(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】カラオケシステム、サーバ装置、プログラム
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2018035019
(22)【出願日】2018-02-28
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】永沼 宇将
【審査官】辻 勇貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-098456(JP,A)
【文献】特開2015-052682(JP,A)
【文献】特開2016-071175(JP,A)
【文献】特開2005-300787(JP,A)
【文献】特開2010-286960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ装置及びサーバ装置を含むカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、
利用者のカラオケ歌唱に基づいて、採点値を含む採点結果を取得する採点部と、
前記採点結果に対し、少なくとも前記カラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報、及び前記カラオケ歌唱において使用したカラオケ装置の識別情報を関連付けた歌唱採点データを前記サーバ装置に送信するデータ送信部と、
前記採点結果を表示部に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
複数の前記歌唱採点データ、及び前記カラオケ装置の所在地を示す住所データを記憶するデータ記憶部と、
あるカラオケ歌唱を行った利用者の携帯端末から、前記カラオケ装置の表示部に表示された採点結果を撮影した画像を解析して取得された採点値と、当該画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを含む撮影データを受信した場合、当該撮影データ及び前記住所データに基づいて、前記データ記憶部に記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する特定部と、
特定した歌唱採点データに基づいて、前記あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを作成する画像作成部と、
前記撮影データを送信した携帯端末に対し、作成した採点画像データを送信するデータ送信部と、
を有するカラオケシステム。
【請求項2】
カラオケ装置及びサーバ装置を含むカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、
利用者のカラオケ歌唱に基づいて、採点値を含む採点結果を取得する採点部と、
前記採点結果に対し、少なくとも前記カラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報、及び前記カラオケ歌唱において使用したカラオケ装置の識別情報を関連付けた歌唱採点データを前記サーバ装置に送信するデータ送信部と、
前記採点結果を表示部に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
複数の前記歌唱採点データ、及び前記カラオケ装置の所在地を示す住所データを記憶するデータ記憶部と、
あるカラオケ歌唱を行った利用者の携帯端末から、前記カラオケ装置の表示部に表示された採点結果を撮影した画像を示す画像情報と、当該画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを含む撮影データを受信した場合、当該画像情報に基づく画像を解析し、採点値を取得する画像解析部と、
取得した前記採点値、前記位置情報、前記撮影時間情報、及び前記住所データに基づいて、前記データ記憶部に記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する特定部と、
特定した歌唱採点データに基づいて、前記あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを作成する画像作成部と、
前記撮影データを送信した携帯端末に対し、作成した採点画像データを送信するデータ送信部と、
を有するカラオケシステム。
【請求項3】
少なくとも、利用者のカラオケ歌唱に基づいて取得された採点値を含む採点結果と、当該カラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報と、当該カラオケ歌唱において使用したカラオケ装置の識別情報とを関連付けた歌唱採点データ、及びカラオケ装置の所在地を示す住所データを記憶するデータ記憶部と、
あるカラオケ歌唱を行った利用者の携帯端末から、前記カラオケ装置の表示部に表示された採点結果を撮影した画像を解析して取得された採点値と、当該画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを含む撮影データを受信した場合、当該撮影データ及び前記住所データに基づいて、前記データ記憶部に記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する特定部と、
特定した歌唱採点データに基づいて、前記あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを作成する画像作成部と、
前記撮影データを送信した携帯端末に対し、作成した採点画像データを送信するデータ送信部と、
を有するサーバ装置。
【請求項4】
少なくとも、利用者のカラオケ歌唱に基づいて取得された採点値を含む採点結果と、当該カラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報と、当該カラオケ歌唱において使用したカラオケ装置の識別情報とを関連付けた歌唱採点データ、及びカラオケ装置の所在地を示す住所データを記憶するデータ記憶部と、
あるカラオケ歌唱を行った利用者の携帯端末から、前記カラオケ装置の表示部に表示された採点結果を撮影した画像を示す画像情報と、当該画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを含む撮影データを受信した場合、当該画像情報に基づく画像を解析し、採点値を取得する画像解析部と、
取得した前記採点値、前記位置情報、前記撮影時間情報、及び前記住所データに基づいて、前記データ記憶部に記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する特定部と、
特定した歌唱採点データに基づいて、前記あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを作成する画像作成部と、
前記撮影データを送信した携帯端末に対し、作成した採点画像データを送信するデータ送信部と、
を有するサーバ装置。
【請求項5】
前記画像作成部は、前記特定した歌唱採点データに含まれる採点値を示す第1の採点画像データと、前記特定した歌唱採点データに含まれる採点値以外の情報を示す第2の採点画像データとを作成することを特徴とする請求項3または4記載のサーバ装置。
【請求項6】
サーバ装置と通信可能であり、撮影部及び表示部を有する携帯端末を、
前記撮影部により撮影した、カラオケ装置の表示部に表示された採点結果の画像を解析し、採点値を取得する画像解析部、
取得した採点値と、前記画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す時間情報とを関連付けた撮影データを前記サーバ装置に送信するデータ送信部、
前記撮影データ及び前記カラオケ装置の所在地を示す住所データに基づいて、複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定し、特定した歌唱採点データに基づいて作成した、あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを、前記サーバ装置から受信した場合、当該採点画像データに基づく画像を表示部に表示させる表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
前記画像解析部は、前記採点値を取得できない場合、前記携帯端末を所有する利用者に対して再度の画像撮影を行うよう報知することを特徴とする請求項6記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケシステム、サーバ装置、及び利用者の携帯端末で実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケシステムは、カラオケ装置とサーバ装置とがネットワークを介して接続されている。各利用者は、カラオケシステムに対し、自己の個人情報を利用者識別情報(利用者ID)と対応付けて予め登録しておく。利用者があるカラオケ装置を利用する際に自己の利用者IDを入力すること(ログイン操作)により、サーバ装置からカラオケ装置に当該利用者の個人情報をダウンロードできる。
【0003】
個人情報は、たとえば利用者が過去にカラオケ歌唱を行った楽曲のリストや、利用者自身が十八番として登録した楽曲のリスト、あるいはカラオケ歌唱の際に採点機能を使って算出された楽曲毎の採点結果などである。利用者は、カラオケ装置でログイン操作を行うことで個人情報を利用することができる。
【0004】
たとえば、特許文献1には、採点手段による複数の評価項目毎の評価値を、歌唱者の識別情報及びカラオケ楽曲の識別情報に対応付けして評価履歴データとして蓄積する評価履歴データ蓄積手段を有するカラオケシステムが開示されている。このようなカラオケシステムにログインした利用者は、評価履歴データを参照することにより、自己の採点記録を確認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の技術によれば、カラオケシステムにログインしなければ採点記録を確認できないため、煩雑である。
【0007】
また、採点機能を使用したカラオケ歌唱を終えた利用者の中には、カラオケ歌唱後にカラオケ装置に表示される採点結果の画面を、自己が所有する携帯端末(スマートフォン等)で撮影し、画像として保存する利用者が存在する。
【0008】
しかし、利用者自身で撮影を行うため、撮影した画像が曲がってしまう場合や、撮影した画像にフラッシュの反射によるハレーションが生じる場合、或いは、撮影した画像にカラオケ装置周辺にいる人物や物体が映り込む場合等がある。つまり、カラオケ装置に表示された採点結果の画面をそのままの状態で撮影することが困難であった。
【0009】
本発明の目的は、カラオケシステムにログインすることなく、カラオケ装置に表示される採点結果の画面と同等の画像を容易に取得するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための一の発明は、カラオケ装置及びサーバ装置を含むカラオケシステムであって、前記カラオケ装置は、利用者のカラオケ歌唱に基づいて、採点値を含む採点結果を取得する採点部と、前記採点結果に対し、少なくとも前記カラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報、及び前記カラオケ歌唱において使用したカラオケ装置の識別情報を関連付けた歌唱採点データを前記サーバ装置に送信するデータ送信部と、前記採点結果を表示部に表示させる表示制御部と、を有し、前記サーバ装置は、複数の前記歌唱採点データ、及び前記カラオケ装置の所在地を示す住所データを記憶するデータ記憶部と、あるカラオケ歌唱を行った利用者の携帯端末から、前記カラオケ装置の表示部に表示された採点結果を撮影した画像を解析して取得された採点値と、当該画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを含む撮影データを受信した場合、当該撮影データ及び前記住所データに基づいて、前記データ記憶部に記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する特定部と、特定した歌唱採点データに基づいて、前記あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを作成する画像作成部と、前記撮影データを送信した携帯端末に対し、作成した採点画像データを送信するデータ送信部と、を有するカラオケシステムである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カラオケシステムにログインすることなく、カラオケ装置に表示される採点結果の画面と同等の画像を容易に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係るカラオケシステムの概略を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るカラオケ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るカラオケ装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るカラオケ装置に表示される採点結果の画面を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る携帯端末で撮影された画像を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係る店舗データ記憶部に記憶されているデータの例を示す図である。
【
図9】第1実施形態に係る歌唱採点データ記憶部に記憶されているデータの例を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
【
図11】第2実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成例を示す図である。
【
図12】第2実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図13】第2実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
図1~
図10を参照して、第1実施形態に係るカラオケシステムについて説明する。
【0014】
==システム==
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、複数のカラオケ装置(カラオケ装置K1~カラオケ装置Kn)、及びサーバ装置Sを備える。各カラオケ装置とサーバ装置Sとは、ネットワークNを介して通信可能となっている。ネットワークNは、たとえば公衆電話回線網やインターネット回線等の伝送路である。また、サーバ装置Sは、カラオケ装置の利用者が所有する携帯端末Mと通信可能となっている。
【0015】
==カラオケ装置==
[ハードウェア構成]
カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。以下では、カラオケ装置K1について説明を行うが、他のカラオケ装置も同様の構成を備える。なお、利用者は、カラオケシステムに対するログイン操作(自己の利用者IDやパスワードの入力)を行わなくとも、カラオケ装置を利用して楽曲の予約やカラオケ歌唱を楽しむことができる。
【0016】
図2に示すように、カラオケ装置K1は、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0017】
スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者の歌唱音声(マイク40への入力音声)をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。利用者はリモコン装置50を用いてカラオケ歌唱を希望する楽曲の検索や選曲(予約)等を行うことができる。リモコン装置50の表示画面には各種操作の指示入力を行うためのアイコン等が表示される。
【0018】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。
図2に示すように、カラオケ本体10は、制御部11、通信部12、記憶部13、音響処理部14、表示処理部15、及び操作部16を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0019】
制御部11は、CPUおよびメモリ(いずれも図示なし)を備える。CPUは、メモリに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の制御機能を実現する。メモリは、CPUに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶装置である。
【0020】
通信部12は、ルーター(図示なし)を介してカラオケ本体10を通信回線に接続するためのインターフェースを提供する。
【0021】
記憶部13は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。本実施形態において、記憶部13は、カラオケ装置K1においてカラオケ演奏を行うための複数の楽曲(楽曲データ)を記憶する。楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲ID(識別情報)が付与されている。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ、ガイドメロディデータ、歌詞テロップデータ、背景画像データ、及び楽曲の属性情報(楽曲名、歌手名、作詞・作曲者名、ジャンル等の楽曲に関する情報)を含む。楽曲データは、サーバ装置Sからカラオケ装置K1に対して配信される。但し、楽曲データを記憶部13に記憶せず、必要に応じてサーバ装置Sからダウンロードすることでもよい。
【0022】
また、記憶部13は、カラオケ装置K1の識別情報を有する。カラオケ装置の識別情報は、複数のカラオケ装置を識別するための情報である。具体的には、専用のID(装置ID)や番号等、それぞれのカラオケ装置固有の情報である。
【0023】
音響処理部14は、制御部11の制御に基づき、楽曲に対するカラオケ演奏の制御およびマイク40を通じて入力された歌唱音声信号の処理を行う。音響処理部14は、たとえばMIDI音源、ミキサ、アンプ(いずれも図示なし)を含む。MIDI音源は、楽曲データに基づいて楽音信号を生成する。ミキサは、当該音楽信号およびマイク40から出力される音声信号を適当な比率でミキシングしてアンプに出力する。アンプは、ミキサからのミキシング信号を増幅し、放音信号としてスピーカ20へ出力する。これにより、スピーカ20からは放音信号に基づくカラオケ演奏音およびマイク40からの歌唱音声が放音される。
【0024】
表示処理部15は、制御部11の制御に基づき、表示装置30やリモコン装置50における各種表示に関する処理を行う。たとえば、表示処理部15は、カラオケ演奏時における背景映像に歌詞テロップや各種アイコンが重ねられた映像を表示装置30に表示させる。或いは、表示処理部15は、リモコン装置50の表示画面に操作入力用の各種アイコンを表示させる。
【0025】
操作部16は、パネルスイッチおよびリモコン受信回路などからなり、利用者によるカラオケ装置K1のパネルスイッチあるいはリモコン装置50の操作に応じて選曲信号、演奏中止信号などの操作信号を制御部11に対して出力する。制御部11は、操作部16からの操作信号を検出し、対応する処理を実行する。
【0026】
[ソフトウェア構成]
図3はカラオケ本体10のソフトウェア構成例を示す図である。カラオケ本体10は、演奏制御部100、採点部200、データ送信部300、及び表示制御部400を備える。演奏制御部100、採点部200、データ送信部300、及び表示制御部400は、CPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
【0027】
(演奏制御部)
演奏制御部100は、カラオケ装置K1におけるカラオケ演奏に関する各種制御を行う。演奏制御部100は、利用者が予約した楽曲の楽曲データを記憶部13から読み出し、音響処理部14を制御してカラオケ演奏を行なう。また、演奏制御部100は、カラオケ演奏に関する時間情報を管理する。具体的に、時間情報はある楽曲のカラオケ演奏を開始または終了した時刻(時分秒)である。時間情報は、カラオケ演奏を行った日付(年月日)を含んでいてもよい。
【0028】
(採点部)
採点部200は、利用者のカラオケ歌唱に基づいて、採点値を含む採点結果を取得する。採点部200は、取得した採点結果をデータ送信部300及び表示制御部400に出力する。
【0029】
採点結果は、カラオケ歌唱を様々な点から評価した結果である。採点結果は、少なくとも採点値を含む。
【0030】
カラオケ歌唱に基づく採点値の取得は、公知の手法を用いることができる。たとえば、採点部200は、マイク40から入力された歌唱音声信号から、ピッチ(音高)データ、音量データ等の歌唱音声データを抽出し、楽曲のリファレンスデータと比較することにより、採点値を得る。採点値は、具体的な数値(採点値)であってもよいし、いくつかの区分に分類されたランク(たとえばA~Eの5段階評価)であってもよい。
【0031】
採点結果は、音程の正確性、安定性、歌唱技法等の歌唱表現力の評価を含んでいてもよい。
【0032】
たとえば、採点部200は、歌唱音声信号から歌唱音声のタイミング(リズム)、音高、音量などのパターンを検出することで歌唱表現力の評価を行うことができる。具体例として、ビブラート歌唱の検出評価については、特開2005-107087号公報の技術を利用できる。しゃくり歌唱の検出評価については、特開2005-107336号公報の技術を利用できる。フォール歌唱の検出評価については、特開2008-225115号公報の技術を利用できる。
【0033】
(データ送信部)
データ送信部300は、採点結果に対し、少なくともカラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報、及びカラオケ歌唱において使用したカラオケ装置の識別情報を関連付けた歌唱採点データをサーバ装置Sに送信する。歌唱採点データは、カラオケ歌唱を行った利用者の識別情報やカラオケ歌唱を行った楽曲の識別情報を含んでいてもよい。
【0034】
利用者の識別情報は、ログイン操作を行った利用者がカラオケ歌唱を行った場合には、サーバ装置Sから取得した識別情報を用い、また、ログイン操作を行っていない利用者がカラオケ歌唱を行った場合には、予め定められたゲスト用の識別情報(例えば「0000000」)を用いる。楽曲の識別情報(楽曲ID)及びカラオケ装置の識別情報(装置ID)は、記憶部13に記憶されている。カラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報は、あるカラオケ歌唱が行われたときを特定するための情報である。具体的に、歌唱時間情報はある楽曲のカラオケ歌唱を開始または終了した時刻(時分秒)である。歌唱時間情報は、カラオケ歌唱を行った日付(年月日)を含んでいてもよい。なお、カラオケ歌唱を開始(または終了)したときと、カラオケ演奏を開始(または終了)したときは、ほぼ同時となる。従って、データ送信部300は、演奏制御部100により管理されるカラオケ演奏に関する時間情報を、歌唱時間情報として用いることができる。一方、カラオケ装置K1は、利用者の歌唱音声がマイク40に入力された時間(入力されなくなって所定時間が経過した時間)を検出することもできる。この場合、データ送信部300は、当該時間を歌唱時間情報として用いることも可能である。
【0035】
たとえば、カラオケシステムにログインしていない利用者Xが楽曲Aのカラオケ歌唱を行ったとする。カラオケ歌唱が終了した後、採点部200は、カラオケ歌唱に基づいて採点結果を取得する。データ送信部300は、記憶部13から楽曲Aの楽曲ID及びカラオケ装置K1の装置IDを読み出す。また、データ送信部300は、演奏制御部100から楽曲Aのカラオケ演奏に関する時間情報を取得する。データ送信部300は、採点結果に対し、予め定められたゲスト用の利用者ID、楽曲Aの楽曲ID、楽曲Aのカラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報、及びカラオケ装置K1の装置IDを関連付けた歌唱採点データを作成し、サーバ装置Sに送信する。
【0036】
(表示制御部)
表示制御部400は、カラオケ装置K1における各種表示制御を行う。本実施形態において、表示制御部400は、採点結果を表示部に表示させる。本実施形態に係る表示装置30及びリモコン装置50は、「表示部」の一例である。
【0037】
たとえば、表示制御部400は、採点部200が取得した、利用者Xによる楽曲Aのカラオケ歌唱に基づく採点結果を所定のレイアウトで表示装置30に表示させる。所定のレイアウトは、記憶部13に記憶されている。
【0038】
図4は表示装置30に表示された採点結果の画面の一例である。この例では、採点値「95.490点」の他、楽曲名、歌手名、カラオケ歌唱を行った日付、及びカラオケ歌唱に関する各種評価が表示されている。なお、利用者がカラオケシステムにログインしていない場合、ゲスト用の利用者IDを参照するため、利用者名は「ゲスト」と表示される。カラオケ歌唱を終えた利用者は、表示された採点結果の画面を確認することで自己のカラオケ歌唱の評価等を把握できる。
【0039】
==携帯端末==
携帯端末Mは、利用者が所有する一般的なスマートフォン、タブレット端末等である。
【0040】
[ハードウェア構成]
図5は携帯端末Mのハードウェア構成例を示す図である。携帯端末Mは、記憶部60、通信部61、操作部62、表示部63、撮影部64、及び制御部65を備える。
【0041】
記憶部60は、携帯端末Mに関する各種情報を記憶する。本実施形態において、記憶部60は、携帯端末Mを識別するための端末識別情報、及びカラオケ用アプリを記憶している。
【0042】
カラオケ用アプリは、カラオケシステム1にログインすることなく、撮影した静止画に関わる処理や、サーバ装置Sとのデータの送受信を可能とするためのプログラムを実行するソフトウェアである。カラオケ用アプリを実行することにより、携帯端末Mは、サーバ装置Sと通信可能となる。なお、カラオケ用アプリは、カラオケシステム1にログインしてペアリングを行うことにより、その他の機能を備えていてもよい。たとえば、カラオケ用アプリは、携帯端末Mがリモコン装置50と同様の各種操作を行うことを可能とするようなソフトウェアであってもよい。
【0043】
通信部61は、携帯端末Mとカラオケシステム1とを接続するためのインターフェースを提供する。操作部62は、利用者が各種の操作入力を行うためのボタンやGUIである。表示部63は、各種の情報を表示させる表示画面を提供する。
【0044】
撮影部64は、携帯端末Mの本体部分に設けられたカメラである。カラオケ用アプリの実行中に撮影部64で撮影された画像(画像データ)は、撮影された時間を示す撮影時間情報、及び撮影した場所を示す位置情報と関連付けられ、記憶部60に記憶される。撮影時間情報は、ある対象の撮影が行われたときを特定するための情報である。具体的に、撮影時間情報はある対象を撮影した時刻(時分秒)である。撮影時間情報は、撮影を行った日付(年月日)を含んでいてもよい。位置情報は、携帯端末Mが備えるGPS機能を利用して取得できる。
【0045】
制御部65は、携帯端末Mの各種処理を制御する。制御部65はCPUおよびメモリ(いずれも図示なし)を備える。本実施形態において、カラオケ用アプリのプログラムを実行することにより、制御部65は、画像解析部65a、データ送信部65b、及び表示制御部65cとして機能する。
【0046】
(画像解析部)
画像解析部65aは、撮影部64により撮影した、カラオケ装置の表示部に表示された採点結果の画像を解析し、採点値を取得する。
【0047】
たとえば、カラオケ装置K1の表示装置30に、カラオケシステムにログインしていない利用者Xによる楽曲Aのカラオケ歌唱に基づく採点結果の画面が表示されているとする(
図4参照)。
【0048】
採点結果を画像として自己の携帯端末Mに保存したいと考えた場合、利用者Xは、カラオケ用アプリのメニュー画面で「採点結果の撮影」を選択した後、撮影部64により当該採点結果の画面を撮影する。ここで、利用者X自身で撮影した場合、表示装置30に対して撮影部64の向きや角度がずれていたり、カラオケ装置K1の設置されている環境によっては、
図6に示すような画像が撮影される。
図6は、画像自体が傾いており、且つ一部にハレーションが生じている例を示している。このような画像は利用者Xが望むものではなく、できるだけカラオケ装置K1の表示装置30に表示された採点結果の画面に近いものであることが望ましい。
【0049】
画像解析部65aは、
図6のような利用者が撮影した画像を解析し、採点値を取得する。画像解析は公知の手法を用いることができる。たとえば、画像解析部65aは、光学的文字認識(OCR)を利用し、画像中に含まれる数値を抽出する。そして、画像解析部65aは、抽出した数値のうち、所定条件に当てはまるもの(たとえば、フォントサイズが最大のもの)を採点値として取得する。画像解析部65aは、取得した採点値を所定の文字コードに変換し、画像に関連付けられた撮影時間情報及び位置情報と併せてデータ送信部65bに出力する。
【0050】
なお、画像解析部65aは、画像解析の結果、採点値を取得できない場合(たとえば、採点値が表示される領域にハレーションが生じている場合)、携帯端末Mを所有する利用者に対して再度の画像撮影を行うよう報知する。報知は、たとえば、表示部63に「採点値が認識できませんでした。再度の撮影を行ってください。」といったメッセージを表示させることでもよいし、携帯端末Mのスピーカ(図示なし)から警告音を発することでもよい。
【0051】
(データ送信部)
データ送信部65bは、取得した採点値と、画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを関連付けた撮影データをサーバ装置Sに送信する。
【0052】
(表示制御部)
表示制御部65cは携帯端末Mにおける各種表示制御を行う。本実施形態において、表示制御部65cは、サーバ装置Sから、あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを受信した場合、当該採点画像データに基づく画像を表示部63に表示させる。また、表示制御部65cは、受信した採点画像データを記憶部60に記憶させる。採点画像データの詳細については後述する。
【0053】
==サーバ装置==
[ハードウェア構成]
サーバ装置Sは、カラオケ装置に関する各種情報を管理したり、カラオケ装置や携帯端末から送信される情報の処理を行うコンピュータである。
図7はサーバ装置Sのハードウェア構成例を示す図である。サーバ装置Sは、記憶部70、通信部80、及び制御部90を備える。
【0054】
記憶部70は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。通信部80は、サーバ装置Sと各カラオケ装置または携帯端末Mとを接続するためのインターフェースを提供する。制御部90は、サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。制御部90は、CPUおよびメモリ(いずれも図示なし)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0055】
本実施形態において、CPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、記憶部70の記憶領域の一部は、店舗データ記憶部70a及び歌唱採点データ記憶部70bとして提供される。店舗データ記憶部70a及び歌唱採点データ記憶部70bは、「データ記憶部」の一例である。また、制御部90は、特定部90a、画像作成部90b、及びデータ送信部90cとして機能する。
【0056】
(店舗データ記憶部)
店舗データ記憶部70aは、カラオケ装置が設置される店舗、及び当該店舗に設置されているカラオケ装置に関するデータを記憶している。
図8は、店舗データ記憶部70aに記憶されているデータの例を示している。この例において、店舗データ記憶部70aは、店舗名、店舗毎の所在地を示す住所データ、店舗毎の識別情報(店舗ID)、店舗毎に設置されているカラオケ装置の識別情報(装置ID)を記憶している。
【0057】
(歌唱採点データ記憶部)
歌唱採点データ記憶部70bは、各カラオケ装置から受信した複数の歌唱採点データを時系列に記憶している。
図9は、歌唱採点データ記憶部70bに記憶されているデータの例を示している。この例において、歌唱採点データ記憶部70bは、カラオケ歌唱を行った利用者の利用者ID(ゲスト用の利用者IDを含む)、カラオケ歌唱を行った楽曲の楽曲ID、歌唱時間情報、採点結果(採点値、歌唱表現力の評価)を記憶している。
【0058】
(特定部)
特定部90aは、あるカラオケ歌唱を行った利用者の携帯端末から、カラオケ装置の表示部に表示された採点結果を撮影した画像を解析して取得された採点値と、当該画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを含む撮影データを受信した場合、当該撮影データ及び住所データに基づいて、データ記憶部(歌唱採点データ記憶部70b)に記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する。
【0059】
たとえば、楽曲Aのカラオケ歌唱を行った利用者Xの携帯端末Mから撮影データを受信したとする。この場合、特定部90aは、まず、撮影データに含まれる位置情報を元に、撮影データが撮影されたカラオケ店舗を特定する。具体的に、特定部90aは、受信した位置情報を元に店舗データ記憶部70aに記憶されている住所データを検索することで、当該位置情報と一致する住所データを特定する。次に、特定部90aは、特定した住所データに関連付けられている店舗ID及び装置IDに基づいて、特定した住所データが示す店舗に設置されているカラオケ装置を抽出する。
【0060】
更に、特定部90aは、抽出したカラオケ装置の装置IDに基づいて、歌唱採点データ記憶部70bに記憶されている歌唱採点データのうち、装置IDが一致する歌唱採点データを抽出する。
【0061】
そして、特定部90aは、撮影データに含まれる採点値及び撮影時間情報に基づいて、抽出した歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する。具体的に、特定部90aは、撮影データに含まれる採点値と同じ採点値を有し、且つ撮影時間情報と歌唱時間情報とが最も近いデータを、一の歌唱採点データとして特定する。
【0062】
なお、一の歌唱採点データを特定することができれば、特定する順番は上記例に限られない。
【0063】
(画像作成部)
画像作成部90bは、特定した歌唱採点データに基づいて、あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを作成する。
【0064】
たとえば、画像作成部90bは、特定した歌唱採点データに含まれる採点結果がカラオケ装置において表示されたレイアウトと同じレイアウトとなるよう、採点結果に含まれる各種情報を配置し、採点画像データを作成する。
【0065】
なお、採点結果に含まれる情報が多数ある場合、画像作成部90bは、採点画像データとして複数の画像データを作成してもよい。たとえば、画像作成部90bは、特定した歌唱採点データに含まれる採点値を示す第1の採点画像データと、特定した歌唱採点データに含まれる採点値以外の情報を示す第2の採点画像データとを作成してもよい。
【0066】
(データ送信部)
データ送信部90cは、撮影データを送信した携帯端末に対し、作成した採点画像データを送信する。
【0067】
データの送信方法は特に限定されない。たとえば、データ送信部90cは、デバイストークンに基づくプッシュ通知により採点画像データを特定の携帯端末に対して送信できる。
【0068】
たとえば、楽曲Aのカラオケ歌唱を行った利用者Xの携帯端末Mから送信された撮影データを参照して、一の歌唱採点データを特定した場合、データ送信部90cは、作成した採点画像データを利用者Xの携帯端末Mに送信する。携帯端末Mの表示制御部65cは、受信した採点画像データに基づく画像を表示部63に表示させる。ここで表示される画像は、
図4に示したような、カラオケ装置で実際に表示される採点結果の画面と同等の画像である。
【0069】
==カラオケシステムにおける処理について==
次に、
図10を参照して本実施形態に係るカラオケシステム1における処理の具体例について述べる。
図10は、カラオケシステム1における処理例を示すフローチャートである。この例では、利用者Xがカラオケ装置K1で楽曲Aのカラオケ歌唱を行ったとする。また、利用者Xが所有する携帯端末Mにおいて、上述のカラオケ用アプリが実行されているとする。
【0070】
カラオケ装置K1の採点部200は、利用者Xのカラオケ歌唱に基づいて、採点値を含む採点結果を取得する(採点結果の取得。ステップ10)。
【0071】
カラオケ装置K1のデータ送信部300は、ステップ10で取得した採点結果に対し、カラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報、及びカラオケ装置K1の装置IDを関連付けた歌唱採点データをサーバ装置Sに送信する(歌唱採点データの送信。ステップ11)。サーバ装置Sは、受信した歌唱採点データを歌唱採点データ記憶部70bに記憶させる(歌唱採点データの記憶。ステップ12)。
【0072】
一方、カラオケ装置K1の表示制御部400は、ステップ10で取得した採点結果を表示装置30に表示させる(採点結果の表示。ステップ13)。
【0073】
ここで、利用者Xは、携帯端末M(撮影部64)により、ステップ13で表示された採点結果の画面を撮影したとする(採点結果の撮影。ステップ14)。
【0074】
画像解析部65aは、ステップ14で得られた採点結果の画像を解析し、採点値を取得する(採点値の取得。ステップ15)。
【0075】
携帯端末Mのデータ送信部65bは、ステップ15で取得した採点値と、画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを関連付けた撮影データをサーバ装置Sに送信する(撮影データの送信。ステップ16)。
【0076】
特定部90aは、携帯端末Mから撮影データを受信した場合、当該撮影データ及び店舗データ記憶部70aに記憶された住所データに基づいて、歌唱採点データ記憶部70bに記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する(歌唱採点データの特定。ステップ17)。
【0077】
画像作成部90bは、ステップ17で特定した歌唱採点データに基づいて、利用者Xによる楽曲Aのカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを作成する(採点画像データの作成。ステップ18)。
【0078】
サーバ装置Sのデータ送信部90cは、ステップ16で撮影データを送信した携帯端末Mに対し、ステップ18で作成した採点画像データを送信する(採点画像データの送信。ステップ19)。
【0079】
携帯端末Mの表示制御部65cは、ステップ19でサーバ装置Sから送信された採点画像データに基づく画像を表示部63に表示させる(採点画像を表示。ステップ20)。
【0080】
このように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、カラオケ装置及びサーバ装置Sを含む。カラオケ装置は、利用者のカラオケ歌唱に基づいて、採点値を含む採点結果を取得する採点部200と、採点結果に対し、少なくともカラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報、及びカラオケ歌唱において使用したカラオケ装置の識別情報を関連付けた歌唱採点データをサーバ装置Sに送信するデータ送信部300と、採点結果を表示装置30等に表示させる表示制御部400と、を有する。サーバ装置Sは、複数の歌唱採点データ、及びカラオケ装置の所在地を示す住所データを記憶するデータ記憶部と、あるカラオケ歌唱を行った利用者の携帯端末から、カラオケ装置の表示部に表示された採点結果を撮影した画像を解析して取得された採点値と、当該画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを含む撮影データを受信した場合、当該撮影データ及び住所データに基づいて、データ記憶部に記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する特定部90aと、特定した歌唱採点データに基づいて、あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを作成する画像作成部90bと、撮影データを送信した携帯端末に対し、作成した採点画像データを送信するデータ送信部90cと、を有する。
【0081】
このようなカラオケシステム1またはサーバ装置Sによれば、利用者がログイン操作のような煩雑な操作を行わなくとも、当該利用者の行ったカラオケ歌唱の採点結果を示す画像を容易に取得できる。この際に取得できる画像は、サーバ装置Sが作成した採点画像データに基づいているため、携帯端末で撮影して得られる画像のように、曲がっていたり、ハレーションが生じるといったことがない。すなわち、本実施形態に係るカラオケシステム1またはサーバ装置Sによれば、カラオケシステム1にログインすることなく、カラオケ装置に表示される採点結果の画面と同等の画像を取得することができる。
【0082】
また、画像作成部90bは、特定した歌唱採点データに含まれる採点値を示す第1の採点画像データと、特定した歌唱採点データに含まれる採点値以外の情報を示す第2の採点画像データとを作成することができる。このように複数の採点画像データを作成することにより、利用者は、様々な採点結果について、カラオケ装置に表示される採点結果の画面と同等の画像を取得できる。
【0083】
一方、本実施形態に係るカラオケ用アプリが実行するプログラムは、携帯端末Mを、撮影部64により撮影した、カラオケ装置の表示部に表示された採点結果の画像を解析し、採点値を取得する画像解析部65a、取得した採点値と、画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを関連付けた撮影データをサーバ装置Sに送信するデータ送信部65b、撮影データ及びカラオケ装置の所在地を示す住所データに基づいて、複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定し、特定した歌唱採点データに基づいて作成した、あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを、サーバ装置Sから受信した場合、当該採点画像データに基づく画像を表示部63に表示させる表示制御部65c、として機能させる。
【0084】
このようなプログラムによれば、採点画像データを作成するために必要なデータをサーバ装置Sに提供することができる。また、利用者は、サーバ装置Sで作成された採点画像データに基づく画像(カラオケ装置に表示される採点結果の画面と同等の画像)を自己の携帯端末で確認できる。
【0085】
また、上記プログラムは、採点値を取得できない場合、画像解析部65aが、携帯端末Mを所有する利用者に対して再度の画像撮影を行うよう報知するよう携帯端末Mを機能させることができる。このようなプログラムによれば、撮影データに必要な採点値(すなわち、採点画像データの作成に必要なデータ)を確実に取得できる。
【0086】
<第2実施形態>
次に、
図11~
図13を参照して、第2実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0087】
第1実施形態では、利用者の携帯端末Mで撮影した画像を、携帯端末M側(画像解析部65a)で解析し、採点値を取得する例について述べた。一方、本実施形態では、利用者の携帯端末Mで撮影した画像を、サーバ装置S側で解析し、採点値を取得する例について述べる。
【0088】
==携帯端末==
図11は本実施形態に係る携帯端末Mのハードウェア構成例を示す図である。本実施形態において、カラオケ用アプリのプログラムを実行することにより、制御部65は、データ送信部65b、及び表示制御部65cとして機能する。
【0089】
データ送信部65bは、カラオケ装置Kの表示部に表示された採点結果を撮影した画像を示す画像情報と、画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを関連付けた撮影データをサーバ装置Sに送信する。すなわち、本実施形態においては第1実施形態と異なり、データ送信部65bは、携帯端末Mで撮影した画像をそのまま(画像データとして)サーバ装置Sに送信する。表示制御部65cは、第1実施形態と同様である。
【0090】
==サーバ装置==
[ハードウェア構成]
図12はサーバ装置Sのハードウェア構成例を示す図である。本実施形態において、CPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、記憶部70の記憶領域の一部は、店舗データ記憶部70a及び歌唱採点データ記憶部70bとして提供される。店舗データ記憶部70a及び歌唱採点データ記憶部70bは、「データ記憶部」の一例である。また、制御部90は、特定部90a、画像作成部90b、データ送信部90c、及び画像解析部90dとして機能する。
【0091】
(画像解析部)
画像解析部90dは、あるカラオケ歌唱を行った利用者の携帯端末から、カラオケ装置の表示部に表示された採点結果を撮影した画像を示す画像情報と、当該画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを含む撮影データを受信した場合、当該画像情報に基づく画像を解析し、採点値を取得する。画像の解析方法については、第1実施形態で説明した携帯端末Mの画像解析部65aと同様の手法を用いることができる。
【0092】
(特定部)
特定部90aは、取得した採点値、位置情報、撮影時間情報、及び住所データに基づいて、データ記憶部(歌唱採点データ記憶部70b)に記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する。歌唱採点データの特定については、第1実施形態と同様である。
【0093】
==カラオケシステムにおける処理について==
次に、
図13を参照して本実施形態に係るカラオケシステム1における処理の具体例について述べる。
図13は、カラオケシステム1における処理例を示すフローチャートである。この例では、利用者Xがカラオケ装置K1で楽曲Aのカラオケ歌唱を行ったとする。また、利用者Xが所有する携帯端末Mにおいて、上述のカラオケ用アプリが実行されているとする。
【0094】
ステップ20~24、28~30は、ステップ10~14、18~20と同様の処理のため、詳細な説明を省略する。
【0095】
携帯端末Mのデータ送信部65bは、ステップ24で撮影した画像を示す画像情報と、画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを関連付けた撮影データをサーバ装置Sに送信する(撮影データの送信。ステップ25)。
【0096】
サーバ装置Sの画像解析部90dは、ステップ25で送信された撮影データに含まれる画像情報に基づく画像を解析し、採点値を取得する(採点値の取得。ステップ26)。
【0097】
特定部90aは、ステップ26で取得した採点値と、ステップ25で送信された撮影データに含まれる位置情報及び撮影時間情報と、店舗データ記憶部70aに記憶されている住所データに基づいて、歌唱採点データ記憶部70bに記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する(歌唱採点データの特定。ステップ27)。
【0098】
このように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、カラオケ装置及びサーバ装置Sを含む。カラオケ装置は、利用者のカラオケ歌唱に基づいて、採点値を含む採点結果を取得する採点部200と、採点結果に対し、少なくともカラオケ歌唱を行った時間を示す歌唱時間情報、及びカラオケ歌唱において使用したカラオケ装置の識別情報を関連付けた歌唱採点データをサーバ装置Sに送信するデータ送信部300と、採点結果を表示装置30等に表示させる表示制御部400と、を有する。サーバ装置Sは、複数の歌唱採点データ、及びカラオケ装置の所在地を示す住所データを記憶するデータ記憶部と、あるカラオケ歌唱を行った利用者の携帯端末から、カラオケ装置の表示部に表示された採点結果を撮影した画像を示す画像情報と、当該画像を撮影した場所を示す位置情報と、撮影した時間を示す撮影時間情報とを含む撮影データを受信した場合、当該画像情報に基づく画像を解析し、採点値を取得する画像解析部90dと、取得した採点値、位置情報、撮影時間情報、及び住所データに基づいて、データ記憶部に記憶された複数の歌唱採点データの中から一の歌唱採点データを特定する特定部90aと、特定した歌唱採点データに基づいて、あるカラオケ歌唱の採点結果を示す採点画像データを作成する画像作成部90bと、撮影データを送信した携帯端末に対し、作成した採点画像データを送信するデータ送信部90cと、を有する。
【0099】
このようなカラオケシステム1またはサーバ装置Sによれば、第1実施形態と同様、利用者がログイン操作のような煩雑な操作を行わなくとも、当該利用者の行ったカラオケ歌唱の採点結果を示す画像を容易に取得できる。この際に取得できる画像は、サーバ装置Sが作成した採点画像データに基づいているため、携帯端末で撮影して得られる画像のように、曲がっていたり、ハレーションが生じるといったことがない。すなわち、本実施形態に係るカラオケシステム1またはサーバ装置Sによれば、カラオケシステム1にログインすることなく、カラオケ装置に表示される採点結果の画面と同等の画像を取得することができる。更に、採点値の取得をサーバ装置S側で行うため、携帯端末M側で実行されるプログラムを簡素化できる。
【0100】
<その他>
第1実施形態で述べたように、表示制御部65cは、サーバ装置Sから受信した採点画像データを記憶部60に記憶させる。この際、表示制御部65cは、記憶部60に記憶されている画像データのうち、受信した採点画像データに対応する画像データに対して上書きして記憶させることでもよい。受信した採点画像データに対応する画像データは、画像解析部65aで解析された画像データ(撮影部64で撮影された画像データ)である。このような画像データに基づく画像は、利用者自身が撮影した画像であるため、曲がっていたり、ハレーションが生じている場合がある。そこで、このような画像の画像データを採点画像データで上書きすることで、不要な画像データを消去できる。従って、携帯端末Mの記憶部60の記憶容量を有効利用できる。
【0101】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1 カラオケシステム
200 採点部
300 データ送信部(カラオケ装置)
400 表示制御部(カラオケ装置)
65a 画像解析部(携帯端末)
65b データ送信部(携帯端末)
65c 表示制御部(携帯端末)
70a 店舗データ記憶部
70b 歌唱採点データ記憶部
90a 特定部
90b 画像作成部
90c データ送信部(サーバ装置)
90d 画像解析部(サーバ装置)
K1~Kn カラオケ装置
M 携帯端末
S サーバ装置