(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】訪問者認証システム、ドアロック装置及び管理用端末
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20220106BHJP
E04H 1/02 20060101ALI20220106BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20220106BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20220106BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20220106BHJP
G06F 21/34 20130101ALI20220106BHJP
G07C 9/00 20200101ALI20220106BHJP
【FI】
E05B49/00 R
E04H1/02
H04M9/00 D
G08B25/04 H
G06F21/32
G06F21/34
G07C9/00 Z
(21)【出願番号】P 2017177299
(22)【出願日】2017-09-15
【審査請求日】2020-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】川津 直樹
(72)【発明者】
【氏名】高田 朋典
(72)【発明者】
【氏名】岡田 まり
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-105437(JP,A)
【文献】特開2003-18587(JP,A)
【文献】国際公開第2013/098910(WO,A1)
【文献】特開2007-102570(JP,A)
【文献】特開2016-51343(JP,A)
【文献】特開2007-77708(JP,A)
【文献】特開平5-321524(JP,A)
【文献】特開2008-75424(JP,A)
【文献】特開2002-70379(JP,A)
【文献】特開2017-37447(JP,A)
【文献】特開2002-70381(JP,A)
【文献】特開2002-21341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
E04H 1/02
H04M 9/00
G08B 25/04
G06F 21/32
G06F 21/34
G07C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関ドアと、複数の部屋のそれぞれに設けられた各部屋ドアと、これら各ドアを接続する接続領域と、を有する住宅に導入された訪問者認証システムであって、
前記住宅を訪問する訪問者ごとに訪問者情報を確認する訪問者認証手段と、
前記訪問者認証手段による認証結果に基づいて、前記玄関ドア及び前記各部屋ドアのロックのそれぞれを施錠又は解錠するドアロック手段と、
訪問者ごとの過去の前記訪問者情報が含まれた訪問履歴情報と、新規の訪問者ごとに前記訪問者情報の内容と同一の内容が事前に登録された新規登録情報のうち、少なくとも一方を記憶する記憶手段と、
管理用端末と通信するための通信手段と、を備えており、
前記訪問者認証手段は、訪問者ごとの訪問時に確認する前記訪問者情報と、前記記憶手段に記憶された前記訪問履歴情報又は前記新規登録情報とを照合して、前記住宅を訪問する訪問者ごとに認証を行うものであり、
前記訪問者情報には、訪問者の生体情報と、訪問者が所持する情報記録媒体に記録された訪問者を識別する識別情報のうち、少なくとも一方が含まれ
ており、
前記ドアロック手段は、前記通信手段を介して前記管理用端末から制御可能となっており、
前記管理用端末は、訪問者ごとに、前記玄関ドア及び前記各部屋ドアそれぞれのロックの状態を設定するための設定入力部を有することを特徴とする訪問者認証システム。
【請求項2】
請求項1に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記記憶手段に前記訪問履歴情報が記憶されている場合、前記訪問者認証手段は、訪問者の訪問時に確認する前記生体情報と前記識別情報の双方と、前記記憶手段に記憶された前記訪問履歴情報との照合を行うことを特徴とする訪問者認証システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記記憶手段に前記訪問履歴情報が記憶されていない場合、前記訪問者認証手段は、訪問者の訪問時に確認する前記生体情報と前記識別情報のうち少なくとも一方と、前記記憶手段に記憶された前記新規登録情報との照合を行うことを特徴とする訪問者認証システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記訪問者認証手段は、
前記玄関ドアの外部に設けられ、前記生体情報を確認する生体情報認証部と、
前記玄関ドアの外部に設けられ、前記情報記録媒体から前記識別情報を読み取る読み取り部と、を有することを特徴とする訪問者認証システム。
【請求項5】
請求項4に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記生体情報認証部は、カメラ付きインターホンシステムであり、前記訪問者の顔認証を行うことを特徴とする訪問者認証システム。
【請求項6】
請求項
1~5のいずれか一項に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記住宅内を監視する監視手段を更に備えており、
前記監視手段は、
自走機構を有する床清掃装置からなる本体部と、
前記本体部に組み込まれた撮影部と、
前記撮影部によって撮影した画像を前記管理用端末又は前記通信手段側に送信する通信部と、を含んで構成されていることを特徴とする訪問者認証システム。
【請求項7】
請求項
6に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記住宅には、前記監視手段を構成する前記本体部が自走して帰還する基地局が配置されており、
前記ドアロック手段は、訪問者の訪問スケジュールに基づいて、前記玄関ドア及び前記各部屋ドアのロックのそれぞれを施錠又は解錠可能とされており、
前記本体部は、前記ドアロック手段と連携し、前記訪問スケジュールに基づいて自走し、前記基地局に帰還可能とされていることを特徴とする訪問者認証システム。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記住宅には、複数の玄関室と、当該住宅の一階部分に位置するインナーガレージと、が配設されており、
前記複数の玄関室のうち、少なくとも一方は訪問者が使用しない居住者用玄関室とされており、
前記居住者用玄関室は、前記インナーガレージと連通し、かつ当該インナーガレージの奥側に配置されていることを特徴とする訪問者認証システム。
【請求項9】
玄関ドアと、複数の部屋のそれぞれに設けられた各部屋ドアと、これら各ドアを接続する接続領域と、を有する住宅に導入された
ドアロック装置であって、
前記住宅には、
前記住宅を訪問する訪問者ごとに訪問者情報を確認する訪問者認証手段と、
訪問者ごとの過去の前記訪問者情報が含まれた訪問履歴情報と、新規の訪問者ごとに前記訪問者情報の内容と同一の内容が事前に登録された新規登録情報のうち、少なくとも一方を記憶する記憶手段と、
管理用端末と通信するための通信手段と、が導入されており、
前記訪問者認証手段は、訪問者ごとの訪問時に確認する前記訪問者情報と、前記記憶手段に記憶された前記訪問履歴情報又は前記新規登録情報とを照合して、前記住宅を訪問する訪問者ごとに認証を行うものであり、
前記訪問者情報には、訪問者の生体情報と、訪問者が所持する情報記録媒体に記録された訪問者を識別する識別情報のうち、少なくとも一方が含まれ
ており、
前記管理用端末は、訪問者ごとに、前記玄関ドア及び前記各部屋ドアそれぞれのロックの状態を設定するための設定入力部を有しており、
前記ドアロック装置は、前記訪問者認証手段による認証結果に基づいて、前記玄関ドア及び前記各部屋ドアのロックのそれぞれを施錠又は解錠するものであって、かつ、前記通信手段を介して前記管理用端末から制御可能となっていることを特徴とするドアロック装置。
【請求項10】
請求項
9に記載の
ドアロック装置において、
前記住宅には、前記住宅内を監視する監視手段
が更に
導入されており、
前記監視手段は、
自走機構を有する床清掃装置からなる本体部と、
前記本体部に組み込まれた撮影部と、
前記撮影部によって撮影した画像を前記管理用端末又は前記通信手段側に送信する通信部と、を含んで構成されていることを特徴とする
ドアロック装置。
【請求項11】
請求項
10に記載の
ドアロック装置において、
前記住宅には、前記監視手段を構成する前記本体部が自走して帰還する基地局が配置されており、
前記ドアロック
装置は、訪問者の訪問スケジュールに基づいて、前記玄関ドア及び前記各部屋ドアのロックのそれぞれを施錠又は解錠可能とされており、
前記本体部は、前記ドアロック
装置と連携し、前記訪問スケジュールに基づいて自走し、前記基地局に帰還可能とされていることを特徴とする
ドアロック装置。
【請求項12】
請求項
9~11のいずれか一項に記載の
ドアロック装置において、
前記複数の部屋のうち少なくとも一つの部屋の部屋ドアには
、前記ロックとは異なる室内側ロックが設けられていることを特徴とする
ドアロック装置。
【請求項13】
玄関ドアと、複数の部屋のそれぞれに設けられた各部屋ドアと、これら各ドアを接続する接続領域と、を有する住宅に導入された訪問者認証システム
と通信可能に接続された管理用端末であって、
前記訪問者認証システムは、
前記住宅を訪問する訪問者ごとに訪問者情報を確認する訪問者認証手段と、
前記訪問者認証手段による認証結果に基づいて、前記玄関ドア及び前記各部屋ドアのロックのそれぞれを施錠又は解錠するドアロック手段と、
訪問者ごとの過去の前記訪問者情報が含まれた訪問履歴情報と、新規の訪問者ごとに前記訪問者情報の内容と同一の内容が事前に登録された新規登録情報のうち、少なくとも一方を記憶する記憶手段と、
前記管理用端末と通信するための通信手段と、を備えており、
前記訪問者認証手段は、訪問者ごとの訪問時に確認する前記訪問者情報と、前記記憶手段に記憶された前記訪問履歴情報又は前記新規登録情報とを照合して、前記住宅を訪問する訪問者ごとに認証を行うものであり、
前記訪問者情報には、訪問者の生体情報と、訪問者が所持する情報記録媒体に記録された訪問者を識別する識別情報のうち、少なくとも一方が含まれ
ており、
前記ドアロック手段は、前記通信手段を介して前記管理用端末から制御可能となっており、
前記管理用端末は、訪問者ごとに、前記玄関ドア及び前記各部屋ドアそれぞれのロックの状態を設定するための設定入力部を有することを特徴とする
管理用端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訪問者認証システム、ドアロック装置及び管理用端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば訪問看護や訪問介護、障害者自立支援事業、家事代行、民泊事業等のように、個人や事業者が所有する住宅に、人が訪問する形態又は人を招待する形態の各種サービスが増えている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載のサービスは、要介護者が居住する住宅にホームヘルパーが訪問する訪問介護サービスであり、ホームヘルパー携帯端末と、介護サービスマネージャーのサービス事業所端末と、ケアマネージャーの支援事業者端末と、がインターネットを介して接続可能となっている。すなわち、ホームヘルパーの携帯端末によって、介護サービスマネージャーやケアマネージャーとのデータ送受信、質問や指示等の授受が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば特許文献1に記載の技術に代表されるような従来の訪問サービスにおいては、住宅の居住者と住宅に訪問する訪問者の双方のプライバシーの問題や、セキュリティ上の問題がある。さらには、サービスごとに生じる課題も異なる場合がある。
例えば家事代行サービスでは、居住者が、訪問スタッフと顔を合わせたくない場合もあるし、見られたくない部屋がある場合もある。また、例えば民泊事業では、宿泊者が、宿泊すべき部屋とは異なる部屋に行ってしまう場合もあるし、他者が宿泊する部屋に出入り自在な状態であると、快適な宿泊環境を形成する上で理想的とは言えない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、個人や事業者が所有する住宅を利用した各種サービスを導入するに当たって生じるプライバシーやセキュリティ等の諸問題を解決することができ、その結果、当該各種サービスを円滑に進めることが可能な訪問者認証システム、ドアロック装置及び管理用端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば
図1~
図6に示すように、玄関ドア4と、複数の部屋のそれぞれに設けられた各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bと、これら各ドア4,11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bを接続する接続領域5,10,10c,13,14と、を有する住宅1に導入された訪問者認証システムであって、
前記住宅1を訪問する訪問者ごとに訪問者情報を確認する訪問者認証手段22と、
前記訪問者認証手段22による認証結果に基づいて、前記玄関ドア4及び前記各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠するドアロック手段23と、
訪問者ごとの過去の前記訪問者情報が含まれた訪問履歴情報24aと、新規の訪問者ごとに前記訪問者情報の内容と同一の内容が事前に登録された新規登録情報24bのうち、少なくとも一方を記憶する記憶手段24と、
管理用端末20と通信するための通信手段25と、を備えており、
前記訪問者認証手段22は、訪問者ごとの訪問時に確認する前記訪問者情報と、前記記憶手段24に記憶された前記訪問履歴情報24a又は前記新規登録情報24bとを照合して、前記住宅1を訪問する訪問者ごとに認証を行うものであり、
前記訪問者情報には、訪問者の生体情報と、訪問者が所持する情報記録媒体223,224に記録された訪問者を識別する識別情報のうち、少なくとも一方が含まれ
ており、
前記ドアロック手段23は、前記通信手段25を介して前記管理用端末20から制御可能となっており、
前記管理用端末20は、訪問者ごとに、前記玄関ドア4及び前記各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bそれぞれのロック230,232の状態を設定するための設定入力部20aを有することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、訪問者情報には、訪問者の生体情報と、訪問者が所持する情報記録媒体223,224に記録された訪問者を識別する識別情報のうち、少なくとも一方が含まれており、訪問者認証手段22は、訪問者ごとの訪問時に確認する訪問者情報と、記憶手段24に記憶された訪問履歴情報24a又は新規登録情報24bとを照合して、住宅1を訪問する訪問者ごとに認証を行うので、過去に訪問したことのある訪問者も、新規の訪問者も、それぞれ本人確認を確実に行うことができる。
このように本人確認を行った上で、ドアロック手段23が、訪問者認証手段22による認証結果に基づいて、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠するので、住宅1の居住者のプライバシーを保護したり、住宅1のセキュリティ性を高めたりすることができる。すなわち、訪問者は、ロック230,232の開いているドアのみを開閉することができ、接続領域5,10,10c,13,14を通過して目的の部屋へと行くことができ、ロック230,232の開いていないドアの先には進むことができないようになる。
これにより、個人や事業者が所有する住宅1を利用した各種サービスを導入するに当たって生じるプライバシーやセキュリティ等の諸問題を解決することができ、その結果、当該各種サービスを円滑に進めることが可能となる。
また、管理用端末20と通信するための通信手段25を備えているので、管理用端末20に対して各種データを送信したり、管理用端末20から各種データを受信したりすることができる。
さらに、ドアロック手段23は、通信手段25を介して管理用端末20から制御可能となっているので、管理用端末20から、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠することができる。そのため、どうしてもロック230,232を施錠の状態又は解錠の状態にしなければならない事態が生じた場合にも確実に対応できる。
しかも、管理用端末20は、訪問者ごとに、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bそれぞれのロック230,232の状態を設定するための設定入力部20aを有するので、設定入力部20aから必要事項を入力し、訪問者ごとに、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bそれぞれのロック230,232の状態を設定することができる。これにより、訪問者は目的とする部屋にのみ行けばよく、例えば複数の訪問サービスを住宅1に導入しても不都合が生じにくいため、訪問サービスに支障が出ない。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば
図3,
図4に示すように、請求項1に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記記憶手段24に前記訪問履歴情報24aが記憶されている場合、前記訪問者認証手段22は、訪問者の訪問時に確認する前記生体情報と前記識別情報の双方と、前記記憶手段24に記憶された前記訪問履歴情報24aとの照合を行うことを特徴とする
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、記憶手段24に訪問履歴情報24aが記憶されている場合、訪問者認証手段22は、訪問者の訪問時に確認する生体情報と識別情報の双方と、記憶手段24に記憶された訪問履歴情報24aとの照合を行うので、訪問者の本人確認を二重に行うことができる。これにより、住宅1のセキュリティ性をより高めることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば
図3,
図4に示すように、請求項1又は2に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記記憶手段24に前記訪問履歴情報24aが記憶されていない場合、前記訪問者認証手段22は、訪問者の訪問時に確認する前記生体情報と前記識別情報のうち少なくとも一方と、前記記憶手段24に記憶された前記新規登録情報24bとの照合を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、記憶手段24に訪問履歴情報24aが記憶されていない場合、訪問者認証手段22は、訪問者の訪問時に確認する生体情報と識別情報のうち少なくとも一方と、記憶手段24に記憶された新規登録情報24bとの照合を行うので、新規の訪問者であっても本人確認を確実に行うことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば
図1,
図3,
図4に示すように、請求項1~3のいずれか一項に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記訪問者認証手段22は、
前記玄関ドア4の外部に設けられ、前記生体情報を確認する生体情報認証部22aと、
前記玄関ドア4の外部に設けられ、前記情報記録媒体223,224から前記識別情報を読み取る読み取り部22bと、を有することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、訪問者認証手段22は、玄関ドア4の外部に設けられ、生体情報を確認する生体情報認証部22aと、玄関ドア4の外部に設けられ、情報記録媒体223,224から識別情報を読み取る読み取り部22bと、を有するので、訪問者が住宅1内に入る前に本人確認を行うことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば
図4に示すように、請求項4に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記生体情報認証部22aは、カメラ付きインターホンシステムであり、前記訪問者の顔認証を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、生体情報認証部22aは、カメラ付きインターホンシステムであり、訪問者の顔認証を行うので、訪問者側はインターホンによって住宅1の居住者を呼び出すことができ、居住者側は、訪問者の顔を確認しつつ、顔認証を行うことができる。また、例えば、訪問者がカメラ付きインターホンシステムを使用したことを契機に、訪問者認証手段22を動作させることができるので都合がよい。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば
図3,図6に示すように、請求項1~5のいずれか一項に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記住宅1内を監視する監視手段26を更に備えており、
前記監視手段26は、
自走機構を有する床清掃装置からなる本体部26aと、
前記本体部26aに組み込まれた撮影部26bと、
前記撮影部26bによって撮影した画像を前記管理用端末20又は前記通信手段25側に送信する通信部26cと、を含んで構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、自走機構を有する本体部26aが床清掃を行いながら住宅1内を走行する際に、撮影部26bによって住宅1内の画像を撮影し、通信部26cによって管理用端末20又は通信手段25側につぶさに送信することができる。そのため、画像データに写り込んでいる訪問者と訪問履歴情報24aとを照合したり、管理者が画像データを確認したりすることができるので、住宅1のセキュリティ性をより高めることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、例えば図
1,図2,図6に示すように、請求項6に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記住宅1には、前記監視手段26を構成する前記本体部26aが自走して帰還する基地局27a,27b,27cが配置されており、
前記ドアロック手段23は、訪問者の訪問スケジュールに基づいて、前記玄関ドア4及び前記各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠可能とされており、
前記本体部26aは、前記ドアロック手段23と連携し、前記訪問スケジュールに基づいて自走し、前記基地局27a,27b,27cに帰還可能とされていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、監視手段26を構成する本体部26aが、ドアロック手段23と連携し、訪問者の訪問スケジュールに基づいて自走し、基地局27a,27b,27cに帰還可能とされているので、本体部26aは、例えば訪問者が住宅1を訪問する時間が近づいていて、ドアロック手段23によって各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック232が施錠される前に、基地局27a,27b,27cに帰還することができるようになっている。これにより、例えばドアロック手段23によって各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック232が施錠されて、本体部26aが部屋内に閉じ込められてしまうような事態が発生することを防ぐことができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1~7のいずれか一項に記載の訪問者認証システムにおいて、
前記住宅1には、複数の玄関室5,9と、当該住宅1の一階部分に位置するインナーガレージ6と、が配設されており、
前記複数の玄関室5,9のうち、少なくとも一方(第二玄関室9)は訪問者が使用しない居住者用玄関室とされており、
前記居住者用玄関室(第二玄関室9)は、前記インナーガレージ6と連通し、かつ当該インナーガレージ6の奥側に配置されていることを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、居住者用玄関室(第二玄関室9)が、インナーガレージ6と連通し、かつ当該インナーガレージ6の奥側に配置されているので、インナーガレージ6に駐車した車の近くに、居住者用玄関室が位置することとなる。そのため、車に積んだ荷物の搬入や、居住者用玄関室から車までの荷物の搬入を行う際の利便性が高い。特に車を、インナーガレージ6の奥側に向かってバックで駐車した場合には、車の後部トランクが居住者用玄関室とより近くなるため、荷物の搬出入時における利便性をより一層高めることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、例えば
図1~図6に示すように、
玄関ドア4と、複数の部屋のそれぞれに設けられた各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bと、これら各ドア4,11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bを接続する接続領域5,10,10c,13,14と、を有する住宅1に導入されたドアロック装置23であって、
前記住宅1には、
前記住宅1を訪問する訪問者ごとに訪問者情報を確認する訪問者認証手段22と、
訪問者ごとの過去の前記訪問者情報が含まれた訪問履歴情報24aと、新規の訪問者ごとに前記訪問者情報の内容と同一の内容が事前に登録された新規登録情報24bのうち、少なくとも一方を記憶する記憶手段24と、
管理用端末20と通信するための通信手段25と、を備えており、
前記訪問者認証手段22は、訪問者ごとの訪問時に確認する前記訪問者情報と、前記記憶手段24に記憶された前記訪問履歴情報24a又は前記新規登録情報24bとを照合して、前記住宅1を訪問する訪問者ごとに認証を行うものであり、
前記訪問者情報には、訪問者の生体情報と、訪問者が所持する情報記録媒体223,224に記録された訪問者を識別する識別情報のうち、少なくとも一方が含まれており、
前記管理用端末20は、訪問者ごとに、前記玄関ドア4及び前記各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bそれぞれのロック230,232の状態を設定するための設定入力部20aを有することを特徴とする。
前記ドアロック装置23は、前記訪問者認証手段22による認証結果に基づいて、前記玄関ドア4及び前記各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠するものであって、かつ、前記通信手段25を介して前記管理用端末20から制御可能となっていることを特徴とする。
【0023】
請求項
10に記載の発明
は、例えば図3,図6に示すように、請求項9に記載のドアロック装置において、
前記住宅1には、前記住宅1内を監視する監視手段26が更に導入されており、
前記監視手段26は、
自走機構を有する床清掃装置からなる本体部26aと、
前記本体部26aに組み込まれた撮影部26bと、
前記撮影部26bによって撮影した画像を前記管理用端末20又は前記通信手段25側に送信する通信部26cと、を含んで構成されていることを特徴とする。
【0024】
請求項
11に記載の発明は、例えば図
1,図2,図6に示すように、請求項
10に記載の
ドアロック装置において、
前記住宅1には、前記監視手段26を構成する前記本体部26aが自走して帰還する基地局27a,27b,27cが配置されており、
前記ドアロック手段23は、訪問者の訪問スケジュールに基づいて、前記玄関ドア4及び前記各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠可能とされており、
前記本体部26aは、前記ドアロック手段23と連携し、前記訪問スケジュールに基づいて自走し、前記基地局27a,27b,27cに帰還可能とされていることを特徴とする。
【0025】
請求項
12に記載の発明
は、例えば図5に示すように、請求項9~11のいずれか一項に記載のドアロック装置において、
前記複数の部屋11,12,15~19のうち少なくとも一つの部屋の部屋ドアには、前記ドアロック手段23における前記ロック230,232とは異なる室内側ロック233が設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項12に記載の発明によれば、複数の部屋11,12,15~19のうち少なくとも一つの部屋の部屋ドアには、ドアロック手段23におけるロック230,232とは異なる室内側ロック233が設けられているので、室内側からロックすることで、在室時のプライバシーを保護したり、各部屋のセキュリティ性を高めたりすることができる。
【0027】
請求項
13に記載の発明
は、例えば図1~図6に示すように、玄関ドア4と、複数の部屋のそれぞれに設けられた各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bと、これら各ドア4,11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bを接続する接続領域5,10,10c,13,14と、を有する住宅1に導入された訪問者認証システムと通信可能に接続された管理用端末20であって、
前記訪問者認証システムは、
前記住宅1を訪問する訪問者ごとに訪問者情報を確認する訪問者認証手段22と、
前記訪問者認証手段22による認証結果に基づいて、前記玄関ドア4及び前記各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠するドアロック手段23と、
訪問者ごとの過去の前記訪問者情報が含まれた訪問履歴情報24aと、新規の訪問者ごとに前記訪問者情報の内容と同一の内容が事前に登録された新規登録情報24bのうち、少なくとも一方を記憶する記憶手段24と、
管理用端末20と通信するための通信手段25と、を備えており、
前記訪問者認証手段22は、訪問者ごとの訪問時に確認する前記訪問者情報と、前記記憶手段24に記憶された前記訪問履歴情報24a又は前記新規登録情報24bとを照合して、前記住宅1を訪問する訪問者ごとに認証を行うものであり、
前記訪問者情報には、訪問者の生体情報と、訪問者が所持する情報記録媒体223,224に記録された訪問者を識別する識別情報のうち、少なくとも一方が含まれており、
前記ドアロック手段23は、前記通信手段25を介して前記管理用端末20から制御可能となっており、
前記管理用端末20は、訪問者ごとに、前記玄関ドア4及び前記各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bそれぞれのロック230,232の状態を設定するための設定入力部20aを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、個人や事業者が所有する住宅を利用した各種サービスを導入するに当たって生じるプライバシーやセキュリティ等の諸問題を解決することができ、その結果、当該各種サービスを円滑に進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】訪問者認証システムが導入された住宅の一階を示す図である。
【
図2】訪問者認証システムが導入された住宅の二階を示す図である。
【
図3】訪問者認証システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
【0031】
本実施形態の訪問者認証システムは、例えば、訪問看護や訪問介護、障害者自立支援事業、家事代行、民泊事業等のような、個人や事業者が所有する住宅に、人(訪問者)が訪問する形態又は人(訪問者)を招待する形態の各種サービスを行う場合に、当該住宅に対して導入されるシステムである。このようなシステムを住宅に導入することで、各種サービスを行うに当たって生じるプライバシーやセキュリティ等の諸問題を解決し得るものである。
【0032】
[住宅の概略構成について]
図1,
図2において符号1は、個人又は事業者が所有する住宅を示す。この住宅1には、訪問者認証システムが導入されており、玄関ドア4と、複数の部屋11,12,15~19のそれぞれに設けられた各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bと、これらの各ドアを接続する接続領域5,10,10c,13,14と、を有する。
【0033】
住宅1は、二階建ての戸建て住宅であり、
図1に示すように、一階の南側中央には、屋外空間となっている玄関ポーチ2がある。玄関ポーチ2の、住宅1とは反対側の縁部には目隠し壁2aが設けられており、外部からの視線を遮蔽している。
玄関ポーチ2を北に進むと、外壁に開口部3が形成された箇所があり、開口部3には玄関ドア4が設けられている。
【0034】
玄関ドア4は、外側に開く片開き戸であり、当該玄関ドア4は、後述するドアロック手段23によって自動でロック230の施錠又は解錠ができるようになっている。
なお、
図5に示すように、玄関ドア4に、2つのロック230,231がある場合は、一方のロック(本実施形態では上方のロック230)の施錠又は解錠を自動とし、他方のロック(本実施形態では下方のロック231)の施錠又は解錠を手動としてもよいし、両方のロック230,231の施錠又は解錠を自動としてもよい。手動のロック231は、住宅1内が無人で、かつ各種サービスを受けない場合に施錠の状態とすることが望ましい。
【0035】
玄関ドア4の北側は屋内となっており、玄関土間及び玄関ホールからなる第一玄関室5が配設されている。
第一玄関室5及び玄関ドア4は、上述の各種サービスにおける訪問者が利用するものであるが、当然、住宅1の居住者が利用してもよい。
第一玄関室5における玄関ホールの西側には、当該玄関ホールと後述するリビングダイニング12とを連通する開口部があり、この開口部には、部屋ドア12aが設けられている。部屋ドア12aは、横にスライドする引き戸であり、後述するドアロック手段23によって自動でロック232の施錠又は解錠ができるようになっている。
第一玄関室5における玄関土間の東側には、トイレが配設されている。
【0036】
住宅1の一階東側には、インナーガレージ6(ビルトインガレージともいう。)が配設されている。
インナーガレージ6と第一玄関室5は隣り合って配置されており、これらの間に設けられた外壁には、通用口6aが形成され、通用口6aには通用口ドア6bが設けられている。
通用口ドア6bは、横にスライドする引き戸である。また、当該通用口ドア6bは、住宅1の居住者のみが利用する居住者専用ドアとされており、例えば居住者を生体認証したり、居住者のみが所持する鍵等を利用したりすることで開閉することができる。
【0037】
インナーガレージ6を北(奥側)に進むと、外壁に開口部7が形成された箇所があり、開口部7には玄関ドア8が設けられている。
玄関ドア8は、横にスライドする引き戸である。また、当該玄関ドア8は、住宅1の居住者のみが利用する居住者専用玄関ドアとされており、例えば居住者を生体認証したり、居住者のみが所持する鍵等を利用したりすることで開閉することができる。
【0038】
玄関ドア8の北側は屋内となっており、玄関土間及び玄関ホールからなる第二玄関室9が配設されている。すなわち、第二玄関室9は、居住者用玄関室とされている。
第二玄関室9及び玄関ドア8は、基本的に、上述の各種サービスにおける訪問者が利用しないものとなっている。ただし、居住者の了承を得たうえで訪問者が利用することも当然可能である。
このような居住者用の第二玄関室9は、インナーガレージ6に車を駐車した際に、車の近くに、当該第二玄関室9が位置することとなるため、荷物の搬出入時に便利である。また、第二玄関室9と同様に、上述した通用口6aも荷物の搬出入時に使用することができる。
【0039】
第一玄関室5の北側であって、かつ第二玄関室9の西側には、ホール10が配設されている。ホール10は、住宅1の動線の中心となる場所であり、住宅1の二階に上がるための階段10cが設けられている。
ホール10の西側には、当該ホール10と後述するキッチン11とを連通する開口部があり、この開口部には、部屋ドア11aが設けられている。部屋ドア11aは、キッチン11側に開く片開き戸であり、後述するドアロック手段23によって自動でロック232の施錠又は解錠ができるようになっている。
ホール10の南側には、当該ホール10と第一玄関室5とを連通する開口部があり、この開口部には、玄関室側ドア10aが設けられている。玄関室側ドア10aは、第一玄関室5側に開く片開き戸であり、手動で開閉するものである。また、玄関室側ドア10aは、居住者も訪問者も自由に開閉することができる。
ホール10の東側には、当該ホール10と第二玄関室9とを連通する開口部があり、この開口部には、玄関室側ドア10bが設けられている。玄関室側ドア10bは、横にスライドする引き戸であり、例えば居住者を生体認証したり、居住者のみが所持する鍵等を利用したりすることで開閉することができる。
【0040】
ホール10の西側には、キッチン11が配設されている。
第一玄関室5の西側には、リビングダイニング12が配設されている。
キッチン11とリビングダイニング12は隣接しており、これらキッチン11とリビングダイニング12との境界に設けられた引き戸によって互いに遮蔽可能となっている。
なお、本実施形態において、キッチン11とリビングダイニング12は、居住者のための共有スペースとなっているが、例えば住宅1全体を民泊事業で利用する場合には、宿泊者のための共有スペースとして利用してもよい。その場合は、上述の部屋ドア11a,12aは、常に解錠状態となるように設定される。
【0041】
住宅1の一階において、第一玄関室5、第二玄関室9、ホール10は、玄関ドア4や部屋ドア11a,12aを始めとする各ドアを接続する接続領域とされている。すなわち、屋外から各部屋(キッチン11、リビングダイニング12)に至るための動線である。
また、階段10cも同様に、二階に向かう動線であり、一階から二階の各部屋を接続する接続領域となっている。
【0042】
図2は、住宅1の二階を示しており、ホール10の階段10cを上がった先(階段10cの東側)には、階段ホール13が配設されている。
階段ホール13の南側には、二階の中央に位置し、かつ東西に延在する廊下14が配設されている。
階段ホール13及び廊下14は、階段10cから続く二階の接続領域として機能している。
【0043】
階段ホール13の東側には、第一子供部屋15が配設されている。第一子供部屋15と階段ホール13との間には、これらを連通する開口部があり、この開口部には、部屋ドア15aが設けられている。
部屋ドア15aは、横にスライドする引き戸であり、後述するドアロック手段23によって自動でロック232の施錠又は解錠ができるようになっている。
なお、階段ホール13の北側にはトイレが配設されている。
【0044】
廊下14の東側には、第二子供部屋16が配設されている。第二子供部屋16と廊下14との間には、これらを連通する開口部があり、この開口部には、部屋ドア16aが設けられている。
部屋ドア16aは、横にスライドする引き戸であり、後述するドアロック手段23によって自動でロック232の施錠又は解錠ができるようになっている。
【0045】
廊下14の南側には、ランドリールーム17が配設されている。ランドリールーム17の東端及び西端のそれぞれと廊下14との間には、これらを連通する開口部があり、これら開口部には、部屋ドア17a,17bがそれぞれ設けられている。
東端の部屋ドア17aは、ランドリールーム17側に開く片開き戸であり、後述するドアロック手段23によって自動でロック232の施錠又は解錠ができるようになっている。
西端の部屋ドア17bは、横にスライドする引き戸であり、後述するドアロック手段23によって自動でロック232の施錠又は解錠ができるようになっている。
【0046】
廊下14の北側であって、かつ階段10c及び階段ホール13の西側には、洗面脱衣所及び浴室を有する水廻り室18が配設されている。水廻り室18と廊下14との間には、これらを連通する開口部があり、この開口部には、部屋ドア18aが設けられている。
部屋ドア18aは、横にスライドする引き戸であり、後述するドアロック手段23によって自動でロック232の施錠又は解錠ができるようになっている。
【0047】
廊下14の西側には、書斎19c付きの主寝室19が配設されている。書斎19cは、主寝室19の南側領域における東側に配置されており、主寝室19は、この書斎19cを含んで略L字型に形成されている。
主寝室19と廊下14の西端との間には、これらを連通する開口部があり、この開口部には、部屋ドア19aが設けられている。また、書斎19cの北端と廊下14との間には、これらを連通する開口部があり、この開口部にも、部屋ドア19bが設けられている。
これら部屋ドア19a,19bは、横にスライドする引き戸であり、後述するドアロック手段23によって自動でロック232の施錠又は解錠ができるようになっている。
【0048】
住宅1は、以上のように構成されている。
なお、本実施形態においては、第一子供部屋15や第二子供部屋16、主寝室19等のように、各部屋に対して属性を持たせたが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。すなわち、訪問者認証システムを導入できる住宅は、本実施形態において説明した住宅1に限られるものではなく、その他の住宅にも組み込むことができることは言うまでもない。
【0049】
[訪問者認証システムについて]
住宅1に導入された本実施形態の訪問者認証システムは、管理者である個人又は事業者が所有する住宅1に導入されており、
図3に示すように、管理者が操作する管理用端末20と、インターネットやLAN等のコンピュータネットワークを介して通信可能に接続されている。
そして、訪問者認証システムは、
図3~
図6に示すように、制御手段21と、訪問者認証手段22と、ドアロック手段23と、記憶手段24と、通信手段25と、監視手段26と、を備えており、これら各種手段は、データや各種信号等の送受信が可能となるように有線又は無線で接続されている。
訪問者認証手段22は、住宅1を訪問する訪問者ごとに訪問者情報を確認している。
ドアロック手段23は、訪問者認証手段22による認証結果に基づいて、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠している。
記憶手段24は、例えばRAM、ROM、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブにより構成され、訪問者ごとの過去の訪問者情報が含まれた訪問履歴情報24aと、新規の訪問者ごとに訪問者情報の内容と同一の内容が事前に登録された新規登録情報24bと、を記憶している。
通信手段25は、管理用端末20と通信するものであり、管理用端末20との間で各種データの送受信を行うことができる。
監視手段26は、住宅1内を監視するものであり、本実施形態においては、住宅1内を移動する自走機構を有するものが採用されている。
【0050】
なお、訪問者情報の確認は、訪問者の住宅1への訪問時に毎回行われるものであり、訪問者情報には、訪問者の生体情報と、訪問者が所持する情報記録媒体223,224に記録された訪問者を識別する識別情報のうち、少なくとも一方が含まれている。
生体情報には、例えば訪問者の顔形に係る情報や、指紋情報、眼球に係る情報(網膜における毛細血管パターンや虹彩パターンを指す。)、声紋情報、手のひらや指の静脈に係る情報など様々なものがあり、特に限定されるものではないが、本実施形態においては訪問者の顔形に係る情報を生体情報として採用している。すなわち、訪問者の顔認証を行うものとする。
識別情報は、訪問者を特定するために必要な個人情報を指しており、氏名、生年月日、住所、国籍、電話番号、社会保障等に係る番号など様々なものが挙げられる。特に、行政機関に登録された情報が含まれる場合は信頼性が高くなるため好ましい。
本実施形態における識別情報には複数の個人情報が含まれており、生体情報と組み合わせることで、より信頼性が高まる。
【0051】
制御手段21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、訪問者認証システム用の各種処理プログラムに従って各種動作を行う。すなわち、当該制御手段21による制御に基づいて、訪問者認証システムを構成する上述の各種手段を実行することができる。
【0052】
訪問者認証手段22は、住宅1を訪問する訪問者ごとの訪問時に確認する訪問者情報と、記憶手段24に記憶された訪問履歴情報24a又は新規登録情報24bとを照合して、住宅1を訪問する訪問者ごとに認証を行うためのものであり、生体情報認証部22aと、読み取り部22bと、を有する。
この訪問者認証手段22による認証結果は、ドアロック手段23の動作に必要な情報であり、記憶手段24に対して記憶されることとなる。すなわち、この訪問者認証手段22は、訪問者認証システムおける入力手段の一つとして機能する。
【0053】
生体情報認証部22aは、
図4(a)に示すように、カメラ付きインターホンシステムであり、訪問者の顔認証を行うことができる。
より詳細に説明すると、カメラ付きインターホンシステムである生体情報認証部22aは、カメラ付き玄関子機220と、このカメラ付き玄関子機220から伝送された画像データを受信し、受信した画像データを表示部221aに映すことができる室内親機221と、を備えている。カメラ付き玄関子機220と室内親機221とは伝送線路222を介して接続されている。
【0054】
カメラ付き玄関子機220は、訪問者が居住者を呼び出すために用いられ、玄関ドア4の外部に設けられている。
カメラ付き玄関子機220は、訪問者を撮像し、訪問者の画像データを生成するためのカメラ(画像入力手段)220aと、訪問者がユーザを呼び出すための呼出ボタン220bと、訪問者の音声を入力し、ユーザと通話するための子機マイク220c及び子機スピーカー220dと、を備える。
【0055】
室内親機221は、カメラ付き玄関子機220からの呼び出しに応答するために用いられ、住宅1内に設置される。
室内親機221は、上述の表示部221aと、親機マイク221b及び親機スピーカー221c、訪問者からの呼び出しに応答するための通話ボタン221dと、を備える。訪問者と通話を行う場合は、通話ボタン221dを押しながら行うものとする。
【0056】
また、図示はしないが、この室内親機221は、カメラ付き玄関子機220で撮影された訪問者の画像データから、顔の特徴点(例えば、眼の位置、口角の位置、鼻の位置等)を検出する検出部を更に備える。当該検出部によって検出された訪問者の顔の検出データは、訪問履歴情報として記憶手段24に記憶されることになる。
なお、当該検出部は、室内親機221が備えるものとしたが、これに限られるものではなく、制御手段21と記憶手段24に予め記憶された顔特徴点検出プログラム(図示せず)との協働により、訪問者の顔特徴点の検出処理を行えるようにしてもよい。
このような検出部の動作は、例えばカメラ付き玄関子機220の呼出ボタン220bを訪問者が押したことを契機に開始されるものとしてもよい。
【0057】
読み取り部22bは、
図4(b)に示すように、玄関ドア4の外部に設けられ、訪問者が所持する情報記録媒体223,224から、訪問者の複数の個人情報が含まれる識別情報を読み取ることができる。
読み取り部22bとしては、例えばNFC(Near field radio communication;Near Field Communication)リーダ・ライターが用いられている。ただし、これに限られるものではなく、情報記録媒体223,224の記録された識別情報を読み取ることができる機器であればよいものとする。
情報記録媒体223,224としては、例えばスマートフォンやタブレットPC等の情報通信端末や、各種ICカードが挙げられる。
【0058】
読み取り部22bとして上述のようなNFCリーダ・ライターを用いれば、識別情報を読み取る場合に、情報記録媒体223,224を読み取り部22bにかざすだけ(好ましくは接触させる)で済むため、訪問者の個人情報の収集を容易に行うことができる。
読み取り部22bによって読み取られた訪問者の識別情報は、訪問履歴情報として記憶手段24に記憶されることになる。また、このような識別情報と、生体情報認証部22aによって得られた訪問者の生体情報は、紐付けされた状態で記憶手段24に記憶されるものとする。
【0059】
なお、識別情報の読み取りは、訪問者が住宅1内に入るタイミングで行われるだけでなく、訪問者が住宅1を出るタイミングでも行われるようにしてもよい。このようにすれば、訪問者の入退場管理を行うことができるので好ましい。したがって、読み取り部22bを、例えば玄関ドア4の住宅1内部側に別途設けてもよいものとする。
特に、訪問看護や訪問介護、障害者自立支援事業、家事代行等のサービスの場合は、訪問者が所持する通信機能を備えた情報記録媒体223を用いて入退場管理を行うことで、勤務管理を行うことが可能となる。
また、民泊事業でも、チェックイン時及びチェックアウト時に際して識別情報の読み取りを行うようにしてもよい。これによって、管理者は、住宅1に宿泊する訪問者と直接顔を合わせなくてもチェックインとチェックアウトの処理を行うことができるので、業務効率化を図ることができる。このように民泊事業で入退場管理を行う場合は、読み取り部22bに対して、クレジットカードの決済機能を付与し、チェックインと同時、若しくはチェックアウトと同時に宿泊費の精算を行えるようにしてもよい。また、チェックアウトと同時に識別情報の読み取りを行う場合には、追加料金の精算も行うことができる。
【0060】
ドアロック手段23は、上述したように、訪問者認証手段22による認証結果に基づいて、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠するものであり、制御手段21と、記憶手段24に予め記憶されたロック駆動プログラム(図示せず)との協働により、ロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠の動作処理を行うことができるようになっている。すなわち、このドアロック手段23は、訪問者認証システムにおける出力手段の一つとして機能する。
【0061】
図5(a)は、玄関ドア4におけるロック230の状態を制御する場合のドアロック手段23の概略構成を示している。
ロック230は、制御手段21の制御信号に基づいて動作するロック駆動部230aによって駆動し、施錠又は解錠の切り替え動作を行うことができるようになっている。
なお、玄関ドア4は、セキュリティ上、通常は閉まっているものであるため、本実施形態においては、特に玄関ドア4を開閉させるためのドア開閉駆動部を有していないものとしたが、これに限られるものではなく、玄関ドア4がドア開閉駆動部を有してもよいものとする。
また、玄関ドア4には、セキュリティ性を高めるために、U型ロックやドアチェーン等の補助ロックが設けられる場合があるが、当該補助ロックや手動のロック231は、自動制御の対象外であるため、各種サービスを行う場合には「解錠」の状態としておく必要がある。
さらに、上述のように、玄関ドア4に対して自動制御の対象外とされた補助ロックや手動のロック231が設けられていることによって、例えば訪問者認証システムの誤作動等で自動制御のロック230が「解錠」状態となってしまった場合でもセキュリティ性を確保することができる。
また、各種サービスを開始する際に、自動制御の対象外とされた補助ロックや手動のロック231が「施錠」の状態となっている場合、各種サービスを開始できない。そのため、住宅1又は管理用端末20には、居住者や管理者に対して、補助ロックや手動のロック231が「施錠」の状態となっている旨を報知する報知手段が備えられていてもよい。この場合、訪問者認証システムは、補助ロックや手動のロック231が「施錠」状態であることを検知する検知手段を備えているものとする。
【0062】
図5(b)は、各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bにおけるロック232の状態を制御する場合のドアロック手段23の概略構成を示している。なお、この
図5(b)では、各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのうち、ホール10の部屋ドア11aを代表に上げて説明している。
ロック232は、制御手段21の制御信号に基づいて動作するロック駆動部232aによって駆動し、施錠又は解錠の切り替え動作を行うことができるようになっている。
【0063】
各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bには、ロック232とは異なる室内側ロック233が設けられてもよいものとする。室内側ロック233は、部屋の内部から手動で鍵を掛けることができるものであり、自動制御の対象外となっている。
【0064】
各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bは、ドア開閉駆動部234を更に有しており、ロック232に対する制御手段21の制御信号が「施錠」であった場合に、各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bを閉めるように動作させることができるようになっている。反対に、ロック232に対する制御手段21の制御信号が「解錠」であった場合に、各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bを開けるように動作させることも可能となっている。
なお、このようなドア開閉駆動部234は、例えば駆動モータやレール部材等を使用した既存の技術が採用されているものとする。片開き戸の場合は、ドア本体を回転させるように回転軸に対して駆動力が付与され、引き戸の場合は、スライド方向に駆動力が付与される。
【0065】
以上のようなドアロック手段23は、
図3に示すように、通信手段25を介して管理用端末20から制御可能となっている。すなわち、自動制御の対象となっている玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを、管理用端末20から施錠又は解錠する操作を行うことができる。
なお、自動制御の対象外となっているロック231,233については管理用端末20からの操作を行うことはできないものとする。ただし、住宅1の居住者(管理者)は、住宅1に出入りするため、ロック231の施錠・解錠の切り替え操作ができる鍵を所有しているものとする。
【0066】
また、ドアロック手段23は、訪問者の訪問スケジュールに基づいて、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠可能とされている。
訪問者が、例えば訪問看護や訪問介護、家事代行等のサービスの訪問スタッフであった場合には、事前に訪問スケジュールが判明している場合が多い。また、このような訪問スケジュールは、事前に判明しているため、記憶手段24に記憶されていたり、管理用端末20の記憶手段に記憶されていたりする。すなわち、訪問者は、事前に自身のスケジュールを管理用端末20に送信し、訪問者認証システムに対して登録する作業を行うものとする。
そのため、ドアロック手段23は、上述のように、訪問スタッフの訪問スケジュールに基づいて、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠することができるようになっている。すなわち、制御手段21と、記憶手段24に予め記憶されたロック駆動プログラム(図示せず)と、の協働により、訪問者の訪問スケジュールに合わせて、ロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠の動作処理を行うことができるようになっている。
【0067】
管理用端末20は、管理者が使用するものであり、例えば、インターネット回線に接続されているサーバーコンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等が用いられ、必要に応じてプリンタや記録媒体書込装置等が追加される。
また、このような管理用端末20は、訪問者ごとに、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bそれぞれのロック230,232の状態を設定するための設定入力部20aを有している。
より詳細に説明すると、例えば各種サービスのうち複数のサービスを同時に導入する場合や、民泊事業の場合には、住宅1に対して複数の訪問者が訪問することになるが、その場合、訪問者によって入れる部屋と入れない部屋が異なる場合がある。そのような場合に、訪問者ごとに、入れる部屋と入れない部屋とを事前に決めておけば、サービスを行う訪問者は、自分が行ける部屋にのみ行けばよいので、特に不都合が生じないという利点がある。
また、この管理用端末20には、例えばインターネット等のコンピュータネットワークを通じて、訪問予定者から新規登録情報に係るデータが事前に送られてくる場合がある。新規登録情報に係るデータは、訪問者認証システムでも共有する必要があるため、管理用端末20から記憶手段24に送信され、記憶手段24にて記憶される。
管理用端末20は、インターネット回線に接続された管理者アクセス用のサーバー(図示せず)に対して更に接続されており、当該サーバーから、訪問者に係る諸情報を受信したり、各種サービスに係る諸情報を受信したりすることができる。
【0068】
記憶手段24に記憶された訪問履歴情報は、過去に住宅1に訪問したことのある訪問者についての生体情報及び識別情報が含まれており、2回目以降の住宅1への訪問時には、当該訪問履歴情報に基づいて、訪問者の認証が行われる。具体的には、記憶手段24に訪問履歴情報が記憶されている場合、訪問者認証手段22は、訪問者の訪問時に確認する生体情報と識別情報の双方と、記憶手段24に記憶された訪問履歴情報との照合を行うようにする。
なお、訪問履歴情報には、生体情報及び識別情報の他に、出入り禁止情報も含まれていてもよい。出入り禁止になっている訪問者が住宅1を訪問し、生体情報及び識別情報の認証を行おうとしても、玄関ドア4のロック230の施錠状態が維持されることになる。また、玄関ドア4のロック230が万が一解錠の状態になっていた場合には、解錠状態から施錠状態へと変更される。
【0069】
記憶手段24に記憶された新規登録情報は、初めて住宅1を訪問する訪問者が事前に記憶手段24又は管理用端末20に対して登録した情報であり、主として、個人情報である識別情報が含まれるものとするが、事前に顔写真の画像データを生体情報として登録し、これが含められるものとしてもよい。したがって、初めて住宅1を訪問する訪問者については、当該新規登録情報に基づいて認証が行われる。具体的には、記憶手段24に訪問履歴情報が記憶されていない場合、訪問者認証手段22は、訪問者の訪問時に確認する生体情報と識別情報のうち少なくとも一方と、記憶手段24に記憶された新規登録情報との照合を行うようにする。
【0070】
監視手段26は、
図6に示すように、自走機構を有する床清掃装置からなる本体部26aと、本体部26aに組み込まれた撮影部26bと、撮影部26bによって撮影した画像を管理用端末20又は通信手段25に送信する通信部26cと、を備える。すなわち、本実施形態における監視手段26は、いわゆる「お掃除ロボット」に対してカメラ機能及び通信機能を付与したものであり、住宅1内を走行しながら住宅1内の監視を行うことが可能となっている。
このような監視手段26によれば、自走機構を有する本体部26aが床清掃を行いながら住宅1内を走行する際に、撮影部26bによって住宅1内の画像を撮影し、通信部26cによって管理用端末20又は通信手段25側につぶさに送信することができる。画像のデータは、管理用端末20の記憶部若しくは訪問者認証システムの記憶手段24に記憶され、訪問履歴情報に紐付けされる。そのため、訪問者の住宅1内での行動を記憶しておくことができる。
なお、本実施形態における監視手段26として、このような「お掃除ロボット」タイプのものが挙げられるが、その他の監視手段として、例えば監視カメラや人感センサー等を用いてもよいものとする。当該その他の監視手段についても同様に、その監視結果が管理用端末20又は通信手段25側に送信されて記憶されるものとする。
【0071】
床清掃装置からなる本体部26aは自走機構を有するため、充電が必要となる。住宅1内には、
図1,
図2に示すように、本体部26aが自走して帰還する基地局27a,27b,27cが複数配置されている。本実施形態における基地局27a,27b,27cは、本体部26aへの充電が可能で、一階の第一玄関室5における収納スペースに一つ、ホール10における収納スペースに一つ、二階の階段ホール13における収納スペースに一つ配置されている。また、このように基地局27a,27b,27cが、住宅1の一階と二階に配置されているため、本体部26aも住宅1の一階と二階に一台ずつ配備されているものとする。
このように住宅1内に配備された本体部26aは、ドアロック手段23と連携し、訪問者の訪問スケジュールに基づいて自走し、基地局27a,27b,27cに帰還可能とされている。
本体部26aは、例えば訪問者が住宅1を訪問する時間が近づいていて、ドアロック手段23によって各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック232が施錠される前に、基地局27a,27b,27cに帰還することができるようになっている。
また、住宅1の一階では、第一玄関室5側とホール10側に基地局27a,27bが配置されているため、ホール10の第一玄関室5側に位置する玄関室側ドア10aのロック状態に応じて、どちらの基地局27a,27bにも帰還することができるように設定されている。
【0072】
[各種サービスについて]
以上のように構成された訪問者認証システムを住宅1に導入すれば、例えば、訪問看護や訪問介護、障害者自立支援事業、家事代行、民泊事業等のような各種サービスを住宅1で利用することができる。このような各種サービスは、住宅1に訪問する訪問者が、一つの部屋に行くことを目的とする第一サービスと、少なくとも一つの部屋に行くことを目的とする第二サービスと、複数の部屋に行くことを目的とする第三サービスと、に区分することができる。
【0073】
第一サービスとしては、民泊事業を挙げることができる。民泊事業では、住宅1に宿泊する訪問者が、玄関ドア4から許可された宿泊用の部屋に行くことができるように、ドアロック手段23が適宜動作することになる。
このように、訪問者に対して、一つの宿泊用の部屋が割り当てられるようにすれば、複数の宿泊者(訪問者)を受け入れることができる。
なお、キッチン1やリビングダイニング12は、複数の宿泊者(訪問者)が自由に出入りできる共用スペースとしてもよい。
【0074】
第二サービスとしては、訪問看護や訪問介護、障害者自立支援事業を挙げることができる。当該第二サービスでは、玄関ドア4から許可された特定の部屋と、サービスを行う上で必要な部屋があればその部屋に行くことができるように、ドアロック手段23が適宜動作することになる。
【0075】
第三サービスとしては、家事代行や民泊事業を挙げることができる。
家事代行サービスでは、玄関ドア4から複数の部屋に行くことができるように、ドアロック手段23が適宜動作することになる。
民泊事業では、上述の第一サービスで説明したように、許可された宿泊用の部屋にのみ行ける場合と、宿泊用の部屋と共用スペース(例えばホール10など)のある部屋の双方に行ける場合とがある。宿泊用の部屋と共用スペースのある部屋の双方に行けるようにした民泊事業では、これら複数の部屋に行くことができるように、ドアロック手段23が適宜動作することになる。
【0076】
なお、住宅1において民泊事業を行う場合は、たとえ住宅1の居住者(所有者)や管理者であっても、訪問者の宿泊用の部屋にみだりに立ち入ることはできないように、各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bには、上述の室内側ロック233が設けられている。
ただし、管理者は、必要に応じて宿泊用の部屋でも部屋ドアを開けられるようにしなければならないため、室内側ロック233については、部屋の外部から施錠・解錠の切り替え操作ができる鍵を所有しているものとする。すなわち、各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bに設けられた室内側ロック233は、管理者が所有する鍵(マスターキー)によって、部屋の外部からの施錠・解錠の切り替えが可能に構成されている。
【0077】
例えば訪問看護や訪問介護、障害者自立支援事業、家事代行等のサービスは、昼間に行われることが多いため、例えば夜間は、ドアロック手段23による玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232の制御を休止してもよい。そのため、訪問者認証システムには、サービス解除モードがあってもよいものとする。
【0078】
なお、居住者がいる住宅1で各種サービスを行う場合、居住者は、情報記録媒体223,224によって識別情報の読み取りを行わずに、例えば生体認証のみで住宅1の出入りができるようにしてもよい。反対に、生体認証を行わずに、識別情報の読み取りのみで住宅1の出入りができるようにしてもよい。このように、居住者が住宅1に出入りするための認証を、訪問者の場合よりも簡易にすることで、居住者の利便性を図ることができるので、居住者にとっての住宅1の快適性を損ないにくくなる。
【0079】
本実施の形態によれば、訪問者情報には、訪問者の生体情報と、訪問者が所持する情報記録媒体223,224に記録された訪問者を識別する識別情報のうち、少なくとも一方が含まれており、訪問者認証手段22は、訪問者ごとの訪問時に確認する訪問者情報と、記憶手段24に記憶された訪問履歴情報24a又は新規登録情報24bとを照合して、住宅1を訪問する訪問者ごとに認証を行うので、過去に訪問したことのある訪問者も、新規の訪問者も、それぞれ本人確認を確実に行うことができる。
このように本人確認を行った上で、ドアロック手段23が、訪問者認証手段22による認証結果に基づいて、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠するので、住宅1の居住者のプライバシーを保護したり、住宅1のセキュリティ性を高めたりすることができる。すなわち、訪問者は、開いているドアのみを開閉することができ、接続領域5,10,10c,13,14を通過して目的の部屋へと行くことができ、開いていないドアの先には進むことができないようになる。
これにより、個人や事業者が所有する住宅1を利用した各種サービスを導入するに当たって生じるプライバシーやセキュリティ等の諸問題を解決することができ、その結果、当該各種サービスを円滑に進めることが可能となる。
【0080】
また、記憶手段24に訪問履歴情報24aが記憶されている場合、訪問者認証手段22は、訪問者の訪問時に確認する生体情報と識別情報の双方と、記憶手段24に記憶された訪問履歴情報24aとの照合を行うので、訪問者の本人確認を二重に行うことができる。これにより、住宅1のセキュリティ性をより高めることができる。
【0081】
また、記憶手段24に訪問履歴情報24aが記憶されていない場合、訪問者認証手段22は、訪問者の訪問時に確認する生体情報と識別情報のうち少なくとも一方と、記憶手段24に記憶された新規登録情報24bとの照合を行うので、新規の訪問者であっても本人確認を確実に行うことができる。
【0082】
また、訪問者認証手段22は、玄関ドア4の外部に設けられ、生体情報を確認する生体情報認証部22aと、玄関ドア4の外部に設けられ、情報記録媒体223,224から識別情報を読み取る読み取り部22bと、を有するので、訪問者が住宅1内に入る前に本人確認を行うことができる。
【0083】
また、生体情報認証部22aは、カメラ付きインターホンシステムであり、訪問者の顔認証を行うので、訪問者側はインターホンによって住宅1の居住者を呼び出すことができ、居住者側は、訪問者の顔を確認しつつ、顔認証を行うことができる。また、訪問者がカメラ付きインターホンシステムを使用したことを契機に、訪問者認証手段22を動作させることができるので都合がよい。
【0084】
また、管理用端末20と通信するための通信手段25を備えているので、管理用端末20に対して各種データを送信したり、管理用端末20から各種データを受信したりすることができる。
さらに、ドアロック手段23は、通信手段25を介して管理用端末20から制御可能となっているので、管理用端末20から、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bのロック230,232のそれぞれを施錠又は解錠することができる。そのため、どうしてもロック230,232を施錠の状態又は解錠の状態にしなければならない事態が生じた場合にも確実に対応できる。
【0085】
また、管理用端末20は、訪問者ごとに、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bそれぞれのロック230,232の状態を設定するための設定入力部20aを有するので、設定入力部20aから必要事項を入力し、訪問者ごとに、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bそれぞれのロック230,232の状態を設定することができる。これにより、訪問者は目的とする部屋にのみ行けばよく、例えば複数の訪問サービスを住宅1に導入しても不都合が生じにくいため、訪問サービスに支障が出ない。
【0086】
また、自走機構を有する本体部26aが床清掃を行いながら住宅1内を走行する際に、撮影部26bによって住宅1内の画像を撮影し、通信部26cによって管理用端末20又は通信手段25側につぶさに送信することができる。そのため、画像データに写り込んでいる訪問者と訪問履歴情報24aとを照合したり、管理者が画像データを確認したりすることができるので、住宅1のセキュリティ性をより高めることができる。
【0087】
また、複数の部屋11,12,15~19のうち少なくとも一つの部屋の部屋ドアには、ドアロック手段23におけるロック230,232とは異なる室内側ロック233が設けられているので、室内側からロックすることで、在室時のプライバシーを保護したり、各部屋のセキュリティ性を高めたりすることができる。
【0088】
また、居住者用の第二玄関室9が、インナーガレージ6と連通し、かつ当該インナーガレージ6の奥側に配置されているので、インナーガレージ6に駐車した車の近くに、第二玄関室9が位置することとなる。そのため、車に積んだ荷物の搬入や、第二玄関室9から車までの荷物の搬入を行う際の利便性が高い。特に車を、インナーガレージ6の奥側に向かってバックで駐車した場合には、車の後部トランクが第二玄関室9とより近くなるため、荷物の搬出入時における利便性をより一層高めることができる。
【0089】
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
【0090】
上述の実施形態では、第二玄関室9が居住者用の玄関とされているが、本変形例では、居住者のスケジュールに応じて、第二玄関室9が訪問者用の玄関に切り替え可能とされている。
例えば居住者が、車を使用して外出している間に、上述のような各種サービスの訪問スタッフが車で住宅1を訪問する場合に、インナーガレージ6に車を駐車することができる。このように訪問スタッフがインナーガレージ6を使用できる場合であって、かつ訪問スタッフが荷物の搬出入を行う場合には、第二玄関室9を使用できた方が利便性が高い。
また、住宅1で民泊事業を行う場合も、車を運転する居住者が車を使用して外出した際に、宿泊者がインナーガレージ6を使用することができる。そして、例えば居住者が車を使用して長期に不在となる場合には、第二玄関室9を、訪問者(宿泊者)用の玄関に切り替えてもよいものとする。
【0091】
第二玄関室9の訪問者用の玄関への切り替えは、ドアロック手段23によって行われるものとする。すなわち、居住者のスケジュールを管理用端末20から入力し、制御手段21と、記憶手段24に予め記憶されたロック駆動プログラム(図示せず)と、の協働により、そのスケジュールに合わせて、ロック230,231,232のそれぞれを施錠又は解錠の動作処理を行うことができるようになっている。
また、このように第二玄関室9の切り替え可能とする場合は、生体情報認証部22aも、第二玄関室9側に設けられているものとする。すなわち、第二玄関室9に出入りするための玄関ドア8付近にも、生体情報認証部22a及び読み取り部22bが設けられているものとする。
さらに、第二玄関室9が訪問者用の玄関に切り替わっている場合は、訪問者による第一玄関室5への出入りができないように設定されていることが好ましい。また、このように訪問者が第一玄関室5への出入りができない場合は、第一玄関室5とホール10との間にある玄関室側ドア10aも施錠状態となる。
なお、訪問者が使用するスマートフォン等の情報記録媒体223には、第一玄関室5と第二玄関室9のどちらが訪問者用の玄関であるかを報知する報知手段が備えられてもよいものとする。
【0092】
以上のような本変形例によれば、居住者のスケジュールに応じて第二玄関室9を訪問者用の玄関に切り替えることができるので、訪問者が車で住宅1を訪問した際の利便性が高くなり、その結果、各種サービスを円滑に進めることが可能となる。
【0093】
なお、第二玄関室9が訪問者用の玄関に切り替わっている場合、監視手段を構成する本体部26aは、自走してホール10に設けられた基地局27bに帰還するように設定されており、第二玄関室9を利用する訪問者を監視できるようになっている。
【符号の説明】
【0094】
1 住宅
4 玄関ドア
5 第一玄関室
10 ホール
10c 階段
11 キッチン
11a 部屋ドア
12 リビングダイニング
12a 部屋ドア
13 階段ホール
14 廊下
15 第一子供部屋
15a 部屋ドア
16 第二子供部屋
16a 部屋ドア
17 ランドリールーム
17a 部屋ドア
17b 部屋ドア
18 水廻り室
18a 部屋ドア
19 主寝室
19a 部屋ドア
19b 部屋ドア
19c 書斎
20 管理用端末
21 制御手段
22 訪問者認証手段
22a 生体情報認証部
22b 読み取り部
223 情報記録媒体
224 情報記録媒体
23 ドアロック手段
230 ロック
232 ロック
233 室内側ロック
24 記憶手段
24a 訪問履歴情報
24b 新規登録情報
25 通信手段
26 監視手段