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特許6994048視力矯正を行うヘッドマウント表示デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】視力矯正を行うヘッドマウント表示デバイス
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20220106BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20220106BHJP
   A61B 3/103 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
A61B3/103
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019559787
(86)(22)【出願日】2018-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 US2018030832
(87)【国際公開番号】W WO2018213010
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2019-10-31
(31)【優先権主張番号】62/507,671
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, ポール, ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】クラーク, ブランドン, イー.
(72)【発明者】
【氏名】クレーマン, エリヤ, エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ビクトリア, シー.
(72)【発明者】
【氏名】ガンバコータ, クリスティーナ, ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ミーレ, グラハム, ビー.
(72)【発明者】
【氏名】チョイ, ハングギュル
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ナン
(72)【発明者】
【氏名】ホブソン, フィリップ, エム.
(72)【発明者】
【氏名】スプレイグ, ウィリアム, ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルコ, エドワード, エー.
(72)【発明者】
【氏名】ハング, チョン
(72)【発明者】
【氏名】ペティジャンスキ, ブランコ
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-286144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0000335(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0185475(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0234206(US,A1)
【文献】特開2010-204397(JP,A)
【文献】国際公開第2015/012280(WO,A1)
【文献】特開2016-148839(JP,A)
【文献】特表2003-505718(JP,A)
【文献】特表2015-521926(JP,A)
【文献】特表2011-507011(JP,A)
【文献】実開平02-149916(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 - 27/02
H04N 5/64
A61B 3/10 - 3/103
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈折異常がある眼を有するユーザが視認可能である画像を生成するように構成されている、眼の位置に配置されたヘッドマウントデバイスであって、
前記画像を表示するように構成されているディスプレイと、
前記ディスプレイと前記眼の位置との間のレンズと、ここで、前記ディスプレイに表示される前記画像は、前記眼の位置から前記レンズを介して視認可能であり、
センサと、
前記ディスプレイに結合されているポジショナと、
前記センサにより前記屈折異常を測定するように構成されており、前記測定された屈折異常に基づいて前記ポジショナを調整するように構成されている制御回路と、を備え、
前記センサは、
少なくとも1つの導波路と、
前記眼の位置からの光を前記導波路内に結合する入力カプラと、
前記入力カプラによって前記導波路内に結合された光を、該光を測定する撮像システムに供給する出力カプラと
を含む、ヘッドマウントデバイス。
【請求項2】
前記入力カプラは、前記ディスプレイから前記眼の位置へと画像が通過することを可能にするように構成されている、請求項1に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項3】
前記入力カプラ及び出力カプラはボリュームホログラムであり、前記撮像システムはカメラを含む、請求項2に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項4】
レーザ及び発光ダイオードからなるグループから選択される、光を供給する光源と、
前記供給された光を追加の導波路内に結合する追加の入力カプラを含む前記追加の導波路であって、前記追加の導波路は、前記追加の導波路から前記眼の位置に向けて前記供給された光を導く追加の出力カプラを有する、前記追加の導波路と、
前記出力カプラと前記カメラとの間に挿入されたレンズアレイであって、前記制御回路は、前記カメラにおける前記レンズアレイによって生成された光スポットを分析することによって、前記屈折異常を測定するように構成されており、前記センサは、Shack-Hartmann収差計を形成するように構成されている、レンズアレイと、を更に備える、請求項3に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項5】
前記センサは、Tscherning収差計を形成するように構成されており、前記制御回路は、ドットのアレイが前記ディスプレイ上に表示されている間に生成される前記カメラにおける光スポットを分析することによって、前記屈折異常を測定するように構成されている、請求項3に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項6】
前記センサは、レイトレーシング収差計を形成するように構成されており、前記制御回路は、形状が前記ディスプレイ上に表示されている間に生成される前記カメラにおける光パターンを分析することによって、前記屈折異常を測定するように構成されており、前記形状は円を含む、請求項3に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項7】
前記制御回路は、前記ディスプレイ及び前記レンズのうちの少なくとも選択された1つを無限遠焦点設定に調整しながら、前記ディスプレイ上にコンテンツを定期的に提示することによって、前記眼がリラックスすることを可能にするように構成されている、請求項1に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項8】
入出力デバイスを更に備え、前記制御回路は、前記入出力デバイスにより前記屈折異常に関するユーザ入力を受信するように構成されている、請求項1に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項9】
前記ユーザ入力は眼鏡処方を含み、前記制御回路は、前記眼鏡処方に基づいて前記ポジショナにより前記ディスプレイの位置を調整するように構成されている、請求項8に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項10】
前記レンズは同調可能なレンズを含み、前記制御回路は、前記測定された屈折異常に少なくとも部分的に基づいて前記同調可能なレンズを調整するように構成されている、請求項1に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項11】
前記同調可能なレンズは、少なくとも1つの同調可能な液晶シリンドリカルレンズを含み、前記測定された屈折異常は前記眼の乱視に関連付けられ、前記制御回路は、前記測定された屈折異常に基づいて前記同調可能な液晶シリンドリカルレンズを調整して、前記乱視を矯正するように構成されている、請求項10に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項12】
前記レンズは視力矯正レンズを含む、請求項1に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項13】
前記視力矯正レンズは回転非対称であり、乱視を補償するように構成されており、前記視力矯正レンズはフレネルレンズである、請求項12に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項14】
前記レンズは、固定レンズと、前記固定レンズに重なるように構成されている取り外し可能な視力矯正レンズとを含む、請求項1に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項15】
前記取り外し可能な視力矯正レンズは、前記固定レンズに対して前記取り外し可能な視力矯正レンズを回転方向に整列させるように構成されている回転整列構造体を含み、前記回転整列構造体は磁石を含む、請求項14に記載のヘッドマウントデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年5月17日に出願された米国特許仮出願第62/507,671号に対する優先権を主張するものであり、本明細書における参照によりその全体が本明細書内に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本出願は、概して、光学システムに関し、より具体的には、ヘッドマウントデバイス用の光学システムに関する。
【0003】
仮想現実眼鏡及び拡張現実眼鏡などのヘッドマウントデバイスは、ディスプレイを使用して画像を生成し、レンズを使用してユーザの両眼に画像を表示する。
【0004】
注意を払わないと、ヘッドマウントデバイスは装着するのに面倒で疲れることがある。ヘッドマウントデバイス用の光学システムは、かさばって重い場合があり、十分に調整できない場合がある。このタイプの光学システムを用いたヘッドマウントデバイスの長時間の使用は、不快な場合がある。
【発明の概要】
【0005】
ヘッドマウントディスプレイデバイスは、筐体内にディスプレイシステム及び光学システムを含むことができる。ディスプレイシステムは、画像を生成するディスプレイを有してもよい。ポジショナを使用して、ユーザの両眼に対してディスプレイを移動してもよい。ポジショナは、ユーザ間の瞳孔間距離の差に適応するために、ディスプレイの互いからの水平分離を調整するために使用されてもよく、ユーザ間の顔のアナトミーの違いに適応するために、垂直表示位置調整を行うために使用されてもよく、及び焦点を変更するために眼とディスプレイの間隔を調整する際に使用することができる。
【0006】
光学システムは、同調可能なシリンドリカル液晶レンズなどの同調可能なレンズを含んでもよい。ディスプレイは、レンズを通して視認することができる。光学システムは、同調可能なシリンドリカルレンズと併せて使用される固定球面レンズを含んでもよい。
【0007】
センサをヘッドマウントデバイスに組み込んで、ユーザの両眼の屈折異常を測定してもよい。視認快適性は、ユーザの両眼の眼の位置に対する表示位置を調整することによって、並びに/又はディスプレイ上に提示されているコンテンツに基づいて及び/若しくは測定された眼の屈折異常に基づいて、レンズ設定を調整することによって、向上させることができる。センサは、導波路及びボリュームホログラム、並びにユーザの両眼の網膜から反射した光を収集するためのカメラを含んでもよい。遠視、近視、及び乱視などの屈折異常は、レンズを同調すること及び/又は表示位置を調整することによって矯正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る、例示的なヘッドマウントデバイスの図である。
【0009】
図2】一実施形態に係る、調整可能なディスプレイ及びレンズを有する例示的なヘッドマウントデバイスの図である。
【0010】
図3】一実施形態に係る、例示的な調整可能なレンズの断面側面図である。
【0011】
図4】一実施形態に係る、図3のレンズの屈折率をどのように調整できるかを示すグラフである。
【0012】
図5】一実施形態に係る、フレネルレンズを形成する際に、図3のレンズの屈折率をどのように調整できるかを示す図である。
【0013】
図6A】一実施形態に係る、ヘッドマウントデバイス用の例示的なShack-Hartmannセンサの図である。
【0014】
図6B】一実施形態に係る、Shack-Hartmannセンサ用の代替光源の図である。
図6C】一実施形態に係る、Shack-Hartmannセンサ用の代替光源の図である。
図6D】一実施形態に係る、Shack-Hartmannセンサ用の代替光源の図である。
【0015】
図7A】一実施形態に係る、Tscherningセンサの光源及び検出器部の図である。
図7B】一実施形態に係る、Tscherningセンサの光源及び検出器部の図である。
【0016】
図8A】一実施形態に係る、レイトレーシングセンサの光源及び検出器部の図である。
図8B】一実施形態に係る、レイトレーシングセンサの光源及び検出器部の図である。
【0017】
図9】一実施形態に係る、イヘッドマウントデバイスの動作に含まれる例示的な動作のフローチャートである。
【0018】
図10】一実施形態に係る、例示的なレンズ及び関連する視力矯正レンズの側面図である。
【0019】
図11】一実施形態に係る、レンズマウントに結合された例示的な視力矯正レンズの正面図である。
【0020】
図12】一実施形態に係る、例示的なレンズ及び関連するフレネル視力矯正レンズの側面図である。
【0021】
図13】一実施形態に係る、例示的な球面フレネルレンズの正面図である。
【0022】
図14】一実施形態に係る、例示的なシリンドリカルフレネルレンズの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ヘッドマウントディスプレイなどのヘッドマウントデバイスは、仮想現実及び拡張現実システムに使用することができる。例えば、ユーザの頭部に装着された一対の仮想現実眼鏡を使用して、仮想現実コンテンツをユーザに提供することができる。
【0024】
仮想現実コンテンツをユーザに提供する際に一対の仮想現実眼鏡などのヘッドマウントデバイスが使用される例示的なシステムを、図1に示す。図1に示すように、ヘッドマウントディスプレイ10は、画像を生成するディスプレイシステム40などのディスプレイシステムを含むことができ、ユーザ(例えば、ユーザの両眼46を参照)が、ディスプレイシステム40によって生成された画像を方向48に視認することができる光学システム20などの光学システムを有することができる。
【0025】
ディスプレイシステム40は、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、結晶半導体発光ダイオードダイのアレイを有するディスプレイ、液晶オンシリコンディスプレイ、微小電気機械システム(MEMs)ディスプレイ、及び/又は他のディスプレイ技術に基づくディスプレイに基づくことができる。システム40にはユーザの左右の眼に対して別個の左右のディスプレイが含まれてもよく、又は単一のディスプレイが両眼に広がってもよい。
【0026】
視覚コンテンツ(例えば、静止画及び/又は動画用の画像データ)は、ヘッドマウントデバイス10に取り付けられた制御回路42、及び/又はヘッドマウントデバイス10の外部に取り付けられた制御回路(例えば、関連付けられたポータブル電子デバイス、ラップトップコンピュータ、又は他のコンピューティング機器内の)を使用して、ディスプレイシステム40に提供することができる。制御回路42は、ハードディスク記憶デバイス、揮発性及び不揮発性メモリ、ソリッドステートドライブを形成するための電気的にプログラム可能な記憶デバイス、及び他のメモリなどの記憶デバイスを含むことができる。制御回路42は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、グラフィックプロセッサ、ベースバンドプロセッサ、特定用途向け集積回路、及び他の処理回路も含むことができる。回路42内の通信回路は、(例えば、無線で及び/又は有線経路を介して)データを送受信するために使用することができる。制御回路42は、ディスプレイシステム40を使用して、仮想現実コンテンツ(例えば、仮想世界に関連付けられたコンピュータ生成コンテンツ)、映画若しくは他の媒体の事前記録ビデオ、又は他の画像などの視覚コンテンツを表示することができる。
【0027】
システム40は、システム40内のディスプレイの位置を調整するために使用できる、電気的に制御されたポジショナを含んでもよい。レンズシステム20は、同調可能なレンズを含んでもよい。動作中、制御回路42は、システム40内のディスプレイに対して位置調整を行うことができ、レンズシステム20内の同調可能なレンズを調整することができ、及び/又はシステム40を使用してユーザに画像コンテンツを提示しながら、デバイス10の構成要素に対して他の調整を行うことができる。
【0028】
入出力デバイス44は制御回路42に結合することができる。入出力デバイス44は、ユーザからユーザ入力を集めるために使用することができ、デバイス10を囲む環境について測定するために使用することができ、ユーザに出力を提供するために使用することができ、及び/又は外部電子機器に出力を供給するために使用することができる。入出力デバイス44は、ボタン、ジョイスティック、キーパッド、キーボードキー、タッチセンサ、トラックパッド、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、マイクロフォン、スピーカ、視覚出力をユーザに提供するための発光ダイオード、及びセンサ(例えば力センサ、温度センサ、磁気センサ、加速度計、ジャイロスコープ、並びに/又は眼鏡10の向き、位置、及び/若しくは移動を測定するための他のセンサ、近接センサ、静電容量式タッチセンサ、歪みゲージ、ガスセンサ、圧力センサ、周囲光センサ、並びに/又は他のセンサ)を含むことができる。所望であれば、入出力デバイス44は、ユーザの両眼46の眼の特性を測定する感知システムを含んでもよい。例えば、Shack-Hartmann波面センサ、Tscherningセンサ、又はレイトレーシングセンサなどの波面センサを使用して、乱視、遠視、及び近眼などのユーザの両眼における屈折異常を測定することができる。デバイス44はまた、ユーザの周囲の画像をキャプチャするためのカメラ(デジタル画像センサ)、眼46を視認することによって注視検出動作を実行するためのカメラ、及び/又は他のカメラを含むことができる。
【0029】
図2は、(図2のZ軸に沿った)図1の方向48で視認したヘッドマウントデバイス10の部分の図である。図2に示すように、左レンズ20L及び右レンズ20Rなどの光学システム構成要素、並びにデバイス10の左ディスプレイ40L及び右ディスプレイ40Rなどのディスプレイシステム構成要素は、筐体12などの筐体内に取り付けられてもよい。筐体12は、一対の眼鏡用のフレームの形状を有してもよく(例えば、ヘッドマウントデバイス10は眼鏡に似てもよい)、ヘルメットの形状を有してもよく(例えば、ヘッドマウントデバイス10はヘルメットマウントディスプレイを形成してもよい)、一対のゴーグルの形状を有してもよく、筐体12がユーザの頭部に装着されることを可能にする任意の他の適切な筐体形状を有してもよい。ユーザが光学システム20及びディスプレイシステム40を方向48に視認しているときに、筐体12がユーザの両眼(例えば、両眼46)の前に光学システム20及びディスプレイシステム40を支持する構成は、一例として本明細書に説明される場合がある。所望により、筐体12は、他の適切な構成を有することができる。
【0030】
筐体12は、プラスチック、金属、炭素繊維材料などの繊維複合材料、木材及び他の天然材料、ガラス、他の材料、及び/又はこれらの材料の2つ以上の組み合わせから形成することができる。電気的に制御されるポジショナ(例えば、コンピュータ制御ステッパーモータ、圧電アクチュエータ、又は制御回路42からの制御信号によって制御される他のコンピュータ制御位置決めデバイス)は、デバイス10の構成要素に結合でき、筐体12に対して及びユーザ装着デバイス10に対して、これらの構成要素を望ましい位置に位置決めする際に使用することができる。例えば、ポジショナ50Xを使用して、ディスプレイ40L及び40RのそれぞれのX軸位置を調整してもよい。ポジショナ50Yは、図2のY軸に沿ったディスプレイ40L及び40Rのそれぞれの位置を調整するために使用されてもよい。ディスプレイ40L及び40RのZ軸位置(それぞれ、ディスプレイ40L及び40Rの、ユーザの左眼46及び右眼46までの距離)は、ポジショナ50Zを使用して調整することができる。ポジショナ50L(例えば、X軸、Y軸、Z軸、及び/又は回転ポジショナ)は、レンズ20L及び20Rの位置を調整する際に使用されてもよい。レンズ属性はまた、制御回路42からの制御信号に応じて電気的に同調することができる。デバイス10内のポジショナは、筐体12に結合されてもよく(例えば、筐体12に対する構成要素の位置を移動させるために)、及び/又はデバイス10内の可動構造体に結合されてもよい(例えば、別の構成要素に対する、又は移動可能な支持構造体に対する1つの構成要素の位置を調整するために)。所望であれば、ディスプレイ及び対応するレンズが一緒に移動するように、レンズ20Lは、固定支持構造体を使用してディスプレイ40Lに結合されてもよく、レンズ20Rは、固定支持構造体を使用してディスプレイ40Rに結合されてもよい。他の構成では、レンズ20L及び20Rの位置は、ユーザの両眼に関して固定(又は調整可能)とすることができ、一方、ユーザの両眼に対するディスプレイ40L及び40Rの位置は、ディスプレイ40L及び40R用のポジショナを使用して独立して調整することができる。いくつかの構成では、レンズポジショナ50Lは省略されてもよい。レンズポジショナがレンズ20L及び20Rに対して回転位置決めのみを提供する構成もまた、使用されてもよい。
【0031】
Z軸に沿ったディスプレイ40L及び40R並びに/又はレンズ20L及び20Rの位置の調整可能性により、ディスプレイ40L及び40R上の画像を、ユーザに焦点合わせすることができる。X軸に平行な内向き及び外向きの位置調整により、異なる瞳孔間距離を有するユーザをデバイス10が適応することを可能にし、各レンズ及びパネルペア(1つの眼に対応する)は、一緒に調整されなければならない。Y次元に沿った調整により、ユーザの頭部及び顔のアナトミーの違いにデバイス10が対応する(例えば、ディスプレイ及びレンズを、ユーザの両眼に対して軸Yに沿って異なる高さに配置する)ことを可能にし得る。ポジショナ動作は、ユーザ入力に応じて制御され得る。例えば、制御回路42は、ボタン押圧入力、タッチセンサ入力、音声入力、オンスクリーンメニュー選択、及び/又は図1のデバイス44への他のユーザ入力に基づいて、図2のポジショナを使用して位置調整を行うことができる。位置調整(例えば、焦点同調のための)はまた、ユーザの両眼の測定された屈折特性に基づいて、制御回路42によって自動的に行うことができる。
【0032】
レンズの動き及び/又はディスプレイの動きを使用して焦点合わせ動作を実行することに加えて、レンズ20L及び20Rは、制御回路42からの制御信号に基づいて電気的に同調されてもよい。レンズ20L及び20Rは、例えば、異なる焦点距離を呈するように動的に同調することができる、同調可能な液晶レンズ又は他のレンズなどの同調可能なレンズであってもよい。図3の実施例では、同調可能なレンズ20T(例えば、レンズ20L及び/又はレンズ20R)は、一対の直交方向に積層された同調可能なシリンドリカルレンズから形成されている。具体的には、同調可能なレンズ20Tは、液晶レンズ構造体から形成された第1の同調可能なシリンドリカルレンズCL1及び第2の同調可能なレンズCL2を有する。偏光子(例えば、整列された通過軸を有する線形偏光子)は、CL2の上方及びCL1の下方に配置されてもよい。
【0033】
レンズ20Tは、基材52などの基材を含んでもよい。基材52は、透明プラスチック、透明ガラス、又は他の適切な透明材料から形成されてもよい。電極54、56、58、及び60などの透明導電性電極は、基材52上に形成されてもよい。透明導電性電極は、インジウムスズ酸化物又は他の透明導電性材料から形成されてもよい。フォトリソグラフィ及びエッチング、シャドーマスクパターニング、又は他のパターン化技術は、電極を所望の形状(例えば、リング、ストリップ、アレイ内のパッドなど)にパターニングする際に使用することができる。
【0034】
図3に示す1つの例示的な構成では、同調可能なシリンドリカルレンズCL1の下部電極54は、透明導電性材料のブランケット層から形成され、同調可能なシリンドリカルレンズCL1の上部電極56は、Y軸に平行に走る透明導電性材料のパターン化ストリップから形成される。液晶材料62は、電極54と電極56との間に挿入される。液晶材料の屈折率は、印加電圧(液晶を通る電界)の関数として変化する。各電極56上の電圧をX次元にわたって独立して調整することにより、液晶材料62の屈折率を各電極56の下で調整することができ、したがってシリンドリカルレンズCL1の焦点距離を調整することができる。
【0035】
電極56は図3のY軸に沿って走るため、シリンドリカルレンズCL1の長尺軸もまた、Y軸に平行に走る。上部の同調可能なシリンドリカルレンズCL2では、液晶材料64が電極60と電極58との間に挿入される。電極58は、透明導電性材料の均一な層であってもよく、上部電極60は、X軸に平行に走る透明導電性材料のパターン状ストリップから形成されてもよい。電極60の電極ストリップに印加される電圧を調整することにより、同調可能なシリンドリカルレンズCL2の焦点距離を調整することができる。電極60の電極ストリップはX軸に沿って延在するため、レンズCL2の長手方向軸もまた、X軸に沿って延在する。レンズCL1及びCL2は互いに垂直であるため、レンズCL1及びCL2の同調を通して、選択されたシリンドリカルレンズ度数が直交方向に生成され得る。球面レンズ度数は、CL1及びCL2(X及びYにおける電極)の両方をパラメータ的に駆動することによって生成することができる。
【0036】
図4は、同調可能なシリンドリカルレンズの焦点距離(例えば、CL1の焦点距離)をどのように調整できるかを示すグラフである。第1の構成では、滑らかに変化する電圧プロファイルが、同調可能なシリンドリカルレンズの電極ストリップにわたって適用されて、レンズの屈折率nを、図4の屈折率プロファイル66によって特徴付ける。屈折率nの値は、X次元にわたって湾曲した形状において変化し、それによって液晶材料からシリンドリカルレンズが形成される。
【0037】
レンズを同調するために、別の滑らかに変化する(例えば、より大きい振幅を有する)電圧プロファイルを液晶材料に適用し、それによって屈折率プロファイル68を作成してもよい。これらの実施例が示すように、同調可能なシリンドリカルレンズの屈折率プロファイルを動的に調整して、レンズの焦点距離を調整することができる(例えば、プロファイル66によって示されるようなより長い焦点距離及びより弱いレンズ度数を有するか、又はプロファイル68によって示されるようなより短い焦点距離及びより強いレンズ度数を有するように)。所望であれば、フレネルレンズ構成を使用して所望の度数のシリンドリカルレンズを実現するために、図5の同調可能なシリンドリカルレンズの屈折率プロファイル70によって示されるタイプの屈折率プロファイルを動的に生成することができる。
【0038】
レンズ20Tによって示されるタイプの同調可能なレンズ構成では、レンズCL1及びCL2の長手方向軸は直交し、X軸又はY軸のいずれかに沿ってシリンドリカルレンズを動的に生成することを可能にする。乱視を有するユーザの視力を矯正することに役立つために、X次元及び/又はY次元に沿ったシリンドリカルレンズ度数を、同調可能なレンズ20TのレンズCL1及びCL2を使用して制御することができる。所望であれば、同調可能なシリンドリカルレンズを、ポジショナを用いて回転させることができる。例えば、レンズシステム20は、(例えば、X軸又はY軸に対して対称ではない眼の乱視を補償するために)様々な度数の機械的又は電気的に回転可能な円筒状の同調可能なレンズを含んでもよい。レンズ20Tの角度方向が固定され、レンズCL1及び/又はレンズCL2を同調するために電気的同調が使用される構成を、一例として本明細書で説明する。
【0039】
レンズシステム20は、レンズ20Lと整列された固定(又は同調可能)球面レンズ、及びレンズ20Rと整列された固定(又は同調可能)球面レンズを含んでもよい。球面レンズが同調可能なシリンドリカルレンズと組み合わされると、デバイス10は、システム20内の同調可能なレンズを調整して、球面等価物(例えば、ユーザの乱視を矯正するための所望の非球面レンズを近似するための、球面レンズと適切な度数のシリンドリカルレンズとの組み合わせ)を使用して、ユーザの眼の視力を矯正することができる。
【0040】
所望であれば、収差計(例えば、Shack-Hartmann、Tscherning、又はレイトレーシングセンサ若しくは他の適切な屈折異常測定機器)として動作するように構成されているセンサは、制御回路42によって使用されて、ユーザの両眼における屈折異常を自動的に測定することができる。ホログラフィックカプラ、導波路、及び図6Aに示すタイプの他の構造体は、波面センサをヘッドマウントデバイス10内で支えるのに十分なサイズに低減できるように、波面センサを形成する際に使用されてもよい。
【0041】
デバイス10は、図6Aの例示的なディスプレイ40などのディスプレイを含んでもよい。各ディスプレイ40は、画像を生成するための画素Pのアレイを有してもよい。図2に関連して説明するように、デバイス10は、ユーザの左眼46及び右眼46の画像をそれぞれ提供するための2つのディスプレイ(例えば、ディスプレイ40L及び40R)を有してもよい。図6Aの例では、1つの眼46及び1つの対応するディスプレイ40のみが示されている。
【0042】
図2に示すタイプの位置センサは、画像に焦点が合わされており、ユーザによって快適に視認することができるように、眼46に対してディスプレイ40の位置を調整する際に使用することができる。例えば、ディスプレイ40と眼46との間の分離は、Z軸ポジショナ(一例として)を使用して調整することができる。レンズシステム20は、固定及び/又は同調可能なレンズ(例えば、固定及び/又は同調可能な球面レンズ、同調可能なシリンドリカルレンズなど)を含んでもよい。
【0043】
図6Aに示すタイプのShack-Hartmannセンサ構成では、光源72及びカメラ106を使用して、眼46に光を供給し、反射光を測定して眼46の光学属性を測定することができる。光源72は、任意の適切な波長で光74を生成してもよい。例えば、光源72は、近赤外光(例えば、750~1400nmの光、少なくとも700nmの波長を有する光、少なくとも750nmの波長を有する光、少なくとも800nmの波長を有する光、1500nm未満の波長を有する光、1000nm未満の波長を有する光、900nm未満の波長を有する光、又は850nm未満の波長を有する光など)を生成するレーザ又は発光ダイオードなどの赤外光源であってもよい。所望であれば、他の波長の光(より長い赤外波長、可視波長など)を使用することもできる。
【0044】
レーザなどの光源の場合、対物レンズ75、ピンホール開口部76、コリメートレンズ80、及びアイリス81を使用して、光74のビームサイズをコリメートし、制御することができる。これらの光学素子は、コリメーション光学素子アセンブリ71を構成する。対物レンズ75は、光74を、ビーム内の不均一な強度分布を除去する空間フィルタとして作用するピンホール開口部76上に焦点を合わせる。平滑ガウシアンプロファイルを有するビームは、ピンホール開口部76から出現する。レンズ80は、空間的にフィルタリングされた光を収集及びコリメートするために使用されてもよい。アイリス81は、コリメートされたビームサイズを制御するために使用されてもよい。アセンブリ71内のレンズ及び開口部は、固定構成要素であってもよく、又はことによると制御回路42からの制御信号に応じて手動又は電子的のいずれかで調整されてもよい。
【0045】
光源72は、任意の適切な波長で発光する発光ダイオード(LED)73であってもよい。LEDの有限なサイズのため、ビームは、コリメーション後にわずかに発散することになる。LED源の場合、コリメーション光学素子アセンブリ71は、コリメーション後のビーム発散を緩和するために、異なる構成要素を含んでもよい。図6Bは、非球面レンズペア77Aが、LED光源73から光74をコリメートする構成を示す。所望であれば、単一の非球面レンズを、代わりにコリメーションに使用することができる。図6Cでは、コリメーション光学素子アセンブリ71が、LED73及び複合放物線状集光器77Bのみを含んでもよい。中空放物線状ミラー77の焦点に置かれることにより、光74を収集し、コリメートすることができる。放物線状集光器77Bは、LED源73が、単純なレンズによって完全にはキャプチャすることができない大きな放射プロファイルを保持する場合に有利である。図6Dでは、アセンブリ71は、レンズアレイペア77C及びコンデンサレンズ79を含んでもよい。2つのレンズアレイの組み合わせは、それらのビームサイズがコンデンサレンズ79によって制御できる均一な照明を生成する。所望であれば、単一のレンズアレイを代わりに使用することができる。
【0046】
ボリュームホログラム又は他のホログラフィカプラなどの入力及び出力カプラは、導波路84及び94の端部の内外に光を結合する際に使用されてもよい。カプラには方向性があり、光がボリュームホログラムに一方向に入ることができることを意味する。例えば、入力カプラ82は、光74を導波路84に結合するために使用されてもよい。いったん導波路84に結合されると、この光は、導波路84内の方向93に、出力カプラ86に進行することができる。出力カプラ86は、ユーザの眼46と整列されてもよい(例えば、出力カプラ86は、ディスプレイ40(及びレンズ20)とユーザの眼46との間に挿入されてもよい)。この構成により、出力カプラ86は、出力光88によって示されるように、導波路84内を方向93に進行している光を、導波路84から眼46に向かって結合する。これは、ユーザの眼に光74を照射する。眼46のレンズを通過した後、光88は、反射光90によって示されるように、方向48に反射される。入力カプラ92は、光90を導波路94に結合する。カプラ86及び92は、光74の波長に同調されてもよく、したがって、ユーザがディスプレイ40上の画像を方向48に視認するときに、ユーザに対して透明であり得る。
【0047】
導波路94では、入力カプラ92から収集された光は、出力カプラ83内を方向96に進行する。出力カプラ83は、カメラ106に向かって方向96に進行する光出射導波路94を、出力光91として結合する。出力光91は、レンズ98、(レンズ98の焦点に配置され、光からノイズをフィルタリング除去するために使用される)ローパスフィルタ100、及びレンズレットアレイ102を通過する。小型レンズアレイ102は、レンズの2次元アレイを含んでもよい。これらのレンズは、スポット104の2次元アレイ内のカメラ106(例えば、デジタル画像センサ)上に、光91を焦点合わせする。
【0048】
カメラ106におけるスポット104の2次元パターン内のスポットの個々の強度は、制御回路42によって分析されて、ユーザの眼46に存在する任意の屈折異常(例えば、乱視、近眼、又は遠視)を特徴付けることができる。1つの例示的な構成では、制御回路42は、スポット104の測定された強度にゼルニケ多項式を適合させ、ゼルニケ多項式を処理してユーザの眼の屈折異常(例えば、ジオプタ値、又は眼46に関連付けられた屈折異常を矯正することにより、ユーザの視力を矯正するための光学システム設定を指定する他の眼鏡処方情報)を判定する。次いで、測定された屈折異常に関する情報を制御回路42によって使用して、眼46に対するディスプレイ40の位置を調整し、及び/又は光学システム20内の1つ以上の同調可能なレンズを調整することができる。
【0049】
一例として、右眼(OD)の球面の処方が-3.00ジオプタ、シリンダが-1.50ジオプタ、軸が180°である乱視を有する近視のユーザを考えてみる。この処方は、ユーザがそれぞれ、-3.00及び-1.5ジオプタの球面矯正及びシリンドリカル矯正を必要とすることを示す。180°の軸値は、ユーザの乱視矯正が水平であることを示す。このシナリオでは、球面矯正は、ディスプレイ40と眼46との間の分離をZ軸ポジショナにより調整することによって取得することができ、シリンドリカル矯正は、水平に配向された同調可能なシリンドリカルレンズを同調して-1.5ジオプタのシリンドリカルレンズ度数を生成することによって取得することができる。ユーザの右眼の屈折異常は、ユーザの右眼の測定された特性に基づいて、制御回路42によって独立して矯正することができる。
【0050】
ユーザに提供されるコンテンツは、遠隔画像(例えば、山の画像)を含んでもよく、前景コンテンツ(例えば、ユーザから50cmに立っている人物の画像)を含んでもよい。3次元コンテンツは、それぞれのディスプレイ40L及び40Rを用いて、ユーザの左眼及び右眼にわずかに異なる画像を提示することによって提供することができる。
【0051】
適応と輻輳の不一致は、眼精疲労を引き起こす可能性を有する。眼精疲労を最小化するため、デバイス10は、ユーザの毛様体筋がリラックスすることを可能にする動作を実行してもよい。例えば、制御回路42は、遠隔コンテンツ(例えば、少なくとも20フィート離れた見かけ距離におけるコンテンツ)をユーザに周期的(例えば、20分毎)に提示することができ、所定の時間(例えば、20秒)の間、この遠隔コンテンツを見るようにユーザに指示してもよい。調整はまた、ユーザの眼の快適性を高めるのに役立つために、ジオプタ矯正、又はデバイス10に関連付けられた他の光学システム設定にも行うことができる。例えば、制御回路42が、通常動作中にディスプレイ14及び光学システム20を低眼精疲労構成に配置することができるように、デバイス10は製造中に較正することができる。デバイス10を較正中、デバイス10は、無限遠焦点における仮想画像に対応するディスプレイ40の位置を判定するためにテストされ得る。次いで、この較正情報は、制御回路42に記憶されてもよい。
【0052】
ユーザが(必要な眼の矯正がない)完全な視力を有し、デバイス10が遠隔コンテンツ(例えば、ユーザの輻輳がユーザから無限遠距離に配置されたオブジェクトに関連付けられているコンテンツ)を表示している場合、デバイス10は、デバイス10の追加のジオプタ度数がゼロになるように、光学システム20を調整することができる。この構成では、ユーザは、遠隔コンテンツを眼精疲労なしに快適に視認することができる。
【0053】
別の例として、ユーザが近視であり、典型的に、遠隔画像を快適に視認するために-1.00ジオプタレンズを必要とする場合、制御回路42は、遠隔画像が提示され、より近くにコンテンツが提示されるにつれて対応する増大したジオプタが変化するときに、-1.00ジオプタ調整を行うことができる。
【0054】
所望であれば、眼の特性は、Shack-Hartmannセンサを使用して屈折異常を測定することに加えて、又はその代わりに、Tscherningセンサシステム又はレイトレーシングセンサシステムを使用して感知することができる。
【0055】
例示的なTscherningセンサシステム(Tscherning収差計)の一部を、図7A及び図7Bに示す。Tscherningセンサシステムでは、レーザ72又はLED73などの光源からのコリメート光74は、マスク120などのマスクを通過する。マスク120は、行及び列を有するグリッドパターン内の円形開口部のアレイなどの開口部のアレイを有する。マスク120の存在は、光74を、マスク120内の開口部のアレイと整列された一連の平行ビームに変換する。これらの平行ビームは、図6Aに関連して説明されるように、導波路84に結合され、光88として眼46に導かれる。眼46を通過し、ユーザの網膜上に画像を形成した後、これらの光ビームは、光90として導波路94に戻る(図6A)。導波路94は、図7Bに示すように、光91として、光90をレンズ122に供給する。カメラ106は、光91がレンズ122を通過した後、光の反射ビームに関連付けられた光のスポットの結果として得られるアレイを測定することができる。制御回路42は、カメラ106によって行われた測定値を分析して、ユーザの眼の屈折異常を(例えば、ゼルニケ多項式を使用して)特徴付けることができる。
【0056】
所望であれば、光源72、マスク120、及び導波路84を省略することができ、そうでなければマスク120を通過し得る光ビームのアレイを、ディスプレイ40上にスポットのアレイを提示することによって、代わりに生成することができる。ユーザの両眼を感知する直前に、ユーザの両眼は、ディスプレイ40上に画像を形成し、この仮想ターゲットを無限遠に移動させることによって(例えば、無限焦点位置に達するまでディスプレイ40と眼46との間の分離をゆっくりと増加させることによって、及び/又はシステム20のレンズを同調することによって)、リラックス状態に置かれてもよい。このタイプのシナリオでは、アレイ内の光スポットは、導波路84を使用して眼46にルーティングされることなく、ディスプレイ40から眼46に通過してもよい。反射光90は、制御回路42(例えば、ゼルニケ多項式フィッティングなど)による分析のために、カメラ106に(光91として)供給されてもよい。
【0057】
レイトレーシング収差計の一部を、図8A及び図8Bに示す。レイトレーシングシステムでは、レーザ72又はLED73などの光源からの光ビーム74は、走査ミラー124(例えば、制御回路42によって制御されるミラー又は他のデバイス)などの電気制御ビーム走査デバイスによって走査される。走査されたビームは、導波路84によって眼46の網膜上に投影され、光74の強度は、レーザ72又はLED73によってパルス化される。このアセンブリは、眼46の網膜上にスポットのアレイを形成する。各スポットが眼46上に順に投影されると、そのスポットに対する反射光(例えば、図6Aの光90を参照)は、図8Bの光91として、導波路94を通ってレンズ122に導かれる。レンズ122を通過した後、カメラ106は各スポットの画像をキャプチャし、制御回路42はキャプチャされた画像データを(例えば、ゼルニケ多項式フィッティングを使用して)分析することができる。
【0058】
所望であれば、レイトレーシング感知システム(レイトレーシング収差計)用の光は、ユーザの眼46をリラックスさせた後に、ディスプレイ40上にパターンを形成することによって生成されてもよい。例えば、円(光のリング)又は他のパターンが、ディスプレイ40上に形成されてもよい。ユーザの眼46は、眼の測定が行われる前に、円又は他のパターンによって形成された仮想標的を無限遠焦点位置に移動させることによって、リラックスさせることができる。このタイプの構成では、光源72、マスク120、及び導波路84を省略してもよい。測定中、ディスプレイ40上の光の円形パターンがユーザの網膜上に導かれ、反射光90として反射される。導波路94を方向96に通過し、光91として出た後、カメラ106は、制御回路42による分析のために円の(楕円の形状を有してもよい)画像をキャプチャすることができる。楕円の倍率は、ユーザの処方の球面部分を判定する際に使用することができ、楕円の長軸及び短軸は、ユーザの処方のシリンドリカル部分を判定する際に使用することができ、ユーザの処方の軸は、カメラ106により測定された楕円の長軸の角度から判定することができる。
【0059】
デバイス10を使用する際に伴われる例示的な動作を、図9に示す。
【0060】
ブロック108の動作中に、デバイス10が較正されてもよい。例えば、デバイス10(又は較正されているデバイスのバッチ内の代表的なデバイス)は、テスト機器を使用して特徴付けることができる。テスト中、ディスプレイ40は、テスト画像を作成してもよく、一方、制御回路42は、デバイス10内のポジショナを導いてその無限遠焦点位置にディスプレイ40を配置し、レンズシステム20内のレンズを導いてそれらの無限遠焦点位置に同調する。画像センサ(例えば、ダミーの眼)又は他のテストセンサを、画像が表示されている間にユーザの眼の位置に配置してもよい。次いで、無限遠の仮想画像をテストセンサ上に焦点合わせするために必要とされ得る表示位置オフセット及び/又はレンズ同調オフセットを判定し、デバイス10に保存してユーザが将来使用するためにデバイス10を較正することができる。
【0061】
ブロック110でのユーザ動作中に、レンズ20及びディスプレイ40がユーザの眼及び顔に対して適切な位置にあるように(例えば、レンズ20及びディスプレイ40がユーザの瞳孔間距離に一致する適切な距離だけ分離されるように、レンズ20及びディスプレイ40が適切なY位置を有するように、など)、デバイス10は(自動で及び/又は手動で)調整することができる。これらの初期調整が実行された後、デバイス10は、眼感知システム(例えば、Hartmann-Shack、Tscherning、又はレイトレーシングセンサ若しくは他の適切な屈折異常測定機器などの収差計)を使用して、ユーザの眼の特性を測定することができる(例えば、ユーザの両眼の屈折異常を自動的に測定するため、それゆえユーザの左眼及び右眼の両方に対するユーザの両眼の処方を判定する)。所望であれば、ユーザは、入出力デバイスを使用して、ユーザの処方に関する情報を制御回路42に手動で供給してもよい。ユーザは、例えば、タッチスクリーン、キー、音声入力などを使用して、処方値(球面、シリンダ、軸)を供給するように促されてもよい。
【0062】
ブロック112の動作中、制御回路は、ディスプレイ40の位置を調整することができ(例えば、ユーザの左眼からの左ディスプレイのZ次元での分離、及びユーザの右眼からの右ディスプレイのZ次元での分離)、及び/又は光学システム10内の同調可能なレンズを調整して、乱視、遠視、近視、及びユーザの視力における他の屈折異常を矯正しながら、ディスプレイ40上のコンテンツをユーザに対して焦点を合わせることができる。表示されているコンテンツの性質に基づいて(例えば、コンテンツが、風景内の山などの遠隔コンテンツであるか、近くの人などのクローズアップコンテンツであるかどうかに基づいて)、焦点は調整されて、ユーザの好み及びユーザの屈折異常を考慮しながら、適応と輻輳の不一致を最小化することができる。
【0063】
ブロック112において焦点が調整された後、制御回路42は、ディスプレイシステム40を使用してユーザに対する画像を表示することができる。画像を表示しながら、制御回路42は、コンテンツのいずれかが遠隔オブジェクト(コンピュータで生成された風景内の遠くの山などの遠隔仮想オブジェクト)に関連付けられているか、又はユーザのリラックスした眼の焦点状況(眼は無限遠に焦点を合わせている)に関連付けられているかどうかを判定することができる。タイマは、長距離(例えば、無限遠焦点)コンテンツが所定の時間量(例えば、少なくとも20秒、少なくとも10秒、2分未満の閾値時間量など)表示されている期間内に経過した時間量を追跡するように維持されてもよい。
【0064】
タイマが満了すると(例えば、少なくとも15分後、少なくとも20分後、10~30分後、40分未満の期間後、又はユーザが眼の緩和なしで継続することを許可されない他の適切な時間超過後)、制御回路42は、それがユーザが自身の眼をリラックスさせる時間であると結論付けることができる。したがって、大きな距離(例えば、無限遠又は20フィート超離れた)におけるコンテンツを、ユーザに提示することができる(ブロック116)。ユーザがこの遠隔のコンテンツを視認すると(及び、制御回路42が、ディスプレイ40及び光学システム20の位置をそれらの対応する無限遠焦点状態に調整すると)、ユーザの両眼46の毛様体筋がリラックスする。適切な眼のリラックス期間が経過した後(例えば、少なくとも10秒後、少なくとも20秒後、少なくとも30秒後、少なくとも15~30秒後、3分未満の期間後、又は他の適切な緩和期間後)、処理は、ライン118によって示されるようにブロック112に戻ってもよい。ブロック116の動作中に表示される眼のリラックスコンテンツ(長距離)コンテンツは、無限遠焦点又は他の適切な大きな距離で提示される「眼をリラックス」などのメッセージを含んでもよく、又はそうでなければ、ユーザに提示されているコンテンツ内に強制された埋め込みコンテンツ(例えば、無限遠焦点又は他の適切な大きな距離にある山)を含んでもよい。例えば、ビデオゲームを再生しているユーザは、限定された空間内に居て、周囲のオブジェクトに近い場合がある。ブロック116の動作中にユーザの両眼がリラックスすることを可能にするために、遠隔の山のシーンをビデオゲーム内に挿入することができ、それによって、テキストメッセージ(「眼をリラックス」)又はビデオゲームのユーザの楽しみを中断し得る他のコンテンツによりユーザに割り込む必要が回避される。
【0065】
デバイス10のユーザは、完全な視力を有さなくてもよい。例えば、ユーザは、近視であってもよく、遠視であってもよく、及び/又は乱視を有していてもよい。不完全な視力を矯正するために、視力矯正レンズをデバイス10に結合してもよい。レンズ20は、例えば、固定部分及び取り外し可能な視力矯正部分を有してもよい。
【0066】
視力矯正レンズは、例えば、正のジオプタを有してもよく(遠視を矯正するため)、又は負のジオプタを有してもよい(近視を矯正するため))。乱視もまた、矯正されてもよい。乱視を矯正する矯正レンズは、回転対称ではない。回転対称でない視力矯正レンズが適切に配向されることを確実にするために、デバイス10は視力矯正レンズ配向機能(例えば、矯正レンズが、デバイス10及びディスプレイ40に関して、したがってデバイス10がユーザに装着されているときのユーザの両眼に対して、所望の角度方向を有するように、矯正レンズをデバイス10のレンズ20L又は20Rに結合しながら矯正レンズを正確に整列する磁気結合構造体又は機械的結合構造体)を備えていてもよい。
【0067】
例示的な視力矯正レンズ配置を、図10に示す。図10の例では、視力矯正レンズ130は、レンズ20と重なるデバイス10内に取り付けられている。レンズ20は、反射屈折レンズ又は他の適切なレンズであってもよい。レンズ20は、同調可能であってもよく、又は固定されてもよい。レンズ130は、回転対称であってもよく、又は回転非対称であってもよい。図10に示すように、レンズ130は、レンズ20に面する凸状外面SF3を有してもよく、凹状内面を有してもよい。乱視を補償するためにレンズ130が回転非対称である構成では、レンズ130の凹状内面は、第1の次元に沿った(例えば、X軸に沿った)第1の湾曲(断面プロファイルSF1によって示される)によって特徴付けられてもよく、第2の次元に沿った(例えば、Y軸に沿った)異なる第2の湾曲(断面プロファイルSF2によって示される)によって特徴付けられてもよい。レンズ130がレンズ20に重なると、ユーザの視力の問題を補償するために矯正される2部品レンズが形成される。
【0068】
視力矯正レンズ130は、視力矯正レンズマウントリング132などの支持構造体を有してもよい。レンズ20は、レンズマウント構造体134(例えば、デバイス10内の筐体又は他の構造的支持体の一部分)などの支持構造体内に取り付けられてもよい。構造体134は、マウントリング132を受容する開口部(例えば、円形開口部又は他の適切な形状の開口部)を有してもよい。リング132が構造体134内に受容されると、リング132及び構造体134に関連付けられた整列機構は、構造体134に関して視力矯正リング132を正確に整列させる(例えば、リング132の角度方向、したがってレンズ20、ディスプレイ40、及びデバイス10の他の部分に関する視力矯正レンズ130は、2°未満内、4°未満内、又は他の適切な量で確立される)。
【0069】
1つの例示的な構成では、磁気整列構造体を、リング132及び構造体134上で使用してもよい。図11に示すように、例えば、レンズ130は、リング132内にマウントされてもよく、リング132が支持構造体134内の円形開口部内で回転するときに、潜在的に中心点CPに対して回転してもよい。視力矯正レンズ130を構造体134及びデバイス10の残りの部分に対する所望の回転整列内に配置するために、リング132は、磁石138及び140などの1つ以上の磁石を備えてもよく、構造体134は、1つ以上の対応する磁石136及び142を備えてもよい。視力矯正レンズ130がデバイス10に取り付けられると、磁石138と磁石136との間の磁気引力、及び磁石140と磁石142との間の磁気引力は、デバイス10内でレンズ130を所望の角度方向に整列させ保持するのに役立ち、それによってレンズ130がユーザの乱視を十分に矯正することを確実にする。
【0070】
所望であれば、図12に示すように、視力矯正レンズ130はフレネルレンズであってもよい。フレネル視力矯正レンズ130(例えば、図12のレンズ130)は、図13のレンズ130の正面図に示すような球面レンズ(例えば、回転対称レンズ)であってもよく、又は図14の例示的な回転非対称レンズ130の正面図に示すようなシリンドリカルレンズ(例えば、球面度数を持たないシリンドリカルレンズ、又はハイブリッドシリンドリカル球面レンズ)であってもよい。
【0071】
デバイス10の使用時にユーザの視力が十分に矯正されることを確実にするために、視力矯正レンズ130は、デバイス10の使用前にレンズ20と整列してデバイス10に結合されてもよい。例えば、左視力矯正レンズは、左レンズ20Lと整列されて(重なって)デバイス10に結合されてもよく、右視力矯正レンズは、右レンズ20Rと整列されてデバイス10に結合されてもよい。視力矯正レンズ130は、ねじ付き保持リングを使用して、クリップを使用して、接着剤を使用して、及び/又は他の適切なマウント構造体を使用して、デバイス10に磁気的に(例えば、磁石及び/又は磁性材料を使用して)結合することができる。いくつかの構成では、視力矯正レンズ130は、デバイス10に取り外し可能に結合されている(例えば、所望であれば、異なるユーザが、視力矯正レンズ130を異なる一連の視力矯正レンズにより置き換えることができるように)。
【0072】
視力矯正レンズ130がデバイス10に組み込まれる場合、レンズ130及び20は一緒に動作する。例えば、レンズ20は、ディスプレイ40に焦点を合わせる際に使用される光学度数の大部分を提供するように作用することができ、レンズ130は、乱視などのユーザ特有の視力問題を矯正することができる。所望であれば、同調可能なレンズ構造体は、視力矯正レンズ130及び/又は他の固定レンズ(例えば、反射屈折レンズ、フレネルレンズなど)と組み合わせて使用することができる。
【0073】
一実施形態によれば、画像を表示するように構成されているディスプレイと、画像が視認可能であるレンズと、センサと、ディスプレイに結合されたポジショナと、センサにより屈折異常を測定し、測定された屈折異常に基づいてポジショナを調整するように構成されている制御回路とを含む、屈折異常のある眼を有するユーザによって視認可能である画像を生成するように構成されている、眼の位置に配置されたヘッドマウントデバイスが提供される。
【0074】
別の実施形態によれば、センサは少なくとも1つの導波路を含む。
【0075】
別の実施形態によれば、センサは、導波路内に光を結合する入力カプラを含み、導波路から光を結合する出力カプラを含む。
【0076】
別の実施形態によれば、出力カプラは、画像がディスプレイから眼の位置へと通過することを可能にするように構成される。
【0077】
別の実施形態によれば、入力カプラ及び出力カプラはボリュームホログラムである。
【0078】
別の実施形態によれば、センサは、出力カプラからの光を測定するカメラを更に含む。
【0079】
別の実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスは、レーザ及び光を供給する発光ダイオードからなるグループから選択される光源と、光を追加の導波路内に結合する追加の入力カプラを含む追加の導波路と、を備え、追加の導波路は、追加の導波路から眼の位置に向けて光を導く追加の出力カプラを有する。
【0080】
別の実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスは、出力カプラとカメラとの間に挿入されたレンズアレイを含み、制御回路は、カメラにおけるレンズアレイによって生成された光スポットを分析することによって、屈折異常を測定するように構成されている。
【0081】
別の実施形態によれば、センサは、Shack-Hartmann収差計を形成するように構成される。
【0082】
別の実施形態によれば、センサは、Tscherning収差計を形成するように構成され、制御回路は、ドットのアレイがディスプレイ上に表示されている間に生成されるカメラにおける光スポットを分析することによって、屈折異常を測定するように構成されている。
【0083】
別の実施形態によれば、センサは、レイトレーシング収差計を形成するように構成され、制御回路は、形状がディスプレイ上に表示されている間に生成されるカメラにおける光パターンを分析することによって、屈折異常を測定するように構成されている。
【0084】
別の実施形態によれば、形状は円を含む。
【0085】
別の実施形態によれば、制御回路は、ディスプレイ及びレンズのうちの少なくとも選択された1つを無限遠焦点設定に調整しながら、ディスプレイ上にコンテンツを定期的に提示することによって、眼がリラックスすることを可能にするように構成されている。
【0086】
別の実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスは、入出力デバイスを含み、制御回路は、入出力デバイスにより屈折異常に関するユーザ入力を受信するように構成されている。
【0087】
別の実施形態によれば、ユーザ入力は眼鏡処方を含み、制御回路は、眼鏡処方に基づいてポジショナでディスプレイの位置を調整するように構成されている。
【0088】
別の実施形態によれば、レンズは同調可能なレンズを含み、制御回路は、測定された屈折異常に少なくとも部分的に基づいて、同調可能なレンズを調整するように構成されている。
【0089】
別の実施形態によれば、同調可能なレンズは、少なくとも1つの同調可能な液晶シリンドリカルレンズを含み、測定された屈折異常は眼の乱視に関連付けられ、制御回路は、測定された屈折異常に基づいて同調可能な液晶シリンドリカルレンズを調整して、乱視を矯正するように構成されている。
【0090】
別の実施形態によれば、レンズは、視力矯正レンズを含む。
【0091】
別の実施形態によれば、視力矯正レンズは回転非対称であり、乱視を補償するように構成されている。
【0092】
別の実施形態によれば、視力矯正レンズはフレネルレンズである。
【0093】
別の実施形態によれば、レンズは、固定レンズと、固定レンズと重なるように構成されている取り外し可能な視力矯正レンズとを含む
【0094】
別の実施形態によれば、取り外し可能な視力矯正レンズは、固定レンズに対して取り外し可能な視力矯正レンズを回転方向に整列させるように構成されている回転整列構造体を含む。
【0095】
別の実施形態によれば、回転整列構造体は磁石を含む。
【0096】
一実施形態によれば、画像を表示するように構成されているディスプレイと、レンズと、少なくとも1つのホログラムを含むセンサと、センサにより眼の屈折異常を測定するように構成されており、かつ、測定された屈折異常に基づいて、レンズ、及びディスプレイの位置のうちの少なくとも1つを調整するように構成されている制御回路とを含む、ヘッドマウントデバイスが提供される。
【0097】
別の実施形態によれば、センサはカメラを含み、屈折異常は乱視を含み、レンズは調整可能な液晶シリンドリカルレンズを含み、制御回路は、調整可能な液晶シリンドリカルレンズを調整して、ディスプレイを視認したときの乱視を矯正するように構成されている。
【0098】
一実施形態によれば、ディスプレイと、ディスプレイが眼の位置から視認可能であるレンズと、導波路と、ディスプレイが眼の位置から視認可能である導波路上のホログラムと、カメラと、導波路を出射光に対するカメラによる測定値に基づいて眼の屈折異常を測定するように構成されている制御回路と、を含むヘッドマウントデバイスが提供される。
【0099】
前述は、単なる例示に過ぎず、説明された実施形態に対して多様な変更を行うことができる。前述の実施形態は、個別に又は任意の組み合わせで実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14