(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】断熱性を有する人工肺
(51)【国際特許分類】
A61M 1/18 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A61M1/18 525
A61M1/18 510
(21)【出願番号】P 2019566110
(86)(22)【出願日】2017-06-01
(86)【国際出願番号】 IB2017053229
(87)【国際公開番号】W WO2018220427
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2020-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】508230905
【氏名又は名称】ソリン・グループ・イタリア・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Sorin Group Italia S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】シルベストリ,クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】パンドルフィーニ,クララ
(72)【発明者】
【氏名】ランチーニ,バルバラ
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-135434(JP,A)
【文献】特開平08-141074(JP,A)
【文献】特開昭61-128978(JP,A)
【文献】特開2001-170169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液入口および血液出口を有するハウジングであって、前記血液入口が、前記ハウジングの内側部分の中まで延在する、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置される熱交換器であって、前記熱交換器が、入口端部において熱交換流体入口に結合される、熱交換器と、
前記ハウジング内に配置される気体交換器であって、前記気体交換器が、気体出口端部において気体交換流体出口に結合される気体交換繊維の束を含む、気体交換器と、
前記気体交換繊維の束の少なくとも前記気体出口端部を熱的に絶縁するために絶縁流体を受け取るように構成される絶縁チャンバと
を備え、
前記熱交換器及び前記気体交換器が、互いに同心となるように配置され
、
前記人工肺が、前記ハウジングの第1の端部に配置される第1の端部キャップと、前記ハウジングの第2の端部に配置される第2の端部キャップとをさらに備え、前記絶縁チャンバが、前記ハウジングの前記第2の端部の外側表面と前記第2の端部キャップの内側表面との間に部分的に画定される、人工肺。
【請求項2】
前記人工肺ハウジングの外側に配置され、前記絶縁チャンバに前記絶縁流体を提供するように構成される導管をさらに備える、請求項1に記載の人工肺。
【請求項3】
前記絶縁チャンバが、前記ハウジングの少なくとも一部分を囲む、請求項1に記載の人工肺。
【請求項4】
前記絶縁チャンバが、前記第2の端部キャップの内側表面に画定されるチャネルにより少なくとも部分的に画定される、請求項
1に記載の人工肺。
【請求項5】
前記第2の端部キャップの前記内側表面に画定される接続チャネルをさらに備え、前記接続チャネルが、熱交換流体入口チャネルと前記絶縁チャンバとの間を延在する、請求項
4に記載の人工肺。
【請求項6】
前記第2の端部キャップの前記内側表面に画定される追加の接続チャネルをさらに備え、前記追加の接続チャネルが、前記絶縁チャンバと熱交換流体出口チャネルとの間を延在する、請求項
5に記載の人工肺。
【請求項7】
前記接続チャネルおよび前記追加の接続チャネルが互いからオフセットされる、請求項
6に記載の人工肺。
【請求項8】
前記絶縁チャンバが、前記ハウジングの前記第2の端部において前記ハウジングから延在するフランジの内側表面と、前記第2の端部キャップの内側表面と、によって境界を画定される、請求項1に記載の人工肺。
【請求項9】
前記絶縁チャンバが、前記気体交換器の前記気体出口端部の周りを少なくとも部分的に延在する環状チャンバを含む、請求項1に記載の人工肺。
【請求項10】
前記絶縁流体が、前記人工肺に提供されている熱交換流体の流れの一部分を含む、請求項1に記載の人工肺。
【請求項11】
前記ハウジングの外側表面上に配置される絶縁材料をさらに備える、請求項1に記載の人工肺。
【請求項12】
血液入口および血液出口を有するハウジングであって、前記血液入口が、前記ハウジングの内側部分の中まで延在する、ハウジングと、
前記ハウジングの第1の端部に配置される第1の端部キャップと、
前記ハウジングの第2の端部に配置される第2の端部キャップと、
前記ハウジング内に配置される熱交換器であって、前記熱交換器が、入口端部において熱交換流体入口に結合される、熱交換器と、
前記ハウジング内に配置される気体交換器であって、前記気体交換器が、気体出口端部において気体交換流体出口に結合される気体交換繊維の束を含む、気体交換器と、
前記気体交換繊維の束の少なくとも前記気体出口端部を熱的に絶縁するために絶縁流体を受け取るように構成される絶縁チャンバであって、前記絶縁チャンバが、前記第2の端部キャップの内側表面に画定されるチャネルにより少なくとも部分的に画定される、絶縁チャンバと
を備え、
前記熱交換器及び前記気体交換器が、互いに同心となるように配置される、人工肺。
【請求項13】
前記絶縁流体が、前記人工肺に提供されている熱交換流体の流れの一部分を含む、請求項
12に記載の人工肺。
【請求項14】
前記ハウジングの外側表面上に配置される絶縁材料をさらに含む、請求項
12に記載の人工肺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、体外循環で血液を処理するための医療デバイスおよび方法に関する。より詳細には、本開示は人工肺に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]血液潅流は身体の血管を通る血液を促進することを伴う。この目的のために、血液潅流システムは、通常、患者の血管系と相互接続される体外循環路内で1つまたは複数のポンプを使用することを伴う。心肺バイパス手術は、通常、心臓および肺の機能を置き換えることにより静止した手術野を作るために心臓の一時的な停止を実現するための潅流システムを必要とする。このような隔離により、血管狭窄症、弁膜症、および先天性心臓欠陥の外科的整復を可能にする。心肺バイパス手術のために使用される潅流システムでは、心臓および肺の機能と置き換えるための少なくとも1つのポンプおよび酸素化デバイスを有する体外血液回路が確立される。
【0003】
[0003]より具体的には、心肺バイパス手技において、酸素の乏しい血液すなわち静脈血が、心臓に入る大静脈または身体内の他の静脈(例えば、大腿部)から重力により排液される(gravity-drain)かまたは真空吸引され、体外循環路内の静脈ラインを通して運搬される。静脈血が人工肺まで圧送され、人工肺が酸素を血液まで運搬するのを実現する。膜を横切るように運搬することによりまたは使用頻度の低い形としては血液を介して酸素を気泡化することにより、酸素が血液の中に導入され得る。同時に、二酸化炭素が膜を介して除去される。酸素を豊富に含有する血液(oxygenated blood)が濾過され、次に動脈ラインを通して、大動脈、大腿動脈、または他の動脈へと戻される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]いかなる人工肺の使用中も、人工肺の気体交換繊維(gas-exchange fiber)の中で蒸気凝結が発生する可能性がある。蒸気凝結が発生すると、気体交換性能の漸進的な低下により蒸気凝結が明らかになる場合がある。従来、正常な機能を取り戻すためには、潅流技師が気体交換器から凝結水を手動で除去する。これを行うことは容易ではないことが多い。したがって、蒸気凝結を低減および/または防止することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本明細書で開示される主題の実施形態は、血液入口および血液出口を有するハウジングであって、血液入口が、ハウジングの内側部分の中まで延在する、ハウジングと、ハウジング内に配置される熱交換器であって、熱交換器が、入口端部において熱交換流体入口に結合される、熱交換器と、ハウジング内に配置される気体交換器であって、気体交換器が、気体出口端部において気体交換流体出口に結合される気体交換繊維の束を含む、気体交換器と、気体交換繊維の束の少なくとも気体出口端部を熱的に絶縁するように構成される少なくとも1つの絶縁体と、を備える人工肺を含む。実施形態では、少なくとも1つの絶縁体が、絶縁材料および/または絶縁チャンバを備える。実施形態では、少なくとも1つの絶縁体が絶縁材料を含み、絶縁材料が透明である(例えば、透明塗料、被覆物、接着テープなど)。実施形態では、少なくとも1つの絶縁体が絶縁チャンバを含み、絶縁チャンバが絶縁流体を受け取るように構成される。絶縁流体は、人工肺に提供されている熱交換流体の流れの一部分を含んでもよい。実施形態では、導管が人工肺ハウジングの外側に配置され、絶縁チャンバに絶縁流体を提供するように構成される。実施形態では、絶縁チャンバが、ハウジングの少なくとも一部分を囲む。
【0006】
[0006]実施形態では、人工肺は、ハウジングの第1の端部に配置される第1の端部キャップと、ハウジングの第2の端部に配置される第2の端部キャップとを含み、絶縁チャンバが、ハウジングの第2の端部の外側表面と第2の端部キャップの内側表面との間に部分的に画定される。実施形態では、絶縁チャンバが、第2の端部キャップの内側表面内に画定されるチャネルにより少なくとも部分的に画定される。実施形態では、人工肺が、第2の端部キャップの内側表面に画定される接続チャネルをさらに含み、接続チャネルが、熱交換流体入口チャネルと絶縁チャンバとの間を延在する。実施形態では、人工肺が、第2の端部キャップの内側表面に画定される追加の接続チャネルをさらに含み、追加の接続チャネルが、絶縁チャンバと熱交換流体出口チャネルとの間を延在する。接続チャネルおよび追加の接続チャネルが互いからオフセットされてもよい。
【0007】
[0007]本明細書で開示される主題の実施形態は、血液入口および血液出口を有するハウジングであって、血液入口が、ハウジングの内側部分の中まで延在する、ハウジングと、ハウジング内に配置される熱交換器であって、熱交換器が、入口端部において熱交換流体入口に結合される、熱交換器と、ハウジング内に配置される気体交換器であって、気体交換器が、気体出口端部において気体交換流体出口に結合される、気体交換器と、気体交換繊維の束の少なくとも気体出口端部を熱的に絶縁するために絶縁流体を受け取るように構成される絶縁チャンバと、を備える人工肺を含む。実施形態によると、人工肺が、ハウジングの外側表面上に配置される絶縁材料(例えば、透明塗料、被覆物、接着テープなど)を含む。実施形態では、絶縁チャンバが、ハウジングの少なくとも一部分を囲む。実施形態では、人工肺が、ハウジングの第1の端部に配置される第1の端部キャップと、ハウジングの第2の端部に配置される第2の端部キャップとをさらに含み、絶縁チャンバが、ハウジングの第2の端部の外側表面と、ハウジングから延在するフランジの内側表面と、第2の端部キャップの内側表面と、によって境界を画定される。実施形態では、絶縁チャンバが、気体交換器の気体出口端部の周りを少なくとも部分的に延在する少なくとも部分的に環状であるチャンバを含む。実施形態では、絶縁流体が、人工肺に提供されている熱交換流体の流れの一部分を含む。
【0008】
[0008]本明細書で開示される主題の実施形態は、血液入口および血液出口を有するハウジングであって、血液入口が、ハウジングの内側部分の中まで延在する、ハウジングと、ハウジングの第1の端部に配置される第1の端部キャップと、ハウジングの第2の端部に配置される第2の端部キャップであって、絶縁チャンバが、ハウジングの第2の端部の外側表面と第2の端部キャップの内側表面との間に部分的に画定される、第2の端部キャップと、ハウジング内に配置される熱交換器であって、熱交換器が、入口端部において熱交換流体入口に結合される、熱交換器と、ハウジング内に配置される気体交換器であって、気体交換器が、気体出口端部において気体交換流体出口に結合される気体交換繊維の束を含む、気体交換器と、気体交換繊維の束の少なくとも気体出口端部を熱的に絶縁するために絶縁流体を受け取るように構成される絶縁チャンバであって、絶縁チャンバが、第2の端部キャップの内側表面に画定されるチャネルにより少なくとも部分的に画定される、絶縁チャンバと、を備える人工肺を含む。
【0009】
[0009]複数の実施形態が開示されるが、開示される主題の例示の実施形態を示して説明する以下の詳細な説明から、本開示の別の実施形態が当業者には明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示としてみなされるべきであり、限定的とみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[0010]開示される主題の実施形態による例示の人工肺の概略図である。
【
図2】[0011]開示される主題の実施形態による、
図3に描かれる線B-Bに沿った、例示の人工肺の部分断面側面図である。
【
図3】[0012]開示される主題の実施形態による、
図2に描かれる例示の人工肺の端部キャップの断面図である。
【
図4】[0013]開示される主題の実施形態による、
図3に描かれる線A-Aに沿った、
図2および
図3に描かれる例示の人工肺の別の部分断面側面図である。
【
図5】[0014]開示される主題の実施形態による例示の人工肺の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0015]開示される主題は種々の修正形態および代替形態に順応するが、図面には例として具体的な実施形態が示されており、これらの具体的の実施形態を以下で詳細に説明する。しかし、本発明は、本開示を、説明される特定の実施形態のみに限定するものではない。逆に、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内にあるすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含することを意図される。
【0012】
[0016] 有形物(例えば、製品、原材料など)および/または無形物(例えば、データ、通貨の電子的表現、アカウント、情報、物の割り当て(例えば、パーセンテージ、割合)、計算、データモデル、力学系モデル、アルゴリズム、パラメータ、など)の測定値(例えば、寸法、特性、属性、成分、など)および測定値の範囲に関連する用語が本明細書で使用される場合、記述される測定値を含み、さらには記述される測定値に妥当な程度で近似するが:測定誤差;測定の差異および/または製造設備の較正;測定の読み取りおよび/または設定の人為ミス;他の測定値(例えば、他の物に関連する測定値)を考慮した上で性能パラメータおよび/または構造パラメータを最適化するために行われる調整;特定の実装形態のシナリオ;人間による、計算デバイスによる、および/または機械による、物、設備、および/または測定の不正確な調整および/または操作;システム許容誤差;制御ループ;機械学習;予見可能な変化量(例えば、統計的に有意ではない変化量、カオス的変化、システムおよび/またはモデルの不安定さ、など);ならびに/あるいは、好みの設定;など、に起因するものであることを当業者によって理解されて容易に認識されるくらいの妥当なわずかな程度で異なっていてよいすべての測定値を含む、測定値を意味することを目的として、「約」および「概略」が交換可能に使用され得る。
【0013】
[0017]例示的に採用される異なる要素を暗示するために「ブロック」という用語が使用され得るが、この用語は、本明細書で開示される種々のブロックの要求事項またはそれらの間での特定の順序を暗に意味するものとして一切解釈されるべきではない。同様に、1つまたは複数の図面(例えば、流れ図、通信フローなど)により例示の方法が表され得るが、これらの図面は、本明細書で開示される種々のステップの要求事項またはそれらの間での特定の順序を暗に意味するものとして一切解釈されるべきではない。しかし、特定の実施形態が、本明細書で明示的に説明され得るようなおよび/またはステップ自体の性質から理解され得るような、特定のステップを、および/または特定のステップの間の特定の順序を必要とする場合もある(例えば、いくつかのステップの履行が種々のステップの成果によって左右される可能性がある)。また、項目(例えば、入力、アルゴリズム、データ値、など)の「セット」、「サブセット」、または「グループ」は、1つまたは複数の項目を含んでよく、また同様に、項目のサブセットまたはサブグループは、1つまたは複数の項目を含んでよい。「複数の」は2つ以上であることを意味する。
詳細な説明
[0018]中空繊維人工肺では、血液が繊維の外側を循環させられ、対して気体が内部を流れる。酸素を含有する中空繊維の束(oxy hollow fiber bundle)の大部分の中の気体温度が実質的に一様であり、血液温度と同等になる傾向を有し、次に血液温度も熱交換流体の温度と同等になる傾向を有する。したがって、酸素を含有する束の大部分の中では、繊維微小孔を介することにより血液からのCO2で抽出される、気体に含有される水蒸気が凝結する可能性は低い。その理由は、一般に、気体と血液との間に実質的に温度差がないからである。しかし、気体温度は、しばしば、気体交換器の気体出口端部に向かうにつれて大幅に低下し、気体出口端部では繊維が注封用容積部分に接触し(気体より低い温度で)、注封用容積部分が冷却要素のように振る舞い、繊維内部で水蒸気の凝結を引き起こす。
【0014】
[0019]本明細書で開示される主題の実施形態は、この温度差を低減するのを促進し、ひいては気体交換繊維内での凝結の発生を低減する。実施形態では、絶縁体が気体交換器の気体出口端部に隣接して配置される。絶縁体が、気体交換器の気体出口端部(また、一部の事例では、人工肺ハウジングの少なくとも一部分)に隣接して配置される絶縁チャンバを有することができ、絶縁流体を受け取るように構成され、実施形態では、絶縁流体が熱交換流体の流れの一部分であってもよい。実施形態では、絶縁体が、人工肺ハウジングの外部表面に付着され得る絶縁材料を含むことができる。実施形態が、絶縁チャンバおよび絶縁材料の両方を含んでもよい。
【0015】
[0020]本開示は血液処理装置に関連し、血液処理装置が、種々の実施形態によると、気体交換器(一般には人工肺とも称される)を有し、実施形態では、熱交換器をさらに有する。実施形態では、「人工肺」という用語が、例えば、独立型の気体交換器、または単一デバイス内で気体交換器を別のシステム(例えば、熱交換器)と組み合わせる一体化される構造、などの、気体交換処理を実施するように構成される血液処理装置を意味するのに使用され得る。実施形態では、例えば、熱交換器および気体交換器が、他の構成要素の内部に位置する1つの構成要素と同心となるように配置される。他の実施形態によると、熱交換器および気体交換器が、互いに動作可能に結合される構造的に別個の構造である。実施形態では、人工肺が体外血液回路で使用され得る。バイパス手技で使用され得るような体外血液回路は、人工心肺装置、血液リザーバ、さらには人工肺などの、複数の異なる要素を含むことができる。人工肺は、体外膜酸素化(ECMO:extracorporeal membrane oxygenation)などの手技でも、および/または同様の手技などでも使用され得る。
【0016】
[0021]
図1は人工肺100の概略図である。人工肺100は気体交換器を有することができ、実施形態では、熱交換器を有することができる。実施形態では、人工肺100が、例えば血液フィルタおよび/または血液ポンプなどの、任意の数の他のデバイスを含むことができる。実施形態によると、熱交換器および気体交換器が人工肺100内で一体化され得る。人工肺100が、ハウジング102と、ハウジング102の第1の端部106に固着される第1の端部キャップ104と、ハウジング102の第2の端部110に固着される第2の端部キャップ108とを有する。実施形態では、第1の端部キャップ104および/または第2の端部キャップ108が定位置で接着的に固着され得る。実施形態では、第1の端部キャップ104および/または第2の端部キャップ108が定位置にスナップ嵌合されることなどを行われ得るか、および/またはハウジング102のそれらのそれぞれの端部上にねじ込まれることなどを行われ得る。
【0017】
[0022]実施形態では、ハウジング102が、ハウジング102を他のデバイスに取り付けるのを可能にする構造を有することができる。ハウジング102が概略円筒形状として示されているが、実施形態では、ハウジング102が任意の数の異なる形状を有してもよい(例えば、長方形断面形状または他の平行四辺形断面形状、長円断面形状、など)。人工肺100が熱交換器および気体交換器を有するような実施形態では、熱交換器および気体交換器の各々がほぼ等しい断面形状を有してもよいか、または各々が異なる断面形状を有してもよい。実施形態では、熱交換器が気体交換器の内部にあってもよい。実施形態では、熱交換器および気体交換器が同心であってもよい。
【0018】
[0023]実施形態では、血液入口112がハウジング102の中まで延在し、血液出口114がハウジング102から外に出る。示される人工肺100が、気体交換流体(空気、酸素、および/または酸素と他の気体との混合物、など)を人工肺100に提供するのを促進するように構成される気体交換流体入口116と、人工肺100から気体交換流体を除去するのを促進するように構成される気体交換流体出口118と、水などの熱交換流体を人工肺100に提供するのを促進するように構成される熱交換流体入口120と、例えば示される実施形態では熱交換流体入口120の後方にある、人工肺100から熱交換流体を除去するのを促進するように構成される熱交換流体出口122と、を有する。実施形態では、熱交換流体入口120がハウジング102の一方の端部に配置され得、対して熱交換流体出口122がハウジング102の反対側の端部に配置され得る。熱交換流体入口120が、ハウジング102内に配置される熱交換器に熱交換流体を提供するのを促進するように構成される。また、実施形態では、熱交換流体入口120が、気体交換流体出口領域に隣接して配置される絶縁チャンバ124に熱交換流体を提供するのを促進するように構成され得、それにより血液と人工肺100から外に出る気体との間の温度勾配を低減するのを促進する。実施形態では、人工肺100が、絶縁チャンバ124に結合される分離された熱交換流体入口を有することができる。実施形態では、人工肺100が、熱交換流体の一部分を、熱交換器から絶縁チャンバ124まで、および/または絶縁チャンバ124から熱交換器まで、移送するのを促進する、ハウジング102の外側または内部に配置される導管を有することができる。このようにして、本明細書で開示される主題の実施形態が、気体交換器内での凝結を低減するのを促進するように構成され得る。
【0019】
[0024]実施形態では、血液入口112および/または気体交換流体入口116が第1の端部キャップ104と一体に形成され得る。例えば、いくつかの事例では、第1の端部キャップ104が、射出成形部品の一部分として形成される血液入口112および/または気体交換流体入口116と共に射出成形され得る。実施形態では、第1の端部キャップ104がアパーチャを有するように形成され得、血液入口112および/または気体交換流体入口116がこのアパーチャに結合され得る。同様に、実施形態では、熱交換流体入口120および/または熱交換流体出口122が第2の端部キャップ108と一体に形成され得る。例えば、いくつかの事例では、第2の端部キャップ108が、射出成形部品の一部分として形成される熱交換流体入口120および/または熱交換流体出口122と共に射出成形され得る。同様に、実施形態では、第2の端部キャップ108が、射出形成部品の一部分として形成される気体交換流体出口118と共に射出成形され得る。実施形態では、第2の端部キャップ108がアパーチャを有するように形成され得、熱交換流体入口120、熱交換流体出口122、および/または気体交換流体出口118のうちの1つまたは複数がこのアパーチャに結合され得る。実施形態では、熱交換流体入口120および熱交換流体出口122のうちの一方が第1の端部キャップ104内に位置してもよく、対して熱交換流体入口120および熱交換流体出口122のもう一方が第2の端部キャップ108内に位置してもよい。実施形態では、熱交換流体入口120および熱交換流体出口122が第1の端部キャップ104内に位置してもよく、対して他の実施形態で、熱交換流体入口120および熱交換流体出口122が第2の端部キャップ108内に位置してもよい。
【0020】
[0025]実施形態では、人工肺が、人工肺の内部から気泡を除去するのに使用され得るパージポート126を有することができる。パージポート126が、外に出る血液と混合される気体(例えば、気泡)を人工肺100から放出するかまたは吸引して除去するのを可能にするように構成され得る。ハウジング102を基準とした、入口、出口、およびパージポートの位置は単に例示であり、他の配置および構成も想定される。
【0021】
[0026]実施形態によると、人工肺100が、人工肺100から環境への熱分散を低減するように構成される、ハウジング102上に配置される絶縁材料を有することができる。絶縁材料が、絶縁チャンバの代わりにまたは絶縁チャンバに加えて、採用され得る。「絶縁体」という用語は、絶縁材料および/または絶縁チャンバを意味していてよい。実施形態によると、任意の数の異なる種類の絶縁材料がハウジング102の上またはその中に提供され得、実施形態では、複数の絶縁材料が同時に使用され得る。実施形態では、絶縁材料が、例えば、BASF Top Coat 603 Full White、Clear Coat Tixo Opaque 10 Gloss GP31-0436、および/または同様のもの、などの、低い熱伝導性を有する透明(または、少なくとも部分的に透明)の被覆物または塗料を例えば有することができる。
【0022】
[0027]実施形態では、絶縁材料が、ハウジング102の外側表面および/またはハウジング102の内側表面に着脱自在にまたは永久的に固定され得る。例えば、実施形態では、絶縁材料が、ハウジング102の少なくとも一部分の周りに被着される1つまたは複数のブランケットを有することができる。ブランケットを折り曲げるか、束ねるか、または他の形で取り扱うことにより;接着剤を使用することにより;ならびに/あるいは機械固定具を使用することなどにより(例えば、留め金、クリップ、など)、ブランケットが定位置で固着され得る。実施形態では、絶縁ブランケットが、ネオプレンおよび/またはアルミ箔などで作られ得る。実施形態によると、絶縁材料が、ハウジングの外側表面の少なくとも一部分の周りに被着される例えば絶縁テープ128などの、絶縁接着剤であってもよい。例えば、一片の絶縁テープ128が、一束の気体交換繊維の気体出口端部に隣接するハウジング102の端部の周りに被着され得る。絶縁材料を人工肺ハウジング102に付着させることにより、デバイスから環境への熱分散が低減され得、それにより血液/気体の温度勾配を低減することができ、ひいては気体交換繊維内の凝結を阻害することができる。
【0023】
[0028]
図1に示される例示の人工肺100は本開示の実施形態の使用または機能の範囲に関しての制限を示唆することを一切意図されない。例示の人工肺100は、本明細書で示される任意の単一の構成要素または構成要素の組み合わせに関連するなんらかの従属物または必需品を有するものとして解釈されるべきではない。また、
図1に描かれる種々の構成要素は、実施形態において、本明細書で描かれる他の構成要素のうちの種々の構成要素(および/または示されない構成要素)と一体化されてよく、これらの他の構成要素のすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0024】
[0029]
図2~4が、開示される主題の実施形態による、断熱チャンバを有する例示の人工肺200を描いている。
図2が、
図3に描かれるB-Bに沿った、人工肺200の部分断面側面図であり;
図3が、
図2に描かれる人工肺200の、C-Cに沿った、第2の端部キャップの断面図であり;
図4が、
図3に示される、A-Aに沿った、人工肺200の別の側断面図である。実施形態では、人工肺200が、
図1に描かれる人工肺100と同様のものであってもよいか、人工肺100を含んでよいか、または人工肺100に含まれてよい。
【0025】
[0030]人工肺200は、ハウジング202の第1の端部(図示せず)に結合される第1の端部キャップ(図示せず)と、ハウジング202の第2の端部206に結合される第2の端部キャップ204とを有するハウジング202を含む。図示されるように、例示の人工肺200は、熱交換器208と、気体交換器210とを含む。熱交換器208は、熱交換器コア212と、熱交換器コア212の周りに同軸に配置される熱交換要素214とを含む。種々の実施形態によると、熱交換器コア212は任意の数の異なる種類の構成を有することができ、および/または人工肺200を通る所望の血流量を与えるように構成される任意の数の構造部を有することができる。例えば、熱交換器コア212は、リブ構造部、窪み部分、および/または同様のものを含んでもよい。
【0026】
[0031]実施形態では、熱交換器要素214は、複数の中空繊維を含むことができ、中空繊維を通って水などの熱交換流体が流れることができる。熱交換器要素214の繊維が束ねられ、その束が、その入口端部216において、熱交換流体入口チャネル(換言すれば、流路)218に結合され、熱交換流体入口チャネル218が、流入する熱交換流体220が熱交換流体入口222から繊維の束まで流れるのを可能にするように構成される。血液が、中空繊維の周りを、および中空繊維を通過するように、流れることができ、それにより適切に加熱され得る。種々の実施形態によると、中空繊維が約0.2ミリメートルから約1.0ミリメートルの間の外径を有することができ、より具体的には約0.25ミリメートルから約0.5ミリメートルの間の外径を有することができる。中空繊維が、例えば約20ミリメートルから約200ミリメートルの範囲の幅を有することができるマットに編み込まれてよい。実施形態では、マットが1つの断面構成として配置される。実施形態によると、熱交換要素214がひだのある複数の薄層金属表面(例えば、金属プレートまたはシートのアレイ)を含むことができる。熱交換器要素214が任意の数の他の種類の熱交換媒体および/または熱交換構造を含んでもよい。
【0027】
[0032]円筒形シェル224が熱交換器要素214の周りに同軸に配置され、気体交換器210が円筒形シェル224の周りに同軸に配置される。参考としては、図に描かれるように、円筒形シェル224および気体交換器210が垂直方向の中心軸215を共有することができる。実施形態では、気体交換器210が複数の微多孔中空気体交換繊維を含むことができ、微多孔中空気体交換繊維を通って気体交換流体226(例えば、酸素、酸素と1つまたは複数の他の気体との混合物、空気、などの気体)が流れることができる。気体交換器210の繊維が束ねられ、この束がその入口端部(図示せず)において入口流れカプラ(図示せず)に結合され、入口流れカプラが気体交換流体入口(図示せず)からの流入する気体交換流体226を繊維の束まで提供するように構成される。同様に、気体交換繊維の束が気体出口端部228において気体交換流体出口チャネル230に結合され得、気体交換流体出口チャネル230が気体交換流体226を束から気体交換流体出口232まで提供するように構成される。血液が、中空繊維の周りを、および中空繊維を通過するように、流れることができる。濃度勾配を理由として、酸素が微多孔中空繊維を通って血液の中へ拡散することができ、対して二酸化炭素が中空繊維の中へ拡散することができ、血液から出ることができる。実施形態では、中空繊維が、ポリプロピレン、ポリエステル、または任意適切な他のポリマーまたはプラスチックの、微孔性の疎水性材料で作られてよい。種々の実施形態によると、中空繊維が約0.38ミリメートルの外径を有する。実施形態によると、微多孔中空繊維が約0.2ミリメートルから1.0ミリメートルの間の直径を有することができ、より具体的には約0.25ミリメートルから約0.5ミリメートルの間の直径を有することができる。中空繊維が、例えば約20ミリメートルから約200ミリメートルの範囲の幅を有することができるマットに編み込まれてよい。実施形態では、マットが1つの断面構成として配置される。
【0028】
[0033]実施形態によると、気体交換繊維のおよび/または熱交換繊維または金属表面の端部が、端部キャップ204に隣接する注封材料(例えば、注封用樹脂)234内に埋め込まれてもよい。実施形態では、絶縁チャンバ236が、ハウジング202の第2の端部206におけるフランジ242の内側表面の第1の部分238と、フランジ242の内側表面の第2の部分240と、端部キャップ204の内側表面244との間に画定され得る。実施形態では、フランジ242がハウジング202に一体化され得、この事例では、フランジ242がハウジング202の一部分としてみなされてもよい。実施形態では、フランジ242が、例えば、別個に構成されてハウジングに結合され得る。
【0029】
[0034]絶縁チャンバ236が、気体出口端部246と、気体交換器208の気体交換移行チャネル248と、気体交換流体出口チャネル230とに隣接して配置され得る。絶縁チャンバ236が、(概して)特定の温度でまたは概して特定の温度範囲内で気体交換流体226を維持するのを促進する絶縁流体を受け取るように構成され得る。この温度および/または温度範囲は、気体交換繊維内での凝結の発生を低減するように選択され得る。実施形態では、示されるように、絶縁チャンバ236が、気体交換器208の気体出口端部246の少なくとも一部分の周りを同軸に延在する環状(または、少なくとも部分的に環状である)チャンバを有することができる。この事例では、気体交換移行チャネル248が流体出口チャネル230の一部分であってもよい。
【0030】
[0035]実施形態では、絶縁チャンバ236が、任意の数の異なる形状に従って、任意の数の多様な位置を有するように設計され得る。実施形態では、絶縁チャンバ236が複数の異なるチャンバ(例えば、半環状チャンバ)であってもよく、実施形態では、これらのチャンバのうちの2つ以上のチャンバが、それらの間を絶縁流体が移動するのを可能にするように接続され得る。実施形態では、絶縁チャンバ236が、端部キャップ204の一部分、端部キャップ204の全体、ハウジング202の一部分、および/またはハウジング202全体などを囲むように構成され得る。絶縁チャンバ236が、一定の深さ(つまり、端部キャップ204の内側表面244によって境界を画定されるチャンバ236の端部と内側表面240の対向部分288との間の距離)および/または、幅(つまり、表面238とフランジ242の内側表面240の対向部分300との間の距離)を有するように構成され得る。実施形態では、例えば、フランジ242が、ハウジング202に隣接するところに可変の容積を提供する湾曲構成を有することができる。
【0031】
[0036]実施形態では、絶縁流体が熱交換流体220と同じであってもよく、一方で他の実施形態では、絶縁流体が別の種類の流体であってもよい。絶縁流体が熱交換流体とは異なる実施形態では、人工肺200が、人工肺に入るおよび人工肺から出る絶縁流体の循環を促進するように構成される、絶縁流体入口(図示せず)、および/または絶縁流体出口(図示せず)を有することができる。実施形態では、加熱デバイス(図示せず)が、人工肺200に対して絶縁流体が提供される前に絶縁流体の温度を修正する(例えば、上昇させる)ために提供され得る。
【0032】
[0037]絶縁流体が熱交換器208の熱交換流体220と同じである実施形態では、人工肺200に提供されている熱交換流体220の流れの第1の部分が熱交換器208に提供され得、対して人工肺200に提供されている熱交換流体220の第2の部分が絶縁チャンバ236に提供され得る。つまり、例えば、熱交換流体入口チャネル218が、熱交換流体入口チャネル218の境界を画定する内壁表面254内に画定されるアパーチャ252を介して、熱交換流体入口222から熱交換流体入口チャネル218の中まで流れる流入する熱交換流体220の第1の部分250が熱交換器208まで流れるのを可能にするように、ならびに流入する熱交換流体220の第2の部分256が熱交換流体入口チャネル218の境界を画定する内壁表面254から第1の接続チャネル262の境界を画定する内壁表面260まで延在するアパーチャ258を介して、第1の接続チャネル262を通って絶縁チャンバ236の中まで流れるのを可能にするように、構成され得る。このようにして、熱交換流体220の新鮮な供給分が絶縁チャンバ236を通るように連続的に(または、継続的に)移動させられ得る。
【0033】
[0038]第2の接続チャネル264が、端部キャップ204の内側表面244内に画定されるアパーチャ266から、熱交換流体出口チャネル272の境界を画定する内壁表面270内に画定されるアパーチャ268まで、延在する。絶縁チャンバ236から熱交換流体出口チャネル272の中まで流れる熱交換流体の部分274が、熱交換器208から外に出る流体の部分276に合流して、内壁表面270内に画定されるアパーチャ278を介して、熱交換出口282まで流れる。
図3に示されるように、接続チャネル262および264が線A-Aによって示されるように互いからオフセットされて(換言すれば、ずれて)配置され得る。他の実施形態では、接続チャネル262および264が互いに一直線上にある。接続チャネル262および264が、人工肺に入る熱交換流体の一定の流量との組み合わせで、絶縁チャンバ236の中に流れる熱交換流体の部分に対して一定の流量を与えるような特定のサイズ(例えば、直径)を有するように構成され得る。このようにして、例えば、絶縁チャンバ236に付随する流体の多様な流量が、多様な端部キャップを置き換えることによって選択され得、多様な端部キャップの各々が、対応する流量を与えるようにおよび、ひいては血液/気体の温度勾配に影響を与えるようにサイズ決定される、接続チャネル、入口チャネル、および/または出口チャネルを有する。
【0034】
[0039]
図2~
図4に示されるように、絶縁チャンバ236が、気体交換器210の気体出口端部246を囲み、さらには気体交換流体出口チャネル230および気体交換移行チャネル248を囲む。示されるように、絶縁チャンバ236;チャネル218、230、272、248;ならびに、接続チャネル262および264が、端部キャップ204の内側表面286内に画定され得る。例えば、実施形態では、端部キャップが、構造部218、230、236、262、264、272、および248のうちの任意の1つまたは複数の構造部を含むように製造され得る。他の実施形態では、絶縁チャンバ236;チャネル218、230、272、248;ならびに接続チャネル262および264、のうちの1つまたは複数が、ハウジング202の1つまたは複数の部分の中に画定され得るか、ハウジング202の1つまたは複数の部分と端部キャップ204の内側表面286の1つまたは複数の部分との組み合わせによって画定され得るか、ならびに/あるいは端部キャップ204とハウジング202(および/または、熱交換器208、気体交換器、など)との間に配置されるように構成される挿入部分(フランジ242など)内に画定され得る、などである。
【0035】
[0040]
図2~
図4に示される例示の人工肺200は、本開示の実施形態の使用または機能の範囲に関しての制限を示唆することを一切意図されない。例示の人工肺200は、本明細書で示される任意の単一の構成要素または構成要素の組み合わせに関連するなんらかの従属物または必需品を有するものとして解釈されるべきではない。また、
図2~
図4に描かれる種々の構成要素は、実施形態において、本明細書で描かれる他の構成要素のうちの種々の構成要素(および/または示されない構成要素)と一体化されてもよく、これらの他の構成要素のすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0036】
[0041]上で説明したように、実施形態は、人工肺のハウジングの少なくとも一部分の周りに配置される絶縁チャンバを有する人工肺を含んでもよい。これは特に小型のCPBまたはECMO人工肺の事例に当てはまる。
図5は、開示される主題の実施形態による、絶縁チャンバを有する例示の人工肺の概略図である。
【0037】
[0042]
図5は、開示される主題の実施形態による、小型のCPBのオペレーションで使用されるように構成される例示の人工肺500を描いている。実施形態によると、人工肺500が、
図1に描かれる人工肺100および/または
図2~
図4に描かれる人工肺200と同様のものであってもよいか、人工肺100および/または人工肺200を含んでよいか、人工肺100および/または人工肺200に含まれてよいか、あるいは人工肺100および/または人工肺200と同様の構造部を有してもよい。示されるように、人工肺500が、ハウジング502と、ハウジングの第1の端部506に配置される第1の端部キャップ504と、ハウジング502の第2の端部510に配置される第2の端部キャップ508とを有する。絶縁チャンバ512がハウジング502の少なくとも一部分の周りに配置される。つまり、実施形態では、絶縁チャンバ512がハウジング502の外側表面に結合され得、一方で他の実施形態では、絶縁チャンバ512がハウジング内に画定され得、例えばハウジングの外側表面の直下に画定され得る。示されるように、絶縁チャンバ512が、ハウジング502の第1の端部506からハウジング502の第2の端部510まで延在する。他の実施形態では、絶縁チャンバ512が、ハウジング502の第1の端部506と第2の端部510との間の一部分のみを延在する。同様に、実施形態では、絶縁チャンバ512が、ハウジング502の円周全体の周りで(ハウジング502の内側で、またはハウジング502の外側で)円周方向に配置され得るか、ハウジング502の円周の周りの一部分のみを延在してもよい(ハウジング502の内側で、またはハウジング502の外側で)。
【0038】
[0043]
図5に示されるように、絶縁チャンバ512が、絶縁流体を絶縁流体供給源(例えば、流体加熱デバイス、リザーバまたは容器、熱交換器など)から絶縁チャンバ512に提供するように構成される絶縁流体入口514を有する。絶縁チャンバ512が、絶縁チャンバ512から絶縁流体を除去するのを促進するように構成される絶縁流体出口516をさらに有する。実施形態では、絶縁流体入口514が、人工肺500の中におよび/または人工肺500の外側に配置される導管520を介して熱交換流体入口518に結合され得る。実施形態では、例えば、第1の入口導管(図示せず)が、熱交換流体入口518から、ハウジング502内に配置される熱交換器(図示せず)まで延在してもよく、第2の入口導管(図示されないが、520において概念的に示される)が、熱交換流体入口518から、または第1の入口導管から、ハウジング502の中におよび/またはハウジング502の外側に画定され得る絶縁流体入口514まで、延在してもよい。同様に、第1の出口導管(図示せず)が熱交換器から熱交換流体出口522まで延在してもよく、第2の出口導管(図示されないが、524において概念的に示される)が、絶縁流体出口516(ハウジング502内におよび/またはハウジング502の外側に配置され得る)から、熱交換流体出口522まで、または第1の出口導管まで、延在してもよい。
【0039】
[0044]
図5に示される例示の人工肺500は、本開示の実施形態の使用または機能の範囲に関しての制限を示唆することを一切意図されない。例示の人工肺500は、本明細書で示される任意の単一の構成要素または構成要素の組み合わせに関連するなんらかの従属物または必需品を有するものとして解釈されるべきではない。また、
図5に描かれる種々の構成要素は、実施形態において、本明細書で描かれる他の構成要素のうちの種々の構成要素(および/または示されない構成要素)と一体化されてよく、これらの他の構成要素のすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0040】
[0045]本開示の範囲から逸脱することなく、考察される例示の実施形態に対して種々の修正および追加が行われ得る。例えば、上述の実施形態は特定の構造部を参照するものであるが、本開示の範囲は、構造部の多様な組み合わせを有する実施形態、および説明される構造部のすべてを含むわけではない実施形態をさらに含む。したがって、本開示の範囲は、特許請求の範囲の範囲内にあるようなすべての代替形態、修正形態、および変形形態を、そのすべての均等物と併せて、含有することを意図される。