IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社岡村製作所の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】天板付什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/08 20060101AFI20220106BHJP
   A47B 9/00 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
A47B13/08 A
A47B9/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019550408
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(86)【国際出願番号】 JP2018040312
(87)【国際公開番号】W WO2019088092
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】P 2017212264
(32)【優先日】2017-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】須賀 政晴
(72)【発明者】
【氏名】中田 貴規
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-158651(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0042322(US,A1)
【文献】特開2013-187874(JP,A)
【文献】特開2009-111996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/08
A47B 9/00
A47B 13/00
H01H 36/00
H04Q 9/00-9/16
G06F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板、及び前記天板を支持する支持体を含む什器本体と、
前記什器本体に設けられ、前記天板上における操作に応じて操作信号を出力するセンサ部と、
前記センサ部から出力される前記操作信号に基づいて制御信号を生成する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記センサ部から出力される前記操作信号に基づいて、予め設定された複数の前記操作信号からなる操作パターンである許可パターンを受け付けたか否かを判定し、前記許可パターンが操作された場合に許可情報を出力する操作許可判定部と、
前記操作許可判定部から前記許可情報が出力された場合に、前記天板の起動部を起動させるための前記操作を示す前記センサ部からの前記操作信号を受け付ける操作情報受付部と、
前記操作情報受付部によって受け付けられた前記操作信号に基づいて前記制御信号を前記起動部に出力する制御信号生成部と、
を有し、
前記センサ部は、前記天板上に隣接して配置された複数のセンサを有し、
複数の前記センサの少なくとも一つは、前記許可パターンを操作するための第一のセンサであり、
複数の前記センサのうち、前記第一のセンサと異なるセンサは、前記天板の前記起動部を起動させる前記操作のためのセンサであり、
前記許可パターンは、複数の前記センサに対する操作パターンである
天板付什器。
【請求項2】
請求項1に記載の天板付什器において、
前記センサ部は、複数のセンサを有し、
複数の前記センサの少なくとも一つは、前記許可パターンを操作するためのセンサと前記天板の前記起動部を起動させる前記操作のためのセンサとを兼ねている
天板付什器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の天板付什器において、
前記制御部には、前記許可パターンとして、前記天板の第1の操作を許可する第1の許可パターンと、前記第1の操作とは異なる天板の第2の操作を許可する第2の許可パターンが設定されており、
前記操作許可判定部は、前記センサ部から出力される前記操作信号に基づいて、前記第1の許可パターンが操作された場合には、前記許可情報として前記第1の操作を許可する第1の許可情報を出力し、前記第2の許可パターンが操作された場合には、前記許可情報として前記第2の操作を許可する第2の許可情報を出力し、
前記操作情報受付部は、前記第1の許可情報が出力された場合には、前記天板の前記起動部を起動させるための前記操作のうち、前記第1の操作に係る操作信号を受け付け、前記第2の許可情報が出力された場合には、前記天板の前記起動部を起動させるための前記操作のうち、前記第2の操作に係る操作信号を受け付ける
天板付什器。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の天板付什器において、
前記制御部は、前記センサ部から前記操作信号を取得する操作信号取得部、
を備え、
前記操作情報受付部は、前記操作信号取得部が前記センサ部から前記許可パターンを示す前記操作信号を取得した後、前記操作信号取得部が前記センサ部から前記操作信号を取得していない状態となったことを検知した場合に、前記天板の前記起動部を起動させるための前記操作を示す前記センサ部からの前記操作信号を受け付ける
天板付什器。
【請求項5】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の天板付什器において、
前記什器本体の前記支持体は前記天板を昇降可能となるように支持し、
前記制御部は、前記制御信号として前記支持体による前記天板の昇降を制御するための信号を生成する
天板付什器。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の天板付什器において、
前記センサ部は、
接触を検知する第1センサと、
前記第1センサの周縁に配置された接触を検知する第2センサと、
を備え、
前記第1センサが接触を検知し、かつ、前記第2センサが接触を検知しない場合、前記操作信号を出力する
天板付什器。
【請求項7】
天板、及び前記天板を支持する支持体を含む什器本体と、
前記什器本体に設けられ、前記天板上における操作に応じて操作信号を出力するセンサ部と、
前記センサ部から出力される前記操作信号に基づいて制御信号を生成する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記センサ部から出力される前記操作信号に基づいて、予め設定された複数の前記操作信号からなる操作パターンである許可パターンを受け付けたか否かを判定し、前記許可パターンが操作された場合に許可情報を出力する操作許可判定部と、
前記操作許可判定部から前記許可情報が出力された場合に、前記天板の起動部を起動させるための前記操作を示す前記センサ部からの前記操作信号を受け付ける操作情報受付部と、
前記操作情報受付部によって受け付けられた前記操作信号に基づいて前記制御信号を前記起動部に出力する制御信号生成部と、
を有し、
前記制御部は、前記センサ部から前記操作信号を取得する操作信号取得部と、
前記操作信号取得部で取得した前記操作信号が予め設定された操作パターンである操作切替パターンである場合に、前記操作許可判定部に操作許可判定指令を出力する操作切替判定部と、
を備え、
前記操作許可判定部は、前記操作許可判定指令を受け付けた場合に、前記操作信号を受け付けて前記許可パターンが入力されたか否かの判定を開始する
天板付什器。
【請求項8】
請求項7に記載の天板付什器において、
前記操作許可判定部は、前記操作信号取得部が前記センサ部から前記操作切替パターンを示す前記操作信号を取得した後、前記操作信号取得部が前記センサ部から前記操作信号を取得していない状態となったことを検知した場合に、前記許可パターンが入力されたか否かの判定を開始する
天板付什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付什器に関する。
本願は、2017年11月1日に、日本に出願された特願2017-212264号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板と、天板を支持する支持体と、を備えたデスク装置(天板付什器)が知られている。
このようなデスク装置として、例えば、昇降機能を備えたデスク装置が知られている。
天板を昇降させる技術として、たとえば、ガススプリングを用いる方法やギアを用いる方法(特許文献1,2)などが知られている。
特許文献1,2に開示された技術は、構造が簡易であるのでコストを安く抑えることができる。しかしながら、特許文献1,2に開示された技術では、力の弱い使用者にとっては操作しにくい場合があったり、天板の高さによっては天板を昇降させるために無理な姿勢を強いたりすることがある。
また、天板付什器が備えるワイヤーを操作部により操作して、ガススプリングのストッパ等をロック又は解除し、天板を昇降動作させる技術が知られている(特許文献3,4,5)。
また、天板を昇降させる際の操作性を向上させるために、電動式の駆動ユニットを用いて天板を昇降させる技術が知られている(特許文献6)。特許文献3,4,5,6に開示された技術では、天板近傍に配される操作部やスイッチ(以下、操作部等という)を用いて使用者が天板の昇降操作をすることができる。
【0003】
しかしながら、特許文献3,4,5,6に開示された技術は、操作部等を操作して天板を昇降させるようになっているが、使用者が意図せず操作部等に接触することなどによる天板上での誤操作が起きやすいという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3371959号公報
【文献】特許第3391285号公報
【文献】実用新案登録第3164739号公報
【文献】特開2014-113505号公報
【文献】特許第5718503号公報
【文献】特開2016-86909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、天板上での誤操作が起こりにくい天板付什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、天板、及び前記天板を支持する支持体を含む什器本体と、前記什器本体に設けられ、前記天板上における操作に応じて操作信号を出力するセンサ部と、前記センサ部から出力される前記操作信号に基づいて制御信号を生成する制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサ部から出力される前記操作信号に基づいて、予め設定された複数の前記操作信号からなる操作パターンである許可パターンを受け付けたか否かを判定し、前記許可パターンが操作された場合に許可情報を出力する操作許可判定部と、前記操作許可判定部から前記許可情報が出力された場合に、前記天板の起動部を起動させるための前記操作を示す前記センサ部からの前記操作信号を受け付ける操作情報受付部と、前記操作情報受付部によって受け付けられた前記操作信号に基づいて前記制御信号を前記起動部に出力する制御信号生成部と、を有し、前記センサ部は、前記天板上に隣接して配置された複数のセンサを有し、複数の前記センサの少なくとも一つは、前記許可パターンを操作するための第一のセンサであり、複数の前記センサのうち、前記第一のセンサと異なるセンサは、前記天板の前記起動部を起動させる前記操作のためのセンサであり、前記許可パターンは、複数の前記センサに対する操作パターンである天板付什器である。
【0007】
このように構成することで、使用者が天板を操作するためには、天板の操作を行う前に、操作の入力を受け付ける状態にするための許可パターンの操作(準備操作)を行うことが必要となる。これにより、使用者が誤ってセンサ部に接触することなどによる天板上での誤操作が起こりにくい。
【0008】
前記天板付什器において、前記センサ部は、複数のセンサを有し、複数の前記センサの少なくとも一つは、前記許可パターンを操作するためのセンサと前記天板の前記起動部を起動させる前記操作のためのセンサとを兼ねていてもよい。
この場合、センサ部に設けるセンサの数を削減することができ、センサ部を小型化することができる。これにより、使用者の通常時の作業(天板の操作以外の作業)を妨げない位置にセンサ部を設置しやすい。また、センサの数が削減されることにより、センサ部の製造コストが削減される。
【0009】
前記天板付什器において、前記センサ部は、複数のセンサを有し、複数の前記センサの少なくとも一つは、前記許可パターンを操作するための第一のセンサであり、複数の前記センサのうち、前記第一のセンサと異なるセンサは、前記天板の前記起動部を起動させる前記操作のためのセンサであってもよい。
この場合、許可パターンを入力するためのセンサと天板の操作を行うためのセンサとが別々に設置されるため、どのセンサを操作すべきかを使用者に認識させやすくすることができる。これにより、天板の操作における、使用者による誤操作が起こりにくい。
【0010】
前記天板付什器において、前記センサ部は、前記許可パターンを操作するセンサとして前記センサを複数有し、前記制御部の前記操作許可判定部には前記許可パターンを操作する複数の前記センサに対する操作パターンによって前記許可パターンが設定されていてもよい。
この場合、複数のセンサにおいて各センサが検知した順序や検知した時間間隔(リズム)などを許可パターンとすることができる。これにより、許可パターンの設計が容易になり、かつ、許可パターンの入力の有無を判定する装置の設計コスト及び製造コストが削減される。
【0011】
前記天板付什器において、前記制御部には、前記許可パターンとして、前記天板の第1の操作を許可する第1の許可パターンと、前記第1の操作とは異なる天板の第2の操作を許可する第2の許可パターンが設定されており、前記操作許可判定部は、前記センサ部から出力される前記操作信号に基づいて、前記第1の許可パターンが操作された場合には、前記許可情報として前記第1の操作を許可する第1の許可情報を出力し、前記第2の許可パターンが操作された場合には、前記許可情報として前記第2の操作を許可する第2の許可情報を出力し、前記操作情報受付部は、前記第1の許可情報が出力された場合には、前記天板の前記起動部を起動させるための前記操作のうち、前記第1の操作に係る操作信号を受け付け、前記第2の許可情報が出力された場合には、前記天板の前記起動部を起動させるための前記操作のうち、前記第2の操作に係る操作信号を受け付けてもよい。
【0012】
この場合、使用者が天板に対して第1の操作をさせるための動作と使用者が天板に対して第1の操作とは異なる第2の操作をさせるための動作とを異なる動作にすることができる。これにより、天板の操作における、使用者による誤操作が起こりにくい。
【0013】
前記天板付什器において、前記制御部は、前記センサ部から前記操作信号を取得する操作信号取得部、を備え、前記操作情報受付部は、前記操作信号取得部が前記センサ部から前記許可パターンを示す前記操作信号を取得した後、前記操作信号取得部が前記センサ部から前記操作信号を取得していない状態となったことを検知した場合に、前記天板の前記起動部を起動させるための前記操作を示す前記センサ部からの前記操作信号を受け付けるようにしてもよい。
この場合、使用者によって許可パターンの操作がなされた後、一旦全てのセンサ部に対して入力がない状態となるまでは天板の操作を受け付けないようにすることができる。これにより、使用者による天板の操作の検知において、センサ部による誤検知が起こりにくい。
【0014】
本発明の一態様は、天板、及び前記天板を支持する支持体を含む什器本体と、前記什器本体に設けられ、前記天板上における操作に応じて操作信号を出力するセンサ部と、前記センサ部から出力される前記操作信号に基づいて制御信号を生成する制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサ部から出力される前記操作信号に基づいて、予め設定された複数の前記操作信号からなる操作パターンである許可パターンを受け付けたか否かを判定し、前記許可パターンが操作された場合に許可情報を出力する操作許可判定部と、前記操作許可判定部から前記許可情報が出力された場合に、前記天板の起動部を起動させるための前記操作を示す前記センサ部からの前記操作信号を受け付ける操作情報受付部と、前記操作情報受付部によって受け付けられた前記操作信号に基づいて前記制御信号を前記起動部に出力する制御信号生成部と、を有し、前記制御部は、前記センサ部から前記操作信号を取得する操作信号取得部と、前記操作信号取得部で取得した前記操作信号が予め設定された操作パターンである操作切替パターンである場合に、前記操作許可判定部に操作許可判定指令を出力する操作切替判定部と、を備え、前記操作許可判定部は、前記操作許可判定指令を受け付けた場合に、前記操作信号を受け付けて前記許可パターンが入力されたか否かの判定を開始する天板付什器である
このように構成することで、使用者が許可パターンの操作を行う前に、許可パターンの入力を受け付ける状態にするための操作切替パターンの操作を行うことが必要となる。これにより、使用者が誤ってセンサ部に接触することなどによる天板上での誤操作がより起こりにくい。
【0015】
前記天板付什器において、前記操作許可判定部は、前記操作信号取得部が前記センサ部から前記操作切替パターンを示す前記操作信号を取得した後、前記操作信号取得部が前記センサ部から前記操作信号を取得していない状態となったことを検知した場合に、前記許可パターンが入力されたか否かの判定を開始するようにしてもよい。
この場合、使用者によって操作切替パターンの操作がなされた後、一旦全てのセンサ部に対して入力がない状態となるまでは許可パターンの操作を受け付けないようにすることができる。これにより、使用者による許可パターンの操作の検知において、センサ部による誤検知が起こりにくい。
【0016】
前記天板付什器において、前記什器本体の前記支持体は前記天板を昇降可能となるように支持し、前記制御部は、前記制御信号として前記支持体による前記天板の昇降を制御するための信号を生成するようにしてもよい。
この場合、使用者が天板を昇降させるためには、天板の昇降操作を行う前に、昇降操作の入力を受け付ける状態にするための許可パターンの操作(準備操作)を行うことが必要となる。これにより、使用者が誤ってセンサ部に接触することなどによる天板上での誤操作が起こりにくい。
【0017】
前記天板付什器において、前記センサ部は、接触を検知する第1センサと、前記第1センサの周縁に配置された接触を検知する第2センサと、を備え、前記第1センサが接触を検知し、かつ、前記第2センサが接触を検知しない場合、前記操作信号を出力するようにしてもよい。
この場合、使用者が天板を昇降させるためには、センサ部のより正確な位置に接触を行わなければならなくなる。これにより、使用者が意図せずセンサ部の近傍に接触することなどによる天板上での誤操作が起こりにくい。
【0018】
前記天板付什器において、前記第2センサは、前記第1センサを囲む円弧状に配置されるようにしてもよい。
この場合、使用者が天板を昇降させるためには、センサ部のより正確な位置に接触を行わなければならなくなる。これにより、使用者が意図せずセンサ部の近傍に接触することなどによる天板上での誤操作が起こりにくい。
【0019】
前記天板付什器において、前記第1センサの周縁の少なくとも一部には前記第2センサが配置されないようにしてもよい。
この場合、使用者による接触の位置のずれの方向に応じて、操作信号の出力がなされるか否かが決定されるようになる。これにより、本来使用者が行おうとしている操作が、接触位置のずれによって誤操作であると認識されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、天板上での誤操作が起こりにくい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器を天板の上面側から見た図である。
図3】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器を天板の下面側から見た図である。
図4】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器の機能構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器のセンサ部の構成を示す図である。
図6】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器の天板の昇降操作を説明するための図である。
図7】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器の天板を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
図8】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器の制御部の動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の第2実施形態による天板昇降式什器のセンサ部の構成を示す図である。
図10】本発明の第2実施形態による天板昇降式什器の天板を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
図11】本発明の第2実施形態による天板昇降式什器の制御部の動作を示すフローチャートである。
図12】本発明の第3実施形態による天板昇降式什器の機能構成を示すブロック図である。
図13】本発明の第3実施形態による天板昇降式什器のセンサ部の構成を示す図である。
図14】本発明の第3実施形態による天板昇降式什器の天板を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
図15】本発明の第3実施形態による天板昇降式什器の制御部の動作を示すフローチャートである。
図16】本発明の第4実施形態による天板昇降式什器のセンサ部の構成を示す図である。
図17】本発明の第4実施形態による天板昇降式什器の天板を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
図18】本発明の第4実施形態による天板昇降式什器の制御部の動作を示すフローチャートである。
図19】本発明の第5実施形態による天板昇降式什器のセンサ部の構成を示す図である。
図20】本発明の第5実施形態による天板昇降式什器を天板の上面側から見た図である。
図21】本発明の第6実施形態による天板昇降式什器のセンサ部の構成を示す図である。
図22】本発明の第6実施形態による天板昇降式什器のセンサ部の機能構成を示すブロック図である。
図23】本発明の第6実施形態による天板昇降式什器のセンサ部の動作を示すフローチャートである。
図24】本発明の第6実施形態の変形例による天板昇降式什器のセンサ部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態による天板昇降式什器の斜視図である。図2は、本実施形態による天板昇降式什器を天板の上面側から見た図である。図3は、本実施形態による天板昇降式什器を天板の下面側から見た図である。
【0023】
図1から図3までに示すように、本実施形態による天板昇降式什器1(以下、単に「什器1」という。)は、天板2と、支持体5と、センサ部11と、制御部15とを備えている。
【0024】
天板2は、上面3と下面4とを有する。天板2は、使用者側から見て左手前角の近傍に、後述するセンサ部11を取り付けるための窪み(不図示)を有している。天板2の他の構成は特に限定されない。
【0025】
支持体5は、梁部6と、軸部7と、脚部8と、昇降駆動部10とを有している。
梁部6は、天板2の前後方向に延びている。梁部6は、天板2の左右端に1つずつ配されている。
【0026】
軸部7は、梁部6を介して天板2に接続されている。軸部7は、天板2の下面4から垂直に下方へ延びている。
【0027】
脚部8は、床面に接触して本実施形態による什器1を支持するとともに、昇降駆動部10を介して軸部7に連結されている。本実施形態では、脚部8は、床面と平行に延びる水平部8aと、軸部7と同軸をなして垂直に延びる第一筒部8b及び第二筒部8cとを有している。
【0028】
昇降駆動部10は、軸部7、第一筒部8b及び第二筒部8cの長手軸方向に軸部7、第一筒部8b、及び第二筒部8cを相対移動させるためのモーターとギア(不図示)を有している。昇降駆動部10は、制御部15に電気的に接続されている。昇降駆動部10が動作することによって、支持体5は、天板2の板厚方向に伸縮可能である。
【0029】
センサ部11は、天板2の上面3側からの使用者の接触を検知可能な複数の接触センサによって構成される。センサ部11は、天板2の使用者側から見て左手前角の近傍に配されている。センサ部11の表面は、天板2の上面3と略同一面に位置している。
【0030】
なお、天板2におけるセンサ部11の位置は任意である。なお、センサ部11の位置は、什器1を使用する使用者が容易に手の届く範囲の位置であることが好ましい。なお、センサ部11の位置は、使用者による什器1の通常の使用時(天板2の昇降操作をしていない時)には、使用者の体(例えば、掌や腕)が誤って接触することが起こりにくいような位置であることが好ましい。
なお、センサ部11が上面3側からの使用者の接触を検知可能であるならば、(センサ部11の一部又は全部も含め)天板2の上面3は化粧紙などによって覆われていても構わない。
【0031】
また、図1及び図2に示すように、天板2の使用者側から見て左奥角の近傍には電気スタンド12が備えられ、天板2の使用者側から見て右奥角の近傍にはコンセント13が備えられている。
【0032】
[天板昇降式什器の機能構成]
図4は、本実施形態による什器1の機能構成を示すブロック図である。
図1及び図4に示すように、制御部15は、センサ部11による使用者の接触に関する検知結果に基づいて支持体5の伸縮動作を制御する。制御部15は、例えば支持体5の内部に配されている。
【0033】
図4に示すように、制御部15は、操作信号取得部151と、操作許可判定部152と、情報受付部153と、動作信号生成部154とを有している。
【0034】
操作信号取得部151は、センサ部11に接続されている。操作信号取得部151は、センサ部11が有する接触センサに対する使用者の接触の有無を示す情報を取得する。操作信号取得部151は、記憶媒体(不図示)を備えており、センサ部11を構成する複数の接触センサ各々について、使用者の接触の有無を示す情報を取得して、当該情報を操作許可判定部152によって参照可能となるように記憶する。また、本実施形態では、操作信号取得部151は、センサ部11を構成する複数の接触センサに対して接触が有った順序についても認識可能な形式で、上記情報を記憶する。
【0035】
なお、上記の記憶媒体とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、又はHDD(Hard Disk Drive)などである。
【0036】
操作許可判定部152は、操作信号取得部151に接続されている。操作許可判定部152は、操作信号取得部151によって取得された操作信号に基づいて、予め設定された複数の操作信号の順序を示す操作パターン(以下、「許可パターン」と称する)を受け付けたか否かを判定する。操作許可判定部152は、許可パターンを受け付けたと判定した場合、情報受付部153へ、許可パターンを受け付けたことを示す許可情報を出力する。
【0037】
なお、ここでいう許可パターンとは、使用者が誤って接触センサに接触することによる天板2の誤操作(使用者の意図に反する昇降動作)が生じることがないように、昇降操作の際にまず使用者が行う準備操作によって生成される、予め設定された操作パターンである。
なお、許可パターンは、複数の接触センサの中の1つに対して複数回連続して接触があるような操作パターンを含んでいてもよい。なお、許可パターンは、複数の接触センサに対して同時に接触があるような操作パターンを含んでいてもよい。なお、許可パターンは、接触があった順序だけでなく、連続する接触の間の時間間隔(接触のリズム)を示す情報を含んでいてもよい。
【0038】
情報受付部153(操作情報受付部)は、操作許可判定部152から出力された許可情報を取得した場合に、天板2の昇降操作のためのセンサ部11からの操作信号(以下、「昇降操作信号」と称する)を受け付ける。
【0039】
動作信号生成部154(制御信号生成部)は、情報受付部153によって受け付けられた昇降操作信号に基づいて、支持体5に対して支持体5を伸縮動作させるための指令(以下、「動作信号」と称する)を、支持体5に設けられた昇降駆動部10に対して出力する。これにより、天板2が昇降する。
【0040】
なお、天板2を上昇させるための昇降操作信号(以下、「上昇操作信号」と称する)が情報受付部153から動作信号生成部154へ出力された場合には、動作信号生成部154は、支持体5を伸長させるための動作信号(以下、「上昇動作信号」と称する)を生成して昇降駆動部10へと出力する。また、天板2を下降させるための昇降操作信号(以下、「下降操作信号」と称する)が情報受付部153から動作信号生成部154へ出力された場合には、動作信号生成部154は、支持体5を収縮させるための動作信号(以下、「下降動作信号」と称する)を生成して昇降駆動部10へと出力する。
【0041】
[センサ部の構成]
本実施形態によるセンサ部11の構成について説明する。図5は、本実施形態による什器1のセンサ部11の構成を示す図である。
図5に示すように、センサ部11は、接触センサ11a~11fを有する。
【0042】
接触センサ11a~11dは、昇降操作の際にまず使用者が行う準備操作(すなわち、許可パターンの入力)のための接触を検知するセンサである。接触センサ11a~11dは、接触を検知した場合、操作信号を生成し、制御部15の操作信号取得部151へ出力する。
【0043】
接触センサ11e及び接触センサ11fは、昇降操作の際に、使用者が上記準備操作を行った後で天板2を昇降させる指示(以下、「昇降指示」と称する)をするための接触を検知するセンサである。なお、接触センサ11eは、使用者が天板2を上昇させるための指示(以下、「上昇指示」と称する)を入力するための接触を検知するセンサであり、接触センサ11fは、使用者が天板2を下降させるための指示(以下、「下降指示」と称する)を入力するための接触を検知するセンサである。
【0044】
接触センサ11e及び接触センサ11fは、接触を検知した場合、操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部15の操作信号取得部151へ出力する。
【0045】
[天板昇降式什器の作用]
本実施形態による什器1の作用について説明する。図6は、本実施形態による什器1の天板2を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
本実施形態による什器1の天板2を使用者が昇降(上昇又は下降)させる場合には、使用者は、図6に示すように、天板2に備えられたセンサ部11が有する複数の接触センサ11a~11dの一部又は全部に対し、所定の順序で使用者の手を接触させる。
【0046】
図7は、本実施形態による什器1の天板2を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
【0047】
なお、本実施形態においては、一例として、許可パターンは、接触センサ11d、接触センサ11c、接触センサ11b、接触センサ11aの順序で、各接触センサが接触を検知した場合の操作パターンであるものとする。したがって、図7に示すように、例えば使用者が、什器1の上面3において、センサ部11の手前側にまず手を接触させ、そこからその手をセンサ部11の奥側へスライドさせる動作を行うことによって、使用者の手が上記の順序で各接触センサに接触することになる。
使用者による上記の操作入力により、操作許可判定部152において許可パターンが受け付けられ、情報受付部153へ許可情報が出力される。
【0048】
次に、使用者が接触センサ11eに手を接触させることによって、情報受付部153において操作信号が受け付けられる。これにより、使用者が接触センサ11eから手を放すまでの間、又は天板2が可動可能範囲の上限の位置まで上昇するまでの間、天板2が上昇する。
なお、天板2を下降させる場合には、使用者は、接触センサ11eに手を接触させる代わりに、接触センサ11fに手を接触させればよい。
【0049】
なお、操作許可判定部152において許可パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)が経過しても接触センサ11e又は接触センサ11fに対する接触が行われなかった場合には、タイムアウトとなり、当該許可パターンの受け付けはキャンセルされる。
【0050】
本実施形態による什器1によれば、天板2を昇降させる際には、使用者は予め定められた許可パターンの入力に基づく準備操作を行った後に昇降指示に基づく操作を行う必要があり、2段階の操作入力が必要となるため、天板2の昇降の誤操作がより起こりにくくなる。
また、センサ部11の表面が天板2の上面3と略同一面に位置しているので、天板2の意匠性に優れる。
【0051】
[制御部の動作]
本実施形態による什器1の制御部15の動作について説明する。図8は、本実施形態による什器1の制御部15の動作を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、センサ部11から制御部15の操作信号取得部151へ操作信号が出力された際に開始する。
【0052】
(ステップS001)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS002へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS001に留まる。
(ステップS002)操作許可判定部152が、操作信号取得部151に入力された操作信号に基づいて、予め設定された複数の操作信号の順序を示す操作パターンである許可パターンを受け付けたと判定した場合、ステップS003へ進む。そうでない場合(許可パターンを受け付けたと判定されなかった場合)、ステップS001へ戻る。
【0053】
(ステップS003)操作許可判定部152は、情報受付部153へ許可情報を出力する。その後、ステップS004へ進む。
(ステップS004)操作許可判定部152が許可パターンを受け付けたと判定してから所定の期間が経過している場合(タイムアウトした場合)、当該許可パターンの受け付けはキャンセルされ、ステップS001へ戻る。そうでない場合(タイムアウトしていない場合)、ステップS005へ進む。
【0054】
(ステップS005)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS005へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS004に戻る。
(ステップS006)操作信号取得部151に入力された操作信号が、昇降操作信号である場合、情報受付部153は当該操作信号を受け付け、その後、ステップS007へ進む。そうでない場合(昇降操作信号ではない場合)、ステップS004へ戻る。
【0055】
(ステップS007)操作信号取得部151に入力された操作信号が、天板2を上昇させるための指示を示す上昇操作信号である場合、ステップS008へ進む。そうでない場合(下降操作信号である場合)、ステップS011へ進む。
(ステップS008)動作信号生成部154は、情報受付部153から上昇操作信号を取得し、上昇動作信号を生成する。動作信号生成部154は、生成した上昇動作信号を昇降駆動部10へ出力する。その後、ステップS009へ進む。
【0056】
(ステップS009)操作信号取得部151への上昇操作信号の入力が停止(終了)した場合、ステップS010へ進む。そうでない場合(操作信号の入力が停止していない場合)ステップS008へ戻る。なお、上昇操作信号の入力が所定の時間を超えても停止しなかった場合には、タイムアウトさせる(すなわち、ステップS010へ進む)ような構成にしてもよい。
(ステップS010)動作信号生成部154は、昇降駆動部10への上昇動作信号の出力を停止する。以上で本フローチャートの処理が終了する。
【0057】
(ステップS011)動作信号生成部154は、情報受付部153から下降操作信号を取得し、下降動作信号を生成する。動作信号生成部154は、生成した下降動作信号を昇降駆動部10へ出力する。その後、ステップS012へ進む。
(ステップS012)操作信号取得部151への下降操作信号の入力が停止(終了)した場合、ステップS013へ進む。そうでない場合(操作信号の入力が停止していない場合)ステップS011へ戻る。なお、下降操作信号の入力が所定の時間を超えても停止しなかった場合には、タイムアウトさせる(すなわち、ステップS013へ進む)ような構成にしてもよい。
【0058】
(ステップS013)動作信号生成部154は、昇降駆動部10への下降動作信号の出力を停止する。
以上で本フローチャートの処理が終了する。
【0059】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。
なお、本実施形態による什器1の斜視図、什器1を天板の上面側から見た図、什器1を天板の下面側から見た図、及び、什器1の機能構成を示すブロック図については、上記第1実施形態の説明において用いた図1~4とそれぞれ同様である。以下に説明する本実施形態による什器1の構成のうち、上記第1実施形態の什器1の構成と共通する構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0060】
[センサ部の構成]
本実施形態によるセンサ部11の構成について説明する。図9は、本実施形態による什器1のセンサ部11の構成を示す図である。
図9に示すように、センサ部11は、接触センサ11g~11jを有する。
【0061】
接触センサ11g~11jは、昇降操作の際にまず使用者が行う準備操作(すなわち、許可パターンの入力)のための接触を検知するセンサである。接触センサ11g~11jは、接触を検知した場合、操作信号を生成し、制御部15の操作信号取得部151へ出力する。
【0062】
さらに、接触センサ11g~11jは、昇降操作の際に、使用者が上記準備操作を行った後で昇降指示をするための接触を検知するセンサを兼ねている。接触センサ11g~11jは、接触を検知した場合、操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部15の操作信号取得部151へ出力する。
【0063】
[天板昇降式什器の作用]
本実施形態による什器1の作用について説明する。第1実施形態と同様、本実施形態による什器1の天板2を使用者が昇降させる場合には、使用者は、図9に示したように、天板2に備えられたセンサ部11が有する複数の接触センサ11g~11jの一部又は全部に対し、所定の順序で使用者の手を接触させる。
【0064】
図10は、本実施形態による什器1の天板2を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
【0065】
なお、本実施形態においては、一例として、上昇指示を示す許可パターン(以下、「上昇許可パターン」と称する)は、接触センサ11j、接触センサ11i、接触センサ11h、接触センサ11gの順序で、各接触センサが接触を検知した場合の操作パターンであるものとする。したがって、図10に示すように、例えば使用者が、什器1の上面3において、センサ部11の手前側にまず手を接触させ、そこからその手をセンサ部11の奥側へスライドさせる動作を行うことによって、使用者の手が上記の順序で各接触センサに接触することになる。
使用者による上記の操作入力により、操作許可判定部152において上昇許可パターンが受け付けられ、情報受付部153へ上昇指示を示す許可情報が出力される(以下、上昇指示を示す許可情報を「上昇許可情報」、及び下降指示を示す許可情報を「下降許可情報」と称する)。
【0066】
次に、使用者が接触センサ11g~11jのうちいずれにも接触していない状態を経て、使用者が接触センサ11g~11jのうちいずれか1つ(図10においては接触センサ11h)に手を接触させることによって、情報受付部153において操作信号が受け付けられる。これにより、使用者が接触した接触センサから手を放すまでの間、又は天板2が可動可能範囲の上限の位置まで上昇するまでの間、天板2が上昇する。
【0067】
なお、操作許可判定部152において許可パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)が経過しても接触センサ11g~11jのうちいずれか1つに対する接触が行われなかった場合には、タイムアウトとなり、当該許可パターンの受け付けはキャンセルされる。
【0068】
なお、下降指示を示す許可パターン(以下、「下降許可パターン」と称する)は、例えば、上昇許可パターンとは逆の順序(すなわち、接触センサ11g、接触センサ11h、接触センサ11i、接触センサ11jの順序)で、各接触センサが接触を検知した場合の操作パターンであるようにしてもよい。
このようにすることで、使用者は、上昇指示を行う場合はセンサ部11の手前側から奥側へ手をスライドさせる動作、下降指示を行う場合はセンサ部11の奥側から手前側へ手をスライドさせる動作をすることになるため、使用者は直感的に天板2の昇降操作を行うことができる。
【0069】
本実施形態による什器1によれば、天板2を昇降させる際には、使用者は予め定められた許可パターンの入力に基づく準備操作を行った後に昇降指示に基づく操作を行う必要があり、2段階の操作入力が必要となるため、天板2の昇降の誤操作がより起こりにくくなる。
【0070】
[制御部の動作]
本実施形態による什器1の制御部15の動作について説明する。図11は、本実施形態による什器1の制御部15の動作を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、センサ部11から制御部15の操作信号取得部151へ操作信号が出力された際に開始する。
【0071】
(ステップS101)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS102へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS101に留まる。
(ステップS102)操作許可判定部152が、操作信号取得部151に入力された操作信号に基づいて、予め設定された複数の操作信号の順序を示す操作パターンである許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)を受け付けたと判定した場合、ステップS103へ進む。そうでない場合(許可パターンを受け付けたと判定されなかった場合)、ステップS101へ戻る。
【0072】
(ステップS103)操作許可判定部152は、情報受付部153へ許可情報(上昇許可情報又は下降許可情報)を出力する。その後、ステップS104へ進む。
(ステップS104)操作信号取得部151にいかなる操作信号の入力もない状態となった場合、ステップS105へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がある状態が継続している場合)、ステップS104に留まる。
【0073】
(ステップS105)操作許可判定部152が許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)を受け付けたと判定してから所定の期間が経過している場合(タイムアウトした場合)、当該許可パターンの受け付けはキャンセルされ、ステップS101へ戻る。そうでない場合(タイムアウトしていない場合)、ステップS106へ進む。
(ステップS106)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS107へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS105に戻る。
【0074】
(ステップS107)操作許可判定部152から情報受付部153へ出力された許可情報が上昇許可情報である場合、ステップS108へ進む。そうでない場合(下降許可情報である場合)、ステップS111へ進む。

(ステップS108)動作信号生成部154は、情報受付部153から操作信号を取得し、上昇動作信号を生成する。動作信号生成部154は、生成した上昇動作信号を昇降駆動部10へ出力する。その後、ステップS109へ進む。
【0075】
(ステップS109)操作信号取得部151への操作信号の入力が停止(終了)した場合、ステップS110へ進む。そうでない場合(操作信号の入力が停止していない場合)ステップS108へ戻る。なお、操作信号の入力が所定の時間を超えても停止しなかった場合には、タイムアウトさせる(すなわち、ステップS110へ進む)ような構成にしてもよい。
(ステップS110)動作信号生成部154は、昇降駆動部10への上昇動作信号の出力を停止する。以上で本フローチャートの処理が終了する。
【0076】
(ステップS111)動作信号生成部154は、情報受付部153から操作信号を取得し、下降動作信号を生成する。動作信号生成部154は、生成した下降動作信号を昇降駆動部10へ出力する。その後、ステップS112へ進む。
(ステップS112)操作信号取得部151への操作信号の入力が停止(終了)した場合、ステップS113へ進む。そうでない場合(操作信号の入力が停止していない場合)ステップS111へ戻る。なお、操作信号の入力が所定の時間を超えても停止しなかった場合には、タイムアウトさせる(すなわち、ステップS113へ進む)ような構成にしてもよい。
【0077】
(ステップS113)動作信号生成部154は、昇降駆動部10への下降動作信号の出力を停止する。
以上で本フローチャートの処理が終了する。
【0078】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について説明する。
なお、本実施形態による什器1の斜視図、什器1を天板の上面側から見た図、及び、什器1を天板の下面側から見た図については、上記第1実施形態の説明において用いた図1~3とそれぞれ同様である。以下に説明する本実施形態による什器1の構成のうち、上記第1実施形態の什器1の構成と共通する構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0079】
[天板昇降式什器の機能構成]
図12は、本実施形態による什器1の機能構成を示すブロック図である。
図12及び図4に示すように、制御部15は、センサ部11による検知結果に基づいて支持体5の伸縮動作を制御する。制御部15は、例えば支持体5の内部に配されている。
【0080】
図12に示すように、制御部15は、操作信号取得部151と、操作切替判定部155と、操作許可判定部152と、情報受付部153と、動作信号生成部154とを有している。
【0081】
操作信号取得部151は、センサ部11を構成する複数の接触センサ各々について、使用者の接触の有無を示す情報を取得して、当該情報を操作切替判定部155及び操作許可判定部152によって参照可能となるように記憶する。また、本実施形態では、操作信号取得部151は、センサ部11を構成する複数の接触センサに対して接触が有った順序についても認識可能な形式で、上記情報を記憶する。
【0082】
操作切替判定部155は、操作信号取得部151に接続されている。操作切替判定部155は、操作信号取得部151によって取得された操作信号に基づいて、予め設定された1つ又は複数の操作信号の順序を示す操作パターン(以下、「昇降操作切替パターン」と称する)を受け付けたか否かを判定する。操作切替判定部155は、昇降操作切替パターンを受け付けたと判定した場合、操作許可判定部152へ昇降操作許可判定指令を出力する。
【0083】
なお、昇降操作切替パターンには、1つの接触センサに対して1回のみ接触があった場合、及び、複数の接触センサの中の1つに対して複数回連続して接触があった場合の操作パターンも含まれる。なお、昇降操作切替パターンは、複数の接触センサに対して同時に接触があるような操作パターンを含んでいてもよい。なお、昇降操作切替パターンは、接触があった順序だけでなく、連続する接触の間の時間間隔(接触のリズム)を示す情報を含んでいてもよい。
【0084】
操作許可判定部152は、操作切替判定部155から昇降操作許可判定指令を取得した場合に、操作信号取得部151によって取得された操作信号に基づく、許可パターンを受け付けたか否かの判定を開始する。
【0085】
[センサ部の構成]
本実施形態によるセンサ部11の構成について説明する。図13は、本実施形態による什器1のセンサ部11の構成を示す図である。
図9に示すように、センサ部11は、接触センサ11k~11oを有する。
【0086】
接触センサ11k~11oは、昇降操作の際にまず使用者が行う準備操作(すなわち、昇降操作切替パターンの入力、及び許可パターンの入力)のための接触を検知するセンサである。接触センサ11k~11oは、接触を検知した場合、操作信号を生成し、制御部15の操作信号取得部151へ出力する。
【0087】
さらに、接触センサ11k~11oは、昇降操作の際に、使用者が上記準備操作を行った後で昇降指示をするための接触を検知するセンサを兼ねている。接触センサ11k~11oは、接触を検知した場合、操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部15の操作信号取得部151へ出力する。
【0088】
[天板昇降式什器の作用]
本実施形態による什器1の作用について説明する。第1実施形態と同様、本実施形態による什器1の天板2を使用者が昇降させる場合には、使用者は、図13に示したように、天板2に備えられたセンサ部11が有する複数の接触センサ11k~11oの一部又は全部に対し、所定の順序で使用者の手を接触させる。
【0089】
図14は、本実施形態による什器1の天板2を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
【0090】
なお、本実施形態においては、一例として、昇降指示を示す昇降操作切替パターンは、接触センサ11k、接触センサ11l、接触センサ11m、接触センサ11nの順序で、各接触センサが接触を検知した場合の操作パターンであるものとする。したがって、図14に示すように、例えば使用者が、什器1の上面3において、接触センサ11kにまず手を接触させ、そこからその手を時計回りにスライドさせる動作を行うことによって、使用者の手が上記の順序で各接触センサに接触することになる。
使用者による上記の操作入力により、操作切替判定部155において昇降操作切替パターンが受け付けられ、操作許可判定部152へ昇降操作許可判定指令が出力される。
【0091】
次に、使用者が接触センサ11k~11oのうちいずれにも接触していない状態を経て、使用者は上昇許可パターンを示す接触センサへの接触を行う。
なお、本実施形態においては、一例として、上昇許可パターンは、接触センサ11m、接触センサ11o、接触センサ11kの順序で、各接触センサが接触を検知した場合の操作パターンであるものとする。したがって、図14に示すように、例えば使用者が、什器1の上面3において、センサ部11の手前側にまず手を接触させ、そこからその手をセンサ部11の奥側へスライドさせる動作を行うことによって、使用者の手が上記の順序で各接触センサに接触することになる。
使用者による上記の操作入力により、操作許可判定部152において上昇許可パターンが受け付けられ、情報受付部153へ上昇許可情報が出力される。
【0092】
なお、操作切替判定部155において昇降操作切替パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)が経過しても許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)を示す接触センサへの接触が行われなかった場合には、タイムアウトとなり、当該昇降操作切替パターンの受け付けはキャンセルされる。
【0093】
次に、使用者が接触センサ11k~11oのうちいずれにも接触していない状態を経て、使用者が接触センサ11k~11oのうちいずれか1つ(図14においては接触センサ11k)に手を接触させることによって、情報受付部153において操作信号が受け付けられる。これにより、使用者が接触した接触センサから手を放すまでの間、又は天板2が可動可能範囲の上限の位置まで上昇するまでの間、天板2が上昇する。
【0094】
なお、操作許可判定部152において許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)が受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)が経過しても接触センサ11k~11oのうちいずれか1つに対する接触が行われなかった場合には、タイムアウトとなり、当該許可パターンの受け付けはキャンセルされる。
【0095】
なお、下降許可パターンは、例えば、上昇許可パターンとは逆の順序(すなわち、接触センサ11k、接触センサ11o、接触センサ11mの順序)で、各接触センサが接触を検知した場合の操作パターンであるようにしてもよい。
このようにすることで、使用者は、上昇指示を行う場合はセンサ部11の手前側から奥側へ手をスライドさせる動作、下降指示を行う場合はセンサ部11の奥側から手前側へ手をスライドさせる動作をすることになるため、使用者は直感的に天板2の昇降操作を行うことができる。
【0096】
本実施形態による什器1によれば、天板2を昇降させる際には、使用者は、予め定められた昇降操作切替パターンの入力に基づく第1の準備操作、及び、予め定められた許可パターンの入力に基づく第2の準備操作を行った後に、昇降指示に基づく操作を行う必要があり、3段階の操作入力が必要となるため、天板2の昇降の誤操作がより起こりにくくなる。
【0097】
なお、上記においては、一例として、昇降指示を示す昇降操作切替パターンは、接触センサ11k、接触センサ11l、接触センサ11m、接触センサ11nの順序(時計回りの順序)で各接触センサが接触を検知した場合の操作パターンであるものとした。さらに、例えば、接触センサ11k、接触センサ11n、接触センサ11m、接触センサ11lの順序(反時計回りの順序)で各接触センサが接触を検知した場合の操作パターンが、図1図2、及び図6に示した電気スタンドの調光指示を示す調光操作切替パターンであるような構成にしてもよい。
【0098】
すなわち、例えば、使用者が接触センサ11kにまず手を接触させ、そこからその手を時計回りにスライドさせる動作を行った場合には天板2の昇降操作となり、使用者が接触センサ11kにまず手を接触させ、そこからその手を反時計回りにスライドさせる動作を行った場合には電気スタンド12の調光操作となる。
【0099】
例えば、操作切替判定部155が、操作信号取得部151によって取得された操作信号に基づく操作パターンが、昇降操作切替パターンであるか、または、調光操作切替パターンであるかを判定し、昇降操作切替パターンであると判定した場合には昇降操作許可判定指令を操作許可判定部152へ出力し、調光操作切替パターンであると判定した場合には調光操作のための許可パターンの判定を行うための調光操作許可判定指令を操作許可判定部152へ出力するようにすればよい。
【0100】
[制御部の動作]
本実施形態による什器1の制御部15の動作について説明する。図15は、本実施形態による什器1の制御部の動作を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、センサ部11から制御部15の操作信号取得部151へ操作信号が出力された際に開始する。
【0101】
(ステップS201)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS202へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS201に留まる。
(ステップS202)操作切替判定部155が、操作信号取得部151に入力された操作信号に基づいて、予め設定された1つ又は複数の操作信号の順序を示す操作パターンである昇降操作切替パターンを受け付けたと判定した場合、ステップS203へ進む。そうでない場合(昇降操作切替パターンを受け付けたと判定されなかった場合)、ステップS201へ戻る。
【0102】
(ステップS203)操作切替判定部155は、操作許可判定部152へ昇降操作許可判定指令を出力する。その後、ステップS204へ進む。
(ステップS204)操作信号取得部151にいかなる操作信号の入力もない状態となった場合、ステップS205へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がある状態が継続している場合)、ステップS204に留まる。
【0103】
(ステップS205)操作切替判定部155が昇降操作切替パターンを受け付けたと判定してから所定の期間が経過している場合(タイムアウトした場合)、当該昇降操作切替パターンの受け付けはキャンセルされ、ステップS201へ戻る。そうでない場合(タイムアウトしていない場合)、ステップS206へ進む。
(ステップS206)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS207へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS205に戻る。
【0104】
(ステップS207)操作許可判定部152が、操作信号取得部151に入力された操作信号に基づいて、予め設定された複数の操作信号の順序を示す操作パターンである許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)を受け付けたと判定した場合、ステップS208へ進む。そうでない場合(許可パターンを受け付けたと判定されなかった場合)、ステップS205へ戻る。
(ステップS208)操作許可判定部152は、情報受付部153へ許可情報(上昇許可情報又は下降許可情報)を出力する。その後、ステップS209へ進む。
【0105】
(ステップS209)操作信号取得部151にいかなる操作信号の入力もない状態となった場合、ステップS210へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がある状態が継続している場合)、ステップS209に留まる。
(ステップS210)操作許可判定部152が許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)を受け付けたと判定してから所定の期間が経過している場合(タイムアウトした場合)、当該許可パターンの受け付けはキャンセルされ、ステップS201へ戻る。そうでない場合(タイムアウトしていない場合)、ステップS211へ進む。
【0106】
(ステップS211)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS212へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS210に戻る。
(ステップS212)操作許可判定部152から情報受付部153へ出力された許可情報が上昇許可情報である場合、ステップS209へ進む。そうでない場合(下降許可情報である場合)、ステップS212へ進む。
【0107】
(ステップS213)動作信号生成部154は、情報受付部153から操作信号を取得し、上昇動作信号を生成する。動作信号生成部154は、生成した上昇動作信号を昇降駆動部10へ出力する。その後、ステップS214へ進む。
(ステップS214)操作信号取得部151への操作信号の入力が停止(終了)した場合、ステップS215へ進む。そうでない場合(操作信号の入力が停止していない場合)ステップS213へ戻る。なお、操作信号の入力が所定の時間を超えても停止しなかった場合には、タイムアウトさせる(すなわち、ステップS215へ進む)ような構成にしてもよい。
【0108】
(ステップS215)動作信号生成部154は、昇降駆動部10への上昇動作信号の出力を停止する。以上で本フローチャートの処理が終了する。
(ステップS216)動作信号生成部154は、情報受付部153から操作信号を取得し、下降動作信号を生成する。動作信号生成部154は、生成した下降動作信号を昇降駆動部10へ出力する。その後、ステップS217へ進む。
【0109】
(ステップS217)操作信号取得部151への操作信号の入力が停止(終了)した場合、ステップS218へ進む。そうでない場合(操作信号の入力が停止していない場合)ステップS216へ戻る。なお、操作信号の入力が所定の時間を超えても停止しなかった場合には、タイムアウトさせる(すなわち、ステップS218へ進む)ような構成にしてもよい。
(ステップS218)動作信号生成部154は、昇降駆動部10への下降動作信号の出力を停止する。
以上で本フローチャートの処理が終了する。
【0110】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について説明する。
なお、本実施形態による什器1の斜視図、什器1を天板の上面側から見た図、及び、什器1を天板の下面側から見た図については、上記第1実施形態の説明において用いた図1~3とそれぞれ同様であり、什器1の機能構成を示すブロック図については、上記第3実施形態の説明において用いた図12と同様である。以下に説明する本実施形態による什器1の構成のうち、上述した他の実施形態の什器1の構成と共通する構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0111】
[センサ部の構成]
本実施形態によるセンサ部11の構成について説明する。図16は、本実施形態による什器1のセンサ部11の構成を示す図である。
図16に示すように、センサ部11は、接触センサ11p~11rを有する。
【0112】
接触センサ11p~11rは、昇降操作の際にまず使用者が行う準備操作(すなわち、昇降操作切替パターンの入力、及び許可パターンの入力)のための接触を検知するセンサである。接触センサ11p~11rは、接触を検知した場合、操作信号を生成し、制御部15の操作信号取得部151へ出力する。
【0113】
さらに、接触センサ11p~11rは、昇降操作の際に、使用者が上記準備操作を行った後で昇降指示をするための接触を検知するセンサを兼ねている。接触センサ11p~11rは、接触を検知した場合、操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部15の操作信号取得部151へ出力する。
【0114】
[天板昇降式什器の作用]
本実施形態による什器1の作用について説明する。第1実施形態と同様、本実施形態による什器1の天板2を使用者が昇降させる場合には、使用者は、図16に示したように、天板2に備えられたセンサ部11が有する複数の接触センサ11p~11rの一部又は全部に対し、所定の順序で使用者の手を接触させる。
【0115】
図17は、本実施形態による什器1の天板2を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
【0116】
なお、本実施形態においては、一例として、上昇指示を示す昇降操作切替パターンは、接触センサ11p~11rのうちいずれか1つ(図17においては接触センサ11q)が接触を検知した場合の操作パターンであるものとする。
使用者による上記の操作入力により、操作切替判定部155において昇降操作切替パターンが受け付けられ、操作許可判定部152へ昇降操作許可判定指令が出力される。
【0117】
次に、使用者は上昇許可パターンを示す接触センサへの接触を行う。
なお、本実施形態においては、一例として、上昇許可パターンは、接触センサ11p、接触センサ11q、接触センサ11rの順序で、各接触センサが接触を検知した場合の操作パターンであるものとする。したがって、図17に示すように、例えば使用者が、什器1の上面3において、センサ部11の左側にまず手を接触させ、そこからその手をセンサ部11の右側へスライドさせる動作を行うことによって、使用者の手が上記の順序で各接触センサに接触することになる。
使用者による上記の操作入力により、操作許可判定部152において上昇許可パターンが受け付けられ、情報受付部153へ上昇許可情報が出力される。
【0118】
なお、操作切替判定部155において昇降操作切替パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)が経過しても許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)を示す接触センサへの接触が行われなかった場合には、タイムアウトとなり、当該昇降操作切替パターンの受け付けはキャンセルされる。
【0119】
次に、使用者が接触センサ11p~11rのうちいずれか1つ(図17においては接触センサ11r)に手を接触させることによって、情報受付部153において操作信号が受け付けられる。これにより、使用者が接触した接触センサから手を放すまでの間、又は天板2が可動可能範囲の上限の位置まで上昇するまでの間、天板2が上昇する。
【0120】
なお、操作許可判定部152において許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)が受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)が経過しても接触センサ11p~11rのうちいずれか1つに対する接触が行われなかった場合には、タイムアウトとなり、当該許可パターンの受け付けはキャンセルされる。
【0121】
なお、下降許可パターンは、例えば、上昇許可パターンとは逆の順序(すなわち、接触センサ11r、接触センサ11q、接触センサ11pの順序)で、各接触センサが接触を検知した場合の操作パターンであるようにしてもよい。
【0122】
本実施形態による什器1によれば、天板2を昇降させる際には、使用者は、予め定められた昇降操作切替パターンの入力に基づく第1の準備操作、及び、予め定められた許可パターンの入力に基づく第2の準備操作を行った後に、昇降指示に基づく操作を行う必要があり、3段階の操作入力が必要となるため、天板2の昇降の誤操作がより起こりにくくなる。
【0123】
[制御部の動作]
本実施形態による什器1の制御部15の動作について説明する。図18は、本実施形態による什器1の制御部の動作を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、センサ部11から制御部15の操作信号取得部151へ操作信号が出力された際に開始する。
【0124】
(ステップS301)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS302へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS301に留まる。
(ステップS302)操作切替判定部155が、操作信号取得部151に入力された操作信号に基づいて、予め設定された1つ又は複数の操作信号の順序を示す操作パターンである昇降操作切替パターンを受け付けたと判定した場合、ステップS303へ進む。そうでない場合(昇降操作切替パターンを受け付けたと判定されなかった場合)、ステップS301へ戻る。
【0125】
(ステップS303)操作切替判定部155は、操作許可判定部152へ昇降操作許可判定指令を出力する。その後、ステップS304へ進む。
(ステップS304)操作切替判定部155が昇降操作切替パターンを受け付けたと判定してから所定の期間が経過している場合(タイムアウトした場合)、当該昇降操作切替パターンの受け付けはキャンセルされ、ステップS301へ戻る。そうでない場合(タイムアウトしていない場合)、ステップS305へ進む。
【0126】
(ステップS305)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS306へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS304へ戻る。
(ステップS306)操作許可判定部152が、操作信号取得部151に入力された操作信号に基づいて、予め設定された複数の操作信号の順序を示す操作パターンである許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)を受け付けたと判定した場合、ステップS307へ進む。そうでない場合(許可パターンを受け付けたと判定されなかった場合)、ステップS304へ戻る。
【0127】
(ステップS307)操作許可判定部152は、情報受付部153へ許可情報(上昇許可情報又は下降許可情報)を出力する。その後、ステップS308へ進む。
(ステップS308)操作許可判定部152から情報受付部153へ出力された許可情報が上昇許可情報である場合、ステップS309へ進む。そうでない場合(下降許可情報である場合)、ステップS312へ進む。
【0128】
(ステップS309)動作信号生成部154は、情報受付部153から操作信号を取得し、上昇動作信号を生成する。動作信号生成部154は、生成した上昇動作信号を昇降駆動部10へ出力する。その後、ステップS310へ進む。
(ステップS310)操作信号取得部151への操作信号の入力が停止(終了)した場合、ステップS311へ進む。そうでない場合(操作信号の入力が停止していない場合)ステップS309へ戻る。なお、操作信号の入力が所定の時間を超えても停止しなかった場合には、タイムアウトさせる(すなわち、ステップS311へ進む)ような構成にしてもよい。
【0129】
(ステップS311)動作信号生成部154は、昇降駆動部10への上昇動作信号の出力を停止する。以上で本フローチャートの処理が終了する。
(ステップS312)動作信号生成部154は、情報受付部153から操作信号を取得し、下降動作信号を生成する。動作信号生成部154は、生成した下降動作信号を昇降駆動部10へ出力する。その後、ステップS313へ進む。
【0130】
(ステップS313)操作信号取得部151への操作信号の入力が停止(終了)した場合、ステップS314へ進む。そうでない場合(操作信号の入力が停止していない場合)ステップS312へ戻る。なお、操作信号の入力が所定の時間を超えても停止しなかった場合には、タイムアウトさせる(すなわち、ステップS314へ進む)ような構成にしてもよい。
(ステップS314)動作信号生成部154は、昇降駆動部10への下降動作信号の出力を停止する。
以上で本フローチャートの処理が終了する。
【0131】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態について説明する。
以下に説明する本実施形態による什器1bの構成のうち、上述した他の実施形態の什器1の構成と共通する構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0132】
[センサ部の構成]
本実施形態によるセンサ部11の構成について説明する。図19は、本実施形態による什器1bのセンサ部11の構成を示す図である。
図19に示すように、センサ部11は、接触センサ11s~11uを有する。なお、図示するように、接触センサ11sの表面には「-(マイナス)」の文字が、接触センサ11uの表面には「+(プラス)」の文字が印字されている。「-(マイナス)」の文字が印字された接触センサ11sは使用者が天板2の下降操作を行う際に使用するセンサであり、「+(プラス)」の文字が印字された接触センサ11uは、使用者が天板2の上昇操作を行う際に使用するセンサである。
なお、本実施形態においては、接触センサ11sや接触センサ11uの表面に文字が印字されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、天板2の表面に透光部を設けておき、天板2の内部に配設したLEDを照射することによって天板2上に文字が表示されるような構成にしてもよい。
【0133】
接触センサ11tは、昇降操作の際にまず使用者が行う準備操作(すなわち、許可パターンの入力)のための接触を検知するセンサである。接触センサ11tは、接触を検知した場合、操作信号を生成し、制御部15の操作信号取得部151へ出力する。
【0134】
また、接触センサ11s及び接触センサ11uは、昇降操作の際に、使用者が上記準備操作を行った後で昇降指示をするための接触を検知するセンサである。接触センサ11s及び接触センサ11uは、接触を検知した場合、操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部15の操作信号取得部151へ出力する。
【0135】
[天板昇降式什器の作用]
本実施形態による什器1bの作用について説明する。本実施形態による什器1bの天板2を使用者が昇降させる場合には、使用者は、まず、天板2に備えられたセンサ部11が有する複数の接触センサ11tに対して、所定の期間内に(例えば、1秒以内に)2回続けて使用者の手を接触させる。
使用者による上記の操作入力により、操作許可判定部152において許可パターンが受け付けられ、情報受付部153へ許可情報が出力される。
【0136】
次に、使用者が接触センサ11uに手を接触させることによって、情報受付部153において操作信号が受け付けられる。これにより、使用者が接触した接触センサ11uから手を放すまでの間、又は天板2が可動可能範囲の上限の位置まで上昇するまでの間、天板2が上昇する。なお、使用者が接触センサ11sに手を接触させた場合には、使用者が接触した接触センサ11sから手を放すまでの間、又は天板2が可動可能範囲の下限の位置まで下降するまでの間、天板2が下降する。
【0137】
なお、操作許可判定部152において許可パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)が経過しても接触センサ11s又は接触センサ11uのいずれかに対する接触が行われなかった場合には、タイムアウトとなり、当該許可パターンの受け付けはキャンセルされる。
【0138】
本実施形態による什器1によれば、天板2を昇降させる際には、使用者は、予め定められた許可パターンの入力に基づく準備操作を行った後に、昇降指示に基づく操作を行う必要があり、2段階の操作入力が必要となるため、天板2の昇降の誤操作がより起こりにくくなる。
【0139】
なお、本実施形態に係る什器1bは、複数の使用者によって使用される大型の天板昇降式什器である。図20は、本発明の第5実施形態による天板昇降式什器を天板の上面側から見た図である。
図20に図示するように、天板2の上面3の6カ所に、センサ部11(センサ部11-1~11-6)が備えられている。これにより、使用者は、自身の位置の近くにあるセンサ部11を用いて、天板2の昇降操作を行うことができる。なお、センサ部11-1~11-6は通信ネットワーク(不図示)によって通信接続され、それぞれ相互にデータの送受信を行うことができる。
【0140】
使用者が、例えば、センサ部11-1に対して、許可パターンの入力に基づく準備操作を行った場合、センサ部11-1は、その他の全てのセンサ部11(センサ部11-2~11-6)に対して操作禁止指令を送信する。これにより、センサ部11-2~11-6は、操作禁止指令を取得すると、それぞれのセンサ部11が有する接触センサへの入力を受け付けない状態となる。
【0141】
そして、センサ部11-1において、使用者が、天板2の昇降操作を完了した場合、あるいは、センサ部11-1において受け付けられた許可パターンがキャンセルされた場合(タイムアウトした場合)、センサ部11-1は、その他の全てのセンサ部11(センサ部11-2~11-6)に対して操作禁止解除指令を送信する。これにより、センサ部11-2~11-6は、操作禁止解除指令を取得すると、それぞれのセンサが有する接触センサへの入力を再び受け付ける状態となる。
【0142】
このように、本実施形態に係る什器1bは、複数のセンサ部11(センサ部11-1~11-6)のうち、あるセンサ部11によって天板2の昇降操作が行われている間は、他のセンサ部11においては操作入力が受け付けられない状態となるため、天板2の昇降の誤操作がより起こりにくくなる。
【0143】
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態について説明する。
なお、本実施形態による什器1の斜視図、什器1を天板の上面側から見た図、什器1を天板の下面側から見た図、及び、什器1の機能構成を示すブロック図については、上記第1実施形態の説明において用いた図1~4とそれぞれ同様である。以下に説明する本実施形態による什器1の構成のうち、上記第1実施形態の什器1の構成と共通する構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0144】
[センサ部の構成]
本実施形態によるセンサ部11の構成について説明する。図21は、本実施形態による天板昇降式什器1のセンサ部11の構成を示す図である。
図21に示すように、センサ部11は、接触センサ11v-1~11v-3(第1センサ)と、誤操作判定用センサ11w-1~11w-3(第2センサ)とを有する。以下、接触センサ11v-1~11v-3を区別して説明する必要がない場合には、単に接触センサ11vという。また、以下、接触センサ11w-1~11w-3を区別して説明する必要がない場合には、単に接触センサ11wという。
【0145】
接触センサ11v-2は、昇降操作の際にまず使用者が行う準備操作(すなわち、許可パターンの入力)のための接触を検知するセンサである。また、接触センサ11v-1及び接触センサ11v-3は、昇降操作の際に、使用者が上記準備操作を行った後で昇降指示をするための接触を検知するセンサである。接触センサ11v-1は使用者が天板2の下降操作を行う際に使用するセンサであり、接触センサ11v-3は、使用者が天板2の上昇操作を行う際に使用するセンサである。
【0146】
また、図21に示すように、接触センサ11v-1~11v-3の周縁には、それぞれ誤操作判定用センサ11w-1~11w-3が配置されている。誤操作判定用センサ11w-1~11w-3は、それぞれ接触センサ11v-1~11v-3を囲む円弧状に配置されている。なお、誤操作判定用センサ11w-1~11w-3の配置は円弧状に限られるものではない。誤操作判定用センサ11w-1~11w-3は、それぞれ接触センサ11v-1~11v-3の周縁に任意の形状で配置可能である。誤操作判定用センサ11w-1~11w-3は、例えば矩形状等、多角形状に配置されてもよい。
【0147】
このように、本実施形態によるセンサ部11が上述した第5の実施形態によるセンサ部11と異なる点は、接触センサの周縁に誤操作判定用センサが配置されている点である。
【0148】
上述した第5の実施形態と同様に、接触センサ11vが接触を検知した場合、操作信号が出力される。但し、本実施形態では、当該接触センサ11vの周縁に配置された接触センサ11wも同時に接触を検知している場合には操作信号は出力されない。
【0149】
このように、使用者が接触センサ11vのみに接触した場合に操作信号が出力される。そのため、使用者が、接触センサ11vが配置された正確な位置に接触をせず、ずれた位置に接触することによって、誤操作判定用センサ11wにも接触している場合には操作信号が出力されない。これにより、第6の実施形態によれば、使用者が天板を昇降させるためには、センサ部のより正確な位置に接触を行わなければならなくなるため、使用者が意図せずセンサ部11に接触することなどによる天板上での誤操作が起こりにくい。
【0150】
なお、使用者が、接触センサ11vが配置された位置に正確に接触をしなかった場合とは、例えば、使用者が、意図せずセンサ部11の広範な領域に対して接触した場合や、接触しようとする接触センサ11vに隣接する他の接触センサ11vの近傍の位置に意図に反して接触した場合等である。
【0151】
[センサ部の機能構成]
本実施形態によるセンサ部11の機能構成について説明する。図22は、本実施形態による天板昇降式什器1のセンサ部11の機能構成を示すブロック図である。
図22に示すように、センサ部11は、接触センサ11vと、接触センサ11wと、誤操作判定部11xとを有している。
【0152】
接触センサ11vは、接触を検知している間、接触を検知していることを示す接触情報を誤操作判定部11xに出力する。
誤操作判定用接触センサ11wも同様に、接触を検知している間、接触を検知していることを示す接触情報を誤操作判定部11xに出力する。
誤操作判定部11xは、接触センサ11vから接触情報が入力され、誤操作判定用接触センサ11wから接触情報が入力されていないときに限り、操作信号を制御部15の操作信号取得部151に出力する。
【0153】
[センサ部の動作]
本実施形態によるセンサ部11の動作について説明する。図23は、本実施形態による天板昇降式什器1のセンサ部11の動作を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、天板昇降式什器1の電源がオン(ON)の状態にされた際に開始する。
【0154】
(ステップS01)誤操作判定部11xが誤操作判定用センサ11wからの接触情報の入力を受け付けている場合、ステップS01に留まる。そうでない場合(すなわち、誤操作判定部11xが誤操作判定用センサ11wからの接触情報の入力を受け付けていない場合)、ステップS02へ進む。
【0155】
(ステップS02)誤操作判定部11xが接触センサ11vからの接触情報の入力を受け付けていない場合、ステップS01に戻る。そうでない場合(すなわち、誤操作判定部11xが接触センサ11vからの接触情報の入力を受け付けている場合)、ステップS03へ進む。
【0156】
(ステップS03)誤操作判定部11xは、操作信号を制御部15の操作信号取得部151に出力する。
以上で、本フローチャートの処理が終了する。
【0157】
(変形例)
本発明の第6実施形態の変形例について説明する。
【0158】
[センサ部の構成]
本実施形態の変形例によるセンサ部11の構成について説明する。図24は、本実施形態による天板昇降式什器1のセンサ部11の構成を示す図である。
図24に示すように、センサ部11は、接触センサ11v-1~11v-3と、誤操作判定用センサ11w-4~11w-9とを有する。図示するように、接触センサ11v-1の周縁には誤操作判定用センサ11w-4及び11w-5が、接触センサ11v-2の周縁には誤操作判定用センサ11w-6及び11w-7が、及び、接触センサ11v-3の周縁には誤操作判定用センサ11w-8及び11w-9がそれぞれ配置されている。
【0159】
図24に示すように、第6の実施形態の変形例によるセンサ部11が、上述した第6の実施形態によるセンサ部11と異なる点は、接触センサ11vの周縁の少なくとも一部には誤操作判定用センサ11wが配置されない点である。例えば、使用者がセンサ部11に対して指によって接触する場合に指が向きやすい方向(例えば、センサ部11の上下方向)には、誤操作判定用センサ11wが配置されない。
【0160】
図24に例示した接触センサ11の場合、接触センサ11vの周縁に配置された誤操作判定用センサ11wの形状が2つの円弧からなる形状になっており、接触センサ11vが並ぶ方向とは垂直方向(図24では上下方向)の位置(接触センサ11vの上下方向の位置)には、誤操作判定用センサ11wが配置されていない。すなわち、誤操作判定用センサ11wの形状が、上下方向に切れ目が入った円弧の形状になっている。
【0161】
誤操作判定用センサ11wの形状が上記の形状になっていることにより、接触センサ11vが並ぶ方向とは垂直方向(図24では上下方向)にずれた位置に使用者が接触をしたとしても、使用者は誤操作判定用センサ11wに触れることがない。一方、接触センサ11vが並ぶ方向(図24では左右方向)にずれた位置に使用者が接触をした場合には、使用者は誤操作判定用センサ11wに触れることになる。
【0162】
これにより、使用者が、接触しようとする接触センサ11vに隣接する他の接触センサ11vに近い方向にずれて接触した場合には、誤操作判定用センサ11wに触れることになり、操作信号が出力されない。一方、使用者が、接触しようとする接触センサ11vに隣接する他の接触センサ11vが存在する方向とは異なる方向(図24では上下方向)にずれて接触した場合には、誤操作判定用センサ11wに触れることがないため、操作信号が出力される。
【0163】
これにより、第6の実施形態の変形例によれば、使用者による接触のずれの方向に応じて、操作信号の出力がなされるか否かが決定されることになり、本来使用者が行おうとしている操作が、接触位置のずれによって誤操作であると認識されることを防止することができる。
なお、上記では、円形の上下2か所が切り込まれた形状となるように、2つの円弧状の誤操作判定用センサ11w(例えば、誤操作判定用センサ11w-4と誤操作判定用センサ11w-5)が配置された例を挙
げているが、3つ以上の誤操作判定用センサ11wによって接触センサ11vの周縁を囲むようにしてもよい。
【0164】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。
【0165】
上述した実施形態においては、一例として、天板昇降式什器の天板の昇降操作を行う場合について説明をしたが、これに限られるものではない。
本発明は、例えば、使用者によるセンサ部11への操作入力に基づいて、図1及び図2に示した電気スタンド12の調光操作がなされるような天板付什器に対しても適用することができる。また、本発明は、例えば、使用者によるセンサ部11への操作入力に基づいて、図1及び図2に示したコンセント13の通電状態(オンまたはオフ)の切り替えがなされるような天板付什器に対しても適用することができる。
その他、本発明は、例えば、使用者によるセンサ部11への操作入力に基づいて、天板付什器と通信接続された外部機器(例えば、空調機器など)の電源(オンまたはオフ)の切り替えや、モニターの表示の切り替えなどの外部機器の動作状態の調節がなされるようなシステムに対しても適用することができる。
【符号の説明】
【0166】
1 天板昇降式什器
2 天板
3 天板の上面
4 天板の下面
5 支持体
6 梁部
7 軸部
8 脚部
10 昇降駆動部
11 センサ部
12 電気スタンド
13 コンセント
15 制御部
151 操作信号取得部
152 操作許可判定部
153 情報受付部(操作情報受付部)
154 動作信号生成部(制御信号生成部)
155 操作切替判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24