IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通フロンテック株式会社の特許一覧

特許6993957投票システム、復旧方法及び復旧プログラム
<>
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図1
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図2
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図3
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図4
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図5
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図6
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図7
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図8
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図9
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図10
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図11
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図12
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図13
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図14
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図15
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図16
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図17
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図18
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図19
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図20
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図21
  • 特許-投票システム、復旧方法及び復旧プログラム 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】投票システム、復旧方法及び復旧プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20220106BHJP
   G07C 13/00 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
G06Q50/34
G07C13/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018240588
(22)【出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2020102068
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】特許業務法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真辺 英雄
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-235540(JP,A)
【文献】特開2017-134570(JP,A)
【文献】特開2013-092939(JP,A)
【文献】特開2006-252082(JP,A)
【文献】特開2011-154604(JP,A)
【文献】特開2014-086032(JP,A)
【文献】特開2003-150983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票に関する第1投票情報が媒体面に付加された第1媒体に対して所定の処理を実行する媒体処理部と、
前記第1媒体の前記所定の処理に応じた出力状況を表す出力状況情報を取得する第1制御部と、
を有する投票装置と、
前記媒体処理部に前記所定の処理に関する異常が発生した際に、前記媒体処理部から除去された前記第1媒体の媒体面の第1画面を取得する画面取得部と、
前記投票装置から前記第1投票情報及び前記異常が発生した際の前記出力状況情報が通知され、前記第1画面から第2投票情報を取得し、前記第1投票情報と前記第2投票情報との照合結果と前記出力状況情報とに基づいて前記第1媒体の有効性を判定し、前記有効性の判定結果を通知する第2制御部と、
を有する情報処理装置と、
を備える投票システム。
【請求項2】
前記第1制御部は、前記照合結果が一致であって、前記出力状況情報が前記第1媒体が出力済みである場合に、前記第1媒体が有効であることを通知する、
請求項1に記載の投票システム。
【請求項3】
前記投票装置において、前記媒体処理部は、前記第1投票情報が媒体面に付加された第2媒体から前記第1投票情報を取得し、前記第1投票情報に基づいて前記第1媒体の出力処理を実行し、
前記情報処理装置において、前記画面取得部は、前記異常が発生した際に、前記媒体処理部から除去した前記第2媒体の媒体面の第2画面を取得し、
前記第2制御部は、前記投票装置から前記第1投票情報及び前記異常が発生した際の前記出力状況情報が通知され、前記第2画面から第3投票情報を取得し、前記第1投票情報と前記第3投票情報との照合結果と前記出力状況情報とに基づいて前記第2媒体の有効性を判定する、
請求項1に記載の投票システム。
【請求項4】
前記第2制御部は、前記第1投票情報と前記第3投票情報とが一致し、前記出力状況情報が前記第1媒体が出力済みである場合に、前記第2媒体が有効であることを通知する、 請求項3に記載の投票システム。
【請求項5】
媒体の媒体面に付加された、投票に対応する第1投票情報に応じて金銭の入出金処理を行い、前記金銭が入出金されるごとに入出金額を計数する入出金処理部を有する投票装置と、
前記入出金処理部の前記金銭の入金時に前記入出金処理に関する異常が発生した際に前記投票装置から通知された、前記異常が発生するまでに計数した入金金額を通知する制御部を備える情報処理装置と、
を有する投票システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、
前記入出金処理部の前記金銭の出金時に前記入出金処理に関する異常が発生した際に前記媒体の媒体面の画面を取得する画面取得部をさらに有し、
前記制御部は、前記画面から前記第1投票情報を取得し、前記出金時に前記入出金処理に関する異常が発生した際に前記投票装置から通知された、前記出金時に前記入出金処理に関する異常が発生するまでに計数した出金金額と前記第1投票情報とに基づき、精算金額を算出し、前記精算金額を通知する、
請求項5に記載の投票システム。
【請求項7】
投票に関する第1投票情報が媒体面に付加された第1媒体に対して所定の処理を実行する媒体処理部と、前記第1媒体の前記所定の処理に応じた出力状況を表す出力状況情報を取得する第1制御部と、を有する投票装置と通信可能に接続された情報処理装置が、
前記媒体処理部に前記所定の処理に関する異常が発生した際に、前記媒体処理部から除去された前記第1媒体の媒体面の第1画面を取得し、
前記投票装置から前記第1投票情報及び前記異常が発生した際の前記出力状況情報が通知され、前記第1画面から第2投票情報を取得し、前記第1投票情報と前記第2投票情報との照合結果と前記出力状況情報とに基づいて前記第1媒体の有効性を判定し、前記有効性の判定結果を通知する、
復旧方法。
【請求項8】
投票に関する第1投票情報が媒体面に付加された第1媒体に対して所定の処理を実行する媒体処理部と、前記第1媒体の前記所定の処理に応じた出力状況を表す出力状況情報を取得する第1制御部と、を有する投票装置と通信可能に接続された情報処理装置が実行する復旧プログラムであって、コンピュータに、
前記媒体処理部に前記所定の処理に関する異常が発生した際に、前記媒体処理部から除去された前記第1媒体の媒体面の第1画面を取得し、
前記投票装置から前記第1投票情報及び前記異常が発生した際の前記出力状況情報が通知され、前記第1画面から第2投票情報を取得し、前記第1投票情報と前記第2投票情報との照合結果と前記出力状況情報とに基づいて前記第1媒体の有効性を判定し、前記有効性の判定結果を通知する、
処理を実行させる復旧プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票システム、復旧方法及び復旧プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
公営競技では、競技に対する投票券の購入並びに発券がトータリゼータ装置(投票装置)により自動で行われている。投票装置には、投票カードを受け付ける投票カード処理ユニット、投票券を発券する発券ユニット、金銭の入出金処理を行う紙幣処理ユニット並びに硬貨処理ユニット等を備えている。このような各ユニットは内部で投票券等の詰まり等の異常が発生してしまうことがあり、当該異常の発生を未然に防ぐような技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、このような技術によらず、投票装置の保守管理は保守員により行われている。例えば、投票装置が備える発券ユニットが投票券を発券しようとした際に、当該発券ユニット内に詰まってしまう場合がある。保守員は、投票装置を一旦停止して内部を開封し、発券ユニットに詰まった投票券を除去し、必要に応じて、除去した投票券を顧客に直接手渡すといった作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-142807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の発券ユニットにおいて投票券が詰まった場合に、保守員は、当該投票券が正規の投票券として公営競技のホストコンピュータから認証を受けたものか否かを一目で把握することができない。このため、保守員は、当該投票券を顧客にそのまま渡していいものか判断することが難しく、認証を受けていない当該投票券を誤って顧客に渡してしまうおそれもある。また、投票カード処理ユニットで投票カードが詰まった場合にも、投票カードの読み取りが完了して投票券が発券できるのか否かを把握することができない。さらに、紙幣処理ユニット並びに硬貨処理ユニットでは、紙幣並びに硬貨が詰まった場合に、顧客に対して返却する金額を誤ってしまう場合がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、投票装置が備える各種ユニットに異常が生じた際に、誤りなく容易に対応することができる投票システム、復旧方法及び復旧プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、投票に関する第1投票情報が媒体面に付加された第1媒体に対して所定の処理を実行する媒体処理部と、前記第1媒体の前記所定の処理に応じた出力状況を表す出力状況情報を取得する第1制御部と、を有する投票装置と、前記媒体処理部に前記所定の処理に関する異常が発生した際に、前記媒体処理部から除去された前記第1媒体の媒体面の第1画面を取得する画面取得部と、前記投票装置から前記第1投票情報及び前記異常が発生した際の前記出力状況情報が通知され、前記第1画面から第2投票情報を取得し、前記第1投票情報と前記第2投票情報との照合結果と前記出力状況情報とに基づいて前記第1媒体の有効性を判定し、前記有効性の判定結果を通知する第2制御部と、を有する情報処理装置と、を備える投票システムが提供される。
【0008】
また、本発明の一観点によれば、上記の投票システムで実行される復旧方法及び復旧プログラムが提供される。
また、本発明の一観点によれば、媒体の媒体面に付加された、投票に対応する第1投票情報に応じて金銭の入出金処理を行い、前記金銭が入出金されるごとに入出金額を計数する入出金処理部を有する投票装置と、前記入出金処理部の前記金銭の入金時に前記入出金処理に関する異常が発生した際に前記投票装置から通知された、前記異常が発生するまでに計数した入金金額を通知する制御部を備える情報処理装置と、を有する投票システムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、投票装置が備える各種ユニットに異常が生じた際に、誤りなく容易に対応することができ、復旧時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態の投票システムを説明するための図である。
図2】第2の実施の形態の投票システムを示す図である。
図3】第2の実施の形態の投票装置のハードウェア構成例を示す図である。
図4】第2の実施の形態の管理サーバのハードウェア構成例を示す図である。
図5】第2の実施の形態の保守管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図6】第2の実施の形態の投票装置で実行される投票券発券処理を示すフローチャート(その1)である。
図7】第2の実施の形態の投票装置で実行される投票券発券処理を示すフローチャート(その2)である。
図8】投票カード及び投票券の一例を示す図である。
図9】第2の実施の形態の投票装置(紙幣/硬貨処理ユニット)で実行される投票券発券処理(入金)を示すフローチャートである。
図10】第2の実施の形態の投票装置(紙幣/硬貨処理ユニット)で実行される投票券発券処理(出金)を示すフローチャートである。
図11】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される投票装置復旧処理を示すフローチャートである。
図12】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される投票装置復旧処理で用いられる復旧情報を示す図である。
図13】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される投票装置復旧処理にて表示される表示画面例を示す図である。
図14】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される復旧実行処理を示すフローチャートである。
図15】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される発券処理ユニット復旧処理を示すフローチャートである。
図16】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される発券処理ユニット復旧処理にて表示される表示画面例を示す図(その1)である。
図17】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される発券処理ユニット復旧処理にて表示される表示画面例を示す図(その2)である。
図18】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される投票カード処理ユニット復旧処理を示すフローチャートである。
図19】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される投票カード処理ユニット復旧処理にて表示される表示画面例を示す図である。
図20】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される紙幣/硬貨処理ユニット復旧処理を示すフローチャートである。
図21】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される紙幣/硬貨処理ユニット復旧処理(入金)にて表示される表示画面例を示す図である。
図22】第2の実施の形態の保守管理装置で実行される紙幣/硬貨処理ユニット復旧処理(出金)にて表示される表示画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態の投票システムについて図1を用いて説明する。
【0012】
図1は、第1の実施の形態の投票システムを説明するための図である。
投票システム3は投票装置1と情報処理装置2とを有している。
投票装置1は、投票を実行するための所定の機能を備える。このような投票装置1は、媒体処理部1aと第1制御部1bとを有している。
【0013】
媒体処理部1aは、投票に関する第1投票情報が媒体面に付加された第1媒体4に対して所定の処理を実行する。媒体処理部1aは、例えば、投票カードを受け付ける投票カード処理ユニットである。投票カード処理ユニットは、投票カードから投票された投票内容と当該投票内容に対応する購入金額とを含む投票情報を取得する。または、媒体処理部1aは、例えば、投票券を発券する発券処理ユニットである。発券処理ユニットは、投票カードから取得した投票内容が付加された投票券を出力する。
【0014】
第1制御部1bは、第1媒体4の所定の処理に応じた出力状況を表す出力状況情報を取得する。なお、第1投票情報(並びに下記の第2投票情報)は、所定の競技に対して投票した投票内容と当該投票内容に対応する購入金額とを含むものである。
【0015】
情報処理装置2は、例えば、保守員により携帯されており、画面取得部2aと第2制御部2bとを有する。
画面取得部2aは、媒体処理部1aに所定の処理に関する異常が発生した際に、媒体処理部1aから除去された第1媒体4から媒体面の第1画面を取得する。第1媒体4は、例えば、投票カードである場合には、投票カードのマークがされた印字面の画面を取得する。第1媒体4は、例えば、投票券である場合には、投票券に印字されている投票内容に対応するコードの画面を取得する。
【0016】
第2制御部2bは、投票装置1から第1投票情報及び異常が発生した際の出力状況情報が通知され、第1画面から第2投票情報を取得し、第1投票情報と第2投票情報との照合結果と出力状況情報とに基づいて第1媒体4の有効性を判定し、有効性の判定結果を通知する。第2制御部2bは、第1画面が投票カードからのものであれば、画面のマークから投票内容を含む第2投票情報を取得する。第2制御部2bは、第1画面が投票券からのものであれば、画面のコードから投票内容を含む第2投票情報を取得する。
【0017】
次に、このような投票システム3で実行される投票装置の復旧方法について説明する。
まず、投票装置1において、媒体処理部1aが投票に関する第1投票情報が媒体面に付加された第1媒体4から第1投票情報を取得し、第1媒体4に対して所定の処理を実行する。この際、媒体処理部1aの所定の処理に関する異常が発生する。この際の異常として、第1媒体4が投票券であれば、発券処理ユニットで投票券が詰まってしまう場合がある。そして、第1制御部1bが、第1媒体4の所定の処理に応じた出力状況を表す出力状況情報を取得する。出力状況は、例えば、第1媒体4が媒体処理部1aから出力(放出)されているものか、出力されていないものかといった状況である。
【0018】
そこで、情報処理装置2が投票装置1と通信可能に接続して、投票装置1から第1投票情報と異常が発生した際の出力状況情報とを取得する。また、情報処理装置2では、画面取得部2aが投票装置1から除去した第1媒体4の媒体面の第1画面を取得する。そして、第2制御部2bが、第1画面から第2投票情報を取得し、投票装置1から通知された第1投票情報と第2投票情報との照合結果と出力状況情報とに基づいて第1媒体4の有効性を判定し、有効性の判定結果を通知する。この際、第1投票情報と第2投票情報とが一致して、第1媒体4が出力済みである場合には、第1媒体4は有効であると判断される。これにより保守員は、投票装置1の媒体処理部1aの異常の原因となっていた第1媒体4を除去し、第1媒体4を有効性に応じて適切に扱うことができる。
【0019】
このように上記投票システム3は、投票装置1と情報処理装置2とを有している。投票装置1は、投票に関する第1投票情報が媒体面に付加された第1媒体4に対して所定の処理を実行する媒体処理部1aと、第1媒体4の所定の処理に応じた出力状況を表す出力状況情報を取得する第1制御部1bとを有する。情報処理装置2は、媒体処理部1aに所定の処理に関する異常が発生した際に、媒体処理部1aから除去された第1媒体4から媒体面の第1画面を取得する画面取得部2aと、投票装置1から第1投票情報及び異常が発生した際の出力状況情報が通知され、第1画面から第2投票情報を取得し、第1投票情報と第2投票情報との照合結果と出力状況情報とに基づいて第1媒体4の有効性を判定し、有効性の判定結果を通知する第2制御部2bとを有する。
【0020】
これにより保守員は情報処理装置2の通知により第1媒体4の有効性を認知することができ、第1媒体4を誤ることなく、迅速に取り扱うことができる。例えば、通知された有効性に基づいて第1媒体4を破棄すべきか、顧客に戻すべきかを誤ることなく迅速に判断できる。このため、投票装置1に対する復旧時間が短縮する。
【0021】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、第1の実施の形態の投票システムについてより具体的に図2を用いて説明する。
【0022】
図2は、第2の実施の形態の投票システムを示す図である。
投票システム50は、競馬場、競輪場、競艇場等の公営競技の投票場内に設置されている。このような投票システム50は、複数の投票装置10a,10b,10c,・・・と、管理サーバ20とがネットワーク40を介して通信可能に接続されている。さらに、投票システム50は、保守管理装置30を含んでいる。保守管理装置30は、必要に応じて複数の投票装置10a,10b,10c,・・・と通信可能にそれぞれ接続することができる。
【0023】
投票装置10a,10b,10c,・・・は、顧客から投票カード及び投入金を受け付けて、投票カードから得られる投票内容に応じて投票券を発券する。この際、投入金から、投票内容に応じた購入金額を差し引いた釣り銭を出金する。なお、投票装置10a,10b,10c,・・・は、全て同じ機能を有しており、以下ではこれらの総称として投票装置10と表す。
【0024】
管理サーバ20は、投票装置10からの情報を受け付けて、公営競技の競技スケジュール、競技結果、出走情報、オッズ、配当金等の公営競技に関する情報を管理している。管理サーバ20は、投票装置10からの要求に応じた処理並びに各種情報を投票装置10に通知する。
【0025】
保守管理装置30は、例えば、タブレット型の端末を成し、保守員に携帯されており、投票装置10とそれぞれに通信可能に接続される。保守管理装置30は、異常が発生した投票装置10から受け付けた情報に基づき、復旧処理を実行する。
【0026】
なお、ネットワーク40は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)やインターネット等の広域ネットワークでもよい。
次に、投票システム50の各装置のハードウェア構成例について説明する。
【0027】
まず、投票装置10のハードウェア構成例について、図3を用いて説明する。
図3は、第2の実施の形態の投票装置のハードウェア構成例を示す図である。
投票装置10は、制御ユニット11とディスプレイ12とタッチパネル13と投票カード処理ユニット14と発券処理ユニット15と紙幣処理ユニット16と硬貨処理ユニット17と警報ユニット18とを有している。
【0028】
制御ユニット11は、投票装置10全体を制御しており、プロセッサ11aとRAM(Random Access Memory)11bとHDD(Hard Disk Drive)11cとグラフィック処理装置11dと入出力インタフェース11eと通信インタフェース11fとがバス11gを介して接続されている。
【0029】
プロセッサ11aは、投票装置10全体を制御する。プロセッサ11aは、複数のプロセッシング要素を含むマルチプロセッサであってもよい。プロセッサ11aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等である。また、プロセッサ11aは、CPU、DSP、ASIC、FPGA等のうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0030】
RAM11bは、投票装置10の主記憶装置である。RAM11bは、プロセッサ11aに実行させるアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM11bは、プロセッサ11aによる処理に用いる各種データを記憶する。
【0031】
HDD11cは、投票装置10の補助記憶装置である。HDD11cは、内蔵した磁気ディスクに対して、磁気的にデータの書き込み及び読み出しを行う。HDD11cには、アプリケーションプログラム、及び、図12で後述する復旧情報を含む各種データが格納される。投票装置10は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の他の種類の補助記憶装置を備えてもよく、複数の補助記憶装置を備えてもよい。
【0032】
グラフィック処理装置11dは、ディスプレイ12と接続している。グラフィック処理装置11dは、プロセッサ11aの制御の下に、各種の情報をディスプレイ12に表示させる。
【0033】
入出力インタフェース11eは、タッチパネル13と投票カード処理ユニット14と発券処理ユニット15と紙幣処理ユニット16と硬貨処理ユニット17と警報ユニット18と接続している。また、入出力インタフェース11eは、可搬型記録媒体19に対する情報の書き込み及び読み出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。
【0034】
入出力インタフェース11eは、タッチパネル13と投票カード処理ユニット14と発券処理ユニット15と紙幣処理ユニット16と硬貨処理ユニット17と警報ユニット18と可搬型記録媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス11gを介してプロセッサ11aに送信する。また、入出力インタフェース11eは、プロセッサ11aから送られてくる制御信号を、バス11gを介して対応するユニットへ送信する。通信インタフェース11fは、ネットワーク40を介して、他の装置と通信を行う。
【0035】
タッチパネル13は、透過型のタッチパネルであり、各種の入力や投票内容の修正等の際に操作される。
投票カード処理ユニット14は、投票カードから投票内容を読み取るユニットである。発券処理ユニット15は、投票カード処理ユニット14から読み取った投票内容並びに投票内容に基づく購入金額を含む投票情報を印刷して投票券を発券する。また、発券処理ユニット15は、後述するように、投票券を外部に放出したかどうかに関わらず、当該ユニット内で発券したか否かの情報(発券情報)を管理し、制御ユニット11に通知する。紙幣処理ユニット16は、紙幣の受け入れ、紙幣の真贋の鑑別、紙幣の収納、紙幣の返却、釣り銭の排出を行う。硬貨処理ユニット17は、硬貨の受け入れ、硬貨の真贋の鑑別、硬貨の収納、硬貨の返却、釣り銭の排出を行う。
【0036】
なお、これらのユニットは、投票カード、投票券、紙幣並びに硬貨が内部で詰まる等の異常が生じると、その旨を制御ユニット11に通知する。
警報ユニット18は、投票装置10に含まれる各種ユニットに異常が検知された場合に、保守員に認知させるための警報を発する。このような警報ユニット18は、例えば、サイレン、警報機等、警報を認識させるものであればよい。
【0037】
可搬型記録媒体19として、例えば、フレキシブルディスクやHDDなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、光磁気ディスクを使用できる。また、記録媒体28として、例えば、フラッシュメモリカードなどの不揮発性の半導体メモリを使用することもできる。
【0038】
次に、管理サーバ20のハードウェア構成例について、図4を用いて説明する。
図4は、第2の実施の形態の管理サーバのハードウェア構成例を示す図である。
管理サーバ20は、制御ユニット21を備える。制御ユニット21は、プロセッサ21aとRAM21bとHDD21cと通信インタフェース21fとがバス21gにより通信可能に接続されている。なお、管理サーバ20が備える上記構成は、投票装置10の制御ユニット11に含まれておりそれらの説明については省略する。
【0039】
次に、保守管理装置30のハードウェア構成例について、図5を用いて説明する。
図5は、第2の実施の形態の保守管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
保守管理装置30は、プロセッサ30aとRAM30bとフラッシュメモリ30cと無線通信部30dとディスプレイ30eと入力デバイス30fとカメラ30gとがバス30hを介して通信可能に接続されている。なお、保守管理装置30が備える上記構成のうち、投票装置10の制御ユニット11に含まれているものの説明については省略する。また、フラッシュメモリ30cは、HDD11cに対応するものである。
【0040】
無線通信部30dは、アクセスポイント(図示を省略)との間で無線通信を行えるインタフェースである。例えば、アクセスポイントが無線ルータであれば、無線通信部30dは無線LANインタフェースである。また、例えば、アクセスポイントが無線基地局であれば、無線通信部30dは移動通信用の無線インタフェースである。保守管理装置30は、両方の無線LAN及び移動通信用の両方の無線インタフェースを備えてもよい。
【0041】
入力デバイス30fは、外部機器を任意に接続することができ、プロセッサ30aとの制御信号のやり取りを実行することができる。カメラ30gは、プロセッサ30aからの制御信号に応じて、投票カードの印字面または投票券に付加されているQR(Quick Response)コード(登録商標)等の画面を撮像する。
【0042】
次に、投票システム50に含まれる投票装置10で実行される投票券発券処理について図6及び図7並びに図8を用いて説明する。
図6及び図7は、第2の実施の形態の投票装置で実行される投票券発券処理を示すフローチャートである。なお、図6及び図7では、投票装置10の制御ユニット11の処理を中心に、それに応じて投票カード処理ユニット14及び発券処理ユニット15の処理をそれぞれ表している。また、図8は、投票カード及び投票券の一例を示す図である。なお、図8(A)は、投票カードのマーク面、図8(B)は投票券の印字面をそれぞれ表している。
【0043】
投票装置10の各ユニットが初期化されて、顧客からの操作入力を待機している状態である。このような投票装置10では投票券を発券するにあたり以下の投票券発券処理が実行される。
【0044】
[ステップS10] 制御ユニット11は、紙幣処理ユニット16及び硬貨処理ユニット17に対して顧客から金銭の受付を開始する。
[ステップS11] 制御ユニット11は、紙幣処理ユニット16及び硬貨処理ユニット17に対する顧客からの金銭の受付終了を待ち受けて、金銭の受付が終了するとステップS12に進められる。
【0045】
[ステップS12] 制御ユニット11は、投票カード処理ユニット14に対する顧客からの投票カードの受付を開始する。なお、投票カードは、図8(A)に例示するように、顧客が所望のレースに対して所望の金額で所望の投票をマーク式で指定することができるものである。
【0046】
[ステップS13] 投票カード処理ユニット14は、受け付けた投票カードの挿入を検知する。
[ステップS14] 投票カード処理ユニット14は、投票カードに対するマークを読み取り、投票カードから投票内容及び購入金額を含む投票情報を生成する。
【0047】
[ステップS15] 投票カード処理ユニット14は、投票情報を制御ユニット11に通知する(ステップS17へ)。
[ステップS16] 投票カード処理ユニット14は、受け付けた投票カードに残りがあるか否かを判定する。次の処理は、残りがある場合にはステップS14に再び進められ、残りがない場合には、投票カード処理ユニット14による投票カードに対する処理を終了する。
【0048】
[ステップS17] 制御ユニット11は、投票カード処理ユニット14から通知された投票情報を管理サーバ20に送信する。
なお、管理サーバ20は、制御ユニット11から受信した投票情報に問題がなければ、受付番号を付して管理、保持する。また、管理サーバ20は、投票情報の投票内容を利用して、例えば、オッズの算出等を行う場合もある。
【0049】
[ステップS18] 制御ユニット11は、投票カード処理ユニット14から通知された投票情報に基づいて、プリントのための投票券の編集指示を発券処理ユニット15に通知する。
【0050】
[ステップS19] 発券処理ユニット15は、制御ユニット11から通知された投票情報(投票内容及び購入金額)をプリントするための情報を編集(生成)する。
[ステップS20] 制御ユニット11は、管理サーバ20から投票情報に対応付けられた受付番号を受信する。
【0051】
[ステップS21] 制御ユニット11は、既に通知した投票情報に対応するQRコードの編集(プリント)指示を発券処理ユニット15に通知する。
[ステップS22] 発券処理ユニット15は、既に通知されている投票情報をQRコードに編集する。
【0052】
[ステップS23] 発券処理ユニット15は、ステップS19,S22で編集したプリント情報を制御ユニット11に通知する。
[ステップS24] 制御ユニット11は、発券処理ユニット15から通知されたプリント情報を確認する。
【0053】
[ステップS25] 制御ユニット11は、プリント情報の確認結果(ここでは、問題がないものとする)を発券処理ユニット15に通知する。
[ステップS26] 発券処理ユニット15は、プリント情報に基づき発券を開始する。
【0054】
[ステップS27] 発券処理ユニット15は、投票券を正常に発券完了したか否かを判定する。次の処理は、投票券を正常に発券完了したことを判定すると、ステップS28に進められ、正常に発券完了できなかったら、発券処理を終了する。なお、正常に発券された投票券は、例えば、図8(B)に示されるように、投票情報(投票内容及び購入金額)と共に、これらがコード化されたQRコードが印字されている。
【0055】
[ステップS28] 発券処理ユニット15は、発券した投票券を内蔵されている一時保留庫に一時保留する。また、発券処理ユニット15は、発券完了を制御ユニット11に通知する。
【0056】
なお、発券処理ユニット15は、このようにして投票券を発券して、一時保留が完了すると、発券情報を発券済みであるとする。なお、この発券前までは発券情報は未発券であるとする。
【0057】
[ステップS29] 制御ユニット11は、発券完了が通知されると、その旨を管理サーバ20に送信する。なお、管理サーバ20は、当該投票券が発券されたことを保持、管理する。
【0058】
また、その後、制御ユニット11は、管理サーバ20から集計完了通知を受信する。
[ステップS30] 制御ユニット11は、投票情報の残りがあるか否かを判定する。次の処理は、投票情報の残りがある場合にはステップS17に進められ、残りがない場合にはステップS31に進められる。
【0059】
[ステップS31] 制御ユニット11は、ステップS10で受け付けた金銭の額と投票情報に含まれる購入金額とにより精算して、必要に応じて、釣り銭を算出する。そして、制御ユニット11は、投票券の放出要求を発券処理ユニット15に通知する。
【0060】
[ステップS32] 発券処理ユニット15は、一時保留庫に一時保留している投票券を放出する。
[ステップS33] 制御ユニット11は、ステップS31で算出した釣り銭を必要に応じて紙幣処理ユニット16及び硬貨処理ユニット17から出金させる。なお、この際の紙幣処理ユニット16及び硬貨処理ユニット17の処理の詳細については後述する。
【0061】
次に、このような投票装置10による投票券発券処理に伴って入金及び出金を行う紙幣処理ユニット16及び硬貨処理ユニット17の投票券発券処理について図9及び図10を用いて説明する。
【0062】
図9は、第2の実施の形態の投票装置(紙幣/硬貨処理ユニット)で実行される投票券発券処理(入金)を示すフローチャートであり、図10は、第2の実施の形態の投票装置(紙幣/硬貨処理ユニット)で実行される投票券発券処理(出金)を示すフローチャートである。なお、図9(A)及び図10(A)は、紙幣処理ユニット16による処理、図9(B)及び図10(B)は、硬貨処理ユニット17による処理をそれぞれ表している。
【0063】
まず、紙幣処理ユニット16の入金について図9(A)を用いて説明する。
[ステップS40] 紙幣処理ユニット16は、紙幣を受け付ける(図6のステップS10に対応)。
【0064】
[ステップS41] 紙幣処理ユニット16は、受け付けた紙幣を一時保留庫に一時保留する。
[ステップS42] 紙幣処理ユニット16は、一時保留している紙幣の金種を判別して、金種ごとに格納する。
【0065】
[ステップS43] 紙幣処理ユニット16は、格納した紙幣の金額を制御ユニット11に通知する。
[ステップS44] 紙幣処理ユニット16は、一時保留している残りの紙幣があるか否かを判定する。次の処理は、一時保留している残りの紙幣がある場合には、ステップS42に再び進められ、残っていない場合には、当該処理を終了する。
【0066】
次に、硬貨処理ユニット17の入金について図9(B)を用いて説明する。
[ステップS50] 硬貨処理ユニット17は、硬貨を受け付ける(図6のステップS10に対応)。
【0067】
[ステップS51] 硬貨処理ユニット17は、受け付けた硬貨を一時保留庫に一時保留する。
[ステップS52] 硬貨処理ユニット17は、一時保留している硬貨の金種を1枚ずつ判別する。
【0068】
[ステップS53] 硬貨処理ユニット17は、一時保留している残りの硬貨があるか否かを判定する。次の処理は、一時保留している残りの硬貨がある場合には、ステップS52に再び進められ、残っていない場合には、ステップS54に進められる。
【0069】
[ステップS54] 硬貨処理ユニット17は、格納した硬貨の金額を制御ユニット11に通知する。
次に、紙幣処理ユニット16の出金について図10(A)を用いて説明する。
【0070】
[ステップS60] 紙幣処理ユニット16は制御ユニット11から釣り銭の出金要求が通知されると(図7のステップS33に対応)、所定金種の格納庫から一枚搬送し、一時保留庫に一時保留する。
【0071】
[ステップS61] 紙幣処理ユニット16は、出金すべき残りの紙幣が必要か否かを判定する。次の処理は、出金すべき残りの紙幣が必要である場合には、ステップS60に再び進められ、必要がない場合には、ステップS63に進められる。
【0072】
[ステップS63] 紙幣処理ユニット16は、一時保留庫に一時保留している紙幣を放出する。
[ステップS64] 紙幣処理ユニット16は、正常に紙幣が放出されたことを制御ユニット11に通知する。
【0073】
次に、硬貨処理ユニット17の出金について図10(B)を用いて説明する。
[ステップS70] 硬貨処理ユニット17は制御ユニット11から釣り銭の出金要求が通知されると(図7のステップS33に対応)、所定金種の格納庫から硬貨を計数し、一時保留庫に搬送する。
【0074】
[ステップS71] 硬貨処理ユニット17は、出金すべき残りの硬貨が必要か否かを判定する。次の処理は、出金すべき残りの硬貨が必要である場合には、ステップS70に再び進められ、必要がない場合には、ステップS72に進められる。
【0075】
[ステップS72] 硬貨処理ユニット17は、一時保留庫に硬貨を一時保留する。
[ステップS73] 硬貨処理ユニット17は、一時保留庫に一時保留している硬貨を放出する。
【0076】
[ステップS74] 硬貨処理ユニット17は、正常に硬貨が放出されたことを制御ユニット11に通知する。
次に、保守管理装置30による投票装置復旧処理について図11図13を用いて説明する。
【0077】
図11は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される投票装置復旧処理を示すフローチャートであり、図12は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される投票装置復旧処理で用いられる復旧情報を示す図である。
【0078】
また、図13は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される投票装置復旧処理にて表示される表示画面例を示す図である。なお、図13(A)は、復旧対象の投票装置10の検索開始画面を、図13(B)は、投票装置10のリストの表示画面を、図13(C)は、復旧対象の投票装置の異常項目の表示画面をそれぞれ表している。
【0079】
公営競技の投票場で、保守員が保守管理装置30を携帯して巡回している。この際、複数のうちのいずれかの投票装置10に異常が発生して警報ユニット18により警報が発せられると、保守員は、保守管理装置30のディスプレイ30eに表示されている、検索開始のための表示画面31(図13(A))の検索開始に対応するボタン31aを押下する。これにより、保守管理装置30は以下の処理を実行する。なお、以下の処理は、保守管理装置30のプロセッサ30aが実行する。
【0080】
[ステップS80] 保守管理装置30は、所定のエリア内の投票装置10の検出を行う。
[ステップS81] 保守管理装置30は、所定のエリア内の全ての投票装置10から応答を受け付けるまで検出を行って、全ての投票装置10から応答を受け付けるとステップS82に進められる。
【0081】
[ステップS82] 保守管理装置30は、ステップS80,S81で検出した投票装置10のリストをディスプレイ30eに表示する。この際のディスプレイ30eは、例えば、図13(B)に示される表示画面32を表示する。表示画面32には、各投票装置10の識別情報(識別番号)と共に、各投票装置10の状態(正常または異常)を表示する。また、表示画面32は、後に説明するように、このリストから復旧対象となる投票装置10の選択を決定するためのボタン32aと、選択した投票装置10を解除するためのボタン32bとを含んでいる。
【0082】
[ステップS83] 保守管理装置30は、ステップS82でディスプレイ30eに表示した投票装置10から復旧対象の投票装置10が選択されて決定のボタン32aが押下されるのを待ち受ける。そして、選択された後、ボタン32aが押下されると、ステップS84の処理に進められる。
【0083】
すなわち、保守員は、ステップS82(図13(B))を参照して、「異常」が生じた投票装置10をタッチして選択して、決定のボタン32aを押下することで、ステップS84の処理に進められる。
【0084】
[ステップS84] 保守管理装置30は、ステップS83で選択した復旧対象の投票装置10との通信を確立する。保守管理装置30は、通信が確立された、復旧対象の投票装置10から復旧情報が通知される。
【0085】
復旧情報60は、図12に示されるように、少なくとも、装置情報61と投票情報62と異常情報63とを含んでいる。装置情報61は、当該投票装置10に関する情報であって、例えば、投票装置10を識別する識別情報、投票装置10の現状の種々の設定状況を表す設定情報、投票装置10の現状の保持金額を表す保持金額情報、投票装置10の稼働時間を表す稼働時間情報等を含んでいる。
【0086】
投票情報62は、異常が生じた投票装置10で行われた投票に関する情報である。そのような情報として、例えば、競技に対して行った投票の内容を表す投票内容情報、当該投票を行うための購入金額情報を含む。さらに、投票情報62は、当該投票装置10に異常が生じるまでに当該投票装置10に入金された金額を表す入金情報と、当該投票装置10に異常が生じるまでに当該投票装置10が出金した金額を表す出金情報と、投票券が発券済みであるか否かを表す発券情報(出力状況情報)とを含む。なお、発券情報は、図6及び図7の投票券発券処理において、発券処理ユニット15から投票券が発券されて、一時保留する(ステップS19,S22,S23,S26,S28)までは、未発券であると識別される。一方、発券情報は、投票券が一時保留されてしまうと、発券済みであると識別される。したがって、投票券が発券処理ユニット15内で詰まった際に、発券情報が未発券であれば、処理としては、投票券はまだ存在しないことになる。一方、同様に、発券情報が発券済みであれば、処理としては、投票券は、存在していることになる。
【0087】
異常情報63は、投票装置10に含まれる各ユニットの異常内容である。例えば、発券処理ユニットに異常が生じていることを表す発券処理ユニット異常、紙幣処理ユニットに異常が生じていることを表す紙幣処理ユニット異常等である。
【0088】
[ステップS85] 保守管理装置30は、ステップS84で通信を確立した復旧対象の投票装置10の各ユニットの状況をディスプレイ30eに表示する。例えば、図13(C)に示される表示画面33を表示する。表示画面33は、投票装置10の各ユニットの状況(正常または異常)を表示し、これらの各ユニットから復旧対象を選択して決定するためのボタン33aと、当該選択を解除するボタン33bとを含んでいる。
【0089】
[ステップS86] 保守管理装置30は、ステップS85で表示した復旧対象の投票装置10の異常があるユニットに対する選択を受け付ける。例えば、保守員は、図13(C)の場合には、表示画面33を視認して、「発券処理ユニット」、「投票カード処理ユニット」をタッチして、決定するためのボタン33aをタッチする。
【0090】
[ステップS87] 保守管理装置30は、復旧情報60を利用して、ステップS86で選択された異常が認められるユニットに対して復旧実行処理を実行する。なお、復旧実行処理の詳細については後述する。
【0091】
[ステップS88] 保守管理装置30は、ステップS87で復旧が完了すると、当該投票装置10との通信を終了する。
[ステップS89] 保守管理装置30は、復旧対象の投票装置10の残りの有無を判定する。次の処理は、復旧対象の投票装置10の残りがある場合には、ステップS82に再び進められ、残りがない場合には、投票装置復旧処理を終了する。
【0092】
次に、上記の投票装置復旧処理に含まれる復旧実行処理(ステップS87)の詳細について図14を用いて説明する。
図14は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される復旧実行処理を示すフローチャートである。
【0093】
[ステップS90] 保守管理装置30は、図11の投票装置復旧処理のステップS86で選択した投票装置10の異常があるユニットに、発券処理ユニット異常が含まれているか否かを判定する。次の処理は、発券処理ユニット異常が含まれている場合には、ステップS91に進められ、含まれていない場合には、ステップS94に進められる。
【0094】
[ステップS91] 保守管理装置30は、保守員の操作入力により、当該投票装置10の発券処理ユニット15に詰まった投票券が存在する場合には、ステップS92に進められ、発券処理ユニット15に投票券が存在しない場合には、ステップS93に進められる。
【0095】
ここでは、例えば、保守員は、異常が生じた発券処理ユニット15を点検して投票券が詰まっていることを認め、詰まった投票券を取り除く作業を行った場合には、保守管理装置30に対して投票券が存在していることの操作入力を行う。また、保守員は、異常が生じた発券処理ユニット15を点検して投票券の詰まりを認めることができなかった場合には、保守管理装置30に対して投票券が存在していないことの操作入力を行う。
【0096】
[ステップS92] 保守管理装置30は、発券処理ユニット15に対する復旧処理を実行する。なお、発券処理ユニット15に対する復旧処理の詳細については後述する。
[ステップS93] 保守管理装置30は、発券処理ユニット15を初期化させる。
【0097】
[ステップS94] 保守管理装置30は、図11の投票装置復旧処理のステップS86で選択した投票装置10の異常があるユニットに、投票カード処理ユニット異常が含まれているか否かを判定する。次の処理は、投票カード処理ユニット異常が含まれている場合には、ステップS95に進められ、含まれていない場合には、ステップS98に進められる。
【0098】
[ステップS95] 保守管理装置30は、保守員の操作入力により、当該投票装置10の投票カード処理ユニット14に詰まった投票カードが存在する場合には、ステップS96に進められ、投票カード処理ユニット14に投票カードが存在しない場合には、ステップS97に進められる。
【0099】
ここでは、例えば、保守員は、異常が生じた投票カード処理ユニット14を点検して投票カードが詰まっていることを認め、詰まった投票カードを取り除く作業を行った場合には、保守管理装置30に対して投票カードが残留していることの操作入力を行う。また、保守員は、異常が生じた投票カード処理ユニット14を点検して投票カードの残留を認めることができなかった場合には、保守管理装置30に対して投票カードが残留していないことの操作入力を行う。
【0100】
[ステップS96] 保守管理装置30は、投票カード処理ユニット14に対する復旧処理を実行する。なお、投票カード処理ユニット14に対する復旧処理の詳細については後述する。
【0101】
[ステップS97] 保守管理装置30は、投票カード処理ユニット14を初期化させる。
[ステップS98] 保守管理装置30は、図11の投票装置復旧処理のステップS86で選択した投票装置10の異常があるユニットに、紙幣処理ユニット異常または硬貨処理ユニット異常が含まれているか否かを判定する。次の処理は、紙幣処理ユニット異常または硬貨処理ユニット異常が含まれている場合には、ステップS99に進められ、含まれていない場合には、復旧実行処理が終了する。
【0102】
[ステップS99] 保守管理装置30は、保守員の操作入力により、当該投票装置10の紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17に入金した金銭(紙幣または硬貨)が残留する場合には、ステップS100に進められ、紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17に入金した金銭(紙幣または硬貨)が残留しない場合には、ステップS101に進められる。
【0103】
ここでは、例えば、保守員は、異常が生じた、入金中であった紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17を点検して紙幣または硬貨が残留していることを認め、残留している紙幣または硬貨を取り除く作業を行った場合には、保守管理装置30に対して紙幣または硬貨が残留していることの操作入力を行う。また、保守員は、異常が生じた、入金中であった紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17を点検して紙幣または硬貨の残留を認めることができなかった場合には、保守管理装置30に対して紙幣または硬貨が残留していないことの操作入力を行う。
【0104】
[ステップS100] 保守管理装置30は、紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17に対する復旧処理を実行する。なお、紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット174に対する復旧処理の詳細については後述する。
【0105】
[ステップS101] 保守管理装置30は、保守員の操作入力により、当該投票装置10の紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17に出金した金銭(紙幣または硬貨)が残留する場合には、ステップS102に進められ、紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17に出金した金銭(紙幣または硬貨)が残留しない場合には、ステップS103に進められる。
【0106】
ここでは、例えば、保守員は、異常が生じた、出金していた紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17を点検して紙幣または硬貨が残留していることを認め、残留している紙幣または硬貨を取り除く作業を行った場合には、保守管理装置30に対して紙幣または硬貨が残留していることの操作入力を行う。また、保守員は、異常が生じた、出金していた紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17を点検して紙幣または硬貨の残留を認めることができなかった場合には、保守管理装置30に対して紙幣または硬貨が残留していないことの操作入力を行う。
【0107】
[ステップS102] 保守管理装置30は、紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17に対する復旧処理を実行する。なお、紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17に対する復旧処理の詳細については後述する。
【0108】
[ステップS103] 保守管理装置30は、紙幣処理ユニット16及び硬貨処理ユニット17を初期化させる。
なお、復旧実行処理では、ステップS90~S93の処理とステップS94~S97の処理とステップS98~S103の処理との順序は適宜入れ替えてもよい。
【0109】
次に、上記の復旧実行処理に含まれる発券処理ユニット復旧処理(図14のステップS92)の詳細について図15図17を用いて説明する。
図15は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される発券処理ユニット復旧処理を示すフローチャートであり、図16及び図17は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される発券処理ユニット復旧処理にて表示される表示画面例を示す図である。
【0110】
保守員が、図14の復旧実行処理のステップS91の際に、発券処理ユニット15から投票券を除去する。保守管理装置30のディスプレイ30eには、例えば、図16(A)に示されるような表示画面34が表示されている。表示画面34には、除去した投票券のQRコードの読み取りを案内することが記載されており、読み取り後に次の処理に進めるためのボタン34aが設けられている。
【0111】
[ステップS92a] 保守管理装置30においてカメラ30gで投票券に付されたQRコードを読み取る。このようにして読み取られたQRコードは、例えば、図16(B)に示される表示画面34で表示される。
【0112】
なお、保守員は、このような表示画面34でQRコードを視認して、ボタン34aを押下する。
[ステップS92b] 保守管理装置30は、QRコードから投票情報に復号する。そして、保守管理装置30は、複合した投票情報とステップS84で取得した投票情報とを照合して、投票内容情報及び購入金額情報が一致して、ステップS84で取得した投票情報の発券情報が発券済みであるか否かを判定する。次の処理は、これらを満たす場合には、当該投票券が有効に発券済みであると判定して、ステップS92cに進められ、満たさない場合には、ステップS92dに進められる。
【0113】
[ステップS92c] 保守管理装置30は、ディスプレイ30eに、例えば、図17(A)に示す表示画面34を表示する。表示画面34には、投票券が有効である旨が表示され、次の処理に進められるボタン34aを備えている。
【0114】
保守員は、投票券が有効であることを視認して、ボタン34aをタッチすると次の処理に進められる。また、保守員は、当該投票券を顧客に直接手渡す。
[ステップS92d] 保守管理装置30は、図示を省略するものの、ディスプレイ30eに、投票券が無効である旨が表示される。保守員は、ステップS92cと同様に、次の処理に進められるボタンをタッチして、次の処理に進められる。また、保守員は、当該投票券を破棄する。
【0115】
[ステップS92e] 保守管理装置30は、図示を省略するものの、確認受付画面をディスプレイ30eに表示して、確認受付がタッチされると、発券処理ユニット復旧処理が終了する。
【0116】
なお、他のユニットに異常がある場合には、ステップS92eの確認受付画面に代わって、図17(B)に示される表示画面35を表示してもよい。表示画面35は、異常が認められた、例えば、投票カード処理ユニット14、紙幣処理ユニット16、硬貨処理ユニット17の復旧処理に遷移するボタン35a~35cが含まれている。保守員は、これらのボタン35a~35cのいずれかをタッチすることで、当該ボタンに対応するユニットの復旧処理を開始することができる。
【0117】
次に、上記の復旧実行処理に含まれる投票カード処理ユニット復旧処理(図14のステップS96)の詳細について図18及び図19を用いて説明する。
図18は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される投票カード処理ユニット復旧処理を示すフローチャートであり、図19は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される投票カード処理ユニット復旧処理にて表示される表示画面例を示す図である。
【0118】
保守員が、図14の復旧実行処理のステップS95で投票カード処理ユニット14から投票カードを除去する。保守管理装置30のディスプレイ30eには、例えば、図19に示されるような表示画面36が表示されている。表示画面36には、投票カードのマーク面の読み取りを案内することが記載されており、読み取り後に次の処理に進めるためのボタン36aが設けられている。
【0119】
[ステップS96a] 保守管理装置30においてカメラ30gで投票カードのマーク面の画面を取得する。
[ステップS96b] 保守管理装置30は、マーク面の画面からマークを解析して、投票情報(投票内容情報及び購入金額情報)を取得する。保守管理装置30は、解析した投票情報とステップS84で取得した投票情報とを照合する。
【0120】
[ステップS96c] 保守管理装置30は、照合の結果、投票内容情報及び購入金額情報が一致して、ステップS84で取得した投票情報の発券情報が発券済みであるか否かを判定する。次の処理は、これらを満たす場合には、当該投票カードに対応する投票券が有効に発券済みであると判定して、ステップS96dに進められ、満たさない場合には、ステップS96eに進められる。
【0121】
[ステップS96d] 保守管理装置30は、ディスプレイ30eに、図示を省略するものの、当該投票カードに対応する投票券が発券済みである旨が表示される。
保守員は、投票券が発券済みであることを視認して、ディスプレイ30eに同様に表示されているボタンをタッチすると次の処理に進められる。また、保守員は、当該投票カードを破棄する。
【0122】
[ステップS96e] 保守管理装置30は、ディスプレイ30eに、図示を省略するものの、当該投票カードに対応する投票券が未発券である旨が表示される。保守員は、ステップS96eと同様に、次の処理に進められるボタンをタッチして、次の処理に進められる。また、保守員は、当該投票カードを顧客に直接手渡す。
【0123】
なお、ステップS96d,S96eの判定結果は、図19に示す表示画面36の「読み取り結果」に表示される。保守員は、この表示を視認することで判断することができる。
[ステップS96f] 保守管理装置30は、図示を省略するものの、確認受付画面をディスプレイ30eに表示して、確認受付がタッチされると、投票カード処理ユニット復旧処理が終了する。
【0124】
次に、上記の復旧実行処理に含まれる紙幣/硬貨処理ユニット復旧処理(図14のステップS100,S102)の詳細について図20図22を用いて説明する。
図20は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される紙幣/硬貨処理ユニット復旧処理を示すフローチャートである。なお、図20(A)は、入金時を、図20(B)は、出金時をそれぞれ表している。
【0125】
図21は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される紙幣/硬貨処理ユニット復旧処理(入金)にて表示される表示画面例を示す図であり、図22は、第2の実施の形態の保守管理装置で実行される紙幣/硬貨処理ユニット復旧処理(出金)にて表示される表示画面例を示す図である。
【0126】
保守員が、図14の復旧実行処理のステップS99(入金時)で紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17から詰まりを起こした紙幣及び硬貨を除去する。
そして、保守管理装置30では、次の図20(A)に示される処理が実行される。
【0127】
[ステップS100a] 保守管理装置30は、ステップS84で取得した投票情報の入金情報に基づき、紙幣処理ユニット16であれば、例えば、図21(A)に示す表示画面37を表示する。表示画面37では、入金された金種ごとの枚数と紙幣処理ユニット16の紙幣の搬送経路を示す概略図とを表示し、また、紙幣/硬貨処理ユニット復旧処理(入金)を終了するボタン37aが含まれている。保守員は、このように表示された案内にしたがって金種ごとの枚数を顧客に直接手渡し、ボタン37aをタッチする。
【0128】
一方、硬貨処理ユニット17であれば、例えば、図21(B)に示す表示画面38を表示する。表示画面38では、入金された金種ごとの枚数と硬貨処理ユニット17の硬貨の搬送経路を示す概略図とを表示し、また、紙幣/硬貨処理ユニット復旧処理(入金)を終了するボタン38aが含まれている。保守員は、このように表示された案内にしたがって金種ごとの枚数を顧客に直接手渡し、ボタン38aをタッチする。
【0129】
保守員が、図14の復旧実行処理のステップS101(出金時)で紙幣処理ユニット16または硬貨処理ユニット17から詰まりを起こした紙幣及び硬貨を除去する。
そして、保守管理装置30では、次の図20(B)に示される処理が実行される。
【0130】
[ステップS102a] 保守管理装置30は、顧客に対して支払うべき釣り銭額と、図11のステップS84で取得した投票情報の出金情報とを比較する。
なお、この際、紙幣処理ユニット16であれば、例えば、図22(A)に示す表示画面137を表示する。表示画面137では、出金された金種ごとの枚数と紙幣処理ユニット16の紙幣の搬送経路を示す概略図とを表示し、また、表示画面137を確認して閉じるボタン137aが含まれている。
【0131】
一方、硬貨処理ユニット17であれば、例えば、図22(B)に示す表示画面138を表示する。表示画面138では、出金された金種ごとの枚数と硬貨処理ユニット17の硬貨の搬送経路を示す概略図とを表示し、また、表示画面138を確認して閉じるボタン1378aが含まれている。
【0132】
[ステップS102b] 保守管理装置30は、ステップS102aの比較結果により、未精算であるか否かを判定する。次の処理は、未精算である場合には、ステップS102cに進められ、精算済みであれば、紙幣/硬貨処理ユニット復旧処理(出金)を終了する。
【0133】
なお、顧客に対して支払うべき釣り銭額とステップS84で取得した投票情報の出金情報とが一致する場合には、精算済みであることが判定される。一方、ステップS84で取得した投票情報の出金情報が顧客に対して支払うべき釣り銭額よりも少ない場合には、精算が完了しておらず、未精算であると判定される。
【0134】
[ステップS102c] 保守管理装置30は、ステップS84で取得した投票情報の出金情報と顧客に対して支払うべき釣り銭額との差を未精算額としてディスプレイ30eに表示する。
【0135】
保守員は、このように表示された案内にしたがって紙幣並びに硬貨を除去して、顧客に対して誤りなく未精算額を直接返却することができる。
このように上記投票システム50は、投票装置10と保守管理装置30とを有している。投票装置10は、投票に関する第1投票情報が媒体面に付加された投票券に対して所定の処理を実行する発券処理ユニット15と、投票券の所定の処理に応じた発券状況を表す発券情報を取得する。保守管理装置30は、発券処理ユニット15に発券に関する異常が発生した際に、発券処理ユニットから除去された投票券から媒体面の画面を取得し、投票装置10から発券情報を含む投票情報が通知され、画面から投票情報を取得し、投票装置10から通知された投票情報と画面から取得した投票情報との照合結果と発券情報とに基づいて投票券の有効性を判定し、有効性の判定結果を通知する。
【0136】
また、上記投票システム50では、投票装置10の投票カード処理ユニット14は、投票情報が媒体面に付加された投票カードから投票情報を取得し、発券処理ユニット15が当該投票情報に基づいて投票券の出力処理を実行する。保守管理装置30は、投票カード処理ユニット14で異常が発生した際に、カメラ30gを用いて投票カード処理ユニット14から除去した投票カードの媒体面の画面を取得し、投票装置10から、投票カード処理ユニット14で異常が発生した際の発券情報を含む投票情報が通知される。保守管理装置30は、カメラ30gで取得した画面から投票情報を取得し、投票装置10から通知された投票情報とカメラ30gで取得した画面から投票情報との照合結果と発券情報とに基づいて投票カードの有効性を判定する。
【0137】
これにより保守員は保守管理装置30で表示される投票券または発券カードの有効性を認知することができ、投票券または発券カードを誤ることなく、迅速に取り扱うことができる。例えば、通知された有効性に基づいて投票券または発券カードを破棄すべきか、顧客に戻すべきかを誤ることなく迅速に判断できる。このため、投票装置10に対する復旧時間が短縮する。
【0138】
上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、コンピュータが有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0139】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体には、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ(MT)等がある。光ディスクには、DVD、DVD-RAM、CD-ROM、CD-R/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto - Optical disk)等がある。半導体メモリには、USBメモリ等のフラッシュメモリがある。
【0140】
上記プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータに格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0141】
上記プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム若しくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記録装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記録装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0142】
また、プログラムで記述された処理の一部または全てを、電子回路に置き換えることが可能である。例えば、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【符号の説明】
【0143】
1 投票装置
1a 媒体処理部
1b 第1制御部
2 情報処理装置
2a 画面取得部
2b 第2制御部
3 投票システム
4 第1媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22