(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】パーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム、およびそのパーキングブレーキ
(51)【国際特許分類】
F16D 65/16 20060101AFI20220128BHJP
B60T 13/74 20060101ALI20220128BHJP
F16H 25/20 20060101ALI20220128BHJP
F16D 125/50 20120101ALN20220128BHJP
F16D 125/40 20120101ALN20220128BHJP
F16D 121/24 20120101ALN20220128BHJP
【FI】
F16D65/16
B60T13/74 H
F16H25/20 A
F16H25/20 E
F16D125:50
F16D125:40
F16D121:24
(21)【出願番号】P 2018547267
(86)(22)【出願日】2017-03-10
(86)【国際出願番号】 IB2017051420
(87)【国際公開番号】W WO2017153964
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2019-12-12
(31)【優先権主張番号】102016000025362
(32)【優先日】2016-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501016696
【氏名又は名称】フレニ・ブレンボ エス・ピー・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ニコロ・マッツァリーニ
(72)【発明者】
【氏名】シモーネ・ベッラ
(72)【発明者】
【氏名】イタロ・ピローヴァノ
(72)【発明者】
【氏名】トマシュ・ヴォウォシン
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-208932(JP,A)
【文献】特表2009-526958(JP,A)
【文献】特表2009-513407(JP,A)
【文献】国際公開第2015/101486(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0345581(US,A1)
【文献】韓国登録特許第1567211(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 13/00-13/74
F16D 49/00-71/04
F16H 19/00-37/16
F16H 49/00
F16D 121/24
F16D 125/40
F16D 125/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)であって、
モータ手段(16)を収容する本体(12)と、
第1の端(24)に対応する、ドラムブレーキ及び/又はパーキングブレーキの作動部材(28)を、作動方向(X-X)に沿って作動するのに適したタイロッド(20)と、
前記モータ手段(16)を前記タイロッド(20)の第2の端(48)に動作可能なように連結する伝達手段(44)とを備え、
前記タイロッド(20)の前記第2の端(48)は、第1のピッチ(P1)を備える第1のねじ山(56)を有する第1のねじ(52)と一体で移動し、
前記第1のねじ(52)は、前記第1のねじ山(56)を介して第2のねじ(60)にかみ合わされ、
前記第2のねじ(60)は、第2のピッチ(P2)を備える第2のねじ山(64)を備え、前記第2のねじ山(64)を介して前記本体(12)と一体のナットねじ(68)にかみ合わされ、前記第2のねじ山(64)は、前記第1のねじ山(56)に対して逆ねじであり、
前記第2のねじ(60)は、前記伝達手段(44)によって回転して作動され、
前記第2のねじ(60)は、前記伝達手段(44)との機械的連結を保持している間、前記作動方向(X-X)に関して回転移動するために、前記伝達手段(44)の出力歯車(80)に第2のプリズマティック連結(78)でかみ合わされ、
前記第1のねじ(52)は、アンダーカット(86)を作る前記タイロッド(20)の前記第2の端(48)の、前記軸作動方向(X-X)に沿った、前記タイロッド(20)の作動方向(S)に関する移動をロックする固定ヘッド(84)を備え、前記固定ヘッド(84)は、前記第2のねじ山(64)と軸方向に反対に、前記第2のねじ(60)の外側に構成され、
前記固定ヘッド(84)は、前記タイロッド(20)のけん引作用による圧縮に影響される伸縮手段(88)を設けられる、
パーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項2】
前記第2のねじ(60)にかみ合う前記出力歯車(80)は、軸方向に関して前記作動方向(X-X)と平行に前記本体(12)に拘束される、請求項
1に記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項3】
前記第1のねじ山(56)と前記第2のねじ山(64)は、前記モータ手段(16)の作動なしに逆行しない、請求項1
または請求項2に記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項4】
前記伝達手段(44)は、全体として、前記モータ手段(16)の作動なしに逆行しない運動伝達を実現するように構成される、請求項1から請求項
3のいずれかに記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項5】
前記第1のねじ(52)および前記第2のねじ(60)のそれぞれの前記第1のピッチ(P1)および前記第2のピッチ(P2)は、1mmから5mmの間で備えられる、請求項1から請求項
4のいずれかに記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項6】
前記第1のねじ(52)および前記第2のねじ(60)の少なくとも一つの前記ねじ山(56)、前記ねじ山(64)は、複数の螺旋を設けられる、請求項1から請求項
5のいずれかに記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項7】
前記第1のねじ(52)は、前記第1のねじ(52)を前記第2のねじ(60)に対して軸方向に、前記作動方向(X-X)と平行に、前記本体(12)に対して回転させることなく移動させるために、前記本体(12)との第1のプリズマティック連結(72)を備える、請求項1から請求項
6のいずれかに記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項8】
前記第1のねじ(52)及び前記第2のねじ(60)は、互いに、および前記タイロッド(20)の前記作動方向(X-X)に同軸である、請求項1から請求項
7のいずれかに記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項9】
前記第1のねじ(52)は、少なくとも部分的に前記第2のねじ(60)の内側に収容され、前記第1のねじ(52)及び前記第2のねじ(60)は、前記タイロッド(20)によって貫通されるように中空である、請求項1から請求項
8のいずれかに記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項10】
前記第2のねじ(60)の前記第2のねじ山(64)は、前記タイロッド(20)の前記第2の端(48)に関して反対側に軸方向に構成される、請求項1から請求項
9のいずれかに記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項11】
前記伝達手段(44)は、少なくとも2段階の遊星歯車機構(92)を備える、請求項1から請求項
10のいずれかに記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項12】
前記伝達手段(44)は、ウォーム(110)を備え、前記ウォーム(110)は、前記モータ手段(16)に同軸上に合わせており、前記伝達手段(44)の出力歯車(80)として作用するクラウン(112)とかみ合い、前記モータ手段(16)の回転軸と前記第1のねじ(52)の前記作動軸(X-X)は、互いに垂直である、請求項1から請求項
11のいずれかに記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)。
【請求項13】
請求項1から請求項
12のいずれかに記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム(4)を備え、回転ベル(40)、および作動時に制動作用を前記ベル(40)に加えるのに適した摩擦面(38)を設けられた少なくとも一つのジョー(36)を設けられた、ドラムブレーキ(32)をさらに備え、前記ジョー(36)は、作動部材(28)を設けられ、前記タイロッド(20)の前記第1の端(24)は、前記作動部材(28)に連結される、パーキングブレーキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システム、および前記システムを備える関連パーキングブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
特に、車輌用のパーキングブレーキは、通常、ドラムブレーキ(一般に「DIH」、すなわちドラムインハット、と呼ばれる)であり、ホイールハブと一体になって回転するベル、およびベルに制動作用を及ぼすように構成された一対のクランプジョーを備える。ジョーは、摩擦材で表面を覆われており、例えばヒンジ部を軸とした回転によって、ベルに対して接するロックまたはパーキング配置から、ベルに干渉しない、つまりベルが自由に回転する、解放配置に移動可能である。ジョーの作動は、ケーブルまたはその他のタイロッド(例えば、棒または鎖)などによって実行され、けん引状態になると、例えばレバーを用いて、ジョーを移動する。
【0003】
ディスクベルへのジョーの開放、およびその結果として生じる車輌の駐車を確保するために、レバーに接続されているケーブルにけん引張力を与えることが必要である。
【0004】
このケーブルけん引機能は、電気的制御作動システムによって実行され得る。
【0005】
DIH用の公知のケーブル引っ張りシステムは、ジョーの摩耗に起因する、ジョー自体とDIHのベルとの距離が徐々に非常に増えるという事実に実質的に起因して、ロック/解放のステップのために相対的に長い時間がかかる。
【0006】
したがって、摩耗が進むにつれて、駐車するために車輪の同じブレーキロック効果を得るためにジョーが動かなければならないストロークは、増加する。
【0007】
パーキングシステム作動時間の増加は、より良い感覚を提供する作動システムが必要であると感じるユーザに、受け入れがたいとしばしばみなされる。言い換えれば、ユーザは、余分な待機時間を避けるために、より素早く、より反応が早いパーキングシステムを求めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
今日まで、パーキングシステムの全体的な大きさ、および/または関連コストの削減を目的として、様々な解決策が技術的に適用されてきたが、公知の解決策のいずれも、商用車にて広く使用されているドラムパーキングブレーキ(DIH)の作動時間の過度の伸延の技術的な問題を解決することができていない。
【0009】
従来技術に関して言及されている欠点および制限を解決することの要求が、それ故に感じられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのような要求は、請求項1に記載のパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システムによって満たされる。
【0011】
特に、そのような要求は、
モータ手段を収容する本体と、
ドラムブレーキの作動部材を、第1の端に対応する、作動方向X-Xに沿って作動するのに適したタイロッドと、
モータ手段をタイロッドの第2の端に動作可能なように連結する伝達手段とを備え、
タイロッドの第2の端は、第1のピッチを備える第1のねじ山を有する第1のねじと一体で移動し、
第1のねじは、第1のねじ山を介して第2のねじにかみ合わされ、
第2のねじは、第2のピッチを備える第2のねじ山を備え、第2のねじ山を介して本体と一体のナットねじにかみ合わされ、第2のねじ山は、第1のねじ山とは反対側にあり、
第2のねじは、伝達手段によって回転して作動され、
第2のねじは、伝達手段との機械的連結を保持している間、作動方向X-Xに関して回転移動するために、伝達手段の出力歯車にプリズマティック連結(互いに対して移動することはできるが、互いに対して回転することはできない、二つの部品の間での機械的な連結)でかみ合わされる、
パーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システムによって満たされる。
【0012】
想定できる実施形態によると、第2のねじとかみ合う出力歯車は、軸方向に関して作動軸と平行に本体に拘束される。
【0013】
想定できる実施形態によると、第1のねじ山と第2のねじ山は、不可逆である。
【0014】
想定できる実施形態によると、伝達手段は、全体として、不可逆な種類の運動伝達を実現するように構成される。
【0015】
想定できる実施形態によると、ねじの第1のピッチおよび第2のピッチは、1mmから5mmの間である。
【0016】
実施形態によると、第1のねじ及び第2のねじの少なくとも一つのねじ山は、複数の螺旋を設けられる。
【0017】
想定できる実施形態によると、第1のねじは、第1のねじを第2のねじに対して軸方向に、作動方向X-Xと平行に、本体に対して回転させることなく移動させるために、本体との第1のプリズマティック連結を備える。
【0018】
想定できる実施形態によると、第1のねじ及び第2のねじは、互いに、およびタイロッドの作動方向X-Xに同軸である。
【0019】
想定できる実施形態によると、第1のねじは、少なくとも部分的に第2のねじの内側に収容され、第1のねじ及び第2のねじは、タイロッドによって貫通されるように中空である。
【0020】
想定できる実施形態によると、第2のねじの第2のねじ山は、タイロッドの第2の端に関して反対側に軸方向に構成される。
【0021】
想定できる実施形態によると、第1のねじは、アンダーカットを作るタイロッドの第2の端の、軸方向に沿った、タイロッドの作動方向に関する移動をロックする固定ヘッドを備え、固定ヘッドは、第2のねじ山と軸方向に反対に、第2のねじの外側に構成される。
【0022】
想定できる実施形態によると、固定ヘッドは、タイロッドのけん引作用による圧縮に影響される伸縮手段を設けられる。
【0023】
想定できる実施形態によると、伝達手段は、少なくとも2段階の遊星歯車機構を備える。
【0024】
想定できる実施形態によると、伝達手段は、ウォーム(worm screw)を備えており、ウォームは、伝達手段の出力歯車として作用するクラウン(歯車)とかみ合い、モータ手段に同軸上に合わせており、モータ手段の回転軸と第1のねじの作動軸は、互いに垂直である。
【0025】
想定できる実施形態によると、上述されたようなケーブル引っ張り作動システムを備え、回転ベル、および作動時に制動作用をベルに加えるのに適した摩擦面を設けられた少なくとも一つのジョーを設けられた、ドラムブレーキをさらに備えるパーキングブレーキが提供され、ジョーは、作動部材を設けられ、タイロッドの第1の端は、作動部材に連結される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明のさらなる特徴および利点が、望ましく、限定するものではない実施形態の下記記載より明らかになるであろう。
【0027】
【
図1】
図1は、本発明による、パーキングブレーキ用ケーブル引っ張りシステムの組み立てられた形状での斜視図を示す。
【
図2】
図2は、
図1でのパーキングブレーキ用ケーブル引っ張りシステムの分解図を示す。
【
図3】
図3は、
図1でのパーキングブレーキ用ケーブル引っ張りシステムの、組み立てられた形状での、部分断面図を示す。
【
図4】
図4は、
図1でのパーキングブレーキ用ケーブル引っ張りシステムの、組み立てられた形状での、断面図を示す。
【
図5】
図5は、
図1でのパーキングブレーキ用ケーブル引っ張りシステムの、
図4における断面平面V-Vに沿った、断面図を示す。
【
図6】
図6は、
図1でのパーキングブレーキ用ケーブル引っ張りシステムの、
図4における断面平面VI-VIに沿った、断面図を示す。
【
図7】
図7は、
図1でのパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システムの、パーキング力の不適用状態での斜視部分断面図を示す。
【
図8】
図8は、
図1でのパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システムの、パーキング力の適用状態での斜視部分断面図を示す。
【
図9a】
図9aは、本発明による、パーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システムと連結可能なドラムブレーキの斜視断面図を示す。
【
図9b】
図9bは、本発明による、パーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システムと連結可能なドラムブレーキの斜視断面図を示す。
【
図10】
図10は、本発明のさらなる実施形態による、パーキングブレーキ用ケーブル引っ張りシステムの斜視断面図を示す。
【0028】
下記に記載されている実施形態間で共通の要素または要素の部品は、同一の符号で言及されている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
上記図面を参照すると、符号4は包括的に、モータ手段16を収容する本体12を備えるパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システムを指す。
【0030】
本発明の目的に関して、本体12の大きさ及び材質は、規定されない。また、モータ手段は好ましくは、電気モータであるが、これに限定されるわけではない。例えば、直流の電気ブラシモータが使用される。
【0031】
システム4は、第1の端24に対応する、ドラムブレーキ32および/またはパーキングブレーキの作動部材28を、作動方向X-Xに沿って作動するのに適したタイロッド20を備える。
【0032】
作動方向X-Xは、空間に固定する必要はなく、その代わりに回転とともに移動することができるタイロッドを、ひいてはパーキングブレーキの作用中、間隙を介して方向を変化できる作動方向を設けることが可能であることに留意されたい。
【0033】
タイロッド20は、ケーブルまたはロッドのいずれかを備えても良い。
【0034】
ドラムブレーキ32の作動部材28は例えば、摩擦面38を設けられた少なくとも一つのジョー36(通常、二つのジョー36)に作用するように適合されたレバー34を備える。
【0035】
ドラムブレーキ32は、回転ベル40、作動時に制動作用をベル40に加える摩擦面38を設けられた少なくとも一つのジョー36を設けられる。
【0036】
ジョー36は、回転作動運動をするように例えばヒンジで動くようになっていてもよく、または作動部材28によってベル40へと移動されるようにスライドに取り付けられてもよい。
【0037】
タイロッド20の第1の端24は、ジョー36を移動させるように作動部材28に連結される。
【0038】
システム4は、モータ手段16をタイロッド20の第2の端48に動作可能なように連結する伝達手段44を備える。
【0039】
第2の端48は、作動方向X-Xに沿って、第1の端24と軸方向に反対側にある。
【0040】
第2の端48は、第1のピッチP1を備える第1のねじ山を有する、第1のねじ52と一体で移動する。
【0041】
第1のねじ52は、第1のねじ山56を介して、第2のピッチP2を備える第2のねじ山64を有する第2のねじ60にかみ合わされる。
【0042】
第2のねじ60は、第2のねじ山64を介して、本体12と一体のナットねじ68にかみ合わされる。
【0043】
好適には、第2のねじ山64は、第1のねじ山56と反対である。
【0044】
第2のねじ60は、下記でより詳しく説明されているように、モータ手段16を通じてタイロッド20を動かすために、伝達手段44によって回転して作動される。
【0045】
第1のねじ山56と第2のねじ山64は、不可逆である。このような方法で、モータ手段の作動、およびねじの移動後、それらとともにタイロッド20、ねじは、各ピッチの不可逆性に起因して、モータ手段16の作動作用が終わるとき、具体的にはジョー36のロックを確保するときでさえ、位置を保持する。
【0046】
想定できる実施形態によると、伝達手段44は、全体として、不可逆な種類の運動伝達を実現するように構成される。
【0047】
好適には、第1のねじ52及び第2のねじ60の第1のピッチP1及び第2のピッチP2は、1mmから5mmの間である。
【0048】
想定できる実施形態によると、第1のねじ52及び第2のねじ60の少なくとも一つのねじ山56及びねじ山64は、複数の螺旋を設けられる。
【0049】
第1のねじ52は、第1のねじ52を第2のねじ60に対して軸方向に(すなわち、作動方向X-Xに平行に)、本体および同一軸方向X-Xに対して回転させることなく移動させるために、本体12との第1のプリズマティック連結72を備える。
【0050】
例えば、第1のプリズマティック連結72は、作動方向X-Xの周りでの回転防止として作用する一方、作動方向X-Xに平行に移動させる溝74に連結されている鍵73を備える。
【0051】
好適には、第1のねじ52及び第2のねじ60は、互いに、およびタイロッド20の軸方向X-Xに同軸上にある。
【0052】
また、第2のねじ60は、伝達手段44との機械的連結を保持している間、作動方向X-Xに関して回転移動するために、伝達手段44の出力歯車80に第2のプリズマティック連結78でかみ合わされる
【0053】
そして、出力歯車80は、第2のねじ60とかみ合っており、本体12に軸方向に拘束されている。
【0054】
出力歯車80は、モータ手段16側で、本体12でのアバットメント(当接部)81によって片側を軸方向に固定され、例えば、作動システム4の固定側83で本体12内で共同成形されたブッシング82によってもう一方を固定される。
【0055】
実施形態によると、出力歯車80は、ブッシング82内に挿入され、それによってその回転を容易にする。
【0056】
好適には、第1のねじ52は、少なくとも部分的に第2のねじ60の内側に収容され、第1のねじ52及び第2のねじ60は、タイロッド20によって貫通されるように中空である。
【0057】
好適には、第2のねじ60の第2のねじ山64は、タイロッド20の第2の端48に対して反対側に軸方向に構成される。
【0058】
実施形態によると、第1のねじ52は、アンダーカット86を作っているタイロッド20の第2の端48の、軸方向X-Xに沿った、タイロッド20の作動方向Sに関する移動をロックする固定ヘッド84を備える。
【0059】
例えば、固定ヘッド84は、第2のねじ山64とは軸方向に反対側に、第2のねじ60の外部に配置される。つまり、好ましくは、固定ヘッド84は、第2のねじ60内に包含されない。
【0060】
実施形態によると、固定ヘッド84は、タイロッド20のけん引作用による圧縮の影響を受ける伸縮手段88を設けられる。
【0061】
例えば、伸縮手段88は、カップスプリング90を備える。当然、要求されている伸縮機構および寸法によって、その他の種類のバネが、伸縮手段88に使用されてもよい。
【0062】
伸縮手段88、例えばカップスプリング90の組物、の存在は、機構に関してタイロッド20のけん引運動を引き起こす、ドラムブレーキのベル40の起こりうる冷却後の、第1のねじ52及び第2のねじ60での過負荷を防ぐ働きをする
【0063】
見られるように、伝達手段44は、モータ手段16をタイロッド20の第2の端48に連結する。想定できる実施形態によると、伝達手段44は、少なくとも2段階の遊星歯車機構92を備える。少なくとも2段階の遊星歯車機構92とモータ手段16との間の連結は、例えばモータ16のドライブシャフトと一体になって回転するピニオン91を用いて行われる。
【0064】
例えば、後者は固定された外側の内歯94を備えた、少なくとも2段階の遊星歯車機構92である。歯車機構はさらに、公知の方法で、第1の段の遊星歯車95および二つの遊星歯車ホルダ96、98を備える。
【0065】
例えば、第1の段の遊星歯車95は、ピニオン91とかみ合う。
【0066】
第2の段の遊星歯車97は、同様に設けられる。
【0067】
固定された外側の内歯94は、遊星歯車95、遊星歯車ホルダ96および遊星歯車ホルダ98と共に、本体12の専用台座100に挿入されるカートリッジ99を形成する。
【0068】
具体的には、第1の段の遊星歯車ホルダ96および第2の段の遊星歯車ホルダ98を設けられ、互いに同軸上に、作動方向X-Xに平行に配置される。
【0069】
カートリッジ99は、軸移動および回転を、例えば、180度離して配置されて本体にかみ合う二つの歯101によって、ロックされる。
【0070】
遊星歯車機構92は、例えば本体12内で共同成形された中心位置ピン102によって導かれる。
【0071】
想定できる実施形態によると、さらなる通常の減速の段は、第3の減速の段を得るためにより大きな径の、遊星歯車機構からの出力で出力歯車80とかみ合う、ホイール103からなる。
【0072】
好適には、遊星歯車機構の使用を伴う実施形態において、伝達手段44は、運動入力軸(すなわち、モータ手段16の回転の軸)と第1のねじ52の作動軸X-Xとが互いに平行になるように、構成される。このような方法で、モータ手段16は、タイロッド20および作動方向X-Xと平行に構成される。
【0073】
さらなる実施形態によると、伝達手段44は、様々な種類の歯車および歯車機構(通常のものも、遊星でないものも)を使用する。つまり、本発明の実施形態に限定されることなく、段数に関わりなく、遊星歯車機構の使用が可能である。
【0074】
さらなる想定できる実施形態によると、伝達手段44は、ウォームを備えており、ウォームは、出力歯車80として作用するクラウン112とかみ合い、モータ手段16と同軸上に合わせている。好適には、伝達手段44は、運動入力軸(すなわち、モータ手段16の回転軸)と運動出力軸(すなわち、第1のねじ52の作動軸X-X)が、互いに垂直になるように構成される。
【0075】
このような方法で、モータ手段16は、タイロッド20および作動軸X-Xと垂直に構成される。
【0076】
さらなる実施形態によると、伝達手段44は、運動入力軸(すなわち、モータ手段16の回転軸)と運動出力軸(すなわち、第1のねじ52の作動軸X-X)が、互いに垂直でない方向に配置されるように構成される。
【0077】
例えば、モータ手段16の軸と第1のねじ52の作動軸X-Xとの間の角度は、ウォーム110と、出力歯車112、出力歯車80の歯がどのような方向を向いているかの関数として、任意の値(たとえ垂直でもよい)で構成されてもよい。
【0078】
システム4の耐水シールは、伝達手段44の歯車を含む内部領域を外部から分離させる、O(オー)リング104によって、および本体12の少なくとも二つの部品の溶接によって確保される。
【0079】
タイロッド20に押し付けられ、本体12のフランジ106に固定された防塵シール105は、第2のシールを獲得させる。
【0080】
フランジ106は、好ましくは、鉄またはその他の材料で作られ、車輪側締結部品に、例えば二つの固定ねじ108を通じて、直接連結される。
【0081】
当然、使用されている固定ねじ108の数は、関係なく、変更され得る。
【0082】
ドラムブレーキ32の固定された構造部品への、またはハブキャリアへのフランジ106の固定は、制動作用のために必要な張力を軽減させる。
【0083】
タイロッド20の第1の端24にて、車輌ブレーキに連結するための圧接ターミナル109がある。当然、圧接は、ターミナル109の単なる一つの想定できる固定手段である。
【0084】
本発明によるパーキングブレーキ用ケーブル引っ張りシステムの作用が、説明された。
【0085】
図7は、初期解放状態でのシステムを示す。この状態から、ユーザは、車輌のパーキングを作動する要求、つまり、モータ手段16を用いて、ドラムタイプの各パーキングブレーキでの作用によって、車輌の一つ以上のホイールをブロックする要求を有し得る。
【0086】
特に、モータ手段16が、伝達手段44の運動学的な連鎖を介して、出力歯車80を回転させるとき、出力歯車80は、第2のねじ60を回転させ、これはナットねじ68(すなわち、フランジ106)に対してねじを抜くように回され、作動方向X-Xに沿って軸上に移動し、けん引ねじとして機能する第1のねじ52を運ぶ。第1のねじ52は、第2のねじ60の第2のねじ山64と反対方向の第1のねじ山56を有し、回転しないよう固定されているが、第2のねじ60によって抜くように回される、つまり、ナット68またはフランジ106とともに第2のねじ60によってもたらされる、ねじを抜くように回すことに起因したこの並進運動をもたらす。
【0087】
このシステムは、出力歯車80のそれぞれの回転で、第1のねじ52と第2のねじ60のピッチP1、ピッチP2の和に等しいタイロッド20の移動をさせる。第1のねじ52と第2のねじ60のピッチP1、ピッチP2は、システムの効率、およびけん引速度を最適化するように選択され、ブレーキでの駐車を保証する自己ロック効果を同様に確保する。ねじの自己ロックは、第1のねじ山と第2のねじ山が不可逆である、という事実に起因して得られる。前記不可逆性は、関連する径に加えて、第1のピッチP1および第2のピッチP2に関連付けられる。
【0088】
パーキング状態の配置が、例えば
図8において示されており、図の前面に、タイロッド20(具体的には第2の端48)が動いた軸方向のストローク経路を示す。
【0089】
上記記載から分かるように、本発明によるパーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システムは、従来技術の欠点を打開させる。
【0090】
特に、パーキングブレーキ用ケーブル引っ張り作動システムは、作動速度の問題点を解決し、システムが始動した時からの待機時間の削減を保証し、運転手の快適性の増加をもたらす。
【0091】
本発明は、特に単一の作動ケーブルの作動を対象とした、一つの車輪側のみで作用する、使用された電気モータと同一速度の公知の解決策と比較して装置の作動速度を実質的に2倍にさせる機構を利用することによる、システムである。
【0092】
実際、本発明は、歯車のそれぞれの回転のため、ねじピッチの和と同等量、けん引要素の移動をさせる。ねじ自体のピッチは、けん引速度を最適化するために選択される一方、自己ロック効果(すなわち、ねじ山の不可逆性)を確保し、モータ手段の停止後でさえブレーキでの駐車を確保する。
【0093】
当業者は、特定の、および偶発的な要求を満たすために、上述されたパーキングブレーキ用ケーブル引っ張りシステムにいくつかの変更および調整をすることができるが、全て下記特許請求の範囲で記載された保護の範囲に該当する。