔽薄板153同士の間の領域は、蒸着領域Sとして定義(領域または形状の決定が)されてもよい。特に、上記のような蒸着領域Sは、長方形または正方形から、少なくとも隅角部が少なくとも部分的に省かれた形状を有することができる。例えば、蒸着領域Sは、長方形または正方形から、少なくとも一部の隅角部にて、角を丸めるか、もしくは面取りして得られる形状などであってもよく、長円形(race track shape; 小判形)、楕円形もしくは円形などであってもよく、六角形、八角形、台形、三角形もしくはその他の、長方形または正方形でない多角形などであってもよい。図示の実施形態では、四隅の角を丸めた長方形である。図1~2に示す蒸着領域Sは、図4に示す表示領域DAに対応する。
【0048】
遮蔽薄板153は、マスクフレーム151の短辺部分に取り付けられる両端部の間を直線状に延びる遮蔽薄板ボディ部153-1と、遮蔽薄板ボディ部153-1からその幅方向(図1のX軸方向)に突出する第1遮蔽部153-2と、を含んでもよい。
【0049】
遮蔽薄板ボディ部153-1は、直線状のプレートとして形成されてもよい。この際、遮蔽薄板ボディ部153-1は、マスクシート152の長手方向(例えば、図1のX軸方向)と垂直の方向(図1のY軸方向、すなわち、上述した第1方向)に延びるのであってもよい。すなわち、図示の実施形態によると、遮蔽薄板ボディ部153-1は、直線状で等幅のマスクシート152に直交して配置される、同様に直線状で等幅のプレートである。
【0050】
第1遮蔽部153-2は、遮蔽薄板ボディ部153-1からマスクシート152の長手方向に突設されてもよい。この際、第1遮蔽部153-2は、遮蔽薄板ボディ部153-1と共に、蒸着領域Sの形状の縁(境界)を定義することができる。特に、第1遮蔽部153-2は、蒸着領域Sの縁のうち、遮蔽薄板ボディ部153-1と一定の角度をなす部分や、曲率を有するように湾曲した部分などを定義することができる。
【0051】
第1遮蔽部153-2は、蒸着領域Sを上記のような形状とすべく、マスクシート152の両縁部と、2つの遮蔽薄板ボディ部153-1とに囲まれた、長方形または正方形の領域内にマトリクス状に配置された複数個の開口部152-1のうち、一部を遮蔽することができる。例えば、第1遮蔽部153-2は、上記の長方形または正方形の領域内にあって、遮蔽薄板ボディ部153-1の縁の近傍に配列された第2開口部152-1Bのうち、一部を遮蔽することができる。このような場合、蒸着物質は、第2開口部152-1Bのうちの、一部のもののみを通過することができる。
【0052】
また、上記の遮蔽薄板153とマスクシート152は、互いに異なる材質から形成されてもよい。例えば、遮蔽薄板153は、オーステナイト系ステンレス鋼(austenitic stainless steel)を含んでもよく、マスクシート152は、ニッケル-鉄合金(Invar)を含んでもよい。
【0053】
また、上記の遮蔽薄板153とマスクシート152は、マスクフレーム151に、引っ張られた状態で固定され得る。この際、遮蔽薄板153とマスクシート152は、マスクフレーム151に溶接により固定されうる。
【0054】
支持フレーム154は、互いに隣接するマスクシート152の縁の間の間隙または突合せ部に沿って延びるように配置されてもよい。また、各支持フレーム154は、図3に示すように、両端がマスクフレーム151の内側に来るように、マスクフレーム151内に嵌め込むようにして取り付けられうる。この際、支持フレーム154は、マスクシート152の間の間隔を遮蔽し、マスクシート152を支持することにより、マスクシート152の反りを防止することができる。なお、支持フレーム154は、特には細幅の棒状の部材であり、マスクシート152の両縁部、すなわち、開口部152-1が設けられない領域と、重ねられるように配置して取り付けることができる。
【0055】
表示装置の製造装置100は、チャンバー110、第1支持部120、第2支持部130、マスク組立体150、ソース部140、磁力部160、撮影部170及び圧力調節部180を含んでよい。
【0056】
チャンバー110は、内部に空間が形成され、また、一部が開口されてもよい。この際、チャンバー110の開口された部分には、ゲート弁110-1が設けられる。このような場合、ゲート弁110-1の作動によって、チャンバー110の開口された部分が開閉される。
【0057】
第1支持部120は、載置されるディスプレイ基板Dを支持することができる。この際、第1支持部120は、チャンバー110内部に固定されたブラケット状であってもよい。また、他の例としては、第1支持部120は、ディスプレイ基板Dが載置され、チャンバー110内部において線形運動可能なシャトル状であってもよい。以下では、説明の便宜のために、第1支持部120は、チャンバー110内部に固定されるブラケット状である場合を中心に詳細に説明する。
【0058】
第2支持部130には、マスク組立体150が載置されてもよい。この際、第2支持部130は、チャンバー110内部に配置されてもよい。第2支持部130は、マスク組立体150の位置を微細に調整することができる。この際、第2支持部130は、マスク組立体150を互いに異なる方向に移動できるように、別途の駆動部あるいはアラインユニットなどを具備することができる。
【0059】
ソース部140は、マスク組立体150と対向するように配置されてもよい。この際、ソース部140には、蒸着物質が収納され、蒸着物質に熱を加えることにより、蒸着物質を蒸発させたり昇華させたりすることができる。
【0060】
磁力部160は、ディスプレイ基板Dと対向するように、チャンバー110内部に配置されてもよい。この際、磁力部160は、マスクシート152に磁力を加え、マスク組立体150をディスプレイ基板D側に吸着することができる。特に、磁力部160は、マスクシート152の反りを防止するだけではなく、マスクシート152をディスプレイ基板Dに隣接させることができる。また、磁力部160は、マスクシート152とディスプレイ基板Dとの間隔を、マスクシート152の長手方向に対して均一に維持させることができる。
【0061】
撮影部170は、チャンバー110に設けられ、ディスプレイ基板Dとマスク組立体150との位置を撮影することができる。この際、撮影部170は、ディスプレイ基板D及びマスク組立体150を撮影するカメラを含んでもよい。撮影部170で撮影されたイメージを基に、ディスプレイ基板Dとマスク組立体150との位置を把握することができ、また、当該イメージを基に、第2支持部130において、マスク組立体150の位置を微細に調整することができる。
【0062】
圧力調節部180は、チャンバー110と連結され、チャンバー110内部の圧力を調節することができる。例えば、圧力調節部180は、チャンバー110内部の圧力を、大気圧と同一、または近似のレベルに調節することができる。また、圧力調節部180は、チャンバー110内部の圧力を、真空状態と同一、あるいは近似のレベルに調節することができる。
【0063】
圧力調節部180は、チャンバー110と連結される連結配管181と、連結配管181に設けられるポンプ182を含んでもよい。この際、ポンプ182の作動によって、連結配管181を介して、外気を流入させるか、あるいはチャンバー110内部の気体を、連結配管181を介して、外部に排出することができる。
【0064】
一方、上述のような表示装置の製造装置100は、下記で説明する表示装置(図示せず)の製造にも使用される。具体的には、圧力調節部180が、チャンバー110内部を大気圧と同一、あるいは近似した状態にすることで、ゲート弁110-1が作動し、チャンバー110の開口された部分を開放することができる。
【0065】
その後、ディスプレイ基板Dを、チャンバー110外部から内部に装入することができる。この際、ディスプレイ基板Dは、多様な方式で、チャンバー110に装入される。例えば、ディスプレイ基板Dは、チャンバー110外部に配置されたロボットアームなどにより、チャンバー110外部からチャンバー110内部に装入される。また、他の例としては、第1支持部120がシャトル状に形成される場合、第1支持部120が、チャンバー110内部からチャンバー110外部に搬出された後、チャンバー110外部に配置された別途のロボットアームなどにより、ディスプレイ基板Dを、第1支持部120に載置させ、第1支持部120が、チャンバー110外部からチャンバー110内部に装入することも可能である。以下では、説明の便宜のために、チャンバー110外部に配置されたロボットアームにより、ディスプレイ基板Dが、チャンバー110外部からチャンバー110内部に装入される場合を中心に詳細に説明する。
【0066】
マスク組立体150は、上記のように、チャンバー110内部に配置された状態であってもよい。また、他の例としては、マスク組立体150は、ディスプレイ基板Dと同様あるいは類似の方法により、チャンバー110外部からチャンバー110内部に装入されてもよい。ただし、以下では、説明の便宜のために、マスク組立体150は、チャンバー110内部に配置された状態で、ディスプレイ基板Dだけが、チャンバー110外部からチャンバー110内部に装入される場合を中心に詳細に説明する。
【0067】
ディスプレイ基板Dがチャンバー110内部に装入されれば、ディスプレイ基板Dは、第1支持部120に載置される。この際、撮影部170は、ディスプレイ基板Dとマスク組立体150との位置を撮影することができる。特に、撮影部170は、ディスプレイ基板Dの第1アラインマーク、及びマスク組立体150の第2アラインマークを撮影することができる。
【0068】
また、上記のように撮影された第1アラインマーク及び第2アラインマークを基に、ディスプレイ基板Dとマスク組立体150との位置を把握することができる。この際、表示装置の製造装置100には、別途の制御部(図示せず)が具備され、ディスプレイ基板Dとマスク組立体150との位置を把握することができる。
【0069】
また、ディスプレイ基板Dとマスク組立体150との位置把握が完了すれば、第2支持部130は、マスク組立体150の位置を微細に調整することができる。
【0070】
その後、ソース部140が作動し、蒸着物質をマスク組立体150側に供給し、複数個の開口部152-1を通過した蒸着物質は、ディスプレイ基板Dに蒸着される。この際、ポンプ182が、チャンバー110内部の気体を吸入して外部に排出することにより、チャンバー110内部の圧力を、真空と同一、あるいは近似した状態に維持することができる。
【0071】
上記のような場合、蒸着物質は、蒸着領域Sに配置された第1開口部152-1Aを通過し、ディスプレイ基板Dに蒸着される。また、蒸着物質は、蒸着領域Sの縁に配置された第2開口部152-1Bの一部を通過し、ディスプレイ基板Dに蒸着される。このような場合、蒸着領域Sは、長方形または正方形以外の形状を有することができる。
【0072】
従って、マスク組立体150、表示装置の製造装置100、及び表示装置の製造方法は、長方形または正方形以外の形状を有する表示領域をディスプレイ基板Dに蒸着することが可能である。
【0073】
一方、以下では、上記のようなマスク組立体150、表示装置の製造装置100、及び表示装置の製造方法を介して製造された表示装置について詳細に説明する。
【0074】
図4は、図3に示される表示装置の製造装置により製造された表示装置を示す平面図である。また、図5は、図4に示されるV-V’線に沿って切り取った表示装置の断面図である。また、図6は、図5に示される中間層とダミー中間層との配列を示す平面図である。
【0075】
図4ないし図6を参考すれば、表示装置20は、基板21上で、表示領域DAと、表示領域DAの外郭の非表示領域NDAとを定義することができる。表示領域DAには、発光部が配置され、非表示領域には、電源配線(図示せず)などが配置される。また、非表示領域には、パッド部Cが配置される。
【0076】
また、表示装置20は、ディスプレイ基板D、ディスプレイ基板D上に配置された中間層28-2及びダミー中間層O、並びに中間層28-2及びダミー中間層Oの上に配置された対向電極28-3を含んでもよい。また、表示装置20は、対向電極28-3の上部に形成される薄膜封止層Eを含んでもよい。
【0077】
ディスプレイ基板Dは、基板21、薄膜トランジスタ(TFT)、パッシベーション膜27及び画素電極28-1を含んでもよい。
【0078】
基板21には、プラスチック材を使用することができ、また、ステンレス鋼(SUS;Steel Use Stainless)、チタン(Ti)またはその合金といった金属材を使用することもできる。また、基板21には、ポリイミド(PI)を使用することも可能である。以下では、説明の便宜のために、基板21がポリイミドから形成される場合を中心に詳細に説明する。
【0079】
基板21上に、該薄膜トランジスタ(TFT)が形成され、該薄膜トランジスタ(TFT)を覆うように、パッシベーション膜27が形成され、該パッシベーション膜27上に、有機発光素子28が形成される。
【0080】
基板21の上面には、有機化合物と無機化合物の両方、またはいずれか一方からなるバッファ層22がさらに形成されるが、バッファ層22は、SiOx(x≧1)、SiNx(x≧1)から形成されてもよい。
【0081】
バッファ層22上に、所定パターンに配列された活性層23が形成された後、活性層23が、ゲート絶縁層24によって埋め込まれる。活性層23は、ソース領域23-1及びドレイン領域23-3を有し、その間にチャネル領域23-2をさらに含む。
【0082】
上記のような活性層23は、多様な物質を含むように形成される。例えば、活性層23は、非晶質シリコンまたは結晶質シリコンのような無機半導体物質を含んでもよい。また、他の例としては、活性層23は、酸化物半導体を含んでもよい。さらに他の例としては、活性層23は、有機半導体物質を含んでもよい。ただし、以下では、説明の便宜のために、活性層23が非晶質シリコンから形成される場合を中心に詳細に説明する。
【0083】
上記のような活性層23は、バッファ層22上に、非晶質シリコン膜を形成した後、当該非晶質シリコン膜を結晶化させて多結晶質シリコン膜を形成し、当該多結晶質シリコン膜をパターニングすることで形成することができる。また、活性層23のソース領域23-1及びドレイン領域23-3は、駆動TFT(図示せず)、スイッチングTFT(図示せず)などのTFTの種類によって、不純物によりドーピングされる。
【0084】
ゲート絶縁層24の上面には、活性層23と対応するゲート電極25と、ゲート電極25を埋め込む層間絶縁層26が形成される。
【0085】
そして、層間絶縁層26及びゲート絶縁層24に、コンタクトホールH1を形成した後、層間絶縁層26上に、ソース電極27-1及びドレイン電極27-2が、それぞれソース領域23-1及びドレイン領域23-3に接続するように形成する。
【0086】
上記のように形成された薄膜トランジスタの上部には、パッシベーション膜27が形成され、パッシベーション膜27の上部に、有機発光素子(OLED)28の画素電極28-1が形成される。画素電極28-1は、パッシベーション膜27に形成されたビアホールH2によって、TFTのドレイン電極27-2に接続される。パッシベーション膜27は、無機物と有機物の両方またはいずれか一方から成る単層、または2層以上に形成されるが、下部膜の屈曲にかかわらず、上面が平坦になるように、平坦化膜から形成され得る一方、下部に位置した膜の屈曲によって屈曲されるように形成されてもよい。また、パッシベーション膜27は、共振効果を奏するように、透明絶縁体から形成されることが望ましい。
【0087】
パッシベーション膜27上に、画素電極28-1を形成した後には、画素電極28-1及びパッシベーション膜27を覆うように、画素定義膜29が、有機物と無機物の両方またはいずれか一方によって形成され、画素電極28-1が露出されるように開口される。
【0088】
そして、少なくとも画素電極28-1上に、中間層28-2及び対向電極28-3が形成される。他の例としては、対向電極28-3は、ディスプレイ基板Dの全面に形成されてもよい。このような場合、対向電極28-3は、中間層28-2、画素定義膜29及びダミー中間層O上に形成される。以下では、説明の便宜のために、対向電極28-3が中間層28-2、画素定義膜29及びダミー中間層Oの上に形成される場合を中心に詳細に説明する。
【0089】
画素電極28-1は、アノード電極の機能を担い、対向電極28-3は、カソード電極の機能を担うが、ここで、画素電極28-1と対向電極28-3との極性が反対になってもよいということは言うまでもない。
【0090】
画素電極28-1と対向電極28-3は、中間層28-2によって互いに絶縁されており、中間層28-2に互いに異なる極性の電圧を加え、有機発光層で発光がなされる。
【0091】
中間層28-2は、有機発光層を具備することができる。選択的な他の例として、中間層28-2は、有機発光層(organic emission layer)を具備し、上記以外に、正孔注入層(hole injection layer)、正孔輸送層(hole transport layer)、電子輸送層(electron transport layer)及び電子注入層(electron injection layer)のうち少なくとも1層をさらに具備する多層膜とすることができる。なお、本実施形態は、上記の例に限定されるものではなく、中間層28-2が有機発光層を具備し、その他多様な機能層(図示せず)をさらに具備することができる。この有機発光層のベース材料としては、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8-ヒドロキシキノリン化合物の金属鎖体、2-ビピリジン化合物の金属鎖体、シッフ塩とIII族金属との鎖体、オキシン金属鎖体、希土類鎖体等の蛍光物質や、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウムなどの燐光を発光する金属錯体等の公知の燐光物質を用いることができる。また、例えば正孔注入層は、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物で形成することができる。
【0092】
この際、上記のような中間層28-2は、上記の表示装置の製造装置(図示せず)により形成される。
【0093】
また、ダミー中間層Oは、中間層28-2の形成時、画素定義膜29上に形成される。具体的には、第1開口部152-1Aを通過した蒸着物質が、ディスプレイ基板Dに蒸着されて中間層28-2を形成する際、第2開口部152-1Bを通過した蒸着物質がディスプレイ基板Dに蒸着され、ダミー中間層Oが形成される。
【0094】
このような場合、ダミー中間層Oと中間層28-2は、互いに同一物質を含んでもよい。特に、ダミー中間層Oと中間層28-2は、それぞれ有機発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層及び機能層のうち少なくとも1層を含んでもよい。
【0095】
上記のような中間層28-2のパターンは、複数個具備され、複数個の中間層28-2のパターンは、表示領域DAを形成することができる。特に、複数個の中間層28-2のパターンは、長方形及び正方形から隅角部などを除いた形状の表示領域DAを形成することができる。この際、複数個の中間層28-2のパターンは、表示領域DA内部に、互いに離隔されるように配置される。
【0096】
上記のようなダミー中間層Oのパターンは、複数個具備され、複数個のダミー中間層Oのパターンは、表示領域DAの縁(境界、外郭)に沿ってその外側に配置される。特には、複数個のダミー中間層Oのパターンが、複数個の中間層28-2ののパターンが配列された領域の外郭に配置される。この際、複数個のダミー中間層Oのパターンは、非表示領域NDAに配置される。従って、ダミー中間層Oは、発光しない。
【0097】
ダミー中間層Oのパターンのうちの少なくとも1つの面積は、1つの中間層28-2のパターンの面積と異なるように形成される。特には、ダミー中間層Oのパターンのうちの少なくとも1個の面積は、中間層28-2のパターンの面積より小さく形成される。例えば、中間層28-2のパターンの面積の50~95%、特には、60~90%とすることができる。具体的には、このような面積比を実現するように、上記の第2開口部152-1Bのうち少なくとも一つは、第1遮蔽部153-2によって開口される面積が、第1開口部152-1Aより小さい。このような場合、第1遮蔽部153-2によって一部が遮断された第2開口部152-1Bを通過した蒸着物質は、中間層28-2よりも小さい面積に蒸着されることにより、ダミー中間層Oのパターンを形成することができる。
【0098】
一方、1つの単位画素は、複数の副画素からなるが、複数の副画素は、多様な色の光を放出することができる。例えば、複数の副画素は、それぞれ赤色、緑色及び青色の光を放出する副画素を具備することができ、赤色、緑色、青色及び白色の光を放出する副画素(図示せず)を具備することができる。
【0099】
上記のような副画素は、1個の中間層28-2のパターンを含むものであってもよい。この際、1つの副画素を形成する場合には、上記の表示装置の製造装置100により、中間層28-2及びダミー中間層Oを形成することができる。
【0100】
一方、上記のような薄膜封止層Eは、複数の無機層を含むか、あるいは無機層及び有機層を含んでもよい。
【0101】
薄膜封止層Eの有機層は、高分子から形成され、望ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、エポキシ、ポリエチレン及びポリアクリレートのうちいずれか一つから形成される単一膜または積層膜であり得る。さらに望ましくは、有機層は、ポリアクリレートから形成され、具体的には、ジアクリレート系モノマーとトリアクリレート系モノマーとを含むモノマー組成物が高分子化されたものを含んでもよい。また、上記のモノマー組成物には、モノアクリレート系モノマーがさらに含まれてもよい。また、上記のモノマー組成物には、TPOのような公知の光開始剤がさらに含まれてもよいが、それに限定されるものではない。
【0102】
薄膜封止層Eの無機層は、金属酸化物または金属窒化物を含む単一膜または積層膜であり得る。具体的には、無機層は、SiNx、Al、SiO、TiOのうちいずれか一つを含んでもよい。
【0103】
薄膜封止層Eにおいて、外部に露出された最上層は、有機発光素子に対する透湿を防止するために、無機層から形成される。
【0104】
薄膜封止層Eは、少なくとも2層の無機層間に、少なくとも1層の有機層が挿入されたサンドイッチ構造を少なくとも一つ含んでもよい。他の例としては、薄膜封止層Eは、少なくとも2層の有機層間に、少なくとも1層の無機層が挿入されたサンドイッチ構造を少なくとも一つ含んでもよい。さらに他の例として、薄膜封止層Eは、少なくとも2層の無機層間に、少なくとも1層の有機層が挿入されたサンドイッチ構造、及び少なくとも2層の有機層間に、少なくとも1層の無機層が挿入されたサンドイッチ構造を含んでもよい。
【0105】
薄膜封止層Eは、有機発光素子(OLED)の上部から、順に、第1無機層、第1有機層、第2無機層を含んでもよい。
【0106】
他の例としては、薄膜封止層Eは、有機発光素子(OLED)の上部から、順に、第1無機層、第1有機層、第2無機層、第2有機層、第3無機層を含んでもよい。
【0107】
さらに他の例として、薄膜封止層Eは、有機発光素子(OLED)の上部から、順に、第1無機層、第1有機層、第2無機層、第2有機層、第3無機層、第3有機層、第4無機層を含んでもよい。
【0108】
また、有機発光素子(OLED)と第1無機層との間に、LiFを含むハロゲン化金属層が追加して含まれてもよい。上記のハロゲン化金属層は、第1無機層をスパッタリング方式で形成するとき、有機発光素子(OLED)の損傷を防止することができる。
【0109】
第1有機層は、第2無機層より面積が狭く、第2有機層も第3無機層より面積が狭くなる。
【0110】
従って、表示装置20は、長方形及び正方形以外の形状を有する表示領域を具現することが可能である。
【0111】
図7は、本発明の第2の実施形態によるマスク組立体を示す斜視図である。図8は、図7に示されるマスクシート及び遮蔽薄板の平面図である。図9は、図8に示されるIX-IX’線に沿って切り取ったマスクシートの断面図である。図10は、図7に示されるマスク組立体を含む表示装置の製造装置を示す断面図である。図11は、図10に示される表示装置の製造装置により蒸着された、中間層パターンとダミー中間層パターンとの配列を示す平面図である。
【0112】
図7ないし図11を参考すれば、マスク組立体150Aは、マスクフレーム151A、マスクシート152A、遮蔽薄板153A、及び支持フレーム154Aを含んでもよい。この際、マスクフレーム151A、支持フレーム154Aは、上述した構成と実質同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0113】
マスクシート152Aは、複数個の開口部152A-1を含んでもよい。この際、複数個の開口部152A-1は、マスクシート152Aの長手方向及び幅方向に配列されるようにして、マスクシート152Aにおける、両端部及び両縁部を除く、ほぼ全面に形成される。
【0114】
マスクシート152Aは、複数個の開口部152A-1のうちの一部を、省くか、または遮蔽する第2遮蔽部152A-3を含んでもよい。第2遮蔽部152A-3は、開口部152A-1が省かれた領域とすることができる。または、貫通孔としての開口部152A-1に代えて非貫通孔が配置された領域とすることができる。すなわち、貫通孔としての開口部152A-1を、それぞれ非貫通孔で置き換えた領域とすることができる。また、第2遮蔽部152A-3の厚みは、マスクシート152Aの厚み(開口部152A-1以外での厚み)と異なるようにも形成され得る。すなわち、第2遮蔽部152A-3の厚みは、開口部152A-1が形成された領域におけるマスクシート152Aの厚みより薄く形成され得る。例えば、第2遮蔽部152A-3が、開口部152A-1が省かれた領域である場合、この領域の厚みを全体的に薄くすることによって、開口部152A-1が配列された領域と、同一または実質的に同一の剛性や延び特性を有するようにすることができる。したがって、マスクシート152Aについて、マスクフレーム151Aに取り付ける際、引っ張り応力を掛けても、歪みや反りが生じないようにすることができる。また、第2遮蔽部152A-3が、非貫通孔が配置された領域であっても、非貫通孔の深さ及び径を適当に大きくすることにより、同様の作用効果を得ることができる。
【0115】
上記の第2遮蔽部152A-3を形成するための非貫通孔は、開口部152A-1とともに、エッチングにより形成されるのであってもよい。具体的には、開口部152A-1は、必要に応じて、2回のエッチングにより形成される。すなわち、例えば、下面からのエッチングと、上面からのエッチングにより形成することができる。そして、非貫通孔は、このような下面からのエッチングを行う際に、同時に設けることができる。特には、図9に示すように、下面からのエッチングにより生じる孔部の径が、上面からのエッチングにより生じる孔部の径より大きくすることができる。また、下面からのエッチングの際、非貫通孔をなす孔部の径が、貫通孔としての開口部152A-1をなす孔部の径よりも大きくなるようにすることができる。非貫通孔を配列させる場合も、第2遮蔽部152A-3の平均の厚みは、残りの領域でのマスクシート152Aの厚み(開口部152A-1以外での厚み)より薄いということができる。なお、マスクシート152Aが電鋳法により形成される場合にも、同様に、図9に示すような形状とすることができる。また、場合によっては、一旦、貫通孔を形成した後、電鋳法その他により、非貫通孔とすることもできる。
【0116】
具体的なマスクシート152Aの製造方法について説明すると、まず、マスクシート152Aを製造するための母材を準備する。その後、母材上に、フォトレジストを塗布した後、フォトレジストを露光させることで、フォトレジスト上に開口されたパターンを形成することができる。この際、第2遮蔽部152A-3を形成する母材部分は、フォトレジストが配置されて母材を完全に遮蔽することができる。
【0117】
また、フォトレジストを露光させ、フォトレジストに開口されたパターンが形成された状態で、母材にエッチング液を噴射するか、あるいはレーザを照射してもよい。このような場合、開口されたパターンを介して、エッチング液またはレーザが母材に達し、母材の一面をエッチングすることができる。
【0118】
その後、フォトレジストを除去し、エッチングされた母材の一面に樹脂を塗布する。樹脂が塗布された母材一面の反対面に、フォトレジストをさらに塗布し、上記のように、フォトレジストに開口されたパターンを形成することができる。この際、第2遮蔽部152A-3及び開口部152A-1が形成される部分の母材が外部に露出される。
【0119】
その後、フォトレジスト及び樹脂を除去し、上記のように露出された母材をエッチングし、開口部152A-1及び第2遮蔽部152A-3を形成することができる。
【0120】
上記のような第2遮蔽部152A-3は、複数個具備される。この際、複数個の第2遮蔽部152A-3は、互いに離隔されるように配置される。例えば、複数個の第2遮蔽部152A-3は、マスクシート152Aの幅方向に互いに離隔されるように配置される。また、複数個の第2遮蔽部152A-3は、マスクシート152Aの長手方向に互いに離隔されるように配置される。特に、複数個の第2遮蔽部152A-3のうち、マスクシート152Aの長手方向に互いに離隔されるように配置される第2遮蔽部152A-3は、遮蔽薄板153Aによる第1遮蔽部153-2と同様に、各蒸着領域Sの一部の縁を定義することができる。
【0121】
遮蔽薄板153Aは、一字形のプレートに形成される。この際、遮蔽薄板153Aは、複数枚具備され、複数枚の遮蔽薄板153Aは、いずれもマスクシート152Aの長手方向に延びるとともに、互いに離隔されている。
【0122】
遮蔽薄板153A及び第2遮蔽部152A-3によって定義された蒸着領域Sは、正方形または長方形以外の形状であり得る。
【0123】
一方、表示装置の製造装置100Aは、チャンバー110A、第1支持部120A、第2支持部130A、マスク組立体150A、ソース部140A、磁力部160A、撮影部170A及び圧力調節部180Aを含んでもよい。この際、チャンバー110A、第1支持部120A、第2支持部130A、ソース部140A、磁力部160A、撮影部170A、及び圧力調節部180Aは、上述した構成と実質同一であるか、あるいは類似しているため、詳細な説明は省略する。
【0124】
表示装置の製造方法について述べると、まず、ディスプレイ基板Dを、チャンバー110A内部に装入させた後、マスク組立体150Aとディスプレイ基板Dとを垂直方向に互いに対向させる。
【0125】
その後、撮影部170Aにより、マスク組立体150Aとディスプレイ基板Dとの位置を把握した後、第2支持部130Aを介して、マスク組立体150Aとディスプレイ基板Dとを整列させることができる。
【0126】
磁力部160Aは、マスク組立体150Aに磁力を加えることにより、マスクシート152Aをディスプレイ基板Dに密着させることができる。この際、磁力部160Aは、マスクシート152Aに磁力を加えることができる。特に、遮蔽薄板153Aの境界部分と、開口部152A-1とが重畳する場合、磁力部160Aがマスクシート152Aに加える磁力が弱くなるか、あるいは遮蔽薄板153Aの境界部分に斥力が発生しうる。この場合、第2遮蔽部152A-3は、上記のような遮蔽薄板153Aの境界部分の複数個の開口部152A-1のうち一部を遮蔽することにより、遮蔽薄板153Aの境界部分に発生する斥力を除去しうる。すなわち、磁力部160Aが第2遮蔽部152A-3に引力を加えることにより、遮蔽薄板153Aの境界部分で発生する斥力を一部相殺させることができる。
【0127】
次に、ソース部140Aが作動し、蒸着物質をディスプレイ基板Dに供給する。このような場合、該蒸着物質は、マスクシート152Aの開口部152A-1を通過し、ディスプレイ基板Dに蒸着される。
【0128】
上記のように、ディスプレイ基板Dに蒸着された蒸着物質は、ダミー中間層O及び中間層28-2を形成することができる。この際、ダミー中間層Oと中間層28-2は、それぞれ複数個具備され、複数個の中間層28-2は、表示領域DAを形成することができる。特に、表示領域DAは、上述したように、正方形及び長方形から隅角部などを除いた形状であり得る。
【0129】
上記のような複数個のダミー中間層Oのパターンのうち少なくとも1つの面積は、中間層28-2のパターンの面積以下であってよい。この際、複数個のダミー中間層Oのパターンは、複数個の中間層28-2のパターンが配列された領域の外郭に配置される。特に、複数層のダミー中間層Oは、非表示領域NDAに配置されることにより、発光しない。
【0130】
以上説明したように、マスク組立体150A、表示装置の製造装置100A、及び表示装置の製造方法は、長方形または正方形以外の形状に蒸着することが可能である。また、マスク組立体150A、表示装置の製造装置100A、及び表示装置の製造方法は、ディスプレイ基板Dとマスクシート152Aとの間の間隔を均一にすることにより、蒸着効率及び蒸着精密性を向上させることができる。さらには、マスク組立体150A、表示装置の製造装置100A、及び表示装置の製造方法は、蒸着時に発生する蒸着不良を最小化することができる。
【0131】
図12は、本発明の第3の実施形態によるマスク組立体を示す斜視図である。図13は、図12に示されるマスクシート及び遮蔽薄板の平面図である。図14は、図12に示されるマスク組立体を含む表示装置の製造装置の断面図である。図15は、図14に示される表示装置の製造装置により蒸着された、中間層及びダミー中間層のパターンの配列を示す平面図である。
【0132】
図12ないし図15を参考すれば、マスク組立体150Bは、マスクフレーム151B、マスクシート152B、遮蔽薄板153B及び支持フレーム154Bを含んでもよい。この際、マスクフレーム151B及び支持フレーム154Bは、上述した構成と実質同一、あるいは類似しているため、詳細な説明は省略する。
【0133】
マスクシート152B及び遮蔽薄板153Bのうち少なくとも一つは、蒸着領域Sを定義する遮蔽部(図示せず)を含んでもよい。この際、遮蔽部は、遮蔽薄板153Bに形成される第1遮蔽部153B-2と、マスクシート152Bに形成される第2遮蔽部152B-3と、を含んでもよい。
【0134】
マスクシート152Bは、複数個の開口部152B-1を具備することができる。この際、複数個の開口部152B-1は、マスクシート152Bの長手方向に、一定間隔に離隔されるように配置される。また、複数個の開口部152B-1は、マスクシート152Bの長手方向に、全面に形成される。
【0135】
第2遮蔽部152B-3は、複数個の開口部152B-1のうち一部を遮蔽することができる。この際、第2遮蔽部152B-3は、第1遮蔽部153B-2の境界に配置された少なくとも1以上の開口部152B-1を遮蔽することができる。
【0136】
遮蔽薄板153Bは、複数枚具備され、複数枚の遮蔽薄板153Bは、マスクシート152Bの長手方向に沿って互いに離隔されるように配置される。特に、互いに離隔される複数枚の遮蔽薄板153Bは、マスクシート152B同士の間の間隙などに沿って配置される支持フレーム154Bとともに、1つの表示領域DAを定義することができる。
【0137】
遮蔽薄板153Bは、一字形に形成される遮蔽薄板ボディ部153B-1と、遮蔽薄板ボディ部153B-1から突設される第1遮蔽部153B-2と、を含んでもよい。第1遮蔽部153B-2は、互いに隣接する遮蔽薄板153Bの間に突設される。この際、互いに隣接する遮蔽薄板153Bの第1遮蔽部153B-2は、互いに対向するように配置される。
【0138】
第1遮蔽部153B-2と第2遮蔽部152B-3は、少なくとも一部分が互いに重畳するように配置される。具体的には、第1遮蔽部153B-2の縁部分に、第2遮蔽部152B-3が配置される。この際、第1遮蔽部153B-2の縁は、第2遮蔽部152B-3の領域内部に配置される。特に、このような場合、第2遮蔽部152B-3の一部は、第1遮蔽部153B-2と重畳し、第2遮蔽部152B-3の他の一部は、第1遮蔽部153B-2より蒸着領域Sに突出するように配置される。
【0139】
第2遮蔽部152B-3の少なくとも一部分(具体例では非貫通孔の箇所)の厚みは、マスクシート152Bの厚みと異なるように形成される。具体的には、第2遮蔽部152B-3の少なくとも一部分の厚みは、マスクシート152Bの厚みより薄く形成される。この際、第2遮蔽部152B-3の厚みを形成する方法は、上述した方法と実質同一、あるいは類似しているため、詳細な説明は省略する。
【0140】
表示装置の製造装置100Bは、チャンバー110B、第1支持部120B、第2支持部130B、マスク組立体150B、ソース部140B、磁力部160B、撮影部170B及び圧力調節部180Bを含んでもよい。この際、チャンバー110B、第1支持部120B、第2支持部130B、ソース部140B、磁力部160B、撮影部170B、及び圧力調節部180Bは、上述した構成と実質同一、あるいは類似しているため、詳細な説明は省略する。
【0141】
表示装置の製造方法について述べると、まず、ディスプレイ基板Dをチャンバー110B内部に装入させた後、マスク組立体150Bとディスプレイ基板Dとを対向させるように配置する。また、マスク組立体150B及びディスプレイ基板Dを、撮影部170Bを介して撮影した後、マスク組立体150Bとディスプレイ基板Dとを位置調整することができる。この際、位置調整の方法は、上述した方法と実質同一、あるいは類似しているため、詳細な説明は省略する。
【0142】
ディスプレイ基板Dとマスク組立体150Bとの位置調整が完了すると、磁力部160Bとソース部140Bとを作動させることができる。この際、磁力部160Bは、マスク組立体150Bを、ディスプレイ基板Dに密着させることができる。この場合、磁力部160Bで発生した磁力により、マスクシート152Bを、ディスプレイ基板D側に密着させることができる。この際、遮蔽薄板153Bの境界と、開口部152B-1とが重畳する場合、遮蔽薄板153Bの上面に配置された遮蔽薄板153Bの境界部分では、斥力が発生する。このような場合、マスクシート152Bとディスプレイ基板Dは、他の部分でより離隔が発生することとなる。このため、開口部152B-1を通過した蒸着物質がディスプレイ基板Dに蒸着されても、蒸着パターンが均一ではないという問題が生じてしまう。しかし、第1遮蔽部153B-2は、磁力部160Bによって引力が加えられることにより、上記のような斥力による問題を解決することができる。特に、第1遮蔽部153B-2は、第2遮蔽部152B-3部分において、ディスプレイ基板Dとマスクシート152Bとの浮き上がりを防止することにより、ディスプレイ基板Dに、蒸着物質が均一に蒸着されるようにする。また、第1遮蔽部153B-2は、ディスプレイ基板Dに蒸着不良が発生することを防止することができる。
【0143】
上記のように、蒸着物質をディスプレイ基板Dに蒸着する場合、ディスプレイ基板Dには、ダミー中間層Oと中間層28-2のパターンが形成される。この際、ダミー中間層O及び中間層28-2のパターンは、それぞれ複数個具備され、互いに離隔されるように配置される。
【0144】
複数個のダミー中間層Oのパターンのうち少なくとも1層の面積は、複数個の中間層28-2のパターンのうちの1つの面積より小さく形成される。特に、第1遮蔽部153B-2及び第2遮蔽部152B-3のうち少なくとも1つの境界に配置された開口部152B-1を介して、蒸着されたダミー中間層Oのパターンの面積は、中間層28-2のパターンの面積より小さく形成される。
【0145】
上記のように、複数個の中間層28-2のパターン、及び複数個のダミー中間層Oのパターンが形成されれば、複数個の中間層28-2のパターンは、表示領域DAを形成することができる。この際、複数層個のダミー中間層Oのパターンは、表示領域DAの外郭である非表示領域NDAに配置される。また、表示領域DAは、正方形または長方形から隅角部などが省かれた形状を有することができる。
【0146】
以上説明したように、マスク組立体150B、表示装置の製造装置100B、及び表示装置の製造方法によれば、長方形または正方形以外の形状に蒸着することが可能である。また、マスク組立体150B、表示装置の製造装置100B、及び表示装置の製造方法は、ディスプレイ基板Dとマスクシート152Bとの間隔を均一にさせることにより、蒸着効率及び蒸着精密性を向上させることができる。さらには、マスク組立体150B、表示装置の製造装置100B、及び表示装置の製造方法は、蒸着時に発生する蒸着不良を最小化することができる。
【0147】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明に係るマスク組立体、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法、及び表示装置は、例えば、ディスプレイ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0149】
100、100A、100B 表示装置の製造装置
110、110A、110B チャンバー
120、120A、120B 第1支持部
130、130A、130B 第2支持部
140、140A、140B ソース部
150、150A、150B マスク組立体
160、160A、160B 磁力部
170、170A、170B 撮影部
180、180A、180B 圧力調節部
図1
図2
図3
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図5
図6
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図10
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