(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】ルマ成分と2つのクロマ成分とを含む入力ビデオを符号化する方法であって、前記方法は、再形成関数に基づく前記入力ビデオの再形成を含む、方法
(51)【国際特許分類】
H04N 19/70 20140101AFI20220127BHJP
H04N 19/85 20140101ALI20220127BHJP
【FI】
H04N19/70
H04N19/85
(21)【出願番号】P 2018558397
(86)(22)【出願日】2017-05-05
(86)【国際出願番号】 EP2017060766
(87)【国際公開番号】W WO2017194405
(87)【国際公開日】2017-11-16
【審査請求日】2020-04-13
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】319002876
【氏名又は名称】インターデジタル マディソン パテント ホールディングス, エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】イロン,フランク
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ,エドワール
(72)【発明者】
【氏名】シェヴァンス,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリフォン,ピエール
【審査官】岩井 健二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/151343(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/053280(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/188742(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/120420(WO,A1)
【文献】J. Sole et al.,Using the CRI SEI message for range adjustment for HDR/WCG video compression,STUDY GROUP 16 - CONTRIBUTION 0998 R2,COM 16-C 998 R2-E,2015年09月,pp.1-5
【文献】A. K. Ramasubramonian et al.,Clarifications on the semantics of CRI SEI message and its usage for HDR/WCG video compression,Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,JCTVC-V0064,22nd Meeting: Geneva, CH,2015年10月,pp.1-3
【文献】K. Minoo et al.,Description of the reshaper parameters derivation process in ETM reference software,Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,JCTVC-W0031 ,23rd Meeting: San Diego, USA,2016年01月,pp.1-17
【文献】E. Francois, F. Hiron and P. Andrivon,Usage of CRI for HDR video compression with dynamic range adaptation,Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,JCTVC-X0041,24th Meeting: Geneva, CH,2016年05月,pp.1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00 - 19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルマ成分および2つのクロマ成分を含む入力ビデオを符号化する方法であって、
-前記ルマ成分および前記クロマ成分に区分的線形関数を適用することによって当該入力ビデオを再形成することと、
-前記再形成されたビデオをビットストリーム内に符号化することと、
-サイド情報として当該区分的線形関数を表現するパラメータを符号化することと
を含み、当該入力ビデオ
は、復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジおよび逆再形成が復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジに
従って再形成される、
方法。
【請求項2】
前記方法は、サイド情報として、復号された再形成されたビデオの当該ターゲットにされたレンジを決定する第1の情報データと再構成されたビデオの当該レンジを決定する第2の情報データとを符号化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ビットストリームから再構成されたビデオを復号する方法であって、
-前記ビットストリームを復号することによって復号された再形成されたビデオを入手することと、
-前記復号された再形成されたビデオを逆再形成することによって前記再構成されたビデオを入手することと
を含み、当該復号された再形成されたビデ
オは、当該復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジと当該逆再形成が当該復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオの前記レンジとに
従って逆再形成される、
方法。
【請求項4】
前記方法は、復号された再形成されたビデオの当該ターゲットにされたレンジを決定する第1の情報データと再構成されたビデオの当該レンジを決定する第2の情報データと
をサイド情報から入手することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、1Dルックアップテーブルによって各区分的線形関数を表現することをさらに含む、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は
、前記第1の情報データの状況および前記第2の情報データの状況をチェックすることをさらに含み、
前記第1の情報データの状況が偽と等しく、かつ、前記第2の情報データの状況が偽と等しい場合に
、区分的線形関数は、1より小さいスケーリング係数によって乗算され、非ヌル・オフセット値は
、区分的線形関数に加算され、
前記第1の情報データの状況が真と等しく、かつ、前記第2の情報データの状況が偽と等しい場合に
、区分的線形関数は、1より小さいスケーリング係数によって乗算され、
前記第1の情報データ及び前記第2の情報データの状況の他の組み合わせに関して、区分的線形関数は、1と等しいスケーリング係数によって乗算される
請求項2または請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
サイド情報は、HEVC標準規格エディション2によって指定されるColour Remapping Information Supplemental Enhancement Informationメッセージを使用して運ばれる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ルマ成分と2つのクロマ成分とを含む入力ビデオを符号化するデバイスであって、前記デバイスは、
-前記ルマ成分に区分的線形関数を適用し、前記クロマ成分に2つの他の区分的線形関数を適用することによって当該入力ビデオを再形成し、
-前記再形成されたビデオをビットストリーム内に符号化し、
-サイド情報として当該区分的線形関数を表現するパラメータを符号化する
ように構成されたプロセッサを含み、当該入力ビデ
オは、復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジおよび逆再形成が前記復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジに
従って再形成される
デバイス。
【請求項9】
ビットストリームから再構成されたビデオを復号するデバイスであって、前記ビットストリームを復号することによって復号された再形成されたビデオを入手し、前記復号された再形成されたビデオを逆再形成することによって前記再構成されたビデオを入手するように構成されたプロセッサを含み、当該復号された再形成されたビデ
オが、当該復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジと、当該逆再形成が当該復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオの前記レンジとに
従って逆再形成される、デバイス。
【請求項10】
プログラムがコンピュータ上で実行されるときに請求項1に記載
の符号化
する方法のステップを実行するプログラム・コード命令を含むコンピュータ・プログラ
ム。
【請求項11】
プログラムがコンピュータ上で実行されるときに請求項3に記載
の復号
する方法のステップを実行するプログラム・コード命令を含むコンピュータ・プログラ
ム。
【請求項12】
前記プロセッサは、復号された再形成されたビデオの当該ターゲットにされたレンジを決定する第1の情報と再構成されたビデオの当該レンジを決定する第2の情報とをサイド情報から入手するようにさらに構成される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは、1Dルックアップテーブルによって各区分的線形関数を表現するようにさらに構成される、請求項8または請求項9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記プロセッサは、
復号された再形成されたビデオの当該ターゲットにされたレンジを決定する第1の情報データの状況および
再構成されたビデオの当該レンジを決定する第2の情報データの状況をチェックするようにさらに構成され、
前記第1の情報データの状況が偽と等しく、かつ、前記第2の情報データの状況が偽と等しい場合に
、区分的線形関数は、1より小さいスケーリング係数によって乗算され、非ヌル・オフセット値は
、区分的線形関数に加算され、
前記第1の情報データの状況が真と等しく、かつ、前記第2の情報データの状況が偽と等しい場合に
、区分的線形関数は、1より小さいスケーリング係数によって乗算され、
前記第1の情報データ及び前記第2の情報データの状況の他の組み合わせに関して、区分的線形関数は、1と等しいスケーリング係数によって乗算される
請求項8または請求項9に記載のデバイス。
【請求項15】
サイド情報は、HEVC標準規格エディション2によって指定されるColour Remapping Information Supplemental Enhancement Informationメッセージを使用して運ばれる、請求項14に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、2つの所与の色ボリューム(colour volume)(通常は異なる色域およびダイナミック・レンジに対応する)の間の色ボリューム・マッピングを実行するためにHEVC標準規格版2によって指定されるColour Remapping Information(CRI)Supplemental Enhancement Information(SEI)メッセージを使用するビデオ・コーディングに関する。
【背景技術】
【0002】
本セクションは、下で説明され、かつ/または請求される本原理の様々な態様に関係する可能性がある技術の様々な態様を読者に紹介することを意図されたものである。この記述は、本原理の様々な態様のより良い理解を容易にするために読者に背景情報を提供するのに役立つと思われる。したがって、これらの言明が、従来技術の承認ではなく、これに鑑みて読まれなければならならないことを理解されたい。
【0003】
以下では、ピクチャは、ピクチャ(またはビデオ)の画素値に対するすべての情報と、たとえばピクチャ(またはビデオ)を視覚化し、かつ/または復号するのにディスプレイ・デバイスおよび/または任意の他のデバイスによって使用され得るすべての情報とを指定する特定のピクチャ/ビデオ・フォーマットの、サンプル(画素値)の1つまたは複数のアレイを含む。ピクチャは、サンプルの第1のアレイの形の少なくとも1つの成分、通常はルマ(または輝度)成分と、おそらくは、サンプルの少なくとも1つの他のアレイの形の少なくとも1つの他の成分、通常は色成分とを含む。あるいは、代わりに、これと同一の情報が、従来の三色RGB表現など、色サンプルのアレイのセットによっても表現され得る。
【0004】
画素値は、C値のベクトルによって表現され、Cは、構成要素の個数である。ベクトルの各値は、画素値の最大ダイナミック・レンジを定義する複数のビットを用いて表現される。
【0005】
図1は、従来技術による入力ビデオを符号化/復号する方法を示す(HDR CE2: CE2.a-2, CE2.c, CE2.d and CE2.e-3、Taoran Lu、Fangjun Pu、Peng Yin、Tao、JCTVC-W0084)。この方法は、入力HDR信号を、圧縮がより簡単な再形成された(reshaped)ビデオ信号に変換するために、入力HDR信号の再形成を適用することによって、HEVCを使用して改善されたHDR圧縮効率を達成する解決策(J.Boyce、J.Chen他、「Draft high efficiency video coding(HEVC)version 2, combined format range extensions(RExt), scalability(SHVC), and multi-view(MV-HEVC)extensions」、JCTVC-R1013, 18th Meeting: 札幌、日本、2014年6月30日~7月9日)を説明するものである。それに関して、メタデータが、ビットストリーム内に挿入される(著者K. Minoo、T. Lu、P. Yin、L. Kerofsky、D. Rusanovskyy、E. FrancoisからのJCTVC寄稿論文JCTVC-W0092、表題「Description of the Exploratory Test Model(ETM)for HDR/WCG extension of HEVC」に含まれる文書「JCTVC-W0092_TestModel_specification.docx」に記載されているように、SPS/PPS内の新しい構文要素の追加によって)。
【0006】
符号器側では、ステップ100で、モジュールが、再形成されたビデオを生成するために入力ビデオを再形成し、再形成されたビデオに関連するメタデータを生成する。この再形成は、ビデオ信号の符号化の前に適用される前処理と考えることができる。
【0007】
ステップ110では、再形成されたビデオおよびそれに関連するメタデータが、ビットストリームF内で符号化される。
【0008】
復号側では、ステップ120で、モジュールが、ビットストリームFを復号し、復号された再形成されたビデオおよび復号されたメタデータを生成する。
【0009】
ステップ130では、モジュールが、入力ビデオに準拠する(圧縮アーティファクトを除いて)再構成されたビデオを生成するために、復号されたメタデータを使用して、復号された再形成されたビデオを逆再形成する。この逆再形成は、後処理と考えることができる。
【0010】
図2は、
図1の方法の符号化側の詳細を概略的に示す。
【0011】
ステップ100では、前処理は、3つの再形成関数fRk()、ただしk=0、1、または2に基づき、この関数のうちの1つは、8つの区分を有する区分的多項式モデル(PWP)に基づく、ルマに関するfR0()であり、2つは、1つの単一の区分を有する区分的線形モデル(PWL)に基づく、クロマに関するfR1()およびfR2()である。実際には、モデル化されるものは、これらの関数の逆関数、invfRk()、ただしk=0、1、または2(任意のxについて、invfRk(fRk(x))=xなど)である。というのは、これが、復号器側で後処理で適用されなければならないものであるからである。これらのモデル化された逆再形成関数から、前処理で実際に適用される再形成関数grk()は、逆再形成関数invfRk()の逆関数である。逆再形成関数は、通常、1Dルックアップテーブル(LUT)の形で実施される。
【0012】
ステップ110では、モジュールが、ビットストリーム内の再形成されたビデオを符号化し、PPS内のメタデータとして、再形成パラメータと呼ばれる、これらのモデルのパラメータを埋め込む。
【0013】
短く言うと、前処理中に、ルマ再形成パラメータ(ルマPWPパラメータ)およびクロマ再形成パラメータ(クロマPWLパラメータ)が、入力ビデオから導出される。その後、これらの再形成パラメータは、入力ビデオを再形成するのに使用される。その後、結果の再形成されたビデオは、ビットストリーム内で符号化され、その後、再形成パラメータが、ビットストリーム内でメタデータとして符号化される。
【0014】
【0015】
ステップ120では、復号された再形成されたビデオおよびメタデータ(再形成パラメータ)が、ビットストリームを復号することによって入手され、ルマおよびクロマの逆再形成関数またはLUTが、復号された再形成パラメータから導出され、逆再形成が、これらのルマおよびクロマの逆再形成関数またはLUTに基づいて、復号された再形成されたビデオに適用される。
【0016】
逆形成は、以下の特定の信号レンジ管理を含む。
【0017】
ビデオを表現するのに使用される符号語のフル・レンジから実際に利益を得るために、再形成されたビデオが、フル・レンジ(10ビット信号の場合に0から1023までのすべての値が使用されることを意味する)で生成される。しかし、実際のレンダリング・デバイスでは、使用されるものは、制限された(または合法的な)レンジ(通常は64から960までの値)である。したがって、
図1の方法では、再形成および逆再形成は、特定の信号レンジ管理を実施し、その結果、制限されたレンジ内の入力ビデオが、フル・レンジの再形成されたビデオに変換され、フル・レンジの復号された再形成されたビデオが、制限されたレンジの再構成されたビデオに変換されるようになる。
【0018】
この特定の信号レンジ管理は、規範的でなければならない。
【0019】
この再形成機構の欠点は、HEVCと組み合わせるためにHEVCコーデックおよび仕様を変更することが必須であることである。
【発明の概要】
【0020】
以下は、本原理のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、本原理の単純化された要約を提示する。この要約は、本原理の広範囲の概要ではない。本原理の主要な要素またはクリティカルな要素を識別することは意図されていない。以下の要約は、単に、下で提供されるより詳細な説明の前置きとして、単純化された形で本原理のいくつかの態様を提示するものである。
【0021】
本原理は、コーディング効率に関して
図1~
図3に関して上で説明した機構と同等の再形成機構を実行するために、HEVCで定義されたColour Remapping Information(CRI)SEIメッセージの使用法を適合させることによって、
図1~
図3に関して説明した再形成プロセスの欠点を解消するために示される。
【0022】
より正確には、本原理は、入力ビデオ(再形成を実施する逆CRI機構によって変換される)と出力ビデオ(逆再形成を実施するCRI機構による変換の結果)との両方のレンジの管理をCRIパラメータ内で直接に考慮に入れることに存する。
【0023】
再形成プロセスの入力ビデオおよび出力ビデオのレンジの管理にCRI機構を使用することは、HEVC符号器およびHEVC復号器のすべての変更を回避する、CRIの通常ではない使用である。
【0024】
それらの態様の1つによれば、本原理は、ルマ成分および2つのクロマ成分を含む入力ビデオを符号化する方法に関する。この方法は、
-ルマ成分およびクロマ成分に区分的線形関数を適用すること(610)によって前記入力ビデオを再形成することと、
-再形成されたビデオをビットストリーム内に符号化することと、
-サイド情報として前記区分的線形関数を表現するパラメータを符号化することと
を含み、この方法は、前記入力ビデオの再形成が、復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジおよび逆再形成が復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジにさらに依存することを特徴とする。
【0025】
一実施形態によれば、この方法は、サイド情報として、復号された再形成されたビデオの前記ターゲットにされたレンジを決定する第1の情報データと再構成されたビデオの前記レンジを決定する第2の情報データとを符号化することをさらに含む。
【0026】
その態様のうちのもう1つによれば、本原理は、ビットストリームから再構成されたビデオを復号する方法に関する。この方法は、ビットストリームを復号することによって復号された再形成されたビデオを入手することと、復号された再形成されたビデオを逆再形成することによって再構成されたビデオを入手することとを含む。この方法は、前記復号された再形成されたビデオの前記逆再形成が、前記復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジと前記逆再形成が前記復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジとに依存することを特徴とする。
【0027】
一実施形態によれば、復号方法は、復号された再形成されたビデオの前記ターゲットにされたレンジを決定する第1の情報データと再構成されたビデオの前記レンジを決定する第2の情報データとをサイド情報から入手することをさらに含む。
【0028】
一実施形態によれば、上記方法のうちの1つは、1Dルックアップテーブルによって各区分的線形関数を表現することをさらに含む。
【0029】
一実施形態によれば、上記方法のうちの1つすなわち方法は、期待される状況に達するかどうかを判定するために第1の情報データの状況および第2の情報データの状況をチェックすることをさらに含み、
第1の期待される状況に達する場合に、区分的線形関数は、1より小さいスケーリング係数によって乗算され、非ヌル・オフセット値は、区分的線形関数に加算され、
第2の期待される状況に達する場合に、区分的線形関数は、1より小さいスケーリング係数によって乗算され、
第3の期待される状況に達する場合に、区分的線形関数は、1と等しいスケーリング係数によって乗算される。
【0030】
上記方法のうちの1つの変形形態によれば、サイド情報は、HEVC標準規格版2によって指定されるColour Remapping Information Supplemental Enhancement Informationメッセージを使用して担持される。
【0031】
その態様のうちのもう1つによれば、本原理は、ルマ成分と2つのクロマ成分とを含む入力ビデオを符号化するデバイスに関する。このデバイスは、
-ルマ成分に区分的線形関数を適用し、クロマ成分に2つの他の区分的線形関数を適用することによって前記入力ビデオを再形成するための手段と、
-再形成されたビデオをビットストリーム内に符号化するための手段と、
-サイド情報として前記区分的線形関数を表現するパラメータを符号化するための手段と
を含む。
【0032】
このデバイスは、前記入力ビデオを再形成するための手段が、復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジおよび逆再形成が復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジにさらに依存することを特徴とする。
【0033】
その態様のうちのもう1つによれば、本原理は、ビットストリームから再構成されたビデオを復号するデバイスであって、ビットストリームを復号することによって復号された再形成されたビデオを入手するための手段と、復号された再形成されたビデオを逆再形成することによって再構成されたビデオを入手するための手段とを含むデバイスに関する。このデバイスは、前記復号された再形成されたビデオの逆再形成が、前記復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジと、前記逆再形成が前記復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジとにさらに依存することを特徴とする。
【0034】
その態様のうちのもう1つによれば、本原理は、符号化された再構成されたビデオを担持する信号に関する。この信号は、復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジを決定する第1の情報データと、逆再形成が復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジを決定する第2の情報データとをさらに担持することを特徴とする。
【0035】
その態様のうちの他の態様によれば、本原理は、上記方法を実施するように構成されたプロセッサと、プログラムがコンピュータ上で実行されるときに上記方法のステップを実行するプログラム・コード命令を含むコンピュータ・プログラム製品と、前記プログラムがコンピューティング・デバイス上で実行されるときに上記方法のステップを実行するプログラム・コードの命令を担持する非一時的記憶媒体とを含むデバイスに関する。
【0036】
本原理の特定の性質ならびに本原理の他の目的、利益、特徴、および使用は、添付図面に関して考慮される以下の例の説明から明白になる。
【0037】
図面では、本原理の例が示される。図面は、以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】従来技術による入力ビデオを符号化/復号する方法を示す図である。
【
図2】
図1の方法の符号化の詳細を概略的に示す図である。
【
図3】
図1の方法の復号の詳細を概略的に示す図である。
【
図4】HEVC
で定義されたColour Remappingモデルを示す図である。
【
図5】本発明の例によるColour Remappingモデルを示す図である。
【
図6】本原理の例による符号化の詳細を概略的に示す図である。
【
図7】本原理の例による復号のステップの詳細を概略的に示す図である。
【
図8】ステップ610の変形形態によるレンジ管理の例を示す図である。
【
図9】本原理の例によるデバイスのアーキテクチャの例を示す図である。
【
図10】本原理の例による通信ネットワークを介して通信する2つのリモート・デバイスを示す図である。
【
図11】本原理の例による信号の構文を示す図である。
【
図12】本原理の例によるHEVCで定義されたCRI SEIメッセージの構文の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
同様のまたは同一の要素は、同一の符号を用いて参照される。
【0040】
本原理は、以下で、本原理の例が示された添付図面を参照して、より十分に説明される。しかし、本原理は、多数の代替の形で実施され得、本明細書で示される例に限定されると解釈してはならない。したがって、本原理は、多数の変更および代替形態を許すが、その特定の例が、図面に例として示され、本明細書で詳細に説明される。しかし、本原理を開示される特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本開示は、特許請求の範囲によって定義される本原理の趣旨および範囲に含まれるすべての変更、同等物、および代替形態を包含する。
【0041】
本明細書で使用される用語法は、特定の例を説明するためのみのものであって、本原理を限定することは意図されていない。本明細書で使用されるときに、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうではないことを明瞭に示さない限り、複数形を含むことが意図されている。さらに、用語「含む(「comprises」、「comprising」、「includes」、および/または「including」)は、本明細書で使用されるときに、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在または追加を除外しない。さらに、ある要素が、別の要素に「応答する」または「接続される」と言われるときには、それは、その別の要素に直接に応答しまたは接続され得、あるいは、介在する要素が存在してもよい。対照的に、ある要素が他の要素に「直接に応答する」または「直接に接続される」と言われるときには、介在する要素は存在しない。本明細書で使用されるときに、用語「および/または」は、関連するリストされた項目のうちの1つまたは複数の任意のすべての組合せを含み、「/」と省略される場合がある。
【0042】
用語第1、第2、その他が、様々な要素を記述するために本明細書で使用される場合があるが、これらの要素が、これらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。たとえば、本原理の教示から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と呼ばれ得、同様に、第2の要素が第1の要素と呼ばれ得る。
【0043】
いくつかの図面が、通信の主方向を示すために通信経路上に矢印を含むが、通信が、図示の矢印と反対の方向で発生し得ることを理解されたい。
【0044】
いくつかの例は、各ブロックが回路要素、モジュール、または指定された論理機能を実施する1つまたは複数の実行可能命令を含むコードの部分を表現する、ブロックおよび動作流れ図に関して説明される。他の実施態様では、ブロック内で注記される機能が、注記された順序から外れて発生し得ることにも留意されたい。たとえば、用いられる機能性に応じて、連続して示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行されてもよく、ブロックが、時には逆の順序で実行される場合がある。
【0045】
「一例によれば」または「一例では」への本明細書での言及は、例に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本原理の少なくとも1つの実施態様に含められ得ることを意味する。本明細書の様々な場所での一例による句」または「一例では」の出現は、必ずしもすべてが同一の例に言及してはおらず、他の例に対して必ず相互に排他的である別々の例または代替の例に言及してもいない。
【0046】
特許請求の範囲に現れる符号は、例示のみのためのものであって、特許請求の範囲の範囲に対して限定的な影響を有してはならない。
【0047】
明示的には説明されないが、本例および変形形態は、任意の組合せまたは副組合せで使用され得る。
【0048】
本原理は、n個のピクチャの符号化/復号に関して説明されるが、下で説明するように、シーケンスの各ピクチャが順次符号化/復号されるので、ピクチャのシーケンス(ビデオ)の符号化/復号に拡張される。
【0049】
本原理は、導入部分で説明したように、再形成プロセスのメタデータの代わりにCRIパラメータを使用することを提案する。
【0050】
利益の1つは、HEVC仕様に対する変更が不要であるが、導入部分で説明された再形成機構によって提供される圧縮改善が保存されることである。本開示の主要なポイントは、再形成の後または逆再形成の後に、入力ビデオ信号および出力ビデオ信号のレンジを正しく管理することである。
【0051】
HEVCで定義されたColour Remapping Information(CRI)SEIメッセージは、ピクチャをある色ボリュームから別の色ボリュームにマッピングするのに使用される情報を伝える。CRI SEIメッセージは、
図4に示されたColour Remappingモデルに従って入手されるCRIパラメータを担持する。
【0052】
そのようなColour Remappingモデルは、3つの部分すなわち、各色成分に適用される第1の区分的線形関数(Pre-LUT)と、それに続く3つの結果の色成分に適用される3×3行列と、それに続く各結果の色成分に適用される第2の区分的線形関数(Post-LUT)とを含む。
【0053】
これらのデータのセットの各1つは、オプションであり(たとえば、第1の1D Pre-LUTだけがあてはまる可能性がある)、入力信号の各色成分への1つのみの伝達関数の適用につながる。最大33点が、区分的線形関数を指定するためにコーディングされる。
【0054】
以下の式は、入力色サンプルの(R
in,G
in,B
in)値へのこのモデルの適用を示す(これは、YCbCrなどの他の色表現にもあてはまる可能性がある)。
【数1】
【0055】
入力ビット深度および出力ビット深度が異なる可能性があるので、このモデルは、標準ダイナミック・レンジ(SDR)とハイ・ダイナミック・レンジ(HDR)との間および/または異なる色ボリューム(通常は、異なる色域およびダイナミック・レンジに対応する)の間の両方レンジ変換をサポートすることができる。
【0056】
以下では、上で説明したColour Remappingモデルが、
図5に示されているように3つの1D LUT(それぞれ1つの区分的線形関数を表現する)に制限される。CRIパラメータの通常の追加データである3×3行列および3つのポスト1D LUTは、ここでは使用されない。
図5および
図6では、CRIは、ビデオ信号の3つのR成分、G成分、およびB成分に適用される。CRIは、YCbCrなどの他の色表現で表現された色サンプルにもあてはまる可能性がある。これが、本発明に関して推奨されるものである。3×3行列および3つのポスト1D LUTを使用不能にすることによって、有利なことに、CRIは、4:2:0 YCbCr信号に直接に適用され得、ここで、クロマ成分CbおよびCrは、ルマ成分の半分の解像度を有する。3×3行列が適用される場合には、クロマのアップサンプリングが要求される。
【0057】
図6は、本原理の例による符号化のステップの詳細を概略的に示す。
【0058】
ステップ600では、モジュールが、各区分的線形逆形成関数すなわち、たとえば1つの単一の区分を有する、ルマの1つの1D LUTとクロマの2つの1D LUTとを表現する、CRIモデルの3つの1D LUTを判定する。
【0059】
ステップ610では、モジュールが、ルマの1D LUTの逆LUTを入力ビデオのルマ成分に適用することと、クロマの2つの1D LUTの逆LUTを入力ビデオのクロマ成分に適用することとによって、再形成されたビデオを入手する。
【0060】
ステップ620では、モジュールが、ビットストリーム内で再形成されたビデオを符号化し、ステップ630では、モジュールが、HEVC標準規格で定義されたCRI SEIメッセージ内にCRIパラメータ(3つの1D LUTに関する)を埋め込む。
【0061】
CRIパラメータは、文書JCTVC-R1013(J.Boyce、J.Chen他、「Draft high efficiency video coding(HEVC)version 2, combined format range extensions(RExt),scalability(SHVC), and multi-view(MV-HEVC)extensions」、JCTVC-R1013、18th Meeting: 札幌、日本、2014年6月30日~7月9日)のセクションD.2.33およびD.3.33で説明されているように、1D LUT c、c=0、1、または2ごとに、点(pre_lut_coded_value[c][i]、pre_lut_target_value[c][i])のセットからなり、i=0はpre_lut_num_val_minus1[c]である。これらの点は、区分的線形関数invfRc(x)(成分cの逆再形成関数)をモデル化する。たとえば、pre_lut_coded_value[c][i]およびpre_lut_coded_value[c][i+1]内のxについて、関数invfRc(x)は、点(pre_lut_coded_value[c][i],pre_lut_target_value[c][i])および(pre_lut_coded_value[c][i+1], pre_lut_target_value[c][i+1])をリンクする線分に対応する。invfRc(x)を実施するLUT LUTRcは、通常は、次のように構築される。
LUTRc[x]=Round(invfRc(x))、10ビット信号の場合にx=[0,1023]、Round(x)は、xに最も近い整数値を与える関数である。
【0062】
図7は、本原理の例による復号のステップの詳細を概略的に示す。
【0063】
ステップ700では、モジュールが、ビットストリームを復号することによって、復号された再形成されたビデオを入手する。
【0064】
ステップ710では、モジュールが、受け取られたCRI SEIメッセージからCRIパラメータを入手する。
【0065】
ステップ720では、1つはルマ、2つはクロマの3つの1D LUTが、CRIパラメータから入手される。
【0066】
ステップ730では、モジュールが、これらの3つの1D LUTに基づいて、復号された再形成されたビデオを逆再形成することによって、再構成されたビデオを入手する。
【0067】
図6および
図7に関して説明された符号化/復号方式は、再形成機構をHEVC符号化/復号プロセスと組み合わせるためのHEVC標準規格のすべての修正を回避する。
【0068】
ステップ600の実施形態によれば、3つの1D LUTは、符号語レンジをよりよく活用するため、すなわち、改善された圧縮を得るために判定される。
【0069】
逆再形成関数を表現する3つの1D LUTは、入力ビデオのピクチャから判定される。
【0070】
3つの1D LUTは、入力ビデオのピクチャごとに判定され得、あるいはその代わりに、同一の3つの1D LUTが、入力ビデオの複数のピクチャまたはすべてのピクチャについて使用され得る。
【0071】
たとえば、ルマの再形成関数F(L)を表現する1D LUTは、以下のようにして入力ビデオのピクチャから判定される。
【0072】
まず、平均線形光輝度Lmeanが、ピクチャについて推定される。最小しきい値Lminを超える輝度サンプルだけが、考慮に入れられる。通常、Lminには、0.1ニトがセットされる。
【0073】
ルマの再形成関数F(L)は、次のように定義される。
F(L)=log(1.+(L/S)g)/log(1.+(P/S)g) (1)
ここで、Lは、ピクチャの線形光入力輝度であり、Pは、マスタリング・ディスプレイ・ピーク輝度であり、Sおよびgは、2つの制御パラメータである。通常、gは、固定され、2.8がセットされる。
【0074】
制御パラメータSは、ピクチャ依存であり、次のようにLmeanから導出される。
S=a*Lmean
2+b*Lmean+c
【0075】
パラメータa、b、およびcは、定数の様々なセットに基づいて、a=-0.0003、b=0.558、c=4.6767としてヒューリスティックに決定される。
【0076】
制御パラメータS値の時間的平滑化が、強い時間的変動を回避するために実行され得る。
【0077】
その後、入力ビデオの各値が、再形成関数F(L)を入力ビデオの前記値に適用することによって入手された符号値と一致するようにするために、ルマの再形成関数F(L)を表現する1D LUTが入手される。
【0078】
次に、ルマの再形成関数F(L)を表現する前記1D LUTの逆LUTが、ルマの再形成関数F(L)を表現する前記1D LUTを逆転することによって入手される。前記逆1D LUTは、逆再形成関数の区分的線形モデルを表現する。このモデルは、たとえば9点、17点、または33点を有する。前記区分的線形モデルのパラメータは、CRI SEIメッセージに埋め込まれるCRIパラメータである。
【0079】
たとえば、クロマの再形成関数を表現する1D LUTは、スケーリング係数およびオフセットを使用する単純なスケーリングであるものとして入力ビデオのピクチャから判定される。
【0080】
これは、一般に、コンテンツの実際の全域が、それをコーディングするのに使用されるコンテナの全域より狭いという事実に基づく。たとえば、近い将来のUHDビデオは、BT.2020コンテナ内で表現されるが、コンテンツは、実際にはP3色に制限されると期待される。
【0081】
符号器側でBT.709/P3色表現とBT.2020色表現との間の色ボリュームの差を補償するために、クロマ再形成関数は、次のように単一の区分的線形モデルである。
yCb=Scb*(xcb-Ocb)
yCr=Scr*(xcr-Ocr) (2)
ここで、xcrおよびxcbは、入力クロマ・サンプルであり、ycbおよびycrは、順方向クロマ・リシェーパ(reshaper)であり、Scr、Scbは、スケーリング係数であり、Ocr、Ocbは、10b bitDepthクロマ・サンプルに関して通常は512がセットされるオフセットである。
【0082】
たとえば、スケーリング係数S
cr、S
cbおよびオフセットO
cr、O
cbは、次の表に示されているように、入力ビデオのネイティブ色域の原色とターゲット色コンテナの原色との対応から導出され得る。
【表1】
【0083】
たとえば、スケーリング係数S
cr、S
cbは、次のように計算される。
【数2】
ここで、tD
R、tD
G、およびtD
Bは、原色(x
R,x
G,x
B)および白色点(x
w,yw)によって定義されるターゲット色域から導出される変数である。
【数3】
nD
R、nD
G、およびnD
Bは、原色(x
R,x
G,x
B)および白色点(x
w,y
w)によって定義されるネイティブ色域から導出される変数である。
【数4】
【0084】
ステップ610の変形形態によれば、モジュールは、復号された再形成されたビデオ(ステップ700の出力)のターゲットにされたレンジを決定するVFRと呼ばれる第1の情報データと、再構成されたビデオ(ステップ730の出力)のレンジを決定するCRFRと呼ばれる第2の情報データとに従って、再形成されたビデオを入手する。
【0085】
符号化/復号方式のこの変形形態によれば、レンジ管理が3つの1D LUTの計算中(ステップ610)に考慮されるので、明示的なレンジ管理が、従来技術のように復号側で要求される(ステップ130、
図3)ことはない。
【0086】
図8は、ステップ610の変形形態によるレンジ管理の例を示す。
【0087】
この例によれば、第1および第2の情報データは、状況「真」または「偽」のいずれかを有することができる。
【0088】
まず、モジュールは、ビットストリーム内に存在する(または存在することが意図されている)ときに、第1の情報VFRの状況と第2のCRFRの状況とをチェックする。
【0089】
次に、第1の情報VFRの状況が偽と等しく、第2の情報データCRFRの状況が偽と等しい場合には、3つの1D LUTSは、10ビット信号に関して適用される以下の式(3)および(4)から決定され、オフセットは64と等しい。
【0090】
【0091】
クロマに関して、k=1または2について、
【数6】
(4)
【0092】
第1の情報VFRの状況が真と等しく、第2の情報CRFRの状況が偽と等しい場合には、3つの1D LUTSは、式(3)および(4)から決定されるが、オフセットは0と等しい。
【0093】
第1および第2の情報状況の、状況の他の組合せに関して、スケーリングおよびオフセットは適用されない。
【0094】
【0095】
クロマに関して、k=1または2について、
【数8】
【0096】
たとえば、クロマ成分のLUTRkは、式1および2によって実施される再形成関数の逆関数をモデル化する。
【0097】
図12に示された一実施形態によれば、第1の情報データは、HEVCシグナリングの構文要素である。
【0098】
好ましくは、前記構文要素は、復号された再形成されたビデオのレンジを示すVUI(Video Usability Information)のフラグ「video_full_range_flag」である。HEVC標準規格版2によれば、構文要素video_full_range_flagは、E’Y、E’PB、およびE’PRまたはE’R、E’G、およびE’Bという実数値コンポーネント信号として導出されるルマ信号およびクロマ信号の黒レベルおよびレンジを示す。video_full_range_flag構文要素が存在しないときには、video_full_range_flagの値は0と等しいと推論される。
【0099】
ビットストリーム内でVUIパラメータをセットすることが必須ではなく、さらに、VUIがビットストリーム内にあるときに、「video_full_range_flag」をセットすることが必須ではないことに留意されたい。
【0100】
この例によれば、第2の情報データは、HEVCシグナリングの構文要素である。
【0101】
好ましくは、前記構文要素は、再構成されたビデオのレンジを示すVUIの「colour_remap_full_range_flag」である。HEVC標準規格版2によれば、CRI機構が使用されるときに、色再マッピングされたビデオのレンジを示すためにビットストリーム内に構文要素「colour_remap_full_range_flag」がある。この構文要素(colour_remap_full_range_flag)は、CRI SEIメッセージ内に埋め込まれ得る。
【0102】
「colour_remap_full_range_flag」構文要素は、colour_remap_full_range_flagが、CLVSに使用される色空間ではなく、再構成されたビデオのピクチャの色空間を指定することを除いて、video_full_range_flag構文要素の節E.3.1で指定されるものと同一のセマンティクスを有する。CLVSはコーディングされたレイヤごとのビデオ・シーケンス(coded layer-wise video sequence)を表し、ピクチャのシーケンスと、ビデオ・シーケンスを記述したのに要求される、ピクチャに関係しない関連するデータ(ピクチャのサイズ、ビデオのフレーム・レート、ピクチャ・サンプルのビット深度など)に対応する。
【0103】
存在しないときに、「colour_remap_full_range_flag」構文要素の値は、「video_full_range_flag」構文要素の値と等しいと推論される。
【0104】
たとえば、再形成されたビデオならびに復号された再形成されたビデオは、フル・レンジで生成され得るが、アプリケーションに関して、再構成されたビデオならびに入力ビデオは、制限されたレンジ内にある。
【0105】
符号化される信号は、通常は10ビット信号に関して0から1023までの、符号語からなる。これらの符号語は、線形光信号を符号器インターフェースおよび復号器インターフェースに適合された符号語値に(または逆に符号語から線形光信号に)変換することを可能にするいわゆる「伝達関数」の適用から生じる。再形成された信号が、HEVC仕様のVUI伝達関数(文書JCTVC-R1013のセクションE.2.1)で指定されない適応伝達関数に基づくので、VUI構文要素「transfer_characteristics」に「Unspecified」をセットすることが推奨される。CRIメッセージ内では、colour_remap_transfer_function構文要素には、文書JCTVC-R1013の表E.4で指定されるように、入力ビデオ信号の伝達関数のインデックスがセットされなければならない。たとえば、入力信号が、文書JCTVC-R1013の表E.4内のインデックスが16であるST 2084伝達関数を用いて表現される場合に、colour_remap_transfer_function構文要素には、16がセットされなければならない。
【0106】
復号器(ステップ700、710)は、符号器(それぞれステップ620、630)によって符号化されたデータを復号するように構成される。
【0107】
符号器(および復号器)は、HEVC符号器(復号器)などのビデオおよびメタデータを符号化/復号することのできる特定の符号器に限定されない。
【0108】
前処理において適用される再形成関数を生成するステップは、次のように要約される。
-再形成関数fRc、c=0,1,2の導出
-逆再形成関数invfRc、c=0,1,2の導出
-PWPモデル、PreLUTcによる、正しいレンジ管理を伴う逆再形成関数invfRc、c=0,1,2のモデル化
-c=0,1,2に関してPWPモデル、PreLUTcから導出される、逆関数gRcの導出
-c=0,1,2に関する関数gRcを使用する再形成
-c=0,1,2に関するPreLUTcのPWPモデルのコーディング
【0109】
後処理では、ステップは、次のように要約される。
-c=0,1,2に関する、PWPモデルの復号およびPreLUTcの生成
-c=0,1,2に関する、PreLUTcの適用による逆再形成
【0110】
図1~
図8では、モジュールは、区別可能な物理ユニットに関してもそうでなくてもよい機能ユニットである。たとえば、これらのモジュールまたはその一部は、独自の構成要素または回路内に一緒にまとめられ、またはソフトウェアの機能性に寄与することができる。反対に、一部のモジュールは、潜在的に別々の物理実体からなるものとすることができる。本原理と互換の装置は、純粋なハードウェア、たとえばASICまたはFPGAまたはVLSI(それぞれ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、超大規模集積)を使用して、またはデバイス内に埋め込まれた複数の集積電子構成要素から、またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との混合からのいずれかで実施される。
【0111】
図9は、
図1~
図8に関して説明した方法を実施するように構成され得るデバイス90の例示的なアーキテクチャを表現する。
【0112】
デバイス90は、データおよびアドレス・バス91によって一緒に一列に並べられる以下の要素を含む。
-たとえばDSP(すなわち、デジタル信号プロセッサ)である、マイクロプロセッサ92(またはCPU)、
-ROM(すなわち読取専用メモリ)93、
-RAM(すなわちランダム・アクセス・メモリ)94、
-送信すべきデータをアプリケーションから受け取るための入出力インターフェース95、および
-バッテリ96。
【0113】
一例によれば、バッテリ96は、デバイスの外部である。言及されたメモリのそれぞれにおいて、本明細書で使用される単語《レジスタ》は、小さい容量(数ビット)のエリアまたは非常に大きいエリア(たとえば、プログラム全体または大量の受け取られたデータもしくは復号されたデータ)に対応することができる。ROM 93は、少なくともプログラムおよびパラメータを含む。ROM 93は、本原理による技法を実行するためのアルゴリズムおよび命令を記憶することができる。電源をオンにされたときに、CPU 92は、RAM内にプログラムをアップロードし、対応する命令を実行する。
【0114】
RAM 94は、レジスタ内に、CPU 92によって実行される、デバイス90のスイッチ・オンの後にアップロードされたプログラム、レジスタ内の入力データ、レジスタ内の方法の異なる状態の中間データ、およびレジスタ内の方法の実行に使用される他の変数を含む。
【0115】
本明細書で説明される実施態様は、たとえば、方法もしくはプロセス、装置、ソフトウェア・プログラム、データ・ストリーム、または信号内で実施され得る。単一の形の実施態様の文脈で論じされるのみ(たとえば、方法またはデバイスとしてのみ論じられる)の場合であっても、論じられる特徴の実施態様は、他の形(たとえば、プログラム)でも実施され得る。装置は、たとえば、適当なハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェア内で実施され得る。方法は、たとえば、たとえばコンピュータ、マイクロプロセッサ、集積回路、またはプログラム可能論理デバイスを含む処理デバイス全般を指すプロセッサなど、たとえば装置内で実施され得る。プロセッサは、たとえばコンピュータ、セル電話機、携帯情報端末(「PDA」)、およびエンドユーザの間での情報の通信を容易にする他のデバイスをも含む。
【0116】
符号化または符号器の例によれば、入力ビデオはソースから入手される。たとえば、ソースは、
-ローカル・メモリ(93または94)、たとえば、ビデオ・メモリまたはRAM(すなわち、ランダム・アクセス・メモリ)、フラッシュ・メモリ、ROM(すなわち、読取専用メモリ)、ハード・ディスクと、
-ストレージ・インターフェース(95)、たとえばマス・ストレージ、RAM、フラッシュ・メモリ、ROM、光ディスク、または磁気サポートとのインターフェースと、
-通信インターフェース(95)、たとえば有線インターフェース(たとえば、バス・インターフェース、広域ネットワーク・インターフェース、ローカル・エリア・ネットワーク・インターフェース)またはワイヤレス・インターフェース(IEEE 802.11インターフェースまたはBluetooth(登録商標)インターフェース)と、
-ピクチャ取込回路(たとえば、たとえばCCD(すなわち、電荷結合素子)またはCMOS(すなわち、相補型金属酸化物半導体)などのセンサ)
を含むセットに属する。
【0117】
復号または復号器の例によれば、復号されたピクチャIは、宛先に送られ、具体的には、宛先は、
-ローカル・メモリ(93または94)、たとえば、ビデオ・メモリまたはRAM、フラッシュ・メモリ、ハード・ディスクと、
-ストレージ・インターフェース(95)、たとえばマス・ストレージ、RAM、フラッシュ・メモリ、ROM、光ディスク、または磁気サポートとのインターフェースと、
-通信インターフェース(95)、たとえば有線インターフェース(たとえば、バス・インターフェース(たとえば、USB(すなわちUniversal Serial Bus))、広域ネットワーク・インターフェース、ローカル・エリア・ネットワーク・インターフェース、HDMI(High Definition Multimedia Interface)インターフェース)またはワイヤレス・インターフェース(IEEE 802.11インターフェース、WiFi(登録商標)インターフェース、またはBluetooth(登録商標)インターフェース)と、
-ディスプレイと
を含むセットに属する。
【0118】
符号化または符号器の例によれば、ビットストリームおよびCRI SEIメッセージは、宛先に送られる。一例として、ビットストリームのうちの1つおよびCRI SEIメッセージは、ローカル・メモリまたはリモート・メモリ、たとえばビデオ・メモリ(94)またはRAM(94)、ハード・ディスク(93)に記憶される。変形形態では、一方または両方のビットストリームが、ストレージ・インターフェース(95)、たとえばマス・ストレージ、フラッシュ・メモリ、ROM、光ディスク、または磁気サポートとのインターフェースに送られ、かつ/または通信インターフェース(95)、たとえばポイント・ツー・ポイント・リンク、通信バス、ポイント・ツー・マルチポイント・リンク、またはブロードキャスト・ネットワークへのインターフェースを介して送信される。
【0119】
復号または復号器の例によれば、ビットストリームおよびCRI SEIメッセージは、ソースから入手される。例示的に、ビットストリームは、ローカル・メモリ、たとえばビデオ・メモリ(94)、RAM(94)、ROM(93)、フラッシュ・メモリ(93)、またはハード・ディスク(93)から読み取られる。変形形態では、ビットストリームは、ストレージ・インターフェース(95)、たとえば、マス・ストレージ、RAM、ROM、フラッシュ・メモリ、光ディスク、または磁気サポートとのインターフェースから受け取られ、かつ/または通信インターフェース(95)、たとえば、ポイント・ツー・ポイント・リンク、バス、ポイント・ツー・マルチポイント・リンク、またはブロードキャスト・ネットワークへのインターフェースから受け取られる。
【0120】
例によれば、
図6に関して説明される符号化方法を実施するように構成されたデバイス90は、
-モバイル・デバイスと、
-通信デバイスと、
-ゲーム・デバイスと、
-タブレット(またはタブレット・コンピュータ)と、
-ラップトップと、
-静止画カメラと、
-ビデオ・カメラと、
-符号化チップと、
-静止画サーバと、
-ビデオ・サーバ(たとえば、ブロードキャスト・サーバ、ビデオオンデマンド・サーバ、またはウェブ・サーバ)と
を含むセットに属する。
【0121】
例によれば、
図7に関して説明される復号方法を実施するように構成されたデバイス90は、
-モバイル・デバイスと、
-通信デバイスと、
-ゲーム・デバイスと、
-セット・トップ・ボックスと、
-TVセットと、
-タブレット(またはタブレット・コンピュータ)と、
-ラップトップと、
-ディスプレイと、
-復号チップと
を含むセットに属する。
【0122】
通信ネットワークNETを介する2つのリモート・デバイスAとBとの間の伝送文脈において
図10に示された本原理の例によれば、デバイスAは、
図6に関して説明したピクチャを符号化する方法を実施するように構成されたメモリRAMおよびROMに関連するプロセッサを含み、デバイスBは、
図7に関して説明した復号する方法を実施するように構成されたメモリRAMおよびROMに関連するプロセッサを含む。
【0123】
一例によれば、ネットワークは、静止画またはビデオ・ピクチャをデバイスAからデバイスBを含む復号デバイスにブロードキャストするように適合されたブロードキャスト・ネットワークである。
【0124】
デバイスAによって送信されることを意図された信号は、ビットストリームおよび/またはCRI SEIメッセージを担持する。ビットストリームは、前に説明したように符号化された再形成されたビデオを含む。この信号は、復号された再形成されたビデオに適用されることを意図された逆再形成を表現するCRIパラメータをさらに含むことができる。
【0125】
図11は、データがパケットベースの伝送プロトコルを介して伝送されるときのそのような信号の構文の例を示す。各伝送されるパケットPは、ヘッダHおよびペイロードPAYLOADを含む。たとえば、ペイロードPAYLOADの少なくとも1つのビットは、復号された再形成されたビデオに適用されることを意図された逆再形成を表現するCRIパラメータを表現すること専用である。
【0126】
本明細書で説明される様々なプロセスおよび特徴の実施態様は、様々な異なる機器またはアプリケーション内で実施され得る。そのような機器の例は、符号器、復号器、復号器からの出力を処理するポストプロセッサ、符号器への入力を供給するプリプロセッサ、ビデオ・コーダ、ビデオ復号器、ビデオ・コーデック、ウェブ・サーバ、セットトップ・ボックス、ラップトップ、パーソナル・コンピュータ、セル電話機、PDA、およびピクチャまたはビデオを処理する任意の他のデバイスもしくは他の通信デバイスを含む。明瞭であるとおり、機器は、モバイルとすることができ、移動車両に設置されることすらできる。
【0127】
さらに、これらの方法は、プロセッサによって実行される命令によって実施され得、そのような命令(および/または実施態様によって作られるデータ値)は、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体内で実施され、コンピュータによって実行可能なその上で実施されるコンピュータ可読プログラム・コードを有するコンピュータ可読プログラム製品の形をとることができる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、その中に情報を記憶する固有の能力ならびにそこからの情報の取出しを提供する固有の能力を与えられた非一時的記憶媒体と考えられる。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、電子、磁気、光、電磁、赤外線、もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または前述の任意の適切な組合せとすることができるが、これに限定されない。以下は、本原理が適用され得るコンピュータ可読記憶媒体のより特定の例を提供するが、当業者によってたやすく了解されるように、例示的で非網羅的なリスティングにすぎないことを了解されたい:ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、読取専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、ポータブル・コンパクト・ディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、光ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、または前述の任意の適切な組合せ。
【0128】
命令は、プロセッサ可読媒体上で有形に実施されるアプリケーション・プログラムを形成することができる。
【0129】
命令は、たとえば、ハードウェア内、ファームウェア内、ソフトウェア内、またはその組合せとすることができる。命令は、たとえば、オペレーティング・システム内、別々のアプリケーション内、またはこの2つの組合せ内で見出され得る。したがって、プロセッサは、たとえば、プロセスを実行するように構成されたデバイスとプロセスを実行するための命令を有するプロセッサ可読媒体(ストレージ・デバイスなど)を含むデバイスとの両方として特徴を表され得る。さらに、プロセッサ可読媒体は、命令に加えてまたはその代わりに、実施態様によって作られるデータ値を記憶することができる。
【0130】
当業者に明白であるように、実施態様は、たとえば記憶されまたは伝送され得る情報を担持するようにフォーマットされた様々な信号を作ることができる。情報は、たとえば、方法を実行する命令または説明される実施態様のうちの1つによって作られるデータを含むことができる。たとえば、信号は、本原理の説明される例の構文を書き込みまたは読み取るルールをデータとして担持し、または本原理の説明される例によって書き込まれる実際の構文値をデータとして担持するようにフォーマットされ得る。そのような信号は、たとえば、電磁波(たとえば、スペクトルのラジオ周波数部分を使用する)またはベースバンド信号としてフォーマットされ得る。フォーマッティングは、たとえば、データ・ストリームを符号化することと、符号化されたデータ・ストリームを用いて搬送波を変調することとを含むことができる。信号が搬送する情報は、たとえば、アナログ情報またはデジタル情報とすることができる。信号は、既知の通り、様々な異なる有線リンクまたは無線リンクを介して伝送され得る。信号は、プロセッサ可読媒体上に記憶され得る。
【0131】
複数の実施態様を説明した。それでも、様々な変更が行われ得ることを理解されたい。たとえば、異なる実施態様の要素が、他の実施態様を作るために組み合わされ、増補され、変更され、または除去され得る。さらに、当業者は、他の構造およびプロセスが、開示されたものに置換され得、結果の実施態様が、開示される実施態様と少なくとも実質的に同一の結果を達成するために、少なくとも実質的に同一の形で、少なくとも実質的に同一の機能を実行することを理解するであろう。したがって、これらおよび他の実施態様は、本明細書によって企図されている。
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
ルマ成分および2つのクロマ成分を含む入力ビデオを符号化する方法であって、
-前記ルマ成分および前記クロマ成分に区分的線形関数を適用すること(610)によって前記入力ビデオを再形成することと、
-前記再形成されたビデオをビットストリーム内に符号化すること(620)と、
-サイド情報として前記区分的線形関数を表現するパラメータを符号化すること(630)と
を含み、前記入力ビデオの再形成が、復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジおよび逆再形成が復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジにさらに依存することを特徴とする
方法。
(付記2)
前記方法は、サイド情報として、復号された再形成されたビデオの前記ターゲットにされたレンジを決定する第1の情報データ(VFR)と再構成されたビデオの前記レンジを決定する第2の情報データ(CRFR)とを符号化することをさらに含む、付記1に記載の方法。
(付記3)
ビットストリームから再構成されたビデオを復号する方法であって、前記ビットストリームを復号することによって復号された再形成されたビデオを入手すること(700)と、前記復号された再形成されたビデオを逆再形成することによって前記再構成されたビデオを入手すること(730)とを含み、
前記方法は、前記復号された再形成されたビデオの前記逆再形成が、前記復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジと前記逆再形成が前記復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジとに依存することを特徴とする
方法。
(付記4)
前記方法は、復号された再形成されたビデオの前記ターゲットにされたレンジを決定する第1の情報データ(VFR)と再構成されたビデオの前記レンジを決定する第2の情報データ(CRFR)とを前記サイド情報から入手することをさらに含む、付記3に記載の方法。
(付記5)
前記方法は、1Dルックアップテーブルによって各区分的線形関数を表現することをさらに含む、付記2~付記4のいずれか1項に記載の方法。
(付記6)
前記方法は、期待される状況に達するかどうかを判定するために前記第1の情報データ(VFR)の状況および前記第2の情報データ(CRFR)の状況をチェックすることをさらに含み、
第1の期待される状況に達する場合に、前記区分的線形関数は、1より小さいスケーリング係数によって乗算され、非ヌル・オフセット値は、前記区分的線形関数に加算され、
第2の期待される状況に達する場合に、前記区分的線形関数は、1より小さいスケーリング係数によって乗算され、
第3の期待される状況に達する場合に、前記区分的線形関数は、1と等しいスケーリング係数によって乗算される
付記2~付記5のいずれか1項に記載の方法。
(付記7)
サイド情報は、HEVC標準規格版2によって指定されるColour Remapping Information(CRI)Supplemental Enhancement Information(SEI)メッセージを使用して担持される、付記1~付記6のいずれか1項に記載の方法。
(付記8)
ルマ成分と2つのクロマ成分とを含む入力ビデオを符号化するデバイスであって、前記デバイスは、
-前記ルマ成分に区分的線形関数を適用し、前記クロマ成分に2つの他の区分的線形関数を適用すること(610)によって前記入力ビデオを再形成する手段と、
-前記再形成されたビデオをビットストリーム内に符号化する(620)ための手段と、
-サイド情報として前記区分的線形関数を表現するパラメータを符号化する(630)手段と
を含み、前記入力ビデオを再形成する前記手段が、復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジおよび逆再形成が復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジにさらに依存することを特徴とする
デバイス。
(付記9)
ビットストリームから再構成されたビデオを復号するデバイスであって、前記ビットストリームを復号することによって復号された再形成されたビデオを入手する手段(700)と、前記復号された再形成されたビデオを逆再形成することによって前記再構成されたビデオを入手する手段(730)とを含み、前記復号された再形成されたビデオの前記逆再形成が、前記復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジと、前記逆再形成が前記復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジとにさらに依存することを特徴とする、デバイス。
(付記10)
符号化された再形成されたビデオを担持する信号であって、復号された再形成されたビデオのターゲットにされたレンジを決定する第1の情報データ(VFR)と、逆再形成が前記復号された再形成されたビデオに適用された後の再構成されたビデオのレンジを決定する第2の情報データ(CRFR)とをさらに担持することを特徴とする信号。
(付記11)
プログラムがコンピュータ上で実行されるときに付記1に記載の前記符号化方法のステップを実行するプログラム・コード命令を含むコンピュータ・プログラム製品。
(付記12)
プログラムがコンピュータ上で実行されるときに付記3に記載の前記復号方法のステップを実行するプログラム・コード命令を含むコンピュータ・プログラム製品。
(付記13)
プログラムがコンピュータ上で実行されるときに付記1から付記7のうちの1項に記載の前記方法のステップを実行するプログラム・コードの命令を担持する非一時的記憶媒体。