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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ドラム洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/10 20060101AFI20220106BHJP
   D06F 37/28 20060101ALI20220106BHJP
   D06F 39/08 20060101ALI20220106BHJP
   D06F 37/04 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
D06F37/10
D06F37/28
D06F39/08 311C
D06F39/08 311A
D06F37/04
D06F39/08 321
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019561772
(86)(22)【出願日】2018-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 CN2018086034
(87)【国際公開番号】W WO2018205932
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2020-06-24
(31)【優先権主張番号】201710320201.3
(32)【優先日】2017-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】李以民
(72)【発明者】
【氏名】李洋
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03436934(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0126418(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101187130(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103194874(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104652091(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106283486(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0044521(US,A1)
【文献】特開2012-085842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 37/00 - 39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、扉体、内槽及び排水経路を含み、前記内槽は回転可能に本体内に設けられ、前記内槽には洗浄過程において水が貯えられ、
前記内槽の前部には、衣類を出し入れするための投入口が設けられ、前記扉体は、開放/閉止可能に前記本体の前部に装着されるとともに、前記内槽の投入口に対応しており、
前記投入口周りには、前記内槽に対し相対的に回転可能な密封カバーが設けられ、前記扉体周りの本体には密封接続部材が設けられ、前記密封接続部材と前記密封カバーは一体的に密封接続されるとともに、前記内槽に対し相対的に回転可能であり、
前記排水経路の一端は、前記密封接続部材の内側に伸入して前記内槽と連通し、前記排水経路の他端は排水弁と連通し、
前記本体は前プレートを含み、前記前プレートには、前記内槽の投入口に対応して開口が開設され、前記前プレートは、開口の最低位置の下方に位置する前下プレートを含み、前記前下プレートは、外プレート及び内プレートの2枚のプレートを含み、前記内プレートと前記外プレートとの間に中空の板間層が形成され、
前記密封接続部材の下部は前記内プレートの内側に密封状に装着され、前記排水経路は中空の板間層内に設けられ、前記排水経路の上端の開口が前記密封接続部材の内側に伸入していることを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項2】
前記密封接続部材は密封接続リングと弾性接続体を含み、前記密封カバーには環状のシール溝が設けられ、円環状の密封接続リングは、前記環状のシール溝に挿入されて前記密封カバーと一体的に密封接続され、前記密封接続リングは、弾性接続体を介して前記内プレートの内側に密封接続され、前記中空の板間層内における排水経路の上端の開口が前記弾性接続体の内側に伸入していることを特徴とする請求項に記載のドラム洗濯機。
【請求項3】
前記弾性接続体は環状本体を含み、前記環状本体の一端は前記密封接続リングに密封接続され、前記環状本体の他端は内/外に折り返されて前記内プレートの内壁に密封接続され、前記中空の板間層内における前記排水経路の上端の開口が前記環状本体の内側に伸入していることを特徴とする請求項に記載のドラム洗濯機。
【請求項4】
前記中空の板間層内における前記排水経路の下端出口の下方には集水装置が設けられ、前記集水装置が前記排水弁と連通することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のドラム洗濯機。
【請求項5】
前記集水装置は、上部が開口した集水槽と、前記集水槽の底部に接続される接続管を含み、前記接続管が前記排水弁に接続され、
前記中空の板間層内における排水経路の下端出口は、前記集水槽の上部開口の上方に対応して設けられることを特徴とする請求項に記載のドラム洗濯機。
【請求項6】
前記内槽の内側壁には投入口に向かって傾斜する導水リブが設けられ、排水時に前記内槽が回転すると、洗浄水が前記導水リブにより投入口まで案内されて、中空の板間層内における排水経路から排出されることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のドラム洗濯機。
【請求項7】
前記内槽は投入口周りに装着凹溝が設けられ、前記密封カバーは、相対的に回転可能に前記装着凹溝内に装着されるとともに、前記装着凹溝と密封状の接触を維持し、
前記密封接続部材は、一端が前記装着凹溝内に伸入して密封カバーと一体的に密封接続されることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のドラム洗濯機。
【請求項8】
更に、駆動装置を含み、前記内槽の槽底は中心回転軸を介して前記駆動装置に伝動接続され、前記中心回転軸の内部は、給水及び/又は排水用の水流経路が設けられるよう中空となっていることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のドラム洗濯機。
【請求項9】
更に、支持ベースを含み、前記支持ベースは制震装置を介して本体内に装着され、支持ベースは開口した収容空間を内側に有し、前記内槽の底部が前記支持ベースの前記収容空間内に設けられ、前記中心回転軸は回転可能に前記支持ベースの底壁に支持され、
前記内槽の槽底には排水口が開設され、前記排水口にはシールプランジャが装着され、前記支持ベースの底部には前記シールプランジャに対応して伸縮装置が装着され、前記伸縮装置は、伸出することで前記シールプランジャを押し開け、前記排水口を開放して排水可能とし、前記伸縮装置が退避することで前記シールプランジャが位置回復し、前記排水口が閉止されることを特徴とする請求項に記載のドラム洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類洗浄機器の技術分野に関し、具体的には、ドラム洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、一般的に、ドラム洗濯機は互いに嵌装される内槽と外槽を含む。外槽は密封されて貯水に用いられる。また、内槽には衣類が投入され、内槽を回転させることで衣類を打ち付けて洗浄を実施する。且つ、内槽には脱水孔が設けられる。これにより、外槽内の水が脱水孔から内槽に流入して内槽内の衣類を浸漬する。また、内槽内の水は脱水孔から外槽に流出する。且つ、内槽内の衣類の水分は内槽の高速回転時に脱水孔から外槽に排出される。こうして、衣類を洗浄するとの目的が実現される。
【0003】
しかし、内槽と外槽は互いに嵌装されるため、洗濯機の使用過程で内槽と外槽の間に汚れが溜まりやすい。また、内槽と外槽が互いに嵌装されることから、ユーザは内槽の外壁と外槽の内壁をクリーニングする術がない。よって、洗濯機内部の細菌が増殖し、洗濯機の洗濯効率や衣類洗浄後の清潔度が低下する。
【0004】
また、上述した従来の洗濯機では、内槽の外部に外槽が嵌装されており、洗濯機の洗浄過程では内槽が回転することで衣類を打ち付けて洗浄する。そのため、洗濯機の洗浄容量は内槽が基準となり、洗濯機の内部空間の利用率が低い。よって、従来をベースにした場合、洗濯機の洗浄容量を拡大することは不可能である。
【0005】
上記に鑑みて、内槽と外槽を一体化し、内槽を密封容器とすることで水と衣類を投入可能としつつ、回転により衣類を打ち付けて洗浄を実施可能な洗濯機を如何にして設置するか、及び、洗濯機に外槽を設けないか、外槽と洗濯機のハウジングを一体的に設けることで、洗濯機の内槽を拡大して洗濯機の洗浄容量を増大可能とすることが、研究開発の焦点となっている。
【0006】
しかし、内槽は洗浄水を貯めるだけでなく、回転により槽内の衣類を打ち付けて洗浄を実施する必要がある。そのため、上記洗濯機に適用される給水構造及び/又は排水構造を如何に設置するかもまた喫緊に解決を要する難題となっている。
【0007】
上記の技術的欠点に鑑みて、本願を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明はドラム洗濯機を提供する。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ドラム洗濯機であって、本体、扉体、内槽及び排水経路を含み、前記内槽は回転可能に本体内に設けられ、内槽には洗浄過程において水が貯えられる。前記内槽の前部には、衣類を出し入れするための投入口が設けられ、前記扉体は、開放/閉止可能に本体の前部に装着されるとともに、内槽の投入口に対応している。前記投入口周りには、内槽に対し相対的に回転可能な密封カバーが設けられ、前記扉体周りの本体には密封接続部材が設けられ、密封接続部材と密封カバーは一体的に密封接続されるとともに、内槽に対し相対的に回転可能である。前記排水経路の一端は、密封接続部材の内側に伸入して内槽と連通し、排水経路の他端は排水弁と連通する。
【0010】
更に、前記本体は前プレートを含み、前プレートには内槽の投入口に対応して開口が開設され、前記前プレートは、開口の最低位置の下方に位置する前下プレートを含み、前下プレートは、外プレート及び内プレートの2枚のプレートを含み、内プレートと外プレートの間に中空の板間層が形成される。前記密封接続部材の下部は内プレートの内側に密封状に装着され、前記排水経路は中空の板間層内に設けられ、排水経路の上端の開口が密封接続部材の内側に伸入している。
【0011】
更に、前記密封接続部材は密封接続リングと弾性接続体を含み、前記密封カバーには環状のシール溝が設けられ、円環状の密封接続リングは、環状のシール溝に挿入されて密封カバーと一体的に密封接続され、前記密封接続リングは、弾性接続体を介して内プレートの内側に密封接続され、前記中空の板間層内における排水経路の上端の開口が弾性接続体の内側に伸入している。
【0012】
更に、前記弾性接続体は環状本体を含み、環状本体の一端は前記密封接続リングに密封接続され、環状本体の他端は内/外に折り返されて内プレートの内壁に密封接続され、前記中空の板間層内における排水経路の上端の開口が環状本体の内側に伸入している。
【0013】
更に、前記中空の板間層内における排水経路の下端出口の下方には集水装置が設けられ、集水装置が排水弁と連通する。
【0014】
更に、前記集水装置は、上部が開口した集水槽と、集水槽の底部に接続される接続管を含み、接続管が排水弁に接続される。前記中空の板間層内における排水経路の下端出口は、集水槽の上部開口の上方に対応して設けられる。
【0015】
更に、前記内槽の内側壁には投入口に向かって傾斜する導水リブが設けられ、排水時に内槽が回転すると、洗浄水が導水リブにより投入口まで案内されて、中空の板間層内における排水経路から排出される。
【0016】
更に、前記内槽は投入口周りに装着凹溝が設けられ、前記密封カバーは、相対的に回転可能に装着凹溝内に装着されるとともに、装着凹溝と密封状の接触を維持する。前記密封接続部材は、一端が装着凹溝内に伸入して密封カバーと一体的に密封接続される。
【0017】
更に、駆動装置を含み、前記内槽の槽底は中心回転軸を介して駆動装置に伝動接続され、中心回転軸の内部は、給水及び/又は排水用の水流経路が設けられるよう中空となっている。
【0018】
更に、支持ベースを含み、支持ベースは制震装置を介して本体内に装着され、支持ベースは開口した収容空間を内側に有し、前記内槽の底部が支持ベースの収容空間内に設けられ、前記中心回転軸は回転可能に支持ベースの底壁に支持される。前記内槽の槽底には排水口が開設され、排水口にはシールプランジャが装着され、前記支持ベースの底部にはシールプランジャに対応して伸縮装置が装着され、前記伸縮装置は、伸出することでシールプランジャを押し開け、排水口を開放して排水可能とし、伸縮装置が退避することでシールプランジャが位置回復し、排水口が閉止される。
【発明の効果】
【0019】
本発明におけるドラム洗濯機の内槽は、槽壁に脱水孔が開設されない孔無しの内槽である。洗浄時には、内槽内に洗浄水が貯えられ、内槽を回転させることで衣類を洗浄する。本実施例のドラム洗濯機は外槽を省略可能である。よって、本体サイズを変化させることなく内槽の容積を増加させ、ドラム洗濯機の容量を拡大することが可能である。また、内槽に貯水することで、従来の洗濯機では洗浄水が内槽と外槽の間に進入し、時間の経過とともに内槽の外壁と外槽の内壁が「内部汚染」されやすいとの課題が解決される。
【0020】
ドラム洗濯機は、内槽を回転させることで衣類を持ち上げ/打ち付けて洗浄を実現する。従来のドラム洗濯機において、外槽の作用は主として貯水である。また、外槽は動かないよう固定されるため、より容易に密封が実現される。これに対し、本発明のドラム洗濯機は、内槽を孔無しの内槽として創造的に設計している。内槽は水平に配置されるため、本発明では、内槽の投入口周りに内槽に対し相対的に回転可能な密封カバーを設けている。これにより、内槽の投入口端と扉体周りの本体が相対的に回転可能に密封接続されるため、内槽の密封性が保証される。従って、内槽の貯水機能が実現されるとともに、内槽の回転に支障をきたすことなく洗浄及び脱水機能が実現される。
【0021】
本発明のドラム洗濯機は、内槽と本体との密封に加え、扉体下方の本体に板間層構造を設けるとともに、排水経路を当該板間層構造内に設けることで排水を実現しているため、排水方式がシンプル且つ確実である。且つ、本体内に板間層を設けることで本体の内壁表面が平らとなるため、内槽の投入口の密封接続にいっそう都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施例におけるドラム洗濯機の正面図である。
図2図2は、本発明の実施例にかかるドラム洗濯機の図1におけるA部分の拡大図である。
図3図3は、本発明の実施例にかかるドラム洗濯機の図1におけるB部分の拡大図である。
図4図4は、本発明の実施例におけるドラム洗濯機の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を組み合わせて、本発明におけるドラム洗濯機につき詳述する。
【実施例1】
【0024】
図1図2図3及び図4に示すように、本実施例のドラム洗濯機は、本体3、扉体5及び内槽7を含む。前記内槽7は回転可能に本体3内に設けられる。内槽7には、洗浄過程において水が貯えられる。前記内槽7の前部には、衣類を出し入れするための投入口が設けられる。前記扉体5は、開放/閉止可能に本体の前部に装着されるとともに、内槽の投入口に対応している。前記内槽7の投入口端と扉体5周りの本体は、相対的に回転可能に密封接続される。
【0025】
本実施例におけるドラム洗濯機の内槽7は、槽壁に脱水孔が開設されない孔無しの内槽である。洗浄時には内槽7に洗浄水が貯えられ、内槽7を回転させることで衣類を洗浄する。本実施例のドラム洗濯機は外槽を省略可能である。よって、本体サイズを変化させることなく内槽7の容積を増加させ、ドラム洗濯機の容量を拡大することが可能である。また、内槽7に貯水することで、従来の洗濯機では洗浄水が内槽と外槽の間に進入し、時間の経過とともに内槽の外壁と外槽の内壁が「内部汚染」されやすいとの課題が解決される。
【0026】
ドラム洗濯機は、内槽7を回転させることで衣類を持ち上げ/打ち付けて洗浄を実現する。従来のドラム洗濯機において、外槽の作用は主として貯水である。また、外槽は動かないよう固定されるため、より容易に密封が実現される。これに対し、本実施例のドラム洗濯機は、内槽7を孔無しの内槽として創造的に設計している。内槽7は水平に配置されるため、本実施例では、内槽7の投入口周りに内槽に対し相対的に回転可能な密封カバー24を設けている。これにより、内槽7の投入口端と扉体5周りの本体が相対的に回転可能に密封接続されるため、内槽7の密封性が保証される。従って、内槽7の貯水機能が実現されるとともに、内槽7の回転に支障をきたすことなく洗浄及び脱水機能が実現される。
【0027】
本実施例における内槽7の投入口端と扉体5周りの本体との相対的に回転可能な密封接続を実現するために、前記投入口周りには内槽7に対し相対的に回転可能な密封カバー24が設けられ、前記扉体5周りの本体3には密封接続部材が設けられる。密封接続部材と密封カバー24は一体的に密封接続されるとともに、内槽に対し相対的に回転可能である。
【0028】
本実施例では、扉体5周りの本体3における密封接続部材と内槽7の装着凹溝内における密封カバー24との係合により密封を実現するため、扉体5の開閉に関わらず常に密封が維持される。本構造はシンプルであり、扉体5の開閉状態による影響も受けない。
【0029】
更に、本実施例の前記内槽7は、投入口周りに装着凹溝32が設けられる。前記密封カバー24は、相対的に回転可能に装着凹溝32内に装着されるとともに、装着凹溝32と密封状の接触を維持する。前記密封接続部材は、一端が装着凹溝32内に伸入して密封カバー24と一体的に密封接続される。
【0030】
密封カバー24と内槽7の相対的な回転を実現するとともに、内槽7の回転に支障をきたすことなく洗浄及び脱水が行われるよう、本実施例の前記装着凹溝32内には転動装置23が設けられる。転動装置23は、密封カバー24及び装着凹溝32に対しそれぞれ密封状に接触する。本実施例の密封カバー24と装着凹溝32は、転動装置23を介して相対的な回転を実現する。具体的に、転動装置にはボール等を用いればよい。
【0031】
転動装置は装着凹溝32と密封状に接触する必要があるため、本実施例では、前記装着凹溝32内に凹溝密封カバー28を装着する。凹溝密封カバー28の外周は装着凹溝32の内壁に密封状に接触し、凹溝密封カバー28の内周は転動装置23に密封状に接触する。
【0032】
本発明の好ましい実施形態として、前記密封接続部材は円環状の密封接続リング25を含む。密封カバー24には環状のシール溝が設けられ、円環状の密封接続リング25が環状のシール溝に挿入されて密封カバー24と一体的に密封接続される。
【0033】
更に好ましくは、本実施例の前記密封接続リング25は、弾性材料からなる弾性接続体26を介して本体3の内壁に密封状に装着され、内槽7に起因する本体3の震動を緩衝する。ドラム洗濯機の動作時において、内槽7にはぐらつきや震動が不可避に発生する。そこで、本実施例では、弾性接続体26を介して密封接続リング25を扉体5の内側に装着する。この場合、密封接続リング25が環状のシール溝に挿入されて密封カバー24と一体的に密封接続されるとき、内槽7と本体3の接続が弾性接続となる。そのため、内槽7を効果的に緩衝及び制震可能となり、内槽7の運転の安定性が向上する。
【0034】
具体的に、本実施例の前記弾性接続体26は環状本体を含む。環状本体の一端は前記密封接続リング25に密封接続され、環状本体の他端は内/外に折り返されて本体3の内壁に密封接続される。具体的に、本実施例における弾性接続体の折り返しは、接続部材27を介して本体3に密封接続される。前記接続部材27は、ボルト又はネジとする。
【0035】
本実施例のドラム洗濯機によれば、給排水の問題が同時に解決される。具体的な方案は以下の通りである。
【0036】
本実施例のドラム洗濯機は、更に駆動装置8を含む。前記内槽7の槽底は、中心回転軸10を介して駆動装置8に伝動接続される。中心回転軸10の内部は、給水及び/又は排水用の水流経路が設けられるよう中空となっている。
【0037】
本実施例では、水流経路を中心回転軸10内に設けている。これにより、洗濯機に供給される水又は排出される水がこの水流経路から出入りするため、内槽の回転が給排水に支障をきたすことがない。
【0038】
好ましくは、本実施例の前記中心回転軸10内には水流経路が設けられる。前記水流経路はドラム洗濯機の給水装置又は排水装置と連通する。本実施例の中心回転軸10内の水流経路は、給水又は排水機能のみを単独で実現可能である。
【0039】
或いは、本実施例の前記中心回転軸10内には、給水装置及び排水装置にそれぞれ連通する複数の水流経路が設けられる。これにより、中心回転軸10内の水流経路が給排水を同時に実現可能となる。
【0040】
本発明の好ましい実施形態として、前記中心回転軸10の一端は駆動装置8の外部まで伸出し、中心回転軸10の伸出端が軸受31を介して回転可能に連通部材9に装着される。前記連通部材9内には連通経路が備わっており、前記連通経路が水流経路と給水装置/排水装置を連通する。
【0041】
本発明では、中心回転軸10内の水流経路によって排水を実現する場合を例に詳細に説明する。本実施例の中心回転軸10内の水流経路は、排水機能を実現すべく排水装置と連通する。具体的に、本実施例の前記排水装置は排水管14と自吸ポンプ13を含み、自吸ポンプ13の給水口が排水管14を介して中心回転軸10内の水流経路と連通する。
【0042】
中心回転軸10は内槽7の槽底の中心位置に配置され、内槽の最低位置に存在するわけではない。そのため、内槽7内の洗浄水のいっそう良好な排出を保証すべく、前記内槽7の後槽底の内壁には、脱水及び/又は排水過程で集水するための集水装置が設けられる。集水装置は水流経路と連通している。脱水及び/又は排水過程において、集水装置は内槽内の水を収集し、自吸ポンプ13の吸引力の働きで排水する。
【0043】
具体的に、本実施例の前記集水装置は、集水室11と集水流路6を備える。前記集水室11は、内槽7の後槽底における内壁の中心に設けられるとともに、中心回転軸10内の水流経路と連通する。前記集水流路6は内槽の後槽底の内壁に設けられる。集水流路6は一端が集水室11と連通し、他端が内槽7の内壁に向かって延伸している。
【0044】
好ましくは、前記集水流路6は複数設けられ、それぞれが内槽7の後槽底の周方向に均一に分布している。
【0045】
集水装置と連携して集水するために、本実施例の内槽7における後槽底と対向する一端は前槽蓋となっている。前記前槽蓋の直径は後槽底の直径よりも小さい。前記内槽7の側壁は、前槽蓋から後槽底に向かって上方に傾斜して設けられる。
【0046】
集水装置による集水効果を実現するためには、内槽7の回転との連携も必要である。内槽7が回転すると、洗浄水が遠心力の作用で内槽7の側壁表面に凝集する。側壁は傾斜構造となっているため、洗浄水は内槽7の傾斜した側壁沿いに前槽蓋から後槽底へと凝集し、当該箇所に設けられる集水流路6から集水室内へと案内される。
【0047】
そのため、本実施例のドラム洗濯機は、脱水過程では内槽7の高速回転により集水と排水を実現する。また、洗浄過程のあとの排水については排水プログラムを追加し、内槽7の高速回転を上昇させることで排水を実現してもよい。
【0048】
本実施例の好ましい実施形態として、本実施例で記載する集水装置はカバープレートを含み、カバープレートが内槽の後槽底における内壁に装着される。前記カバープレートの内部には、集水室11と集水流路6を形成するよう封止された中空室が備わっている。或いは、前記カバープレートの内部には開口した凹溝が備わっている。カバープレートと内槽の後槽底における内壁との間を密封接続することで凹溝が封止され、集水室11と集水流路6が形成される。
【0049】
本実施例の好ましい実施形態として、前記集水装置の上面には、内槽内の底部から突出する突出構造が構成されている。突出構造は洗浄時に洗濯物を上昇させられるため、洗濯効果が向上する。
【0050】
本実施例のドラム洗濯機は支持ベース4を更に含む。支持ベース4は制震装置を介して本体3内に装着される。支持ベース4は開口した収容空間を内側に有し、前記内槽7の底部が支持ベース4の収容空間内に設けられる。前記中心回転軸10は、回転可能に支持ベースの底壁に支持される。
【0051】
本実施例の支持ベース4は、主として内槽7に対する支持及び制震作用を奏し、洗濯機の動作の安定性を確保するものである。従って、支持ベース4の開口は空中に配置すればよく、本体3に密封接続する必要はない。支持ベース4は、中心回転軸10を支持する底壁を少なくとも有していればよい。側壁の長さは短縮してもよく、長さを有さなくてもよい。具体的に、本実施例の支持ベース4はトレイ状構造とすることが好ましい。
【0052】
更に、本実施例で記載する制震装置は、アブソーバ22と制震吊りバネ1を含む。前記アブソーバ22は支持ベース4における底部側壁の中央部に装着され、前記制震吊りバネ1は支持ベース4の上部側壁に掛着される。
【0053】
好ましくは、前記制震吊りバネ1は、支持ベース4の上部側壁のうち駆動装置寄りの一端に装着される。前記アブソーバ22は2つ設けられ、外槽5の底部側壁の両側に対称に装着される。
【0054】
本実施例の好ましい実施形態として、前記中心回転軸10による排水方式は内槽7の高速回転と連携しなければ実現不可能である。本実施例では、支持ベース4を設置したうえで、洗浄過程での排水に対し相応の排水構造を設けている。
【0055】
具体的に、前記内槽7の槽底には排水口29が開設され、排水口29にシールプランジャ17が装着される。前記支持ベース4の底部には、シールプランジャ17に対応して伸縮装置が装着される。前記伸縮装置は、伸出することでシールプランジャ17を押し開け、排水口を開放して排水可能とする。また、伸縮装置が退避することでシールプランジャは位置回復し、排水口が閉止される。
【0056】
よって、本実施例のドラム洗濯機は、洗浄過程における排水を、伸縮装置を制御して排水口29を開放することで実現可能である。また、脱水過程では、中心回転軸10の内部における水流経路により排水可能である。
【0057】
更に、本実施例の排水口29の内部には、シールプランジャ17に接続される戻しバネ18が設けられている。伸縮装置が退避することで、シールプランジャ17は戻しバネ18の弾性作用により位置回復する。
【0058】
本実施例における伸縮装置は、モータにより回転する偏心カム15と、偏心カム15に回動可能に接続される伸縮ロッド16を含む。偏心カム15が回転すると伸縮ロッド16が上方に運動し、シールプランジャ17を押し開くことで、排水口29が開放されて排水される。
【0059】
本実施例の支持ベース4のうち内槽7の排水口29に対応する位置には、外槽排水口が設けられる。外槽排水口は主排水管20に接続される。また、外槽排水口の一方の側には堰止リブ21が設けられる。堰止リブ21は、洗浄水を堰止リブ21と支持ベース4の底壁の間に堰き止めることで、洗浄水と支持ベース4の内表面との過度な接触を回避する。これにより、支持ベース4の内壁に対する汚れの蓄積が防止される。
【0060】
本実施例の排水管14は主排水管20と連通し、主排水管20に排水弁19が接続される。
【0061】
伸縮装置とシールプランジャ17との連携を実現するために、前記支持ベース4の側壁には位置決めロック装置31が装着される。また、前記内槽7の側壁には、位置決めロック装置31と係合する位置決めロック孔30が設けられる。前記位置決めロック装置31と位置決めロック孔30を係合及びロックすることで、支持ベース4に対する内槽7の回動が規制される。本実施例では、ロック装置31とロック孔30の係合及びロックにより内槽7をロックすることで、伸縮装置がシールプランジャ17に対向するため、シールプランジャ17に対する排水制御がより良好に実現される。
【実施例2】
【0062】
図1図2図3及び図4に示すように、本実施例のドラム洗濯機は、本体3、扉体5、内槽7及び排水経路35を含む。前記内槽7は回転可能に本体3内に設けられる。内槽7には洗浄過程において水が貯えられる。前記内槽7の前部には、衣類を出し入れするための投入口が設けられる。前記扉体5は、開放/閉止可能に本体3の前部に装着されるとともに、内槽7の投入口に対応している。前記投入口周りには、内槽7に対し相対的に回転可能な密封カバー24が設けられる。また、前記扉体5周りの本体3には密封接続部材が設けられる。密封接続部材と密封カバー24は一体的に密封接続されるとともに、内槽に対し相対的に回転可能である。前記排水経路35の一端は、密封接続部材の内側に伸入して内槽7と連通している。また、排水経路35の他端は排水弁19と連通する。
【0063】
本実施例では、排水経路35が密封接続部材の内側に伸入して内槽7と連通しているため、排水弁19の開閉を制御することで排水経路35からの洗浄水の排出を制御する。
【0064】
更に、本実施例の前記本体は前プレートを含む。前プレートには、内槽の投入口に対応して開口が開設される。前記前プレートは、開口の最低位置の下方に配置される前下プレートを含む。前下プレートは、外プレート34及び内プレート36の2枚のプレートを含み、内プレート36と外プレート34の間に中空の板間層が形成される。前記密封接続部材の下部は、内プレート36の内側に密封状に装着される。前記排水経路35は中空の板間層内に設けられ、排水経路35の上端の開口が密封接続部材の内側に伸入している。
【0065】
本実施例では、排水経路35を設けるべく中空の板間層を本体に設置している。よって、排水経路35を密封接続部材の内側に伸入させやすく、密封接続部材と本体との密封接続も維持される。
【0066】
本実施例の密封接続部材と扉体の間には、排水経路35が密封接続部材の内側に伸入するよう保証すべく、隙間33が備わっている。洗浄水は隙間33から排水経路35に流れ込む。
【0067】
本実施例の前記密封接続部材は、密封接続リング25と弾性接続体26を含む。前記密封カバー24には環状のシール溝が設けられる。円環状の密封接続リング25は、環状のシール溝に挿入されて密封カバー24と一体的に密封接続される。前記密封接続リング25は、弾性接続体26を介して内プレート36の内側に密封接続される。また、前記中空の板間層内における排水経路35の上端の開口が弾性接続体26の内側に伸入している。
【0068】
更に、本実施例の前記弾性接続体26は環状本体を含む。環状本体の一端は前記密封接続リング25に密封接続され、環状本体の他端は内/外に折り返されて内プレート36の内壁に密封接続される。また、前記中空の板間層内における排水経路35の上端の開口が環状本体の内側に伸入している。
【0069】
本実施例の好ましい実施形態として、前記中空の板間層内における排水経路35の下端出口の下方には集水装置が設けられ、集水装置が排水弁19と連通する。
【0070】
具体的に、前記集水装置は、上部が開口した集水槽37と、集水槽37の底部に接続される接続管39を含み、接続管39が排水弁19に接続される。前記中空の板間層内における排水経路35の下端出口は、集水槽37の上部開口の上方に対応して設けられる。
【0071】
本実施例の接続管39と集水槽37は接続ホース38を介して接続されるため、洗濯機の震動に伴う集水槽37と接続管39との相対運動が緩衝される。
【0072】
洗浄水をより良好に前端の排水経路35から排出するために、本実施例における前記内槽7の内側壁には、投入口に向かって傾斜する導水リブ40が設けられる。排水時に内槽が回転すると、洗浄水は導水リブ40により投入口まで案内されて、中空の板間層内における排水経路35から排出される。
【0073】
本実施例の前記内槽7は、投入口周りに装着凹溝32が設けられる。前記密封カバー24は、相対的に回転可能に装着凹溝32内に装着されるとともに、装着凹溝32と密封状の接触を維持する。前記密封接続部材は、一端が装着凹溝32内に伸入して密封カバー24と一体的に密封接続される。
【0074】
本実施例のドラム洗濯機は、内槽と本体との密封に加え、扉体下方の本体に板間層構造を設けるとともに、排水経路を当該板間層構造内に設けることで排水を実現しているため、排水方式がシンプル且つ確実である。且つ、本体内に板間層を設けることで本体の内壁表面が平らとなるため、内槽の投入口の密封接続にいっそう都合がよい。
【0075】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて行うわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。
【符号の説明】
【0076】
1 制震吊りバネ
2 給水管
3 本体
4 支持ベース
5 扉体
6 集水流路
7 内槽
8 駆動装置
9 連通部材
10 中心回転軸
11 集水室
12 軸受
13 自吸ポンプ
14 排水管
15 偏心カム
16 伸縮ロッド
17 シールプランジャ
18 戻しバネ
19 排水弁
20 主排水管
21 堰止リブ
22 アブソーバ
23 転動装置
24 密封カバー
25 密封接続リング
26 弾性接続体
27 接続部材
28 凹溝密封カバー
29 排水口
30 位置決めロック孔
31 位置決めロック装置
32 装着凹溝
33 隙間
34 外プレート
35 排水経路
36 内プレート
37 集水槽
38 接続ホース
39 接続管
40 導水リブ
図1
図2
図3
図4