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特許6994033ドメスチックデータを送信するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ドメスチックデータを送信するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/08 20060101AFI20220106BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
H04L1/08
H04L1/00 E
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019526007
(86)(22)【出願日】2017-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2017001245
(87)【国際公開番号】W WO2018091126
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-04-27
(31)【優先権主張番号】102016013653.7
(32)【優先日】2016-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519068124
【氏名又は名称】ディール、メータリング、システムズ、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DIEHL METERING SYSTEMS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100206243
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貴士
(72)【発明者】
【氏名】フリスト、ペトコフ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、ラウテンバッハー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、カオプペルト
(72)【発明者】
【氏名】クラウス、ゴットシャルク
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-135128(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0355410(US,A1)
【文献】特開2005-057366(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1976316(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/08
H04L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ISMおよびSRD周波数帯の少なくとも一方における、確率的干渉を伴い、先験的に知られておらず変化する瞬間的なチャネル割り当てが行われる送信チャネル(17)を介してデータソース(10)からメモリ(20)へデータメッセージ(14n)の形態でドメスチックデータを反復送信するための方法であって、
パケット誤り率(PER)は、比較器(21)において、ある期間にわたって受信されたデータメッセージ(14m)に対して、その間に送信されたデータメッセージに対する干渉なしに受信されたデータメッセージの比率(14m/14n)として、決定され、
反復送信されている現在のデータメッセージが、前記送信チャネル内の干渉の影響を受けても、十分な程度の確率でメモリに正しく取り込まれるように、かつ、
前記データソースのトランシーバの送信機内の所定の機能的寿命を有するバッテリーの不必要な使用を避けるために、反復送信の回数をでき得る最小回数とすることを目指すことにより、
今後の反復送信の数(n')は、パケット誤り率(PER)に影響を及ぼす、具体的には指定する、という目的で変更され
前記干渉は、前記チャネル内の他の信号との重畳によって発生し、
前記データソース(10)は供給媒体の消費量を判定するための消費量メータであり、および/または、前記メモリ(20)はデータコレクタまたはデータコンセントレータである、
方法。
【請求項2】
前記送信チャネル(17)を介する今後の反復送信の数(n’)が、前記比較器(21)に記憶されて、前記データソース(10)のトランシーバ(16)に送信されることを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データソース(10)の少なくとも送信機(15)および/またはセンサ(11)を動作させる目的でバッテリ(23)が設けられ、今後の反復送信の数(n’)または頻度が、前記バッテリ(23)の動作期間の終わりに向かって減少する、ということを特徴とする
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
今後の反復送信の数(n’)が、プログラム制御、リモート制御、または手動で、影響されることを特徴とする
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
連続したデータメッセージ(14n)は、それぞれ部分メッセージとして送受信され、不正確な部分メッセージが、既に反復して送受信されたデータメッセージ(14n)の一つからの正しいデータメッセージで置き換えられている、ということを特徴とする
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
パケット誤り率(PER)は、最適パケット誤り率(PER(desired))に基づいて特定され、最適パケット誤り率(PER(desired))は、データメッセージまたは部分メッセージの要求される放出の数n(desired)を決定するために用いられる、ということを特徴とする
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
現在のパケット誤り率(PER(actual))は、特定期間内に送信されたデータメッセージの数n(tx)と、実際に受信されたデータメッセージ数のn(Rx)と、から決定され、今後の反復送信の数(n’)が、現在のパケット誤り率PER(actual)に基づいて変更されることを特徴とする
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記メモリ(20)内の装置および/またはソフトウェアソリューションが、前記比較器(21)として、提供されることを特徴とする
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記送信チャネル(17)が双方向送信チャネルであることを特徴とする
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1ないしのいずれか一項に記載の方法を実行するために設計され、データソース(10)内にセンサ(11)およびトランシーバ(16)を備え、メモリ(20)内にトランシーバ(19)を備え、ISMおよびSRD周波数帯の少なくとも一方における、確率的干渉を伴い、先験的に知られておらず変化する瞬間的なチャネル割り当てが行われる送信チャネル(17)を介してメッセージデータを反復送信するための装置であって、
比較器(21)が前記メモリ(20)内に設けられ、干渉なしに受信されたデータメッセージの数(m)の、その間に送信されたデータメッセージの数(n)に対する比率(14m/14n)からパケット誤り率(PER)を決定するように設定され
反復送信されている現在のデータメッセージが、送信チャネル内の干渉の影響を受けても、十分な程度の確率でメモリに正しく取り込まれるように、かつ、
前記データソースのトランシーバの送信機内の所定の機能的寿命を有するバッテリーの不必要な使用を避けるために、反復送信をでき得る最小回数とすることを目指すことにより、
今後の反復送信の数(n’)は、パケット誤り率(PER)から導出され、今後の反復送信の数(n’)は、前記メモリ(20)の前記トランシーバ(19)から、前記データソース(10)の前記トランシーバ(16)に送信され
前記干渉は、前記チャネル内の他の信号との重畳によって発生し、
前記データソース(10)は供給媒体の消費量を判定するための消費量メータであり、および/または、前記メモリ(20)はデータコレクタまたはデータコンセントレータである、
装置。
【請求項11】
今後の反復送信の数(n’)に影響を及ぼすためのハンドル(22)が、前記メモリ(20)に設けられていることを特徴とする
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ハンドル(22)は、手動で作動させることができ、遠隔制御することができ、および/または、ソフトウェア(プログラム制御可能)によって制御することができることを特徴とする
請求項10または11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドメスチックデータを反復送信するための方法と、本発明に関する方法を実行するための装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州出願公開公報第2953275 A1号は、センサによる一連の消費量測定値をデータソースが取得するという無線送信システムを記載している。それぞれのデジタル化された測定値、または、測定値と、ソース識別と、送信アドオンと、を含む測定データ記録は、起点に関連する方法で符号化されたデータメッセージの形式で、双方向の近距離データ無線ダウンリンクを用いて、このデータソースから遠隔操作されたメモリへ送信される。データメッセージは、パケットまたはデータパケットとも呼ばれるし、メモリは、データ処理とともにまとめられて、コンセントレータとも呼ばれる。逆に、料金変更仕様などのアップリンク情報は、メモリからデータソースに送信され、そこで評価され得る。メモリから、複数のデータソースから到来するデータメッセージは、場合によっては前処理されて、選択的にバッファされ得るし、広域無線、例えば移動無線規格における、を用いて検索され得るし、無線により直接またはストレージメディアによって、データが評価される中枢ポイントへ、例えば消費量の請求書を作成する目的で、送信され得る。
【0003】
双方向に送信され得る測定値またはデータは、例えば、メータに基づき、その場でセンサによって通常決定される、冷水、温水、ガス、熱、または電気の消費量であってもよい。さらに、双方向に送信され得るデータは、室内の温度、換気フラップの角度位置などといった、その他のドメスチックで遠隔制御の変数(具体的には、望ましい値や実際の値)でもよい。
【0004】
データメッセージは、全体で送信されてもよいし、部分メッセージまたは部分データパケットに分解された方法で送信されてもよく、この場合、受信側で完全なデータメッセージを形成するために再び組み立てられ得る。そのようなデータ送信は、非同期的な方法で、いわゆるタイムスロットで、例えばVHFスペクトルにおける搬送波の周波数変調として、好ましくはISM(工業、科学および医療)および/または特に認可されていないUHFスペクトルのSRD(短距離装置)の帯域のうちの一つにおいて、実行されて、それ故、先験的に知られておらず変化する瞬間的なチャネル割り当てを伴う。したがって、メモリ内で受信されたデータメッセージは、その送信中に干渉を経験し、その結果、それをメモリ内で評価することができないと思われるので、データメッセージはデータソースのトランシーバ内の送信機から、メモリのトランシーバ内の受信機に、干渉のない受信が少なくとも一度は期待できるような方法で、一定の間隔で、反復送信される。
【0005】
測定技術では、ある程度のいわゆるパケット誤り率(PER)は、この期間中に実際に送信されたデータメッセージまたは部分メッセージの既知数に対する、正常に受信されたデータメッセージまたは部分メッセージの数の比率であって、最終的には反復送信によって克服されるものであり、したがって受け入れられるはずである。一方、データメッセージ(パケット)には、データの内容にもよるが、数分または数時間から数日かもしれない一定の最新性が要求される。それまでには、現在の反復送信されているデータメッセージは、送信チャネルにおける干渉の影響にもかかわらず、十分な程度の確率で最終的にはメモリに正しく捕捉されていなければならない。この手順は、送信されたデータメッセージの頻繁な反復が望ましいものであるように見せる。しかしながら、これは送信チャネルに対する不必要な負荷をもたらすかもしれない。加えて、例えば、データソースのトランシーバの送信機内の所定の機能寿命を有するバッテリを不必要に使用することを回避するために、可能な限り少ない反復送信の数を目指すべきである。したがって、バッテリの機能寿命の始めにおいて、送信機のコントローラに対し、経験に従って、いずれの場合にせよ、データメッセージの十分な反復送信の数を少なくともしっかりと指定することは、依然として合理的かもしれない。そうは言っても、現在のデータメッセージの結果的に正しい送信のために統計的に必要とされる以上の反復送信は、計算されたバッテリの機能寿命の終わりに向かって実行されるべきではない。
【発明の概要】
【0006】
そのような状況を知って、本発明は、現在のデータメッセージが干渉なしでメモリ内に存在するまでの反復送信の数を最適化するという技術的問題に基づいている。
【0007】
本オブジェクトは、2つの独立した請求項にそれぞれ記載された特徴の組み合わせで実現される。したがって、現在のパケット誤り率は(その間に実際に送信された現在のデータメッセージに対する、正常に受信されたデータメッセージの比率の意味では)、メモリ内で準不連続的または不連続的に決定される。パケット誤り率は、現在の送信状況(干渉なしで受信されたデータメッセージの数によって表される)に対する反復送信の数または頻度を変更することにより、所望の値に定められ得る。この反復の仕様は、アップリンクにおいて、メモリからそれぞれのデータソースに送信され、現在のパケット誤り率の次の決定のために、メモリ内で利用可能に保たれる。それ故、効果的な送信状況は、目標とされるパケット誤り率に対する反復送信を適応的に適応させることにより、コンスタントに保たれる。
【0008】
比較的長いデータメッセージのそれぞれは、全体としてよりはむしろ、少なくとも1つのデータメッセージを干渉なしでできるだけ速やかにメモリまたはデータコレクタに受信するために、連続的に送信されつつ全体のデータメッセージを形成するためにメモリ内で再度グループ化または組み立てられる適宜に個別化された部分メッセージの形式で、などといった公知の方法のほうが、好都合に送信され得る。この場合において、特定のデータメッセージが干渉を有することが判明したならば、通常、干渉は、このデータメッセージからの特定の短い部分メッセージにのみに、実際には関係している。正確には、この部分的なメッセージは、繰り返されるデータメッセージのその後の受信の間に再び干渉を有することはないであろうし、その結果、この部分メッセージが、干渉を受けて受信された先行データメッセージに導入されると、干渉のない完全なデータメッセージが、上記で定義された意味において、0と1の値の間に広がるパケット誤り率の値における対応する増加によって、干渉なく完全に受信された反復のデータメッセージを待つ必要がある場合よりも、迅速に利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明による解決策は、図面の図を参照して以下により詳細に説明される。
【0010】
図1】本発明に係る方法を用いたデータメッセージ送信の簡易概略図を示す図。
図2】本発明に係る方法を用いてデータメッセージが送信される通信システムの簡易概略図を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1では、センサ11により提供される通常のアナログデータは、複数のデータソース10iにより、A/Dコンバータ12においてA/D変換を受け、そして、完全なデータメッセージ14が構成されるように、起点識別子、タイムスタンプ、パリティビットなどといった、コーダ13からのさらなる情報と組み合わせされる。データメッセージ14は、送信チャネル17、例えば、確率的干渉を伴う送信チャネルを用いて、送信側のトランシーバ16内の送信機15から中枢のメモリ20のトランシーバ19の受信機18へ、一定期間にわたって繰り返し、換言するとn回、送信される。干渉の影響のために、反復送信されたデータメッセージ14nのうちのm(m<n)だけが、エラーなしに、すなわち、例えて言うならば、評価され得る状態で、受信され得る。メモリ20においては、比較器21は、用いられる送信チャネル17内の現在直面する送信環境に対するものであって、エラーなしで受信されたデータメッセージ14mに対する、その期間にわたって実際に反復送信されるデータメッセージの、システムが既知の数nの比率m/nから、パケット誤り率PERを決定する。最適値はパケット誤り率PER=1であるが、m=nのため、実際には達成することはできない。比較器21は、便宜的に、メモリ20の内側の装置の形態でもよく、および/または、純粋なソフトウェアソリューションまたはソフトウェア実装の形態でもよい。
【0012】
パケット誤り率PERに影響を及ぼすために、比較器21は、今後のソース側の放出の数をn’に変更することができる。その変更が意図して行われる意味および範囲は、ハンドル22の形態でアクチュエータを使用して、メモリ20内において、プログラム制御、再遠隔制御、または直接の方法で、影響を与え得るし、指定され得る。実際には、送信状況が変わってもできる限り一定であり、送信 されるデータメッセージの所望の最新性に従って指定することができるパケット誤り率PERの値が目標とされる。これは、例えば、反復の数nを変えることによって、達成または決定することができる。
【0013】
予め定められた期間内においてn’>nの場合、データメッセージ14を放出するための反復周波数は、増加させることができ、すなわち、パケット誤り率は減少され得るし、そしてその逆もまたあり得る。しかしながら、いずれにせよ、放出の反復周波数は、バッテリ23を保護するために、トランシーバ16に対するバッテリ23の動作期間の終わりに向かって、n’<nだけ減少させるべきである。今後の反復送信の数n’は、アップリンクにおいて、メモリ側のトランシーバ19の送信機24からソース 側の送信機15のコントローラに送信され、また、パケット誤り率PERの次の判定のために、比較器21においても保持される。
【0014】
自由にアクセス可能で、適宜頻繁に用いられる送信チャネル17において、干渉の影響は、一般的に生じ、特には、タイムスロットにおいて非同期的にデータソース10から例えばメモリ20に送信されるデータメッセージ14nに対して、効果を与える。その結果、データメッセージ14mが少なくとも1回は干渉なしで受信されるまで、それぞれのデータメッセージ14は数回反復送信されなければならない。比較器21は、ある期間にわたるパケット誤り率PERを、干渉なしに受信されたデータメッセージの数mと、その間に実際に送信されたデータメッセージの数nとの比率14m/14nから、決定するために用いられる。干渉を有しておらず、メモリ20にとって利用可能な、データメッセージ14mの最適化されたデータの最新性の利益のために、例えば、単位時間当たりの今後の反復送信の数n’は増加する、すなわち、パケット誤り率PERはその定義に従って減少し、逆もまた同様である。現在の送信状況における、特定の所定のパケット誤り率PERを達成するための今後の反復送信の数の変化n=>n’は、プログラム制御もしくは遠隔制御の方法に、または、その場の手動に、影響され得る。本発明によれば、パケット誤り率PERは、反復送信の数n’を現在の送信状況に適応させることにより、それ故、適応的に最適化され得る、なぜなら、送信状況が変化しても、所望のパケット誤り率PERに準拠するために、対応する反復の数n’をメモリ20からデータソース10に指定され得るからである。
【0015】
図2は、複数のデータソース10およびメモリ20を含む、無線送信システムまたは通信システムを示す。データソース10は、消費量メータの形態であり、例えば、水、ガス、熱、または電気の計器の形態であり、現在の消費量を捕捉し、それを消費量データの形態でメモリ20に送信する。データソース10はそれぞれ、例えば消費の媒体(例えば水またはガス)の流量を判定するための超音波センサである、消費量データを取り込むためのセンサ11と、送信チャネル17、すなわち双方向送信 チャネル、を介して、データメッセージまたは部分メッセージを送信および/または受信するための送信機15を有するトランシーバ16と、を備える。メモリ20は、トランシーバ19を有するデータコレクタまたはデータコンセントレータの形態であり、データまたは消費量データを、受信、収集、および/または転送するために用いられる。ドメスチックデータ、例えば消費量データ、を反復送信するための本発明に係る装置は、特には、データソース10のセンサ11およびトランシーバ16、ならびにメモリ20のトランシーバ19をそれぞれ備える。
【0016】
消費量メータは、無線方式で、例えば、ISMおよび/またはSRD周波数帯などといった無認可の周波数帯を用いた無線電波により、データをデータコレクタに送信する。消費量メータはそれぞれ、エネルギー消費量または利用可能なエネルギーに関する送信時および送信期間の場合における制限に従わなければならない、言い換えると、例えばバッテリ23の充電状態に依存する、送信機15を備える。この場合、トランシーバ16にエネルギーを供給することに加えて、バッテリ23は、センサ11にエネルギーを供給することを目的として設けられてもよい。消費量メータは、それらのデータメッセージを一定の間隔で送信し、データコレクタは、受信範囲内にある消費量メータからデータを受信する。
【0017】
無認可の周波数帯域を使用する送信のため、チャネルの割り当ては一般に最初は未知であり、また変化する可能性がある。チャネルの割り当てが未知であるという事実の結果として、達成し得る最新のデータを予測することは困難である。送信のためには、例えば、データメッセージが、時間的休止を伴って送信される、複数の部分メッセージに細分される(テレグラム分割)方法の使用がなされる。そして、部分メッセージは、受信側、つまり、具体的にはデータコレクタにおいて、再構築されます。
【0018】
この方法では、チャネルの他の信号との重畳により引き起こされる干渉の結果として誤って送信されたデータの確率が、受信機、すなわちメモリ20またはデータコレクタ、によって首尾よく受信されたデータメッセージおよび/または部分メッセージの数mから、送信機、すなわちデータソース10またはそれぞれの消費量メータ、によって送信されたデータメッセージおよび/または部分メッセージの数nに対して、成されるパケット誤り率PER(PER=m/n)によって計算される。この場合において、確率p1は、干渉を有し、正しく送信され得ない部分メッセージの確率
【数1】
を表す。
【0019】
パケット誤り率PERは、例えば、特定の期間tでの干渉源が、その期間tでのスロット(スロット)にある場合に、そのスロットまたは周波数チャネル、を完全に拒否することにより、理論的に導出することができる。以下は、干渉を有するスロットの確率p(スロット)に適用される。
【数2】
【0020】
したがって、全てのスロットが占有されている確率p(all)は、
【数3】
を用いたスロット数n(slots)を用いて、計算される。しかしながら、本発明による方法では、それぞれの現在のパケット誤り率PER(actual)が決定されることが好ましい。通信システム内の消費量メータの送信間隔は既知であり、したがって、特定の期間内の送信されたデータメッセージの数n(tx)もまた既知である。この場合、現在のパケット誤り率PER(actual)は、実際に受信されたデータメッセージの数n(Rx)、すなわちデータコレクタで正常に受信されたデータメッセージの数と、送信されたデータメッセージの既知数
【数4】
と、から決定される。
【0021】
さらに、現在送信されている部分メッセージの数n(actual)もまた通信システムにおいて既知であり、その結果、チャネル割り当てまたはチャネル干渉についての現在の確率p(actual)を、PER(actual)と、
【数5】
であるn(actual)と、の知識から計算することができる。
【0022】
したがって、望ましいまたは最適なPER(desired)を好都合に決定することができる。したがって、最適なPER(desired)に対して、部分メッセージの必要な放出の数n(desired)が、
【数6】
で計算することができる。
【0023】
そして、必要な放出の数n(desired)が、リターンチャネルを介して、データソース10または消費量メータへ、つまり、コレクター20からデータソース10へ、具体的には、データソース10のトランシーバ16の受信機25へ、数n(desired)におけるデータメッセージまたは部分メッセージを送信するためのコマンドと一緒に、通達され得る。これにより、所望のパケット誤り率PER(desired)を決定または設定することが可能になる。
【0024】
要約すると、現在のパケット誤り率PER(actual)は、そういう訳で、本発明に係る方法を用いた所定の放出の知識から決定することができる。データメッセージの成功送信(実質的に干渉なしで)に必要とされる部分メッセージまたは部分パケットの送信の数は、そこから決定することができ、送信の数を適合させるためにデータソース10に通達される。結果として、本発明に係る方法に応じて、パケット誤り率PERは、送信されたデータメッセージまたは部分メッセージの数に対し適応を行うかまたは影響を及ぼすことによって、適応的に制御される。したがって、送信チャネルにおける不可避の変動可能な干渉の影響にもかかわらず、現在のデータメッセージが干渉なしでメモリ20またはデータコレクタにそれぞれ存在するまでの反復送信の数は、有利な方法において最適化され得る。
【符号の説明】
【0025】
10 データソース
11 センサ
12 A/Dコンバータ
13 コーダ
14 データメッセージ
15 送信機(符号10内の符号16の)
16 トランシーバ
17 送信チャネル
18 受信機(符号20内の符号19の)
19 トランシーバ
20 メモリ
21 比較器
22 ハンドル
23 バッテリ(符号15に対する)
24 送信機(符号20内の符号19の)
25 受信機(符号10内の符号16の)
PER パケット誤り率
n 数
p 確率
t 期間
図1
図2