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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】構造のマイクロリソグラフィ加工
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20220106BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
G02B5/18
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019515483
(86)(22)【出願日】2017-09-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-05
(86)【国際出願番号】 US2017051143
(87)【国際公開番号】W WO2018057345
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】62/397,604
(32)【優先日】2016-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317000625
【氏名又は名称】モレキュラー インプリンツ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Molecular Imprints,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シン, ビクラムジット
【審査官】冨士 健太
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-513565(JP,A)
【文献】特開2003-057423(JP,A)
【文献】特開2012-233214(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0208394(US,A1)
【文献】特開2011-065183(JP,A)
【文献】特開2002-328234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
C23C 14/00 -14/58
G02B 5/18
5/30 - 5/32
G03F 7/20 - 7/24
9/00 - 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非対称構造を形成するマイクロリソグラフィ方法であって、前記マイクロリソグラフィ方法は、
基板上の共通表面から延在する複数の離散的な構造を形成することと、
各構造の片側の少なくとも一部マスキング材料を含まないように、前記マスキング材料に前記複数の構造を非対称に被覆させる条件下で、前記複数の構造にわたって前記マスキング材料を適用することと、
前記マスキング材料によって被覆されていない前記複数の構造の面積をエッチングすることと、
前記複数の構造から前記マスキング材料を剥離することと
を含み、
前記マスキング材料を含まない各構造の片側の前記一部は、第1の部分であり、
前記マイクロリソグラフィ方法は、各構造の片側の少なくとも第2の部分が金属触媒層を含まないように、前記金属触媒層に前記複数の構造を非対称に被覆させる第2の条件下で、前記複数の構造にわたって金属補助化学エッチング(MACE)のための前記金属触媒層を適用することをさらに含む、マイクロリソグラフィ方法。
【請求項2】
前記マスキング材料に前記複数の構造を非対称に被覆させる前記条件は、前記マスキング材料が堆積システムによって適用される堆積方向に対して非法線角度で前記基板を傾斜させることを含む、請求項1に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項3】
前記複数の構造は、構造の第1の領域と、構造の第2の領域とを含み、
前記マスキング材料を前記複数の構造に非対称に適用することは、前記マスキング材料構造の前記第1の領域に適用しながら構造の前記第2の領域をマスキングすることを含む、請求項1に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項4】
前記マスキング材料を前記複数の構造に非対称に適用することは、前記マスキング材料構造の前記第2の領域に適用しながら構造の前記第1の領域をマスキングすることを含む、請求項3に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項5】
前記複数の構造の面積をエッチングすることは、湿式エッチングプロセス、乾式エッチングプロセス、またはイオンビームエッチングプロセスのうちの1つを実行することを含む、請求項1に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項6】
前記第2の部分は、前記第1の部分と異なる、請求項に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項7】
前記マスキング材料に前記複数の構造を非対称に被覆させる前記条件は、前記マスキング材料が堆積システムによって適用される方向に対して第1の非法線角度で前記基板を傾斜させることを含み、
前記金属触媒層に前記複数の構造を非対称に被覆させる前記第2の条件は、前記金属触媒層が前記堆積システムによって適用される方向に対して第2の非法線角度で前記基板を傾斜させることを含み、
前記第2の非法線角度は、前記第1の非法線角度と異なる、請求項に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項8】
前記マイクロリソグラフィ方法は、前記基板から前記マスキング材料を剥離した後、前記複数の構造をエッチングすることをさらに含む、請求項1に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項9】
前記複数の構造の面積をエッチングする前の前記複数の構造は、正方形の外形、長方形の外形、台形の外形、または三角形の外形を有する、請求項1に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項10】
前記マスキング材料は、Cr、Ti、SiO、Al、ZrO、Ag、PtAuのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項11】
前記複数の構造は、Si、SiO、ポリマー材料、または有機・無機ハイブリッド材料を含む、請求項1に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項12】
前記複数の構造は、ナノ構造である、請求項1に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項13】
前記複数の構造は、マイクロ構造である、請求項1に記載のマイクロリソグラフィ方法。
【請求項14】
光学デバイスであって、
前記光学デバイスは、回折パターンを含む基板を備え、前記基板は、前記基板上に複数の構造を備え前記複数の構造のそれぞれは、第1の側面と、前記第1の側面の反対側にある第2の側面とを有し、
前記第1の側面の外形は、前記第2の側面の外形に対して非対称であり、
前記複数の構造は、第1の非対称外形を有する複数の第1の構造と、前記第1の非対称外形とは異なる第2の非対称外形を有する複数の第2の構造とを含む、光学デバイス。
【請求項15】
前記複数の構造は、Si、SiO、ポリマー材料、または有機・無機ハイブリッド材料を含む、請求項14に記載の光学デバイス。
【請求項16】
前記複数の構造は、ナノ構造である、請求項14に記載の光学デバイス。
【請求項17】
前記複数の構造は、マイクロ構造である、請求項14に記載の光学デバイス
【請求項18】
前記光学デバイスは、仮想現実システムまたは拡張現実システムにおいて使用される回折レンズである、請求項14に記載の光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2016年9月21日に出願された米国仮出願第62/397,604号の出願日の利益を主張するものである。米国出願第62/397,604号の内容は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本発明は、所望される幾何学形状を有するマイクロ構造およびナノ構造、およびそのような構造を加工するマイクロリソグラフィ方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ナノ加工は、100ナノメートルのオーダーまたはより小さい特徴を有する、非常に小さい構造の加工を含む。ナノ加工が非常に大きい影響を及ぼしている1つの用途は、集積回路の処理におけるものである。半導体処理産業は、基板上に形成される単位面積あたりの回路を増加させながら、より大きい生産収率を求めて努力し続けており、したがって、ナノ加工は、ますます重要になる。ナノ加工は、形成される構造の最小特徴寸法の継続的縮小を可能にしながら、より優れたプロセス制御を提供する。ナノ加工が採用されている他の開発分野は、バイオテクノロジー、光学技術、機械システム、および同等物を含む。
【0004】
ナノ加工は、基板上または基板内に種々の形状のマイクロ構造およびナノ構造を形成するための基板の処理を含み得る。そのような構造を形成するための1つの例示的プロセスは、インプリントリソグラフィである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、非対称外形を有するマイクロ構造およびナノ構造の形成に関する。非対称構造は、例えば、光導波管のためのより効率的な回折パターンの加工において有用であり得る。本開示の実装は、マスキング材料を基板に選択的に適用し、マスキング材料によって被覆されていない基板の部分をエッチングすることによって、非対称構造を加工するための方法を含む。例えば、マスキング材料は、後続のエッチングが構造を非対称形状に彫刻するような様式で、規則的に成形された離散構造に適用されることができる。
【0006】
一般に、本明細書に説明される主題の革新的な側面は、基板上の共通表面から延在する複数の離散構造を形成する作用と、各構造の片側の少なくとも一部が、マスキング材料を含まないように、マスキング材料に構造を非対称に被覆させる条件下で、構造にわたってマスキング材料を適用する作用と、マスキング材料によって被覆されていない、構造の面積をエッチングする作用と、構造からマスキング材料を剥離する作用とを含む、方法において具現化されることができる。本実装および他の実装はそれぞれ、随意に、以下の特徴のうちの1つ以上のものを含むことができる。
【0007】
いくつかの実装では、マスキング材料に構造を非対称に被覆させる条件は、マスキング材料が堆積システムによって適用される堆積方向に対して非法線角度で基板を傾斜させるステップを含む。
【0008】
いくつかの実装では、複数の構造は、構造の第1の領域と、構造の第2の領域とを含む。マスキング材料を構造に非対称に適用するステップは、マスキング材料を構造の第1の領域に適用しながら、構造の第2の領域をマスキングするステップを含み得る。いくつかの実装では、マスキング材料を構造に非対称に適用するステップは、マスキング材料を構造の第2の領域に適用しながら、構造の第1の領域をマスキングするステップを含み得る。
【0009】
いくつかの実装では、構造の面積をエッチングするステップは、湿式エッチングプロセス、乾式エッチングプロセス、またはイオンビームエッチングプロセスのうちの1つを実施するステップを含む。
【0010】
いくつかの実装では、マスキング材料を含まない各構造の片側の一部は、第1の部分であり、本方法は、各構造の片側の少なくとも第2の部分が、金属触媒層を含まないように、金属触媒層に構造を非対称に被覆させる第2の条件下で、構造にわたって金属補助化学エッチング(MACE)のための金属触媒層を適用するステップを含む。いくつかの実装では、第2の部分は、第1の部分と異なる。いくつかの実装では、マスキング材料に構造を非対称に被覆させる条件は、マスキング材料が堆積システムによって適用される方向に対して第1の非法線角度で基板を傾斜させるステップを含み、金属触媒層に構造を非対称に被覆させる第2の条件は、金属触媒層が堆積システムによって適用される方向に対して第2の非法線角度で基板を傾斜させるステップを含む。第2の非法線角度は、第1の非法線角度と異なり得る。
【0011】
いくつかの実装では、構造は、基板からマスキング材料を剥離した後、エッチングされる。
【0012】
いくつかの実装では、構造は、構造の面積をエッチングするステップの前に、正方形の外形、長方形の外形、台形の外形、または三角形の外形を有する。
【0013】
いくつかの実装では、マスキング材料は、Cr、Ti、SiO、Al、ZrO、Ag、Pt、またはAuのうちの1つを含む。いくつかの実装では、構造は、Si、SiO、ポリマー材料、または有機・無機ハイブリッド材料のうちの1つを含む。いくつかの実装では、構造は、ナノ構造である。いくつかの実装では、構造は、マイクロ構造である。
【0014】
別の一般的な側面は、基板上に複数の構造を含む、基板であって、構造はそれぞれ、第1の側面と、第1の側面の反対側にある第2の側面とを有し、第1の側面の外形は、第2の側面の外形に対して非対称である、基板において具現化され得る。本実装および他の実装はそれぞれ、随意に、以下の特徴のうちの1つ以上のものを含むことができる。
【0015】
いくつかの実装では、構造は、Si、SiO、ポリマー材料、または有機・無機ハイブリッド材料のうちの1つを含む。いくつかの実装では、構造は、ナノ構造である。いくつかの実装では、構造は、マイクロ構造である。
【0016】
いくつかの実装では、複数の構造は、第1の非対称外形を有する複数の第1の構造と、第1の非対称外形と異なる、第2の非対称外形を有する複数の第2の構造とを含む。
【0017】
いくつかの実装では、基板は、光学デバイス内に含まれる。いくつかの実装では、光学デバイスは、光導波管である。いくつかの実装では、光学デバイスは、一対の拡張現実グラスである。いくつかの実装では、複数の構造は、回折パターンを形成する。
本明細書に説明される主題の特定の実装は、以下の利点うちの1つ以上のものを実現するように実装されることができる。本開示の実装は、構造の大きいパターンのための種々の外形構造のマイクロパターンおよびナノパターンの加工を改良し得る。実装は、基板(例えば、Siウエハ)の異なる領域にわたって種々の外形を有する構造の加工を可能にし得る。実装は、より効率的な波(例えば、光学的)回折パターンの加工を可能にし得る。実装は、高アスペクト比を伴う機械的に安定したマイクロ/ナノ構造の製造を可能にし得る。
【0018】
本明細書で使用されるように、用語「マイクロ」、「マイクロ構造」、および「マイクロ特徴」は、50マイクロメートル以下の少なくとも1つの寸法を有する、構造または構造の特徴を表す。
【0019】
本明細書で使用されるように、用語「ナノ」、「ナノ構造」、および「ナノ特徴」は、500ナノメートル以下の少なくとも1つの寸法を有する、構造または構造の特徴を表す。
【0020】
本明細書に説明される主題の1つ以上の実施形態の詳細が、付随する図面および下記の説明に記載される。本主題の他の潜在的な特徴、側面、および利点が、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
非対称構造を形成するマイクロリソグラフィ方法であって、前記方法は、
基板上の共通表面から延在する複数の離散構造を形成することと、
各構造の片側の少なくとも一部が、マスキング材料を含まないように、前記マスキング材料に前記構造を非対称に被覆させる条件下で、前記構造にわたって前記マスキング材料を適用することと、
前記マスキング材料によって被覆されていない前記構造の面積をエッチングすることと、
前記構造から前記マスキング材料を剥離することと
を含む、方法。
(項目2)
前記マスキング材料に前記構造を非対称に被覆させる前記条件は、前記マスキング材料が堆積システムによって適用される堆積方向に対して非法線角度で前記基板を傾斜させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記複数の構造は、構造の第1の領域と、構造の第2の領域とを含み、
前記マスキング材料を前記構造に非対称に適用することは、前記マスキング材料を前記構造の第1の領域に適用しながら、前記構造の第2の領域をマスキングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記マスキング材料を前記構造に非対称に適用することは、前記マスキング材料を前記構造の第2の領域に適用しながら、前記構造の第1の領域をマスキングすることを含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記構造の面積をエッチングすることは、湿式エッチングプロセス、乾式エッチングプロセス、またはイオンビームエッチングプロセスのうちの1つを実施することを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記マスキング材料を含まない各構造の片側の前記一部は、第1の部分であり、
前記方法はさらに、各構造の片側の少なくとも第2の部分が、金属触媒層を含まないように、前記金属触媒層に前記構造を非対称に被覆させる第2の条件下で、前記構造にわたって金属補助化学エッチング(MACE)のための前記金属触媒層を適用することを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記第2の部分は、前記第1の部分と異なる、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記マスキング材料に前記構造を非対称に被覆させる前記条件は、前記マスキング材料が堆積システムによって適用される方向に対して第1の非法線角度で前記基板を傾斜させることを含み、
前記金属触媒層に前記構造を非対称に被覆させる前記第2の条件は、前記金属触媒層が前記堆積システムによって適用される方向に対して第2の非法線角度で前記基板を傾斜させることを含み、
前記第2の非法線角度は、前記第1の非法線角度と異なる、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記基板から前記マスキング材料を剥離した後、前記構造をエッチングすることをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記構造の面積をエッチングする前の前記構造は、正方形の外形、長方形の外形、台形の外形、または三角形の外形を有する、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記マスキング材料は、Cr、Ti、SiO 、Al 、ZrO 、Ag、Pt、およびAuのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記構造は、Si、SiO 、ポリマー材料、または有機・無機ハイブリッド材料を含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記構造は、ナノ構造である、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記構造は、マイクロ構造である、項目1に記載の方法。
(項目15)
光学デバイスであって、
基板であって、前記基板は、前記基板上に複数の構造を備える回折パターンを含み、前記構造のそれぞれは、第1の側面と、前記第1の側面の反対側にある第2の側面とを有する、基板
を備え、
前記第1の側面の外形は、前記第2の側面の外形に対して非対称である、デバイス。
(項目16)
前記構造は、Si、SiO 、ポリマー材料、または有機・無機ハイブリッド材料を含む、項目15に記載のデバイス。
(項目17)
前記構造は、ナノ構造である、項目15に記載のデバイス。
(項目18)
前記構造は、マイクロ構造である、項目15に記載の方法。
(項目19)
前記複数の構造は、第1の非対称外形を有する複数の第1の構造と、前記第1の非対称外形と異なる第2の非対称外形を有する複数の第2の構造とを含む、項目15に記載のデバイス。
(項目20)
前記システムは、仮想現実システムまたは拡張現実システムである、項目15に記載のデバイス。

【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、リソグラフィシステムの簡略側面図を図示する。
図2図2は、その上に位置付けられたパターン化された層を有する、基板の簡略側面図を図示する。
図3図3A-3Cは、その上にパターン化された例示的非対称構造を有する、基板の簡略側面図を図示する。
図4図4は、本開示の実装による、非対称構造を加工するための例示的プロセスを図示する。
図5図5は、本開示の実装による、非対称構造を加工するための第2の例示的プロセスを図示する。
図6図6は、本開示の実装による、非対称構造を加工するための第3の例示的プロセスを図示する。
図7A図7A-7Cは、本開示の実装による、基板上の構造にマスキング材料を非対称に適用するための例示的プロセスを図示する。
図7B図7A-7Cは、本開示の実装による、基板上の構造にマスキング材料を非対称に適用するための例示的プロセスを図示する。
図7C図7A-7Cは、本開示の実装による、基板上の構造にマスキング材料を非対称に適用するための例示的プロセスを図示する。
図8図8は、本開示の実装による、非対称構造を加工するための例示的方法のフローチャートを示す。
図9図9A-9Bは、非対称構造が使用され得る例示的デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
非対称外形を有するマイクロ構造およびナノ構造の加工の種々の実施例が、下記に説明される。非対称構造は、例えば、光導波管のためのより効率的な回折格子の加工において有用であり得る。概して、これらの実施例は、マスキング材料を基板に選択的に適用するステップと、マスキング材料によって被覆されていない基板の部分をエッチングするステップとを含む。例えば、マスキング材料は、後続のエッチングが構造を非対称形状に彫刻するような様式で、規則的に成形された離散構造に適用されることができる。
【0023】
図1は、基板102上にレリーフパターンを形成するインプリントリソグラフィシステム100を図示する。基板102は、基板チャック104に結合されてもよい。いくつかの実施例では、基板チャック104は、真空チャック、ピンタイプチャック、溝タイプチャック、電磁チャック、および/または同等物を含み得る。いくつかの実施例では、基板102および基板チャック104はさらに、空気ベアリング106上に位置付けられてもよい。空気ベアリング106は、x軸、y軸、および/またはz軸を中心とした運動を提供する。いくつかの実施例では、基板102および基板チャック104は、段上に位置付けられる。空気ベアリング106、基板102、および基板チャック104はまた、基部108上に位置付けられてもよい。いくつかの実施例では、ロボットシステム110が、基板102を基板チャック104上に位置付ける。
【0024】
基板102は、基板チャック104の反対側に位置付けられる、平面111を含むことができる。いくつかの実施例では、基板102は、基板102を横断して実質的に均一な(一定の)厚さと関連付けられることができる。
【0025】
インプリントリソグラフィシステム100はさらに、設計考慮事項に応じて、1つ以上のローラ114に結合される、インプリントリソグラフィ可撓性テンプレート112を含む。ローラ114は、可撓性テンプレート112の少なくとも一部の移動を提供する。そのような移動は、基板102と重なる可撓性テンプレート112の異なる部分を選択的に提供し得る。いくつかの実施例では、可撓性テンプレート112は、複数の構造、例えば、離間される陥凹部および突出部を含む、パターン化表面を含む。しかしながら、いくつかの実施例では、構造の他の構成も可能である。パターン化表面は、基板102上に形成されるべきパターンの基礎を形成する、任意の原パターンを画定してもよい。いくつかの実施例では、可撓性テンプレート112は、テンプレートチャック、例えば、真空チャック、ピンタイプチャック、溝タイプチャック、電磁チャック、および/または同等物に結合されてもよい。
【0026】
インプリントリソグラフィシステム100はさらに、流体分注システム120を備えてもよい。流体分注システム120は、基板102上に重合性材料を堆積させるために使用されてもよい。重合性材料は、液滴分注、スピンコーティング、浸漬コーティング、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、薄膜蒸着、厚膜蒸着、および/または同等物等の技法を使用して基板102上に位置付けられてもよい。いくつかの実施例では、重合性材料は、複数の液滴として基板102上に位置付けられる。
【0027】
図1および2を参照すると、インプリントリソグラフィシステム100はさらに、基板102に向かってエネルギーを指向するように結合される、エネルギー源122を備えてもよい。いくつかの実施例では、ローラ114および空気ベアリング106は、可撓性テンプレート112および基板102の所望される部分を所望される位置に位置付けるように構成される。インプリントリソグラフィシステム100は、空気ベアリング106、ローラ114、流体分注システム120、および/またはエネルギー源122と通信するプロセッサによって調整されてもよく、メモリ内に記憶されるコンピュータ可読プログラム上で動作してもよい。
【0028】
いくつかの実施例では、ローラ114、空気ベアリング106、または両方は、可撓性テンプレート112と基板102との間の距離を変動させ、その間に、重合性材料によって充填される、所望される容積を画定する。例えば、可撓性テンプレート112は、重合性材料に接触する。所望される容積が重合性材料によって充填された後、エネルギー源122が、エネルギー、例えば、広帯域紫外線放射を生成し、重合性材料を凝固および/または架橋結合させて、基板102の表面および可撓性テンプレート112のパターン化表面の一部の形状に共形化させ、基板102上にパターン化された層150を画定する。いくつかの実施例では、パターン化された層150は、残留層152と、突出部154および陥凹部156として示される複数の構造とを備えてもよい。
【0029】
図3A-3Cは、その上にパターン化された例示的非対称構造300、320、340を伴うパターン化された層150を有する、基板102の簡略側面図を図示する。より具体的には、図3Aおよび3Bは、「椅子様」の非対称外形を有する例示的構造300、320を図示し、図3Cは、非対称三角形の外形を有する例示的構造340を図示する。構造300、320、340はそれぞれ、第1の側面302と、第2の側面304とを含む。示されるように、各構造300、320、340の第2の側面304は、個別の第1の側面302に対して非対称であるように加工される。
【0030】
パターン化された層150および構造300、320、340は、限定ではないが、Si、SiO、ポリマー材料、または有機・無機ハイブリッド材料を含む、材料を使用して加工されることができる。例示的有機・無機ハイブリッド材料は、メチル基および酸化ケイ素とともに炭素ポリマー層を形成する、大気圧または低圧力条件下でArおよび酸素ベースのプラズマに暴露される、2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサンから成る、膜またはパターン化された層である。別の例示的有機・無機ハイブリッド材料は、基板上に窒化ケイ素を堆積させるために使用されることができる、ヘキサクロロジシランである。別の実施例では、ヘキサクロロジシランは、シリコン酸窒化物を堆積させ、高屈折率(n<1.7)の透明膜を形成するためにAr/Oプラズマと併用されることができる。これらの層は、レリーフ構造にわたって堆積およびエッチングまたは直接堆積されることができる。加えて、構造300、320、340は、例えば、マイクロ構造またはナノ構造であり得る。
【0031】
いくつかの実装では、複数の異なるタイプの非対称構造300、320、340が、単一の基板上に含まれる。例えば、基板102は、第1の領域内に構造300と、第2の領域内に構造320と、第3の領域内に構造340とを含むように加工される、パターン化された層150を含むことができる。
【0032】
いくつかの実装では、構造300、320、340等の非対称の輪郭にされた構造は、依然として、高アスペクト比の幾何学形状を提供するが、高くかつ狭小な長方形構造等のいくつかの対称構造より機械的に安定性である。例えば、高アスペクト比の外形は、剛性または塑性基板にわたってワイヤグリッド偏光子のための斜め蒸着(GLAD)ベースのインプリントを加工するために望ましい。しかしながら、(例えば、図2に示されるような)高アスペクト比を有する対称構造が、あまり機械的に安定性ではない場合がある一方で、機械的安定性は、非対称外形を使用する構造において改良されることができる。さらに、より大きい体積の金属310(例えば、Al)は、あまり安定していない対称構造上よりも、(例えば、図3Aに示されるような)安定した非対称外形上に非対称に堆積されることができる。いくつかの実施例では、金属310はまた、対称構造上よりも非対称構造上に堆積されたときに高く垂直に充塞されることができる。
【0033】
図4は、本開示の実装による、非対称構造を加工するための例示的プロセス400を図示する。ステップ(402)において、複数の離散構造420が、基板102上に形成される。構造420は、例えば、インプリントリソグラフィ、フォトリソグラフィ、およびエッチング、または他の適切な加工技法によって形成されることができる。例えば、構造420は、上記に説明されるように、インプリントリソグラフィシステム100を使用して形成されることができる。構造420は、略対称外形を有する。言い換えると、各構造420の片側422aの形状は、左右対称を形成する、各構造420の反対側422bの形状と実質的に同一である。構造420の開始外形は、限定ではないが、正方形の外形、長方形の外形、台形の外形、または三角形の外形を含む、任意の略対称形状を含むことができる。加えて、構造420は、マイクロ構造またはナノ構造であり得る。
【0034】
ステップ(404)において、マスキング材料424が、構造420に適用される。マスキング材料424は、マスキング材料に構造420を非対称に被覆させる条件下で適用される。例えば、示されるように、マスキング材料424は、構造420の側面422bを完全に被覆するが、構造420の側面422aを被覆しない。しかしながら、マスキング材料424は、厳密に図4に示されるように適用される必要はない。マスキング材料424は、任意の所望される非対称パターンで構造420を被覆するように適用されることができる。例えば、側面422bは、マスキング材料424によって部分的にのみ被覆されるが、完全に被覆されなくてもよい。側面422aは、マスキング材料424によって部分的に被覆されてもよい。例えば、両方の側面422aおよび422bの一部は、マスキング材料424によって被覆されてもよい。しかしながら、構造420へのマスキング材料424の非対称適用を維持するために、マスキング材料424によって被覆される側面422aの一部は、マスキング材料424によって被覆される側面422bの一部より小さくあり得る。
【0035】
マスキング材料424は、限定ではないが、化学蒸着(CVD)および物理蒸着(PVD)を含む、堆積プロセスを使用して適用されることができる。マスキング材料424を非対称に適用するための例示的条件が、図7A-7Cを参照して下記により詳細に説明される。さらに、マスキング材料424は、1つの材料またはCr、Ti、SiO、Al、ZrO、Ag、Pt、またはAuのうちの材料を含み得る。
【0036】
ステップ(406)において、構造420が、エッチングされる。具体的には、示される実施例において、パターン化された層150が、エッチングされ、構造420の全体的形状を修正し、それによって、構造420内に非対称外形を生成する。例えば、マスキング材料424によって被覆されていない構造420(およびパターン化された層150)の部分が、エッチングされ、陥凹部426を形成する。構造420は、限定ではないが、湿式エッチングプロセス、プラズマエッチングプロセス、乾式エッチングプロセス、またはイオンビームエッチング/ミリングプロセスを含む、エッチングプロセスを使用して、エッチングされることができる。
【0037】
ステップ(408)において、マスキング材料424が、除去される。例えば、マスキング材料424は、プラズマまたは化学剥離プロセスを使用して、構造420およびパターン化された層150から剥離されることができる。示されるように、マスキング材料を除去するステップは、マスキング材料424の非対称適用および後続のエッチングによって生成される、構造420aの非対称外形を露見させる。
【0038】
いくつかの実装では、随意のステップ(410)において、非対称構造420aが、二度目にエッチングされ、それらの形状をさらに改変する。例えば、構造に適用されるマスキング材料を伴わない第2のエッチングが、非対称構造420aの縁を丸くする、または平滑化するために使用されることができる。第2のエッチングを実施するために使用されるタイミングおよび技法は、改変され、非対称構造430を生成する外形428または非対称構造434を生成する外形432等の異なる外形を生成することができる。例えば、外形428(非対称構造430)は、CHF、CF、およびArを用いた、比較的により低いイオンエネルギーエッチング製法(例えば、より高い圧力、より低い電力)を使用することによって、非対称構造420aから生成されることができる。よりテーパ状の外形432(非対称構造434)は、CFおよびArを用いた、比較的により高いイオンエネルギーエッチング製法(例えば、より低い圧力、より高い電力)を使用することによって、非対称構造420aから生成されることができる。
【0039】
図7A-7Cは、本開示の実装による、基板上の構造にマスキング材料を非対称に適用するための例示的プロセスを図示する。図7Aは、堆積システム702の簡略ブロック図を示す。例えば、堆積システム702は、CVDシステムまたはPVDシステムであり得る。堆積システム702は、基板102上に堆積材料704(例えば、マスキング材料)を堆積させる。堆積材料704は、概して、基板102に転写される際、気相の状態である。例えば、CVDシステムでは、堆積材料704は、原料ガスであり得る一方で、PVDシステムでは、堆積材料704は、基板102の上に蒸着またはスパッタリングされる原材料であり得る。
【0040】
堆積システム702は、一般的な堆積方向706に沿って(例えば、示されるようなy軸に沿って)堆積材料704を基板の上に指向する。当業者は、堆積材料704が、ガス分子の無作為運動に起因して単一の直線経路に沿って忠実に進行しないが、一般的な堆積方向が、決定され得ることを理解するであろう。すなわち、堆積材料704は、概して、全方向ではなく、狭い範囲の方向から基板に向かって指向される。しかしながら、単純化のために、堆積方向706は、直線経路と称されるであろう。
【0041】
基板102は、堆積方向706に対して傾斜される。より具体的には、基板102は、基板102が堆積システムの堆積方向706に対して非法線角度を形成するように傾斜される。基板102をそのような角度に傾斜させるステップは、堆積材料704を基板102から外向きに延在する任意の構造(例えば、図4の構造420)に非対称に適用させる。例えば、基板の拡大された領域「A」に示されるように、傾斜されると、構造708の片側が、構造708の反対側を堆積材料704の経路から遮断または遮蔽する。堆積材料は、したがって、構造708の遮断されていない側面上に優先的に堆積される。
【0042】
いくつかの実装では、基板102は、基板102が堆積方向706に対して種々の角度に傾斜されることを可能にする、操作可能なプラットフーム上に搭載されることができる。(図5に関して下記に説明されるような)多段階加工プロセスでは、これは、第1の傾斜角での第1のマスキング材料および異なる傾斜角での後続のマスキング材料の適用を可能にし得る。さらに、基板102は、複数の軸を中心として枢動され、構造708の異なる側面を非対称にマスキングすることによって、異なる構造幾何学形状を生成してもよい。例えば、図7Aに示される基板102は、ページから外に延在するX軸を中心として傾斜されて図示されているが、マスキング材料の後続の適用に関して、基板102は、z軸を中心として枢動されてもよい。
【0043】
図7Bおよび7Cを参照すると、いくつかの実装では、堆積基板は、構造の複数の異なる領域730a、730b、730cを含み得る。そのような実装に関して、堆積システム702は、堆積材料704が他の領域(例えば、領域730b、730c)に接触することを防止しながら、マスキング材料を1つ以上の特定の領域(例えば、領域730a)に優先的に適用するためのマスクまたはシャッタ732を含むことができる。基板102またはマスキング/シャッタ732のいずれかは、遠隔で回転され、堆積システム702の圧力または温度条件を破る必要なく、または基板102の傾斜角を改変する必要なく、堆積材料704に暴露される領域730a、730b、730cの間を行き来することができる。例えば、基板102は、遠隔で回転され、構造の各領域730a、730b、730cをマスキング/シャッタ730内の窓734と交互に整合させることができる。いくつかの実装では、マスキング/シャッタ732は、堆積システム702の圧力または温度条件を破る必要なく、基板102に関して異なる傾斜角を使用して、構造の各領域730a、730b、730cへの堆積材料704の適用を可能にし得る。
【0044】
いくつかの実装では、プロセス400は、図5に示され、下記に議論されるように繰り返されることができる。図5は、非対称構造を加工するための第2の例示的プロセス500を図示する。プロセス500は、プロセス400に類似するが、しかしながら、プロセス500は、プロセス400のステップのうちのいくつかの複数の反復を含む。
【0045】
ステップ(502)において、複数の離散構造520が、基板102上に形成される。構造520は、例えば、インプリントリソグラフィ、フォトリソグラフィ、およびエッチング、または他の適切な加工技法によって形成されることができる。例えば、構造520は、上記に説明されるように、インプリントリソグラフィシステム100を使用して形成されることができる。上記に議論される構造420と同様に、構造520は、略対称外形を有する。加えて、構造520は、マイクロ構造またはナノ構造であり得る。
【0046】
ステップ(504)において、マスキング材料522が、構造520に適用される。マスキング材料522は、マスキング材料に構造520を非対称に被覆させる条件下で適用される。例えば、マスキング材料424に関して上記に議論されるように、マスキング材料522は、厳密に図5に示されるように適用される必要はない。マスキング材料522は、任意の所望される非対称パターンで構造520を被覆するように適用されることができる。マスキング材料522は、限定ではないが、化学蒸着(CVD)および物理蒸着(PVD)を含む、堆積プロセスを使用して適用されることができる。例えば、図7A-7Cに関して上記に議論されるように、マスキング材料522は、マスキング材料が堆積されている方向に対して非法線傾斜角度に基板102を傾斜させることによって、構造520に適用されることができる。さらに、マスキング材料522は、1つの材料またはCr、Ti、SiO、Al、ZrO、Ag、Pt、またはAuのうちの材料を含み得る。
【0047】
ステップ(506)において、構造520が、エッチングされる。具体的には、示される実施例において、パターン化された層150が、エッチングされ、構造520の全体的形状を修正し、それによって、構造520内に非対称外形を生成する。例えば、マスキング材料522によって被覆されていない構造520(およびパターン化された層150)の部分が、エッチングされ、陥凹部524を形成する。構造520は、限定ではないが、湿式エッチングプロセス、プラズマエッチングプロセス、乾式エッチングプロセス、またはイオンビームエッチング/ミリングプロセスを含む、エッチングプロセスを使用して、エッチングされることができる。
【0048】
ステップ(508)において、マスキング材料522が、除去され、第2のマスキング材料526が、ここでは修正された構造520aに適用される。上記のように、マスキング材料522は、プラズマまたは化学剥離プロセスを使用して、構造520およびパターン化された層150から剥離されることができる。示されるように、修正された構造520aは、マスキング材料522の非対称適用および後続のエッチングによって生成される、非対称外形を有する。修正された構造520aの形状は、第2のマスキング材料526を修正された構造520aに適用することによってさらに改変されることができる。第2のマスキング材料526は、第1のマスキング材料522のものと同一の材料またはそれと異なる材料であり得る。
【0049】
第2のマスキング材料526は、第1のマスキング材料と同様に(例えば、示されるように)適用されることができる。言い換えると、第2のマスキング材料は、第1のマスキング材料が構造520に適用されたものと同一の構造520aの側面に非対称に適用されることができる。いくつかの実装では、第2のマスキング材料は、構造520aの異なる側面に、または第1のマスキング材料522が構造520に適用された方法と異なる割合で構造520aの種々の側面に、非対称に適応されることができる。例えば、上記に議論されるように、第1のマスキング材料522は、マスキング材料が堆積されている方向に対して非法線傾斜角度に基板102を傾斜させることによって、構造520に適用されることができる。故に、第2のマスキング材料526は、第1のマスキング材料522を適用するために使用されるものとは異なる角度に基板102を傾斜させることによって適用されることができる。基板102は、第2のマスキング材料526が、第1のマスキング材料522が構造520に適用されたものとは異なる構造520aの側面に適用されるように、異なる軸を中心として回転または傾斜されることができる。
【0050】
ステップ(510)において、構造520aが、エッチングされる。具体的には、示される実施例において、パターン化された層150が、エッチングされ、構造520aの全体的形状を修正し、それによって、構造520aの非対称外形をさらに修正する。例えば、マスキング材料526によって被覆されていない構造520a(およびパターン化された層150)の部分が、エッチングされ、陥凹部528を形成する。構造520aは、限定ではないが、湿式エッチングプロセス、プラズマエッチングプロセス、乾式エッチングプロセス、またはイオンビームエッチング/ミリングプロセスを含む、エッチングプロセスを使用して、エッチングされることができる。
【0051】
ステップ(512)において、マスキング材料526が、除去される。例えば、マスキング材料526は、プラズマまたは化学剥離プロセスを使用して、構造520およびパターン化された層150から剥離されることができる。示されるように、マスキング材料を除去するステップは、マスキング材料526の非対称適用および後続のエッチングによって生成される、構造520bの非対称外形を露見させる。
【0052】
プロセス400の随意のステップ(408)は、ステップ(512)の後、ステップ(506)において第1のマスキング材料522が除去された後、または両方のいずれかで、実施されることができる。より具体的には、非対称構造520a、520b、または両方のいずれかは、それらの形状をさらに改変させるために適用されるマスキング材料を用いることなくエッチングされることができる。
【0053】
図6は、非対称構造を加工するための第3の例示的プロセス600を図示する。プロセス600は、非対称構造の加工のための非対称に適用された金属補助化学エッチング(MACE)材料の使用を含む。プロセス400および500におけるように、複数の離散構造620が、基板102上に形成される。構造620は、例えば、インプリントリソグラフィ、フォトリソグラフィ、およびエッチング、または他の適切な加工技法によって形成されることができる。上記に議論される構造420および520と同様に、構造620は、略対称外形を有する。加えて、構造620は、マイクロ構造またはナノ構造であり得る。
【0054】
ステップ(602)において、マスキング材料622およびMACE触媒材料624が、構造620に適用される。マスキング材料622および触媒材料624は、マスキング材料622および触媒材料624に構造620を非対称に被覆させる条件下で適用される。例えば、マスキング材料622および触媒材料624は、限定ではないが、CVDおよびPVDプロセスを含む、堆積プロセスを使用して適用されることができる。マスキング材料622および触媒材料624aを非対称に適用するための例示的条件が、図7A-7Cを参照して下記により詳細に説明される。さらに、マスキング材料622は、1つの材料またはCr、Ti、SiO、Al、ZrO、Ag、Pt、またはAuのうちの材料を含み得る。触媒材料624は、1つの材料またはAu、Pt、Au-Pd合金のうちの材料を含み得る。
【0055】
いくつかの実装では、マスキング材料622および触媒材料624は、図6に示されるように、異なる非対称パターンを生成するように、異なる条件下で適用されることができる。例えば、マスキング材料622は、堆積システムの堆積方向に対して第1の角度に基板102を傾斜させることによって適用されることができ、触媒材料624は、第1の角度と異なる第2の角度に基板102を傾斜させることによって適用されることができる。
【0056】
いくつかの実装では、触媒材料624は、マスキング材料622を用いることなく、単独で構造に適用されてもよい。さらに、マスキング材料は、触媒材料624の前に構造に適用されるものとして説明され、示されるが、いくつかの実装では、触媒材料624が、マスキング材料622の前に適用されてもよい。
【0057】
ステップ(604)において、構造620が、エッチングされる。具体的には、示される実施例において、パターン化された層150が、エッチングされ、構造620の全体的形状を修正し、それによって、構造620内に非対称外形を生成する。例えば、マスキング材料622によって被覆されていないが、触媒材料624によって被覆される構造620(およびパターン化された層150)の部分が、エッチングされ、陥凹部626を形成する。触媒材料624は、触媒と接触している構造620およびパターン化された層150のそれらの部分を、構造620およびパターン化された層150単独よりも高速でエッチングさせる。
【0058】
ステップ(606)において、マスキング材料622およびいかなる残りの触媒材料624も、除去される。例えば、マスキング材料622および残りの触媒材料624は、プラズマまたは化学剥離プロセスを使用して、構造620およびパターン化された層150から剥離されることができる。示されるように、マスキング材料622および残りの触媒材料624を除去するステップは、プロセス600によって生成される、構造620aの非対称外形を露見させる。
【0059】
図8は、本開示の実装による、非対称構造を加工するための例示的方法800のフローチャートを示す。プロセス800は、論理フロー図に配列される、参照された行為の集合として図示される。行為が説明される順序は、限定として解釈されることを意図せず、任意の数の説明される行為が、プロセスを実装するように、他の順序で、および/または並行して組み合わせられ得る。
【0060】
複数の離散構造が、基板上に形成される(802)。構造は、例えば、インプリントリソグラフィ、フォトリソグラフィ、およびエッチング、または他の適切な加工技法によって形成されることができる。例えば、構造は、上記に説明されるように、インプリントリソグラフィシステム100を使用して形成されることができる。いくつかの実施例では、構造は、略対称外形を有する。言い換えると、各構造の片側の形状は、各構造の反対側の形状と実質的に同一であり、それによって、左右対称を形成する。構造の開始外形は、限定ではないが、正方形の外形、長方形の外形、台形の外形、または三角形の外形を含む、任意の略対称形状を含むことができる。加えて、構造は、マイクロ構造またはナノ構造であり得る。
【0061】
いくつかの実装では、構造は、複数の別個の領域内に形成される。例えば、構造の複数の区域が、単一の基板上に形成されることができる。ある場合には、構造の各領域が、同様に処理され、同様に成形された非対称構造を形成する。他の場合では、構造の各領域が、異なるように処理され、同一の基板上に異なるように成形された非対称構造を形成する。
【0062】
マスキング材料が、構造に非対称に適用される(804)。マスキング材料は、マスキング材料に構造を非対称に被覆する非対称マスキングパターンを形成させる条件下で、適用される。例えば、構造のそれぞれまたはいくつかに関して、マスキング材料は、構造の第1の側面を完全に被覆してもよいが、構造の第2の反対側を被覆しなくてもよい。マスキング材料は、任意の所望される非対称パターンで構造を被覆するように適用されることができる。例えば、構造の第1の側面は、マスキング材料によって部分的にのみ被覆されるが、完全に被覆されなくてもよい。第2の反対側はまた、マスキング材料によって部分的に被覆されてもよい。しかしながら、構造へのマスキング材料の非対称適用を維持するために、マスキング材料によって被覆される第1の側面の一部は、マスキング材料によって被覆される第2の側面の一部より小さくあり得る。
【0063】
マスキング材料は、限定ではないが、CVDおよびPVDプロセスを含む、堆積プロセスを使用して適用されることができる。マスキング材料を非対称に適用するための条件は、(例えば、図7A-7Cを参照して上記に説明されるように)堆積材料が堆積システム内の基板に転写される方向に対して非法線角度に基板を傾斜するステップを含むことができる。さらに、マスキング材料は、1つの材料またはCr、Ti、SiO、Al、ZrO、Ag、Pt、またはAuのうちの材料を含み得る。いくつかの実装では、MACE触媒材料が、(例えば、上記のプロセス600を参照して説明されるように)マスキング材料に加え、またはそれの代わりに、構造に非対称に適用されることができる。
【0064】
構造のマーキングされていない部分が、エッチングされる(806)。構造および/または構造の下方の層が、エッチングされ、構造の全体的形状を修正し、それによって、構造内に非対称外形を生成する。例えば、マスキング材料によって被覆されていない構造の部分が、エッチングされ、構造および/または構造の下方の材料の残存層内に陥凹部を形成する。構造は、限定ではないが、湿式エッチングプロセス、プラズマエッチングプロセス、乾式エッチングプロセス、またはイオンビームエッチング/ミリングプロセスを含む、エッチングプロセスを使用してエッチングされることができる。
【0065】
マスキング材料が、構造から除去される(808)。例えば、マスキング材料は、プラズマまたは化学剥離プロセスを使用して、構造および下位層から剥離されることができる。マスキング材料を除去するステップは、マスキング材料の非対称適用および後続のエッチングによって生成される、構造の非対称外形を露見させる。
【0066】
いくつかの実装では、破線809によって示されるように、プロセスは、ステップ(804)に戻り、ステップ(804)-(808)は、繰り返される。例えば、プロセス500に関して上記に議論されるように、ステップ(804)-(808)は、繰り返され、構造の非対称形状をさらに改変することができる。例えば、別のマスキング材料が、異なる条件下で適用され、異なる非対称マスキングパターンを生成することができる。
【0067】
構造が、随意に、適用されるマスキング材料を用いることなくエッチングされる(810)。例えば、構造に適用されるマスキング材料を伴わない第2のエッチングが、非対称構造の縁を丸くする、または平滑化するために使用されることができる。第2のエッチングを実施するために使用されるタイミングおよび技法が、改変され、異なる外形を生成することができる。
【0068】
非対称マイクロ構造およびナノ構造は、光学デバイスにおける使用のための回折パターンを作成するために使用されることができる。例えば、非対称構造を含む回折パターンは、光導波管において使用される回折レンズまたは光結合器等のデバイスのためのより効率的な光学回折パターンを提供し得る。
【0069】
図9A-9Bは、非対称構造が使用される例示的デバイスを示す。図9Aは、例示的光学システム900の斜視図を示す。光学システム900は、例えば、一対の仮想現実または拡張現実グラスとして図示される、光学投影システムである。例示的光学システムは、システム900のレンズ904上に画像を投影するための回折レンズおよび結合器を含み得る。システム900は、(例えば、プロセッサから)画像を表すデータを受信し、画像をシステム900のレンズ904上の領域902の上に投影することができる。故に、ユーザは、レンズ904を通して可視である場面上にオーバレイされたものとして、領域902内に投影された画像を両方とも視認することができる。他の例示的投影システムは、限定ではないが、ビデオプロジェクタ、モバイルビデオプロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ(例えば、車両用ヘッドアップディスプレイ)、顕微鏡、望遠鏡、および他の光学デバイスを含み得る。他の例示的光学システム900では、非対称構造は、反射偏光子フィルム(例えば、GLADワイヤグリッド偏光子)内で使用されることができる。例えば、非対称構造は、スマートフォン、LCDモニタ、LCDテレビ、タブレットコンピュータ等において使用されるもの等のLCDディスプレイシステムのための反射偏光フィルム内で使用されることができる。
【0070】
図9Bはユーザの眼の正面に位置付けられることができる、レンズ952内に画像を投影するための導波管950の上面図を示す。例えば、導波管950は、ユーザに拡張現実画像を提供するための一対のグラス954に取り付けられることができる。導波管950は、プロセッサから画像データを受信し、導波管950のレンズ952内に画像を投影する。
【0071】
投影システム900内の回折レンズおよび光結合器および導波管950は、(上記に開示されるような)非対称マイクロおよび/またはナノ構造を伴う回折パターンを含み、そのようなレンズおよび光結合器の回折効率を改良することができる。例えば、改良された回折効率は、ユーザに、より明るく、より可視的な画像をもたらし得る。改良された回折効率はまた、拡張現実および他の光学システムのためのエネルギー節約をもたらし得る。
【0072】
回折パターンが、光学システムを参照して説明されるが、本開示の実装は、可視光のための回折パターンに限定されないことを理解されたい。代わりに、本明細書に説明されるマイクロ構造およびナノ構造および同構造を加工するためのプロセスが、加工される構造の特徴に対応する波長を有する、種々の電磁波のための回折パターンを生成するために使用されることができる。例えば、本明細書に説明されるマイクロ構造およびナノ構造は、赤外線(IR)波長から紫外線(UV)波長、および潜在的にX線に及ぶ、電磁波のための回折パターンで機能的であり得る。
【0073】
いくつかの実施例が、例証の目的のために説明されているが、前述の説明は、添付の請求項の範囲によって定義される、本発明の範囲を限定することを意図していない。以下の請求項の範囲内の他の実施例および修正も存在し、かつ存在するであろう。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B