(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいてビームフォーミングを使用した送信又は受信のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04B 7/06 20060101AFI20220106BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20220106BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20220106BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220106BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20220106BHJP
【FI】
H04B7/06 950
H04B7/08 800
H04W8/22
H04W16/28 130
H04W88/02 140
(21)【出願番号】P 2019128920
(22)【出願日】2019-07-11
(62)【分割の表示】P 2017141429の分割
【原出願日】2017-07-21
【審査請求日】2019-07-11
(32)【優先日】2016-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517114621
【氏名又は名称】華碩電腦股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】郭 宇軒
(72)【発明者】
【氏名】郭 豊旗
(72)【発明者】
【氏名】歐 孟暉
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523757(JP,A)
【文献】特表2014-524705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
H04B 7/08
H04W 8/22
H04W 88/02
H04W 16/28
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームフォーミングを使用した送信又は受信のためのユーザ機器(UE)についての方法であって、
ネットワークノードに複数のUEビームの少なくとも1つの有効な組み合わせを示す所定情報を提供するステップであって、各有効な組み合わせにおける複数のUEビームは、前記UEによって同時に生成されることができる、ステップと、
前記ネットワークノードから、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)において送信又は受信のためのスケジューリング情報を受信するステップであって、該スケジューリング情報は、前記送信又は受信のために使用される前記少なくとも1つの有効な組み合わせのうちの1つにおける特定のUEビームを示す、受信するステップと、
前記スケジューリング情報に基づいて、前記送信又は受信を実行するために前記有効な組み合わせにおける前記特定のUEビームを生成するステップ
であって、前記特定のUEビームは、セルの複数の送受信ポイント(TRP)からの複数のサービングビームによって同時にサービスを受ける、ステップと、を含む方法。
【請求項2】
複数のUEビームの各有効な組み合わせにおけるUEビームの数は、前記UEが同時に生成することができるUEビームの数に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定情報は、デジタルUEビームの総数と、アナログUEビームの総数、最大同時アナログUEビームの数、UEアンテナ素子の数、UEアンテナポートの数又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記UEは、複数のUEビームのすべての組み合わせを生成するわけではない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ビームフォーミングを使用した送信又は受信のためのネットワークノードについての方法であって、
ユーザ機器(UE)から、複数のUEビームの少なくとも1つの有効な組み合わせを示す所定情報を受信するステップであって、各有効な組み合わせにおける複数のUEビームは、該UEによって同時に生成されることができる、ステップと、
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)においてスケジューリング情報を前記UEに提供して、前記所定情報に基づいて前記UEのための送信又は受信をスケジューリングするステップであって、前記スケジューリング情報は、前記送信又は受信のために前記UEによって使用される前記少なくとも1つの有効な組み合わせのうちの1つにおける特定のUEビームを示
し、前記特定のUEビームは、セルの複数の送受信ポイント(TRP)からの複数のサービングビームによって同時にサービスを受ける、ステップ、を含む方法。
【請求項6】
複数のUEビームの各有効な組み合わせにおけるUEビームの数は、前記UEが同時に生成することができるUEビームの数に等しい、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記所定情報は、デジタルUEビームの総数、アナログUEビームの総数、最大同時アナログUEビームの数、UEアンテナ素子の数、UEアンテナポートの数又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
前記所定情報に基づいてどのUEビームが送信又は受信に使用されるかを制御するステップをさらに含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項9】
前記UEから、UEビームフォーミング能力に関する情報を受信するステップをさらに含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項10】
ビームフォーミングを使用した送信又は受信のためのユーザ機器(UE)であって、
制御回路と、
前記制御回路に設けられたプロセッサと、
前記制御回路に設けられ、前記プロセッサに結合されたメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムコードを実行するように構成されて、
ネットワークノードに複数のUEビームの少なくとも1つの有効な組み合わせを示す所定情報を提供するステップであって、各有効な組み合わせにおける複数のUEビームは、前記UEによって同時に生成されることができる、ステップと、
前記ネットワークノードから、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)において送信又は受信のためのスケジューリング情報を受信するステップであって、該スケジューリング情報は、前記送信又は受信のために使用される前記少なくとも1つの有効な組み合わせのうちの1つにおける特定のUEビームを示す、ステップと、
前記スケジューリング情報に基づいて、前記送信又は受信を実行するために前記有効な組み合わせにおける前記特定のUEビームを生成するステップ
であって、前記特定のUEビームは、セルの複数の送受信ポイント(TRP)からの複数のサービングビームによって同時にサービスを受ける、ステップと、を行うUE。
【請求項11】
複数のUEビームの各有効な組み合わせにおけるUEビームの数は、当該UEが同時に生成することができるUEビームの数に等しい、請求項
10に記載のUE。
【請求項12】
前記所定情報は、デジタルUEビームの総数と、アナログUEビームの総数、最大同時アナログUEビームの数、UEアンテナ素子の数、UEアンテナポートの数又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項
10に記載のUE。
【請求項13】
前記UEは、複数のUEビームのすべての組み合わせを生成するわけではない、請求項
10に記載のUE。
【請求項14】
ビームフォーミングを使用した送信又は受信のためのネットワークノードであって、
制御回路と、
前記制御回路に設けられたプロセッサと、
前記制御回路に設けられ、前記プロセッサに結合されたメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムコードを実行するように構成されて、
ユーザ機器(UE)から、複数のUEビームの少なくとも1つの有効な組み合わせを示す所定情報を受信するステップであって、各有効な組み合わせにおける複数のUEビームは、該UEによって同時に生成されることができる、ステップと、
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)においてスケジューリング情報を前記UEに提供して、前記所定情報に基づいて前記UEのための送信又は受信をスケジューリングするステップであって、前記スケジューリング情報は、前記送信又は受信のために前記UEによって使用される前記少なくとも1つの有効な組み合わせのうちの1つにおける特定のUEビームを示
し、
であって、前記特定のUEビームは、セルの複数の送受信ポイント(TRP)からの複数のサービングビームによって同時にサービスを受ける、ステップと、を行うネットワークノード。
【請求項15】
複数のUEビームの各有効な組み合わせにおけるUEビームの数は、当該UEが同時に生成することができるUEビームの数に等しい、請求項
14に記載のネットワークノード。
【請求項16】
前記所定情報は、デジタルUEビームの総数と、アナログUEビームの総数、最大同時アナログUEビームの数、UEアンテナ素子の数、UEアンテナポートの数又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項
14に記載のネットワークノード。
【請求項17】
前記所定情報に基づいてどのUEビームが送信又は受信に使用されるかを制御するステップをさらに含む、請求項
14に記載のネットワークノード。
【請求項18】
前記UEからUEビームフォーミング能力に関する情報を受信するステップをさらに含む、請求項
14に記載のネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年7月22日に出願された、米国仮特許出願第62/365,540号の優先権を主張し、そのすべての開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、無線通信ネットワークに関し、より詳細には、無線通信システムにおいてビームフォーミングを処理するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
移動通信デバイスとの間で大量のデータを通信する要求の急速に高まりにつれて、従来の移動音声通信ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)データパケットで通信するネットワークに進化している。そのようなIPデータパケット通信は、ボイスオーバーIP、マルチメディア、マルチキャスト及びオンデマンド通信サービスを移動通信デバイスのユーザに提供することができる。
【0004】
例示的なネットワーク構造は、エボルブドユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)である。E-UTRANシステムは、上記のボイスオーバーIP及びマルチメディアサービスを実現するために、高いデータスループットを提供することができる。次世代(例えば、5G)のための新しい無線技術は、現在、3GPP標準化団体によって議論されている。したがって、現行の3GPP標準への変更が現在提出されており、3GPP標準を発展させ、確定するため検討されている。
【発明の概要】
【0005】
無線通信システムにおいて、ビームフォーミングを使用した送信又は受信のための方法及び装置が本明細書において開示される。一方法においては、ユーザ機器は、ネットワークノードに複数のUEビームの組み合わせに関する情報を提供する。組み合わせにおける複数のUEビームは、UEによって同時に生成されることができる。UEは、ネットワークノードから送信又は受信のためのスケジューリング情報を受信する。UEは、送信又は受信を実行するために組み合わせにおける1つ以上のUEビームを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、例示的な一実施形態による無線通信システムの図を示す。
【
図2】
図2は、例示的な一実施形態による送信機システム(アクセスネットワークとしても知られている)及び受信機システム(ユーザ機器又はUEとしても知られている)のブロック図である。
【
図3】
図3は、例示的な一実施形態による通信システムの機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、例示的な一実施形態による
図3のプログラムコードの機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、スタンドアロン、LTEとの共存及び集中型ベースバンドネットワークを示す。
【
図7】
図7は、低性能トランスポート及び共有RANを備えて集中化されたネットワークを示す。
【
図8】
図8は、単一のTRPのセルを有するさまざまな配置シナリオを示す。
【
図9】
図9は、複数のTRPのセルを有するさまざまな配置シナリオを示す。
【
図10】
図10は、複数のTRPを有する5Gノードを有する5Gセルを示す。
【
図12】
図12は、HF-NRシステムにおけるビームフォーミングによる利得補償を示す。
【
図13】
図13は、HR-NRシステムにおけるビームフォーミングより弱められた干渉を示す。
【
図15】
図15は、基地局ビームとPRACHリソースとのある関連を示す。
【
図17】
図17は、アップリンク伝送のためのフローチャートの一例を示す。
【
図18】
図18は、ダウンリンク伝送のためのフローチャートの一例を示す。
【
図19】
図19は、(UE検出に基づいて)セルの変更がない接続状態でのモビリティについてのフローチャートの一例を示す。
【
図20】
図20は、(ネットワーク検出に基づいて)セルの変更がない接続状態でのモビリティについてのフローチャートの一例を示す。
【
図22】
図22は、UEビーム候補を決定するための一例を示す。
【
図23】
図23は、1つ以上の特別UEビームを決定するための一例を示す。
【
図24】
図24は、一実施形態の例示的な一フローチャートである。
【
図25】
図25は、一実施形態の例示的な一フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下で説明する例示的な無線通信システム及びデバイスは、ブロードキャストサービスをサポートする無線通信システムを使用する。無線通信システムは、広く配置されて、音声、データ等のさまざまなタイプの通信を提供する。これらのシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、3GPP LTE(ロングタームエボリューション)無線アクセス、3GPP LTE-A若しくはLTE-Advanced(ロングタームエボリューションアドバンスト)、3GPP2 UMB(ウルトラモバイルブロードバンド)、WiMax又は何らかの他の変調技術に基づくことができる。
【0008】
特に、以下で説明する例示的な無線通信システムは、R2-162366,“Beam Forming Impacts”、R2-163716,“Discussion on terminology of beamforming based high frequency NR”、R2-162709,“Beam support in NR”、R2-162762,“Active Mode Mobility in NR: SINR drops in higher frequencies”、R3-160947,TR 38.801 V0.1.0,“Study on New Radio Access Technology、Radio Access Architecture and Interfaces”、R2-164306,“Summary of email discussion [93bis#23][NR] Deployment scenarios”、RAN2#94 meeting minute、R2-163879,“RAN2 Impacts in HF-NR”、R2-162210,“Beam level management <-> Cell level mobility”、R2-163471,“Cell concept in NR”、R2-164270,“General considerations on LTE-NR tight interworking”、R2-162251,“RAN2 aspects of high frequency New RAT”、R1-165364,“Support for Beam Based Common Control Plane”、and TS 36.321 V13.0.0,“Medium Access Control (MAC) protocol specification”を含め、本明細書では3GPPと呼ばれる「第3世代パートナーシッププロジェクト」と名付けられたコンソーシアムによって勧められる規格など、1つ以上の規格をサポートするように設計されることができる。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態による多元接続無線通信システムを示す。アクセスネットワーク100(AN)は複数のアンテナグループを含み、1つのグループは104及び106を含み、他のグループは108及び110を含み、並びに追加のグループが112及び114を含む。
図1では、各アンテナグループに対して2つのアンテナのみを示している。しかし、各アンテナグループに対してより多くの又はより少ないアンテナを利用することができる。アクセス端末116(AT)はアンテナ112及び114と通信状態にあり、ここでアンテナ112及び114はフォワードリンク120を介してアクセス端末116に情報を送信し、リバースリンク118を介してアクセス端末116から情報を受信する。アクセス端末(AT)122はアンテナ106及び108と通信状態にあり、ここでアンテナ106及び108はフォワードリンク126を介してアクセス端末(AT)122に情報を送信し、リバースリンク124を介してアクセス端末(AT)122から情報を受信する。FDDシステムでは、通信リンク118、120、124及び126は、通信のために異なる周波数を使用することができる。例えば、フォワードリンク120は、リバースリンク118によって使用される周波数とは異なる周波数を使用することができる。
【0010】
各アンテナグループ及び/又はそれらのアンテナが通信するように設計される範囲は、アクセスネットワークのセクタと称されることが多い。本実施形態においては、各アンテナグループは、アクセスネットワーク100によってカバーされる範囲のセクタにおいてアクセス端末に通信するように設計される。
【0011】
フォワードリンク120及び126を介した通信では、アクセスネットワーク100の送信アンテナは、異なるアクセス端末116及び122のためのフォワードリンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミング(beamforming)を利用することができる。また、ビームフォーミングを使用してそのカバレッジにわたってランダムに点在するアクセス端末に送信するアクセスネットワークは、単一のアンテナを通してすべてのアクセス端末に送信するアクセスネットワークよりも、隣接セル内のアクセス端末への干渉を少なくする。
【0012】
アクセスネットワーク(AN)は、端末と通信するために使用される固定局又は基地局とすることができ、アクセスポイント、Node B、基地局、エンハンスド(enhanced)基地局、エボルブドNode B(eNB)、又は何らかの他の専門用語で称されることもある。アクセス端末(AT)は、ユーザ機器(UE)、ワイヤレス通信デバイス、端末、アクセス端末又は何らかの他の専門用語で呼ばれることもある。
【0013】
図2は、MIMOシステム200における送信機システム210(アクセスネットワークとしても知られる)及び受信機システム250(アクセス端末(AT)又はユーザ機器(UE)としても知られる)の実施形態の簡略ブロック図である。送信機システム210で、ある数のデータストリームについてのトラフィックデータが、データソース212から送信(TX)データプロセッサ214に提供される。
【0014】
一実施形態においては、各データストリームはそれぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ214は、各データストリームのためのトラフィックデータを、そのデータストリームのために選択される特定の符号化スキームに基づいてフォーマットし、符号化し、インタリーブして、符号化されたデータを提供する。
【0015】
各データストリームについて符号化されたデータは、OFDM技術を使用してパイロットデータと多重化されることができる。パイロットデータは、代表的には、既知の方式で処理される既知のデータパターンであり、チャネル応答を推定するために受信機システムで使用されることができる。各データストリームについて多重化されたパイロット及び符号化されたデータは、次いでそのデータストリームに対して選択される特定の変調スキーム(例えば、BPSK、QPSK、M-PSK又はM-QAM)に基づいて変調(即ち、シンボルマッピング)されて、変調シンボルを提供する。各データストリームについてのデータレート、符号化及び変調は、プロセッサ230によって行われる命令によって決定されることができる。
【0016】
すべてのデータストリームについての変調シンボルは、次いでTX MIMOプロセッサ220に提供され、それは更に変調シンボルを(例えば、OFDMの場合)処理することができる。TX MIMOプロセッサ220は、次いでNT個の送信機(TMTR)222a~222tにNT個の変調シンボルストリームを提供する。特定の実施形態では、TX MIMOプロセッサ220は、データストリームのシンボル及びシンボルが送信されているアンテナにビームフォーミング重みを適用する。
【0017】
各送信機222は、それぞれのシンボルストリームを受信し、処理して、1つ以上のアナログ信号を提供し、さらに、アナログ信号を調整して(例えば、増幅、フィルタリング、及びアップコンバート)、MIMOチャネルを介した伝送に適した変調信号を提供する。送信機222a~222tからのNT個の変調信号は、次いで、NT個のアンテナ224a~224tからそれぞれ送信される。
【0018】
受信機システム250で、送信された変調信号はNR個のアンテナ252a~252rによって受信され、各アンテナ252から受信された信号はそれぞれ受信機(RCVR)254a~254rに提供される。各受信機254は、それぞれ受信された信号を調整して(例えば、フィルタリング、増幅、及びダウンコンバート)、調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、更にサンプルを処理して、対応する「受信」シンボルストリームを提供する。
【0019】
RXデータプロセッサ260が、次いで特定の受信機処理技術に基づいて、NR個の受信機254からのNR個の受信シンボルストリームを受信し、処理して、NT個の「検出」シンボルストリームを提供する。RXデータプロセッサ260は、次いで各検出シンボルストリームを復調し、デインタリーブ(deinterleave)し、復号して、データストリームについてのトラフィックデータを復元する。RXデータプロセッサ260による処理は、送信機システム210でのTX MIMOプロセッサ220及びTXデータプロセッサ214によって行われる処理と相補的である。
【0020】
プロセッサ270は、どのプリコーディング行列を使用するべきかを周期的に決定する(下記で論じる)。プロセッサ270は、行列インデックス部分及びランク値部分を含むリバースリンクメッセージ(reverse link message)を編成する。
【0021】
リバースリンクメッセージは、通信リンク及び/又は受信データストリームに関するさまざまなタイプの情報を含むことができる。リバースリンクメッセージは、次いでデータソース236からある数のデータストリームについてのトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ238によって処理され、変調器280によって変調され、送信機254a~254rによって調整され、送信機システム210に返信される。
【0022】
送信機システム210で、受信機システム250からの変調信号は、アンテナ224によって受信され、受信機222によって調整され、復調器240によって復調され、RXデータプロセッサ242によって処理されて、受信機システム250によって送信されたリバースリンクメッセージを抽出する。プロセッサ230は、次いでビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用するべきかを決定して、次いで抽出されたメッセージを処理する。
【0023】
図3を参照すると、この図は、本発明の一実施形態による通信デバイスの代替の簡略機能ブロック図を示す。
図3に示すように、無線通信システムにおける通信デバイス300は、
図1のUE(若しくはAT)116及び122又は
図1の基地局(若しくはAN)100を実現するために利用することができ、無線通信システムは好ましくはLTEシステムである。通信デバイス300は、入力デバイス302、出力デバイス304、制御回路306、中央処理装置(CPU)308、メモリ310、プログラムコード312、及び送受信機314を含むことができる。制御回路306は、CPU308を通してメモリ310内のプログラムコード312を実行して、それによって通信デバイス300の動作を制御する。通信デバイス300は、キーボード、キーパッド等の入力デバイス302を通してユーザによって入力される信号を受信することができ、モニタ、スピーカ等の出力デバイス304を通して画像及び音を出力することができる。送受信機314は、無線信号を受信及び送信するために使用され、受信された信号を制御回路306に供給したり、制御回路306によって生成された信号を無線で出力する。無線通信システムにおける通信デバイス300は、
図1のAN100を実現するために利用することもできる。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による
図3に示したプログラムコード312の簡略ブロック図である。本実施形態では、プログラムコード312は、アプリケーションレイヤ400、レイヤ3部分402、及びレイヤ2部分404を含み、レイヤ1部分406に結合される。レイヤ3部分402は、概して、無線リソース制御を行う。レイヤ2部分404は、概して、リンク制御を行う。レイヤ1部分406は、概して、物理的接続を行う。
【0025】
次世代(例えば、5G)アクセス技術に関する3GPP 標準化活動が2015年3月から立ち上げられている。次世代アクセス技術は、緊急の市場ニーズ及びITU-R IMT-2020で規定されている、より長期の要件を満たすために、次の3つの使用シナリオのファミリをサポートすることを目指している。eMBB(エンハンスドモバイルブロードバンド:enhanced Mobile Broadband)、mMTC(大量マシンタイプ通信:massive Machine Type Communications)及びURLLC(超高信頼低遅延通信:Ultra-Reliable and Low Latency Communications)である。
【0026】
新しい無線アクセス技術に関する5G研究課題の目的は、少なくとも100GHzにまで及ぶ任意のスペクトルバンドを使用可能とすべき新しい無線システムに必要な技術コンポーネントを特定し開発することである。100GHzまでのキャリア周波数をサポートすることにより、無線伝搬の領域で多くの課題が生じる。キャリア周波数が増加するにつれて、経路損失も増加するからである。
【0027】
3GPP R2-162366に基づくと、より低い周波数バンド(例えば、現在のLTEバンド<6GHz)では、ダウンリンク共通チャネルを送信するためのワイドセクタビームを形成することによって、必要なセルカバレッジを提供することができる。しかし、より高い周波数(>>6GHz)でワイドセクタビームを利用すると、同じアンテナ利得ではセルカバレッジが低減される。したがって、より高い周波数バンドで必要なセルカバレッジを提供するためには、増加した経路損失を補償するために、より高いアンテナ利得が必要とされる。ワイドセクタビームを介してアンテナ利得を増加させるために、より多いアンテナアレイ(数十から数百までのアンテナ素子の数)を使用して高利得ビームを形成する。
【0028】
結果として、高利得ビームはワイドセクタビームに比べて狭いので、必要なセル領域をカバーするためにダウンリンク共通チャネルを送信するための複数のビームが必要とされる。アクセスポイントが形成することができる同時高利得ビームの数は、利用する送受信機アーキテクチャのコスト及び複雑さによって制限され得る。実際には、より高い周波数では、同時高利得ビームの数は、セル領域をカバーするのに必要なビームの総数よりもはるかに少ない。言い換えると、アクセスポイントは、任意の所与の時点でビームのサブセットを使用してセル領域の一部のみをカバーすることができる。
【0029】
3GPP R2-163716に基づくと、ビームフォーミングは、指向性信号の送受信のためにアンテナアレイで使用される信号処理技術である。ビームフォーミングを用いると、特定の角度の信号が強め合う干渉を経験する一方で、他の信号が弱め合う干渉を経験するように、アンテナのフェーズドアレイ(phased array)内の素子を組み合わせることによって、ビームを形成することができる。複数のアンテナアレイを用いて、異なるビームを同時に利用することができる。
【0030】
3GPP R2-162709に基づくと、
図5に示すように、エボルブドNode Bは、集中型又は分散型のいずれか一方の複数の送信/受信ポイント(TRP)を有することができる。各TRPは、複数のビームを形成することができる。ビームの数及び時間/周波数領域における同時ビームの数は、アンテナアレイ素子の数及びTRPにおけるRFに依存する。
【0031】
新しいRAT(NR)の場合の可能性のあるモビリティタイプを列挙することができる。TRP内(Intra-TRP)モビリティ、TRP間(Inter-TRP)モビリティ及びNR eNB間(Inter-NR eNB)モビリティである。
【0032】
3GPP R2-162762に基づくと、カバレッジは時間及び空間の両方の変動に対してより敏感であり得るため、ビームフォーミングに依存し、より高い周波数で動作するシステムの信頼性は挑戦的なものとなり得る。結果として、狭いリンクの信号対干渉雑音比(SINR)は、LTEの場合よりもはるかに急速に低下する可能性がある。
【0033】
アクセスノードで数百の数の素子を有するアンテナアレイを使用すると、ノード当たり数十又は数百の候補ビームを有するかなり規則的なグリッドオブビーム(grid-of-beam)カバレッジパターンを作成することができる。そのようなアレイからの個々のビームのカバレッジエリアは、場合によっては、数十メートルのオーダーの幅にまで小さくなる可能性がある。結果として、現在のサービングビーム領域の外側のチャネル品質は、LTEによって提供されるようなワイドエリアカバレッジの場合よりも、急速に低下する。
【0034】
3GPP R3-160947,TR 38.801 V 0.1.0に基づくと、
図6及び
図7に示すシナリオが、NR無線ネットワークアーキテクチャによるサポートのために考慮されるべきである。
【0035】
3GPP R2-164306に基づくと、スタンドアロンNRについてのセルレイアウトに関して次のシナリオが捕捉されて検討される。マクロセルのみの配置、異種配置及び小規模セルのみの配置である。
【0036】
3GPP RAN2#94会議議事録に基づくと、1つのNR eNBは、1つ又は複数のTRPに対応する。2つのレベルのネットワーク制御モビリティ、「セル」レベルで駆動されるRRC及びゼロ/最小RRC関与(例えば、MAC/PHYでの)がある。
【0037】
3GPP R2-162210に基づくと、5Gにおいて、2レベルモビリティ処理の原理がおそらく5Gにおいて維持され得る。
A) セルレベルのモビリティ
a. IDLEでのセル選択/再選択、接続状態(CONN)でのハンドオーバ
b. CONN状態で無線リソース制御(RRC)による処理
B) ビームレベル管理
a. L1は、UEのために使用するTRP及び適切なビーム方向の適切な選択を処理する
5Gシステムは、通常のハンドオーバベースのUEモビリティに加えて、「ビームベースのモビリティ」により依存して、UEモビリティを処理することが期待されている。MIMO(多入力多出力)、フロントホール(fronthauling)、C-RAN(クラウド無線アクセスネットワーク:Cloud Radio Access Network)、NFV(ネットワーク機能仮想化:Network Function Virtualization)等の技術により、1つの「5G Node」によって制御されるカバレッジエリアが拡大し、それにより、ビームレベル管理の可能性を高め、セルレベルのモビリティの必要性を低くする。1つの5G Nodeのカバレッジエリア内のすべてのモビリティは、理論的にはビームレベル管理に基づいて処理することができるが、他の5G Nodeのカバレッジエリアへのモビリティのためだけにハンドオーバを残す。
【0038】
図8~
図11は、5G NRにおけるセルの概念の一例を示す。
図8は、単一のTRPのセルを有する配置を示している。
図9は、複数のTRPのセルを有する配置を示している。
図10は、複数のTRPを有する5Gノードを含む1つの5Gセルを示す。
図11は、LTEセルとNRセルとの比較を示す。
【0039】
RRM(無線リソース管理)測定に基づくハンドオーバとは別に、5G UEは、ビーム品質変動又はUEセル内モビリティに影響をうける5G接続性を維持するためにサービングビームを適合させることが可能であるべきである。これを行うために、5G Node-B及びUEは、サービングビームを適切に追跡及び変更することが可能であるべきである(以下、ビーム追跡と呼ぶ)。
【0040】
次の専門用語及び仮定を、以下使用することができる。
・BS:1つ以上のセルに関連する1つ以上のTRPを制御するために使用されるNRにおけるネットワークセントラルユニットである。BSとTRPとの間の通信はフロントホールを介したものである。BSは、セントラルユニット(CU:central unit)、eNB又はNodeBとも称され得る。
・TRP:ネットワークカバレッジを提供し、UEと直接通信する送受信ポイントである。TRPはまた、分散ユニット(DU)とも称され得る。
・セル(Cell):セルは、1つ以上の関連するTRPによって構成される。すなわち、セルのカバレッジは、すべての関連するTRPのカバレッジによって構成される。1つのセルは1つのBSによって制御される。セルは、TRPグループ(TRPG)とも称され得る。
・ビーム掃引:送信及び/又は受信のためのすべての可能な方向をカバーするために、ある数のビームが必要とされる。これらのビームのすべてを同時に発生させることは不可能であるため、ビーム掃引手段が、1つの時間間隔で、これらのビームのサブセットを生成し、他の時間間隔では、生成されるビームを変化させる、すなわち、時間領域でビームを変化させる。このように、すべての可能な方向を、複数の時間間隔の後にカバーすることができる。
・ビーム掃引数:ビーム掃引数は、送信及び/又は受信のために一度すべての可能な方向にビームを掃引するのに必要な時間間隔の数である。言い換えると、ビーム掃引を適用するシグナリングは、1つの時間周期内で「ビーム掃引数」の回数で送信される。例えば、シグナリングは、時間周期の異なる時間で(少なくとも部分的に)異なるビームで送信される。
【0041】
ネットワーク側に対しては次の仮定を、以下使用することができる。
・ ビームフォーミングを使用するNRはスタンドアロンとすることができる。すなわち、UEはNRに直接キャンプオンするあるいは接続することができる。
【0042】
■ ビームフォーミングを使用するNR及びビームフォーミングを使用しないNRは、例えば、異なるセルで共存することができる。
・ TRPは、データ及び制御シグナリングの送信及び受信の両方にビームフォーミングを適用する。
【0043】
■ TRPによって同時に生成されるビームの数は、TRPの能力に依存する。例えば、異なるTRPによって同時に生成されるビームの最大数は、異ならせることができる。
【0044】
■ ビーム掃引は、例えば、制御シグナリングが各方向に提供されるために必要である。
【0045】
■ TRPは、ビーム組み合わせのすべてをサポートするわけではない可能性がある。例えば、いくつかのビームは、同時に生成することができない。
・ 同じセル内のTRPのダウンリンクタイミングは同期化される。
・ ネットワーク側のRRCレイヤはBS内にある。
・ TRPは、例えば、異なるUE能力又はUEリリースにより、UEビームフォーミングを有するUEとUEビームフォーミングを有していないUEとの両方をサポートすべきである。
【0046】
UE側に対しては次の仮定を、以下使用することができる。
・UEは、可能かつ有益である場合に、受信及び/又は送信のためのビームフォーミングを実行することができる。
【0047】
■ UEによって同時に生成されるビームの数は、UEの能力に依存する。例えば、複数のビームを生成することが可能である。
【0048】
■ UEによって生成されるビームは、eNBによって生成されるビームよりも広い。
【0049】
■ 送信及び/又は受信のためのビーム掃引は、一般に、ユーザデータには必要ではないが、他のシグナリング、例えば、測定を行うのに必要となる可能性がある。
【0050】
■ UEがビーム組み合わせのすべてをサポートするわけではない可能性がある。例えば、いくつかのビームは、同時に生成することができない。
・ すべてのUEがUEビームフォーミングをサポートするわけではない。例えば、UEの能力又は、UEビームフォーミングがNRの最初の(2、3の)リリースではサポートされていないことによる。
・ 1つのUEに対しては、複数のUEビームを同時に生成し、同じセルの1つ以上のTRPからの複数のビームによってサービスを受けることができる。
【0051】
■ 同じ又は異なる(DL又はUL)データを、ダイバーシティ(diversity)又はスループットの利得のために、異なるサービングビームを介して同じ無線リソース上で送信することができる。
・ 少なくとも2つのUE(RRC)状態がある。つまり、接続状態(又はアクティブ状態と呼ばれる)及び非接続状態(又は、非アクティブ状態若しくはアイドル状態と呼ばれる)である。
【0052】
3GPP R2-162251に基づくと、eNB及びUE側の両方でビームフォーミングを使用するためには、実際には、eNBにおけるビームフォーミングによるアンテナ利得は約15~30dBiと考えられ、UEのアンテナ利得は約3~20dBiと考えられる。
図12が、ビームフォーミングによる利得補償を示す。
【0053】
SINRの観点から、鋭いビームフォーミングは、隣接する干渉源、すなわち、ダウンリンクの場合における隣接eNB又は隣接eNBに接続された他のUEからの干渉電力を低減する。TX(送信)ビームフォーミングの場合においては、RX(受信)に対して現在のビームと同じ方向を指す他のTXからの干渉のみが「有効」干渉となる。「有効」干渉とは、干渉電力が実効ノイズ電力よりも高いことを意味する。RXビームフォーミングの場合においては、ビーム方向がUEの現在のRXビーム方向と同じである他のTXからの干渉のみが有効干渉となる。
図13が、ビームフォーミングにより弱められた干渉を示す。
【0054】
3GPP R1-165364に基づくと、掃引共通制御プレーン機能性を、掃引サブフレームと呼ばれる特定のサブフレームに集中させることが提案されている。掃引サブフレームにおいて送信される共通制御シグナリングは、同期信号(ダウンリンク(DL))、基準信号(DL)、システム情報(DL)、ランダムアクセスチャネル(UL)等を含む。
図14(3GPP R1-165364から再現)は、掃引サブフレームの原理を示す。
【0055】
ダウンリンク掃引の主な使用事例の1つは、ダウンリンクディスカバリシグナリングである。ダウンリンクディスカバリシグナリングは、セルサーチ、時間及び周波数同期取得、必須システム情報シグナリング及びセル/ビーム測定(例えば、RRM測定)のための信号を含むが、これらに限定されない。
【0056】
アップリンク物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の場合、高レベルの概念は、BSビーム相互性を利用し、BSが送信UEに向けて高いアレイ利得を有するビームを受信しているあるいは使用しているときに、UEがPRACHプリアンブルを送信することを可能にすることである。言い換えると、PRACHリソースは、ビーム特有の基準信号を搬送するDLディスカバリシグナリングを介して周期的に知らされるBSビームに関連する。
図15(3GPP R1-165364から再現)は、BSビームとPRACHリソースとの関連を示す。
【0057】
高利得ビームは狭く、形成可能な同時高利得ビームの数は、利用される送受信機アーキテクチャのコスト及び複雑さに依存し得るので、送信及び/又は受信のためのすべての可能な方向をカバーするために、ビーム掃引が、例えば、ビーム掃引数の回数必要とされる。例えば、
図16において、TRPはすべての方向をカバーするために3つの時間間隔をとり、このTRPによって各時間間隔で4つのビームが生成される。
【0058】
ビーム掃引によって全セルカバレージをカバーする必要がある送信及び/又は受信のためのシグナリングは、同期信号、基準信号、システム情報、ページング、ランダムアクセスプロシージャを開始するための信号、ランダムアクセスプロシージャの信号(例えば、ランダムアクセスプリアンブル、ランダムアクセス応答、競合解決)、又はDL/ULスケジューリングのための信号のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。ダウンリンクシグナリングの場合、ビーム掃引は、送信のためにTRPによって、及び/又は受信のためにUEによって実行される。アップリンクシグナリングの場合、ビーム掃引は、送信のためにUEによって、及び/又は受信のためにTRPによって実行される。
【0059】
UEが接続状態にあるとき、例えば、ある期間にネットワークとUEとの間のデータ通信がなくとも、UEは新しいデータが到着したらUL伝送を開始することができる。
【0060】
ULデータ伝送の場合は、次のステップを有することができる。
- スケジューリングの要求
UEが伝送に利用可能なULデータを有し、ULデータを送信するために使用されるULリソースを有していない場合、UEは、UEからネットワークに送信される要求によってデータ伝送のためのULリソースを要求できるはずである。UEのULタイミングは、UEが要求を送信するときに同期されてもされなくてもよい。TRPは、ビームフォーミングによって要求を受信する。
- ULリソーススケジューリング
例えば、BS又はTRPであるネットワークが要求を受信するとき、ネットワークは、UEがUL伝送を実行するための適切なULリソースをスケジューリングすることができる。UEのULタイミングは、ULリソーススケジューリングと共に調整されてもよい。ULリソーススケジューリングは、ビームフォーミングによって提供される。
- ULデータ伝送
UEがULリソーススケジューリングを受信した後、UEは、ULリソースを使用して、保留しているULデータを送信する。TRPはビームフォーミングを使用して、UEからUL伝送を受信する。
【0061】
そして、例えば、BS又はTRPであるネットワークは、UL伝送が成功して受信されたかどうかを指示するために、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックをUEに提供することができる。ネットワークがUL伝送を受信しない場合、UEは再送信を実行する必要があり得る。
【0062】
図17は、ULデータ伝送のためのフローチャートの一例を示す図である。
【0063】
UEが接続状態にあるとき、例えば、ある期間にネットワークとUEとの間のデータ通信がなくとも、BSは、新しいデータが到着したら、DL伝送を開始することができる。
【0064】
DLデータ伝送の場合は、次のステップを有する。
― DL伝送前の準備
ネットワークがUEに送信されるDLデータを有するとき、ネットワークは、UEに到達するTRP及びビームを決定すべきである。UEのULタイミングは、DL伝送の前に同期されるべきである。
- DL割り当て及びDLデータの伝送
例えば、BS又はTRPであるネットワークは、DLデータの伝送のための適切なDLリソースを決定し、DL割り当てを介してDLデータを受信するUEに通知する。DL割り当て及びDLデータは、UEに到達することができるビーム内のビームフォーミングによって提供される。
【0065】
UEは、DL伝送が成功して受信されたかどうかを指示するために、ネットワークにHARQフィードバックを提供する。UEがDL伝送を受信しない場合、ネットワークは再送信を実行する必要があり得る。
【0066】
図18は、DLデータ伝送のためのフローチャートの一例を示す図である。
【0067】
UEが接続状態にあるとき、UEは、同じサービングセルの異なるビーム又は異なるTRP間を移動することができる。さらに、UEビームフォーミングが使用される場合、UEビームも、例えば、UEの回転により時間とともに変化してもよい。
【0068】
セルの変更のない接続状態でのモビリティの場合は、次のステップを有する。
- 変化検出のためのシグナリングの設定
UEビーム、サービングTRPのサービングビーム及びサービングTRPの変化は、UE及び/又はネットワークによって検出され得る。変化を検出するために、TRP又はUEによって周期的に送信されるシグナリングが、基準のアプローチであり得る。シグナリングの設定は、シグナリングをいつ、どのように送信するあるいは受信するかをUEに知らせるように構成されなければならない。
- 変化検出のためのシグナリング
1つ以上のTRPは、シグナリングの受信又は送信のために周期的にビーム掃引を実行する。 UEビームフォーミングが使用される場合、UEはシグナリングの受信又は送信のために周期的にビーム掃引を実行する。
- UEビーム変更
UEのビーム変化がUEによって検出された場合、UE自体は、次に続く受信(及び/又は、例えば、TDDの場合の送信)のために適切なUEビームを選択することができる。代替的に、UEは、周期的にあるいは変化を検出したら、ネットワークにフィードバックを提供する必要がある。ネットワークはUEからネットワークへのUEビーム変更の指示を提供することができる。次いで、UEは、ネットワークによって指示されたUEビームを、次の送信及び/又は受信のために使用することができる。
【0069】
変化がネットワークによって検出されるべきである場合、ネットワークからUEへのUEビーム変更の指示が、例えば、周期的にあるいは変化を検出したら、必要とされ得る。UEは、ネットワークによって指示されたUEビームを、次の送信(及び/又は、TDDの場合の受信)のために使用する。
【0070】
変化をタイムリーに検出するあるいは更新することができない可能性があり、それは、ビーム追跡失敗となる。
- サービングビーム及び/又はサービングTRP変更
UEが変化検出のためのシグナリングを受信した後、UEはネットワークにフィードバックを提供する必要があり、ネットワークはUEのために(DL)サービングビーム及び/又はサービングTRPを変更するかどうかを決定することができる。
【0071】
一方、TRPが変化検出のためのシグナリングを受信した後、ネットワークはUEのためのサービングビーム及び/又はサービングTRPを変更するかどうかを決定することができる。(DL)サービングビーム/TRPの変更についてネットワークからUEへの指示が必要とされることがある。
【0072】
変化をタイムリー検出するあるいは更新することができない可能性があり、それは、ビーム追跡失敗となる。
【0073】
図19及び
図20は、セルの変更がない接続状態でのモビリティについてのフローチャートの例を示す。
【0074】
UEが同時に1つ以上のUEビームを生成する可能性がある。例えば、TRPであるネットワークと通信するために使用される最も適切なUEビームは、例えば、UEのモビリティにより、時々変化し得る。したがって、どのUEビームがUL又はDL伝送を送信するあるいは受信するために使用されるべきかを決定するための方法が必要とされる。
【0075】
動的にスケジューリングされた伝送の場合、使用されるUEビームは、例えば、関連するスケジューリング情報を介して、ネットワークによって動的に割り当てられることができる。しかし、例えば、関連するスケジューリング情報と共に動的にスケジューリングされない、予め割り当てられた無線リソースを介した伝送の場合、どのUEビームが使用されるかが特定されるべきである。
【0076】
予め割り当てられた無線リソースを介した伝送は、周期的に生じる(例えば、UEからの周期的測定報告)、あるいは伝送の受信機によって予測できないタイミングで生じ得る(例えば、ネットワークからのスケジューリング情報の伝送が、3GPP TS 36.321 V13.0.0において規定されるようにアクティブ時間(Active Time)中に生じ得る)。UEは、伝送を送信するあるいは受信するためにUEビーム掃引を実行する必要がない可能性がある。伝送は、ネットワークがビーム掃引を実行する時間間隔、例えば、3GPP R1-165364において論じられているDL又はUL掃引サブフレーム内で送信されるあるいは受信されることができる。
【0077】
予め割り当てられた無線リソースを介した伝送は、次のシグナリングの1つ以上であり得る。
- (UL)例えば、LTEにおけるチャネル品質インジケータ(CQI)又はチャネル状態情報(CSI)のような、周期的な測定フィードバック又はレポート。
- (UL)スケジューリング要求。
- (UL)セミパーシステントスケジューリング伝送。
- (DL)セミパーシステントスケジューリング伝送。
- (DL)ビーム及び/又はTRP維持/変更のための周期的DL信号であり、例えば、UEビーム、ネットワークビーム及び/又はTRPの候補を指示する。
- (DL)DL割り当て又はULリソースのためのスケジューリング情報であり、例えば、LTEにおける物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)信号のようなものである。
【0078】
セル内又はTRPについて、UEは、伝送を送信するあるいは受信するために、異なるUEビーム又は複数のUEビームを使用してもよいし、使用しなくてもよい。例えば、UEは、同じUEビームを使用して、セル内又はTRPについて、上記のシグナリングの一部又は全部を送信するあるいは受信するために同じUEビームを使用することができる。異なるTRPについては、UEは、予め割り当てられた無線リソースを介して伝送を送信するあるいは受信するために異なるUEビームを使用することができる。
【0079】
予め割り当てられた無線リソースを介した伝送に使用されるUEビームは、特別UEビームと呼ばれることがある。セル内又はTRPについて予め割り当てられた無線リソースを介した伝送に使用される特別UEビームなどのUEビームは、当初、初期アクセス又はハンドオーバのためのランダムアクセスプロシージャ中に使用されたあるいは割り当てられたUEビームであり得る。送信のための特別UEビーム及び受信のための特別UEビームは、同じでも異なっていてもよい。
【0080】
以下では、UEビームを決定して、セル内又はTRPについて予め割り当てられた無線リソースを介して伝送を送信するあるいは受信するためのいくつかの方法を検討する。1つの方法では、ネットワークは、伝送のために少なくとも1つの特別UEビームを選択する。ネットワークは、UEへの周期的又は非周期的な指示(例えば、ビーム変化の指示)を介して、(例えば、測定結果及び/又はスケジューリング決定に基づいて)特別UEビームを変更するあるいは更新することができる。指示は、どのUEビーム及び/又はネットワークビームがネットワークとの通信ための候補となりうるかを示し、どのUEビームが特別UEビームであるかを明示的にあるいは暗黙的に指示することができる。
図22及び
図23は、UEビーム候補及び/又は特別UEビームを指示する例である。特別UEビームは、指示が受信された場所によって暗黙的に示される。例えば、
図21に示すようにUEが移動した後、ネットワークは、ビームbとcが候補であり、指示がビームbを介してUEによって受信される、ビーム1を介した特別ビーム指示を提供することによって、ビームbが特別UEビームであることをUEに指示することができる。
【0081】
別の方法では、ネットワークは、UEのための少なくとも1つの特別ネットワークビームを選択して、伝送のための少なくとも1つの特別UEビームを決定する。ネットワークは、少なくとも1つのネットワークビームをUEに指示するための指示を提供することができる。指示内の指示されたネットワークビームは、特別ネットワークビームと呼ばれることがある。UEは、特別ネットワークビームの信号を測定することによって、特別UEビームを決定することができる。例えば、閾値より大きい受信電力を有するUEビーム又は最も大きい受信電力を有するUEビームは、特別ネットワークビームの信号を測定することによって、特別UEビームであると決定することができる。このようにして、UEビームとネットワークビームとの間のマッピングがUEに知られている。UEビームとネットワークビームとの間のマッピングとは、どのUEビームからの送信がどのネットワークビームから受信され得るか、及び/又は、どのネットワークビームからの送信がどのUEビームから受信され得るかを意味することができる。代替的に、UEビームとネットワークビームとの間のマッピングは、ネットワークによって提供されてもよい。UEは、次いで、特別ネットワークビーム及びマッピングに基づいて特別UEビームを決定することができる。
【0082】
ネットワークは、(例えば、測定結果及び/又はスケジューリング決定に基づいて)UEへの周期的又は非周期的な指示(ビーム変更の指示など)を介して、特別ネットワークビームを変更又は更新することができる。指示は、どのUEビーム及び/又はネットワークビームがネットワークとの通信のための候補となり得るかを示し、どのネットワークビームが特別ネットワークビームであるかを明示的にあるいは暗黙的に示すことができる。また、
図22及び
図23は、UEビーム候補及び/又は特別UEビームを指示する例である。代替的に、指示は、測定される特別ネットワークビームの信号(例えば、ビーム特定基準信号(BRS))に関連する情報(例えば、これに限定されないが、設定)を指示することができる。特別ネットワークビームは、指示が送信される場所によって暗黙的に指示されることができる。例えば、
図21に示すようにUEが移動した後、ネットワークは、ビームb及びビームcが候補であり、ビーム1を介した特別ビーム指示を提供することによって、ビーム1が特別ネットワークビームであることをUEに指示することができる。
【0083】
別の方法においては、UEは、伝送のための少なくとも1つの特別UEビームを決定する。
【0084】
UEは、測定に基づいて特別UEビームを決定する。例えば、閾値よりも良い測定品質を有するUEビーム又は、最も良い測定品質を有するUEビームである。特別UEビームは、ネットワークによって指示さるものなど、UEビーム候補の一部とすることができる。
【0085】
測定に基づいて、ネットワークは、UEによって決定される特別UEビームを予測することができる。予測が正確でない可能性がある、あるいは予測可能でない場合、ネットワークは伝送を送信するあるいは受信するためにビーム掃引を実行することができる。
【0086】
別の方法においては、UEは、伝送のためにすべてのUEビーム候補を使用する。
【0087】
UEは、測定に基づいてUEビーム候補を決定する。例えば、閾値よりも良い測定品質有するUEビーム又は、最も良い測定品質を有するUEビームである。代替的に、UEは、ネットワークによって提供される情報、例えば、UEビームセットの情報に基づいて、UEビーム候補を導出する。
【0088】
UEは、すべてのUEビーム候補を使用して、同時に伝送を送信するあるいは監視することができる。
【0089】
UEビーム候補は、同じセル又はTRPについてのものであってもよい。
【0090】
特別UE又はネットワークビームの指示、及び予め割り当てられた無線リソースを介した伝送に関連する設定は、例えば、設定を頻繁に変更する必要がないため、シグナリングオーバーヘッドを節約するため、異なるシグナリングを介して提供されてもよい。この指示を、媒体アクセス制御(MAC)又は物理(PHY)シグナリングによって搬送することができる。この設定を、無線リソース制御(RRC)メッセージによって搬送することができる。この設定は、指示するために使用する、あるいはUEによって使用することができ、伝送のための無線リソース、送信タイミング、周波数リソース及び/又は周期性を決定する。この設定は、設定に関連する伝送を受信するあるいは送信するためにどのUEビームを使用すべきかをUEが決定するための情報を指示するために使用することができる。例えば、伝送のために特別UEビームを使用するか、あるいはUEビーム候補のすべてを使用するかである。
【0091】
ネットワーク又はUEビーム候補は、例えば、関連する測定結果が閾値よりも大きいものを、資格があるビームとすることができ、UEと、例えば、セル又はTRPであるネットワークとの間の通信に使用することができる。ビーム候補の数は、同時に生成できるビームの最大数よりも少なくてもよい。さらに、UEビーム候補は、同時に生成することができるUEビームとしてもよい。ビーム候補は、ネットワークからUEへ(周期的に)指示することができる。
【0092】
予め割り当てられた無線リソースを介した異なる種類の伝送に使用されるUEビームの数は、異なってもよい。例えば、特別UEビームのようなUEビーム候補の一部は、予め割り当てられた無線リソース(例えば、セミパーシステントスケジューリング(SPS))を介した第1の伝送に使用され、UEビームの全て候補は、これに限定されないが、スケジューリング情報など、予め割り当てられた無線リソースを介した第2の伝送に使用される。
【0093】
ビームは、ビーム特有の設定(例えば、インデックス)、ビームのためのリソース又は、プリコーディング行列によって、明示的に指示され、区別されてもよい。
【0094】
ネットワークは、例えば、LTEにおけるPDCCHのような物理レイヤシグナリングのような、送信又は受信のためのおそらくはスケジューリング情報と共に、UEによる送信又は受信に使用されるUEビームについてUEに指示することができ、効率的なスケジューリングを可能にする。
【0095】
UEは、ネットワークにUEビームフォーミングに関する情報をネットワークに提供する可能性がある。この情報は、UEビームフォーミング能力、UEビームフォーミングについてのUEプリファレンス、UEビーム掃引数等を含むことができる。
【0096】
UEビームフォーミングが可能なUEは、同時に複数のUEビームを生成することできることがある。しかし、同時に、複数のUEビームのすべての組み合わせが、UEによって同時に生成されることできるわけではない可能性がある。複数のUEビームの組み合わせは、ハードウェア能力、複雑さ、コスト等によって制限され得る。例えば、合計4つのUEビーム{a,b,c,d}があり、UEは同時に2つのUEビームを生成することができる。さらに、UEは、UEビーム組み合わせ{a,b}、{b,c}、{c,d}及び{a,d}を生成することができるが、UEビーム組み合わせ{a,c}及び{b,d}を生成することができない。
【0097】
有効なUEビーム組み合わせに関する情報をUEによってネットワークに提供することは、ネットワークスケジューリングに役立つ。この情報は、有効なUEビーム組み合わせ、デジタルUEビームの総数、アナログUEビームの総数、最大同時アナログUEビームの数、UEアンテナ素子の数、及び/又はUEアンテナポートとすることができる。ネットワークがどのUEビームが送信又は受信に使用されるかを制御することができる場合、ネットワークは、どのUEビーム組み合わせが有効であるか、又は無効であるかを認識するべきである。そして、ネットワークは、その情報に基づいて送信又は受信をスケジューリングすることができる。有効なUEビーム組み合わせは、同時に生成されることができるUEビーム組み合わせを意味し得る。
【0098】
図24は、UEの観点からの例示的な一実施形態によるフローチャート2400である。ステップ2405では、UEは、ネットワークノードに複数のUEビームの組み合わせに関する情報を提供する。ここで、その組み合わせにおける複数のUEビームは、UEによって同時に生成されることができる。ステップ2410では、UEは、ネットワークノードから送信又は受信のためのスケジューリング情報を受信する。ステップ2415では、UEは、送信又は受信を実行するためにその組み合わせにおける1つ以上のUEビームを生成する。
【0099】
図25は、ネットワークノードの観点からの例示的な一実施形態によるフローチャート2500である。ステップ2505では、ネットワークノードは、UEから、複数のUEビームの組み合わせに関連する情報をUEから受信する。ここで、その組み合わせにおける複数のUEビームは、UEによって同時に生成されることができる。ステップ2510では、その情報に基づいてUEのための送信又は受信をスケジューリングする。
【0100】
いくつかの方法では、その情報は、複数のUEビームの少なくとも1つの有効な組み合わせを指示する。その情報は、デジタル及び/又はアナログUEビームの総数を指示する。その情報は、最大同時アナログUEビームの数を指示する。その情報は、UEアンテナ素子及び/又はUEアンテナポートの数を指示する。
【0101】
いくつかの方法では、ネットワークノードは、その情報に基づいて(組み合わせにおいて)どのUEビームが送信又は受信に使用されるかを制御する。開示された方法において、ネットワークノードは、TRP、基地局又は5Gノードであり得る。
【0102】
いくつかの方法では、UEは、ネットワークノードにUEビームフォーミング能力に関する情報を提供する。UEは、複数のUEビームのすべての組み合わせを生成するわけでない可能性がある。複数のUEビームの組み合わせにおけるUEビームの数は、UEが同時に生成することができるUEビームの数に等しい。
【0103】
図3及び
図4を参照すると、一実施形態では、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行することができ、UEが(i)ネットワークノードに複数のUEビームの組み合わせに関する情報を提供し(ここで、その組み合わせにおける複数のUEビームは、UEによって同時に生成されることができる)、(ii)ネットワークノードから送信又は受信のためのスケジューリング情報を受信し、(iii)送信又は受信を実行するためにその組み合わせにおける1つ以上のUEビームを生成することを可能にする。
【0104】
別の実施形態では、CPU308は、プログラムコード312を実行することができ、ネットワークノードが(i)UEから複数のUEビームの組み合わせに関する情報を受信し(ここで、その組み合わせにおける複数のUEビームは、UEによって同時に生成されることができる)、(ii)その情報に基づいてUEのための送信又は受信をスケジューリングすることを可能にする。
【0105】
さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行することができ、本明細書で説明した上述のアクション及びステップ又は他の方法のすべてを実行する。
【0106】
本発明に基づくと、予め決定された無線リソースを介した伝送に使用されるUEビームを効率的に制御することができる。
【0107】
本開示の様々な態様を上記に説明した。本明細書における教示は、広範なさまざまな形式で具体化することができ、本明細書に開示されている特定の構造、機能、又はその両方が、単に代表的なものであることは明らかなはずである。本明細書における教示に基づいて、当業者であれば、本明細書に開示された態様は任意の他の態様とは独立して実施することができ、これらの態様の2つ以上をさまざまな方法で組み合わせることができると認識するはずである。例えば、本明細書に記載の任意の数の態様を使用して、デバイスを実装するあるいは方法を実施することができる。さらに、本明細書に記載の態様の1つ以上のものに加えて、あるいはそれらとは異なる他の構造、機能、又は構造及び機能を使用して、そのようなデバイスを実装するあるいはそのような方法を実施することができる。上記概念のいくつかの例として、いくつかの態様では、パルス繰り返し周波数に基づいて同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様では、パルス位置又はオフセットに基づいて同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様では、時間ホッピングシーケンス(time hopping sequences)に基づいて同時チャネルが確立されることができる。
【0108】
当業者であれば、情報及び信号は、さまざまな異なる技術及び技巧のいずれかを使用して表わすことができることを理解するものである。例えば、上記の説明を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは粒子、光学フィールド若しくは粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表わすことができる。
【0109】
当業者であれば、本明細書で開示される態様に関連して説明したさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア(例えば、ソースコーディング若しくは何らかの他の技巧を使用して設計され得る、デジタル実装、アナログ実装又は、それら2つの組み合わせ)、命令を組み込む様々な形式のプログラム若しくは設計コード(本明細書では、便宜上、「ソフトウェア」又は「ソフトウェアモジュール」と称されることがある)又はそれら両方の組み合わせとして実装し得ると認識するものである。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に説明するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及びステップは、それらの機能性の点から一般的に上記に説明している。そのような機能性がハードウェア又はソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーション及びシステム全体に課される設計制約に依存する。当業者は、特定のアプリケーションごとに様々な方法で、説明した機能を実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲から逸脱させるものと解釈されるべきではない。
【0110】
さらに、本明細書で開示された態様に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末又はアクセスポイント内で実施される、あるいはそれらによって実行され得る。ICは、本明細書で説明した機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、電気部品、光学部品、機械部品又はそれらの任意の組み合わせを含むことができ、ICの内部、ICの外部又はその両方に存在するコード又は命令を実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又はステートマシンとすることができる。また、プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は他の任意のそのような構成として実現することができる。
【0111】
任意の開示されたプロセスにおけるステップのあらゆる特定の順序又は階層は、サンプルのアプローチの例であると理解する。設計嗜好に基づいて、本開示の範囲内にとどまりながら、プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は再構成することができると理解する。添付の方法の請求項は、サンプルの順序におけるさまざまなステップの要素を提示し、提示した特定の順序又は階層に限定されることを意味していない。
【0112】
本明細書に開示された態様に関連して説明した方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、又はそれら2つの組み合わせで直接的に具体化することができる。ソフトウェアモジュール(例えば、実行可能な命令及び関連データを含む)及び他のデータは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は本技術分野で知られている任意の他の形式のコンピュータ読み取り可能記憶媒体等のデータメモリに存在することができる。サンプルの記憶媒体は、例えば、コンピュータ/プロセッサ(本明細書では、便宜上「プロセッサ」と称されることがある)などの機械に結合されることができ、そのようなプロセッサは、情報(例えばコード)を記憶媒体から読み出し、情報を記憶媒体に書き込むことができる。サンプルの記憶媒体は、プロセッサに一体化することができる。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。ASICは、ユーザ機器内に存在することができる。代替的に、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ機器内のディスクリートコンポーネントとして存在することができる。さらに、いくつかの態様においては、任意の適切なコンピュータプログラム製品は、本開示の1つ以上の態様に関するコードを含むコンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。いくつかの態様では、コンピュータプログラム製品は、包装材料を含むことができる。
【0113】
本発明を様々な態様に関連して説明したが、本発明はさらなる修正が可能であると理解するものである。この出願は、一般に、本発明の原理に従う本発明のあらゆる変形、使用又は適合をカバーするものであり、本発明が関係する技術分野において、既知の慣用的な実施の範囲内となるような本開示からの逸脱したものを含む。